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JP2014122191A - 油、非イオン界面活性剤及びジャスモン酸誘導体を含む化粧品組成物 - Google Patents

油、非イオン界面活性剤及びジャスモン酸誘導体を含む化粧品組成物 Download PDF

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JP2014122191A JP2012280289A JP2012280289A JP2014122191A JP 2014122191 A JP2014122191 A JP 2014122191A JP 2012280289 A JP2012280289 A JP 2012280289A JP 2012280289 A JP2012280289 A JP 2012280289A JP 2014122191 A JP2014122191 A JP 2014122191A
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侑市 池田
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レミ・エル・アッカリ
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Abstract

【課題】いかなる非イオン界面活性剤を使用した場合でも、エマルションの外観が改善された透明性又はやや半透明性の、好ましくは透明性の、ナノ又はマイクロエマルションの形態の安定した化粧品組成物を提供すること。
【解決手段】本発明は、(a)少なくとも1種の油、(b)HLB値が8.0〜14.0、好ましくは9.0〜13.5、より好ましくは10.0〜13.0の、少なくとも1種の非イオン界面活性剤、(c)少なくとも1種のジャスモン酸誘導体、及び(d)水を含む、ナノ又はマイクロエマルションの形態の化粧品組成物に関する。本発明の化粧品組成物は、少なくとも1種のキサンチン塩基の存在のために小さな直径を持つ分散相を有する。したがって、本化粧品組成物は、透明性又はやや半透明性のナノ又はマイクロエマルションの形態になり得る。
【選択図】なし

Description

本発明は、ナノ又はマイクロエマルションの形態の化粧品組成物に関する。
水中油型(O/W)又は油中水型(W/O)エマルションは、化粧品及び皮膚科学の分野において、特に、乳液、クリーム、トニック、セラム又は化粧水等の化粧品の調製に関連して、よく知られている。特に、O/Wナノ又はマイクロエマルション等の微細エマルションは、その透明性又はやや半透明性の外観のために、特に化粧品に魅力的である。
化粧品又は皮膚科学の分野においては、水中油型(O/W)エマルションを使用する手法が知られている。これらのエマルションは、水相に分散した油相(又は親油性相)を含み、外部水相を有し、したがって、もたらす新鮮な感触のために使用感が快適な製品である。しかし、これらは、存在する油の量が多すぎる場合、相対的な安定性に欠ける欠点がある。現在、いくつかの応用例では、油が肌を快適にし、栄養を与え、またこれらの油が化粧除去特性を有する場合には化粧を肌から除去することができるため、大量の油を含むことが好都合である。
その上、微細なエマルション、すなわち油相が非常に小さな液滴、すなわちサイズが4μm未満の液滴の形態であるエマルションが好都合であるが、それは、これらの微細なエマルションが優れた化粧感触を有し、きめの粗いエマルションと比較して概して高安定性であるためである。
これらのエマルションは、特に転相温度技術によって調製することができ(PITエマルション)、かかるエマルションにおいて、油相を構成する小球の平均粒径は所定の制限以内、すなわち0.1〜4μm(100〜4000nm)である。理論的用語である転相温度(又はPIT)乳化の原理は、当業者に周知であり、K. Shinodaによって1968年に説明された(J. Chem. Soc. Jpn.、1968年、89、435)。この乳化技術は、安定で微細なエマルションを得ることを可能にすることが示された(K. Shinoda及びH. Saito、J. Colloid Interface Sci.、1969、30、258)。この技術は、Mitsuiらによって1972年に早くも化粧品に適用された(「Application of the phase-inversion-temperature method to the emulsification of cosmetics」、T. Mitsui、Y. Machida及びF. Harusawa、American. Cosmet. Perfum.、1972、87、33)。
この技術の原理は次の通りである: O/Wエマルション(水相を油相中に加える)を、系の転相温度を超えるべき温度、すなわち使用する乳化剤の親水性特性及び親油性特性間の平衡が実現する温度で調製する;高温、すなわち転相温度を超える温度(>PIT)で、エマルションは油中水型であり、冷却すると、このエマルションは、転相温度で転相して、水中油型のエマルションになる(先にマイクロエマルションの状態を通過する)。この方法は、直径が概して4μm未満のエマルションを容易に得ることを可能にする。通常使用される水中油型の乳化性界面活性剤は、8〜18の範囲のHLB(HLB=親水性親油性バランス)を有する。これらの乳化剤は、その両親媒性構造のために、油相/水相界面に位置しており、したがって分散性油液滴を安定化する。
しかし、このようなエマルションは不安定化する傾向があり、結果として、油の放出を伴う水相と油相の癒合及び分離を引き起こすので、大量の油相を含む微細O/Wエマルションを作製することは困難である。これらのエマルションの安定性を向上するために、乳化剤の濃度を上げることができるが、高濃度の乳化剤は、きめの粗く、粘着性又はべたつく感触をもたらす恐れがあり、皮膚、眼及び頭皮に対する無害性の問題が起こり得る。
特に、O/Wナノ又はマイクロエマルション等の微細エマルションは、その透明性又はやや半透明性の外観のために、特に化粧品に魅力的である。
例えば、特開平09-110635号公報は、界面活性剤としてのポリグリセリル脂肪酸エステルと、C10〜C222-ヒドロキシ脂肪酸との組合せを使用することによって形成される微細エマルションを開示している。更に、特開平11-71256号公報は、ポリグリセリル脂肪酸エステルとベタインとの組合せを使用することによって形成される微細エマルションを開示している。
特開平09-110635号公報 特開平11-71256号公報 米国特許第5,364,633号明細書 米国特許第5,411,744号明細書 米国特許第2,528,378号明細書 米国特許第2,781,354号明細書
K. Shinoda、J. Chem. Soc. Jpn.、1968年、89、435 K. Shinoda及びH. Saito、J. Colloid Interface Sci.、1969、30、258 「Application of the phase-inversion-temperature method to the emulsification of cosmetics」、T. Mitsui、Y. Machida及びF. Harusawa、American. Cosmet. Perfum.、1972、87、33 Walter Noll、Chemistry and Technology of Silicones (1968)、Academic Press Meylan及びHoward、「Atom/Fragment contribution method for estimating octanol-water partition coefficients」、J. Pharm. Sci.、84: 83〜92、1995 「Exploring QSAR: hydrophobic, electronic and steric constants」(ACS professional reference book、1995) http://esc.syrres.com/interkow/kowdemo.htm CTFA辞典、第3版、1982 CTFA辞典、第5版、1993 CTFA辞典、第9版、2002 Satoshi Tomomasaら、OilChemistry、37巻、11号(1988年)48〜53頁 operators guide、Malvern Instruments、1998年12月、61〜67頁
しかし、ある種の非イオン界面活性剤がナノ又はマイクロエマルション等の微細エマルションを調製するために使用される場合、エマルションの透明性又はやや半透明性の外観並びにエマルションの安定性が損なわれてしまう。
本発明の目的は、上記の非イオン界面活性剤を使用した場合でも、エマルションの外観が改善された透明性又はやや半透明性の、好ましくは透明性の、ナノ又はマイクロエマルションの形態の安定した化粧品組成物を提供することである。
本発明の上記目的は、
(a)少なくとも1種の油、
(b)HLB値が8.0〜14.0、好ましくは9.0〜13.5、より好ましくは10.0〜13.0の、少なくとも1種の非イオン界面活性剤、
(c)特に次式(I)で表される、少なくとも1種のジャスモン酸誘導体:
(式中、
R1は、COOR3基を表し、R3は、水素原子、又は1個若しくは複数のヒドロキシル基で任意選択により置換されたC1〜4アルキル基を示し、
R2は、直鎖状で1〜18個の炭素原子を有する、又は分岐状若しくは環状で3〜18個の炭素原子を有する、飽和又は不飽和の炭化水素基を表す。)、又は
その光学異性体若しくは塩、及び
(d)水
を含む、ナノ又はマイクロエマルションの形態の化粧品組成物によって実現することができる。
(a)の油は、植物起源の油、鉱油、合成油、シリコーンオイル及び炭化水素油からなる群から選択することができる。好ましくは、(a)の油は、室温で液体の形態である炭化水素油から選択することができる。好ましくは、(a)の油は、分子量が600g/mol未満の油から選択することができる。
(a)の油の量は、組成物の総質量に対して0.1質量%〜50質量%、好ましくは1質量%〜40質量%、より好ましくは3質量%〜30質量%の範囲であってよい。
(b)の非イオン界面活性剤は、
エチレンオキシド単位を1〜60個含むポリエチレングリコール、ソルビタン、エチレンオキシド単位を2〜30個含むグリセロール、グリセロール単位を2〜12個含むポリグリセロールからなる群から選択される少なくとも1種のポリオールのエステルと、少なくとも1種の飽和又は不飽和の直鎖又は分岐C8〜C22アルキル鎖を含む少なくとも1種の脂肪酸とのエステルから選択される、45℃以下の温度で流体である界面活性剤、
脂肪酸又は脂肪族アルコール、カルボン酸及びグリセロールの混合エステル、
糖の脂肪酸エステル及び糖の脂肪族アルコールエーテル、
グリセロールの脂肪エステル、ソルビタンの脂肪エステル及びソルビタンのオキシエチレン化脂肪エステル、エトキシ化脂肪エーテル及びエトキシ化脂肪エステルから選択される、45℃以下の温度で固体である界面活性剤、
エチレンオキシド(A)及びプロピレンオキシド(B)のブロックコポリマー、並びに
シリコーン界面活性剤
から選択することができる。
(b)の非イオン界面活性剤は、
イソステアリン酸又はオレイン酸ポリエチレングリコール(8〜10molのエチレンオキシド)、
ポリエチレングリコールイソセチル、ベヘニルエーテル又はイソステアリルエーテル(8〜10molのエチレンオキシド)、
グリセロール単位を3〜6個含むモノラウリン酸又はジラウリン酸ポリグリセリル、
グリセロール単位を3〜6個含むモノ(イソ)ステアリン酸ポリグリセリル、
グリセロール単位を3〜6個含むモノオレイン酸ポリグリセリル、及び
グリセロール単位を3〜6個含むジオレイン酸ポリグリセリル
から選択することが好ましい。
