JP2014129252A - 皮膚機能改善剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】アオイ科フヨウ属の植物の抽出物を有効成分とするMMP−1の産生阻害剤、抗炎症剤、皮膚の張りの維持作用、抗しわ作用を有し、さらに強皮症の改善に有効である食品および医薬品を提供する。
【解決手段】アオイ科フヨウ属の植物の抽出物を有効成分とする皮膚機能改善剤。抗炎症剤、抗しわ剤、抗強皮症剤。
【選択図】 図1
【解決手段】アオイ科フヨウ属の植物の抽出物を有効成分とする皮膚機能改善剤。抗炎症剤、抗しわ剤、抗強皮症剤。
【選択図】 図1
Description
本発明はローゼル等のアオイ科フヨウ属植物の抽出物を含有する皮膚機能改善剤に関する。より詳細には、アオイ科フヨウ属植物由来の抗炎症作用を有する抽出物を有効成分として含有しており、皮膚の張りを維持し、抗しわ効果を有し、強皮症等の皮膚障害を改善する抗炎症剤に関する。
IL−1βは、通常前駆体(proIL−1β)で細胞内に存在しているが、インフラマソーム活性化に伴うCaspase−1の活性化により切断され、成熟型となり細胞外に分泌される。分泌されたIL−1βは、様々な細胞に作用して主にTh1型の炎症反応や感染局所への好中球の遊走を誘導する。IL−1βの増大がもたらす疾患としては、肝炎、アルコール性肝炎、脊髄疾患、関節リウマチなどが知られている。
紫外線照射の刺激が加わることでIL−1βの産生が増大し、コラゲナーゼの産生の誘導を引き起こすことが知られている(非特許文献1)。コラゲナーゼは、コラーゲンタンパク質を特異的に切断する酵素であり、加齢や紫外線による皮膚のしわの発生や粘弾性の低下、骨粗しょう症等の代謝性疾患、表皮水庖症、角膜潰瘍、歯根病等の炎症性疾患、リューマチ関節炎、骨関節炎等の関節性疾患など、多くの疾患に関与している。そのため、コラゲナーゼを阻害することでこれらの緩和を図ることが出来る。
コラゲナーゼでも特にMMP−1は、I、II、III型コラーゲンを分解する酵素であり、近年、全身性強皮症ではMMP−1に対する自己抗体が出現し、MMP−1活性を抑制しうることから、抗MMP−1抗体が線維化に関与している可能性が示唆されている(非特許文献2)。このため、MMP−1の産生を抑制することは、疾病予防にも貢献する。
以上のことから、これまで多くのコラゲナーゼ阻害剤が開発されてきた。ライチ種子及びその抽出物(特許文献1)やメルボウ心材部抽出物(特許文献2)などの植物抽出物によるコラゲナーゼ阻害剤が開発されてきた。しかし、ハイビスカスに関するものはない。また、ハイビスカスに関しては、ヒアルロニダーゼ活性阻害作用やヒスタミン遊離抑制作用(特許文献3)、線維芽細胞の増殖を活性化、細胞外マトリックスの産生促進(特許文献4)、皮膚の張りやシワを改善する効果(特許文献5)などが知られているが、コラゲナーゼの活性に直接的に作用することは知られていない。
更に、抗炎症作用のある化粧料(特許文献6)としてハイビスカスの花が用いられているが、主観的な評価に留まり具体的な抗炎症作用は示されていない。ハイビスカスは、ローゼルの抽出物がハーブティー等として用いられているように食経験が充分にある極めて安全な物質である。
長谷川郁夫,「IL−1β添加による培養ヒト歯肉上皮細胞の細胞骨格および膜蛋白の変化」,日本歯周病学会会誌,第40巻,第2号,1998年,pp.188−197
