JP2014186689A - 計量装置及び料金決済システム - Google Patents
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Abstract
【課題】不定期に使用者が変わる施設において、予納した電子マネーの残高が混在して、その所在が不明確となることなく、エネルギーの使用量に応じて決済することができる計量装置及び料金決済システムを提供することを課題とする。
【解決手段】エネルギーの使用量を計測する計測制御部と、前記使用量に基づき料金を算出する料金算出部と、電子マネー記録媒体と相互に通信する通信部と、予納された電子マネーに関する予納情報を管理する予納管理部と、前記予納情報に基づき料金を決済する決済部とを備え、前記予納管理部は、エネルギーの供給を開始する際に電子マネー記録媒体の登録を受け付ける記録媒体受付部と、前記記録媒体受付部によって受け付けられた電子マネー記録媒体からの通信であるかを判定する通信判定部と、前記通信判定部が前記記録媒体受付部によって受け付けられた電子マネー記録媒体からの通信であると判定された電子マネー記録媒体のみから予納を受け付ける予納受付部とを有することを特徴とする。
【選択図】図10
【解決手段】エネルギーの使用量を計測する計測制御部と、前記使用量に基づき料金を算出する料金算出部と、電子マネー記録媒体と相互に通信する通信部と、予納された電子マネーに関する予納情報を管理する予納管理部と、前記予納情報に基づき料金を決済する決済部とを備え、前記予納管理部は、エネルギーの供給を開始する際に電子マネー記録媒体の登録を受け付ける記録媒体受付部と、前記記録媒体受付部によって受け付けられた電子マネー記録媒体からの通信であるかを判定する通信判定部と、前記通信判定部が前記記録媒体受付部によって受け付けられた電子マネー記録媒体からの通信であると判定された電子マネー記録媒体のみから予納を受け付ける予納受付部とを有することを特徴とする。
【選択図】図10
Description
本発明は、電気やガス、水道などのエネルギーの使用量を自動で算出し、決済する計量装置及び料金決済システムに関する。
従来から、検針員による電力量計の検針を省き、自動で電力使用量を計量し課金するシステムが検討されている。例えば、特許文献1に記載されている電力量計は、電力使用量を計測する計測部(電力消費演算部)と、電子マネー(金額価値情報)を予納(蓄積)する予納部(SVM;Store Value Module)と、計測部が計測した単位時間当りの電力使用量に基づいて電気料金を算出し、その電気料金を予納部に予納された電子マネーにより決済する決済部(トークン交換器)とを備えている。
ところが、この電力量計が設けられる需要施設には、公衆施設や賃貸住宅などの施設が含まれ、これらの施設の使用者は、不定期に変わる。このため、これらの施設に設けられる電力量計には、各使用者が個別に予納した電子マネーを区別する機能や、使用者ごとに使用した電力使用量及び支払い率を設定する機能などが求められる。つまり、使用者を区別して決済できる機能が必要となる。しかし、これらの機能を電力量計に設けると、却って電力量計の使用者に煩雑な設定を求めることになり、その利便性が低下する。その一方で、これらの機能がなければ、各自が予納した電子マネーが混在して、その所在が不明確になり、電気料金の決済において円滑な処理の妨げとなる。
このような事情は、電力量計による電気料金の算出・決済処理に限らず、例えば、ガスメータによるガス料金の算出・決済処理や水道メータによる水道料金の算出・決済処理においても同様である。
よって、本発明は、かかる事情に鑑み、不定期に使用者が変わる施設において、不特定多数の者が予納した電子マネーの残高が混在して、その所在が不明確となることなく、エネルギーの使用量に応じて決済することができる計量装置及び料金決済システムを提供することを課題とする。
本発明に係る計量装置は、エネルギーの使用量を計測する計測制御部と、前記使用量に基づき料金を算出する料金算出部と、電子マネー記録媒体と相互に通信する通信部と、予納された電子マネーに関する予納情報を管理する予納管理部と、前記予納情報に基づき料金を決済する決済部とを備え、前記予納管理部は、エネルギーの供給を開始する際に電子マネー記録媒体の登録を受け付ける記録媒体受付部と、前記記録媒体受付部によって受け付けられた電子マネー記録媒体からの通信であるかを判定する通信判定部と、前記通信判定部が前記記録媒体受付部によって受け付けられた電子マネー記録媒体からの通信であると判定された電子マネー記録媒体のみから予納を受け付ける予納受付部とを有することを特徴とする。
かかる構成によれば、記録媒体受付部は、エネルギーの供給が開始される際に電子マネー記録媒体の登録を受け付ける。エネルギーの供給が開始された後、通信判定部は、登録された電子マネー記録媒体からの通信を許可し、登録されていない電子マネー記録媒体からの通信を拒否する。そのため、電子マネー記録媒体の登録が受け付けられなかったことにより、この電子マネー記録媒体の使用者は、他の使用者がエネルギーの供給を既に開始しており、この計量装置に電子マネーを予納することにより、先に登録した電子マネー記録媒体の使用者の電子マネーに自己の電子マネーを誤って加算してしまうことを未然に防止でき、予納した電子マネーの残高が不明確とならない。
ここで、本発明に係る計量装置の一態様として、前記決済部は、前記エネルギーの供給が停止されたときに前記電子マネーを清算する電子マネー清算部を有し、前記記録媒体受付部は、前記エネルギーの供給が停止されるまで前記電子マネー記録媒体の変更を禁止する記録媒体変更禁止部を含むことが好ましい。
かかる構成によれば、記録媒体変更禁止部は、エネルギーの供給が停止されるまで、他の電子マネー記録媒体の登録を許可することはない。エネルギーの供給が停止されると電子マネーの残高が清算されるため、先に登録されていた電子マネー記録媒体の電子マネーに自己の電子マネーを誤って加算してしまうことが未然に防止され、予納した電子マネーの残高が不明確とならない。
本発明に係る料金決済システムは、計量装置と、電子マネー記録媒体と、料金を算出するための料金算出条件を電子マネー記録媒体の所持者に応じて提供する条件提供装置とを備え、前記計量装置は、エネルギーの供給を開始する際に前記記録媒体受付部が受け付けた電子マネー記録媒体のみから予納を受け付け、前記条件提供装置から提供される前記料金算出条件に基づき算出した前記料金を予納された電子マネーから決済することを特徴とする。
かかる構成によれば、記録媒体受付部は、エネルギーの供給が開始される際に電子マネー記録媒体の登録を受け付ける。エネルギーの供給が開始された後、通信判定部は、登録された電子マネー記録媒体からの通信を許可し、登録されていない電子マネー記録媒体からの通信を拒否する。そのため、電子マネー記録媒体の登録が受け付けられなかったことにより、この電子マネー記録媒体の使用者は、他の使用者がエネルギーの供給を既に開始しており、この計量装置に電子マネーを予納することにより、先に登録した電子マネー記録媒体の使用者の電子マネーに自己の電子マネーを誤って加算してしまうことを未然に防止でき、予納した電子マネーの残高が不明確とならない。
