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JP2014133462A - 車両用サイドエアバッグ装置 - Google Patents

車両用サイドエアバッグ装置 Download PDF

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JP2014133462A
JP2014133462A JP2013001953A JP2013001953A JP2014133462A JP 2014133462 A JP2014133462 A JP 2014133462A JP 2013001953 A JP2013001953 A JP 2013001953A JP 2013001953 A JP2013001953 A JP 2013001953A JP 2014133462 A JP2014133462 A JP 2014133462A
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JP2013001953A
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Shigeki Hayashi
重希 林
Satoshi Fukushima
聡 福島
Shinobu Tanaka
忍 田中
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Toyota Motor Corp
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Abstract

【課題】サイドエアバッグの乗員拘束性能を良好にすると共に、着座乗員の腰部に入力される荷重が高くなり過ぎないようにする。
【解決手段】サイドエアバッグ装置10では、サイドエアバッグ20が膨張展開すると、後側バッグ部28によって着座乗員Pの肩部Sと胸部C及び腹部Bの後側とが拘束される一方、前側バッグ部26によって胸部C及び腹部Bの前側と腰部Lとが拘束される。また、後側バッグ部28の内圧上昇に伴って、整流布24が前側バッグ部26及び後側バッグ部28間でのガスの流れを規制する。これにより、後側バッグ部28が、拘束初期から後期まで高い内圧を維持される。一方、前側バッグ部26内のガスは、ベントホール50からサイドエアバッグ20の外部に排気される。これにより、着座乗員Pの腰部Lにラップベルト80Aからの荷重が入力される拘束後期には、前側バッグ部26の内圧が低下する。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両の側面衝突時にサイドエアバッグによって着座乗員を拘束する車両用サイドエアバッグ装置に関する。
下記特許文献1の図11に示された車両用サイドエアバッグ装置では、サイドエアバッグが、後側チューブバッグ部と前側チューブバッグ部とを備えている。後側チューブバッグ部と前側チューブバッグ部とは、絞られた連通部において互いに連通されている。また、後側チューブバッグ部内には、インフレータが設けられており、該インフレータから後側チューブバッグ部内に噴出されるガスが連通部を通って前側チューブバッグ部内に供給される。このサイドエアバッグが膨張展開すると、着座乗員の胸部、腹部及び腰部の前部が前側チューブバッグ部によって拘束され、着座乗員の肩部、胸部、腹部及び腰部の後部が後側チューブバッグ部によって拘束される。
一方、下記特許文献1の図14に示された車両用サイドエアバッグ装置では、サイドエアバッグが、上側チャンバと下側チャンバとに仕切られている。上側チャンバは、絞られた連通部において互いに連通された後側チューブバッグ部と前側チューブバッグ部とを備えている。また、後側チューブバッグ部内には、インフレータの上端部が位置しており、下側チャンバ内にインフレータの下端部が位置している。このインフレータから噴出されるガスは、下側チャンバ及び後側チューブバッグ部に供給されると共に、連通部を通って前側チューブバッグ部に供給される。これにより、このサイドエアバッグが膨張展開すると、着座乗員の胸部及び腹部の前部が前側チューブバッグ部によって拘束され、着座乗員の肩部、胸部及び腹部の後部が後側チューブバッグ部によって拘束され、着座乗員の腰部が下側チャンバによって拘束される。
特開2010−132072号公報
上述の如き車両用サイドエアバッグ装置では、着座乗員の身体のうち相対的に荷重耐性が高い腰部をサイドエアバッグによって効果的に拘束することにより、乗員拘束性能を良好にすることができる。しかしながら、サイドエアバッグによる着座乗員の拘束後期には、着座乗員の腰部がシートベルトからも荷重を受ける。このため、腰部に入力される荷重が高くなり過ぎないようにする観点で、改善の余地がある。
本発明は上記事実を考慮し、サイドエアバッグの乗員拘束性能を良好にすることができると共に、着座乗員の腰部に入力される荷重が高くなり過ぎないようにすることができる車両用サイドエアバッグ装置を得ることを目的とする。