Tomimura,Saori;ogawa,Fumihide;Iwata,Yohei;Komura,Kazuhiro;Hara,Toshihide;Muroi,Eiji;Takenaka,Motoi;Shimizu,Kazuhiro;Hasegawa,Minoru;Fujimoto,Manabu;Sato,Shinichi,"Autoantibodies against matrix metalloproteinase−1 in patients with localized scleroderma",Journal of Dermatological science,52(1),2008,pp.47−54
本発明は、アオイ科フヨウ属の植物の抽出物を有効成分として含有し、MMP−1の産生抑制剤、抗炎症剤として、皮膚の張りの維持、抗しわ効果を有する剤として、さらには強皮症の改善に有効な剤としての医薬品を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、ハイビスカス抽出物にコラゲナーゼ阻害活性があること、皮膚等の抗炎症活性があることを見出し、以下の発明を完成するに至った。
(1)アオイ科フヨウ属の植物の抽出物を有効成分として含有する皮膚機能改善剤。
(2)アオイ科フヨウ属の植物の抽出物がローゼル(Hibiscus sabdariffa)の抽出物である、(1)項記載の皮膚機能改善剤。
(3)アオイ科フヨウ属の植物が花部分の抽出物である(1)項又は(2)項に記載の皮膚機能改善剤。
(2)アオイ科フヨウ属の植物の抽出物がローゼル(Hibiscus sabdariffa)の抽出物である、(1)項記載の皮膚機能改善剤。
(3)アオイ科フヨウ属の植物が花部分の抽出物である(1)項又は(2)項に記載の皮膚機能改善剤。
(4)前記アオイ科フヨウ属の植物の抽出物をコラゲナーゼの産生抑制成分として含有する、(1)項〜(3)項のいずれか1項に記載の皮膚機能改善剤。
(5) 前記アオイ科フヨウ属の植物の抽出物をMMP−1(matrix metalloproteinase−1)の産生抑制成分として含有する、(1)項〜(3)項のいずれか1項に記載の皮膚機能改善剤。
(5) 前記アオイ科フヨウ属の植物の抽出物をMMP−1(matrix metalloproteinase−1)の産生抑制成分として含有する、(1)項〜(3)項のいずれか1項に記載の皮膚機能改善剤。
(6)前記アオイ科フヨウ属の植物の抽出物を抗炎症成分として含有する、(1)項〜(3)項のいずれか1項に記載の皮膚機能改善剤。
(7)前記アオイ科フヨウ属の植物の抽出物を皮膚の張りを維持し、しわの発生を抑制する成分として含有する、(1)項〜(3)項のいずれか1項に記載の皮膚機能改善剤。
(8)前記アオイ科フヨウ属の植物の抽出物を抗強皮症成分として含有する(1)項〜(3)項のいずれか1項に記載の皮膚機能改善剤。
(8)前記アオイ科フヨウ属の植物の抽出物を抗強皮症成分として含有する(1)項〜(3)項のいずれか1項に記載の皮膚機能改善剤。
(9)前記(1)項〜(3)項のいずれか1項に記載のアオイ科フヨウ属の植物の抽出物を有効成分として含有するコラゲナーゼ産生阻害剤。
(10)前記(1)項〜(3)項のいずれか1項に記載のアオイ科フヨウ属の植物の抽出物を有効成分として含有するMMP−1産生阻害剤。
(10)前記(1)項〜(3)項のいずれか1項に記載のアオイ科フヨウ属の植物の抽出物を有効成分として含有するMMP−1産生阻害剤。
(11)前記(1)項〜(3)項のいずれか1項に記載のアオイ科フヨウ属の植物の抽出物を有効成分として含有する抗炎症剤。
(12)前記(1)項〜(3)項のいずれか1項に記載のアオイ科フヨウ属の植物の抽出物を有効成分として含有する抗しわ剤。
(13)前記(1)項〜(3)項のいずれか1項に記載のアオイ科フヨウ属の植物の抽出物を有効成分として含有する抗強皮症剤。
(12)前記(1)項〜(3)項のいずれか1項に記載のアオイ科フヨウ属の植物の抽出物を有効成分として含有する抗しわ剤。
