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JP2014220893A - 制御装置、無線電力伝送システムおよび無線電力伝送装置 - Google Patents

制御装置、無線電力伝送システムおよび無線電力伝送装置 Download PDF

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JP2014220893A
JP2014220893A JP2013097949A JP2013097949A JP2014220893A JP 2014220893 A JP2014220893 A JP 2014220893A JP 2013097949 A JP2013097949 A JP 2013097949A JP 2013097949 A JP2013097949 A JP 2013097949A JP 2014220893 A JP2014220893 A JP 2014220893A
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Katsuyuki Ikeuchi
内 克 之 池
塚 浩 平 鬼
Kohei Onizuka
塚 浩 平 鬼
原 寛 明 石
Hiroaki Ishihara
原 寛 明 石
藤 浩 喜 工
Hiroki Kudo
藤 浩 喜 工
高 章 二 大
Shoji Otaka
高 章 二 大
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川 健一郎 小
塚 芙 美 杜
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塚 芙 美 杜
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Abstract

【課題】低消費電力でインダクタ間の位置合わせを行う。
【解決手段】本発明の実施形態としての制御装置は、第一のインダクタと、前記第一のインダクタに交流電力を供給する交流信号源とを備える第一の無線電力伝送装置と前記第一のインダクタから無線で前記交流電力を受ける第二のインダクタを備える第二の無線電力伝送装置と、に対する制御装置であり、位置制御部を備える。前記位置制御部は、前記第一および第二のインダクタ間に引力または斥力を発生させるように、前記第一のインダクタおよび前記第二のインダクタを流れる電流の位相関係を制御し、前記引力または斥力を利用して、前記第一のインダクタおよび第二のインダクタの相対位置を調整する。
【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、制御装置、無線電力伝送システムおよび無線電力伝送装置に関する。
従来、無線電力伝送のインダクタ同士の位置合わせでは、送電用インダクタと受電用インダクタにそれぞれ直流(DC)電流を印加し、その引力で位置合わせを行っていた。
上述したインダクタの位置合わせ手法では、送電側、受電側とも位置合わせの間、DC電流を流す必要がある。このため、送電側のインダクタにDC電流を流す機構と、受電側のインダクタにDC電流を流す機構の両方が必要になる。送電側および受電側の双方にそれぞれ電流を流すため、大きな電力を消費してしまう問題がある。
別の関連技術では、受電側に磁石を搭載して、位置合わせを行う方法がある。この方法では、磁石の重量やコスト、送電時の効率低下などの問題が生じる。そのほかにも電力伝送効率の低下、部品点数増加、重量増加、発熱量増加、構造複雑化などが課題となっている。
米国特許出願公開第2011/0062914号明細書
本実施形態は、低消費電力でインダクタ間の位置合わせを行うことを目的とする。
本発明の実施形態としての制御装置は、第一のインダクタと、前記第一のインダクタに交流電力を供給する交流信号源とを備える第一の無線電力伝送装置と前記第一のインダクタから無線で前記交流電力を受ける第二のインダクタを備える第二の無線電力伝送装置とに対する制御装置であり、位置制御部を備える。
前記位置制御部は、前記第一および第二のインダクタ間に引力または斥力を発生させるように、前記第一のインダクタおよび前記第二のインダクタを流れる電流の位相関係を制御し、前記引力または斥力を利用して、前記第一のインダクタおよび第二のインダクタの相対位置を調整する。
第一の実施形態に係わる無線電力伝送システムを示す図。 交流信号源と送電回路と受電回路の構成例を示す図。 交流信号源と送電回路と受電回路の他の構成例を示す図。 周波数可変信号源の構成例を示す図。 周波数可変信号源の具体的な構成例を示す図。 1次側電流と2次側電流の位相差と、送電用インダクタおよび受電用インダクタ間に働く力を示す図。 モード切替部の概略動作フローを示す図。 光センサを用いた判定の例を示す図。 磁気共鳴方式および電磁誘導方式を説明するための図。 送電用インダクタおよび受電用インダクタ間の結合係数を模式的に示す図。 送電側および受電側に流れる電流の相対値と、電流位相差を示す図。 位置合わせモードにおける発振周波数の掃引の例を示す図。 第二の実施形態に係る動作の一例のフローチャート。 第三の実施形態に係る動作の一例のフローチャート。 第四の実施形態に係る無線電力伝送システムの構成の一部を示す図。 第四の実施形態に係る無線電力伝送システムの他の構成の一部を示す図。 第五の実施形態に係る無線電力伝送システムの概略図。 第六の実施形態に係る無線電力伝送システムの概略図。 第六の実施形態に係る無線電力伝送システムの他の例の概略図。 第七の実施形態に係る無線電力伝送システムの概略図。 第八の実施形態に係る無線電力伝送システムの概略図。 第八の実施形態に係る処理の一例のフローを示す図。 第八の実施形態に係る処理の他の例のフローを示す図。 第九の実施形態に係る無線電力伝送システムの概略図。 第九の実施形態に係る無線電力伝送システムの他の構成例の概略図。 第九の実施形態に係る無線電力伝送システムのさらに他の構成例の概略図。 第九の実施形態に係る無線電力伝送システムのさらに他の構成例の概略図。 第十の実施形態に係る無線電力伝送システムの例を示す図。 第十一の実施形態に係る無線電力伝送システムの例を示す図。 第十一の実施形態に係る無線電力伝送システムの他の例を示す図。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明する。
図1に、第一の実施形態に係わる無線電力伝送システムを示す。
図1の無線電力伝送システムは、送電装置(無線電力伝送装置)110と受電装置(無線電力伝送装置)120を備える。
受電装置120は、通信回路101と、モード切替部(制御装置)100と、インピーダンス制御部123と、受電共振器(受電回路)105とを備える。受電共振器105は、受電用インダクタ121とインピーダンス素子122を含む。
