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JP2014136684A - 液剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】ポリビニルアルコール又はその部分けん化物、及びヒマシ油を含み、かつ白濁が抑制された安定な液剤、及びポリビニルアルコール又はその部分けん化物、及びヒマシ油を含む液剤において、白濁を抑制する方法を提供する。
【解決手段】以下の(a)〜(c)を含有する液剤。
(a)ポリビニルアルコール又はその部分けん化物
(b)ヒマシ油
(c)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油
【選択図】なし

Description

本発明は、コンタクトレンズ装着液等として用いられる、白濁が抑制された安定な液剤、及び液剤における白濁を抑制する方法に関する。
コンタクトレンズ装着液等の液剤においては、その適用部位(例えば、眼表面等)における滞留性の改善、保湿性の向上、効能を持続させる等の目的のために、粘性(粘稠性)をもたせる製剤設計が行われている。
液剤に粘性を付与するための増粘剤として、ポリビニルアルコール等のポリビニル系高分子化合物が使用されており、例えば特許文献1には、ポリビニルアルコール等のポリビニル系高分子化合物、非イオン性界面活性剤等を含有するコンタクトレンズ用装着点眼液が開示されている。
国際公開第2009/035033号
本発明者らは、ポリビニルアルコールを配合した保湿効果の高い液剤の開発において、液剤にヒマシ油を配合すると白濁が生じることを見出した。白濁の発生により液剤の外観が悪化するため、ポリビニルアルコール及びヒマシ油を含む液剤において白濁の発生を抑制できる手段が必要である。
そこで本発明は、ポリビニルアルコール又はその部分けん化物、及びヒマシ油を含み、かつ白濁が抑制された安定な液剤を提供することを主な課題とする。また本発明は、ポリビニルアルコール又はその部分けん化物、及びヒマシ油を含む液剤において、白濁を抑制する方法を提供することも課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、ポリビニルアルコール又はその部分けん化物、及びヒマシ油を含む液剤に、界面活性剤であるポリオキシエチレン硬化ヒマシ油を配合することにより、該液剤における白濁を効果的に抑制することができることを見出した。なお、本明細書中、「白濁」には、白色沈殿も含まれる。
本発明は、上記知見に基づき完成されたものであり、下記の液剤等を提供する。
〔1〕以下の(a)〜(c)を含有することを特徴とする液剤。
(a)ポリビニルアルコール又はその部分けん化物
(b)ヒマシ油
(c)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油
〔2〕コンタクトレンズ装着液であることを特徴とする前記〔1〕に記載の液剤。
〔3〕(a)ポリビニルアルコール又はその部分けん化物と、(b)ヒマシ油との比率が、質量比で(b)ヒマシ油1に対して(a)ポリビニルアルコール又はその部分けん化物が15を超えて100以下であることを特徴とする前記〔1〕又は〔2〕に記載の液剤。
〔4〕(a)ポリビニルアルコール又はその部分けん化物及び(b)ヒマシ油を含む液剤に、(c)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油を添加することを特徴とする液剤における白濁を抑制する方法。
本発明によれば、ポリビニルアルコール又はその部分けん化物、及びヒマシ油を含み、かつ白濁が抑制された液剤を提供することができる。このような液剤は、澄明で、例えば凍結融解時にも白濁が生じない安定性に優れる組成物である。さらに、このような液剤は、優れた保湿効果も有するものであり、コンタクトレンズ装着液等の眼科用組成物等として好適に用いられる。また、本発明によれば、ポリビニルアルコール又はその部分けん化物、及びヒマシ油を含む液剤における白濁を効果的に抑制することができる。
本発明の液剤は、以下の(a)〜(c)を含有するものである。
(a)ポリビニルアルコール又はその部分けん化物
(b)ヒマシ油
(c)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油
(a)ポリビニルアルコール又はその部分けん化物
本発明において用いられるポリビニルアルコール及びその部分けん化物は、その分子量に制限はないが、例えば重量平均分子量が、好ましくは約1万〜20万、より好ましくは約8万〜20万、さらに好ましくは約8万〜17万のものを好適に使用することができる。ポリビニルアルコール及びその部分けん化物は、1種又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。また、ポリビニルアルコール及びその部分けん化物は、市販のものを用いることができる。好ましくは、ポリビニルアルコールの部分けん化物を用いる。