(b)の非イオン界面活性剤は、ポリグリセリル脂肪酸エステル、好ましくは脂肪酸と重合度が4以上のポリグリセリンを70%以上含むポリグリセリンとのエステル、好ましくは脂肪酸と重合度が4〜11のポリグリセリンを60%以上含むポリグリセリンとのエステル、より好ましくは脂肪酸と重合度が5のポリグリセリンを30%以上含むポリグリセリンとのエステルから選択することができる。
(b)の非イオン界面活性剤の量は、組成物の総質量に対して0.1質量%〜30質量%、好ましくは1質量%〜25質量%、より好ましくは3質量%〜20質量%の範囲であってよい。
(a)の油に対する(b)の非イオン界面活性剤の比率は、0.25〜6、好ましくは0.3〜3、より好ましくは0.4〜1.5であってよい。
(c)のジャスモン酸誘導体は、-0.7〜6、好ましくは-0.5〜4、より好ましくは-0.3〜2のlog Pを有してよい。
(c)のジャスモン酸誘導体は、次式によって表されることが好ましい:
(c)のジャスモン酸誘導体の量は、組成物の総質量に対して、0.01質量%〜25質量%、好ましくは0.1質量%〜20質量%、より好ましくは1質量%〜15質量%の範囲であってよい。
本発明の化粧品組成物は、上記の(b)とは異なる少なくとも1種の非イオン界面活性剤、及び/又は少なくとも1種のイオン界面活性剤を更に含んでもよい。
本発明の化粧品組成物は、少なくとも1種のポリオールを更に含んでもよい。
本発明の化粧品組成物は、好ましくは会合性ポリマーから選択される、少なくとも1種の増粘剤を更に含んでもよい。
化粧品組成物は、O/Wエマルションの形態であることが好ましく、(a)の油は、300nm以下、好ましくは10nm〜150nmの数平均粒径の液滴の形態であることが好ましい。
本発明の化粧品組成物は、50%より高い、より好ましくは60%より高い、更により好ましくは70%より高い透明度を有することが好ましい。
更に、本発明は、本発明の化粧品組成物を皮膚、毛髪、粘膜、爪、睫毛、眉毛又は頭皮に適用することを特徴とする、皮膚、毛髪、粘膜、爪、睫毛、眉毛及び/又は頭皮を処置する非治療的方法にも関する。
更に、本発明は、身体及び/又は顔面の皮膚及び/又は粘膜及び/又は頭皮及び/又は毛髪及び/又は爪及び/又は睫毛及び/又は眉毛を対象とするケア製品及び/又は洗浄製品及び/又は化粧品及び/又は化粧除去品としての、又はこれらにおける、本発明の化粧品組成物の使用にも関する。
鋭意検討の結果、本発明者らは、ナノ又はマイクロエマルション等の微細エマルションを形成するのが困難であった非イオン界面活性剤を使用した場合でも、エマルションの外観が透明性又はやや半透明性、好ましくは透明性の、ナノ又はマイクロエマルションの形態の安定した化粧品組成物を提供することが可能であることを見出した。
したがって、本発明は、
(a)少なくとも1種の油、
(b)HLB値が8.0〜14.0、好ましくは9.0〜13.5、より好ましくは10.0〜13.0の、少なくとも1種の非イオン界面活性剤、
(c)次式(I)で表される、少なくとも1種のジャスモン酸誘導体:
(式中、
R1は、COOR3基を表し、R3は、水素原子、又は1個若しくは複数のヒドロキシル基で任意選択により置換されたC1〜4アルキル基を示し、
R2は、直鎖状で1〜18個の炭素原子を有する、又は分岐状若しくは環状で3〜18個の炭素原子を有する、飽和又は不飽和の炭化水素基を表す。)、又は
その光学異性体若しくは塩、及び
(d)水
を含む、ナノ又はマイクロエマルションの形態の化粧品組成物である。
本発明の化粧品組成物は、少なくとも1種のジャスモン酸誘導体の存在のために小さな直径を持つ分散相を有する。したがって、化粧品組成物は、透明性又はやや半透明性のナノ又はマイクロエマルションの形態になり得る。
本発明の化粧品組成物は、透明性又はやや半透明性であることができるため、好ましくはローション等に使用することができる。更に、分散相が細かく分散されるにつれ、本発明の化粧品組成物は、独特な質感、潤い及び湿った感触、並びに柔軟さ増大をもたらすことができる。更に、分散相が油相であり、1種又は複数の親油性活性成分又は両親媒性活性成分さえも含む場合、分散油相は、活性成分のキャリヤとして機能して皮膚中への活性成分の浸透を促進できる、又は皮膚上に活性成分を分散させることができる。
以下に、本発明の化粧品組成物を更に詳細に説明する。
[油]
本発明の化粧品組成物は、少なくとも1種の油を含んでもよい。本明細書において、「油」は、大気圧(760mmHg)下の室温(25℃)で液体形態の脂肪性化合物又は物質を意味する。油として、化粧品に一般的に使用されるものを、単独で又はそれらを組み合わせて使用することができる。これらの油は揮発性であっても不揮発性であってもよいが、不揮発性であることが好ましい。
該油は、炭化水素油、シリコーンオイル等の非極性油;植物油若しくは動物油及びエステル油若しくはエーテル油等の極性油;又はそれらの混合物であってもよい。
(a)の油は、植物又は動物起源の油、合成油、シリコーンオイル及び炭化水素油からなる群から選択することが好ましい。
植物油の例として、例えば、亜麻仁油、ツバキ油、マカダミアナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、オリーブ油、アボカド油、サザンカ油、ヒマシ油、紅花油、ホホバ油、ヒマワリ油、アーモンド油、菜種油、ゴマ油、ダイズ油、ピーナッツ油、及びそれらの混合物を挙げることができる。
動物油の例として、例えば、スクアレン及びスクアランを挙げることができる。
合成油の例として、イソドデカン及びイソヘキサデカン等のアルカン油、エステル油、エーテル油並びに人工トリグリセリドを挙げることができる。
エステル油は、好ましくは、飽和又は不飽和の直鎖又は分岐のC1〜C26脂肪族一酸又は多酸の液体エステル、及び飽和又は不飽和の直鎖又は分岐のC1〜C26脂肪族一価アルコール又は多価アルコールの液体エステルであり、これらのエステルの合計炭素数は10以上である。
好ましくは、一価アルコールのエステルに関して、本発明のエステルが誘導されるアルコール及び酸の中からの少なくとも1つは分岐状である。
一酸及び一価アルコールのモノエステルのうち、パルミチン酸エチル、パルミチン酸エチルヘキシル、パルミチン酸イソプロピル、炭酸ジカプリリル、ミリスチン酸アルキル、例えばミリスチン酸イソプロピル又はミリスチン酸エチル、ステアリン酸イソセチル、イソノナン酸2-エチルヘキシル、イソノナン酸イソノニル、ネオペンタン酸イソデシル及びネオペンタン酸イソステアリルを挙げることができる。
C4〜C22ジカルボン酸又はトリカルボン酸及びC1〜C22アルコールのエステル、並びにモノ-、ジ-又はトリカルボン酸及びC4〜C26非糖ジ-、トリ-、テトラ-又はペンタヒドロキシアルコールのエステルを用いることもできる。
特に挙げることができるのは、セバシン酸ジエチル、ラウロイルサルコシン酸イソプロピル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ビス(2-エチルヘキシル)、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジ-n-プロピル、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ビス(2-エチルヘキシル)、アジピン酸ジイソステアリル、マレイン酸ビス(2-エチルヘキシル)、クエン酸トリイソプロピル、クエン酸トリイソセチル、クエン酸トリイソステアリル、トリ乳酸グリセリル、トリオクタン酸グリセリル、クエン酸トリオクチルドデシル、クエン酸トリオレイル、ジヘプタン酸ネオペンチルグリコール、ジイソノナン酸ジエチレングリコールである。
エステル油として、C6〜C30、好ましくはC12〜C22脂肪酸の糖エステル及びジエステルを使用することができる。「糖」という用語は、アルデヒド又はケトン官能基の有り無しで、少なくとも4つの炭素原子を含む、いくつかのアルコール官能基を含有する酸素含有炭化水素をベースとした化合物を意味することが想起される。これらの糖は、単糖、オリゴ糖又は多糖であってよい。
挙げることができる適当な糖の例には、スクロース(又はショ糖)、グルコース、ガラクトース、リボース、フコース、マルトース、フルクトース、マンノース、アラビノース、キシロース及びラクトース、並びにそれらの誘導体、特にメチル誘導体等のアルキル誘導体、例えばメチルグルコースが含まれる。
脂肪酸の糖エステルは、前述した糖と、直鎖若しくは分岐の飽和若しくは不飽和のC6〜C30、好ましくはC12〜C22の脂肪酸とのエステル又は該エステルの混合物を含む群から特に選択することができる。それらが不飽和である場合、これらの化合物は、1個から3個の共役又は非共役の炭素-炭素二重結合を有することができる。
この変形態様のエステルは、モノ-、ジ-、トリ-、テトラエステル及びポリエステル、並びにそれらの混合物から選択することもできる。
これらのエステルは、例えば、オレイン酸エステル、ラウリン酸エステル、パルミチン酸エステル、ミリスチン酸エステル、ベヘン酸エステル、ヤシ脂肪酸エステル、ステアリン酸エステル、リノール酸エステル、リノレン酸エステル、カプリン酸エステル及びアラキドン酸エステル、又はそれらの混合物、例えば、特にオレオパルミチン酸、オレオステアリン酸及びパルミトステアリン酸の混合エステル、並びにテトラエチルヘキサン酸ペンタエリスリチルであってよい。
より具体的には、モノエステル及びジエステル、特にスクロース、グルコース若しくはメチルグルコースのモノ-又はジオレイン酸エステル、ステアリン酸エステル、ベヘン酸エステル、オレオパルミチン酸エステル、リノール酸エステル、リノレン酸エステル並びにオレオステアリン酸エステルが利用される。
挙げることができる例は、Amerchol社からGlucate(登録商標)DOの名称で販売される製品であり、これはジオレイン酸メチルグルコースである。
好ましいエステル油の例として、例えば、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジオクチル、ヘキサン酸2-エチルヘキシル、ラウリン酸エチル、オクタン酸セチル、オクタン酸オクチルドデシル、ネオペンタン酸イソデシル、プロピオン酸ミリスチル、2-エチルヘキサン酸2-エチルヘキシル、オクタン酸2-エチルヘキシル、カプリル酸/カプリン酸2-エチルヘキシル、パルミチン酸メチル、パルミチン酸エチル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸エチルヘキシル、ラウリン酸イソヘキシル、ラウリン酸ヘキシル、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、オレイン酸イソデシル、トリ(2-エチルヘキサン酸)グリセリル、テトラ(2-エチルヘキサン酸)ペンタエリスリチル(pentaerythrithyl tetra(2-ethylhexanoate))、コハク酸2-エチルヘキシル、セバシン酸ジエチル、及びそれらの混合物を挙げることができる。
人工トリグリセリドの例として、例えば、トリミリスチン酸グリセリル、トリパルミチン酸グリセリル、トリリノレン酸グリセリル、トリラウリン酸グリセリル、トリカプリン酸グリセリル、トリカプリル酸グリセリル、トリ(カプリン酸/カプリル酸)グリセリル及びトリ(カプリン酸/カプリル酸/リノレン酸)グリセリルを挙げることができる。
シリコーンオイルの例として、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン等の直鎖オルガノポリシロキサン;オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等の環状オルガノポリシロキサン;及びそれらの混合物を挙げることができる。
好ましくは、シリコーンオイルは、液体ポリジアルキルシロキサン、特に液体ポリジメチルシロキサン(PDMS)、及び少なくとも1つのアリール基を含む液体ポリオルガノシロキサンから選択される。
これらのシリコーンオイルは、有機変性されてもよい。本発明にしたがって使用することができる有機変性シリコーンは、上述により定義した通りのシリコーンオイルであり、それらの構造中に、炭化水素系基を介して結合されている1個又は複数の有機官能基を含むシリコーンオイルである。
