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JP2014170073A - 光干渉器 - Google Patents

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JP2014170073A JP2013041142A JP2013041142A JP2014170073A JP 2014170073 A JP2014170073 A JP 2014170073A JP 2013041142 A JP2013041142 A JP 2013041142A JP 2013041142 A JP2013041142 A JP 2013041142A JP 2014170073 A JP2014170073 A JP 2014170073A
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Hideaki Okayama
秀彰 岡山
Yosuke Onawa
陽介 太縄
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Oki Electric Industry Co Ltd
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Oki Electric Industry Co Ltd
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Abstract

【課題】波長と偏波とを複数含む任意の入力光を、偏波と波長の組で分離する。
【解決手段】2個の光カプラ16及び18と、2個の光カプラの間を並列に接続する第1及び第2アーム光導波路20a及び20bと、一方の光カプラに備えられた第1ポートPと、他方の光カプラに備えられた第2及び第3ポートP及びPとを備え、第1ポートからの入力光INが含む偏波と波長の一方が少なくとも異なる第1〜第3成分光C〜C3、第1及び第2アーム光導波路に合計3個設けられた位相調整領域22〜22の設定に応じた分配比で第2及び第3ポートから出力させる。
【選択図】図2

Description

この発明は、入力された光を、波長と偏波の組み合わせで分離する光干渉器に関する。
加入者側から局側への光伝送(上り通信)と、局側から加入者側への光伝送(下り通信)とを1本の光ファイバで行う光加入者系通信システム(以下、加入者系システムとも称する。)においては、上り通信及び下り通信に異なる波長の光を用いることがある。この場合、局側及び加入者側の双方で、波長の異なる光を合分波する光素子(以下、光合分波素子とも称する。)が必要となる。
光合分波素子は、発光素子及び受光素子と空間光学的に光軸合わせされて、加入者系システムの加入者側終端装置(ONU:Optical Network Unit)や、局側終端装置(OLT:Optical Line Terminal)に用いられる。
上述の光軸合わせの手間を軽減するために、光導波路により構成された光合分波素子が開発されている(例えば、特許文献1〜5参照)。この光導波路を用いた光合分波素子では、光の伝搬経路を、予め作りこまれた光導波路内に限定するので、光合分波素子にレンズやミラー等が不要となる。さらに、発光素子及び受光素子を、予め光合分波素子に作成されたマークを基準にして、光導波路の入出射端に位置合わせすればよい。そのため、発光素子及び受光素子に入出射される光ビームの厳密な光軸合わせの手間が大幅に省かれる。
近年、シリコン(Si)を材料とするコアと、Siとの屈折率差が大きな酸化シリコン(SiO)を材料とするクラッドとで光導波路(以下、Si光導波路とも称する。)を構成した光合分波素子が報告されている(例えば、非特許文献1〜3参照)。
Photonics Technology Letters vol.18,No.22,p.2392,2006年11月 Photonics Technology Letters vol.20,No.23,p.1968,2008年12月 Optics Express vol.18,No.23,p.23891,2010年11月 Journal of Lightwave Technology vol.27,p.417,Feb 19,2009 Optics Express vol.19,No.19,p.18614,Sept 12,2011 Optics Letters vol.36,p.2590,Jul 1,2011 Optics Express vol.19,p.10940,May 23,2011 Optics Letters vol.36,No.20,p.4047,Oct 15,2011 Journal of Lightwave Technology vol.29,p.1808,Jun 15,2011
米国特許4860294号明細書 米国特許5764826号明細書 米国特許5960135号明細書 米国特許7072541号明細書 特開平8−163028号公報
Si光導波路は、コアの屈折率がクラッドの屈折率よりも非常に大きいので、光の閉じ込めが強い。このため、光を1μm程度の小さい曲率半径で曲げる曲線状光導波路を実現することができる。また、Si光導波路の製造時に、Si電子デバイスでの加工技術が利用できるために、きわめて微細なサブミクロンの断面構造を実現できる。これらのことから、Si光導波路を用いることで光合分波素子を小型化することができる。
しかし、Si光導波路は、コアの屈折率が大きいので、コアの寸法誤差等の僅かな外乱で、光導波路の等価屈折率に大きな誤差が生じてしまう。これにより、各偏波に関するSi光導波路の等価屈折率がばらつき、偏波間で波長分離能力に差が生じるなどの問題があった。例えば、隣接チャネルとの波長間隔が狭い波長分割多重通信(WDM:Wavelength Division Multiplex)では、各偏波に関する等価屈折率のばらつきにより、隣接チャネルの波長帯域への混信が生じてしまう。
このため、WDMでは、まず、通信光をTE波とTM波とに偏波分離し、それぞれの偏波ごとに波長を合分波した後に、両偏波を再び統合する方式が有利である。この方式で偏波を分離/統合するためには、偏波分離素子(PBS:Polarizing Beam Splitter)が必要となる。
