<携帯機器の外観>
図1は、実施の形態に係る携帯機器1の外観を示す斜視図であり、前面側から見た図である。図2は、携帯機器1の概観を示す裏面図である。携帯機器1は、例えば携帯電話機であって、基地局及びサーバ等を通じて他の通信装置と通信することが可能である。図1及び図2に示されるように、携帯機器1は、カバーパネル2とケース部分3を備えており、カバーパネル2とケース部分3とが組み合わされることによって、平面視で略長方形の板状を成す筐体(以下、機器ケースとも呼ぶ)4が構成されている。
カバーパネル2は、平面視において略長方形を成しており、携帯機器1の前面部分における、周縁部分以外の部分を構成している。カバーパネル2は、例えば、透明のガラスあるいは透明のアクリル樹脂で形成されている。ケース部分3は、携帯機器1の前面部分の周縁部分、側面部分及び裏面部分を構成している。ケース部分3は、例えばポリカーボネート樹脂で形成されている。
カバーパネル2の前面には、文字、記号、図形または画像等の各種情報が表示される表示領域2aが設けられている。ここでは、携帯機器1には例えば一つのみの表示領域2aが設けられており、この表示領域2aは例えば平面視で長方形を成している。カバーパネル2における、表示領域2aを取り囲む周縁部分2bは、例えばフィルム等が貼られることによって黒色となっており、情報が表示されない非表示部分となっている。カバーパネル2の裏面には後述するタッチパネル130が貼り付けられており、ユーザは、携帯機器1の前面の表示領域2aを指等で操作することによって、携帯機器1に対して各種指示を与えることができる。なお、ユーザは、指以外の操作子、例えば、スタイラスペンなどの静電式タッチパネル用ペンで表示領域2aを操作することによっても、携帯機器1に対して各種指示を与えることができる。
機器ケース4内には、ホームキー5a、メニューキー5b及びバックキー5cが設けられている。ホームキー5a、メニューキー5b及びバックキー5cのそれぞれは、ハードウェアキーであって、その表面が、カバーパネル2の前面の下側端部から露出している。ホームキー5aは、ホーム画面(初期画面)を表示領域2aに表示するための操作キーである。メニューキー5bは、オプションメニュー画面を表示領域2aに表示するための操作キーである。バックキー5cは、表示領域2aの表示を一つ前の表示に戻すための操作キーである。以後、ホームキー5a、メニューキー5b及びバックキー5cを特に区別する必要が無い場合には、それぞれを「操作キー5」と呼ぶ。なお、ホームキー5a、メニューキー5b及びバックキー5cのそれぞれは、ハードウェアキーではなく、表示領域2aに表示されて、タッチパネル130でそれに対する操作が検出されるソフトウェアキーであってもよい。
カバーパネル2の下側端部にはマイク穴6があけられており、カバーパネル2の上側端部にはレシーバ穴7があけられている。カバーパネル2の前面の上側端部からは、後述する前面側撮像部180が有する撮像レンズ180aが視認可能となっている。また、図2に示されるように、携帯機器1の裏面、言い換えれば機器ケース4の裏面には、スピーカ穴8があけられている。そして、携帯機器1の裏面からは、後述する裏面側撮像部190が有する撮像レンズ190aが視認可能となっている。
機器ケース4には、タッチセンサ90が設けられている。このタッチセンサ90は、携帯機器1を保持する指と接触する位置に設けられる。ここでは図3に示すように、ユーザは片手で携帯機器1を保持する。図3の例示では、ユーザは右手30で携帯機器1を保持している。このとき、携帯機器1は、右手30の親指31の付け根部分と、親指31以外の指32とによって挟まれて、保持される。よって、指32は携帯機器1の側面部分(図3の左側の側面部分)に接触する。タッチセンサ90は、当該側面部分に設けられており、指32の動きを検出する。またこのとき、ユーザは、親指31で表示領域2aを操作できる。よって以下では、親指31を操作指とも呼び、指32を保持指とも呼ぶ。
図4の例示では、ユーザは左手20で携帯機器1を保持している。このとき、携帯機器1は、左手20の親指21の付け根部分と、親指21以外の指22とによって挟まれて、保持される。よって、指22は携帯機器1の側面部分(図4の右側の側面部分)に接触する。タッチセンサ90は、当該側面部分にも設けられており、指22の動きを検出する。またこのときユーザは、親指21で表示領域2aを操作できる。よって以下では、親指21を操作指とも呼び、指22を保持指とも呼ぶ。
<携帯機器の電気的構成>
図5は携帯機器1の電気的構成を示すブロック図である。図5に示されるように、携帯機器1には、制御部100、表示パネル120、表示制御部122、検出部132及び傾斜センサ92が設けられている。さらに携帯機器1には、無線通信部110、キー操作部140、マイク150、レシーバ160、外部スピーカ170、前面側撮像部180、裏面側撮像部190及び電池200が設けられている。携帯機器1に設けられたこれらの構成要素は、機器ケース4に収められている。
制御部100は、CPU(Central Processing Unit)101、DSP(Digital Signal Processor)102及び記憶部103等を備えており、携帯機器1の他の構成要素を制御することによって、携帯機器1の動作を統括的に管理する。記憶部103は、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等で構成されている。記憶部103には、携帯機器1の動作、具体的には携帯機器1が備える無線通信部110、表示パネル120等の各構成要素を制御するための制御プログラムであるメインプログラム103a及び複数のアプリケーションプログラム103b(以後、単に「アプリケーション103b」と呼ぶ)等が記憶されている。制御部100の各種機能は、CPU101及びDSP102が記憶部103内の各種プログラムを実行することによって実現される。なお図3では、図面の煩雑さを避けるために、アプリケーション103bは一つだけ示されている。また、図5の例示では、CPU101およびDSP102がそれぞれ一つ示されているものの、これらは複数設けられてもよい。そして、これらが互いに協働して各種機能を実現してもよい。また、図5の例示では、記憶部103は、制御部100の内部において示されているものの、制御部100の外部に設けられてもよい。換言すれば、記憶部103は制御部100とは別体であってもよい。
無線通信部110は、アンテナ111を有している。無線通信部110は、携帯機器1とは別の携帯電話機あるいはインターネットに接続されたウェブサーバ等の通信装置からの信号を、基地局等を介してアンテナ111で受信する。無線通信部110は、受信信号に対して増幅処理及びダウンコンバートを行って制御部100に出力する。制御部100は、入力される受信信号に対して復調処理等を行う。また無線通信部110は、制御部100で生成された送信信号に対してアップコンバート及び増幅処理を行って、処理後の送信信号をアンテナ111から無線送信する。アンテナ111からの送信信号は、基地局等を通じて、携帯機器1とは別の携帯電話機あるいはインターネットに接続された通信装置で受信される。
表示パネル120は、例えば、液晶表示パネルあるいは有機ELパネルである。表示パネル120は、制御部100および表示制御部122によって制御されることによって、文字、記号、図形または画像などの各種情報を表示する。表示パネル120に表示される情報は、カバーパネル2の前面の表示領域2aに表示される。したがって、表示パネル120は、表示領域2aに表示を行っていると言える。