そして、計量装置は、電子マネー記録媒体の所有者ごとに条件提供装置から提供される料金算出条件に基づき料金を算出し、この料金を電子マネーの残高から決済する。そのため、登録が受け付けられた電子マネー記録媒体の所有者は、先のエネルギーの使用者を意識することなく、自己の料金算出条件で算出された料金で決済を受けることができる。
以上の如く、本発明に係る計量装置及び料金決済システムによれば、不定期に使用者が変わる施設において、予納した電子マネーの残高が混在して、その所在が不明確となることなく、エネルギーの使用量に応じて決済することができるという優れた効果を奏する。
以下、本発明に係る計量装置の一実施形態について図1〜図30を参照しながら説明する。まず、本実施形態に係る計量装置が適用されるシステム環境について説明する。本実施形態に係る計量装置は、図1に示すように、電気料金の検針を自動で行う機能を有する、所謂、スマートメータ1であり、電気料金を自動で決済する電気料金決済システムを構成する。スマートメータ1は、電力の供給契約における種別ごとに区分けされた1又は複数の需要設備ごとに設けられている。スマートメータ1は、1又は2以上の電力会社の管理サーバ2に相互に通信可能に接続されている。ここでいう電力会社は、使用者が電力の供給契約をする電力会社、又は、既に電力供給契約をしている電力会社であり、特定の電力会社に限定されない。更に、スマートメータ1は、電子マネー管理会社の管理サーバ3にも相互に通信可能に接続されている。使用者は、このスマートメータ1が対応している電子マネーの電子マネー管理会社と契約し、該電子マネー管理会社からカード型の電子マネー記録媒体4の発行を受ける。そして、使用者は、ネットワークN上に接続される電子マネー記録媒体読取装置5(以下、単に「読取装置5」と呼ぶ)又はスマートメータ1に装着される読取部14(図9参照)に電子マネー記録媒体4を読み取らせて、電子マネー記録媒体4に記憶されている電子マネーに関する電子マネーデータD10を取得・変更する。電力会社の管理サーバ2及び電子マネー管理会社の管理サーバ3は、ネットワークNを介してクレジット会社の管理サーバ6にも接続されている。なお、ネットワークNには、インターネットやLAN(Local Area Network)、専用回線が含まれる。
スマートメータ1は、電力の供給契約をする各電力会社に対して共通のハードウェアとし、電力会社を変更する際に、取り替えられることなく、計測した電力使用量等のデータに基づき電気料金を算出し、その電気料金で随時決済する。スマートメータ1は、電力会社の管理サーバ2から電気料金を算出するための算出条件に関する電気料金算出条件データD50(図19参照)を受信し、電気料金を決済したときにその決済に関する決済データD70(図21参照)を電力会社の管理サーバ2に送信する。
電気料金は、基本料金と、電気量料金と、太陽光発電促進付加金と、再生可能エネルギー発電促進賦課金とを加算して算出される。電気量料金は、契約単位ごとに定まった契約種別、料金種別、料金単価に基づき算出される。また、電力量料金には、燃料費調整額が含まれる。例えば、契約種別が従量電灯のとき、通常、契約単位が1kWhや1kVAとなる。このようなとき、電気量料金は、スマートメータ1で計測された電力や電力量から算出される。太陽光発電促進付加金は、太陽光発電の余剰電力買取制度による料金であり、太陽光発電促進付加金単価(円/kWh)に月々の電力使用量(kWh)を掛け合わせて算出される。太陽光発電促進付加金単価は、前年1月〜12月の買取実績をもとに、毎月更新される。再生可能エネルギー発電促進賦課金は、再生可能エネルギーの固定価格買取制度による料金であり、再生可能エネルギー発電促進賦課金単価(円/kWh)に月々の電力使用量(kWh)を掛け合わせて算出される。
スマートメータ1は、太陽光発電促進付加金単価や再生可能エネルギー発電促進賦課金単価などの電気料金算出条件データD50が更新されるごとに電力会社の管理サーバ2からこれらのデータの配信を受け、又は、スマートメータ1は、電力会社の管理サーバ2にアクセスして電気料金算出条件データD50を取得する。電気料金算出条件データD50には、基本料金データD51、契約単位データD52、契約種別データD53、料金種別データD54、料金単価データD55、太陽光発電促進付加金単価データD56及び再生可能エネルギー発電促進賦課金単価データD57が含まれる(図19参照)。
電力会社の管理サーバ2は、電力会社に設置されるサーバ用コンピュータである。電力会社の管理サーバ2は、電気料金を算出するための電気料金算出条件をスマートメータ1に提供する。つまり、本発明における条件提供装置に相当する。電力会社の管理サーバ2は、図2に示すように、通信部21、表示部22、入力部23、処理部24及び記憶部25を備え、各部がバス26を介してデータを送受信可能なように構成される。通信部21は、ネットワークNを介してスマートメータ1とIP(Internet Protocol)通信等を行う部分であり、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。表示部22は、処理部24からの指示によりデータを表示する部分であり、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)等によって実現される。入力部23は、オペレータがデータを入力する部分であり、例えば、キーボードやマウス等によって実現される。処理部24は、記憶部25を介して各部間のデータの受け渡しを行うととともに、電力会社の管理サーバ2全体の制御を行うものであり、CPU(Central Processing Unit)が処理部24に格納されたプログラムを実行することによって実現される。記憶部25は、処理部24からデータを記憶したり、記憶したデータを読み出したりするものであり、例えば、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等の不揮発性記憶装置によって実現される。
電子マネー管理会社の管理サーバ3は、電子マネーの提供の契約をしている使用者が使用するスマートメータ1からネットワークN経由でデータを受信し、そのデータに基づいて電子マネーの管理を行う。また、電子マネー管理会社の管理サーバ3は、使用者が保有する電子マネー記録媒体4をコンビニなどに設けられた読取装置5で読み取らせて、電子マネーを入金し(チャージし)、読取装置5からネットワークN経由でその入金に関するデータを受信し、そのデータに基づいて電子マネーの入金を受け付ける。使用者は、現金払いでの電子マネーの入金以外にもクレジット払いでの電子マネーの入金を選択することもできる。
