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JP2014111530A - チタニアドープ石英ガラスの製造方法 - Google Patents

チタニアドープ石英ガラスの製造方法 Download PDF

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JP2014111530A
JP2014111530A JP2013251151A JP2013251151A JP2014111530A JP 2014111530 A JP2014111530 A JP 2014111530A JP 2013251151 A JP2013251151 A JP 2013251151A JP 2013251151 A JP2013251151 A JP 2013251151A JP 2014111530 A JP2014111530 A JP 2014111530A
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titania
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material gas
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JP2013251151A
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Shigeru Maida
繁 毎田
Hisatoshi Otsuka
久利 大塚
Tetsuji Ueda
哲司 上田
Masanobu Ezaki
正信 江崎
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
Shin Etsu Quartz Products Co Ltd
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
Shin Etsu Quartz Products Co Ltd
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Abstract

【課題】900℃,100時間の熱処理によるOH基濃度の変化が小さく、EUVリソグラフィ用部材として好適なチタニアドープ石英ガラスの製造方法の提供。
【解決手段】ケイ素源原料ガス及びチタン源原料ガスを可燃性ガス及び支燃性ガスにより酸化又は火炎加水分解させて得た合成シリカ−チタニア微粒子を回転するターゲット上に堆積すると同時に溶融ガラス化してチタニアドープ石英ガラスを製造する方法において、バーナーの中心管に供給されるケイ素源原料ガス及びチタン源原料ガスに混合して該中心管に供給する支燃性ガスとしての酸素ガスがケイ素源原料ガス及びチタン源原料ガスの和のモル比で5以上であり、かつ可燃性ガスとしての水素ガスがバーナーの一又は複数の水素ガス供給管から噴射されるに際しての線速がそれぞれ100m/sec以下であるチタニアドープ石英ガラスの製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、低熱膨張性でEUVリソグラフィ用として好適なチタニアドープ石英ガラスの製造方法に関する。
半導体素子製造時のリソグラフィプロセスでの露光光源の短波長化が進み、極端紫外光(EUV:Extreme Ultraviolet)を使用したリソグラフィへの移行が有望視されている。
EUVリソグラフィでは反射型光学系が採用されることになる。EUVリソグラフィにおいては、基板等のリソグラフィ光学系で用いられる各部材に到達した熱による僅かな熱膨張によってもリソグラフィ精度に悪影響を及ぼす。従って、反射ミラー、マスク、ステージ等の各部材には低熱膨張材料の使用が必須となる。低熱膨張材料としては、チタニアをドープした石英ガラスが公知である。チタニアを一定量添加することで石英ガラスを低熱膨張化することができる。
EUVリソグラフィ用部材には低熱膨張性の均一化も必要とされる。低熱膨張性の均一化を図るためには、第一に石英ガラスに添加するチタニアの量を均一にすることが重要である。そのため、例えば特開2004−315351号公報(特許文献1)には、TiO2濃度の最大値と最小値との差が、30mm×30mmの範囲で0.06質量%以下にすること、石英ガラス中のTiO2濃度に依存して変化する屈折率の変動幅(Δn)が30mm×30mmの範囲で2×10-4以下であることが開示されている。
また、チタニアドープ石英ガラスの低熱膨張性に影響を与える物性としては、チタニアドープ石英ガラス中のOH基濃度が知られている。例えば、特表2008−505827号公報(特許文献2)には、700〜1000重量ppmの範囲の平均OH含有量を有しており、石英ガラスブランクの厚みについて平均した主要機能方向の面でのOH含有量変化は±50ppmを超えないことにより、石英ガラスの光学特性ならびに熱特性をできるだけ均一に保つことができるとの開示がなされている。