加入者系システムの光合分波素子と共に用いられるPBSとしては、グレーティング型素子(例えば、非特許文献4参照)、方向性結合器型素子(例えば、非特許文献5〜8参照)、及び干渉器型素子(例えば、非特許文献9参照)等が知られている。
ここで、加入者系システムで広く用いられているGE−PON(Gigabit Ethernet(登録商標)−Passive Optical Network)システムでは、1.31μmの波長帯域の光(以下、1.31μm光)が上り通信に、1.49μmの波長帯域の光(以下、1.49μm光)が下り通信に用いられる。
しかし、これまでに知られているどのPBSも、単一波長の光の偏波分離を行うが、複数の波長の光を同時に偏波分離することができなかった。つまり、従来、1.31μm光と1.49μm光の両者を同時に偏波分離するPBSは存在しなかった。
本発明はこのような技術的背景でなされた。従って、本発明の目的は、1.31μm光と、1.49μm光に限らず波長と偏波の組を複数含む任意の入力光を、偏波と波長で分離するPBSとしても用いることができる光干渉器を得ることにある。以降、入力光を偏波と波長との組み合わせで分離することを、「偏波/波長分離」とも称する。
発明者は、鋭意検討の結果、光干渉器を構成するアーム光導波路に、偏波/波長分離すべき光の個数と同数の位相調整領域を設けることにより、上述した目的を達成できることに想到した。
従って、この発明の第1の光干渉器は、2個の光カプラと、2個の光カプラの間に並列に設けられ、2個の光カプラを接続する第1及び第2アーム光導波路と、一方の光カプラに備えられた第1ポートと、他方の光カプラに備えられた第2及び第3ポートと、第1及び第2アーム光導波路の一方又は双方に合計j個(jは2以上の整数)設けられた位相調整領域とを備えている。
そして、第1ポートから入力される偏波と波長の少なくとも一方が異なる第1〜第j成分光を、設定に応じた分配比で第2及び第3ポートから出力させる。
また、この発明の第2の光干渉器は、2個の光カプラと、2個の光カプラの間に並列に設けられ、両光カプラを接続する第1〜第u光導波路(uは3以上の整数)と、一方の光カプラに備えられた第1ポートと、他方の光カプラに備えられた第2〜第sポート(sは、s≦u+1の整数)とを備える。そして、第1〜第u光導波路は互いに異なる光路長を有する。
ここで、第1ポートから、偏波と波長の一方が少なくとも異なる第1〜第r成分光(rは2以上の整数)を含む入力光が入力され、第1〜第u光導波路のそれぞれが第1〜第r位相調整領域を備え、互いに隣接する第v及び第v+1光導波路(vは、1〜u−1の整数)における第1〜第r位相調整領域の長さに応じて、第1〜第r成分光をそれぞれ第2〜第sポートから出力させる。
この発明の光干渉器は、j個の位相調整領域を備えているので、これらの設定に応じて、1.31μm光と1.49μm光に限らず、入力光に含まれる波長と偏波の少なくとも一方が異なるj個の成分光を偏波/波長分離できる。
本発明の光干渉器の構造を概略的に示す模式図である。 (A)は、実施形態1の光干渉器の構造及び動作を概念的に示す模式図であり、(B)は、入力光に含まれる成分光の諸元と、これらの成分光が出力されるポートとの関係を示す図である。 実施形態1の光干渉器の構造を概略的に示す平面図である。 (A)〜(E)は、それぞれ図3を、A−A線、B−B線、C−C線、D−D線及びE−E線に沿って切断した切断端面図である。 (A)及び(B)は、実施形態1の光干渉器の出力特性を示す模式図である。 実施形態2の光干渉器の構造を概略的に示す平面図である。 実施形態2の光干渉器の出力特性を示す特性図である。 実施形態3の光干渉器の構造を概略的に示す平面図である。
以下、図面を参照して、この発明の実施形態について説明する。なお、各図では構成要素の形状、大きさ及び配置関係を、この発明が理解できる程度に概略的に示している。また、以下の各実施形態は、この発明の一好適例であり、各構成要素の材質や数値的条件なども、好適な場合の例示に過ぎない。従って、この発明は、以下の各実施形態に何ら限定されない。また、各図において、共通する構成要素には同符号を付し、その説明を省略することもある。
[発明の概要]
図1を参照して、この発明の概要を説明する。図1は、本発明の光干渉器の構造を概略的に示す模式図である。なお、図1では、発明の理解に資するために、光干渉器を簡略的に描いている。つまり、基板及びクラッドの図示を省略するとともに、コアを単なる曲線で、及び各構成要素を矩形のボックスで、それぞれ描いている。
まず、図1を参照して、以下の説明で用いる光干渉器10の方向及び寸法を定義する。図1に示したような右手系の直交座標系を考え、X方向を図が描かれた紙面の左から右に向かう方向とし、長さ方向とも称する。また、Z方向を図が描かれた紙面の裏面から表面に向かう方向とし、高さ方向又は厚み方向とも称する。また、Y方向を図が描かれた紙面の下方から上方に向かう方向とし、幅方向とも称する。そして、X方向に沿って測った幾何学的長さを「長さ」とも称し、Y方向に沿って測った幾何学的長さを「幅」とも称し、Z方向に沿って測った幾何学的長さを「高さ」又は「厚さ」とも称する。ここでは、入力光INの光伝搬方向をX方向とする。また、所定の構造体の光伝搬方向に垂直な断面のことを「横断面」と称する。この例では、不図示の基板の主面は、XY平面(紙面)に平行に延在する。
続いて、光干渉器10の構成を簡単に説明する。光干渉器10は、2個の光カプラ16及び18と、第1及び第2アーム光導波路20a及び20bとを備える。
第1及び第2アーム光導波路20a及び20bはチャネル型光導波路である。第1及び第2アーム光導波路20a及び20bは、2個の光カプラ16及び18の間に並列に設けられ、2個の光カプラ16及び18を接続する。以降、第1及び第2アーム光導波路20a及び20bの両者を示す場合には、「アーム部20」とも称する。
第1及び第2アーム光導波路20a及び20bには、j個の位相調整領域22〜22が設けられている(ここで、jは2以上の整数)。これらの位相調整領域22〜22は、この例では、互いに幅が異なるチャネル型光導波路として構成されている。その結果、位相調整領域22〜22は、互いに異なる等価屈折率を有する。また、位相調整領域22〜22を含む第1及び第2アーム光導波路20a及び20bの光路長Tは互いに異なっている。光干渉器10は、両アーム光導波路20a及び20bと、j個の位相調整領域22〜22が相俟って、入力光INに含まれるj個の成分光C〜Cの偏波/波長分離を行うことができる。なお、j個の位相調整領域22〜22を除いた、第1及び第2アーム光導波路20a及び20bは、互いに光路長Tが等しく構成されている。