請求項1に記載の発明に係る車両用サイドエアバッグ装置は、車両用シートに設けられ、車両の側面衝突が検知又は予知された場合に作動されてガスを噴出するインフレータと、前記車両用シートのシートバックの側部に設けられ、仕切部によって前後のバッグ部に仕切られており、後側のバッグ部内に設けられた前記インフレータから噴出されるガスが整流布によって前後のバッグ部内に分配されて膨張展開し、後側のバッグ部によって着座乗員の肩部と胸部及び腹部の後部とを拘束する一方、前側のバッグ部によって着座乗員の胸部及び腹部の前部と腰部とを拘束し、後側のバッグ部の内圧上昇に伴って前記整流布が前後のバッグ部間でのガスの流れを規制すると共に、前側のバッグ部内のガスを外部に排気するベントホールが設けられたサイドエアバッグと、を備えている。
請求項1に記載の発明では、車両の側面衝突が検知又は予知されると、インフレータが作動される。すると、インフレータから噴出されるガスがサイドエアバッグの整流布によって前後のバッグ部に分配され、サイドエアバッグが膨張展開する。これにより、後側のバッグ部によって着座乗員の肩部と胸部及び腹部の後部とが拘束され、前側のバッグ部によって着座乗員の胸部及び腹部の前部と腰部とが拘束される。また、後側のバッグ部の内圧上昇に伴って、整流布が前後のバッグ部間でのガスの流れを規制する。これにより、後側のバッグ部が、拘束初期から後期まで高い内圧を維持され、相対的に荷重耐性が高い胸部及び腹部の後部を拘束し続けるので、サイドエアバッグの乗員拘束性能を良好にすることができる。一方、前側バッグ部内のガスは、ベントホールからサイドエアバッグの外部に排気される。これにより、着座乗員の腰部にシートベルトからの荷重が入力される拘束後期には、着座乗員の腰部を拘束する前側バッグ部の内圧を低下させることができる。その結果、着座乗員の腰部に入力される荷重が高くなり過ぎないようにすることができる。
請求項2に記載の発明に係る車両用サイドエアバッグ装置は、請求項1において、前記仕切部は、縦仕切部と斜め仕切部とを有し、前記膨張展開状態において、前記縦仕切部が着座乗員の胸部及び腹部の側方でシートバック上下方向に沿って延びると共に、前記斜め仕切部が前記縦仕切部の下端から前記シートバックの後方斜め下方へ延びる。
請求項2に記載の発明では、サイドエアバッグの仕切部が上記のような斜め仕切部を有している。この斜め仕切部は、サイドエアバッグの膨張展開状態を車両幅方向から見た場合に、着座乗員の腰部に掛け回されたラップベルトよりも車両後方側で、該ラップベルトに沿うように延びる。これにより、斜め仕切部によって後側バッグ部と仕切られた前側のバッグ部の下部がラップベルトと車両幅方向に重なるようにしつつ、後側バッグ部をより下方側まで延ばすことができる。その結果、拘束初期から後期まで高い内圧を維持される後側のバッグ部の拘束力を向上させることができる。
請求項3に記載の発明に係る車両用サイドエアバッグ装置は、請求項1又は請求項2において、前記仕切部は、前記膨張展開状態で前記縦仕切部の上端から車両前方側へ延びる上仕切部を有し、前記後側のバッグ部の上部には、前記膨張展開状態で着座乗員の肩部の側方から前記前側のバッグ部の上方へ延びる前延部が設けられ、当該前延部は、前記前側のバッグ部よりも膨張展開状態における車両幅方向の寸法が小さく設定されている。
請求項3に記載の発明では、上記のように構成されているため、サイドエアバッグの膨張展開状態において、前側のバッグ部の上端側における車両幅方向内側面が車両幅方向外側へ向かうに従い上昇するように傾斜又は湾曲する。このため、サイドエアバッグと着座乗員とが側面衝突の衝撃によって相対的に接近することにより、上記傾斜又は湾曲した面と着座乗員の上腕部とが摺接し、上腕部を上方へ押し上げる力が発生する。その結果、上腕部が前側のバッグ部の上方へ押し上げられ、後側のバッグ部の前延部によって拘束される。これにより、着座乗員の胸部とサイドエアバッグとの間に上腕部が介在することを抑制できる。
しかも、前延部は、着座乗員の肩部の側方から前側のバッグ部の上方へ延びるように膨張展開する。このため、例えば、側面衝突の形態が所謂斜め側面衝突であり、着座乗員が車両斜め前方へ慣性移動した場合でも、着座乗員の肩部が前延部から外れないようにすることができる。これにより、側面衝突の形態によらず、着座乗員の肩部をサイドエアバッグによって良好に拘束することが可能になる。
請求項4に記載の発明に係る車両用サイドエアバッグ装置は、請求項3において、前記整流布は、前記インフレータから噴出されるガスを、前記後側のバッグ部の上部へ分配する上方分配部と、前記前側のバッグ部内の上部へ分配する前方分配部と、前記前側のバッグ部の下部へ分配する下方分配部とを有する。
請求項4に記載の発明では、インフレータから噴出されるガスが、整流布の上方分配部によって、後側のバッグ部の上部へ分配されるため、着座乗員の肩部と車体側部との間の狭い隙間に、後側バッグ部を早期に介在させることができる。また、インフレータから噴出されるガスが、整流布の前方分配部によって、前側のバッグ部の上部へ分配されるため、前側のバッグ部内に早期に大量のガスを供給することができる。これにより、前側のバッグ部の上部との摺接による上腕部の押し上げを促進することができる。さらに、インフレータから噴出されるガスが、整流布の下方分配部によって、前側のバッグ部の下部へ分配されるため、着座乗員の腰部と車体側部との間の狭い隙間に、前側のバッグ部の下部を早期に介在させることができる。
請求項5に記載の発明に係る車両用サイドエアバッグ装置は、請求項4において、前記前方分配部は、前記整流布において前記インフレータを覆った部分と前記仕切部との間に掛け渡されており、前記後側のバッグ部の膨張展開時にシートバック前後方向に沿って伸張されるように長さ寸法が設定されている。