一方、特開2005−022954号公報(特許文献3)には、ガラスの熱膨張係数がほぼゼロとなる温度範囲であるゼロ膨張の温度範囲の広さにガラスの仮想温度が関連し、ゼロ膨張の温度範囲を広げるために、仮想温度は950℃以下が好ましく、900℃以下がより好ましく、850℃以下であることが特に好ましいことが開示されている。ここで、ガラス中のOH基濃度が高いと構造緩和が早いため、温度分布のつきやすい径の大きなガラス体を製造する場合に仮想温度分布がつきやすく、OH基濃度は600ppm以下であることが好ましく、より好ましくは400ppm以下、特に好ましくは200ppm以下であることが示されている。加えて、OH基濃度のばらつきが大きい場合には、位置により構造緩和時間の差が大きくなり、仮想温度に差が生じるおそれがあるため、チタニアドープ石英ガラス中のOH基濃度のばらつきは、50ppm以内が好ましく、より好ましくは30ppm以内、特に好ましくは10ppm以内であることも開示されている。
このように、チタニアドープ石英ガラス中のOH基濃度が低熱膨張性に与える影響は多大であり、そのため、チタニアドープ石英ガラス中のOH基濃度の絶対量、分布を規定することは重要であり、OH基濃度のばらつきを少なくすることが望まれる。
特開2004−315351号公報 特表2008−505827号公報 特開2005−022954号公報 特開平7−267662号公報
本発明は、EUVリソグラフィ用部材として好適な900℃,100時間の熱処理によってOH基濃度の変化が小さく又は実質的にOH基濃度変化がないチタニアドープ石英ガラスの製造方法の提供を目的とする。
本発明者らは、従来のチタニアドープ石英ガラスの熱処理について検討した結果、900℃,100時間の熱処理によってOH基濃度が変化する場合があり、当該OH基濃度の変化量によってはEUVリソグラフィ用部材として不適当であり、900℃,100時間の熱処理によってOH基濃度の変化が小さく又は実質的にOH基濃度変化がないチタニアドープ石英ガラスがEUVリソグラフィ用部材として好適であり、また当該チタニアドープ石英ガラスの製造方法を見出した。
即ち、石英ガラス中のOH基は、例えば間接法(スート法)により作製した多孔質シリカ母材を高温減圧下又は塩素含有雰囲気下で熱処理することによりその濃度を低下させることが可能であることが知られており、石英ガラスを透明ガラス化する前であれば、OH基濃度を変化させることができる。
しかし、例えば水熱処理、特開平7−267662号公報(特許文献4)等に開示されている均質化処理、高温高圧な水素含有雰囲気下での熱処理といった特殊な熱処理を施した場合を除き、単純な熱処理によっては、透明ガラス化された後の石英ガラスにおいて、石英ガラス中のOH基濃度の絶対量、分布を大きく変化させる方法は知られていない。
つまり、石英ガラスにおいて、そのOH基濃度の絶対量及び分布は製造方法、製造時の各種パラメータ、例えばガス量、成長面の温度分布、雰囲気等に依存して決まることとなる。
これに対し、チタニアドープ石英ガラスにおいては、チタニアドープ石英ガラス中のOH基濃度の絶対量、分布は製造方法、製造時の各種パラメータに依存する点は上記石英ガラスの場合と同様であるが、本発明者らの検討によれば、透明ガラス化された後、単純な熱処理によってOH基濃度が変化するものであり、このため上記引用文献に記載のようにOH基濃度のばらつきを小さくしても、これが熱を受けるとOH基濃度が変化し、ばらつきが生じてしまうものであった。
このような事情から、本発明者らは、ガラス化後において、単なる熱処理によってOH基濃度の変化の少ない乃至は実質的に変化しないチタニアドープ石英ガラスについて鋭意検討を行った結果、ケイ素源原料ガス及びチタン源原料ガスを可燃性ガス及び支燃性ガスにより酸化又は火炎加水分解させて得た合成シリカ−チタニア微粒子を回転するターゲット上に堆積すると同時に溶融ガラス化してチタニアドープ石英ガラスを製造する場合、バーナー中心管に供給されるケイ素源原料ガス及びチタン源原料ガスに混合して該バーナー中心管に供給する支燃性ガスとしての酸素ガスをケイ素源原料ガス及びチタン源原料ガスの和のモル比で5以上とすること、更に好ましくは、上記バーナーの一又は複数の水素ガス供給管から噴出する水素ガスの線速をそれぞれ水素ガス供給管において100m/sec以下にすることにより、得られたチタニアドープ石英ガラスは900℃,100時間の熱処理を行っても、OH基濃度の減少量が100ppm以下であり、またOH基濃度の減少量の最大値と最小値の差が50ppm以下であるようなOH基濃度が単なる熱処理によって実質的に変化せず、またOH基濃度のばらつきの少ないチタニアドープ石英ガラスが得られることを知見し、本発明をなすに至った。
従って、本発明は、以下の900℃,100時間の熱処理によってOH基濃度の変化が小さく又は実質的にOH基濃度変化がないチタニアドープ石英ガラスの製造方法を提供する。
