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JP2014211541A - 微細パターンの形成方法 - Google Patents

微細パターンの形成方法 Download PDF

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JP2014211541A JP2013087872A JP2013087872A JP2014211541A JP 2014211541 A JP2014211541 A JP 2014211541A JP 2013087872 A JP2013087872 A JP 2013087872A JP 2013087872 A JP2013087872 A JP 2013087872A JP 2014211541 A JP2014211541 A JP 2014211541A
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泰一 古川
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Abstract

【課題】LWRが小さくかつ良好な形状のレジストパターン及び無機物パターンを形成し、被加工基板に良好なパターンを形成することができる微細パターンの形成方法の提供を目的とする。【解決手段】本発明は、(1)被加工基板上にフォトレジスト組成物を塗布し、レジスト膜を形成する工程、(2)上記レジスト膜を露光する工程、(3)上記露光されたレジスト膜を有機溶媒を含有する現像液を用いて現像し、ネガ型のレジストパターンを形成する工程、(4)上記レジストパターン表面を被覆するよう無機物層を形成する工程、(5)上記無機物層をエッチバックして、上記レジストパターンの側壁に形成された部分以外の部分を除去する工程、及び(6)上記レジストパターンを除去し、無機物パターンを形成する工程を有する微細パターンの形成方法である。【選択図】図1

Description

本発明は、微細パターンの形成方法に関する。
半導体デバイス等の高集積化に伴い、従来より、さらに微細なパターン形成が要求されるようになってきており、特に最近では、露光光における限界解像度より小さいパターンサイズの形成が要求されている。この要求を満たすことができる技術として、種々の方法が検討されており、例えば、まず基板上にレジストパターンを形成し、その側面に無機物層(側壁パターン)を形成した後、レジストパターンを除去し、この無機物層をマスクとして被加工基板をエッチングにより加工することにより、微細なパターンを形成する方法が知られている(特開2009−16814号公報参照)。
しかし、上記従来の方法では、微細なパターンを形成することはできるものの、被加工基板に、高い精度のサイズ及び形状を有する良好なパターンを形成することが難しいという不都合があり、これを解消して、良好なパターンを形成する方法が望まれている。
特開2009−16814号公報
本発明は以上のような事情に基づいてなされたものであり、その目的は、LWRが小さくかつ良好な形状のレジストパターン及び無機物パターンを形成し、被加工基板に良好なパターンを形成することができる微細パターンの形成方法を提供することにある。
上記課題を解決するためになされた発明は、
(1)被加工基板上にフォトレジスト組成物を塗布し、レジスト膜を形成する工程、
(2)上記レジスト膜を露光する工程、
(3)上記露光されたレジスト膜を有機溶媒を含有する現像液を用いて現像し、ネガ型のレジストパターンを形成する工程、
(4)上記レジストパターン表面を被覆するよう無機物層を形成する工程、
(5)上記無機物層をエッチバックして、上記レジストパターンの側壁に形成された部分以外の部分を除去する工程、及び
(6)上記レジストパターンを除去し、無機物パターンを形成する工程
を有し、
上記フォトレジスト組成物は、
[A]酸解離性基を含む構造単位(I)と、ラクトン構造、環状カーボネート構造及びスルトン構造からなる群より選ばれる少なくとも1種の構造を含む構造単位(II)とを有する重合体、並びに
[B]酸発生体
を含有する微細パターンの形成方法である。
本発明の微細パターンの形成方法によれば、上記各工程を有し、かつフォトレジスト組成物として、上記組成を有するものを用いることで、LWRが小さくかつ良好な形状のレジストパターン及び無機物パターンを形成することができ、その結果、被加工基板に良好な微細パターンを形成することができる。当該微細パターンの形成方法が上記構成を有することで上記効果を発揮する理由については必ずしも明確ではないが、例えば、(3)工程において有機溶媒を含有する現像液を用いて現像を行い、かつ用いるフォトレジスト組成物を構成する重合体として、構造単位(I)と構造単位(II)とを有するものを採用することにより、従来のアルカリ現像等による方法に比べて、LWRがより小さく、かつ矩形性の高い良好な形状のレジストパターンを形成することができること、また、上記現像方法を用いることで、形成されるレジストパターンを構成する重合体が極性基を有するため、無機物パターンを良好に形成できること等が考えられる。
(7)上記無機物パターンをマスクとして、被加工基板をドライエッチングする工程
をさらに有することが好ましい。
当該微細パターンの形成方法によれば、上記工程をさらに有することで、形成されたLWRが小さい良好な無機物パターンに基づいて、被加工基板に良好なパターンを確実に形成することができる。
上記無機物層は、CVD法又はALD法により形成されることが好ましい。
当該微細パターンの形成方法によれば、上記無機物層を上記特定の方法で形成することで、形成される無機物層のLWRをより小さくすることができ、その結果、被加工基板にさらに良好なパターンを形成することができる。
以上説明したように、本発明の微細パターンの形成方法によれば、LWRが小さくかつ良好な形状のレジストパターン及び無機物パターンを形成し、被加工基板に良好なパターンを形成することができる。
本発明の微細パターンの形成方法の一実施形態を示す概略工程図である。
<微細パターンの形成方法>
本発明の微細パターンの形成方法は、
(1)被加工基板上にフォトレジスト組成物を塗布し、レジスト膜を形成する工程、
(2)上記レジスト膜を露光する工程、
(3)上記露光されたレジスト膜を有機溶媒を含有する現像液を用いて現像し、ネガ型のレジストパターンを形成する工程、
(4)上記レジストパターン表面を被覆するよう無機物層を形成する工程、
(5)上記無機物層をエッチバックして、上記レジストパターンの側壁に形成された部分以外の部分を除去する工程、及び
(6)上記レジストパターンを除去し、無機物パターンを形成する工程
を有し、
上記フォトレジスト組成物は、
[A]酸解離性基を含む構造単位(I)と、ラクトン構造、環状カーボネート構造及びスルトン構造からなる群より選ばれる少なくとも1種の構造を含む構造単位(II)とを有する重合体(以下、「[A]重合体」ともいう)、並びに
[B]酸発生体
を含有する。
また、当該微細パターンの形成方法は、上記(1)〜(6)工程に加えて、
(7)上記無機物パターンをマスクとして、被加工基板をドライエッチングする工程
をさらに有することが好ましい。
以下、当該微細パターンの形成方法の各工程及び本発明に用いられるフォトレジスト組成物について、順に説明する。
[(1)工程]
本工程では、図1(A)に示すように、被加工基板1上に上記フォトレジスト組成物を塗布し、レジスト膜2を形成する。
被加工基板1としては、例えば、シリコンウェハ、アルミニウムで被覆されたウェハ等の従来公知の基板等が挙げられる。
なお、被加工基板1上に、まず中間層を形成し、この中間層の上に上記レジスト膜2を形成してもよい。上記中間層としては、例えば、導電性ポリシリコン膜等の薄膜、特公平6−12452号公報や特開昭59−93448号公報等に開示されている有機系又は無機系の下層反射防止膜等が挙げられる。上記中間層として、2種以上の層以上形成してもよい。
塗布方法としては、例えば回転塗布(スピンコーティング)、流延塗布、ロール塗布等が挙げられる。なお、形成されるレジスト膜の膜厚としては、通常10nm〜1,000nmであり、10nm〜500nmが好ましい。
上記フォトレジスト組成物を塗布した後、必要に応じてプレベーク(PB)によって塗膜中の溶媒を揮発させてもよい。PB温度としては、上記フォトレジスト組成物の配合組成によって適宜選択されるが、通常30℃〜200℃であり、50℃〜150℃が好ましい。PB時間としては、通常5秒〜600秒であり、10秒〜300秒が好ましい。
上記レジスト膜2上には、環境雰囲気中に含まれる塩基性不純物等の影響を防止するために、例えば、特開平5−188598号公報等に開示されている保護膜を設けてもよい。また、液浸露光の際のレジスト膜からの酸発生剤等の流出を防止するために、例えば、特開2005−352384号公報等に開示されている液浸用保護膜を設けてもよい。なお、これらの技術は併用できる。
[(2)工程]
本工程では、図1(A)に示すように、(1)工程で形成されたレジスト膜2に露光光aを照射し、露光を行う。この露光は所望の領域に特定パターンのマスク、及び必要に応じて液浸液を介して縮小投影等をすることにより行う。例えば、所望の領域にアイソラインパターンを有するマスクを介して露光を行うことにより、アイソスペースパターンを形成できる。同様にして、ドットパターンを有するマスクを介して露光を行うことによりホールパターンを形成することができる。また、露光は所望のマスクパターンによって2回以上行ってもよい。2回以上露光を行う場合、露光は連続して行うことが好ましい。複数回露光する場合、例えば所望の領域にラインアンドスペースパターンマスクを介して第1の露光を行い、続けて第1の露光を行った露光部に対してラインが交差するように第2の露光を行う。第1の露光部と第2の露光部とは直交することが好ましい。直交することにより、露光部で囲まれた未露光部においてコンタクトホールパターンを形成することができる。
上記液浸液としては、水、フッ素系不活性液体等が挙げられる。液浸液は、露光波長に対して透明であり、かつレジスト膜上に投影される光学像の歪みを最小限に留めるよう屈折率の温度係数ができる限り小さい液体が好ましい。特に、露光光源がArFエキシマレーザー光(波長193nm)である場合、上述の観点に加えて、入手容易性及び取扱容易性の観点から水が好ましい。
上記露光光としては、[B]酸発生体の種類に応じて適宜選択されるが、例えば、紫外線、遠紫外線、X線、γ線等の電磁波;電子線、α線等の荷電粒子線等が挙げられる。これらの中でも、遠紫外線が好ましく、ArFエキシマレーザー光、KrFエキシマレーザー光(波長248nm)がより好ましく、ArFエキシマレーザー光がさらに好ましい。露光量等の露光条件は、上記フォトレジスト組成物の配合組成や添加剤の種類等に応じて適宜選択される。当該微細パターンの形成方法においては、上述のように露光を複数回行ってもよく、これらの複数回の露光において、同じ光源を用いても異なる光源を用いてもよい。但し、1回目の露光にはArFエキシマレーザー光を用いることが好ましい。
上記露光後にポストエクスポージャーベーク(PEB)を行なうことが好ましい。PEBを行なうことにより、上記フォトレジスト組成物中の酸解離性基の解離反応を円滑に進行することができ、形成されるレジストパターンの形状をより良好にすることができ、その結果、被加工基板に形成されるパターンの形状をより良好にすることができる。PEB温度としては、通常30℃〜200℃であり、50℃〜170℃が好ましい。PEB時間としては、通常5秒〜600秒であり、10秒〜300秒が好ましい。
[(3)工程]
本工程では、(2)工程において露光されたレジスト膜2を有機溶媒を含有する現像液を用いて現像し、図1(B)に示すように、ネガ型のレジストパターン2’を形成する。レジストパターン2’は、複数の壁と、壁間のスペースからなる。本工程で用いられる現像液は、有機溶媒を含有するネガ型現像液である。このネガ型現像液は、含窒素化合物をさらに含有することが好ましい。上記現像液が有機溶媒に加えて含窒素化合物をさらに含有することで、レジスト膜における露光部の現像液不溶性が向上し、膜減りを抑制することが可能となる。ここで、ネガ型現像液とは、低露光部及び未露光部を選択的に溶解・除去させる現像液のことである。上記現像液中の有機溶媒の含有率としては、80質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましく、100質量%がさらに好ましい。現像液中の有機溶媒の含有率を上記範囲とすることで、露光部、未露光部間の溶解コントラストを向上させることができるので、リソグラフィー特性に優れたレジストパターンを形成することができ、その結果、被加工基板に形成されるパターンの形状をより良好にすることができる。なお、上記有機溶媒以外の成分としては、例えば、水、シリコンオイル等が挙げられる。