オルガノポリシロキサンは、Walter NollのChemistry and Technology of Silicones (1968)、Academic Pressに更に詳細に定義されている。それらは揮発性でも不揮発性であってもよい。
周囲温度で液体又はペースト状である直鎖又は環式シリコーン鎖を含む揮発性若しくは不揮発性ポリジメチルシロキサン(PDMS)、具体的にはシクロヘキサシロキサン等のシクロポリジメチルシロキサン(シクロメチコーン);ペンダントである、又はシリコーン鎖の末端にあるアルキル基、アルコキシ基又はフェニル基を含むポリジメチルシロキサン(これらの基は、2〜24個の炭素原子を有する);フェニルトリメチコーン、フェニルジメチコーン、フェニルトリメチルシロキシジフェニルシロキサン、ジフェニルジメチコーン、ジフェニルメチルジフェニルトリシロキサン、2-フェニルエチルトリメチルシロキシシリケート、及びポリメチルフェニルシロキサン等のフェニルシリコーン等の、揮発性若しくは不揮発性シリコーンオイルを使用することができる。
炭化水素油は、以下から選択することができる:
直鎖又は分岐の、任意選択により環式の、C6〜C16低級アルカン。挙げることができる例には、ヘキサン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン及びイソパラフィン、例えばイソヘキサデカン、イソドデカン及びイソデカンが含まれる;
流動パラフィン、液体ワセリン、ポリデセン及び水素化ポリイソブテン、例えばParleam(登録商標)、並びにスクアラン等の、16個超の炭素原子を含む直鎖又は分岐炭化水素。
炭化水素油の好ましい例として、例えば、直鎖又は分枝炭化水素、例えば、鉱物油(例えば、流動パラフィン)、パラフィン、ワセリン又はペトロラタム、ナフタレン等;水素化ポリイソブテン、イソエイコサン及びデセン/ブテンコポリマー;並びにそれらの混合物を挙げることができる。
(a)の油は、室温で液体の形態である炭化水素油から選択することが好ましい。
(a)の油は、分子量が600g/mol未満の油から選択することも好ましい。
好ましくは、(a)の油は、炭化水素短鎖又は鎖(C1〜C12)を有するエステル油(例えば、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、イソノナン酸イソノニル、及びパルミチン酸エチルヘキシル)、炭化水素油(例えば、イソドデカン、イソヘキサデカン、及びスクアラン)、分岐及び/又は不飽和脂肪族アルコール(C12〜C30)型油、例えばオクチルドデカノール、オレイルアルコール、エーテル油、例えばジカプリリルエーテルのうちから選択され、低い分子量、例えば600g/mol未満の分子量を有する。
本発明の化粧品組成物中の(a)の油の量は、限定されず、組成物の総質量に対して0.1質量%〜50質量%、好ましくは1質量%〜40質量%、より好ましくは5質量%〜30質量%の範囲であってよい。
[非イオン界面活性剤]
本発明の化粧品組成物は、少なくとも1種の特定の非イオン界面活性剤を含むことができる。単一のタイプの特定の非イオン界面活性剤を使用してもよいが、2つ以上の異なるタイプの特定の非イオン界面活性剤を組み合わせて使用してもよい。
非イオン界面活性剤は、HLB(親水性親油性バランス)値が8.0〜14.0、好ましくは9.0〜13.5、より好ましくは10.0〜13.0である。2つ以上の非イオン界面活性剤を用いる場合、HLB値は、すべての非イオン界面活性剤のHLB値の質量平均によって求める。
HLB値が8.0〜14.0、好ましくは9.0〜13.5、より好ましくは10.0〜13.0の、(b)の非イオン界面活性剤は、以下から選択することができる:
(1)エチレンオキシド単位を1〜60個含むポリエチレングリコール、ソルビタン、エチレンオキシド単位を2〜30個含むグリセロール、グリセロール単位を2〜12個含むポリグリセロールからなる群から選択される少なくとも1種のポリオールと、少なくとも1種の飽和又は不飽和の直鎖又は分岐C8〜C22アルキル鎖を含む少なくとも1種の脂肪酸とのエステルから選択される、45℃以下の温度で流体である界面活性剤、
(2)脂肪酸又は脂肪族アルコール、カルボン酸及びグリセロールの混合エステル、
(3)糖の脂肪酸エステル及び糖の脂肪族アルコールエーテル、
(4)グリセロールの脂肪エステル、ソルビタンの脂肪エステル及びソルビタンのオキシエチレン化脂肪エステル、エトキシ化脂肪エーテル及びエトキシ化脂肪エステルから選択される、45℃以下の温度で固体である界面活性剤、
(5)エチレンオキシド(A)及びプロピレンオキシド(B)のブロックコポリマー、並びに
(6)シリコーン界面活性剤。
(1)45℃以下の温度で流体である界面活性剤は、具体的には:
Unichema社によってPEG400の名称で販売されている、分子量400のポリエチレングリコールのイソステアレート、
Solvay社によって販売されている、イソステアリン酸ジグリセリル、
Solvay社によって販売されている、グリセロール単位を2つ含むラウリン酸グリセリル、
ICI社によってSpan 80の名称で販売されている、オレイン酸ソルビタン、
Nikko社によってNikkol SI 10Rの名称で販売されている、イソステアリン酸ソルビタン、及び
Ulice社によって販売されている、ヤシ油脂肪酸α-ブチルグルコシド又はカプリン酸α-ブチルグルコシド
であってよい。
上記の非イオン界面活性剤として使用できる、(2)脂肪酸又は脂肪族アルコール、カルボン酸及びグリセロールの混合エステルは、具体的には、8〜22個の炭素原子を含むアルキル鎖を有する脂肪酸又は脂肪族アルコール、並びにα-ヒドロキシ酸及び/又はコハク酸の、グリセロールを伴う混合エステルを含む群から選択することができる。α-ヒドロキシ酸は、例えば、クエン酸、乳酸、グリコール酸又はリンゴ酸、及びそれらの混合物であってよい。
本発明のナノエマルションに使用できる混合エステルの由来となる脂肪酸又はアルコールのアルキル鎖は、直鎖であっても分岐であってもよく、飽和であっても不飽和であってもよい。これらは、特に、ステアレート、イソステアレート、リノレート、オレエート、ベヘネート、アラキドネート、パルミテート、ミリステート、ラウレート、カプレート、イソステアリル、ステアリル、リノレイル、オレイル、ベヘニル、ミリスチル、ラウリル又はカプリル鎖、及びそれらの混合物であってもよい。
本発明のナノエマルションに使用できる混合エステルの例として、Huls社によってImwitor 375の名称で販売されている、グリセロール並びにクエン酸、乳酸、リノール酸及びオレイン酸の混合物の混合エステル(CTFA名:クエン酸/乳酸/リノール酸/オレイン酸グリセリル)、Huls社によってImwitor 780Kの名称で販売されている、グリセロールを伴うコハク酸及びイソステアリルアルコールの混合エステル(CTFA名:コハク酸イソステアリルジグリセリル)、Huls社によってImwitor 370の名称で販売されている、グリセロールを伴うクエン酸及びステアリン酸の混合エステル(CTFA名:クエン酸ステアリン酸グリセリル)、Danisco社によってLactodan B30又はRylo LA30の名称で販売されている、グリセロールを伴う乳酸及びステアリン酸の混合エステル(CTFA名:乳酸ステアリン酸グリセリル)を挙げることができる。
上記の非イオン界面活性剤として使用することができる、(3)糖の脂肪酸エステルは、好ましくは、45℃以下の温度で固体であり得、C8〜C22脂肪酸及びスクロース、マルトース、グルコース又はフルクトースのエステル又はエステル混合物、並びにC14〜C22脂肪酸及びメチルグルコースのエステル又はエステル混合物を含む群から特に選択することができる。
本発明において使用することができるエステルの脂肪単位を形成するC8〜C22又はC14〜C22脂肪酸は、8〜22個又は14〜22個の炭素原子をそれぞれ含む、飽和又は不飽和の直鎖アルキル鎖を含む。エステルの脂肪単位は、ステアレート、ベヘネート、アラキドネート、パルミテート、ミリステート、ラウレート及びカプレート、並びにそれらの混合物から特に選択することができる。ステアレートを使用することが好ましい。
脂肪酸及びスクロース、マルトース、グルコース若しくはフルクトースのエステル又はエステル混合物の例として、モノステアリン酸スクロース、ジステアリン酸スクロース及びトリステアリン酸スクロース並びにそれらの混合物、例えばCroda社によってCrodesta F50、F70、F110及びF160の名称で販売されている製品を挙げることができ、脂肪酸及びメチルグルコースのエステル又はエステルの混合物の例として、Goldschmidt社によってTego-care 450の名称で販売されているジステアリン酸メチルグルコースポリグリセリル-3を挙げることができる。メチルo-ヘキサデカノイル-6-D-グルコシド及びo-ヘキサデカノイル-6-D-マルトシド等のグルコース又はマルトースモノエステルも挙げることができる。
上記の非イオン界面活性剤として使用することができる(3)糖の脂肪族アルコールエーテルは、45℃以下の温度で固体であり得、C8〜C22脂肪族アルコール及びグルコース、マルトース、スクロース又はフルクトースのエーテル又はエーテル混合物、並びにC14〜C22脂肪族アルコール及びメチルグルコースのエーテル又はエーテル混合物を含む群から特に選択することができる。これらは特にアルキルポリグルコシドである。
本発明のナノエマルションにおいて使用することができるエーテルの脂肪単位を形成するC8〜C22又はC14〜C22脂肪族アルコールは、8〜22個又は14〜22個の炭素原子をそれぞれ含む、飽和又は不飽和の直鎖アルキル鎖を含む。エーテルの脂肪単位は、デシル、セチル、ベヘニル、アラキジル、ステアリル、パルミチル、ミリスチル、ラウリル、カプリル及びヘキサデカノイル単位、並びにそれらの混合物、例えばセテアリルから特に選択することができる。
糖の脂肪族アルコールエーテルの例として、例えばHenkel社によってそれぞれPlantaren 2000及びPlantaren 1200の名称で販売されている、デシルグルコシド及びラウリルグルコシド等のアルキルポリグルコシド、例えばSEPPIC社製の名称Montanov 68、Goldschmidt製の名称Tego-care CG90、及びHenkel社製の名称Emulgade KE3302で販売されている、任意選択によりセトステアリルアルコールとの混合物としてのセトステアリルグルコシド、並びにSEPPIC社によってMontanov 202の名称で販売されている、例えばアラキジルアルコール及びベヘニルアルコール及びアラキジルグルコシドの混合物の形態の、アラキジルグルコシドを挙げることができる。
使用される界面活性剤は、より具体的には、モノステアリン酸スクロース、ジステアリン酸スクロース又はトリステアリン酸スクロース及びそれらの混合物、ジステアリン酸メチルグルコースポリグリセリル-3並びにアルキルポリグルコシドである。
上記の非イオン界面活性剤として使用することができる(4)グリセロールの脂肪エステルは、45℃以下の温度で固体であり、12〜22個の炭素原子及び1〜12個のグリセロール単位を含む飽和直鎖アルキル鎖を含む少なくとも1種の酸から形成されるエステルを含む群から特に選択することができる。これらのグリセロールの脂肪エステルを1種又は複数、本発明において使用することができる。
これらのエステルは、ステアレート、ベヘネート、アラキデート及びパルミテート、並びにそれらの混合物から特に選択することができる。ステアレート及びパルミテートを使用することが好ましい。