ここで、「光路長」とは、一般に、光導波路の幾何学的な長さPを、ある波長及び偏波の光に関する光導波路の等価屈折率qで補正した光学的な長さである。光路長TはP×qで与えられる。以降、「光路長」と記載しない長さ(幅、厚み、高さ等を含む)は、単に、幾何学的な長さを示す。
なお、図1では、第1アーム光導波路20aに位相調整領域22〜22k−1を設け、第2アーム光導波路20bに位相調整領域22〜22を設けた構成例を示している(kは、1≦k≦jの整数)。しかし、位相調整領域22〜22を、第1及び第2アーム光導波路20a及び20bにどのように配置するかは特に制限はない。設計に応じて好適な個数を、第1及び第2アーム光導波路20a及び20bに配置すればよい。例えば、第1及び第2アーム光導波路20a及び20bの何れか一方のみに、全ての位相調整領域22〜22を配置しても良い。
また、この実施形態では、j個の位相調整領域22〜22を除いた、第1及び第2アーム光導波路20a及び20bは、互いに光路長Tが等しく構成されている場合について説明した。しかし、構造が互いに異なる第1及び第2アーム光導波路20a及び20bを用いることで、両アーム光導波路20a及び20b自体を位相調整領域22としても良い。すなわち、位相調整領域22を、両アーム光導波路20a及び20bから位相調整領域22〜22j−1を除いた部分領域としてもよい。なお、両アーム光導波路20a及び20bの部分領域を位相調整領域22とする場合には、両アーム光導波路20a及び20bの光路長は0(ゼロ)と考える。
一方の光カプラ16には光入出力用の第1ポートPが備えられ、他方の光カプラ18には光入出力用の第2及び第3ポートP及びPが備えられる。この例では、光カプラ16の第1ポートPから入力光INが入力され、光カプラ18の第2及び第3ポートP及びPから、偏波/波長分離された出力光OUT1及びOUT2が出力される。
光入力側の光カプラ16としては、第1及び第2アーム光導波路20a及び20bに入力光INを偏波無依存で等分配する1入力2出力、又は2入力2出力の3dBカプラを用いることができる。また、光入力側の光カプラ16を偏波無依存な3dBカプラとした場合には、光出力側の光カプラ18には、2入力2出力の偏波無依存な3dBカプラを用いる。
光カプラ16用の1入力2出力のカプラとしては、例えば、Y分岐導波路等を用いることができる。また、光カプラ16及び18用の2入力2出力のカプラとしては、例えば、多モード干渉(MMI:Multi Mode Interference)光導波路を用いたカプラや、方向性結合器を用いることができる。
また、光カプラ16及び18には、偏波無依存な3dBカプラの他にも、成分光Cの波長と偏波とを利用して、偏波/波長分離を行い易く設計した方向性結合器等を採用できる。このように設計された光カプラ16及び18については、実施形態1で詳述する。
次に、光干渉器10の動作について説明する。第1ポートPからは偏波と波長の一方が少なくとも異なる第1〜第j成分光C〜Cを含む入力光INが入力される。
ここで、「偏波」とは電場の振動方向が互いに直交するTE波及びTM波を指す。TE波とは、入力光INの光伝搬方向(図中、X方向)に伝搬するとともに、電場がY方向に振動する偏波を示す。また、TM波とは、光伝搬方向に伝搬するとともに、電場がZ方向に振動する偏波を示す。
第i成分光C(iは1≦i≦jの整数)を、偏波と波長との組み合わせで、例えば、C=(λ(C),TM)と表す。これは、第i成分光Cが、波長がλ(C)であり、偏波がTM波の組であることを示す。
両アーム光導波路20a及び20bを伝搬する過程で、位相調整領域22〜22により、これらの第1〜第j成分光C〜Cには、それぞれ所定の位相差が付与され、偏波/波長分離されて出力される。より詳細には、干渉次数m(C)に2πを乗じた位相差が各成分光C〜Cに付与される。
干渉次数m(C)が、「1/2×奇数」の場合には、成分光に与えられる位相差は「πの奇数倍」となり、第2ポートPから、出力光OUT1として出力される。また、干渉次数m(C)が「1/2×偶数」の場合には、位相差は「πの偶数倍」となり、第3ポートPから、出力光OUT2として出力される。このように、成分光に与えられる位相差により。各成分光は所望のポートから出力される。
次に、j個の位相調整領域22〜22が、領域数jと同数のj個の成分光C〜Cの偏波/波長分離を行うことができるメカニズムを説明する。
なお、以下の説明では、次の(1)〜(3)の変数を用いる。
(1)j個の位相調整領域22〜22中の1個を第k位相調整領域22と表す。
(2)第k位相調整領域22の光伝搬方向に沿った幾何学的長さをLとする。
(3)第i成分光Cに関する第k位相調整領域22の等価屈折率をn(C)とする。
このとき、各成分光C〜Cを、第2及び第3ポートP及びPから所望の分配比で出力させるためには、下記式(1)の干渉条件が成り立つ必要がある。
Figure 2014170073
より詳細には、式(1)を成分光C〜Cごとに展開した下記式(1−1)〜(1−j)の干渉条件が成り立つ必要がある。ここで、「分配比」とは、第2及び第3ポートP及びPに分配されて出力される各成分光C〜Cの強度比のことを示す。
(C)×L+n(C)×L+・・・+n(C)×L=m(C)×λ(C)・・・(1−1)
(C)×L+n(C)×L+・・・+n(C)×L=m(C)×λ(C)・・・(1−2)



(C)×L+n(C)×L+・・・+n(C)×L=m(C)×λ(C)・・・(1−j)
これらの式(1−1)〜(1−j)において、各成分光に関する等価屈折率n(C)〜n(C)は、位相調整領域の横断面寸法と、成分光の波長及び偏波とを用いたシミュレーション等により求めることができる。また、波長λ(C)〜λ(C)も既知である。さらに、m(C)は、成分光Cの干渉次数であり、所望に選択される値である。よって、式(1−1)〜(1−j)での未知数は各位相調整領域22〜22の長さL〜Lのみである。
このように、式(1−1)〜(1−j)では、未知数と式数が等しいので、長さL〜Lを一義に定めることができる。つまり、これらの式を用いて、位相調整領域22〜22の長さL〜Lを設計することにより、波長と偏波とを複数含む入力光INを偏波/波長分離して第2及び第3ポートP及びPから任意の分配比で出力させることができる。
