JP2014190946A - ボーリング刃具の刃先突出長さ調整装置および調整方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ボーリング刃具の刃先突出長さを高い精度且つ低コストで調整するためのボーリング刃具の刃先突出長さ調整装置および調整方法を提供する。
【解決手段】刃具をV面4,4に押し当てる方向と、刃具の刃先がスピンドル11を押し込む方向と、を直交させる。これにより、マスタ刃具の軸部の直径とボーリング刃具の軸部の直径との誤差の、刃先突出長さ調整へ及ぼす影響が排除された高い精度の加工穴を得ることができる。さらに、マスタ刃具の軸部の直径の公差とボーリング刃具の軸部の直径の公差との双方を緩和することが可能であり、マスタ刃具とボーリング刃具との各々の製造コストを削減することができる。
【選択図】図1
【解決手段】刃具をV面4,4に押し当てる方向と、刃具の刃先がスピンドル11を押し込む方向と、を直交させる。これにより、マスタ刃具の軸部の直径とボーリング刃具の軸部の直径との誤差の、刃先突出長さ調整へ及ぼす影響が排除された高い精度の加工穴を得ることができる。さらに、マスタ刃具の軸部の直径の公差とボーリング刃具の軸部の直径の公差との双方を緩和することが可能であり、マスタ刃具とボーリング刃具との各々の製造コストを削減することができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、ボーリング刃具の刃先突出長さ調整装置および調整方法に関するもので、特に、マスタ刃具との比較によって刃先突出長さを調整する装置および方法に関する。
ボーリング刃具の刃先突出長さの簡易型調整装置として、特許文献1には、V面を有するゲージ本体(求心保持具)と、ゲージ本体に取り付けられるダイヤルゲージ(計測器)と、を備え、軸部(ホーリングアーバ)がV面に押し当てられたボーリング刃具の刃先によって、ダイヤルゲージのスピンドルが押し込まれるように構成された刃先位置計測具(以下、先行技術)が開示されている。先行技術とマスタ刃具とを使用してボーリング刃具の刃先突出長さを調整する場合、マスタ刃具の軸部をV面に押し当ててマスタ刃具をゲージ本体にセットし、マスタ刃具の刃先によってダイヤルゲージのスピンドルを一定の測定力で押し込む。この状態で、マスタ刃具の軸部とV面とを摺動させながらマスタ刃具を中心軸回りに回転させた時の、ダイヤルゲージの指示値が最小となるマスタ刃具の位置を求め、求められた位置で、ダイヤルゲージをゼロ調整する。
次に、ボーリング刃具の軸部をV面に押し当ててボーリング刃具をゲージ本体にセットし、この状態で、ボーリング刃具の軸部とV面とを摺動させながら、すなわち、ボーリング刃具の軸部がV面に接した状態を維持しながら、ボーリング刃具を中心軸回りに回転させた時の、ダイヤルゲージの指示値が最小となる位置を求め、求められた位置で、ダイヤルゲージの指示値が0となるように、ボーリング刃具の刃先突出長さを調節する。
上記先行技術では、刃具(マスタ刃具およびボーリング刃具)の軸部をゲージ本体のV面に押し当てる方向と、刃具の刃先がダイヤルゲージのスピンドルを押し込む方向と、が同一方向であることから、ボーリング刃具の刃先突出長さを高い精度で調整するためには、マスタ刃具の軸部の直径とボーリング刃具の軸部の直径とを高い精度で一致させる必要がある。換言すると、マスタ刃具の軸部の直径とボーリング刃具の軸部の直径との誤差は、ボーリング刃具によって加工される穴の内径の精度に反映される。したがって、マスタ刃具の軸部の直径の公差とボーリング刃具の軸部の直径の公差とを厳格に管理する必要があり、センサを使用する光学式の装置と比較して装置を低コストで製造することができる反面、マスタ刃具の軸部とボーリング刃具の軸部との製造コストが増大する。
そこで本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、ボーリング刃具の刃先突出長さを高い精度且つ低コストで調整するためのボーリング刃具の刃先突出長さ調整装置および調整方法を提供することを課題としてなされたものである。