請求項5に記載の発明では、後側のバッグ部が膨張展開すると、整流布の前方分配部が、該整流布においてインフレータを覆った部分と仕切部との間でシートバック前後方向に沿って伸張される。これにより、後側のバッグ部のシートバック前後方向への膨張を抑制することができると共に、後側のバッグ部の車両幅方向の膨張厚を増加させることができる。その結果、サイドエアバッグの展開初期における後側バッグ部の拘束力を高めることができる。
以上説明したように、本発明に係る車両用サイドエアバッグ装置では、サイドエアバッグの乗員拘束性能を良好にすることができると共に、着座乗員の腰部に入力される荷重が高くなり過ぎないようにすることができる。
本発明の実施形態に係る車両用サイドエアバッグ装置が搭載された車両シートの側面図であり、サイドエアバッグが膨張展開した状態の図である。 同車両用サイドエアバッグ装置の構成を示す側面図であり、サイドエアバッグが膨張展開した状態の図である。 同サイドエアバッグの後側バッグ部を構成する基布の平面展開図である。 同サイドエアバッグの前側バッグ部を構成する基布の平面展開図である。 同サイドエアバッグ装置の構成部材である整流布を構成する布片の平面展開図である。 同サイドエアバッグの膨張展開状態を示す横断面図であり、図1のF6−F6線に沿った切断面に対応する図である。 同サイドエアバッグの膨張展開状態を示す横断面図であり、図1のF7−F7線に沿った切断面に対応する図である。 同サイドエアバッグの膨張展開状態を示す縦断面図であり、図1のF8−F8線に沿った切断面に対応する図である。 側面衝突の衝撃によってサイドエアバッグが着座乗員とドアトリムとの間で圧縮された状態を示す図8に対応した縦断面図である。 同サイドエアバッグの前側バッグ部及び後側バッグ部の内圧とインフレータが作動してからの時間との関係を示す線図である。 着座乗員の上腕部が前側バッグ部との摺接によって押し上げられる状況を説明するための縦断面図である。
以下、図1〜図11を用いて、本発明の実施形態に係る車両用サイドエアバッグ装置10について説明する。なお、各図に適宜記す矢印FR、矢印UP、矢印OUTは、車両の前方向(進行方向)、上方向、車両幅方向の外側をそれぞれ示している。以下、単に前後、上下の方向を用いて説明する場合は、特に断りのない限り、車両前後方向の前後、車両上下方向の上下を示すものとする。
(構成)
図1に示されるように、本実施形態に係るサイドエアバッグ装置10は、車両用シート12におけるシートバック14のドア側サイド部14A(図8及び図9に示されるサイドドア72側の側部)に搭載されている。このシートバック14は、シートクッション16の後端部に傾倒可能に連結されており、上端部にはヘッドレスト18が連結されている。
なお、本実施形態では、車両用シート12の前後方向、左右方向(幅方向)及び上下方向は、車両の前後方向、左右方向(幅方向)及び上下方向と一致している。また、図1では、車両用シート12には実際の乗員の代わりに、衝突試験用のダミーPが着座している。このダミーPは、例えばWorldSID(国際統一側面衝突ダミー:World Side Impact Dummy)のAM50(米国人成人男性の50%をカバーするモデル)である。
このダミーPは、3点式シートベルト装置のシートベルト80を装着している。この3点式シートベルト装置では、シートベルト80の中間部に設けられたタングプレート82が車両用シート12の車両幅方向内側に設けられたバックル84に連結されている。この連結状態では、シートベルト80のラップベルト80AによってダミーPの腰部Lが拘束されると共に、シートベルト80のショルダベルト80BによってダミーPの上体が拘束される。以下、説明をわかり易くするため、ダミーPを「着座乗員P」と称する。
サイドエアバッグ装置10は、サイドエアバッグ20と、該サイドエアバッグ20内でガスを発生させるガス発生手段としてのインフレータ22と、を主要部として構成されている。
サイドエアバッグ20は、折り畳まれてインフレータ22と共にユニット化(モジュール化)された状態でドア側サイド部14Aの内部に配設されており、シートバックフレーム15のドア側サイドフレーム部15Aに対して車両幅方向外側に配置されている。このサイドエアバッグ20は、インフレータ22が発生させるガスの圧力で着座乗員Pと車体側部との間に膨張展開する(図1図示状態)。この膨張展開の際には、ドア側サイド部14Aに配設されたシートバックパッド23(図6及び図7参照)及び該シートバックパッド23を覆う図示しないシート表皮が、サイドエアバッグ20の膨張圧を受けて開裂される構成になっている。なお、以下の説明に記載するサイドエアバッグ20の前後上下の方向は、特に断りのない限り、サイドエアバッグ20が膨張展開した状態での方向であり、シートバック14の前後上下の方向と略一致している。
図1及び図2に示されるように、サイドエアバッグ20は、仕切部25によってチューブ形状の前側のバッグ部26と後側のバッグ部28とに仕切られている。この仕切部25は、上仕切部25A、縦仕切部25B及び斜め仕切部25Cによって構成されている。以下、前側のバッグ部26を前側バッグ部26と称し、後側のバッグ部28を後側バッグ部28と称する。