送電装置110は、送電共振器(送電回路)106と、交流信号源112と、直流電源103と、周波数制御部113と、通信回路102とを備える。送電共振器(送電回路)106は、送電用インダクタ111を含む。交流信号源112は、受電用インダクタおよび送電用インダクタ間の位置合わせモード時に使用する電力を生成する。ただし、交流信号源112は、無線電力伝送のための信号源と兼用であってもよい。本実施形態では兼用であるとする。
モード切替部100は、本例では受電装置に組み込まれているが、送電装置に組み込まれてもよい。あるいは、モード切替部100は、送電装置及び受電装置とは独立した装置として設けられてもよい。
本例では、交流信号源112は送電装置に含まれ、かつ、インピーダンス素子122は受電装置に含まれている。別の構成として、送電装置が交流信号源112の代わりにインピーダンス素子122を含み、受電装置がインピーダンス素子122の代わりに交流信号源112を含む構成も可能である。この場合、送電装置には、無線電力伝送のための信号源が独立して設けられる。また、この場合には、以降の説明のうち位置合わせモードに関連する記述において、「送電用インダクタ」及び「受電用インダクタ」を適宜交換して読み替えればよい。
送電装置の通信回路102は、受電装置の通信回路101と無線通信を行う。直流電源103は、直流電力を生成する。交流信号源112は、当該直流電力から交流電力を生成する。周波数制御部113は、交流信号源112の発振周波数を制御する。交流信号源112が生成する交流電力の周波数は、周波数制御部113により制御される。送電回路106の送電用インダクタ111は、交流信号源112から供給される交流電力を、受電回路105の受電用インダクタ12に非接触に無線で供給する。伝送方式は磁気共鳴、または電磁誘導の方式などの方式を用いることが、可能である。
受電装置の通信回路101は、送電装置の通信回路102と無線通信を行う。受電回路105の受電用インダクタ12は、送電用インダクタ111から非接触に電力の供給を受ける。インピーダンス制御部123は、モード切替部100の制御の下、インピーダンス素子122のインピーダンス値を制御する。
モード切替部100は、本無線電力伝送システムの制御を行う。モード切替部100が、受電装置および送電装置とは独立した制御装置として存在する場合は、制御装置は、有線通信または無線通信を介して、受電装置および送電装置の制御を行う。
本実施形態では、モード切替部100は、上記制御の一環として、位置合わせモードと、送電モードと切り換えて実行する。
位置合わせモードでは、第一のインピーダンス条件下で、交流信号源112から送電用インダクタ111に交流電力を印加して、送電用インダクタおよび受電用インダクタ間で電力伝送を行わせる。この際、送電用インダクタと受電用インダクタの双方を流れる電流の位相関係を制御して引力または斥力を発生させる。これを利用して、両インダクタ間の相対位置を調整する。受電側に供給された電力は、受電側で特に用途がなければ、廃棄してもよい。
送電モードは、位置合わせモードで位置合わせが完了した後に実行される。送電モードでは、第二のインピーダンス条件下で、交流信号源112から送電用インダクタ111に交流電力を供給し、送電用インダクタから受電用インダクタへ無線電力伝送を行う。受電側に供給された電力は、受電側の構成に応じて、負荷で消費されたり、蓄電池に蓄電されたりする。第二のインピーダンス条件は、たとえば交流電力の周波数で共振モードが得られるようなインピーダンス条件である。
インピーダンス条件の変更は、種々の方法が可能である。インピーダンス素子122のインピーダンス値を変更してもよいし、受電回路105のインピーダンス値を変化させてもよいし、交流信号源112の発振周波数を変更してもよい。また、これらの組み合わせにより、実現してもよい。
ここで交流信号源112の周波数を変更することで、インピーダンス条件が変動する理由(負荷に対する見かけのインピーダンスが変わる理由)について説明する。図9(b)に電磁誘導型無線電力伝送回路の回路図を示す。この回路は単純な回路構成を有し、送電側にインダクタが接続され、受電側にインダクタと固定インピーダンスの負荷が接続されている。送電および受電用の各インダクタのインダクタンスをL、負荷の値をR、インダクタ間の結合係数をk、角周波数をwとする。このとき、受電側のインピーダンスはR+jwL(1−k)と表せる。w=2πfであるから、周波数fを変更することにより、受電側の見かけのインピーダンスを変更可能であることが分かる。
図2および図3は、交流信号源と送電回路と受電回路の構成例を示す。
図2(A)において、交流信号源112Aは、周波数可変の発振回路(周波数可変信号源)として構成される。送電回路は、交流信号源に接続された送電用インダクタ111を含む。受電回路は、受電用インダクタ121と、コンデンサ131と、抵抗132とを含む。この構成では、交流信号源112Aの発振周波数を変更することで、インピーダンス条件が変更される。
図2(B)において、交流信号源112Aと送電用インダクタ111との間にコンデンサ132が配置されている。受電回路は図2(A)と同様である。交流信号源112Aの発振周波数を変更することで、インピーダンス条件が変更される。
図2(C)において、交流信号源112Aと送電用インダクタ111間に直接にインダクタ133、並列にコンデンサ134が配置されている。受電回路において、受電用インダクタ121に直接にインダクタ135および抵抗136が接続され、受電用インダクタ121に並列にコンデンサ137が配置されている。交流信号源112Aの発振周波数を変更することで、インピーダンス条件が変更される。
図2(D)は、図2(A)の送電回路と、図2(C)の受電回路を組み合わせた構成である。交流信号源112Aの発振周波数を変更することで、インピーダンス条件が変更される。
図2(E)において、交流信号源112Bは、固定周波数の発振回路として構成される。交流信号源112Bに、コンデンサ138および送電用インダクタ111が直列に接続されている。受電回路では、受電用インダクタ121に、可変コンデンサ139と抵抗140が直列に接続されている。この構成では、可変コンデンサ139の容量値を変更することで、インピーダンス条件が変更される。
図3(A)において、交流信号源112Bと送電用インダクタ111間に直列にインダクタ141が接続され、送電用インダクタ111に並列にコンデンサ142が配置されている。受電回路において、受電用インダクタ121に直接にインダクタ143および抵抗144が接続され、受電用インダクタ121に並列に可変コンデンサ145が配置されている。この構成では、可変コンデンサ145の容量を変更することで、インピーダンス条件が変更される。
