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JP2014133428A - パワーステアリング装置 - Google Patents

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JP2014133428A
JP2014133428A JP2013000991A JP2013000991A JP2014133428A JP 2014133428 A JP2014133428 A JP 2014133428A JP 2013000991 A JP2013000991 A JP 2013000991A JP 2013000991 A JP2013000991 A JP 2013000991A JP 2014133428 A JP2014133428 A JP 2014133428A
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Abstract

【課題】 舵角センサとして絶対角センサを用いなくともステアリングホイールの360度以上の絶対回転角を検出することができるパワーステアリング装置を提供すること。
【解決手段】 ラックバーに、第1の変速比で形成された第1のラック歯領域と、第1の変速比とは異なる第2の変速比で形成された第2のラック歯領域と、第1の変速比から第2の変速比に滑らかに変化するように第3の変速比で形成された接続部とを形成し、操舵角センサの検出する回転量とモータ回転角センサの検出する回転量との比率が、ラック歯の接続部と噛合うときの比率であると認識するとき、絶対角が、前記ラック歯の接続部と噛合うときの角度である接続部転舵角度であると判断ようにした。
【選択図】 図8

Description

本発明は、パワーステアリング装置に関する。
この種の技術としては、下記の特許文献1に記載の技術が開示されている。この公報には、磁石を装着した歯数の異なる複数の歯車の回転角を磁気検出素子によって検出し、検出した回転角を用いて制御手段によって所定の演算を行うことによりステアリングの360度以上の絶対回転角を検出するものが開示されている。
特開2009−192456号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術に開示されているものでは、操舵角センサに3つの歯車を用いる必要があり、操舵角センサが大型化する問題があった。
本発明は上記問題に着目してなされたもので、操舵角センサとして絶対角センサを用いなくともステアリングホイールの360度以上の絶対回転角を検出することができるパワーステアリング装置を提供することである。
上記目的を達成するため本願発明では、ラックバーに、第1の変速比で形成された第1のラック歯領域と、第1の変速比とは異なる第2の変速比で形成された第2のラック歯領域と、第1の変速比から第2の変速比に滑らかに変化するように第3の変速比で形成された接続部とを形成し、操舵角センサの検出する回転量とモータ回転角センサの検出する回転量との比率が、ラック歯の接続部と噛合うときの比率であると認識するとき、絶対角が、ラック歯の接続部と噛合うときの角度である接続部転舵角度であると判断ようにした。
本発明により、操舵角センサとして絶対角センサを用いずにステアリングホイールの360度以上の回転角を検出することができる。
実施例1のパワーステアリング装置の全体概要図である。 実施例1のラックバー付近を示す図である。 実施例1のラックバー付近を示す図である。 実施例1の操舵角センサ付近を示す図である。 実施例1の操舵角とプライマリディテクションギアおよびセカンダリディテクションギアの回転角との関係を示す図である。 実施例1の絶対操舵角と絶対モータ回転角の関係を示すグラフである。 実施例1の絶対操舵角とモータ回転角センサ値との関係を示す図である。 実施例1の絶対操舵角と操舵角の変化量に対するモータ回転角の変化量との関係を示すグラフである。 実施例1の絶対角演算部において行われるステアリングホイールの絶対操舵角を演算処理の流れを示すフローチャートである。
〔実施例1〕
[パワーステアリング装置の全体構成]