なお、干渉次数m(C)の値を適当に選択することにより、第i成分光Cの分配率を任意に変化させることができる。つまり、「Int」を0以上の整数、xを0〜1の間の実数とするとき、干渉次数m(C)を「1/2×(Int+x)」とすれば、第2及び第3ポートから任意の強度比で第i成分光Cを出力させることができる。例えば、x=0.5とすれば、第i成分光Cに与えられる位相差は「πの半整数倍」となり、光干渉器10は、第i成分光Cを第2及び第3ポートP及びPに等分配する3dBカプラとして機能する。
また、この例では、コアの幅を変えて等価屈折率を異ならせたチャネル型光導波路を位相調整領域22〜22として用いた場合について説明した。しかし、位相調整領域以外の光導波路で用いられるクラッドとは屈折率を変えた位相調整用クラッドをコアの周囲に設けることで等価屈折率を異ならせた光導波路の部分領域を、1個以上の位相調整領域22〜22として用いても良い。具体的には、クラッドの材料を変更した光導波路の部分領域を位相調整領域22〜22として用いても良い。
[実施形態1]
以下、図2〜図5を参照して、実施形態1の光干渉器について説明する。この実施形態では、光干渉器が、ONUと共に用いられるPBSである場合を想定している。図2(A)は、この光干渉器の構造及び動作を概念的に示す模式図である。図2(B)は、入力光に含まれる成分光の諸元と、これらの成分光が出力されるポートとの関係を示す図である。図3は、光干渉器の構造を概略的に示す平面図である。図4(A)は、光干渉器を図3のA−A線に沿って切断した切断端面図を示す。図4(B)は、光干渉器を図3のB−B線に沿って切断した切断端面図を示す。図4(C)は、光干渉器を図3のC−C線に沿って切断した切断端面図を示す。図4(D)は、光干渉器を図3のD−D線に沿って切断した切断端面図を示す。図4(E)は、光干渉器を図3のE−E線に沿って切断した切断端面図を示す。図5(A)及び(B)は、光干渉器のTE波及びTM波の出力特性を、それぞれ示す模式図である。なお、図2〜4において、図1と同様の構成要素には同符号を付して、重複する説明を省略することもある。また、図2(A)は図1と同様に簡略化している。
(概略説明)
まず、主に図2(A)及び(B)を参照して、光干渉器30をPBSとしてONUと共に用いる場合に求められる条件及び動作を概説する。
より詳細には、現在の加入者系システムの主流であるGE−PONでは、上述のように下り通信に1.49μm光が用いられ、上り通信に1.31μm光が用いられる。局から送信される1.49μm光は、光ファイバを伝搬する過程で、偏波面がランダムに回転される結果、TE波とTM波の混合光としてONUに到達する。また、1.31μm光は、ONUのLD(Laser Diode)から、TE波として出力される。
よって、図2(B)に示すように、光干渉器30が扱う光は、以下の第1〜第3成分光C〜Cである。
1)第1成分光C=(λ(C)=1.49μm,TE)(以下、1.49TE光とも称する。)
2)第2成分光C=(λ(C)=1.49μm,TM)(以下、1.49TM光とも称する。)
3)第3成分光C=(λ(C)=1.31μm、TE)(以下、1.31TE光とも称する。)
この場合、光干渉器30は3個の成分光C〜Cを偏波/波長分離すれば良い。上述のように、偏波/波長分離すべき成分光の数j(=3)に等しい数の位相調整領域数が必要なので、アーム部20には、合計3個の位相調整領域22〜22が配置される。
そして、図2(B)に示すように、光干渉器30は、第1〜第3成分光C〜Cを偏波/波長分離し、第2ポートPからTE波である第1及び第3成分光C及びCをOUT1として出力し、第3ポートPからTM波である第2成分光CをOUT2として出力するように構成される。すなわち、光干渉器30は、第1及び第3成分光C及びCの干渉次数を「1/2×奇数」とし、及び、第2成分光Cの干渉次数を「1/2×偶数」とするように構成される。
ここで、入力光INに含まれる成分光の内、偏波がTE波の成分光をまとめて、「TE成分光群」と、偏波がTM波の成分光をまとめて、「TM成分光群」とそれぞれ称する。この場合、光干渉器30は、第1及び第3成分光C及びCからなるTE成分光群に対して「1/2×奇数」の干渉次数を与え、第2成分光CからなるTM成分光群に対して「1/2×偶数」の干渉次数を与える。
なお、図2(A)では、第1アーム光導波路20aに2個、第2アーム光導波路20bに1個の位相調整領域をそれぞれ設けているが、これは、単なる例示である。位相調整領域22〜22の両アーム光導波路20a及び20bへの配置態様に特に制限はない。
(構造)
図3及び4を参照すると、光干渉器30は、基板8に設けられたクラッド12と、コア13とで構成された光導波路14を有しており、上述の光干渉器10に対応するマッハツェンダ干渉計MZと、任意的な構成として入力部24及び出力部26を備えている。なお、基板8、コア13及びクラッド12については後述する。
マッハツェンダ干渉計MZは、光カプラ16として第1方向性結合器と、光カプラ18として第2方向性結合器と、第1及び第2方向性結合器の間に並列に設けられ、第1及び第2方向性結合器を接続する第1及び第2アーム光導波路20a及び20bとを備える。以下、この実施の形態においては、「光カプラ16」を「第1方向性結合器16」と、「光カプラ18」を「第2方向性結合器18」ともそれぞれ称する。
第1及び第2アーム光導波路20a及び20bは、互いに光路長が異なり、この例では、第1アーム光導波路20aの方が第2アーム光導波路20bよりも光路長が長い。
第1アーム光導波路20aは、第1位相調整領域22、第3位相調整領域22及び非調整領域21aを備えている。同様に、第2アーム光導波路20bは、第2位相調整領域22及び非調整領域21bを備える。
ここで、非調整領域21aとは、第1アーム光導波路20aから、第1及び第3位相調整領域22及び22を除いた部分領域を示す。同様に、非調整領域21bとは、第2アーム光導波路20bから、第2位相調整領域22を除いた部分領域を示す。両非調整領域21a及び21bは、横断面形状、平面形状及び光路長が等しく形成されたチャネル型光導波路である。
より詳細には、図4(C)を参照すると、これらの非調整領域21a及び21bの横断面形状は、幅W及び高さHが約300nmの長方形状である。入力部24及び出力部26を構成する光導波路24a,24b,26a及び26bも、非調整領域21a及び21bの横断面形状と、寸法も含めて同様である。