図3(B)において、交流信号源および送電回路は図2(E)と同じである。受電回路は、受電用インダクタ121に、コンデンサ146と可変抵抗147が接続されている。この構成では、可変抵抗147の抵抗値を変更することで、インピーダンス条件が変更される。
図2に示した周波数可変信号源112Aの周波数は、外部から制御信号を与えることに可変にしてもよい。この構成を模式的に図4に示す。周波数可変信号源112Aは、制御回路161と周波数可変信号源162を含む。制御回路161から周波数可変信号源162に制御信号を与える。周波数可変信号源162は、当該制御信号に応じた周波数の交流電力を生成する。
図5に、周波数可変信号源112Aのより具体的な構成例を示す。周波数可変信号源112Aは、インバータ回路151および周波数調整回路(駆動信号源)152を含む。周波数調整回路152は、スイッチング信号により、インバータ回路151の2つのスイッチ151a、151bを交互にオンオフ制御する。これにより、直流電源103の電力に基づき、可変周波数の交流電力を生成する。大電力の無線伝送においては、インバータ回路で送電電力を発生することが好ましい。
図6に、送電用インダクタに流れる電流(1次側電流)と、受電側に流れる電流(2次側電流)の位相差と、送電用インダクタおよび受電用インダクタ間に働く力(引力または斥力)を示す。なお、電流の向きに関しては、送電用インダクタに直流電流を流し、その電流値を増加させ、受電用インダクタの両端を短絡させたときに流れる電流の向きを正とする(以降の説明も同様である)。
図6(B)の左は、位相差がπ/2のときの各電流の波形、図6(B)の右は、図6(B)の位相差のときにインダクタ間に発生する引力および斥力の関係を示す。斥力と引力が同一周期で交互に発生することで、全体として引力および斥力がキャンセルされて、実質的に両者間に力が生じない状態となる。このような位相差は、交流電力の周波数が、送電回路および受電回路の共振周波数に一致、またはこれに近いときに、得られる。
図6(A)の左は、位相差がπ/8のときの各電流の波形、図6(A)の右は、図6(A)の位相差のときに、インダクタ間に発生する引力および斥力の関係を示す。周期的にごく短い期間で小さな引力が発生するものの、それ以外の区間では電流の大きさに応じて、斥力がインダクタ間にかかる。交流電力の周波数が共振周波数より小さいほど、位相差が0に近づき、斥力の働く区間が支配的となる。
図6(C)の左は、位相差が7π/8のときの各電流の波形、図6(C)の右は、図6(C)の位相差のときに、インダクタ間に発生する引力および斥力の関係を示す。周期的に、ごく短い期間で小さな斥力が発生するものの、ほとんどの区間では電流の大きさに応じて、引力がインダクタ間にかかる。交流電力の周波数が、共振周波数より大きいほど、位相差がπに近づき、引力の働く区間が支配的となる
これら3つの位相差の状態は、3つの異なるインピーダンス条件(周波数あるいはインピーダンス値)で実現される。すなわち、インピーダンス条件を変更することで、異なる位相差を実現する。図6(C)のようなインピーダンス条件で交流信号源から電力を流すことで、インダクタ間に引力を発生させ、この引力を利用してインダクタ間の位置合わせを行う(たとえば両インダクタを互いに近距離に配置する)。この後、図6(B)のようなインピーダンス条件の下で交流信号源から電力を流すことで、インダクタ間に引力および斥力の発生を抑えて両インダクタ間の位置ずれを抑制して、高効率な無線電力伝送を行う。
各インダクタの電流と、インダクタ間に発生する力の関係について説明する。第一の装置の第一のインダクタに電流iを流した時の、第二の装置の第二のインダクタの両端に誘起される電圧vは、第一のインダクタと第二のインダクタの相互インダクタンスMを用いると、以下のように表すことができる。
Figure 2014220893
ここで、第一および第二のインダクタに流れる電流の絶対値をそれぞれI、I、第一のインダクタに対する第二のインダクタの電流位相差をθ、透磁率をμ、インダクタ間の距離をdとすると、2本の平行な電線のインダクタンスの単位長さに働く力Fの一周期の和は、以下のように表すことができる。
Figure 2014220893
インダクタに流れる電流は交流であることから、Fは正の値と負の値を取り得る。Fの値が正の場合に斥力が、負の場合に引力が発生する。この力を利用して、第一インダクタ、または、第二のインダクタ、または第一と第二のインダクタの双方を、移動させることができる。
図7にモード切替部100の動作フローの一例を示す。モード切替部100は位置合わせモードを選択し(S101)、第一のインピーダンス条件を設定する(S102)。たとえば位相差がπ/2よりも大きな値になるように、交流電力の周波数またはインピーダンス値を設定して、両インダクタ間に引力が発生するようにする。この第一のインピーダンス条件で、交流信号源から交流電力を流して引力を発生させ、この引力を利用して位置合わせを行う(S103)。位置合わせの処理は、通電を一定時間行うことをもって終了してもよいし、両インダクタ間の所望の位置関係になったことを検出したことをもって終了してもよい。
両インダクタ間の位置関係が所望の位置関係になったことの判定は、任意の方法で行えばよい。たとえば、インダクタの位置を光センサ、磁気センサ、静電気センサ、音センサから推定することよって、インダクタ同士の相対位置が所望の位置関係になったことを検出しても良い。あるいは、送電用のインバータ(交流信号源)や共振回路(受電回路あるいは送電回路)におけるキャパシタや抵抗等の素子にかかる電圧または電流、または送電用または受電用のインダクタに発生する電界または磁界を観測することによって、所望の位置関係になったことを検出してもよい。
図8に光センサを用いた終了判定の例を示す。地板90に配置された第一インダクタ91の一部、たとえば第一インダクタ91の中心に光源(発光体)92が配置されている。光源92は、たとえばLEDである。地板93に配置された第二のインダクタ94の一部、たとえばインダクタ94の中心に受光素子95が配置されている。
なお、第二のインダクタ94は、地板93の上面(地板90に対向する側と反対側の面)または下面(地板90に対向する側の面)のいずれの側に設けられてもよい。上面に設けられる場合、第二のインダクタ94が配置される地板93の部分は、誘電体で構成されていてもよいし、切り欠いていてもよい。切り欠き部が大きい場合は、任意の手段で第二のインダクタ94を、切り欠き部から落下しないように、支持すればよい。
受光素子95は、たとえばフォトダイオードである。位置合わせモードの間には、発光体92を発光状態に設定し、受光素子95も受光可能な状態に設定する。受光素子95があるしきい値を超える光を検出した場合に、所望の位置関係になったことを検出し、位置合わせを終了する。
