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JP2014205595A - 複層窓 - Google Patents

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JP2014205595A JP2013084282A JP2013084282A JP2014205595A JP 2014205595 A JP2014205595 A JP 2014205595A JP 2013084282 A JP2013084282 A JP 2013084282A JP 2013084282 A JP2013084282 A JP 2013084282A JP 2014205595 A JP2014205595 A JP 2014205595A
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Hiroshi Kojima
浩士 小島
崇聡 首藤
Takatoshi Shuto
崇聡 首藤
哲 菊地
Satoru Kikuchi
哲 菊地
荒巻 粛
Tadashi Aramaki
粛 荒巻
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Abstract

【課題】中空層の膨張/収縮を防止して、シール材の劣化、映像歪みを防止できる複層窓を提供する。【解決手段】少なくとも3枚のガラス板12,14,16を隔置し、周縁をシール材26,38でシールして、第1の中空層と第2の中空層とを備えた複層窓を構成する複層ガラス10において、第1の中空層と第2の中空層とが、第1の連通管46と第2の連通管48とで互いに連通される。これにより、第1の中空層と第2の中空層との間で圧力差が生じたときに相互にバランスをとることができ、シール材の劣化、映像歪みを防止できる。内部に配置される少なくとも1枚のガラス板14が強化ガラスで成っている。【選択図】図1

Description

本発明は複層窓に関する。
複層窓を構成する複層ガラスは、複数枚のガラス板をスペーサで隔置し、周縁をシール材でシールして構成される。各ガラス板の間には密封された中空層が備えられ、この中空層の作用によって、複層ガラスには高い断熱性能が備えられている。
ところで、複層ガラスでは、温度が変化すると、中空層が膨張/収縮する。中空層が膨張/収縮すると、シール材に負荷がかかり、シール材が劣化しやすくなる。また、薄いガラス板を用いた複層ガラスの場合には、中空層の膨張/収縮によってガラス板が大きく撓み易く、複層ガラスを通して見える映像に歪みが生じる。
特許文献1では、外気導入孔を有するシリンダーと、そのシリンダー内に移動可能に配置された可動棒材とを備えた内圧自動調整装置を複層ガラスに取り付け、常に内圧(中空層内の圧力)を大気圧とほぼ同一にすることにより、中空層が膨張/収縮するのを防止している。
特開平7−4252号公報
しかしながら、引用文献1の内圧自動調整装置は、対応できる容量が小さく、大きなサイズの複層ガラスなどには適用できないという欠点がある。
また、複数の中空層を備えた複層ガラスの場合には、中空層ごとに内圧自動調整装置を設置しなければならないという欠点がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、中空層の膨張/収縮を防止して、シール材の劣化、映像歪みを防止できる複層窓を提供することを目的とする。
上記課題を解決する態様について説明する。
第1の態様は、少なくとも3枚の透明基板を隔置し、周縁をシール材でシールして、各透明基板の間に中空層を備えることにより複数の中空層を備えた複層窓において、前記複数の中空層を連結する連結路を備えたことを特徴とする複層窓である。
本態様によれば、中空層を複数備える複層窓において、隣接する中空層又は隣接しない中空層が連結路で連通される。これにより、各中空層間で圧力差が生じたときに相互にバランスをとることができ、中空層が膨張/収縮するのを防止できる。また、これにより、シール材への負荷を低減でき、シール材が劣化するのを防止することができる。また、ガラス板が撓むのを防止でき、映像歪みが生じるのを防止することができる。
なお、前記隣接しない中空層とは、例えば、3層の中空層が存在する複層窓の場合、中央の中空層を除く両側の2つの中空層のことを言う。以下の態様は、3枚の透明基板からなる2つの中空層を備えた複層窓の態様について説明するが、本発明の趣旨は、隣接しない2つの中空層を連結路で連結する複層窓の態様を含む。
