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JP2014171629A - 内視鏡装置用補助具及びこれを用いた内視鏡装置 - Google Patents

内視鏡装置用補助具及びこれを用いた内視鏡装置 Download PDF

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JP2014171629A
JP2014171629A JP2013046232A JP2013046232A JP2014171629A JP 2014171629 A JP2014171629 A JP 2014171629A JP 2013046232 A JP2013046232 A JP 2013046232A JP 2013046232 A JP2013046232 A JP 2013046232A JP 2014171629 A JP2014171629 A JP 2014171629A
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Masaru Ueki
賢 植木
Koichiro Kawaguchi
剛一郎 河口
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Abstract

【課題】早期胃癌等の病変部を切除する際に病変部を隆起させて病変部の下層を剥離し易くする、糸付きの把持具と共に使用するための内視鏡装置用補助具及びこれを用いた内視鏡装置を提供すること。
【解決手段】本発明の一実施形態に係る内視鏡装置用補助具10Aは、内視鏡装置15の先端に着脱可能に装着する円筒状の装着部11と、鉗子の挿通が可能なガイドチューブ12と、を備え、ガイドチューブ12は、円筒状の装着部11の外周面に固定されていると共に、ガイドチューブ12の筒状の装着部11の外周面に固定されている箇所を除いた位置に、先端から後端に向かって所定長さのスリット14が形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、内視鏡的粘膜切除術(Endoscopic mucosal resection…EMR)や内視鏡的粘膜下層剥離術(Endoscopic Submucosal Dissection…ESD)等に使用する内視鏡装置用補助具及びこれを用いた内視鏡装置に関し、特に早期胃癌等の病変部を切除する際に病変部を隆起させて病変部の下層を剥離し易くする、糸付きの把持具と共に使用するための内視鏡装置用補助具及びこれを用いた内視鏡装置に関する。
従来から、食道、胃、小腸、大腸等の消化管の中に鉗子口を有するシースないし着脱式のシースを装着した内視鏡を用いて早期胃癌等の病変部を切除することが行われている。この早期胃癌等の切除術では、EMRに加えて、大きな病変部を切除するために高周波ナイフ(ITナイフ、フレックスナイフ、フックナイフ等)を用いて病変粘膜を剥離するESDが普及している。ESDでは、たとえば早期胃癌等の病変部を切除する場合、粘膜下層と筋層との間に生理食塩水を注入して病変部を隆起させ、スネアや高周波ナイフを用いて粘膜下層の切開、剥離を行うが、内視鏡手術によって胃に穴が開く胃壁穿孔率は、最近の処置具の進化や技術の向上により低下しているが、約2〜4%と高率であるため、安全に病変部を切除することが課題となっている。このため、
このような早期胃癌等の病変部の典型的な切除方法を図9を用いて説明する。なお、図9A〜図9Dは従来の病変部の切除法を順を追って説明する斜視図であり、図9Eは図9BのIXE−IXE線に沿った断面図、図9Fは図9CのIXF−IXF線に沿った断面図である。
まず、図9Aに示したように内視鏡下において病変部51の周囲数カ所にマーキング52を施し、次いで、図9B及び図9Eに示したように、このマーキング52点を目標にして粘膜層53と筋層54との間(粘膜下層)に生理食塩水55等を適宜量局注して病変部51を隆起させる。その後、図9C及び図9Fに示したように、ITナイフ56等を用いて病変部51の周囲を切開し、必要に応じて図示しない他の高周波ナイフ、フックナイフ等により病変部51と筋層54とを剥離する。そして、切除された病変部51を三脚、五脚を用いて捕獲し、内視鏡を引き抜いて病変部51を回収する。一方、EMRでは、図9Dに示したように、金属製の輪(スネア)57でしばり、切除する。この場合、図示しない内視鏡の一つの処置具誘導チャンネルから生理食塩水注入具、ITナイフ、スネア等の内視鏡処置具を相互に交換して挿入することにより処置が行われる。
しかしながら、上述のような生理食塩水を局所注入して病変部を隆起させた場合、注入された生理食塩水は時間の経過とともに粘膜下層に拡散するので、人工的に形成した粘膜隆起は徐々に平坦になって行く。病変部の切開、剥離には十分な病変部の隆起が必要であり、この病変部の隆起が十分でないと筋層の穿孔の可能性が高くなる。従って、病変部を切除する場合、局所注入した生理食塩水が拡散して粘膜隆起が平坦になった場合、再度生理食塩水を局所注入したり、保水能力の高いヒアルロン酸を局所注入して病変部を隆起させることが行われているが、他の手段を併用して隣接する筋層ないしは正常組織との間の間隔を広げることも知られている。
ここで、下記特許文献1及び2に開示されている病変部の切除方法を図10及び図11を用いて説明する。なお、図10Aは従来の内視鏡用フードの正面図であり、図10B〜図10Eは図10Aに示した内視鏡フードを用いた病変部の切除方法を順を追って説明する図である。また、図11A〜図11Cは従来の内視鏡処置具を用いた病変部の切除方法を順を追って説明する図である。
下記特許文献1に開示されている内視鏡用フード60は、図10Aに示したように、内視鏡装置61の先端部の外周面に着脱可能に装着される円筒状の装着部62と、この装着部62の外周面に取着された鉗子の挿通が可能なガイドチューブ63とを備えている。この内視鏡用フード60は、図10B〜図10Eに示したように、内視鏡装置61の鉗子チャンネル(図示省略)を介して、消化管の表層64における病変部65の周囲にマーキング66を施し、次いで、この鉗子チャンネルを介して、病変部65の粘膜下層に生理的食塩水、ヒアルロン酸ナトリウム溶液等の薬剤を局注することにより、病変部65を隆起させる。そして、鉗子チャンネルに挿通したフックナイフ等の切開用ナイフ67aにより、病変部65の全周を切開し、カット部68を形成する。
次に、図10Cに示すように、ガイドチューブ63に挿通した把持鉗子69により、病変部65を把持し、ガイドチューブ63方向に引き付ける。このようにすると、ガイドチューブ63は、その軸が内視鏡装置61の軸と交差する方向に、装着部62に取着されているので、病変部65が内視鏡装置61の先端部に対して斜め上方に隆起させられる。この結果、病変部65直下の剥離すべき部分に対し、十分なカウンタートラクションの効果を得ることができるとともに、内視鏡装置61に対して十分な視野を確保することができる。そこで、次に、図10Dに示すように、鉗子チャンネルに挿通したITナイフ67bにより、病変部65直下の粘膜下層を切開し、剥離する。病変部65直下の粘膜下層の剥離が進行したならば、把持鉗子69は、病変部65直下の更に奥の部分を把持して、ガイドチューブ63方向に引き付け、図10C及び図10Dの動作を繰り返す。この結果、粘膜下層を切開して剥離する際の作業性を飛躍的に向上させることができ、最終的には図10Eに示すように、病変部65を含む部分を広範囲に一括切除することができる。
また、下記特許文献2に開示されている内視鏡処置具70は、図11Aに示されているように、周知の留置用の把持具71に糸72を取り付けたものからなり、周知の処置具取付具(図示省略)を用い、内視鏡装置73の鉗子口74を経て病変部75に当接させることにより、病変部75を把持するものである。この内視鏡処置具70は、粘膜層76と筋層ないしは正常組織77との間に生理食塩水等78を局注することによって病変部75を隆起させた後、鉗子口74の先端から把持具71を病変部75に押し当て、押えリング71aを移動させて一対の爪部71bを閉じることにより、把持具71の一対の爪部71bで病変部75を把持することができる。そして、この把持具71は病変部75を把持した状態で残存させておく。