(13)前記(1)項〜(3)項のいずれか1項に記載のアオイ科フヨウ属の植物の抽出物を有効成分として含有する抗強皮症剤。
本発明によれば、天然物由来の抗炎症活性物質を有効成分として含有する医薬組成物が提供される。本発明の組成物は、コラゲナーゼ産生阻害活性を有していて、皮膚の張りを維持し、しわの発生を抑制する効果があり、さらに強皮症の予防及び改善の効果が期待できる。
本発明は、アオイ科フヨウ属の植物の抽出物を有効成分とする抗炎症作用を有する皮膚機能改善剤に関する。
本発明の抗炎症作用を有する皮膚機能改善剤に用いられるアオイ科フヨウ属の植物は、ローゼル(Hibiscus sabdariffa)である。
本発明の抗炎症作用を有する皮膚機能改善剤に用いられるアオイ科フヨウ属の植物は、ローゼル(Hibiscus sabdariffa)である。
本発明において用いられるアオイ科フヨウ属の植物の抽出物の製造方法は、特に限定されるものではないが、例えば、アオイ科フヨウ属の植物を加熱滅菌した後に熱水抽出することにより得ることができる。この他にも水抽出及びエタノール抽出を採用することによっても得ることができる。抽出液はそのままの液体として、又はさらに濃縮し活性成分を高含有率で含有する液体の状態で使用することができるし、乾燥して固形物とした状態で使用することもできる。
アオイ科フヨウ属の植物の抽出物は、優れた抗炎症作用、特に、皮膚における抗炎症作用を有する。従って、アオイ科フヨウ属の植物の抽出物の有効量を投与することにより、特に皮膚における抗炎症作用を促進することができる。アオイ科フヨウ属の植物の抽出物を有効成分として含有する本発明の皮膚機能改善剤は、それ自体を医薬品や食品(医薬組成物や食品組成物)とすることができるし、医薬組成物又は食品組成物の有効成分とすることができる。
本発明において「抗炎症作用」とは、生体内においてサイトカインIL−1βの刺激によって惹起されるコラゲナーゼの産生、なかんずく、MMP−1の産生を抑制して該酵素に起因する炎症を抑制する作用を包含している。従って、本発明の皮膚機能改善剤は、コラゲナーゼの産生抑制、なかんずく、MMP−1の産生を抑制して、皮膚の張りを維持し、しわの発生を防止する医薬品や食品の成分として有用であり、強皮症の改善のための食品又は医薬品の有効成分としても有用である。
例えば、皮膚用抗炎症剤のような本発明の皮膚機能改善剤は、常法にしたがって製剤化することができる。製剤としては固体製剤であっても液体製剤であってもよい。かかる製剤としては、例えば、錠剤、丸剤、顆粒剤、糖衣剤、カプセル、乳剤、液剤、ゲル、シロップ、スラリー、懸濁物等が挙げられる。また、製剤化においては、製剤上の必要に応じて、賦形剤等の添加剤を加えることができる。賦形剤としては、目的によって、充填剤、結合剤、凝固剤、滑たく剤、崩壊剤、色素、甘味料、香料、コーティング剤等を単独で、もしくはこれらを組み合わせて使用することができる。
本発明の抗炎症作用を有する皮膚機能改善剤におけるアオイ科フヨウ属の植物の抽出物の含有量は、製剤の形態によって相違するが、製剤全体に対して、通常0.01〜90質量%、好ましくは1〜70質量%、より好ましくは5〜50質量%である。
本発明の抗炎症作用を有するアオイ科フヨウ属の植物の抽出物を食品として構成する場合、その態様に特に制限はなく、一般の加工食品のほかに、健康食品、機能性食品、濃厚流動食、栄養補助食品、飲料及び食品を含む飲食物、又は、これらの添加物とすることができる。具体的には、アオイ科フヨウ属の植物の抽出物を、サプリメント、清涼飲料に配合することができるが、特に限定されるものではない。また、アオイ科フヨウ属の植物の抽出物は、そのまま食品に添加してもよく、或いは食品の原材料として加工して添加してもよい。
