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JP2015043711A - 栽培施設における炭酸ガス制御装置 - Google Patents

栽培施設における炭酸ガス制御装置 Download PDF

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JP2015043711A JP2013176279A JP2013176279A JP2015043711A JP 2015043711 A JP2015043711 A JP 2015043711A JP 2013176279 A JP2013176279 A JP 2013176279A JP 2013176279 A JP2013176279 A JP 2013176279A JP 2015043711 A JP2015043711 A JP 2015043711A
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Abstract

【課題】従来難しかった光合成の判定を簡易な装置で実現し、それにより炭酸ガスの供給制御を適切に行う。
【解決手段】植物Aの近傍に、炭酸ガスボンベ1等の炭酸ガス供給手段に接続したポーラスパイプ5を配備し、炭酸ガス供給手段の炭酸ガス供給量を弁開閉制御手段(ガス供給量制御手段)11により制御する栽培施設における炭酸ガス供給装置において、前記ポーラスパイプ5から離れた植物過疎領域の炭酸ガス濃度を検出する漏洩ガス監視センサ8を配備し、当該センサ8のセンサ出力が規定値を超えたら前記弁開閉制御手段11により炭酸ガス供給手段1の炭酸ガス供給量を絞る。
【選択図】図1

Description

本発明は、圃場、温室、植物工場、または培養液を入れた藻類の培養タンクなどの、栽培施設向けの炭酸ガス制御装置に関する。
栽培施設に炭酸ガスを供給し、植物周囲の炭酸ガス濃度を人為的に高くすると、植物の光合成が旺盛になり生育が促進されることが知られている。その種の装置として例えば特許文献1の図3,図5に記載のものがある。
このような炭酸ガスと植物の成育の相関関係を本発明者が研究したところ、日照があっても温度や湿度、前日の天候などの様々な要因により、炭酸ガスを吸収しないことがあることがわかった。このような場合に炭酸ガスを供給すると、炭酸ガスが無駄になり不経済である。
このことから、植物が炭酸ガスを吸収しないときは、炭酸ガスの供給を止めるなどのガス制御が必要となる。ところが植物が炭酸ガスを吸収するかどうかは、時刻や日照に必ずしも依存しないため、タイマーや日照計では適切なガス制御ができない。
植物が炭酸ガスを吸収するかどうかは、陸上の植物であれば、葉の気孔が開いているかどうかで判定できるが、そのような判定は、気孔を撮影しその開き具合を画像から判断することになるため、撮影装置等に多大な費用がかかり実用に向かない。また、藻類の場合には、撮影によっても光合成を行っているかの判断は難しい。
国際公開2012/133026号公報
本発明は、このように従来難しかった、植物が炭酸ガスを必要としているかどうかの判定を簡易な装置で実現し、それにより炭酸ガスの供給制御を適切に行うことを目的とする。
請求項1の発明は、植物の近傍に、炭酸ガス供給手段に接続した気体供給パイプを配備し、炭酸ガス供給手段からの炭酸ガス供給量をガス供給量制御手段により制御する栽培施設において、前記気体供給パイプから離れた植物過疎領域の炭酸ガス濃度を検出する漏洩ガス監視センサを設け、当該センサのセンサ出力が規定値を超えたら前記ガス供給量制御手段により炭酸ガス供給手段の炭酸ガス供給量を絞ることを特徴とする。
