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JP2014134513A - リークテスト方法及び装置 - Google Patents

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JP2014134513A JP2013003757A JP2013003757A JP2014134513A JP 2014134513 A JP2014134513 A JP 2014134513A JP 2013003757 A JP2013003757 A JP 2013003757A JP 2013003757 A JP2013003757 A JP 2013003757A JP 2014134513 A JP2014134513 A JP 2014134513A
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Tsutomu Hara
努 原
Masahiro Miyakawa
正弘 宮川
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Fukuda Co Ltd
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Fukuda Co Ltd
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Abstract

【課題】ヘリウム等のトレーサガスの漏れをトレーサガス検知手段にて検知することで被検物の良否を判定するリークテスト方法において、トレーサガスが被検物に吸着等する場合でもリークテストの信頼性を高める。
【解決手段】トレーサガス供給部10によって、被検物9の外面又は内部空間にヘリウム(トレーサガス)を供給する。漏れ検査部20によって、被検物9のうち良品であることが判明している良品被検物9Aからのヘリウムの漏れを検知することによって疑似漏れデータを採取する(良品検査工程)。また、良否不明の被検物9からのヘリウムの漏れを検知することによって実測漏れデータを採取する(実測工程)。疑似漏れデータに基づいて実測漏れデータを補正することによって真正漏れデータを取得する(補正工程)。真正漏れデータに基づいて実測工程の被検物の良否判定を行なう(判定工程)。
【選択図】図1

Description

本発明は、各種の被検物を良否判定するためのリークテスト方法及びリークテスト装置に関し、特に、ヘリウムリークテストや水素リークテスト等のガスリークテストにおいて、ヘリウムや水素等のトレーサガスが被検物の表面に吸着したり、被検物内に浸み込んだり、更には透過したりする場合や、上記トレーサガスがバックグランドとして存在している場合等に好適なリークテスト方法及びリークテスト装置に関する。
リークテストは、被検物の密封性等の良否を検査する手段として知られている。中でもヘリウムリークテストは、電子部品等の小型被検物の微細な欠陥(ピンホール)を検査するファインリークテストに適している(特許文献1、2等参照)。
ヘリウムリークテストとしては、ボンビング法、真空容器法、スプレー法、スニッファ法等の方式が知られている。
ボンビング法では、被検物を圧力容器に入れ、圧力容器に加圧ヘリウムを供給することによって、被検物を加圧ヘリウム雰囲気に曝す。これによって、欠陥がある被検物の場合、その欠陥を通してヘリウムが被検物の内部空間に入り込む。その後、圧力容器を開けて被検物を取り出す。次いで、この被検物を真空容器に入れ、真空容器内のガスを吸引してヘリウム検知器に送る。すると、上記欠陥がある被検物においては、ヘリウムが欠陥を通して漏れることで吸引され、これがヘリウム検知器にて検知される。これによって、被検物の良否を判別できる。
真空容器法は、被検物を真空容器に入れ、ヘリウムを被検物の内部空間に供給するとともに、真空容器内のガスを吸引してヘリウム検知器に送る。被検物に欠陥があれば、ヘリウムが被検物の内部空間から上記欠陥を通して漏れることで吸引され、これがヘリウム検知器にて検知される。これによって、被検物の良否を判別できる。
スプレー法では、被検物の外面にヘリウムガスを吹き付けるとともに、被検物の内部空間のガスを吸引してヘリウム検知器に送る。被検物に欠陥があれば、ヘリウムが上記欠陥を通して被検物の内部空間に漏れ、これが吸引されてヘリウム検知器にて検知される。これによって、被検物の良否を判別できる。
スニッファ法では、被検物の内部空間にヘリウムを供給するとともに、被検物の外面にヘリウム検知器のプローブを近接させる。被検物に欠陥があれば、ヘリウムが被検物の内部空間から上記欠陥を通して外部に漏れ、これがプローブにて検知される。これによって、被検物の良否を判別できる。
何れの方式でも、被検物の外面又は内部空間にヘリウムガスを供給して、被検物からのヘリウムの漏れをヘリウム検知器によって検知することになる。ヘリウム検知器における良否判定においては、一般にヘリウム漏れ量の閾値を設定しておき、検知結果がその閾値を超えたら不良と判定する。
なお、ヘリウムに代えて水素ガスをトレーサガスとする水素リークテストも知られている。
特開2007−278914号公報 特開2002−206982号公報