本発明の食品の形態としては、液状、ゲル状、粉末状あるいは固形状等の食品が挙げられる。本発明の食品の具体例としては、飲料(スポーツドリンク、茶、スープ等)、ゼリー飲料、ヨーグルト、フローズンヨーグルト、調味料(ドレッシング、マヨネーズ、ふりかけ、味噌、醤油、焼肉のたれ等)、麺類、畜肉魚肉加工食品(ハム、ソーセージ等)、ジャム、乳製品(牛乳、クリーム、バター、チーズ、マーガリン等)、パン、菓子類(ゼリー、アイスクリーム、シャーベット、プリン等)等が挙げられるが、これらに限定されない。
アオイ科フヨウ属の植物の抽出物を含む食品は、食品の形態に応じて他の添加物を含むものであってもよい。このような添加物として、賦形剤、増量剤、結合剤、防湿剤、防腐剤、強化剤、増粘剤、乳化剤、食品添加物、調味料等を挙げることができる。食品添加物としてはビタミン類、ミネラル、キチン、キトサン、レシチン、ローヤルゼリーなどが挙げられる。調味料としては、グラニュー糖、蜂蜜、ソルビットなどの甘味料;アルコール;クエン酸、リンゴ酸、洒石酸などの酸味料;香料;色素などが挙げられ、本発明の食品を好みの味や色に調整するために用いることができる。また、本発明の目的と関連する公知の素材を併用してもよい。
本発明のアオイ科フヨウ属の植物の抽出物を含む食品は、当業者が通常行う方法により製造することができる。例えば、粉末状の食品を得るには、アオイ科フヨウ属の植物の抽出物に、デキストリン、シクロデキストリン、デンプン、マルトースなどの賦形剤を必要に応じて添加して、凍結乾燥、噴霧乾燥などの乾燥方法により粉末とすることにより得ることができる。また、賦形剤の他にも、必要に応じて、ビタミン、ミネラル、動植物や魚介類の油脂、タンパク質、糖質、色素、香料、その他の食用添加剤等をさらに添加することができる。
本発明のアオイ科フヨウ属の植物の抽出物を含む食品は、他の生理活性物質又は健康食品素材と組み合わせても構わない。このような物質としては、例えば、青汁、健康酢、健康茶、ローヤルゼリー、アロエ、ブルーベリー、プロポリス、イソフラボン、ノニ、核酸、にんにく、ウコン、酵素、高麗ニンジン、雑穀、納豆、イチョウ葉、発芽玄米、マカ、メシマコブ、ブドウ種子、スピルリナ、明日葉、フコイダン、牡蠣、馬油、桑葉、サラシア、ハナビラタケ、田七ニンジン、カシス、シジミ、キクイモ、コラーゲン、クロレラ、グルコサミン、キトサン、カルニチン、CoQ10、セラミド、オクタコサノールなどが挙げられる。
アオイ科フヨウ属の植物の抽出物は、食経験が充分ある極めて安全な物質である。アオイ科フヨウ属の植物は食用ハーブとして広く流通しているため、本発明の食品の摂取量は厳しく制限されるものではないと考えられる。その摂取量の下限は目的に応じた効果を発揮しうる最低量とされ、上限は摂取のしやすさ、経済性等の観点から実際的な量を基準として設定することができる。経口投与の場合、通常、成人1日当たり、アオイ科フヨウ属の植物の抽出物約10mg〜約5g、好ましくは約10mgから約1gを摂取すればよい。もちろん、摂取する者の年齢、体重、症状、服用期間、治療経過等に応じて変化させることもできる。1日当たりの量を数回に分けて摂取することもできる。
本発明のアオイ科フヨウ属の植物の抽出物を医薬品として構成する場合、一つの実施態様においては、医薬品は経口投与に好適に製剤化される。経口投与に好適な製剤は、水、生理食塩水のような希釈液に有効量のアオイ科フヨウ属の植物の抽出物を溶解させた液剤、有効量のアオイ科フヨウ属の植物の抽出物を固体や顆粒として含んでいるカプセル剤、顆粒剤、散剤又は錠剤、適当な分散媒中に有効量のアオイ科フヨウ属の植物の抽出物を懸濁させた懸濁液剤、有効量のアオイ科フヨウ属の植物の抽出物を溶解させた溶液を適当な分散媒中に分散させ乳化させた乳剤等である。