このような操作を複数回繰り返すことにより、図11Bに示したように、複数の把持具71によって病変部75を把持し、内視鏡装置73の鉗子口74に挿入された先端が曲げられた可撓性シース79を利用するとともに、操作部側から複数の糸72を引くことによって、病変部75を持ち上げて病変部75と隣接する筋層ないしは正常組織77との間の間隔を広げることができる。そのため、図11Cに示したように、たとえばITメス80等による病変部の切除を行い易くなるという効果を奏するものである。
特開2010−273709号公報 特開2007−143869号公報
上記特許文献1に開示されている内視鏡用フード60を用いると、ガイドチューブ63を介して把持鉗子69のような強い力による病変部65の把持ができるとともに、広い視野が確保できるという優れた効果を奏することができる。しかしながら、この内視鏡用フード60では、最適なガイドチューブ63の先端から病変部65までの長さがガイドチューブ63の先端部の取り付け角度によって定まってしまうため、把持鉗子69の動きに遊びがなく、操作者によるITメス等の内視鏡処置具の操作中に把持した病変部65も一緒に動いてしまうという課題が存在している。
また、上記特許文献2に開示されている内視鏡処置具70によれば、留置用の把持具71は糸72によって内視鏡操作部から操作されるため、操作者によるITメス等の内視鏡処置具の操作中に内視鏡装置73が動くことがあっても、この内視鏡装置73の動きは把持具71に伝わり難いので、把持した病変部75が動き難いという利点を有している。しかしながら、糸をそのまま引っ張ると病変部は内視鏡装置に近づくだけで視野がとれないので、粘膜を効率よく反転挙上させて切開する粘膜下層を見やすくするために、可撓性シース79を用い、内視鏡装置73の鉗子口74から連続し、内視鏡装置73の近位側(内視鏡装置の操作部に近い側)の鉗子口の孔からでた糸72を、別途ガイドワイヤーを可撓性シース79内に挿入した状態で、ガイドワイヤーの先端に結わえ、ガイドワイヤーを引き抜いて糸を可撓性シース79内に導入し、可撓性シース79を鉗子口74から胃の内腔へ導入する必要があった。この操作により、可撓性シース79を釣り竿のように使用することで、切除する粘膜を効率よく反転挙上させて切開する粘膜下層を見やすくすることができる。
一方、
また、上記特許文献2に開示されている内視鏡処置具70によれば、
留置用の把持具71は糸72によって内視鏡操作部から操作されるため、操作者によるITメス等の内視鏡処置具の操作中に内視鏡装置73が動くことがあっても、この内視鏡装置73の動きは把持具71に伝わり難いので、把持した病変部75が動き難いという利点を有している。しかしながら、糸をそのまま引っ張ると病変は内視鏡に近づくだけで視野がとれないので、粘膜を効率よく反転挙上させて切開する粘膜下層を見やすくするために、可撓性シース79を用い、内視鏡装置73の鉗子口74から連続し、内視鏡装置の近位側(内視鏡操作部に近い側)の鉗子口の穴からでた糸72を、別途ガイドワイヤーを可撓性シース79内に挿入した状態で糸72をガイドワイヤーの先端に結わえ、ガイドワイヤーを引き抜いて糸を可撓性シース79内に導入し、可撓性シース79を鉗子口74から胃の内腔へ導入する必要があった。この操作により、可撓性シース79を釣竿のように使用することで、切除しようとする粘膜を効率よく反転挙上させて切開する粘膜下層を見やすくすることができる。
一方、複数の把持具71を用いる場合には、糸72を結わいたクリップ71のセットを必要個数分、切除しようとする粘膜の辺縁に取付け、その後、上記と同様の操作を行っていた。たとえば、糸付きクリップが3本であるとすると、はじめに3個の糸付きクリップを切除する粘膜の辺縁に固定し、その後、内視鏡装置の近位側(内視鏡操作部に近い側)の鉗子口の穴からでた3本の糸を、可撓性シース79内に挿入されたガイドワイヤーの先端と結び、3本の糸72を一気に可撓性シース79の中に通す。その後は同様に可撓性シース79を胃の内腔へ導入し、切除する粘膜を釣り上げている。このように、1セットの糸付きクリップであっても、3セットの糸付きクリップであっても、可撓性シース79の中にガイドワイヤーを通した後、極細の糸を結わえるという準備が煩雑であり、太さ0.1mm程度の細い糸を使用するので、ガイドワイヤーにゆるみ無く結ぶことも面倒であった。
本発明は、上記のような従来技術の問題点を解決すべくなされたものであって、把持具の挿入操作が簡単であり、病変部の把持が確実で、しかも、内視鏡装置に取付けて用いた際には、視野が広く、極細の糸を結わえる操作を行う必要もなく、ITナイフ等の内視鏡処置具の操作時にも把持した病変部が動き難い内視鏡装置用補助具及びこれを用いた内視鏡装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の糸付きの把持具と共に使用するための内視鏡装置用補助具は、内視鏡の先端に着脱可能に装着する円筒状の装着部と、鉗子の挿通が可能なガイドチューブと、を備える、糸付きの把持具と共に使用するための内視鏡装置用補助具において、前記ガイドチューブは、前記円筒状の装着部の外周面に固定されていると共に、前記円筒状の装着部の外周面に固定されている箇所を除いた位置に、先端から後端側に向かってスリットが形成されていることを特徴とする。
本発明の内視鏡装置用補助具は、糸付きの把持具と共に使用するためのものであり、内視鏡の先端部に着脱可能に装着される円筒状の装着部と、鉗子の挿通が可能なガイドチューブとを備えている。なお、ガイドチューブが円筒状の装着部の外周面に固定されている内視鏡装置用補助具は、たとえばインパクトシューター(登録商標名)として周知のものである。本発明の内視鏡装置用補助具は、このような周知の内視鏡装置用補助具において、ガイドチューブとして、ガイドチューブの円筒状の装着部の外周面に固定されている箇所を除いた位置に、先端側から後端側に向かってスリットが形成されているものを用いたものである。
これにより、内視鏡装置の操作部側からガイドチューブ内に糸付きのクリップ等の把持具を周知の把持具取付具によって挿入し、把持具によって病変部を把持した後、把持具取付具をガイドチューブから抜き去り、内視鏡装置の操作部側から糸及び内視鏡装置を操作することにより、把持具が病変部を把持した状態で糸をガイドチューブに形成されたスリットの後端側まで移動させることができる。この状態で更に糸を手前に引くことにより、病変部を持ち上げることができ、しかも、内視鏡装置の先端側の視野が開けるので、内視鏡装置内に挿通されたITメス等の切開具による病変部の下層の剥離を行いやすくなる。
しかも、複数の把持部を挿入する場合、一度把持具取付具をガイドチューブから抜き出した後、予め準備しておいた別の糸付きの把持具を把持具取付具に取り付けて再度ガイドチューブ内に挿入することができるので、別の把持具を容易にかつ短時間で病変部近傍まで挿入することができる。しかも、先に病変部に把持させた把持具の糸は、遊びを持たせることができると共に内視鏡装置の視野外に位置させることができるので、別の把持具によって再度病変部の把持を容易に行うことができる。
なお、本発明の内視鏡装置用補助具のガイドチューブに形成するスリットの位置は、ガイドチューブの円筒状の装着部の外周面に固定されている箇所を除いた位置であれば任意であるが、ガイドチューブの円筒状の装着部の外周面に固定されている箇所とは対向する位置に形成すると、内視鏡装置を糸から離間する方向に移動するだけでスリット内に糸が容易に移動できるようになる。また、本発明の内視鏡装置用補助具においては、病変部の持ち上げ高さを高くして各種処置を行いやすくするために、スリットは円筒状の装着部の後端よりも1〜5cm程の長さに設けられていることが好ましい。この長さが1cmよりも短いと病変部の持ち上げ高さ小さくなり、また、5cmを超えると病変部に力が加わり難くなるとともに、内視鏡に追従していない剥き出しになった糸が粘膜を傷つける可能性があるので、好ましくない。
また、本発明の内視鏡装置用補助具においては、円筒状の装着部の先端側には先細の環状先端部が設けられているものとしてもよい。円筒状の装着部の先端側に先細の環状先端部が設けられていると、この先細の環状先端部を切開部の開口内に挿入することにより、切開部の開口が拡径して大きくなるので、病変部と隣接する筋層ないしは正常組織との間に容易に潜り込ませることができるようになる。