電子マネー管理会社の管理サーバ3も、電子マネー管理会社に設置されるサーバ用コンピュータであり、図3に示すように、電力会社の管理サーバ2と同様に、通信部31、表示部32、入力部33、処理部34及び記憶部35を備え、各部がバス36を介してデータを送受信可能なように構成される。電子マネー管理会社の管理サーバ3における通信部31は、ネットワークNを介して読取装置5と相互に通信可能に接続されており、読取装置5と相互に通信可能な電子マネー記録媒体4にも接続される。
電子マネー記録媒体4は、図4に示すように、通信部41、処理部42及び記憶部43を備え、各部がバス44を介してデータを送受信可能なように構成される。通信部41は、スマートメータ1とデータ通信を行う部分であり、例えば、非接触型ICカードのインタフェース等によって実現される。処理部42は、記憶部43を介して各部間のデータの受け渡しを行うととともに、電子マネー記録媒体4全体の制御を行うものであり、CPUが記憶部43に格納されたプログラムを実行することによって実現される。記憶部43は、処理部42からデータを記憶したり、記憶したデータを読み出したりするものであり、例えば、SSD等の不揮発性記憶装置によって実現される。
記憶部43には、図5に示すように、電子マネーに関する電子マネーデータD10が記録されている。電子マネーデータD10には、記録媒体識別データD11、電子マネー管理会社識別データD12、1回の予納当たりの予納金額データD13と、電気料金算出周期データD14とが含まれる。記録媒体識別データD11は、電子マネー記録媒体4個体を識別するための情報であり、電子マネー記録媒体4に予め記録されている。電子マネー管理会社識別データD12は、電子マネー管理会社を識別するための情報であり、電子マネー記録媒体4に予め記録されている。予納金額データD13と電気料金算出周期データD14は、電子マネー記録媒体4の契約時に電子マネー管理会社との契約にて取り決め、その際に電子マネー記録媒体4に記録される。予納金額データD13は、1回あたりの予納金額である。電気料金算出周期データD14は、電気料金を算出する周期である。例えば、この周期の一単位は、1日や1週間などの一定期間であったり、所定の使用時間、所定の電力量若しくは電力の使用量、電気料金などである。
読取装置5(電子マネー記録媒体読取装置5)は、1又は2以上の電子マネー記録媒体4に対応している。読取装置5は、所定の箇所に挿入され、又は、所定の箇所に接触した電子マネー記録媒体4の電子マネーデータD10を読み取る部分であり、例えば、非接触型ICカードのリーダ等によって実現される。読取装置5は、図6に示すように、電力会社の管理サーバ2と同様に、通信部51、表示部52、読取部53、処理部54及び記憶部55を備え、各部がバス56を介してデータを送受信可能なように構成される。
処理部54は、図7に示すように、読取部53を制御して電子マネー記録媒体4と通信を行う通信部541と、電子マネー記録媒体4との通信方式に適した信号に変換する信号変換部542であり、電子マネー記録媒体4からの信号をスマートメータ1にて処理可能な方式の信号に変換する信号変換部542と、通信部51を制御してスマートメータ1内の各部間の信号の入出力を制御する入出力制御部543とを実現するプログラムを実行する。
クレジット会社の管理サーバ6は、クレジット会社に設置されるサーバ用コンピュータである。クレジット会社の管理サーバ6も、図8に示すように、電力会社の管理サーバ2と同様に、通信部61、表示部62、入力部63、処理部64及び記憶部65を備え、各部がバス66を介してデータを送受信可能なように構成される。
次に、本実施形態に係るスマートメータ1の構成について、より具体的に説明する。スマートメータ1は、図9に示すように、通信部11、表示部12、計測部13、読取部14、処理部15、記憶部16、遮断部17及び入力部18を備え、各部がバス19を介してデータを送受信可能なように構成される。
通信部11は、ネットワークNを介して管理サーバ2,3,6とIP通信等を行う部分であり、例えば、NIC等によって実現される。通信部11は、契約する電力会社の管理サーバ2から電気料金を算出するために必要な電気料金算出条件データD50を取得するために設けられている。
表示部12は、処理部15からの指示によりデータを表示する部分であり、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)等によって実現される。
計測部13は、需要設備の電力使用量等を計測する部分であり、例えば、電力量計等によって実現される。
読取部14は、スマートメータ1に対して交換可能に接続されており、そのため、スマートメータ1は、他の電子マネー記録媒体4に対応した読取部14に交換することができる。読取部14は、図6及び図7に示す読取装置5と同様の構成を備えている。
処理部15は、記憶部16を介して各部間のデータの受け渡しを行うととともに、スマートメータ1全体の制御を行うものであり、CPUが記憶部16に格納されたプログラムを実行することによって実現される。処理部15には、図10に示すように、電力使用量を計測する計測制御部151と、電力使用量に基づき電気料金を算出する料金算出部152と、予納された電気料金に関する予納データD60を管理する予納管理部153と、予納データD60に基づき電気料金を決済する決済部154と、電気料金算出条件データD50を登録する電気料金算出条件データベース155と、予納データD60を登録する予納データベース156と、決済データD70を登録する決済データベース157と、電力会社の管理サーバ2の時刻と同期して各部に時刻を提供する時刻機能部158と、電力量計の計量器識別データD159などのスマートメータ1の基本データを登録する基礎データベース159とを実現可能なプログラムを実行する。
計測制御部151は、図11に示すように、電力の供給の可否を判定する電力供給判定部1511と、該電力供給判定部1511の判定結果に従って遮断器を投入して計測を開始し又は遮断して計測を終了する電力計測部1512と、計測部13からリアルタイムに又は電力使用量を計測する一定の周期(電気料金算出周期)で電力及び電力量を計測して、電力計測値データD21及び電力量計測値データD22を取得する電力計測データ取得部1513と、電力計測データ取得部1513が取得した電力計測値データD21及び電力量計測値データD22を登録する計測値データベース1514(図12も参照)とを備える。電力計測値データD21は、所定の時刻における需要設備の使用電力である。電力量計測値データD22は、所定の時間帯における需要設備の電力使用量である。電力計測値データD21及び電力量計測値データD22は、計測した時刻や時間帯の関する時刻データD23を対応付けて登録する。なお、電力計測値データD21、電力量計測値データD22及び時刻データD23は、計測部13により定期的に(例えば、1時間ごとに)計測され、所定期間(例えば、1日間)分のデータが計測値データベース1514に蓄積される。