本発明において使用することができる界面活性剤の例として、モノステアリン酸、ジステアリン酸、トリステアリン酸及びペンタステアリン酸デカグリセリル(CTFA名:ステアリン酸ポリグリセリル-10、ジステアリン酸ポリグリセリル-10、トリステアリン酸ポリグリセリル-10、ペンタステアリン酸ポリグリセリル-10)、例えばNikko社によってそれぞれNikkol Decaglyn 1-S、2-S、3-S及び5-Sの名称で販売されている製品、並びにモノステアリン酸ジグリセリル(CTFA名:ステアリン酸ポリグリセリル-2)、例えばNikko社によってNikkol DGMSの名称で販売されている製品を挙げることができる。
上記の非イオン界面活性剤として使用することができる(4)ソルビタンの脂肪エステルは、45℃以下の温度で固体であり、ソルビタンのC16〜C22脂肪酸エステル及びソルビタンのオキシエチレン化C16〜C22脂肪酸エステルを含む群から選択することができる。これらは、16〜22個の炭素原子をそれぞれ含む少なくとも1つの飽和直鎖アルキル鎖を含む少なくとも1種の脂肪酸と、ソルビトール又はエトキシ化ソルビトールとから形成される。オキシエチレン化エステルは、一般に、1〜100個のエチレングリコール単位、好ましくは2〜40個のエチレンオキシド(EO)単位を含む。
これらのエステルは、ステアレート、ベヘネート、アラキデート、パルミテート、及びそれらの混合物から特に選択することができる。ステアレート及びパルミテートを使用することが好ましい。
本発明において使用することができる上記の非イオン界面活性剤の例として、ICI社によってSpan 60の名称で販売されている、モノステアリン酸ソルビタン(CTFA名:ステアリン酸ソルビタン)、ICI社によってSpan 40の名称で販売されている、モノパルミチン酸ソルビタン(CTFA名:パルミチン酸ソルビタン)、及びICI社によってTween 65の名称で販売されている、トリステアリン酸ソルビタン20 EO(CTFA名:ポリソルベート65)を挙げることができる。
上記の非イオン界面活性剤として使用することができる、(4)45℃以下の温度で固体であるエトキシ化脂肪エーテルは、好ましくは、1〜100個のエチレンオキシド単位及び16〜22個の炭素原子を含む少なくとも1つの脂肪族アルコール鎖から形成されるエーテルである。エーテルの脂肪鎖は、ベヘニル、アラキジル、ステアリル及びセチル単位、並びにそれらの混合物、例えばセテアリルから特に選択することができる。挙げることができるエトキシ化脂肪エーテルの例は、エチレンオキシド単位を5つ、10個、20個及び30個含むベヘニルアルコールエーテル(CTFA名:ベヘネス-5、ベヘネス-10、ベヘネス-20、ベヘネス-30)、例えばNikko社によってNikkol BB5、BB10、BB20及びBB30の名称で販売されている製品、並びにエチレンオキシド単位を2つ含むステアリルアルコールエーテル(CTFA名:ステアレス-2)、例えばICI社によってBrij 72の名称で販売されている製品である。
上記の非イオン界面活性剤として使用することができる、(4)45℃以下の温度で固体であるエトキシ化脂肪エステルは、1〜100個のエチレンオキシド単位及び16〜22個の炭素原子を含む少なくとも1つの脂肪酸鎖から形成されるエステルである。エステルの脂肪鎖は、ステアレート、ベヘネート、アラキデート及びパルミテート単位、並びにそれらの混合物から特に選択することができる。挙げることができるエトキシ化脂肪エステルの例は、ICI社によってMyrj 52(CTFA名:ステアリン酸PEG-40)の名称で販売されている製品等の、エチレンオキシド単位を40個含むステアリン酸のエステル、並びにGattefosse社によってCompritol HD5 ATOの名称で販売されている製品等のエチレンオキシド単位を8個含むベヘン酸のエステル(CTFA名:ベヘン酸PEG-8)である。
本発明のナノエマルションにおいて界面活性剤として使用することができる、(5)エチレンオキシド(A)及びプロピレンオキシド(B)のブロックコポリマーは、次式(IV):
HO(C2H4O)x(C3H6O)y(C2H4O)zH (IV)
(式中、x、y及びzは整数であり、x+zが2〜100の範囲であり、yが14〜60の範囲である)のブロックコポリマー、及びそれらの混合物、より具体的には8.0〜14.0の範囲であるHLB値を有する式(IV)のブロックコポリマーから特に選択することができる。
本発明にしたがって使用することができる(6)シリコーン界面活性剤として、米国特許第5364633号及び米国特許第5411744号に開示されているものを挙げることができる。
上記の非イオン界面活性剤としての(6)シリコーン界面活性剤は、好ましくは次式(I)の化合物であってもよい:
式中、
R1、R2及びR3は、互いに独立に、C1〜C6アルキル基又は基-(CH2)x-(OCH2CH2)y-(OCH2CH2CH2)z-OR4を表し、少なくとも1つの基R1、R2又はR3はアルキル基ではなく、R4は水素、アルキル基又はアシル基であり、
Aは0〜200の範囲である整数であり、
Bは0〜50の範囲である整数であり、ただしA及びBが同時に0であることはなく、
xは、1〜6の範囲である整数であり、
yは、1〜30の範囲である整数であり、
zは、0〜5の範囲である整数である。
本発明の好ましい一実施形態によれば、式(I)の化合物において、アルキル基はメチル基であり、xは2〜6の範囲である整数であり、yは4〜30の範囲である整数である。
式(I)のシリコーン界面活性剤の例として、次式(II)の化合物を挙げることができる:
式中、Aは20〜105の範囲である整数であり、Bは2〜10の範囲である整数であり、yは10〜20の範囲である整数である。
式(I)のシリコーン界面活性剤の例として、次式(III)の化合物も挙げることができる:
H-(OCH2CH2)y-(CH2)3-[(CH3)2SiO]A'-(CH2)3-(OCH2CH2)y-OH (III)
式中、A'及びyは、10〜20の範囲である整数である。
使用できる本発明の化合物は、Dow Corning社によってDC 5329、DC 7439-146、DC 2-5695及びQ4-3667の名称で販売されているものである。化合物DC 5329、DC 7439-146及びDC 2-5695は、それぞれAが22、Bが2、yが12であり、Aが103、Bが10、yが12であり、Aが27、Bが3、yが12である式(II)の化合物である。
化合物Q4-3667は、Aが15でありyが13である式(III)の化合物である。
HLB値が8.0〜14.0、好ましくは9.0〜13.5、より好ましくは10.0〜13.0の、(b)の非イオン界面活性剤は、以下から選択することが好ましい:
イソステアリン酸又はオレイン酸ポリエチレングリコール(8〜10molのエチレンオキシド)、
ポリエチレングリコールイソセチル、ベヘニルエーテル又はイソステアリルエーテル(8〜10molのエチレンオキシド)、
グリセロール単位を3〜6個含むモノラウリン酸又はジラウリン酸ポリグリセリル、
グリセロール単位を3〜6個含むモノ(イソ)ステアリン酸ポリグリセリル、
グリセロール単位を3〜6個含むモノオレイン酸ポリグリセリル、及び
グリセロール単位を3〜6個含むジオレイン酸ポリグリセリル。
本発明の好ましい実施形態によれば、HLB値が8.0〜14.0、好ましくは9.0〜13.5、より好ましくは10.0〜13.0の非イオン界面活性剤は、ポリグリセリル脂肪酸エステル及びモノ又はポリオキシアルキレン化脂肪酸エステルから選択される。
ポリグリセリル脂肪酸エステルは、脂肪酸と重合度が4以上のポリグリセリンを70%以上含むポリグリセリンとのエステル、好ましくは脂肪酸と重合度が4〜11のポリグリセリンを60%以上含むポリグリセリンとのエステル、より好ましくは脂肪酸と重合度が5のポリグリセリンを30%以上含むポリグリセリンとのエステルを含むことが好ましい。
ポリグリセリル脂肪酸エステルは、2〜30個の炭素原子、好ましくは6〜30個の炭素原子、より好ましくは8〜30個の炭素原子を含む飽和又は不飽和の酸、好ましくは飽和の酸、例えばラウリン酸、オレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、カプリン酸、カプリル酸、及びミリスチン酸のモノ、ジ及びトリエステルから選択することができる。
ポリグリセリル脂肪酸エステルは、ラウリン酸PG-4、ラウリン酸PG-5、ジラウリン酸PG5、オレイン酸PG-5、ジオレイン酸PG-5、トリカプリル酸PG-6、ミリスチン酸PG-5、トリミリスチン酸PG-5、ステアリン酸PG-5、イソステアリン酸PG-5、トリオレイン酸PG-5、カプリル酸PG-6、及びトリカプリル酸PG-6からなる群から選択することが好ましい。
モノ又はポリオキシアルキレン化脂肪酸エステルは、1〜20個のオキシアルキレン、好ましくは3〜15個のオキシアルキレン、より好ましくは8〜10個のオキシアルキレンから誘導される(ポリ)オキシアルキレン部分を有することが好ましい。
オキシアルキレン部分は、アルキレングリコール、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ペンチレングリコール、ヘキシレングリコール等から誘導されてもよい。オキシアルキレン部分は、モル数が1〜100、好ましくは2〜50のエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドを含有することができる。有利には、非イオン界面活性剤は、いかなるオキシプロピレン単位も含まない。
モノ又はポリオキシアルキレン化脂肪酸エステルは、2〜30個の炭素原子、好ましくは6〜30個の炭素原子、より好ましくは8〜30個の炭素原子を含む飽和又は不飽和酸、好ましくは飽和酸、例えばラウリン酸、オレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、カプリン酸、カプリル酸、及びミリスチン酸のモノ及びジエステルから選択することができる。
挙げることができるモノ又はポリオキシアルキレン化脂肪酸エステルの例は、飽和又は不飽和、直鎖又は分岐のC2〜C30、好ましくはC6〜C30、より好ましくはC8〜C22酸とポリエチレングリコールのエステルを含む。
挙げることができるモノ又はポリオキシアルキレン化脂肪酸エステルの例は、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸又はベヘン酸のエステル及びこれらの混合物のエチレンオキシド付加物、特に8〜30個のオキシエチレン基を含むもの、例えばラウリン酸PEG-8〜PEG-30(CTFA名:ラウリン酸PEG-8〜ラウリン酸PEG-30)、ミリスチン酸PEG-8〜PEG-30(CTFA名:ミリスチン酸PEG-8〜ミリスチン酸PEG-30)、パルミチン酸PEG-8〜PEG-30(CTFA名:パルミチン酸PEG-8〜パルミチン酸PEG-30)、ステアリン酸PEG-8〜PEG-30(CTFA名:ステアリン酸PEG-8〜ステアリン酸PEG-30)、イソステアリン酸PEG-8〜PEG-30(CTFA名:イソステアリン酸PEG-8〜イソステアリン酸PEG-30)、オレイン酸PEG-8〜PEG-30(CTFA名:オレイン酸PEG-8〜オレイン酸PEG-30)、ベヘン酸PEG-8〜PEG-30(CTFA名:ベヘン酸PEG-8〜ベヘン酸PEG-30)を含む。
ポリグリコール脂肪酸エステルは、イソステアリン酸PEG-8、ステアリン酸PEG-8、イソステアリン酸PEG10、オレイン酸PEG10、PEG10イソセチルエーテル、PEG10ベヘニルエーテル又はPEG10イソステアリルエーテル及びこれらの混合物からなる群から選択されることが好ましい。
本発明の化粧品組成物中の、(b)HLB値が8.0〜14.0、好ましくは9.0〜13.5、より好ましくは10.0〜13.0の非イオン界面活性剤の量は、限定されず、組成物の総質量に対して0.1質量%〜30質量%、好ましくは1質量%〜25質量%、より好ましくは3質量%〜20質量%の範囲であってよい。
[ジャスモン酸誘導体]
本発明の化粧品組成物は、少なくとも1種のジャスモン酸誘導体を含む。単一のタイプのジャスモン酸誘導体を使用してもよいが、2つ以上の異なるタイプのジャスモン酸誘導体を組み合わせて使用してもよい。