ヘリウムリークテストにおいて、被検物の材質、成分等によってはヘリウムが該被検物の表面(外面又は内面)に吸着したり、該被検物を構成する躯体内に浸み込んだり、更には躯体を透過したり(以下、適宜「吸着等」と言う)する場合がある。このような吸着等があると、被検物にピンホール等の欠陥が無くても、ヘリウム検知器においてヘリウム漏れが検知されてしまい、密封性不良と判定され得る。また、バックグランドにヘリウムが存在すると、それも検知されてしまう。以下、このような吸着等やバックグランド濃度が原因で起きる漏れを「疑似漏れ」と称し、ピンホール等の欠陥に起因する本来の漏れを「真正漏れ」と称す。疑似漏れ量と真正漏れ量との間に大きな開きがあるような被検物の場合には、良否判定の閾値を疑似漏れ量よりも大きく、かつ真正漏れ量よりも小さい値に設定すればよい。しかし、そのような被検物ばかりとは限らない。特にボンビング法では、疑似漏れ量がボンビング終了直後に比較的大きくなる。そこで、疑似漏れ量が減衰し切るのを待ってからリークテストを行うことが考えられる。しかし、そうすると、1つの被検物を検査し終えるのに時間がかかり、被検物の数が多くなればなるほど全体の所要検査時間が長くなってしまう。
本発明は、上記事情に鑑み、ヘリウム等のトレーサガスを被検物に供給して、上記被検物からのトレーサガスの漏れをトレーサガス検知手段によって検知することで被検物の良否を判定するリークテスト方法及びリークテスト装置において、トレーサガスが被検物に吸着等したりバックグランドとして存在したりする場合でもリークテストの信頼性を高めることを、解決すべき課題とする。
上記課題を解決するために、本発明方法は、被検物の外面又は内部空間にトレーサガスを供給して、前記被検物からの前記トレーサガスの漏れをトレーサガス検知手段にて検知することで被検物の良否を判定するリークテスト方法であって、
前記被検物のうち良品であることが判明している良品被検物に対して前記漏れの検知を行なうことによって疑似漏れデータを採取する良品検査工程と、
良否不明の被検物に対して前記漏れの検知を行なうことによって実測漏れデータを採取する実測工程と、
前記疑似漏れデータに基づいて前記実測漏れデータを補正することによって真正漏れデータを取得する補正工程と、
前記真正漏れデータに基づいて前記実測工程の被検物の良否判定を行なう判定工程と、
を含むことを特徴とする。
また、本発明装置は、被検物の外面又は内部空間にトレーサガスを供給するトレーサガス供給部と、
トレーサガス検知手段を含み、前記被検物のうち良品であることが判明している良品被検物からの前記トレーサガスの漏れを前記トレーサガス検知手段にて検知することによって疑似漏れデータを採取し、かつ良否不明の被検物からの前記トレーサガスの漏れを前記トレーサガス検知手段にて検知することによって実測漏れデータを採取する漏れ検査部と、
前記疑似漏れデータに基づいて前記実測漏れデータを補正することによって真正漏れデータを取得する補正処理部と、
前記真正漏れデータに基づいて前記良否不明の被検物の良否判定を行なう判定部と、
を備えたことを特徴とするリークテスト装置である。
本発明によれば、トレーサガスが被検物に吸着したり浸み込んだり透過したりすることで、これら吸着等したトレースガスが漏れとして検知されたとしても、或いはバックグランドとして存在するトレースガスが漏れとして検知されたとしても、これら吸着等やバックグランド等による疑似漏れデータを実測漏れデータから差し引くことで、欠陥に起因する真正漏れデータに基づいて良否判定を行なうことができる。したがって、良品を不良と判定するのを避けることができる。よって、リークテストの信頼性を高めることができる。また、吸着等による疑似漏れが減衰し切るのを待たずに検査を行なうことができ、検査に要する時間を短くできる。
前記実測漏れデータを採取する時期は、前記漏れが時間的に安定する前の過渡期間であることが好ましい。要するに、本発明によれば、吸着等による疑似漏れが減衰し切るのを待たずに検査を行なうことができる。これによって、検査に要する時間を確実に短くできる。この方法は、漏れの経時変化に過渡期間と安定期間(定常期間)とがあるボンビング法等において特に有効である。
前記良品検査工程では、前記漏れの経時変化を前記疑似漏れデータとして採取し、前記実測工程では、ある採取タイミングでの漏れを前記実測漏れデータとして採取し、前記補正工程では、前記実測漏れデータから、前記採取タイミングと対応する経過時間における疑似漏れデータを差し引くことが好ましい。これによって、疑似漏れ量が時間的に変化していたとしても、任意の採取タイミングにおける実測漏れデータから真正漏れの量を正確に抽出することができる。
前記判定工程における前記良否判定のための閾値が、前記補正をしなかったとすると前記良品被検物が不良と判定される大きさであってもよい。つまりは、閾値を低く設定できる。そうすることによって、不良の被検物を確実に検知できる。一方、閾値が低くても、吸着等による疑似漏れを差し引いたうえで良否判定を行なうから、欠陥が無い被検物を不良と判定するのを回避できる。この結果、リークテストの信頼性を高めることができる。
本発明によれば、トレーサガスが被検物に吸着したり浸み込んだり透過したりすることで、これら吸着等したトレースガスが漏れとして検知されたとしても、或いはバックグランドとして存在するトレースガスが漏れとして検知されたとしても、良否判定を正確に行なうことができ、リークテストの信頼性を確保できる。また、検査時間を短くすることも可能である。
