JP2014180284A - 分析用肌画像生成システムおよび分析用肌画像生成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】1種類の照明による1回の撮影により得られた画像データから少なくとも主にキメが写った画像データと、主にシミが写った画像データを得ることができる分析用肌画像生成システムを提供する。
【解決手段】白色LED12により照明された肌を、コンバージョンレンズ11が装着されたカメラ2で撮影する。撮影して得られた画像データの青成分の画像データと、赤成分の画像データとの差分となる画像データを求める。この際に青成分と赤成分とで輝度レベルを合わせるとともに、波形の振幅の大きさを合わせてから差分を求める。青成分には肌表面のキメの画像と、シミの画像が含まれ、赤成分には、主に肌表明のキメの画像が含まれる。したがって、差分の画像データは、主にシミの画像が含まれる。差分の画像データは、シミの分析に用いられる。赤成分の画像データがキメの分析に用いられる。
【選択図】図5
【解決手段】白色LED12により照明された肌を、コンバージョンレンズ11が装着されたカメラ2で撮影する。撮影して得られた画像データの青成分の画像データと、赤成分の画像データとの差分となる画像データを求める。この際に青成分と赤成分とで輝度レベルを合わせるとともに、波形の振幅の大きさを合わせてから差分を求める。青成分には肌表面のキメの画像と、シミの画像が含まれ、赤成分には、主に肌表明のキメの画像が含まれる。したがって、差分の画像データは、主にシミの画像が含まれる。差分の画像データは、シミの分析に用いられる。赤成分の画像データがキメの分析に用いられる。
【選択図】図5
Description
本発明は、肌のキメと肌のシミを分析するための画像を生成する分析用肌画像生成システムおよび分析用肌画像生成方法に関する。
従来、肌を撮影した画像データから肌状態を分析することが行われている。
例えば、画像データから肌のキメ、肌のシミ、肌の色等が分析される。肌のキメとは、肌表面の状態を指すものであり、肌表面には、互いに交差するように多数の溝(皮溝)があり、これら溝の間が少し盛り上がった状態の皮丘となっている。また、肌には毛穴がある。
例えば、画像データから肌のキメ、肌のシミ、肌の色等が分析される。肌のキメとは、肌表面の状態を指すものであり、肌表面には、互いに交差するように多数の溝(皮溝)があり、これら溝の間が少し盛り上がった状態の皮丘となっている。また、肌には毛穴がある。
例えば、キメの状態が良い場合に、毛穴が目立たず、皮溝が浅くかつ比較的整然とした状態となっている。このような肌のキメは、肌表面の状態を示すものであり、キメを分析するためには、肌表面が撮影された画像が用いられる。また、肌の色も、肌表面が撮影されたカラー画像を用いて分析することができる。
それに対して、シミは、肌表面より少し下にメラニンが沈着して形成されるので、肌表面より少し内側の層を撮影する必要がある。肌を照明して撮影した場合に、照明光が肌表面で反射されるだけではなく、照明光の一部は、肌表面を透過して肌表層部内のシミも撮影される。しかし、このように撮影された画像では、肌表面の反射光による画像が主に撮影されることになり、シミの画像が肌表面の画像に隠れ、このシミが明確には見えない状態となっている。
そこで、2枚の偏光板を用いて、肌の表面からの反射光に基づく画像を撮影し難い状態にして、肌の表面を透過してから肌表層部内で反射した反射光に基づく画像が主に撮影される状態にすることが行われている。
すなわち、図8に示すように、照明用の光源41側と撮影用のレンズ(カメラ42)側とにそれぞれ偏光板43,44を配置するとともにこれら偏光板43,44の偏光方向d1,d2を互いに直交するように配置して肌を撮影する。このように撮影した場合に、肌表面45での反射光は、光源側の偏光板43で偏光された偏光方向d1が変化せず、レンズ側の偏光方向が偏光方向d1と直交する偏光方向d2である偏光板44を通過できない。それに対して、肌の表層部46内に透過してから反射した光は、肌の表層部46内での光の多重散乱により偏光方向がランダムになり、レンズ側の偏光板44の偏光方向d2と直交しない偏光方向の光を多く含むことから、偏光板44を通過する。これにより、肌表面45の反射光がカットされた肌表層部46内のシミの画像を得ることができる(例えば、特許文献1参照)。
上述の光源41としては、例えば、白色LEDが用いられる。白色LEDには、複数の方式があるが、例えば、青に発光する青色LEDと、青の光が照射されると黄色の蛍光を発する蛍光体とを備える白色LEDを光源41として用いることができる。このような白色LEDの光源スペクトルは、図9、図10に示すように、青色LEDに基づく青の波長の幅の狭いピークと、蛍光体に基づく黄色の波長に頂点があるとともに緑から赤に至る幅の広いピークからなっている。
ここで、図10のグラフに光源スペクトルが示される白色LED(図10の白色LED)は、図9のグラフに光源スペクトルが示される白色LED(図9の白色LED)と比較して、相対的に青のピークに対して黄色のピークが高くなっている。これにより図10の白色LEDは、肌色の演色性が高く、肌のキメの撮影に適している。それに対して図9の白色LEDは、黄色の光のピークより青の光のピークが高く肌色の演色性は必ずしも高くない。しかし、シミを構成するメラニンは、波長の長い光より波長の短い光の方が吸光度が高く、例えば、赤の光より青の光に対する吸光度が高い。
したがって、シミを撮影する場合に、相対的に青より波長が長い光が多い図10の白色LEDに対して、青の波長の光のピークがそれより波長の短い光より相対的に高い図9の白色LEDを用いた方が、シミのメラニンが多く暗く写る部分と、シミの周囲のメラニンが少なく明るく写る部分との明暗の差が大きくなり、シミの画像が明瞭になる。
したがって、肌の撮影に際し、図9の白色LEDと、図10の白色LEDとの両方を用意しておき、肌のシミの撮影に図9の白色LEDを用い、肌のキメの撮影に図10の白色LEDを用いるように、2種類の照明(白色LED)を使い分けることが好ましい。
ところで、撮影された画像データから肌のキメ、肌のシミ等を分析する場合に、肌のシミの分析用画像を上述のように2枚の偏光板を用いて撮影する場合に、この画像には、肌表面の画像がほとんど含まれていないので、肌のシミ画像とは別に、肌のキメの分析用画像を撮影する必要がある。
すなわち、少なくとも肌のキメと、肌のシミとの両方を分析する場合には、二枚の偏光板を用いて撮影されたシミ分析用画像と、偏光板を用いずに撮影されたキメ分析用画像とが必要となり、一度の分析に対して2回の撮影が必要となる。
また、上述のように肌のキメを撮影する場合の照明光と、肌のシミを撮影する場合の照明光とを使い分けることが好ましく、照明用のLEDとして、2種類のLEDを用いるとともに、肌のキメの撮影と、肌のシミの撮影とで照明を切り替えることになり、照明側での偏光板の有無の切り替えと合わせて撮影が煩雑になる。
なお、肌の色の分析には、肌のキメ用に撮影された画像データがカラーならば、この画像データを用いることが可能である。
なお、肌の色の分析には、肌のキメ用に撮影された画像データがカラーならば、この画像データを用いることが可能である。
