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JP2015049194A - 構造物の非破壊検査装置及び検査システム - Google Patents

構造物の非破壊検査装置及び検査システム Download PDF

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JP2015049194A JP2013182357A JP2013182357A JP2015049194A JP 2015049194 A JP2015049194 A JP 2015049194A JP 2013182357 A JP2013182357 A JP 2013182357A JP 2013182357 A JP2013182357 A JP 2013182357A JP 2015049194 A JP2015049194 A JP 2015049194A
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Koichi Kajiyama
康一 梶山
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通伸 水村
吉司 小川
Kichiji Ogawa
吉司 小川
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Abstract

【課題】自走機構部で検査対象の構造物に沿って移動しながら前記構造物に加熱用の赤外線を照射すると共にその赤外線照射により構造物の温度が変化するのを測定して、前記構造物の広い範囲に亘って内部欠陥を自動的に検査する。【解決手段】検査対象の構造物3に加熱用の赤外線を照射する赤外線照射部、前記赤外線照射部の赤外線照射により構造物の温度が変化するのを測定する温度変化測定部、前記赤外線照射部及び温度変化測定部の駆動制御及びデータ集積を行う駆動制御・集積部を搭載する検査装置本体1と、前記検査装置本体1を前記構造物3に沿って移動可能とする自走機構部2とを含み、前記自走機構部2で検査対象の構造物3に沿って移動しながら前記構造物3に加熱用の赤外線を照射すると共にその赤外線照射により構造物3の温度が変化するのを測定して前記構造物3の内部欠陥を検査するものである。【選択図】図1

Description

本発明は、検査対象の構造物に赤外線を照射して前記構造物の内部欠陥を検査する非破壊検査装置に関し、詳しくは、自走機構部で検査対象の構造物に沿って移動しながら前記構造物に加熱用の赤外線を照射すると共にその赤外線照射により構造物の温度が変化するのを測定して、前記構造物の広い範囲に亘って内部欠陥を自動的に検査する構造物の非破壊検査装置及び検査システムに係るものである。
従来のこの種の構造物の内部欠陥検査装置は、赤外線を構造物に照射する赤外線光源と、前記赤外線光源に接続された赤外線照射時間制御装置と、前記赤外線照射時間制御装置に接続され、前記赤外線光源により照射された構造物を撮影する撮影器と、前記撮影器に接続され、該撮影器で撮影した画像を蓄積する画像蓄積装置と、前記赤外線照射時間制御装置、画像蓄積装置に夫々接続され、前記画像蓄積装置で蓄積した画像を解析する画像解析装置とを具備して構成されていた(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−201474号公報
しかし、特許文献1に記載の構造物の内部欠陥検査装置においては、例えば、検査対象の構造物としてのトンネルの内壁面の劣化を検査する場合、少なくとも前記赤外線光源及び撮影器は移動用車両(搬送用自動車)に搭載し、前記搬送用自動車をトンネル内にて一定速度で移動させながら赤外線光源から赤外線をトンネル内壁面に照射して検査するものであった。この場合は、搬送用自動車をトンネル内で走らせるため、他の自動車等の通行の妨げになる。これを避けるためには、夜間等の通行車両が少ない時間帯を選んだり、トンネル内壁面の劣化検査をする頻度を下げなければならなかった。また、搬送用自動車の運転者を必要とし、さらに、トンネルの内壁面を全面に亘って検査するためには、赤外線をトンネル内壁面の広い範囲に亘って照射する操作者も必要とし、自動的に検査することはできなかった。
そこで、このような問題点に対処し、本発明が解決しようとする課題は、自走機構部により検査対象の構造物に沿って移動しながら前記構造物に加熱用の赤外線を照射すると共にその赤外線照射により構造物の温度が変化するのを測定して、前記構造物の広い範囲に亘って内部欠陥を自動的に検査する構造物の非破壊検査装置及び検査システムを提供することにある。
前記課題を解決するために、第1の発明による構造物の非破壊検査装置は、検査対象の構造物に加熱用の赤外線を照射する赤外線照射部と、前記赤外線照射部の赤外線照射により構造物の温度が変化するのを測定する温度変化測定部と、前記赤外線照射部及び温度変化測定部の駆動制御及びデータ集積を行う駆動制御・集積部と、前記赤外線照射部、温度変化測定部及び駆動制御・集積部を搭載する筐体を前記構造物に沿って移動可能とする自走機構部と、を含み、前記自走機構部で検査対象の構造物に沿って移動しながら前記構造物に加熱用の赤外線を照射すると共にその赤外線照射により構造物の温度が変化するのを測定して前記構造物の内部欠陥を検査するものである。
そして、前記赤外線照射部及び温度変化測定部は、水平方向の回転軸周りにそれぞれ独立に回転可能としてもよい。
また、前記赤外線照射部は、加熱レーザ光を発振する赤外線レーザとしてもよい。
さらに、前記温度変化測定部は、構造物に対して測定レーザ光を照射すると共にその反射光を検出して前記構造物の反射率を測定するレーザ受発光器としてもよい。