請求項1:
ケイ素源原料ガス及びチタン源原料ガスを可燃性ガス及び支燃性ガスにより酸化又は火炎加水分解させて得た合成シリカ−チタニア微粒子を回転するターゲット上に堆積すると同時に溶融ガラス化してチタニアドープ石英ガラスを製造する方法において、バーナーの中心管に供給されるケイ素源原料ガス及びチタン源原料ガスに混合して該中心管に供給する支燃性ガスとしての酸素ガスがケイ素源原料ガス及びチタン源原料ガスの和のモル比で5以上であり、かつ可燃性ガスとしての水素ガスがバーナーの一又は複数の水素ガス供給管から噴射されるに際しての線速がそれぞれ100m/sec以下であることを特徴とするチタニアドープ石英ガラスの製造方法。
請求項2:
ケイ素源原料ガス及びチタン源原料ガスを可燃性ガス及び支燃性ガスにより酸化又は火炎加水分解させて得た合成シリカ−チタニア微粒子を回転するターゲット上に堆積すると同時に溶融ガラス化してチタニアドープ石英ガラスを製造する方法において、可燃性ガスとしての水素ガスがバーナーの一又は複数の水素ガス供給管から噴射されるに際しての線速がそれぞれ100m/sec以下であることを特徴とするチタニアドープ石英ガラスの製造方法。
請求項3:
上記可燃性ガス、支燃性ガス、ケイ素源原料ガス及びチタン源原料ガスの各々の供給流量の変動を±1%以内に制御すると共に、上記石英ガラス製造炉内の冷却用に吸入する空気、石英ガラス製造炉からの排気及び石英ガラス製造炉周囲の外気の各々の温度の変動を±2.5℃以内に制御して、上記ターゲットを5rpm以上の回転数で回転させ、上記微粒子をターゲット上に付着させるようにした請求項1又は2記載のチタニアドープ石英ガラスの製造方法。
本発明によれば、900℃,100時間の熱処理によるOH基濃度の変化が小さく、EUVリソグラフィ用部材として好適なチタニアドープ石英ガラスを得ることができる。
実施例1により作製したチタニアドープ石英ガラスの900℃,100時間熱処理前後のOH基濃度分布図である。 実施例2により作製したチタニアドープ石英ガラスの900℃,100時間熱処理前後のOH基濃度分布図である。 実施例3により作製したチタニアドープ石英ガラスの900℃,100時間熱処理前後のOH基濃度分布図である。 実施例4により作製したチタニアドープ石英ガラスの900℃,100時間熱処理前後のOH基濃度分布図である。 比較例1により作製したチタニアドープ石英ガラスの900℃,100時間熱処理前後のOH基濃度分布図である。 比較例2により作製したチタニアドープ石英ガラスの900℃,100時間熱処理前後のOH基濃度分布図である。 本発明による実施例で用いた合成石英ガラス製造用バーナーのガス噴出し口の横断面図を示す。 本発明による実施例で用いた合成石英ガラス製造用バーナーの縦断面図を示す。
以下、本発明について更に詳しく説明する。
ノンドープの石英ガラスと異なり、チタニアドープ石英ガラスにおいては、900℃,100時間の熱処理によってOH基濃度が変化する場合がある。900℃,100時間の熱処理によってOH基濃度が大きく変化することによって、チタニアドープ石英ガラスのOH基濃度分布が大きくなること、同時に仮想温度、複屈折に影響を及ぼすため、結果としてチタニアドープ石英ガラスの熱特性が変化することが考えられる。また、100時間の熱処理によってOH基濃度の変化が大きいチタニアドープ石英ガラスが、EUVリソグラフィ用部材として使用される場合、熱サイクル(EUV光の露光による部材温度の上昇、露光停止による部材の温度低下を繰り返すこと)による熱ヒステリシスを発生しやすい。結果として、OH基濃度の変化量が100ppmを超えるチタニアドープ石英ガラスはEUVリソグラフィ用部材として不適となりやすい。
更に900℃,100時間の熱処理によってOH基濃度が大きく変化する場合、熱処理によって、チタニアドープ石英ガラス中にシリカ結晶質を発生する場合が多い。チタニアドープ石英ガラス製造時にインゴット内に微細なチタニア粒子が発生し、当該チタニア粒子を核として熱処理によりシリカ結晶質が成長するものと考えられる。チタニアドープ石英ガラス中の内包物(インクルージョン)であるチタニア粒子、シリカ結晶質の発生は高い表面精度、部材表面の清浄性、安定な熱特性等を要求されるEUVリソグラフィ用部材としては著しく不適となる。
これに対し、本発明のチタニアドープ石英ガラスは、900℃,100時間の熱処理によるOH基濃度の変化が小さく、EUVリソグラフィ用部材として好適なものである。