(c)のジャスモン酸誘導体は、次式(I)に対応するもの:
(式中、R1は、COOR3基を表し、R3は、水素原子、又は1個若しくは複数のヒドロキシル基で任意選択により置換されたC1〜C4アルキル基を示し、R2は、直鎖状で1〜18個の炭素原子を有する、又は分岐状若しくは環状で3〜18個の炭素原子を有する、飽和若しくは不飽和の炭化水素基を表す。)、並びにその光学異性体及び対応する塩
から選択される化合物である。
好ましくは、R1は、-COOH、-COOMe(Me:メチル基)、-COO-CH2-CH3、-COO-CH2-CH(OH)-CH2OH、-COOCH2-CH2-CH2OH又はCOOCH2-CH(OH)-CH3から選択される基を示す。好ましくは、R1は、-COOH基を示す。
好ましくは、R2は、2〜18個の炭素原子を好ましくは含有する飽和又は不飽和の直鎖状炭化水素基を示す。具体的には、R2は、ペンチル、ペンテニル、ヘキシル、又はヘプチル基とすることができる。
一実施形態によれば、式(I)の化合物は、3-ヒドロキシ-2-[(2Z)-2-ペンテニル]シクロペンタン酢酸又は3-ヒドロキシ-2-ペンチルシクロペンタン酢酸から選択され、好ましくは3-ヒドロキシ-2-ペンチルシクロペンタン酢酸である。
本発明にしたがって使用することができる化合物の塩は、具体的には、アルカリ金属塩、例えば、ナトリウム又はカリウムの塩;アルカリ土類金属塩、例えば、カルシウム、マグネシウム、又はストロンチウムの塩;金属塩、例えば、亜鉛、アルミニウム、マンガン、又は銅の塩;式NH4 +のアンモニウムの塩;第四級アンモニウムの塩;有機アミンの塩、例えば、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、エチルアミン、2-ヒドロキシエチルアミン、ビス(2-ヒドロキシエチル)アミン、又はトリス(2-ヒドロキシエチル)アミンの塩;或いはリジン又はアルギニンの塩から選択される。ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、ストロンチウム、銅、マンガン又は亜鉛の塩から選択される塩を使用することが好ましい。
次のような化合物を、(c)のジャスモン酸誘導体として使用することが好ましい。
(c)のジャスモン酸誘導体は、-0.7〜6、好ましくは-0.5〜4のlog Pを有することが好ましい。
log P値は、オクタン-1-オール/水の見掛け分配係数の10を底とする対数の値である。log P値は知られており、オクタン-1-オール及び水の中の(c)キサンチン塩基の濃度を求める標準試験によって求められる。log Pは、Meylan及びHoward著の論文:「Atom/Fragment contribution method for estimating octanol-water partition coefficients」、J. Pharm. Sci.、84: 83〜92、1995に記載されている方法にしたがって計算してもよい。この値は、log Pを分子構造の関数として求める、多くの市販のソフトウェアパッケージを使用して計算してもよい。例として、米国環境庁からのEpiwinソフトウェアを挙げることができる。
値は、特にACD(Advanced Chemistry Development)SolarisソフトウェアV4.67を使用して計算してもよく、「Exploring QSAR: hydrophobic, electronic and steric constants」(ACS professional reference book、1995)から得てもよい。推定値を提供するウェブサイト(URL: http://esc.syrres.com/interkow/kowdemo.htm)もある。
本発明の化粧品組成物中の(c)のジャスモン酸誘導体の量は、限定されず、組成物の総質量に対して0.01質量%〜25質量%、好ましくは0.1質量%〜20質量%、より好ましくは1質量%〜15質量%の範囲であってよい。
[水]
本発明の化粧品組成物は、水を含む。
水の量は、限定されず、組成物の総質量に対して50質量%〜99質量%、好ましくは55質量%〜90質量%、より好ましくは60質量%〜85質量%であってよい。
[追加の界面活性剤]
本発明の化粧品組成物は、上記の(b)とは異なる少なくとも1種の追加の非イオン界面活性剤、及び/又は少なくとも1種の追加のイオン界面活性剤を更に含んでもよい。単一のタイプの追加の界面活性剤を使用してもよいが、2つ以上の異なるタイプの追加の界面活性剤を組み合わせて使用してもよい。
追加の界面活性剤として、HLB値が8.0未満又は14.0超の少なくとも1種の非イオン界面活性剤を使用することができる。
追加の非イオン界面活性剤としては、上記の(b)について列挙されたものが挙げられるが、追加の非イオン界面活性剤は、HLB値が8.0未満、好ましくは9.0未満、より好ましくは10.0未満で、14.0超、好ましくは13.5超、より好ましくは13.0超である。
追加の界面活性剤として、少なくとも1種のイオン界面活性剤を使用することができる。イオン界面活性剤は、陽イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、及び両性界面活性剤から選択することができる。
(陽イオン界面活性剤)
陽イオン界面活性剤は、限定されない。陽イオン界面活性剤は、任意選択によりポリオキシアルキレン化された一級、二級又は三級脂肪アミン塩、四級アンモニウム塩、及びそれらの混合物からなる群から選択することができる。
挙げることができる四級アンモニウム塩の例には、これらに限定されないが、以下を含む:
下記一般式(I)のもの:
(式中、
R1、R2、R3、及びR4は、同一であっても異なっていてもよく、1〜30個の炭素原子を含み、場合により酸素、窒素、硫黄及びハロゲン等のヘテロ原子を含む直鎖及び分岐脂肪族基から選択される。脂肪族基は、例えば、アルキル基、アルコキシ基、C2〜C6ポリオキシアルキレン基、アルキルアミド基、(C12〜C22)アルキルアミド(C2〜C6)アルキル基、(C12〜C22)アルキルアセテート基及びヒドロキシアルキル基、並びにアリール基及びアルキルアリール基等の芳香族基から選択することができ、X-は、ハロゲン化合物、フォスフェート、アセテート、ラクテート、(C2〜C6)アルキルサルフェート及びアルキル又はアルキルアリールスルホネートから選択される。);
イミダゾリンの四級アンモニウム塩;並びに
少なくとも1つのエステル官能基を含む四級アンモニウム塩。
本発明の組成物に使用することができる上記の四級アンモニウム塩には、これらに限定されないが、塩化テトラアルキルアンモニウム、例えば、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム及び塩化ベンジルジメチルステアリルアンモニウム等、塩化ジアルキルジメチルアンモニウム及び塩化アルキルトリメチルアンモニウム(アルキル基は、約12個から22個の炭素原子を含む);塩化パルミチルアミドプロピルトリメチルアンモニウム;並びにVan Dyk社によって「Ceraphyl(登録商標)70」という名称で販売されている塩化ステアラミドプロピルジメチル(酢酸ミリスチル)アンモニウムが含まれる。
一実施形態によれば、本発明の組成物に使用することができる陽イオン界面活性剤は、四級アンモニウム塩から選択され、例えば、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、クオタニウム-83、クオタニウム-87、クオタニウム-22、塩化ベヘニルアミドプロピル-2,3-ジヒドロキシプロピルジメチルアンモニウム、塩化パルミチルアミドプロピルトリメチルアンモニウム、及びステアラミドプロピルジメチルアミンから選択される。
(陰イオン界面活性剤)
陰イオン界面活性剤は、限定されない。陰イオン界面活性剤は、植物起源のタンパク質又は絹タンパク質の陰イオン誘導体、フォスフェート及びアルキルフォスフェート、カルボキシレート、スルホスクシネート、アミノ酸誘導体、アルキルサルフェート、アルキルエーテルサルフェート、スルホネート、イセチオネート、タウレート、アルキルスルホアセテート、ポリペプチド、アルキルポリグルコシドの陰イオン誘導体、並びにこれらの混合物から特に選択することができる。
1)植物起源のタンパク質の陰イオン誘導体は、疎水性基を含むタンパク質加水分解物であり、該疎水性基はタンパク質中に天然で存在し得る、又はタンパク質及び/若しくはタンパク質加水分解物と疎水性化合物との反応によって加えられ得る。タンパク質は、植物起源である、又は絹に由来し、疎水性基は特に脂肪鎖、例えば10〜22個の炭素原子を含むアルキル鎖であってもよい。より具体的には、植物起源のタンパク質の陰イオン誘導体として、10〜22個の炭素原子を有するアルキル鎖を含むリンゴ、コムギ、ダイズ又はオートムギタンパク質加水分解物、及びそれらの塩を挙げることができる。アルキル鎖は特にラウリル鎖であってもよく、塩はナトリウム、カリウム及び/又はアンモニウム塩であってもよい。
したがって、疎水性基を含むタンパク質加水分解物として、例えば、タンパク質がKawakenによってKawa Silkの名称で販売されている製品等のラウリン酸によって改変されている絹タンパク質であるタンパク質加水分解物の塩、タンパク質がCrodaによってAminofoam W ORの名称で販売されているカリウム塩(CTFA名:カリウムラウロイルコムギアミノ酸)及びSeppicによってProteol LW 30の名称で販売されているナトリウム塩(CTFA名:ナトリウムラウロイルコムギアミノ酸)等のラウリン酸によって改変されているコムギタンパク質であるタンパク質加水分解物の塩、タンパク質が10〜22個の炭素原子を有するアルキル鎖を含むオートムギタンパク質であるタンパク質加水分解物の塩、より具体的にはSeppicによってProteol OAT(30%水溶液)の名称で販売されているナトリウム塩(CTFA名:ナトリウムラウロイルオートムギアミノ酸)等のタンパク質がラウリン酸によって改変されているオートムギタンパク質であるタンパク質加水分解物の塩、又はSeppicによってProteol APL(30%水溶液/グリコール溶液)の名称で販売されているナトリウム塩(CTFA名:ナトリウムココイルリンゴアミノ酸)等の10〜22個の炭素原子を有するアルキル鎖を含むリンゴタンパク質加水分解物の塩を挙げることができる。SeppicによってProteol SAV 50 Sの名称で販売されているN-メチルグリシン酸ナトリウムで中和されているラウロイルアミノ酸(アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン、アラニン)の混合物(CTFA名:ナトリウムココイルアミノ酸)も挙げることができる。
2)フォスフェート及びアルキルフォスフェートとして、例えば、Kao ChemicalsによってMAP 20(登録商標)の名称で販売されているラウリルモノフォスフェート等のモノアルキルフォスフェート及びジアルキルフォスフェート、ドデシルフォスフェートのカリウム塩、CognisによってCrafol AP-31(登録商標)の名称で販売されているモノエステル及びジエステル(主としてジエステル)の混合物、CognisによってCrafol AP-20(登録商標)の名称で販売されているオクチルリン酸モノエステル及びジエステルの混合物、CondeaによってIsofol 12 7 EO-Phosphate Ester(登録商標)の名称で販売されているエトキシ化(7molのEO)2-ブチルオクチルリン酸モノエステル及びジエステルの混合物、UniqemaによってArlatone MAP 230K-40(登録商標)及びArlatone MAP 230T-60(登録商標)という参照名で販売されている、モノ(C12〜C13)アルキルフォスフェートのカリウム又はトリエタノールアミン塩、Rhodia ChimieによってDermalcare MAP XC-99/09(登録商標)という名称で販売されているラウリルリン酸カリウム、及びUniqemaによってArlatone MAP 160Kという名称で販売されているセチルリン酸カリウムを挙げることができる。
