JP2015045826A - 電動車いす運転者教育装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】電動車いす運転者教育装置1は、能力評価部13による評価結果に基づいて、教育プログラム記憶部18に記憶された複数の教育プログラムから運転者に適した教育プログラムを選択部17により選択し、選択された教育プログラムを教育部19により実行して運転者を教育する。また、教育プログラムは、ハンドル形電動車いす101の走行中に運転者が見る映像を表示して、この映像から運転者にハザードを検出させている。また、能力評価部13はリスク知覚能力評価部15を有し、このリスク知覚能力評価部15は、ハザードの将来の状態を予測してリスクを見積もるリスク知覚能力について運転者を評価する。
【選択図】図4
Description
運転者がこのような教育を受ける機会は、販売員の時間的制約等から電動車いすの販売時や点検時に限られてしまうため、運転者が教育を受ける時間や回数が十分でない場合もあり、また、教育された内容を運転者が忘れてしまう場合もあった。したがって、効率よく運転者だけで十分な時間および回数、教育を受けることのできる教育装置が必要とされている。
本発明は、上記のような問題点に着目してなされたものであり、運転者毎の運転能力に応じて教育を実施することができる電動車いす運転者教育装置を提供することを目的とするものである。
まず、電動車いすについて、ハンドル形電動車いすを例にしてその概要構成を説明する。図1は、ハンドル形電動車いすを前側から見た斜視図であり、図2は、同後側から見た斜視図である。
図1、図2に示すように、ハンドル形電動車いす101は、運転者がシート102に座って運転する一人乗りの車いすである。このハンドル形電動車いす101は、操舵装置としての操舵ハンドル104と、運転者が座るシート102と、後輪103と、前輪105とを備えており、充電式バッテリーから供給される電力により後輪103をモータにより駆動して走行するようになっている。前輪105は、運転者による操舵ハンドル104の操作により操舵されるようになっている。
なお、電動車いすは、運転者が運転操作可能な電動車いすであればよく、ハンドル形電動車いす101に限らず、2つの車輪で走行および操舵を行ういわゆる標準形電動車いすであってもよい。
図3に示すように、電動車いすの運転行動は、現在の運転環境に対して運転者によるハザード知覚およびリスク知覚が行われること、これらの知覚結果に基づいて運転者が判断を行うこと、電動車いすの操作が行われること、この操作が車両の挙動に反映されること、の繰り返しから成り立っている。
一方、リスク知覚とは、知覚したハザードに対して事故に伴う重大性と事故の発生確率の組み合わせの損害を見積もることである。換言すると、リスク知覚とは、知覚したハザードの将来の状態を予測してリスクを見積もること(危険予知をすること)である。リスク知覚のためにはリスク知覚能力が運転者に必要となる。リスク知覚能力は、ハザードに関する知識を運転者に教育することにより向上し得る能力であるという点において、身体機能であるハザード知覚とは性質が異なる。
更に、顕在的ハザードは、動的な顕在的ハザードと静的な顕在的ハザードに分類され、行動予測ハザードは、動的な行動予測ハザードと静的な行動予測ハザードとに分類される。
評価教育部10は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、入力ポート、および出力ポート等を備えたマイクロコンピュータによって構成されている。評価教育部10において、CPUは、RAMの一部の格納領域を作業領域として利用しつつ予めROMに記憶されたプログラムにしたがって演算を行うようになっている。本実施形態では、評価教育部10は、能力評価部13と、結果記憶部16と、選択部17と、教育プログラム記憶部18と、教育部19とを有している。
結果記憶部16は、能力評価部13による運転者の評価結果を複数人数分記憶するようになっている。また、結果記憶部16は、後述する選択部17による教育プログラムの選択結果を複数人数分記憶するようになっている。
教育プログラム記憶部18は、複数の教育プログラムを記憶するようになっている。教育プログラムとは、リスク知覚能力を向上させるために運転者に対して実施するためのものである。
選択部17は、能力評価部13による評価結果に基づいて、教育プログラム記憶部18に記憶された複数の教育プログラムから運転者に適した教育プログラムを選択するようになっている。教育部19は、選択部17により選択された教育プログラムを実行して運転者を教育するようになっている。