表示制御部122は、制御部100から受け取る画像信号に基づいて、表示パネル120に表示画面を表示させる。なお以下では、簡単のために、表示パネル120を制御する主体を制御部100として説明する。
検出部132は、ユーザによる携帯機器1への入力を検出し、その入力を制御部100へと通知する。例えば検出部132は、タッチパネル130と、キー操作部140と、タッチセンサ90とを含む。
タッチパネル130は、カバーパネル2の表示領域2aに対する操作指等の操作子による操作を検出する。タッチパネル130は、例えば、投影型静電容量方式のタッチパネルであって、カバーパネル2の裏面に貼り付けられている。ユーザが操作指等の操作子によってカバーパネル2の表示領域2aに対して操作を行うと、それに応じた信号がタッチパネル130から制御部100に入力される。制御部100は、タッチパネル130からの信号に基づいて、表示領域2aに対して行われた操作の内容を特定して、その画面に応じた処理を行う。
タッチセンサ90は、機器ケース4に設けられ、保持指の動きを検出する。より詳細には、タッチセンサ90は、自身と保持指との接触位置を検出して、これを制御部100へと出力する。タッチセンサ90は、例えば、タッチパネル130と同様の原理を用いて、保持指の接触位置を検出することができる。ただしタッチセンサ90は、表示機能を有する必要がないので、可視光を透過させる必要はない。制御部100は、タッチセンサ90で検出される当該接触位置の変化に基づいて、保持指の動きを了知することができる。
傾斜センサ92は、携帯機器1(或いは機器ケース4)の基準姿勢に対する傾斜角を検出する。この基準姿勢は任意に設定すればよいものの、例えば、携帯機器1(より詳細にはカバーパネル2)が水平面に平行となる姿勢である。
また、傾斜センサ92は、次の2つの傾斜角を検出する。すなわち、互いに直交するx軸、y軸およびz軸のうち一つを中心とした回転角(傾斜角)と、他の一つを中心とした回転角(傾斜角)とを検出する。x軸、y軸およびz軸は、携帯機器1に対して固定された軸であり、例えば図3および図4に示すように、左右方向、上下方向および紙面に垂直な方向をそれぞれ採用できる。この2つの傾斜角により、携帯機器1の基準姿勢に対する傾斜姿勢を表現することができる。
傾斜センサ92は、例えば加速度センサである。この加速度センサは携帯機器1に生じるx軸、y軸およびz軸の重力加速度成分を検出することができる。制御部100は、傾斜センサ92で検出された各方向の重力加速度成分を用いて、周知の幾何学的な関係式より、携帯機器1の傾斜角を検出(或いは算出)することができる。
キー操作部140は、各操作キー5に対するユーザの押下操作を検出する。キー操作部140は、各操作キー5について、当該操作キー5が押下(操作)されているか否かを検出する。キー操作部140は、操作キー5が押下されていない場合には、当該操作キー5が操作されていないことを示す未操作信号を制御部100に出力する。また、キー操作部140は、操作キー5が押下されると、当該操作キー5が操作されたことを示す操作信号を制御部100に出力する。これにより、制御部100は、各操作キー5について、当該操作キー5が操作されているか否かを判断することができる。
制御部100は、ホームキー5aが押下されて、その後押下されなくなったことがキー操作部140で検出されると、表示パネル120にホーム画面(初期画面)を表示させる。これにより、表示領域2aにはホーム画面が表示される。また、制御部100は、メニューキー5bが押下されて、その後押下されなくなったことがキー操作部140で検出されると、表示パネル120にオプションメニュー画面を表示させる。これにより、表示領域2aにはオプションメニュー画面が表示される。そして、制御部100は、バックキー5cが押下されて、その後押下されなくなったことがキー操作部140で検出されると、表示パネル120に、その表示を一つ前に戻させる。これにより、表示領域2aの表示が一つ前に戻る。
マイク150は、携帯機器1の外部から入力される音を電気的な音信号に変換して制御部100に出力する。携帯機器1の外部からの音は、カバーパネル2の前面に設けられたマイク穴6から携帯機器1の内部に取り込まれてマイク150に入力される。
外部スピーカ170は、例えばダイナミックスピーカであって、制御部100からの電気的な音信号を音に変換して出力する。外部スピーカ170から出力される音は、携帯機器1の裏面に設けられたスピーカ穴8から外部に出力される。スピーカ穴8から出力される音は、携帯機器1から離れた場所でも聞こえるようになっている。
前面側撮像部180は、撮像レンズ180a及び撮像素子などで構成されており、制御部100による制御に基づいて、静止画像及び動画像を撮像する。図1に示されるように、撮像レンズ180aは、携帯機器1の前面に設けられていることから、携帯機器1の前面側(カバーパネル2側)に存在する物体を撮像することが可能である。
裏面側撮像部190は、撮像レンズ190a及び撮像素子などで構成されており、制御部100による制御に基づいて、静止画像及び動画像を撮像する。図2に示されるように、撮像レンズ190aは、携帯機器1の裏面に設けられていることから、携帯機器1の裏面側に存在する物体を撮像することが可能である。
レシーバ160は、受話音を出力するものであって、例えばダイナミックスピーカで構成されている。レシーバ160は、制御部100からの電気的な音信号を音に変換して出力する。レシーバ160から出力される音は、携帯機器1の前面に設けられたレシーバ穴7から外部に出力される。レシーバ穴7から出力される音の音量は、スピーカ穴8から出力される音の音量よりも小さくなっている。
電池200は、携帯機器1の電源を出力する。電池200から出力された電源は、携帯機器1が備える制御部100及び無線通信部110などに含まれる各電子部品に対して供給される。
記憶部103には、携帯機器1の諸機能を発揮する様々なアプリケーション103bが記憶されている。記憶部103には、例えば、電話機能を用いて通話を行うための電話アプリケーション、ウェブサイトを表示するためのブラウザ、電子メールの作成・閲覧・送受信を行うためのメールアプリケーションが記憶されている。また、記憶部103には、前面側撮像部180および裏面側撮像部190を用いて、静止画像および動画像を撮像するためのカメラアプリケーション、テレビ番組を視聴及び録画するためのテレビアプリケーション、記憶部103に記憶されている動画像データの再生制御を行うための動画再生制御アプリケーション、記憶部103に記憶されている音楽データの再生制御を行うための音楽再生制御アプリケーションなどが記憶されている。
記憶部103内のメインプログラム103aを実行している制御部100が、記憶部103内のアプリケーション103bを読み出して実行すると、制御部100は、無線通信部110、表示パネル120及びレシーバ160等の、携帯機器1内の他の構成要素を制御し、それによって、当該アプリケーション103bに対応する機能(処理)が携帯機器1で実行される。例えば、電話アプリケーションを実行している制御部100は、無線通信部110、マイク150及びレシーバ160を制御する。これにより、携帯機器1では、無線通信部110で受信された受信信号に含まれる音声がレシーバ160から出力されるとともに、マイク150に入力された音声を含む送信信号が無線通信部110から送信され、通信相手装置との間で電話機能を用いた通話が行われる。