このような本発明のチタニアドープ石英ガラスは、石英ガラス製造炉内に設けたバーナーに、水素ガスを含む可燃性ガス及び酸素ガスを含む支燃性ガスを供給して燃焼させることによりバーナー先端に形成される酸水素炎中に、ケイ素源原料ガス及びチタン源原料ガにより酸化ケイ素、酸化チタン及びそれらの複合体微粒子を、バーナー先端前方に配設したターゲット上に付着・堆積させると同時に溶融ガラス化してインゴットを作製し、得られたインゴットを熱間成型して所定の形状に成型後、成型後のインゴットをアニール処理することによって製造することができるが、この場合、本発明のチタニアドープ石英ガラスは、上記可燃性ガス、支燃性ガス、ケイ素源原料ガス及びチタン源原料ガスの各々の供給流量の変動を±1%以内に制御すると共に、上記石英ガラス製造炉内の冷却用に吸入する空気、石英ガラス製造炉からの排気及び石英ガラス製造炉周囲の外気の各々の温度の変動を±2.5℃以内に制御して、上記ターゲットを5rpm以上の回転数で回転させ、上記微粒子をターゲット上に付着させて製造するようにすることが好ましい。
チタニアドープ石英ガラスの製造炉は、竪型及び横型のいずれも使用することができるが、種材等のターゲットの回転数は5rpm以上、好ましくは15rpm以上、更に好ましくは30rpm以上である。これはチタニアドープ石英ガラス中の脈理、歪み等の構造的、組成的に不均一な領域は回転するターゲットのチタニアドープ石英ガラスが成長する部分の温度の不均一性に大きく依存して発生するからである。そこで、ターゲットの回転数を上げ、チタニアドープ石英ガラスが成長する部分の温度を均一化することでチタニアドープ石英ガラスの構造的、組成的に不均一な領域の発生を抑えることができる。なお、回転数の上限は、通常300rpm以下、特に200rpm以下である。上記、ターゲットの回転数に関する条件は、チタニアドープ石英ガラスのOH基濃度勾配を小さくする上で重要である。
チタニアドープ石英ガラスの構造的、組成的に不均一な領域の発生は、チタニアドープ石英ガラスを製造時に使用するケイ素源原料ガス、チタン源原料ガス、可燃性ガス及び支燃性ガスの各々を安定供給することによって抑えることができる。そのために、本発明の製造方法においては、ケイ素源原料ガス、チタン源原料ガス、可燃性ガス及び支燃性ガスの各々の供給流量の変動を±1%以内、好ましくは±0.5%以内、更に好ましくは±0.25%以内に制御する。
更にケイ素源原料ガス及びチタン源原料ガスはバーナーの同一ノズルに支燃性ガスとともに供給し、チタニアドープ石英ガラスを製造することにより構造的、組成的に不均一な領域の発生を抑制できる。ケイ素源原料ガス、チタン源原料ガス及び支燃性ガスは、予め混合された後、ラインミキサー等により組成の均一化を図ることが好ましい。
本発明においては、バーナーの中心管に供給されるケイ素源原料ガス及びチタン源原料ガスに混合して該バーナーの中心管に供給する支燃性ガスとしての酸素ガスが、ケイ素源原料ガス及びチタン源原料ガスの和に対しモル比で5以上であり、より好ましくは7.5以上であり、更に好ましくは10以上である。支燃性ガスとしての酸素ガスがケイ素源原料ガス及びチタン源原料ガスの和に対しモル比で5より少ない場合、製造されたチタニアドープ石英ガラスは900℃,100時間の熱処理によってOH基濃度の減少量が大きくなりやすいからである。なお、上記モル比の上限は、通常30以下、特に20以下である。
本発明において、可燃性ガスとしてバーナーからの一又は複数の水素ガス供給管より噴射される水素ガスの線速はそれぞれ100m/sec以下であり、より好ましくは90m/sec以下であり、更に好ましくは80m/sec以下である。可燃性ガスとしてバーナーから噴射される水素ガスの線速がそれぞれ100m/secより高い場合も製造されたチタニアドープ石英ガラスは900℃,100時間の熱処理によってOH基濃度の減少量が大きくなりやすいからである。なお、上記線速の下限は、通常10m/sec以上、特に20m/sec以上である。上記、支燃性ガスのケイ素源原料及びチタン源原料の和のモル比に関する条件及び水素ガスの線速に関する条件は、チタニアドープ石英ガラスの加熱によるOH基濃度の減少量を少なくする上で重要である。
ここで、バーナーとしては、特に制限されないが、例えば特開2005−187319号公報の図1,2に示すようなバーナーを使用することができる。このバーナーは、少なくとも三重管構造を有する多重管、該多重管を囲繞する外殻管、この外殻管内に設けた複数個のノズルから構成される主バーナーを具備する。該主バーナーの外環に二重管を設けるもので、これを図7,8として示すと、1は、中心管2と、この中心管2を囲繞する第1の包囲管3と、この第1の包囲管3を囲繞する第2の包囲管4とからなる三重管構造の多重管である。5はこの多重管(三重管)1を囲繞する外殻管であり、この外殻管5と前記三重管1との間には外殻管5内に存して複数個のノズル6が配設されて、主バーナー7が構成されている。更に、8はこの主バーナー7の少なくとも先端口部側を包囲して配設された二重管で、外側管9と、この外側管9の内側に配設された内側管10とからなるものである。このとき、二重管8の外側管9の先端部は、主バーナー7の先端口部を包囲してこれより前方に突出し、主バーナー7からのガス流が外側管9の側方に広がらないように防護していると共に、内側管10の先端部は、主バーナー7の先端口部と同一位置に存している。なお、内側管10の先端部は主バーナー7の先端口部より後部に位置していてもよい。