さらにまた、前記温度変化測定部は、構造物からの赤外線放射量を検出して前記構造物の温度変化を測定する赤外線検出器としてもよい。
また、前記自走機構部は、構造物に沿って延びる路面上に設置されたガイドレールを利用して前記筐体の支持部材を保持し、前記ガイドレールの案内により前記支持部材が路面上を自走可能に構成してもよい。
さらに、前記自走機構部は、断面半円弧状の内壁面を有する構造物の前記内壁面に沿うアーチ形に形成されると共に前記筐体を保持する可動支持部材を有し、該可動支持部材の両端の台部材が路面上を自走可能に構成してもよい。
さらにまた、前記筐体は、その移動方向前方を監視するための監視カメラを備えたものとしてもよい。
なお、前記自走機構部を前記構造物に沿って往復移動可能とし、少なくとも前記赤外線照射部及び温度変化測定部は前記往復移動の両方向に対応させて一対設けてもよい。
また、第2の発明による構造物の検査システムは、検査対象の構造物に加熱用の赤外線を照射する赤外線照射部と、前記赤外線照射部の赤外線照射により構造物の温度が変化するのを測定する温度変化測定部と、前記赤外線照射部及び温度変化測定部の駆動制御及びデータ集積を行う駆動制御・集積部と、前記赤外線照射部、温度変化測定部及び駆動制御・集積部を搭載する筐体を前記構造物に沿って移動可能とする自走機構部と、前記駆動制御・集積部で取得した検査データを外部へ送る通信ユニットとを備え、前記自走機構部で検査対象の構造物に沿って移動しながら前記構造物に加熱用の赤外線を照射すると共にその赤外線照射により構造物の温度が変化するのを測定して前記構造物の内部欠陥を検査する非破壊検査装置と;前記非破壊検査装置から送られる検査データを受ける中継器と;前記非破壊検査装置から送られる検査データを受信してデータ処理を行う管理センターと;前記中継器と管理センターとの間に設けられ、前記検査データを送受信する双方向通信網と;を備えて成るものである。
なお、前記中継器により、前記非破壊検査装置から送られる検査データを処理して前記管理センターへ送信するものとしてもよい。
また、前記非破壊検査装置は検査対象の複数の構造物毎に1個ずつ設置され、これら複数個の非破壊検査装置に対して前記双方向通信網を介して1個の管理センターが設置されるものとしてもよい。
第1の発明による構造物の非破壊検査装置によれば、赤外線照射部により検査対象の構造物に加熱用の赤外線を照射し、温度変化測定部で前記赤外線照射部の赤外線照射により構造物の温度が変化するのを測定し、駆動制御・集積部により前記赤外線照射部及び温度変化測定部の駆動制御及びデータ集積を行い、自走機構部で前記赤外線照射部、温度変化測定部及び駆動制御・集積部を搭載する筐体を前記構造物に沿って移動可能とし、前記自走機構部で検査対象の構造物に沿って移動しながら前記構造物に加熱用の赤外線を照射すると共にその赤外線照射により構造物の温度が変化するのを測定して、前記構造物の広い範囲に亘って内部欠陥を自動的に検査することができる。したがって、他の自動車等の通行の妨げにならず、24時間いつでも構造物の非破壊検査をすることができる。また、操作者等の人手を要しないため、検査コストを低減することが可能である。
第2の発明による構造物の検査システムによれば、前記構造物の非破壊検査装置により、その自走機構部で検査対象の構造物に沿って移動しながら前記構造物に加熱用の赤外線を照射すると共にその赤外線照射により構造物の温度が変化するのを測定して、前記構造物の広い範囲に亘って内部欠陥を自動的に検査し、中継器で前記非破壊検査装置から送られる検査データを受け、前記中継器と管理センターとの間に設けられた双方向通信網により前記検査データを送受信し、管理センターで前記非破壊検査装置から送られる検査データを受信してデータ処理を行うことができる。したがって、他の自動車等の通行の妨げにならず、24時間いつでも構造物の非破壊検査をすることができる。また、操作者等の人手を要しないため、検査コストを低減することが可能である。
第1の発明による構造物の非破壊検査装置の配置状態を示す概略斜視図である。 前記非破壊検査装置の自走機構部を、路面上のガイドレールを断面して示す要部断面図である。 前記非破壊検査装置の検査装置本体を示す側面図である。 前記検査装置本体において筐体を外して内部構成を示す拡大側面図である。 図4に示す検査装置本体の一部を拡大して示す要部斜視図である。 前記検査装置本体の赤外線照射部及び温度変化測定部の回転を検出する実施例を示す概略説明図である。 前記検査装置本体の赤外線照射部及び温度変化測定部のトンネルに対する回転角を検出する実施例を示す概略説明図である。 前記非破壊検査装置の路面上のガイドレールに対する移動位置を検出する実施例を示す概略説明図である。 前記非破壊検査装置の構成及び機能を示すブロック図である。 前記非破壊検査装置の検査原理を示す説明図である。 前記非破壊検査装置の検査原理を示すグラフである。 前記非破壊検査装置の別の配置状態を示す図であり、自走機構部の第2の実施形態を示す概略斜視図である。 第2の実施形態の自走機構部の構造を示す斜視図である。 前記第2の実施形態の自走機構部において検査装置本体の赤外線照射部及び温度変化測定部の回転を検出する実施例を示す概略説明図である。 図14の側面図である。 第2の発明による構造物の検査システムの実施形態を示すブロック図である。
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1は、第1の発明による構造物の非破壊検査装置の配置状態を示す概略図である。この非破壊検査装置は、検査対象の構造物(例えば、トンネル又は高架橋等の構造物)に赤外線を照射して前記構造物の内部欠陥を検査するもので、検査装置本体1と、自走機構部2とを含んで成る。なお、符号3は、本発明の非破壊検査装置が配置された検査対象の構造物としてのトンネルを示し、符号4は、前記トンネル3の外部から内部へ延びる道路を示している。