後側バッグ部28は、例えばナイロン系又はポリエステル系の布材を切り出して形成された1枚の基布34(図3参照)によって構成されており、前側バッグ部26は、上記基布34と同様の布材からなる2枚の基布30、32(図4参照)によって構成されている。このサイドエアバッグ20が縫製される際には、先ず、基布30、32が縫製部(シーム)T1、T2において基布34に縫製される。次いで、基布34が折れ線36に沿って二つ折にされると共に、周縁部を縫製部(シーム)T3、T4において縫製される。次いで、基布30、32が重ね合わされると共に、周縁部を縫製部(シーム)T5、T6において縫製される。この縫製部T5の上部と、縫製部T6の下部の一部では、基布30、32の間に挟まれた後側バッグ部28の一部と、これらの基布30、32とが共縫いされている。
上述の如く縫製されたサイドエアバッグ20が膨張展開した状態では、前側バッグ部26と後側バッグ部28の本体部28Aとが車両前後方向に並ぶと共に、後側バッグ部28の上部に設けられた前延部28Bがシートバック前方側へ延びて前側バッグ部26の上方に配置される。この前延部28Bと前側バッグ部26とは、縫製部T4、T5によって構成された上仕切部25Aにおいて区画されている。また、後側バッグ部28の本体部28Aと前側バッグ部26とは、サイドエアバッグ20の内部に配置された基布34の一部(本体部28Aの前端部)によって形成された縦仕切部25B及び斜め仕切部25C(何れもテザー部)によって区画されている。前側バッグ部26の内部は、前側チャンバ42とされており、後側バッグ部28の内部は、後側チャンバ46とされている。
なお、縦仕切部25B及び斜め仕切部25Cを基布34の一部によって形成する構成に限らず、縦仕切部25B及び斜め仕切部25Cを基布30、32の一部(前側バッグ部26の後端部)によって形成する構成にしてもよい。その場合、サイドエアバッグ20を縫製する際には、先ず基布30、32を縫製部T4において基布34とそれぞれ縫製する。次いで、基布34を折れ線36に沿って二つ折りにして縫製部T3を縫製する。次いで、基布30、32の後端部(図4において縫製部T1、T2が設定された部分)を重ね合わせて縫製する。次いで、基布30、32を縫製部T5、T6において縫製する。これにより、サイドエアバッグ20の内部に配置された前側バッグ部26の後端部によって縦仕切部25B及び斜め仕切部25Cが形成された構成になる。
また、後側バッグ部28の前延部28Bの前端縁には、後側チャンバ46とサイドエアバッグ20の外部とを連通させたベントホール(排気口)48が形成されている。このベントホール48は、縫製部T3と縫製部T4との間に非縫製部が設けられることにより形成されている。同様に、前側バッグ部26の前端縁における下部には、前側チャンバ42とサイドエアバッグ20の外部とを連通させたベントホール(排気口)50が形成されている。このベントホール50は、縫製部T5と縫製部T6との間に非縫製部が設けられることにより形成されており、ベントホール48よりも開口面積(口径)が大きく設定されている。
一方、インフレータ22は、後側バッグ部28の本体部28A内における後端側に収容されている。このインフレータ22は、所謂シリンダータイプのインフレータであり、軸線方向がシートバック14の高さ方向に沿う状態で配置されている。インフレータ22の外周部からは、車両幅方向内側へ向けて上下一対のスタッドボルト(図示省略)が突出している。これらのスタッドボルトは、後側バッグ部28の基布34及びシートバックフレーム15のドア側サイドフレーム部15Aを貫通して図示しないナットに螺合している。これにより、インフレータ22及びサイドエアバッグ20がドア側サイドフレーム部15Aに締結固定されている。なお、本体部28Aの後端部とインフレータ22との間には、後述する整流布24の一部が介在している。
インフレータ22の上端側には、ガス噴出部22A(図2参照)が設けられている。このガス噴出部22Aには、インフレータ22の周方向に並んだ複数のガス噴出口が形成されており、インフレータ22が作動した際には、複数のガス噴出口から放射状にガスが噴出される。このインフレータ22には、図2に示されるように、車両に搭載された側突ECU58が電気的に接続されている。この側突ECU58には、側面衝突を検知する側突センサ60が電気的に接続されている。側突ECU58は、側突センサ60からの信号に基づいて側面衝突(の不可避)を検知した際にインフレータ22を作動させる構成とされている。なお、側突ECU58に側面衝突を予知(予測)するプリクラッシュセンサが電気的に接続されている場合には、プリクラッシュセンサからの信号に基づいて側突ECU58が側面衝突を予知した際にインフレータ22が作動される構成にしてもよい。
一方、前述したサイドエアバッグ20は、インフレータ22から噴出されるガスを整流する整流布24を備えている。この整流布24は、基布30、32、34と同様の布材からなる2枚の布片62、64(図5参照)が重ね合わされて縫製部T7、T8、T9において縫製されることにより、略T字形の袋状に縫製されている。この整流布24は、筒状に形成された部材本体24Aと、部材本体24Aの上端部に設けられた筒状の上方分配部24B(逆止弁部)と、部材本体24Aの半径方向に沿って前方側へ延びる筒状の前方分配部24C(ガス通気口兼逆止弁部)と、部材本体24Aの下端から下方側へ延びる筒状の下方分配部24D(ガス通気口兼逆止弁部)とによって構成されている。
部材本体24Aは、軸線方向がシートバック14の高さ方向に沿う状態で本体部28A内の後端側に配置されており、当該部材本体24Aによってインフレータ22が覆われている。インフレータ22の上下のスタッドボルトは、部材本体24Aを貫通しており、本体部28Aの後端部とインフレータ22との間に部材本体24Aが挟まれている。