上記有機溶媒としては、例えば、アルコール系溶媒、エーテル系溶媒、ケトン系溶媒、アミド系溶媒、エステル系有機溶媒、炭化水素系溶媒等が挙げられる。
アルコール系溶媒としては、例えば、
メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、iso−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、n−ペンタノール、iso−ペンタノール、2−メチルブタノール、sec−ペンタノール、tert−ペンタノール、3−メトキシブタノール、n−ヘキサノール、2−メチルペンタノール、sec−ヘキサノール、2−エチルブタノール、sec−ヘプタノール、3−ヘプタノール、n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、sec−オクタノール、n−ノニルアルコール、2,6−ジメチル−4−ヘプタノール、n−デカノール、sec−ウンデシルアルコール、トリメチルノニルアルコール、sec−テトラデシルアルコール、sec−ヘプタデシルアルコール、フルフリルアルコール、フェノール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノール、ベンジルアルコール、ジアセトンアルコール等のモノアルコール系溶媒;
エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、2,4−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2,5−ヘキサンジオール、2,4−ヘプタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール等の多価アルコール系溶媒;
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル等の多価アルコール部分エーテル系溶媒等が挙げられる。
エーテル系溶媒としては、例えば、
ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル等のジ脂肪族エーテル系溶媒;
アニソール、ジフェニルエーテル等の含芳香環エーテル系溶媒;
テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル系溶媒等が挙げられる。
ケトン系溶媒としては、例えば、
アセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、ジエチルケトン、メチル−iso−ブチルケトン、メチル−n−アミルケトン、エチル−n−ブチルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、ジ−iso−ブチルケトン、トリメチルノナノン、アセトフェノン等の鎖状ケトン系溶媒;
シクロペンタノン、シクロヘキサノン、シクロヘプタノン、シクロオクタノン、メチルシクロヘキサノン等の環状ケトン系溶媒;
2,4−ペンタンジオン、アセトニルアセトン等のジケトン系溶媒等が挙げられる。
アミド系溶媒としては、例えば、
N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルプロピオンアミド等の鎖状アミド系溶媒;
N−メチルピロリドン、N,N’−ジメチルイミダゾリジノン等の環状アミド系溶媒等が挙げられる。
エステル系溶媒としては、例えば、
酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸iso−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸iso−ブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸n−ペンチル、酢酸sec−ペンチル、酢酸3−メトキシブチル、酢酸メチルペンチル、酢酸2−エチルブチル、酢酸2−エチルヘキシル、酢酸ベンジル、酢酸シクロヘキシル、酢酸メチルシクロヘキシル、酢酸n−ノニル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、ジ酢酸グリコール、酢酸メトキシトリグリコール、プロピオン酸エチル、プロピオン酸n−ブチル、プロピオン酸iso−アミル、シュウ酸ジエチル、シュウ酸ジ−n−ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−ブチル、乳酸n−アミル、マロン酸ジエチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル等のカルボン酸エステル系溶媒;
酢酸エチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノエチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノプロピルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノブチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコール部分エーテルのカルボン酸エステル系溶媒;
γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等のラクトン系溶媒;
ジエチルカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート系溶媒等が挙げられる。
炭化水素系溶媒としては、例えば、
n−ペンタン、iso−ペンタン、n−ヘキサン、iso−ヘキサン、n−ヘプタン、iso−ヘプタン、2,2,4−トリメチルペンタン、n−オクタン、iso−オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒;
ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、トリメチルベンゼン、メチルエチルベンゼン、n−プロピルベンゼン、iso−プロピルベンゼン、ジエチルベンゼン、iso−ブチルベンゼン、トリエチルベンゼン、ジ−iso−プロピルベンセン、n−アミルナフタレン等の芳香族炭化水素系溶媒等が挙げられる。
これらの中でも、当該微細パターンの形成方法において形成されるレジストパターン及び無機物パターンのLWR及び形状がより良好になる観点から、エステル系溶媒、ケトン系溶媒、エーテル系溶媒が好ましく、エステル系溶媒、ケトン系溶媒がより好ましく、カルボン酸エステル系溶媒、鎖状ケトン系溶媒がさらに好ましく、酢酸n−ブチル、酢酸イソプロピル、酢酸アミル、メチルエチルケトン、メチル−n−ブチルケトン、メチル−n−アミルケトンが特に好ましく、酢酸n−ブチル、メチルn−アミルケトンがさらに特に好ましく、酢酸n−ブチルが最も好ましい。これらの有機溶媒は、1種単独で又は2種以上を併用して用いることができる。
上記含窒素化合物は、[B]酸発生体から発生する酸の作用によりレジスト膜中の[A]重合体の構造単位(I)において発生するカルボキシ基等の極性基と相互作用し、有機溶媒に対する露光部の不溶性をさらに向上させることができる。ここで、上記含窒素化合物と極性基との相互作用とは、この含窒素化合物と極性基が反応して塩を形成する作用、イオン結合を形成する作用等のことである。
上記含窒素化合物としては、下記式(A)で表される化合物が好ましい。
上記式(A)中、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、ヒドロキシ基、ホルミル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、炭素数1〜30の鎖状炭化水素基、炭素数3〜30の脂環式炭化水素基、炭素数6〜14の芳香族炭化水素基又はこれらの基を2種以上組み合わせてなる基である。Rは、炭素数1〜30のm価の鎖状炭化水素基、炭素数3〜30のm価の脂環式炭化水素基、炭素数6〜14のm価の芳香族炭化水素基又はこれらの基を2種以上組み合わせてなるm価の基である。mは、1以上の整数である。但し、mが2以上の場合、複数のR及びRはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。また、mが1の場合、Rは、水素原子、ヒドロキシ基、ホルミル基、アルコキシ基又はアルコキシカルボニル基であってもよい。R〜Rが有する水素原子の一部又は全部は置換されていてもよい。また、R〜Rのいずれか2つが結合して、それらが結合する窒素原子と共に環構造を形成してもよい。
上記R及びRで表される炭素数1〜30の鎖状炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基等が挙げられる。
上記R及びRで表される炭素数3〜30の脂環状炭化水素基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、ノルボルニル基等が挙げられる。
上記R及びRで表される炭素数6〜14の芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、トリル基、ナフチル基等が挙げられる。
上記R及びRで表されるこれらの基を2種以上組み合わせてなる基としては、例えば、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基等の炭素数6〜12のアラルキル基等が挙げられる。
上記Rで表される炭素数1〜30のm価の鎖状炭化水素基としては、例えば、上記R及びRで表される炭素数1〜30の鎖状炭化水素基として例示した基と同様の基から水素原子を(m−1)個除いた基等が挙げられる。
上記Rで表される炭素数3〜30の脂環状炭化水素基としては、例えば、上記R及びRで表される炭素数3〜30の脂環式炭化水素基として例示した基と同様の基から水素原子を(m−1)個除いた基等が挙げられる。
上記Rで表されるm価の炭素数6〜14の芳香族炭化水素基としては、例えば、上記R及びRで表される炭素数6〜14の芳香族炭化水素基として例示した基と同様の基から水素原子を(m−1)個除いた基等が挙げられる。
上記Rで表されるこれらの基を2種以上組み合わせてなるm価の基としては、例えば上記R及びRで表されるこれらの基を2種以上組み合わせてなる基として例示した基と同様の基から水素原子を(m−1)個除いた基等が挙げられる。
上記R〜Rで表される基は置換されていてもよい。具体的な置換基としては、例えばメチル基、エチル基、プロビル基、n−ブチル基、t−ブチル基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ハロゲン原子、アルコキシ基等が挙げられる。上記ハロゲン原子としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられる。また、アルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等が挙げられる。
上記式(A)で表される化合物としては、例えば、(シクロ)アルキルアミン化合物、含窒素複素環化合物、アミド基含有化合物、ウレア化合物等が挙げられる。
(シクロ)アルキルアミン化合物としては、例えば、窒素原子を1つ有する化合物、窒素原子を2つ有する化合物、窒素原子を3つ以上有する化合物等が挙げられる。
上記窒素原子を1つ有する(シクロ)アルキルアミン化合物としては、例えば、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、n−ノニルアミン、1−アミノデカン、シクロヘキシルアミン等のモノ(シクロ)アルキルアミン類;
