JP2015049048A - 角度検出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 回転磁場の回転角度に対応した一次関数に近似した角度検知出力を迅速に得ることができる角度検出装置を提供する。
【解決手段】 第1の磁気検出部11と第2の磁気検出部12は、第1の磁気抵抗効果素子R(+c)、R(+c)がフルブリッジ接続された関数出力部11a,12aに第2の磁気抵抗効果素子R(+s)、R(−s)が直列に接続されている。磁気抵抗効果素子R(+c)とR(+c)は感度軸が180度相違し、R(+s)とR(−s)も感度軸が180度相違し、R(+c)、R(+c)とR(+s)、R(−s)は、感度軸が90度相違している。第1の磁気検出部11と第2の磁気検出部12とから、余弦波を正弦波で除算したものに相当する角度検知出力S1,S2が得られる。
【選択図】図2
【解決手段】 第1の磁気検出部11と第2の磁気検出部12は、第1の磁気抵抗効果素子R(+c)、R(+c)がフルブリッジ接続された関数出力部11a,12aに第2の磁気抵抗効果素子R(+s)、R(−s)が直列に接続されている。磁気抵抗効果素子R(+c)とR(+c)は感度軸が180度相違し、R(+s)とR(−s)も感度軸が180度相違し、R(+c)、R(+c)とR(+s)、R(−s)は、感度軸が90度相違している。第1の磁気検出部11と第2の磁気検出部12とから、余弦波を正弦波で除算したものに相当する角度検知出力S1,S2が得られる。
【選択図】図2
Description
本発明は、回転磁界を複数の磁気抵抗効果素子を用いて検知し、回転角度の関数である一次関数に近似したアナログ出力を得ることができる角度検出装置に関する。
磁石を備えた回転体の回転角度を検出する角度検出装置は、磁気抵抗効果素子を含むブリッジ回路を備えたものが使用されている。通常はブリッジ回路が2組使用され、2組のブリッジ回路に含まれる磁気抵抗効果素子は感度軸が互いに直交しており、一方のブリッジ回路から正弦波に近似した検知出力が得られ、他方のブリッジ回路から余弦波に近似した検知出力が得られる。
回転体の回転角度を検出するためには、回転角度と出力強度とが比例した一次関数の検知出力を得ることが必要である。一次関数の検知出力を得るためには、正弦波に近似した検知出力と余弦波に近似した検知出力から逆正接関数(アークタンジェント)を算出するのが一般的である。逆正接関数を正確に算出する手法として従来は、正弦波に近似した検知出力と余弦波に近似した検知出力をA/D変換し、コーデックなどのアルゴリズムを使用したデジタル演算が行われていた。
しかし、前記アルゴリズムを使用したデジタル演算は、演算に時間がかかる欠点がある。回転体の回転数が低い場合には、デジタル演算によって高精度な角度検知出力を得ることができるが、回転体がモータのように高い回転数であると、回転体の回転に演算が追従できなくなる。
特許文献1,2にはデジタル演算を使用することなく一次関数に近い検知出力を得る角度検出装置が開示されている。
特許文献1に記載されている角度検出装置では、磁石と磁気抵抗効果素子とを組み合わせた磁気センサが使用されている。回転体は強磁性材料で形成されており、その平面形状が真円ではなく正接関数(タンジェント)を加味したものとなっている。この回転体を使用することで、磁気センサから一次関数に近似した検知出力が得られるというものである。
しかしながら、円形ではない正接関数を加味した形状の回転体を製造することは非常に難しく、製造コストの高い装置となる。
特許文献2に記載された角度検出装置には、回転磁石と、これに対向する4個のセンサ素子とが設けられている。センサ素子からは正弦波と余弦波が得られ、アナログ乗算器で間接的に除算が行なわれる。しかし、アナログ乗算器は信号処理部にアナログ除算回路が使用されているため、回路構成が複雑である。
本発明は上記従来の課題を解決するものであり、アナログ除算器などを使用しない簡単な回路構成で一次関数に近似した角度検知出力を得ることができ、しかも高速回転に追従できる角度検出装置を提供することを目的としている。