また、肌の状態の分析を気軽に家庭で行いたいという要望があり、上述のようなキメ分析用画像や、シミ分析用画像を撮影する家庭用の肌カメラが提案されている。
このような肌カメラは、例えば、スマートフォン等の携帯型電子機器に接続され、肌カメラで撮影された画像をスマートフォンに取り込んで処理したり、取り込んだ画像データを携帯型電子機器からインターネットを介して肌画像の解析等のサービスを行うサーバーに送信したりすることが提案されている。
また、スマートフォンのカメラ部分対応位置に装着し、スマートフォンのカメラで肌分析用の画像を撮影可能とするコンバージョンレンズを有するレンズモジュールも提案されている。
このような肌カメラは、例えば、スマートフォン等の携帯型電子機器に接続され、肌カメラで撮影された画像をスマートフォンに取り込んで処理したり、取り込んだ画像データを携帯型電子機器からインターネットを介して肌画像の解析等のサービスを行うサーバーに送信したりすることが提案されている。
また、スマートフォンのカメラ部分対応位置に装着し、スマートフォンのカメラで肌分析用の画像を撮影可能とするコンバージョンレンズを有するレンズモジュールも提案されている。
これら肌カメラやコンバージョンレンズを有するレンズモジュールにおいて、上述のシミ分析用画像と、キメ分析用画像を撮影するためには、たとえば、偏光板を介して照明するシミ撮影用照明装置と、偏光板を介さずに照明するキメ撮影用照明装置との二つを設け、これら照明装置を切り替えて少なくも二回肌を撮影する必要がある。すなわち、通常の照明用LED以外に偏光板を備える照明用LEDが必要となり、肌カメラやレンズモジュールのコストが高くなる。なお、この場合に、例えば、レンズ側にも偏光板を配置するが、この偏光板はキメ撮影時とシミ撮影時とで移動する必要はない。
また、肌カメラでは、1つの装置の中にカメラ、レンズ、照明が含まれており、これらを肌カメラの制御装置で制御可能である。それに対して、スマートフォンのカメラにレンズモジュールを装着する場合に、スマートフォンに設けられたカメラのLED照明では、カメラから1m程度離れた被写体を撮影するようにセッティングされているので、肌に近接して肌を撮影する場合に、明るすぎて白く色飛びしてしまう可能性がある。また、スマートフォンに設けられたLED照明は、通常の撮影用の照明であり、偏光板がない。
したがって、レンズモジュール側に肌撮影用の照明装置を設ける必要がある。たとえば、偏光板を備える肌のシミ撮影のための照明用LEDと、偏光板を備えない肌のキメ撮影のための照明用LEDをレンズモジュールに備える場合に、偏光板を必要とすることからレンズモジュールのコストが高くなる。
また、2種類の照明を切り替えて撮影する必要があるが、レンズモジュールと、スマートフォンが互いにデータ通信可能に接続されていない場合に、自動的に2種類の照明を切り替えて2度撮影するように制御することが困難である。手動で照明を切り替えて二度撮影する場合に、手動により2種類の照明を切り替えて、2度の撮影を行うことが煩わしいとユーザーに思われる虞がある。
自動的に2種類の照明を切り替えて撮影を行えるようにレンズモジュールにスマートフォンと通信可能なUSBやBluetooth(登録商標)やWiFiやNFC等の周知の各種通信手段を設けるものとした場合に、レンズモジュールのコストが高くなる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、1種類の照明による1回の撮影により得られた画像データから少なくとも主にキメ(皮溝、皮丘、毛穴等)が写った画像データと、主にシミが写った画像データを得ることができる分析用肌画像生成システムおよび分析用肌画像生成方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の分析用肌画像生成システムは、肌のシミを分析可能な肌の画像データを生成する分析用肌画像生成システムであって、
少なくとも赤の光と青の光を含む照明光を被写体に照射可能な照明手段と、
前記照明手段に照明された前記被写体を撮影する撮影手段と、
前記撮影手段に撮影された前記被写体の画像データを記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された前記被写体の画像データを処理する画像処理手段とを備え、
前記画像処理手段は、前記記憶手段に記憶された前記画像データから赤成分の画像データと、青成分の画像データとを抽出する画像抽出手段と、
前記抽出手段で抽出された前記赤成分の画像データと、前記青成分の画像データとの明るさのレベルを合わせ、前記青成分の画像データと前記赤成分の画像データとの差分となる差分画像データを算出する差分算出手段とを備えることを特徴とする。
少なくとも赤の光と青の光を含む照明光を被写体に照射可能な照明手段と、
前記照明手段に照明された前記被写体を撮影する撮影手段と、
前記撮影手段に撮影された前記被写体の画像データを記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された前記被写体の画像データを処理する画像処理手段とを備え、
前記画像処理手段は、前記記憶手段に記憶された前記画像データから赤成分の画像データと、青成分の画像データとを抽出する画像抽出手段と、
前記抽出手段で抽出された前記赤成分の画像データと、前記青成分の画像データとの明るさのレベルを合わせ、前記青成分の画像データと前記赤成分の画像データとの差分となる差分画像データを算出する差分算出手段とを備えることを特徴とする。
また、本発明の分析用肌画像生成方法は、肌のシミを分析可能な肌の画像データを生成する分析用肌画像生成方法であって、
少なくとも赤の光と青の光を含む照明光を被写体に照射して撮影された画像データから赤成分の画像データと、青成分の画像データとを抽出し、
抽出された前記赤成分の画像データと、前記青成分の画像データとの明るさのレベルを合わせた後に、前記青成分の画像データと前記赤成分の画像データとの差分となる差分画像データを求めることを特徴とする。
少なくとも赤の光と青の光を含む照明光を被写体に照射して撮影された画像データから赤成分の画像データと、青成分の画像データとを抽出し、
抽出された前記赤成分の画像データと、前記青成分の画像データとの明るさのレベルを合わせた後に、前記青成分の画像データと前記赤成分の画像データとの差分となる差分画像データを求めることを特徴とする。
これらのような構成によれば、少なくとも青の光と赤の光を含む照明光で照明された状態の被写体としての肌を撮影して得られた一つの画像データから肌のキメを分析するための肌の表面が撮影された肌のキメの分析用の画像データと、肌の表層部内のシミが撮影された(シミがある場合)肌のシミの分析用の画像データを得ることができる。
メラニンからなるシミは、青の光を赤の光より吸収するので、赤の光で撮影した場合よりも青の光で撮影した方が、シミを明確に撮影できる。言い換えれば、赤の光で撮影した画像ではシミの画像が薄くなり、シミの分析が困難になる。また、赤の光で撮影された画像では、シミが薄くなるので、肌表面の画像がより鮮明になる。
青の波長の光は、必ずしも肌内部への透過性が高くないが、青の光は、シミが形成される肌表層部、すなわち、肌の浅い部分まで透過するとともに、上述のようにメラニンに吸収され、シミの部分が暗くなるように撮影される。但し、肌表面で反射される青の反射光が撮影されるので、肌表面の画像とシミの画像が混在した状態であり、シミの画像を明確に認識することができない。
