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JP2014238117A - 減速機内蔵アクチュエータ及びこれを備える多関節ロボット - Google Patents

減速機内蔵アクチュエータ及びこれを備える多関節ロボット Download PDF

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JP2014238117A
JP2014238117A JP2013120091A JP2013120091A JP2014238117A JP 2014238117 A JP2014238117 A JP 2014238117A JP 2013120091 A JP2013120091 A JP 2013120091A JP 2013120091 A JP2013120091 A JP 2013120091A JP 2014238117 A JP2014238117 A JP 2014238117A
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智 長谷部
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洋二 中島
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Abstract

【課題】回転制御性能の低下を防止可能な減速機内蔵アクチュエータ及びこれを備える多関節ロボットを提供すること。【解決手段】ハウジング130の内部で回転軸を中心に回転磁界を発生させるステータ111と、内周に内歯を有し、回転軸と同軸上に配置される剛性内歯歯車121と、外周に剛性内歯歯車121の内歯よりも少ない外歯を有し、剛性内歯歯車121の内周側で、外歯が剛性内歯歯車121の内歯と歯合可能な可撓性外歯歯車122と、可撓性外歯歯車122の内周部に当接して、内歯と外歯とを歯合させる楕円状のカム部124と、ステータ111により発生された回転磁界により、回転軸を中心にカム部124と一体で回転するロータ部125と、を有し、回転軸と同軸上でハウジング130に回転自在に支持された波動発生回転子123と、を備えたことを特徴とする。【選択図】図2

Description

本発明は、波動歯車装置が内蔵されたアクチュエータ及びこれを備える多関節ロボットに関する。
従来、ロボットアームのリンクやハンド等の駆動に用いられるアクチュエータは、ACサーボモータやDCブラシレスサーボモータを用い、高出力のトルクを得るためにサーボモータの出力側に波動歯車装置を設け、被駆動体に接続されることが多い。そして、ロボットアーム先端の位置制御は、サーボモータのモータシャフトに直結されたロータリーエンコーダでサーボモータの角度を検出することで行われていた。
しかし、近年、ロボットアームに必要な機能として、高精度化、高速化及び高出力化が求められており、波動歯車装置の回転軸に作用するトルクや波動歯車装置の内部機構の剛性不足により発生する撓み変形やガタつきが無視できなくなってきている。この場合、回転軸を目標の角度指令値に設定しても、波動歯車装置の回転軸に作用するトルクにより波動歯車装置の回転軸が回転方向にねじれることがある。そのため、ロボットアームにおいては、直進性などの動作精度を高めることが難しく、また、波動歯車装置のねじれによる振動により、静定時間が長くなり、ロボットアームの作業を開始するまでの時間が長くなるという問題があった。
これに対しては、モータシャフトと波動歯車装置の出力軸とにエンコーダを設けることで波動歯車装置のねじれやガタを検出し、ねじれ振動を低減させると共にロボットアームの先端位置の誤差を小さくするアクチュエータが提案されている(特許文献1参照)。
特開2006−50710号公報
しかしながら、特許文献1に記載のアクチュエータは、出力軸のエンコーダで波動歯車装置のねじれ制御を行う場合、モータシャフトの剛性が小さいため、ねじれによる共振点が複数存在することになり、ロボットアームの制御性能が劣化するおそれがある。これは、波動歯車装置の波動発生器に対してモータシャフトのみで直結されているため、波動歯車装置の外歯歯車の剛性に対してモータシャフトの剛性が十分に大きくないからである。
そのため、外歯歯車の共振周波数に近い周波数のところでモータシャフトの共振が発生し、かつ、波動歯車装置のねじれ制御を行う制御帯域にモータシャフトの共振点が含まれている。これにより、モータシャフトの共振周波数に近い周波数で制御せざるを得なくなり、モータシャフトがねじれるおそれがある。すなわち、この従来の構成では、モータシャフトのねじれにより、波動歯車装置のねじれ制御が困難となり、ロボットアームの制御性能が低下してしまうという問題があった。