<表示領域に対する操作の種類>
ユーザが表示領域2aに対して行う基本的な操作としては、例えば、スライド操作、タップ操作、ダブルタップ操作、フリック操作、ピンチアウト操作、または、ピンチイン操作などがある。
スライド操作とは、操作指等の操作子が表示領域2aに接触あるいは近接した状態で移動する操作である。つまり、スライド操作とは、操作子が表示領域2aにおいて移動する操作である。ユーザは、表示領域2aに対してスライド操作を行うことによって、例えば、表示領域2aの表示をスクロールさせたり、表示領域2aに表示されているページを別のページに切り換えたりすることができる。
このように、本実施の形態では、操作子が表示領域2aにおいて移動する操作には、操作子が表示領域2aに接触した状態で移動する操作と、操作子が表示領域2aに近接した状態で移動する操作の両方を含む。
タップ操作とは、操作子が表示領域2aに接触あるいは近接してからすぐに当該表示領域2aから離れる操作である。詳細には、タップ操作とは、操作子が表示領域2aに接触あるいは近接してから所定時間以内にその接触位置あるいは近接位置で当該表示領域2aから離れる操作である。ユーザは、表示領域2aに対してタップ操作を行うことによって、例えば、表示領域2aに表示されているアプリケーション103bを実行するためのアプリケーションアイコン(以後、「アプリアイコン」と呼ぶ)を選択して、当該アプリケーション103bを携帯機器1に実行させることができる。
ダブルタップ操作とは、タップ操作が所定期間内に2回行なわれる操作である。ユーザは、表示領域2aに対してダブルタップ操作を行うことによって、例えば、表示領域2aに表示されている表示画面を予め決められた拡大率で拡大して表示したり、または予め決められた縮小率で縮小して表示させることができる。
フリック操作とは、表示領域2aを操作子で払う操作である。詳細には、フリック操作とは、操作子が表示領域2aに接触あるいは近接した状態で所定時間以内に所定距離以上移動して表示領域2aから離れる操作である。ユーザは、表示領域2aに対してフリック操作を行うことによって、例えば、表示領域2aの表示を当該フリック操作の方向にスクロールさせたり、表示領域2aに表示されているページを別のページに切り替えたりすることができる。
ピンチアウト操作とは、2つの操作子が表示領域2aに近接または当接した状態で、その2つの操作子の間の間隔を広げる操作である。ユーザは、表示領域2aに対してピンチアウト操作を行なうことによって、例えば、2つの操作子の間隔に応じて表示画面を拡大して、表示領域2aに表示させることができる。
ピンチイン操作とは、2つの操作子が表示領域2aに近接または当接した状態で、その2つの操作子の間の間隔を縮小する操作である。ユーザは、表示領域2aに対してピンチイン操作を行なうことによって、例えば、2つの操作子の間隔に応じて表示画面を縮小して、表示領域2aに表示させることができる。
<携帯機器の操作方法について>
図3及び図4に示されるように、ユーザが携帯機器1を片手で持ちながら、その親指で表示領域2aを操作する場合には、ユーザは表示領域2aの端部を操作しにくいことがある。具体的には、例えば右手30で携帯機器1を保持している場合(図3参照)、ユーザは表示領域2aのうち、保持指32の接触位置側の端部(より具体的には左上端部)の領域を操作しにくい。右手30の親指31がこの領域に届きにくいからである。一方で、左手20で携帯機器1を保持している場合(図4参照)、ユーザは表示領域2aのうち、保持指22の接触位置側の端部(より具体的には右上端部)の領域を操作しにくい。左手20の親指21がこの領域に届きにくいからである。このような問題は、表示領域2aが大きくなって大画面化が進むほど、顕著になる。
以下では、操作が困難な領域を操作困難領域と呼ぶ。よってここでは、右手30の親指31で携帯機器1を操作するときには、操作困難領域は表示領域2aの左上端部であり、左手20の親指21で携帯機器1を操作するときには、操作困難領域は表示領域2aの右上端部である。また、操作指が届きやすい領域を操作容易領域とも呼ぶ。
次に、ユーザが操作困難領域を操作しようとするときの動作について説明する。まず右手30で携帯機器1を保持しながら、その親指31で操作困難領域を操作する場合(図3参照)について説明する。このとき、ユーザは、操作困難領域が親指31へと近づくように携帯機器1を傾けながら、親指31を操作困難領域まで伸ばすことで、当該操作困難領域を操作しようとする。より詳細には、携帯機器1の左上端部を、その右下端部に対してユーザ側(紙面手前側)に傾けつつ、親指31を伸ばす。これにより、親指31を操作困難領域に近接あるいは当接させる。
また、このような携帯機器1の傾斜姿勢の変化は、保持指32を用いて裏面部分から携帯機器1をユーザ側に押し出すことにより、行なわれる。例えば、ユーザは、保持指32を携帯機器1の側面部分から裏面部分へと移動させつつ、保持指32で裏面部分を押し出す。
そこで、ユーザが操作困難領域を操作しようとしていることを、保持指32に動きがあり、かつ、携帯機器1の傾斜姿勢に変化があることで、検出する。
この保持指32の動きはタッチセンサ90によって検出される。図6は、図3の紙面左側のタッチセンサ90を模式的に示す平面図である。タッチセンサ90は平面視で(携帯機器1の側面部分に垂直に見て)略長方形状を成している。また、ここではタッチセンサ90の紙面左側の一辺が携帯機器1の裏面側に位置し、紙面右側の一辺が携帯機器1の前面側に位置していると定義する。図6では、互いに平行なラインa〜dが前面側から裏面側へとこの順で配置されている。これらのラインa〜dは仮想的なラインであり、タッチセンサ90における紙面左右方向(z軸方向)の各位置を示している。
図7は、一つの保持指32に対するタッチセンサ90の検出結果を、ラインa〜d毎に示している。つまり、この一つの保持指32が、紙面左右方向においてどの位置に接触しているのかが、示されている。図7では、保持指32との接触に伴う検出値(例えば電流値)の時間的な変化が示されており、検出値が大きい場合に保持指32の接触が検出される。
図7の例示では、初期的には、ラインa〜dのいずれにおいても、保持指32の接触を検出している。つまり、保持指32が裏面から前面に亘って携帯機器1の側面部分に接触している。そして、ユーザが操作困難領域を操作すべく、上述のように保持指32を動かすと、保持指32は前面から順に側面部分から離れる。よって、図7では、まずラインaにおいて保持指32が離れることが検出され、順にラインb,c,dで保持指32が離れることが検出される。
以上のように、制御部100は、タッチセンサ90を用いて、保持指32が動いていることを検出することができる。例えば制御部100は、タッチセンサ90からの保持指の接触位置の変化量(ここではラインa〜dまでの距離)が、所定の閾値を超えているかどうかを判断する。制御部100は、当該変化量が閾値を超えているときには、保持指32が動いたと判断する。
なお図7の例示では、簡単のために、z軸方向の各位置における検出値を示して説明している。実際には、タッチセンサ90は、y軸方向およびz軸方向の各位置における検出値を検出する。また、操作困難領域を操作しようとするときには、保持指32はy軸方向にも動きえるので、y軸方向の接触位置の変化量に基づいて、保持指32の動きを検出しても良い。
