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JP2015048392A - 水溶性共重合体の製造方法 - Google Patents

水溶性共重合体の製造方法 Download PDF

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JP2015048392A
JP2015048392A JP2013180397A JP2013180397A JP2015048392A JP 2015048392 A JP2015048392 A JP 2015048392A JP 2013180397 A JP2013180397 A JP 2013180397A JP 2013180397 A JP2013180397 A JP 2013180397A JP 2015048392 A JP2015048392 A JP 2015048392A
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acid
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JP2013180397A
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寛 川畑
Hiroshi Kawabata
寛 川畑
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Nippon Shokubai Co Ltd
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Nippon Shokubai Co Ltd
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Abstract

【課題】十分な重合率を達成すべく比較的多量の還元性化合物をレドックス系開始剤として用いる場合に、得られる水溶性共重合体(水溶液)の製造後の経日での色度変化を最小限に抑制しうる手段を提供する。
【解決手段】化学式1で表されるカルボン酸単量体と、化学式2で表されるポリエーテル単量体とを必須成分として含有する単量体成分を重合開始剤を用いて重合させることを含む水溶性共重合体の製造方法において、重合開始剤として、過酸化水素と、前記単量体成分の総量100モル%に対して0.5モル%超の還元性化合物とを併用し、さらに、遷移金属塩の存在下で重合を行うか、重合の終了後に反応系に遷移金属塩を添加する。
【選択図】なし

Description

本発明は、水溶性共重合体の製造方法に関する。
カルボン酸単量体と不飽和ポリアルキレングリコール系単量体のようなポリエーテル単量体とを必須成分として含む単量体成分を共重合して得られるポリカルボン酸系共重合体は、従来、セメント分散剤および顔料分散剤をはじめ、種々の分散剤に好適に用いられている。
例えば、特許文献1では、ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリル酸エステル単量体、(メタ)アクリル酸系単量体およびこれらと共重合可能な単量体を、ベンゾイルパーオキシド、ラウロパーオキシド等のパーオキシド、クメンハイドロパーオキシド等のハイドロパーオキシド、アゾビスイソブチロニトリルなどの脂肪族アゾ化合物を重合開始剤として用いてポリカルボン酸系共重合体を製造している。
しかしながら、このような、カルボン酸単量体と不飽和ポリアルキレングリコール系単量体等のポリエーテル単量体との反応系においては、高温で反応させた場合、モノマーの重合率は高いものの、分子量の低いオリゴマーの生成量が増大し、分散剤としての性能を発揮しうるだけの高い分子量を有する有効なポリマー部分が減少しやすいという問題が生じる。一方、低温で反応させた場合には、モノマーの連鎖移動が抑制できるので、オリゴマー部分が少なく有効なポリマー部分の多い水溶性共重合体が得られるが、モノマーの重合率が低くなる傾向がある。
この問題を解決するには、前記水溶性共重合体を得る際に、低温で反応させ、かつ、モノマーの重合率を上げるために反応時間を長くすることが考えられるが、反応に長時間を要することから、生産性および作業性が悪く、工業的に実施する上でコストが問題となる。
そこで、前記反応系において、低温でも反応性が高い重合開始剤を用いることが望まれる。このような要望に応えるための重合開始剤として、過硫酸アンモニウムや過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩が従来提案されていた。しかしながら、開始剤としての過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩を何らの工夫もなく使用する場合、ステンレスの反応釜では重合時に発生する硫酸に起因して腐食が生じるおそれがあることから、グラスライニングされた反応釜を使用する必要がある。グラスライニングされた反応釜は、ステンレスの反応釜に比べ熱伝導率が低く、加熱冷却時の効率が悪い上に、衝撃に弱く、ライニング層が割れた場合の補修も困難であるため、設備の維持に多額の費用がかかるという問題を有する。
また、ポリカルボン酸は、セメント分散剤として使用する場合、取り扱いやすくするため、通常、重合後に中和しておくことが望ましいのであるが、過硫酸塩を開始剤として用いて得られた水溶性共重合体は、中和の際に塩が生成しやすく、この塩が結晶として析出して各種トラブルの原因となる恐れがある。さらに、過硫酸塩を開始剤として用いて得られた水溶性共重合体の水溶液は茶褐色に呈色していることもあるため、着色の少ない分散剤に対する要求が高い顔料分散剤用途には不向きであった。
このような問題の解決を図り、物性が高くて着色の少ない水溶性共重合体を提供することを目的として、特許文献2では、重合開始剤として過酸化水素とL−アスコルビン酸とからなるレドックス系重合開始剤と用い、この際過酸化水素の使用量を単量体の合計量に対して0.01〜30モル%とし、さらに重合反応液のpHを所定の範囲(3.2〜7.0)内に制御して重合を行う技術が開示されている。
特開昭59−18338号公報 特開2006−291213号公報
上述したように、特許文献2によれば、上記手法を用いて水溶性共重合体を製造することで、着色の少ない重合体が得られるとされている。しかしながら、本発明者の検討によれば、特許文献2に記載の単量体を用いて水溶性共重合体を製造する際にL−アスコルビン酸に代表される還元性化合物を使用すると、反応後徐々に重合体(水溶液)の色度が変化し、長期にわたって製品を保存する場合の外観に関する品質維持が困難であることが判明した。そして、十分な重合率を達成するためには上記還元性化合物の使用量を多くする必要があるが、還元性化合物の使用量を増やすと上述したような色度変化も大きくなることも判明した。
そこで本発明は、十分な重合率を達成すべく比較的多量の還元性化合物をレドックス系開始剤として用いる場合に、得られる水溶性共重合体(水溶液)の製造後の経日での色度変化を最小限に抑制しうる手段を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために、種々工夫し検討し実験を重ねた。その結果、過酸化水素および多量の還元性化合物からなるレドックス系開始剤を用い、遷移金属塩の存在下で重合を行うことで、上記課題が解決されうることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の一形態によれば、下記化学式1:
Figure 2015048392
式中、
、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子、メチル基または−(CHCOOM基(−(CHCOOMは、−COOMまたはその他の−(CHCOOMと無水物を形成していてもよい)を表し、zは、0〜2の整数を表し、
およびMは、それぞれ独立して、水素原子、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、アンモニウム基または有機アミン基を表す、
で表されるカルボン酸単量体と、
下記化学式2:
Figure 2015048392
式中、
およびRは、それぞれ独立して、水素原子またはメチル基を表し、
AOは、それぞれ独立して、炭素数2以上のオキシアルキレン基の1種または2種以上を表し、
nは、オキシアルキレン基の平均付加モル数で1〜300の数を表し、
xは、0〜2の整数を表し、
yは、0または1を表し、
は、水素原子または炭素数1〜20の炭化水素基を表す、
で表されるポリエーテル単量体とを必須成分として含有する単量体成分を重合開始剤を用いて重合させることを含む、水溶性共重合体の製造方法が提供される。
そして、当該形態に係る製造方法は、重合開始剤として、過酸化水素と、単量体成分の総量100モル%に対して0.5モル%超の還元性化合物とを併用し、遷移金属塩の存在下で重合を行う点に特徴を有するものである。
また、本発明の他の形態に係る製造方法は、重合開始剤として、過酸化水素と、単量体成分の総量100モル%に対して0.5モル%超の還元性化合物とを併用して重合を行う工程と、重合の終了後に反応系に遷移金属塩を添加する工程とを含む点に特徴を有する。
本発明の一形態に係る水溶性共重合体の製造方法によれば、十分な重合率を達成すべく比較的多量の還元性化合物をレドックス系開始剤として用いる場合に、得られる水溶性共重合体(水溶液)の製造後の経日での色度変化を最小限に抑制することが可能となる。
本発明の一形態に係る水溶性共重合体の製造方法においては、化学式1で表されるカルボン酸単量体と、化学式2で表されるポリエーテル単量体とを必須成分として含有する単量体成分を重合開始剤を用いて重合させる。
詳細には、上記カルボン酸単量体は、下記化学式1:
Figure 2015048392
で表される。
化学式1において、R、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子、メチル基または−(CHCOOM基を表す。この際、−(CHCOOMは、−COOMまたはその他の−(CHCOOMと無水物を形成していてもよい。また、zは、0〜2の整数を表す。さらに、化学式1において、MおよびMは、それぞれ独立して、水素原子、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、アンモニウム基または有機アミン基(有機アンモニウム基)を表す。ここで、アルカリ金属原子としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム等が挙げられる。また、アルカリ土類金属原子としては、カルシウム、マグネシウム等が挙げられる。なかでも、MおよびMは、水素原子、ナトリウム、またはカリウムであることが好ましい。また、アンモニウム基は、「−NH 」で表される官能基である。そして、有機アミン基(有機アンモニウム基)としては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン;モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン等のアルキルアミン;エチレンジアミン、トリエチレンジアミン等のポリアミン等の有機アミン由来の残基が挙げられる。
化学式1で表されるカルボン酸単量体としては、不飽和モノカルボン酸系化合物として、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸およびこれらの金属塩、アンモニウム塩、有機アミン塩(有機アンモニウム塩)等が挙げられ、不飽和ジカルボン酸系化合物として、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、フマル酸、またはこれらの金属塩、アンモニウム塩、有機アミン塩(有機アンモニウム塩)等が挙げられ、さらにこれらの無水物としては、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸等が挙げられる。なかでも、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸またはこれらの塩が重合性の観点から好ましく、アクリル酸またはメタクリル酸が特に好ましい。なお、これらの化合物は1種のみが単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。また、これらの化合物は、市販されている化合物を用いてもよいし、自ら合成することにより準備してもよい。