上記課題を解決するために、本発明のボーリング刃具の刃先突出長さ調整装置は、V面を有するゲージ本体と、前記ゲージ本体に取り付けられるダイヤルゲージと、を備え、前記ゲージ本体は、刃具の軸部と前記V面とを接触させることにより、刃具を位置決めし、前記ダイヤルゲージの測定子は、前記刃具の刃先によって押し込まれ、マスタ刃具に対する前記ダイヤルゲージの指示値とボーリング刃具に対する前記ダイヤルゲージの指示値とが比較されることにより、前記ボーリング刃具の刃先突出長さが調整されるボーリング刃具の刃先突出長さ調整装置であって、前記ダイヤルゲージは、測定子中心軸が、前記V面の交線と前記V面に接する円筒の中心軸とを含む平面に直交するように配置されることを特徴とする。
上記課題を解決するために、本発明のボーリング刃具の刃先突出長さ調整方法は、V面を有するゲージ本体と、前記ゲージ本体に取り付けられるダイヤルゲージと、を備え、前記ゲージ本体は、刃具の軸部と前記V面とを接触させることにより、刃具を位置決めし、前記ダイヤルゲージの測定子は、前記刃具の刃先によって押し込まれ、マスタ刃具に対する前記ダイヤルゲージの指示値とボーリング刃具に対する前記ダイヤルゲージの指示値とが比較されることにより、前記ボーリング刃具の刃先突出長さが調整されるボーリング刃具の刃先突出長さ調整装置を使用して、前記ボーリング刃具の刃先突出長さを調整する方法であって、前記刃具の軸部を前記ゲージ本体のV面に押し当てる方向と、前記刃具の刃先が前記ダイヤルゲージのスピンドルを押し込む方向と、を直交させることを特徴とする。
(発明の態様)
以下に、本願において特許請求が可能と認識されている発明(以下、請求可能発明と称する)の態様を例示し、例示された各態様について説明する。ここでは、各態様を、特許請求の範囲と同様に、項に区分すると共に各項に番号を付し、必要に応じて他の項の記載を引用する形式で記載する。これは、請求可能発明の理解を容易にするためであり、請求可能発明を構成する構成要素の組み合わせを、以下の各項に記載されたものに限定する趣旨ではない。つまり、請求可能発明は、各項に付随する記載、実施形態の記載等を参酌して解釈されるべきであり、その解釈に従う限りにおいて、各項の態様にさらに他の構成要素を付加した態様も、また、各項の態様から構成要素を削除した態様も、請求可能発明の一態様となり得る。
なお、以下の各項において、(1)〜(2)項の各々が、特許請求の範囲に記載した請求項1〜2の各々に相当する。
以下に、本願において特許請求が可能と認識されている発明(以下、請求可能発明と称する)の態様を例示し、例示された各態様について説明する。ここでは、各態様を、特許請求の範囲と同様に、項に区分すると共に各項に番号を付し、必要に応じて他の項の記載を引用する形式で記載する。これは、請求可能発明の理解を容易にするためであり、請求可能発明を構成する構成要素の組み合わせを、以下の各項に記載されたものに限定する趣旨ではない。つまり、請求可能発明は、各項に付随する記載、実施形態の記載等を参酌して解釈されるべきであり、その解釈に従う限りにおいて、各項の態様にさらに他の構成要素を付加した態様も、また、各項の態様から構成要素を削除した態様も、請求可能発明の一態様となり得る。
なお、以下の各項において、(1)〜(2)項の各々が、特許請求の範囲に記載した請求項1〜2の各々に相当する。
(1)V面を有するゲージ本体と、ゲージ本体に取り付けられるダイヤルゲージと、を備え、ゲージ本体は、刃具の軸部とV面とを接触させることにより、刃具を位置決めし、ダイヤルゲージの測定子は、刃具の刃先によって押し込まれ、マスタ刃具に対するダイヤルゲージの指示値とボーリング刃具に対するダイヤルゲージの指示値とが比較されることにより、ボーリング刃具の刃先突出長さが調整されるボーリング刃具の刃先突出長さ調整装置であって、ダイヤルゲージは、測定子中心軸が、V面の交線とV面に接する円筒の中心軸とを含む平面に直交するように配置されることを特徴とするボーリング刃具の刃先突出長さ調整装置、または、該装置を使用したボーリング刃具の刃先突出長さ調整方法。