図1は、本発明の第1実施形態に係るボンビング方式のヘリウムリークテスト装置の概略構成を示す回路図である。 図2は、本発明のリークテスト方法の手順を示すフローチャートである。 図3は、上記リークテスト方法における良品検査工程の手順を示すフローチャートである。 図4は、上記リークテスト方法における実測工程の手順を示すフローチャートである。 図5は、ヘリウムの漏れ量の経時変化の一例を示すグラフである。 図6は、本発明の第2実施形態に係る真空容器方式のヘリウムリークテスト装置の概略構成を示す回路図である。 図7は、本発明の第3実施形態に係るスプレー方式のヘリウムリークテスト装置の概略構成を示す回路図である。 図8は、本発明の第4実施形態に係るスニッファ方式のヘリウムリークテスト装置の概略構成を示す回路図である。
以下、本発明の実施形態を図面にしたがって説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係るリークテスト装置1を示したものである。リークテスト装置1は、ボンビング方式のヘリウムリークテスタにて構成されている。すなわち、リークテスト装置1は、ヘリウムをトレーサガスとして用い、被検物9からのヘリウム漏れをボンビング法によって検査する。
被検物9は、例えばMEMS素子にて構成されている。被検物9の大きさは例えば十数mm〜数百μm程度である。図において、被検物9の大きさは、後記ボンビングタンク11等に対して誇張されている。被検物9の内部には密閉空間9eが形成されている。被検物9の材質は、ガラス等のシリコン化合物にて構成されており、ヘリウムが被検物9の外面に表面吸着したり、被検物9の躯体9d内に浸み込んだり、更には内部空間9eへ透過したりしやすい。したがって、リークテストにおいては、不可避的に上記吸着等に起因する「疑似漏れ」が起きる。
なお、被検物9は、MEMS素子に限られず、水晶振動子その他の小型精密電子部品等であってもよい。例えば、水晶振動子においても、その外面にヘリウムを吸着等しやすい機能性材料を設けた場合、上述した疑似漏れが起き得る。
リークテスト装置1は、ヘリウム供給部10(トレーサガス供給部)と、漏れ検査部20と、データ処理手段30を備えている。ヘリウム供給部10は、ボンビングタンク11と、ヘリウム供給源12(トレーサガス供給源)と、真空ポンプ13を含む。ボンビングタンク11は、開閉可能かつ密封可能な圧力容器にて構成されている。ボンビングタンク11内に被検物9が入れられる。好ましくは、図1の二点鎖線にて示すように、ボンビングタンク11には一度に多数(複数)の被検物9,9…を投入可能である。これら一度に投入される被検物9,9…を1ロットの被検物と言う。ヘリウム供給源12は、ヘリウムボンベにて構成されている。ガス供給源12及び真空ポンプ13が、それぞれガス管18,19を介してボンビングタンク11に接続されている。ガス管18,19にはそれぞれ開閉弁15,16やレギュレータ(図示せず)が設けられている。
漏れ検査部20は、検査カプセル21と、ヘリウム検知器22(トレーサガス検知手段)とを含む。検査カプセル21は、開閉可能かつ密封可能な真空容器にて構成されている。検査カプセル21の内容積は、ボンビングタンク11の内容積と比べ十分に小さい。検査カプセル21の内部に被検物9が入れられる。検査カプセル21に一度に収容可能な被検物9の数は、好ましくは1個である。なお、図では検査カプセル21の数は1つであるが、検査カプセル21が複数設けられていてもよい。複数の検査カプセル21に被検物9をそれぞれ収容することで、これら複数の被検物9を一度に漏れ検査することにしてもよい。
検査カプセル21に吸引管29を介してヘリウム検知器22が接続されている。ヘリウム検知器22には真空ポンプ23,23S及びヘリウム検知部24が設けられている。ヘリウム検知器22の内部において、吸引管29が、主吸引路29aと、検出路29sとに分岐している。主吸引路29aには、開閉弁26と、真空ポンプ23とが上流側から順次設けられている。検出路29sには、開閉弁28と、ヘリウム検知部24と、真空ポンプ23Sとが上流側から順次設けられている。開閉弁26,28は、択一的に開かれる。つまり、何れか一方の弁26,28の開時には、他方の弁28,26は閉じられている。真空ポンプ23,23Sは、検査カプセル21の内部のガスを吸引する。真空ポンプ23は、検査カプセル21の内圧を大気圧から所望の真空圧まで下げるための粗引きポンプである。真空ポンプ23Sは、粗引き後の検査カプセル21の内部のガスをヘリウム検知部24に導入するのに用いられる。ヘリウム検知部24は、上記検査カプセル21からのガス中のヘリウム(トレーサガス)を検知する。例えばヘリウム検知部24は、質量分析器にて構成されており、上記吸引ガスの各分子を一定の電磁界の下でイオン化することで、イオン化分子をその質量に応じた軌跡に沿って飛ばす。そして、ヘリウムイオンの軌跡上に電極を配置しておくことで、ヘリウムイオンだけが電極に捕捉されて電流が形成されるようになっている。したがって、上記吸引ガス中のヘリウム分圧に応じた電流がヘリウム検知部24から出力される。
ヘリウム検知器22にはデータ処理手段30が接続されている。データ処理手段30には、データ格納部31〜34と、補正処理部35と、判定部36が設けられている。データ格納部としては、疑似漏れデータ格納部31と、実測漏れデータ格納部32と、真正漏れデータ格納部33と、閾値格納部34とがある。詳細には、データ処理手段30は、マイクロコンピュータを含む。このマイクロコンピュータのメモリが格納部31〜34の機能を果たし、マイクロコンピュータのCPUが補正処理部35及び判定部36の機能を果たす。また、図示は省略するが、データ処理手段30には、ヘリウム検知部24からの検知電流をA/D変換する信号変換部が設けられている。変換後の検知信号が上記マイクロコンピュータに入力される。