この場合、中心管2内には、ケイ素源原料ガス及びチタン源原料ガスが供給、流通し、更に酸素ガスが供給、流通するものである。また、二重管目(第1の包囲管3内)には酸素等の支燃性ガス、三重管目(第2の包囲管4内)には水素等の可燃性ガスが供給、流通する。更に、前記ノズル6内、及び二重管8内(外側管9と内側管10との間)には、それぞれ酸素ガス等の支燃性ガスが供給、流通し、前記外殻管5内には、水素ガス等の可燃性ガスが前記ノズル6の周りに流通するように供給、流通する。
ここで、上記ケイ素源原料ガス及びチタン源原料ガスの和に対するモル比が5以上であると規定された酸素ガスとは、上記中心管2に供給される酸素ガスであるが、ケイ素源原料ガスのガス流量は500〜3,000g/hr、特に1,000〜2,000g/hrであることが好ましく、チタン源原料ガスのガス流量は、85〜500g/hr、特に150〜350g/hrであることが好ましい。更に、ケイ素源原料ガスに対するチタン源原料ガスの割合は、質量比として0.8〜0.15、特に0.11〜0.13であることが好ましく、チタニアドープ石英ガラス中にチタニアが3〜10質量%、特に5〜8質量%含有するようにすることが好ましい。
なお、中心管2を流通する酸素ガスの割合は上述した通りであるが、中心管2以外の管に供給、流通する酸素ガスの流量は総じて水素ガスとの反応における化学量論量の0.8〜1.1倍である。
上記、ガス流量に関する条件は、チタニアドープ石英ガラスのOH基濃度減少量の最大値と最小値の差を小さくする上で、またチタニアドープ石英ガラス中の水素分子濃度を抑制する上で重要である。
更に、チタニア濃度に関する条件は、チタニアドープ石英ガラスの熱膨張係数がゼロになる温度を調製する上で重要である。
また、上記第2の包囲管及び外殻管は水素ガス供給管として水素ガスが供給、流通するが、これら包囲管、外殻管を流通する水素ガスの線速を、上述したようにそれぞれ100m/sec以下とするものである。この場合、水素ガス供給管が3本以上であれば、それぞれその水素ガスの線速を100m/sec以下とするものである。
なお、ケイ素源原料ガスは公知の有機ケイ素化合物等を使用することができ、具体的には、四塩化ケイ素、ジメチルジクロロシラン、メチルトリクロロシラン等の塩素系シラン化合物、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン等のアルコキシシラン等が使用できる。
チタン源原料ガスも公知の化合物を使用することができ、具体的には、四塩化チタン、四臭化チタン等のチタンハロゲン化物、テトラエトキシチタン、テトライソプロポキシチタン、テトラ−n−プロポキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタン、テトラ−sec−ブトキシチタン、テトラ−t−ブトキシチタン等のチタンアルコキシド等を使用できる。
一方、可燃性ガスとしては水素を含有するものが用いられ、更に必要に応じて一酸化炭素、メタン、プロパン等のガスを併用したものが用いられる。一方、支燃性ガスとしては酸素ガスを含むものが用いられる。
石英ガラス製造炉内に設けたバーナーに、水素ガスを含む可燃性ガス及び酸素ガスを含む支燃性ガスを供給して燃焼させることによりバーナー先端に形成される酸水素炎中に、ケイ素源原料ガス及びチタン源原料ガスを供給して、ケイ素源原料ガス及びチタン源原料ガスを酸化又は火炎加水分解することにより酸化ケイ素、酸化チタン及びそれらの複合体微粒子を、バーナー先端前方に配設したターゲット上に付着させて成長させることにより製造されたチタニアドープ石英ガラスインゴットより切り出したサンプルによりOH基濃度を測定する。当該測定サンプルを大気中にて900℃,100時間で熱処理し、再度OH基濃度を測定し、OH基濃度の減少量を算出する。
更に製造したチタニアドープ石英ガラスインゴットはミラー、ステージ、フォトマスク基板等のそれぞれのEUVリソグラフィ用部材に合った所定の形状にすべく、1,500〜1,800℃、1〜10時間熱間成型を行うが、前記の製造炉で製造したチタニアドープ石英ガラスの成長軸と成型軸が平行になるように熱間成型を行う。熱間成型したチタニアドープ石英ガラスはアニール処理する。これらアニール処理は、熱間成型により生じたチタニアドープ石英ガラス中の熱歪みを低下させる効果がある。アニール処理条件は公知の条件を用いることができ、温度700〜1,300℃、大気中で1〜200時間保持すればよい。また、徐冷条件も公知の条件を用いることができ、例えば、上記アニール処理温度から500℃の温度までの冷却を1〜20℃/hrの速度で実施すればよい。アニール処理によりチタニアドープ石英ガラスの仮想温度を下げることができる。本発明のチタニアドープ石英ガラスの仮想温度は1,200℃以下であり、より好ましくは1,150℃以下であり、更に好ましくは1,100℃以下である。仮想温度の分布はチタニアドープ石英ガラスの熱膨張係数に影響するため、本発明のチタニアドープ石英ガラスの仮想温度分布(ΔFT)は、30℃以下が好ましく、より好ましくは20℃以下であり、更に好ましくは10℃以下である。なお、チタニアドープ石英ガラスの仮想温度はJ.Non−Cryst.Solids 185 (1995) 191.記載の方法で測定することができる。