前記自走機構部2は、検査装置本体1の筐体5(図2参照)を前記トンネル3に沿って移動可能とするもので、図1に示すトンネル3に沿って延びる道路4の中央部に設置され中央分離帯となるガイドレール6を利用して、図2に示すように、前記筐体5の支持部材7を保持している。上端部に筐体5が取り付けられた支持部材7の下端部は道路4の路面に向けて延び、その下端には駆動車輪8が設けられている。前記ガイドレール6の下端部には膨らみ部が形成されており、この膨らみ部内に前記駆動車輪8が配置されて、電気モータ9により回転される。この駆動車輪8が回転することで、ガイドレール6の案内により前記支持部材7が路面上を一方向又は往復方向に自走可能とされている。すなわち、自走機構部2は、前記支持部材7と、電気モータ9と、駆動車輪8とを備えて、トンネル3に沿って往復移動可能に構成されている。なお、前記電気モータ9に対する電力の供給は、ガイドレール6の内部空間を利用して送電配線をし、地下鉄電車と同様に前記送電配線に受電器をスライド接触させて行えばよい。
前記自走機構部2により、検査装置本体1がトンネル3に沿って移動可能に支持されている。この検査装置本体1は、構造物としてのトンネル3の内壁面に加熱用の赤外線を照射し、その赤外線照射によりトンネル3の内壁面の温度が変化するのを測定し、データ集積を行うもので、図3に示すように、ガイドレール6に保持された支持部材7の上端部に筐体5が取り付けられている。この筐体5は、例えば円筒状に形成され、その内部に後述の赤外線照射部12、温度変化測定部13及び駆動制御・集積部14等を収容するものである。そして、前記筐体5は、支持部材7の上端部の2箇所で固定バンド10a,10bにより取り付けられる。図3では、検査装置本体1は、図2に示す自走機構部2により矢印A,B方向に往復移動可能とされている。
図4は、前記検査装置本体1において筐体5を外して内部構成を示す拡大側面図である。この実施例では、基盤部材11の上面にてその長手方向の一半部に第1検査部1aが、他半部に第2検査部1bが一列状に設けられている。第1検査部1aと第2検査部1bとは、検査装置本体1が往復移動する際にそれぞれの進行方向に沿って構造物の内部欠陥を検査するように一対で設けられている。図4においては、第1検査部1aは図の左方向(矢印A方向)へ移動する際に検査し、第2検査部1bは図の右方向(矢印B方向)へ移動する際に検査するようになっている。ここでは、代表的に第1検査部1aについて説明する。なお、第2検査部1bは、第1検査部1aと全く同じ構成のものとされる。また、検査装置本体1が矢印A方向又はB方向の一方に移動する際にのみ検査する場合は、第1検査部1a又は第2検査部1bの一方だけを備えていればよい。その場合は、検査のために矢印A方向又はB方向に移動した後の帰りは、何も動作しないで検査装置本体1を元の位置に帰還させることになる。
図4において、第1検査部1aは、赤外線照射部12と、温度変化測定部13と、駆動制御・集積部14と、監視カメラ15とを含んでいる。ここで、駆動制御・集積部14は、第1検査部1aと第2検査部1bとに共通のものとして、両者の中間部位に設けられている。なお、前記赤外線照射部12より赤外線を照射することから、前記基盤部材11は、下方への赤外線の照射を遮るために赤外線を遮蔽する材料から成ることが望ましい。
前記赤外線照射部12は、検査対象の構造物に加熱用の赤外線を照射するもので、例えば加熱レーザ光を発振する赤外線レーザを備えており、波長が1.5μm程度でビーム径が0.010m程度の加熱レーザ光を発振するようになっている。この加熱レーザ光の照射により、構造物の表面が加熱される。この赤外線照射部12は、図5に示すように、水平方向の回転軸を有する第1ドラム16aの外周面に1個又は複数個の赤外線レーザチップ17を有しており、前記第1ドラム16aは、その回転軸に連結された電気モータ18により回転される。そして、前記第1ドラム16aの外方には、断面形がカマボコ形で第1ドラム16aを覆うように半円弧状に形成された集光レンズ19が、図示省略の支持金具で配設されている。この集光レンズ19により、前記照射された加熱レーザ光がビーム状に集光され、そのビームレーザ光が構造物の表面をスキャンする。なお、前記赤外線レーザチップ17は、受発光素子とレーザチップから成る。
温度変化測定部13は、前記赤外線照射部12の赤外線照射により構造物の温度が変化するのを測定するもので、例えば構造物に対して測定レーザ光を照射すると共にその反射光を検出して前記構造物の反射率を測定するレーザ受発光器を備えており、波長が0.5μm程度でビーム径が0.001m程度の測定レーザ光を発振すると共に構造物からの反射光を検出するようになっている。この反射光の検出により構造物の反射率が測定され、物質の光反射率の温度依存性を利用して熱伝導率を測定することができる。このような検査原理は、「光加熱サーモリフレクタンス法」と呼ばれる。この温度変化測定部13は、図5に示すように、水平方向の回転軸を有する第2ドラム16bの外周面に複数個のレーザ受発光チップ20を有しており、前記第2ドラム16bは、その回転軸に連結された電気モータ21により回転される。そして、前記第2ドラム16bの外方には、断面形がカマボコ形で第2ドラム16bを覆うように半円弧状に形成された集光レンズ(図示省略;前記赤外線照射部12の集光レンズ19と同じもの)が配設されている。この場合も、その集光レンズで前記照射された測定レーザ光がビーム状に集光され、そのビームレーザ光が構造物の表面をスキャンする。なお、前記レーザ受発光チップ20は、受発光素子とレーザチップから成る。