第2の態様は、連結路は、各々独立した第1の管路と第2の管路とからなり、隣接する中空層の一方を第1の中空層、他方を第2の中空層としたときに、第1の管路は、一端が第1の中空層の上端部近傍に連通され、他端が第2の中空層の下端部近傍に連通され、第2の管路は、一端が第1の中空層の下端部近傍に連通され、他端が第2の中空層の上端部近傍に連通される態様である。
本態様によれば、連結路が、各々独立した第1の管路と第2の管路とで構成される。第1の管路は、隣接する中空層の一方を第1の中空層、他方を第2の中空層とすると、一端が第1の中空層の上端部近傍に連通され、他端が第2の中空層の下端部近傍に連通される。また、第2の管路は、一端が第1の中空層の下端部近傍に連通され、他端が第2の中空層の上端部近傍に連通される。すなわち、第1の管路と第2の管路とは、互いに斜め十文字にうち違えるように配置(いわゆる、襷掛けの形態による配置)されて、第1の中空層と第2の中空層とを連通する。一般に空気は上部に溜まり、冷たい空気は下部に溜まるので、第1の中空層の上端部近傍と第2の中空層の下端部近傍とを第1の管路で連通し、及び、第1の中空層の下端部近傍と第2の中空層の上端部近傍とを第2の管路で連通することにより、中空層間で温度差が生じた時に空気を循環させることができる。これにより、温度変化に基づく中空層の膨張/収縮を更に効率よく抑制することができる。
第3の態様は、第1の管路は、一端が第1の中空層の一方の側辺部の上端近傍に連通され、他端が第2の中空層の一方の側辺部の下端近傍に連通され、第2の管路は、一端が第1の中空層の他方の側辺部の下端近傍に連通され、他端が第2の中空層の他方の側辺部の上端近傍に連通される態様である。
本態様によれば、第1の管路は、一端が第1の中空層の一方の側辺部の上端近傍に連通され、他端が第2の中空層の一方の側辺部の下端近傍に連通される。また、第2の管路は、一端が第1の中空層の他方の側辺部の下端近傍に連通され、他端が第2の中空層の他方の側辺部の上端近傍に連通される。すなわち、複層ガラスの両側に第1の管路と第2の管路とが配置される。これにより、第1の中空層の上端部分に溜まる温かい空気を第1の管路によって第2の中空層の下端部分に導くことができ、また、第2の中空層の上端部分に溜まる温かい空気を第2の管路によって第1の中空層の下端部分に導くことができる。
第4の態様は、第1の管路は、一端が第1の中空層の上辺部に連通され、他端が第2の中空層の下辺部に連通され、第2の管路は、一端が第1の中空層の下辺部に連通され、他端が第2の中空層の上辺部に連通される態様である。
本態様によれば、第1の管路は、一端が第1の中空層の上辺部に連通され、他端が第2の中空層の下辺部に連通される。また、第2の管路は、一端が第1の中空層の下辺部に連通され、他端が第2の中空層の上辺部に連通される。これにより、第1の中空層の上端部分に溜まる温かい空気を第1の管路によって第2の中空層の下端部分に導くことができ、また、第2の中空層の上端部分に溜まる温かい空気を第2の管路によって第1の中空層の下端部分に導くことができる。
第5の態様は、少なくとも1枚の透明基板が化学強化ガラスで構成される態様である。
本態様によれば、少なくとも1枚の透明基板が化学強化ガラスで構成される。これにより、強度を確保しつつ、総厚を薄くすることができる。化学強化ガラスは、たとえば、内側に配置される透明基板に用いることができる。
第6の態様は、内側に配置される透明基板が、化学強化ガラスで構成され、かつ、厚さが外側に配置される透明基板よりも薄い態様である。
本態様によれば、内側に配置される透明基板が、化学強化ガラスで構成され、かつ、厚さが外側に配置される透明基板よりも薄いガラス板で構成される。たとえば、3枚のガラス板で複層窓が構成される場合は、中央に配置されるガラス板が薄い化学強化ガラスで構成される。これにより、強度を確保しつつ、総厚を薄くすることができる。また、薄いことにより撓むことができるため、中空層が膨張/収縮した際、その撓みによってシール部材が受ける応力を吸収でき、シール材にかかる負荷を低減することができる。
第7の態様は、少なくとも1枚の透明基板に低放射膜が備えられる態様である。
本態様によれば、少なくとも1枚の透明基板に低放射膜が備えられる。透明基板であるガラス板の表面に低放射膜、すなわち、Low−E(Low-Emissivity)を備えることにより、赤外線による熱エネルギの放射率を低くすることができ、遮熱性、断熱性を向上させることができる。