また、本発明の内視鏡装置用補助具においては、先細の中空環状先端部は、2分割された先細の半環状先端部からなり、前記2分割された先細の半環状先端部の一方は、円筒状の装着部に対して開閉可能に取り付けられているとともに、先端側に糸が接続されており、この糸は前記ガイドチューブ内を後端側まで延在されているものとしてもよい。
このような構成を採用すると、糸を緩めた状態では先細の中空環状先端部とした場合と同様の構成となり、糸を後端側から引くことによって2分割された先細の半環状先端部の一方を開くことができるようになる。そのため、係る態様の内視鏡装置用補助具によれば、糸を緩めた状態で病変部と隣接する筋層ないしは正常組織との間に容易に潜り込ませることができるようになるとともに、糸を引くことによってより病変部を持ち上げることができ、しかも、内視鏡装置の先端側の視野が開けるので、内視鏡装置内に挿通されたITメス等の切開具による病変部の下層の剥離を行いやすくなる。
また、本発明の内視鏡装置用補助具においては、先細の中空環状先端部は、2分割された先細の半環状先端部からなり、前記2分割された先細の半環状先端部のそれぞれは、円筒状の装着部に対して開閉可能に取り付けられているとともに先端側に糸が接続されており、スリットが形成されているガイドチューブは、2本が前記円筒状の装着部の側面の直径方向の両端に設けられており、前記糸は、それぞれ個別に前記2本のガイドチューブ内を通されて、後端側まで延在されているものとしてもよい。
このような構成を採用すると、糸を緩めた状態では先細の中空環状先端部とした場合と同様の構成となり、糸を後端側から引くことによって2分割された先細の半環状先端部の両方を開くことができるようになる。そのため、係る態様の内視鏡装置用補助具によれば、糸を緩めた状態で病変部と隣接する筋層ないしは正常組織との間に容易に潜り込ませることができるようになるとともに、糸を引くことによってより病変部を持ち上げることができ、しかも、内視鏡装置の先端側の視野が開けるので、内視鏡装置内に挿通されたITメス等の切開具による病変部の下層の剥離を行いやすくなる。
また、本発明の内視鏡装置用補助具においては、ガイドチューブのスリットが形成されている内面側には、前記スリットを塞ぐように粘着テープが貼付されており、前記粘着テープの先端側には糸が結びつけられており、前記糸はガイドチューブ内を通されて、後端側まで延在されているものとしてもよい。
このような構成を採用すると、糸を緩めた状態ではガイドチューブのスリットは裏側から粘着テープで塞がれた状態となり、糸を引くことによって粘着テープを剥離して除去することができる。そのため、係る態様の内視鏡装置用補助具によれば、糸を緩めた状態では、この内視鏡装置用補助具を取り付けた内視鏡装置を体腔内に挿入した際、スリットに粘膜が挟み込まれることがないので、粘膜に傷を与えがたくなる。その後に糸を引いて粘着テープを剥離して除去すれば、スリットの機能を有効に利用し得る内視鏡装置用補助具が得られる。
また、本発明の内視鏡装置用補助具においては、ガイドチューブのスリットが形成されている内面及び外面の少なくとも一方には、前記スリットの後端側の外面ないし内面に、粘着テープが貼付されており、前記粘着テープによって、前記スリットの長さが所定長となるように設定されているものとしてもよい。
このような構成を採用すると、ガイドチューブとして一定の長めのスリットが形成されたもののみを用意しておけば、適宜粘着テープを利用することによってスリットの長さが所定長となるようにできるので、経済的となる。
なお、本発明の内視鏡装置用補助具における先細の環状先端部は、透光性材料で形成されていることが好ましい。先細の環状先端部が透光性材料で形成されていれば、内視鏡装置の先端部側だけでなく周囲も照明することができるので、内視鏡装置の視野が広がり、内視鏡装置内に挿通されたITメス等の切開具による病変部の下層の剥離をより行いやすくなる。
また、本発明の内視鏡装置用補助具においては、ガイドチューブは、その先端が円筒状の装着部の先端よりも後端側の位置となるように、前記円筒状の装着部の外周面に固定されていることが好ましい。ガイドチューブの先端が円筒状の装着部の先端よりも後端側に位置していると、内視鏡装置を糸から離間する方向に移動するだけでスリット内に糸がより容易に移動できるようになる。
更に、上記目的を達成するため、本発明の糸付きの把持具と共に使用するための内視鏡装置用補助具は、内視鏡の先端部に着脱可能に装着される円筒状の装着部と、鉗子の挿通が可能なガイドチューブと、を備える内視鏡装置用補助具において、前記ガイドチューブは、前記円筒状の装着部の後端との間に帯状部材又は線状部材によって一体に結合されていることを特徴とする。
本発明の内視鏡装置用補助具は、ガイドチューブの先端と円筒状の装着部の後端との間の距離を帯状部材又は線状部材によって任意の長さに設定できるので、内視鏡装置の操作部側からガイドチューブ内に糸付きのクリップ等の把持具を周知の把持具取付具によって挿入し、把持具によって病変部を把持した後、把持具取付具をガイドチューブから抜き去り、内視鏡装置の操作部側から糸及び内視鏡装置を操作することにより、把持具が病変部を把持した状態で病変部を持ち上げることができ、しかも、内視鏡装置の先端側の視野が開けるので、内視鏡装置内に挿通されたITメス等の切開具による病変部の下層の剥離を行いやすくなる。
しかも、複数の把持部を挿入する場合、一度把持具取付具をガイドチューブから抜き出した後、予め準備しておいた別の糸付きの把持具を把持具取付具に取り付けて再度ガイドチューブ内に挿入することができるので、別の把持具を容易にかつ短時間で病変部近傍まで挿入することができる。しかも、先に病変部に把持させた把持具の糸は、遊びを持たせることができると共に内視鏡装置の視野外に位置させることができるので、別の把持具によって再度病変部の把持を容易に行うことができる。
なお、本発明の内視鏡装置用補助具においては、ガイドチューブの先端と円筒状の装着部の後端との間の距離は、帯状部材又は線状部材の長さによって任意に設定し得るが、病変部の持ち上げ高さを高くして各種処置を行いやすくするために、1〜5cm程度が好ましい。この距離が1cmよりも短いと病変部の持ち上げ高さ小さくなり、また、5cmを超えると病変部に力が加わり難くなるとともに、内視鏡に追従していない剥き出しになった糸が粘膜を傷つける可能性があるので、好ましくない。なお、ガイドチューブの先端と円筒状の装着部の後端との間に帯状部材又は線状部材が存在していないと、内視鏡装置に円筒状の装着部及びガイドチューブを取り付けた際に、円筒状の装着部の後端とガイドチューブの先端との間の距離にばらつきが生じるので、操作者の使い勝手にばらつきが生じてしまう。
なお、円筒状の装着部の先端側には先細の環状先端部が設けられているものとすると、この先細の環状先端部を病変部と隣接する筋層ないしは正常組織との間に容易に潜り込ませることができるようになり、病変部と隣接する筋層ないしは正常組織との間の間隔を広げやすくなる。さらに、先細の環状先端部が透光性材料で形成されていると、内視鏡装置の先端部側だけでなく、側面も照明することができるので、内視鏡装置の視野が広がり、操作者が各種操作を行いやすくなる。
更に、上記目的を達成するため、本発明の内視鏡装置用補助具を備える内視鏡装置は、上記いずれかに記載の内視鏡装置用補助具と、内視鏡装置とを有し、前記内視鏡装置の先端には前記内視鏡装置用補助具の前記円筒状の装着部が取り付けられ、前記内視鏡装置の外周面には前記ガイドチューブが固定されていることを特徴とする。
本発明の内視鏡装置用補助具を備える内視鏡装置によれば、上記の内視鏡装置用補助具の作用効果を奏することができる内視鏡装置が得られる。