一方、上記ポリエーテル単量体は、下記化学式2:
Figure 2015048392
で表される。
化学式2において、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子またはメチル基を表す。また、AOは、それぞれ独立して、炭素数2以上のオキシアルキレン基の1種または2種以上を表す。かようなオキシアルキレン基を構成する「A」としては、例えば、エチレン基、トリメチレン基、メチルエチレン基、エチルエチレン基、フェニルエチレン基、テトラメチレン基、または1,2−ジメチルエチレン基が挙げられる。すなわち、化学式2において「AO」は、上記の官能基を含むオキシアルキレン基(例えば、オキシエチレン基)である。なかでも、重合における反応性の観点からは、Aはエチレン基またはメチルエチレン基であることが好ましく、エチレン基であることが最も好ましい。また、場合によっては、(AO)で表される繰り返し単位中に2以上の異なるAO構造が存在していてもよい。ただし、ポリオキシアルキレン鎖の製造の容易性や構造の制御のし易さを考慮すると、(AO)で表される繰り返し構造は、同一のAO構造の繰り返しであることが好ましい。なお、2以上の異なるAO構造が存在する場合、これらの異なるAO構造は、ランダム付加、ブロック付加、交互付加等のいずれの形態で存在していてもよい。
化学式2において、nはオキシアルキレン基の平均付加モル数で1〜300の数を表し、好ましくは1〜250であり、より好ましくは1〜200であり、さらに好ましくは1〜170であり、特に好ましくは1〜150であり、最も好ましくは2〜130である。
オキシアルキレン基の平均付加モル数nが上述した下限値以上であれば、得られる重合体の親水性が確保され、分散性能が向上しうるため、好ましい。また、オキシアルキレン基の平均付加モル数nが上述した上限値以下であれば、反応工程における反応性が十分に確保されうるため、好ましい。なお、「平均付加モル数」とは、ポリエーテル単量体1モル中において付加しているオキシアルキレン基のモル数の平均値を意味する。
当該オキシアルキレン基の分布には制限はなく、例えばnが1〜10のものと10〜75のものとを混合して分布をブロードにしてもよいし、ルイス酸や固体酸触媒等を用いて合成することで、オキシアルキレン基の分布をナローにしてもよい。
化学式2において、xは0〜2の整数を表し、yは0または1を表す。また、Rは、水素原子または炭素数1〜20の炭化水素基を表す。ここで、炭素原子数1〜20の炭化水素基としては、例えば、炭素原子数1〜20のアルキル基(脂肪族アルキル基または脂環族アルキル基)、炭素原子数6〜20のフェニル基、アルキルフェニル基、フェニルアルキル基、(アルキル)フェニル基で置換されたフェニル基、ナフチル基等のベンゼン環を有する芳香族基等が挙げられる。Rにおいては、炭化水素基の炭素原子数が増大するに従って疎水性が大きくなり、分散性が低下するため、Rが炭化水素基の場合の炭素原子数としては、1〜18がより好ましく、1〜12がさらに好ましく、1〜4が特に好ましい。さらに、Rがメチル基または水素原子であることが最も好ましい。
化学式2で表されるポリエーテル単量体としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、1−ペンタノール、1−ヘキサノール、オクタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、ノニルアルコール、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコールなどの炭素数1〜20の飽和脂肪族アルコール類、アリルアルコール、メタリルアルコール、クロチルアルコール、オレイルアルコールなどの炭素数3〜20の不飽和脂肪族アルコール類、シクロヘキサノールなどの炭素数3〜20の脂環式アルコール類、フェノール、フェニルメタノール(ベンジルアルコール)、メチルフェノール(クレゾール)、p−エチルフェノール、ジメチルフェノール(キシレノール)、ノニルフェノール、ドデシルフェノール、フェニルフェノール、ナフトールなどの炭素数6〜20の芳香族アルコール類のいずれかに炭素数2〜18のアルキレンオキシドを付加することによって得られるアルコキシポリアルキレングリコール類、炭素数2〜18のアルキレンオキシドを重合したポリアルキレングリコール類と(メタ)アクリル酸、クロトン酸とのエステル化物を挙げることができ、これらの1種または2種以上を用いることができる。なかでも、(メタ)アクリル酸のアルコキシポリアルキレングリコール類のエステルが好ましい。さらにビニルアルコール、(メタ)アリルアルコール、3−メチル−3−ブテン−1−オール、3−メチル−2−ブテン−1−オール、2−メチル−3−ブテン−2−オール、2−メチル−2−ブテン−1−オール、2−メチル−3−ブテン−1−オールなどの不飽和アルコールにアルキレンオキシドを1〜300モル付加した化合物を挙げることができ、これら1種または2種以上を用いることができる。なかでも、特に(メタ)アリルアルコール、3−メチル−3−ブテン−1−オールを用いた化合物が好ましい。なお上記の不飽和エステル類および不飽和エーテル類は、アルキレンオキシドとしては、例えばエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、スチレンオキシドなどの炭素数2〜18のアルキレンオキシドの中から選ばれる任意の1種、あるいは2種以上のアルキレンオキシドを付加させてもよい。2種以上を付加させる場合、ランダム付加、ブロック付加、交互付加などのいずれであってもよい。
以下、2つの形態について、それぞれより詳細に説明する。
(第1の形態)
化学式2で表されるポリエーテル単量体として、例えば、ポリエチレングリコールやポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコールまたはその一方の末端が炭素原子数1〜20の炭化水素基により置換されたものと(メタ)アクリル酸などのカルボン酸系化合物とのエステル化物(ポリアルキレングリコールエステル系化合物)が挙げられる。かようなエステル化物については、従来公知の知見を参照することにより、合成が可能である。
本発明の反応工程においてかようなポリアルキレングリコールエステル系化合物を原料(ポリエーテル単量体)として用い、重合開始剤の存在下で、上述したカルボン酸単量体と反応させると、ポリアルキレングリコールエステル系化合物(ポリエーテル単量体)およびカルボン酸単量体がそれぞれ有する不飽和二重結合のラジカル重合が進行し、これらの共重合体が得られる。
上述した原料化合物(単量体)の使用量について特に制限はないが、好ましい形態として、上述した2つの原料化合物(単量体)の全量100重量%に対して、ポリアルキレングリコールエステル系化合物(ポリエーテル単量体)およびカルボン酸単量体をそれぞれ1重量%以上含むとよい。また、ポリアルキレングリコールエステル系化合物(ポリエーテル単量体)の含有量は、好ましくは5重量%以上であり、より好ましくは10重量%以上であり、さらに好ましくは20重量%以上であり、特に好ましくは40重量%以上である。かような形態とすることで、得られる共重合体をセメント混和剤として用いた際の分散性能に優れる。また、重合反応をスムーズに進行させるという観点からは、ポリアルキレングリコールエステル系化合物(ポリエーテル単量体)由来の繰り返し単位は、得られる共重合体の全繰り返し単位の50モル%以下であることが好ましい。さらに、セメント混和剤としての使用時の分散性能を向上させるという観点からは、カルボン酸単量体が(メタ)アクリル酸(塩)を必須に含有することが好ましい。
なお、第1の形態の反応工程では、上述した2つの原料化合物(単量体)に加えて、これらと共重合可能な他の単量体をさらに共重合させてもよい。なお、他の単量体の使用量は、原料化合物(単量体)の全量100重量%に対して、好ましくは0〜70重量%であり、より好ましくは0〜50重量%であり、さらに好ましくは0〜30重量%であり、特に好ましくは0〜10重量%である。他の単量体としては、上述したポリアルキレングリコールエステル系化合物(ポリエーテル単量体)およびカルボン酸単量体と共重合可能な化合物であれば特に制限されず、下記の化合物の1種または2種以上が用いられうる。
マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸等の不飽和ジカルボン酸類と炭素原子数1〜30のアルコールとのハーフエステル、ジエステル類;上記不飽和ジカルボン酸類と炭素原子数1〜30のアミンとのハーフアミド、ジアミド類;上記アルコールやアミンに炭素原子数2〜18のアルキレンオキシドを1〜300モル付加させたアルキル(ポリ)アルキレングリコールと上記不飽和ジカルボン酸類とのハーフエステル、ジエステル類;上記不飽和ジカルボン酸類と炭素原子数2〜18のグリコールまたはこれらのグリコールの付加モル数2〜300のポリアルキレングリコールとのハーフエステル、ジエステル類;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルクロトネート、エチルクロトネート、プロピルクロトネート等の不飽和モノカルボン酸類と炭素原子数1〜30のアルコールとのエステル類;マレアミド酸と炭素原子数2〜18のグリコールまたはこれらのグリコールの付加モル数2〜300のポリアルキレングリコールとのハーフアミド類。
トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコール(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等の(ポリ)アルキレングリコールジ(メタ)アクリレート類;ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート類;トリエチレングリコールジマレート、ポリエチレングリコールジマレート等の(ポリ)アルキレングリコールジマレート類;ビニルスルホネート、(メタ)アリルスルホネート、2−(メタ)アクリロキシエチルスルホネート、3−(メタ)アクリロキシプロピルスルホネート、3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルスルホネート、3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルスルホフェニルエーテル、3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシスルホベンゾエート、4−(メタ)アクリロキシブチルスルホネート、(メタ)アクリルアミドメチルスルホン酸、(メタ)アクリルアミドエチルスルホン酸、2−メチルプロパンスルホン酸(メタ)アクリルアミド、スチレンスルホン酸等の不飽和スルホン酸類、並びに、それらの一価金属塩、二価金属塩、アンモニウム塩および有機アミン塩(有機アンモニウム塩);メチル(メタ)アクリルアミドのように不飽和モノカルボン酸類と炭素原子数1〜30のアミンとのアミド類;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−メチルスチレン等のビニル芳香族類;1,4−ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、1,5−ペンタンジオールモノ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールモノ(メタ)アクリレート等のアルカンジオールモノ(メタ)アクリレート類;ブタジエン、イソプレン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2−クロル−1,3−ブタジエン等のジエン類。