実施例1のパワーステアリング装置1について説明する。図1はパワーステアリング装置1の全体概要図である。パワーステアリング装置1は、ステアリングホイール2と、ステアリングホイール2に接続された入力軸3と、入力軸3に接続された出力軸4と、出力軸4に接続された第1ピニオンギア5と、第1ピニオンギア5と噛合うラックバー6と、ラックバー6の端部に接続されたタイロッド7と、タイロッド7に接続された転舵輪8とを有している。第1ピニオンギア5とラックバー6とが噛合う位置には第1ラック歯60が形成されている。入力軸3と出力軸4との間にはトーションバーが設けられており、入力軸3と出力軸4とはトーションバーの捩れの範囲内で相対回転可能に構成されている。入力軸3の外周にはステアリングホイール2の操舵角を検出する操舵角センサ13が設けられ、入力軸3と出力軸4との間にはステアリングホイール2に入力された操舵トルクを検出する操舵トルクセンサ14が設けられている。操舵角センサ13は、ステアリングホイール2の中立位置からのステアリングホイール2の操舵角を検出することが可能であって、360度以上の操舵角も検出することができる。
ステアリングホイール2の操舵力をアシストする操舵アシスト機構として、ブラシレスモータである電動モータ9と、電動モータ9の回転軸9aに接続されたウォームシャフト10と、ウォームシャフト10と噛合うウォームホイール11と、ウォームホイール11に接続された第2ピニオンギア12とを有している。第2ピニオンギア12は、ラックバー6に設けられた第2ラック歯61と噛合っている。電動モータ9の回転軸9aには、回転軸9aの回転角を検出するモータ回転角センサ27が設けられている。モータ回転角センサ27は、回転軸9aのある基準位置から回転角を検出することが可能であって、360度以内の回転角を検出することができる。このモータ回転角センサ27が検出した検出値を用いて、ブラシレスモータである電動モータ9の電流制御を行っている。
電動モータ9を制御する構成として電子制御ユニット15を有している。電子制御ユニット15は、絶対角演算部16とモータ駆動部17とを有している。絶対角演算部16は、操舵角センサ13とモータ回転角センサ27の情報から、ステアリングホイール2の中立位置からの操舵角を演算する。モータ駆動部17は、絶対角演算部16と操舵トルクセンサ14の情報から電動モータ9への指令電流を演算する。
[ラックバーの構成]
図2はラックバー6付近を示す図である。図3はラックバー6付近を示す図であり、図2のラックバーハウジング62を外した状態の図である。
ラックバーハウジング62は、第1ピニオンギア5を収容する第1ピニオンギア収容部62aと第2ピニオンギア12を収容する第2ピニオンギア収容部62bが一体に形成されている。
ラックバー6の第1ラック歯60は、全域にわたって同じ減速比となるように形成されている(固定ギア比)。ラックバー6の第2ラック歯61は可変ギア比となっており、減速比の異なる第1ラック歯領域63と第2ラック歯領域64と、第1ラック歯領域63と第2ラック歯領域64とを繋ぐ接続部66を有している。第1ラック歯領域63の減速比(第1の減速比)は、第2ラック歯領域64の減速比(第2の減速比)よりも減速比が小さくなっている。つまり、第2ピニオンギア12と第1ラック歯領域63とが噛合っているときの第2ピニオンギア12が1回転するときのラックバー6の移動量は、第2ピニオンギア12と第2ラック歯領域64とが噛合っているときの第2ピニオンギア12が1回転するときのラックバー6の移動量に対して大きく設定されていることとなる。
第1ラック歯領域63は、転舵輪8が直進方向を向くステアリングホイール2の中立位置において第2ピニオンギア12と第1ラック歯60が噛合う位置を中央部65とし、この中央部65に対してラックバー6の長手方向の所定範囲に亘って形成されている。
第2ラック歯領域64は、第1ラック歯領域63よりラックバー6の長手方向外側であって、第1ラック歯領域63の両側に所定範囲に亘って形成されている。
第1ラック歯領域63と第2ラック歯領域64との間には接続部66が設けられている。接続部66は第1ラック歯領域63の第1の減速比から、第2ラック歯領域64の第2の減速比に向かうにつれ滑らかに変化するように徐々に減速比が大きくなるように(第3の減速比)設定されている。
[操舵角センサの構成]
操舵角センサ13の構成を説明する。図4は操舵角センサ13付近を示す図である。
操舵角センサ13は、入力軸3と一体に回転するメインギア13aと、メインギア13aと噛合うプライマリディテクションギア13bと、プライマリディテクションギア13bと噛合うセカンダリディテクションギア13cとを有している。メインギア13aは例えば40歯のギアからなり、プライマリディテクションギア13bは20歯からのギアからなり、セカンダリディテクションギア13cは19歯のギアからなっている。つまり、プライマリディテクションギア13bの歯数とセカンダリディテクションギア13cの歯数とは互いに割り切れない歯数に設定されている。