本発明は、回転磁場が作用する領域に配置される角度検出装置において、
感度軸の向きが互いに直交する第1の磁気抵抗効果素子と第2の磁気抵抗効果素子とを有し、
前記第1の磁気抵抗効果素子を含み、回転磁場が360度回転する間に、回転角度の関数である強度変化の出力が1周期分得られる関数出力部と、前記関数出力部の電流供給側に直列に接続された前記第2の磁気抵抗効果素子とで磁気検出部が構成されており、
前記関数出力部から得られる検知出力のうちの一次関数に近似した角度検知出力を切出すスイッチング回路が設けられていることを特徴とするものである。
感度軸の向きが互いに直交する第1の磁気抵抗効果素子と第2の磁気抵抗効果素子とを有し、
前記第1の磁気抵抗効果素子を含み、回転磁場が360度回転する間に、回転角度の関数である強度変化の出力が1周期分得られる関数出力部と、前記関数出力部の電流供給側に直列に接続された前記第2の磁気抵抗効果素子とで磁気検出部が構成されており、
前記関数出力部から得られる検知出力のうちの一次関数に近似した角度検知出力を切出すスイッチング回路が設けられていることを特徴とするものである。
第1の磁気抵抗効果素子で構成された関数出力部のみが設けられた場合には、回転磁場の回転角度の関数である正弦波または余弦波に近似した出力が得られる。ただし、本発明の角度検出装置では、第1の磁気抵抗効果素子と感度軸の回転位相が90度相違する第2の磁気抵抗効果素子を通過した電流が関数出力部に与えられる。そのため、関数出力部から得られる出力が、これと位相が90度相違する電流変化で実質的に除算された出力成分を含むようになる。この出力成分は一次関数に近似した変化を示すため、一次関数に近似した出力成分を切出して、角度検知出力を得ることができる。
本発明は、前記磁気検出部が複数設けられ、
前記磁気検出部毎に、前記関数出力部からの検知出力の位相ならびに前記第2の磁気抵抗効果素子の感度軸の方向が相違しているものとして構成できる。
前記磁気検出部毎に、前記関数出力部からの検知出力の位相ならびに前記第2の磁気抵抗効果素子の感度軸の方向が相違しているものとして構成できる。
例えば、第1の磁気検出部と第2の磁気検出部とが設けられ、
第1の磁気検出部と前記第2の磁気検出部とで、前記関数出力部からの出力の位相が180度相違するとともに、前記第2の磁気抵抗効果素子の感度軸の方向が180度相違しているものである。
第1の磁気検出部と前記第2の磁気検出部とで、前記関数出力部からの出力の位相が180度相違するとともに、前記第2の磁気抵抗効果素子の感度軸の方向が180度相違しているものである。
本発明では、前記関数出力部はブリッジ回路であり、このブリッジ回路では、2つの抵抗直列部の中点出力が逆極性であり、2つ抵抗直列部からそれぞれ得られる前記中点出力の差が前記検知出力となる。
例えば、前記第1の磁気検出部に設けられた第1の関数出力部と、前記第2の磁気検出部に設けられた第2の関数出力部は共にブリッジ回路であり、それぞれのブリッジ回路では、2つの抵抗直列部の中点出力が逆極性であり、2つ抵抗直列部からそれぞれ得られる前記中点出力の差が前記検知出力となり、
前記第1の関数出力部からの前記中点出力の差と、前記第2の関数出力部からの前記中点出力の差は、互いに逆極性である。
前記第1の関数出力部からの前記中点出力の差と、前記第2の関数出力部からの前記中点出力の差は、互いに逆極性である。
本発明は、複数の前記磁気検出部から得られた複数の角度検知出力のいずれかにバイアス電力を与えて、複数の角度検知出力を連続出力とするバイアス付加回路が設けられているものが好ましい。
また、前記第1の磁気抵抗効果素子と前記第2の磁気抵抗効果素子の抵抗変化率が、共に50〜200%である。さらに前記関数検出部の抵抗値と、前記第2の磁気抵抗効果素子の抵抗値との比が、1:1〜1:4である。
本発明の角度検出装置は、アナログ除算器などの複雑な回路を用いることなく、回転磁界の回転角度の関数である一次関数に近似した角度検知出力を得ることができる。この角度検知出力はアナログ出力であり、回路構成が簡単であり、回転体の回転数が高くても、回転に迅速に追従した角度検知出力を得ることが可能である。