ジ−n−ブチルアミン、ジ−n−ペンチルアミン、ジ−n−ヘキシルアミン、ジ−n−ヘプチルアミン、ジ−n−オクチルアミン、ジ−n−ノニルアミン、ジ−n−デシルアミン、シクロヘキシルメチルアミン、ジシクロヘキシルアミン等のジ(シクロ)アルキルアミン類;
トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、トリ−n−ヘキシルアミン、トリ−n−ヘプチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、トリ−n−ノニルアミン、トリ−n−デシルアミン、シクロヘキシルジメチルアミン、メチルジシクロヘキシルアミン、トリシクロヘキシルアミン等のトリ(シクロ)アルキルアミン類;
トリエタノールアミン等の置換アルキルアミン;
アニリン、N−メチルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、2−メチルアニリン、3−メチルアニリン、4−メチルアニリン、N,N−ジブチルアニリン、4−ニトロアニリン、ジフェニルアミン、トリフェニルアミン、ナフチルアミン、2,4,6−トリ−tert−ブチル−N−メチルアニリン、N−フェニルジエタノールアミン、2,6−ジイソプロピルアニリン、2−(4−アミノフェニル)−2−(3−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(4−アミノフェニル)−2−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等の芳香族アミン類が挙げられる。
上記窒素原子を2つ有する(シクロ)アルキルアミン化合物としては、例えば、エチレンジアミン、テトラメチルエチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノジフェニルアミン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2−(3−アミノフェニル)−2−(4−アミノフェニル)プロパン、1,4−ビス[1−(4−アミノフェニル)−1−メチルエチル]ベンゼン、1,3−ビス[1−(4−アミノフェニル)−1−メチルエチル]ベンゼン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、ビス(2−ジエチルアミノエチル)エーテル、1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリジノン、2−キノキサリノール、N,N,N’,N’−テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン等が挙げられる。
上記窒素原子を3つ以上有する(シクロ)アルキルアミン化合物としては、例えば、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、2−ジメチルアミノエチルアクリルアミド等の重合体などが挙げられる。
上記含窒素複素環化合物としては、例えば、含窒素芳香族複素環化合物、含窒素脂肪族複素環化合物等が挙げられる。
上記含窒素芳香族複素環化合物としては、例えば、
イミダゾール、4−メチルイミダゾール、4−メチル−2−フェニルイミダゾール、ベンズイミダゾール、2−フェニルベンズイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチル−1H−イミダゾール等のイミダゾール類;
ピリジン、2−メチルピリジン、4−メチルピリジン、2−エチルピリジン、4−エチルピリジン、2−フェニルピリジン、4−フェニルピリジン、2−メチル−4−フェニルピリジン、ニコチン、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、キノリン、4−ヒドロキシキノリン、8−オキシキノリン、アクリジン、2,2’:6’,2’’−ターピリジン等のピリジン類等が挙げられる。
上記含窒素脂肪族複素環化合物としては、例えば、
ピペラジン、1−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン等のピペラジン類;
ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、キノザリン、プリン、ピロリジン、プロリン、ピペリジン、ピペリジンエタノール、3−ピペリジノ−1,2−プロパンジオール、モルホリン、4−メチルモルホリン、1−(4−モルホリニル)エタノール、4−アセチルモルホリン、3−(N−モルホリノ)−1,2−プロパンジオール、1,4−ジメチルピペラジン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン等が挙げられる。
上記アミド基含有化合物としては、例えば、
N−t−ブトキシカルボニルジ−n−オクチルアミン、N−t−ブトキシカルボニルジ−n−ノニルアミン、N−t−ブトキシカルボニルジ−n−デシルアミン、N−t−ブトキシカルボニルジシクロヘキシルアミン、N−t−ブトキシカルボニル−1−アダマンチルアミン、N−t−ブトキシカルボニル−2−アダマンチルアミン、N−t−ブトキシカルボニル−N−メチル−1−アダマンチルアミン、(S)−(−)−1−(t−ブトキシカルボニル)−2−ピロリジンメタノール、(R)−(+)−1−(t−ブトキシカルボニル)−2−ピロリジンメタノール、N−t−ブトキシカルボニル−4−ヒドロキシピペリジン、N−t−ブトキシカルボニルピロリジン、N−t−ブトキシカルボニルピペラジン、N,N−ジ−t−ブトキシカルボニル−1−アダマンチルアミン、N,N−ジ−t−ブトキシカルボニル−N−メチル−1−アダマンチルアミン、N−t−ブトキシカルボニル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N,N’−ジ−t−ブトキシカルボニルヘキサメチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラ−t−ブトキシカルボニルヘキサメチレンジアミン、N,N’−ジ−t−ブトキシカルボニル−1,7−ジアミノヘプタン、N,N’−ジ−t−ブトキシカルボニル−1,8−ジアミノオクタン、N,N’−ジ−t−ブトキシカルボニル−1,9−ジアミノノナン、N,N’−ジ−t−ブトキシカルボニル−1,10−ジアミノデカン、N,N’−ジ−t−ブトキシカルボニル−1,12−ジアミノドデカン、N,N’−ジ−t−ブトキシカルボニル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N−t−ブトキシカルボニルベンズイミダゾール、N−t−ブトキシカルボニル−2−メチルベンズイミダゾール、N−t−ブトキシカルボニル−2−フェニルベンズイミダゾール等のN−t−ブトキシカルボニル基含有アミノ化合物;
ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、プロピオンアミド、ベンズアミド、ピロリドン、N−メチルピロリドン、N−アセチル−1−アダマンチルアミン、イソシアヌル酸トリス(2−ヒドロキシエチル)等が挙げられる。
上記ウレア化合物としては、例えば尿素、メチルウレア、1,1−ジメチルウレア、1,3−ジメチルウレア、1,1,3,3−テトラメチルウレア、1,3−ジフェニルウレア、トリ−n−ブチルチオウレア等が挙げられる。
これらの中で、(シクロ)アルキルアミン化合物、含窒素脂肪族複素環化合物が好ましく、1−アミノデカン、ジ−n−オクチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン、N,N−ジブチルアニリン、プロリンがより好ましい。
上記現像液には、必要に応じて界面活性剤を適当量添加することができる。界面活性剤としては、例えば、イオン性や非イオン性のフッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤等が挙げられる。
現像方法としては、例えば現像液が満たされた槽中に基板を一定時間浸漬する方法(ディップ法)、基板表面に現像液を表面張力によって盛り上げて一定時間静止することで現像する方法(パドル法)、基板表面に現像液を噴霧する方法(スプレー法)、一定速度で回転している基板上に一定速度で現像液塗出ノズルをスキャンしながら現像液を塗出しつづける方法(ダイナミックディスペンス法)等が挙げられる。
(3)工程の後に、形成されたレジストパターン2’をリンス液により洗浄するリンス工程を含むことが好ましい。上記リンス工程におけるリンス液としては、例えば、有機溶媒を使用することができる。リンス液として、有機溶媒を使用することで、発生したスカムを効率よく洗浄することができる。
リンス液として使用する有機溶媒としては、例えば、炭化水素系溶媒、ケトン系溶媒、エステル系溶媒、アルコール系溶媒、アミド系溶媒等が挙げられる。これらの中でも、アルコール系溶媒、エステル系溶媒が好ましく、アルコール系溶媒がより好ましく、炭素数6〜8の1価のアルコール系溶媒がさらに好ましい。
炭素数6〜8の1価のアルコール系溶媒としては、例えば、直鎖状、分岐状又は環状の1価のアルコール等が挙げられ、具体的には、1−ヘキサノール、1−ヘプタノール、1−オクタノール、4−メチル−2−ペンタノール、2−ヘキサノール、2−ヘプタノール、2−オクタノール、3−ヘキサノール、3−ヘプタノール、3−オクタノール、4−オクタノール、ベンジルアルコール等が挙げられる。これらの中でも、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、2−ヘプタノール、4−メチル−2−ペンタノールが好ましく、4−メチル−2−ペンタノールがより好ましい。
上記リンス液の各成分は、1種単独で又は2種以上を併用して用いてもよい。リンス液中の含水率は、10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましく、3質量%以下がさらに好ましい。リンス液中の含水率を10質量%以下にすることで、良好な現像特性を得ることができる。なお、リンス液には界面活性剤を添加してもよい。
上記リンス液による洗浄処理の方法としては、例えば一定速度で回転している基板上にリンス液を塗出しつづける方法(回転塗布法)、リンス液が満たされた槽中に基板を一定時間浸漬する方法(ディップ法)、基板表面にリンス液を噴霧する方法(スプレー法)等が挙げられる。
[(4)工程]
本工程では、図1(C)に示すように、(3)工程で形成したレジストパターン2’の表面を被覆するよう無機物層3を形成する。具体的には、本工程により、レジストパターン2’を構成する壁の上面及び側面並びに壁間のスペース部分における被加工基板の上側表面上に、無機物層3を形成する。
無機物層3を構成する物質としては、例えば、酸化シリコン、窒化シリコン、窒化酸化シリコン、ポリシリコン等のシリコン含有物質;酸化アルミニウム、窒化チタン、ホウ素化チタン、タングステン、酸化ハフニウム等の金属含有物質等が挙げられる。これらの中で、より低温で形成できる観点から、酸化シリコンが好ましい。
この無機物層3の形成には、CVD(Chemical Vapor Deposition、化学的気相蒸着)法、ALD(Atomic Layer Deposition、原子層堆積)法、PVD(Physical Vapor Deposition、物理気相蒸着)法等の公知の種々の方法を用いることができる。
CVD法としては、熱CVD、プラズマCVD、光CVD、減圧CVD、レーザCVD有機金属CVD(MOCVD)等の種々の方法が挙げられる。
PVD法としては、真空蒸着、電子ビーム蒸着、反応性蒸着、グロー放電スパッタリング、イオンビームスパッタリング、反応性スパッタリング、イオンプレーティング、クラスタイオンビーム法等が挙げられる。
ALD法としては、熱ALD法、プラズマALD法等が挙げられる。
これらの中で、CVD法、ALD法が好ましい。上記無機物層をCVD法又はALD法を用いて形成することで、形成される無機物パターンのLWRをより小さくすることができ、その結果、形成するパターンの形状をさらに良好にすることができる。これらの中でも、良質の無機物層を得る観点から、プラズマCVD、プラズマALDが好ましい。