なお、前記赤外線照射部12及び温度変化測定部13の配置は、赤外線照射部12により構造物に加熱用の赤外線を照射した後に、温度変化測定部13で前記赤外線照射により構造物の温度が変化するのを測定することから、赤外線照射部12が移動方向の前方側に位置する。
また、前記赤外線照射部12及び温度変化測定部13は、水平方向の回転軸周りにそれぞれ独立に回転可能とされている。すなわち、赤外線照射部12の第1ドラム16aの回転軸に連結された電気モータ18、及び温度変化測定部13の第2ドラム16bの回転軸に連結された電気モータ21は、それぞれ独立に回転制御される。
この場合、前記赤外線照射部12及び温度変化測定部13の回転は、図6に示すようにして検出される。例えば、赤外線照射部12及び温度変化測定部13が取り付けられた基盤部材11の上面に高反射率部材22を設け、それぞれ赤外線レーザチップ17及びレーザ受発光チップ20から照射されたレーザ光の反射光を受光して、赤外線レーザチップ17及びレーザ受発光チップ20が回転しているかどうか、回転角度はどのくらいかを検出する。なお、これに限られず、第1ドラム16a又は第2ドラム16bの回転軸にエンコーダを設け、従来公知の方法で回転を検出してもよい。
また、前記赤外線照射部12及び温度変化測定部13のトンネル3の内壁面に対する回転角は、図7に示すようにして検出される。例えば、トンネル3の内壁面の特定位置又は一定間隔をおいた位置に高反射率部材23を設け、それぞれ赤外線レーザチップ17及びレーザ受発光チップ20から照射されたレーザ光の反射光を受光して、赤外線レーザチップ17及びレーザ受発光チップ20の回転角度はどのくらいかを検出する。このとき、前記高反射率部材23が取り付けられた特定位置を、赤外線レーザチップ17及びレーザ受発光チップ20の回転角度のゼロ点位置とすればよい。なお、前記高反射率部材23は、赤外線照射部12からの加熱用の赤外線の吸収による温度上昇はないものとする。
駆動制御・集積部14は、前記赤外線照射部12及び温度変化測定部13の駆動制御及びデータ集積を行うもので、赤外線レーザチップ17及びレーザ受発光チップ20を駆動する電源回路、電気モータ18,21を駆動する電源回路、赤外線照射部12及び温度変化測定部13の動作により取得した検査データを集積するデータ集積転送回路等を含んでいる。
監視カメラ15は、検査装置本体1の移動方向前方を監視するためのもので、例えば円筒状に形成された筐体5の前端部又は後端部にて移動方向前方にレンズを向けて取り付けられている。この監視カメラ15により、検査装置本体1の移動方向前方の状況や、障害物等の監視が行える。また、魚眼レンズによりトンネル壁も確認できるようになっている。
そして、このような構成の検査装置本体1のガイドレール6に対する移動位置は、図8に示すようにして検出される。例えば、ガイドレール6の特定位置又は一定間隔をおいた位置に高反射率部材24を設け、検査装置本体1の支持部材7の一部に前記高反射率部材24に向けて発光すると共にその反射光を受光する受発光部25を設け、前記高反射率部材24からの反射光を検出して、検査装置本体1がガイドレール6の長手方向においてどの位置にいるかを検出する。これにより、検査装置本体1が検査対象の構造物に沿って移動している位置を検出することができる。なお、前記高反射率部材24の替わりにその部位に貫通孔をあけて、その貫通孔を透過する光により受発光部25が位置を検出するようにしてもよい。
図9は、以上のように構成された非破壊検査装置の構成及び機能を示すブロック図である。この非破壊検査装置は、赤外線照射部12と、温度変化測定部13と、駆動制御・集積部14と、自走機構部2と、監視カメラ15と、カメラ電源ユニット26と、通信ユニット27とを備えている。なお、図9は、図3に示す検査装置本体1において図4に示す第1検査部1aの部分だけを図示しており、第2検査部1bの部分は図示省略している。第2検査部1bは、自走機構部2及び駆動制御・集積部14を共通にして、その他の部分は図9に示す第1検査部1aと同じ構成及び機能のブロック図となる。
前記赤外線照射部12は、検査対象の構造物に加熱用の赤外線を照射するもので、例えば加熱レーザ光を発振する高出力の赤外線レーザを備えており、波長が1.5μm程度の加熱レーザ光を矢印Cのように発振する。また、温度変化測定部13は、前記赤外線照射部12の赤外線照射により構造物の温度が変化するのを測定するもので、例えば構造物に対して測定レーザ光を照射すると共にその反射光を検出して前記構造物の反射率を測定する低出力のレーザ受発光器を備えており、波長が0.5μm程度の測定レーザ光を矢印Dのように発振すると共に、構造物から矢印Eのように反射してきた反射光を検出する。
駆動制御・集積部14は、前記赤外線照射部12及び温度変化測定部13の駆動制御及びデータ集積を行うもので、赤外線照射部12の赤外線レーザや、温度変化測定部13のレーザ受発光器を駆動するための電源回路を有すると共に、赤外線照射部12及び温度変化測定部13で収集したデータを集積する検査用ロジック回路等を備えている。
自走機構部2は、前記赤外線照射部12、温度変化測定部13及び駆動制御・集積部14を搭載する筐体5(図3参照)を前記構造物に沿って移動可能とするもので、図2に示す電気モータ9を備え、外部から供給される電力をその電気モータ9に対して送り駆動車輪8の回転制御を行う回路を備えている。また、前記駆動制御・集積部14及び後述のカメラ電源ユニット26、通信ユニット27に対して電力を送る電源回路も備えている。
監視カメラ15は、検査装置本体1の移動方向前方を監視するためのもので、カメラ電源ユニット26から電力を供給されて撮影を行い、その撮影データを収集する。
通信ユニット27は、前記駆動制御・集積部14で取得した検査データ、及び監視カメラ15で収集しカメラ電源ユニット26を介して転送された撮影データを外部(例えば、図16に示す中継器51等)へ送るもので、自走機構部2の電源回路から電力を供給されて動作する。