(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアルキルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド等の不飽和アミド類;(メタ)アクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル等の不飽和シアン類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等の不飽和エステル類;(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸メチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノプロピル、(メタ)アクリル酸ジブチルアミノエチル、ビニルピリジン等の不飽和アミン類;ジビニルベンゼン等のジビニル芳香族類;トリアリルシアヌレート等のシアヌレート類;(メタ)アリルアルコール、グリシジル(メタ)アリルエーテル等のアリル類;ポリジメチルシロキサンプロピルアミノマレインアミド酸、ポリジメチルシロキサンアミノプロピレンアミノマレインアミド酸、ポリジメチルシロキサン−ビス−(プロピルアミノマレインアミド酸)、ポリジメチルシロキサン−ビス−(ジプロピレンアミノマレインアミド酸)、ポリジメチルシロキサン−(1−プロピル−3−アクリレート)、ポリジメチルシロキサン−(1−プロピル−3−メタクリレート)、ポリジメチルシロキサン−ビス−(1−プロピル−3−アクリレート)、ポリジメチルシロキサン−ビス−(1−プロピル−3−メタクリレート)等のシロキサン誘導体。
本発明の一形態に係る水溶性共重合体の製造方法において、重合方法は特に限定されるものではなく、溶液重合や塊状重合などの公知の方法を採用することができる。特に、反応の制御や、重合物の取り扱いやすさの点を考慮すると、溶液重合が好ましい。
溶媒中での重合は、回分式でも連続式でも行なうことができ、その際使用される溶媒としては、水;メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等の低級アルコール;ベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、n−ヘキサン等の芳香族あるいは脂肪族炭化水素;酢酸エチル等のエステル化合物;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン化合物;テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル化合物等が挙げられる。原料としての単量体成分および得られる共重合体の溶解性ならびに該共重合体の使用時の便からは、水および炭素原子数1〜4の低級アルコールよりなる群から選ばれた少なくとも1種を溶媒として用いることが好ましい。その場合、炭素原子数1〜4の低級アルコールの中でもメタノール、エタノール、イソプロパノール等が特に有効である。この際、水の配合比は、溶液の均一性の観点から、好ましくは20重量%以下、さらに好ましくは10重量%以下、よりさらに好ましくは5重量%以下、最も好ましくは1重量%以下である。
本発明の一形態にかかる水溶性共重合体の製造方法では、重合開始剤として、過酸化水素と還元性化合物とを併用する(いわゆるレドックス系重合開始剤を用いる)。このようなレドックス系重合開始剤を用いることにより、重合温度が低くても迅速に重合反応が促進できるという利点がある。ここで、過酸化水素の使用量は、単量体成分の合計量に対して好ましくは0.01〜30モル%であり、より好ましくは0.1〜20モル%であり、さらに好ましくは0.5〜10モル%である。かような構成とすることで、低い温度でも短時間で重合ができ、オリゴマー量を少なくし、かつ着色を防止することができる。なお、レドックス系重合開始剤として過硫酸アンモニウム/亜硫酸水素ナトリウムを使用すると、重合後の製品中に硫酸ナトリム等の塩類が析出するため、純度が低下する。一方、過酸化物を使用すると反応効率を高めるためにレドックス系重合開始剤を使用する場合に比較して、重合温度を高くする必要がある。このため高温反応による不純物が発生しやすく場合によっては製品が着色するという問題がある。これに対し、レドックス系重合開始剤の一部として過酸化水素を用いることで、これらの問題の発生が抑制されうるのである。
さらに、本発明に係るレドックス系重合開始剤としては、過酸化水素に加えて還元性化合物が併用される。かような還元性化合物としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ヒドロキシルアミン、塩酸ヒドロキシルアミン、ヒドラジン等のアミン化合物もしくはその塩;ホルムアルデヒドナトリウムスルホキシラート、ヒドロキシメタンスルフィン酸ナトリウム二水和物等の−SH基、−SOH基、−NHNH基、−COCH(OH)−基等の基を有する有機系化合物もしくはその塩;D−フルクトース、D−グルコース等の転化糖;チオウレア、二酸化チオウレア等のチオウレア化合物;L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸ナトリウム、L−アスコルビン酸エステル、エリソルビン酸、エリソルビン酸ナトリウム、エリソルビン酸エステルなどが挙げられる。還元性化合物としては、L−アスコルビン酸、エリソルビン酸およびこれらの塩またはエステルが好ましく用いられ、より好ましくはL−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸ナトリウム、またはL−アスコルビン酸エステルが用いられ、特に好ましくはL−アスコルビン酸が用いられる。
本発明において、レドックス系重合開始剤として過酸化水素と併用される上記還元性化合物は、比較的多量に用いられる。具体的には、還元性化合物の使用量は、重合反応効率の観点から、単量体成分の総量100モル%に対して0.5モル%超であり、好ましくは0.55〜10モル%であり、より好ましくは0.6〜5モル%である。還元性化合物の使用量が単量体成分の総量100モル%に対して10モル%以下であれば、残存する還元性化合物の量が低減され、また、得られた水溶性共重合体を中和して高濃度で保存しておく際の還元性化合物由来の結晶の析出が防止されるため、好ましい。
また、本発明の一形態では、遷移金属塩の存在下で重合を行う点に特徴がある。遷移金属塩の具体的な種類について特に制限はなく、従来公知の知見が適宜参照されうるが、一例としては、鉄、マンガン、銅、スズ、チタン、クロム、およびバナジウムからなる群から選択される遷移金属の塩の1種または2種以上が特に効果を発揮する。塩は複塩でもよい。なかでも、遷移金属塩は、鉄塩、銅塩およびマンガン塩からなる群から選択される1種または2種以上であることが好ましい。かような遷移金属塩の具体例としては、モール塩((NHFe(SO・6HO)、硫酸鉄(IIまたはIII)、硝酸鉄(IIまたはIII)、塩化鉄(IIまたはIII)、臭化鉄(IIまたはIII)、酢酸鉄(III)、ヨウ化鉄(IIまたはIII)、フマル酸鉄(II)、鉄(III)アセチルアセトナート、四塩化鉄(II)二リチウム、塩化マンガン(II)、臭化マンガン(II)、ヨウ化マンガン(II)、ギ酸マンガン(II)、酢酸マンガン(II)、シュウ酸マンガン(II)、マンガン(IIまたはIII)アセチルアセトナート、四塩化マンガン(II)二リチウム、塩化銅(IまたはII)、臭化銅(IまたはII)、ヨウ化銅(IまたはII)、シアン化銅(IまたはII)、ギ酸銅(II)、酢酸銅(II)、シュウ酸銅(II)、銅(II)アセチルアセトナート、四塩化銅(I)二リチウム等が挙げられる。これらの遷移金属塩の使用量については特に制限はないが、経済性の観点からは、ポリエーテル単量体に対して、遷移金属換算で好ましくは100〜20000重量ppbであり、より好ましくは200〜5000重量ppbであり、さらに好ましくは200〜5000重量ppbである。
重合温度は、用いる溶媒や重合開始剤により適宜定められるが、色調および/または生産性の観点から、0〜95℃であることが好ましく、より好ましくは30〜90℃、特に好ましくは50〜85℃である。本発明の製造方法における重合時の重合圧力は、特に限定されず、加圧、常圧(大気圧)、減圧いずれかでのよく、場合により適宜設定すればよいが、常圧が好ましい。
得られる水溶性共重合体の分子量を調整する目的で、連鎖移動剤を用いてもよい。連鎖移動剤としては特に限定されず、例えば、メルカプトエタノール、チオグリセロール、チオグリコール酸、2−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプトプロピオン酸、チオリンゴ酸、チオグリコール酸オクチル、3−メルカプトプロピオン酸オクチル、2−メルカプトエタンスルホン酸等のチオール系連鎖移動剤;イソプロパノール等の第2級アルコール;亜リン酸、次亜リン酸、及びその塩(次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カリウム等)や、亜硫酸、亜硫酸水素、亜二チオン酸、メタ重亜硫酸、およびその塩(亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸水素カリウム、亜二チオン酸ナトリウム、亜二チオン酸カリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸カリウム等)の低級酸化物およびその塩;等が挙げられる。これらは1種のみが単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。さらに、得られる共重合体の分子量を調整する目的には、「他の単量体」として(メタ)アリルスルホン酸(塩)類等の連鎖移動性の高い単量体を用いることも有効である。
さらに、重合時の安定性を確保する、または、化合物としての酸化、熱安定性を確保するという目的で、酸化防止剤を用いてもよい。酸化防止剤としては特に制限されず、例えば、アデカスタブLAシリーズなどのヒンダードアミン系酸化防止剤;アデカスタブPEPシリーズなどのリン系酸化防止剤;ジブチルヒドロキシトルエン、商品名IRGANOX1010、1035、1076,1098、1135等に代表されるヒンダードフェノール系酸化防止剤などが挙げられる。これらは1種のみが単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
さらには、初期仕込み物のpHを調節する目的で、酸やアルカリを初期仕込みしてもよい。好ましくは、酸を初期仕込みして初期仕込み物のpHを調節するとよい。かような目的で用いられうる酸およびアルカリとしては、重合反応に悪影響を及ぼさない従来公知の物質であれば特に制限なく用いられうる。一例を挙げると、酸としてはp−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、リン酸、酢酸、クエン酸、硫酸、ギ酸などが挙げられる。また、アルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウムなどが挙げられる。
なお、上述した重合開始剤の反応系への供給形態について特に制限はなく、初期に一括で仕込んでもよいし、反応系に滴下により添加してもよい。重合開始剤を反応系に滴下により添加する場合、その添加(滴下)方法としては、反応中の短時間での大量のラジカル発生を防ぎ、安定して物性のばらつきの小さい水溶性共重合体を合成することができれば、特に制限されないが、例えば、重合開始時から重合開始剤を全て連続的に滴下する方法、重合開始時から重合開始剤を全て間欠的に滴下する方法、重合開始前に重合開始剤の一部を仕込み、残りを重合開始時から滴下する方法、重合開始前に重合開始剤の一部を仕込み、残りを重合反応の途中から滴下する方法、または、重合開始前に重合開始剤の一部を仕込み、残りを間欠的に滴下する方法等が挙げられる。