刃具(マスタ刃具およびボーリング刃具)の軸部をゲージ本体のV面に押し当てる方向と、刃具の刃先がダイヤルゲージのスピンドルを押し込む方向と、が同一方向である先行技術においては、マスタ刃具の軸部の直径とボーリング刃具の軸部の直径との誤差が、ボーリング刃具によって加工される穴の内径の精度に反映される。したがって、先行技術では、マスタ刃具の軸部の直径の公差とボーリング刃具の軸部の直径の公差とを厳格に管理する必要があり、マスタ刃具およびボーリング刃具の製造コストが増大する。
本項に記載のボーリング刃具の刃先突出長さ調整装置、または、該装置を使用したボーリング刃具の刃先突出長さ調整方法では、ダイヤルゲージの測定子中心軸が、V面の交線とV面に接する円筒の中心軸とを含む平面に直交するように配置される、換言すると、刃具(マスタ刃具およびボーリング刃具)の軸部をゲージ本体のV面に押し当てる方向と、刃具の刃先がダイヤルゲージのスピンドルを押し込む方向と、が直交するように、ダイヤルゲージがゲージ本体に取り付けられるので、マスタ刃具の軸部の直径とボーリング刃具の軸部の直径との誤差(差分の1/2)だけ、ダイヤルゲージの測定面に対する刃先の接触位置を一定の直線上で移動させることにより、マスタ刃具の軸部の直径とボーリング刃具の軸部の直径との誤差を吸収する、換言すると、刃具の軸部の直径の誤差が刃先突出長さの調整へ及ぼす影響を排除することができる。
したがって、本項に記載のボーリング刃具の刃先突出長さ調整装置、または、該装置を使用したボーリング刃具の刃先突出長さ調整方法によれば、マスタ刃具の軸部の直径の公差とボーリング刃具の軸部の直径の公差とを厳格に管理する必要がないので、マスタ刃具の軸部の直径の公差とボーリング刃具の軸部の直径の公差との双方を緩和することが可能であり、マスタ刃具とボーリング刃具との各々の製造コストを削減することができる。
なお、上記のマスタ刃具の軸部の直径とボーリング刃具の軸部の直径との誤差(差分の1/2)だけ、ダイヤルゲージの測定面に対する刃先の接触位置を一定の直線上で移動させる、の「一定の直線」とは、V面の交線(稜)と該V面に接する円筒の中心軸との双方に直交する直線のうち、ダイヤルゲージの測定子中心軸が直交する直線を指す。
刃具(マスタ刃具およびボーリング刃具)の軸部をゲージ本体のV面に押し当てる方向と、刃具の刃先がダイヤルゲージのスピンドルを押し込む方向と、が同一方向である先行技術においては、マスタ刃具の軸部の直径とボーリング刃具の軸部の直径との誤差が、ボーリング刃具によって加工される穴の内径の精度に反映される。したがって、先行技術では、マスタ刃具の軸部の直径の公差とボーリング刃具の軸部の直径の公差とを厳格に管理する必要があり、マスタ刃具およびボーリング刃具の製造コストが増大する。
本項に記載のボーリング刃具の刃先突出長さ調整装置、または、該装置を使用したボーリング刃具の刃先突出長さ調整方法では、ダイヤルゲージの測定子中心軸が、V面の交線とV面に接する円筒の中心軸とを含む平面に直交するように配置される、換言すると、刃具(マスタ刃具およびボーリング刃具)の軸部をゲージ本体のV面に押し当てる方向と、刃具の刃先がダイヤルゲージのスピンドルを押し込む方向と、が直交するように、ダイヤルゲージがゲージ本体に取り付けられるので、マスタ刃具の軸部の直径とボーリング刃具の軸部の直径との誤差(差分の1/2)だけ、ダイヤルゲージの測定面に対する刃先の接触位置を一定の直線上で移動させることにより、マスタ刃具の軸部の直径とボーリング刃具の軸部の直径との誤差を吸収する、換言すると、刃具の軸部の直径の誤差が刃先突出長さの調整へ及ぼす影響を排除することができる。
したがって、本項に記載のボーリング刃具の刃先突出長さ調整装置、または、該装置を使用したボーリング刃具の刃先突出長さ調整方法によれば、マスタ刃具の軸部の直径の公差とボーリング刃具の軸部の直径の公差とを厳格に管理する必要がないので、マスタ刃具の軸部の直径の公差とボーリング刃具の軸部の直径の公差との双方を緩和することが可能であり、マスタ刃具とボーリング刃具との各々の製造コストを削減することができる。