請求項2の発明は、植物の近傍に、炭酸ガス供給手段に接続した気体供給パイプを配備し、炭酸ガス供給手段からの炭酸ガス供給量をガス供給量制御手段により制御する栽培施設において、前記気体供給パイプに切換手段を介して炭酸ガス供給手段と空気供給手段を接続し、気体供給パイプから離れた植物過疎領域の炭酸ガス濃度を検出する漏洩ガス監視センサを設け、当該センサのセンサ出力が規定値を超えたら前記ガス供給量制御手段が前記切換手段を作動して前記炭酸ガス供給手段の炭酸ガスを止めて空気供給手段の空気の供給に切換えることを特徴とする。
請求項3の発明は、植物の近傍に、炭酸ガス供給手段に接続した気体供給パイプを配備し、炭酸ガス供給手段からの炭酸ガス供給量をガス供給量制御手段により制御する栽培施設において、前記気体供給パイプに、空気供給手段と、チェック弁付流量調整弁を有する炭酸ガス供給手段とを接続して、気体供給パイプに炭酸ガスと一緒に空気を供給し、気体供給パイプから離れた植物過疎領域の炭酸ガス濃度を検出する漏洩ガス監視センサを設け、当該センサのセンサ出力が規定値を超えたら前記ガス供給量制御手段が前記チェック弁付流量調整弁を作動して前記炭酸ガス供給手段の炭酸ガス供給量を絞ることを特徴とする。
請求項4の発明は、前記気体供給パイプが、通気性の管壁を有するポーラスパイプであることを特徴とする。
請求項5の発明は、前記栽培施設が培養液を入れた培養タンクであり、前記植物が藻類であり、漏洩ガス監視センサを培養タンク内の培養液の液面上方に配備することを特徴とする。
請求項6の発明は、前記培養タンク内の培養液のpHを測定するpHセンサを配備し、このpHセンサの値が所定値より高くなったら炭酸ガス供給手段により炭酸ガスを供給することを特徴とする。
請求項7の発明は、前記気体供給パイプが、高さ変更自在であることを特徴とする。
請求項8の発明は、前記気体供給パイプが、高さを変えて複数段設け、これら複数段のいずれかを選択可能とすることを特徴とする。
請求項9の発明は、植物の近傍の炭酸ガス濃度を検出する光合成監視センサを配備し、炭酸ガス供給手段で炭酸ガスを供給しているにもかかわらず炭酸ガス濃度が著しく下降したら、信号を送り報知手段を作動させることを特徴とする。
前記各発明で、植物は、陸上の植物のみならず藻類を含む。
請求項1の発明は、漏洩ガス監視センサから炭酸ガス濃度が規定値以上になったとのセンサ出力を受けると、ガス供給量制御手段により炭酸ガス供給手段の炭酸ガス供給量を絞る。よって、植物が炭酸ガスを必要としないときには、炭酸ガスの供給量を絞り無駄を省ける。
請求項2の発明は、漏洩ガス監視センサから炭酸ガス濃度が規定値以上になったとのセンサ出力を受けると、ガス供給量制御手段により炭酸ガス供給手段の炭酸ガス供給を止めて、空気供給手段の空気の供給に切換えるので、炭酸ガスの供給の無駄を省けると共に、空気を吹き込むことにより、根元付近に滞留している炭酸ガスが吹き飛ばされ、呼吸に必要な酸素が供給できる。よって、光合成が行われない夜間や天候の悪い日でも、植物の成長を促進できる。
請求項3の発明は、炭酸ガスと空気を同時に送るので、炭酸ガス供給手段が、炭酸ガスボンベのような高濃度の炭酸ガスを排出するものであっても、空気で希釈して植物に対し最適な濃度の炭酸ガスを供給できる。また、チェック弁付流量調整弁で炭酸ガスの供給を調節できるので、植物に応じて炭酸ガスの濃度にできる。
請求項4の発明は、気体供給パイプが、通気性の管壁を有するポーラスパイプであるので、パイプ全体から均一に炭酸ガス又は空気を供給でき、偏在なく植物の成長を促進できる。
請求項5の発明は、栽培施設が培養液を入れた培養タンクであり、植物が藻類であり、漏洩ガス監視センサを培養タンク内の培養液の液面上方に配備するので、請求項1の効果に加え、炭酸ガスを有効に使用しつつ藻類を培養できる。
請求項6の発明は、培養タンク内の培養液のpHを測定するpHセンサを配備し、このpHセンサの値が所定値より高くなったら炭酸ガス供給手段により炭酸ガスを供給するので、日中の炭酸ガス供給の再開を自動で行える。