本発明の医薬品において、有効成分であるアオイ科フヨウ属の植物の抽出物の投与量は、投与形態、投与対象の種類、投与ルート、投与期間、体重、年齢等によって異なるが、上述した本発明の食品の摂取量と同様な範囲とすることができる。もちろん、上述したように投与量は種々の条件で変動するため、上記投与量より少ない量で十分な場合もあり、また範囲を超えて投与する必要のある場合もある。
本発明では、抗炎症性の指標としてMMP−1の抑制効果を示す。優れたMMP−1の抑制効果を有する場合は、皮膚において抗MMP−1抗体が原因となる強皮症の改善効果を期待できる。また、既存の治療薬との併用によってもその効果が発揮されることが期待される。
以下、実施例および比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明の技術的範囲は以下の実施例等によって限定されるものではない。なお、以下の実施例等において、「%」は「質量%」を示す。
(抽出物の調製)
ハイビスカス(Hibiscus sabdariffa)の花5gを加圧滅菌(121℃、20分)によって殺菌を行い、殺菌後、80℃の熱水100mLで1時間抽出し、濾過して抽出液を得た。得られた抽出液を蒸発濃縮して蒸発残分1%の被験抽出物を調製した。
ハイビスカス(Hibiscus sabdariffa)の花5gを加圧滅菌(121℃、20分)によって殺菌を行い、殺菌後、80℃の熱水100mLで1時間抽出し、濾過して抽出液を得た。得られた抽出液を蒸発濃縮して蒸発残分1%の被験抽出物を調製した。
<試験例>
ヒト正常皮膚線維芽細胞(Fibloblasts:理研ジーンバンク:NB1RGB)を用いて以下の試験を行った。
細胞数をカウント1×105/mLになるように培地(10%FBS−DMEM)に懸濁した。細胞懸濁培地を6穴プレートに2mL/well播種し、37℃、5%CO2インキュベーターで24時間培養した。培養後、前記蒸発残分1%の被験抽出物を50μL/welIで添加し、さらに、37℃、5%CO2インキュベーターで24時間培養した。
培養後0.1μg/mL humanIL−1β(genzyme社)を50μL/wel1添加し、37℃、5%CO2インキュベーターで4時間培養し炎症を惹起させた。
培養後、ISOGEN処理により細胞を回収し、mRNAの抽出およびcDNAの作製を定法に準拠して行った。その後、RT−PCR法によりmRNAの発現量を定量した。
同様の試験を、前記ハイビスカスの花からの抽出物の調製方法と同一の抽出方法で「ラベンダー」、「ジャスミン」から調製した被験抽出物についても実施した。
また、controlとして、被験物質(抽出物)が無添加の状態で炎症を惹起させたものをcontrol(+)、被験物質(抽出物)が無添加の状態でかつ炎症を惹起させないものをcontrol(−)とした。結果を図1に示す。
なお、統計処理は、F検定によって分散を調べたのち、T検定を行った。
p<0.05で有意差ありとした。
ヒト正常皮膚線維芽細胞(Fibloblasts:理研ジーンバンク:NB1RGB)を用いて以下の試験を行った。
細胞数をカウント1×105/mLになるように培地(10%FBS−DMEM)に懸濁した。細胞懸濁培地を6穴プレートに2mL/well播種し、37℃、5%CO2インキュベーターで24時間培養した。培養後、前記蒸発残分1%の被験抽出物を50μL/welIで添加し、さらに、37℃、5%CO2インキュベーターで24時間培養した。
培養後0.1μg/mL humanIL−1β(genzyme社)を50μL/wel1添加し、37℃、5%CO2インキュベーターで4時間培養し炎症を惹起させた。
培養後、ISOGEN処理により細胞を回収し、mRNAの抽出およびcDNAの作製を定法に準拠して行った。その後、RT−PCR法によりmRNAの発現量を定量した。