アニール処理を施したチタニアドープ石英ガラスを、適宜研削加工やスライス加工により所定のサイズに加工した後、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化モリブデン、炭化ケイ素、ダイアモンド、酸化セリウム、コロイダルシリカ等の研磨剤を使用して両面研磨機にて研磨することによりEUVリソグラフィ用部材として形成することが可能である。本発明のチタニアドープ石英ガラスからは、研磨後の基板面中央部142.4mm×142.4mm角の領域内の最も高い位置と最も低い位置との差(PV平坦度)が200nm以下、好ましくは100nm以下であるEUVリソグラフィ用フォトマスク基板を形成することができる。なお、PV平坦度はフィゾー型干渉計(ZYGO MARK IV)を用い測定できる。
本発明によれば、上述した方法により、単なる加熱によってOH基濃度の変化の小さいチタニアドープ石英ガラスを得ることができる。
即ち、本発明のチタニアドープ石英ガラスは、900℃,100時間の熱処理によるOH基濃度の減少量が100ppm以下である。より好ましくは50ppm以下、更に好ましくは20ppm以下であり、実質的にOH基濃度の減少がないこと、つまり900℃,100時間の熱処理前後でOH基濃度変化が測定誤差範囲内にあることが最適である。
また、本発明のチタニアドープ石英ガラスにおける900℃,100時間の熱処理によるOH基濃度の減少量の最大値と最小値の差が50ppm以下であり、より好ましくは20ppm以下であり、更に好ましくはOH基濃度の減少量の最大値と最小値の差が実質的にないことである。900℃,100時間の熱処理によるOH基濃度の減少量に大きな差がある場合、熱特性に分布を有するため、EUVリソグラフィ用部材として不適となりやすい。
本発明のチタニアドープ石英ガラスにおけるOH基濃度は300ppm以上950ppm以下であり、より好ましくは400ppm以上850ppm以下であり、500ppmより多く、750ppmより少ないことが更に好ましい。また、500ppmより多く、700ppmより少ないことが最も好ましい。OH基濃度が300ppmより少ない場合、チタニアドープ石英ガラスに着色が見られる場合が多い。このような場合、EUVリソグラフィにおいて部材の位置調整に使用されるレーザの透過に支障をきたすため、好ましくない。また、OH基濃度が950ppmより多い場合は、所望の形状へチタニアドープ石英ガラスを熱成型するに際して、チタニアドープ石英ガラス中に気泡等の内包物を発生しやすく適当でない。
本発明のチタニアドープ石英ガラスは、900℃,100時間の熱処理後において、OH基濃度勾配が100ppm/cm以下であり、より好ましくは50ppm/cm以下であり、更に好ましくは20ppm/cm以下である。900℃,100時間の熱処理後において、OH基濃度勾配が大きい場合には、900℃,100時間の熱処理によるOH基濃度の減少量が少ないチタニアドープ石英ガラスであっても部材内の熱特性に分布を有するため、EUVリソグラフィ用部材として不適となりやすい。
なお、本発明におけるチタニアドープ石英ガラスのOH基濃度の測定は、日本分光製FT/IR−300Eを使用した。3,000〜5,000cm-1の領域をスキャンスピード2cm-1、積算回数20回として得た吸収スペクトルの4,762cm-1と4,202cm-1を直線で結んだラインをベースラインとし、4,522cm-1付近のピーク高さを吸収係数とした。OH基濃度の算出は換算式(式1)を用いた。
OH基濃度(ppm)=(4,522cm-1における吸光係数)/T×4400
(式1)
但し、Tは測定サンプルの厚さ(cm)である。
測定サンプルの同一位置で5回測定を繰り返し、平均値を測定値とした。なお、本発明におけるOH基濃度測定値は、同一測定位置において±2ppmの範囲で変動した。したがって、900℃,100時間の熱処理前後において、同一サンプル同一位置での測定値が±2ppmの範囲にある場合は、OH基濃度の減少量の最大値と最小値の差が実質的にないものとみなした。
OH基濃度分布の測定は測定サンプル中心よりサンプル外周まで5mm間隔で測定を行った。
なお、本発明における熱処理時の雰囲気は、中性、酸化性雰囲気であることが好ましく、具体的には大気中、酸素中、窒素中、アルゴン等不活性ガス中がより好適である。
本発明における熱処理時の炉内圧は、加圧中、大気圧中(1atm)、減圧中のいずれにおいても可能であるが、設備面、安全面の観点から大気圧中、又は減圧中が好適である。