請求項7の発明は、気体供給パイプが、植物の成長に応じて高さ変更自在であるので、気体を取り込む気孔近傍に気体供給パイプでき、植物の成長が一層向上する。
請求項8の発明は、気体供給パイプが、栽培施設内に高さを変えて複数段設け、植物の成長に応じ複数段のいずれかを選択可能とするので、供給パイプの位置を成長に応じて変更する必要がなく、作業効率がよい。
請求項9の発明は、植物の近傍の炭酸ガス濃度を検出する光合成監視センサを配備するので、光合成監視センサで測定した炭酸ガス濃度が一定となるよう制御することにより、植物の炭酸ガスの吸収量に応じた制御ができる。また、炭酸ガス供給手段で炭酸ガスを供給しているにもかかわらず炭酸ガス濃度が著しく下降したら、信号を送り報知手段を作動させるので、炭酸ガス供給手段が空になったり故障したりすることが判断できる。
第1実施形態の炭酸ガス制御装置の概念図である。 図1の要部拡大図である。 第2実施形態の炭酸ガス制御装置の概念図である。 弁の開閉動作のタイムチャートである。 第3実施形態の炭酸ガス制御装置の概念図である。 ポーラスパイプの高さを変更する実施形態の図である。 ポーラスパイプの高さを変更する別の実施形態の図である。 第4実施形態の炭酸ガス制御装置の概念図であり、培養タンクが単一の例を示す。 第4実施形態の炭酸ガス制御装置の概念図であり、培養タンクが複数の例を示す。 ポーラスパイプの位置に係らず炭酸ガス及び空気を均一に供給する例の概念図である。
以下、本発明の第1実施形態について説明する。
1は炭酸ガスボンベ(炭酸ガス供給手段)である。2はコンプレッサであり、取り入れた空気を圧縮して空気貯蔵容器3に貯蔵する。このコンプレッサ2と空気貯蔵容器3が空気供給手段を構成する。
4は三方弁であり、3つある開閉弁(4a〜4c)の内の2つ(4a,4b)に係る口を、それぞれ配管を介して炭酸ガスボンベ1と空気貯蔵容器3に接続する。残りの一つの弁(4c)に係る口をポーラスパイプ5(気体供給パイプ)に接続する。
ポーラスパイプ5は、全周に亘り多数の微細孔が形成されたものであり、市販の潅水用パイプであってもよい。このポーラスパイプ5を、圃場、温室内、植物工場等の栽培施設に植えられた陸上の植物Aの葉の近傍に配置する。
6は、開閉弁4a〜4cの開閉を制御する三方弁開閉制御手段(ガス供給量制御手段)である。7は光合成監視センサ、8は漏洩ガス監視センサである。
光合成監視センサ7は陸上の植物Aの根元近傍に配置し、漏洩ガス監視センサ8はポーラスパイプ5から離れた位置、すなわち隣り合う陸上の植物Aから離れた位置(植物過疎領域)の地面近くに配置する。
三方弁開閉制御手段(ガス供給量制御手段)6は、光合成監視センサ7と漏洩ガス監視センサ8で測定した炭酸ガス濃度に応じて、開閉弁4a〜4cの開閉を行う。開閉操作は以下のとおりである。
夜間は、炭酸ガスボンベ1側の弁4aを閉じ、空気貯蔵容器3側の開閉弁4bを開く。開閉弁4cは開いたままである。これにより呼吸に必要な酸素が供給されるので、陸上の植物Aの成長を促進できる。
朝(日昇後)の制御は、次のとおりである。
光合成が行われているときには、ポーラスパイプ5から排出された炭酸ガスは、陸上の植物Aに吸収されるので、漏洩ガス監視センサ8で測定する炭酸ガス濃度は上昇しない。光合成が行われないときには、ポーラスパイプ5から排出された炭酸ガスが植物過疎領域に漏れ出て炭酸ガスの濃度が上昇する。この作用を利用し下記の制御を行う。
そこで朝は、三方弁開閉制御手段6により、空気貯蔵容器3側の開閉弁4bを閉じ、炭酸ガスボンベ1側の開閉弁4aを開ける。ポーラスパイプ5側の開閉弁4cは開けたままである。
光合成監視センサ7からの濃度信号に応じ炭酸ガス濃度が一定となるよう三方弁開閉制御手段6が炭酸ガスの供給量を制御する。