このように、非調整領域21a及び21bと、入力部24及び出力部26の光導波路24a,24b,26a及び26bの横断面形状を長方形状とすることにより、これらの領域での偏波回転を防止することができる。また、光導波路24aと24bの光路長、26aと26bの光路長、及び、非調整領域21aと21bの光路長をそれぞれ等しくすることにより、これらの領域を伝搬する過程で、各成分光C〜Cに位相差は生じない。
第1位相調整領域22は第1アーム光導波路20aに設けられ、2個のサブ領域22L及び22Rに分割されている。両サブ領域22L及び22Rは、互いに等しい形状の直線状のチャネル型光導波路である。具体的には、両サブ領域22L及び22Rとも、光伝搬方向に沿った長さがL/2であり、図4(A)に示すように幅はWであり、厚みはHである。この例では、サブ領域22L及び22Rの長さL/2は、それぞれ約2.79μmである。よって、第1位相調整領域22の全長Lは約5.58μmである。また、両サブ領域22L及び22Rの幅Wは約400nmであり、厚みHは約300nmである。
第2位相調整領域22は第2アーム光導波路20bに設けられ、2個のサブ領域22L及び22Rに分割されている。両サブ領域22L及び22Rは、互いに等しい形状の直線状のチャネル型光導波路である。具体的には、両サブ領域22L及び22Rとも、光伝搬方向に沿った長さがL/2であり、図4(D)に示すように幅はWであり、厚みはHである。この例では、サブ領域22L及び22Rの長さL/2は、それぞれ約3.215μmである。よって、第2位相調整領域22の全長Lは約6.43μmである。また、両サブ領域22L及び22Rの幅Wは約500nmであり、厚みHは約300nmである。
第3位相調整領域22は、第1アーム光導波路20aに設けられ、2個のサブ領域22L及び22Rに分割されている。両サブ領域22L及び22Rは、互いに等しい形状の直線状のチャネル型光導波路である。具体的には、両サブ領域22L及び22Rとも、光伝搬方向に沿った長さがL/2であり、図4(B)に示すように幅はWであり、厚みはHである。この例では、サブ領域22L及び22Rの長さL/2は、それぞれ約0.265μmである。よって、第3位相調整領域22の全長Lは約0.53μmである。また、両サブ領域22L及び22Rの幅Wは約300nmであり、厚みHは約300nmである。
なお、第1〜第3位相調整領域22〜22の長さL〜Lの決定法については、(設計条件)の項で詳細に説明する。
このように、3個の位相調整領域22,22及び22と、非調整領域21a及び21bと、入力部24及び出力部26を構成するコア13の高さ及び幅は約200〜500nmの範囲に収まっている。コア13の高さ及び幅をこの範囲の値にすることで、光導波路14を高さ方向及び幅方向の両方向に関してシングルモード光導波路とすることができる。
なお、この例では、サブ領域22Lと22R、22Lと22R、及び22Lと22R同士の長さが等しい場合について説明したが、全長が変化しなければ、サブ領域同士の長さは等しくなくとも良い。
また、各位相調整領域22,22及び22を構成するサブ領域の個数も、2個には限定されず、設計に応じて3個以上としてもよい。
また、この例では、各位相調整領域22,22及び22を直線状のチャネル型光導波路とする場合について説明したが、位相調整領域は、湾曲したチャネル型光導波路でもよい。ただ、この場合、湾曲部での等価屈折率は直線状のチャネル型光導波路と異なるので、横断面形状と全長も湾曲形状に応じて定める必要がある。
図3を参照すると、第1方向性結合器16は、第1光導波路16aと第2光導波路16bとを備えている。第1及び第2光導波路16a及び16bは、立体形状が等しい直線状に形成されている。第1及び第2光導波路16a及び16bは、光結合可能な距離を隔てて互いに平行に配置されている。第1光導波路16aの一端は第1ポートPであり、入力部24の光導波路24aに接続されている。第1光導波路16aの他端は第1アーム光導波路20aに接続されている。第2光導波路16bの一端は第4ポートPであり、入力部24の光導波路24bに接続されている。第2光導波路16bの他端は第2アーム光導波路20bに接続されている。この実施形態では、第4ポートPは、光が入出力されないポート、言わばダミーポートであり、偏波/波長分離に何ら関係しない。
第2方向性結合器18は第1方向性結合器16と等しく構成されている。すなわち、第2方向性結合器18は、第3光導波路18aと第4光導波路18bとを備えている。第3及び第4光導波路18a及び18bは、それぞれ第1及び第2光導波路16a及び16bとそれぞれ立体形状が等しい。また、第3及び第4光導波路18a及び18bは、第1及び第2光導波路16a及び16b間の距離と等しい距離を隔てて互いに平行に配置されている。第3光導波路18aの一端は第2ポートPであり、出力部26の光導波路26aに接続されている。第3光導波路18aの他端は第1アーム光導波路20aに接続されている。第4光導波路18bの一端は第3ポートPであり、出力部26の光導波路26bに接続されている。第4光導波路18bの他端は第2アーム光導波路20bに接続されている。
図2(B)に示すように構成されている場合、第1方向性結合器16の第1ポートPに入力されたTE波である第1及び第3成分光C及びCは、第1及び第2方向性結合器16及び18を伝搬する過程で、第4光導波路18bにパワー移行することなく第2ポートPから出力される。以降、第1ポートPから入力された光が、第4光導波路18bへのパワー移行を生じずに第2ポートPから出力されることを「BAR出力」とも称する。
一方、第1ポートPに入力されたTM波である第2成分光Cは、第4光導波路18bへとパワーが移行して第3ポートPから出力される。以降、第1ポートPから入力された光が、第4光導波路18bへとパワー移行して第3ポートPから出力されることを「CRS出力」とも称する。
ここで、図4(E)を参照して、第1及び第2光導波路16a及び16bの具体的な寸法を説明する。第1及び第2光導波路16a及び16bの幅はWDCであり、厚みはHDCであり、第1及び第2光導波路16a及び16bの中心間距離はDDCである。この例では、WDCは約500nmであり、DDCは約850nmであり、厚みHDCは約300nmである。また、第1方向性結合器16の長さは、CRS出力させる第2成分光Cの完全結合長の1/2の長さとしている。これにより、1.49TM光である第2成分光Cを、十分な消光比でCRS出力させることができる。第1方向性結合器16と等しく構成されている第2方向性結合器18も、この寸法に形成される。