そして、前記自走機構部2で検査対象の構造物に沿って移動しながら、前記赤外線照射部12により構造物に加熱用の赤外線を照射すると共に、温度変化測定部13で赤外線照射部12の赤外線照射により構造物の温度が変化するのを測定し、駆動制御・集積部14により赤外線照射部12及び温度変化測定部13の駆動制御及びデータ集積を行って、前記構造物の内部欠陥を検査する。
次に、第1の発明の非破壊検査装置の検査原理を説明する。図10はその非破壊検査装置の検査原理を示す説明図であり、図11は前記非破壊検査装置の検査原理を示すグラフである。この検査原理は、ある構造物に光を照射してその反射光を測定し、物質の光反射率の温度依存性を利用して熱伝導率を測定するもので、「光加熱サーモリフレクタンス法」と呼ばれる。この検査原理を利用して、検査対象の構造物の反射光測定位置の光反射率を計測し、その過渡特性から局所的熱伝導率を求め、マッピングすることで構造物内部のクラックや空隙を発見することができる。
図10(a)において、検査対象の構造物30の内部にクラック31又は空隙があるとする。まず、この構造物30の表面に赤外線照射部12から加熱レーザ光を矢印Cのように照射する(時刻T0)。このとき、加熱レーザ光(C)のビーム径は0.010m程度とし、後述の測定レーザ光のビーム径の約10倍の領域幅とする。構造物30の表面にて加熱レーザ光(C)が当たった部位32は温度が上昇して、その熱が周囲に拡散して行く。その後、図10(b)において、温度変化測定部13から前記構造物30の表面に対して測定レーザ光を矢印Dのように照射すると共に、矢印Eのように反射する反射光を測定する(時刻T1)。このとき、測定レーザ光(D)のビーム径は0.001m程度とされ、前記加熱レーザ光(C)のビーム径の約1/10の領域幅とされる。前記加熱レーザ光(C)が当たった部位32はその間の時間経過に伴って熱拡散して、拡散領域33のように熱が周囲に拡がっている。さらにその後、図10(c)において、温度変化測定部13から次なる測定レーザ光を矢印Dのように照射すると共に、矢印Eのように反射する反射光を測定する(時刻T2)。このとき、時刻T0で加熱レーザ光(C)が当たった部位32はその後の時間経過に伴って更に熱拡散して、拡散領域34のように熱が周囲に拡がっている。
以後、前記と同様にして、所定の時間間隔で時刻T1から時刻T10まで、構造物30の表面の加熱部位32に対して測定レーザ光を矢印Dのように照射すると共に、矢印Eのように反射する反射光を測定する。このような測定結果をまとめたのが、図11のグラフである。図11は横軸を時刻とし縦軸をレーザ反射光の強度としたグラフで、時刻T0で構造物30の表面に加熱レーザ光を照射して部位32を加熱し、時刻T1から時刻T10まで前記構造物30の加熱部位32に対して測定レーザ光を照射すると共にその反射光を測定し、図10(b),(c)に示す拡散領域33,34のように熱が拡散している部位の反射光の変化の状態を表したものである。この場合は、時刻T0で照射した加熱レーザ光(C)のビーム幅内で、時刻T1から時刻T10の10回に分けて測定レーザ光(D)を照射してその反射光を測定している。
図11のように反射光を測定することで、前記構造物30の表面の加熱部位32の反射率を測定することができる。ここで、前述の「光加熱サーモリフレクタンス法」によれば、物質の光反射率の温度依存性を利用して熱伝導率を測定することができる。そこで、図11に示す反射光測定のグラフを測定部位に応じて位置をずらして並べて行き、周囲の部位と測定結果が変化するところが現れたらその部位の熱伝導率が変化していることが分かり、そこにクラック31又は空隙が存在することが発見できる。
このような検査対象の構造物の加熱及び反射光の測定はその構造物について毎日又は所定期間をおいて定期的に行い、日時の経過に従って以前の測定データと異なる測定データが得られたときに、その構造物の表面又は内部において今までと違う状態が発生したことが分かり、構造物の内部欠陥を検査することができる。
次に、このように構成された非破壊検査装置の使用及び動作について説明する。まず、図1において、検査対象の構造物としての例えばトンネル3内にて、道路4に設置されたガイドレール6を利用して自走機構部2を組み合わせ、検査装置本体1をトンネル3内の道路4上の中央にセットする。この状態で自走機構部2に外部から電源を供給して、図3、図4に示す赤外線照射部12及び温度変化測定部13を駆動し、図5に示す第1ドラム16a及び第2ドラム16bをそれぞれ独立に回転させて赤外線レーザチップ17及びレーザ受発光チップ20を回転させながら、トンネル3の内壁面に対して加熱レーザ光を発振したり、測定レーザ光を照射する。同時に、図2に示す自走機構部2の電気モータ9を駆動して駆動車輪8を回転させ、図3に示すように、検査装置本体1をガイドレール6に沿って矢印A方向又はB方向に一定速度で移動させ、トンネル3の全長に亘って片道又は往復移動させる。なお、前記測定用のレーザ受発光チップ20の回転は、加熱用の赤外線レーザチップ17の回転よりも速くするのが望ましい。
前記赤外線照射部12の赤外線レーザチップ17及び温度変化測定部13のレーザ受発光チップ20自体の回転及び回転角度は、図6に示す基盤部材11の上面に取り付けた高反射率部材22からの反射光を受光して検出される。また、前記赤外線照射部12及び温度変化測定部13のトンネル3の内壁面に対する回転角度は、図7に示すトンネル3の内壁面の特定位置又は一定間隔をおいた位置に設けた高反射率部材23からの反射光を受光して検出される。さらに、前記検査装置本体1のガイドレール6に対する移動位置は、図8に示すガイドレール6の特定位置又は一定間隔をおいた位置に設けた高反射率部材24からの反射光を受光して検出される。これにより、検査装置本体1が検査対象のトンネル3に沿って移動している位置を検出する。