傾斜センサ92は、携帯機器1の基準姿勢に対する傾斜角を検出する。よってこの傾斜角の時間的な変化に基づいて、携帯機器1の傾斜姿勢が変化したことを検出することができる。例えば、制御部100は、所定時間における傾斜角の変化量が閾値(例えば数度程度)を超えているかどうかを判断する。制御部100は、この傾斜角の変化量が閾値を超えているときに、携帯機器1の傾斜姿勢が変化したと判断する。
以上のように、タッチセンサ90を用いて保持指32の動きの有無(接触位置の変化)を検出し、かつ、傾斜センサ92を用いて携帯機器1の傾斜姿勢の変化(傾斜角の変化)の有無を検出することができる。これにより、制御部100は、ユーザが操作困難領域を操作しようとしていることを認識できる。そこで、制御部100は、保持指32が動いたことをタッチセンサ90で検出し、かつ、携帯機器1の傾斜姿勢が変化したことを傾斜センサ92で検出したときに、表示パネル120を制御することで、操作困難領域に表示された表示内容を、操作容易領域に表示させる。以下、図8に示すフローチャートを参照して、より詳細に説明する。
図8は、制御部100の動作の一例を示すフローチャートである。まずステップS1にて、タッチセンサ90を用いて保持指32が動いたことを検出し、かつ、傾斜センサ92を用いて携帯機器1の傾斜姿勢が変化したことを検出する。この検出を契機としてステップS2を実行する。なお、この2種の検出は同時期に行なわれる。逆に言えば、比較的離れた異なる時間帯に、これらの検出が別々に行なわれても、ステップS2は実行しない。
次にステップS2にて、制御部100は、以下で詳述するように、表示領域2aに示される画面を変更する。
図9は、表示領域2aに表示されていた表示画面20aの一例である。表示画面20aは例えばホーム画面であって、複数の表示記号(アプリアイコン)22aが互いに間隔を空けて、例えばマトリックス状に並んで表示されている。このアプリアイコン22aは、アプリケーション103bを選択するためのものである。例えば、所定のアプリアイコン22aが表示された部分に対するタップ操作を、タッチパネル130が検出すると、制御部100は、当該アプリアイコン22aが選択されたと判断し、当該アプリアイコン22aに対応するアプリケーション103bを起動する。
また、表示領域2aには、ホーム画面以外にも、その上端部300に、携帯機器1の状態を示す情報が表示されている。図9の例では、表示領域2aの上端部300には、携帯機器1の状態を示す情報として、携帯機器1で計測されている現在時刻300aと、電池残量を通知するためのアイコン(図形)300bと、通信状態を通知するためのアイコン300cとが表示されている。
また、携帯機器1において特定のイベントが発生すると、表示領域2aの上端部300には、当該イベントに関する情報が表示される。制御部100は、携帯機器1において特定のイベントが発生したことを検出すると、表示パネル120を制御することによって、当該イベントに関する情報を表示領域2aに表示する。図9の例では、表示領域2aの上端部300には、携帯機器1において発生したイベントに関する情報として、新しい電子メールの受信というイベントの発生を通知するためのアイコン300dと、不在着信というイベントの発生を通知するためのアイコン300eとが表示されている。
なお、この上端部300に表示される画面は、後述する他の表示画面であっても表示されるので、以下では繰り返しの説明を避ける。
そしてステップS2では、図10に示すように、制御部100は、表示画面20aを親指31側(ここでは右下側)に平行移動(スライド)させて表示する。つまり、図9の表示画面20aのうち、操作指から離間した部分(左上端部)が操作指に近づくように、表示画面20aを平行移動させる。図10では、図9の表示画面20aのうち、平行移動により表示されなくなった部分を二点差線で示している。
また、制御部100は、単に表示画面20aを平行移動して表示するだけではなく、操作に関する位置情報も更新する。すなわち、表示領域2aへの操作に関する位置情報を、平行移動後の表示画面20aに応じて設定する。例えば、平行移動後にアプリアイコン22aが表示される部分(座標)を、当該アプリアイコン22aに対するアプリケーション103bの選択ボタンに割り当てる。これにより、平行移動後の表示画面20aにおいて、アプリアイコン22aに対してタップ操作が行なわれると、制御部100は、タップ操作されたアプリアイコン22aに対応するアプリケーション103bを適切に起動することができる。
以上のように、表示画面20aのうち操作困難領域(ここでは左上端部の領域)に表示されていた部分が、表示領域2aのうち操作容易領域に表示されることになる。したがって、ユーザは右手30の親指31でこの部分を操作しやすい。
なお、ここではユーザが右手30で携帯機器1を保持する場合について説明しているので、制御部100は、右手30の親指31に近づけるように、表示画面20aを右下側に平行移動させている。他方、左手20で携帯機器1を保持する場合には、図9の表示画面20aの右上端部の部分を左手20の親指21に近づけるように、表示画面20aを左下側に平行移動させるとよい。
さて、表示画面20aをどの方向に平行移動させるかは、ステップS2において、制御部100が携帯機器1の傾斜姿勢の変化方向に基づいて判別することができる。なぜなら、右手30で操作困難領域を操作する場合には、携帯機器1を、その左上端部がユーザの親指31に近づくように傾斜させ(図3参照)、左手20で操作困難領域を操作する場合には、携帯機器1を、その右上端部がユーザの親指21に近づくように傾斜させる(図4参照)からである。つまり、持ち手によって携帯機器1の傾斜姿勢の変化方向が変わるのである。
この携帯機器1の傾斜姿勢の変化方向は、傾斜センサ92の検出値(傾斜角)の時間変化に基づいて、制御部100によって認識される。制御部100は、携帯機器1の傾斜角の変化方向に基づいて、表示画面20aの平行移動の方向を判別する。より具体的には、携帯機器1の左上端部が右下端部に対してユーザに近づくように、携帯機器1の傾斜角が変化していれば、制御部100は、図10に示すように、表示画面20aを右下に平行移動させる。つまり、このような傾斜角の変化を検出したときには、右手30で携帯機器1を保持しているとして、表示画面20aを右下に平行移動させるのである。
また、携帯機器1の右上端部が左下端部に対してユーザに近づくように、携帯機器1の傾斜角が変化していれば、制御部100は表示画面20aを左下に平行移動させる。つまり、このような傾斜角の変化を検出したときには、左手20で携帯機器1を保持しているとして、表示画面20aを左下に平行移動させるのである。つまり、表示領域2aのうち傾斜に伴って相対的にユーザ側から遠ざかる部分に向かって、表示画面20aを平行移動させるのである。
以上のように、本実施の形態によれば、ユーザが操作困難領域を操作しようとしたときに、当該操作困難領域に表示されていた内容が、自動的に操作容易領域に表示される。したがって、表示領域2aに対する操作を容易にすることができる。しかも、ユーザがこの機能について何も知らなくても、操作困難領域を操作しようとしさえすれば、操作困難領域に表示されていた内容が操作容易領域に表示されることになる。よって、ユーザは特別な操作知識を有さなくても、換言すれば、説明書などを読まなくても、この機能を活用することができる。