図1に示すように、本発明の実施の形態の角度検出装置1は、回転体2を有している。回転体2の内側の磁界検知領域に検出基板3が配置されている。
回転体2には、2つの磁石M1,M2が180度の角度間隔で取り付けられている。磁石M1はN極が磁石M2に向けられ、磁石M2はS極が磁石M1に向けられており、磁石M1から磁石M2に向けて磁界Hが形成されている。
回転体2は回転中心Oを有して時計方向(CW)へ回転する。その結果、回転体2の内側の磁界検知領域では、磁界Hが時計方向へ回転する回転磁場が形成される。
検出基板3には磁気検知素子として、第1の磁気抵抗効果素子R(+c)、R(−c)と、第2の磁気抵抗効果素子R(+s)、R(−s)が搭載されている。図1では、検出基板3と磁気抵抗効果素子が大きい形状で図示されているが、実際の検出基板3と磁気抵抗効果素子は小さい寸法であり、回転体2が回転しているときに、検出基板3上のそれぞれの磁気抵抗効果素子に対して常に同じ向きの回転磁場が与えられる。
また、磁石M1,M2が固定部に固定されており、検出基板3が回転中心Oに対して反時計方向へ回転しても、検出基板3に対して相対的に時計方向(CW)へ回転する回転磁場を与えることができる。
第1の磁気抵抗効果素子R(+c)、R(−c)と、第2の磁気抵抗効果素子R(+s)、R(−s)とでは、感度軸Pの向きが互いに直交している。第1の磁気抵抗効果素子は2種類設けられ、R(+c)は感度軸Pの向きがY2方向で、R(−c)は感度軸Pの向きがY1方向である。第1の磁気抵抗効果素子は2種類設けられ、R(+s)は感度軸Pの向きがX1方向で、R(−s)は感度軸Pの向きがX2方向である。
磁気抵抗効果素子は、巨大磁気抵抗効果を利用したGMR素子、トンネル効果を利用したTMR素子であるが、この角度検出装置1では、抵抗変化率が大きい磁気抵抗効果素子を使用することが好ましく、抵抗変化率を50〜200%の範囲で設定可能なTMR素子を使用することが好ましい。
図1に示すように、磁気抵抗効果素子は電極部5,5とその間に位置する素子部4を有している。素子部4は、X−Y平面の平面内でミアンダパターンに形成されており、固定磁性層/非磁性層/フリー磁性層が積層されて構成されている。固定磁性層の固定磁化方向が前記感度軸Pの方向である。フリー磁性層は磁石M1,M2の洩れ磁界である外部磁化Hの方向に向けられる。そのため、磁石M1,M2の回転に伴ってフリー磁性層の磁化の向きが変化する。素子部4では、固定磁化方向とフリー磁性層の磁化方向との相対角度に応じて電気抵抗値が変動する。
外部磁界Hが感度軸Pの向きに与えられると磁気抵抗効果素子の電気抵抗値が最小となり、外部磁界Hが感度軸Pに対して逆向きに与えられると電気抵抗値が最大となる。外部磁界Hが感度軸Pと直交する向きに与えられると、磁気抵抗効果素子の電気抵抗値が中間値となる。
固定磁性層は反強磁性層と重ねられて磁場中熱処理されることで磁化方向が固定される。または、固定磁性層を磁性層/非磁性中間層/磁性層の積層フェリ構造として、各磁性層を反平行に磁化固定したセルフピン止め型とすることも可能である。この場合、片方の磁性層を磁場中成膜することで磁化が固定される。
図2に示すように、角度検出装置1では、検出基板3上で第1の磁気検出部11と第2の磁気検出部12が構成されている。
第1の磁気検出部11は、第1の関数出力部11aと第2の磁気抵抗効果素子R(+s)とで構成されている。第1の関数出力部11aは、第1の磁気抵抗効果素子R(+c)、R(−c)で構成されたフルブリッジ回路である。フルブリッジ回路は、2つの抵抗直列部が並列に接続されたものであり、それぞれの抵抗直列部では、素子R(+c)と素子R(−c)とが直列に接続されている。ただし、2つの抵抗直列部では、素子R(+c)と素子R(−c)と接続が互いに逆向きである。第2の磁気抵抗効果素子R(+s)と第1の関数出力部11aは直列に接続されており、電源Vddから与えられる電流は、第2の磁気抵抗効果素子R(+s)を通過して第1の関数出力部11aに与えられる。