そして、漏洩ガス監視センサ8で測定した炭酸ガス濃度が上昇したら、三方弁開閉制御手段6は、炭酸ガスボンベ1側の開閉弁4aを閉じ、空気貯蔵容器3側の開閉弁4bを開ける。開閉弁4cは開けたままである。
この後、漏洩ガス監視センサ8で測定した炭酸ガス濃度が通常時の値(例えば約400PPM)に戻ったら、三方弁開閉制御手段6は、炭酸ガスボンベ1側の開閉弁4aを開け、空気貯蔵容器3側の開閉弁4bを閉じる。開閉弁4cは開けたままである。
前記の制御を行うことにより、日昇後であっても光合成が行われないときには、炭酸ガスを供給しないので、炭酸ガスボンベ1内の炭酸ガスを有効に使用できる。また、陸上の植物Aが呼吸をしているときには、ポーラスパイプ5に空気を吹き込むことにより、根元付近に滞留している炭酸ガスが吹き飛ばされると共に、呼吸に必要な酸素が供給される。よって、光合成が行われない天候の悪い日等でも、植物の成長を促進できる。
また、前記光合成監視センサ7は、炭酸ガスボンベ(炭酸ガス供給手段)1側の弁4aが開いているにもかかわらず、炭酸ガス濃度が著しく下降したら、炭酸ガスボンベ1が空になっていたり、故障していたりすることを判定できる。この場合に警報ランプなどの報知手段(図示せず)に信号を送り、作業者に報知可能な構成にするとよい。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
ポーラスパイプ5を、圃場、温室内、植物工場等の栽培施設に植えられた陸上の植物Aの葉の近傍に配置する。このポーラスパイプ5に二股に分岐する分岐パイプ9を接続し、二股に分かれた一方を、流量調整弁10aを介して炭酸ガスボンベ1に接続する。分岐パイプ9の二股に分かれた他方は、流量調整弁10bを介して空気貯蔵容器3に接続し、この空気貯蔵容器3をコンプレッサ2に接続する。
図示しない弁開閉制御手段(ガス供給量制御手段)により流量調整弁10a,10bを制御し、炭酸ガス及び空気の流量を調整する。
前記実施形態と同様に、光合成監視センサ7を陸上の植物Aの根元近傍に配置し、漏洩ガス監視センサ8をポーラスパイプ5から離れた位置の地面近くに配置する。
流量調整弁10a,10bは以下のように制御する。
夜間は、流量調整弁10aを閉じ、流量調整弁10bは開いたままである。ポーラスパイプ5には、空気だけが供給される。
流量調整弁10a,10bを共に開いた状態にすると、ポーラスパイプ5には、炭酸ガスと空気を混合(炭酸ガスの濃度を希釈)して供給する。
この際に、流量調整弁10aと流量調整弁10bとのそれぞれで弁の開度を制御して、炭酸ガス及び空気の流量を調整し、ポーラスパイプ5に供給される炭酸ガスの濃度を変化させる。
炭酸ガスの濃度の調整は、流量調節弁10a,10bの弁の開度を制御する他に、弁開閉制御手段で弁の開度を制御する代わりに、炭酸ガス供給手段1と空気貯蔵容器3からの流量を制御して行うことや、開閉弁の開閉時間を制御する(図4)ことにより行うことも可能である。
図4(縦軸は弁の開閉、横軸は時間)に示す開閉時間の制御では、流量調整弁10a,10bの代わりに開閉弁を使用し、炭酸ガス供給側の開閉弁と空気供給側の開閉弁を開く時間(デューティ比)を制御する。図4(1)は炭酸ガス濃度が濃い例であり、図4(2)は炭酸ガス濃度が薄い例である。この構成にすることにより、高価な流量調整弁を使用せず、炭酸ガス濃度を任意に調整できる。
そして、漏洩ガス監視センサ8で測定した炭酸ガス濃度が上昇したら、流量調整弁10a又は炭酸ガス供給側の開閉弁を閉じたままにし、流量調整弁10bの開度又は空気供給側の開閉弁の開閉を制御する。ポーラスパイプ5には、空気だけが供給される。
この後、漏洩ガス監視センサ8で測定した炭酸ガス濃度が通常時の値(約400PPM)に戻ったら、流量調整弁10a,10b(又は炭酸ガス供給側の開閉弁及び空気供給側の開閉弁)を共に制御する。
前記の各実施形態では、空気供給手段2,3と接続しているが、これと接続せず、炭酸ガス濃度を測定して、炭酸ガスの供給量を変化させるだけにしてもよい。