本発明の液剤中の(a)ポリビニルアルコール又はその部分けん化物の含有量は、化合物の種類や分子量によって適宜設定すればよく、本発明の効果を奏することになる限り特に限定されるものではないが、ポリビニルアルコール及びその部分けん化物の総量が、液剤全量に対して、通常約0.01〜10w/v%(g/100mL、以下同様である)、好ましくは約0.5〜5w/v%、より好ましくは約1〜2w/v%である。
(b)ヒマシ油
ヒマシ油とは、通常、トウダイグサ科トウゴマ属の植物トウゴマ(Ricinus communis Linne(Euphorbiaceae)等の種子から得た植物油をいう。ヒマシ油は、公知の搾取方法及び公知の精製方法を用いて種子から得ることができる。ヒマシ油は、通常当業者が医薬等に使用しうるものを用いることができ、市販のものを用いることもできる。
本発明の液剤中のヒマシ油の含有量は、液剤全量に対して約0.0001〜10w/v%とすることが好ましく、より好ましくは約0.001〜1w/v%、さらに好ましくは約0.01〜0.1w/v%である。ヒマシ油の含有量をこのような範囲とすると、液剤における白濁をより効果的に抑制することができ、液剤の安定性をより向上させることができる。
(c)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油は、エチレンオキサイドの平均付加モル数が10〜100程度のものを用いることが好ましい。より好ましくは、エチレンオキサイドの平均付加モル数が30〜80程度、さらに好ましくはエチレンオキサイドの平均付加モル数が50〜60程度のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油である。これらは市販品を使用でき、例えば、HCO-60(商品名、日光ケミカルズ社製)等を好適に使用することができる。ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油は、1種又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の液剤中のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油の含有量は、液剤全量に対して約0.001〜30w/v%とすることが好ましく、より好ましくは約0.01〜3w/v%、さらに好ましくは約0.03〜0.3w/v%である。
本発明の液剤においては、(a)ポリビニルアルコール又はその部分けん化物と(b)ヒマシ油との比率が、質量比で(b)ヒマシ油1に対して(a)ポリビニルアルコール又はその部分けん化物が15を超えて100以下程度であることが好ましく、(b)1に対して、(a)が20〜100程度であることがより好ましく、(b)1に対して、(a)が20〜60程度であることがさらに好ましい。上記(a)と(b)とをこのような比率で配合すると、液剤における白濁をより効果的に抑制することができ、液剤の安定性をより向上させることができる。
本発明の液剤においては、(b)ヒマシ油と(c)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油との比率が、質量比で(b)ヒマシ油1に対して(c)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油が1〜10程度であることが好ましく(b)1に対して、(c)が1〜5程度であることがより好ましく、(b)1に対して、(c)が2〜5程度であることがさらに好ましい。上記(b)と(c)とをこのような比率で配合すると、液剤における白濁をより効果的に抑制することができ、液剤の安定性をより向上させることができる。
本発明の液剤には、本発明の効果を損なわない範囲であれば、必須成分である上記(a)〜(c)の他に、その用途、使用形態等に応じて、常法に従い、様々な成分、添加物等を適宜選択し、その1種又は2種以上を含有させてもよい。それらの成分又は添加物として、例えば、液剤の調製に一般的に使用される担体、緩衝剤、等張化剤、キレート剤、防腐剤、殺菌剤又は抗菌剤、増粘剤、pH調節剤、清涼化剤、糖類、油性成分等(いずれも上記(a)〜(c)以外のもの)が挙げられる。
担体として、例えば、水、含水エタノール等の水性溶媒が挙げられる。
緩衝剤として、例えば、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸二水素カリウム、及びそれらの水和物等のリン酸緩衝剤;クエン酸、クエン酸ナトリウム等のクエン酸緩衝剤;ホウ酸、ホウ砂等のホウ酸緩衝剤;酢酸、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム等の酢酸緩衝剤;炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム等の炭酸緩衝剤;アミノエチルスルホン酸;イプシロン−アミノカプロン酸;トロメタモール等が挙げられる。中でも、リン酸緩衝剤等が好ましく、リン酸水素ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、それらの水和物等がより好ましい。緩衝剤の含有量は、液剤全量に対して約0.1〜3w/v%が好ましく、より好ましくは約0.5〜1.5w/v%である。