なお、上記のマスタ刃具の軸部の直径とボーリング刃具の軸部の直径との誤差(差分の1/2)だけ、ダイヤルゲージの測定面に対する刃先の接触位置を一定の直線上で移動させる、の「一定の直線」とは、V面の交線(稜)と該V面に接する円筒の中心軸との双方に直交する直線のうち、ダイヤルゲージの測定子中心軸が直交する直線を指す。
(2)ダイヤルゲージは、測定子中心軸に対して垂直に配置された測定面を有する(1)のボーリング刃具の刃先突出長さ調整装置。
本項に記載のボーリング刃具の刃先突出長さ調整装置では、ダイヤルゲージは、測定子中心軸に対して垂直に配置された測定面を有する、換言すると、ダイヤルゲージの測定面は、測定子中心軸に対して垂直に配置された一定の面によって形成される。上記(1)で述べたように、ダイヤルゲージの測定面に対するボーリング刃具の刃先の接触位置は、ダイヤルゲージの測定面に対するマスタ刃具の刃先の接触位置に対して、マスタ刃具の軸部の直径とボーリング刃具の軸部の直径との誤差(差分の1/2)だけ、一定の直線上で移動される(以下、誤差分の移動)。
当業者であれば容易に理解できるように、ダイヤルゲージの測定面が、例えば曲面であった場合、誤差分の移動に起因してダイヤルゲージのスピンドルの押し込み量が変化してしまい、刃先突出長さを高い精度で調整することはできないが、本項に記載のボーリング刃具の刃先突出長さ調整装置によれば、マスタ刃具の軸部の直径とボーリング刃具の軸部の直径とに誤差が存在する場合であっても、刃具(マスタ刃具およびボーリング刃具)の中心軸に直交し、且つ測定面に対する刃先の接触位置を通る直線を、常に、ダイヤルゲージの測定面に直交させることが可能であり、誤差分の移動に起因してダイヤルゲージのスピンドルの押し込み量が変化するのを防ぐことができる。
本項の態様において、ダイヤルゲージの測定面は、例えば、中心がダイヤルゲージの測定子中心軸上に位置する円形とすることができる。
本項に記載のボーリング刃具の刃先突出長さ調整装置では、ダイヤルゲージは、測定子中心軸に対して垂直に配置された測定面を有する、換言すると、ダイヤルゲージの測定面は、測定子中心軸に対して垂直に配置された一定の面によって形成される。上記(1)で述べたように、ダイヤルゲージの測定面に対するボーリング刃具の刃先の接触位置は、ダイヤルゲージの測定面に対するマスタ刃具の刃先の接触位置に対して、マスタ刃具の軸部の直径とボーリング刃具の軸部の直径との誤差(差分の1/2)だけ、一定の直線上で移動される(以下、誤差分の移動)。
当業者であれば容易に理解できるように、ダイヤルゲージの測定面が、例えば曲面であった場合、誤差分の移動に起因してダイヤルゲージのスピンドルの押し込み量が変化してしまい、刃先突出長さを高い精度で調整することはできないが、本項に記載のボーリング刃具の刃先突出長さ調整装置によれば、マスタ刃具の軸部の直径とボーリング刃具の軸部の直径とに誤差が存在する場合であっても、刃具(マスタ刃具およびボーリング刃具)の中心軸に直交し、且つ測定面に対する刃先の接触位置を通る直線を、常に、ダイヤルゲージの測定面に直交させることが可能であり、誤差分の移動に起因してダイヤルゲージのスピンドルの押し込み量が変化するのを防ぐことができる。
本項の態様において、ダイヤルゲージの測定面は、例えば、中心がダイヤルゲージの測定子中心軸上に位置する円形とすることができる。
本発明によれば、ボーリング刃具の刃先突出長さを高い精度且つ低コストで調整するためのボーリング刃具の刃先突出長さ調整装置および調整方法を提供することができる。
本発明の一実施形態を添付した図を参照して説明する。なお、以下の説明において、便宜上、マスタ刃具1(図2参照)およびボーリング刃具2(図3参照)を必要に応じて単に刃具という。