そこで、青成分の画像データから赤成分の画像データを差し引くと、青成分の画像データから肌表面の画像が消されて肌表層部内のシミの画像(シミがある場合)が残ることになる。
但し、赤成分の画像データと青成分画像データでは、ベースとなる明るさ(輝度)のレベルが異なるので、赤成分の画像データと青成分画像データとの差分となる画像データを算出する前に、赤成分の画像データと青成分画像データとで明るさのレベルを合わせる必要がある。
上述の青成分の画像データから主に肌表面の画像が含まれる赤成分の画像データが差し引かれた差分画像データには、肌表層部内のシミを分析するのに好適な画像が含まれることになる。キメの分析用画像データとしては、上述の照明手段で照明されて撮影手段で撮影された被写体の画像データをそのまま用いることができるとともに、上述のようにシミの画像を含まない赤成分の画像データを用いることができる。
この場合に、シミと肌表面との両方の画像をそれぞれある程度のレベル以上に含む青成分の画像データから主に肌表面の画像(シミを含まない画像)である赤成分の画像データを差し引くことにより肌表面の画像を取り除けるので、従来のようにシミの撮影に2枚の偏光板を必要とせず、撮影手段および照明手段のコストの低減を図ることができる。
また、1種類の照明で1回の撮影を行うことにより、キメの分析用の画像データと、シミの分析用の画像データとの両方を得られるので、従来のように偏光板を通過する照明と、通過しない照明との2種類の照明とを切り替えて2回撮影する必要がない。
したがって、スマートフォンのカメラにコンバージョンレンズを有するレンズモジュールをセットして撮影する際に、2種類の照明を切り替えて2回撮影する必要がないので、容易に撮影を行うことができ、必ずしも撮影を自動化するためにレンズモジュールとスマートフォンとの間で比較的高価な通信手段を用いなくてもよい。したがって、キメとシミの撮影が容易になるとともに、撮影手段および照明手段のコストを低減できる。
また、赤の波長と青の波長を含む照明光は、白色光であってもよく、照明手段の照明光を白色光とすることにより、赤、青、緑の成分を含む画像データを肌の色を分析するための画像データとすることができる。したがって、一度の撮影で肌のキメ・シミ・色の分析が可能な3種類(キメと色を同じ画像データで分析する場合に2種類)の画像データを得ることができる。
また、肌の状態の分析後も画像データを保存する場合に、撮影時の元の画像データを保存するものとすれば、一人の1回の撮影に対して一つの画像データを保存すればよいので例えば、インターネットを介した肌画像分析サービスで、多くのユーザーから送られた画像データを記憶して保管する場合に、記憶容量を削減することができる。
本発明の前記分析用肌画像生成システムおよび前記分析用肌画像生成方法において、前記差分画像データを肌のシミの分析用の画像データとし、前記赤成分の画像データを肌のキメの分析用の画像データとすることが好ましい。
これらのような構成によれば、肌を撮影した1つの画像データから算出された差分画像データを肌のシミの分析に用いることができ、かつ、差分画像データを算出の際に画像データから抽出された赤成分の画像データを肌のキメの分析に利用できる。したがって、従来のように照明光における偏光板の有無を変更して、肌のシミ用の撮影と、肌のキメ用の撮影とを別々に行う必要がなく、シミとキメの分析用の画像データの取得を容易にすることができる。
本発明の前記分析用肌画像生成システムにおいて、前記差分算出手段段は、前記抽出手段で抽出された前記赤成分の画像データと、前記青成分の画像データとにおいて互いに近似する波形の振幅を互いに略同じになるように合わせた後に、前記差分画像データを求めることが好ましい。
また、本発明の前記分析用肌画像生成方法において、前記差分画像データを求める前に、抽出された前記赤成分の画像データと、前記青成分の画像データとにおいて互いに近似する波形の振幅を互いに略同じになるように合わせることが好ましい。
これらのような構成によれば、赤成分の画像データと、青成分の画像データとは、それぞれ肌表面の画像を含み、同じ肌表面を撮影していることから画像データの水平方向や垂直方向の波形が近似することになるが、上述のように赤成分の画像データと青成分の画像データでは明るさのレベルが異なるので、明るさのレベルを合わせる必要がある。さらに、青成分の画像データと赤成分の画像データの肌表面の画像に基づく波形が近似していても赤成分と青成分とでは相似的に振幅が異なるので、差分画像データを求める際に、明るさのレベルだけではなく、振幅も合わせることにより、青成分の画像データから肌表面の画像をより精度高く除去することができる。
また、本発明の前記分析用肌画像生成システムにおいて、携帯型電子機器に搭載されたカメラと、当該カメラに装着されるレンズモジュールに設けられた肌撮影用のコンバージョンレンズとから前記撮影手段が構成され、
前記レンズモジュールに前記照明手段が設けられていることが好ましい。
前記レンズモジュールに前記照明手段が設けられていることが好ましい。
このような構成によれば、照明の種類を切り替えて複数回撮影しなくとも、1種類の照明で1回撮影すれば、キメとシミとの両方を分析可能な画像データを得られるので、レンズモジュールとスマートフォン等の携帯型電子機器との間に通信手段を設けなくても容易に肌の撮影を行うことができる。
本発明によれば、1種類の照明下での1回の撮影により、キメとシミの分析が可能であり、撮影を容易なものにできる。また、シミの撮影に偏光板を必要とせず、コストの低減を図ることができる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
この実施の形態の分析用肌画像生成システムは、図1および図2に示すように、デジタルカメラ(撮像素子を備えるカメラ2)を備えた携帯型電子機器としてのスマートフォン1と、スマートフォン1のカメラ2に装着されて肌を拡大して接写するための2枚のレンズ11a,11bからなるコンバージョンレンズ11および撮影の照明用のLED12を有するレンズモジュール10とを備える。
この実施の形態の分析用肌画像生成システムは、図1および図2に示すように、デジタルカメラ(撮像素子を備えるカメラ2)を備えた携帯型電子機器としてのスマートフォン1と、スマートフォン1のカメラ2に装着されて肌を拡大して接写するための2枚のレンズ11a,11bからなるコンバージョンレンズ11および撮影の照明用のLED12を有するレンズモジュール10とを備える。
分析用肌画像生成システムにおいて、上述のLED12が肌を照明する照明手段となり、前記カメラ2とコンバージョンレンズ11が前記照明手段に照明された肌を撮影する撮影手段となる。また、分析用肌画像生成システムは、照明手段により照明された被写体としての肌を撮影手段で撮影して得られた画像データを記憶する記憶手段と、この画像データからシミ分析用の画像データ、キメ分析用の画像データを生成するための画像処理手段とを備える。この記憶手段をスマートフォン1の後述のフラッシュメモリ4とし、画像処理手段をスマートフォン1の後述の制御装置3としてもよい。