本発明によれば、中空層の膨張/収縮を防止して、シール材の劣化、映像歪みを防止できる。
本発明に係る複層窓を構成する複層ガラスの一実施形態を示す斜視図 図1に示した複層ガラスの正面図 図1に示した複層ガラスの左側面図 図1に示した複層ガラスの右側面図 図2の5−5断面図 図2の6−6断面図 連通管のその他の連通形態を示す斜視図
以下、添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態について詳説する。
図1は、本発明に係る複層窓を構成する複層ガラス10の一実施形態を示す斜視図である。また、図2、図3、図4は、それぞれ図1に示した複層ガラス10の正面図、左側面図、右側面図である。また、図5は、図2の5−5断面図であり、図6は、図2の6−6断面図である。なお、以下に説明する複層窓では、透明基板としてガラス板を例示するが、これに限定されるものではなく、樹脂製の透明基板であっても本発明の複層窓に適用できる。
複層ガラス10は、3枚のガラス板で構成され、2つの中空層が備えられる。そして、その2つの中空層が互いに連通管(管路)で連通される。なお、複層窓としては、4枚以上のガラス板からなる3つ以上の中空層を備えた複層窓でもよい。
3枚のガラス板は、第1のガラス板12と、第2のガラス板14と、第3のガラス板16とからなり、第1のガラス板12、第2のガラス板14、第3のガラス板16の順で隔置される。
外側に配置される第1のガラス板12及び第3のガラス板16は、通常のフロートガラスであり、内側に配置される第2のガラス板14は、化学強化ガラスである。また、内側に配置される第2のガラス板14は、外側に配置される第1のガラス板12及び第3のガラス板16よりも厚さが薄くされる。
ここで、化学強化ガラスとは、化学強化法によって強度を向上させたガラスをいう。化学強化法とは、ガラス表面層の分子をイオン交換してガラス表面に大きな分子を形成し、ガラス表面層に圧縮応力を形成して、ガラスを強化する方法である。化学強化法によれば、厚さの薄いガラス板を良好に強化できる。
このように内側に配置される第2のガラス板14に厚さの薄い化学強化ガラスを使用することにより、一定の強度を確保しつつ、複層ガラス10の総厚を薄くすることができる。また、薄い化学強化ガラスは、撓むことができるため、中間層が膨張/収縮した際に、その撓みによってシール部材が受ける応力を吸収することができる。これにより、シール材にかかる負荷を低減でき、シール材の劣化を抑止することができる。
第1のガラス板12と第2のガラス板14とは、第1のスペーサ18で隔置される。また、第2のガラス板14と第3のガラス板16とは、第2のスペーサ20で隔置される。
第1のスペーサ18は、一定の厚さを有する矩形の枠状の部材であり、各辺が第1のガラス板12と第2のガラス板14の各辺に沿って配置される。すなわち、その上辺部、下辺部、左側辺部、右側辺部が、それぞれ第1のガラス板12及び第2のガラス板14の上辺部、下辺部、左側辺部、右側辺部に沿って配置される。
第1のガラス板12と第2のガラス板14は、この第1のスペーサ18によって一定の間隔をもって対向して隔置される。これにより、第1のガラス板12と第2のガラス板14との間に一定の厚さを有する第1の中空層22が備えられる。
第1のスペーサ18は、角筒状の断面形状を有しており、第1のガラス板12と対向する面と、第2のガラス板14と対向する面とが、それぞれ一次シール材24によって第1のガラス板12と第2のガラス板14とに接着される。これにより、第1のガラス板12と第2のガラス板14とが一体的に接合される。
また、第1のスペーサ18の外側(第1の中空層22と反対側)には、二次シール材26が充填される。二次シール材26は、一次シール材24と接するようにして、第1のガラス板12と第2のガラス板14との間に形成される凹状の空間に充填される。これにより、第1の中空層22の周縁がシール(密閉)される。
また、第1のスペーサ18の内面(第1の中空層22側の面)には、通気孔28が備えられる。通気孔28は、周方向に沿って一定の間隔で備えられ、それぞれ第1のスペーサ18の中空部30に連通される。中空部30には、ゼオライト等の粒状乾燥剤32が充填される。これにより、第1の中空層22の空気を乾燥させることができる。