そこで、本発明は、回転制御性能の低下を防止可能な減速機内蔵アクチュエータ及びこれを備える多関節ロボットを提供することを目的とする。
本発明は、減速機内蔵アクチュエータにおいて、支持部材の内部で回転軸を中心に回転磁界を発生させるステータと、内周に内歯を有し、前記回転軸と同軸上に配置される内歯歯車と、外周に前記内歯歯車の前記内歯よりも少ない外歯を有し、前記内歯歯車の内周側で、前記外歯が前記内歯歯車の前記内歯と歯合可能な可撓性外歯歯車と、前記可撓性外歯歯車の内周部に当接して、前記内歯と前記外歯とを歯合させる楕円状のカム部と、前記ステータにより発生された回転磁界により、前記回転軸を中心に前記カム部と一体で回転するロータ部と、を有し、前記回転軸と同軸上で前記支持部材に回転自在に支持された波動発生回転子と、を備えたことを特徴とする。
また、本発明は、減速機内蔵アクチュエータにおいて、支持部材に取り付けられ、回転軸を中心に回転磁界を発生させるステータと、前記ステータにより発生された回転磁界により前記回転軸を中心に回転するロータと、内周に内歯を有し、前記回転軸と同軸上に配置される内歯歯車と、外周に前記内歯歯車の前記内歯よりも少ない外歯を有し、前記内歯歯車の内周側で、前記外歯が前記内歯歯車の前記内歯と歯合可能な可撓性外歯歯車と、前記回転軸と同軸上で回転自在に支持され、前記可撓性外歯歯車の内周部に当接して、前記内歯と前記外歯とを歯合させる波動発生器と、を備え、前記ロータと前記波動発生器とが一体となるように接合したことを特徴とする。
本発明によれば、回転制御性能の低下を防止可能な減速機内蔵アクチュエータ及びこれを備える多関節ロボットを提供することができる。
本発明の第1実施形態に係る多関節ロボットを模式的に示す側面図である。 第1実施形態に係る減速機内蔵アクチュエータを模式的に示す断面図である。 第2実施形態に係る減速機内蔵アクチュエータを模式的に示す断面図である。 第3実施形態に係る減速機内蔵アクチュエータを模式的に示す断面図である。 第4実施形態に係る減速機内蔵アクチュエータを模式的に示す断面図である。
本発明の実施形態に係る多関節ロボットについて、図1から図5を参照しながら説明する。本実施形態に係る多関節ロボットは、波動歯車装置(減速機)が内蔵された減速機内蔵アクチュエータを各関節に用いた多関節ロボットである。以下、第1実施形態から第4実施形態を用いて、具体的に説明する。
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態に係る多関節ロボット10について、図1及び図2を参照しながら説明する。まず、多関節ロボット10の全体構成について、図1を参照しながら説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る多関節ロボット10を模式的に示す側面図である。
図1に示すように、多関節ロボット10は、6軸多関節のロボットアーム11と、ロボットアーム11の先端に接続されたハンド(エンドエフェクタ)12と、ハンド12に作用する力等を検出可能な不図示の力検出センサと、を備えている。
ロボットアーム11は、第1〜第6リンク21,22,23,24,25,26と、第1〜第6リンク21〜26やハンド12を回転駆動する第1〜第6関節ユニット31,32,33,34,35,36と、を備えている。第1〜第6関節ユニット31〜36は、後述する減速機内蔵アクチュエータを備えており、減速機内蔵アクチュエータを駆動制御することで第1〜第6リンク21〜26が移動する。つまり、ロボットアーム11は、第1〜第6関節ユニット31〜36の減速機内蔵アクチュエータを選択的に駆動することで第1〜第6リンク21〜26が移動して、ハンド12が任意の3次元位置に移動する。なお、減速機内蔵アクチュエータについては、後に詳しく説明する。
ハンド12は、ワークを把持可能な複数のフィンガ41,42と、複数のフィンガ41,42を駆動する不図示のアクチュエータと、を備えており、複数のフィンガ41,42を独立に接離駆動することでワークを把持可能に構成されている。力検出センサは、ハンド12が複数のフィンガ41,42でワークを把持する際等にハンド12に作用する力やモーメントを検出する。