3)カルボキシレートとして、以下を挙げることができる:
アミドエーテルカルボキシレート(AEC)、例えばKao ChemicalsによってAkypo Foam 30(登録商標)の名称で販売されているラウリルアミドエーテルカルボン酸ナトリウム(3 EO)、
ポリオキシエチレン化されたカルボン酸塩、例えばKao ChemicalsによってAkypo Soft 45 NV(登録商標)の名称で販売されているオキシエチレン化(6 EO)ラウリルエーテルカルボン酸ナトリウム(65/25/10 C12〜C14〜C16)、Biologia E TecnologiaによってOlivem 400(登録商標)の名称で販売されているオリーブ油由来のポリオキシエチレン化及びカルボキシメチル化された脂肪酸、又はNikkolによってNikkol ECTD-6NEX(登録商標)の名称で販売されているオキシエチレン化(6 EO)トリデシルエーテルカルボン酸ナトリウム、並びに
有機又は無機塩基で中和されているC6〜C22アルキル鎖を有する脂肪酸(せっけん)の塩、例えば水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、トリエタノールアミン、N-メチルグルカミン、リジン及びアルギニン。
4)アミノ酸誘導体として、アミノ酸のアルカリ塩、例えば以下を特に挙げることができる:
サルコシネート、例えば、CibaによってSarkosyl NL 97(登録商標)という名称で販売されている又はSeppicによってOramix L 30(登録商標)という名称で販売されているラウロイルサルコシン酸ナトリウム、NikkolによってNikkol Sarcosinate MN(登録商標)という名称で販売されているミリストイルサルコシン酸ナトリウム、又はNikkolによってNikkol Sarcosinate PN(登録商標)という名称で販売されているパルミトイルサルコシン酸ナトリウム;
アラニネート、例えば、NikkolによってSodium Nikkol Alaninate LN 30(登録商標)という名称で販売されている、又はKawakenによってAlanone ALE(登録商標)という名称で販売されているN-ラウロイル-N-メチルアミドプロピオン酸ナトリウム、又はKawakenによってAlanone ALTA(登録商標)という名称で販売されているN-ラウロイル-N-メチルアラニントリエタノールアミン;
グルタメート、例えば、AjinomotoによってAcylglutamate CT-12(登録商標)という名称で販売されているモノココイルグルタミン酸トリエタノールアミン、AjinomotoによってAcylglutamate LT-12(登録商標)という名称で販売されているラウロイルグルタミン酸トリエタノールアミン;
アスパルテート、例えば、MitsubishiによってAsparack(登録商標)という名称で販売されているN-ラウロイルアスパラギン酸トリエタノールアミン及びN-ミリストイルアスパラギン酸トリエタノールアミンの混合物;
グリシン誘導体(グリシネート)、例えば、AjinomotoによってAmilite GCS-12(登録商標)及びAmilite GCK 12という名称で販売されているN-ココイルグリシン酸ナトリウム;
シトレート、例えば、GoldschmidtによってWitconol EC 1129という名称で販売されているオキシエチレン化(9mol)ココアルコールのクエン酸モノエステル;並びに
ガラクツロネート、例えば、Solianceによって販売されているドデシルD-ガラクトシドウロン酸ナトリウム。
5)スルホスクシネートとして、例えば、WitcoによってSetacin 103 Special(登録商標)及びRewopol SB-FA 30 K 4(登録商標)という名称で販売されているオキシエチレン化(3 EO)ラウリル(70/30 C12/C14)アルコールモノスルホスクシネート、Zschimmer SchwarzによってSetacin F Special Paste(登録商標)という名称で販売されているC12〜C14アルコールのヘミスルホスクシネートの二ナトリウム塩、CognisによってStandapol SH 135(登録商標)という名称で販売されているオキシエチレン化(2 EO)オレアミドスルホコハク酸二ナトリウム、SanyoによってLebon A-5000(登録商標)という名称で販売されているオキシエチレン化(5 EO)ラウラミドモノスルホスクシネート、WitcoによってRewopol SB CS 50(登録商標)という名称で販売されている、オキシエチレン化(10 EO)ラウリルシトレートモノスルホスクシネートの二ナトリウム塩、又はWitcoによってRewoderm S 1333(登録商標)という名称で販売されているリシノール酸モノエタノールアミドモノスルホスクシネートを挙げることができる。スルホコハク酸ポリジメチルシロキサン、例えばMacIntyreによってMackanate-DC 30の名称で販売されているPEG-12ジメチコーンスルホコハク酸二ナトリウムを使用することもできる。
6)アルキルサルフェートとして、例えば、HuntsmanによってEmpicol TL40 FLの名称で販売されている製品又はCognisによってTexapon T42の名称で販売されている製品(これらの製品は水溶液中40%である)等のラウリル硫酸トリエタノールアミン(CTFA名:ラウリル硫酸TEA)を挙げることができる。水溶液中30%の、HuntsmanによってEmpicol AL 30FLの名称で販売される製品等のラウリル硫酸アンモニウム(CTFA名:ラウリル硫酸アンモニウム)も挙げることができる。
7)アルキルエーテルサルフェートとして、例えば、CognisによってTexapon N40及びTexapon AOS 225 UPの名称で販売されているもの等のラウリルエーテル硫酸ナトリウム(CTFA名:ラウレス硫酸ナトリウム)、又はCognisによってStandapol EA-2の名称で販売されているもの等のラウリルエーテル硫酸アンモニウム(CTFA名:ラウレス硫酸アンモニウム)を挙げることができる。
8)スルホネートとして、例えば、StepanによってBio-Terge AS-40(登録商標)の名称で販売されている、WitcoによってWitconate AOS Protege(登録商標)及びSulframine AOS PH 12(登録商標)の名称で販売されている、若しくはStepanによってBio-Terge AS-40 CG(登録商標)の名称で販売されているα-オレフィンスルホン酸(C14〜C16)ナトリウム等のα-オレフィンスルホネート、ClariantによってHostapur SAS 30(登録商標)の名称で販売されている二級オレフィンスルホン酸ナトリウム、又はManroによってManrosol SXS30(登録商標)、Manrosol SXS40(登録商標)及びManrosol SXS93(登録商標)の名称で販売されているキシレンスルホン酸ナトリウム等の直鎖アルキルアリールスルホネートを挙げることができる。
9)イセチオネートとして、アシルイセチオネート、例えば、JordanによってJordapon CI P(登録商標)という名称で販売されている製品等のココイルイセチオン酸ナトリウムを挙げることができる。
10)タウレートとして、ClariantによってHostapon CT Pate(登録商標)の名称で販売されているパーム核油メチルタウレートのナトリウム塩、ClariantによってHostapon LT-SF(登録商標)の名称で販売されている、若しくはNikkolによってNikkol CMT-30-T(登録商標)の名称で販売されているN-ココイル-N-メチルタウリン酸ナトリウム等のN-アシル-N-メチルタウレート、又はNikkolによってNikkol PMT(登録商標)の名称で販売されているパルミトイルメチルタウリン酸ナトリウムを挙げることができる。
11)アルキルポリグルコシドの陰イオン誘導体は、特に、アルキルポリグルコシドから得られるシトレート、タルトレート、スルホスクシネート、カルボネート及びグリセロールエーテルであってよい。例えば、CesalpiniaによってEucarol AGE-ET(登録商標)の名称で販売されているココイルポリグルコシド(1,4)酒石酸エステルのナトリウム塩、SeppicによってEssai 512 MP(登録商標)の名称で販売されているココイルポリグルコシド(1,4)スルホコハク酸エステルの二ナトリウム塩、又はCesalpiniaによってEucarol AGE-EC(登録商標)の名称で販売されているココイルポリグルコシド(1,4)クエン酸エステルのナトリウム塩を挙げることができる。
アミノ酸誘導体は、アシルグリシン誘導体又はグリシン誘導体、特にアシルグリシン塩であることが好ましい。
アシルグリシン誘導体又はグリシン誘導体は、アシルグリシン塩(又はアシルグリシネート)又はグリシン塩(又はグリシネート)、特に以下から選択することができる。
i)次式(I)のアシルグリシネート:
R-HNCH2COOX (I)
式中、
Rは、アシル基R'C=Oを表し、R'は、10〜30個の炭素原子、好ましくは12〜22個の炭素原子、好ましくは14〜22個の炭素原子、より良好には16〜20個の炭素原子を好ましくは含む飽和又は不飽和の直鎖又は分岐の炭化水素鎖を表し、
Xは、例えば、Na、Li又はK、好ましくはNa又はK等のアルカリ金属のイオン、Mg等のアルカリ土類金属のイオン、アンモニウム基及びそれらの混合物から選択される陽イオンを表す。
アシル基は、ラウロイル、ミリストイル、ベヘノイル、パルミトイル、ステアロイル、イソステアロイル、オリボイル(olivoyl)、ココイル又はオレオイル基及びそれらの混合物から特に選択することができる。
好ましくは、Rはココイル基である。
ii)次式(II)のグリシネート:
式中、
R1は、10〜30個の炭素原子、好ましくは12〜22個の炭素原子、より良好には16〜20個の炭素原子を含む飽和又は不飽和、直鎖又は分岐の炭化水素鎖を表し、R1は、有利には、ラウリル、ミリスチル、パルミチル、ステアリル、セチル、セテアリル又はオレイル基及びそれらの混合物、好ましくはステアリル及びオレイル基から選択され、
R2基は、同一又は異なっており、R''OH基を表し、R''は、2〜10個の炭素原子、好ましくは2〜5個の炭素原子を含むアルキル基である。
式(I)の化合物として、例えば、INCI名ココイルグリシン酸ナトリウムである化合物、例えばAjinomotoによって販売されているAmilite GCS-12等、又はココイルグリシン酸カリウム、例えばAjinomotoからのAmilite GCK-12等を挙げることができる。
式(II)の化合物として、オレイルグリシン酸ジヒドロキシエチル又はステアリルグリシン酸ジヒドロキシエチルを使用することができる。
(両性界面活性剤)
両性界面活性剤は、限定されない。両性又は両性イオン界面活性剤は、例えば(非限定的一覧)、アミン誘導体、例えば脂肪族第二級又は第三級アミン、及び任意選択により第四級化されたアミン誘導体であり、その脂肪族基が、8〜22個の炭素原子を含み、少なくとも1種の水溶性陰イオン基(例えば、カルボキシレート、スルホネート、サルフェート、フォスフェート又はホスホネート)を含有する、直鎖又は分枝鎖であるものであってもよい。
アミドアミンカルボキシル化誘導体のうち、米国特許第2,528,378号及び第2,781,354号に記載され、CTFA辞典、第3版、1982(この開示は参照により本明細書に組み込まれる)に、アンホカルボキシグリシネート(Amphocarboxyglycinates)及びアンホカルボキシプロピオネート(Amphocarboxypropionates)の名称で分類されている(それぞれの構造は以下の通りである)、Miranolの名称で販売されている製品を挙げることができる:
R1-CONHCH2CH2-N+(R2)(R3)(CH2COO-)
(式中、
R1は、加水分解ヤシ油中に存在する酸R1-COOHのアルキル基、ヘプチル、ノニル又はウンデシル基を指し、
R2は、β-ヒドロキシエチル基を指し、
R3は、カルボキシメチル基を指す。);
R1'-CONHCH2CH2-N(B)(C)
(式中、
Bは、-CH2CH2OX'を表し、
Cは、-(CH2)z-Y'を表し、z=1又は2であり、
X'は、-CH2CH2-COOH基、-CH2-COOZ'、-CH2CH2-COOH、-CH2CH2-COOZ'又は水素原子を指し、
Y'は、-COOH、-COOZ'、-CH2-CHOH-SO3Z'又はCH2-CHOH-SO3H基を指し、
Z'は、ナトリウム等のアルカリ又はアルカリ土類金属のイオン、アンモニウムイオン又は有機アミンに由来するイオンを表し、
R1'は、ヤシ油中若しくは加水分解亜麻仁油中に存在する酸R1'-COOHのアルキル基、C7、C9、C11若しくはC13アルキル基等のアルキル基、C17アルキル基及びそのイソ型、又は不飽和のC17基を指す。)
両性界面活性剤は、(C8〜C24)-アルキルアンホモノアセテート、(C8〜C24)アルキルアンホジアセテート、(C8〜C24)アルキルアンホモノプロピオネート、及び(C8〜C24)アルキルアンホジプロピオネートから選択されることが好ましい。
これらの化合物は、CTFA辞典、第5版、1993において、ココアンホジ酢酸二ナトリウム(Disodium Cocoamphodiacetate)、ラウロアンホジ酢酸二ナトリウム(Disodium Lauroamphodiacetate)、カプリルアンホジ酢酸二ナトリウム(Disodium Caprylamphodiacetate)、カプリロアンホジ酢酸二ナトリウム(Disodium Capryloamphodiacetate)、ココアンホジプロピオン酸二ナトリウム(Disodium Cocoamphodipropionate)、ラウロアンホプロピオン酸二ナトリウム(Disodium Lauroamphopropionate)、カプリルアンホジプロピオン酸二ナトリウム(Disodium Caprylamphodipropionate)、カプリルアンホジプロピオン酸二ナトリウム(Disodium Caprylamphodipropionate)、ラウロアンホジプロピオン酸(Lauroamphodipropionic acid)及びココアンホジプロピオン酸(Cocoamphodipropionic acid)という名称で分類されている。
例として、Miranol(登録商標)C2M濃縮物という商標名でRhodia Chimie社によって販売されているココアンホジアセテートを挙げることができる。
好ましくは、両性界面活性剤はベタインであってよい。
ベタイン型両性界面活性剤は、好ましくは、アルキルベタイン、アルキルアミドアルキルベタイン、アルキルスルホベタイン、アルキルホスホベタイン、及びアルキルアミドアルキルスルホベタイン、特に(C8〜C24)アルキルベタイン、(C8〜C24)アルキルアミド(C1〜C8)アルキルベタイン、(C8〜C24)アルキルスルホベタイン、及び(C8〜C24)アルキルアミド(C1〜C8)アルキルスルホベタインからなる群から選択される。一実施形態において、ベタイン型の両性界面活性剤は、(C8〜C24)アルキルベタイン、(C8〜C24)アルキルアミド(C1〜C8)アルキルスルホベタイン、(C8〜C24)アルキルスルホベタイン、及びアルキル(C8〜C24)ホスホベタインから選択される。
挙げることができる非限定的な例は、単独で又は混合物として、CTFA辞典、第9版、2002において、ココベタイン、ラウリルベタイン、セチルベタイン、ココ/オレアミドプロピルベタイン、コカミドプロピルベタイン、パルミタミドプロピルベタイン、ステアラミドプロピルベタイン、コカミドエチルベタイン、コカミドプロピルヒドロキシスルタイン、オレアミドプロピルヒドロキシスルタイン、ココヒドロキシスルタイン、ラウリルヒドロキシスルタイン及びココスルタインという名称で分類されている化合物を含む。
ベタイン型両性界面活性剤は、好ましくは、アルキルベタイン及びアルキルアミドアルキルベタイン、特にココベタイン及びコカミドプロピルベタインである。
追加の界面活性剤の量は、組成物の総質量に対して、0.01wt%〜20wt%、好ましくは0.10wt%〜10wt%、より好ましくは1wt%〜5wt%であってよい。
[ポリオール]
本発明の化粧品組成物は、少なくとも1種のポリオールを更に含んでもよい。単一のタイプのポリオールを使用してもよいが、2つ以上の異なるタイプのポリオールを組み合わせて使用してもよい。
「ポリオール」という用語は、本明細書では、2個以上のヒドロキシ基を有するアルコールを意味し、糖類又はその誘導体を包含しない。糖類の誘導体には、糖類の1個又は複数のカルボニル基を還元することにより得られる糖アルコール、並びに1個又は複数のそれらのヒドロキシ基中の1個又は複数の水素原子が、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルコキシ基、アシル基又はカルボニル基等の少なくとも1個の置換基で置き換えられている糖類又は糖アルコールが含まれる。
ポリオールは、少なくとも2個のヒドロキシ基、好ましくは2〜5個のヒドロキシ基を含むC2〜C12ポリオール、好ましくはC2〜9ポリオールであってよい。
ポリオールは、天然の、又は合成のポリオールであってよい。ポリオールは、直鎖、分岐又は環状の分子構造を有していてよい。
ポリオールは、グリセリン及びその誘導体、並びにグリコール及びその誘導体から選択することができる。ポリオールは、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、ペンチレングリコール、ヘキシレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,5-ペンタンジオール、ポリエチレングリコール(5〜50個のエチレンオキシド基)、及びソルビトール等の糖からなる群から選択することができる。
ポリオールは、組成物の総質量に対して、0.01質量%〜30質量%、好ましくは0.1質量%〜20質量%、例えば1質量%〜10質量%の範囲の量で存在していてよい。
[増粘剤]
本発明の化粧品組成物は、少なくとも1種の増粘剤を更に含んでもよい。単一のタイプの増粘剤を使用してもよいが、2つ以上の異なるタイプの増粘剤を組み合わせて使用してもよい。
増粘剤は、有機及び無機増粘剤から選択することができる。
有機増粘剤には、以下のうち少なくとも1つを選択することができる:
(i)会合性増粘剤;
(ii)架橋アクリル酸ホモポリマー;
(iii)(メタ)アクリル酸と(C1〜C6)アルキルアクリレートとの架橋コポリマー;
(iv)エチレン系不飽和エステルモノマー及びエチレン系不飽和アミドモノマーの少なくとも1種を含む非イオンホモポリマー及びコポリマー;
(v)アクリル酸アンモニウムホモポリマー並びにアクリル酸アンモニウム及びアクリルアミドのコポリマー;
(vi)多糖類;並びに
(vii)C12〜C30脂肪族アルコール。
増粘剤は、好ましくは、会合性増粘剤並びにデンプン及びキサンタンガム等の多糖類から選択される。
本明細書で使用する場合、「会合性増粘剤」という語句は、親水性単位及び疎水性単位の両方を含む、例えば、少なくとも1つのC8〜C30脂肪鎖及び少なくとも1つの親水性単位を含む、両親媒性増粘剤を意味する。
本発明の化粧品組成物の粘度は、特に限定されない。粘度は、25℃で、粘度計又は(好ましくはコーン-プレート形状の)レオメーターで測定することができる。好ましくは、本発明の化粧品組成物の粘度は、例えば、25℃及び1s-1で、1〜2000Pa.s、好ましくは1〜1000Pa.sを範囲としてもよい。
増粘剤は、組成物の総質量に対して、0.001質量%〜10質量%、好ましくは0.01質量%〜10質量%、例えば0.1質量%〜5質量%等の範囲の量で存在していてよい。
[その他の成分]
本発明の化粧品組成物は、様々な一般的な補助剤、老化防止剤、白色剤、肌のべたつき防止剤、EDTA及びエチドロン酸等の金属イオン封鎖剤、紫外線遮断剤、保存料、ビタミン又はプロビタミン、例えばパンテノール、乳白剤、香料、植物エキス、陽イオンポリマー等、他の美白組成物又は着色組成物で以前から知られているその他の成分も有効な量含むことができる。
本発明の化粧品組成物は、少なくとも1種の有機溶剤を更に含んでもよい。そのため、有機溶剤は、水混和性であることが好ましい。有機溶剤として、例えば、エタノール及びイソプロパノール等のC1〜C4アルカノール;ベンジルアルコール及びフェノキシエタノール等の芳香族アルコール;類似生成物;並びにそれらの混合物を挙げることができる。
有機水溶性溶剤は、組成物の総質量に対して10質量%未満、好ましくは5質量%以下、より好ましくは1質量%以下の範囲の量で存在していてよい。
[調製及び性質]
本発明の化粧品組成物は、上記の必須成分及び任意選択による成分を、通例の方法にしたがって混合することによって調製することができる。通例の方法は、高圧ホモジナイザー(高エネルギー法)で混合するステップを含む。代替として、化粧品組成物は、転相温度法(PIT)、転相濃度(phase inversion concentration)(PIC)、自動乳化(autoemulsification)等の低エネルギー法によって調製することができる。好ましくは、化粧品組成物は、低エネルギー法によって調製する。
(a)の油に対する(b)の非イオン界面活性剤の比率は、0.25〜6、好ましくは0.3〜3、より好ましくは0.4〜1.5であってよい。特に、(a)の油に対する(b)の非イオン界面活性剤の比率は、好ましくは1以下、例えば0.25〜1、好ましくは0.3〜1、より好ましくは0.4〜1である。
本発明の化粧品組成物は、ナノ又はマイクロエマルションの形態である。
「マイクロエマルション」は、2つの定義、すなわち広い意味と狭い意味があってよい。換言すると、マイクロエマルションが油性成分、水性成分及び界面活性剤の3つの成分を有する三成分系を含む熱力学的に安定性の等方性の単一液相を指す場合(「狭い意味のマイクロエマルション」)と、熱力学的に不安定性の典型的なエマルション系のうち、マイクロエマルションがその小さい粒径のために透明性又は半透明性の外観を示すようなエマルションを更に含む場合(「広い意味のマイクロエマルション」)がある(Satoshi Tomomasaら、OilChemistry、37巻、11号(1988年)48〜53頁)。本明細書で使用される「マイクロエマルション」は、「狭い意味でのマイクロエマルション」、すなわち熱力学的に安定性の等方性単一液相を指す。
マイクロエマルションは、油がミセルによって溶解しているO/W(水中油)型のマイクロエマルション、水が逆ミセルによって溶解しているW/O(油中水)型のマイクロエマルション、又は界面活性剤分子の会合の数が無限になっているために水相及び油相の両方が連続構造を有している両連続マイクロエマルションのいずれか一状態を指す。
マイクロエマルションは、レーザーグラニュロメトリーによって測定される数平均直径が100nm以下、好ましくは50nm以下、より好ましくは20nm以下の分散相を有してもよい。
「ナノエマルション」は、本明細書において、サイズが350nm未満の分散相を特徴とするエマルションを意味し、該分散相は、分散相/連続相界面で、薄板状タイプの液晶相を任意選択により形成することができる(b)の非イオン界面活性剤のクラウンによって安定化される。特定の乳白剤がない状態で、ナノエマルションの透明性は、分散相の小型サイズから生じるが、この小型サイズは力学的エネルギー、特に高圧ホモジナイザーの使用によって得られる。