このような動作により、前記赤外線照射部12及び温度変化測定部13から照射されるレーザ光のトンネル3の内壁面に対する位置が特定され、検査装置本体1がガイドレール6に沿って移動する位置が特定されて、前述の図9〜図11の動作をすることで、トンネル3の内壁面を万遍なく、かつ自動的に検査できる。この場合、他の自動車等の通行の妨げにならず、24時間いつでもトンネル3の非破壊検査をすることができる。また、操作者等の人手を要しないため、検査コストを低減することが可能である。
なお、以上においては、前記温度変化測定部13は、構造物に対して測定レーザ光を照射すると共にその反射光を検出して前記構造物の反射率を測定するレーザ受発光器、例えばレーザ受発光チップ20としたが、本発明はこれに限られず、構造物からの赤外線放射量を検出して前記構造物の温度変化を測定する赤外線検出器、例えばサーモグラフィ計測ができる赤外線カメラを用いてもよい。
図12は、第1の発明の非破壊検査装置の別の配置状態を示す図であり、自走機構部の第2の実施形態を示す概略斜視図である。この実施形態は、検査装置本体1の筐体5(図2参照)を移動可能に支持する自走機構部40を、断面半円弧状の内壁面を有する構造物としてのトンネル3の内壁面に沿うアーチ形に形成されると共に前記筐体5を保持する可動支持部材41を有し、該可動支持部材41の両端の台部材42が路面上を自走可能に構成したものである。
前記可動支持部材41は、図13に示すように、中央に位置するアーチ形の第1支持部材41aと、その前後に所定間隔をおいて位置するアーチ形の第2支持部材41bと、第3支持部材41cとを有している。第1支持部材41aの半円弧状の中央部下面には、図12に示すように、吊下げ支持具43が取り付けられており、この吊下げ支持具43の下端部に、図3及び図4に示すと同様に構成された検査装置本体1が支持されている。このとき、検査装置本体1の図3に示す赤外線照射部12及び温度変化測定部13は、図13に示すように、第1支持部材41aと第2支持部材41bとの間の離間部、及び第1支持部材41aと第3支持部材41cとの間の離間部に位置するように配置して支持されている。これは、前記赤外線照射部12及び温度変化測定部13から照射され、トンネル3の内壁面から反射されるレーザ光が可動支持部材41によって光路を妨げられないようにするためである。
前記可動支持部材41のアーチ形の両端には、台部材42,42が設けられている。この台部材42は、可動支持部材41を道路3の路面上にて自走可能とするもので、図13に示すように、第2支持部材41bから第3支持部材41cまで横長に延びる台箱46を有し、この台箱46の内部に駆動車輪8が一列状に複数個設けられている。この駆動車輪8は、前記台箱46の内部に設置された電気モータ(図示省略)により回転される。前記駆動車輪8を備えた台部材42は、アーチ形の可動支持部材41の両端に設けられているので、両方の台部材42により下端部を支えた状態で可動支持部材41が設置面上に立って置かれる。そして、前記駆動車輪8が回転することで、前記可動支持部材41の全体が路面上を一方向又は往復方向に自走可能とされている。すなわち、この実施形態の自走機構部40は、前記可動支持部材41と、台部材42と、電気モータと、駆動車輪8とを備えて成る。
なお、図12及び図13において、符号44はカメラユニットを示している。このカメラユニット44は、図13に示すように、第2支持部材41b及び第3支持部材41cを利用してそのアーチ形の形状に沿って移動可能とされ、カメラのレンズ面が図12に示すトンネル3の内壁面に向けて設けられている。これにより、前記カメラユニット44でトンネル3の内壁面に異常個所があれば、それを撮影することができる。
この状態で、図12に示すように、トンネル3の内壁面に沿わせてアーチ形の可動支持部材41が位置するようにし、その両端部の台部材42,42がトンネル3内部の道路4の両側部に位置するようにして、自走機構部40をトンネル3内に挿入することで、該トンネル3に沿って往復移動可能に構成されている。なお、前記電気モータに対する電力の供給は、蓄電池を利用するなどの従来公知の電力供給手段を用いればよい。
この実施形態の場合も、検査装置本体1の動作は前述と全く同じである。ただし、第2の実施形態の自走機構部40において検査装置本体1の赤外線照射部12及び温度変化測定部13(図3〜図5参照)の回転を検出するには、図14及び図15に示すようにして行う。すなわち、検査装置本体1が支持された第1支持部材41aの下端部が連結された台部材42の上面に高反射率部材45を設け、それぞれ赤外線照射部12の赤外線レーザチップ17及び温度変化測定部13のレーザ受発光チップ20から照射されたレーザ光の反射光を受光して、赤外線レーザチップ17及びレーザ受発光チップ20が回転しているかどうか、回転角度はどのくらいかを検出する。この場合、前記第1支持部材41aのアーチ形状は、トンネル3の内壁面に沿うアーチ形に形成されているので、前記高反射率部材45が取り付けられた位置を赤外線レーザチップ17及びレーザ受発光チップ20の回転角度のゼロ点位置とすれば、前記赤外線照射部12及び温度変化測定部13のトンネル3の内壁面に対する回転角を擬似的に検出することができる。なお、前記高反射率部材45は、赤外線照射部12からの加熱用の赤外線の吸収による温度上昇はないものとする。