プライマリディテクションギア13bとセカンダリディテクションギア13cにはそれぞれ周方向に所定の間隔を持ってN極およびS極が着磁された磁性部材が装着され、プライマリディテクションギア13bとセカンダリディテクションギア13cの回転による磁界の変化を抵抗素子の抵抗値の変化として磁気抵抗効果センサが検出するようになっている。
[操舵角センサによる操舵角の求め方]
図5は入力軸3の回転角(操舵角)とプライマリディテクションギア13bおよびセカンダリディテクションギア13cの回転角との関係を示す図である。磁気抵抗効果センサからは、プライマリディテクションギア13bおよびセカンダリディテクションギア13cの回転位置に応じて変化する磁性部材の磁界を磁気抵抗の変化が、正弦波信号または余弦波信号として出力されるが、図5ではこの正弦波信号または余弦波信号から回転角情報に変換したものを示している。
図5に示すように、20歯のプライマリディテクションギア13bが1回転する間に19歯のセカンダリディテクションギア13cは1回転以上することとなる。セカンダリディテクションギア13cが20回転するまでは回転数が多くなるほど、プライマリディテクションギア13bに対するセカンダリディテクションギア13cの回転数の差は大きくなる。この回転数差を用いて、ステアリングホイール2の中立位置からの360度以上の操舵角(絶対操舵角)を求めることができる。
なお、プライマリディテクションギア13bの回転角情報のみから相対的な操舵角を検出することができる。すなわち図5に示すように、操舵角(入力軸3の回転角)の範囲内で、プライマリディテクションギア13bは複数回転する。そのため、プライマリディテクションギア13bの回転角情報のみでは、ステアリングホイール2の中立位置からの操舵角を求めることはできない。しかし、ある操舵角においてプライマリディテクションギア13bの回転角情報を記憶しておき、その操舵角からプライマリディテクションギア13bが何回転と何度回転したかを演算すれば、記憶した操舵角からの相対的な操舵角(以下、相対操舵角)を求めることができる。
[操舵角とモータ回転角の関係]
以下では、ステアリングホイール2の中立位置からのステアリングホイール2の操舵角を絶対操舵角、ステアリングホイール2の中立位置からのモータ回転角を絶対モータ回転角、モータ回転角センサ27が検出した回転軸9aの回転角をモータ回転角センサ値と称する。
ステアリングホイール2とともに回転する第1ピニオンギア5は、全域にわたって同じ減速比となるように形成されている第1ラック歯60と噛合い、電動モータ9とともに回転する第2ピニオンギア12は、噛合い部分によって減速比が異なる第2ラック歯61と噛合っている。そのため、操舵角の変化量に対するモータ回転角の変化量は、絶対操舵角に応じて変化する。図6は絶対操舵角と絶対モータ回転角の関係を示すグラフである。
図6に示すように、絶対操舵角が大きくなるほど操舵角の変化量に対するモータ回転角の変化量は大きくなる。例えば、第2ピニオンギア12が第1ラック歯領域63と噛合っているとき(図6のAで示す範囲)の所定操舵角の変化量Δθに対するモータ回転角の変化量をΔa、第2ピニオンギア12が接続部66と噛合っているとき(図6のBで示す範囲)の所定操舵角の変化量Δθに対するモータ回転角の変化量をΔb、第2ピニオンギア12が第2ラック歯領域64と噛合っているとき(図6のCで示す範囲)の所定操舵角の変化量Δθに対するモータ回転角の変化量をΔcとすると、
Δa<Δb<Δc
の関係となっている。
図7は絶対操舵角とモータ回転角センサ値との関係を示す図である。図7に示すように、絶対操舵角が大きくなるほどモータ回転角センサ値が0度から360度まで変化するときの操舵角の変化量は小さくなる。例えば、第2ピニオンギア12が第1ラック歯領域63と噛合っているときのモータ回転角センサ値が0度から360度まで変化するときの操舵角の変化量をΔd、第2ピニオンギア12が接続部66と噛合っているときのモータ回転角センサ値が0度から360度まで変化するときの操舵角の変化量をΔe、第2ピニオンギア12が第2ラック歯領域64と噛合っているときのモータ回転角センサ値が0度から360度まで変化するときの操舵角の変化量をΔfとすると、