コア13は、基板8の主面8a側に設けられたクラッド12中に設けられている。コア13の構成材料は、この例では、屈折率が約3.47のSiである。クラッド12は、主面8a上に一様な厚みで延在する層状体である。より詳細には、クラッド12は、コア13の上面と下面及び両側面とを覆っている。クラッド12を構成する材料は、例えば、屈折率が約1.44のSiOである。この例のように、クラッド12を構成する材料には、コア13の屈折率の71.4%以下の材料を用いることが好ましい。この条件の屈折率を持つ材料をクラッド12に用いることで、コア13とクラッド12との屈折率差が十分に大きくなり、光導波路14内に光を強く閉じ込めることができる。その結果、例えば、曲率半径が5μm程度の湾曲光導波路を形成できる等、光干渉器10を小型化することができる。また、クラッド12の材料としては、SiO(ただし、p及びqは、2≧p≧0かつ4/3≧q≧0)を用いても良い。
また、基板8の主面8aから測ったクラッド12の厚みは、例えば、約3μmとする。光導波路14を伝搬する光の基板8への不所望な結合を防ぐためには、コア13と基板8との間に1μm以上の厚みのクラッド12を介在させることが好ましい。この例では、主面8aとコア13の下面との間に、約1.5μmのクラッド12を介在させている。基板8は、例えば、Siを材料とする。
続いて、光干渉器30の製造方法について簡単に説明する。光干渉器30は、Si基板上にSiO層とSi層とがこの順序で積層されたSOI(Si On Insulator)基板を利用して作成される。すなわち、最上層のSi層を利用してコア13を形成し、BOX(Buried−OXide)層であるSiO層をクラッド12の下層に利用する。より詳細には、最上層のSi層を従来公知のドライエッチング法等でパターニングしてコア13を作成する。そして、このコア13を埋め込むように、CVD(Chemical Vapor Deposition)法等で、クラッド12の上層に対応するSiO層を形成する。これにより、光導波路14を備える光干渉器30を得る。
(設計条件)
次に、光干渉器30の設計法について説明する。加入者系システムでPBSとして用いる光干渉器30は、第1〜第3成分光C〜Cの波長及び偏波を考慮して偏波/波長分離を行い易いように設計されている。
すなわち、波長が1.31μmの第3成分光Cは、第1及び第2成分光C及びCよりも波長が短いので、第1方向性結合器16において、第1及び第2光導波路間での光の相互作用が弱く、CRS出力させ難い。第2方向性結合器18においても同様である。よって、この第3成分光CをBAR出力させるように、光干渉器30を設計するのが合理的である。
このように第3成分光CをBAR出力と定めれば、光干渉器30に求められる偏波/波長分離特性から、第3成分光Cと同じTE波である第1成分光CはBAR出力と定まり、TM波の第2成分光CはCRS出力と定まる。このように、TE波をBAR出力させ、TM波をCRS出力させるために、図4(E)に示したように、WDC>HDCとして、アーム光導波路20aへのTE波の閉じ込め能力を高めた。なお、WDC,HDC及びDDCの具体値は、有限要素法を用いたシミュレーションで決定した。
ところで、一般に方向性結合器においては、CRS出力させる光に対しては全長を厳密に結合長に合わせる必要があるが、BAR出力させる光に対しては、それほどの厳密性は要求されない。よって、第1及び第2方向性結合器16及び18の全長は、上述のように、CRS出力させる第2成分光Cの完全結合長に設定した。
このように各成分光C〜Cの出力先(第2又は第3ポートP又はP)が決まれば、後はそれに応じて、位相調整領域22〜22を設計すれば良い。具体的には、上述の式(1−1)〜(1−j)でj=3とした、下記の干渉条件式(A)〜(C)を解けば良い。
(C)×L+n(C)×L+n(C)×L=m(C)×λ(C)・・・(A)
(C)×L+n(C)×L+n(C)×L=[m(C)+1/2]×λ(C)・・・(B)
(C)×L+n(C)×L+n(C)×L=m(C)×λ(C)・・・(C)
ここで、λ(C)及びλ(C)は、第1及び第2成分光C及びCの波長に対応する1.49μmである。λ(C)は、第3成分光Cの波長に対応する1.31μmである。また、第1〜第3成分光C〜Cを出力するポートを勘案して、干渉次数m(C)を1とする。
式(A)〜(C)から、L〜Lは以下の式(D)〜式(F)と求まる。
=(λ(C)×(m(C)×(δΔn−δΔn)−n(C)×δ/2+n(C)×δ/2))/(n(C)×(δΔn−δΔn)−n(C)×(δΔn−δΔn)+n(C)×(δΔn−δΔn))・・・(D)
=(m(C)×(n(C)×λ(C)−n(C)×λ(C))−L×(n(C)×n(C)−n(C)×n(C)))/(n(C)×n(C)−n(C)×n(C))・・・(E)
=(λ(C)×m(C)−L×n(C)−L×n(C))/n(C)・・・(F)
ここで、Δn〜Δn及びδ〜δは、下記式(G)〜式(L)で定義される。
Δn=n(C)−n(C)・・・(G)
Δn=n(C)−n(C)・・・(H)
Δn=n(C)−n(C)・・・(I)
δ=n(C)/λ(C)−n(C)/λ(C)・・・(J)
δ=n(C)/λ(C)−n(C)/λ(C)・・・(K)
δ=n(C)/λ(C)−n(C)/λ(C)・・・(L)
式(D)〜式(F)に上述した値を代入して解くと、既に説明したL=5.58μm、L=6.43μm及びL=0.53μmが得られる。
(動作)
次に、図5(A)及び(B)を参照して、光干渉器30の動作について説明する。図5(A)及び(B)は、それぞれ光干渉器30のTE波及びTM波の出力特性を示す。図5(A)及び(B)ともに、横軸は波長(μm)であり、縦軸は強度(dB)である。なお、強度は、入力光に対する光強度比率である。なお、これらの特性図は、上述のように設計された光干渉器30に対して、有限要素法によるモード計算を行うことで得られた。