上方分配部24Bは、上端開口が後側チャンバ46の上下方向中間部に開口しており、当該上方分配部24Bを介して部材本体24A内と後側チャンバ46の上下方向中間部とが連通されている。
前方分配部24Cは、前端部が縫製部T4において縦仕切部25Bの上下方向中央部よりも若干下方側の部分に縫製されている。この前方分配部24Cの前端開口は、前側チャンバ42の上部に開口しており、当該前方分配部24Cを介して部材本体24A内と前側チャンバ42の上部とが連通されている。この前方分配部24Cの前端開口は、サイドエアバッグ20が膨張展開した状態では、前側バッグ部26のベントホール50よりも上方側にオフセットした位置に配置される。
下方分配部24Dは、下端部が縫製部T4において斜め縦仕切部25Cの下端部に縫製されている。この下方分配部24Dの下端開口は、前側チャンバ42の下部に開口しており、当該前方分配部24Cを介して部材本体24A内と前側チャンバ42の下部とが連通されている。この下方分配部24Dの下端開口は、サイドエアバッグ20が膨張展開した状態では、前側バッグ部26のベントホール50よりも下方側にオフセットした位置に配置される。
なお、上記の整流布24は、後側バッグ部28の基布34が折れ線36に沿って二つ折りにされる際に、折れ線36を介した基布34の一側部分と他側部分との間に挿入され、その後に縫製部T4が縫製される際に、前方分配部24Cの前端部と下方分配部24Dの下端部とが基布34と共縫いされる。この際、前方分配部24Cの前端開口及び下方分配部24Dの下端開口が塞がらないように縫製部T4が縫製される構成になっている。
また、インフレータ22は、本体部28Aの後端側及び部材本体24Aにそれぞれ形成された図示しないスリットを介して部材本体24A内へ挿入される。そして、これらのスリットは、インフレータ22がドア側サイドフレーム部15Aに締結固定された状態では、インフレータ22とドア側サイドフレーム部15Aとの間に挟まれて閉塞される構成になっている。
上記構成のサイドエアバッグ装置10では、インフレータ22が作動されると、インフレータ22のガス噴出部22Aから噴出されるガスが、整流布24の上方分配部24Bの上端開口から後側チャンバ46の上部へ分配(噴出)される(図2の矢印G1参照)。また、ガス噴出部22Aから噴出されるガスは、前方分配部24Cの前端開口から前側チャンバ42の上部へ分配(噴出)される(図2の矢印G2参照)。さらに、ガス噴出部22Aから噴出されるガスは、下方分配部24Dの下端開口から前側チャンバ42の下部へ分配(噴出)される(図2の矢印G3参照)。これにより、前側バッグ部26及び後側バッグ部28すなわちサイドエアバッグ20が着座乗員Pとサイドドア72のドアトリム74(車体側部)との間へ膨張展開し、前側バッグ部26によって着座乗員Pの胸部C及び腹部Bの前部(前半部:前側)と腰部Lとが拘束され、後側バッグ部28によって着座乗員Pの肩部Sと胸部C及び腹部Bの後部(後半部:後側)とが拘束される(図1、図6〜図9参照)。
ここで、上記膨張展開の際には、前方分配部24C及び下方分配部24Dを介して大量のガスが早期に前側バッグ部26内に供給されるようになっている。これにより、サイドエアバッグ20による着座乗員Pの拘束初期(以下、単に「拘束初期」という)に、前側バッグ部26の内圧が後側バッグ部28の内圧よりも早期かつ高圧に上昇するようになっている。なお、図10には、前側バッグ部26の内圧P1とインフレータ22が作動してからの時間との関係が実線にて示されており、後側バッグ部28の内圧P2とインフレータ22が作動してからの時間との関係が破線にて示されている。
その後、上方分配部24Bから分配されたガスG1により後側バッグ部28の内圧が予め設定された値以上に上昇すると、上方分配部24B、前方分配部24C及び下方分配部24Dが後側バッグ部28内のガスの圧力によって閉塞される(潰される)。これにより、前側バッグ部26と後側バッグ部28との間でのガスの流れが規制される。
また、後側バッグ部28内のガスは、前延部28Bの前端縁に形成されたベントホール48からサイドエアバッグ20の外部へ排気され、前側バッグ部26内のガスは、前側バッグ部26の前端縁における下部に形成されたベントホール50からサイドエアバッグ20の外部へ排気される。前側バッグ部26のベントホール50は、後側バッグ部28のベントホール48よりも開口面積が大きく形成されているため、前側バッグ部26の内圧の低下が促進される一方、後側バッグ部28の内圧の低下が抑制される。その結果、サイドエアバッグ20による着座乗員Pの拘束後期(以下、単に「拘束後期」という)には、前側バッグ部26の内圧が後側バッグ部28の内圧よりも低下するようになっている。
つまり、このサイドエアバッグ装置10では、サイドエアバッグ20を膨張展開させる際には、先ず前側バッグ部26の内圧を後側バッグ部28の内圧よりも早期かつ高圧に上昇させ、その後に前側バッグ部26の内圧を後側バッグ部28の内圧よりも低下させる構成になっている。
次に、膨張展開状態のサイドエアバッグ20について詳細に説明する。図1に示されるように、サイドエアバッグ20の膨張展開状態では、前延部28Bが、着座乗員Pの肩部Sの側方から車両前方側へ延びるように膨張展開し、前側バッグ部26と後側バッグ部28の本体部28Aとが前後方向に並ぶように膨張展開する。この状態では、前延部28Bがシートバック14の上部(シートバック14を上部、上下方向中間部及び下部に三等分した場合の上部)から車両前方へ延びる状態になり、上仕切部25Aの後端部及び縦仕切部25Bの上端部が着座乗員Pの脇部Uの下方近傍に配置される。