すなわち、図3に示すように、スマートフォン1には、そのカメラ2の位置に、コンバージョンレンズ11と少なくとも青の光と赤の光を照射するLED12からなる照明手段aを備えるレンズモジュール10が装着され、コンバージョンレンズ11とカメラ2とから撮影手段bが構成されている。また、スマートフォン1は、フラッシュメモリ4から構成される記憶手段cを備えており、照明手段aに照明されて撮影手段bで撮影された肌の画像データが一旦記憶手段cに記憶される。
また、スマートフォン1は、通信手段dを備え、移動体通信網に接続したり、無線LANに接続したりすることによりインターネットhに接続可能であり、上述の記憶手段cに記憶された肌の画像データをインターネットhを介して、データ管理サーバー(サーバー)gに送信するようになっている。データ管理サーバーgは、各スマートフォン1から送信される肌の画像データから肌の状態を分析し、肌の状態がどの程度良い状態(または悪い状態)かの判定を行う。
また、データ管理サーバーgは、肌の画像データや肌状態の分析の判定結果のデータ等を例えばユーザー毎に管理し、これらデータをスマートフォン1を用いてユーザーに閲覧可能にするとともに、例えば、化粧品会社等の肌関係の企業から個人を特定可能な情報を除いて肌の画像データや、肌の状態の分析の判定結果等のデータを使用可能にする。
このようなデータ管理サーバーgは、インターネットhを介してスマートフォン1とデータ通信可能とする通信手段iと、スマートフォン1からインターネットを介して送信された肌の画像データや、この肌の画像データの分析による肌状態の判定結果等が登録される肌履歴データベースjを備える。また、データ管理サーバーgは、画像処理手段kとして機能する制御装置を備え、この制御装置は、撮影された画像データから後述のように青成分の画像データと、赤成分の画像データをそれぞれ抽出する抽出手段eとして機能する。
また、画像処理手段kは、青成分の画像データと赤成分の画像データとで後述のように明るさのレベルを合わせ、さらに、赤成分の画像データを構成する画像信号と、青成分の画像データを構成する画像信号とで近似する波形における振幅の大きさを合わせた後に、青成分の画像データと赤成分の画像データとの差分となる差分画像データを算出する差分算出手段fとして機能する。
また、画像処理手段kは、上述の赤成分の画像データを用い、周知の判定アルゴリズムにより、肌のキメの状態の良し悪しの判定結果を生成するとともに、上述の差分画像データを用い、周知の判定アルゴリズムにより、肌のシミの状態の良し悪しの判定結果を生成する分析判定手段mとして機能する。また、分析判定手段mによる判定結果は、各ユーザ−に関連付けて記憶手段としての肌履歴データベースjに記憶される。
なお、図4に示すように、撮影された肌の画像データの処理をスマートフォン1で行うものとしてもよく、スマートフォン1は、上述の照明手段a、撮影手段b、記憶手段cに加えて、上述の画像処理手段k、抽出手段e、差分算出手段f、分析判定手段mを備える。分析判定手段mによる判定結果のデータは、分析に用いられた肌の画像データに関連付けて記憶手段cに記憶される。
また、撮影手段bは、上述のカメラ2とレンズモジュール10のコンバージョンレンズ11とからなるものだけではなく、コンバージョンレンズ11を用いた場合と同様に肌を撮影可能な単体の肌カメラ5であってもよい。この肌カメラ5は、スマートフォン1と、例えば、USB等の通信手段を介してデータ通信可能にされており、撮影された画像データは、肌カメラからスマートフォン1に送信されて記憶手段cに記憶される。なお、肌カメラ側にフラッシュメモリ等の記憶装置を設け、肌カメラに撮影された画像データを記憶可能になっていてもよい。
レンズモジュール10は、上述のコンバージョンレンズ11およびLED12と、LED12を駆動するLED駆動回路14と、これらを収容する筐体10aとを備える。筐体10a内で、コンバージョンレンズ11の二枚のレンズ11a,11bは、バレル20aに支持され、カメラ2のマスターレンズ(図示略)の前に、カメラ2のマスターレンズの光軸と二枚のレンズ11a、11bの光軸とを略合わせるように配置される。
また、筐体10aは、バレル20aの前側(被写体側)にレンズ筐体20を備える。レンズ筐体20は、先端面が被写体としての肌の撮影時に肌に当接する当接部20bとされ、当接部20bが肌に当接した状態で外光を遮るようになっている。また、当接部20bには、開口部20cが形成され、肌の開口部20cに臨む部分が撮影されるようになっている。
バレル20aは、レンズ11aおよびレンズ11bからなるコンバージョンレンズ11を支持した状態で、筐体10a内のレンズ筐体20の基端側(カメラ2に装着される側)に固定されている。また、筐体10a内には、図1および図2に示すように、レンズ筐体20の当接部20bの開口部20cに向けて撮影用の照明光を照射するLED12およびこのLED12を駆動するLED駆動回路14を備えた回路基板13が支持されている。
また、回路基板13には、例えば、1つのLED12が備えられるが、例えば、複数のLED12がそれぞれ異なる位置から肌を照明するように設けられていてもよい。
なお、肌のキメが明確な画像を撮影する上では、肌に対して斜めに光を照射する一つのLED12を配置することが好ましいが、肌の撮影範囲の明るさを平均化する上では、複数のLED12を複数箇所に配置することが好ましい。また、キメは基本的に肌の凹凸であり、1つの光源から肌に斜めに光を照射することにより、肌の凹凸の影が明確になり、肌の凹凸が分かり易い画像となる。
LED駆動回路14の中には昇圧回路・定電圧回路を設けているので使用時のLED照度低下問題が発生しないようになっている。
また、レンズ筐体20により撮影領域に外乱光が入射しないように遮光状態になっている。したがって、常に略一定の撮影条件が確保できるようになっており、撮影ごとの撮影条件の差の基づく画像補正処理を不要としている。
また、レンズ筐体20により撮影領域に外乱光が入射しないように遮光状態になっている。したがって、常に略一定の撮影条件が確保できるようになっており、撮影ごとの撮影条件の差の基づく画像補正処理を不要としている。
また、レンズモジュール10は、LED12、LED駆動回路14等に電力を供給する電池を備えた電源回路18と、電源スイッチ(図示略)を備える。
この電源スイッチは、手動でオン・オフを切り替える機械スイッチであってもよい。
この電源スイッチは、手動でオン・オフを切り替える機械スイッチであってもよい。
また、レンズ筺体20の肌への当接部20bにプッシュスイッチを設けること等によりレンズ筺体20の当接部20bが肌に当接した際に自動的にスイッチが入る構造としてもよい。
たとえば、レンズ筐体20と当接部20bとが別部材とされ、当接部20bがレンズ筐体20から被写体側に移動自在にレンズ筐体20に支持され、弾性部材(付勢手段)により当接部20bが被写体側に付勢される構造とし、常時はレンズ筐体20と当接部20bとが所定距離だけ離れた状態とする。また、レンズ筐体20には、当接部20bとの間にプッシュスイッチ等の押圧されることにより電源がオンとなり、押圧が解除されるとオフになるスイッチが設けられている。このような構造により、被写体である肌に当接部20bが当てられて、弾性部材による付勢力に抗して、当接部20bがレンズ筐体20側に移動した際に、スイッチが押圧されてオンとなり、当接部20bを肌から離した際に肌側に付勢されている当接部20bがスイッチから離れて電源がオフとなる。