次に、第1〜第6関節ユニット31〜36が備える減速機内蔵アクチュエータ(インナロータ型ブラシレスモータ)について、図2を参照しながら説明する。なお、第1〜第6関節ユニット31〜36が備える減速機内蔵アクチュエータは同じ構成であるため、ここでは、第4リンク24と第5リンク25との間の第4関節ユニット34(図1参照)に設けられる減速機内蔵アクチュエータ100を用いて説明する。図2は、第1実施形態に係る減速機内蔵アクチュエータ100を模式的に示す断面図である。
図2に示すように、減速機内蔵アクチュエータ100は、ハウジング130と、モータシャフト(シャフト)110と、ステータ111と、波動歯車装置120と、第1エンコーダ(第1センサ)140と、第2エンコーダ(第2センサ)150とを備えている。
ハウジング130は、第4リンク24に固定されている。モータシャフト110は、後述する波動発生回転子123のロータ部125に接続されており、ハウジング130の内部で、ベアリング132を介してハウジング130に回転自在に支持されている。ステータ111は、後述するロータ部125と対向配置されるコア112と、ハウジング130の内部でコア112に回転磁界を発生させるコイル113と、を有しており、ハウジング130の内部に取り付けられている。
波動歯車装置120は、内周に内歯を有する環状の剛性内歯歯車(内歯歯車)121と、外周に剛性内歯歯車121の内歯と歯合可能な外歯を有するカップ状の可撓性外歯歯車122と、を備えている。また、波動歯車装置120は、モータシャフト110の少なくとも一部と一体(モータシャフト110の少なくとも一部を被覆)となるように接続され、可撓性外歯歯車122の内周側で波動を発生させる波動発生回転子123を備えている。
剛性内歯歯車121は、モータシャフト110と同軸上で第4リンク24に固定されている。可撓性外歯歯車122は、剛性内歯歯車121の内周側に装着されており、可撓性外歯歯車122の外歯は、剛性内歯歯車121の内歯よりも少なくなっている。また、可撓性外歯歯車122は、第5リンク25に接続されている。波動発生回転子123は、可撓性外歯歯車122の内周部に当接可能な楕円状のカム部124と、ステータ111により発生された回転磁界により、モータシャフト(回転軸)110を中心にカム部124と一体で回転するロータ部125と、を有している。カム部124は、波動歯車装置における波動発生器に相当する機能を有しており、可撓性外歯歯車122の内周部に当接して内歯と外歯とを歯合させる。ロータ部125は、モータの永久磁石を有するロータに相当する機能を有しており、ベアリング131を介してハウジング130に回転自在に支持されている。
なお、本実施形態においては、カップ型の可撓性外歯歯車122を用いて説明するが、可撓性外歯歯車は、シルクハット型やパンケーキ型であってもよい。
第1エンコーダ140は、モータシャフト110に接続された回転ディスク141と、回転ディスク141と対向配置された固定スリット142と、発光素子143と、受光素子144と、を備えており、モータシャフト(入力軸)110の回転角度を検出する。例えば、発光素子143からの光が回転ディスク141に投光されると、受光素子144が固定スリット142を介して受光と不受光とを繰り返し、受光と不受光とをオン、オフの電気信号(回転位置)を検出する。そして、電気信号が検出されると、不図示の演算回路が回転角度を演算する。
第2エンコーダ150は、第5リンク25に接続された回転ディスク151と、回転ディスク151と対向配置された固定スリット152と、発光素子153と、受光素子154と、を備えており、第5リンク(被駆動体の出力軸)25の回転角度を検出する。例えば、発光素子153からの光が回転ディスク151に投光されると、受光素子154が固定スリット152を介して受光と不受光とを繰り返し、受光と不受光とをオン、オフの電気信号として検出する。そして、電気信号が検出されると、不図示の演算回路が回転角度を演算する。なお、第5リンク25は、クロスローラベアリング133により第4リンク24に回転可能に支持されている。
次に、上述のように構成された減速機内蔵アクチュエータ100の動作について説明する。不図示の駆動回路がコイル113に通電すると、コア112により発生された回転磁界によりロータ部125に駆動トルクが発生し、駆動トルクにより波動発生回転子123が高速回転する。これにより、カム部124が回転し、カム部124の回転により可撓性外歯歯車122がベアリングを介して楕円状に撓められ、楕円の長軸方向の両端位置で剛性内歯歯車121と噛み合う。このとき、可撓性外歯歯車122と剛性内歯歯車121との間に歯数差に起因する相対回転が発生し、可撓性外歯歯車122から減速された回転力が第5リンク(被駆動体の出力軸)25に伝達されて出力される。