等張化剤として、例えば、グリセリン、プロピレングリコール等の水溶性多価アルコール;塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム等の無機塩;酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム等の有機酸塩等が挙げられる。中でも、無機塩が好ましく、塩化ナトリウム、塩化カリウム等がより好ましい。等張化剤の含有量は、液剤全量に対して約0.01〜10w/v%が好ましく、より好ましくは約0.1〜1w/v%である。
キレート剤として、例えば、アスコルビン酸、エデト酸四ナトリウム、エデト酸ナトリウム、クエン酸等が挙げられる。中でも、エデト酸ナトリウム(EDTA)等が好ましい。キレート剤の含有量は、液剤全量に対して約0.0001〜1w/v%が好ましく、より好ましくは約0.001〜0.1w/v%である。
防腐剤、殺菌剤又は抗菌剤として、例えば、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、パラオキシ安息香酸エステル(パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル等)、グルコン酸クロルヘキシジン(クロルヘキシジングルコン酸塩)、第4級アンモニウム塩(塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化セチルピリジニウム等)、アルキルポリアミノエチルグリシン、クロロブタノール、ポリクォード、ポリヘキサメチレンビグアニド、クロルヘキシジン等が挙げられる。中でも、グルコン酸クロルヘキシジン(クロルヘキシジングルコン酸塩)等が好ましい。防腐剤、殺菌剤又は抗菌剤の含有量は、液剤全量に対して約0.00001〜1w/v%が好ましく、より好ましくは約0.0001〜0.1w/v%である。
増粘剤として、例えば、デキストラン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(ヒプロメロース)、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース等のセルロース系の増粘剤;カルボキシビニルポリマー、アラビアゴム、アルギン酸、ポビドン、キサンタンガム等が挙げられる。このような増粘剤の含有量は、液剤全量に対して約0.01〜3w/v%が好ましく、より好ましくは約0.05〜1w/v%である。
pH調節剤として、例えば、塩酸、リン酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等が挙げられる。
清涼化剤として、例えば、メントール、カンフル、ボルネオール、ゲラニオール、シネオール、リナロール等が挙げられる。清涼化剤の含有量は、液剤全量に対して約0.001〜0.1w/v%が好ましく、より好ましくは約0.005〜0.05w/v%である。
糖類として、例えば、グルコース、トレハロース、ラクトース、フルクトース、マンニトール、キシリトール、ソルビトール等が挙げられる。糖類の含有量は、液剤全量に対して約0.1〜10w/v%が好ましく、より好ましくは約0.5〜5w/v%である。
油性成分として、例えば、ダイズ油、ゴマ油、ラッカセイ油、オリーブ油、アルモンド油、小麦胚芽油、コーン油、ナタネ油、ヒマワリ油、精製ラノリン等が挙げられる。油性成分の含有量は、液剤全量に対して約0.001〜1w/v%が好ましく、より好ましくは約0.01〜0.1w/v%である。
担体、添加物は1種を単独で、又は2種以上を組合わせて使用できる。
本発明の液剤は、本発明の効果を妨げない限り、種々の有効成分(薬理活性成分、生理活性成分等を含む)の1種又は2種以上を含有してもよい。このような成分の種類は特に限定されず、例えば、充血除去成分、眼筋調節成分、消炎収れん成分、抗ヒスタミン薬成分又は抗アレルギー薬成分、ビタミン類、アミノ酸類、抗菌成分、局所麻酔薬成分等が挙げられる。液剤中のこれらの成分の配合量は、通常製剤的に許容可能な範囲内で、かつ本発明の効果を妨げない範囲であればよく、液剤の形態、薬物の種類等に応じて適宜選択される。
充血除去成分として、例えば、エピネフリン、塩酸エピネフリン、酒石酸水素エピネフリン塩酸エフェドリン、塩酸テトラヒドロゾリン、塩酸ナファゾリン、硝酸ナファゾリン、塩酸フェニレフリン、塩酸メチルエフェドリン、塩酸オキシメタゾリン等が挙げられる。これらはd体、l体又はdl体のいずれでもよい。
眼筋調節成分として、例えば、メチル硫酸ネオスチグミン、トロピカミド、ヘレニエン硫酸アトロピン等が挙げられる。
消炎収れん成分として、例えば、イプシロンアミノカプロン酸、アラントイン、塩化ベルベリン、硫酸ベルベリン、アズレンスルホン酸ナトリウム、グリチルリチン酸二カリウム、硫酸亜鉛、乳酸亜鉛、塩化リゾチーム等が挙げられる。