プラズマCVD及びプラズマALDにおいて、例えば、酸化シリコンを含む無機物層を形成する場合のソースガスとしては、例えば、シラン、クロロシラン、アルコキシシラン、イソシアネートシラン等の各シラン系ガスなどが用いられる。
形成される無機物層3の厚さとしては、上記レジストパターン2’のスペース幅の半分以下であれば特に限定されないが、通常1nm〜500nmであり、5nm〜200nmが好ましく、10nm〜100nmがより好ましく、10nm〜50nmがさらに好ましい。
[(5)工程]
本工程では、図1(D)に示すように、(4)工程で形成した無機物層3をエッチバックし、上記レジストパターンの側壁に形成された部分3’以外の部分を除去する。具体的には、本工程により、上記形成した無機物層3の一定の高さ分を除去することにより、無機物層3のうち、レジストパターン2’の上側表面上及びレジストパターン2’間のスペース部分の上の部分はなくなり、レジストパターン2’の側壁に形成された部分が残存する。
上記エッチバックを行う方法としては、種々の公知の方法を用いることができるが、例えば、リアクティブ・イオン・エッチング(Reactive Ion Etching(RIE))法等の異方性エッチングなどが挙げられる。本工程におけるRIEで用いられるエッチングガスとしては、例えば、CF、CHF、C、C、SF、NF等のフッ素系ガス;Cl、BCl、SiCl、CCl等の塩素系ガス;HBr、O等、これらのガスとN、He、Ar等の不活性ガスとの混合ガスが挙げられる。これらの中でも、フッ素系ガス、フッ素系ガスと不活性ガスとの混合ガスが好ましい。
[(6)工程]
本工程では、図1(E)に示すように、上記レジストパターンを除去し、無機物パターン3”を形成する。本工程で用いられるレジストパターンを除去する方法としては、種々の公知の方法を用いることができるが、RIE法等の異方性エッチングなどを用いることができる。本工程におけるRIE法で用いられるエッチングガスとしては、例えば、O、O、HO等の酸素系ガス、これらのガスとN、He、Ar等の不活性ガスとの混合ガス等が挙げられる。
[(7)工程]
本工程では、上記(6)工程で形成した無機物パターン3”をマスクとして、被加工基板1をドライエッチングする。その結果、パターンが形成された被加工基板1’を得る。本工程で用いられるドライエッチングの方法としては、種々の公知の方法を用いることができるが、RIE法が好ましい。
<フォトレジスト組成物>
本発明に用いられるフォトレジスト組成物は、[A]重合体及び[B]酸発生体を含有する。また、上記フォトレジスト組成物は、本発明の効果を損なわない限り、[C]フッ素原子含有重合体、[D]酸拡散制御体、[E]溶媒、及びその他の成分を含有してもよい。以下、各成分について説明する。
<[A]重合体>
[A]重合体は、酸解離性基を含む構造単位(I)と、ラクトン構造、環状カーボネート構造及びスルトン構造からなる群より選ばれる少なくとも1種の構造を含む構造単位(II)とを有する。[A]重合体は、構造単位(I)及び構造単位(II)以外にも、極性基を含む構造単位(III)等のその他の構造単位を有していてもよい。なお、[A]重合体は各構造単位をそれぞれ1種単独で又は2種以上を有していてもよい。以下、各構造単位について説明する。
[構造単位(I)]
構造単位(I)は酸解離性基を含む構造単位である。「酸解離性基」とは、カルボキシ基、ヒドロキシ基等の極性基の水素原子を置換する基であって、酸の作用により解離する基をいう。[A]重合体は、構造単位(I)を有することで、[B]酸発生体から発生する酸等の作用により、酸解離性基が解離して有機溶媒を含有する現像液に対する溶解性が減少する。その結果、当該微細パターンの形成方法において、[A]重合体を含有するフォトレジスト組成物によれば、ネガ型のレジストパターンを形成することができる。
構造単位(I)としては、例えば、下記式(1)で表される構造単位等が挙げられる。
上記式(1)中、Rは、水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。Rは、1価の酸解離性基である。
上記Rで表される1価の酸解離性基としては、例えば、下記式(i)で表される基等が挙げられる。
上記式(i)中、Rp1、Rp2及びRp3は、それぞれ独立して、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数4〜20の1価の脂環式炭化水素基である。但し、Rp2とRp3とが互いに結合して、それらが結合している炭素原子と共に炭素数4〜20の2価の脂環式炭化水素基を形成してもよい。
上記Rp1〜Rp3で表される炭素数1〜4のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基等が挙げられる。
上記Rp1〜Rp3で表される炭素数4〜20の脂環式炭化水素基としては、例えば
シクロペンタン、シクロヘキサン等のシクロアルカン骨格を有する単環の脂環式炭化水素基;
アダマンタン骨格、ノルボルナン骨格等の有橋式骨格を有する多環の脂環式炭化水素基等が挙げられる。
これらの中で、Rp1が炭素数1〜4のアルキル基であり、Rp2及びRp3が互いに結合してそれらが結合している炭素原子とともにアダマンタン骨格又はシクロアルカン骨格を有する2価の基を形成することが好ましい。
構造単位(I)としては、例えば、下記式(1−1)〜(1−4)で表される構造単位(以下、「構造単位(I−1)〜(I−4)」ともいう)等が挙げられる。
上記式(1−1)〜(1−4)中、Rは、上記式(1)と同義である。Rp1、Rp2及びRp3は、上記式(i)と同義である。nは、1〜4の整数である。
としては、1又は2が好ましく、1がより好ましい。
構造単位(I)としては、例えば、下記式で表される構造単位等が挙げられる。
上記式中、Rは、上記式(1)と同義である。
構造単位(I)としては、当該微細パターンの形成方法において形成されるレジストパターン及び無機物パターンのLWRがより小さくなり、また形状がより良好にできる観点から、構造単位(I−1)、(I−2)及び(I−3)が好ましく、構造単位(I−2)及び(I−3)がより好ましく、1−メチル−1−シクロペンチル(メタ)アクリレート、1−エチル−1−シクロペンチル(メタ)アクリレート、2−(1−アダマンチル)プロピル(メタ)アクリレートに由来する構造単位がより好ましい。
構造単位(I)の含有割合としては、20モル%〜80モル%であることが好ましく、30モル%〜70モル%であることがより好ましい。構造単位(I)の含有割合を上記範囲とすることで、当該微細パターンの形成方法において形成されるレジストパターン及び無機物パターンのLWRをより小さくすることができ、また形状をより良好にすることができる。
[構造単位(II)]
構造単位(II)は、ラクトン構造、環状カーボネート構造及びスルトン構造からなる群より選ばれる少なくとも1種の構造を含む構造単位である。[A]重合体が構造単位(II)を有することで、当該微細パターンの形成方法において、形成されるレジストパターンのLWRを小さくし、かつ良好な形状とすることができる。また、レジストパターンの基板への密着性を向上することができる。ここで、ラクトン構造とは、−O−C(O)−で表される基を含む1つの環(ラクトン環)を有する構造をいう。また、環状カーボネート構造とは、−O−C(O)−O−で表される基を含む1つの環(環状カーボネート環)を有する構造をいう。スルトン構造とは、−O−S(O)−で表される基を含む1つの環(スルトン環)を有する構造をいう。ラクトン環、環状カーボネート環又はスルトン環を1つめの環として数え、構造に含まれる環構造がラクトン環、環状カーボネート環又はスルトン環のみの場合は単環式、さらに他の環構造を有する場合は、その構造に関わらず多環式という。
構造単位(II)としては、例えば下記式(2)で表される構造単位等が挙げられる。
上記式(2)中、Rは、水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。Rは、単結合又は2価の連結基である。Rは、ラクトン構造を含む1価の基、環状カーボネート構造を含む1価の基又はスルトン構造を含む1価の基である。
上記Rで表される2価の連結基としては、例えば、炭素数1〜20の2価の直鎖状又は分岐状の炭化水素基、この炭化水素基の1個以上と−CO−、−O−、−NH−、−S−からなる群より選ばれる少なくとも1種の基とから構成される基等が挙げられる。
上記Rで表されるラクトン構造を含む1価の基、環状カーボネート構造を含む1価の基及びスルトン構造を含む1価の基としては、例えば、下記式(R5−1)〜(R5−11)で表される基等が挙げられる。
上記式(R5−1)〜(R5−4)中、RL1は、酸素原子又はメチレン基である。RL2は、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基である。nL1は、0又は1である。nL2は、0〜3の整数である。
上記式(R5−7)及び(R5−8)中、nC1は、0〜2の整数である。nC2〜nC5は、それぞれ独立して、0〜2の整数である。
上記式(R5−9)〜(R5−11)中、RS1は、酸素原子又はメチレン基である。RS2は、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基である。nS1は、0又は1である。nS2は、0〜3の整数である。
上記式(R5−1)〜(R5−11)中、*は、上記式(2)のRに結合する部位を示す。
上記式(R5−1)〜(R5−11)で表される基が有する水素原子の一部又は全部は置換されていてもよい。
としては、これらの中で、(R5−1)、(R5−3)、(R5−7)及び(R5−9)で表される基が好ましく、(R5−1)及び(R5−7)で表される基がより好ましい。
上記RL1及びRS1としては、メチレン基が好ましい。上記RL2及びRS2としては、水素原子が好ましい。上記nL1及びnS1としては、0が好ましい。上記nL2及びnS2としては、1又は2が好ましく、1がより好ましい。
上記(R5−1)及び(R5−7)で表される基が有するノルボルナン環の水素原子を置換する基としては、シアノ基、トリフルオロメチル基、メトキシカルボニル基が好ましく、シアノ基がより好ましい。
構造単位(II)としては、例えば、下記式で表される構造単位等が挙げられる。
上記式中、Rは水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。
構造単位(II)としては、これらの中で、
ラクトン構造を含む構造単位として、ノルボルナンラクトン基を有する構造単位、シアノ基置換ノルボルナンラクトン基を有する構造単位、ブチロラクトン基を有する構造単位が好ましく、ノルボルナンラクトン基を有する構造単位がより好ましい。
環状カーボネート構造を含む構造単位として、エチレンカーボネート基を含む構造単位が好ましい。
スルトン構造を含む構造単位としては、ノルボルナンスルトン基を有する構造単位が好ましい。
構造単位(II)を与える単量体としては、例えば、下記式(2−m)で表される単量体等が挙げられる。
上記式(2−m)中、Rは、水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。Rは、単結合又は2価の連結基である。Rは、ラクトン構造を含む1価の基、環状カーボネートを含む1価の基又はスルトン構造を含む1価の基である。
上記R及びRとしては、例えば、上記式(2)におけるR及びRでそれぞれ表される基として例示したものと同様の基等が挙げられる。
構造単位(II)の含有割合としては、20モル%〜80モル%が好ましく、30モル%〜70モル%がより好ましく、35モル%〜65モル%がさらに好ましい。構造単位(II)の含有割合を上記範囲とすることで、当該微細パターンの形成方法において形成されるレジストパターン及び無機物パターンのLWR及び形状を向上させることができる。また、形成されるレジストパターンの密着性を向上させることができる。
[構造単位(III)]
構造単位(III)は、極性基を含む構造単位である。[A]重合体が構造単位(III)をさらに有することで、[A]重合体の極性を調整して、現像時の[A]重合体の現像液に対する溶解性を調整することができ、その結果、当該微細パターンの形成方法におけるレジストパターンの形状等を向上させることができる。