また、レンズ筐体20内部に光電スイッチが設けられ、レンズ筐体20の当接部20bに肌を当接させてレンズ筐体20内への光の進入が遮られた際に、筺体内部が暗くなったことにより光電スイッチがオンになる構造であってもよい。
たとえば、レンズ筐体20と当接部20bとが別部材とされ、当接部20bがレンズ筐体20から被写体側に移動自在にレンズ筐体20に支持され、弾性部材(付勢手段)により当接部20bが被写体側に付勢される構造とし、常時はレンズ筐体20と当接部20bとが所定距離だけ離れた状態とする。また、レンズ筐体20には、当接部20bとの間にプッシュスイッチ等の押圧されることにより電源がオンとなり、押圧が解除されるとオフになるスイッチが設けられている。このような構造により、被写体である肌に当接部20bが当てられて、弾性部材による付勢力に抗して、当接部20bがレンズ筐体20側に移動した際に、スイッチが押圧されてオンとなり、当接部20bを肌から離した際に肌側に付勢されている当接部20bがスイッチから離れて電源がオフとなる。
また、レンズ筐体20内部に光電スイッチが設けられ、レンズ筐体20の当接部20bに肌を当接させてレンズ筐体20内への光の進入が遮られた際に、筺体内部が暗くなったことにより光電スイッチがオンになる構造であってもよい。
スマートフォン1は、周知の通り携帯電話としての機能を有し、無線回線を用いた通話が可能となっている。また、スマートフォン1は、図示しないディスプレイを有するとともに、無線回線によりインターネットに接続可能であり、インターネットを介してeメールの送受信が可能である。さらに、アプリケーション(アプリ)としてのブラウザによりウェブサイトの閲覧が可能になっている。また、例えば、ウェブサイト等のサーバーに対してファイルのアップロードが可能で、ウェブサイト等のサーバーからファイルのダウンロードが可能になっている。
また、スマートフォン1は、CPU、ROM、RAM等を有する制御装置3を備え、上述のプログラムとしてのアプリを実行可能になっている。また、制御装置3には、記憶装置としてのフラッシュメモリ4が接続されており、ダウンロードしたアプリ(プログラム)や、音楽ファイル、動画ファイル等を保存可能になっている。すなわい、動画ファイルおよび静止画ファイルには、カメラ2で撮影された画像データが含まれる。
また、制御装置3は、カメラ2を制御して撮影が可能であるとともに、撮影した画像データをフラッシュメモリ4に保存することができる。また、画像処理や画像解析用のアプリにより画像データの解析や分析の処理が可能である。
また、制御装置3は、カメラ2を制御して撮影が可能であるとともに、撮影した画像データをフラッシュメモリ4に保存することができる。また、画像処理や画像解析用のアプリにより画像データの解析や分析の処理が可能である。
この実施形態においては、LED12で照明された被写体としての肌をレンズモジュール10を用いてカメラ2で撮影して得られた静止画像データを画像処理することによりシミを分析可能な画像データを生成するようになっており、その画像処理は、スマートフォン1の制御装置3で行われる。
なお、上述のようにスマートフォン1から画像データを上述のデータ管理サーバーに送って、データ管理サーバー側において、スマートフォン1で撮影された画像データを記憶するとともにこの画像データの画像処理を行ってシミの分析に用いられる画像データを得るものとしてもよい。
なお、上述のようにスマートフォン1から画像データを上述のデータ管理サーバーに送って、データ管理サーバー側において、スマートフォン1で撮影された画像データを記憶するとともにこの画像データの画像処理を行ってシミの分析に用いられる画像データを得るものとしてもよい。
ここで、スマートフォン等に内蔵されるカメラを含む一般的なデジタルカメラでは、撮像素子に各画素に対応して赤、緑、青の単色のフィルタを所定パターンで配列したカラーフィルタを用いる場合がある。この場合に、各画素のセンサによって、赤成分を撮影するセンサと、緑成分を撮影するセンサと、青成分を撮影するセンサとがあることになる。これら各位置の各色のセンサからの値は、対応するフィルタを透過した光の明るさ(輝度)を示すものとなる。
各画素毎の輝度のデータは、RAWデータとしてそのまま出力される場合もあるが、通常は、補間処理や色調整等により各画素毎に赤、緑、青、すなわち、RGBの値を有するカラー画像データに変換されてカメラから出力される。なお、カラーフィルタは、必ずしも赤、緑、青のパターンではなく、これらの補色等を用いたり、3色ではなく4色のフィルタを用いる場合があり、また、画像データとしてはRGB方式だけではなく、その他の方式の画像データもあるが、いずれにしろ、各画素の色がRGBの値で示されるRGB方式の画像データに変換することが可能である。
各画素がRGBの値で示される画像データで、各画素毎にRの値だけを用いた画像データ、すなわち、GとBの値を0とした画像データが赤成分の画像データであり、各画素において、RとBの値を0として、Gの値だけを用いた画像データが緑成分の画像データであり、各画素において、RとGの値を0として、Bの値だけを用いた画像データが青成分の画像データである。すなわち、各画素のRGB値からなる画像データにおいて、RGBのうちの二つの値を0とすることにより、赤成分の画像データ、緑成分の画像データ、青成分の画像データを抽出可能である。
赤成分の画像データを表示すると赤の濃淡の画像となり、緑成分の画像データを表示すると緑の濃淡の画像となり、青成分の画像データを表示すると青の濃淡の画像となる。この場合に、例えば、赤成分の画像データをキメの分析に用いる場合に、赤の濃淡からなる画像が見づらく思われる可能性がある。
そこで、赤成分の画像データにおいて、Gの値とBの値を0ではなく、Rと同じ値にすることにより白黒画像(グレースケールの画像)に変換することができる。緑成分の画像データ、青成分の画像データにおいても、同様にRGB値をGの値またはBの値に揃えることで、グレースケールの画像に変換することができる。
また、後述の差分となる画像データは、基本的に赤成分と青成分との輝度の差となり、グレースケールの画像データとして扱うことになる。
ここで、グレースケールの画像データを画像処理により肌色にするものとしてもよい。
ここで、グレースケールの画像データを画像処理により肌色にするものとしてもよい。
この場合に、例えば、後述のように撮影された肌画像データを色補正した後に、補正処理した肌画像を用いて基準肌色を決定し、上記各画素のRGBの各値を設定することにより、肌色ベースのキメ画像・シミ画像を得ることができる。
例えば、所定の明るさにおけるRGBの各値を設定する。この際には、たとえば、RGBの各値をR:98/256、G:68/256、B:58/256等のように設定し、これを肌色のパターンとし、上述の肌色に変換されるグレースケースの画像の輝度の変化に対応して、上述のパターンのままRGBの各値を上下させることにより、肌色のグラデーションからなる画像データを得ることができる、