Δf<Δe<Δd
の関係となっている。
図8は絶対操舵角と、操舵角の変化量に対するモータ回転角の変化量(DELTA)との関係を示すグラフである。
また図8に示すように、第2ピニオンギア12が第1ラック歯領域63と噛合っているとき(-θ1≦絶対操舵角≦θ1)は、操舵角の変化量に対するモータ回転角の変化量は一定である。また第2ピニオンギア12が第2ラック歯領域64と噛合っているとき(絶対操舵角<-θ2,θ2<絶対操舵角)も、操舵角の変化量に対するモータ回転角の変化量は一定である。一方、第2ピニオンギア12が接続部66と噛合っているとき(-θ2≦絶対操舵角≦-θ1,θ1≦絶対操舵角≦θ2)は、操舵角の変化量に対するモータ回転角の変化量は可変となる。
すなわち、第2ピニオンギア12が接続部66と噛合っているときには、操舵角の変化量に対するモータ回転角の変化量から、絶対操舵角の範囲を求めることができる。なお、実施例1では絶対操舵角を検出できる操舵角センサ13を用いて説明しているが、ここでは操舵角の変化量のみが検出できれば良く、0度から360度までの相対操舵角しか検出することのできない操舵角センサを用いても良い。
[絶対操舵角演算処理]
図9は絶対角演算部16において行われるステアリングホイール2の絶対操舵角を演算処理の流れを示すフローチャートである。絶対角演算部16では、操舵角センサ13とモータ回転角センサ27の検出値を用いて絶対操舵角を演算する。
ステップS1では、操舵角センサ13が操舵角を検出し、モータ回転角センサ27がモータ回転角を検出する。ここで検出する操舵角は相対操舵角であって良く、つまりプライマリディテクションギア13bの回転角情報のみから検出した操舵角を用いれば良い。
ステップS2では、所定操舵角変化量Δθに対するモータ回転角変化量(以下、DELTA)を演算する。
所定操舵角変化量Δθは、プライマリディテクションギア13bの回転量が1回転以内となるように設定しても良いし、1回転以上や複数回転となるように設定しても良い。プライマリディテクションギア13bの回転量が少なくなるように所定操舵角変化量を設定すれば早期にDELTAを演算することができ、プライマリディテクションギア13bの回転量が多くなるように所定操舵角変化量を設定すればDELTAの演算精度を向上させることができる。
ステップS3では、DELTAがΔcより大きくかつΔaより小さいか否かを判定し、条件を満たすときにはステップS4へ移行し、満たさないときにはステップS1へ戻る。
Δaは第2ピニオンギア12が第1ラック歯領域63と噛合っているときの所定操舵角の変化量Δθに対するモータ回転角の変化量を示し、Δcは第2ピニオンギア12が第2ラック歯領域64と噛合っているときの所定操舵角の変化量Δθに対するモータ回転角の変化量を示す。これにより、第2ピニオンギア12が接続部66と噛合っている状態であるか否かを判定している。
ステップS4では、第2ピニオンギア12が右操舵範囲(+範囲)の接続部66と噛合っている状態であるか、左操舵範囲(-範囲)の接続部66と噛合っている状態であるかを判定する。
例えば、操舵方向が右方向であって第2ピニオンギア12が接続部66と噛合う前のDELTAがΔaであれば、第2ピニオンギア12が右操舵範囲の接続部66と噛合っていると判定できる。一方、操舵方向が右方向であって第2ピニオンギア12が接続部66と噛合う前のDELTAがΔcであれば、第2ピニオンギア12が左操舵範囲の接続部66と噛合っていると判定できる。また、操舵方向が右方向であって第2ピニオンギア12が接続部66と噛合わなくなった後のDELTAがΔcであれば、第2ピニオンギア12が右操舵範囲の接続部66と噛合っていると判定できる。一方、操舵方向が右方向であって第2ピニオンギア12が接続部66と噛合わなくなった後のDELTAがΔaであれば、第2ピニオンギア12が左操舵範囲の接続部66と噛合っていると判定できる。
他の判定方法として、操舵方向が右方向であってDELTAが減少する方向に変化しているときには第2ピニオンギア12が右操舵範囲の接続部66と噛合っていると判定できる。一方、操舵方向が右方向であってDELTAが増加する方向に変化しているときには第2ピニオンギア12が左操舵範囲の接続部66と噛合っていると判定できる。
なお操舵方向は、操舵角センサ13またはモータ回転角センサ27の回転方向から検出することができる。
ステップS5では、マップによりDELTAに応じた絶対操舵角の範囲を特定する。