上記極性基としては、例えば、ヒドロキシ基、カルボキシ基、シアノ基、ケト基(=O)、ニトロ基、スルホンアミド基等が挙げられる。これらの中で、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ケト基が好ましく、ヒドロキシ基、ケト基がより好ましい。
構造単位(III)としては、例えば、下記式で表される構造単位等が挙げられる。
上記式中、Rは水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。
これらの中で、アダマンタン骨格を有する構造単位が好ましく、3−ヒドロキシ−1−アダマンチル(メタ)アクリレートに由来する構造単位、4−オキソ−1−アダマンチル(メタ)アクリレートに由来する構造単位が好ましい。
構造単位(III)の含有割合としては、30モル%以下が好ましく、20モル%以下がより好ましく、15モル%以下がさらに好ましい。
[A]重合体は、上記構造単位(I)〜(III)以外にも、例えば、非酸解離性の脂環式炭化水素基を含む構造単位等のその他の構造単位を有していてもよい。その他の構造単位の含有割合としては、20モル%以下が好ましく、10モル%以下がより好ましい。
上記フォトレジスト組成物中の[A]重合体の含有量としては、全固形分に対して、70質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましく、85質量%以上がさらに好ましい。
<[A]重合体の合成方法>
[A]重合体は、例えば所定の各構造単位に対応する単量体を、ラジカル重合開始剤を使用し、適当な溶媒中で重合することにより製造できる。例えば、単量体及びラジカル開始剤を含有する溶液を、反応溶媒又は単量体を含有する溶液に滴下して重合反応させる方法、単量体を含有する溶液と、ラジカル開始剤を含有する溶液とを各別に、反応溶媒又は単量体を含有する溶液に滴下して重合反応させる方法、各々の単量体を含有する複数種の溶液と、ラジカル開始剤を含有する溶液とを各別に、反応溶媒又は単量体を含有する溶液に滴下して重合反応させる方法等の方法で合成することが好ましい。
上記重合に使用される溶媒としては、例えば
n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン等のアルカン類;
シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、デカリン、ノルボルナン等のシクロアルカン類;
ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメン等の芳香族炭化水素類;
クロロブタン類、ブロモヘキサン類、ジクロロエタン類、ヘキサメチレンジブロミド、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類;
酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、プロピオン酸メチル等の飽和カルボン酸エステル類;
アセトン、2−ブタノン、4−メチル−2−ペンタノン、2−ヘプタノン等のケトン類;
テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン類、ジエトキシエタン類等のエーテル類;
メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、4−メチル−2−ペンタノール等のアルコール類等が挙げられる。これらの溶媒は、1種単独で又は2種以上を併用して用いてもよい。
上記重合における反応温度は、ラジカル開始剤の種類に応じて適宜決定すればよいが、通常40℃〜150℃であり、50℃〜120℃が好ましい。反応時間としては、通常1時間〜48時間であり、1時間〜24時間が好ましい。
上記重合に使用されるラジカル開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−シクロプロピルプロピオニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)等が挙げられる。これらのラジカル開始剤は1種単独で又は2種以上を併用して用いてもよい。
重合反応により得られた重合体は、再沈殿法により回収することが好ましい。すなわち、重合反応終了後、重合液を再沈溶媒に投入することにより、目的の重合体を粉体として回収する。再沈溶媒としては、アルコール類やアルカン類等を1種単独で又は2種以上を混合して使用することができる。再沈殿法の他に、分液操作やカラム操作、限外ろ過操作等により、単量体、オリゴマー等の低分子成分を除去して、重合体を回収することもできる。
[A]重合体のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による重量平均分子量(Mw)としては、1,000〜100,000が好ましく、1,000〜50,000がより好ましく、1,000〜30,000がさらに好ましく、1,000〜10,000が特に好ましい。[A]重合体のMwを上記範囲とすることで、当該微細パターンの形成方法において形成されるレジストパターンのLWR及びパターン形状を向上させることができる。
[A]重合体のMwと数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)としては、通常1〜5であり、1〜3が好ましく、1〜2がより好ましい。Mw/Mnを上記範囲とすることで、当該微細パターンの形成方法において形成されるレジストパターンのLWR及びパターン形状を向上させることができる。
なお、本明細書においてMw及びMnは、GPCカラム(G2000HXL 2本、G3000HXL 1本、G4000HXL 1本、以上東ソー製)を用い、流量1.0mL/分、溶出溶媒:テトラヒドロフラン、試料濃度:1.0質量%、試料注入量:100μL、カラム温度:40℃の分析条件で、検出器として示差屈折計を使用し、単分散ポリスチレンを標準とするGPCにより測定した値をいう。
<[B]酸発生体>
[B]酸発生体は、当該微細パターンの形成方法における(2)工程において、露光光の照射により酸を発生する化合物である。その酸の作用により[A]重合体中に存在する酸解離性基が解離してカルボキシ基等の極性基が生じ、その結果、[A]重合体が上記(3)工程における有機溶媒を含有する現像液に難溶性となる。[B]酸発生体の含有形態としては、後述するような化合物の形態(以下、適宜「[B]酸発生剤」ともいう)でも、重合体の一部として組み込まれた形態でも、これらの両方の形態でもよい。
[B]酸発生剤としては、例えばオニウム塩化合物、N−スルホニルイミド化合物、ハロゲン含有化合物、ジアゾケトン化合物等が挙げられる。
オニウム塩化合物としては、例えば、スルホニウム塩、テトラヒドロチオフェニウム塩、ヨードニウム塩、ホスホニウム塩、ジアゾニウム塩、ピリジニウム塩等が挙げられる。
スルホニウム塩としては、例えば、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、トリフェニルスルホニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、トリフェニルスルホニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1−ジフルオロエタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムカンファースルホネート、4−シクロヘキシルフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−シクロヘキシルフェニルジフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、4−シクロヘキシルフェニルジフェニルスルホニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、4−シクロヘキシルフェニルジフェニルスルホニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、4−シクロヘキシルフェニルジフェニルスルホニウムカンファースルホネート、4−メタンスルホニルフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−メタンスルホニルフェニルジフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、4−メタンスルホニルフェニルジフェニルスルホニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、4−メタンスルホニルフェニルジフェニルスルホニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、4−メタンスルホニルフェニルジフェニルスルホニウムカンファースルホネート、トリフェニルスルホニウム6−(1−アダマンチルカルボニルオキシ)−1,1,2,2−テトラフルオロヘキサン−1−スルホネート、トリフェニルスルホニウムノルボルニル−ジフルオロエタンスルホネート等が挙げられる。
テトラヒドロチオフェニウム塩としては、例えば、1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウムカンファースルホネート、1−(6−n−ブトキシナフタレン−2−イル)テトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、1−(6−n−ブトキシナフタレン−2−イル)テトラヒドロチオフェニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、1−(6−n−ブトキシナフタレン−2−イル)テトラヒドロチオフェニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、1−(6−n−ブトキシナフタレン−2−イル)テトラヒドロチオフェニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、1−(6−n−ブトキシナフタレン−2−イル)テトラヒドロチオフェニウムカンファースルホネート、1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウムカンファースルホネート等が挙げられる。
ヨードニウム塩としては、例えば、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、ジフェニルヨードニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムカンファースルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムカンファースルホネート等が挙げられる。
これらの中で、オニウム塩が好ましく、スルホニウム塩がより好ましく、トリフェニルスルホニウム6−(1−アダマンチルカルボニルオキシ)−1,1,2,2−テトラフルオロヘキサン−1−スルホネート、トリフェニルスルホニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1−ジフルオロエタンスルホネート、4−シクロヘキシルフェニルジフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネートがさらに好ましい。
[B]酸発生体は、1種単独で又は2種以上を混合して用いてもよい。[B]酸発生体が[B]酸発生剤である場合の含有量としては、上記フォトレジスト組成物のレジストとしての感度及び現像性を確保する観点から、[A]重合体100質量部に対して、0.1質量部以上30質量部以下が好ましく、0.5質量部以上20質量部以下がより好ましく、1質量部以上15質量部以下がさらに好ましい。[B]酸発生剤の含有量が0.1質量部未満だと、感度が不足する傾向があり、一方30質量部を超えると、露光光に対する透明性が低下して、所望のレジストパターンを得られ難くなる場合がある。
<[C]フッ素原子含有重合体>