さらに、上記肌画像から画素の輝度値の「ゆらぎ」パターンを計算してRGBの各値を設定することにより、より実際の肌らしい肌色ベースのキメ画像・シミ画像を得ることができる。すなわち、上述のパターンを各画素において少しだけずらすようにすることで、より自然な肌色を表現できる。
前記LED12は、肌を照明する照明手段であり、例えば、白色LEDが用いられている。白色LEDには、複数種類あり、例えば、青色LEDと青い光が照射されると黄色に光る蛍光体とを組み合わせた白色LEDと、紫外線を出力する紫外線LEDに紫外線が照射されると赤、緑、青に発光する複数種の蛍光体を組み合わせた白色LEDと、青く発光する青色LED、緑に発光する緑色LEDと、赤く発光する赤色LEDとを組み合わせた白色LEDとがある。
これら白色LEDのいずれを使用してもよいが、この実施形態における照明手段としては、少なくとも青の光と、赤の光とを含む光を発光していることが好ましい。青の光は、例えば、450〜495nmの波長の光であり、赤の光は、例えば、620〜750nmの光であり、上述の各白色LEDから発光される光に含まれる。なお、上述の各波長範囲内の波長の光を全て含んでいる必要はなく、各波長範囲の一部の波長を含んでいればよい。また、可視光の波長の範囲は、例えば、380〜750nmであり、基本的には可視光の長波長側と短波長側の光が含まれていればよい。
次に、上述の画像処理手段としてのスマートフォン1の制御装置3で行われる画像処理について説明する。
ここで、シミは、肌表層部内に沈着したメラニンから形成されている。また、メラニンの吸収スペクトルでは、波長が短いほど吸光度が高くなる傾向となっており、波長の長い赤の光より波長の短い青の光の方がより吸収される。
ここで、シミは、肌表層部内に沈着したメラニンから形成されている。また、メラニンの吸収スペクトルでは、波長が短いほど吸光度が高くなる傾向となっており、波長の長い赤の光より波長の短い青の光の方がより吸収される。
したがって、メラニンの多い部分は、撮影された画像データの青成分では暗くなるが、赤成分ではそれほど暗くならず、青成分の方が赤成分よりシミが明確になる。
すなわち、肌表層部において、メラニンの量が多いシミの部分と、メラニンの量が少ないシミ以外の部分があり、赤成分の画像データでは、メラニンの赤の光の吸光度が低いので、メラニン量の多いシミの部分でも赤の光が少ししか吸収されずにカメラ2側に反射される。したがって、シミの部分でも画像データ上の輝度があまり下がらない。
すなわち、肌表層部において、メラニンの量が多いシミの部分と、メラニンの量が少ないシミ以外の部分があり、赤成分の画像データでは、メラニンの赤の光の吸光度が低いので、メラニン量の多いシミの部分でも赤の光が少ししか吸収されずにカメラ2側に反射される。したがって、シミの部分でも画像データ上の輝度があまり下がらない。
シミの量の少ない部分では、さらに赤の光の吸収が少なくなるが、赤成分の画像データ上でシミの部分の輝度と、シミ以外の部分の輝度の差は小さくなる。したがって、赤成分の画像データにおいては、シミの画像が明と暗との差が小さいコントラストの低い画像となり、シミは写っているが、シミとシミ以外の部分の明暗差が少なくシミが見難い画像データとなる。
それに対して、青成分の画像データでは、メラニンの青の光の吸光度が高いので、肌表層部内のメラニンの多いシミの部分を反射した青の光は、シミの部分で多くを吸収されてカメラ2側に反射される。したがって、メラニンに多くを吸収された青の光の反射を撮影した青の画像データでは、メラニンの量の多いシミがより暗く写ることになる。また、青の光においても、シミ以外のメラニン量の少ない部分では、青の光はあまり吸収されない。したがって、シミの部分とそれ以外の部分との暗と明との差が大きく、コントラストの高い画像となり、シミが見易い画像となる。
したがって、相対的ではあるが、赤成分の画像データには肌表面の画像が主な画像となり、シミの画像はかなり薄い状態となるのに対して、青成分の画像データには、肌表面の画像が含まれるとともに、赤の場合よりも濃い(暗い)シミの画像が含まれる。
図5は、肌の表面画像として、キメの皮溝を互いに交差する複数の線で模式的に示すとともに、肌表層部内のシミを雲状に模式的に示した画像データの模式図であり、B(青成分)の画像データには、互いに交差する線で表される肌表面(皮溝)の画像と、雲状に表される肌表層部内のシミの画像とが含まれる(シミがある場合)ことになる。
図6(a)は、撮影された画像データ51をグレースケールの画像として示したものであり、図6(b)は、赤成分の画像データ52をグレースケールの画像として示したものである。また、図6(c)は、後述のように青成分の画像データと赤成分の画像データ52との差分となる画像データ53をグレースケールで示したものである。
また、R(赤成分)の画像データでも基本的に肌表面の画像と肌表層部内のシミの画像とが含まれることになるが、シミの画像があっても青成分の画像データに比較してシミが薄い状態となり、シミが見難い状態となっている。すなわち、図6に示す画像データにおいて、撮影された画像データ51には、青成分のシミの画像が含まれ、キメの画像と混ざっているが、赤成分の画像データ52では、シミの画像が薄くなっており、撮影された画像データよりキメが見易い画像データとなる。
ここで、青成分、赤成分とは、例えば、画像データをRGBで表した場合のBの値(明るさ、輝度)とRの値(明るさ、輝度)である。
図7は、赤成分の画像データと、青成分の画像データとにおいて、画像データ上の同じ垂直位置の一本の水平ラインの各画素の輝度をグラフ(波形)として示したものであり、グラフ30には、上側の赤成分の波形と下側の青成分の波形が図示されている。これらの赤成分の波形と青成分の波形とには、それぞれ、図5において、模式的に複数の交差する線で示された肌表面の画像を示す同じ波形が含まれることから、赤成分の波形と青成分の波形とが近似した形状となっている。
また、赤成分の波形と、青成分の波形とで異なる部分の一部は、青成分の画像データで赤成分の画像データより濃く表示されるシミによる波形に基づくものである。
したがって、青成分の画像データと赤成分の画像データの差分を求めれば、青成分の肌の表面の画像とシミの画像とから肌の表面の画像が除かれ、シミの画像が残り、肌表面の画像に邪魔されることなく、シミの画像が見易い状態になる。
したがって、青成分の画像データと赤成分の画像データの差分を求めれば、青成分の肌の表面の画像とシミの画像とから肌の表面の画像が除かれ、シミの画像が残り、肌表面の画像に邪魔されることなく、シミの画像が見易い状態になる。
しかし、図7のグラフ30に示すように、赤成分の画像データと、青成分の画像データとの間には大きな輝度の差があり、差分の画像データを求める際に、この輝度の差をなくす必要がある。
また、輝度は青成分の画像データより、赤成分の画像データの方が高くなるが、各波形を見た場合に、主に肌表面の反射光に基づく波形の振幅は、赤成分の画像データより青成分の画像データの方が大きくなる。
したがって、肌表面の画像が含まれない差分画像データを求めるためには、青成分と赤成分とで波形の振幅を合わせることが好ましい。
したがって、肌表面の画像が含まれない差分画像データを求めるためには、青成分と赤成分とで波形の振幅を合わせることが好ましい。