図1Aは実施形態1の内視鏡装置用補助具の正面図であり、図1Bは同じく平面図であり、図1Cは図1Aの内視鏡装置用補助具を内視鏡装置に取り付けた状態を示す斜視図である。 図2Aは本発明の内視鏡装置用補助具で使用する把持具の分解斜視図であり、図2Bは図2Aの把持具の組立後の斜視図であり、図2Cは図2Bの把持具を使用するための処置具取付具の一部拡大斜視図である。 図3A〜図3Dは実施形態1の内視鏡装置用補助具と図2Bの把持具とを用いて病変部を切開してから採取するまでの工程を順を追って説明する図である。 図4Aは実施形態2の内視鏡装置用補助具の正面図であり、図4Bは同じく平面図であり、図4Cは実施形態2の内視鏡装置用補助具を取り付けた内視鏡装置の先端部を切開した病変部の内部に挿入した状態を示す図3Cに対応する図である。 図5Aは実施形態3の内視鏡装置用補助具の正面図であり、図5Bは同じく平面図であり、図5Cは図5Aの内視鏡装置用補助具を内視鏡装置に取り付けた状態を示す斜視図である。 図6Aは実施形態4の内視鏡装置用補助具の正面図であり、図6Bは同じく平面図であり、図6Cは図6Aの内視鏡装置用補助具を操作した場合の正面図であり、図6Dは図6Aの内視鏡装置用補助具を内視鏡装置に取り付けた内視鏡装置の先端部を切開した病変部の内部に挿入した状態を示す斜視図である。 図7Aは実施形態5の内視鏡装置用補助具の正面図であり、図7Bは同じく平面図であり、図7Cは図7Aの内視鏡装置用補助具を操作した場合の正面図である。 図8Aは実施形態6の内視鏡装置用補助具の正面図であり、図8Bは同じく平面図であり、図8Cは図8Aの内視鏡装置用補助具の操作途中の正面図である。 図9A〜図9Dは従来の病変部の切除法を順を追って説明する斜視図であり、図9Eは図9BのIXE−IXE線に沿った断面図、図9Fは図9CのIXF−IXF線に沿った断面図である。 図10Aは従来の内視鏡用フードの正面図であり、図10B〜図10Eは図10Aに示した内視鏡フードを用いた病変部の切除方法を順を追って説明する図である。 図11A〜図11Cは従来の内視鏡処置具を用いた病変部の切除方法を順を追って説明する図である。
以下、本発明の内視鏡装置用補助具及びこれを用いた内視鏡装置を図面を参照しながら説明するが、以下に示す内視鏡装置用補助具及びこれを用いた内視鏡装置は、本発明をこれらのものに限定することを意図するものではなく、本発明は特許請求の範囲に示した技術思想を逸脱することなく種々の変更を行ったものにも均しく適用し得るものである。なお、この明細書における説明のために用いられた各図面においては、各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各部材毎に適宜縮尺を異ならせて表示しており、必ずしも実際の寸法に比例して表示されているものではない。また、本明細書における「先端側」及び「後端側」という用語は、内視鏡装置を基準として、内視鏡装置の挿入部が存在する側が「先端側」、内視鏡装置の操作部が存在する側が「後端側」をそれぞれ意味するものとして用いられている。
[実施形態1]
実施形態1の内視鏡装置用補助具を図1を用いて説明する。なお、図1Aは実施形態1の内視鏡装置用補助具の正面図であり、図1Bは平面図であり、図1Cは図1Aの内視鏡補助具を内視鏡装置に取り付けた状態を示す斜視図である。
この実施形態1の内視鏡装置用補助具10Aは、円筒状の装着部11と、ガイドチューブ12と、処置具挿入用端子13とを備えている。円筒状の装着部11は、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート等の比較的硬質で透明な部材で形成されており、内視鏡装置の先端側に取り付けることができる内径、例えば、5〜15mmとされており、全長は10〜25mm程度であればよい。円筒状の装着部11として透明な材料からなるものを使用すると、内視鏡装置の先端部側だけでなく、側面も照明することができるので、内視鏡装置の視野が広がり、操作者が各種操作を行いやすくなる。
また、ガイドチューブ12は、医療用に普通に使用されている可撓性樹脂からなるものであれば任意に選択して使用し得るが、曲げた際に潰れないようにするため、複層構造のものであってもよい。なお、ガイドチューブ12の内径は使用する処置具挿入具を通すことができる程度であればよく、長さは内視鏡装置の操作部まで延在できる程度に選択すればよい。
実施形態1の内視鏡装置用補助具10Aでは、ガイドチューブ12の先端が円筒状の装着部11の先端と一致するように接合されており、ガイドチューブ12の後端には処置具挿入用端子13が設けられている。なお、ガイドチューブ12の先端は、円筒状の装着部11に接合されていれば必ずしも円筒状の装着部11の先端と一致している位置に装着されている必要はない。
そして、このガイドチューブ12には、ガイドチューブ12の先端側から後端側に向かって、所定長さにわたって、スリット14が形成されている。スリット14の長さは、円筒状の装着部11を内視鏡装置に取り付けた際に、スリット14の末端が内視鏡装置の先端よりも後端側に位置するようになっていれば一応の作用効果を奏することができるが、スリット14の円筒状の装着部11の後端からの長さLは1〜5cm程度とすることが好ましい。この長さLが短すぎると,詳細は後述するが、病変部の持ち上げ高さが小さくなり、また、長すぎると病変部に力が加わり難くなるとともに、内視鏡に追従していない剥き出しになった糸が粘膜を傷つける可能性がある。また、スリット14の幅は、後述する糸を自由に通すことができる程度の幅、例えば0.1〜0.5mmであればよいが、先端側は糸が容易にスリット14内に入ることができるようにするために先端側に向かってテーパ状に拡幅されてることが好ましい。
この実施形態1の内視鏡装置用補助具10Aは、図1Cに示したように、円筒状の装着部11の後端を内視鏡装置15の先端側に嵌め込み、ガイドチューブ12を複数箇所にわたってテープ16によって固定して使用される。なお、テープ16はシリコンゴム製のものが好ましい。また、ガイドチューブ12に取り付けられている処置具挿入用端子13は、内視鏡装置15の操作部15aの近傍に位置させておけばよい。このように内視鏡装置用補助具10Aと内視鏡装置15とが一体化され、体腔内の病変部の切除に用いることができるようになる。
次に、上述の内視鏡装置用補助具10A及び内視鏡装置15と共に用いるための処置具及び処置具取付具の構成を図2を用いて説明する。なお、図2Aは本発明の内視鏡装置用補助具で使用する処置具の分解斜視図であり、図2Bは図2Aの処置具の組立後の斜視図であり、図2Cは図2Bの処置具を使用するための処置具取付具の一部拡大斜視図である。
この処置具20は、一対の爪部21と、一対の爪部21の結合部分21aに接続された糸22aと、押さえリング23と、連結板24とを有している。この処置具20は、病変部の把持を行うためのものであり、例えばオリンパス光学株式会社よりクリップ(商品名…HX−600−090)として市販されているものの表面をプラズマCVD法により窒化硅素からなる絶縁被膜を形成したものを用いた。なお、この絶縁皮膜としては窒化硅素だけでなく酸化硅素からなるものも使用でき、また、プラズマCVD法による窒化硅素又は酸化硅素からなる絶縁被膜の形成方法は、周知のものであるのでその詳細な説明は省略する。また、糸としては、テグス等の極細のものを用いることが好ましい。
この処置具20のうち、結合部分21aで互いに結合された一対の爪部21と、これらの一対の爪部21と結合部分21aとの間の周囲に移動可能に設けられた押えリング23とが把持具27を構成する。一対の爪部21は、先端部分が互いに相手の爪部に向かって屈曲されており、これらの屈曲された先端部分は押えリング23の操作により開閉自在となっている。すなわち、一対の爪部21は、長さ方向の中間部分が交差し、交差部分よりも後端側が相互に離れる方向に湾曲されてた後に互いに結合されて結合部分21aとなり、この結合部分21aは、糸22aが結びつけられていると共に、押えリング23内に挿入されている。なお、糸22aとしては、柔軟性及び強度があるものであればよく、好適にはナイロン、ポリフッ化ビニリデン等の合成繊維製のテグスを使用し得る。
この押えリング23及び一対の爪部21は、互いに移動可能に組み付けられており、押えリング23が相対的に一対の爪部21の先端部分に向かって移動すると、押えリング23が一対の爪部21の上部を覆った際には一対の爪部21の先端部分が開かれ、更に押えリング23が一対の爪部21の先端部分近傍まで覆うと逆に先端部分が外側から押え付けられる。これにより一対の爪部21の先端部分が閉じた状態を維持することができる。そして、この状態では結合部分21aが押えリング23の端部から露出する。
一方、一対の爪部21の結合部分21aは、押えリング23内を通されている連結板24の一方側の端部に設けられた切り欠き孔25に取り外し可能に嵌合されて処置具20が構成される。この連結板24は押えリング23よりも長さが長く、結合部分21aが押えリング23内の端部に位置するとき、連結板24の反対側の端部に設けられた係合孔26が押えリング23の端部より露出するようになっている。そして、一対の爪部21の結合部分21aに接続された糸22aは、押えリング23内を通って外部へ伸びている。