上記フォトレジスト組成物は、[C]フッ素原子含有重合体を含有することが好ましい。上記フォトレジスト組成物は、[C]フッ素原子含有重合体を含有することで、レジスト膜を形成した際に、[C]フッ素原子含有重合体の撥油性的特徴により、その分布がレジスト膜表層に偏在化する傾向があるため、液浸露光時において、レジスト膜中の[B]酸発生体や後述する[D]酸拡散制御体等の液浸媒体への溶出を抑制することができる。なお、[C]フッ素原子含有重合体としては、[A]重合体に該当する重合体は除くものとする。
[C]フッ素原子含有重合体は、通常フッ素原子を構造中に含む単量体を1種類以上重合することにより形成することができる。
[C]フッ素原子含有重合体は、フッ素原子を構造中に含む構造単位として下記構造単位(F−I)を有することが好ましい。また、[C]フッ素原子含有重合体は、フッ素原子を構造中に含む構造単位以外の他の構造単位を有していてもよい。[C]フッ素原子含有化合物は、これらの構造単位を1種又は2種以上有していてもよい。
[構造単位(F−I)]
構造単位(F−I)は、下記式(C1)で表される構造単位である。
上記式(C1)中、Rは、水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。Aは、単結合又は2価の連結基である。Rは、少なくとも1個のフッ素原子を有する炭素数1〜6のアルキル基若しくは炭素数4〜20の1価の脂環式炭化水素基、又はこれらの誘導基である。
上記Aで表される2価の連結基としては、例えば、酸素原子、硫黄原子、カルボニルオキシ基、オキシカルボニル基、アミド基、スルホニルイミド基、ウレタン基等が挙げられる。
上記構造単位(F−I)を与える好ましい単量体としては、トリフルオロメチル(メタ)アクリル酸エステル、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリル酸エステル、パーフルオロエチル(メタ)アクリル酸エステル、パーフルオロn−プロピル(メタ)アクリル酸エステル、パーフルオロi−プロピル(メタ)アクリル酸エステル、パーフルオロn−ブチル(メタ)アクリル酸エステル、パーフルオロi−ブチル(メタ)アクリル酸エステル、パーフルオロt−ブチル(メタ)アクリル酸エステル、2−(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロピル)(メタ)アクリル酸エステル、1−(2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチル)(メタ)アクリル酸エステル、パーフルオロシクロヘキシルメチル(メタ)アクリル酸エステル、1−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル)(メタ)アクリル酸エステル、1−(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロデシル)(メタ)アクリル酸エステル、1−(5−トリフルオロメチル−3,3,4,4,5,6,6,6−オクタフルオロヘキシル)(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。
構造単位(F−I)の含有割合としては、[C]フッ素原子含有重合体を構成する全構造単位に対して、5モル%以上が好ましく、10モル%以上がより好ましく、15モル%以上がさらに好ましい。構造単位(F−I)の含有割合が5モル%未満であると、後退接触角が70度未満となる場合があり、またレジスト膜からの酸発生剤等の溶出を抑制できない等の不都合を生じる場合がある。[C]フッ素原子含有重合体は、構造単位(F−I)を1種のみ有していてもよいし、2種以上を有していてもよい。
[他の構造単位]
[C]フッ素原子含有重合体は、上述のフッ素原子を構造中に含む構造単位以外にも、他の構造単位として、例えば、現像液に対する溶解速度をコントールするために酸解離性基を有する構造単位、ラクトン構造、環状カーボネート構造及びスルトン構造からなる群より選ばれる少なくとも1種の構造を含む構造単位、水酸基、カルボキシ基等の極性基を含む構造単位、脂環式基を含む構造単位、基板からの反射による光の散乱を抑えるために芳香族化合物に由来する構造単位等を1種類以上含有させることができる。
上記酸解離性基を有する構造単位としては、例えば、[A]重合体の構造単位(I)と同様の構造単位等が挙げられる。
上記ラクトン構造、環状カーボネート構造及びスルトン構造からなる群より選ばれる少なくとも1種の構造を含む構造単位としては、例えば、[A]重合体の構造単位(II)と同様の構造単位等が挙げられる。
上記極性基を含む構造単位としては、例えば、[A]重合体の構造単位(III)と同様の構造単位等が挙げられる。
上記脂環式基を含む構造単位としては、例えば、下記式(C2)で表される構造単位等が挙げられる。
上記式(C2)中、Rは、水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。Xは、炭素数4〜20の1価の脂環式炭化水素基である。
上記Xで表される炭素数4〜20の1価の脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.2]オクタン、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカン、トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン等の脂環式炭化水素から水素原子を1個除いた基等が挙げられる。この1価の脂環式炭化水素基が有する水素原子の一部又は全部は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基等の炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基;ヒドロキシ基、シアノ基、炭素数1〜10のヒドロキシアルキル基、カルボキシ基で置換されていてもよい。また、同一炭素原子に結合する2個の水素原子を1個の酸素原子で置換してケト基を形成してもよい。
上記脂環式基を含む構造単位を与える好ましい単量体としては、(メタ)アクリル酸−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イルエステル、(メタ)アクリル酸−ビシクロ[2.2.2]オクタ−2−イルエステル、(メタ)アクリル酸−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−7−イルエステル、(メタ)アクリル酸−テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−イルエステル、(メタ)アクリル酸−トリシクロ[3.3.1.13,7]デカ−1−イルエステル、(メタ)アクリル酸−トリシクロ[3.3.1.13,7]デカ−2−イルエステルが挙げられる。
上記芳香族化合物に由来する構造単位を与える好ましい単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2−メトキシスチレン、3−メトキシスチレン、4−メトキシスチレン、4−(2−t−ブトキシカルボニルエチルオキシ)スチレン2−ヒドロキシスチレン、3−ヒドロキシスチレン、4−ヒドロキシスチレン、2−ヒドロキシ−α−メチルスチレン、3−ヒドロキシ−α−メチルスチレン、4−ヒドロキシ−α−メチルスチレン、2−メチル−3−ヒドロキシスチレン、4−メチル−3−ヒドロキシスチレン、5−メチル−3−ヒドロキシスチレン、2−メチル−4−ヒドロキシスチレン、3−メチル−4−ヒドロキシスチレン、3,4−ジヒドロキシスチレン、2,4,6−トリヒドロキシスチレン、4−t−ブトキシスチレン、4−t−ブトキシ−α−メチルスチレン、4−(2−エチル−2−プロポキシ)スチレン、4−(2−エチル−2−プロポキシ)−α−メチルスチレン、4−(1−エトキシエトキシ)スチレン、4−(1−エトキシエトキシ)−α−メチルスチレン、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ベンジル、アセナフチレン、5−ヒドロキシアセナフチレン、1−ビニルナフタレン、2−ビニルナフタレン、2−ヒドロキシ−6−ビニルナフタレン、1−ナフチル(メタ)アクリレート、2−ナフチル(メタ)アクリレート、1−ナフチルメチル(メタ)アクリレート、1−アントリル(メタ)アクリレート、2−アントリル(メタ)アクリレート、9−アントリル(メタ)アクリレート、9−アントリルメチル(メタ)アクリレート、1−ビニルピレンが挙げられる。
上記他の構造単位の含有割合としては、通常80モル%以下であり、75モル%以下が好ましく、70モル%以下がより好ましい。
[C]フッ素原子含有重合体の含有量としては、[A]重合体100質量部に対して、0.1質量部〜30質量部が好ましく、0.5質量部〜20質量部がより好ましく、1質量部〜10質量部がさらに好ましい。
<[C]フッ素原子含有重合体の合成方法>
[C]フッ素原子含有重合体は、例えば所定の各構造単位に対応する単量体を、ラジカル重合開始剤を使用し、適当な溶媒中で重合することにより合成できる。なお、[C]フッ素原子含有重合体の合成に使用される重合開始剤、溶媒等としては、上記[A]重合体の合成方法において例示したものと同様のもの等が挙げられる。
上記重合における反応温度としては、通常40℃〜150℃であり、50℃〜120℃が好ましい。反応時間としては、通常1時間〜48時間であり、1時間〜24時間が好ましい。
[C]フッ素原子含有重合体のGPC法によるポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)としては、1,000〜50,000が好ましく、1,000〜30,000がより好ましく、1,000〜10,000がさらに好ましい。[C]フッ素原子含有重合体のMwが1,000未満の場合、形成されたレジスト膜表面が十分な前進接触角を得ることができない場合がある。一方、Mwが50,000を超えると、得られるフォトレジスト組成物の現像性が低下する傾向にある。
[C]フッ素原子含有重合体のMw/Mn比としては、通常1〜3であり、1〜2.5が好ましい。
<[D]酸拡散制御体>
[D]酸拡散制御体は、露光により[B]酸発生体から生じる酸のレジスト膜中における拡散現象を制御し、未露光部における好ましくない化学反応を抑制する効果を奏する成分である。フォトレジスト組成物が[D]酸拡散制御体を含有することで、得られるフォトレジスト組成物の貯蔵安定性がさらに向上し、またレジストとしての解像度がさらに向上する。また、露光から現像処理までの引き置き時間の変動によるレジストパターンの線幅変化を抑えることができ、プロセス安定性に極めて優れた組成物が得られる。なお、[D]酸拡散制御体の含有形態としては、遊離の化合物の形態(以下、適宜「[D]酸拡散制御剤」ともいう)でも、重合体の一部として組み込まれた形態でも、これらの両方の形態でもよい。
[D]酸拡散制御剤としては、例えば、アミン化合物、アミド基含有化合物、ウレア化合物、含窒素複素環化合物等が挙げられる。
アミン化合物としては、例えばモノ(シクロ)アルキルアミン類;ジ(シクロ)アルキルアミン類;トリ(シクロ)アルキルアミン類;置換アルキルアニリン又はその誘導体;エチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノジフェニルアミン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2−(3−アミノフェニル)−2−(4−アミノフェニル)プロパン、2−(4−アミノフェニル)−2−(3−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(4−アミノフェニル)−2−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,4−ビス(1−(4−アミノフェニル)−1−メチルエチル)ベンゼン、1,3−ビス(1−(4−アミノフェニル)−1−メチルエチル)ベンゼン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、ビス(2−ジエチルアミノエチル)エーテル、1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリジノン、2−キノキサリノール、N,N,N’,N’−テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、N,N,N’,N’’N’’−ペンタメチルジエチレントリアミン、トリエタノールアミン等が挙げられる。