図1に示されるように、本実施形態の刃具の刃先突出長さ調整装置3は、V面4,4を有するゲージ本体5と、該ゲージ本体5に取り付けられるダイヤルゲージ6と、を有する。ゲージ本体5は、Vブロック7と、Vブロック7の側面7Aに固定されるダイヤルゲージ保持ブロック8と、を有する。Vブロック7は、V面4,4の角度が90°であり、例えば、JISB7540に規定されるVブロックとすることができる。また、ダイヤルゲージ保持ブロック8は、例えば、JISB7506に規定されるブロックゲージとすることができる。
図1に示されるように、本実施形態の刃具の刃先突出長さ調整装置3は、V面4,4を有するゲージ本体5と、該ゲージ本体5に取り付けられるダイヤルゲージ6と、を有する。ゲージ本体5は、Vブロック7と、Vブロック7の側面7Aに固定されるダイヤルゲージ保持ブロック8と、を有する。Vブロック7は、V面4,4の角度が90°であり、例えば、JISB7540に規定されるVブロックとすることができる。また、ダイヤルゲージ保持ブロック8は、例えば、JISB7506に規定されるブロックゲージとすることができる。
ダイヤルゲージ6は、ダイヤルゲージ保持ブロック8に形成された保持穴9にステム10が嵌合され、この状態で、ダイヤルゲージ保持ブロック8によって保持される。これにより、ダイヤルゲージ6は、測定子中心軸L6が、V面4,4の交線L4とV面4,4に接する円筒C0の中心軸L0との双方を含む平面PL(以下、平面PL)に直交するように配置される。また、ダイヤルゲージ6は、スピンドル11の先端に固定された測定子12と、測定子12に形成されて測定子中心軸L6に対して垂直に配置、換言すると、上記平面PLに対して平行に配置された測定面13と、を有する。なお、測定面13は、中心がダイヤルゲージ6の測定子中心軸L6上に位置する円形に形成される。
次に、上記刃具の刃先突出長さ調整装置3を使用したボーリング刃具2の刃先突出長さ調整方法を説明する。
[ゼロ調整]
まず、マスタ刃具1を使用してダイヤルゲージ6をゼロ調整する。ゼロ調整では、まず、マスタ刃具1の軸部1AをV面4,4に対して図2における上方向へ押し当てることにより、マスタ刃具1をゲージ本体5にセットする。マスタ刃具1がゲージ本体5にセットされた状態では、ダイヤルゲージ6のスピンドル11は、マスタ刃具1の刃先1Bによって一定の測定力で押し込まれる。この状態で、マスタ刃具1の軸部1AとV面4,4とを摺動させながら、すなわち、マスタ刃具1の軸部1AがV面4,4に接した状態を維持しながら、マスタ刃具1を中心軸L1回りに回転させた時の、ダイヤルゲージ6の指示値が最小となるマスタ刃具1の位置を求め、求められた位置で、ダイヤルゲージ6をゼロ調整する。ゼロ調整完了後、マスタ刃具1の軸部1Aは、V面4,4から引き離される。
まず、マスタ刃具1を使用してダイヤルゲージ6をゼロ調整する。ゼロ調整では、まず、マスタ刃具1の軸部1AをV面4,4に対して図2における上方向へ押し当てることにより、マスタ刃具1をゲージ本体5にセットする。マスタ刃具1がゲージ本体5にセットされた状態では、ダイヤルゲージ6のスピンドル11は、マスタ刃具1の刃先1Bによって一定の測定力で押し込まれる。この状態で、マスタ刃具1の軸部1AとV面4,4とを摺動させながら、すなわち、マスタ刃具1の軸部1AがV面4,4に接した状態を維持しながら、マスタ刃具1を中心軸L1回りに回転させた時の、ダイヤルゲージ6の指示値が最小となるマスタ刃具1の位置を求め、求められた位置で、ダイヤルゲージ6をゼロ調整する。ゼロ調整完了後、マスタ刃具1の軸部1Aは、V面4,4から引き離される。
なお、本実施形態において、マスタ刃具1の軸部1AをV面4,4に対して押し当てる方向(図2における上下方向)と、マスタ刃具1の刃先1Bがダイヤルゲージ6のスピンドル11を押し込む方向(図2における左右方向)とは相互に直交する。
[刃先突出長さ調整]