また、本発明に係る製造方法では、安定したラジカル生成を促すという観点から、重合開始剤とは別に還元性化合物を反応系に滴下する工程を含むことが好ましい。還元性化合物を滴下して添加することで、重合開始剤から生成するラジカルを安定した濃度で発生させることが可能となる。なお、還元性化合物を反応系に滴下する方法としては、上述した重合開始剤を重合溶液に滴下する方法と同様の方法とすることができる。
さらに、遷移金属塩の存在下で重合を行う場合、重合の反応系への遷移金属塩の供給形態についても特に制限はない。例えば、(1)上述した還元性化合物の滴下開始前に反応系に存在させる形態;上述した還元性化合物の滴下開始後に反応系に添加する形態などが挙げられる。(1)の形態の場合には、混合可能な原料に混ぜて添加できることから、設備を省略することができる。また、(2)の形態の場合には、残存モノマーの消費を促進することができる。
(第2の形態)
一方、ビニルアルコール、(メタ)アリルアルコール、イソプレンアルコール(イソプレノール;3−メチル−3−ブテン−1−オール)、3−メチル−3−ブテン−2−オール等の不飽和アルコールにアルキレンオキサイドを1〜300モル付加して得られる不飽和アルコールのアルキレンオキサイド付加物(ポリアルキレングリコールエーテル系化合物)もまた、化学式2で表されるポリエーテル単量体として用いられうる。かようなアルキレンオキサイド付加物についても、従来公知の知見を参照することにより、合成が可能である。
本発明の反応工程においてかようなポリアルキレングリコールエーテル系化合物(ポリエーテル単量体)を原料として用い、重合開始剤の存在下で、上述したカルボン酸単量体と反応させると、ポリアルキレングリコールエーテル系化合物(ポリエーテル単量体)およびカルボン酸単量体がそれぞれ有する不飽和二重結合のラジカル重合が進行し、これらの共重合体が得られる(後述する実施例を参照)。
なお、第2の形態における反応の詳細としては、上述した第1の形態における反応の詳細が同様に用いられうるため、ここでは説明を省略する。
(他の形態)
上述したように、本発明の他の形態によれば、「遷移金属塩の存在下での重合」を必須の要件としない水溶性共重合体の製造方法もまた、提供される。すなわち、当該形態に係る製造方法は、重合開始剤として、過酸化水素と、単量体成分の総量100モル%に対して0.5モル%超の還元性化合物とを併用して重合を行う工程を含むという点では、上述した本発明の一形態に係る製造方法と共通しているが、「遷移金属塩の存在下での重合」を必須の要件とはしておらず、それに代えて、重合の終了後に反応系に遷移金属塩を添加する工程を含む点に特徴を有している。かような構成とすることによってもまた、上述した本発明の一形態に係る製造方法と同様にして、十分な重合率を達成すべく比較的多量の還元性化合物をレドックス系開始剤として用いる場合に、得られる水溶性共重合体(水溶液)の製造後の経日での色度変化を最小限に抑制することが可能となる。
本形態において、反応系に添加される遷移金属塩の具体的な種類やその添加量(およびこれらの好ましい形態)については、上述した本発明の一形態に係る製造方法と同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。なお、後述するように、反応の終了後に得られる水溶性共重合体に含まれるカルボキシル基を水酸化ナトリウム等の中和剤を用いて中和する工程を行ってもよいが、本形態において、反応系への遷移金属塩の添加は、中和の前に行ってもよいし、中和の後に行ってもよいし、中和と同時に行ってもよい。中和後の水分調整を兼ね、工程を簡略化するという観点からは、中和の後に反応系への遷移金属塩の添加を行うとよい。
(重合体と用途)
本発明の一形態に係る製造方法によって得られる水溶性共重合体は、そのままでもセメント分散剤や顔料分散剤等の各種用途の主成分として用いられるが、必要に応じて、さらにアルカリ性物質で中和して得られる重合体塩をセメント分散剤等の各種用途の主成分として用いてもよい。このようなアルカリ性物質としては、一価金属および二価金属の水酸化物、塩化物および炭素塩等の無機物;アンモニア;有機アミン等が好ましいものとして挙げられる。
本発明において、水溶性共重合体(水溶液)の中和後のpHは、特に限定されないが、製品取り扱い上の観点からは3〜12が好ましい。このpHは、より好ましくは4〜10であり、最も好ましくは4.5〜8である。水溶性共重合体の中和剤としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物;水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等のアルカリ土類水酸化物;アンモニア;モノエタノールアミン、トリエタノールアミン等の有機アミンが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上の混合物として用いてもよい。好ましくは水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物であり、より好ましくは水酸化ナトリウムである。
中和は単量体成分を反応器に供給する前に予め行われてもよいし、単量体成分を反応器内で重合しながら行ってもよい。また、重合開始から、重合終了時までの中和度は上記範囲内であれば、一定である必要はなく、具体的には、重合前半の中和度と重合後半の中和度は異なってもよい。
本発明の製造方法で得られる水溶性共重合体の分子量は、重量平均分子量で5,000〜10,000,000、好ましくは7,000〜5,000,000、より好ましくは8,000〜3,000,000、さらに好ましくは9,000〜1,000,000、特に好ましくは10,000〜500,000、最も好ましくは20,000〜100,000である。
上記方法によって製造した水溶性共重合体は、重合段階または重合後に反応系に遷移金属塩を添加していることから、経日での水溶性共重合体(水溶液)の色度変化が防止されるものと考えられる。本発明によれば、このような重合体を含む組成物のうち、特に遷移金属塩の添加量が多く、色度変化の上昇防止効果の高い組成物もまた、提供される。すなわち、本発明のさらに他の形態によれば、下記化学式1:
Figure 2015048392
式中、
、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子、メチル基または−(CHCOOM基(−(CHCOOMは、−COOMまたはその他の−(CHCOOMと無水物を形成していてもよい)を表し、zは、0〜2の整数を表し、
およびMは、それぞれ独立して、水素原子、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、アンモニウム基または有機アミン基を表す、
で表されるカルボン酸単量体と、
下記化学式2:
Figure 2015048392
式中、
およびRは、それぞれ独立して、水素原子またはメチル基を表し、
AOは、それぞれ独立して、炭素数2以上のオキシアルキレン基の1種または2種以上を表し、
nは、オキシアルキレン基の平均付加モル数で1〜300の数を表し、
xは、0〜2の整数を表し、
yは、0または1を表し、
は、水素原子または炭素数1〜20の炭化水素基を表す、
で表されるポリエーテル単量体とを必須成分として含有する単量体成分が重合されてなる水溶性共重合体と、溶媒と、を含む重合体組成物であって、還元性化合物と、前記水溶性共重合体を構成する前記ポリエーテル単量体由来の構成成分に対して遷移金属換算で1500ppb以上の遷移金属塩とをさらに含む、重合体組成物が提供される。
この重合体組成物の製造の際には、上述したように比較的多量の還元性化合物が用いられている。したがって、当該重合体組成物には、当該還元性化合物の一部が残存して含まれている。具体的には、本発明のさらに他の形態により提供される上記重合体組成物における還元性化合物の含有量は、固形分に対して好ましくは0.001〜0.1重量%であり、より好ましくは0.003〜0.1重量%であり、さらに好ましくは0.003〜0.05重量%である。
本発明により提供される水溶性共重合体や重合体組成物は、セメント混和剤や分散剤として用いられうる。
本発明に係るセメント混和剤は、本発明の製造方法により製造される水溶性共重合体を必須成分として含むものであるが、上述した製造方法により得られた水溶液の形態でそのままセメント混和剤の主成分として使用してもよいし、乾燥させて粉体化して使用してもよい。
本発明に係るセメント混和剤は、各種水硬性材料、すなわちセメントや石膏等のセメント組成物やそれ以外の水硬性材料に用いることができる。このような水硬性材料と水と本発明に係るセメント混和剤とを含有し、さらに必要に応じて細骨材(砂等)や粗骨材(砕石等)を含む水硬性組成物の具体例としては、セメントペースト、モルタル、コンクリート、プラスター等が挙げられる。
上記水硬性組成物の中では、水硬性材料としてセメントを使用するセメント組成物が最も一般的であり、該セメント組成物は、本発明のセメント混和剤、セメント及び水を必須成分として含んでなる。このようなセメント組成物は、本発明の好ましい実施形態の1つである。
上記セメント組成物において使用されるセメントとしては、特に限定はない。例えば、ポルトランドセメント(普通、早強、超早強、中庸熱、耐硫酸塩及びそれぞれの低アルカリ形)、各種混合セメント(高炉セメント、シリカセメント、フライアッシュセメント)、白色ポルトランドセメント、アルミナセメント、超速硬セメント(1クリンカー速硬性セメント、2クリンカー速硬性セメント、リン酸マグネシウムセメント)、グラウト用セメント、油井セメント、低発熱セメント(低発熱型高炉セメント、フライアッシュ混合低発熱型高炉セメント、ビーライト高含有セメント)、超高強度セメント、セメント系固化材、エコセメント(都市ごみ焼却灰、下水汚泥焼却灰の一種以上を原料として製造されたセメント)等が挙げられ、さらに、高炉スラグ、フライアッシュ、シンダーアッシュ、クリンカーアッシュ、ハスクアッシュ、シリカヒューム、シリカ粉末、石灰石粉末等の微粉体や石膏を添加してもよい。また、骨材としては、砂利、砕石、水砕スラグ、再生骨材等以外に、珪石質、粘土質、ジルコン質、ハイアルミナ質、炭化珪素質、黒鉛質、クロム質、クロマグ質、マグネシア質等の耐火骨材が使用可能である。
上記セメント組成物においては、その1mあたりの単位水量、セメント使用量および水/セメント比には特に制限はなく、単位水量100〜185kg/m、使用セメント量250〜800kg/m、水/セメント比(重量比)=0.1〜0.7、好ましくは単位水量120〜175kg/m、使用セメント量270〜800kg/m、水/セメント比(重量比)=0.2〜0.65が推奨され、貧配合〜富配合まで幅広く使用可能であり、単位セメント量が多く水/セメント比が小さい高強度コンクリート、水/セメント比(重量比)が0.3以下の低−水/セメント比領域にある超高強度コンクリート、単位セメント量が300kg/m以下の貧配合コンクリートのいずれにも有効である。上記セメント組成物における本発明のセメント混和剤の配合割合については、特に限定はないが、水硬セメントを用いるモルタルやコンクリート等に使用する場合には、固形分換算で、親水性共重合体がセメント重量の0.01〜5.0%、好ましくは0.02〜2.0%、より好ましくは0.05〜1.0%となる比率の量を添加すればよい。この添加により、単位水量の低減、強度の増大、耐久性の向上等の各種の好ましい諸効果がもたらされる。
上記セメント組成物は、ポンプ圧送性にも優れ、施工時の作業性を著しく改善し、高い流動性を有していることから、レディーミクストコンクリート、コンクリート2次製品(プレキャストコンクリート)用のコンクリート、遠心成形用コンクリート、振動締め固め用コンクリート、蒸気養生コンクリート、吹付けコンクリート等に有効であり、さらに、中流動コンクリート(スランプ値が22〜25cmの範囲のコンクリート)、高流動コンクリート(スランプ値が25cm以上で、スランプフロー値が50〜70cmの範囲のコンクリート)、自己充填性コンクリート、セルフレベリング材等の高い流動性を要求されるモルタルやコンクリートにも有効である。