さらに、データ処理手段30には、入力部37及び表示部38が付属されている。入力部37は、タッチパネル、キーボード等にて構成されている。入力部37によって、閾値格納部34に格納すべき漏れ判定の閾値φs(図5)等を設定できる。表示部38には、採取した漏れデータや良否判定結果等が表示される。
なお、データ処理手段30は、パーソナルコンピュータ等の汎用コンピュータにて構成されていてもよい。或いは、データ処理手段30がアナログ回路にて構成されていてもよい。
上記の構成のリークテスト装置1によるリークテスト方法を図2〜図4のフローチャートにしたがって説明する。
<良品検査工程(ステップ101)>
まず、被検物9として、ピンホール等の欠陥が無く、良品であることが判明しているものを用意する。すなわち、欠陥に起因する「真正漏れ」が無い被検物9を用意する。以下、この被検物9を「良品被検物9A」と称す。この良品被検物9Aに対してリークテストを行なうことによって疑似漏れデータを採取する。
図3は、良品検査工程の詳細を示したものである。良品検査工程においては、先ず、良品被検物9Aをボンビングタンク11に入れ、ボンビングタンク11を密閉する。次に、開閉弁15を閉じ、かつ開閉弁16を開けることで、真空ポンプ13とボンビングタンク11とを連通する。そして、ボンビングタンク11内(具体的にはタンク11の内壁と被検物9の外面との間の空間11e)のガスを真空ポンプ13にて吸引排気する。続いて、開閉弁16を閉じ、かつ開閉弁15を開けることで、ヘリウムボンベ12とボンビングタンク11を連通する。そして、ヘリウムボンベ12の加圧ヘリウムガスをボンビングタンク内空間11eに充填する(ボンビング工程、ステップ201)。これによって、良品被検物9Aが加圧ヘリウム雰囲気に曝される。(良品被検物9Aの外面にヘリウムガスが供給される。)ヘリウムの充填操作後、開閉弁15を閉じてもよい。この状態で所要のボンビング期間が満了するのを待つ。ボンビング期間は、例えば数十分〜数時間である。このボンビング期間中、ボンビングタンク内空間11eのヘリウムガスが、良品被検物9Aの外面に吸着したり、躯体9d内に浸み込んだり、更には内部空間9eへ透過したりする。
ボンビング期間が満了したら、ボンビングタンク11を開ける。そして、良品被検物9Aをボンビングタンク11から検査カプセル21に移して、検査カプセル21にセットする。その後、検査カプセル21を密閉する。そして、ヘリウム検知器22によって漏れ検知を行う(漏れ検知工程、ステップ202)。詳細には、先ず開閉弁26を開き(開閉弁28は閉じ)、真空ポンプ23にて検査カプセル21の内部(具体的には検査カプセル21の内壁と被検物9の外面との間の空間21e)のガスを吸引することで、該カプセル内空間21eの内圧を所望の真空圧まで下げる。これによって、上記吸着等していたヘリウムガスが良品被検物9Aからカプセル内空間21eに漏れ出す。つまりは「疑似漏れ」が起きる。続いて、開閉弁26を閉じ、かつ開閉弁28を開き、真空ポンプ23Sにてカプセル内空間21eのガスを吸引してヘリウム検知部24に導入する。このガス中のヘリウムをヘリウム検知部24にて検知する。要するに、良品被検物9Aの疑似漏れ量を採取する。採取は、ボンビング期間満了後、所定のサンプリング間隔で間欠的に反復して行なう。サンプリング間隔は、例えば0.01秒〜0.1秒である。採取したデータは、検知部24からデータ処理手段30に入力される。データ処理手段30は、この採取データを疑似漏れデータとして格納部31に記憶する(疑似漏れデータ格納工程、ステップ203)。
図5において実細線にて示すように、良品被検物9Aにおける疑似漏れは、上記ボンビングの終了時(ボンビングタンク11を開けた時点)から指数関数的に減衰する。初期の過渡期間では、疑似漏れ量が比較的大きく減衰する。この減衰度合いが時間の経過とともに漸次小さくなり、安定期間(定常期間)へ移行する。安定期間では漏れ量が時間的に安定する。ボンビングの終了時から安定期間に移行するまでは数分〜数十分程度かかる。漏れ検知は、ボンビングの終了後、なるべく早く(数秒〜十秒以内に)開始し、過渡期間から安定期間に移行して、更には安定期間が十分に経過するまで、つまりは疑似漏れ量が十分に安定するまで継続して行なうことが好ましい。そして、当該良品検査工程の経過時間に応じた漏れを疑似漏れデータとして採取し、格納部31に記憶しておく。つまり、疑似漏れデータは、疑似漏れの経時変化のデータになる。この経時変化データは、表データでもよく、指数関数等で近似化した関数データでもよい。
上記の疑似漏れには、表面吸着に因る漏れと、浸み込みないしは透過に因る漏れとがある。図5の二点鎖線にて示すように、表面吸着に因る漏れは、減衰度合いが大きく、比較的短時間でほぼ0に収束すると考えられる。図5の破線にて示すように、浸み込みないしは透過に因る漏れは、減衰度合いが比較的緩やかであり、ほぼ一定の大きさに収束するか、時間をかけてなだらかに減衰すると考えられる。
なお、図5において実細線にて示す疑似漏れデータには、所謂バックグランドのヘリウムに因る漏れも含まれ得る。バックグランドのヘリウムとしては、例えば周辺の空気(雰囲気)中に存在していて検査カプセル21の開閉時に空気と一緒に容器21内に入り込んだヘリウムや、ヘリウム検知器22の配管内のガスに混じっているヘリウムや、該配管の内壁に吸着しているヘリウム等が挙げられる。