第2の磁気検出部12は、第2の関数出力部12aと第2の磁気抵抗効果素子R(−s)とで構成されている。第2の関数出力部12aは、第1の磁気抵抗効果素子R(+c)、R(−c)で構成されたフルブリッジ回路であり、素子R(+c)と素子R(−c)とが直列に接続された2つの抵抗直列部を有している。2つの抵抗直列部では、素子R(+c)と素子R(−c)と接続が互いに逆向きである。第2の磁気抵抗効果素子R(−s)と第2の関数出力部12aは直列に接続されており、電源Vddから与えられる電流は、第2の磁気抵抗効果素子R(−s)を通過して第2の関数出力部12aに与えられる。
第1の関数出力部11aと、第2の関数出力部12aとでは、第1の磁気抵抗効果素子であるR(+c)とR(−c)の素子の接続の組み合わせが相違している。また、第1の磁界検出部11に設けられた第2の磁気抵抗効果素子R(+s)と、第2の磁界検出部12に設けられた第2の磁気抵抗効果素子R(−s)とでは、感度軸Pの向きが180度相違している。
図2に示すように、第1の関数出力部11aのフルブリッジ回路の中点出力(中点電圧)13aと13bは第1の出力回路21に与えられる。第2の関数出力部12aのフルブリッジ回路の中点出力14a,14bは第2の出力回路22に与えられる。第1の出力回路21は差動アンプであり、中点出力13aが(+)入力部に接続され、中点出力13bが(−)入力部に接続されている。第2の出力回路22も差動アンプであり、中点出力14aが(+)入力部に接続され、中点出力14bが(−)入力部に接続されている。
第1の関数出力部11aと第1の出力回路21との接続の組み合わせと、第2の関数出力部12aと第2の出力回路22との接続の組み合わせとを対比すると、互いに逆構成となっている。
直列接続部での素子R(+c)とR(−c)の感度軸Pの向きの組み合わせと中点出力との関係でみると、第1の関数出力部11aの中点出力13aが、第2の関数出力部12aの中点出力14bに相当している。すなわち、中点出力13aと中点出力14bは、共にその電圧入力側にR(+c)が位置し、接地側にR(−c)が位置している。ただし、中点出力13aは、第1の出力回路21の(+)入力部に接続され、中点出力14bは、第2の出力回路22の(−)入力部に接続されているおり、中点出力13aと中点出力14bとでは、その後段の出力回路21,22に対して逆の極性で入力している。
同様に、第1の関数出力部11aの中点出力13bは、第2の関数出力部12aの中点出力14aに相当しているが、中点出力13bは、第1の出力回路21の(−)入力部に接続され、中点出力14aは、第2の出力回路22の(+)入力部に接続されている。
したがって、第2の磁気抵抗効果素子R(+s)、R(−s)の存在を無視して、第1の関数出力部11aと第1の出力回路21との組み合わせと、第2の関数出力部12aと第2の出力回路22との組み合わせとを対比したときに、第1の関数出力部11aの2つの抵抗直列部の中点出力の差をとった差動出力と、第2の関数出力部12aの2つの抵抗直列部の中点出力の差をとった差動出力とは、互いに逆極性であり、位相を180度相違させている。
図1に示す回転体2を時計方向(CW)へ回転させると、第1の出力回路21から第1の検知出力S1が得られ、第2の出力部22から第2の検知出力S2が得られる。
図4に第1の検知出力S1と第2の検知出力S2が示されている。図4では、横軸に回転体2の時計方向(CW)の回転角度θが示されている。回転角度θの原点は、図1に示すように、磁石M1,M2の幅方向の中心がY軸と一致しているときである。回転体1が時計方向へ回転し回転磁場が360度回転する間に、第1の出力回路21からは、回転角度の関数となる強度変化を示す検知出力S1が1周期分得られる。
ここで、第1の磁気検出部11に第2の磁気抵抗効果素子R(+s)が設けられておらず、フルブリッジ回路の第1の関数出力部11aのみが設けられていると仮定すると、第1の出力回路21から得られる1周期分の検知出力は、磁石M1,M2位置が図1の状態のときを回転角度θの原点とする余弦波に近似した出力となる。