上記セメント組成物は、例えば、以下に記載するようなセメント混和剤を含有することができる。リグニンスルホン酸塩;ポリオール誘導体;ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物;メラミンスルホン酸ホルマリン縮合物;ポリスチレンスルホン酸塩;特開平1−113419号公報に記載のようなアミノアリールスルホン酸−フェノール−ホルムアルデヒド縮合物等のアミノスルホン酸系;特開平7−267705号公報に記載のような(a)成分として、ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリル酸エステル系化合物と(メタ)アクリル酸系化合物との共重合体および/またはその塩と、(b)成分として、ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アリルエーテル系化合物と無水マレイン酸との共重合体および/もしくはその加水分解物、並びに/または、その塩と、(c)成分として、ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アリルエーテル系化合物と、ポリアルキレングリコール系化合物のマレイン酸エステルとの共重合体及び/又はその塩とを含むセメント分散剤;特許第2508113号明細書に記載のようなA成分として、(メタ)アクリル酸のポリアルキレングリコールエステルと(メタ)アクリル酸(塩)との共重合体、B成分として、特定のポリエチレングリコールポリプロピレングリコール系化合物、C成分として、特定の界面活性剤からなるコンクリート混和剤。
特開平1−226757号公報に記載のような(メタ)アクリル酸のポリエチレン(プロピレン)グリコールエステル、(メタ)アリルスルホン酸(塩)、および、(メタ)アクリル酸(塩)からなる共重合体;特公平5−36377号公報に記載のような(メタ)アクリル酸のポリエチレン(プロピレン)グリコールエステル、(メタ)アリルスルホン酸(塩)もしくはp−(メタ)アリルオキシベンゼンスルホン酸(塩)、並びに、(メタ)アクリル酸(塩)からなる共重合体;特開平4−149056号公報に記載のようなポリエチレングリコールモノ(メタ)アリルエーテルとマレイン酸(塩)との共重合体;特開平5−170501号公報に記載のような(メタ)アクリル酸のポリエチレングリコールエステル、(メタ)アリルスルホン酸(塩)、(メタ)アクリル酸(塩)、アルカンジオールモノ(メタ)アクリレート、ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート、および、分子中にアミド基を有するα,β−不飽和単量体からなる共重合体;特開平5−43288号公報に記載のようなアルコキシポリアルキレングリコールモノアリルエーテルと無水マレイン酸との共重合体、もしくは、その加水分解物、または、その塩;特公昭58−38380号公報に記載のようなポリエチレングリコールモノアリルエーテル、マレイン酸、および、これらの単量体と共重合可能な単量体からなる共重合体、もしくは、その塩、または、そのエステル。
特公昭59−18338号公報に記載のようなポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリル酸エステル系単量体、(メタ)アクリル酸系単量体、および、これらの単量体と共重合可能な単量体からなる共重合体;特開昭62−119147号公報に記載のようなスルホン酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルおよび必要によりこれと共重合可能な単量体からなる共重合体、または、その塩;特開平6−271347号公報に記載のようなアルコキシポリアルキレングリコールモノアリルエーテルと無水マレイン酸との共重合体と、末端にアルケニル基を有するポリオキシアルキレン誘導体とのエステル化反応物;特開平6−298555号公報に記載のようなアルコキシポリアルキレングリコールモノアリルエーテルと無水マレイン酸との共重合体と、末端に水酸基を有するポリオキシアルキレン誘導体とのエステル化反応物。これらセメント分散剤は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記セメント分散剤を用いる場合には、本発明のセメント混和剤としての親水性共重合体と上記セメント分散剤との比率、すなわち固形分換算での重量割合(重量%)としては、親水性共重合体と上記セメント分散剤との性能バランスによって最適な比率は異なるが、1/99〜99/1が好ましく、5/95〜95/5がより好ましく、10/90〜90/10が最も好ましい。
また、上記セメント組成物は、以下の(1)〜(20)に例示するような他の公知のセメント添加剤(材)を含有することができる。
(1)水溶性高分子物質:ポリアクリル酸(ナトリウム)、ポリメタクリル酸(ナトリウム)、ポリマレイン酸(ナトリウム)、アクリル酸・マレイン酸共重合物のナトリウム塩等の不飽和カルボン酸重合物;メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等の非イオン性セルロースエーテル類;メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等の多糖類のアルキル化またはヒドロキシアルキル化誘導体の一部または全部の水酸基の水素原子が、炭素数8〜40の炭化水素鎖を部分構造として有する疎水性置換基と、スルホン酸基又はそれらの塩を部分構造として有するイオン性親水性置換基で置換されてなる多糖誘導体;酵母グルカンやキサンタンガム、β−1,3グルカン類(直鎖状、分岐鎖状のいずれでもよく、一例を挙げれば、カードラン、パラミロン、パキマン、スクレログルカン、ラミナラン等)等の微生物醗酵によって製造される多糖類;ポリアクリルアミド;ポリビニルアルコール;デンプン;デンプンリン酸エステル;アルギン酸ナトリウム;ゼラチン;分子内にアミノ基を有するアクリル酸のコポリマーおよびその第4級化合物等。
(2)高分子エマルジョン:(メタ)アクリル酸アルキル等の各種ビニル単量体の共重合物等。
(3)オキシカルボン酸もしくはその塩、糖および糖アルコールからなる群から選ばれる1種以上の硬化遅延剤:珪弗化マグネシウム;リン酸並びにその塩またはホウ酸エステル類;アミノカルボン酸とその塩;アルカリ可溶タンパク質;フミン酸;タンニン酸;フェノール;グリセリン等の多価アルコール;アミノトリ(メチレンホスホン酸)、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)及びこれらのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等のホスホン酸及びその誘導体等。
(4)早強剤・促進剤:塩化カルシウム、亜硝酸カルシウム、硝酸カルシウム、臭化カルシウム、ヨウ化カルシウム等の可溶性カルシウム塩;塩化鉄、塩化マグネシウム等の塩化物;硫酸塩;水酸化カリウム;水酸化ナトリウム;炭酸塩;チオ硫酸塩;ギ酸及びギ酸カルシウム等のギ酸塩;アルカノールアミン;アルミナセメント;カルシウムアルミネートシリケート等。
(5)鉱油系消泡剤:燈油、流動パラフィン等。
(6)油脂系消泡剤:動植物油、ごま油、ひまし油、これらのアルキレンオキシド付加物等。
(7)脂肪酸系消泡剤:オレイン酸、ステアリン酸、これらのアルキレンオキシド付加物等。
(8)脂肪酸エステル系消泡剤:グリセリンモノリシノレート、アルケニルコハク酸誘導体、ソルビトールモノラウレート、ソルビトールトリオレエート、天然ワックス等。
(9)オキシアルキレン系消泡剤:(ポリ)オキシエチレン(ポリ)オキシプロピレン付加物等のポリオキシアルキレン類;ジエチレングリコールヘプチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシプロピレンブチルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン2−エチルヘキシルエーテル、炭素原子数12〜14の高級アルコールへのオキシエチレンオキシプロピレン付加物等の(ポリ)オキシアルキルエーテル類;ポリオキシプロピレンフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等の(ポリ)オキシアルキレン(アルキル)アリールエーテル類;2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、2,5−ジメチル−3−ヘキシン−2,5−ジオール,3−メチル−1−ブチン−3−オール等のアセチレンアルコールにアルキレンオキシドを付加重合させたアセチレンエーテル類;ジエチレングリコールオレイン酸エステル、ジエチレングリコールラウリル酸エステル、エチレングリコールジステアリン酸エステル等の(ポリ)オキシアルキレン脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレンソルビタンモノラウリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタントリオレイン酸エステル等の(ポリ)オキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル類;ポリオキシプロピレンメチルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンドデシルフェノールエーテル硫酸ナトリウム等の(ポリ)オキシアルキレンアルキル(アリール)エーテル硫酸エステル塩類;(ポリ)オキシエチレンステアリルリン酸エステル等の(ポリ)オキシアルキレンアルキルリン酸エステル類;ポリオキシエチレンラウリルアミン等の(ポリ)オキシアルキレンアルキルアミン類;ポリオキシアルキレンアミド等。
(10)アルコール系消泡剤:オクチルアルコール、ヘキサデシルアルコール、アセチレンアルコール、グリコール類等。
(11)アミド系消泡剤:アクリレートポリアミン等。
(12)リン酸エステル系消泡剤:リン酸トリブチル、ナトリウムオクチルホスフェート等。
(13)金属石鹸系消泡剤:アルミニウムステアレート、カルシウムオレエート等。
(14)シリコーン系消泡剤:ジメチルシリコーン油、シリコーンペースト、シリコーンエマルジョン、有機変性ポリシロキサン(ジメチルポリシロキサン等のポリオルガノシロキサン)、フルオロシリコーン油等。
(15)AE剤:樹脂石鹸、飽和あるいは不飽和脂肪酸、ヒドロキシステアリン酸ナトリウム、ラウリルサルフェート、ABS(アルキルベンゼンスルホン酸)、LAS(直鎖アルキルベンゼンスルホン酸)、アルカンスルホネート、ポリオキシエチレンアルキル(フェニル)エーテル、ポリオキシエチレンアルキル(フェニル)エーテル硫酸エステルまたはその塩、ポリオキシエチレンアルキル(フェニル)エーテルリン酸エステルまたはその塩、タンパク質材料、アルケニルスルホコハク酸、α−オレフィンスルホネート等。
(16)その他界面活性剤:オクタデシルアルコールやステアリルアルコール等の分子内に6〜30個の炭素原子を有する脂肪族1価アルコール、アビエチルアルコール等の分子内に6〜30個の炭素原子を有する脂環式1価アルコール、ドデシルメルカプタン等の分子内に6〜30個の炭素原子を有する1価メルカプタン、ノニルフェノール等の分子内に6〜30個の炭素原子を有するアルキルフェノール、ドデシルアミン等の分子内に6〜30個の炭素原子を有するアミン、ラウリン酸やステアリン酸等の分子内に6〜30個の炭素原子を有するカルボン酸に、エチレンオキシド、プロピレンオキシド等のアルキレンオキシドを10モル以上付加させたポリアルキレンオキシド誘導体類;アルキル基又はアルコキシ基を置換基として有しても良い、スルホン基を有する2個のフェニル基がエーテル結合した、アルキルジフェニルエーテルスルホン酸塩類;各種アニオン性界面活性剤;アルキルアミンアセテート、アルキルトリメチルアンモニウムクロライド等の各種カチオン性界面活性剤;各種ノニオン性界面活性剤;各種両性界面活性剤等。
(17)防水剤:脂肪酸(塩)、脂肪酸エステル、油脂、シリコン、パラフィン、アスファルト、ワックス等。
(18)防錆剤:亜硝酸塩、リン酸塩、酸化亜鉛等。