次に、ボーリング刃具2をゲージ本体5にセットして、ボーリング刃具2の刃先突出長さを調整する。まず、ボーリング刃具2の軸部2AをV面4,4に対して図3における上方向へ押し当てることにより、ボーリング刃具2をゲージ本体5にセットする。ボーリング刃具2がゲージ本体5にセットされた状態では、ダイヤルゲージ6のスピンドル11は、ボーリング刃具2の刃先2Bによって一定の測定力で押し込まれる。この状態で、ボーリング刃具2の軸部2AとV面4,4とを摺動させながら、すなわち、ボーリング刃具2の軸部2AがV面4,4に接した状態を維持しながら、ボーリング刃具2を中心軸L2回りに回転させた時の、ダイヤルゲージ6の指示値が最小となる位置を求め、求められた位置で、ダイヤルゲージ6の指示値が0となるように、ボーリング刃具2の刃先突出長さを調節する。
次に、ボーリング刃具2をゲージ本体5にセットして、ボーリング刃具2の刃先突出長さを調整する。まず、ボーリング刃具2の軸部2AをV面4,4に対して図3における上方向へ押し当てることにより、ボーリング刃具2をゲージ本体5にセットする。ボーリング刃具2がゲージ本体5にセットされた状態では、ダイヤルゲージ6のスピンドル11は、ボーリング刃具2の刃先2Bによって一定の測定力で押し込まれる。この状態で、ボーリング刃具2の軸部2AとV面4,4とを摺動させながら、すなわち、ボーリング刃具2の軸部2AがV面4,4に接した状態を維持しながら、ボーリング刃具2を中心軸L2回りに回転させた時の、ダイヤルゲージ6の指示値が最小となる位置を求め、求められた位置で、ダイヤルゲージ6の指示値が0となるように、ボーリング刃具2の刃先突出長さを調節する。
なお、本実施形態において、ボーリング刃具2の軸部2AをV面4,4に対して押し当てる方向(図3における上下方向)と、ボーリング刃具2の刃先2Bがダイヤルゲージ6のスピンドル11を押し込む方向(図3における左右方向)とは相互に直交する。
この実施形態では以下の効果を奏する。
マスタ刃具1の軸部1Aおよびボーリング刃具2の軸部2AをV面4,4に押し当てる方向と、マスタ刃具1の刃先1Bおよびボーリング刃具2の刃先2Bがダイヤルゲージ6のスピンドル11を押し込む方向と、が同一方向である先行技術においては、マスタ刃具1の軸部1Aの直径D1(図示省略)とボーリング刃具2の軸部2Aの直径D2(図示省略)との誤差(差分)が、ボーリング刃具2によって加工される穴の内径の精度に反映されるため、マスタ刃具1の軸部1Aの直径D1の公差とボーリング刃具2の軸部2Aの直径D2の公差との双方を厳格に管理する必要があり、マスタ刃具1およびボーリング刃具2の製造コストが増大する原因になっていた。
マスタ刃具1の軸部1Aおよびボーリング刃具2の軸部2AをV面4,4に押し当てる方向と、マスタ刃具1の刃先1Bおよびボーリング刃具2の刃先2Bがダイヤルゲージ6のスピンドル11を押し込む方向と、が同一方向である先行技術においては、マスタ刃具1の軸部1Aの直径D1(図示省略)とボーリング刃具2の軸部2Aの直径D2(図示省略)との誤差(差分)が、ボーリング刃具2によって加工される穴の内径の精度に反映されるため、マスタ刃具1の軸部1Aの直径D1の公差とボーリング刃具2の軸部2Aの直径D2の公差との双方を厳格に管理する必要があり、マスタ刃具1およびボーリング刃具2の製造コストが増大する原因になっていた。
本実施形態においては、ダイヤルゲージ6の測定子中心軸L6が、V面4,4の交線L4とV面4,4に接する円筒C0の中心軸L0(本実施形態では、マスタ刃具1の軸部1Aの中心軸L1に一致する)とを含む平面PLに直交するように配置される。換言すると、本実施形態では、マスタ刃具1の軸部1Aおよびボーリング刃具2の軸部2AをV面4,4に押し当てる方向と、マスタ刃具1の刃先1Bおよびボーリング刃具2の刃先2Bがダイヤルゲージ6のスピンドル11を押し込む方向と、が直交するように、ダイヤルゲージ6がゲージ本体5に保持される。