この前延部28Bは、膨張展開状態における上下幅寸法が車両前方側へ向かうほど小さくなるように設定されている。また、図8に示されるように、前延部28Bの膨張厚(膨張展開状態での車両幅方向の寸法:以下同じ)W1は、前側バッグ部26の膨張厚W2よりも小さく設定されている。なお、図9には、側面衝突の衝撃によってサイドエアバッグ20が着座乗員Pとドアトリム74との間で圧縮された状態が図示されている。
そして、上述の如く前延部28Bの膨張厚W1が、前側バッグ部26の膨張厚W2よりも小さく設定されることにより、図11に示される如く、前側バッグ部26の上端側における車両幅方向内側面が車両幅方向外側へ向かうに従い上昇するように湾曲した上腕部押上面76とされる。しかも、前延部28Bと前側バッグ部26との境界部である上仕切部25Aが縫製部(シーム)T4、T5によって構成されているため、上仕切部25Aの車両幅方向内側には、上腕部Aを押し上げるための押上スペース78が形成されるようになっている。なお、上腕部押上面76が、車両幅方向外側へ向かうに従い上昇するように傾斜する構成にしてもよい。
また、このサイドエアバッグ20では、後側バッグ部28が膨張展開すると、縦仕切部25Bに縫製(係止)された整流布24の前方分配部24Cが、部材本体24Aと縦仕切部25Bとの間で車両前後方向に沿って伸張され、縦仕切部25Bの位置が規制される。つまり、前方分配部24Cを含めた整流布24の車両前後方向に沿った長さ寸法は、前方分配部24Cの前端部が縦仕切部25Bに縫製されていない場合の本体部28Aにおける車両前後方向の膨張厚よりも短く設定されている。このため、前方分配部24Cの前端部が縦仕切部25Bに縫製されている本実施形態では、前方分配部24Cが伸張されることにより、本体部28Aの車両前後方向への膨張が抑制され、その分だけ本体部28Aの車両幅方向の膨張厚が増加するようになっている。
そして、上述の如く縦仕切部25Bの位置が規制されることにより、図1及び図6に示される如く、縦仕切部25Bが、着座乗員Pの胸部C及び腹部Bの側方でシートバック14の上下方向に延び、胸部C及び腹部Bの側面における前後方向中央部(前後方向中央又は前後方向中央付近)に対して車両幅方向に対向する。
また、斜め仕切部25Cは、縦仕切部25Bの下端からシートバック14の後方斜め下方へ延び、斜め仕切部25Cの下端部がシートバック14の下端部付近に配置される。本実施形態では、斜め仕切部25Cは、縦仕切部25Bの下端から、シートクッション16に対するシートバック14の傾倒中心17へ向けて直線的に延びている。この斜め仕切部25Cは、サイドエアバッグ20の膨張展開状態を車両幅方向から見た場合に、シートベルト80のラップベルト80A及びショルダベルト80Bよりも車両後方側で、ラップベルト80A及びショルダベルト80Bに沿うように延びる。これにより、斜め仕切部25Cによって後側バッグ部28と仕切られた前側バッグ部26の下部が、ラップベルト80A及びショルダベルト80Bと車両幅方向に重なるようになっている。
(作用及び効果)
次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。
上記構成のサイドエアバッグ装置10では、側突ECU58が側突センサ60からの信号により側面衝突を検知すると、当該側突ECU58によってインフレータ22が作動される。すると、インフレータ22から噴出されるガスがサイドエアバッグ20の整流布24によって前側バッグ部26及び後側バッグ部28に分配され、サイドエアバッグ20が膨張展開する。これにより、後側バッグ部28によって着座乗員Pの肩部Sと胸部C及び腹部Bの後側とが拘束され、前側バッグ部26によって着座乗員Pの胸部C及び腹部Bの前側と腰部Lとが拘束される。
また、後側バッグ部28の内圧上昇に伴って、整流布24が前側バッグ部26と後側バッグ部28との間でのガスの流れを規制する。これにより、後側バッグ部28が、拘束初期から後期まで高い内圧を維持され、相対的に荷重耐性が高い胸部C及び腹部Bの後部を拘束し続けるので、サイドエアバッグ20の乗員拘束性能を良好にすることができる。
一方、前側バッグ部26内のガスは、ベントホール50からサイドエアバッグ20の外部に排気される。これにより、着座乗員Pの腰部Lにシートベルト80からの荷重が入力される拘束後期には、着座乗員Pの腰部Lを拘束する前側バッグ部26の内圧を低下させることができる。その結果、着座乗員Pの腰部Lに入力される荷重が高くなり過ぎないようにすることができる。
また、拘束後期には、前側バッグ部26の内圧が後側バッグ部28の内圧よりも低下するため、内圧が低下した前側バッグ部26によって相対的に荷重耐性が低い着座乗員Pの胸部C及び腹部Bの前部をソフトに拘束することができると共に、前側バッグ部26に潰れ残りが生じることを抑制できる。また、前側バッグ部26よりも内圧が高くなった後側バッグ部28によって相対的に荷重耐性が高い着座乗員Pの肩部Sと胸部C及び腹部Bの後部とを良好に拘束することができる。これにより、着座乗員Pの身体において相対的に荷重耐性が低い部位への負荷を低減しつつ、相対的に荷重耐性が高い部位を効果的に拘束することができる。その結果、サイドエアバッグ20による乗員拘束性能を向上させることができる。