ナノエマルションは、その構造によってマイクロエマルションと区別することができる。具体的には、マイクロエマルションは、例えば、(a)の油に富んだ(b)の非イオン界面活性剤ミセルから形成される熱力学的に安定性の分散系である。更に、マイクロエマルションは、調製に大量の力学的エネルギーを必要としない。
マイクロエマルションは、レーザーグラニュロメトリーによって測定される数平均直径が300nm以下、好ましくは200nm以下、より好ましくは100nm以下の分散相を有してもよい。
本発明の化粧品組成物は、O/Wナノ若しくはマイクロエマルション、W/Oナノ若しくはマイクロエマルション又は両連続エマルションの形態であってよい。本発明の化粧品組成物は、O/Wナノ又はマイクロエマルションの形態であることが好ましい。
本発明の化粧品組成物は、O/Wエマルションの形態であることが好ましく、(a)の油は、300nm以下、好ましくは10nm〜150nm、より好ましくは20nm〜100nmの数平均粒径の液滴の形態であることが好ましい。
油相の液滴の平均サイズは、Mastersizer 2000粒径分析計(Malvern Instrumentsによって販売されている)を用いた光回折によって測定される。これらの測定は、水中1%でSDS(ドデシル硫酸ナトリウム)の溶液に希釈したエマルションで実施する。コンピュータプログラムによって、体積による平均直径D[4.3](μm)を得ることが可能になる(operators guide、Malvern Instruments、1998年12月、61〜67頁を参照のこと)。
本発明の組成物の油相の液滴の平均サイズD[4.3](μm)は、10nm〜150nm、より好ましくは20nm〜100nmの範囲である。
本発明の化粧品組成物は、透明性又はやや半透明性の外観、好ましくは透明性の外観を有してよい。
透明度は、可視領域において吸光度計で透過率を測定することによって測定することができる(例えば、透明度は2mm幅のセルを備えるV-550(JASCO)で可視光線透過率の平均(400nm〜800nm)として測定した)。測定は、希釈されていない組成物で行う。ブランクは蒸留水で測定する。
本発明の化粧品組成物は、好ましくは、50%より高い、好ましくは60%より高い、より好ましくは70%より高い、更により好ましくは80%より高い透明度を有することができる。
[方法及び使用]
本発明の化粧品組成物は、皮膚、毛髪、粘膜、爪、睫毛、眉毛又は頭皮に適用することによって、皮膚、毛髪、粘膜、爪、睫毛、眉毛及び/又は頭皮を処置する化粧方法等の非治療的方法のために使用することができる。
本発明は、身体及び/又は顔面の皮膚及び/又は粘膜及び/又は頭皮及び/又は毛髪及び/又は爪及び/又は睫毛及び/又は眉毛を対象とするケア製品及び/又は洗浄製品及び/又は化粧品及び/又は化粧除去品としての、又はこれらにおける本発明の化粧品組成物の使用にも関する。
言い換えれば、本発明の化粧品組成物は、上記の製品としてそのまま使用することができる。或いは、本発明の化粧品組成物は、上記の製品の素成分として使用することができる。例えば、本発明の化粧品組成物は、任意の他の素成分に添加又はこれと組み合わせて上記の製品を形成することができる。
ケア製品は、ローション、クリーム、ヘアトニック、ヘアコンディショナー、日焼け防止剤等であってもよい。洗浄製品は、シャンプー、洗顔料、手洗い用液体せっけん等であってもよい。化粧品は、ファンデーション、マスカラ、リップスティック、リップグロス、頬紅、アイシャドウ、マニキュア液等であってもよい。化粧除去品は、化粧クレンジング剤等であってもよい。
本発明を、実施例により、更に詳細に記載することとするが、この実施例は、本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
(粒径)
粒径は、原液の状態で、VASCO-2(CORDOUAN TECHNOLOGIES)で測定した。
(透明度)
透明度は、2mm幅のセルを備えたV-550(JASCO)で、可視光線透過率の平均(400〜800nm)として測定した。
(実施例1及び比較例1)
Table 1(表1)に示す実施例1及び比較例1による以下の組成物を、表1に示す成分を混合することによって次のように調製した:(1)ミリスチン酸イソプロピル及びラウリン酸ポリグリセリル-5を混合して油相を形成し、(2)油相を約75℃まで加熱し、(3)水及びMexoryl SBOを使用する場合、混合して水相を形成し、(4)水相を油相に添加した後、混合してO/Wエマルションを得た。表1に示す成分の量についての数値は、すべて活性原料として「質量%」に基づいている。
実施例1及び比較例1にしたがって得られたO/Wエマルションの外観、油液滴の粒径及び透明度を、表2に示す。
(実施例2及び比較例2)
Table 3(表3)に示す実施例2及び比較例2による以下の組成物を、表3に示す成分を混合することによって次のように調製した:(1)ミリスチン酸イソプロピル及びラウリン酸ポリグリセリル-5を混合して油相を形成し、(2)油相を約75℃まで加熱し、(3)水及びMexoryl SBOを使用する場合、混合して水相を形成し、(4)水相を油相に添加した後、混合してO/Wエマルションを得た。表3に示す成分の量についての数値は、すべて活性原料として「質量%」に基づいている。
実施例2及び比較例2にしたがって得られたO/Wエマルションの外観、油液滴の粒径及び透明度を、表4に示す。
上記の結果から明白であるように、本発明のO/Wエマルションの形態の化粧品組成物は、油液滴がより小さく、したがって、Mexoryl SBO(Jasminol)の存在のために、優れた透明度を有する透明性の外観がもたらされたことがわかった。

Claims (20)

  1. (a)少なくとも1種の油、
    (b)HLB値が8.0〜14.0、好ましくは9.0〜13.5、より好ましくは10.0〜13.0の、少なくとも1種の非イオン界面活性剤、
    (c)特に次式(I)で表される、少なくとも1種のジャスモン酸誘導体:
    (式中、
    R1は、COOR3基を表し、R3は、水素原子、又は、1個若しくは複数のヒドロキシル基で任意選択により置換されたC1〜4アルキル基を示し、
    R2は、直鎖状で1〜18個の炭素原子を有する、又は、分岐状若しくは環状で3〜18個の炭素原子を有する、飽和又は不飽和の炭化水素基を表す。)、又は
    その光学異性体若しくは塩、及び
    (d)水
    を含む、ナノ又はマイクロエマルションの形態の化粧品組成物。
  2. (a)の油が、植物起源の油、鉱油、合成油、シリコーンオイル及び炭化水素油からなる群から選択される、請求項1に記載の化粧品組成物。
  3. (a)の油が、室温で液体の形態である炭化水素油から選択される、請求項1又は2に記載の化粧品組成物。
  4. (a)の油が、600g/mol未満の分子量を有する油から選択される、請求項1から3のいずれか一項に記載の化粧品組成物。
  5. (a)の油の量が、組成物の総質量に対して0.1〜50質量%、好ましくは1〜40質量%、より好ましくは3〜30質量%の範囲である、請求項1から4のいずれか一項に記載の化粧品組成物。
  6. (b)の非イオン界面活性剤が、
    エチレンオキシド単位を1〜60個含むポリエチレングリコール、ソルビタン、エチレンオキシド単位を2〜30個含むグリセロール、グリセロール単位を2〜12個含むポリグリセロールからなる群から選択される少なくとも1種のポリオールと、少なくとも1種の飽和又は不飽和の直鎖又は分岐C8〜C22アルキル鎖を含む少なくとも1種の脂肪酸とのエステルから選択される、45℃以下の温度で流体である界面活性剤、
    脂肪酸又は脂肪族アルコール、カルボン酸及びグリセロールの混合エステル、
    糖の脂肪酸エステル及び糖の脂肪族アルコールエーテル、
    グリセロールの脂肪エステル、ソルビタンの脂肪エステル及びソルビタンのオキシエチレン化脂肪エステル、エトキシ化脂肪エーテル及びエトキシ化脂肪エステルから選択される、45℃以下の温度で固体である界面活性剤、
    エチレンオキシド(A)及びプロピレンオキシド(B)のブロックコポリマー、並びに
    シリコーン界面活性剤
    から選択される、請求項1から5のいずれか一項に記載の化粧品組成物。
  7. (b)の非イオン界面活性剤が、
    イソステアリン酸又はオレイン酸ポリエチレングリコール(8〜10molのエチレンオキシド)、
    ポリエチレングリコールイソセチル、ベヘニルエーテル又はイソステアリルエーテル(8〜10molのエチレンオキシド)、
    グリセロール単位を3〜6個含むモノラウリン酸又はジラウリン酸ポリグリセリル、
    グリセロール単位を3〜6個含むモノ(イソ)ステアリン酸ポリグリセリル、
    グリセロール単位を3〜6個含むモノオレイン酸ポリグリセリル、及び
    グリセロール単位を3〜6個含むジオレイン酸ポリグリセリル
    から選択されることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の化粧品組成物。
  8. (b)の非イオン界面活性剤が、ポリグリセリル脂肪酸エステル、好ましくは脂肪酸と重合度が4以上のポリグリセリンを70%以上含むポリグリセリンとのエステル、好ましくは脂肪酸と重合度が4〜11のポリグリセリンを60%以上含むポリグリセリンとのエステル、より好ましくは脂肪酸と重合度が5のポリグリセリンを30%以上含むポリグリセリンとのエステルから選択される、請求項1から7のいずれか一項に記載の化粧品組成物。
  9. (b)の非イオン界面活性剤の量が、組成物の総質量に対して0.1〜30質量%、好ましくは1〜25質量%、より好ましくは3〜20質量%の範囲である、請求項1から6のいずれか一項に記載の化粧品組成物。
  10. (a)の油に対する(b)の非イオン界面活性剤の比率が、0.25〜6、好ましくは0.3〜3、より好ましくは0.4〜1.5である、請求項1から9のいずれか一項に記載の化粧品組成物。
  11. (c)のジャスモン酸誘導体が、-0.7〜6、好ましくは-0.5〜4のlog Pを有する、請求項1から10のいずれか一項に記載の化粧品組成物。
  12. (c)のジャスモン酸誘導体が、次式:
    によって表される、請求項1から11のいずれか一項に記載の化粧品組成物。
  13. (c)のジャスモン酸誘導体の量が、組成物の総質量に対して0.01〜25質量%、好ましくは0.1〜20質量%、より好ましくは1〜15質量%の範囲である、請求項1から12のいずれか一項に記載の化粧品組成物。
  14. 上記の(b)とは異なる少なくとも1種の非イオン界面活性剤、及び/又は少なくとも1種のイオン界面活性剤を更に含む、請求項1から13のいずれか一項に記載の化粧品組成物。
  15. 少なくとも1種のポリオールを更に含む、請求項1から14のいずれか一項に記載の化粧品組成物。
  16. 好ましくは会合性ポリマーから選択される、少なくとも1種の増粘剤を更に含む、請求項1から14のいずれか一項に記載の化粧品組成物。
  17. 化粧品組成物が、O/Wエマルションの形態であり、(a)の油が、300nm以下、好ましくは10nm〜150nmの数平均粒径の液滴の形態である、請求項1から16のいずれか一項に記載の化粧品組成物。
  18. 50%より高い、好ましくは60%より高い、より好ましくは70%より高い透明度を有する、請求項1から17のいずれか一項に記載の化粧品組成物。
  19. 請求項1から18のいずれか一項に記載の化粧品組成物を皮膚、毛髪、粘膜、爪、睫毛、眉毛又は頭皮に適用することを特徴とする、皮膚、毛髪、粘膜、爪、睫毛、眉毛及び/又は頭皮を処置する非治療的方法。
  20. 身体及び/又は顔面の皮膚及び/又は粘膜及び/又は頭皮及び/又は毛髪及び/又は爪及び/又は睫毛及び/又は眉毛を対象とするケア製品及び/又は洗浄製品及び/又は化粧品及び/又は化粧除去品としての、又はこれらにおける、請求項1から18のいずれか一項に記載の化粧品組成物の使用。
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