位置合わせが終了した後、電力伝送モードに切り替え(S104)、第二のインピーダンス条件を設定する(S105)。たとえば、交流電力の周波数が、送電回路および受電回路の共振周波数に一致、またはこれに近くなるようにする。この状態で、送電装置から受電装置へ無線電力伝送を行う。
上述したように、電力の伝送方式は、たとえば磁気共鳴方式、または電磁誘導方式が可能である。以下、磁気共鳴方式での電流位相の関係、および電磁誘導の電流位相の関係について説明する。
図9(a)に磁気共鳴型無線電力伝送回路の回路図、図9(b)に電磁誘導型無線電力伝送回路の回路図を示す。それぞれのインダクタのインダクタンスをL、結合係数k、角周波数ωとする。また図9(a)の2次側の直列共振キャパシタのキャパシタンスをC、2次側の負荷の値をRとする。両回路の結合部の等価回路を図9(c)に示す。この等価回路から一次側の電流および電圧と、2次側の電流および電圧の関係を以下の式(1)のように求める。なお計算にあたり、図9(d)に示すような、図9(c)と等価な回路を用いた。
Figure 2014220893
図9(a)のような2次側で直列共振を起こす磁気共鳴型の無線電力伝送系のV, Iの関係は式(2a)のようになる。図2(b)のような電磁誘導型の無線電力伝送装置でのV, Iの関係は式(2b)のようになる。
Figure 2014220893
式(2a)と、式(1)のI・Iの関係式とから、磁気共鳴型のIとIの関係を求めると、式(3a)が得られる。同様に、式(2b)と、式(1) のI・Iの関係式から、電磁誘導型のIとIの関係を求めると、式(3b)が得られる。
Figure 2014220893
直列共振時(送電時)は、磁気共鳴型では
Figure 2014220893
また
Figure 2014220893
と置くと、式(3)から式(4a)が得られる。
Figure 2014220893
一般的に磁気共鳴ではkQが大きくなるように設計されることから、IとIの位相差は90°(π/2)に近い。つまり、磁気共鳴ではIとIの位相差は90°(π/2)に近い状態で電力伝送を行う(図6参照)。位置合わせ時には、図6に示した位相関係で斥力または引力を発生させることができる。
一方、電磁誘導では
Figure 2014220893
が小さい範囲で電力伝送を行うため、IとIの位相差は0°に近い。つまり、磁気共鳴ではIとIの位相差は0°に近い状態で電力伝送を行う。斥力または引力が発生する位相は、図6に示したものとは異なるが、図6を用いて説明したのと同様の理論で、位相差の調整で、引力または斥力を発生させることができる。
このように、いずれの方式の場合も、共振周波数や負荷(インピーダンス)を変更することで、位相差を変えることができ、引力および斥力を発生させることができる。このように、本実施形態は、磁気共鳴方式や電磁誘導方式等、任意の種類の電力伝送方式に適用可能である。
(第二の実施形態)
図10に送電用インダクタ(1次側インダクタ)および受電用インダクタ(2次側インダクタ)間の結合係数kを模式的に示す。また、図11に、負荷インピーダンスを一定にし、結合係数を変更して周波数信号源の周波数を掃引した時の送電側および受電側に流れる電流の相対値(図11(A)、図11(B))と、送電用インダクタおよび受電用インダクタに流れる電流位相差(図11(C))を示す。この例では、受電回路は250kHz付近で共振する。
送電用インダクタと受電用インダクタの間の結合係数が小さいとき、送電用インダクタの両端に交流電圧を印加すると、共振周波数付近で最も送電側から受電側に電力が送れ、インダクタに電流が流れる。結合係数が大きくなると、特徴点が共振周波数より低い周波数と高い周波数に特徴点が現れる。結合係数の増大とともに特徴点の周波数が共振周波数から両側に離れていく。
そこで、本実施形態では、位置合わせモード時にある負荷インピーダンスに一定に設定し、第一の周波数から第二の周波数に交流信号源の周波数を掃引する。
たとえば引力を利用するときは、共振周波数付近の周波数から、これより高い第1の周波数に向けて、周波数を順次掃引する。斥力を利用するときは、当該共振周波数以下の第2の周波数から共振周波数付近の周波数へ向けて、周波数を順次掃引する。このような掃引により、インダクタ同士の相対位置が変化することに伴う結合係数kの変化による特徴点の周波数移動に対応することができ、より大きな引力または斥力を利用できる。特徴点を越えると電流の微分が負になることを利用して、微分値が負になるのを抑制するように(微分値が正になるのを維持するように)掃引を行ってもよい。途中で負になった場合は、0または正になるまで周波数の掃引を待機してもよい。
図12に、周波数の掃引の例を示す。
負荷インピーダンス値は固定にした状態で、交流信号源の発振周波数を連続的に掃引する。図示の例では、共振周波数付近の250kHzから、400kHzまで、発振周波数を一定の速度で掃引している。これにより、インダクタ同士の距離が近くなることによる結合係数の増大に応じて、特徴点となる周波数が高い値に移動することに対応して、効率的な位置合わせが可能となる。400kHzまで掃引した後、位置合わせを終了し、送電モードに移行する。送電モードでは250kHzで無線電力伝送を実行している。なお、送電モードでは、負荷インピーダンスの値を、位置合わせ時とは値に変更してもよい。
図13は本実施形態に係る動作の一例のフローチャートである。
あらかじめ第一の周波数と第二の周波数を定め、これらの周波数間を掃引できる周波数可変の交流信号源を用いる。上述した図12の例では、第一の周波数が250kHz、第二の周波数が400kHzに対応する。
この周波数可変の信号源の出力を第一の周波数から第二の周波数へ掃引することにより(S201、S202)、インダクタ同士間の相対位置を変化させる。第一の周波数、第二の周波数はあらかじめ設定してもよいし、インダクタの結合係数や、第一の装置の電流値や、第二の装置の電圧や、第一の装置と第二の装置の相対位置関係や、第一または第二の装置の最大電圧、第一または第二の装置の最大電流、第一または第二の装置の最大電流などから、対照表を参照して決定してもよいし、計算によりもとめてもよい。なお、第一の装置は、送電装置および受電装置のうちの一方であり、第二の装置はこれらのうちの他方である。
第一の周波数から第二の周波数まで掃引したら、インダクタ同士の相対位置が所望の範囲に入ったかを判断し(S203)、所望の範囲に入っている場合は、位置合わせモードを終了し、送電モードに移行する。所望の範囲に入っていない場合は、交流信号源の出力電流が上限に達したかを判断し(S204)、上限に達していれば、位置合わせモードを終了する。この場合、送電モードに移行しなくてもよい。上限に達していなければ、出力電流を大きな値にして、ステップS201に戻る。出力電流を大きくすることで、より大きな引力または斥力を得ることができる。あるいは、相対位置が所望の範囲に入っていない場合に、より遅い速度で周波数を掃引してもよい。これによりインダクタが移動しやすくなる利点がある。出力電流の増大と掃引速度の低下の両方を行う構成も可能である。