料金算出部152は、図13に示すように、電力会社の管理サーバ2などから取得した電気料金算出条件データD50を電気料金算出条件データベース155に登録する電気料金算出条件設定部1521と、電気料金算出条件データベース155から電気料金算出条件データD50を読み出して、計測制御部151が取得した電力計測値データD21及び電力量計測値データD22に基づいて電気料金を算出する料金算出実行部1522とを備える。
予納管理部153は、図14に示すように、電力の供給を開始する際に使用された電子マネー記録媒体4の登録を受け付ける記録媒体受付部1531と、該記録媒体受付部1531によって受け付けられた電子マネー記録媒体4からの通信であるかを判定する通信判定部1532と、該通信判定部1532が記録媒体受付部1531によって受け付けられた電子マネー記録媒体4からの通信であると判定した電子マネー記録媒体4のみから予納を受け付ける予納受付部1533と、記録媒体受付部1531が受け付けた電子マネー記録媒体4を識別するデータである登録記憶媒体識別データD40を登録する登録記録媒体識別データベース1534とを備える。
記録媒体受付部1531は、電力の供給を契約して最初に読取部14で読み取られた電子マネー記録媒体4を識別するデータである登録記憶媒体識別データD40を登録記録媒体識別データベース1534に登録する。記録媒体受付部1531は、電力の使用が解約されるまで電子マネー記録媒体4の変更を禁止する記録媒体変更禁止部1535を含む。そのため、その後に、読取部14で電子マネー記録媒体4が読み取られても、先に登録記録媒体識別データベース1534に他の電子マネー記録媒体4の記録媒体識別データD11が登録されていると、記録媒体変更禁止部1535が実行されて、その登録記録媒体識別データベース1534における登録記録媒体識別データD40の変更を禁止する。なお、電力の使用が中止(解約)されると、記録媒体変更禁止部1535は、登録記録媒体識別データベース1534に登録されている登録記憶媒体識別データD40を削除し、記録媒体受付部1531が電子マネー記録媒体4を再び登録可能な状態にする。
通信判定部1532は、読取部14で電子マネー記録媒体4が読み取られた際に、その電子マネー記録媒体4の記録媒体識別データD11を取得して、登録記録媒体識別データベース1534から登録記憶媒体識別データD40を読み出して、読取部14にアクセスされている電子マネー記録媒体4の記録媒体識別データD11と照合する。そして、通信判定部1532は、記録媒体識別データD11が登録記録媒体識別データベース1534に一致した電子マネー記録媒体4からの通信のみを許可し、記録媒体識別データD11が登録記録媒体識別データベース1534に一致しなかった電子マネー記録媒体4からの通信を拒否する(許可しない)。
予納受付部1533は、図15に示すように、通信判定部1532により許可された電子マネー記録媒体4と通信を行い、予納を受け付ける。予納受付部1533は、通信判定部1532の判定結果に従い予納を実行する予納実行部15331と、予納残高が予納依頼を発行する予納残高であるか否かを判定する予納依頼判定部15332と、予納依頼を発行する予納残高である予納依頼残高データD30を登録する予納依頼条件データベース15333(図16も参照)とを備える。
予納実行部15331は、予納データベース156から登録されている予納残高を読み出して、受け付けた予納額を加算して、予納データベース156に登録されている予納残高を更新する。予納依頼判定部15332は、予納依頼条件データベース15333に登録されている予納依頼条件を読み出し、予納データベース156から登録されている予納残高を読み出して、予納依頼条件を満たすときに、予納依頼要求信号を電子マネー管理会社の管理サーバ3に送信する。
登録記録媒体識別データベース1534には、図17に示すように、登録記憶媒体識別データD40が登録される。
決済部154は、図18に示すように、予納データベース156から登録されている予納残高を読み出して、料金算出部152が算出した電気料金を減算して、予納データベース156に登録されている予納残高を更新する決済実行部1541と、電子マネーにより決済した電気料金に関する決済データD70を通信部11を介して電力会社の管理サーバ2に送信する決済完了通知部1542とを備える。決済完了通知部1542は、電子マネー管理会社の管理サーバ3の識別データに基づき電子マネー記録媒体4の記録媒体識別データD11を電子マネー管理会社の管理サーバ3に通知する。
決済部154は、予納残高を読み出した際に、予納残高が1回の予納当たりの予納金額未満であるときに、通信部11を介して電力会社の管理サーバ2にその旨のメッセージを送信する予納状況通知部1543を備える。また、決済部154は、使用者との間で結ぶ契約により電力の供給を停止できる供給停止条件を満足するときに、遮断部17を制御して、電力の供給を遮断する電力供給遮断部1544を備える。供給停止条件は、予納残高が電気料金以下のため、決済できないときとすることが望ましい。電力供給遮断部1544は、電力の供給を遮断するのと同時に、予納残高を清算する。つまり、電力供給遮断部1544は、本発明の電子マネー清算部にも相当する。
電気料金算出条件データベース155には、図19に示すように、電気料金の算出のために必要となる電気料金算出条件データD50が登録されている。電気料金算出条件データD50には、電気料金を算出して、予納残高から決済する周期に関する電気料金算出周期データD58も含まれる。
予納データベース156には、図20に示すように、予納データD60が登録されている。
決済データベース157には、図21に示すように、スマートメータ1から電力会社の管理サーバ2に送信するために必要となる決済データD70が登録されている。決済データD70は、計量器識別データD71、電力会社関連データD72、電子マネー管理会社関連データD73、クレジット会社関連データD74、時刻データD75、電力計測値データD76、電力量計測値データD77及び決済電気料金データD78を含む。
計量器識別データD71は、スマートメータ1に固有のコードであり、基礎データベース159から登録される。電力会社関連データD72は、当該スマートメータ1の設置されている需要設備の使用者が電力使用契約をしている電力会社に関するデータであり、詳細には、データの送信先となる会社コード、及び、事前の契約により送信すべきデータ名(例えば、時刻データと電力量)を示すデータ種類である。電子マネー管理会社関連データD73は、当該スマートメータ1の読取部14に適用される電子マネー管理会社に関するデータであり、詳細には、データの送信先となる会社コード、及び、事前の契約により送信すべきデータ名(例えば、時刻データと電力量)を示すデータ種類である。なお、電力会社関連データD72及び電子マネー管理会社関連データD73には、計測するデータの計測間隔や送信間隔が設定されていてもよい。クレジット会社関連データD74は、電子マネーをクレジット払いする際に利用するクレジット会社に関するデータであり、詳細には、データの送信先となる会社コード、及び、事前の契約により送信すべきデータ名(例えば、クレジットカードのクレジット番号)を示すデータ種類である。会社コードは、データの送信先及び契約先会社を特定する、管理サーバ2,3,6に固有のコードである。