<保持指の動き方に基づく平行移動の要否>
保持指が動き、かつ、携帯機器1の傾斜姿勢が変化する事象は、ユーザが操作困難領域を操作しようとする場合以外でも生じ得る。例えば、携帯機器1の保持姿勢を変更する場合、または、携帯機器1の持ち手を替える場合などでも、保持指が動き、かつ、携帯機器1の傾斜姿勢が変化しえる。よってここでは、保持指の動き方に着目することで、ユーザが操作困難領域を操作していることを、より正確に検出することを企図する。
ユーザが操作困難領域を操作しようとするときには、例えば、上述のように保持指が前面から裏面へと動く。このときタッチセンサ90の検出値は、例えば図7に示すように変化する。
そこで、制御部100は、このタッチセンサ90内の各位置における検出値の時間変化に基づいて、保持指の動き方(つまり保持指の接触位置の変化方向)を判別する。そして、検出された保持指の接触位置の変化方向が、操作困難領域を操作しようとするときの変化方向であるとして予め決められた方向(例えば前面から裏面へと向かう方向)と一致するときに、制御部100は、表示画面20aを平行移動させる。この予め定められた方向は、例えば記憶部103に記憶される。
これにより、ユーザが操作困難領域を操作しようとすることを、より正確に検出することができる。換言すれば、表示画面20aの不要な平行移動を抑制できる。
なお、ユーザが操作困難領域を操作しようとするときには、保持指は携帯機器1の側面部分を下方にも移動しえる。よって、保持指が下方に移動したことを条件として採用しても構わない。つまり、保持指が下方へと動いたことを検出し、かつ、携帯機器1の傾斜姿勢が変化したことを検出したときに、表示画面を平行移動させてもよい。要するに、ユーザが操作困難領域を操作しようとするときの保持指の動き方を検出し、かつ、傾斜姿勢の変化を検出したときに、表示画面20aを平行移動させればよいのである。
<傾斜角の変化量に基づく平行移動の要否>
ユーザが操作困難領域を操作しようとするときの携帯機器1の傾斜角の変化量には、個人差があるものの、当該変化量はさほど大きくない。平均的な変化量は例えば20度程度である。そこで、傾斜角の変化量に基づいて、ユーザが操作困難領域を操作しようとしているのか、あるいは、単に保持姿勢を変えたり、持ち手を替えようとしているのか、を判別してもよい。
図11は、制御部100の動作の一例を示すフローチャートである。図8の動作に比して、ステップS3の処理が追加されている。ステップS3は、ステップS1,S2の間で実行される。このステップS3では、制御部100は、携帯機器1の傾斜角の変化量が、所定値(例えば20度)以下であるかどうかを判定する。そして、肯定的な判定がなされたときに、ステップS2を実行し、否定的な判断がなされたときには、ステップS2を実行することなく、待機する。
つまり、携帯機器1の傾斜角の変化量が所定値よりも小さい場合には、ユーザが操作困難領域を操作しようとしていると判断して、表示画面20aを平行移動させる。その一方で、傾斜角の変化量が所定値よりも大きい場合には、ユーザが操作困難領域を操作しようとしているわけではないと判断して、ステップS3を実行しないのである。これにより、表示画面20aの不要な平行移動を低減することができる。
或いは、ステップS3をステップS2の後に行い、ステップS3にて否定的な判断がなされたときに、制御部100が表示領域2aの全体に表示画面20aを表示させても良い。すなわち、ステップS1を契機として、一旦は表示画面20aを平行移動させて表示しつつも、傾斜角の変化量が所定値を超えれば、ユーザが操作困難領域を操作しようとしているのではないと判断して、元の表示に戻しているのである。なお、ここでいう傾斜角の変化量とは、保持指の動きと同時期に行なわれる携帯機器1の傾斜角の変化量であって、例えばステップS1における傾斜角の変化の開始時点から、その変化が終了するまでの変化量である。
<表示画面の移動方向の決定>
上述の例では、傾斜センサ92を用いて傾斜角の変化方向を検出し、その検出結果に基づいて、表示画面20aの移動方向を判別した。ここでは、機器ケース4の両側面部に設けられるタッチセンサ90のうち、どちらが保持指の動きを検出したか、という情報に基づいて、平行移動の方向を判別する。
右手30で携帯機器1を保持しているときには、図3において、紙面左側のタッチセンサ90が保持指32の動きを検出する。よって、左側のタッチセンサ90が保持指32の動きを検出したときには、制御部100は、表示画面20aを右下に平行移動させる。一方で、紙面右側のタッチセンサ90が保持指22の動きを検出したときには、制御部100は、左手20で携帯機器1を保持している(図4参照)として、表示画面20aを左下に平行移動させる。
つまり、保持指の動きを検出したタッチセンサ90が設けられる側面部分とは別の側面部分側、かつ、下側に向かって、表示画面20aを平行移動させるのである。これによれば、制御部100は、表示画面20aの平行移動の方向を判別するために、検出値の変化方向を算出する必要がない。よって処理が簡易である。
なお、携帯機器1の傾斜姿勢が変化する際には、タッチセンサ90と親指の付け根部分との接触位置が変化しえる。しかしながら、親指の付け根部分の接触位置の変化は、保持指の接触位置の変化に比して小さい。よって、保持指の動きを検出するための閾値を調整することで、親指の付け根部分の接触位置の変化を、保持指の動きとして誤検出することを抑制或いは回避できる。
<タッチセンサの設置部分>
上述の例では、タッチセンサ90は機器ケース4の両側面部に設けられている。しかるに、片手で携帯機器1の両側面部を挟んで保持できない場合もある。例えば、図3の携帯機器1を横に持つ場合(即ち、図3の携帯機器1を90度回転させて保持する場合)、または、携帯機器1の縦方向の幅および横方向の幅が大きい場合などに、片手で携帯機器1の両側面部を挟んで保持できない場合がある。この場合、図12に示すように、ユーザは、親指の付け根を携帯機器1の側面部分に当接させ、保持指を携帯機器1の裏面部分に当接させて、携帯機器1を保持することになる。よって、この場合、保持指の動きを検出するタッチセンサ90は、機器ケース4の裏面部分に設けられる。図12では、左手20で携帯機器1を保持する場合が示されている。
このように左手20の保持指22が機器ケース4の裏面部分に当接する場合には、ユーザは、例えば次のようにして、操作困難領域(図12において表示領域2aの紙面右側の端部)を操作しようとする。すなわち、保持指22を曲げることで携帯機器1の裏面部分を押しながら、親指21を操作困難領域へと伸ばす。この動作により、保持指22は裏面部分に沿って親指21の付け根側(図12において紙面左側)に移動することとなる。
制御部100は、タッチセンサ90を用いて保持指22が動いたことを検出し、かつ、傾斜センサ92を用いて携帯機器1の傾斜角が変化したことを検出したときに、表示画面20aを親指21側に平行移動させて表示する。
平行移動の方向は、傾斜センサ92で検出した傾斜角の変化の方向に基づいて決定すればよい。例えば図12において、携帯機器1は、その紙面右側の端部が紙面左側の端部に対してユーザに近づくように、傾斜する。よって、傾斜センサ92を用いてこの方向の変化を検出したときに、制御部100は、表示画面20aを紙面左側に平行移動させる。逆に、携帯機器1の紙面左側の端部が紙面右側の端部に対してユーザに近づくように、携帯機器1が傾斜することを検出したときには、右手30で携帯機器1を保持していると判断し、制御部100は、表示画面20aを紙面右側に平行移動させる。つまり、傾斜に伴って相対的にユーザ側から遠ざかる部分に向かって、表示画面20aを平行移動させるのである。