(第三の実施形態)
第二の実施形態では、発振周波数を掃引することで、インダクタ間の位置合わせを行ったが、インピーダンス値を掃引することで、インダクタ間の位置合わせを行っても良い。インピーダンス値を掃引することで共振周波数が変動するため、第二の実施形態と同様の効果を得ることができる。
図14は本実施形態に係る動作の一例のフローチャートである。
インピーダンス素子のインピーダンス値を第一のインピーダンス値に設定し(S301)、第一の周波数の交流電力を出力する(S302)。第一のインピーダンス値から第二のインピーダンス値までインピーダンス素子の値を掃引する(S303)。これによりインダクタ同士の相対位置を変化させる。
第一のインピーダンス値および第二のインピーダンス値はあらかじめ設定してもよいし、インダクタ間の結合係数や、第一の装置の電流値や、第二の装置の電圧や、第一の装置と第二の装置の相対位置関係や、第一または第二の装置の最大電圧、第一または第二の装置の最大電流、第一または第二の装置の最大電流などから、対照表を参照して決定してもよいし、計算によりもとめてもよい。なお、第一の装置は、送電装置および受電装置のうちの一方であり、第二の装置はこれらのうちの他方である。
第一のインピーダンス値から第二のインピーダンス値までインピーダンス値を掃引したら、インダクタ同士の相対位置が所望の範囲に入ったかを判断し(S304)、所望の範囲に入っている場合は、位置合わせモードを終了して、送電モードに移行する。所望の範囲に入っていない場合は、交流信号源の出力電流が上限に達したかを判断し(S305)、上限に達していれば、位置合わせモードを終了する。この場合、送電モードに移行しなくてもよい。上限に達していなければ、出力電流を大きな値にして(S306)、ステップS301に戻る。出力電流を大きくすることで、より大きな引力または斥力を得ることができる。あるいは、相対位置が所望の範囲に入っていない場合に、より遅い速度でインピーダンス値を掃引してもよい。これによりインダクタが移動しやすくなる利点がある。出力電流の増大と掃引速度の低下の両方を行う構成も可能である。
(第四の実施形態)
図15は、本実施形態に係る無線電力伝送システムの構成の一部を示す。通信回路、モード切替部、インピーダンス制御部等の図示は省略している。
送電回路は、固定周波数の交流信号源201と、送電用インダクタ202を含む。
受電回路は、受電用インダクタ203と、キャパシタ204と、スイッチ205と、整流回路206と、電源貯蓄回路207を備える。キャパシタ204の一端は受電用インダクタ203に接続され、キャパシタ204の他端は、スイッチ205によって、受電用インダクタ203の他端と、整流回路206とに接続先が切り替え可能である。スイッチ205は、図示しないインピーダンス制御部またはモード切替部により制御可能である。
位置合わせモード時は、キャパシタ204の他端を、受電用インダクタ203の他端に接続することで、位置合わせ用のインピーダンス条件を生成する。この状態で送電側の交流信号源から交流電力を供給して、位置合わせを行い、送電用インダクタと受電用インダクタの相対距離を短くする。なお、このときインダクタ203の他端をグランドに接続して、受電した電力を廃棄してもよい。
送電モード時は、キャパシタ204の他端を、整流回路206に接続する。これにより、送電モード用のインピーダンス条件を生成する。この状態で、無線電力伝送を行う。受電側で受電した交流電力は、整流回路206で整流され、直流電力が電源貯蔵回路207に供給される。電源貯蔵回路207は、供給された電力を内部に蓄積する。電源貯蔵回路207の代わりに、電力を消費する負荷を設けても良い。
図16は、本実施形態に係る無線電力伝送システムの他の構成の一部を示す。
送電回路は、固定周波数の交流信号源211と、キャパシタ212と、送電用インダクタ213を含む。
受電回路は、受電用インダクタ214と、可変容量キャパシタ215と、負荷216と、スイッチ217とを含む。
送電モードおよび位置合わせモード時は、スイッチ217をオフにした状態で、無線電力伝送を行う。可変容量キャパシタ215の値を変更することでインピーダンス条件を変更する。
ここで、所定の異常状態が発生した場合は、スイッチ217をオンにして、受電用インダクタ214の両端間を接続することで、両インダクタ間に斥力を発生させる。これにより、インダクタ間を離す。これにより結合係数が低下し、伝送が停止、または伝送効率が低下する。所定の異常状態としては、送電装置または受電装置の温度、送電電力の値、外力、受電電力、インダクタ間の距離がそれぞれ閾値を超えたことや、異物の侵入、漏電等などがある。所定の異常状態の検知方法として、センサを送電装置または受電装置に設け、モード切替部または制御部が、センサの出力に基づき異常状態を検知する構成が可能である。この場合、モード切替部または制御部は、所定の異常状態を検知したら、スイッチ217をオンにするように動作する。
(第五の実施形態)
図17は、本実施形態に係る無線電力伝送システムの概略図である。
送電装置における基板301の下面に車輪302が設けられ、レール303上を、x、y、θの3軸アクチュエータ、2軸アクチュエータまたは1軸アクチュエータ等で移動可能になっている。基板301の表面には、送電用インダクタとしての重量コイル(送電コイル)304を含む送電回路、および位置合わせ用センサ(図示せず)が設けられている。重量コイル304と対向するように軽量コイル305が配置されている。
受電装置には、受電用インダクタ(受電コイル)308を含む受電回路が地板309の上面または下面に配置されている。
基板301をレール303上で移動させて、位置合わせ用センサを用いて軽量コイル305と受電コイル308との位置合わせ(粗位置合わせ)を行う。たとえばセンサ307から電磁波等を照射し、その反射波を測定することで、受電コイル308の位置検出を行うことができる。粗位置合わせを行ったら、これまで述べてきた位置合わせ手法により、受電コイル308および軽量コイル305間の位置合わせを行う。位置合わせ後、重量コイル304と受電コイル308間で、軽量コイル305を介して無線電力伝送を行う。軽量コイル305は重量コイル304に対してあらかじめ定めた範囲内でのみ可動となっており、この範囲内では軽量コイル305と重量コイル304とは効率的な電力伝送が可能である。あるいは、軽量コイル305の位置を固定して、重量コイル304をこれまで述べてきた手法で軽量コイル305と位置合わせしてもよい。