本実施形態では、例えば、ボーリング刃具2の軸部2Aの直径D2がマスタ刃具1の軸部1Aの直径D1に対して小さい、例えば、マスタ刃具1の軸部1Aの直径D1とボーリング刃具2の軸部2Aの直径D2との差分の1/2を差分dとした場合、図4に示されるように、ダイヤルゲージ6の測定面13に対するボーリング刃具2の刃先2Bの接触位置P2を、ダイヤルゲージ6の測定面13に対するマスタ刃具1の刃先1Bの接触位置P1に対して、差分dだけ図4における上方向へ移動させることにより、マスタ刃具1の軸部1Aの直径D1とボーリング刃具2の軸部2Aの直径D2との誤差を吸収する、換言すると、ボーリング刃具2の軸部2AをV面4,4に押し当てた時に、差分dに起因して、ダイヤルゲージ2のスピンドル11が差分dだけ上方向へ押し込まれることがない。その結果、マスタ刃具1の軸部1Aの直径D1とボーリング刃具2の軸部2Aの直径D2との誤差が刃先突出長さの調整へ及ぼす影響が排除された高い精度の加工穴を得ることができる。
したがって、本実施形態によれば、マスタ刃具1の軸部1Aの直径D1の公差とボーリング刃具2の軸部2Aの直径D2の公差とを厳格に管理する必要がないので、マスタ刃具1の軸部1Aの直径D1の公差とボーリング刃具2の軸部2Aの直径D2の公差との双方を緩和することが可能であり、マスタ刃具1とボーリング刃具2との各々の製造コストを削減することができる。
また、追加工等の改造が必要なく、既存のマスタ刃具1およびボーリング刃具2をそのまま使用することができるので、低コスト且つ短期間で実施することができる。
さらに、1回のセロ調整で複数個のボーリング刃具2の刃先突出長さ調整を高い精度で実施することが可能であり、調整工数を大幅に削減することができる。
また、追加工等の改造が必要なく、既存のマスタ刃具1およびボーリング刃具2をそのまま使用することができるので、低コスト且つ短期間で実施することができる。
さらに、1回のセロ調整で複数個のボーリング刃具2の刃先突出長さ調整を高い精度で実施することが可能であり、調整工数を大幅に削減することができる。
1 マスタ刃具、1A 軸部(マスタ刃具)、1B 刃先(マスタ刃具)、2 ボーリング刃具、2A 軸部(ボーリング刃具)、2B 刃先(ボーリング刃具)、3 刃先突出長さ調整装置、4 V面、5 ゲージ本体、6 ダイヤルゲージ、11 スピンドル、13 測定面
Claims (3)
- V面を有するゲージ本体と、前記ゲージ本体に取り付けられるダイヤルゲージと、を備え、前記ゲージ本体は、刃具の軸部と前記V面とを接触させることにより、刃具を位置決めし、前記ダイヤルゲージの測定子は、前記刃具の刃先によって押し込まれ、マスタ刃具に対する前記ダイヤルゲージの指示値とボーリング刃具に対する前記ダイヤルゲージの指示値とが比較されることにより、前記ボーリング刃具の刃先突出長さが調整されるボーリング刃具の刃先突出長さ調整装置であって、
前記ダイヤルゲージは、
測定子中心軸が、前記V面の交線と前記V面に接する円筒の中心軸とを含む平面に直交するように配置されることを特徴とするボーリング刃具の刃先突出長さ調整装置。 - 前記ダイヤルゲージは、
前記測定子中心軸に対して垂直に配置された測定面を有することを特徴とする請求項1に記載のボーリング刃具の刃先突出長さ調整装置。 - V面を有するゲージ本体と、前記ゲージ本体に取り付けられるダイヤルゲージと、を備え、前記ゲージ本体は、刃具の軸部と前記V面とを接触させることにより、刃具を位置決めし、前記ダイヤルゲージの測定子は、前記刃具の刃先によって押し込まれ、マスタ刃具に対する前記ダイヤルゲージの指示値とボーリング刃具に対する前記ダイヤルゲージの指示値とが比較されることにより、前記ボーリング刃具の刃先突出長さが調整されるボーリング刃具の刃先突出長さ調整装置を使用して、前記ボーリング刃具の刃先突出長さを調整する方法であって、
前記刃具の軸部を前記ゲージ本体のV面に押し当てる方向と、前記刃具の刃先が前記ダイヤルゲージのスピンドルを押し込む方向と、を直交させることを特徴とするボーリング刃具の刃先突出長さ調整方法。
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- 2013-03-28 JP JP2013069013A patent/JP2014190946A/ja active Pending
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