(19)ひび割れ低減剤:ポリオキシアルキルエーテル等。
(20)膨張材;エトリンガイト系、石炭系等。
その他の公知のセメント添加剤(材)としては、セメント湿潤剤、増粘剤、分離低減剤、凝集剤、乾燥収縮低減剤、強度増進剤、セルフレベリング剤、防錆剤、着色剤、防カビ剤等を挙げることができる。これら公知のセメント添加剤(材)は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記セメント組成物において、セメントおよび水以外の成分についての特に好適な実施形態としては、次の(1)〜(4)が挙げられる。
(1)(i)本発明のに係るセメント混和剤、および、(ii)オキシアルキレン系消泡剤の2成分を必須とする組み合わせ。なお、(ii)のオキシアルキレン系消泡剤の配合重量比としては、(i)のセメント混和剤中の共重合体(A)に対して0.001〜10重量%の範囲が好ましい。
(2)(i)本発明に係るセメント混和剤、および、(ii)材料分離低減剤の2成分を必須とする組み合わせ。材料分離低減剤としては、非イオン性セルロースエーテル類等の各種増粘剤、部分構造として炭素数4〜30の炭化水素鎖からなる疎水性置換基と炭素数2〜18のアルキレンオキシドを平均付加モル数で2〜300付加したポリオキシアルキレン鎖とを有する化合物等が使用可能である。なお、(i)のセメント混和剤中の親水性共重合体と(ii)の材料分離低減剤との配合重量比としては、10/90〜99.99/0.01が好ましく、50/50〜99.9/0.1がより好ましい。この組み合わせのセメント組成物は、高流動コンクリート、自己充填性コンクリート、セルフレベリング材として好適である。
(3)(i)本発明のセメント混和剤、および、(ii)分子中にスルホン酸基を有するスルホン酸系分散剤の2成分を必須とする組み合わせ。スルホン酸系分散剤としては、リグニンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、メラミンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリスチレンスルホン酸塩、アミノアリールスルホン酸−フェノール−ホルムアルデヒド縮合物等のアミノスルホン酸系の分散剤等が使用可能である。なお、(i)のセメント混和剤中の親水性共重合体と(ii)の分子中にスルホン酸基を有するスルホン酸系分散剤との配合重量比としては、5/95〜95/5が好ましく、10/90〜90/10がより好ましい。
(4)(i)本発明のセメント混和剤、および、(ii)リグニンスルホン酸塩の2成分を必須とする組み合わせ。なお、(i)のセメント混和剤中の親水性共重合体と(ii)のリグニンスルホン酸塩との配合重量比としては、5/95〜95/5が好ましく、10/90〜90/10がより好ましい。
以下、本発明の実施例により具体的に説明する。なお、以下の記載において、「%」は重量%を示し、各測定値の分析は、以下の分析条件で行った。
<共重合体の重量平均分子量の測定>
得られた共重合体の重量平均分子量は、ゲルパーミエションクロマトグラフィー(GPC)により、以下の条件下で測定した。
・使用カラム:東ソー社製TSKguardcolumn SWXL、TSKgel G4000SWXL、G3000SWXLおよびG2000SWXL
・溶離液:水10999g、アセトニトリル6001gの混合溶媒に酢酸ナトリウム三水和物115.6gを溶かし、さらに酢酸でpH6.0に調整した溶離液溶液
・打ち込み量:重合体を濃度0.5%の溶離液溶液として、100μL
・カラム温度:40℃
・標準物質:ポリエチレングリコール、ピークトップ分子量(Mp)300000、219300、107000、50000、24000、11840、6450、4020、1470
・検量線次数:三次式
・検出器:日本Waters社製 410 示唆屈折検出器
・解析ソフト:日本Waters社製 Empowerソフトウェア
<共重合体の含有量(ポリマー純分)の測定>
得られた共重合体のGPCを測定し(上記測定条件による)、ポリマーのピーク面積および不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系単量体のピーク面積から、下記計算式を用いてポリマー純分を算出した。
ポリマー純分(%)=(ポリマーピーク面積)×100/(ポリマーピーク面積+不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系単量体面積)
<遷移金属量の測定>
・Fe分析
検出方法 : フェロジン試薬呈色による吸光光度差分析
検出器 :DR-2800 [HACK社]
プログラム: 260 フェロ亜鉛鉄
・Cu/Mn分析
検出方法 :SPEX XSTC-622B標準液による検量線法(0、1、5、10、20、50ppb)
検出器 :ICP-MS Agilent 7700s (X-レンズ)
上記分析条件により、以下の実施例および比較例で用いた各原料中のFe、CuおよびMnの量を測定したところ、以下の通りであった。なお、「ND」は検出限界未満であったことを意味する。
・水(Fe 20ppb、Cu ND、Mn ND)
・3−メチル−3−ブテン−1−オールのエチレンオキシド付加体(エチレンオキシド平均付加モル数50モル、ポリエチレングリコールを6.7重量%含む)(Fe 20ppb、Cu 2ppb、Mn ND)
・アクリル酸(Fe 16ppb、Cu 5ppb、Mn 2ppb)
・ヒドロキシエチルアクリレート(Fe 4ppb、Cu 3ppb、Mn 3ppb)
・2−メルカプトプロピオン酸(Fe 80ppb、Cu 5ppb、Mn 170ppb)
・L−アスコルビン酸(Fe ND、Cu 2ppb、Mn ND)
・35%過酸化水素(Fe 6ppb、Cu ND、Mn 1ppb)
<色度変化の測定>
得られた共重合体(水溶液)を、ポリプロピレン製の蓋つき容器に移し、空気雰囲気下、室温にて10日間保管し、色度の変化をAPHA値として測定した。測定条件は以下の通りである。
検出方法 :蒸留水を基準とした吸光光度分析
検出器 :DR−2800(HACK社製)
プログラム:120:色度455nm
<共重合体の製造例>
[比較例1]
共重合体1−Aの製造
温度計・攪拌機・滴下ロート・窒素導入管・還流冷却器を備えたガラス製反応容器に、水91.84g、不飽和ポリアルキレングリコール系単量体(不飽和ポリアルキレングリコールエーテル単量体)として、3−メチル−3−ブテン−1−オールのエチレンオキシド付加体(「MBA−50」;エチレンオキシド平均付加モル数50モル、ポリエチレングリコールを6.7重量%含む)194.82g、アクリル酸(「AA」;カルボン酸単量体)0.35gを仕込み(pH4.5)、攪拌下に反応容器内を窒素置換し、窒素雰囲気下で60℃に昇温した後、3%過酸化水素水12.97g(過酸化水素として2.4モル%対モノマー)を投入した。温度が60℃で安定した後、アクリル酸(AA)13.21gとヒドロキシエチルアクリレート(「HEA」)23.61gとを水9.21gに溶解させた不飽和カルボン酸系単量体水溶液を3時間かけて滴下し、不飽和カルボン酸系単量体水溶液を滴下し始めると同時に、L−アスコルビン酸0.51g(0.6モル%対モノマー)と2−メルカプトプロピオン酸0.91g(1.8モル%対モノマー)とを水52.56gに溶解させた水溶液を3.5時間かけて滴下した。その後引き続き1時間反応系を60℃に維持し、重合反応を完結させた。そして、冷却後(pH4.2、21.4℃)、30%NaOHでpH6まで中和し、水を加えて固形分を45%に調整した。GPCにより測定した、モノマー相当分(Mw2200)のピークを除くポリマー(共重合体1−A)のMwは39600、ポリマー純分は87.2%であった。さらに、色度変化の測定結果は、APHA値(Pt−Co unit)として、1日目が11、3日目が24、10日目が219であった。
[実施例1]
共重合体1−Bの製造
温度計・攪拌機・滴下ロート・窒素導入管・還流冷却器を備えたガラス製反応容器に、遷移金属塩であるモール塩の100重量ppm水溶液6.84g(後述するMBA−50に対して遷移金属(Fe)換算で500重量ppb)、水85.0g、ポリアルキレングリコールエーテル系化合物(ポリエーテル単量体)として、3−メチル−3−ブテン−1−オールのエチレンオキシド付加体(「MBA−50」;エチレンオキシド平均付加モル数50モル、ポリエチレングリコールを6.7重量%含む)194.82g、アクリル酸(「AA」;カルボン酸単量体)0.35gを仕込み(pH4.5)、攪拌下に反応容器内を窒素置換し、窒素雰囲気下で60℃に昇温した後、3%過酸化水素水12.97g(過酸化水素として2.4モル%対モノマー)を投入した。温度が60℃で安定した後、アクリル酸13.21g(AA)とヒドロキシエチルアクリレート23.61g(「HEA」)とを水9.21gに溶解させた不飽和カルボン酸系単量体水溶液を3時間かけて滴下し、不飽和カルボン酸系単量体水溶液を滴下し始めると同時に、L−アスコルビン酸0.51g(0.6モル%対モノマー)と2−メルカプトプロピオン酸0.91g(2.4モル%対モノマー)とを水52.56gに溶解させた水溶液を3.5時間かけて滴下した。その後引き続き1時間反応系を60℃に維持し、重合反応を完結させた。そして、冷却後(pH4.2、21.4℃)、30%NaOHでpH6まで中和し、水を加えて固形分を45%に調整した。GPCにより測定した、モノマー相当分(Mw2200)のピークを除くポリマー(共重合体1−B)のMwは45500、ポリマー純分は89.2%であった。さらに、色度変化の測定結果は、APHA値(Pt−Co unit)として、1日目が20、3日目が14、10日目が24であった。
[比較例2]
共重合体2−Aの製造
温度計・攪拌機・滴下ロート・窒素導入管・還流冷却器を備えたガラス製反応容器に、水96.3g、ポリアルキレングリコールエーテル系化合物(ポリエーテル単量体)として、3−メチル−3−ブテン−1−オールのエチレンオキシド付加体(「MBA−50」;エチレンオキシド平均付加モル数50モル、ポリエチレングリコールを6.7重量%含む)204.4g、アクリル酸(「AA」;カルボン酸単量体)0.37gを仕込み(pH4.5)、攪拌下に反応容器内を窒素置換し、窒素雰囲気下で65℃に昇温した後、4%過酸化水素水14.2g(過酸化水素として4.0モル%対モノマー)を投入した。温度が65℃で安定した後、アクリル酸(AA)27.3gを水6.81gに溶解させた不飽和カルボン酸系単量体水溶液を3時間かけて滴下し、不飽和カルボン酸系単量体水溶液を滴下し始めると同時に、L−アスコルビン酸0.83g(1.0モル%対モノマー)と2−メルカプトプロピオン酸1.00g(2.0モル%対モノマー)とを水46.4gに溶解させた水溶液を3.5時間かけて滴下した。その後引き続き1時間反応系を65℃に維持し、重合反応を完結させた。そして、冷却後(pH4.2、20.0℃)、30%NaOHでpH6まで中和し、水を加えて固形分を45%に調整した。GPCにより測定した、モノマー相当分(Mw2200)のピークを除くポリマー(共重合体2−A)のMwは35800、ポリマー純分は86.0%であった。さらに、色度変化の測定結果は、APHA値(Pt−Co unit)として、1日目が6、3日目が101、10日目が315であった。
[実施例2]
共重合体2−Bの製造