時刻機能部158は、図10に示すように、電力会社の管理サーバ2から時刻に関する情報を定期的に取得することにより、又は、電力会社の管理サーバ2とともに標準電波を受信して誤差を自動修正する電波時計の機能を備えることにより実現される。
記憶部16は、図9に示すように、処理部15からデータを記憶したり、記憶したデータを読み出したりするものであり、例えば、HDDやSSD等の不揮発性記憶装置によって実現される。
遮断部17は、電力線から需要設備への給電を開始又は停止する機器であり、CB(Circuit Breakers)等の遮断器によって実現される。遮断器が投入されると、需要設備への電気の供給が可能な状態となり、遮断器が遮断されると、電力設備への電気の供給が停止される。ここでいう遮断器の投入又は遮断には、電力の供給契約の開始及び停止(廃止)に伴う動作を差し、過電流や地絡などにより継電器が動作したことによる動作を含まない。
入力部18は、押しボタンスイッチやタッチパネル式の表示部12上の表示領域であり、処理部15に対してデータを入力することができる。入力部18には、電子マネー記録媒体4の登録内容を変更する第1選択ボタン、電力供給を停止する第2選択ボタン、電力供給を停止し且つ電子マネー記録媒体4の登録を解除する第3選択ボタンが設けられている。
次に、同実施形態に係るスマートメータ1の動作について、図1〜図30を参照しつつ説明する。なお、最初に、電力の供給を開始する際のスマートメータ1の動作について説明し、その後、このスマートメータ1による電気料金の自動決済について説明し、電子マネー記録媒体4からこのスマートメータ1への電子マネーの補充について説明し、最後に、電力の供給が停止される際のこのスマートメータ1の動作についての説明を行う。
まず、電力の供給を開始する際のスマートメータ1の動作について、図22〜図28を参照しつつ、説明を行う。図22に示すように、使用者は、オートチャージ機能付の電子マネー記録媒体4をスマートメータ1の読取部14にかざすなどして、スマートメータ1が電子マネー記録媒体4を読取可能な位置に電子マネー記録媒体4を配置して、読取部14に電子マネー記録媒体4を認識させる(ステップS101でYES)。
読取部14の通信制御部541は、電子マネー記録媒体4と相互に通信を行い、電子マネー記録媒体4から受信した信号を変換して記録媒体識別データD11を取得する(ステップS102)。読取部14の入出力制御部543は、予納管理部153(の通信判定部1532)に記録媒体識別データD11を提供して、予納管理部153を実行させる(ステップS103〜)。
予納管理部153の通信判定部1532は、登録記録媒体識別データベース1534にアクセスして、登録記録媒体識別データD40を読み込む(ステップS103)。通信判定部1532は、登録記録媒体識別データベース1534に登録記録媒体識別データD40が登録されていないため、登録記録媒体識別データD40を読む込むことができないとき(ステップS104でNO)、通信判定部1532は、記録媒体受付部1531を実行させて、記録媒体受付処理を実施する(ステップS106)。
記録媒体受付部1531は、図24に示すように、取得した記録媒体識別データD11を登録記録媒体識別データベース1534に登録記録媒体識別データD40として登録する(ステップS201)。更に、記録媒体受付部1531は、電子マネー記録媒体4から電子マネー管理会社の管理サーバ3の電子マネー管理会社識別データD12を読み込み(ステップS202)、電子マネー管理会社識別データD12に基づき電子マネー記録媒体4の記録媒体識別データD11を電子マネー管理会社の管理サーバ3に送信する(ステップS203)。そして、電力供給判定部1511が実行され、電力供給判定処理が実施される(ステップS204)。
電子マネー管理会社の管理サーバ3では、電子マネー管理会社の管理サーバ3にて登録されている電子マネー記録媒体4の記録媒体識別データD11と照合して、登録された電子マネー記録媒体4であることが照合された旨の記録媒体確認結果良信号若しくは登録された電子マネー記録媒体4に含まれる電子マネー記録媒体4でない旨の記録媒体確認結果否信号をスマートメータ1に返信する。
図25に移り、スマートメータ1の通信部11が記録媒体確認結果良信号を受信する(ステップS301でYES)と、電力供給判定部1511は、記録媒体確認結果良信号と計量器識別データD159とを電力会社の管理サーバ2に送信する(ステップS302)。なお、通信部11が記録媒体確認結果否信号を受信する(ステップS301でNO)と、電力供給判定処理は中止され、一連の処理が終了する。
電力会社の管理サーバ2では、処理部24が送信された情報に基づきその電力供給の可否を判定して、その結果をスマートメータ1に返信する。電力会社の管理サーバ2は、送信されたスマートメータ1での電力供給を許可する場合、その旨の電気使用確認結果可信号を返信するとともに、最新の電気料金算出条件データD50を送信し、送信されたスマートメータ1での電力供給を許可しない場合、その旨の電気使用確認結果否信号を返信する。
スマートメータ1の通信部11が電気使用確認結果可信号を受信する(ステップS303でYES)と、電力供給判定部1511が実行して、電力供給判定処理を実施する(ステップS304)。図26に移り、電力供給判定部1511は、電気使用確認結果可信号を受信したとき(ステップS401でYES)は、遮断器を投入して、電力の供給が可能な状態にする(ステップS402)。電力供給判定部1511は、電気使用確認結果否信号を受信する(ステップS409でYES)まで、電力の供給が可能な状態にする(ステップS409〜S410の繰り返し)。なお、通信部11が電気使用確認結果否信号を受信する(ステップS409でYES)と、電力供給遮断部1544が電力計測部1512に遮断器を遮断させて、電力の供給が停止され(ステップS410)、電力供給遮断部1544が登録記録媒体識別データベース1534を初期化して、登録記録媒体識別データベース1534から登録記録媒体識別データD40が削除され(ステップS411)、電力供給遮断部1544が予納データベース156を初期化して、予納データベース156から予納残高が削除される(ステップS412)。
図25のステップS303に戻り、この電力供給判定処理と並行して、スマートメータ1の通信部11が電気使用確認結果可信号を受信する(ステップS303でYES)とともに、最新の電気料金算出条件データD50を受信する(ステップS305でYES)たびに、電気料金算出条件設定部1521が実行されて、電気料金算出条件データD50を電気料金算出条件データベース155に登録する(ステップS306)。