しかし、図2に示す第1の磁気検出部11では、電源Vddと第1の関数出力部11aとの間に第2の磁気抵抗効果素子R(+s)が直列に接続されており、電源電流が第2の磁気抵抗効果素子R(+s)を通過して第1の関数出力部11aに与えられる。第2の磁気抵抗効果素子R(+s)は磁界Hの角度に応じて抵抗値が変動するため、第1の関数出力部11aに与えられる電流値は、磁界Hの角度θに応じて変化する。
図3に示す第1の磁気検出装置1の回路図に基づいて検知出力S1を計算する。以下の計算では、R(+s)とR(+c)ならびにR(−c)を回転磁界の角度θに応じて変化する可変抵抗値としている。また、電流Iは、フルブリッジ回路の第1の関数出力部11aに与えられる電流量を意味している。
I=Vdd/{R(+s)+(1/2)・(R(+c)+R(−c))}
I1=I2=I/2
V1=I1×R(−c)、 V2=I2×(R(+c))
S1=V1−V2=(I/2)・(R(−c)−R(+c))
=Vdd/2・{R(+s)+(1/2)・(R(+c)+R(−c))}・(R(−c)−R(+c))
である。
I1=I2=I/2
V1=I1×R(−c)、 V2=I2×(R(+c))
S1=V1−V2=(I/2)・(R(−c)−R(+c))
=Vdd/2・{R(+s)+(1/2)・(R(+c)+R(−c))}・(R(−c)−R(+c))
である。
(R(−c)−R(+c))は、磁石M1,M2の回転角度θが図1に示す原点のときに極大値を示し、回転体2が時計方向へ回転し、回転角度θが180度になると極小値を示し、回転角度θが360度になると再び極大値を示し、この抵抗値の変化は余弦波の変化に近似する。電流Iは、第2の磁気抵抗効果素子R(+s)に与えられる回転磁界の角度θに応じて変化し、その変化は、位相が前記余弦波から90度進んだ正弦波に近似する。
回転体2が図1に示す原点から時計方向へ回転する間に、関数出力部11aから得られる余弦波に近似した波形が、第2の磁気抵抗効果素子R(+s)における正弦波に近似した電圧降下の変化で除算されたのと同様の効果を発揮できる。その結果、第1の出力回路21からの検知出力S1の波形は、図4に示すように、回転角度θが180度から360度の範囲で、一次関数に近似した変化を示すようになる。
同様にして、第2の出力回路22から得られる第2の検知出力S2も、
S2=(I/2)・(R(+c)−R(−c))
となる。図4に示すように、回転角度θが0度から180度の範囲で、角度θの関数である検知出力S2が一次関数に近似した変化を示すようになる。
S2=(I/2)・(R(+c)−R(−c))
となる。図4に示すように、回転角度θが0度から180度の範囲で、角度θの関数である検知出力S2が一次関数に近似した変化を示すようになる。
第1と第2の検知出力S1、S2はアナログミキサー30に与えられる。アナログミキサー30は、スイッチング回路31と比較器32ならびにバイアス付加回路33を有している。
図2に示すように、比較器32では、第1の中点電位V11と第2の中点電位V12とが比較される。第1の中点電位V11は、第1の磁気検出部11における第1の関数出力部11aと第2の磁気抵抗効果素子R(+s)との中間点の電位であり、第2の中点電位V12は、第2の磁気検出部12における第2の関数出力部12aと第2の磁気抵抗効果素子R(−s)との中間点の電位である。
第1の中点電位V11は、回転磁界Hの回転角度θに対して負の正弦波に近似した変化を示し、第2の中点電位V12は、回転角度θに対して正の正弦波に近似した変化を示す。
比較器32で比較した結果はスイッチング回路31に与えられる。(第1の中点電位V11)<(第2の中点電位V12)のとき、スイッチング回路31のスイッチング動作によって、第2の検知出力S2から第2の角度検知出力S2aが切出される。正弦波の変化を示す中点電位V11とV12を比較することで、第2の検知出力を0〜180度の範囲で切出して、第2の角度検知出力S2aを得ることができる。また、(第2の中点電位V12)<(第1の中点電位V11)のとき、スイッチング回路31のスイッチング動作によって、第1の検知出力S1から第1の角度検知出力S1aが切出される。このとき第1の検知出力S1は、180度から360度の範囲で切出される。