さらに、本実施形態では、サイドエアバッグ20の仕切部25が斜め仕切部25Cを有している。この斜め仕切部25Cは、サイドエアバッグ20の膨張展開状態を車両幅方向から見た場合に、シートベルト80のラップベルト80A及びショルダベルト80Bよりも車両後方側で、ラップベルト80A及びショルダベルト80Bに沿うように延びる。これにより、斜め仕切部25Cによって後側バッグ部28と仕切られた前側バッグ部26の下部が、ラップベルト80A及びショルダベルト80Bと車両幅方向に重なるようにしつつ、後側バッグ部28をより下方側まで延ばすことができる。その結果、拘束初期から後期まで高い内圧を維持される後側バッグ部28の拘束力を向上させることができる。
またさらに、本実施形態では、後側バッグ部28の上部には、サイドエアバッグ20の膨張展開状態において、着座乗員Pの肩部Sの側方から前側バッグ部26の上方へ延びる前延部28Bが設けられている。この前延部28Bは、前側バッグ部26よりも膨張展開状態における車両幅方向の寸法が小さく設定されているため、サイドエアバッグ20の膨張展開状態では、前側バッグ部26の上端側における車両幅方向内側面が車両幅方向外側へ向かうに従い上昇するように湾曲した上腕部押上面76となる。
このため、サイドエアバッグ20と着座乗員Pとが側面衝突の衝撃によって相対的に接近することにより、上腕部押上面76と着座乗員Pの上腕部Aとが摺接し、上腕部Aを上方へ押し上げる力F(図11参照)が発生する。その結果、上腕部Aが前側バッグ部26の上方へ押し上げられ、後側バッグ部28の前延部28Bによって拘束される。これにより、着座乗員Pの胸部Cとサイドエアバッグ20との間に上腕部Aが介在することを抑制できるので、着座乗員Pの胸部Cが上腕部Aからの負荷を受けないようにすることができる。
しかも、前延部は、着座乗員Pの肩部Sの側方から前側バッグ部26の上方へ延びるように膨張展開する。このため、例えば、側面衝突の形態が所謂斜め側面衝突であり、着座乗員Pが車両斜め前方へ慣性移動した場合でも、着座乗員Pの肩部Sが前延部28Bから外れないようにすることができる。これにより、側面衝突の形態によらず、着座乗員Pの肩部Sをサイドエアバッグ20によって良好に拘束することが可能になる。
さらに、本実施形態では、インフレータ22から噴出されるガスが、整流布24の上方分配部24Bによって、後側バッグ部28の上部へ分配されるため、着座乗員Pの肩部Sとドアトリム74との間の狭い隙間に、後側バッグ部28の上部を早期に介在させることができる。また、インフレータ22から噴出されるガスが、整流布24の前方分配部24Cによって、前側バッグ部26の上部へ分配されるため、前側バッグ部26内の上部に早期に大量のガスを供給することができる。これにより、前側バッグ部26の上部との摺接による上腕部Aの押し上げを促進することができる。さらに、インフレータ22から噴出されるガスが、整流布24の下方分配部24Dによって、前側バッグ部26の下部へ分配されるため、着座乗員Pの腰部Lとドアトリム74との間の狭い隙間に、前側バッグ部26の下部を早期に介在させることができる。
また、本実施形態では、後側バッグ部28が膨張展開すると、整流布24の前方分配部24Cが、部材本体24Aと仕切部25との間でシートバック前後方向に沿って伸張される。これにより、後側バッグ部28の本体部28Aのシートバック前後方向への膨張を抑制することができると共に、本体部28Aの車両幅方向の膨張厚を増加させることができる。つまり、この前方分配部24Cは、インフレータ22のガスを前側バッグ部26に分配する分岐通路としての機能と、逆止弁としての機能とを有するのみならず、本体部28Aの車両幅方向の膨張厚を増加させるストラップとしての機能を備えている。これにより、サイドエアバッグ20の展開初期における後側バッグ部28の拘束力を高めることができる。
また、本実施形態では、上仕切部25Aが縫製部(シーム)T4、T5によって構成されているため、上仕切部25Aの車両幅方向内側には、上腕部Aを押し上げるための押上スペース78が形成される。これにより、上腕部押上面76との摺接によって上方へ押し上げられる上腕部Aが不用意に前延部28Bと干渉しないようにすることができるので、上腕部Aをスムーズに押し上げることが可能になる。また、縦仕切部25B及び斜め仕切部25Cが基布34の一部によって構成されているため、前側バッグ部26及び本体部28Aの車両幅方向の膨張厚を増加させることができ、衝撃吸収ストロークを良好に確保することができる。
また、本実施形態では、前側バッグ部26と後側バッグ部28の本体部28Aとによって着座乗員Pの胸部C及び腹部Bの側面をその湾曲に沿って前後から覆うように拘束することができる。これにより、胸部C及び腹部Bとサイドエアバッグ20との車両前後方向の位置関係を安定させることができる。
さらに、本実施形態では、後側バッグ部28及び前側バッグ部26には、内部に供給されたガスを外部に排出するためのベントホール48、50が各々に形成されている。このため、ベントホール48、50の大きさを個別に設定変更することにより、後側バッグ部28及び前側バッグ部26の内圧を独立して容易に調整することができる。また、ベントホール48、50がサイドエアバッグ20の前縁部において上下に離間して設けられるため、ベントホール48、50から排出されるガスが一箇所に集中することを防止できる。これにより、着座乗員Pが高温のガスの影響を受け難くすることができる。