評価教育部10は、ステップS14で教育プログラムが選択済みであると判別した場合(ステップS14でNO)、ステップS19に移行して選択済みの教育プログラムを教育部19により実行し(ステップS19)、ステップS14で教育プログラムが未選択であると判別した場合(ステップS14でイエス)、運転能力が未評価であるか否かを判別する(ステップS15)。
ステップS16の運転能力評価処理に次いで、評価教育部10は、運転能力の評価結果に応じて教育プログラムを選択部17により選択し(ステップS17)、その選択結果を結果記憶部16に記憶し(ステップS18)、その教育プログラムを教育部19により実行する(ステップS19)。教育プログラムの詳細については後述する。
初めに、能力評価部13のハザード知覚能力評価部14は、運転者の分割的注意能力について試験を実施して評価をし(ステップS21)、次いで、運転者が不必要な注意を抑制する能力である抑制機能について試験を実施して評価をする(ステップS22)。次いで、ハザード知覚能力評価部14は、リスク知覚能力について試験を実施して評価をし(ステップS23)、ステップS21〜S23の試験の評価結果をタッチパネル式ディスプレイ7に表示して、運転者に知らせる(ステップS24)。このように、運転能力評価処理では、ハザード知覚のための能力である分割的注意能力および抑制機能と、リスク知覚能力について試験を実施して評価を行う。
このようにして運転者に与えられる得点はシーン毎に加算される。予め設定された目標得点に合計得点が到達しない場合は、図28に示すように、教育部19は、クリア失敗の旨を画面31に表示し、目標得点に合計得点が到達した場合は、図29に示すように、ステージクリアの旨を画面31に表示する。
また、図30の後、図31に示すように、教育部19は、教育プログラムによる運転能力の向上度、合計得点数、教育プログラムを実施した回数を表示する。図31では、運転能力の向上度として、「見えない場所に対する注意力が3点上がりました」と画面31に表示されている。
なお、教育部19は、衝突予測指標に加えて、顕在的ハザード、潜在的ハザード、行動予測ハザードの3種類に対して異なる得点を設定しておき、これらのハザードの検出に対して運転者に得点を与えるようにしてもよい。
例えば、運転者は、顕在的ハザード、行動予測ハザードに対するリスク知覚能力が向上することにより、目に見えている歩行者や自転車に対するリスク知覚を適切に行って、歩行者や自転車の接近に対して回避行動を行うことができるようになる。また、運転者は、潜在的ハザードに対するリスク知覚能力が向上することにより、死角に対するリスク知覚を適切に行って、死角に対して安全確認を多く行うことができるようになる。
Claims (4)
- 運転操作装置を備えたハンドル形電動車いすの運転者の運転能力を評価する能力評価部と、
複数の教育プログラムを記憶する教育プログラム記憶部と、
前記能力評価部による評価結果に基づいて、前記教育プログラム記憶部に記憶された複数の教育プログラムから前記運転者に適した教育プログラムを選択する選択部と、
前記選択部により選択された教育プログラムを実行して前記運転者を教育する教育部と、を備えることを特徴とする電動車いす運転者教育装置。 - 前記教育プログラムは、
前記ハンドル形電動車いすの走行中に前記運転者が見る映像を表示して、該映像から前記運転者にハザードを検出させるものであることを特徴とする請求項1に記載の電動車いす運転者教育装置。 - 前記能力評価部は、
ハザードの将来の状態を予測してリスクを見積もるリスク知覚能力について前記運転者を評価するリスク知覚能力評価部を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電動車いす運転者教育装置。 - タッチパネル式ディスプレイと、
前記タッチパネル式ディスプレイに予め定められた画像を表示する表示制御部と、
前記タッチパネル式ディスプレイ上でタッチされたタッチ位置を検出する位置検出部と、
前記タッチパネル式ディスプレイ、前記表示制御部、前記位置検出部、前記能力評価部、前記教育プログラム記憶部、前記選択部、および前記教育部を収容するとともに可搬性を有する筐体と、を備え、
前記能力評価部は、前記タッチパネル式ディスプレイにおいて前記表示制御部により表示された画像の位置に対する前記位置検出部により検出されたタッチ位置とタイミングとに基づいて前記運転能力を評価し、
前記教育部は、前記タッチパネル式ディスプレイにおいて前記表示制御部により表示された画像の位置に対する前記位置検出部により検出されたタッチ位置とタイミングとに基づいて前記運転能力を教育することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の電動車いす運転者教育装置。
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