第2の角度検知出力S2aは、第2の検知出力S2が、90度±90度の範囲で得られたものであり、一次関数に近似した検知出力となる。第1の角度検知出力S1aは、第1の検知出力S1が、180度±90度の範囲で得られたものであり、一次関数に近似した検知出力となる。
本発明では、それぞれの角度検知出力S1a,S2aを独立した信号として使用することが可能である。ただし、図2に示すアナログミキサー30では、スイッチング回路31から出力される角度検知出力S1a,S2aがバイアス付加回路33に与えられる。
バイアス付加回路33では、比較器32から与えられる0〜180度の角度情報と180〜360度の角度情報に基づいて、角度検知出力S1a,S2aにバイアス電圧が与えられ、図6に示すように、第2の角度検知出力S2aと第1の角度検知出力S1aとが連続した一次関数に近似した連続角度検知出力Scが得られる。
バイアス付加回路33は抵抗器と可変抵抗器で構成され、図5に示す第1の角度検知出力S1aの始端が、第2の角度検知出力S2aの終端に連続するように、第1の角度検知出力S1aに対してバイアス電圧が印加される。なお、最初に得られる第2の角度検知出力S2aにバイアス電圧が与えられることにより、図6に示すように、角度θが180度のときの出力の起点を、出力電圧の0点に合わせることも可能である。
図6に示す連続角度検知出力Scは一次関数に近似している。図7は、図6に示す連続角度検知出力Scと一次関数との強度誤差を示している。図7では連続角度検知出力Scの一次関数に対する誤差が、±0.3%未満である。
本発明の角度検出装置1では、図2に示す第1の磁気検出部11と第2の磁気検出部12から得られるアナログ出力をそのまま使用し、あるいはゲイン調整を行ってそのまま使用することで、長い演算時間を必要とせずに瞬時に一次関数に近似した角度検知出力を得ることができる。よって、回転体2がモータに直結して回転している場合のように高い回転数で回転するものであっても、回転角度を精度良く検出することができる。
なお、第1の関数出力部11aと第2の関数出力部12aにおいて、磁気抵抗効果素子R(+s)とR(−s)を使用したブリッジ回路で関数出力部11a,12aが構成され、その関数出力部11a,12aに、R(+c)またはR(−c)が直列に接続されてもよい。
また、第1の関数出力部11aと第2の関数出力部12aのフルブリッジ回路が、磁気抵抗効果素子(+c)と固定抵抗とで構成され、あるいは磁気抵抗効果素子(−c)と固定抵抗とで構成されていてもよい。または第1の関数出力部11aと第2の関数出力部12aがハーフブリッジ回路であってもよい。
また、第1の関数出力部11aと第2の関数出力部12aと直列に接続される磁気抵抗効果素子R(+s)やR(−s)が複数設けられていてもよい。
(実施例1)
図4ないし図7に示す実施例1は、フルブリッジ回路を構成している第1の磁気抵抗効果素子が直列に接続された{R(+c)+R(−c)}の抵抗値が200に対して、これと直列に接続されている第2の磁気抵抗効果素子R(+s)、R(−s)の無磁場での抵抗値が400である。すなわち、第2の磁気抵抗効果素子R(+)と、フルブリッジ回路の抵抗値との比が4:1である。
図4ないし図7に示す実施例1は、フルブリッジ回路を構成している第1の磁気抵抗効果素子が直列に接続された{R(+c)+R(−c)}の抵抗値が200に対して、これと直列に接続されている第2の磁気抵抗効果素子R(+s)、R(−s)の無磁場での抵抗値が400である。すなわち、第2の磁気抵抗効果素子R(+)と、フルブリッジ回路の抵抗値との比が4:1である。
また、全ての磁気抵抗効果素子R(+c)、R(−c)、R(+s)、R(−s)の抵抗変化率(ΔR)が150%である。
この場合、図7に示すように、連続角度検知出力Scと一次関数との誤差は±0.3%未満である。
(実施例2)
図8ないし図11は実施例2を示している。図8ないし図11は、図4ないし図7の図にそれぞれ相当している。