以上説明したように、第1実施形態に係る多関節ロボット10は、減速機内蔵アクチュエータ100を備えている。また、減速機内蔵アクチュエータ100は、波動歯車装置における波動発生器に相当する機能を持つカム部124と、モータのロータに相当する機能を持つロータ部125と、を有する波動発生回転子123を備えている。つまり、波動発生回転子123は、従来のモータのロータと、波動発生装置の波動発生器とを一部材で構成し、モータシャフト110の少なくとも一部と一体となるように、モータシャフト110の少なくとも一部を被覆している。
そのため、モータシャフトのみを波動発生器に接続した従来の減速機内蔵アクチュエータよりも、モータシャフト(回転子)の剛性を向上させることができる。これにより、モータシャフト(回転子)のねじれを低減させることができる。具体的には、ねじれ制御を行う制御帯域において、ねじれによる共振点を1つにすることができ、回転制御性能の低下を防止することができる。その結果、ロボットアームを高精度に制御することができる。
以下、具体的な数値を示して説明する。ここでは、波動歯車装置の一般的な規格である25型を使用することを前提とする。例えば、25型の波動歯車装置において、波動発生回転子123のカム部124の楕円の短軸方向の長さは66mmであるため、ロータ部125の径は最大で66mmとなる。また、波動発生回転子123のシフト穴の径は26mmであるため、モータシャフト110の径は最大で26mmとなる。ロータの径はモータシャフトの径の2倍以上にすることが一般的であるため、ロータ部125の径を66mm、モータシャフト110の径を26mmとする。
剛性は径の3乗に比例するため、波動発生器とロータを一体化させた波動発生回転子123をモータシャフト110を被覆するようにモータシャフト110に接続することで、モータシャフト110の剛性は、約16.4倍になる。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係る多関節ロボット10Aについて、図1を援用すると共に、図3を参照しながら説明する。第2実施形態に係る多関節ロボット10Aは、減速機内蔵アクチュエータの波動歯車装置の波動発生回転子の形状が第1実施形態と相違する。そのため、第2実施形態においては、減速機内蔵アクチュエータ(カップ状インナロータ型ブラシレスモータ)100Aの波動歯車装置120Aの波動発生回転子123Aについて説明し、その他の構成については説明を省略する。図3は、第2実施形態に係る減速機内蔵アクチュエータ100Aを模式的に示す断面図である。
図3に示すように、波動発生回転子123Aは、可撓性外歯歯車122の内周部に当接する楕円状のカム部126と、モータシャフト(回転軸)110を中心にカム部126と一体で回転する円筒状のロータ部127と、を有している。カム部126にはモータシャフト110が接続されており、ロータ部127は、内周面側がベアリング134,135によりハウジング130Aに回転自在に支持されている。このように、第2実施形態に係る波動発生回転子123Aは、所謂、カップ状に形成されており、ロータ部127の外周面側には、ステータ111が配置されている。
ここで、通常、ブラシレスモータにおいては、モータ(アクチュエータ)の寿命はモータシャフトを支持しているベアリングの耐久寿命により決定される。そのため、第1実施形態において、モータの耐久を向上させるためにベアリングを大型化させようとすると、モータの径方向及び軸方向を大きくせざるを得なくなり、モータが大型化する。
一方、第2実施形態のように、波動発生回転子123Aをカップ状にすることで、モータの径方向及び軸方向にベアリングを大きくすることができる。これにより、モータシャフト110の剛性を向上させることに加えて、減速機内蔵アクチュエータ100Aが大型化することなく、耐久性を向上させることができる。
以上説明したように、第2実施形態においては、カップ状の波動発生回転子123Aを用いることで、モータシャフト110の剛性を向上させることに加えて、減速機内蔵アクチュエータ100Aの耐久寿命を向上させることができる。
以下、具体的な数値を示して説明する。ここでは、波動歯車装置の一般的な規格である25型を使用すること、ベアリングの耐久寿命はベアリングの動定格荷重の3乗に比例すること、ベアリングのボール径が動定格荷重に比例することを前提とする。また、各部品のクリアランスを2mm、ハウジング130Aの厚さ及び波動発生回転子123Aのロータ部127の厚さを5mmとする。