アミド基含有化合物としては、例えば、N−t−ブトキシカルボニル−4−ヒドロキシピペリジン等のN−t−ブトキシカルボニル基含有アミノ化合物、N−t−アミルオキシカルボニル−4−ヒドロキシピペリジン等のN−t−アミルオキシカルボニル基含有アミノ化合物、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、プロピオンアミド、ベンズアミド、ピロリドン、N−メチルピロリドン、N−アセチル−1−アダマンチルアミン、イソシアヌル酸トリス(2−ヒドロキシエチル)等が挙げられる。
ウレア化合物としては、例えば尿素、メチルウレア、1,1−ジメチルウレア、1,3−ジメチルウレア、1,1,3,3−テトラメチルウレア、1,3−ジフェニルウレア、トリ−n−ブチルチオウレア等が挙げられる。
含窒素複素環化合物としては、例えばイミダゾール類;ピリジン類;ピペラジン類;ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、キノザリン、プリン、ピロリジン、ピペリジン、4−ヒドロキシ−N−アミロキシカルボニルピペリジン、ピペリジンエタノール、3−ピペリジノ−1,2−プロパンジオール;モルホリン、4−メチルモルホリン、1−(4−モルホリニル)エタノール、4−アセチルモルホリン、N−(2−シクロヘキシルカルボニルオキシエチル)モルホリン、3−(N−モルホリノ)−1,2−プロパンジオール等のモルホリン類;1,4−ジメチルピペラジン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン等が挙げられる。
これらの中で、アミド基含有化合物、含窒素複素環化合物が好ましく、N−t−アミルオキシカルボニル基含有化合物、モルホリン類がより好ましく、N−t−アミルオキシカルボニル−4−ヒドロキシピペリジン、N−(2−シクロヘキシルカルボニルオキシエチル)モルホリンがさらに好ましい。
また、[D]酸拡散制御剤として、露光により弱酸を発生する光崩壊性塩基を用いることもできる。光崩壊性塩基は、露光部においては酸を発生して[A]重合体の有機溶媒を含有する現像液に対する不溶性を高め、結果として現像後の露光部表面のラフネスを抑制することができる。一方、未露光部ではアニオンによる高い酸捕捉機能が発揮されクエンチャーとして機能し、露光部から拡散する酸を捕捉する。すなわち、未露光部のみにおいてクエンチャーとして機能するため、酸解離性基の解離反応のコントラストが向上し、結果として解像度をより向上させることができる。光崩壊性塩基としては、例えば、露光により分解して酸拡散制御性を失うオニウム塩化合物等が挙げられる。オニウム塩化合物としては、例えば下記式(D1)で示されるスルホニウム塩化合物、下記式(D2)で表されるヨードニウム塩化合物等が挙げられる。
上記式(D1)及び式(D2)中、R10〜R14はそれぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子又は−SO−Rである。Rは、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基又はアリール基である。Z及びEは、OH、R−COO、R−SO−N―R、R−SO 又は下記式(D3)で示されるアニオンである。Rは、炭素数1〜10の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、炭素数6〜30のアリール基、炭素数7〜30のアラルキル基である。上記アルキル基、シクロアルキル基、アリール基及びアラルキル基の水素原子の一部又は全部は置換されていてもよい。Rは、炭素数1〜10の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基である。上記アルキル基及びシクロアルキル基が有する水素原子の一部又は全部はフッ素原子で置換されていてもよい。但し、ZがR−SO の場合、SO が結合する炭素原子にフッ素原子が結合する場合はない。
上記式(D3)中、R15は、水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜12の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又は炭素数1〜12の直鎖状若しくは分岐状のアルコキシ基である。uは、0〜2の整数である。
上記式(D1)及び(D2)におけるR10〜R14としては、水素原子、−SO−Rが好ましい。また、上記Rとしては、シクロアルキル基が好ましく、シクロヘキシル基がより好ましい。
上記Rで表されるアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、ブチル基、i―ブチル基、t−ブチル基等、及びこれらの基の水素原子の一部又は全部が置換された基等が挙げられる。
上記Rで表されるシクロアルキル基としては、例えばシクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、トリシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、アダマンチル基等、及びこれらの基の水素原子の一部又は全部が置換された基等が挙げられる。
上記Rで表されるアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントラニル基等、及びこれらの基の水素原子の一部又は全部が置換された基等が挙げられる。
上記Rで表されるアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、及びこれらの基の水素原子の一部又は全部が置換された基等が挙げられる。
上記アルキル基、シクロアルキル基、アリール基及びアルカリール基が有する置換基としては、例えば、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、アルコキシ基、ラクトン基、アルキルカルボニル基等が挙げられる。
上記Rで表されるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられる。
上記Rで表されるシクロアルキル基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、アダマンチル基等が挙げられる。
上記光崩壊性塩基としては、例えば下記式で表される化合物等が挙げられる。
これらの中でも、トリフェニルスルホニウムサリチレート、トリフェニルスルホニウム10−カンファースルホネートが好ましく、トリフェニルスルホニウム10−カンファースルホネートがより好ましい。
[D]酸拡散制御体の含有量としては、[D]酸拡散制御体が[D]酸拡散制御剤の場合、[A]重合体100質量部に対して、10質量部以下が好ましく、0.1質量部〜7質量部がより好ましい。[D]酸拡散制御剤の含有量が10質量部を超えると、得られるフォトレジスト組成物の感度が低下する場合がある。[D]酸拡散抑制剤は、1種単独で又は2種以上を混合して用いてもよい。
<[E]溶媒>
上記フォトレジスト組成物は、通常、[E]溶媒を含有する。[E]溶媒は少なくとも[A]重合体、[B]酸発生体、必要に応じて含有される[C]フッ素原子含有重合体、[D]酸拡散制御体及びその他の成分を溶解又は分散することができるものであれば特に限定されない。[E]溶媒としては、例えば、アルコール系溶媒、エーテル系溶媒、ケトン系溶媒、アミド系溶媒、エステル系溶媒及びその混合溶媒等が挙げられる。
[E]溶媒としては、上述の当該微細パターンの形成方法における(3)工程において列挙した有機溶媒と同様のものが挙げられる。これらのうちプ、エステル系溶媒、ケトン系溶媒が好ましく、酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル、シクロヘキサノン、γ−ブチロラクトンがより好ましい。[E]溶媒は1種単独で又は2種以上を混合して用いてもよい。
<その他の成分>
上記フォトレジスト組成物は、上記[A]〜[E]成分以外にも、その他の成分として界面活性剤、脂環式骨格含有化合物、増感剤等を含有できる。なお、上記フォトレジスト組成物は、その他の任意成分をそれぞれ1種単独で又は2種以上を含有してもよい。
[界面活性剤]
界面活性剤は、上記フォトレジスト組成物の塗布性、ストリエーション、現像性等を改良する効果を奏する。界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンn−オクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンn−ノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート等のノニオン系界面活性剤、市販品としてKP341(信越化学工業製)、ポリフローNo.75、同No.95(以上、共栄社化学製)、エフトップEF301、同EF303、同EF352(以上、トーケムプロダクツ製)、メガファックF171、同F173(以上、大日本インキ化学工業製)、フロラードFC430、同FC431(以上、住友スリーエム製)、アサヒガードAG710、サーフロンS−382、同SC−101、同SC−102、同SC−103、同SC−104、同SC−105、同SC−106(以上、旭硝子工業製)等が挙げられる。
[脂環式骨格含有化合物]
脂環式骨格含有化合物は、上記フォトレジスト組成物のドライエッチング耐性、パターン形状、基板との接着性等を改善する効果を奏する。
脂環式骨格含有化合物としては、例えば
1−アダマンタンカルボン酸、2−アダマンタノン、1−アダマンタンカルボン酸t−ブチル等のアダマンタン誘導体類;
デオキシコール酸t−ブチル、デオキシコール酸t−ブトキシカルボニルメチル、デオキシコール酸2−エトキシエチル等のデオキシコール酸エステル類;
リトコール酸t−ブチル、リトコール酸t−ブトキシカルボニルメチル、リトコール酸2−エトキシエチル等のリトコール酸エステル類;
3−〔2−ヒドロキシ−2,2−ビス(トリフルオロメチル)エチル〕テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカン、2−ヒドロキシ−9−メトキシカルボニル−5−オキソ−4−オキサ−トリシクロ[4.2.1.03,7]ノナン等が挙げられる。
[増感剤]
増感剤は、[B]酸発生体からの酸の生成量を増加する作用を示すものであり、上記フォトレジスト組成物の「みかけの感度」を向上させる効果を奏する。
増感剤としては、例えばカルバゾール類、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ナフタレン類、フェノール類、ビアセチル、エオシン、ローズベンガル、ピレン類、アントラセン類、フェノチアジン類等が挙げられる。
<フォトレジスト組成物の調製方法>
上記フォトレジスト組成物は、例えば、[E]溶媒中で[A]重合体、[B]酸発生体、必要に応じて、[C]フッ素原子含有重合体、[D]酸拡散制御体及びその他の成分を所定の割合で混合することにより調製できる。調製されたフォトレジスト組成物は、例えば、孔径20nmのフィルター等でろ過して用いることが好ましい。上記フォトレジスト組成物の固形分濃度としては、0.1質量%〜50質量%が好ましく、0.5質量%〜30質量%がより好ましく、1質量%〜15質量%がさらに好ましい。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。各物性値の測定方法を下記に示す。
13C−NMR分析]
重合体の13C−NMR分析は、核磁気共鳴装置(JNM−EX270、日本電子製)を使用し、測定溶媒としてDMSO−dを用いて行った。
<重合体の合成>
[A]重合体及び[C]フッ素原子含有重合体の合成に用いた単量体を以下に示す。