この処置具20の把持具27部分は、図2Cに示したような処置具取付具30を使用することにより、次のようにして病変部に把持される。なお、図2Cにおいては、処置具取付具30の左端の先端部が拡大表示されている。この処置具取付具30は、挿入部31及び操作部32とからなる。挿入部31の先端部には処置具20を保持するための固定部材33とその先端部に処置具20の連結板24に設けられた係合孔26に連結するためのピン34を備えており、この挿入部31の後端部は操作ワイヤ35が接続されている。この操作ワイヤ35はコイルシースからなる第1の可撓性シース36内を通され、操作部32のチューブ継手37内を通ってスライダ38に接続されており、このスライダ38により操作ワイヤ35を介して固定部材33の移動及び回転を制御できるようになっている。
また、第1の可撓性シース36はチューブ継手37及びスライダ38内を通ってリング38aに結合されている。更に、第1の可撓性シース36の外側は合成樹脂製シースからなる第2の可撓性シース39で被覆されており、この第2の可撓性シース39は操作部32のチューブ継手37に接続され、このチューブ継手37によって第2の可撓性シース39の移動及び回転を制御できるようになっている。チューブ継手37には、糸を通すための孔37aが設けられている。
次に、この処置具取付具30に処置具20及び糸22aを取り付ける操作を図1及び図2を用いて説明する。最初に、操作部32のスライダ38及びリング38aを同時に引き抜くことにより、固定部材33、操作ワイヤ35及び第1の可撓性シース36をチューブ継手37より引き抜く。次いで、図示しない先端に微細な針孔を有する細い弾性ワイヤをチューブ継手37に設けられた孔37aから挿入してチューブ継手37のスライダ側の開口より突き出させ、この状態で処置具20に固定された糸22aの一端を通した後、弾性ワイヤを引き抜く。そうすると、処置具20に固定された糸22aの一端はチューブ継手37に設けられた孔37aから引き出される。
その後、処置具20の連結板24の端部に設けられている係合孔26を固定部材33のピン34に合わせて嵌め込み、その後、処置具20を先端側に軽く引くと処置具20は固定部材33に固定される。次いで、スライダ38をリング38a側に移動させると、操作ワイヤ35及び固定部材33が第1の可撓性シース36内に引き込まれ、処置具20の押えリング23が第1の可撓性シース36の先端部に嵌合して固定される。この状態では処置具20の一対の爪部21の先端部分は僅かに閉じた状態となる。そして、この状態で、処置具20が固定された固定部材33、操作ワイヤ35及び第1の可撓性シース36を一体的にチューブ継手37内に挿入し、チューブ継手37がスライダ38と離間するように移動させると、処置具20は第2の可撓性シース39の先端から露出せずに第2の可撓性シース39内に挿入された状態となる。
そして、図1Cに示したように、予め内視鏡装置15と一体化されて体腔内に挿入された内視鏡装置用補助具10Aの処置具挿入用端子13より、処置具20が取り付けられた処置具取付具30の挿入部31をガイドチューブ12内に挿入し、内視鏡装置用補助具10Aの円筒状の装着部11の先端側から突き出させ、内視鏡装置15の視野内に入るようにして、病変部の近傍にまで誘導する。そして、病変部の近傍でチューブ継手37を引っ張ることにより、チューブ継手37とスライダ38とが隣接する状態とすると、第2の可撓性チューブ39が引き上げられて処置具20が露出する。このとき処置具20内の一対の爪部21の結合部分21aに接続された糸22aは、押さえリング23内を経て第1の可撓性シース36と第2の可撓性シース39との間を通り、操作部32のチューブ継手37に設けられた糸用の孔37aを経て外部に延びた状態となっている。
ここで、更にスライダ38をゆっくりリング38a側へ移動させると、処置具20の押えリング23が一対の爪部21の作用部を押圧するため、処置具20の一対の爪部21の先端部分は大きく開く。この状態で、処置具20の一対の爪部21の先端部を病変部41(図3参照)の把持すべき部分に押し当て、更にスライダ38をゆっくり引くと、処置具20の押えリング23が一対の爪部21の先端部の近傍まで押圧するようになるため、一対の爪部21の先端部は病変部41に食い込み、病変部41を把持する。それとともに、結合部分21a及び連結板24の切り欠き孔25が露出するので、操作部32を操作することにより連結板24を一対の爪部21の結合部分21aから外すことができ、病変部41には処置具20の一対の爪部21及び押えリング23のみからなる把持具27が固定されたままとなる。
そして、チューブ継手37、スライダ38及びリング38aを同時に引き抜くことにより、連結板24が保持された固定部材33、操作ワイヤ35、第1の可撓性シース36及び第2の可撓性シース39を引き抜く。そうすると、処置具20の把持具27から延びている糸22aは、内視鏡装置用補助具10Aのガイドチューブ12内を通って、処置具挿入用端子13より外部に延びた状態となる。
以下、図3を参照して、把持具を用いて病変部を持ち上げて切開し、病変部を採取する方法を図3を用いて説明する。なお、図3A〜図3Dは実施形態1の把持具を用いて病変部を切開及び採取するまでの工程を順を追って説明する図である。
上述のようにして、病変部41を把持具27により把持させた後に、図9〜図11に示した従来例の場合と同様に、病変部41の粘膜層42と粘膜下層43との間に生理的食塩水、ヒアルロン酸ナトリウム溶液等の薬剤44を局注することにより病変部41を隆起させる。この時の状態が図3Aに示されている。なお、病変部41を把持具27により把持させるのは、病変部41を隆起させる前であってもかまわない。
次いで、内視鏡装置15の操作部15a(図1参照)側から糸22aを引くことによって把持具27を引っ張り、同時に内視鏡装置15の操作部15aを操作することによって、糸22aがガイドチューブ12に形成されたスリット14内に入るように、内視鏡装置15の先端側を作動させる。この状態では、内視鏡装置15の先端側の中心線と糸22aとの間の角度θ>0となるようにすることができ、糸22aをより強く引くことによって、図3Bに示したように、把持具27を介して病変部41を上部に持ち上げることができる。
なお、病変部41が大きくて複数箇所で持ち上げる必要がある場合は、上述の操作を繰り返せばよい。この際、引き抜いた処置具取付具30に別の処置具20を取り付けて再使用してもよいが、別途予め処置具20を固定部材33に取り付けた処置具取付具30を必要数用意しておき、交換使用すると処置時間を短縮できるために望ましい。このようにして一つのガイドチューブ12のスリット14を経て複数個の把持具27により病変部41を把持することができるとともに、複数個の把持具27から延びている複数本の糸22aもガイドチューブ12の処置具挿入用端子13より外部に延びた状態とすることができる。
この状態で外部からそれぞれの糸22aを引っ張ると、病変部41を上方に隆起させることができる。そこで、図3Bに示したように、従来例の場合と同様にして内視鏡装置15の鉗子挿入口(図示省略)から、例えばITナイフ、スネア等の切開具45を挿入し、病変部41の下層の切開、剥離を行う。
なお、病変部41の位置と糸22aの延在している方向との関係から、糸22aを外部から引いても病変部41を望ましい方向に隆起させ難い場合が生じる。この場合は、内視鏡装置15の先端側の中心線と糸22aとの間の角度θを変えながら糸22aを引く強度を変えることにより、病変部41を所望の方向に隆起させることができるようになるので、切開具45による病変部41の下層の切開を行い易くなる。
また、病変部41の下層の切開を行った後、糸22aを引く力を弱め、内視鏡装置用補助具10Aの円筒状の装着部11を切開部分に挿入すると、図3Cに示したように、内視鏡装置用補助具10Aの円筒状の装着部11上に病変部41が乗るようにできる。この場合においては、内視鏡装置15のアングル動作によって更に病変部41を隆起させることもでき、しかも、糸22aの引く力を弱めて糸22aに遊びが生じるようにしても、内視鏡装置15やITナイフ等の切開具45を動かしても病変部41の位置は安定した状態となるので、更なる病変部41の下層の切開を行い易くなる。