同様の試験を、前記ハイビスカスの花からの抽出物の調製方法と同一の抽出方法で「ラベンダー」、「ジャスミン」から調製した被験抽出物についても実施した。
また、controlとして、被験物質(抽出物)が無添加の状態で炎症を惹起させたものをcontrol(+)、被験物質(抽出物)が無添加の状態でかつ炎症を惹起させないものをcontrol(−)とした。結果を図1に示す。
なお、統計処理は、F検定によって分散を調べたのち、T検定を行った。
p<0.05で有意差ありとした。
図1に示されるように、ハイビスカス(Hibiscus sabdariffa)の花から得られる被験抽出物が添加された培養細胞は、IL−1βで炎症を惹起してもcontrol(+)に比べてMMP−1のmRNAの発現量が抑制されていた。
これは、「ラベンダー」、「ジャスミン」から調製した被験抽出物が添加されたものに比べて顕著に抑制されていた。
このことから、ハイビスカスから得られる抽出物に、IL−1βによるヒト正常皮膚線維芽細胞(NBlRGB)の炎症を抑制する抗炎症効果があることが期待できる。
これは、「ラベンダー」、「ジャスミン」から調製した被験抽出物が添加されたものに比べて顕著に抑制されていた。
このことから、ハイビスカスから得られる抽出物に、IL−1βによるヒト正常皮膚線維芽細胞(NBlRGB)の炎症を抑制する抗炎症効果があることが期待できる。
上記の実験結果から、ハイビスカスから得られる被験抽出物は、コラゲナーゼの産生を効果的に抑制して、コラゲナーゼの産生増によるコラーゲンの分解に起因する関節炎やヒト正常皮膚線維芽細胞(NBlRGB)の分解に起因する皮膚炎、特に、MMP−1に起因する強皮症や、関節炎等の炎症の発症を防止し、また、発症した関節炎や強皮症等の皮膚炎の進行を防止して自然治癒乃至回復を促進させる作用効果を奏することが期待される。
上記したように、ヒトの強皮症の発症、皮膚炎や関節炎等の炎症の発症、および皮膚のしわの発生を防止し、また、その発症後の炎症や発生したしわの増加を抑制して自然治癒を促進させることが期待される本発明のハイビスカス抽出物は、IL−1βの体内における増加に起因する皮膚や内蔵等の各種炎症の発症を防止し、発症後の進行を防止して自然治癒を促進させるための抗炎症成分として有用である。
また、従来よりハーブティー等として飲用されてきている成分からなる物質であるので、該抽出物は内服用抗炎症剤として製剤化することが可能なものであるし、各種の抗炎症効果、しわ防止効果が期待される健康食品用添加成分としても有用である。
さらに、外用製剤の有効成分としても有用であるし、化粧品用添加成分としての利用も期待できるものである。
さらに、外用製剤の有効成分としても有用であるし、化粧品用添加成分としての利用も期待できるものである。
Claims (6)
- アオイ科フヨウ属の植物の抽出物を有効成分とする皮膚機能改善剤。
- アオイ科フヨウ属の植物の抽出物がローゼル(Hibiscus sabdariffa)の花の抽出物である請求項1記載の皮膚機能改善剤。
- 前記アオイ科フヨウ属の植物の抽出物をMMP−1(matrix metalloproteinase−1)産生阻害成分として含有する請求項1または2に記載の皮膚機能改善剤。
- 前記アオイ科フヨウ属の植物の抽出物を抗炎症成分として含有する請求項1または2に記載の皮膚機能改善剤。
- 前記アオイ科フヨウ属の植物の抽出物を抗しわ成分として含有する請求項1または2に記載の皮膚機能改善剤。
- 前記アオイ科フヨウ属の植物の抽出物を抗強皮症成分として含有する請求項1または2に記載の皮膚機能改善剤。
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