図24のステップS204に戻って記録媒体受付処理が完了し、図22のステップS106に戻り、予納残高が初期値(0)のままであるため、予納依頼判定部15533が実行されて、予納依頼判定処理が実施される(ステップS110)。
図27に移り、予納依頼判定部15332は、予納データベース156から予納残高を取得し(ステップS501)、予納依頼条件データベース15333に登録された予納依頼残高データD301以下に予納残高がなっているか否かの判定を行い(ステップS502)、予納残高が0(ゼロ)であり、予納依頼を発行する条件を満たすため、スマートメータ1の通信部11を介して電子マネー管理会社の管理サーバ3に予納依頼を発信する(ステップS503)。
電子マネー管理会社の管理サーバ3では、電子マネー管理会社の管理サーバ3にて登録されている電子マネー記録媒体4の記録媒体識別データD11と照合して、登録された電子マネー記録媒体4であることが照合された旨の記録媒体確認結果良信号若しくは登録された電子マネー記録媒体4に含まれる電子マネー記録媒体4でない旨の記録媒体確認結果否信号をスマートメータ1に返信する。
スマートメータ1の通信部11が記録媒体確認結果良信号を受信する(ステップS504でYES)と、予納実行部15331が実行され、予納実行処理を実施する(ステップS505)。なお、通信部11が記録媒体確認結果否信号を受信し、つまり、記録媒体確認結果良信号を受信しなかったとき(ステップS504でNO)と、電子マネーの予納依頼判定処理は中断される。
図28に移り、予納実行部15331は、予納データベース156から予納残高を取得し(ステップS601)、設定された予納額を予納残高に加算する(ステップS602)とともに、電子マネー記録媒体4に記録されている電子マネーの残高から予納額を減算する減額処理の実行を要求する減額処理要求を発信する(ステップS603)。電子マネー記録媒体4の処理部42は、記憶部43に記憶されている予納金額データD13から予納額を減算して、減算処理の完了信号を返信する。予納実行部15331は、電子マネー記録媒体4からの減算処理の完了信号を受信した後(ステップS604でYES)、予納実行処理を完了する(ステップS605)。
続けて、このスマートメータ1による電気料金の自動決済について、図22〜図30を参照しつつ、説明する。先に説明したようにして、電力の供給が開始される(図26のステップS402)と、計測制御部151の電力計測データ取得部1513は、電気料金算出周期データD58を電気料金算出条件データベース155から読み出し(ステップS403)、時刻機能部158から出力される時刻データD23に基づき、電気料金算出周期に達したかを判定し(ステップS404)、計測部13から電力計測値データD21及び電力量計測値データD22を計測したときの時刻データD23に対応づけて取得する(ステップS405)。電力計測データ取得部1513は、取得した電力計測値データD21、電力量計測値データD22及び時刻データD23を計測値データベース1514に登録する(ステップS406)。
料金算出実行部1522が実行され、料金算出処理が実施される(ステップS407)。図29に示すように、料金算出実行部1522は、電気料金算出条件データベース155から電気料金算出条件データD50を読み出し(ステップS701)、計測値データベース1514から電力計測値データD21、電力量計測値データD22及び時刻データD23を読み出して(ステップS702)、電気料金を算出し、電気料金データD1522を生成する(ステップS703)。
図26のステップ407に戻り、料金算出実行部1522は、生成した電気料金データD1522を決算実行部1541に出力して、決算実行部1541を実行し、決算処理を実施する(ステップS408)。
決算実行部1541は、図30に示すように、予納データベース156から予納残高を読み出して(ステップS801)、電気料金が予納残高以内に納まっているかを判定する(ステップS802)。予納残高が電気料金以上であれば(ステップS802でYES)、決算実行部1541は、電気料金を予納残高から差し引いて、電気料金の決済を実行する(ステップS803)。その後、決済完了通知部1542が電力会社の管理サーバ2に決済データD70を送信し(ステップS804)、電力会社は、電子マネー管理会社に電子マネーの現金化を行い、電気料金の徴収を行う。
一方、予納残高が電気料金以下であれば(ステップS802でNO)、予納依頼判定部15332を実行して、予納依頼判定処理を実施する(ステップS805)。なお、予納依頼判定処理は、図27を用いて先に説明したとおりである。
そして、電力供給遮断部1544は、供給停止条件を満足するとき(ステップS806でYES)、遮断部17を制御して、電力の供給を遮断させて、電力の供給が停止され(ステップS807)。電力供給遮断部1544が予納データベース156を初期化して、予納データベース156から予納残高が削除され(ステップS808)、電力供給遮断部1544が登録記録媒体識別データベース1534を初期化して、登録記録媒体識別データベース1534から登録記録媒体識別データD40が削除される(ステップS809)。
更に、電力供給遮断部1544は、電子マネー管理会社の管理サーバ3に電力の供給を遮断した旨の電力供給遮断信号を送信する(ステップS810)。電子マネー管理会社は、使用者に対して供給停止条件を満たしたため、電力供給を遮断した旨を連絡する。また、電力供給遮断部1544は、電力会社の管理サーバ2にも電力の供給を遮断した旨の電力供給遮断信号を送信する(ステップS811)。
次に、電子マネー記録媒体4からこのスマートメータ1への電子マネーの補充の際のスマートメータ1の動作について図22〜図28を参照しつつ、説明を行う。図22に示すように、使用者は、電力の供給を開始する際と同様に、電子マネー記録媒体4をスマートメータ1の読取部14にかざすなどして、読取部14に電子マネー記録媒体4を認識させる(ステップS101でYES)。読取部14の通信制御部541は、電子マネー記録媒体4から記録媒体識別データD11を取得し(ステップS102)、予納管理部153の通信判定部1532は、登録記録媒体識別データベース1534にアクセスして、登録記録媒体識別データD40を読み込む(ステップS103)。通信判定部1532は、登録記録媒体識別データベース1534に登録記録媒体識別データD40が登録されており(ステップS104でYES)、登録記録媒体識別データD40が読む込むことができ、通信判定部1532は、取得した記録媒体識別データD11と登録記録媒体識別データD40とを照合する(ステップS105)。
通信判定部1532は、記録媒体識別データD11が登録記録媒体識別データベース1534に一致するとき(ステップS107でYES)、通信している電子マネー記録媒体4による予納を許可する旨の予納許可信号を発信し(ステップS108)、予納のための読取部14と電子マネー記録媒体4との通信が許可されて、確立される。そして、通信判定部1532は、予納受付部1533の予納実行部15331を実行して、予納実行処理を実施する(ステップS109)。なお、予納実行処理は、図28を用いて先に説明したとおりである。