以下、この第3実施形態について説明する。
図5は、この実施形態の炭酸ガス制御装置の概念図である。
流量調整弁10cを介し、炭酸ガスボンベ(炭酸ガス供給手段)1をポーラスパイプ5に接続する。
前記各実施形態と同様に、光合成監視センサ7を陸上の植物Aの根元近傍に配置し、漏洩ガス監視センサ8をポーラスパイプ5から離れた位置の地面近くに配置する。
11は、流量調整弁10cを開閉して炭酸ガスの供給量を制御する弁開閉制御手段(ガス供給量制御手段)であり、漏洩ガス監視センサ8で測定した炭酸ガス濃度に応じて、流量調整弁10cの開閉を行う。
具体的には、朝に作業者が装置を作動させると、ガス供給量制御手段11が、流量調整弁10cを開けポーラスパイプ5に炭酸ガスを送る。
そして、漏洩ガス監視センサ8で測定した炭酸ガス濃度が上昇したら、流量調整弁10cを閉じる。この後、漏洩ガス監視センサ8で測定した炭酸ガス濃度が通常時の値(約400PPM)に戻ったら、流量調整弁10cを開ける。
夜になって、作業者が装置のスイッチを切ると、流量調整弁10cを閉じ、炭酸ガスの供給を止める。
以上の制御を行うことにより、日中でも植物が炭酸ガスを必要としないときには、炭酸ガスを供給しないので、炭酸ガスボンベ1内の炭酸ガスを有効に使用できる。また、夜や漏洩ガス監視センサ8で測定した炭酸ガス濃度が上昇しても、空気を供給しないので、前記第1及び第2実施形態よりも電力消費が少ない。ただし、空気を供給しないので、植物が呼吸を円滑に行えず、空気を供給する第1及び第2実施形態よりも陸上の植物Aの成長が遅くなる。
前記第1〜第3実施形態では、炭酸ガスボンベ1を使用して炭酸ガスを送っているが、本発明はこれに限らない。例えば、暖房器具の排気ガスを使用するなどの公知の手段を利用してもよい。本発明では、炭酸ガスボンベ1とこれら公知の手段を含め炭酸ガス供給手段という。
また、前記第1〜第3実施形態では、光合成監視センサ7を設けているが、本発明は、これに限られず、光合成監視センサ7を設けなくともよい。光合成監視センサ7による炭酸ガスの流量の制御がなく、装置の構成が簡単である。
また、前記第1〜第3実施形態では、朝と夜とを作業者が判断して装置の作動、非作動を切換えているが、日の出、日の入り時間を予め装置に記憶させて、タイマー自動で装置を入り切りするようにしてもよい。
また、昼夜に係らず光合成をしているかどうかを以下のように判断し、炭酸ガスの供給、停止を制御してもよい。
漏洩ガス監視センサ8が炭酸ガス濃度の上昇を検出したら炭酸ガスの供給を停止する。光合成監視センサ7が通常の空気中の炭酸ガス濃度より低い値(例えば400PPM以下)になったら炭酸ガスの供給を再開する。
また、ポーラスパイプ5は、陸上の植物Aの成長に合わせ配置する高さを変更してもよい。
例えば、図6に記載のように、ポーラスパイプ5を載置するフック12を、上下に並べたパイプ載置ロッド13を配置し、植物の成長に合わせて任意にポーラスパイプ5を載置するフック12を変更可能にする。
あるいは、図7に記載のように、予めパイプ載置ロッド13を使用し、複数のポーラスパイプ5を多段に配置し、このポーラスパイプ5のいずれかとの接続を切換える切換手段14を介して、炭酸ガス供給手段と空気供給手段に接続する。そして、植物の成長に合わせて適宜接続するポーラスパイプ5を選択可能にする。
次に、本発明の第4実施形態について説明する。
図8は、炭酸ガス制御装置の概念図である。
15は藻類と共に培養液17を収容した培養タンクであり、上面が開放している。この培養タンク15内の培養液中に錘16を着けたポーラスパイプ5を沈める。
前記実施形態と同様にコンプレッサ2は、取り入れた空気を圧縮して空気貯蔵容器3に貯蔵する。
配管19を介し、三方弁4のうちの一つの開閉弁4cに係る口とポーラスパイプ5とを接続する。また、三方弁4のうちの一つの開閉弁4aに係る口を炭酸ガスボンベ1に接続する。残りの一つの弁(4b)に係る口を空気貯蔵容器3に接続する。