そして、第2の実施形態における検査装置本体1のトンネル3の長手方向に対する移動位置は、例えば図7に示す高反射率部材23をトンネル3の長手方向に沿って連続線状、又は一定間隔をおいて設け、前記赤外線照射部12又は温度変化測定部13から照射されたレーザ光の前記高反射率部材23からの反射光を検出して、検査装置本体1がトンネル3の長手方向においてどの位置にいるかを検出すればよい。これにより、検査装置本体1が検査対象のトンネル3に沿って移動している位置を検出することができる。この場合も、前記高反射率部材23は、赤外線照射部12からの加熱用の赤外線の吸収による温度上昇はないものとする。
第2の実施形態の自走機構部40を備えた非破壊検査装置の使用及び動作については、第1の実施形態の自走機構部2を備えた非破壊検査装置の使用及び動作と基本的には同じであり、単に、第2の実施形態の自走機構部40の移動動作が異なるだけである。図12に示す第2の実施形態の自走機構部40を備えた場合は、検査対象のトンネル3の内部の道路4に第1の実施形態の自走機構部2(図1参照)を保持するためのガイドレール6を予め設置する必要がないので、本発明による非破壊検査装置を導入するのが容易である。また、第2の実施形態の自走機構部40のアーチ形が検査対象のトンネル3の内壁面の形状に合う限り、既存のトンネル3に対してこの非破壊検査装置を導入することが可能である。
なお、前記検査装置本体1を検査対象の構造物に沿って移動可能とする自走機構部は、第1の実施形態の自走機構部2又は第2の実施形態の自走機構部40に限られず、トンネル3の内壁面にトンネル長手方向にレールを敷設してモノレールのような構成のものとしてもよい。
図16は、第2の発明による構造物の検査システムの実施形態を示すブロック図である。この検査システムは、検査対象の構造物(例えば、トンネル又は高架橋等の構造物)に赤外線を照射して前記構造物の内部欠陥を検査するもので、非破壊検査装置50と、中継器51と、管理センター52と、双方向通信網53とを備えて成る。なお、符号3は、非破壊検査装置50が配置された検査対象の構造物としてのトンネルを示している。
前記非破壊検査装置50は、前述の第1の発明による非破壊検査装置であり、図1及び図12に示すように構成され、例えばトンネル3内に配置されている。この非破壊検査装置50は、図9に示すように、検査対象の構造物に加熱用の赤外線を照射する赤外線照射部12と、前記赤外線照射部12の赤外線照射により構造物の温度が変化するのを測定する温度変化測定部13と、前記赤外線照射部12及び温度変化測定部13の駆動制御及びデータ集積を行う駆動制御・集積部14と、前記赤外線照射部12、温度変化測定部13及び駆動制御・集積部14を搭載する筐体を前記構造物に沿って移動可能とする自走機構部2と、前記駆動制御・集積部14で取得した検査データを外部へ送る通信ユニット27とを備えている。そして、前記自走機構部2で検査対象の構造物(3)に沿って移動しながら前記構造物に加熱用の赤外線を照射すると共にその赤外線照射により構造物の温度が変化するのを測定して前記構造物の内部欠陥を検査するようになっている。
中継器51は、前記検査対象のトンネル3の終端部(例えば、トンネル入口又は出口)に設置され、前記非破壊検査装置50から送られる検査データを受けるもので、受信したデータを双方向通信網53へ送るデータ通信部を備えている。なお、中継器51は、トンネル3の終端部に限られず、トンネル3の中央部又はトンネル3を出てすぐの場所に設置してもよい。
管理センター52は、前記非破壊検査装置50から送られる検査データを受信してデータ処理を行うもので、中央処理装置(CPU)等のデータ処理部を備えている。さらに、図16に示すように、複数個の非破壊検査装置50を管理する場合は、ホスト電子計算機を備えている。
双方向通信網53は、前記中継器51と管理センター52との間に設けられ、前記検査データを送受信するもので、公知の双方向ネットワークを備えて検査データを遣り取りするようになっている。
なお、前記非破壊検査装置50と、中継器51と、双方向通信網53と、管理センター52との間の通信は、有線でも無線でもよい。また、前記検査データの処理を行うデータ処理部を前記中継器51に設けて、該中継器51により、前記非破壊検査装置50から送られる検査データを処理して前記管理センター52へ送信するようにしてもよい。
そして、この検査システムは、一つの検査対象の構造物(トンネル3)に非破壊検査装置50を設置し、この非破壊検査装置50に対して中継器51及び双方向通信網53を介して管理センター52に接続してもよいが、図16に示すように、前記非破壊検査装置50を検査対象の複数の構造物(トンネル3)毎に1個ずつ設置し、これら複数個の非破壊検査装置50に対して前記双方向通信網53を介して1個の管理センター52を設置して双方向通信可能に接続してもよい。
次に、このように構成された第2の発明による検査システムの使用及び動作について説明する。まず、非破壊検査装置50自体の使用及び動作については、前述の第1の発明について説明した通りである。前記非破壊検査装置50で検査対象の各トンネル3の内壁面について収集された検査データは、トンネル3の入口又は出口に設置された中継器51に送られ、双方向通信網53を介して管理センター52へ送られる。管理センター52は、各トンネル3内に設置された非破壊検査装置50から送られた検査データを受信してデータ処理を行い、そのデータ処理後の検査データを蓄積しておく。前記トンネル3の内壁面についての検査は、毎日又は所定期間をおいて定期的に行い、日時の経過に従って以前の検査データと異なる検査結果が得られたときに、そのトンネル3の表面又は内部において今までと違う状態が発生したことが分かり、構造物の内部欠陥を検査することができる。なお、前述のように、中継器51に検査データの処理を行うデータ処理部を設けて、該中継器51により、前記非破壊検査装置50から送られる検査データを処理して前記管理センター52へ送信するようにしてもよい。この場合は、管理センター52に大規模なデータ処理部を設けることなく、トンネル3毎の中継器51に小規模なデータ処理部を設けるだけで実施できる。