マップは図8を用いる。図8では、接続部66に相当するDELTAの値を絶対操舵角の所定範囲Δθmの範囲で区切っている。この所定範囲Δθmは、プライマリディテクションギア13bが1回転未満で検出できる範囲に設定されている。例えば、ステップS4で第2ピニオンギア12が右操舵範囲の接続部66と噛合っていると判定された状態で、DELTAがΔp以上Δq未満のときには絶対操舵角の範囲はθp以上θq未満であると判定する。これにより、プライマリディテクションギア13bが、ステアリングホイール2が中立位置にあるときから何回転しているのかを求めることができる。
ステップS6では、ステップS5で求めた絶対操舵角の範囲と、プライマリディテクションギア13bの回転角情報から絶対操舵角を演算する。
ステップS7では、ステップS6で求めた絶対操舵角と操舵角センサ13が検出した絶対操舵角とが一致するときにはステップS8へ移行し、一致しないときにはステップS9へ移行する。
ステップS8では、絶対操舵角から転舵輪8の転舵角を演算・出力し、ステップS10へ移行する。
ステップS9では、転舵角の演算を禁止し、処理を終了する。
ステップS10では、ステップS6で演算した絶対操舵角を基準として、プライマリディテクションギア13bの回転角から演算した操舵角(相対操舵角)を用いて、絶対操舵角を演算し、演算した絶対操舵角から転舵角を演算・出力して処理を終了する。
第1ラック歯60は固定ギア比であり、第1ピニオンギア5の回転量とラックバー6の移動量は一対一で対応している。よって、絶対操舵角からラックバー6の移動量は簡単に計算することができ、転舵輪8の転舵量も求めることができる。
ステップS10では、操舵角センサ13の検出値を用いているが、モータ回転角センサ27の検出値を用いて絶対操舵角を演算するようにしても良いし、操舵角センサ13の検出値から求めた絶対操舵角とモータ回転角センサ27の検出値から求めた絶対操舵角とを相互比較するようにしても良い。
上記ではステップS5でマップによりDELTAに応じた絶対操舵角の範囲を特定し、ステップS6で絶対操舵角の範囲と、プライマリディテクションギア13bの回転角情報から絶対操舵角を演算するようにしている。これを、マップから直接絶対操舵角を求めるようにしても良い。図8に示すように、例えば第2ピニオンギア12が右操舵範囲(+範囲)の接続部66と噛合っている状態では、DELTAと絶対操舵角との対応は1対1となっている。そのため十分に小さな操舵角変化量でDELTAを求めることができれば、マップから直接絶対操舵角を求めることができる。
[作用]
操舵角センサ13によって絶対操舵角を検出しようとすると、実施例1の操舵角センサ13のようにプライマリディテクションギア13bとセカンダリディテクションギア13cとを用いる必要がある。しかし、メインギア13aも入れると3つのギアが必要となり、操舵角センサ13の大型化につながる。
また絶対操舵角の検出する機構を冗長系としようとすると、大型化した操舵角センサ13を複数設ける必要があり、操舵角センサ13全体がさらに大型化し、またコストの増大にも繋がる。
実施例1では、ステアリングホイール2と接続する第1ピニオンギア5と噛合う第1ラック歯60が固定ギア比であって、電動モータ9により駆動する第2ピニオンギア12と噛合う第2ラック歯61が可変ギア比であることによる操舵角の変化量に対するモータ回転角の変化量の特性を用いて、少なくとも相対操舵角が検出可能な操舵角センサ13と、ブラシレスモータである電動モータ9を駆動するために設けられているモータ回転角センサ27の検出値から絶対操舵角を演算するようにした。
これにより、相対操舵角のみを検出可能な操舵角センサを用いても絶対操舵角を求めることができる。また、絶対操舵角を検出する機構を冗長系にしたとしても、絶対操舵角を検出できる操舵角センサ13を複数設ける必要がなく、操舵角センサ13が検出した絶対操舵角と、操舵角の変化量に対するモータ回転角の変化量の特性を用いて演算した絶対操舵角とを相互に比較することにより、信頼性の高く絶対操舵角を得ることができる。
[効果]
実施例1の効果を以下に列記する。