<閾値設定工程(ステップ102)>
ここで、図5の一点鎖線にて示すように、良否判定のための漏れ量の閾値φを設定し、これを閾値格納部34に記憶させておく。閾値φsは、上記疑似漏れデータや被検物9の許容漏れ量などを参照して設定し、少なくとも不良と判定すべき被検物9の安定期間における真正漏れ量よりも小さい値になるように設定する。また、閾値φsは、過渡期間における疑似漏れデータのグラフを横切るような値でもよく、更には安定期間における疑似漏れ量よりも小さい値であってもよい。つまり、閾値φsは、後記の補正工程を実行しなければ良品被検物9Aが不良と判定されるような大きさであってもよい。
なお、閾値設定工程は、良品検査工程よりも前の段階で行ってもよい。
<実測工程(ステップ103)>
その後、良否不明の被検物9に対して漏れ検知を行なうことによって実測漏れデータを採取する。図4に示すように、実測工程は上記良品検査工程と概略同じである。
詳述すると、被検物9をボンビングタンク11に入れ、ボンビングタンク11を密閉する。図1の二点鎖線にて示すように、実測工程では、一度に多数(複数)の、すなわち1ロットの被検物9,9…をボンビングタンク11に入れる。次に、開閉弁15を閉じ、かつ開閉弁16を開けることで、真空ポンプ13とボンビングタンク内空間11eとを連通する。そして、ボンビングタンク内空間11eのガスを真空ポンプ13にて吸引排気する。続いて、開閉弁16を閉じ、かつ開閉弁15を開けることで、ヘリウムボンベ12とボンビングタンク内空間11eを連通する。そして、ヘリウムボンベ12の加圧ヘリウムガスをボンビングタンク内空間11eに充填する(ボンビング工程、ステップ301)。これによって、各被検物9の外面にヘリウムガスが供給される。充填後、開閉弁15を閉じてもよい。この状態で所要のボンビング期間が満了するのを待つ。ボンビング期間は、好ましくは上記良品検査工程と同じである。ピンホール等の欠陥がある被検物9においては、加圧ヘリウムガスが、上記欠陥を通して内部空間9eに入り込む。また、被検物9の欠陥の有無に拘わらず、ボンビングタンク内空間11eのヘリウムの一部が、被検物9の外面に表面吸着したり、内部空間9eに透過したりする。吸着等するヘリウムの量は、上記良品被検物9Aの場合と略等しいと考えられる。
ボンビング期間が満了したら、ボンビングタンク11を開ける。次に、1ロットの被検物9,9…を漏れ検査部20へ移送する。そして、被検物9を1つずつ順次リークテストする。すなわち、ボンビング終了後のあるタイミングにおいて、1つの被検物9を検査カプセル21に入れ、その後、検査カプセル21を密閉する。そして、ヘリウム検知器22によってヘリウム漏れの検知を行う(漏れ検知工程、ステップ302)。詳細には、先ず開閉弁26を開き(開閉弁28は閉じ)、真空ポンプ23にてカプセル内空間21eのガスを吸引することで、該カプセル内空間21eの内圧を所望の真空圧まで下げる。これによって、ピンホール等の欠陥がある被検物9においては、内部空間9e内のヘリウムガスが該欠陥を通して被検物9からカプセル内空間21eに漏れ出る。また、欠陥の有無に拘わらず、被検物9に吸着等していたヘリウムガスが被検物9からカプセル内空間21eに漏れ出す。続いて、開閉弁26を閉じ、かつ開閉弁28を開き、真空ポンプ23Sにてカプセル内空間21eのガスを吸引してヘリウム検知部24に導入する。このガス中のヘリウムをヘリウム検知部24にて検知する。つまり、図5に示すように、ボンビング終了後のある採取タイミングTsにおける被検物9の実測漏れ量φを採取する。被検物9は1つずつ順次検査されるから、実測漏れ量の採取タイミングTsは被検物9ごとに異なる。採取期間τは、2秒〜3秒程度である。この採取期間τ内に、所定のサンプリング間隔で間欠的に反復して実測漏れ量φの採取を行う。サンプリング間隔は、上記良品検査工程と同じで例えば0.01秒〜0.1秒である。したがって、採取期間τが2秒、サンプリング間隔が0.1秒であるとすると、実測漏れ量φについての20個のデータが採取される。採取したデータは、検知部24からデータ処理手段30に入力される。データ処理手段30は、この採取データを実測漏れデータとして格納部32に記憶する(実測漏れデータ格納工程、ステップ303)。
1ロットの被検物9,9…のうち少なくとも一部の被検物9については、漏れが時間的に安定する前の過渡期間内に実測漏れデータを採取することが好ましい。つまり、採取タイミングTsを過渡期間内に設定することが好ましい。具体的には、1ロットの被検物9,9…のうち、最初に検査する被検物9の採取タイミングTsは、ボンビングタンク11から検査カプセル21への移送時間を考慮して、ボンビング期間の終了時(ボンビングタンク11を開けた時)から10秒〜30秒程度に設定するのが好ましい。1つの被検物9の漏れ検知に要する時間は例えば数秒〜10秒程度であり、過渡期間は数分〜数十分であるから、この過渡期間中に数十個〜数百個の被検物9をリークテストすることができる。
図5において実太線にて示すように、欠陥がある被検物9の場合、該被検物9からのヘリウム漏れは欠陥に因る真正漏れと、吸着等に因る疑似漏れ(バックグランドのヘリウムに因る漏れを含む。以下同じ。)とを含む。したがって、実測漏れデータは、上記良品被検物9Aの疑似漏れデータよりも大きくなる。この欠陥がある被検物9における疑似漏れは、上記良品被検物9Aの疑似漏れ(図5において実細線)とほぼ一致するものと予想される。