図5(A)の曲線Iは、第2ポートPからBAR出力されるTE波の光強度であり、曲線IIは、第3ポートPからCRS出力されるTE波の光強度である。曲線Iは、1.25〜1.6μmの全波長範囲において光強度が約0dBであり、BAR出力されるTE波は強度が殆ど低下しないことが分かる。それに対して、曲線IIは、全波長範囲において強度が約−25dB以下であり、CRS出力されるTE波は、BAR出力されるTE波の1/100未満の強度であることが分かる。つまり、光干渉器30は、第1及び第3成分光C及びCを含むTE波を消光比良く、第2ポートPから出力することができる。
図5(B)の曲線IIIは、第3ポートPからCRS出力されるTM波の光強度であり、曲線IVは、第2ポートPからBAR出力されるTM波の光強度である。曲線IIIは、第2成分光Cの波長である1.49μm付近で約0dBの光強度であり、この波長付近のTM波は、殆どロス無くCRS出力されることが分かる。また、この波長で第2ポートPからBAR出力されるTM波の光強度は、約−30dB未満であり、光干渉器30は、TM波である第2成分光Cを消光比良く、第3ポートPからCRS出力することができる。
なお、この実施形態では、光干渉器30を、GE−PONシステム用のPBSとする場合について説明した。しかし、光干渉器30は、GE−PONシステムには限定されず、下り波長として1.577μm光を用い、上り波長として1.27μm光を用いる次世代の10G(10 Gbit/s)−PONシステムのPBSにも応用できる。
[実施形態2]
続いて、図6及び図7を参照して、実施形態2の光干渉器について説明する。図6は、実施形態2の光干渉器40の構造を概略的に示す平面図である。図7は、実施形態2の光干渉器40の出力特性を示す特性図である。
図6を参照すると、光干渉器40は、実施形態1の光干渉器30を直列に複数段に渡り接続したものに相当する。すなわち、光干渉器40は、方向性結合器の長さが異なる以外、光干渉器30と同様に構成された第1及び第2光干渉器30−1及び30−2を備えている。
以下、この相違点について説明する。光干渉器40は、光干渉器30と同様に動作するように構成されている。すなわち、TE波である第1及び第3成分光C及びCを第2光干渉器30−2の第2ポートP−2からBAR出力し、TM波である第2成分光Cを第2光干渉器30−2の第3ポートP−2からCRS出力する。
そのためには、光干渉器40に含まれる4個の方向性結合器16−1,18−1,16−2及び18−2の長さの合計を、上述した第2成分光Cの完全結合長と等しくする必要がある。つまり、各方向性結合器16−1,18−1,16−2及び18−2の長さを、それぞれ第2成分光Cの完全結合長の1/4の長さとししている。
より詳細には、第1光干渉器30−1の第2ポートP−1は、第2光干渉器30−2の第1ポートP−2に接続されており、第1光干渉器30−1からBAR出力された光が、第2光干渉器30−2へと入力される。同様に、第1光干渉器30−1の第3ポートP−1は、第2光干渉器30−2の第4ポートP−2に接続されており、第1光干渉器30−1からCRS出力された光が、第2光干渉器30−2へと入力される。
続いて、図7を参照して、光干渉器40の出力特性について説明する。図7において、横軸は波長(μm)であり、縦軸は光強度である。なお、光強度は、入力光に対する光強度比率である。なお、これらの特性図は、光干渉器40に対して、有限要素法によるモード計算を行うことで得られた。
図7の曲線Iは、第2光干渉器30−2の第2ポートP−2からBAR出力されるTE波の光強度を示す。曲線IIは、第2光干渉器30−2の第3ポートP−2からCRS出力されるTM波の光強度を示す。曲線IIIは、第2ポートP−2からBAR出力されるTM波の光強度を示す。曲線IVは、第3ポートP−2からCRS出力されるTE波の光強度を示す。
図7を参照して、TE波の出力を示す曲線I及びIVを比較すると、1.2〜1.6μmの全波長範囲において、第3ポートP−2からCRS出力されるTE波の強度(曲線IV)は、第2ポートP−2からBAR出力されるTE波の強度(曲線I)の1/1000未満であることが分かる。このことから、光干渉器40は、TE波に関して言えば、加入者系システムで用いられる波長範囲において、十分な消光比で、偏波/波長分離されている。
また、TM波の出力を示す曲線II及びIIIを比較すると、波長が約1.49〜1.58μmの広い波長範囲において、第2ポートP−2からBAR出力されるTM波の強度(曲線III)は、第3ポートP−2からCRS出力されるTM波の強度(曲線II)の1/50未満であることが分かる。このことから、光干渉器40は、TM波に関して言えば、加入者系システムのONUで用いられる波長範囲において、十分な消光比で、偏波/波長分離されている。
また、図7及び5を比較すると、光干渉器40では、実用上十分な消光比でCRS出力する波長範囲を光干渉器30よりも広くすることができる。詳細には、光干渉器30では、1.49TM光だけが良好な消光比でCRS出力されたのに対し、光干渉器40では、1.49〜1.58μmの広い波長範囲のTM波が良好な消光比でCRS出力されている。
[実施形態3]
続いて、図8を参照して、実施形態3の光干渉器について説明する。図8は、実施形態3の光干渉器50の構造を概略的に示す平面図である。
光干渉器50は、アレイ導波路回折格子(AWG:Array Waveguide Gratings)に本発明を応用した例である。
光干渉器50は、2個の光カプラ50a及び50bと、これらの光カプラ50a及び50bの間に並列に設けられ、両光カプラ50a及び50bを接続する第1〜第u光導波路20−1〜20−u(uは3以上の整数)を備えるアレイ導波路23と、一方の光カプラ50aに備えられた光入出力用の第1ポートPと、他方の光カプラ50bに備えられた光入出力用の第2〜第sポートP〜P(sは、s≦u+1の整数)とを備える。
この光干渉器50には、偏波と波長の一方が少なくとも異なる第1〜第r成分光(rは2以上の整数)を含む入力光INが第1ポートPから入力される。この例では、u=6,s=4及びr=3である。よって、入力光INに含まれる第1〜第3成分光C,C及びCは、第1〜第6光導波路20−1〜20−6を伝搬する過程で偏波/波長分離されて、それぞれ、第2〜第4ポートP〜Pから出力される。
第1〜第3成分光の偏波/波長分離を行うために、アレイ導波路23を構成する第1〜第6光導波路20−1〜20−6のそれぞれには、等価屈折率がそれぞれ異なる3個の位相調整領域が設けられる。より詳細には、第1〜第6光導波路20−1〜20−6には、第1〜第3位相調整領域22−1〜22−6,22−1〜22−6及び22−1〜22−6が設けられる。そして、互いに隣接する第v及び第v+1光導波路20−v及び20−(v+1)(vは、1〜5の整数)において、第1〜第3位相調整領域22−vと22−(v+1)、22−vと22−(v+1)及び22−vと22−(v+1)の光路長差が調整されている。