次に、電力の供給が停止される際のこのスマートメータ1の動作について、図22〜図30を参照しつつ、説明する。図22に示すように、使用者は、電子マネー記録媒体4からこのスマートメータ1への電子マネーの補充の際と同様に、読取部14に電子マネー記録媒体4を認識させて、通信判定部1532に記録媒体識別データD11と登録記録媒体識別データD40との照合をさせる(ステップS101〜S105)。
通信判定部1532は、記録媒体識別データD11が登録記録媒体識別データベース1534に一致するため(ステップS107でYES)、図23に移り、使用者は、入力部18の第3選択ボタンを選択して(ステップS111でYES)、電力供給を停止し且つ電子マネー記録媒体の登録を解除する旨の信号を電力供給遮断部1544に入力する(ステップS112)。電力供給遮断部1544は、遮断部17を制御して、電力の供給を遮断する(ステップS113)とともに、登録記録媒体識別データベース1534に登録されている登録記録媒体識別データD40を消去する(ステップS114)。そして、電力供給遮断部1544は、予納データベース156に記録されている予納残高を電子マネー記録媒体の残高に加算する(ステップS115)とともに、電子マネー管理会社の管理サーバ3に清算した電子マネーの残高を送信することにより(ステップS116)、予納データベース156に記録されている予納残高の清算を行い、電力の供給を停止する(ステップS117)。
このように、記録媒体受付部1531は、エネルギーの供給が開始される際に電子マネー記録媒体4の登録を受け付ける。エネルギーの供給が開始された後、通信判定部1532は、登録された電子マネー記録媒体4からの通信を許可し、登録されていない電子マネー記録媒体4からの通信を拒否する。そのため、電子マネー記録媒体4の登録が拒否されたことにより、この電子マネー記録媒体4の使用者は、他の使用者がエネルギーの供給を既に開始しており、このスマートメータ1(計量装置)に電子マネーを予納することにより、先に登録した電子マネー記録媒体4の使用者の電子マネーに自己の電子マネーを誤って加算してしまうことを未然に防止でき、予納した電子マネーの残高が不明確とならない。
そして、スマートメータ1は、電子マネー記録媒体4の所有者ごとに電力会社の管理サーバ2(条件提供装置)から提供される電気料金算出条件データD50(料金算出条件)に基づき電気料金(料金)を算出し、この電気料金を電子マネーの残高から決済する。そのため、登録が受け付けられた電子マネー記録媒体4の所有者は、先のエネルギーの使用者を意識することなく、自己の電気料金算出条件データD50で算出された電気料金で決済を受けることができる。
また、記録媒体変更禁止部1535は、エネルギーの供給が停止されるまで、他の電子マネー記録媒体4の登録を許可することはない。エネルギーの供給が停止されると電子マネーの残高が清算されるため、先に登録されていた電子マネー記録媒体4の電子マネーに自己の電子マネーを誤って加算してしまうことが未然に防止され、予納した電子マネーの残高が不明確とならない。
特に、使用者は、スマートメータ1に電子マネー記録媒体4を登録するだけで、そのスマートメータ1から電力の供給を受けることができ、電力の使用に際してスマートメータ1ごとに特定の電力会社と契約する必要がなく、どのスマートメータ1に対しても自己が既に契約している電力会社と電力の使用契約を結ぶことができるようになる。また、他の電力会社と契約することにより、ネットワークNに接続される他のスマートメータ1の電力の使用に際しても当該電力会社からの電力の供給をうけることができ、電力会社の乗り換えを容易に行うことができる。
また、使用者は、電力供給契約時に電気料金算出周期を設定する。電気料金算出周期は、電子マネー記録媒体4の記憶部43に電気料金算出周期データD14として記録され、電子マネー記録媒体4をスマートメータ1に登録する際に、読取部14を介して電気料金算出条件データベース155に電気料金算出周期データD58として登録される。そして、電力計測データ取得部1513がこの電気料金算出周期に応じて電力計測値データD21及び電力量計測値データD22を取得し、料金算出実行部1522がこれらの計測値データに基づき電気料金を算出し決済する。
このため、この電気料金算出周期を短く設定しておけば(従来のケースにおける電気料金算出周期は、1ヶ月である)、従来のような電力会社が予め設定した検針日の電気料金が確定を待つ必要がなく、使用者の都合に合わせて変更することができるだけでなく、使用の都度、電気料金の決済を行うことができ、電力の消費(使用)とこれに伴う電気料金の支払い(決済)との関係が把握しやすくなる。つまり、使用者が電気の使用に際して電気料金を意識しやすくなり、省エネ効果がもたらされる。また、常時使用しない需要設備であれば、電気の使用が止まるたびに電気料金の算出を行い、電気料金の決済をするようにしてもよい。
特に、この電気料金算出周期が短いほど、電力の消費の開始から電気料金の決済までのタイムラグが短縮され、電力の消費に対してリアルタイムに電気料金の決済を行うことができる。つまり、使用者は、現在使用している電力の消費量を電気料金の決済額により認識することができ、直感的に電気の消費を認知することができるようになる。
また、電力会社の都合により電気料金算出周期が設定されるようにしてもよいし、使用者と電力会社との協議により電気料金算出周期が設定されるようにしてもよい。
また、電気料金を決済する際に、予納残高が不足して決済ができないときに、自動で電力の供給を停止(遮断)するように構成されているが、予納残高が予納依頼残高データD30に基づく予納依頼残高以下になると、スマートメータ1が予納依頼を発行して使用者に通知する(予納状況通知部1543)。この通知は、予納残高の通知という機能以外に、電力の供給を停止する事前予告機能も果たしている。そのため、使用者は、この通知に応じて予納しなければ、電力の供給が停止される可能性を知ることができる。
しかも、電力会社は、予納残高がある時点でこの予納依頼による事前通知を行い、予納残高がなくなって電気料金の支払い能力が喪失したときに電力の供給を停止するため、電気料金の支払い能力が使用者になくなった後に電気料金の課金は発生しない。そのため、予納残高の範囲で電力の供給を行うことができ、電気料金の徴収が確保されている。よって、電力会社は、電気料金の未納付による負債を負うリスクを軽減される。
電気料金の決済は、スマートメータ1と使用者間で実施され、電力会社の検針員がスマートメータ1まで検針しに行く必要も、電気料金の徴収の必要もない。電力会社だけでなく使用者自身も需要設備にあるスマートメータ1との間で電気料金の決済が完了できるため、銀行やコンビニに出向く必要もなく、また、インターネット支払いなどのように電子マネー記録媒体4以外に装置を準備する必要がない。また、電子マネー管理会社は、電子マネーの使用に応じた手数料を得ることができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