第1実施形態にように、カップ状でない波動発生回転子123のロータ部125では、ベアリング132が回転ディスク141とロータ部125との間に配置されている(図2参照)ため、ボール径は最大5mmとなる。これに対して、カップ状の波動発生回転子123Aでは、ベアリング134,135をロータ部127の内側に配置できるため、ボール径を最大8mmまで大型化させることができる。このように、カップ状の波動発生回転子123Aを用いることでベアリング134,135の径を5mmから8mmに大型化することができ、減速機内蔵アクチュエータ100Aの耐久寿命を約4.1倍向上させることができる。
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態に係る多関節ロボット10Bについて、図1を援用すると共に、図4を参照しながら説明する。第3実施形態に係る多関節ロボット10Bは、減速機内蔵アクチュエータのステータの配置構成が第2実施形態と相違する。そのため、第3実施形態においては、減速機内蔵アクチュエータ(カップ状アウタロータ型ブラシレスモータ)100Bのステータ111Bの配置構成について説明し、その他の構成については説明を省略する。図4は、第3実施形態に係る減速機内蔵アクチュエータ100Bを模式的に示す断面図である。
図4に示すように、ステータ111Bは、波動発生回転子123Aのロータ部127の内側に配置されている。このとき、波動発生回転子123Aは、カム部126に接続されたモータシャフト110がベアリング136,137を介してハウジング130Aに支持されることで回転可能となっている。
ここで、モータトルク及びモータイナーシャの大きさはロータの径に比例するため、ロータの径が同じ条件の場合、インナロータ型よりもアウタロータ型の方がモータ部を小型化することができる。そのため、第3実施形態においては、ステータ111Bをロータ部127の内側に配置している。なお、ここでいうモータ部とは、ハウジング130と、モータシャフト110と、ステータ111と、波動発生回転子123Aのロータ部127と、を含む構成である。
以上説明したように、第3実施形態においては、ステータ111Bをアウタロータ型にすることで、モータシャフト110の剛性を向上させることに加えて、減速機内蔵アクチュエータ100Bを小型化することができる。
以下、具体的な数値を示して説明する。ここでは、波動歯車装置の一般的な規格である25型を使用すること、モータトルクの大きさはロータ部の径に比例するためロータ部の径を同じ条件にすることを前提とする。例えば、25型の波動歯車装置において、波動発生回転子123Aのカム部126の楕円の短軸方向の長さは66mmであるため、ロータ部127の径を66mm、軸方向の長さを40mmとする。
また、第2実施形態のようなインナロータ型のコア112については、ロータ部127の径をコア112の内径よりも小さくする必要があるので、コア112の内径を70mm、コアの外径を80mmとする。この場合、図3に示すインナロータ型のモータ部の体積は約200960mmとなり、図4に示すアウタロータ型のモータ部の体積は約136778mmとなる。したがって、アウタロータ型にした方が、モータ部を体積比約0.68倍、小型化することができる。
<第4実施形態>
次に、本発明の第4実施形態に係る多関節ロボット10Cについて、図1を援用すると共に、図5を参照しながら説明する。第4実施形態に係る多関節ロボット10Cは、減速機内蔵アクチュエータの構成が第1実施形態と相違する。そのため、第4実施形態においては、減速機内蔵アクチュエータ100Cについて説明し、その他の構成については説明を省略する。図5は、第4実施形態に係る減速機内蔵アクチュエータ100Cを模式的に示す断面図である。
図5に示すように、減速機内蔵アクチュエータ100Cは、ハウジング130と、モータシャフト(シャフト)110と、ステータ111と、ロータ114と、波動歯車装置120Cと、を備えている。また、減速機内蔵アクチュエータ100Cは、第1エンコーダ(第1センサ)140と、第2エンコーダ(第2センサ)150と、を備えている。
ハウジング(支持部材)130は、第4リンク24に固定されている。モータシャフト110は、後述する波動発生器128に接続されており、ハウジング130の内部で、ベアリング139を介してハウジング130に回転自在に支持されている。ステータ111は、ロータ114と対向配置されるコア112と、ハウジング130の内部でコア112に回転磁界を発生させるコイル113と、を有しており、ハウジング130の内部に取り付けられている。