また、本実施形態では、前側バッグ部26のベントホール50が、整流布24の前方分配部24Cの前端開口よりも下方にオフセットすると共に、下方分配部24Dの下端開口より上方にオフセットした位置に形成されている。これにより、前方分配部24C及び下方分配部24Dを介して前側バッグ部26内に供給されるガスがベントホール50からダイレクトに(直線的に)外部に排出されることを抑制できるので、拘束初期における前側バッグ部26の展開性能を確保することができる。
また、本実施形態では、前延部28Bは、非膨張での展開状態における上下幅寸法が車両前方側へ向かうほど小さくなるように設定されているため、車両前方側へ向かうほど細くなるように膨張展開する。これにより、着座乗員Pの肩部Sとドアトリム74との間の狭い隙間への前延部28Bの展開性能を向上させることができ、前延部28Bを上記隙間に良好に介在させることができる。
(実施形態の補足説明)
上記実施形態では、前延部28Bの膨張展開状態における上下幅寸法が車両前方側へ向かうほど小さくなるように設定された構成にしたが、本発明はこれに限らず、前延部28Bの上記上下幅寸法が一定に設定された構成にしてもよい。
また、上記実施形態では、後側バッグ部28にベントホール48が形成された構成にしたが、本発明はこれに限らず、ベントホール48が省略された構成にしてもよい。
また、上記実施形態では、前方分配部24Cの前端部が縫製部T4において縦仕切部25B(前側バッグ部26と後側バッグ部28との境界部)に縫製(係止)された構成にしたが、本発明はこれに限らず、前方分配部24Cの前端部が縦仕切部25Bに係止されない構成にしてもよい。
さらに、上記実施形態では、後側バッグ部28の上部に前延部28Bが設けられた構成にした、本発明はこれに限らず、前延部28Bが省略された構成にしてもよい。
また、上記実施形態では、整流布24が、上方分配部24B、前方分配部24C及び下方分配部24Dを備えた構成にしたが、本発明はこれに限らず、整流布の構成は適宜変更することができる。
また、上記実施形態では、縦仕切部25Bの下端からシートバック14の後方斜め下方へ延びる斜め仕切部25Cが直線的に形成された構成にしたが、本発明はこれに限らず、斜め仕切部が湾曲した構成にしてもよい。
さらに、上記実施形態では、上仕切部25Aがシームによって構成され、縦仕切部25B及び斜め仕切部25Cが基布34の一部(テザー部)によって構成された場合について説明したが、本発明はこれに限らず、上仕切部、縦仕切部及び斜め仕切部は、テザー又はシームによって構成することができる。
その他、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更して実施できる。また、本発明の権利範囲が上記実施形態に限定されないことは勿論である。
10 車両用サイドエアバッグ装置
12 車両用シート
14 シートバック
20 サイドエアバッグ
22 インフレータ
24 整流布
24B 上方分配部
24C 前方分配部
24D 下方分配部
25 仕切部
25A 上仕切部
25B 縦仕切部
25C 斜め仕切部
26 前側のバッグ部
28 後側のバッグ部
28B 前延部
50 ベントホール
P 着座乗員
S 肩部
C 胸部
B 腹部
L 腰部

Claims (5)

  1. 車両用シートに設けられ、車両の側面衝突が検知又は予知された場合に作動されてガスを噴出するインフレータと、
    前記車両用シートのシートバックの側部に設けられ、仕切部によって前後のバッグ部に仕切られており、後側のバッグ部内に設けられた前記インフレータから噴出されるガスが整流布によって前後のバッグ部内に分配されて膨張展開し、後側のバッグ部によって着座乗員の肩部と胸部及び腹部の後部とを拘束する一方、前側のバッグ部によって着座乗員の胸部及び腹部の前部と腰部とを拘束し、後側のバッグ部の内圧上昇に伴って前記整流布が前後のバッグ部間でのガスの流れを規制すると共に、前側のバッグ部内のガスを外部に排気するベントホールが設けられたサイドエアバッグと、
    を備えた車両用サイドエアバッグ装置。
  2. 前記仕切部は、縦仕切部と斜め仕切部とを有し、前記膨張展開状態において、前記縦仕切部が着座乗員の胸部及び腹部の側方でシートバック上下方向に沿って延びると共に、前記斜め仕切部が前記縦仕切部の下端から前記シートバックの後方斜め下方へ延びる請求項1に記載の車両用サイドエアバッグ装置。
  3. 前記仕切部は、前記膨張展開状態で前記縦仕切部の上端から車両前方側へ延びる上仕切部を有し、前記後側のバッグ部の上部には、前記膨張展開状態で着座乗員の肩部の側方から前記前側のバッグ部の上方へ延びる前延部が設けられ、当該前延部は、前記前側のバッグ部よりも膨張展開状態における車両幅方向の寸法が小さく設定されている請求項1又は請求項2に記載の車両用サイドエアバッグ装置。
  4. 前記整流布は、前記インフレータから噴出されるガスを、前記後側のバッグ部の上部へ分配する上方分配部と、前記前側のバッグ部内の上部へ分配する前方分配部と、前記前側のバッグ部の下部へ分配する下方分配部とを有する請求項3に記載の車両用サイドエアバッグ装置。
  5. 前記前方分配部は、前記整流布において前記インフレータを覆った部分と前記仕切部との間に掛け渡されており、前記後側のバッグ部の膨張展開時にシートバック前後方向に沿って伸張されるように長さ寸法が設定されている請求項4に記載の車両用サイドエアバッグ装置。
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