本実施形態の手法によれば、精度の高いアクチュエータやセンサを不要にしたり、軸数の高いアクチュエータを不要にできる。また、受電コイル308と重量コイル304間の距離が離れていても、軽量コイルを介在させることで、位置合わせが容易になる(距離が離れていると引力または斥力の大きさは小さくなる)。
本実施形態の変形例として、送電装置をユーザが手動で移動し、所定の使用可能範囲に送電装置が入っていることを確認してから、本手法によるインダクタの位置合わせを行ってもよい。たとえば受電装置側に受光素子、送電装置側に光源を配置し、光源を発光させた状態で、送電装置を移動させる。受光素子が発光したら、所定の使用可能範囲に入ったとユーザは判断し、その場所に送電装置を固定し、本手法の実行を送電装置または受電装置に指示する。
(第六の実施形態)
図18は、本実施形態に係る無線電力伝送システムの概略図である。
送電装置において、基板401の表面には、送電用インダクタ(送電コイル)402を含む送電回路が設けられている。基板401は、地板403上に置かれている。地板403には、基板401の裏面に液体または気体を出射するための複数の出射手段404が形成されている。出射孔404から液体または気体を出射する出射手段が地板403の裏面に設けられている。出射手段は、インダクタの移動を抑制または移動を容易にする調整手段の一例である。
受電装置には、受電用インダクタ(受電コイル)408を含む受電回路が地板409の上面または下面に配置されている。
本実施形態では、出射孔404から液体または気体を出して基板403と地板403間の摩擦係数を低下させた状態で、送電コイルおよび受電コイル間の位置合わせを行う。なお、送電コイルは基板401に固定されており、位置合わせでは基板401が移動する。これにより、基板401と地板403の摩擦係数を低減して、基板401を移動させ易くした状態で、位置合わせが可能となる。位置合わせ終了後は、液体または気体の出射を停止し、送電を開始すう。送電時には、基板401と地板403の摩擦係数により、基板401の位置ぶれは抑制され、安定した送電が可能となる。
図18に示した例では、送電用のインダクタの位置合わせ構成を示したが、受電用インダクタについても同様の構成を適用してもよい。以降に説明する本実施形態および他の実施形態の例も同様である。
図19は、本実施形態に係る無線電力伝送システムの他の例の概略図である。地板403の各端辺に沿って壁407が形成され、地板403に導入孔406が形成されている。導入孔406から液体を注入する注入手段が地板403の裏面に設けられている。注入手段は、インダクタの移動を抑制または移動を容易にする調整手段の一例である。
導入孔406から液体を一定量または一定時間出して、地板403と壁407により形成される容器内に液体を貯める。容器内の液体により、送電コイルを載せた基板401の下部は液体に浸された状態となり、基板401と地板403間の摩擦係数は低下させられる。この状態で、位置合わせを行う。これにより、基板401を移動させ易くした状態での位置合わせが可能になる。位置合わせ終了後は、導入孔406から液体を容器内から流出させて、基板401と地板403間の摩擦係数を上昇させる。この状態で、送電を開始する。送電時には、基板401の位置がぶれは抑制され、安定した送電が可能となる。
なお図19に示した例では、インダクタが基板401上に配置されていたが、インダクタが地板403に直接配置されていてもかまわない。
(第七の実施形態)
図20は、本実施形態に係る無線電力伝送システムの概略図である。
受電装置には、受電用インダクタ(受電コイル)507を含む受電回路が地板506の上面または下面に配置されている。
送電装置において、基板501の表面には、送電用インダクタ(送電コイル)502を含む送電回路が設けられている。基板501は、複数の支持手段(調整手段)によって、空中に支持されている。各支持手段は、糸506と滑車505と重り504とを含む。各糸の一端は基板501の側面に固定され、他端には重り504が取り付けられている。各糸は、途中で滑車505にかけられており、各重り504が重力によって基板501を4方向に引っ張ることで、基板501が空中に支持されている。各滑車は糸がかけられる部分に一定の幅を有し、この範囲内で糸は移動可能である。各滑車は、外部からの制御で、回転が容易(あるいは回転可能)な状態と、回転が固定(あるいは回転不能に)された状態をとることができる。
位置合わせ時は各滑車を回転が容易な状態にして、送電コイルおよび受電コイル間の位置合わせを行う。これにより基板501の移動を容易にする。位置合わせ終了したら、各滑車を固定する。この状態で、送電を行うことで、基板501の位置ぶれを抑制した、安定した送電が可能となる。
(第八の実施形態)
図21は、本実施形態に係る無線電力伝送システムの概略図である。
受電装置には、受電用インダクタ(受電コイル)607を含む受電回路が地板606の上面または下面に配置されている。
送電装置において、基板601の表面には、送電用インダクタ(送電コイル)602を含む送電回路が設けられている。基板601は地板603に置かれている。地板603の表面には短冊状の溝が形成され、溝の形状に沿って、滑り止め部材604が配置されている。滑り止め部材604を地板603の表面より低い状態に埋め込まれた状態と、地板603の表面から突出させた状態する調整手段を、モード切替回路605は制御する。地板603の表面から突出した状態では、滑り止め部材604は、基板602の裏面に接触し、これにより、基板601の裏面の摩擦係数を高くできる。滑り止め部材は、たとえば、摩擦係数の高い材質、たとえばゴムや表面に凹凸のついた素材の部材などを用いることができる。なお、滑り止め部材を用いる以外の方法として、電界や磁界の発生によって基板602の位置を固定することも考えられる。
位置合わせ時には、滑り止め部材を、地板603の下に埋め込んだ状態にする。この状態で位置合わせを行うことで、基板601の裏面の摩擦係数が小さくなるため、基板601が動きやすく、位置合わせが容易になる。位置合わせが終了したら、滑り止め部材を地板603の面から突出させて、基板601の裏面の摩擦係数を高くする。この状態で、送電を実行することで、基板601の位置ぶれは抑制され、安定した送電が可能となる。
図22と図23に、位置合わせ終了時に、コイル(ここでは送電コイルを想定するが、受電コイルの場合も可能である)の位置を固定する処理を追加したフローを図22と図23に示す。これらの図は、それぞれ、図13、図14に、インダクタ(コイル)の位置を固定するステップS206、S307を追加したものである。同様のステップを、図7のステップS103の後に追加してもよい。当該ステップ以外の処理は、図13、図14と同様であるため説明を省略する。図22および図23のフローは、上述した第六の実施形態にも適用可能である。
(第九の実施形態)
図24は、本実施形態に係る無線電力伝送システムの概略図である。