(1)ステアリングホイール2の操舵操作に伴い回転する第1ピニオンギア5(第1のピニオンギア)と、回転軸9aを備え、操舵アシスト力を発生する電動モータ9(電動機)と、電動モータ9によって回転駆動される第2ピニオンギア12(第2のピニオンギア)と、第1ピニオンギア5と噛合う第1ラック歯60(第1のラック歯)と、第2ピニオンギア12と噛合う第2ラック歯61(第2のラック歯)を有し、ステアリングホイール2の操舵操作および電動モータ9の回転力を転舵輪8に伝達するラックバー6と、ステアリングホイール2の回転角を検出する操舵角センサ13と、電動モータ9の回転軸9aの回転角を検出するモータ回転角センサ27と、操舵角センサ13とモータ回転角センサの出力信号に基づき絶対操舵角を求め、この絶対操舵角から転舵輪8の転舵角を演算する絶対角演算部16(絶対角演算回路)と、絶対操舵角に基づき電動モータ9を駆動制御するモータ駆動部17(モータ駆動回路)と、を備え、第1ラック歯60または第2ラック歯61は、転舵輪8が直進方向を向くステアリングホイール2の中立位置において第1ピニオンギア5または第2ピニオンギア12と噛合う位置であるラック歯の中央部65を中心としてラックバー6の長手方向両側の所定範囲に亘って形成され、第2ピニオンギア12の回転量に対するラックバー6の長手方向移動量の比率である減速比が第1の減速比で形成された1対の第1ラック歯領域63(第1のラック歯領域)と、第1ラック歯領域63よりラックバー6の長手方向外側かつ両側において所定範囲に亘って設けられ、減速比が第1の減速比とは異なる第2の減速比で形成された1対の第2ラック歯領域64(第2のラック歯領域)と、第1ラック歯領域63と第2ラック歯領域64の間に設けられ、第1ラック歯領域63と第2ラック歯領域64の間を滑らかに接続するように変化する第3の減速比で形成された1対の接続部66と、を備え、第2ラック歯61(ラック歯)は、第2ラック歯61の中央部65から長手方向一方側において第3の減速比を有するラック歯が接続部66にのみ設けられるように形成され、絶対角演算部16は、ラックバー6の長手方向の移動に対する操舵角センサ13の検出する回転量とモータ回転角センサ27の検出する回転量との比率が、第2ピニオンギア12が第2ラック歯61の接続部66と噛合うときの比率であると認識するとき、絶対操舵角が、第2ピニオンギア12が第2ラック歯61の接続部66と噛合うときの角度である接続部転舵角度であると判断するようにした。
よって、相対操舵角のみを検出可能な操舵角センサを用いても絶対操舵角を求めることができる。また、絶対操舵角を検出する機構を冗長系にしたとしても、絶対操舵角を検出できる操舵角センサ13を複数設ける必要がなく、操舵角センサ13が検出した絶対操舵角と、操舵角の変化量に対するモータ回転角の変化量の特性を用いて演算した絶対操舵角とを相互に比較することにより、信頼性の高く絶対操舵角を得ることができる。
(2)絶対角演算部16は、操舵角センサ13またはモータ回転角センサ27の回転方向および前記第2ピニオンギア12が接続部66と噛合う状態の前または後の第2ラック歯61の減速比に基づき、1対の接続部66のうちどちらの接続部66が第2ピニオンギア12と噛合う状態であるかを判断するようにした。
よって、右操舵範囲において第2ピニオンギア12と接続部66とが噛合っているのか、左操舵範囲において第2ピニオンギア12と接続部66とが噛合っているのかを判断することができる。
(3)絶対角演算部16は、接続部転舵角度を検出した後、接続部転舵角度からの回転量を操舵角センサ13によって検出することにより、絶対操舵角を検出する。
よって、一旦絶対操舵角を検出したのちは、この絶対操舵角を基準として、操舵角センサ13が検出した相対操舵角を用いて、第2ピニオンギア12が接続部66と噛合っていないときであっても絶対操舵角を求めることができる。
(4)絶対角演算部16は、絶対操舵角の演算において、更にモータ回転角センサ27の出力信号を併せて考慮するようにした。
よって、精度の高い絶対操舵角情報を得ることができる。
(5)絶対角演算部16は、操舵角センサ13の複数回転分の情報に基づき、接続部転舵角を判断するようにした。
よって、接続部転舵角を判断精度を向上させることができる。
〔他の実施例〕
以上、本願発明を実施例1に基づいて説明してきたが、各発明の具体的な構成は各実施例に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても、本発明に含まれる。
例えば、実施例1の操舵角センサ13は絶対操舵角を検出できるものを用いたが、相対操舵角のみ検出できるものであっても良い。また、第1ラック歯60を固定ギア比、第2ラック歯61を可変ギア比としたが、第1ラック歯60を可変ギア比、第2ラック歯61を固定ギア比としても良い。