第2のスペーサ20は、一定の厚さを有する矩形の枠状の部材であり、各辺が第2のガラス板14と第3のガラス板16の各辺に沿って配置される。すなわち、その上辺部、下辺部、左側辺部、右側辺部が、それぞれ第2のガラス板14及び第3のガラス板16の上辺部、下辺部、左側辺部、右側辺部に沿って配置される。
第2のガラス板14と第3のガラス板16は、この第2のスペーサ20によって一定の間隔をもって対向して隔置される。これにより、第1のガラス板12と第2のガラス板14との間に第2の中空層34が備えられる。
第2のスペーサ20は、角筒状の断面形状を有しており、第2のガラス板14と対向する面と、第3のガラス板16と対向する面とが、それぞれ一次シール材36によって第2のガラス板14と第3のガラス板16とに接着される。これにより、第2のガラス板14と第3のガラス板16とが一体的に接合される。
また、第2のスペーサ20の外側(第2の中空層34と反対側)には、二次シール材38が充填される。二次シール材38は、一次シール材36と接するようにして、第2のガラス板14と第3のガラス板16の間に形成される凹状の空間に充填される。これにより、第2の中空層34の周縁がシール(密閉)される。
また、第2のスペーサ20の内面(第1の中空層22側の面)には、通気孔40が備えられる。通気孔40は、周方向に沿って一定の間隔で備えられ、それぞれ第2のスペーサ20の中空部42に連通される。中空部42には、ゼオライト等の粒状乾燥剤44充填される。これにより、第2の中空層34の空気を乾燥させることができる。
なお、第1のスペーサ18と第2のスペーサ20は、主にアルミニウムを主材質とする金属製スペーサが使用されるが、複層ガラス10の周辺部の熱伝導を減じる必要がある場合は、熱伝導率の比較的小さい金属であるステンレス材や硬質樹脂からなるものを使用することが好ましい。
一次シール材としては、通常架橋処理されないブチルゴム、もしくは、ポリイソブチレンをベースとし、着色と補強を目的としたカーボンブラックなどのフィラーを含有させたものが好適である。
二次シール材としては、ポリサルファイド、シリコーン、ウレタンなどの硬化性エラストマをベースとし、ガラスとの接着性を発現するために適当な変性を加えられたものなどが好適である。
第1の中空層22と第2の中空層34とは、第1の連通管(第1の管路)46と第2の連通管(第2の管路)48とを備えた連結路によって、互いに連通される。
第1の連通管46は、両端が直角に屈曲したコ字状の細管で構成され、複層ガラス10の左側部に配置される。第1の連通管46は、一端が第1のスペーサ18の左側辺部の上端部近傍を貫通して、第1の中空層22に連通される、また、他端が第2のスペーサ20の左側辺部の下端部近傍を貫通して、第2の中空層34に連通される。これにより、第1の中空層22の上端部近傍と第2の中空層34の下端部近傍とが互いに連通される。
なお、第1のスペーサ18の左側辺部の上端部近傍には、第1の連通管46を通すための挿通孔が備えられる。第1の連通管46は、この挿通孔を通して、一方の先端が第1の中空層22の内側に挿入される。同様に、第2のスペーサ20の左側辺部の下端部近傍には、第1の連通管46を通すための挿通孔が備えられる。第1の連通管46は、この挿通孔を通して、他方の先端が第2の中空層34の内側に挿入される。
第2の連通管48は、両端が直角に屈曲したコ字状の細管で構成され、複層ガラス10の右側部に配置される。第2の連通管48は、一端が第1のスペーサ18の右側辺部の下端部近傍を貫通して、第1の中空層22に連通される。また、他端が第2のスペーサ20の右側辺部の上端部近傍を貫通して、第2の中空層34に連通される。これにより、第1の中空層22の下端部近傍と第2の中空層34の上端部近傍とが互いに連通される。
なお、第1のスペーサ18の右側辺部の下端部近傍には、第2の連通管48を通すための挿通孔が備えられる。第1の連通管46は、この挿通孔を通して、一方の先端が第1の中空層22の内側に挿入される。同様に、第2のスペーサ20の右側辺部の上端部近傍には、第2の連通管48を通すための挿通孔が備えられる。第2の連通管48は、この挿通孔を通して、他方の先端が第2の中空層34の内側に挿入される。
このように、第1の連通管46と第2の連通管48とは、複層ガラス10の左右両側部に配置され、互いに斜め十文字にうち違えるように配置(いわゆる、襷掛けの形態で配置)されて、第1の中空層22と第2の中空層34とを互いに連通する。
実施の形態の複層窓を構成する複層ガラス10は、以上のように構成される。