これにより、ユーザは、操作困難領域を操作しようとするだけで、操作困難領域に表示されていた内容が操作容易領域に表示される。よって、保持指が携帯機器1の裏面部分に当接する場合であっても、上述と同様に、操作を容易にすることができる。
また、平行移動の方向は、保持指の動き方に基づいて決定してもよい。即ち、左手20で携帯機器1を保持していれば、保持指22は紙面左側に動くので、タッチセンサ90を用いてこの方向の移動を検出することで、制御部100は、表示画面20aを紙面左側に平行移動させてもよい。逆に、保持指22が紙面右側に動いたことを検出すれば、右手30で携帯機器1を保持していると判断して、制御部100は、表示画面20aを紙面右側に平行移動させる。つまり、保持指の接触位置の移動方向へと表示画面20aを平行移動させるのである。
<平行移動量>
手の大きさには個人差があり、手が大きいユーザは携帯機器1をあまり傾けなくても、操作困難領域を操作できる。一方で、手が小さいユーザは携帯機器1を大きく傾ける必要がある。
そこで、制御部100は、傾斜角の変化量が大きいほど、平行移動量を大きくしてもよい。つまり、手が小さいユーザに対しては、表示画面20aのうち操作困難領域に表示されていた部分を、より操作指に近づけて表示するのである。図13は、傾斜角の変化量が大きいときの、平行移動後の表示領域2aを示している。表示領域2aのうち、平行移動後に表示画面20aを表示する領域2cのサイズは、図10に比して小さくなる。これにより、操作指31が短いユーザに対しては、より操作指に近い領域に表示画面20aが表示されることになる。よってユーザは操作しやすい。
他方、手が大きいユーザに対しては、傾斜角の変化量が比較的小さいので、平行移動量は比較的小さい。よって、平行移動後に表示画面20aを表示する領域2cのサイズは、比較的大きい。ここで、表示領域2aのうち、操作指の根元に近すぎる領域では、逆に操作指での操作が困難である。よって、手が大きい人に対しては、比較的大きく表示画面20aを表示することで、操作指の根元から比較的離れた領域で表示画面20aの内容を表示しているのである。
以上のように、表示画面20aが表示される領域の大きさを、手の大きさに応じて適切に設定することができる。
<表示画面の縮小表示>
制御部100は、表示画面20aを平行移動すると共に、これを縮小して表示しても構わない。なおここでいう縮小の対象は、平行移動後に表示画面20aが表示される領域2cのサイズではなく、表示画面20aの縮尺である。図14は、表示画面20aを縮小しながら平行移動したときの表示画面20aを示している。これにより、図10に比して、表示画面20aに含まれるアプリアイコン22aのサイズが縮小して表示され、またアプリアイコン22aの間隔も短く表示される。したがって、平行移動後に、より多くのアプリアイコン22aを表示することができる。換言すれば、表示画面20aの表示可能な情報量を増大させることができる。
その一方で、上述の図10に示されるように、表示画面20aを縮小することなく表示してもよい。なぜなら、表示画面20aを縮小することにより、操作が困難となりえるからである。例えば、この縮小により、アプリアイコン22aが小さくなり、またアプリアイコン22aの間隔も短くなるので、所望のアプリアイコン22aを選択しにくくなる場合がある。このような事態を回避すべく、縮小することなく表示画面20aを表示してもよい。
<平行移動処理のトリガ>
上述の例では、タッチセンサ90を用いて保持指の動きを検出し、かつ、傾斜センサ92を用いて携帯機器1の傾斜姿勢の変化を検出したときに、制御部100は、表示画面20aを平行移動させて表示した。しかしながら、本実施の形態では必ずしもこれに限らない。表示画面20aを平行移動させるための条件(トリガ)は適宜に変更してもよい。
例えば表示画面20aを平行移動させるための入力部(ハードキーまたはソフトキー)を携帯機器1に設け、ユーザによる当該入力部への入力に基づいて、表示画面20aを平行移動させてもよい。また平行移動させる方向についても、これを入力するための入力部を設ければよい。この構造を採用する場合には、タッチセンサ90および傾斜センサ92は必須要件ではない。
また、タッチセンサ90を当該入力部として機能させてもよい。すなわち、タッチセンサ90に対して特定の操作を行なうことで、制御部100が表示画面20aを平行移動させても構わない。この特定の操作としては、例えば、タッチセンサ90に対して指を接触させて所定時間後に離す操作を、採用できる。また表示画面20aの平行移動の方向についても、タッチセンサ90を用いて携帯機器1に入力してもよい。例えば、両側面部のどちらのタッチセンサ90に対して操作が行なわれたか、に基づいて、表示画面20aの平行移動の方向を入力することができる。このように、タッチセンサ90を当該入力部として機能させる場合には、傾斜センサ92は必須要件ではない。
<元の表示に戻す>
制御部100は、表示画面20aを平行移動させて表示領域2aの一部(領域2c)に表示した状態で、タッチセンサ90が保持指の接触位置の変化を所定の操作として検出したときに、表示画面20aを表示領域2aの全体に表示する。この所定の操作としては、図15を参照して、例えば保持指32がタッチセンサ90に接触した状態で、所定の一方向(例えば紙面下方)に移動させる操作を採用できる。図15では、移動後の保持指32を二点鎖線で示している。これにより、簡単な操作で、元の表示に戻すことができる。
<表示領域2aに表示される表示画面>
<2つの表示画面の表示>
上述したように、制御部100が表示画面20aを平行移動させて表示領域2aに表示することにより、表示領域2aの一部(領域2c)に、表示画面20aの一部が表示される。以下では、表示領域2aのうち、平行移動後に表示画面20aの一部が表示される領域2cをメイン領域2cと呼び、他の領域をサブ領域2dと呼ぶ(図10も参照)。メイン領域2cは例えば平面視で略長方形を成し、サブ領域2dは、表示領域2aからメイン領域2cを切り欠いた形状を成す。
ここでは、制御部100は、ステップS2において、表示画面20aを平行移動させて、メイン領域2cに表示画面20aの一部を表示すると共に、表示画面20aとは別の表示画面をサブ領域2dに表示する。別の表示画面としては、例えばステップS2を実行するときに起動されているアプリケーション103bの表示画面を採用できる。或いは、予め定められたアプリケーション103bを起動し、その表示画面を採用してもよい。
図16〜図18は、アプリケーション103bが起動したときの表示画面を模式的に示している。図16は、ウェブブラウザが起動しているときの表示画面20bの一例を模式的に示しており、ニュース情報を示すウェブページが表示領域2aに表示されている。このウェブページには、複数のリンク(ハイパーリンク)が含まれている。図16においては、ウェブページ中のリンクには下線が示されている。記憶部103内のウェブブラウザを実行する制御部100は、無線通信部110を通じてウェブサーバからウェブページを取得し、その後、表示パネル120を制御することによって、ウェブページ50が表示領域2aに表示される。