図8ないし図11は実施例2を示している。図8ないし図11は、図4ないし図7の図にそれぞれ相当している。
実施例2では、{R(+c)+R(−c)}の抵抗値が200に対して、第2の磁気抵抗効果素子R(+s)、R(−s)の無磁場での抵抗値が400であり、第2の磁気抵抗効果素子R(+)と、フルブリッジ回路の抵抗値との比が4:1である。
ただし、全ての磁気抵抗効果素子R(+c)、R(−c)、R(+s)、R(−s)の抵抗変化率(ΔR)が100%である。
この場合、図11に示すように、連続角度検知出力Scと一次関数との誤差は±1.3%未満である。
(実施例3)
図12ないし図15は実施例3を示している。図12ないし図15は、図4ないし図7の図にそれぞれ相当している。
図12ないし図15は実施例3を示している。図12ないし図15は、図4ないし図7の図にそれぞれ相当している。
実施例3では、{R(+c)+R(−c)}の抵抗値が200に対して、第2の磁気抵抗効果素子R(+s)、R(−s)の無磁場での抵抗値が400であり、第2の磁気抵抗効果素子R(+)と、フルブリッジ回路の抵抗値との比が4:1である。
この実施例では、全ての磁気抵抗効果素子R(+c)、R(−c)、R(+s)、R(−s)の抵抗変化率(ΔR)が50%である。
この場合、図15に示すように、連続角度検知出力Scと一次関数との誤差は±3.5%未満である。
(実施例4)
図16ないし図19は実施例4を示している。図16ないし図19は、図4ないし図7の図にそれぞれ相当している。
図16ないし図19は実施例4を示している。図16ないし図19は、図4ないし図7の図にそれぞれ相当している。
実施例4では、{R(+c)+R(−c)}の抵抗値が200に対して、第2の磁気抵抗効果素子R(+s)、R(−s)の無磁場での抵抗値が200である。すなわち、第2の磁気抵抗効果素子R(+)と、フルブリッジ回路の抵抗値との比が2:1である。
なお、全ての磁気抵抗効果素子R(+c)、R(−c)、R(+s)、R(−s)の抵抗変化率(ΔR)が150%である。
この場合、図19に示すように、連続角度検知出力Scと一次関数との誤差は±0.7%未満である。
(実施例5)
図20ないし図23は実施例5を示している。図20ないし図23は、図4ないし図7の図にそれぞれ相当している。
図20ないし図23は実施例5を示している。図20ないし図23は、図4ないし図7の図にそれぞれ相当している。
実施例5では、{R(+c)+R(−c)}の抵抗値が200に対して、第2の磁気抵抗効果素子R(+s)、R(−s)の無磁場での抵抗値が100である。すなわち、第2の磁気抵抗効果素子R(+)と、フルブリッジ回路の抵抗値との比が1:1である。
なお、全ての磁気抵抗効果素子R(+c)、R(−c)、R(+s)、R(−s)の抵抗変化率(ΔR)が150%である。
この場合、図23に示すように、連続角度検知出力Scと一次関数との誤差は±1.7%未満である。
1 角度検出装置
2 回転体
3 検出基板
11 第1の磁気検出部
11a 第1の関数出力部
12 第2の磁気検出部
12a 第2の関数出力部
21 第1の出力回路
22 第2の出力回路
30 アナログミキサー
31 スイッチング回路
32 比較器
33 バイアス付加回路
M1,M2 磁石
P 感度軸
R(+c)、R(+c) 第1の磁気抵抗効果素子
R(+s)、R(−s) 第2の磁気抵抗効果素子
S1 第1の検知出力
S1a 第1の角度検知出力
S2 第2の検知出力
S2a 第2の角度検知出力
Sc 連続角度検知出力
2 回転体
3 検出基板
11 第1の磁気検出部
11a 第1の関数出力部
12 第2の磁気検出部
12a 第2の関数出力部
21 第1の出力回路
22 第2の出力回路
30 アナログミキサー
31 スイッチング回路
32 比較器
33 バイアス付加回路
M1,M2 磁石
P 感度軸
R(+c)、R(+c) 第1の磁気抵抗効果素子
R(+s)、R(−s) 第2の磁気抵抗効果素子
S1 第1の検知出力
S1a 第1の角度検知出力
S2 第2の検知出力