抗ヒスタミン薬成分又は抗アレルギー薬成分として、例えば、アシタザノラスト、ジフェンヒドラミン又はその塩酸塩、マレイン酸クロルフェニラミン、フマル酸ケトチフェン、レボカバスチン又はその塩酸塩、アンレキサノクス、イブジラスト、タザノラスト、トラニラスト、オキサトミド、スプラタスト又はそのトシル酸塩、クロモグリク酸ナトリウム、ペミロラストカリウム等が挙げられる。
ビタミン類として、例えば、フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム、シアノコバラミン、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール、塩酸ピリドキシン、パンテノール、パントテン酸カルシウム、パントテン酸ナトリウム、酢酸トコフェロール等が挙げられる。
アミノ酸類として、例えば、L−アスパラギン酸カリウム、L−アスパラギン酸マグネシウム、L−アスパラギン酸マグネシウム・カリウム(等量混合物)、アミノエチルスルホン酸、コンドロイチン硫酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸エステルナトリウム等が挙げられる。
抗菌成分として、例えば、スルファメトキサゾール、スルファメトキサゾールナトリウム、スルフイソキサゾール、スルフイソミジンナトリウム、オフロキサシン、ノルフロキサシン等が挙げられる。
局所麻酔薬成分として、クロロブタノール、塩酸プロカイン、塩酸リドカイン等が挙げられる。
本発明の液剤の調製方法は特に限定されず、慣用の方法で調製できる。例えば、各必須成分及び所望により配合される有効成分や添加剤を、担体に均一に分散させ、所望によりpH調整剤によりpHを調整することにより調製すればよい。好ましくは、例えば、水等の担体に、必須成分である(a)〜(c)の予備混合物を配合した後、所望により上述した有効成分及び/又は添加物を混合し、必要に応じてpHを調整することにより調製する。例えばコンタクトレンズ装着液等の眼科用組成物として使用する場合には、調製した液剤を通常無菌ろ過後、適当な容器に充填すればよい。
本発明の液剤は、水の含有量が、例えば、約90w/v%以上であることが好ましく、より好ましくは約95w/v%以上である。
また、本発明の液剤のpHは、通常約3〜9とすればよく、約5〜8が好ましく、約5.5〜8がより好ましい。
本発明の液剤は、上記必須成分及び必要に応じて上記有効成分、担体、添加剤等を配合するものであり、その粘度が特に制限されるものではないが、例えばコンタクトレンズ装着液等の眼科用組成物として使用する場合には、通常25℃における粘度が約2〜50センチポアズであることが好ましく、約3〜30センチポアズであることが好ましい。なお、粘度測定は、日本薬局方に記載された粘度測定法に従って測定することができる。
本発明の液剤は、白濁が抑制された液剤であり、通常澄明なものである。澄明とは、「濁りがなく、透きとおっていること」をいう。液剤における白濁の有無は、通常目視により確認することができる。本発明の液剤は、例えば凍結融解時においても白濁が生じない外観が安定なものであるため、後述する各種用途に好適に使用することができる。
本発明の液剤は、凍結及び融解の操作を繰り返す凍結融解試験を行った場合に、凍結(約−20℃)・融解(約25℃)の操作を3回以上繰り返した場合にも白濁がない澄明なものであることが好ましく、前記凍結・融解の操作を5回以上繰り返した場合にも白濁がない澄明なものであることがより好ましい。凍結及び融解の時間等は、例えば、実施例で行った凍結融解試験の条件等を採用することができる。
本発明の液剤は、その使用用途、使用形態等は特に限定されず、医薬品組成物、医薬部外品組成物、化粧品組成物等として利用することができる。また、本発明の液剤は、上述した必須成分を含むことにより優れた保湿効果も有するものであり、例えば、外用組成物等として好適に使用できる。中でも、コンタクトレンズ装着液、点眼剤(一般用点眼剤、コンタクトレンズ用点眼剤等)、洗眼剤(一般用洗眼剤、コンタクトレンズをはずした後に使用する洗眼剤等)等の眼科用組成物等として好適に使用される。中でも、本発明の液剤は、コンタクトレンズ装着液として好適に用いられる。コンタクトレンズとしては特に制限されず、ハードコンタクトレンズ、酸素透過性ハードコンタクトレンズ、ソフトコンタクトレンズ、使い捨てコンタクトレンズ、シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズ等が挙げられる。
本発明の液剤は、上述した必須成分を含むことにより、例えばコンタクトレンズ装着液として使用すると、各種コンタクトレンズを装着する際に、コンタクトレンズの濡れ性を改善することができるものである。また、優れた乾き目改善効果を発揮し、眼の乾燥による不快感を改善することができるものである。このため本発明の液剤をコンタクトレンズ装着液として使用すると、コンタクトレンズ表面の乾燥によって角膜や結膜に傷がつくことを防止でき、容易にコンタクトレンズを装着することができる。さらに、装用中の眼の乾燥感、異物感等の不快感を改善することもできる。