表示領域2aにおける、ウェブページに含まれるリンクが表示されている部分に対して、タップ操作が行われたことを、タッチパネル130が検出すると、制御部100は、当該リンクがユーザによって選択されたと判断する。そして制御部100は、無線通信部110を通じて該当のウェブサーバと通信することによって、当該リンクが示すウェブページを当該ウェブサーバから取得する。表示パネル120は、制御部100で取得されたウェブページを、制御部100による制御によって表示領域2aに表示する。
図17は、メールアプリケーションが起動しているときの表示画面20cの一例を模式的に示しており、送信文を作成するための画面が表示領域2aに表示されている。この表示画面20cは記憶部103に記憶されており、制御部100は、記憶部103からこの表示画面20cを読み出し、表示パネル120を制御することによって、この表示画面20cを表示領域2aに表示する。図17の例示では、送信文を表示するための領域382と、送信文を入力するための文字入力ボタン380と、送信文を送信する送信ボタン384とが表示領域2aに表示されている。
文字入力ボタン380が含まれる部分に対する操作を、タッチパネル130が検出すると、制御部100は、当該文字入力ボタン380の操作に応じた文字を、領域382に表示する。また送信ボタン384が示される部分に対する操作をタッチパネル130が検出すると、制御部100は、無線通信部110を通じて、領域382に表示された送信文を送信先の端末に送信する。
図18は、地図を閲覧するための地図アプリケーションが起動したときの表示画面20dの一例を模式的に示しており、日本地図を示す画面が表示領域2aに示されている。この表示画面20dは、例えばウェブサーバに格納されており、制御部100が無線通信部110を通じてこれを取得し、その後、表示パネル120を制御することによって、これを表示領域2aに表示する。
例えば表示画面20dを含む部分に対するスライド操作を、タッチパネル130が検出すると、制御部100は、そのスライド方向に地図をスクロールさせて、表示領域2aに表示する。また、表示画面20dに対するピンチアウト操作をタッチパネル130が検出すると、制御部100は、2つの操作子の間隔に応じて縮尺を小さくして(即ち、縮尺分母を大きくして)、当該地図を表示する。またピンチイン操作を検出すると、制御部100は、2つの操作子の間隔に応じて縮尺を大きくして、当該地図を表示する。
ここでは、図16〜図18に示す3つのアプリケーション103b(ウェブブラウザ、メールアプリケーション、及び、地図アプリケーション)が起動しており、表示領域2aには、ウェブサーバの表示画面20cが表示されているものとする(図16)。メールアプリケーションおよび地図アプリケーションの現在の表示画面20c,20dは、制御部100によって、それぞれ例えば記憶部103に格納され、この時点では、表示領域2aには表示されない。
この状態で、制御部100は、表示画面20bを平行移動させてメイン領域2cに表示する(図19参照)。また、これと共に、制御部100は、例えばメールアプリケーションの表示画面20cを、サブ領域2dに表示する。図19の例示では、メイン領域2cは表示領域2aのうち右下の長方形領域であり、図17の表示画面20bの左上端部の部分が表示されている。サブ領域2dは表示領域2aからメイン領域2cを切り欠いた形状を成すので、図14の表示画面20cのうちメイン領域2cに対応する部分は、図19では表示されない。つまり、メイン領域2cの表示画面20bは、サブ領域2dの表示画面20bの上に重なるようにして表示される。
これにより、ユーザは、表示画面20bのみならず、他の情報(すなわち表示画面20c)を視認することができる。よって、表示領域2aからの情報量を向上することができる。
<メイン領域とサブ領域の表示画面の切り替え>
また、メイン領域2cとサブ領域2dが表示される状態で、例えば、表示領域2aに対する所定の第1操作(ここではスライド操作)をタッチパネル130が検出すると、制御部100は、この第1操作を、メイン領域2cおよびサブ領域2dの表示画面の切り替え操作と認識する。つまり、制御部100は、この第1操作によるアプリケーション103bの機能(アプリケーション103bを実行する制御部100の機能、以下同様)を制限する。例えば図18において、地図アプリケーションが表示される表示画面20dにおいてスライド操作を行なうと、この地図アプリケーションを実行する制御部100によって、当該地図をスクロールして表示するところ、メイン領域2cとサブ領域2dとが表示された状態では、制御部100は、第1操作による当該機能(スクロール表示)を発揮させない。
その一方で、制御部100は、この第1操作を、メイン領域2cおよびサブ領域2dの表示画面の切り替え操作と認識するのである。すなわち、表示領域2aに対する第1操作を検出すると、制御部100は、表示パネル120を制御することで、メイン領域2cおよびサブ領域2dの各々の表示画面を他の表示画面に切り替える。例えば図20に示すように、制御部100は、図19においてサブ領域2dに表示されていた表示画面20cを、メイン領域2cに表示し、地図アプリケーションの表示画面20dを、サブ領域2dに表示する。
この状態で、タッチパネル130が再び第1操作を検出すると、制御部100は、メイン領域2cおよびサブ領域2dの各々の表示画面を、再び他の表示画面に切り替える。例えば図21に示すように、制御部100は、図20においてサブ領域2dに表示されていた表示画面20dをメイン領域2cに表示し、表示画面20bをサブ領域2dに表示する。以後、第1操作を契機として、上記の順序で切り替えが繰り返される。
このような切替動作によれば、現在起動しているアプリケーション103bの表示画面が順にメイン領域2cおよびサブ領域2dに表示される。よって、ユーザは、第1操作を繰り返すことで、現在起動しているアプリケーション103bを容易に確認することができる。
また、この切り替え後にメイン領域2cに表示される表示画面が、切り替え前においてサブ領域2dに表示されている。よってユーザは、次にメイン領域2cに表示される画面を予め了知しながら、画面を切り替えることができる。
またここでは、3つの表示画面20b〜20dを用いて説明したが、2つ或いは4つ以上の表示画面を用いても良い。また表示画面20aが含まれていてもよい。
またここでは、表示領域2aに対する第1操作を契機として、メイン領域2cおよびサブ領域2dの表示画面の切り替えを行なっている。しかしながら、本実施の形態ではこれに限らない。他の入力部(ハードキーまたはソフトキー)への入力を契機として、制御部100がこの切り替えを行なってもよい。換言すれば、ユーザによる検出部132への入力を契機として、制御部100がこの切り替えを行なってもよい。
例えば、タッチセンサ90が設けられている場合であれば、このタッチセンサ90への操作を契機として切り替えを行なってもよい。また、このようにタッチパネル130以外の入力部を採用する場合には、制御部100は、メイン領域2cおよびサブ領域2dに対する操作の上記制限を行なう必要はない。即ち、メイン領域2cおよびサブ領域2dに対する各種の操作を、それぞれメイン領域2cおよびサブ領域2dに表示されたアプリケーション103bへの操作と判断してもよい。
<全体表示と、メイン・サブ領域の表示との切り替え>