このような検査システムの動作により、複数個のトンネル3の内壁面を万遍なく、かつ自動的に検査できる。この場合、他の自動車等の通行の妨げにならず、24時間いつでもトンネル3の非破壊検査をすることができる。また、操作者等の人手を要しないため、検査コストを低減することが可能である。
1…検査装置本体
1a…第1検査部
1b…第2検査部
2…自走機構部
3…トンネル(検査対象の構造物)
5…筐体
6…ガイドレール
7…支持部材
8…駆動車輪
9…電気モータ
12…赤外線照射部
13…温度変化測定部
14…駆動制御・集積部
15…監視カメラ
16a…第1ドラム
16b…第2ドラム
17…赤外線レーザチップ
18,21…電気モータ
20…レーザ受発光チップ
26…カメラ電源ユニット
27…通信ユニット
30…構造物
31…クラック
40…自走機構部
41…可動支持部材
41a…第1支持部材
41b…第2支持部材
41c…第3支持部材
42…台部材
43…吊下げ支持具
50…非破壊検査装置
51…中継器
52…管理センター
53…双方向通信網

Claims (12)

  1. 検査対象の構造物に加熱用の赤外線を照射する赤外線照射部と、
    前記赤外線照射部の赤外線照射により構造物の温度が変化するのを測定する温度変化測定部と、
    前記赤外線照射部及び温度変化測定部の駆動制御及びデータ集積を行う駆動制御・集積部と、
    前記赤外線照射部、温度変化測定部及び駆動制御・集積部を搭載する筐体を前記構造物に沿って移動可能とする自走機構部と、を含み、
    前記自走機構部で検査対象の構造物に沿って移動しながら前記構造物に加熱用の赤外線を照射すると共にその赤外線照射により構造物の温度が変化するのを測定して前記構造物の内部欠陥を検査することを特徴とする構造物の非破壊検査装置。
  2. 前記赤外線照射部及び温度変化測定部は、水平方向の回転軸周りにそれぞれ独立に回転可能とされたことを特徴とする請求項1に記載の構造物の非破壊検査装置。
  3. 前記赤外線照射部は、加熱レーザ光を発振する赤外線レーザであることを特徴とする請求項1又は2に記載の構造物の非破壊検査装置。
  4. 前記温度変化測定部は、構造物に対して測定レーザ光を照射すると共にその反射光を検出して前記構造物の反射率を測定するレーザ受発光器であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の構造物の非破壊検査装置。
  5. 前記温度変化測定部は、構造物からの赤外線放射量を検出して前記構造物の温度変化を測定する赤外線検出器であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の構造物の非破壊検査装置。
  6. 前記自走機構部は、構造物に沿って延びる路面上に設置されたガイドレールを利用して前記筐体の支持部材を保持し、前記ガイドレールの案内により前記支持部材が路面上を自走可能に構成されたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の構造物の非破壊検査装置。
  7. 前記自走機構部は、断面半円弧状の内壁面を有する構造物の前記内壁面に沿うアーチ形に形成されると共に前記筐体を保持する可動支持部材を有し、該可動支持部材の両端の台部材が路面上を自走可能に構成されたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の構造物の非破壊検査装置。
  8. 前記筐体は、その移動方向前方を監視するための監視カメラを備えたことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の構造物の非破壊検査装置。
  9. 前記自走機構部を前記構造物に沿って往復移動可能とし、少なくとも前記赤外線照射部及び温度変化測定部は前記往復移動の両方向に対応させて一対設けたことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の構造物の非破壊検査装置。
  10. 検査対象の構造物に加熱用の赤外線を照射する赤外線照射部と、前記赤外線照射部の赤外線照射により構造物の温度が変化するのを測定する温度変化測定部と、前記赤外線照射部及び温度変化測定部の駆動制御及びデータ集積を行う駆動制御・集積部と、前記赤外線照射部、温度変化測定部及び駆動制御・集積部を搭載する筐体を前記構造物に沿って移動可能とする自走機構部と、前記駆動制御・集積部で取得した検査データを外部へ送る通信ユニットとを備え、前記自走機構部で検査対象の構造物に沿って移動しながら前記構造物に加熱用の赤外線を照射すると共にその赤外線照射により構造物の温度が変化するのを測定して前記構造物の内部欠陥を検査する非破壊検査装置と、
    前記非破壊検査装置から送られる検査データを受ける中継器と、
    前記非破壊検査装置から送られる検査データを受信してデータ処理を行う管理センターと、
    前記中継器と管理センターとの間に設けられ、前記検査データを送受信する双方向通信網と、
    を備えて成る構造物の検査システム。
  11. 前記中継器により、前記非破壊検査装置から送られる検査データを処理して前記管理センターへ送信することを特徴とする請求項10に記載の構造物の検査システム。
  12. 前記非破壊検査装置は検査対象の複数の構造物毎に1個ずつ設置され、これら複数個の非破壊検査装置に対して前記双方向通信網を介して1個の管理センターが設置されることを特徴とする請求項10又は11に記載の構造物の検査システム。
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