また、グラフ30では、赤成分の画像データの波形のベースラインと、青成分の画像データの波形のベースラインとが求められている。なお、グラフ30中の式は、ベースラインを示す式である。また、前記式で示されるベースラインは、グラフの波形に対して近似曲線を求めたものであり、ここでは二次曲線として近似曲線を求めている。
これら2本のベースラインで示されるように、中央部分の輝度が高く、左右両端の部分の輝度が低くなっている。これは、LED12による照明が肌の撮影範囲の中央部が明るく、周縁部が暗くなっているためであり、照明による画像のむらである。このような照明に基づく画像データ上の位置による明るさの違いは、LEDの設置個所を増やすことにより小さくなるが、複数方向から肌を照らした場合に、影がなくなり、例えば、肌の凹凸である皮溝や毛穴が見づらい画像となる。
すなわち、肌表面の画像は、光源の配置箇所数が少ない方が肌の凹凸であるキメを分析し易い画像データとなる。すなわち、肌表面を示す波形において、光源の配置箇所数が少ない方が振幅が大きくなり、光源の配置箇所が増加すると、振幅が小さくなり、皮溝や毛穴が目立たない画像となってしまう。
画像データ上の照明に基づく輝度の違い(むら)は、周知のシェーディング補正により補正可能であり、補正することが好ましい。
また、上述の差分画像データを求める式は、例えば、赤成分の輝度レベルをRとし、青成分の輝度レベルをBとし、求められる差分をDとした場合に、D=α(B−β・(R―k))となる。
また、上述の差分画像データを求める式は、例えば、赤成分の輝度レベルをRとし、青成分の輝度レベルをBとし、求められる差分をDとした場合に、D=α(B−β・(R―k))となる。
ここで、α、β、kは、係数であるが、kは、上述の青成分と赤成分の輝度のレベルの差であり、青成分より輝度が高い赤成分の画像データから輝度のレベルの差としてのkを減算することにより、青成分と赤成分とで輝度(明るさ)のレベルが合わせられる。kは、赤成分と青成分との輝度のレベルの差、例えば、上述の赤成分の輝度の波形のベースラインと、青成分の輝度の波形のベースラインとの差から求められる。
また、βは、上述の赤成分の波形と、青成分の波形との振幅の差を減少させるための係数であり、例えば、青成分の波形の各ピークと、これらピークの対応する赤成分の各ピークそれぞれの比から求められるものであり、たとえば、赤成分の波形のピークの高さにβを乗算すると、赤成分のピークの高さと、青成分のピークの高さの差が減少することになる。
αは、差分が求められた後に、差分のデータの値の大きさを調整するためのもので、分析し易いレンジになるように差分の値を調整するものである。
RGB方式の画像データでは、各画素にそれぞれRGBの各値が割り付けられており、上述のように青の光と赤の光を含む白色LEDで照明された光で撮影された画像データをRGB形式の画像データとし、各画素におけるRの値と、Bの値を上述のD=α(B−β・(R―K))の式に代入してDを求めることになる。
RGB方式の画像データでは、各画素にそれぞれRGBの各値が割り付けられており、上述のように青の光と赤の光を含む白色LEDで照明された光で撮影された画像データをRGB形式の画像データとし、各画素におけるRの値と、Bの値を上述のD=α(B−β・(R―K))の式に代入してDを求めることになる。
この場合に、図5に模式的に示すように肌のキメの画像と肌のシミの画像とを含む青成分の画像データから主に肌のキメを含む赤成分の画像データを除くことにより、差分画像データを求めた場合に、差分画像データは、主に肌のシミの画像を有する画像データになる。この画像データでは、図6(c)の差分の画像データ53に示すように、肌表面の皮溝等の画像が除かれて、主に肌表層部内のシミが写った画像となる。
また、図7のグラフ30に示すように、輝度のレベルと波形の振幅の大きさが異なる赤成分の画像データと、青成分の画像データとにおいて、輝度のレベルと波形の振幅の大きさを合わせると、グラフ31に示すように、互いに近似した波形を示す赤成分の画像データと、青成分の画像データが重なった状態となるが、これら画像データでは、主に青成分に含まれるシミの画像に基づく差がある。そこで、グラフ32に示すように、これらの画像データの差分データ(D)を求めることにより、肌表面の画像をあまり含まず、主にシミの画像を含む差分画像データを得るこができる。
そして、各画素で求められたDの値からなる差分画像データには、上述のように肌表面の画像と肌表層部内のシミの画像とが含まれる青成分の画像データから、シミの画像が薄く主に肌表面の画像からなる赤成分の画像データを減算することにより、肌表面の画像を略含まない肌表層部内のシミの画像が含まれる。
この差分画像データが、肌のシミを分析するための画像データとなる。
この差分画像データが、肌のシミを分析するための画像データとなる。
また、差分画像データを求める際に用いた元のカラーの画像データのうちの上述のようにシミの画像をほとんど含まない赤成分の画像データを肌の表面のキメの分析用の画像データとすることができる。なお、シミの影響があるが、撮影されて処理されていない元のカラーの画像データをキメの分析用画像データとしてもよい。
また、元の画像データは、白色LED(LED12)で照明されたカラーの画像データであり、このデータを肌の色の分析用画像データとすることができる。なお、この場合に、ホワイトバランスを取ることが好ましいが、スマートフォン1のカメラ2には、ホワイトバランス機能が備えられており、これによりホワイトバランスを取ることができる。
この分析用肌画像生成システムにおける分析用肌画像生成方法においては、上述の画像処理手段の機能により、青の光と赤の光を含む白色LEDにより撮影された画像データの各画素において、青成分と赤成分の差分をD=α(B−β・(R―K))の式に基づいて算出することにより、シミの分析用画像を得ることができる。また、上述のように元の画像データまたは赤成分の画像データを肌のキメの分析用画像データとすることができる。さらに、元の画像データのホワイトバランスを取ることにより肌の色の分析用の画像データを得ることができる。
ここで、ホワイトバランス等の色バランスを精度高くとるためには、例えば、レンズモジュール10や肌カメラ5を最初に使う際、すなわち、これらを購入後1回だけ、肌カメラに付属された基準白色のテストチャートを撮影し、スマホ内部あるいは上述のサーバーサイドで、撮影白色画像が基準白色となる補正値を決定し、スマートフォン1のフラッシュメモリ4やサーバー側の記憶措置等のいずれかに記憶しておく。
肌撮影時または撮影後には、撮影された肌画像に上記補正値を用いて色補正を行うことにより、適切な肌画像を得ることができる。
なお、白色のテストチャートに代えて、複数または単色の有彩色の印刷されたテストチャートを用いてもよい。
なお、白色のテストチャートに代えて、複数または単色の有彩色の印刷されたテストチャートを用いてもよい。
また、レンズモジュール10、肌カメラ5の撮影範囲内に上述のテストチャートを設け、撮影画像に上記テストチャートが写り込むようにし、この写り込んだテストチャートを毎回補正値を決定し、この補正値を用いて撮影された肌画像を補正するようにしてもよい