またメイン領域2cに対する所定の第2操作(第1操作とは異なる操作であり、例えばダブルタップ操作)を、タッチパネル130が検出した場合にも、制御部100は、その第2操作による、メイン領域2cに表示されたアプリケーション103bの機能を、制限する。その替わりに、当該第2操作によって次の制御を実行する。すなわち、メイン領域2cに対する第2操作を検出すると、制御部100は、表示パネル120を制御して、メイン領域2cに表示された表示画面を、表示領域2aの全体に表示する。例えば図21の表示領域2aにおいて、メイン領域2cにおいて第2操作が行なわれると、メイン領域2cの表示画面20dが表示領域2aの全体に表示される(図18参照)。つまり、メイン領域2cおよびサブ領域2dは消失し、図21においてサブ領域2dに表示されていた表示画面20bの表示が終了する。
また、図21において、サブ領域2dに対する第2操作を検出すると、制御部100はサブ領域2dに表示されていた表示画面20bを、表示領域2aの全体に表示する(図16参照)。これにより、メイン領域2cおよびサブ領域2dは消失し、図21においてメイン領域2cに表示されていた表示画面20dの表示が終了する。
さらに、制御部100は、表示領域2aの操作による上記機能の制限を解除する。これにより、ユーザは、第1操作および第2操作による、表示領域2aの全体に表示されたアプリケーション103bの機能を発揮させることができる。
このような切り替え方法によれば、メイン領域2cおよびサブ領域2dの各々に対する操作を受けて、それぞれメイン領域2cとサブ領域2dとの一方を、表示領域2aの全体に表示するので、ユーザは操作を理解しやすい。
なお、上述の例では、メイン領域2cおよびサブ領域2dへの第2操作を契機として、メイン領域2cおよびサブ領域2dの一方を、表示領域2aの全体に表示している。しかしながら、これに限らず、他の入力部への操作を契機として、この表示制御を行なってもよい。換言すれば、ユーザによる検出部132への入力を契機として、制御部100が表示領域2aの全体表示を行なってもよい。ただし、上述したメイン領域2cとサブ領域2d同士の切り替えとは別の操作を採用する。
例えば、タッチセンサ90が設けられている場合であれば、このタッチセンサ90への操作を契機として、切り替えを行なってもよい。すなわち、タッチセンサ90が保持指の接触位置の所定変化(例えば操作指がタッチセンサ90に接触した状態で一方向に移動するときの変化)を当該操作として検出したときに、切り替えを行なってもよい。このとき、メイン領域2cの表示画面を表示領域2aの全体に表示するのか、サブ領域2dの表示画面を表示領域2aの全体に表示するのか、との情報についても、タッチセンサ90への操作で携帯機器1に入力するとよい。例えば、両側面部のうち、どちらのタッチセンサ90に操作したのか、に基づいて、この情報を入力しても良い。
このようにタッチパネル130以外の入力部を採用する場合には、制御部100は、メイン領域2cおよびサブ領域2dに対する操作の上記制限を行なう必要はない。即ち、メイン領域2cおよびサブ領域2dに対する各種の操作を、それぞれメイン領域2cおよびサブ領域2dに表示されたアプリケーション103bへの操作と判断してもよい。
<サブ領域の表示画面>
次に、複数のアプリアイコン22aが表示される表示画面(選択画面)20aが、メイン領域2cに表示されている場合を想定する。このとき、アプリアイコン22aへの選択操作(例えばタップ操作)を、タッチパネル130が検出したときに、制御部100が、選択されたアプリアイコン22aのアプリケーションを起動するとともに、その表示画面をサブ領域2dに表示しても良い。これにより、メイン領域2cに表示画面20aを表示しつつも、起動したアプリケーションをサブ領域2dで視認することができる。これによれば、誤ってアプリアイコン22aを選択したとしても、操作しやすいメイン領域2cに表示画面20aが表示されているので、直ぐにアプリアイコン22aの選択をやり直すことができる。
また、この状態で、メイン領域2cの表示画面を表示領域2aの全体に表示させる操作を検出すると、制御部100はメイン領域2cの表示画面を表示領域2aの全体に表示すると共に、サブ領域2dに表示されるアプリケーション103bを終了させてもよい。これにより、アプリケーション103bを終了させる操作を別途に行なう場合に比して、このアプリケーション103bを簡易に終了させることができる。
<制御部の動作の一例>
図19は、制御部の動作の一例を示すフローチャートである。図19は上述した制御内容が適宜盛り込まれたものである。以下に詳細に説明する。
ステップS1,S3は、上述した内容と同じであるので、繰り返しの説明を避ける。ステップS2では、制御部100は、表示画面を平行移動させてメイン領域2cに表示しつつ、さらにサブ領域2dにもアプリケーション103bによる表示画面を表示する。
ステップS2の実行後に、ステップS11にて、タッチセンサ90が特定の操作(例えば操作指がタッチセンサ90に接触しながら一方向に移動する操作)を検出する。この検出を契機として、ステップS12にて、制御部100は、メイン領域2cに表示されている表示内容を、表示領域2aの全体に表示し、待機する。
また、ステップS2の実行後に、ステップS21にて、タッチパネル130が、表示領域2aに対する第1操作を検出する。この検出を契機として、ステップS22にて、制御部100は、メイン領域2cとサブ領域2dに表示されている表示内容を、上述のように切り替え、待機する。
また、ステップS2の実行後に、ステップS31にて、タッチパネル130が、メイン領域2cに対する第2操作を検出する。この検出を契機として、ステップS32にて、制御部100は、メイン領域2cに表示されている表示内容を、表示領域2aの全体に表示する。
また、ステップS2の実行後に、ステップS41にて、タッチパネル130が、サブ領域2dに対する第2操作を検出する。この検出を契機として、ステップS42にて、制御部100は、サブ領域2dに表示されている表示内容を、表示領域2aの全体に表示する。
また、ステップS2の実行後に、ステップS51にて、タッチパネル130が、メイン領域2cに表示されたアプリアイコン22aに対する選択操作(例えばタップ操作)を検出する。なお、ステップS51は、ステップS2にて、制御部100がホーム画面を表示しているときに行なわれる処理である。この検出を契機として、ステップS52にて、制御部100は、選択されたアプリアイコン22aに対するアプリケーション103bを起動し、その表示画面をサブ領域2dに表示する。
この状態で、ステップS53にて、タッチパネル130が、メイン領域2cに対する第2操作を検出する。この検出を契機として、ステップS54にて、制御部100は、サブ領域2dに表示されているアプリケーション103bを終了させるとともに、メイン領域2cに表示されている表示画面を、表示領域2aの全体に表示する。
また、ステップS52の次に、ステップS55にて、タッチパネル130が、サブ領域2dに対する第2操作を検出すると、この検出を契機として、ステップS56にて、制御部100は、サブ領域2dに表示されている表示画面を、表示領域2aの全体に表示する。
<その他の変形例>
上記の例では、本願発明を携帯電話機に適用する場合を例にあげて説明したが、本願発明は、携帯電話機以外の携帯機器にも適用することができる。
また、本発明は詳細に説明されたが、上記した説明は、すべての局面において、例示であって、本発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、本発明の範囲から外れることなく想定され得る。