温度計・攪拌機・滴下ロート・窒素導入管・還流冷却器を備えたガラス製反応容器に、遷移金属塩である硝酸鉄(III)の500重量ppm水溶液5.00g(後述するMBA−50に対して遷移金属(Fe)換算で2000重量ppb)、水91.3g、ポリアルキレングリコールエーテル系化合物(ポリエーテル単量体)として、3−メチル−3−ブテン−1−オールのエチレンオキシド付加体(「MBA−50」;エチレンオキシド平均付加モル数50モル、ポリエチレングリコールを6.7重量%含む)204.4g、アクリル酸(「AA」;カルボン酸単量体)0.37gを仕込み(pH4.5)、攪拌下に反応容器内を窒素置換し、窒素雰囲気下で65℃に昇温した後、4%過酸化水素水14.2g(過酸化水素として4.0モル%対モノマー)を投入した。温度が65℃で安定した後、アクリル酸(AA)27.3gを水6.81gに溶解させた不飽和カルボン酸系単量体水溶液を3時間かけて滴下し、不飽和カルボン酸系単量体水溶液を滴下し始めると同時に、L−アスコルビン酸0.83g(1.0モル%対モノマー)と2−メルカプトプロピオン酸1.51g(3.0モル%対モノマー)とを水46.4gに溶解させた水溶液を3.5時間かけて滴下した。その後引き続き1時間反応系を65℃に維持し、重合反応を完結させた。そして、冷却後(pH4.2、20.0℃)、30%NaOHでpH6まで中和し、水を加えて固形分を45%に調整した。GPCにより測定した、モノマー相当分(Mw2200)のピークを除くポリマー(共重合体2−B)のMwは34800、ポリマー純分は85.6%であった。さらに、色度変化の測定結果は、APHA値(Pt−Co unit)として、1日目が26、3日目が103、10日目が191であった。
[比較例3]
共重合体3−Aの製造
温度計・攪拌機・滴下ロート・窒素導入管・還流冷却器を備えたガラス製反応容器に、水124.2g、ポリアルキレングリコールエーテル系化合物(ポリエーテル単量体)として、3−メチル−3−ブテン−1−オールのエチレンオキシド付加体(「MBA−50」;エチレンオキシド平均付加モル数50モル、ポリエチレングリコールを6.7重量%含む)209.4g、アクリル酸(「AA」;カルボン酸単量体)0.38gを仕込み(pH4.5)、攪拌下に反応容器内を窒素置換し、窒素雰囲気下で70℃に昇温した後、2%過酸化水素水15.01g(過酸化水素として6.0モル%対モノマー)を投入した。温度が70℃で安定した後、アクリル酸(AA)8.96gを水20.9gに溶解させた不飽和カルボン酸系単量体水溶液を5時間かけて滴下し、不飽和カルボン酸系単量体水溶液を滴下し始めると同時に、L−アスコルビン酸0.58g(1.5モル%対モノマー)を水21.0gに溶解させた水溶液を5時間10分かけて滴下した。その後引き続き20分間反応系を70℃に維持し、重合反応を完結させた。そして、冷却後(pH4.2、20.0℃)、30%NaOHでpH6まで中和し、水を加えて固形分を45%に調整した。GPCにより測定した、モノマー相当分(Mw2200)のピークを除くポリマー(共重合体3−A)のMwは54000、ポリマー純分は77.5%であった。さらに、色度変化の測定結果は、APHA値(Pt−Co unit)として、1日目が16、3日目が98、10日目が280であった。
[実施例3−1]
共重合体3−Bの製造
温度計・攪拌機・滴下ロート・窒素導入管・還流冷却器を備えたガラス製反応容器に、遷移金属塩であるモール塩の100重量ppm水溶液14.7g(後述するMBA−50に対して遷移金属(Fe)換算で1000重量ppb)、水109.5g、ポリアルキレングリコールエーテル系化合物(ポリエーテル単量体)として、3−メチル−3−ブテン−1−オールのエチレンオキシド付加体(「MBA−50」;エチレンオキシド平均付加モル数50モル、ポリエチレングリコールを6.7重量%含む)209.4g、アクリル酸(「AA」;カルボン酸単量体)0.38gを仕込み(pH4.5)、攪拌下に反応容器内を窒素置換し、窒素雰囲気下で70℃に昇温した後、2%過酸化水素水15.01g(過酸化水素として6.0モル%対モノマー)を投入した。温度が70℃で安定した後、アクリル酸(AA)8.96gを水20.9gに溶解させた不飽和カルボン酸系単量体水溶液を5時間かけて滴下し、不飽和カルボン酸系単量体水溶液を滴下し始めると同時に、L−アスコルビン酸0.58g(1.5モル%対モノマー)を水21.0gに溶解させた水溶液を5時間10分かけて滴下した。その後引き続き20分間反応系を70℃に維持し、重合反応を完結させた。そして、冷却後(pH4.0、17.5℃)、30%NaOHでpH6まで中和し、水を加えて固形分を45%に調整した。GPCにより測定した、モノマー相当分(Mw2200)のピークを除くポリマー(共重合体3−B)のMwは44000、ポリマー純分は80.3%であった。さらに、色度変化の測定結果は、APHA値(Pt−Co unit)として、1日目が15、3日目が13、10日目が18であった。
[実施例3−2]
共重合体3−Cの製造
温度計・攪拌機・滴下ロート・窒素導入管・還流冷却器を備えたガラス製反応容器に、遷移金属塩であるモール塩の100重量ppm水溶液29.4g(後述するMBA−50に対して遷移金属(Fe)換算で2000重量ppb)、水94.8g、ポリアルキレングリコールエーテル系化合物(ポリエーテル単量体)として、3−メチル−3−ブテン−1−オールのエチレンオキシド付加体(「MBA−50」;エチレンオキシド平均付加モル数50モル、ポリエチレングリコールを6.7重量%含む)209.4g、アクリル酸(「AA」;カルボン酸単量体)0.38gを仕込み(pH4.5)、攪拌下に反応容器内を窒素置換し、窒素雰囲気下で70℃に昇温した後、2%過酸化水素水15.01g(過酸化水素として6.0モル%対モノマー)を投入した。温度が70℃で安定した後、アクリル酸(AA)8.96gを水20.9gに溶解させた不飽和カルボン酸系単量体水溶液を5時間かけて滴下し、不飽和カルボン酸系単量体水溶液を滴下し始めると同時に、L−アスコルビン酸0.58g(1.5モル%対モノマー)を水21.0gに溶解させた水溶液を5時間10分かけて滴下した。その後引き続き20分間反応系を70℃に維持し、重合反応を完結させた。そして、冷却後(pH4.1、20.5℃)、30%NaOHでpH6まで中和し、水を加えて固形分を45%に調整した。GPCにより測定した、モノマー相当分(Mw2200)のピークを除くポリマー(共重合体3−C)のMwは44000、ポリマー純分は80.6%であった。さらに、色度変化の測定結果は、APHA値(Pt−Co unit)として、1日目が18、3日目が15、10日目が14であった。
[実施例3−3]
共重合体3−Dの製造
温度計・攪拌機・滴下ロート・窒素導入管・還流冷却器を備えたガラス製反応容器に、遷移金属塩であるモール塩の100重量ppm水溶液7.3g(後述するMBA−50に対して遷移金属(Fe)換算で500重量ppb)、70%p−トルエンスルホン酸水溶液1.1g、水116.8g、ポリアルキレングリコールエーテル系化合物(ポリエーテル単量体)として、3−メチル−3−ブテン−1−オールのエチレンオキシド付加体(「MBA−50」;エチレンオキシド平均付加モル数50モル、ポリエチレングリコールを6.7重量%含む)209.4g、アクリル酸(「AA」;カルボン酸単量体)0.38gを仕込み(pH2.9)、攪拌下に反応容器内を窒素置換し、窒素雰囲気下で65℃に昇温した後、2%過酸化水素水15.01g(過酸化水素として6.0モル%対モノマー)を投入した。温度が65℃で安定した後、アクリル酸(AA)8.96gを水20.9gに溶解させた不飽和カルボン酸系単量体水溶液を5時間かけて滴下し、不飽和カルボン酸単系量体水溶液を滴下し始めると同時に、L−アスコルビン酸0.58g(1.5モル%対モノマー)を水21.0gに溶解させた水溶液を5時間10分かけて滴下した。その後引き続き20分間反応系を65℃に維持し、重合反応を完結させた。そして、冷却後(pH2.9、20.0℃)、30%NaOHでpH6まで中和し、水を加えて固形分を45%に調整した。GPCにより測定した、モノマー相当分(Mw2200)のピークを除くポリマー(共重合体3−D)のMwは42000、ポリマー純分は82.9%であった。さらに、色度変化の測定結果は、APHA値(Pt−Co unit)として、1日目が18、3日目が19、10日目が25であった。
[比較例4]
共重合体4−Aの製造
温度計・攪拌機・滴下ロート・窒素導入管・還流冷却器を備えたガラス製反応容器に、水96.3g、ポリアルキレングリコールエーテル系化合物(ポリエーテル単量体)として、3−メチル−3−ブテン−1−オールのエチレンオキシド付加体(「MBA−50」;エチレンオキシド平均付加モル数50モル、ポリエチレングリコールを6.7重量%含む)204.4g、アクリル酸(「AA」;カルボン酸単量体)0.37gを仕込み(pH4.5)、攪拌下に反応容器内を窒素置換し、窒素雰囲気下で60℃に昇温した後、4%過酸化水素水9.65g(過酸化水素として2.4モル%対モノマー)を投入した。温度が60℃で安定した後、アクリル酸(AA)27.3gを水6.81gに溶解させた不飽和カルボン酸系単量体水溶液を3時間かけて滴下し、不飽和カルボン酸系単量体水溶液を滴下し始めると同時に、L−アスコルビン酸0.50g(0.6モル%対モノマー)と2−メルカプトプロピオン酸1.00g(2.0モル%対モノマー)とを水46.4gに溶解させた水溶液を3.5時間かけて滴下した。その後引き続き1時間反応系を60℃に維持し、重合反応を完結させた。そして、冷却後(pH4.2、20.0℃)、30%NaOHでpH6まで中和し、水を加えて固形分を45%に調整した。GPCにより測定した、モノマー相当分(Mw2200)のピークを除くポリマー(共重合体4−A)のMwは35800、ポリマー純分は86.0%であった。さらに、色度変化の測定結果は、APHA値(Pt−Co unit)として、1日目が2、3日目が45、10日目が99であった。
[実施例4]
共重合体4−Bの製造
温度計・攪拌機・滴下ロート・窒素導入管・還流冷却器を備えたガラス製反応容器に、水96.3g、ポリアルキレングリコールエーテル系化合物(ポリエーテル単量体)として、3−メチル−3−ブテン−1−オールのエチレンオキシド付加体(「MBA−50」;エチレンオキシド平均付加モル数50モル、ポリエチレングリコールを6.7重量%含む)204.4g、アクリル酸(「AA」;カルボン酸単量体)0.37gを仕込み(pH4.5)、攪拌下に反応容器内を窒素置換し、窒素雰囲気下で60℃に昇温した後、4%過酸化水素水9.65g(過酸化水素として2.4モル%対モノマー)を投入した。温度が60℃で安定した後、アクリル酸(AA)27.3gを水6.81gに溶解させた不飽和カルボン酸系単量体水溶液を3時間かけて滴下し、不飽和カルボン酸系単量体水溶液を滴下し始めると同時に、L−アスコルビン酸0.50g(0.6モル%対モノマー)と2−メルカプトプロピオン酸1.00g(2.0モル%対モノマー)とを水46.4gに溶解させた水溶液を3.5時間かけて滴下した。その後引き続き1時間反応系を60℃に維持し、重合反応を完結させた。そして、冷却後(pH4.2、20.0℃)、30%NaOHでpH6まで中和し、遷移金属塩であるモール塩の100重量ppm水溶液7.33g(上述したMBA−50に対して遷移金属(Fe)換算で500重量ppb)を添加し、さらに水を加えて固形分を45%に調整した。得られた共重合体におけるモノマー組成は、重量比でIPN−50:AA(アクリル酸ナトリウム換算)=85:15であった。また、GPCにより測定した、モノマー相当分(Mw2200)のピークを除くポリマー(共重合体4−B)のMwは35800、ポリマー純分は86.0%であった。さらに、色度変化の測定結果は、APHA値(Pt−Co unit)として、1日目が11、3日目が15、10日目が44であった。
[比較例5−1]
共重合体5−Aの製造
温度計・攪拌機・滴下ロート・窒素導入管・還流冷却器を備えたガラス製反応容器に、水114.8g、ポリアルキレングリコールエーテル系化合物(ポリエーテル単量体)として、3−メチル−3−ブテン−1−オールのエチレンオキシド付加体(「MBA−50」;エチレンオキシド平均付加モル数50モル、ポリエチレングリコールを6.7重量%含む)226.3g、アクリル酸(「AA」;カルボン酸単量体)0.41gを仕込み(pH4.5)、攪拌下に反応容器内を窒素置換し、窒素雰囲気下で58℃に昇温した後、2%過酸化水素水7.3g(過酸化水素として2.0モル%対モノマー)を投入した。温度が58℃で安定した後、アクリル酸(AA)15.7gを水10.5gに溶解させた不飽和カルボン酸系単量体水溶液を3時間かけて滴下し、不飽和カルボン酸系単量体水溶液を滴下し始めると同時に、L−アスコルビン酸0.17g(0.3モル%対モノマー)と2−メルカプトプロピオン酸0.46g(1.35モル%対モノマー)とを水24.4gに溶解させた水溶液を3.5時間かけて滴下した。その後引き続き3時間反応系を58℃に維持し、重合反応を完結させた。そして、冷却後(pH4.2、20.0℃)、49%NaOHでpH6まで中和し、水を加えて固形分を45%に調整した。GPCにより測定した、モノマー相当分(Mw2200)のピークを除くポリマー(共重合体5−A)のMwは35000、ポリマー純分は74.7%であった。さらに、色度変化の測定結果は、APHA値(Pt−Co unit)として、1日目が2、3日目が24、10日目が23であった。