6は、開閉弁4a〜4cの開閉を制御する三方弁開閉制御手段(ガス供給量制御手段)であり、8は漏洩ガス監視センサである。
漏洩ガス監視センサ8は、培養タンク15内の水面よりやや上に配置する。
ポーラスパイプ5には、一定量(光合成時には培養タンク15内の培養液17にすべて解ける量)の炭酸ガスを送る。
夜間に作業者が炭酸ガス供給装置のスイッチを切ると、炭酸ガスボンベ1側の弁4aは閉じ、空気貯蔵容器3側の開閉弁4bは開く。開閉弁4cは開いたままである。培養タンク15内の藻類に空気が供給されるので、藻類の成長を促進できる。
朝になった後(日中)は、以下のとおりである。
光合成が行われているときには、ポーラスパイプ5から排出された炭酸ガスは、藻類に吸収されるので、漏洩ガス監視センサ8で測定する炭酸ガス濃度は上昇しない。光合成が行われないときには、ポーラスパイプ5から排出された炭酸ガスが培養タンク15の培養液の外に漏れ出て炭酸ガスの濃度が上昇する。この作用を利用し下記の制御を行う。
朝になり作業者が炭酸ガス供給装置のスイッチを入れると、三方弁開閉制御手段6が、空気貯蔵容器3側の開閉弁4bを閉じ、炭酸ガスボンベ1側の開閉弁4aを開ける。ポーラスパイプ5側の開閉弁4cは開けたままである。
そして、漏洩ガス監視センサ8で測定した炭酸ガス濃度が上昇したら、三方弁開閉制御手段6は、炭酸ガスボンベ1側の開閉弁4aを閉じ、空気貯蔵容器3側の開閉弁4bを開ける。開閉弁4cは開けたままである。
この後、漏洩ガス監視センサ8で測定した炭酸ガス濃度が通常時の値(例えば約400PPM)に戻ったら、三方弁開閉制御手段6は、炭酸ガスボンベ1側の開閉弁4aを開け、空気貯蔵容器3側の開閉弁4bを閉じる。開閉弁4cは開けたままである。
前記の制御を行うことにより、日昇後であっても光合成が行われないときには、炭酸ガスを供給しないので、炭酸ガスボンベ1内の炭酸ガスを有効に使用できる。また、藻類が光合成をしていないときには、ポーラスパイプ5に空気を吹き込むことにより、成長に必要な窒素や酸素が供給できる。
前記第4実施形態において、培養液17内にpHセンサ18を入れ、pHが一定となるようポーラスパイプ5から排出される炭酸ガスの量を制御してもよい。
この場合には、日中の炭酸ガス供給の再開は、pH値が所定の値より上昇したときにするとよい。
また、前記第4実施形態では培養タンク15を一つ設けているが、複数であってもよく、培養タンク15毎の光合成の状況が大きく変わらないなら、図9のように空気供給手段2,3と炭酸ガスボンベ1を1つにし、各培養タンク15に順次接続してもよい。この場合、漏洩ガス監視センサ8は、いずれか一つの培養タンク15に設ける。
また、前記前記第4実施形態では三方弁4を使用し炭酸ガスボンベ1等の開閉を制御しているが、前記第2実施形態と同様にチェック弁付流量調整弁で制御してもよい。また、前記第4実施形態では炭酸ガスの供給を止めた場合に空気を供給するが、前記第3実施例と同様に空気を送らなくてもよい。
また、前記各実施形態では、気体供給パイプとして、ポーラスパイプ5を使用しているが、本発明はこれに限らない。例えば、所定間隔で孔のあいたチューブを使用してもよい。ただし、ポーラスパイプ5を使用すると、植物に均一に気体を供給し易い。特に伸縮性を有するポーラスパイプ5を使用すると、圧力と流量を一定に制御可能である。
また、炭酸ガスと空気をポーラスパイプ5の両端から供給したり(図10)、ポーラスパイプの単位当たりの孔の面積を炭酸ガス供給手段1に接続した側を小、遠くなるに従い大にしたりすると、ポーラスパイプの位置に係らず炭酸ガス及び空気を均一に供給できる。
1 炭酸ガスボンベ
3 空気貯蔵容器
4 三方弁
5 ポーラスパイプ
6 三方弁開閉制御手段(ガス供給量制御手段)
7 光合成監視センサ