なお、複数個の把持具27を用いて病変部を隆起させる場合、それぞれの把持具27に接続されている複数本の糸22aは互いに独立してガイドチューブ12の処置具挿入用端子13より外部に延びた状態となっているから、それぞれの把持具27と糸とを1:1に対応させるため、それぞれの把持具27の押さえリング23に識別のための表示を行うとともに、糸22aもそれに対応した識別ができるようにすることが好ましい。この識別のための表示としては、異なる着色による識別、異なる数字やシンボルによる識別等、適宜の手段を用いることができる。着色による識別の場合には、押えリング23の着色と糸22aに対する着色を同じにすることによりに行うことができ、数字識別の場合には、押えリング23に番号を付しておくとともに糸22aにおける術者側に対応番号を付けたコッヘルを挟んでおくことにより行うことができる。
上述の実施形態1の内視鏡装置用補助具10Aによれば、簡単な操作で病変部41全体の隆起を行うことができるため、粘膜下層43に穿孔することなく安全に、病変部41全体を残存部が無いように切除することができる。更に、複数の把持具27を一つの内視鏡装置用補助具10Aのガイドチューブ12に形成されたスリット14内を順番に通して病変部41を把持することができるため、ガイドチューブ12を太くする必要がなく、患者に与える苦痛を軽減させることができる。
また、切除した病変部41については、図3Dに示したように、内視鏡装置用補助具10Aが取り付けられた内視鏡装置15及び糸22aを同時に体腔内から引き抜くことにより、病変部41を体外に取り出すことができる。このため、実施形態1によれば、病変部41の切除後に別途病変部41の捕獲操作が不要となり、手術が簡単となるばかりでなく、手術時間を短縮することができ、更に、病変部41が大きい場合への対応も柔軟に行うことができる。
[実施形態2]
実施形態1の内視鏡装置用補助具10Aでは円筒状の装着部を有するものを用いた例を示したが、図3Cの記載から明らかなように、円筒状の装着部を切開した内部まで挿入させるようにするためには、病変部を大きく切開する必要がある。実施形態2の内視鏡装置用補助具10Bでは、先端部の形状が細くなるようにして、切開部分が小さくても、内視鏡装置用補助具10Bの先端部を切開した内部まで挿入し易くすると共に、より病変部の隆起を行い易くなるようにしたものである。
この実施形態2の内視鏡装置用補助具10Bの構成を図4を用いて説明する。なお、図4Aは実施形態2の内視鏡装置用補助具の正面図であり、図4Bは同じく平面図であり、図4Cは実施形態2の内視鏡装置用補助具を取り付けた内視鏡装置の先端部を切開した病変部の内部に挿入した状態を示す図3Cに対応する図である。また、図4A〜図4Cにおいては、図1〜3に示した実施形態1の内視鏡装置用補助具10A及びこれを取り付けた内視鏡装置15と同一の構成部分には同一の参照符号を付与してその詳細な説明は省略する。
実施形態2の内視鏡装置用補助具10Bでは、円筒状の装着部11の先端側は先細の環状先端部11aを備えている以外は、図1A及び図2Aに示した実施形態1の内視鏡装置用補助具10Aと同様の構成を備えている。この先細の環状先端部11aは、環状の装着部11と別体のものであっても一体化されているものであってもよく、環状の装着部11と同じ材料で作製されていても異なる材料で作製されていてもよい。また、円筒状の装着部11の先端に先細の環状先端部11aが設けられていると、内部に各種処理液がたまる可能性があるので、円筒状の装着部11と先細の環状先端部11aとの境界に液抜きの開口を設けてもよい。
実施形態2の内視鏡装置用補助具10Bを用いる場合も、図3A及び図3Bに示した実施形態1の内視鏡装置用補助具10Aを用いた場合と同様に、最初にガイドチューブ12を経て糸22aが結びつけられている把持具27を病変部41に固定し、糸22aを後端側から引くことによって病変部41を適宜に隆起させておく。次いで、ITメス等の切開具45によって病変部41の一部を切開し、この切開部に実施形態2の内視鏡装置用補助具10Bの先細の先端部11aを挿入する。
このような先細の環状先端部11aを有する内視鏡装置用補助具10Bを用いると、図4Cに示したように、病変部41の切開の大きさが円筒状の装着11の大きさよりも小さくても、先細の環状先端部11aを切開部の開口内に挿入することにより、切開部の開口が拡径されて大きくなるので、内視鏡装置用補助具10Bの先端側を切開部の内部に挿入し易くなり、より病変部41の隆起を行い易くなる。
この先細の環状先端部11aは透光性材料で形成するとよい。先細の環状先端部11aが透光性材料で形成されていれば、内視鏡装置15の先端部側だけでなく周囲も照明することができるので、内視鏡装置15の視野が広がり、内視鏡装置15内に挿通されたITメス等の切開具45による病変部41の下層の剥離をより行いやすくなる。
なお、実施形態2の内視鏡装置用補助具10Bでは、実施形態1の内視鏡装置用補助具10Aの場合と同様に、ガイドチューブ12の先端が円筒状の装着部11の先端と同一の位置となるように円筒状の装着部11に接合した例を示したが、円筒状の装着部11の後端側に接合されていてもよい。さらに、図示省略したが、ガイドチューブ12の先端は先細の環状先端部11aに接合されているものとしてもよい。このよう構成を備えていると、把持具27によって病変部41を把持する場合に、把持具27を容易に内視鏡装置15の視野内に位置させることができるので、操作が行いやすくなり、また、把持具27によって病変部41を把持した後は、糸22aをスリット14を経てガイドチューブ12の後ろ側へ移動させることができるので、実質的に実施形態1の内視鏡装置用補助具10Aの場合と同様の作用効果を奏することができるようになる。
[実施形態3]
実施形態1及び2の内視鏡装置用補助具10A及び10Bではガイドチューブ12の先端側に所定長さLのスリットを用いた例を示したが、ガイドチューブ12の先端側が円筒状の装着部11の後端側よりもさらに離間した位置に存在していれば、同様の効果を奏することができる。このようなガイドチューブ12にスリットを形成しない実施形態3の内視鏡装置用補助具10Cの構成を図5を用いて説明する。なお、図5Aは実施形態3の内視鏡装置用補助具の正面図であり、図5Bは同じく平面図であり、図5Cは図5Aの内視鏡装置用補助具を内視鏡装置に取り付けた状態を示す斜視図である。また、図5A〜図5Cにおいては、図1〜3に示した実施形態1の内視鏡装置用補助具10A及びこれを取り付けた内視鏡装置15と同一の構成部分には同一の参照符号を付与してその詳細な説明は省略する。
実施形態3の内視鏡装置用補助具10Cでは、ガイドチューブ12の先端側が円筒状の装着部11の後端側よりもさらに所定距離Lだけ離間した位置に形成され、ガイドチューブ12の先端と円筒状の装着部11との間を帯状部材14aによって接続したものである。この帯状部材14aは、実施形態3の内視鏡装置用補助具10Cを内視鏡装置15の先端に取り付けた際、ガイドチューブ12の先端が円筒状の装着部11の後端との間の距離が常に所定距離Lを維持できるようにするために設けられているいるものである。すなわち、帯状部材14aが存在せず、ガイドチューブと円筒状の装着部とが別体であっても、ガイドチューブの先端と円筒状の装着部の後端との間の距離を所定距離Lとすることは一応可能であるが、手術の現場でガイドチューブと装着部とを内視鏡装置に取り付けると、ガイドチューブの先端と円筒状の装着部の後端との間の距離にばらつきが生じるので、操作者の使い勝手にばらつきが生じてしまう。
この場合においても、ガイドチューブ12の先端と円筒状の装着部11の後端との間の距離Lは、帯状部材14aの長さによって任意に設定し得るが、病変部の持ち上げ高さを高くして各種処置を行いやすくするためには1〜5cm程度が好ましい。この距離が1cmよりも短いと病変部の持ち上げ高さが小さくなり、また、5cmを超えると病変部に力が加わり難くなるので好ましくない。この帯状部材14aとしては、円筒状の装着部11と同材質からなるもの、ガイドチューブ12と同材質のものからなるもの、あるいは、円筒状の装着部11やガイドチューブ12とは異なる材質のものを使用し得る。さらに、帯状部材14aに換えて線状部材を用いることも可能である。