本発明のチタニアドープ石英ガラスは、水素分子濃度が5×1017分子/cm3以下であり、より好ましくは1×1017分子/cm3以下であり、更に好ましくは、ラマン分光法による測定において、水素分子に起因する4,135cm-1付近におけるピークが検出限界以下である。水素分子を多く含有するチタニアドープ石英ガラスの場合、所望の形状へチタニアドープ石英ガラスを熱成型するに際して、チタニアドープ石英ガラス中に気泡等の内包物を発生しやすく、水素分子はなるべく少なくすることが好適である。
なお、本発明における水素分子濃度の測定は、日本分光製NRS−2100、励起光源として4Wアルゴンイオンレーザを用い、Zurnal Pril;adnoi Spektroskopii Vol. 46 No.6 pp987〜991 June 1987に記載の方法によって測定した。検出限界は7.5×1016分子/cm3であった。
また、EUVリソグラフィの露光温度域において低熱膨張化させるために、本発明のチタニアドープ石英ガラスは、チタニアを3〜10質量%含有することが望ましく、5〜8質量%含有することがより好ましい。なお、チタニアの含有量はプローブ径10μmでEPMA法により測定した。検出したチタンがすべてチタニア(TiO2)として存在するとみなし、算出した。
更に、本発明のチタニアドープ石英ガラスは、0〜100℃の温度範囲に熱膨張係数がゼロになる温度を有し、好ましくは10〜90℃の温度範囲に熱膨張係数がゼロになる温度を有することであり、より好ましくは20〜80℃の温度範囲に熱膨張係数がゼロになる温度を有することであり、更に好ましくは30〜70℃の温度範囲に熱膨張係数がゼロになる温度を有することであり、更に40〜60℃の温度範囲に熱膨張係数がゼロになる温度を有することがより好ましく、45〜55℃の温度範囲に熱膨張係数がゼロになる温度を有することが最も好ましい。なお、熱膨張係数及び熱膨張曲線の測定はアルバック理工社製、LIX−2を用い、6mmφ×12mmL、両端を砲弾型に成形したサンプルにより測定した。
本発明のチタニアドープ石英ガラスは、EUVリソグラフィ用フォトマスク基板、EUVリソグラフィ装置の反射光学系用ミラー材等のEUVリソグラフィ用部材の素材として好適であるが、特にウエハ上に高画質かつ微細なパターンの転写が可能となるため、EUVリソグラフィ用フォトマスク基板、EUVリソグラフィ装置の反射光学系用ミラー材として最も好適である。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
[実施例1〜3]
図7,8に示すバーナーを使用し、表1に記載のガスをそれぞれのノズルに供給して、酸水素炎による四塩化ケイ素、四塩化チタンの酸化又は火炎加水分解反応により生成したSiO2、TiO2を石英製バーナーの先方に設置した50rpmで回転しながら10mm/hrで後退するターゲット材に付着と同時に溶融させることでチタニアドープ石英ガラスのインゴットを製造した。当該製造条件における原料ガスに混合して供給する酸素ガスのケイ素源原料ガス及びチタン源原料ガスの和に対するモル比及び各水素ガスの線速を表3に示す。このとき、各種ガスの流量変動は±0.2%であった。また、チタニアドープ石英ガラス製造炉へ吸入される空気、排気されるガス、製造炉の外気温の温度変動は±1℃であった。
得られた110mmφ×400mmLのインゴットより厚さ10mmのサンプルを切り出し、その両面を研削、研磨した後、OH基濃度を径方向に測定した。更に当該測定サンプルを900℃,100時間大気雰囲気中、大気圧下で熱処理し、再度OH基濃度を径方向に測定した。更にラマン分光法により水素分子濃度、EPMA法によりTiO2濃度をそれぞれ測定した。900℃,100時間の熱処理によるOH基濃度減少量の最大値及び最小値、当該OH基濃度減少量の最大値と最小値の差、900℃,100時間で熱処理後の最大のOH基濃度勾配、水素分子濃度、TiO2濃度の最大値及び最小値を表4に示す。また、900℃,100時間で熱処理前後の径方向のOH基濃度分布をそれぞれ図1〜3に示す。
なお、実施例3により作製したインゴットのみ、熱間成型前に外周から10mm、円筒研削を行った。
残りのチタニアドープ石英ガラスインゴットを1,700℃で6時間加熱することにより熱間成型した。その後、大気中で950℃で150時間保持して、500℃まで5℃/hrの速度で徐冷しアニールした。アニール後のインゴットを152.4mm×152.4mm角柱状に研削し、チタニアドープ石英ガラスインゴット(I)を得た。当該インゴット(I)からスライス基板を切り出し、スェードタイプの研磨布、酸化セリウム研磨材を使用し、12B型両面研磨機(不二越機械工業(株)製)により6時間研磨した後、研磨材をコロイダルシリカに変更して1時間研磨し、厚さ1mmの両面を鏡面化した研磨基板を得た。当該の研磨基板の対角線上の仮想温度を測定し、それぞれの最大値及び最小値を表4に示す。
残りのインゴット(I)の152.4mm×152.4mm角内、中心部から熱膨張曲線測定用サンプルを取得し、−50〜150℃までの熱膨張曲線を測定、熱膨張係数がゼロとなる温度(ゼロ膨張温度)を表4に示す。