これにより、光干渉器50は、第2〜第4ポートP〜Pから、偏波/波長分離された第1〜第3成分光を出力させることができる。
この実施形態では、偏波/波長分離すべき成分光数rが3であり、アレイ導波路23を構成する光導波路数uが6の場合について説明した。しかし、rとuとの関係はこれには限定されず、u≧rであれば良い。ただ、実用上十分な消光比で偏波/波長分離を行うためには、u≧2rであることが好ましい。さらに、u≧4rであれば一層好ましい。
8 基板
12 クラッド
13 コア
14,24a,24b,26a,26b 光導波路
10,30,40,50 光干渉器
16 光カプラ(第1方向性結合器)
16a 第1光導波路
16b 第2光導波路
18 光カプラ(第2方向性結合器)
18a 第3光導波路
18b 第4光導波路
20 アーム部
20a 第1アーム光導波路
20b 第2アーム光導波路
20−1〜20−6 第1〜第6光導波路
21a,21b 非調整領域
22〜22 位相調整領域(第1〜第j位相調整領域)
22−1〜22−6 第1位相調整領域
22−1〜22−6 第2位相調整領域
22−1〜22−6 第3位相調整領域
22L,22R,22L,22R,22L,22R サブ領域
23 アレイ導波路
24 入力部
26 出力部
30−1 第1光干渉器
30−2 第2光干渉器

Claims (15)

  1. 基板の主面側に設けられたクラッドとコアとで構成された光導波路を有し、該光導波路が、
    2個の光カプラと、
    2個の該光カプラの間に並列に設けられ、2個の該光カプラを接続する第1及び第2アーム光導波路と、
    一方の前記光カプラに備えられた第1ポートと、
    他方の前記光カプラに備えられた第2及び第3ポートと、
    前記第1及び第2アーム光導波路の一方又は双方に合計j個(jは2以上の整数)設けられた位相調整領域と
    を備え、
    前記第1ポートから入力される偏波と波長の少なくとも一方が異なる第1〜第j成分光を、設定に応じた分配比で前記第2及び第3ポートから出力させることを特徴とする光干渉器。
  2. 第i成分光C(iは1〜jの整数)を、波長がλ(Ci)であり、及び、偏波がTE波及びTM波の何れかである光とし、
    第k位相調整領域(kは1〜jの整数)の光伝搬方向に沿った幾何学的長さLk、前記第i成分光Cに関する前記第k位相調整領域の等価屈折率nk(Ci)、及び、前記第i成分光Cに関する干渉次数m(Ci)(m(Ci)は正の実数)が、下記式(1)を満たすことを特徴とする請求項1に記載の光干渉器。
    Figure 2014170073
  3. 前記第1〜第j成分光の内、偏波がTE波であるTE成分光群の干渉次数が1/2×奇数であり、偏波がTM波であるTM成分光群の干渉次数が1/2×偶数であることを特徴とする請求項2に記載の光干渉器。
  4. 前記第j位相調整領域が、前記第1〜第j−1位相調整領域を除いた、前記第1及び第2アーム光導波路の部分領域であることを特徴とする請求項2又は3に記載の光干渉器。
  5. 前記第1〜第j位相調整領域を除いた、前記第1及び第2アーム光導波路の光路長が互いに等しいことを特徴とする請求項2〜4の何れか一項に記載に光干渉器。
  6. 前記j個の位相調整領域の少なくとも1領域では、位相調整用クラッドが前記コアの周囲に設けられていて、前記位相調整用クラッドの屈折率が前記クラッドの屈折率と異なることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の光干渉器。
  7. 前記j個の位相調整領域の、光伝搬方向に直交し、前記主面に平行な長さである幅が、互いに異なっていることを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の光干渉器。
  8. 前記クラッドの材料として、前記コアの屈折率の71.4%以下の材料を用いることを特徴とする請求項1〜7のに記載の光干渉器。
  9. 前記コアの材料としてSiを用い、前記クラッドの材料として、SiO(ただし、p及びqは、2≧p≧0かつ4/3≧q≧0)を用いることを特徴とする請求項6〜8の何れか一項に記載の光干渉器。
  10. 一方及び他方の前記光カプラが、それぞれ方向性結合器であることを特徴とする請求項1〜9の何れか一項に記載の光干渉器。
  11. 一方及び他方の前記光カプラが、それぞれ多モード干渉光導波路であることを特徴とする請求項1〜9の何れか一項に記載の光干渉器。
  12. 前記j個の位相調整領域の少なくとも1領域が、複数のサブ領域を備えることを特徴とする請求項1〜11の何れか一項に記載の光干渉器。
  13. 前記主面に垂直な長さである前記コアの厚みが、200〜500nmの範囲の値であることを特徴とする請求項1〜12の何れか一項に記載の光干渉器。
  14. 請求項1〜13の何れか一項に記載の光干渉器を直列に複数段に渡り接続したことを特徴とする光干渉器。
  15. 2個の光カプラと、2個の該光カプラの間に並列に設けられ、当該2個の光カプラを接続する第1〜第u光導波路(uは3以上の整数)と、一方の前記光カプラに備えられた第1ポートと、他方の前記光カプラに備えられた第2〜第sポート(sは、s≦u+1の整数)とを備え、
    前記第1〜第u光導波路は互いに異なる光路長を有し、
    前記第1ポートから、偏波と波長の一方が少なくとも異なる第1〜第r成分光(rは2以上の整数)を含む入力光が入力され、
    前記第1〜第u光導波路のそれぞれが第1〜第r位相調整領域を備え、互いに隣接する第v及び第v+1光導波路(vは、1〜u−1の整数)における第1〜第r位相調整領域の長さに応じて、前記第1〜第r成分光をそれぞれ前記第2〜第sポートから出力させることを特徴とする光干渉器。
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JP2016148798A (ja) * 2015-02-13 2016-08-18 沖電気工業株式会社 光導波路素子

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