複層ガラス10によれば、第1の中空層22と第2の中空層34とが、第1の連通管46と第2の連通管48とを介して互いに連通される。これにより、第1の中空層22と第2の中空層34との間で圧力差が生じたときに相互にバランスをとることができ、第1の中空層22及び第2の中空層34が膨張/収縮するのを効果的に防止することができる。これにより、中空層の膨張/収縮によるシール材への負荷を低減でき、シール材が劣化するのを防止することができる。また、膨張/収縮に基づくガラス板の撓みを防止でき、映像歪みが生じるのを防止することができる。
なお、本実施の形態では、2つの連通管によって第1の中空層22と第2の中空層34とを連通する構成としているが、1つの連通管によって連通する構成とすることもできる。
なお、本実施の形態のように、2つの連通管によって互いの中空層の上端部近傍と下端部近傍とを連通することにより、中空層間で温度差が生じた時に、空気を循環させることができ、より効果的に中空層の膨張/収縮を抑えることができる。すなわち、一般に暖かい空気は上部に溜まり、冷たい空気は下部に溜まるので、互いの上部に溜まる暖かい空気を他方側の中空層の下部に導くように管路を組むことにより、効率よく空気を循環させることができる。これにより、中空層間で温度の均衡を図ることができ、より効果的に中空層の膨張/収縮を抑えることができる。
図7は、連通管のその他の連通形態を示す斜視図である。
上記実施の形態では、第1の中空層22の左側辺部の上端部近傍と第2の中空層34の左側辺部の下端部近傍とを第1の連通管46で連通し、第1の中空層22の右側辺部の下端部近傍と第2の中空層34の右側辺部の上端部近傍とを第2の連通管48で連通する構成としているが、図7に示すように、第1の中空層22の上辺部と第2の中空層34の下辺部とを第1の連通管46で連通し、第1の中空層22の下辺部と第2の中空層34の上辺部とを第2の連通管48で連通する構成とすることによっても、同様の作用効果を奏することができる。
この場合、第1の連通管46は、一端が第1のスペーサ18の上辺部を貫通して、第1の中空層22に連通され、他端が第2のスペーサ20の下辺部を貫通して、第2の中空層34に連通される。また、第2の連通管48は、一端が第1のスペーサ18の下辺部を貫通して、第1の中空層22に連通され、他端が第2のスペーサ20の上辺部を貫通して、第2の中空層34に連通される。これにより、第1の中空層22の上辺部と第2の中空層34の下辺部とが第1の連通管46を介して連通され、第1の中空層22の下辺部と第2の中空層34の上辺部とが第2の連通管48を介して連通される。
なお、この場合、第1のスペーサ18の上辺部には、第1の連通管46を通すための挿通孔が備えられ、第2のスペーサ20の下辺部には、第1の連通管46を通すための挿通孔が備えられる。また、第1のスペーサ18の下辺部には、第2の連通管48を通すための挿通孔が備えられ、第2のスペーサ20の上辺部には、第2の連通管48を通すための挿通孔が備えられる。
なお、第1の連通管46及び第2の連通管48を連通させる位置は、各辺部の中央部分とすることが好ましい。
また、第1の連通管46及び第2の連通管48については、その設置部のシール性等の観点から極細管を用いることが好ましい。ただし、その内径が小さすぎると空気が流れなくなるおそれがあるので、空気の流れを生じさせ得る程度の内径を有する極細管(いわゆる、キャピラリーチューブ)を使用することが好ましい。たとえば、内径0、1mm〜1mm程度の極細管を使用することができる。
また、上記実施の形態では、内側に配置される第2のガラス板14を化学強化ガラスとしているが、3枚とも通常のフロートガラスとすることもできる。同様に3枚とも化学強化ガラスとすることもできる。また、必要に応じて、網入りガラスや耐熱防火性ガラスとすることもできる。
なお、上記実施の形態の複層ガラス10のように、内側に配置される第2のガラス板14を薄い化学強化ガラス(たとえば、厚さ0.2mm〜1.2mmの化学強化ガラス)とすることにより、一定の強度を確保しつつ、複層ガラス10の総厚を小さくすることができる。また、薄い化学強化ガラスとすることにより、中空層が膨張/収縮した際、その撓みによってシール部材が受ける応力を吸収でき、シール材にかかる負荷を低減することができる。これにより、シール材の寿命を更に延ばすことができる。
通常のフロートガラスを使用する場合は、たとえば、厚さが3mm〜5mmのガラス板を使用することができ、網入りガラスを使用する場合は、厚さが6.8mmのガラス板を使用することができる。