また、欠陥が無い被検物9の場合、該被検物9からのヘリウム漏れはほとんど疑似漏れだけになる。したがって、実測漏れデータは、上記良品被検物9Aの疑似漏れデータ(図5において実細線)とほぼ同じになるものと予想される。
<補正工程(ステップ104)>
続いて、データ処理手段30の補正処理部35が、上記実測漏れデータを疑似漏れデータに基づいて補正する。これによって、図5の中太の実線にて示すように、真正漏れデータを取得する。真正漏れデータは、実測工程におけるヘリウム漏れから疑似漏れをカットした真正漏れを表す。真正漏れデータは、過渡期間においても時間的な変化が比較的小さいと考えられる。具体的には、図5に示すように、補正処理部35は、採取タイミングTsにおける実測漏れデータφと、この採取タイミングTsと対応する経過時間における疑似漏れデータφとをそれぞれ格納部32,31から読み込み、実測漏れデータφから疑似漏れデータφを差し引くことで、採取タイミングTsにおける真正漏れデータφ(=φ−φ)を算出する。より具体的には、採取期間τ中に一定のサンプリング間隔で採取した複数個の実測漏れデータの各々について、その実測漏れデータの採取タイミングと対応する疑似漏れデータを差し引く。これによって、実測漏れデータと同じ数の真正漏れデータが得られる。データ処理手段30は、この真正漏れデータを格納部33に記憶する。
<判定工程(ステップ105)>
続いて、データ処理手段30の判定部36が、上記の真正漏れデータに基づいて被検物9の良否判定を行なう。詳細には、判定部36は、真正漏れデータφを格納部33から読み込むとともに、閾値φsを格納部34から読み込み、これら2つの値φ,φsを比較する。そして、真正漏れデータφが閾値φs以下であれば(φ≦φs)、その被検物9を良品と判定する。真正漏れデータφが閾値φsを上回っていれば(φ>φs)、その被検物9を不良と判定する。或いは、真正漏れデータφが閾値φs未満であれば(φ<φs)、その被検物9を良品と判定し、真正漏れデータが閾値φs以上であれば(φ≧φs)、その被検物9を不良と判定してもよい。より具体的には、上記採取期間τ中の各採取タイミングに対応する複数個の真正漏れデータの各々について閾値φsと比較する。そして、1つでも閾値φsを上回る、ないしは閾値φs以上の真正漏れデータがあるときは、その被検物9を不良と判定する。
上述したように、真正漏れデータは、吸着等による疑似漏れ量を含まず、欠陥に因る真正漏れ量だけのデータであるから、被検物9の良否判定を正確に行うことができる。したがって、リークテストの信頼性を高めることができる。
さらに、閾値φsを、もしも補正しなければ良品被検物9Aが不良と判定されるような低い値(φs<φ0)に設定することで、不良の被検物9を確実に検知でき、リークテストの信頼性を一層高めることができる。
一方、閾値φsが低くても、欠陥が無い被検物9については、上記補正によって疑似漏れ量が差し引かれるから、採取タイミングTsにおける補正後の漏れ量が閾値φsを確実に下回るようにできる。したがって、欠陥が無い被検物9を不良と判定するのを回避でき、リークテストの信頼性をより一層高めることができる。
バックグランドのヘリウムが存在する場合でも、このバックグランド由来のヘリウム漏れは疑似漏れの一部として差し引かれる。したがって、リークテストの信頼性を一層高めることができる。
このように被検物9からの疑似漏れ量が大きくても、その疑似漏れ量を差し引くことで正確に良否判定できるから、疑似漏れ量が十分減衰する安定期間(定常期間)まで待つ必要が無い。したがって、漏れ検査に要する時間を短くできる。1ロットの被検物9,9…を順次漏れ検査する場合、これら1ロットの被検物9,9…に対する良否判定を開始するタイミングを過渡期間中に前倒しでき、ロット全体の検査に要する時間を短くできる。
1つの被検物9について良否判定が済んだら、その被検物9を検査カプセル21から取り出し、判定結果に応じて仕分けする。そして、上記ボンビング済みかつ未判定の被検物9が有る場合(ステップ106)、その被検物9を検査カプセル21にセットして、漏れ検知工程(ステップ302)〜判定工程(ステップ105)を反復する。このようにして、1ロットの被検物9,9…のすべてをリークテストする。
以下、本発明の他の実施形態を説明する。以下の実施形態において既述の形態と重複する構成に関しては図面に同一符号を付して説明を適宜省略する。
第1実施形態のリークテスト装置1の漏れ検知方式はボンビング方式であったが、本発明は、ボンビング法外の漏れ検知方式にも適用可能である。
図6は、本発明の第2実施形態に係るリークテスト装置1Aを示したものである。リークテスト装置1Aは、真空容器方式のヘリウムリークテスタにて構成されている。リークテスト装置1Aは、ヘリウム供給部10A(トレーサガス供給部)と、漏れ検査部20Aと、データ処理手段30とを備えている。ヘリウム供給部10Aは、ヘリウム(トレーサガス)を被検物9の内部空間9eに供給するものであり、ヘリウムボンベ12(トレーサガス供給源)と、ヘリウム供給管18とを含む。漏れ検査部20Aは、真空容器25と、ヘリウム検知器22とを含む。真空容器25の内部に被検物9が収容される。ヘリウム供給管18が、真空容器25内に差し入れられるとともに上記被検物9の内部空間9eに接続されている。真空容器25に吸引管29を介してヘリウム検知器22が接続されている。ヘリウム検知器22の構成は、第1実施形態(図1)と同様である。また、図6においては簡略化するが、データ処理手段30についても第1実施形態と同様の構成になっている。