なお、実施形態3の内視鏡装置用補助具10Cを内視鏡装置15に固定する場合には、図5Cに示したように、実施形態1の内視鏡装置用補助具10Aの場合と同様にガイドチューブ12を内視鏡装置15にテープ16で固定すると共に、さらに帯状部材14aの部分もテープ16aで固定することが好ましい。さらに、実施形態3の内視鏡装置用補助具10Cにおいても、図4に示した実施形態2の内視鏡装置用補助具10Bの場合と同様に、円筒状の装着部11の先端側に先細の環状先端部を設けることもできる。
[実施形態4]
実施形態2の内視鏡装置用補助具10Bでは、内視鏡装置用補助具10Bの先端部の形状が細くなるようにして、切開部分が小さくても、内視鏡装置用補助具10Bの先端部を切開した内部まで挿入し易くすると共に、より病変部の隆起を行い易くなるようにしている。しかしながら、病変部の隆起は内視鏡装置用補助具10Bの最大径までに限定されてしまう。そこで、実施形態4の内視鏡装置用補助具10Dでは、先細の環状先端部の一部が内視鏡装置の後端側からの操作により開くことができるようにして、病変部の隆起が大きくなるようにしたものである。
この実施形態4の内視鏡装置用補助具10Dの構成を図6を用いて説明する。なお、図6Aは実施形態4の内視鏡装置用補助具の正面図であり、図6Bは同じく平面図であり、図6Cは図6Aの内視鏡装置用補助具を操作した場合の正面図であり、図6Dは図6Aの内視鏡装置用補助具を内視鏡装置に取り付けた内視鏡装置の先端部を切開した病変部の内部に挿入した状態を示す斜視図である。また、図6A〜図6Dにおいては、図4に示した実施形態2の内視鏡装置用補助具10B及びこれを取り付けた内視鏡装置15と同一の構成部分には同一の参照符号を付与してその詳細な説明は省略する。
実施形態4の内視鏡装置用補助具10Dは、円筒状の装着部11の先端側に2分割された先細の半環状先端部11b及び11cを備えているとともに、円筒状の装着部11の側面にスリット14が形成されたガイドチューブ12が設けられている。これらの先細の半環状先端部11b及び11cは、中空円錐台状の先端部を先端側から円筒状の装着部11に至るまで縦に2分し、さらに、一方の半環状の先端部11bについては一部が円筒状の装着部11と一体に接続されている状態として、半環状の先端部11bと円筒状の装着部11との間を切開した構成を備えている。他方の半環状の先端部11cは全てが円筒状の装着部11と接続されている。これにより、一方の半環状の先端部11bの先端側が円筒状の装着部11に対して開閉可能となっている。
また、一方の半環状の先端部11bの先端には、2本の糸22bが固定されている。この2本の糸22bは、後端側で束ねられ、スリット14を経て、ガイドチューブ12内を通され、処置用具挿入用端子13を通って操作部側まで延在されている。2分割された先細の半環状先端部11b及び11cは、円筒状の装着部11との間の接続部分の有する弾性力によって、糸22bを緩めた場合には閉じており、実質的に実施形態2の内視鏡装置用補助具10Bと同様の構成となる。
そのため、実施形態4の内視鏡装置用補助具10Dが取り付けられた内視鏡装置15を用いる場合も、最初は、図4Cに示した実施形態2の内視鏡装置用補助具10Bを用いた場合と同様に、ガイドチューブ12を経て糸22aが結びつけられている把持具27を病変部41に固定し、糸22aを後端側から引くことによって病変部41を適宜に隆起させておく。次いで、ITメス等の切開具45によって病変部41の一部を切開し、この切開部に内視鏡装置15に取り付けられた内視鏡装置用補助具10Dの先細の半環状先端部11b及び11cを挿入する。そうすると、病変部41の切開の大きさが環状の装着部11の大きさよりも小さくても、先細の半環状先端部11b及び11cを切開部の開口内に挿入することにより、切開部の開口が拡径されて大きくなるので、内視鏡装置用補助具10Bの先端側を切開部の内部に挿入し易くなる。
この状態で、後端部側から糸22bを引くと、図6C及び図6Dに示したように、一方の先細の半環状先端部11bの先端側が持ち上がるので、実施形態2の内視鏡装置用補助具10Bの場合よりもさらに大きく病変部41の隆起を行うことができるようになる。そのため、実施形態4の内視鏡装置用補助具10Dを用いると、実施形態2の内視鏡装置用補助具10Bを用いた場合よりも、内視鏡装置15内に挿通されたITメス等の切開具45による病変部41の下層の剥離をより行いやすくなる。
なお、この先細の半環状先端部11b及び11cは、透光性材料で形成することが好ましく、また、先細の半環状先端部11b及び11cと円筒状の装着部11とは、それぞれ別材料からなっていてもよいが、同一の材料で形成することが好ましい。なお、実施形態4の内視鏡装置用補助具10Dでは、実施形態1の内視鏡装置用補助具10Aの場合と同様に、ガイドチューブ12の先端が円筒状の装着部11の先端と同一の位置となるように円筒状の装着部11に接合した例を示したが、円筒状の装着部11の後端側に接合されていてもよい。
[実施形態5]
実施形態4の内視鏡装置用補助具10Dでは、先細の環状先端部の一部が内視鏡装置の後端側からの操作により開くことができるようにして、病変部の隆起が大きくなるようにしたものであるが、実施形態5の内視鏡装置用補助具10Eは一対の先細の環状先端部11bの両者とも開くことができるようにしたものである。
この実施形態5の内視鏡装置用補助具10Eの構成を図7を用いて説明する。なお、図7Aは実施形態5の内視鏡装置用補助具10Eの正面図であり、図7Bは同じく平面図であり、図7Cは図7Aの内視鏡装置用補助具10Eを操作した場合の正面図である。また、図7A〜図7Cにおいては、図6に示した実施形態4の内視鏡装置用補助具10Dと同一の構成部分には同一の参照符号を付与してその詳細な説明は省略する。
実施形態5の内視鏡装置用補助具10Eは、円筒状の装着部11の先端側に2分割された一対の先細の半環状先端部11bを備えているとともに、円筒状の装着部11の側面にそれぞれスリット14が形成された2本のガイドチューブ12が直径方向の両端に設けられている。これらの一対の先細の半環状先端部11bは、中空円錐台状の先端部を先端側から円筒状の装着部11に至るまで縦に2分し、さらに、両者とも一部が円筒状の装着部11と接続されている状態として、一対の半環状の先端部11bと円筒状の装着部11との間を切開した構成を備えている。これにより、一対の半環状の先端部11bの先端側は装着部11に対して開閉可能となっている。
また、一対の半環状の先端部11bの先端には、それぞれ2本の糸22bが固定されている。それぞれの2本の糸22bは、後端側で束ねられ、それぞれ一対のガイドチューブ12に形成されたスリット14を経て、ガイドチューブ12内を通され、処置用具挿入用端子13を通って操作部側まで延在されている。一対の先細の半環状先端部11bは、円筒状の装着部11との間の接続部分の有する弾性力によって、糸22bを緩めた場合には互いに閉じており、実質的に実施形態2の内視鏡装置用補助具10Bと同様の構成となる。
この実施形態5の内視鏡装置用補助具10Eが取り付けられた内視鏡装置を用いる場合も、図示省略したが、最初は、図4Cに示した実施形態2の内視鏡装置用補助具10Bを用いた場合と同様に、一方のガイドチューブ12を経て糸が結びつけられている把持具を病変部に固定し、糸を後端側から引くことによって病変部を適宜に隆起させておく。次いで、ITメス等の切開具によって病変部の一部を切開し、この切開部に内視鏡装置に取り付けられた内視鏡装置用補助具10Eの一対の先細の半環状先端部11bを挿入する。そうすると、病変部の切開の大きさが円筒状の装着部11の大きさよりも小さくても、一対の先細の半環状先端部11bを切開部の開口内に挿入することにより、切開部の開口が拡径されて大きくなるので、内視鏡装置用補助具10Eの先端側を切開部の内部に挿入し易くなる。
この状態で、後端部側から両方の糸22bを引くと、一対の先細の半環状先端部11bの先端側が持ち上がるので、実施形態4の内視鏡装置用補助具10Dの場合よりもさらに大きく病変部の隆起を行うことができるようになる。そのため、実施形態5の内視鏡装置用補助具10Eを用いると、実施形態4の内視鏡装置用補助具10Dを用いた場合よりも、内視鏡装置内に挿通されたITメス等の切開具による病変部の下層の剥離をより行いやすくなる。
[実施形態6]