地板704に、複数の受電用インダクタ705を含む受電回路が設けられる。各受電用インダクタ705の位置は固定されている。送電側の地板702に、少なくとも1つの送電用インダクタ703を含む送電回路が設けられる。モード切替部701により位置合わせモードを実行すると、送電用インダクタ703は、複数の受電用インダクタ705のうちの1つと自律的に位置合わせされる。たとえば最も引力が強く働く受電用インダクタに引き寄せられる。
図25は、本実施形態に係る無線電力伝送システムの他の構成例の概略図である。
地板714に、複数の受電用インダクタ715を含む受電回路が設けられる。各受電用インダクタ715は、位置合わせ時に地板714上で移動可能になっている。送電側の地板712に、送電用インダクタ713を含む送電回路が設けられる。送電用インダクタ713の位置は固定されている。モード切替部711により位置合わせモードを実行すると、複数の受電用インダクタ705のうちの1つが、送電用インダクタ713と自律的に位置合わせされる。たとえば、最も引力が強く働く受電用インダクタが、送電用インダクタ713に引き寄せられる。なお、複数の受電用インダクタ715の全部ではなく、2つ以上の任意の個数の受電用インダクタ(たとえば送電用インダクタと距離が最も近いN個の受電用インダクタ)を位置合わせモードに設定してもよい。
図26は、本実施形態に係る無線電力伝送システムのさらに他の構成例の概略図である。
地板724に、受電用インダクタ725を含む受電回路が設けられる。受電用インダクタ725の位置は固定されている。送電側の地板722に、複数の送電用インダクタ723を含む送電回路が設けられる。各送電用インダクタ723は、位置合わせ時に地板722上で移動可能になっている。モード切替部721により位置合わせモードを実行すると、複数の送電用インダクタ722のうちの1つが、受電用インダクタ725と自律的に位置合わせされる。たとえば、最も引力が強く働く送電用インダクタが受電用インダクタ725に引き寄せられる。なお、複数の送電用インダクタ723の全部ではなく、2つ以上の任意の個数の送電用インダクタ(たとえば受電用インダクタと距離が最も近いN個の送電用インダクタ)を位置合わせモードにしてもよい。
図27は、本実施形態に係る無線電力伝送システムのさらに他の構成例の概略図である。
地板734に、受電用インダクタ735を含む受電回路が設けられる。受電用インダクタ735は、位置合わせ時に地板734上で移動可能になっている。送電側の地板732に、複数の送電用インダクタ733を含む送電回路が設けられる。各送電用インダクタ733の位置は固定されている。モード切替部721により位置合わせモードを実行すると、受電用インダクタ735は、複数の送電用インダクタ733のうちの1つと自律的に位置合わせされる。たとえば、受電用インダクタ735は、最も引力が強く働く送電用インダクタ733に引き寄せられる。
(第十の実施形態)
図28(A)、図28(B)、図28(C)、図28(D)、図28(E)、図28(F)は、本実施形態に係る無線電力伝送システムの例を示す。各図において、それぞれ送電用インダクタまたは受電用インダクタに対し、空気よりも透磁率が高い磁性体が配置されている。磁性体としては、たとえばフェライトを用いることができる。磁性体を配置することで結合係数kを高くして、引力または斥力を大きくできる。
図28(A)において、地板801に送電用インダクタ802を含む送電回路が配置され、地板803に受電用インダクタ804を含む受電回路が配置されている。本例では、受電用インダクタ804の巻線の一部の上面に対向するように、磁性体805が配置されている。なお、巻線の側面に対向するように、磁性体が配置されてもよい。
図28(B)において、受電用インダクタ804と送電用インダクタ802との間に磁性体806が配置されている。それ以外の構成は図28(A)と同じである。磁性体806は、送電装置側、受電装置側のいずれに含まれてもよく、あるいは、両装置の間に独立して存在してもよい。
図28(C)において、受電用インダクタ804の内側に磁性体807が配置されている。それ以外の構成は図28(A)と同じである。
図28(D)において、受電用インダクタ804の両面のうち、送電用インダクタ802と反対側の面を覆うように、磁性体808が配置されている。それ以外の構成は図28(A)と同じである。
図28(E)において、送電用インダクタ802と地板801との間に磁性体809が配置されている。それ以外の構成は図28(A)と同じである。
図28(F)において、受電用インダクタ804と送電用インダクタ802の両方を包含するように中空の柱状の磁性体810が配置されている。それ以外の構成は図28(A)と同じである。
(第十一の実施形態)
図29は、本実施形態に係る無線電力伝送システムの例を示す。
地板901に、送電用インダクタ902を含む送電回路が配置され、地板903に、受電用インダクタ904を含む受電回路が配置されている。送電用インダクタ902および受電用インダクタ904は、楕円形や多角形など、非回転対称の平面形状を有する。
このようなインダクタ同士を位置合わせすることで、x、y、z方向の位置合わせのみならず、θ方向(回転方向)の位置合わせも、自己整合的に行われる。
図30は、本実施形態に係る無線電力伝送システムの例を示す。送電用インダクタ912および受電用インダクタ914の形状として、非回転対称の形状の別の例が示される。これ以外は、図29の構成と同様である。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。

Claims (22)

  1. 第一のインダクタと、前記第一のインダクタに交流電力を供給する交流信号源とを備える第一の無線電力伝送装置と
    前記第一のインダクタから無線で前記交流電力を受ける第二のインダクタを備える第二の無線電力伝送装置と、
    に対する制御装置であって、
    前記第一および第二のインダクタ間に引力または斥力を発生させるように、前記第一のインダクタおよび前記第二のインダクタを流れる電流の位相関係を制御し、前記引力または斥力を利用して、前記第一のインダクタおよび第二のインダクタの相対位置を調整する位置制御部、
    を備えた制御装置。
  2. 前記位置制御部は、
    前記交流信号源の発振周波数、および
    前記第二のインダクタを含む第二の回路のインピーダンス値の少なくとも1つ
    を変更することにより、前記位相関係を制御する
    請求項1に記載の制御装置。
  3. 前記位置制御部は、前記交流信号源の発振周波数、及び前記第二の回路のインピーダンス値の少なくとも1つを、一定の範囲で掃引する
    請求項2に記載の制御装置。