また、各ガラス板の間に形成する中空層の厚さについては、適宜設定することができるが、たとえば、6mmに設定することができる。
また、3枚のガラス板については、少なくとも1枚のガラス板に低放射膜を備えることができる。表面に低放射膜、すなわち、Low−E(Low-Emissivity)を備えたガラス板を使用することにより、赤外線による熱エネルギの放射率を低くすることができ、遮熱性、断熱性を向上させることができる。
どのガラス板に低放射膜を備えるかは適宜選択することができる。たとえば、外側に配置されるガラス板のいずれか一方、又は、双方に備えることができる。
また、低放射膜を備える面については、使用する低放射膜に応じて適宜選択することができる。たとえば、銀系の低放射膜(いわゆる、銀(Ag)を主体(主成分)として構成される低放射膜)を用いる場合は、傷等の観点から、複層ガラス10の内側の面に付与することが好ましい。
また、上記実施の形態では、複層窓の複層ガラス10を3枚のガラス板で構成しているが、4枚以上のガラス板で複層ガラスを構成することもできる。この場合、隣接する2つの中間層を、連通管(連結路)を介して互いに連通してもよく、隣接しない2つの中空層を、連通管を介して互いに連通してもよい。
また、実施の形態では本発明の連結路として連通管を例示したが、これに限定されるものではない。例えば、3枚の透明基板のうち、中央の透明基板に1つ以上の開口部を備えさせ、この開口部を連結路とし、この連結路を介して隣隣する2つの中空層を連通させてもよい。また、4枚の透明基板からなる複層窓の場合は、内側に位置する2枚の透明基板に1つ以上の開口部を備えさせ、この開口部を連結路とし、この連結路を介して3つの中空層を連通させればよい。
10…複層ガラス、12…第1のガラス板、14…第2のガラス板、16…第3のガラス板、18…第1のスペーサ、20…第2のスペーサ、22…第1の中空層、24…一次シール材、26…二次シール材、28…通気孔、30…中空部、32…粒状乾燥剤、34…第2の中空層、36…一次シール材、38…二次シール材、40…通気孔、42…中空部、44…粒状乾燥剤、46…第1の連通管、48…第2の連通管

Claims (7)

  1. 少なくとも3枚の透明基板を隔置し、周縁をシール材でシールして、各透明基板の間に中空層を備えることにより複数の中空層を備えた複層窓において、
    前記複数の中空層を連結する連結路を備えたことを特徴とする複層窓。
  2. 前記連結路は、各々独立した第1の管路と第2の管路とからなり、
    隣接する前記中空層の一方を第1の中空層、他方を第2の中空層としたときに、
    前記第1の管路は、一端が前記第1の中空層の上端部近傍に連通され、他端が前記第2の中空層の下端部近傍に連通され、
    前記第2の管路は、一端が前記第1の中空層の下端部近傍に連通され、他端が前記第2の中空層の上端部近傍に連通されることを特徴とする請求項1に記載の複層窓。
  3. 前記第1の管路は、一端が前記第1の中空層の一方の側辺部の上端近傍に連通され、他端が前記第2の中空層の一方の側辺部の下端近傍に連通され、
    前記第2の管路は、一端が前記第1の中空層の他方の側辺部の下端近傍に連通され、他端が前記第2の中空層の他方の側辺部の上端近傍に連通されることを特徴とする請求項2に記載の複層窓。
  4. 前記第1の管路は、一端が前記第1の中空層の上辺部に連通され、他端が前記第2の中空層の下辺部に連通され、
    前記第2の管路は、一端が前記第1の中空層の下辺部に連通され、他端が前記第2の中空層の上辺部に連通されることを特徴とする請求項2に記載の複層窓。
  5. 少なくとも1枚の透明基板が化学強化ガラスで構成されることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の複層窓。
  6. 内側に配置される透明基板が、化学強化ガラスで構成され、かつ、厚さが外側に配置される透明基板よりも薄いことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の複層窓。
  7. 少なくとも1枚の透明基板に低放射膜が備えられることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の複層窓。
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