上記化合物(M−1)〜(M−4)は構造単位(I)を、化合物(M−7)〜(M−11)は構造単位(II)を、化合物(M−5)及び(M−6)は構造単位(III)を、化合物(M−12)〜(M−14)は構造単位(F−I)をそれぞれ与える。
[[A]重合体の合成]
[合成例1]
上記化合物(M−1)12.9g(50モル%)及び化合物(M−7)17.1g(50モル%)を2−ブタノン30gに溶解し、重合開始剤としてのアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.5g(化合物の合計モル数に対して5モル%)をさらに溶解した単量体溶液を調製した。次に、温度計及び滴下漏斗を備えた200mLの三つ口フラスコに20gの2−ブタノンを投入し、この三つ口フラスコ内を30分窒素パージした。窒素パージの後、三つ口フラスコ内をマグネティックスターラーで攪拌しながら80℃になるように加熱し、温度を保持したまま、上記調製した単量体溶液を、滴下漏斗を用いて3時間かけて滴下した。滴下開始を重合開始時間として6時間重合反応を実施した。重合終了後、この重合反応溶液を水冷により30℃以下に冷却した。冷却後、重合反応溶液を400gのn−ヘキサンに投入し、析出した白色粉末をろ別した。ろ別された白色粉末を2度、80gのn−ヘキサン中でスラリー状にして洗浄し、ろ別し、50℃で17時間乾燥させて白色粉末の重合体(A−1)を得た。この重合体(A−1)は、Mwが13,000、Mw/Mnが1.4であった。また、13C−NMR分析の結果、化合物(M−1)及び化合物(M−7)に由来する各構造単位の含有割合は、50:50(モル%)であった。
[合成例2〜6]
下記表1に示す種類及び使用量の単量体並びに使用量の重合開始剤(AIBN)を用いた以外は、合成例1と同様にして、重合体(A−2)〜(A−5)及び(a−1)を合成した。なお、表1中の「−」は、該当する単量体を用いなかったことを示す。上記合成した各重合体における各構造単位の含有割合、Mw及びMw/Mnについて表1に合わせて示す。
[[C]フッ素原子含有重合体の合成]
[合成例7]
上記化合物(M−2)21.5g(70モル%)及び化合物(M−13)8.5g(30モル%)を60gの2−ブタノンに溶解し、重合開始剤としてのジメチル2,2’−アゾビスイソブチレート1.38g(化合物の合計モル数に対して8モル%)をさらに溶解して単量体溶液を調製した。30gの2−ブタノンを入れた1,000mLの三口フラスコを30分窒素パージした後、撹拌しながら80℃に加熱し、上記調製した単量体溶液を滴下漏斗にて3時間かけて滴下した。滴下開始を重合反応の開始時間とし、重合反応を6時間実施した。重合反応終了後、重合反応溶液を水冷して30℃以下に冷却した。この重合反応溶液を2L分液漏斗に移液した後、150gのn−ヘキサンを用いてその重合反応溶液を均一に希釈した後、600gのメタノールを投入して混合した。次いで、30gの蒸留水を投入し、さらに攪拌して30分静置した。その後、下層を回収し、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液として重合体(C−1)を得た。この重合体(C−1)は、Mwが7,500、Mw/Mnが1.4であった。また、13C−NMR分析の結果、化合物(M−2)及び化合物(M−13)に由来する構造単位の含有割合は、70:30(モル%)であった。
[合成例8]
下記表2に示す種類及び使用量の単量体並びに使用量の重合開始剤(ジメチル2,2’−アゾビスイソブチレート)を用いた以外は、合成例7と同様にして、重合体(C−2)を合成した。なお、表2中の「−」は、該当する単量体を用いなかったことを示す。上記合成した各重合体における各構造単位の含有割合、Mw及びMw/Mnについて表2に合わせて示す。
<フォトレジスト組成物の調製>
フォトレジスト組成物を構成する[B]酸発生剤、[D]酸拡散制御剤及び[E]溶媒について以下に示す。
[[B]酸発生剤]
B−1:トリフェニルスルホニウム6−(1−アダマンチルカルボニルオキシ)−1,1,2,2−テトラフルオロヘキサン−1−スルホネート(下記式(B−1)で表される化合物)
B−2:トリフェニルスルホニウム2−(2−ノルボルニル)−1,1−ジフルオロエタン−1−スルホネート(下記式(B−2)で表される化合物)
B−3:4−シクロヘキシルフェニルジフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート(下記式(B−3)で表される化合物)
[[D]酸拡散制御剤]
D−1:トリフェニルスルホニウム10−カンファースルホネート(下記式(D−1)で表される化合物)
D−2:N−t−アミルオキシカルボニル−4−ヒドロキシピペリジン(下記式(D−2)で表される化合物)
D−3:N−(2−シクロヘキシルカルボニルオキシエチル)モルホリン(下記式(D−3)で表される化合物)
[[E]溶媒]
E−1:酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル
E−2:シクロヘキサノン
E−3:γ−ブチロラクトン
[合成例9]
[A]重合体としての(A−1)100質量部、[B]酸発生剤としての(B−1)6.8質量部、[C]フッ素原子含有重合体としての(C−1)3質量部、[D]酸拡散制御剤としての(D−1)3.9質量部並びに[E]溶媒としての(E−1)2,110質量部、(E−2)900質量部及び(E−3)30質量部を混合し、得られた混合液を孔径20nmのフィルターでろ過することにより、フォトレジスト組成物(J−1)を調製した。
[合成例10〜14]
下記表3に示す種類及び配合量の各成分を用いた以外は合成例9と同様にして、フォトレジスト組成物(J−2)〜(J−5)及び(j−1)を調製した。
<レジストパターンの形成>
被加工基板としての12インチシリコンウェハ上に、反射防止膜形成用組成物(HM8006、JSR製)をスピンコーター(CLEAN TRACK Lithius Pro i、東京エレクトロン製)を用いて塗布した後、220℃で60秒間加熱することにより膜厚100nmの反射防止膜を形成した。次いで、下層反射防止膜形成用組成物(ARC66、日産化学工業製)を上記スピンコーターを用いて塗布した後、205℃で60秒間加熱することにより膜厚105nmの下層反射防止膜を形成した。この下層反射防止膜上に、上記調製したフォトレジスト組成物をスピンコーター(CLEAN TRACK ACT12、東京エレクトロン製)を用いて塗布し、90℃で60秒間PBした後、23℃で30秒間冷却することにより膜厚90nmのレジスト膜を形成した。
次いで、ArF液浸露光装置(NSR−S610C、ニコン精機カンパニー製)を用い、開口数=1.30、ダイポール照明、ベストフォーカスの条件で露光した。レチクル上のサイズは、256nmクロム/512nmピッチであるものを使用した。下記表4に示PEB温度で60秒間PEBを行った後、表4に示す現像液により23℃で30秒間パドル現像し、次いで、表4に示すリンス液で10秒間パドルすることでリンス処理を行った後、乾燥してネガ型のレジストパターンを形成した。なお、現像液のTMAHは2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を、リンス液のDIWは純水(DeIonized Water)をそれぞれ示す。
<評価>
上記調製したフォトレジスト組成物についての感度、及び形成したレジストパターンについてのLWR及び矩形性を、下記方法に従い評価した。得られた結果を表4に示す。
[感度]
各フォトレジスト組成物について、上記形成されるレジストパターンが、32nmライン128nmピッチのサイズとなる露光量を最適露光量とし、この最適露光量を感度(mJ/cm)とした。
[LWR]
上記最適露光量にて解像した32nmライン/128nmピッチのラインパターンを、走査型電子顕微鏡(CG4000、日立ハイテクノロジーズ製)を用い、パターン上部から観察した。このラインパターンのライン幅を任意のポイントで計50点測定し、その測定値の分布度合いを3シグマとして算出した値をLWR(nm)とした。
[矩形性]
上記最適露光量にて解像した32nmライン/128nmピッチのラインパターンの断面形状を走査型電子顕微鏡(S−4800、日立ハイテクノロジーズ製)を用いて観察した。レジストパターンの中間高さでの線幅Lbと、レジストパターンの底部での線幅Laとを測定した。矩形性は、0.9≦(La/Lb)≦1.1である場合は「良好」と、(La/Lb)<0.9又は1.1<(La/Lb)である場合は「不良」と評価した。
<無機物パターン形成>
上記形成した各レジストパターンに、プラズマCVD装置(Dragon、ASM製)を用い、このレジストパターンの上側表面及び側壁上に、平坦部の膜厚が30nmの酸化シリコンからなる無機物層をプラズマCVD法にて形成した。次いで、ドライエッチング装置(Telius SCCM、東京エレクトロン製)を用い、CFガスをプラズマ化し、リアクティブ・イオン・エッチング法にてレジスト膜上側表面の無機物層をエッチバック(選択除去)し、この箇所のレジスト膜を露出させた。続いて、上記ドライエッチング装置を用い、酸素及び窒素の混合ガスをプラズマ化し、上記同様のリアクティブ・イオン・エッチング法にて上記被加工基板のうち露出しているレジスト膜のみを除去し、レジストパターンの側壁上に堆積させた無機物層からなる無機物パターンを得た。
<評価>
上記形成した無機物パターンについてのLWRを、下記方法に従い評価した。得られた結果を表4に合わせて示す。
[LWR]
上記形成した無機物パターンを走査型電子顕微鏡(CG4000、日立ハイテクノロジーズ製)を用い、パターン上部から観察した。そして、この無機物パターンのライン幅を任意のポイントで計50点測定し、その測定値の分布度合いを3シグマとして算出した値をLWR(nm)とした。
表4の結果から明らかなように、実施例の微細パターンの形成方法によれば、形成されるレジストパターンがLWRが小さくかつ矩形性に優れ、また、形成される無機物パターンがLWRが小さいものとすることができる。従って、この方法を用いることで、被加工基板に良好な形状のパターンを形成できると考えられる。一方、比較例に示すように、レジストパターンの形成にアルカリ現像を用いる場合、及びフォトレジスト組成物がラクトン構造等を含む構造単位を有さない重合体を含有する場合には、形成される無機物パターンのLWRが大きくなる不都合があることがわかる。
本発明の微細パターンの形成方法によれば、LWRが小さくかつ良好な形状のレジストパターン及び無機物パターンを形成し、被加工基板に良好なパターンを形成する方法を提供することができる。従って、当該微細パターンの形成方法は、今後ますます微細化が進む半導体デバイス等における加工分野において好適に用いることができる。
1 被加工基板
1’ パターンが形成された被加工基板
2 レジスト膜
2’ レジストパターン
3 無機物層
3’ レジストパターンの側壁に形成された部分
3” 無機物パターン
a 露光光

Claims (3)

  1. (1)被加工基板上にフォトレジスト組成物を塗布し、レジスト膜を形成する工程、
    (2)上記レジスト膜を露光する工程、
    (3)上記露光されたレジスト膜を有機溶媒を含有する現像液を用いて現像し、ネガ型のレジストパターンを形成する工程、
    (4)上記レジストパターン表面を被覆するよう無機物層を形成する工程、
    (5)上記無機物層をエッチバックして、上記レジストパターンの側壁に形成された部分以外の部分を除去する工程、及び
    (6)上記レジストパターンを除去し、無機物パターンを形成する工程
    を有し、
    上記フォトレジスト組成物が、
    [A]酸解離性基を含む構造単位(I)と、ラクトン構造、環状カーボネート構造及びスルトン構造からなる群より選ばれる少なくとも1種の構造を含む構造単位(II)とを有する重合体、並びに
    [B]酸発生体
    を含有する微細パターンの形成方法。
  2. (7)上記無機物パターンをマスクとして、被加工基板をドライエッチングする工程
    をさらに有する請求項1に記載の微細パターンの形成方法。
  3. 上記無機物層が、CVD法又はALD法により形成される請求項1又は請求項2に記載の微細パターンの形成方法。
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