8 漏洩ガス監視センサ
9 電磁弁
11 弁開閉制御手段(ガス供給量制御手段)
A 陸上の植物

Claims (9)

  1. 栽培施設の植物の近傍に、炭酸ガス供給手段に接続した気体供給パイプを配備し、炭酸ガス供給手段からの炭酸ガス供給量をガス供給量制御手段が制御する炭酸ガス供給装置により制御する栽培施設において、
    前記気体供給パイプから離れた植物過疎領域の炭酸ガス濃度を検出する漏洩ガス監視センサを配備し、当該センサのセンサ出力が規定値を超えたら前記ガス供給量制御手段により炭酸ガス供給手段の炭酸ガス供給量を絞ることを特徴とするガス制御装置。
  2. 栽培施設の植物の近傍に、炭酸ガス供給手段に接続した気体供給パイプを配備し、炭酸ガス供給手段からの炭酸ガス供給量をガス供給量制御手段が制御する炭酸ガス供給装置により制御する栽培施設において、
    前記気体供給パイプに切換手段を介して炭酸ガス供給手段と空気供給手段を接続し、
    栽培施設内で気体供給パイプから離れた植物過疎領域の炭酸ガス濃度を検出する漏洩ガス監視センサを配備し、当該センサのセンサ出力が規定値を超えたら前記ガス供給量制御手段が切換手段を作動して前記炭酸ガス供給手段の炭酸ガスを止めて空気供給手段の空気の供給に切換えることを特徴とするガス制御装置。
  3. 栽培施設の植物の近傍に、炭酸ガス供給手段に接続した気体供給パイプを配備し、炭酸ガス供給手段からの炭酸ガス供給量をガス供給量制御手段が制御する炭酸ガス供給装置により制御する栽培施設において、
    前記気体供給パイプに、空気供給手段とチェック弁付流量調整弁を取り付けた炭酸ガス供給手段とを接続して、気体供給パイプに炭酸ガスと一緒に空気を供給し、
    栽培施設内で気体供給パイプから離れた植物過疎領域の炭酸ガス濃度を検出する漏洩ガス監視センサを配備し、当該センサのセンサ出力が規定値を超えたら前記ガス供給量制御手段がチェック弁付流量調整弁を作動して前記炭酸ガス供給手段の炭酸ガス供給量を絞ることを特徴とするガス制御装置。
  4. 前記気体供給パイプが、通気性の管壁を有するポーラスパイプであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のガス制御装置。
  5. 前記栽培施設が培養液を入れた培養タンクであり、前記植物が藻類であり、漏洩ガス監視センサを培養タンク内の培養液の液面上方に配備することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のガス制御装置。
  6. 前記培養タンク内の培養液のpHを測定するpHセンサを配備し、このpHセンサの値が所定値より高くなったら炭酸ガス供給手段により炭酸ガスを供給することを特徴とする請求項5に記載のガス制御装置。
  7. 前記気体供給パイプが、高さ変更自在であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のガス制御装置。
  8. 前記気体供給パイプが、栽培施設内に高さを変えて複数段設け、植物の成長に応じ複数段のいずれかを選択可能とすることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のガス制御装置。
  9. 前記植物の近傍の炭酸ガス濃度を検出する光合成監視センサを配備し、炭酸ガス供給手段で炭酸ガスを供給しているにもかかわらず炭酸ガス濃度が著しく下降したら、信号を送り報知手段を作動させることを特徴とする請求項1乃至請求項4、請求項7、請求項8のいずれか1項に記載のガス制御装置。
JP2013176279A 2013-08-28 2013-08-28 植物の栽培装置 Active JP6261911B2 (ja)

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