装置1Aにおけるヘリウムリークテストの際は、ヘリウムをヘリウムボンベ12から供給管18を介して被検物9の内部空間9eに供給する。また、開閉弁26を開き(開閉弁28は閉じ)、真空ポンプ23にて真空容器25の内部(詳しくは真空容器25の内壁と被検物9との間の空間25e)のガスを吸引することで、真空容器内空間25eの内圧を所望の真空圧まで下げる。すると、上記被検物9に欠陥がある場合には、ヘリウムが該欠陥を通して真空容器内空間25eに漏れ出る。更に、被検物9の欠陥の有無に拘わらず、内部空間9eに供給されたヘリウムの一部は躯体9dに浸み込み、更に躯体9dを透過して真空容器内空間25eに漏れ出る。このヘリウム漏れは疑似漏れとなる。続いて、開閉弁26を閉じ、かつ開閉弁28を開き、真空ポンプ23Sにて真空容器内空間25eのガスを吸引してヘリウム検知部24に導入する。このガス中のヘリウムをヘリウム検知部24にて検知することで、被検物9からのヘリウム漏れを検査できる。
真空容器方式のリークテスト装置1Aにおいても、良品被検物9Aに対してヘリウム漏れの検査を行なうことによって疑似漏れデータを採取する(良品検査工程)。その後、良否不明の被検物9に対してヘリウム漏れの検査を行なうことによって実測漏れデータを採取する(実測工程)。そして、疑似漏れデータに基づいて実測漏れデータを補正することによって真正漏れデータを取得する(補正工程)。これによって、真正漏れデータに基づいて実測工程の被検物9の良否判定を行なうことができる(判定工程)。
図7は、本発明の第3実施形態に係るリークテスト装置1Bを示したものである。リークテスト装置1Bは、スプレー方式のヘリウムリークテスタにて構成されている。リークテスト装置1Bは、ヘリウム供給部10B(トレーサガス供給部)と、漏れ検査部20Bと、データ処理手段30とを備えている。ヘリウム供給部10Bは、ヘリウム(トレーサガス)を被検物9の外面に供給するものであり、ヘリウムボンベ12(トレーサガス供給源)と、ヘリウム供給管18と、スプレーノズル17を含む。ヘリウム供給管18の先端にスプレーノズル17が設けられている。漏れ検査部20Bは、ヘリウム検知器22を含む。このヘリウム検知器22の吸引管29の上流端が、被検物9の内部空間9eに連ねられている。ヘリウム検知器22の構成は、第1実施形態(図1)と同様である。また、図7においては簡略化するが、データ処理手段30についても第1実施形態と同様の構成になっている。
装置1Bにおけるヘリウムリークテストの際は、スプレーノズル17を被検物9に向ける。そして、ヘリウムボンベ12のヘリウムを供給管18経由でスプレーノズル17から吹き出して、被検物9の外面にヘリウムを供給する。また、開閉弁26を開き(開閉弁28は閉じ)、真空ポンプ23にて内部空間9eのガスを吸引することで、内部空間9eの内圧を所望の真空圧まで下げる。すると、被検物9に欠陥がある場合には、ヘリウムが該欠陥を通して内部空間9eに漏れる。更に、被検物9の欠陥の有無に拘わらず、スプレーノズル17から被検物9の外面に供給されたヘリウムの一部が躯体9dに浸み込み、更に躯体9dを透過して内部空間9eに漏れ出る。このヘリウム漏れは疑似漏れとなる。続いて、開閉弁26を閉じ、かつ開閉弁28を開き、真空ポンプ23Sにて内部空間9eのガスを吸引してヘリウム検知部24に導入する。このガス中のヘリウムをヘリウム検知部24にて検知することで、被検物9からのヘリウム漏れを検査できる。
スプレー方式のリークテスト装置1Bにおいても、良品被検物9Aに対してヘリウム漏れの検査を行なうことによって疑似漏れデータを採取する(良品検査工程)。その後、良否不明の被検物9に対してヘリウム漏れの検査を行なうことによって実測漏れデータを採取する(実測工程)。そして、疑似漏れデータに基づいて実測漏れデータを補正することによって真正漏れデータを取得する(補正工程)。これによって、真正漏れデータに基づいて実測工程の被検物9の良否判定を行なうことができる(判定工程)。
図8は、本発明の第4実施形態に係るリークテスト装置1Cを示したものである。リークテスト装置1Cは、スニッファ方式のヘリウムリークテスタにて構成されている。リークテスト装置1Cは、ヘリウム供給部10C(トレーサガス供給部)と、漏れ検査部20Cと、データ処理手段30とを備えている。ヘリウム供給部10Cは、ヘリウム(トレーサガス)を被検物9の内部空間9eに供給するものであり、ヘリウムボンベ12(トレーサガス供給源)と、ヘリウム供給管18とを含む。ヘリウム供給管18の先端が被検物9の内部空間9eに接続されている。漏れ検査部20Cは、ヘリウム検知器22Cと、吸引プローブ27を含む。ヘリウム検知器22Cの筺体22x内の吸引管29には、開閉弁26と、ヘリウム検知部24と、真空ポンプ23Cが上流側から順次設けられている。吸引管29の開閉弁26よりも上流側の部分は、筺体22xから外部に引き出されている。この外部の管部分29cは、フレキシブル(柔軟)になっている。この管部分29cの端部に吸引プローブ27が設けられている。なお、図8においては簡略化するが、データ処理手段30の構成は、第1実施形態(図1)と同様である。
リークテスト装置1Cにおけるヘリウムリークテストの際は、ヘリウムをヘリウムボンベ12から供給管18を介して被検物9の内部空間9eに供給するとともに、吸引プローブ27を被検物9の外面に近接させる。そして、開閉弁26を開き、かつ真空ポンプ23Cを駆動することで、吸引プローブ27の周辺のガスを吸引してヘリウム検知部24に送る。すると、上記被検物9に欠陥がある場合には、ヘリウムが該欠陥を通して被検物9の外部に漏れ、上記周辺のガスと一緒に吸引される。更に、被検物9の欠陥の有無に拘わらず、内部空間9eに供給されたヘリウムの一部は躯体9dに浸み込み、更に躯体9dを透過して外部に漏れ出る。このヘリウム漏れは疑似漏れとなる。この疑似漏れのヘリウムも、上記周辺のガスと一緒に吸引される。この吸引ガス中のヘリウムをヘリウム検知部24にて検知することで、被検物9からのヘリウム漏れを検査できる。