[比較例5−2]
共重合体5−Bの製造
温度計・攪拌機・滴下ロート・窒素導入管・還流冷却器を備えたガラス製反応容器に、遷移金属塩であるモール塩の100重量ppm水溶液5.63g(後述するMBA−50に対して遷移金属(Fe)換算で500重量ppb)を添加し、水114.8g、ポリアルキレングリコールエーテル系化合物(ポリエーテル単量体)として、3−メチル−3−ブテン−1−オールのエチレンオキシド付加体(「MBA−50」;エチレンオキシド平均付加モル数50モル、ポリエチレングリコールを6.7重量%含む)226.3g、アクリル酸(「AA」;カルボン酸単量体)0.41gを仕込み(pH4.5)、攪拌下に反応容器内を窒素置換し、窒素雰囲気下で58℃に昇温した後、2%過酸化水素水7.31g(過酸化水素として2.0モル%対モノマー)を投入した。温度が58℃で安定した後、アクリル酸(AA)15.7gを水10.5gに溶解させた不飽和カルボン酸系単量体水溶液を3時間かけて滴下し、不飽和カルボン酸系単量体水溶液を滴下し始めると同時に、L−アスコルビン酸0.17g(0.3モル%対モノマー)と2−メルカプトプロピオン酸0.49g(1.4モル%対モノマー)とを水24.4gに溶解させた水溶液を3.5時間かけて滴下した。その後引き続き3時間反応系を58℃に維持し、重合反応を完結させた。そして、冷却後(pH4.2、20.0℃)、49%NaOHでpH6まで中和し、さらに水を加えて固形分を45%に調整した。GPCにより測定した、モノマー相当分(Mw2200)のピークを除くポリマー(共重合体5−B)のMwは34700、ポリマー純分は76.5%であった。さらに、色度変化の測定結果は、APHA値(Pt−Co unit)として、1日目が3、3日目が15、10日目が20であった。
以上の結果から、本発明に係る製造方法により製造された、実施例1、実施例2、実施例3−1〜3−3の共重合体(水溶液)では、合成後10日目でも、対応する比較例の共重合体(水溶液)と比較して、色度の上昇が顕著に抑えられていることがわかる。また、共重合体の製造後に水溶液に遷移金属塩を添加した実施例4でも、対応する比較例4と比較して、合成後10日目における色度の上昇が顕著に抑えられていることがわかる。
<コンクリート試験1>
上記の比較例3および実施例3−1〜3−3で得られた共重合体(水溶液)をセメント混和剤として用いて、コンクリート試験1を行った。セメントとしては、普通ポルトランドセメント(太平洋セメント社製)、細骨材として大井川産川砂(FM=2.45)、粗骨材として青梅硬質砂岩(5〜10mm/10〜15mm/15〜20mm=3/3/4で混合して使用)を用いた。また、コンクリートの配合条件は、下記の表1に示す通りとした。なお、表1中の略語は以下の通りである。
W/C(%):セメント(C)に対する水(W)の重量比(重量%)
s/a(%):細骨材の体積比(%)
Figure 2015048392
100Lパン型ミキサーに、上記の表1に示す配合条件で、石、砂(半量)、セメント、砂(半量)の順に投入し、空練りを10秒間行ってから、比較例3および実施例3−1〜3−3で得られたそれぞれの共重合体(水溶液)を含んだ所定量の水(セメントに対するポリカルボン酸系共重合体の濃度:0.17重量%)を投入し、90秒間混練した。
混練したフレッシュコンクリートを船に排出して、2往復練り返しを行ってから、コンクリートの初期流動性評価として、スランプフロー値を測定した。なお、測定は、日本工業規格(JIS A1150)に準じて行った。結果を下記の表2に示す。
Figure 2015048392
表2に示す結果から、本発明の製造方法により得られた共重合体は、遷移金属塩を用いることなく製造された共重合体と比較して、少なくとも同等のスランプフロー値を示すものであることがわかる。また、遷移金属(Fe)の量が1000ppb(対IPN50重量比)となる量で遷移金属塩(モール塩)を添加した実施例3−1では、比較例3に対してより高いスランプフロー値が達成されることもわかる。
<コンクリート試験2>
上記の比較例4および実施例4で得られた共重合体(水溶液)をセメント混和剤として用いて、コンクリート試験2を行った。セメントとしては、普通ポルトランドセメント(太平洋セメント社製)、細骨材として大井川産川砂(FM=2.61)、粗骨材として青梅硬質砂岩(5〜10mm/10〜15mm/15〜20mm=3/3/4で混合して使用)を用いた。また、コンクリートの配合条件は、下記の表3に示す通りとした。なお、表3中の略語は上記の表1と同様である。
Figure 2015048392
100Lパン型ミキサーに、上記の表3に示す配合条件で、石、砂(半量)、セメント、砂(半量)の順に投入し、空練りを10秒間行ってから、比較例4および実施例4で得られたそれぞれの共重合体の水溶液を含んだ所定量の水(セメントに対するポリカルボン酸系共重合体の濃度:0.16重量%)を投入し、90秒間混練した。
混練したフレッシュコンクリートを船に排出して、2往復練り返しを行ってから、コンクリートの初期流動性評価として、スランプフロー値を測定した。なお、測定は、日本工業規格(JIS A1150)に準じて行った。結果を下記の表4に示す。
Figure 2015048392
表4に示す結果から、本発明の一形態である、重合反応の終了後に得られた共重合体(水溶液)に遷移金属塩を添加した実施例4では、かような操作を行っていない比較例4に対してより高いスランプフロー値が達成されることがわかる。

Claims (9)

  1. 下記化学式1:
    Figure 2015048392
    式中、
    、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子、メチル基または−(CHCOOM基(−(CHCOOMは、−COOMまたはその他の−(CHCOOMと無水物を形成していてもよい)を表し、zは、0〜2の整数を表し、
    およびMは、それぞれ独立して、水素原子、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、アンモニウム基または有機アミン基を表す、
    で表されるカルボン酸単量体と、
    下記化学式2:
    Figure 2015048392
    式中、
    およびRは、それぞれ独立して、水素原子またはメチル基を表し、
    AOは、それぞれ独立して、炭素数2以上のオキシアルキレン基の1種または2種以上を表し、
    nは、オキシアルキレン基の平均付加モル数で1〜300の数を表し、
    xは、0〜2の整数を表し、
    yは、0または1を表し、
    は、水素原子または炭素数1〜20の炭化水素基を表す、
    で表されるポリエーテル単量体とを必須成分として含有する単量体成分を重合開始剤を用いて重合させることを含む、水溶性共重合体の製造方法であって、
    前記重合開始剤として、過酸化水素と、前記単量体成分の総量100モル%に対して0.5モル%超の還元性化合物とを併用し、遷移金属塩の存在下で重合を行うことを特徴とする、水溶性共重合体の製造方法。
  2. 前記還元性化合物が、L−アスコルビン酸、エリソルビン酸およびこれらの塩またはエステルからなる群から選択される1種または2種以上である、請求項1に記載の水溶性(メタ)アクリル酸(塩)系重合体の製造方法。
  3. 前記遷移金属塩が、鉄塩、銅塩およびマンガン塩からなる群から選択される1種または2種以上である、請求項1または2に記載の水溶性(メタ)アクリル酸(塩)系重合体の製造方法。
  4. 前記遷移金属塩を、前記還元性化合物の滴下開始前に反応系に存在させる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の水溶性(メタ)アクリル酸(塩)系重合体の製造方法。
  5. 前記遷移金属塩を、前記還元性化合物の滴下開始後に反応系に添加する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の水溶性(メタ)アクリル酸(塩)系重合体の製造方法。
  6. 下記化学式1:
    Figure 2015048392
    式中、
    、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子、メチル基または−(CHCOOM基(−(CHCOOMは、−COOMまたはその他の−(CHCOOMと無水物を形成していてもよい)を表し、zは、0〜2の整数を表し、
    およびMは、それぞれ独立して、水素原子、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、アンモニウム基または有機アミン基を表す、
    で表されるカルボン酸単量体と、
    下記化学式2:
    Figure 2015048392
    式中、
    およびRは、それぞれ独立して、水素原子またはメチル基を表し、
    AOは、それぞれ独立して、炭素数2以上のオキシアルキレン基の1種または2種以上を表し、
    nは、オキシアルキレン基の平均付加モル数で1〜300の数を表し、
    xは、0〜2の整数を表し、
    yは、0または1を表し、
    は、水素原子または炭素数1〜20の炭化水素基を表す、
    で表されるポリエーテル単量体とを必須成分として含有する単量体成分を重合開始剤を用いて重合させることを含む、水溶性共重合体の製造方法であって、
    前記重合開始剤として、過酸化水素と、単量体(a)、(b)および(c)の総量100モル%に対して0.5モル%超の還元性化合物とを併用して重合を行う工程と、
    重合の終了後に反応系に遷移金属塩を添加する工程と、
    を含むことを特徴とする、水溶性共重合体の製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の製造方法により製造される、セメント混和剤用水溶性共重合体。
  8. 下記化学式1:
    Figure 2015048392
    式中、
    、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子、メチル基または−(CHCOOM基(−(CHCOOMは、−COOMまたはその他の−(CHCOOMと無水物を形成していてもよい)を表し、zは、0〜2の整数を表し、
    およびMは、それぞれ独立して、水素原子、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、アンモニウム基または有機アミン基を表す、
    で表されるカルボン酸単量体と、
    下記化学式2:
    Figure 2015048392
    式中、
    およびRは、それぞれ独立して、水素原子またはメチル基を表し、
    AOは、それぞれ独立して、炭素数2以上のオキシアルキレン基の1種または2種以上を表し、
    nは、オキシアルキレン基の平均付加モル数で1〜300の数を表し、
    xは、0〜2の整数を表し、
    yは、0または1を表し、
    は、水素原子または炭素数1〜20の炭化水素基を表す、
    で表されるポリエーテル単量体とを必須成分として含有する単量体成分が重合されてなる水溶性共重合体と、溶媒と、を含む重合体組成物であって、
    還元性化合物と、前記水溶性共重合体を構成する前記ポリエーテル単量体由来の構成成分に対して遷移金属換算で1500ppb以上の遷移金属塩と、をさらに含む、重合体組成物。
  9. 還元性化合物の含有量が、固形分に対して0.001〜0.1重量%である、請求項8に記載の重合体組成物。
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