ロータ114は、モータシャフト110に取り付けられ、かつモータシャフト110と共に後述する波動発生器128に接合されている。本実施形態においては、ロータ114は、不図示のねじにより波動発生器128に直接接合されている。なお、ロータ114と波動発生器128との接続態様としては、ねじ止めの他に、接着、焼結等が例示できる。また、ロータ114は、ハウジング130の内部で、ベアリング138を介してハウジング130に回転自在に支持されている。
波動歯車装置120Cは、内周に内歯を有する環状の剛性内歯歯車121と、外周に剛性内歯歯車121の内歯と歯合可能な外歯を有するカップ状の可撓性外歯歯車122と、可撓性外歯歯車122の内周側で波動を発生させる波動発生器128とを備えている。
剛性内歯歯車121は、モータシャフト110と同軸上で第4リンク24に固定されている。可撓性外歯歯車122は、剛性内歯歯車121の内周側に装着されており、可撓性外歯歯車122の外歯は、剛性内歯歯車121の内歯よりも少なくなっている。また、可撓性外歯歯車122は、第5リンク25に接続されている。波動発生器128は、可撓性外歯歯車122の内周部に当接可能な楕円状に形成されており、可撓性外歯歯車122の内周部に当接して、可撓性外歯歯車122の外歯と剛性内歯歯車121の内歯とを歯合させる。
なお、本実施形態においては、カップ型の可撓性外歯歯車122を用いて説明するが、可撓性外歯歯車は、シルクハット型やパンケーキ型であってもよい。また、第1エンコーダ140と第2エンコーダ150とは、第1実施形態と同じ構成であるため説明を省略する。
次に、上述のように構成された減速機内蔵アクチュエータ100の動作について説明する。不図示の駆動回路がコイル113に通電すると、コア112により発生された回転磁界によりロータ114に駆動トルクが発生し、ロータ114に接合された波動発生器128が高速回転する。波動発生器128の回転により可撓性外歯歯車122がベアリングを介して楕円状に撓められ、楕円の長軸方向の両端位置で剛性内歯歯車121と噛み合う。このとき、可撓性外歯歯車122と剛性内歯歯車121との間に歯数差に起因する相対回転が発生し、可撓性外歯歯車122から減速された回転力が第5リンク(被駆動体の出力軸)25に伝達されて出力される。
以上説明したように、第4実施形態に係る多関節ロボット10Cは、減速機内蔵アクチュエータ100Cを備えている。また、減速機内蔵アクチュエータ100Cは、ロータ114と波動発生器128とが直接接合されている。そのため、モータシャフトのみを波動発生器に接続した従来の減速機内蔵アクチュエータよりも、モータシャフト(回転子)の剛性を向上させることができる。これにより、モータシャフト(回転子)のねじれを低減させることができる。具体的には、ねじれ制御を行う制御帯域において、ねじれによる共振点を1つにすることができ、回転制御性能の低下を防止することができる。その結果、ロボットアームを高精度に制御することができる。
また、減速機内蔵アクチュエータ100Cは、ロータ114と波動発生器128とを別体に構成し、ねじにより接続している。そのため、減速機内蔵アクチュエータを製作する上で、ロータ114に波動歯車装置120Cの波動発生器128を簡単に取り付けることができると共に、交換も容易となる。また、ロータ114と波動発生器128とを別体で構成することで、ロータと波動発生器とを一体形成する場合よりも製作が容易となる。
なお、ロータと波動発生器とを別体にして直接接合する構成は、上述した第2実施形態に係るカップ状インナロータ型や第3実施形態に係るカップ状アウタロータ型にも用いることができ、この場合においても同様の効果を得ることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されない。
例えば、本実施形態においては、減速機内蔵アクチュエータを各関節に備えたロボットアームを用いて説明したが、本発明はこれに限定されない。各関節の少なくとも1箇所に減速機内蔵アクチュエータを備えたロボットアームでも同様である。また、ハンド12に設けられる複数のフィンガが多関節の場合は、減速機内蔵アクチュエータをフィンガのアクチュエータに用いてもよい。
また、本実施形態においては、第1センサ及び第2センサとして、光学式の第1エンコーダ140及び第2エンコーダ150を用いて説明したが、第1センサ及び第2センサは、磁気式、透過型、反射型等のエンコーダを用いることもできる。また、第1センサ及び第2センサとして、エンコーダの代わりにトルクセンサを用いても同様の効果を得ることができる。