スニッファ方式のリークテスト装置1Cにおいても、良品被検物9Aに対してヘリウム漏れの検査を行なうことによって疑似漏れデータを採取する(良品検査工程)。その後、良否不明の被検物9に対してヘリウム漏れの検査を行なうことによって実測漏れデータを採取する(実測工程)。そして、疑似漏れデータに基づいて実測漏れデータを補正することによって真正漏れデータを取得する(補正工程)。これによって、真正漏れデータに基づいて実測工程の被検物9の良否判定を行なうことができる(判定工程)。
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨に反しない限りにおいて種々の改変をなすことができる。
例えば、被検物9は、MEMS素子や水晶振動子に限られず、種々の電子部品、工業部品等(例えばエンジンシリンダブロック等の自動車部品や空調部品等)であってもよい。
トレーサガスとして水素を用いてもよい。本発明は、水素ガスリークテストにも適用できる。
データ採取期間τ(図5)における漏れデータの傾きに基づいて判定を行ってもよい。さらに、上記傾きから安定期間(定常期間)の漏れ量を予測し、この予測結果に基づいて判定を行なってもよい。この場合、補正工程においては、良品被検物Aの安定期間(定常期間)における疑似漏れ量を、上記予測した漏れ量から差し引くとよい。
閾値φsを、ボンビング終了時からの経過時間に応じて変えることにしてもよい。
複数の被検物9,9…を順次検査していく過程で、環境中や漏れ検査部20の配管内の所謂バックグランドのヘリウム量が増加することもあり得る。その場合は、ある段階で、改めて良品検査工程を行なうことで、疑似漏れデータや閾値φsを再設定することにしてもよい。
良品検査工程と実測工程の順序が逆でもよい。良品検査工程と実測工程を同時併行して行なってもよい。
良品検査工程における良品被検物9Aのボンビングと、実測工程における良否不明の被検物9のボンビングとを同時併行して行なってもよい。1つのボンビングタンク11に良品被検物9Aと良否不明の被検物9とを入れて一緒にボンビングしてもよい。
本発明は、例えば精密電子部品の密封性等の良否を検査する検査システムに適用可能である。
1,1A,1B,1C リークテスト装置
9 被検物
9A 良品被検物
9e 内部空間
10,10A,10B,10C ヘリウム供給部(トレーサガス供給部)
20,20A,20B,20C 漏れ検査部
22,22C ヘリウム検知器(トレーサガス検知手段)
30 データ処理手段
35 補正処理部
36 判定部

Claims (5)

  1. 被検物の外面又は内部空間にトレーサガスを供給して、前記被検物からの前記トレーサガスの漏れをトレーサガス検知手段にて検知することで被検物の良否を判定するリークテスト方法であって、
    前記被検物のうち良品であることが判明している良品被検物に対して前記漏れの検知を行なうことによって疑似漏れデータを採取する良品検査工程と、
    良否不明の被検物に対して前記漏れの検知を行なうことによって実測漏れデータを採取する実測工程と、
    前記疑似漏れデータに基づいて前記実測漏れデータを補正することによって真正漏れデータを取得する補正工程と、
    前記真正漏れデータに基づいて前記実測工程の被検物の良否判定を行なう判定工程と、
    を含むことを特徴とするリークテスト方法。
  2. 前記漏れが時間的に安定する前の過渡期間に前記実測漏れデータを採取することを特徴とする請求項1に記載のリークテスト方法。
  3. 前記良品検査工程では、前記漏れの経時変化を前記疑似漏れデータとして採取し、
    前記実測工程では、ある採取タイミングでの漏れを前記実測漏れデータとして採取し、
    前記補正工程では、前記実測漏れデータから、前記採取タイミングと対応する経過時間における疑似漏れデータを差し引くことを特徴とする請求項1又は2に記載のリークテスト方法。
  4. 前記判定工程における前記良否判定のための閾値が、前記補正をしなかったとすると前記良品被検物が不良と判定される大きさであることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のリークテスト方法。
  5. 被検物の外面又は内部空間にトレーサガスを供給するトレーサガス供給部と、
    トレーサガス検知手段を含み、前記被検物のうち良品であることが判明している良品被検物からの前記トレーサガスの漏れを前記トレーサガス検知手段にて検知することによって疑似漏れデータを採取し、かつ良否不明の被検物からの前記トレーサガスの漏れを前記トレーサガス検知手段にて検知することによって実測漏れデータを採取する漏れ検査部と、
    前記疑似漏れデータに基づいて前記実測漏れデータを補正することによって真正漏れデータを取得する補正処理部と、
    前記真正漏れデータに基づいて前記良否不明の被検物の良否判定を行なう判定部と、
    を備えたことを特徴とするリークテスト装置。
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