本発明の液剤の用法及び使用量は特に限定されず、用途、使用形態等に応じて適宜選択すればよい。例えば、コンタクトレンズ装着液とする場合には、コンタクトレンズ装着液として通常使用される量を常法に従って使用することができる。
(a)ポリビニルアルコール又はその部分けん化物及び(b)ヒマシ油を含む液剤に、(c)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油を添加することにより、液剤における白濁を抑制することができる。このような液剤における白濁を抑制する方法も、本発明に包含される。本発明の液剤における白濁を抑制する方法において、各成分やその配合量等は上述した液剤におけるものと同じである。白濁を抑制するとは、(c)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油を添加した場合に、添加しない場合と比較して白濁又はその程度が抑制されることを意味する。
以下、本発明を実施例を挙げてより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1
表1に示す組成の液剤を調製した。具体的には、以下の方法により液剤を調製した。
加温した精製水に、ポリビニルアルコール(部分けん化物)を溶解し、別にヒマシ油0.015gとポリオキシエチレン硬化ヒマシ油0.045gを溶解したものを加え、塩化ナトリウム0.5g、塩化カリウム0.16g、リン酸水素ナトリウム水和物1g、リン酸二水素ナトリウム0.07g、コンドロイチン硫酸エステルナトリウム0.008g及びエデト酸ナトリウム水和物0.01gを加え、更にクロルヘキシジングルコン酸塩0.05gを加えた後、精製水を加えて全量100mLとし、液剤を調製した。
表1中の数値は、w/v%である。
実施例2〜5
ヒマシ油及びポリオキシエチレン硬化ヒマシ油の配合量を表1に示す量とした以外は、実施例1と同様にして液剤を調製した。
Figure 2014136684
比較例1〜7
表2に示す組成の液剤を調製した。より具体的には、実施例1の液剤において、ヒマシ油を表2に示す量に変更、又はポリオキシエチレン硬化ヒマシ油をポリオキシエチレンヒマシ油又はポリソルベート80に変更したうえ、表2に示す量とした以外は、実施例1と同様にして液剤を調製した。
表2中の数値は、w/v%である。
Figure 2014136684
実施例1〜5及び比較例1〜7で調製した液剤を用いて、下記に示す評価を行った。
<凍結融解試験>
実施例及び比較例の各液剤(それぞれ100mLを3本(n=3))を凍結(−20℃)で約12時間、及び融解(25℃)で約6時間、暗所に保存し、融解後目視にて性状を確認した。この凍結・融解を1サイクルとし、繰り返し5回行った。
凍結融解試験の結果を表3及び表4に示す。表3及び表4に示す結果は、凍結・融解1〜5回後に白濁の発生が確認された液剤の本数である。例えば実施例1の液剤では、前記凍結・融解を5回繰り返しても、3本の液剤のいずれにも白濁が発生しなかった。一方、例えば比較例2の液剤では、前記凍結・融解を1回行うと、試験に供した3本の液剤のうち1本の液剤に白濁が観察され、次いで2回目の凍結・融解を行うと、凍結・融解1回後に白濁が観察された液剤に加えて、2本目の液剤にも白濁が観察された(凍結・融解2回後に白濁が観察された液剤は、合計2本)。比較例2の液剤では、4回目の凍結・融解後には3本すべてに白濁が観察された。
表3及び表4から、実施例の液剤では、ポリビニルアルコールの部分けん化物、及びヒマシ油に加えてポリオキシエチレン硬化ヒマシ油を含むことにより白濁の発生が効果的に抑制された。
Figure 2014136684
Figure 2014136684

Claims (4)

  1. 以下の(a)〜(c)を含有することを特徴とする液剤。
    (a)ポリビニルアルコール又はその部分けん化物
    (b)ヒマシ油
    (c)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油
  2. コンタクトレンズ装着液であることを特徴とする請求項1に記載の液剤。
  3. (a)ポリビニルアルコール又はその部分けん化物と、(b)ヒマシ油との比率が、質量比で(b)ヒマシ油1に対して(a)ポリビニルアルコール又はその部分けん化物が15を超えて100以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の液剤。
  4. (a)ポリビニルアルコール又はその部分けん化物及び(b)ヒマシ油を含む液剤に、(c)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油を添加することを特徴とする液剤における白濁を抑制する方法。
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