上記実施形態に係るスマートメータは、電力使用量を計測する計量装置を例に説明したが、これに限定されるものではない。例えば、計量装置には、ガス使用量を計測するガスメータや、水道使用量を計測する水道メータ、下水道に排水する排水量を計測する下水道メータ、燃料使用料(燃料消費量)を計測する燃料メータであってもよいし、又はこれらの組み合わせたメータであってもよい。
上記実施形態に係るスマートメータ1において、電子マネー記録媒体がカード形式の記憶媒体である例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、電子マネー記録媒体は、カードに限定することなく、データを記憶し、読み出せる媒体であればよく、例えば、携帯電話に内蔵された形式であってもよい。
上記実施形態に係るスマートメータ1において、通信判定部1532が記録媒体受付部1531によって受け付けられた電子マネー記録媒体4からの通信であると判定したときに、予納実行部15331が予納実行処理を実行する例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、処理部は、電子マネーデータの更新処理を実行するデータ更新処理部を更に備えており、通信判定部が記録媒体受付部によって受け付けられた特定の電子マネー記録媒体からの通信であると判定したときに、このデータ更新処理部が実行されてもよい。
上記実施形態に係るスマートメータ1において、電気料金が電力及び電力量に応じて算出される例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、料金は、1円などの所定の価格に対応した使用量を定めておき、この所定の価格を一単位として算出し、決済するようにしてもよい。
上記実施形態に係るスマートメータ1において、電子マネー記録媒体4を登録する際に、入力部18を介して本人証明のためのサインや暗証番号を求めるようにしてもよい。また、表示部12上に、登録の確認メッセージを表示させ、入力部18によりその確認をさせるようにしてもよい。
上記実施形態に係る電気料金決済システムにおいて、電子マネー管理会社の管理サーバ3がクレジット会社の管理サーバ6にネットワークNを介して接続される例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、電子マネー管理会社の管理サーバは、金融機関の管理サーバに直接又は間接的に接続されており、電子決済が可能に構成されていてもよい。
1…スマートメータ(計量装置)、11…通信部、12…表示部、13…計測部、14…読取部、15…処理部、151…計測制御部、1511…電力供給判定部、1512…電力計測制御部、1513…電力計測データ取得部、1514…計測値データベース、152…料金算出部、1521…電気料金算出条件設定部、1522…料金算出実行部、153…予納管理部、1531…記録媒体受付部、1532…通信判定部、1533…予納受付部、15331…予納実行部、15332…予納依頼判定部、15333…予納依頼条件データベース、1534…登録記録媒体識別データベース、1535…記録媒体変更禁止部、154…決済部、1541…決済実行部、1542…決済完了通知部、1543…予納状況通知部、1544…電力供給遮断部、155…電気料金算出条件データベース、156…予納データベース、157…決済データベース、158…時刻機能部、159…基礎データベース、16…記憶部、17…遮断部、18…バス、2…電力会社の管理サーバ、21…通信部、22…表示部、23…入力部、24…処理部、25…記憶部、26…バス、3…電子マネー管理会社の管理サーバ、31…通信部、32…表示部、33…入力部、34…処理部、35…記憶部、36…バス、4…電子マネー記録媒体、41…通信部、42…処理部、43…記憶部、44…バス、5…電子マネー記録媒体読取装置、51…通信部、52…表示部、53…読取部、54…処理部、541…通信部、542…信号変換部、543…入出力制御部、55…記憶部、56…バス、6…クレジット会社の管理サーバ、61…通信部、62…表示部、63…入力部、64…処理部、65…記憶部、66…バス、D21…電力計測値データ、D22…電力量計測値データ、D23…時刻データ、D30…予納依頼残高データ、D40…登録記録媒体識別データ、D50…電気料金算出条件データ、D51…基本料金データ、D52…契約単位データ、D53…契約種別データ、D54…料金種別データ、D55…料金単価データ、D56…太陽光発電促進付加金単価データ、D57…再生可能エネルギー発電促進賦課金単価データ、D58…電気料金算出周期データ、D60…予納データ、D70…決済データ、D71…計量器識別データ、D72…電力会社関連データ、D73…電子マネー管理会社関連データ、D74…クレジット会社関連データ、D75…時刻データ、D76…電力計測値データ、D77…電力量計測値データ、D78…決済電気料金データ、D10…電子マネーデータ、D11…記録媒体識別データ、D12…電子マネー管理会社識別データ、D13…予納金額データ、D14…電気料金算出周期データ、N…ネットワーク
Claims (3)
- エネルギーの使用量を計測する計測制御部と、
前記使用量に基づき料金を算出する料金算出部と、
電子マネー記録媒体と相互に通信する通信部と、
予納された電子マネーに関する予納情報を管理する予納管理部と、
前記予納情報に基づき料金を決済する決済部と
を備え、
前記予納管理部は、
エネルギーの供給を開始する際に電子マネー記録媒体の登録を受け付ける記録媒体受付部と、
前記記録媒体受付部によって受け付けられた電子マネー記録媒体からの通信であるかを判定する通信判定部と、
前記通信判定部が前記記録媒体受付部によって受け付けられた電子マネー記録媒体からの通信であると判定された電子マネー記録媒体のみから予納を受け付ける予納受付部と
を有することを特徴とする計量装置。 - 前記決済部は、前記エネルギーの供給が停止されたときに前記電子マネーを清算する電子マネー清算部を有し、
前記記録媒体受付部は、前記エネルギーの供給が停止されるまで前記電子マネー記録媒体の変更を禁止する記録媒体変更禁止部を含む請求項1に記載の計量装置。 - 請求項1又は請求項2に記載の計量装置と、電子マネー記録媒体と、料金を算出するための料金算出条件を電子マネー記録媒体の所持者に応じて提供する条件提供装置とを備え、
前記計量装置は、エネルギーの供給を開始する際に前記記録媒体受付部が受け付けた電子マネー記録媒体のみから予納を受け付け、前記条件提供装置から提供される前記料金算出条件に基づき算出した前記料金を予納された電子マネーから決済することを特徴とする料金決済システム。
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