2 ステアリングホイール
5 第1ピニオンギア(第1のピニオンギア)
6 ラックバー
8 転舵輪
9 電動モータ(電動機)
9a 回転軸
12 第2ピニオンギア(第2のピニオンギア)
13 操舵角センサ
16 絶対角演算部(絶対角演算回路)
17 モータ駆動部(モータ駆動回路)
27 モータ回転角センサ
60 第1ラック歯(第1のラック歯)
61 第2ラック歯(第2のラック歯)
63 第1ラック歯領域(第1のラック歯領域)
64 第2ラック歯領域(第2のラック歯領域)
65 中央部
66 接続部

Claims (5)

  1. ステアリングホイールの操舵操作に伴い回転する第1のピニオンギアと、
    回転軸を備え、操舵アシスト力を発生する電動機と、
    前記電動機によって回転駆動される第2のピニオンギアと、
    前記第1のピニオンギアと噛合う第1のラック歯と、前記第2のピニオンギアと噛合う第2のラック歯を有し、前記ステアリングホイールの操舵操作および前記電動機の回転力を転舵輪に伝達するラックバーと、
    前記ステアリングホイールの回転角を検出する操舵角センサと、
    前記電動機の回転軸の回転角を検出するモータ回転角センサと、
    前記操舵角センサと前記モータ回転角センサの出力信号に基づき転舵輪の転舵角である絶対角を演算する絶対角演算回路と、
    前記絶対角に基づき前記電動機を駆動制御するモータ駆動回路と、
    を備え、
    前記第1のラック歯または前記第2のラック歯は、転舵輪が直進方向を向くステアリングホイールの中立位置において前記第1のピニオンギアまたは前記第2のピニオンギアと噛合う位置であるラック歯の中央部を中心として前記ラックバーの長手方向両側の所定範囲に亘って形成され、前記第1のピニオンギアまたは第2のピニオンギアの回転量に対する前記ラックバーの長手方向移動量の比率である減速比が第1の減速比で形成された1対の第1のラック歯領域と、
    前記第1のラック歯領域より前記ラックバーの長手方向外側かつ両側において所定範囲に亘って設けられ、減速比が前記第1の減速比とは異なる第2の減速比で形成された1対の第2のラック歯領域と、
    前記第1のラック歯領域と第2のラック歯領域の間に設けられ、前記第1のラック歯領域と第2のラック歯領域の間を滑らかに接続するように変化する第3の減速比で形成された1対の接続部と、
    を備え、
    前記ラック歯は、前記ラック歯の中央部から長手方向一方側において前記第3の減速比を有するラック歯が前記接続部にのみ設けられるように形成され、
    前記絶対角演算回路は、前記ラックバーの長手方向の移動に対する前記操舵角センサの検出する回転量と前記モータ回転角センサの検出する回転量との比率が、前記第1のピニオンギアまたは第2のピニオンギアが前記ラック歯の接続部と噛合うときの比率であると認識するとき、前記絶対角が、前記第1のピニオンギアまたは第2のピニオンギアが前記ラック歯の接続部と噛合うときの角度である接続部転舵角度であると判断することを特徴とするパワーステアリング装置。
  2. 請求項1に記載のパワーステアリング装置において、
    前記絶対角演算回路は、前記操舵角センサまたは前記モータ回転角センサの回転方向および前記第1のピニオンギアまたは前記第2のピニオンギアが前記接続部と噛合う状態の前または後の前記ラック歯の減速比に基づき、前記1対の接続部のうちどちらの接続部が前記第1のピニオンギアまたは第2のピニオンギアと噛合う状態であるかを判断することを特徴とするパワーステアリング装置。
  3. 請求項1に記載のパワーステアリング装置において、
    前記絶対角演算回路は、前記接続部転舵角度を検出した後、前記接続部転舵角度からの回転量を前記操舵角センサによって検出することにより、絶対角を検出することを特徴とするパワーステアリング装置。
  4. 請求項3に記載のパワーステアリング装置において、
    前記絶対角演算回路は、前記絶対角の演算において、更に前記モータ回転角センサの出力信号を併せて考慮することを特徴とするパワーステアリング装置。
  5. 請求項1に記載のパワーステアリング装置において、
    前記絶対角演算回路は、前記操舵角センサまたは前記モータ回転角センサの複数回転分の情報に基づき、前記接続部転舵角を判断することを特徴とするパワーステアリング装置。
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