S2a 第2の角度検知出力
Sc 連続角度検知出力
Claims (8)
- 回転磁場が作用する領域に配置される角度検出装置において、
感度軸の向きが互いに直交する第1の磁気抵抗効果素子と第2の磁気抵抗効果素子とを有し、
前記第1の磁気抵抗効果素子を含み、回転磁場が360度回転する間に、回転角度の関数である強度変化の出力が1周期分得られる関数出力部と、前記関数出力部の電流供給側に直列に接続された前記第2の磁気抵抗効果素子とで磁気検出部が構成されており、
前記関数出力部から得られる検知出力のうちの一次関数に近似した角度検知出力を切出すスイッチング回路が設けられていることを特徴とする角度検出装置。 - 前記磁気検出部が複数設けられ、
前記磁気検出部毎に、前記関数出力部からの検知出力の位相ならびに前記第2の磁気抵抗効果素子の感度軸の方向が相違している請求項1記載の角度検出装置。 - 第1の磁気検出部と第2の磁気検出部とが設けられ、
第1の磁気検出部と前記第2の磁気検出部とで、前記関数出力部からの出力の位相が180度相違するとともに、前記第2の磁気抵抗効果素子の感度軸の方向が180度相違している請求項2記載の角度検出装置。 - 前記関数出力部はブリッジ回路であり、このブリッジ回路では、2つの抵抗直列部の中点出力が逆極性であり、2つ抵抗直列部からそれぞれ得られる前記中点出力の差が前記検知出力となる請求項1ないし3のいずれかに記載の角度検出装置。
- 前記第1の磁気検出部に設けられた第1の関数出力部と、前記第2の磁気検出部に設けられた第2の関数出力部は共にブリッジ回路であり、それぞれのブリッジ回路では、2つの抵抗直列部の中点出力が逆極性であり、2つ抵抗直列部からそれぞれ得られる前記中点出力の差が前記検知出力となり、
前記第1の関数出力部からの前記中点出力の差と、前記第2の関数出力部からの前記中点出力の差は、互いに逆極性である請求項3記載の角度検出装置。 - 複数の前記磁気検出部から得られた複数の角度検知出力のいずれかにバイアス電力を与えて、複数の角度検知出力を連続出力とするバイアス付加回路が設けられている請求項2,3,5のいずれかに記載の角度検出装置。
- 前記第1の磁気抵抗効果素子と前記第2の磁気抵抗効果素子の抵抗変化率が、共に50〜200%である請求項1ないし6のいずれかに記載の角度検出装置。
- 前記関数検出部の抵抗値と、前記第2の磁気抵抗効果素子の抵抗値との比が、1:1〜1:4である請求項1ないし7のいずれかに記載の角度検出装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013178570A JP2015049048A (ja) | 2013-08-29 | 2013-08-29 | 角度検出装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2013178570A JP2015049048A (ja) | 2013-08-29 | 2013-08-29 | 角度検出装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2015049048A true JP2015049048A (ja) | 2015-03-16 |
Family
ID=52699208
Family Applications (1)
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JP2013178570A Pending JP2015049048A (ja) | 2013-08-29 | 2013-08-29 | 角度検出装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2015049048A (ja) |
-
2013
- 2013-08-29 JP JP2013178570A patent/JP2015049048A/ja active Pending
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