図1に示したように、実施形態1の内視鏡装置用補助具10Aのガイドチューブ12には、先端側にスリット14が設けられており、スリット14の先端側は開放されている。そのため、内視鏡装置用補助具10Aが取り付けられた内視鏡装置15を体腔内に挿入すると、スリット14の開放されている先端側に粘膜が挟まり、粘膜を傷付けてしまう可能性がある。実施形態6の内視鏡装置用補助具10Fは、体腔内への挿入時にはスリット14が閉塞された状態となされ、病変部近傍でスリット14を開放することができるようにしたものである。
この実施形態6の内視鏡装置用補助具10Fの構成を図8を用いて説明する。なお、図8Aは実施形態6の内視鏡装置用補助具10Fの正面図であり、図8Bは同じく平面図であり、図8Cは図8Aの糸を操作した場合の正面図である。また、図8A〜図8Cにおいては、図1に示した実施形態1の内視鏡装置用補助具10Aと同一の構成部分には同一の参照符号を付与してその詳細な説明は省略する。
実施形態6の内視鏡装置用補助具10Fは、図8A及び図8Bに示されているように、ガイドチューブ12に形成されたスリット14の内面側に、スリット14を塞ぐように、粘着テープ14bが貼付されている。この粘着テープ14bの先端側には、糸22cの一方側の端部が固定されており、糸22cの他方側の端部は、ガイドチューブ12内を通され、処置用具挿入用端子13を通って操作部側まで延在されている。
この状態の実施形態6の内視鏡装置用補助具10Fが取り付けられた内視鏡装置(図示省略)を体腔内へ挿入すると、粘膜がスリット14に挟み込まれることがなくなるので、粘膜が傷付くことが抑制される。この状態で、内視鏡装置が病変部の近傍まで挿入された際、糸22cを後端側から引くと、図8Cに示されているように、スリット14の内面側に貼付されていた粘着テープ14bは、徐々にはがれていく。そして、糸22cを処置用具挿入用端子13から完全に引き抜くと、粘着テープ14bを完全にガイドチューブ12の外部に除去することができる。その後は、実施形態1の内視鏡装置用補助具10Aを取り付けた内視鏡装置15の場合と同様にして、所定の病変部の切除を行うことができる。
なお、実施形態6の構成は、実施形態1の内視鏡装置用補助具14Aに対してだけでなく、実施形態2、4〜6の内視鏡装置用補助具10B、10D〜10Fに対しても適用可能である。
[変形例]
実施形態1の内視鏡装置用補助具10Aのガイドチューブ12には、先端側にスリット14が設けられているが、このスリット14の長さは、用途に応じて予め定められた一定の長さ、たとえば1〜5cmとされている。しかしながら、用途に応じた所定長のスリットを有するガイドチューブを備えた内視鏡装置用補助具を用意することは、煩雑であり、しかも高価となる。変形例の内視鏡装置用補助具は、図示省略したが、ガイドチューブに形成されたスリットの外面側ないし内面側に、スリットの後端側の一部を塞ぐように、粘着テープを貼付したものである。
この様な構成を採用すれば、予めガイドチューブに最大長のスリットが形成された内視鏡装置用補助具を用意しておけば、所定長のスリットとなるように粘着テープをガイドチューブ後端側の外面ないし内面に貼付すれば、目的とする所定長のスリットを有するガイドチューブを備えた内視鏡装置用補助具が得られるようになる。なお、変形例の構成は、実施形態1の内視鏡装置用補助具14Aに対してだけでなく、実施形態2、4〜6の内視鏡装置用補助具10B、10D〜10Fに対しても適用可能である。
10A〜10F…内視鏡装置用補助具 11…装着部 11a…環状先端部
11b、11c…半環状先端部 12…ガイドチューブ 13…処置具挿入用端子
14…スリット 14a…帯状部材 14b…糸付き粘着テープ
15…内視鏡装置 15a…操作部 16、16a…テープ
20…処置具 21…爪部 21a…結合部分
22a〜22c…糸 23…リング 24…連結板
25…孔 26…係合孔 27…把持具
30…処置具取付具 31…挿入部 32…操作部
33…固定部材 34…ピン 35…操作ワイヤ
36…第1の可撓性シース 37…チューブ継手 37a…孔
38…スライダ 38a…リング 39…第2の可撓性シース
41…病変部 42…粘膜層 43…粘膜下層
44…薬剤 45…切開具

Claims (12)

  1. 内視鏡の先端に着脱可能に装着する円筒状の装着部と、
    鉗子の挿通が可能なガイドチューブと、
    を備える、糸付きの把持具と共に使用するための内視鏡装置用補助具において、
    前記ガイドチューブは、前記円筒状の装着部の外周面に固定されていると共に、前記円筒状の装着部の外周面に固定されている箇所を除いた位置に、先端から後端側に向かってスリットが形成されていることを特徴とする内視鏡装置用補助具。
  2. 前記円筒状の装着部の先端側には先細の中空環状先端部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡装置用補助具。
  3. 前記先細の中空環状先端部は、2分割された先細の半環状先端部からなり、前記2分割された先細の半環状先端部の一方は、前記円筒状の装着部に対して開閉可能に取り付けられているとともに、先端側に糸が接続されており、
    前記糸は前記ガイドチューブ内を後端側まで延在されていることを特徴とする請求項2に記載の内視鏡装置用補助具。
  4. 前記先細の中空環状先端部は、2分割された先細の半環状先端部からなり、前記2分割された先細の半環状先端部のそれぞれは、前記円筒状の装着部に対して開閉可能に取り付けられているとともに先端側に糸が接続されており、
    前記スリットが形成されているガイドチューブは、2本が前記円筒状の装着部の側面の直径方向の両端に設けられており、
    前記糸は、それぞれ個別に前記2本のガイドチューブ内を通されて、後端側まで延在されていることを特徴とする請求項2に記載の内視鏡装置用補助具。
  5. 前記ガイドチューブの前記スリットが形成されている内面側には、前記スリットを塞ぐように粘着テープが貼付されており、
    前記粘着テープの先端側には糸が結びつけられており、
    前記糸はガイドチューブ内を通されて、後端側まで延在されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の内視鏡装置用補助具。
  6. 前記ガイドチューブの前記スリットが形成されている内面及び外面の少なくとも一方には、前記スリットの後端側の外面ないし内面に、粘着テープが貼付されており、
    前記粘着テープによって、前記スリットの長さが所定長となるように設定されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の内視鏡装置用補助具。
  7. 前記先細の環状先端部は透光性材料で形成されていることを特徴とする請求項2〜6のいずれかに記載の内視鏡装置用補助具。
  8. 前記ガイドチューブは、先端が前記円筒状の装着部の先端よりも後端側の位置となるように、前記円筒状の装着部の外周面に固定されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の内視鏡装置用補助具。
  9. 内視鏡の先端に着脱可能に装着する円筒状の装着部と、
    鉗子の挿通が可能なガイドチューブと、
    を備える、糸付きの把持具と共に使用するための内視鏡装置用補助具において、
    前記ガイドチューブは、前記円筒状の装着部の後端との間に帯状部材又は線状部材によって一体に結合されていることを特徴とする内視鏡装置用補助具。
  10. 前記円筒状の装着部の先端側には先細の中空環状先端部が設けられていることを特徴とする請求項9に記載の内視鏡装置用補助具。
  11. 前記先細の環状先端部は透光性材料で形成されていることを特徴とする請求項10に記載の内視鏡装置用補助具。
  12. 請求項1〜11のいずれかに記載の糸付きの把持具と共に使用するための内視鏡装置用補助具と、内視鏡装置とを有し、
    前記内視鏡装置の先端には前記内視鏡装置用補助具の前記円筒状の装着部が取り付けられており、前記内視鏡装置の外周面には前記ガイドチューブが固定されていることを特徴とする内視鏡装置用補助具を備える内視鏡装置。
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