また、本実施形態においては、支持部材として、ステータ111,111Aを固定するハウジング130を用いて説明したが、例えば、支持部材としてロボットアームのリンクを用い、リンクに直接ステータ111,111Aを固定する構成であってもよい。
10、10A、10B、10C 多関節ロボット
100、100A、100B、100C 減速機内蔵アクチュエータ
110 モータシャフト(シャフト)
111 ステータ
114 ロータ
121 剛性内歯歯車
122 可撓性外歯歯車
123、123A 波動発生回転子
124 カム部
125 ロータ部
126 カム部
127 ロータ部
128 波動発生器
130 ハウジング(支持部材)
140 第1エンコーダ(第1センサ)
150 第2エンコーダ(第2センサ)

Claims (11)

  1. 支持部材の内部で回転軸を中心に回転磁界を発生させるステータと、
    内周に内歯を有し、前記回転軸と同軸上に配置される内歯歯車と、
    外周に前記内歯歯車の前記内歯よりも少ない外歯を有し、前記内歯歯車の内周側で、前記外歯が前記内歯歯車の前記内歯と歯合可能な可撓性外歯歯車と、
    前記可撓性外歯歯車の内周部に当接して、前記内歯と前記外歯とを歯合させる楕円状のカム部と、前記ステータにより発生された回転磁界により、前記回転軸を中心に前記カム部と一体で回転するロータ部と、を有し、前記回転軸と同軸上で前記支持部材に回転自在に支持された波動発生回転子と、を備えた、
    ことを特徴とする減速機内蔵アクチュエータ。
  2. 前記ロータ部が円筒状に形成され、
    前記ステータは、前記ロータ部の内周面側に配置される、
    ことを特徴とする請求項1に記載の減速機内蔵アクチュエータ。
  3. 前記ロータ部が円筒状に形成され、
    前記ステータは、前記ロータ部の外周面側に配置される、
    ことを特徴とする請求項1に記載の減速機内蔵アクチュエータ。
  4. 前記波動発生回転子は、前記ロータ部が前記支持部材に回転自在に支持される、
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の減速機内蔵アクチュエータ。
  5. 前記回転軸と同軸上で前記波動発生回転子に接続されたシャフトを備え、
    前記波動発生回転子は、前記シャフトを介して前記支持部材に回転自在に支持される、
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の減速機内蔵アクチュエータ。
  6. 前記回転軸と同軸上で前記波動発生回転子に接続されたシャフトを備え、
    前記ロータ部と前記シャフトとが前記支持部材に回転自在に支持される、
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の減速機内蔵アクチュエータ。
  7. 前記波動発生回転子の回転位置を検出可能な第1センサと、
    前記可撓性外歯歯車に接続される被駆動体の回転位置を検出可能な第2センサと、を備えた、
    ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の減速機内蔵アクチュエータ。
  8. 支持部材に取り付けられ、回転軸を中心に回転磁界を発生させるステータと、
    前記ステータにより発生された回転磁界により前記回転軸を中心に回転するロータと、
    内周に内歯を有し、前記回転軸と同軸上に配置される内歯歯車と、
    外周に前記内歯歯車の前記内歯よりも少ない外歯を有し、前記内歯歯車の内周側で、前記外歯が前記内歯歯車の前記内歯と歯合可能な可撓性外歯歯車と、
    前記回転軸と同軸上で回転自在に支持され、前記可撓性外歯歯車の内周部に当接して、前記内歯と前記外歯とを歯合させる波動発生器と、を備え、
    前記ロータと前記波動発生器とが一体となるように接合した、
    ことを特徴とする減速機内蔵アクチュエータ。
  9. 前記回転軸と同軸上で前記ロータに接続されたシャフトを備え、
    前記ロータと前記シャフトとが前記支持部材に回転自在に支持される、
    ことを特徴とする請求項8に記載の減速機内蔵アクチュエータ。
  10. 前記ロータの回転位置を検出可能な第1センサと、
    前記可撓性外歯歯車に接続される被駆動体の回転位置を検出可能な第2センサと、を備えた、
    ことを特徴とする請求項8又は9に記載の減速機内蔵アクチュエータ。
  11. 請求項1から10のいずれか1項に記載の減速機内蔵アクチュエータを少なくとも1箇所の関節に備えた多関節ロボット。
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