更にインゴット(I)から厚さ6.7mmのチタニアドープ石英ガラス基板を切り出し、スェードタイプの研磨布、酸化セリウム研磨材を使用し、12B型両面研磨機(不二越機械工業(株)製)により6時間研磨した後、研磨材をコロイダルシリカに変更して1時間研磨し、厚さ6.35mmの研磨基板を得た。
作製した基板面中央部142.4mm×142.4mm角の領域内での最も高い位置と最も低い位置との差(露光利用領域のPV平坦度)をレーザ干渉計を用いて測定した。その結果を表4に示す。
実施例1で作製したチタニアドープ石英ガラスは、900℃,100時間の熱処理前後でOH基濃度変化が測定誤差範囲内あり、実質的にOH基濃度の減少がない。OH基濃度も適正濃度であり、チタニアドープ石英ガラスの着色、インクルージョンもみられなかった。OH基濃度勾配も小さく仮想温度分布も抑制され、EUVリソグラフィ用部材として好適なものである。
実施例2で作製したチタニアドープ石英ガラスは、比較的OH基濃度減少量の多い部位があるため、結果としてOH基濃度勾配、仮想温度分布も比較的大きくなった。
実施例3により作製されたチタニアドープ石英ガラスは、外周部でOH基濃度が高くなり、気泡の発生が見られた。しかしOH基濃度減少量は少なく、気泡発生部位を研削することでEUVリソグラフィ用部材として良好なものが得られた。
[実施例4]
酸水素炎による四塩化ケイ素、四塩化チタンの酸化又は火炎加水分解反応により生成したSiO2、TiO2を石英製バーナーの先方に設置した5rpmで回転しながら10mm/hrで後退するターゲット材に付着させることでチタニアドープ石英ガラスのインゴットを製造した。これ以外は実施例1と同様の方法、条件でチタニアドープ石英ガラスインゴットを製造した。実施例1と同様に物性測定を実施し、測定結果を表4に示す。併せて、900℃,100時間大気雰囲気中、大気圧下での熱処理前後の径方向のOH基濃度分布を図4に示す。
実施例4により作製したチタニアドープ石英ガラスは、外周部においてOH基濃度が急激に増加したため、OH基濃度勾配が大きくなった。しかしOH基濃度減少量は少なく、EUVリソグラフィ用部材として好適なものである。
[比較例1,2]
表2に記載のガス条件でチタニアドープ石英ガラスインゴットを製造した。その他の条件は実施例1と同一とした。実施例1と同様に物性測定を実施し、測定結果を表4に示す。併せて、900℃,100時間における大気雰囲気中、大気圧下での熱処理前後の径方向のOH基濃度分布をそれぞれ図5,6に示す。
比較例1で作製したチタニアドープ石英ガラスは、OH基濃度は適正であったものの、全体的にOH基濃度減少量が多くなった。
比較例2により作製したチタニアドープ石英ガラスは、OH基濃度減少量が多い上、減少量に大きな分布が見られた。また、OH基濃度減少量の多い部位においては、熱間成型後においてシリカ結晶質が発生していた。
Figure 2014111530
Figure 2014111530
Figure 2014111530
Figure 2014111530
1 多重管
2 中心管
3 第1の包囲管
4 第2の包囲管
5 外殻管
6 ノズル
7 主バーナー
8 石英製二重管
9 石英製二重管外側管
10 石英製二重管の内側管

Claims (3)

  1. ケイ素源原料ガス及びチタン源原料ガスを可燃性ガス及び支燃性ガスにより酸化又は火炎加水分解させて得た合成シリカ−チタニア微粒子を回転するターゲット上に堆積すると同時に溶融ガラス化してチタニアドープ石英ガラスを製造する方法において、バーナーの中心管に供給されるケイ素源原料ガス及びチタン源原料ガスに混合して該中心管に供給する支燃性ガスとしての酸素ガスがケイ素源原料ガス及びチタン源原料ガスの和のモル比で5以上であり、かつ可燃性ガスとしての水素ガスがバーナーの一又は複数の水素ガス供給管から噴射されるに際しての線速がそれぞれ100m/sec以下であることを特徴とするチタニアドープ石英ガラスの製造方法。
  2. ケイ素源原料ガス及びチタン源原料ガスを可燃性ガス及び支燃性ガスにより酸化又は火炎加水分解させて得た合成シリカ−チタニア微粒子を回転するターゲット上に堆積すると同時に溶融ガラス化してチタニアドープ石英ガラスを製造する方法において、可燃性ガスとしての水素ガスがバーナーの一又は複数の水素ガス供給管から噴射されるに際しての線速がそれぞれ100m/sec以下であることを特徴とするチタニアドープ石英ガラスの製造方法。
  3. 上記可燃性ガス、支燃性ガス、ケイ素源原料ガス及びチタン源原料ガスの各々の供給流量の変動を±1%以内に制御すると共に、上記石英ガラス製造炉内の冷却用に吸入する空気、石英ガラス製造炉からの排気及び石英ガラス製造炉周囲の外気の各々の温度の変動を±2.5℃以内に制御して、上記ターゲットを5rpm以上の回転数で回転させ、上記微粒子をターゲット上に付着させるようにした請求項1又は2記載のチタニアドープ石英ガラスの製造方法。
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