以上のことから、このような分析用肌画像生成システムおよび分析用肌画像生成方法にあっては、偏光板を用いることなく、肌表面より内側の肌表層部のシミを分析可能な画像データを得ることができるので、肌の撮影装置において、撮影用の照明側と撮影用のレンズ側に互いに偏光方向が直交する偏光板を用いる必要がなく、肌を撮影するための専用の肌カメラやスマートフォン1等の携帯型電子機器のカメラに肌撮影機能を付加するコンバージョンレンズ11と照明用のLED12を有するレンズモジュール10において、コストの低減を図ることができる。
また、一度の撮影により、肌のシミの分析用画像データと、肌のキメの分析用画像データと、肌の色の分析用画像データを得ることが可能であり、肌の分析のための肌画像の撮影を容易なものとし、各ユーザーが自分で肌を撮影する場合に、ユーザーの負荷を軽減することができる。
また、携帯型電子機器のデジタルカメラにレンズモジュール10を装着して肌画像を撮影する際に、例えば、照明の種類を切り替えたり、撮影の各種設定を切り替えたりすることなく、所定の照明で一回の撮影を行うことにより、上述の肌のシミ、キメ、色をそれぞれ分析可能な画像データを得ることができるので、撮影を自動化しなくても、容易に撮影を行うことができる。
また、撮影を自動化するものとしても、従来のように照明や設定を切り替えて複数回の撮影を行う必要がないので、基本的にコンバージョンレンズ11と、照明用のLED12を有するレンズモジュール10側の電源を入れてLED12を点灯した状態で、例えば、スマートフォン1側で肌撮影用のアプリを起動して自動的に撮影を行わせるか、逆にアプリを起動してから、アプリの指示に基づいてLED12を点灯するためにレンズモジュール10の電源を入れた後に撮影を自動で行うだけであり、レンズモジュール10とスマートフォン1との間で特に通信を必要とせず、通信手段を設けることによりレンズモジュール10のコストが高くなるのを防止できる。
上述のサーバーでは、スマートフォン1から送信される肌画像データを例えば各スマートフォン1のユーザー毎に、肌履歴用データベースに記憶し、例えば、ユーザーがいつでも見られるようにしたり、化粧品メーカー等で利用可能にしたりすることが考えられる。この場合に、これまではキメ画像とシミ画像(+肌画像)を登録しておく必要があった。それに対してこの分析用肌画像生成システムにおいては、一枚の肌画像データを記憶しておけば、いつでも、キメ、シミ、肌色の各分析用の画像データを得られるので、サーバーに必要とされる記憶容量を少なくすることができる。
なお、LED12の設置個所は、肌の凹凸であるキメを分析する画像データを得る上では、凹凸の影が濃くなるように一個所が好ましいが、シミの分析する画像データを得る上では、肌表面の画像が取り除かれることから、明るさの照明むらをなくすために、複数箇所であることが好ましい。但し、上述のようにシェーディング補正を行うことによりLED12が一箇所に配置される構成であっても照明むらの問題を解消できる。
1 スマートフォン(携帯型電子機器)
2 カメラ(撮影手段b)
3 制御装置(画像処理手段k、抽出手段e、差分算出手段f)
4 フラッシュメモリ(記憶手段c)
10 レンズモジュール
11 コンバージョンレンズ(撮影手段b)
11a レンズ
11b レンズ
12 LED(照明手段a)
2 カメラ(撮影手段b)
3 制御装置(画像処理手段k、抽出手段e、差分算出手段f)
4 フラッシュメモリ(記憶手段c)
10 レンズモジュール
11 コンバージョンレンズ(撮影手段b)
11a レンズ
11b レンズ
12 LED(照明手段a)
Claims (7)
- 肌のシミを分析可能な肌の画像データを生成する分析用肌画像生成システムであって、
少なくとも赤の光と青の光を含む照明光を被写体に照射可能な照明手段と、
前記照明手段に照明された前記被写体を撮影する撮影手段と、
前記撮影手段に撮影された前記被写体の画像データを記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された前記被写体の画像データを処理する画像処理手段とを備え、
前記画像処理手段は、前記記憶手段に記憶された前記画像データから赤成分の画像データと、青成分の画像データとを抽出する抽出手段と、
前記抽出手段で抽出された前記赤成分の画像データと、前記青成分の画像データとの明るさのレベルを合わせ、前記青成分の画像データと前記赤成分の画像データとの差分となる差分画像データを算出する差分算出手段とを備えることを特徴とする分析用肌画像生成システム。 - 前記差分画像データを肌のシミの分析用の画像データとし、前記赤成分の画像データを肌のキメの分析用の画像データとすることを特徴とする請求項1に記載の分析用肌画像生成システム。
- 前記差分算出手段は、前記抽出手段で抽出された前記赤成分の画像データと、前記青成分の画像データとにおいて互いに近似する波形の振幅を互いに略同じになるように合わせた後に、前記差分画像データを求めることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の分析用肌画像生成システム。
- 携帯型電子機器に搭載されたカメラと、当該カメラに装着されるレンズモジュールに設けられた肌撮影用のコンバージョンレンズとから前記撮影手段が構成され、
前記レンズモジュールに前記照明手段が設けられていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の分析用肌画像生成システム。 - 肌のシミを分析可能な肌の画像データを生成する分析用肌画像生成方法であって、
少なくとも赤の光と青の光を含む照明光を被写体に照射して撮影された画像データから赤成分の画像データと、青成分の画像データとを抽出し、
抽出された前記赤成分の画像データと、前記青成分の画像データとの明るさのレベルを合わせた後に、前記青成分の画像データと前記赤成分の画像データとの差分となる差分画像データを求めることを特徴とする分析用肌画像生成方法。 - 前記差分画像データを肌のシミの分析用の画像データとし、前記赤成分の画像データを肌のキメの分析用の画像データとすることを特徴とする請求項5に記載の分析用肌画像生成方法。
- 前記差分画像データを求める前に、抽出された前記赤成分の画像データと、前記青成分の画像データとにおいて互いに近似する波形の振幅を互いに略同じになるように合わせることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の分析用肌画像生成方法。
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JP2018175848A (ja) * | 2017-04-04 | 2018-11-15 | カシオ計算機株式会社 | 医療用撮像装置 |
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CN116754548A (zh) * | 2022-07-12 | 2023-09-15 | 黑龙江省农业科学院食品加工研究所 | 一种加工稻米留皮度的测定方法 |
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2013
- 2013-03-16 JP JP2013054455A patent/JP2014180284A/ja active Pending
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