  4. 前記位置制御部は、前記掃引を行った後、前記相対位置が所定の範囲に収まったか確認し、前記所定の範囲に収まっていない場合は、前記掃引を再度繰り返す
    請求項3に記載の制御装置。
  5. 前記位置制御部は、前記再度の掃引を行う際は、前記掃引の速度を前回の掃引のときよりも遅くする
    請求項4に記載の制御装置。
  6. 前記位置制御部は、前記再度の掃引を行う際は、前記交流信号源の出力を前回の掃引のときよりも大きくする
    請求項4または5に記載の制御装置。
  7. 前記位置制御部は、前記第一の回路または第二の回路の共振周波数付近の周波数から、前記周波数より大きい第1の周波数へ向けて前記発振周波数を掃引、または、前記共振周波数より小さい第2の周波数から前記共振周波数付近の周波数へ向けて前記発振周波数を掃引する
    請求項3ないし6のいずれか一項に記載の制御装置。
  8. 前記位置制御部は、前記第一の回路の送電電流または前記第二の回路の受電電流の微分値が負の値になるのを抑制するように前記掃引の速度を制御する
    請求項3ないし7のいずれか一項に記載の制御装置。
  9. 前記位置制御部は、アクチュエータを駆動して前記第一のインダクタまたは前記第二のインダクタを移動させることにより前記第一および第二のインダクタの相対位置を調整し、その後、前記位相関係の制御を行うことにより前記第一のインダクタおよび第二のインダクタの相対位置を調整する
    請求項1ないし8のいずれか一項に記載の制御装置。
  10. 前記位置制御部は、センサを用いて前記第一および第二のインダクタの位置関係を検出し、検出した位置関係をユーザに通知し、ユーザによって前記第一および第二のインダクタの位置関係が調整された後、前記位相関係の制御を行うことにより前記第一のインダクタおよび第二のインダクタの相対位置を調整する
    請求項1ないし8のいずれか一項に記載の制御装置。
  11. 前記位置制御部は、前記第一のインダクタまたは前記第二のインダクタの移動を抑制するまたは前記移動を容易にする調整手段を制御し、
    前記位置制御部は、前記第一のインダクタまたは前記第二のインダクタの移動を容易した状態で前記位相関係の制御を行うことにより前記第一のインダクタおよび第二のインダクタの相対位置の調整を行い、調整後、前記第一のインダクタまたは前記第二のインダクタの移動を抑制する
    請求項1ないし8のいずれか一項に記載の制御装置。
  12. 前記調整手段は、前記第一のインダクタまたは前記第二のインダクタを搭載した基板の裏面に液体および気体の少なくとも1つを出射する出射手段を含み、
    前記位置制御部は、前記基板の裏面に液体および気体の少なくとも1つを出射することで前記基板の移動を容易にし、前記出射を停止することで、前記基板の移動を抑制する
    請求項11に記載の制御装置。
  13. 前記調整手段は、前記第一のインダクタまたは前記第二のインダクタを搭載した基板を収容した容器内に液体を注入する注入手段を含み、
    前記位置制御部は、前記容器内に液体を注入して前記基板を液体に浸すことで前記基板の移動を容易にし、前記容器内の液体を外部に流出させることで、前記基板の移動を抑制する
    請求項11に記載の制御装置。
  14. 前記調整手段は、一端に重しが結合され、他端が前記基板の複数の側面に結合された複数の糸を、前記基板の複数の側面に対応して配置された複数の滑車にかけることで、前記基板を支持する支持手段を含み、
    前記位置制御部は、前記支持手段における各滑車の回転を固定することで、前記基板の移動を抑制し、前記各滑車の回転を容易にすることで前記基板の移動を容易にする
    請求項11に記載の制御装置。
  15. 前記調整手段は、前記第一または第二のインダクタを搭載した基板の裏面に摩擦係数の高い部材を接触させる手段を含み、
    前記位置制御部は、前記部材を前記基板の裏面に接触させることで前記基板の移動を抑制し、前記部材を前記基板の裏面から離すことで、前記基板の移動を容易にする
    請求項11に記載の制御装置。
  16. 前記第一の無線電力伝送装置は、複数の第一のインダクタを含み、
    前記位置制御部は、前記複数の第一のインダクタに対し同時に前記掃引を行うことにより前記第一のインダクタのうちの1つを前記第二のインダクタに自律的に位置合わせさせる
    請求項3ないし8のいずれか一項に記載の制御装置。
  17. 前記第二の無線電力伝送装置は、複数の第二のインダクタを含み、
    前記位置制御部は、前記複数の第二のインダクタに対して同時に前記掃引を行うことにより前記第二のインダクタのうちの1つを前記第一のインダクタに対し自律的に位置合わせさせる
    請求項3ないし8のいずれか一項に記載の制御装置。
  18. 第一のインダクタと、前記第一のインダクタに交流電力を供給する交流信号源とを備える第一の無線電力伝送装置と
    前記第一のインダクタから無線で電力を受ける第二のインダクタを備える第二の無線電力伝送装置と、
    前記第一および第二のインダクタ間に引力または斥力を発生させるように、前記第一のインダクタおよび前記第二のインダクタを流れる電流の位相関係を制御し、前記引力または斥力を利用して、前記第一のインダクタおよび第二のインダクタの相対位置を調整する制御装置と、
    を備えた無線電力伝送システム。
  19. 前記第一のインダクタまたは前記第二のインダクタの巻線の近傍に配置された、空気よりも透磁率の高い磁性体
    をさらに備えた請求項18に記載の無線電力伝送システム。
  20. 前記第一のインダクタおよび前記第二のインダクタは非回転対称の形状を有する
    請求項18に記載の無線電力伝送システム。
  21. 交流電力を生成する交流信号源と、
    前記交流電力を無線により他の無線電力伝送装置のインダクタに供給するインダクタと、
    前記インダクタおよび前記他の無線電力伝送装置のインダクタ間に引力または斥力を発生させるように、前記インダクタおよび前記他の無線電力伝送装置のインダクタを流れる電流の位相関係を制御し、前記引力または斥力を利用して、前記インダクタおよび前記他の無線電力伝送装置のインダクタの相対位置を調整する位置制御部と、
    を備えた無線電力伝送装置。
  22. 他の無線電力伝送装置のインダクタから無線で交流電力を受けるインダクタと、
    前記他の無線電力伝送装置のインダクタおよび前記インダクタ間に引力または斥力を発生させるように、前記他の無線電力伝送装置のインダクタおよび前記インダクタを流れる電流の位相関係を制御し、前記引力または斥力を利用して、前記他の無線電力伝送装置のインダクタおよび前記インダクタの相対位置を調整する位置制御部と、
    を備えた無線電力伝送装置。
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