<実施形態>
以下、実施形態に係る自動倉庫について説明する。
まず、自動倉庫の全体構成について説明する。図1は自動倉庫全体を示す概略平面図であり、図2は自動倉庫全体を示す概略側面図であり、図3は自動倉庫の部分拡大概略平面図であり、図4は自動倉庫の部分拡大概略側面図である。
自動倉庫は、格納棚10と、入庫用仮置き棚20と、入庫用昇降機構部30と、出庫用仮置き棚40と、出庫用昇降機構部50と、移載台車60と制御ユニット70とを備える。
そして、入庫用コンベア16で搬送された物品Wは、入庫用昇降機構部30から入庫用仮置き棚20及び移載台車60を経由して格納棚10に入庫され、格納保管される。また、格納棚10に格納保管された物品Wは、移載台車60から出庫用仮置き棚40及び出庫用昇降機構部50を経由して、出庫用コンベア18に出庫されるようになっている。
なお、各名称に付された「入庫用」「出庫用」との表現は、通常動作時における用途を意味している。このため、故障時、大量の物品の取扱時等において、入庫用の構成部分が出庫用に用いられてもよいし、逆に、出庫用の構成部分が入庫用に用いられてもよい。また、本実施形態では、入庫用の構成部分と出庫用の構成部分とを分けているが、これらを区別せずに、入出庫兼用の構成部分として用いてもよい。
格納棚10は、上下方向に複数段に亘る棚12を有する格納部として構成されており、複数の物品Wを縦横に配列した状態で格納可能に構成されている。
ここでは、入庫用昇降機構部30(又は出庫用昇降機構部50)を、2つの入庫用仮置き棚20(又は2つの出庫用仮置き棚40)を介して挟むように、2つの格納棚10が配設されている。換言すれば、2つの格納棚10が直線状に配列され、その間に、入庫用昇降機構部30及び2つの入庫用仮置き棚20(又は出庫用昇降機構部50及び2つの出庫用仮置き棚40)が配設されている。
もっとも、入庫用昇降機構部30(又は出庫用昇降機構部50)を挟むように、2つの格納棚10が配設されていることは、必須ではなく、入庫用昇降機構部30(又は出庫用昇降機構部50)の一方側にのみ1つの格納棚10が配設されていてもよい。
また、ここでは、入庫用昇降機構部30とこれを挟む2つの入庫用仮置き棚20及び2つの格納棚10を含む1組の格納ラインと、出庫用昇降機構部50とこれを挟む2つの出庫用仮置き棚40及び2つの格納棚10を含む他の1組の格納ラインとが、台車走行通路14を介して対向して配置されている。そして、各格納棚10に対して台車走行通路14側より物品Wが出し入れされるようになっている。
入庫用コンベア16は、物品Wの所定の搬入箇所(図示省略)から格納棚10に至る経路に配設され、外部から入庫用昇降機構部30に向けて物品Wを搬送する入庫用搬送機構部である。入庫用コンベア16は、棚12に沿って設けられていればよく、中段又は上段に設けられていてもよい。ここでは、入庫用コンベア16は、外部から入庫用昇降機構部30の一側にある格納棚10の最下段の棚12の下方位置を通って入庫用昇降機構部30の一側に達するように設けられている。換言すれば、平面視において、入庫用コンベア16の一部は、入庫用昇降機構部30の一側にある格納棚10と重複する位置に設けられている。そして、前記搬入箇所で入庫用コンベア16上に物品Wを載置すると、図示省略のモータや複数のローラ等で構成される搬送機構部の搬送動作により、当該物品Wが入庫用昇降機構部30に向けて搬送され、当該入庫用昇降機構部30に引渡されるようになっている。なお、入庫用コンベア16における搬送機構部としては、後述する入庫用昇降移載部32における搬送機構部と同様構成を採用することができる。
入庫用昇降機構部30は、物品Wを上記複数の段に対応する各位置に昇降移動させるものであり、入庫対象となる物品Wを入庫用コンベア16から受取った後、いずれかの段の位置に昇降移動して、受取った物品Wを、当該段の入庫用昇降機構部30に対して引渡可能に構成されている。
より具体的には、入庫用昇降機構部30は、入庫用コンベア16の搬送方向終端部分に隣接する位置であり、かつ、2つの入庫用仮置き棚20の間の位置に設けられており、柱部31と、入庫用昇降移載部32とを備える。
柱部31は、2つの入庫用仮置き棚20であって台車走行通路14の両側外方位置に上下方向にそって立設されている。つまり、柱部31は、対向する格納棚10の間の台車走行通路14の延長上を外方に離れた位置に立設されている。この柱部31は、棚12の最上段を越える高さに設定されており、入庫用昇降移載部32を複数の段に亘って昇降移動可能に支持する。また、この柱部31には、図示省略のモータ等の昇降駆動部、柱部31の上下方向に沿って巻掛けられたチェーン或はベルト等の昇降伝達機構が組込まれており、昇降駆動部の駆動力が昇降伝達機構を介して入庫用昇降移載部32に伝達され、これにより、入庫用昇降移載部32が各段の棚12及び入庫用コンベア16の各高さ位置に達するように昇降移動するようになっている。
入庫用昇降移載部32は、上記柱部31に沿って昇降移動可能に支持され(図4では説明の便宜上、入庫用昇降移載部32は上下2箇所に示されているが、実際は1つ)、入庫用コンベア16から複数(ここでは、2つ、以下2つの例で説明する)の物品Wを受取って、いずれかの段の高さ位置に昇降移動し、当該2つの物品Wを振分けて2つの入庫用仮置き棚20に並行して移載可能に構成されている。
図5及び図6は入庫用昇降移載部32の構成例を示す図である。入庫用昇降移載部32は、同一面上において隣接された2つの分割移載部33を含んでいる。各分割移載部33は、同一平面上に並列所に配設された複数のローラ34を含む。隣合う各ローラ34は、ベルト又はチェーン等の回転伝達部材35によって連結されており、複数のローラ34は同期して同一方向に回転可能とされている。また、各ローラ34はモータ等の回転駆動部によって正逆両方向に回転駆動可能とされている。ここでは、ローラ34のうちの1つが、モータを組込んだモータローラとされ、当該モータローラの正逆両方向への回転駆動に応じて複数のローラ34が正逆両方向に回転駆動されるようになっている。この入庫用昇降移載部32では、2つの分割移載部33のそれぞれにおいて、各ローラ34の回転方向を制御することができる。従って、入庫用昇降移載部32を入庫用コンベア16と同高さ位置に配設した状態で、入庫用コンベア16から複数の物品Wを移載する場合には、2つの分割移載部33の各ローラ34を同方向に回転駆動させることで、当該複数の物品Wを順次2つの分割移載部33上に移載することができる。また、入庫用昇降移載部32をいずれかの段の入庫用仮置き棚20の高さ位置に昇降移動させた状態で、入庫用昇降移載部32の2つの分割移載部33のそれぞれに載置された2つの物品Wを、2つの入庫用仮置き棚20に移載する際には、2つの分割移載部33の各ローラ34を互いに逆方向(それぞれ外側に物品Wを送出す方向)に回転させることで、当該2つの物品Wを両方向外側に振分けて2つの入庫用仮置き棚20に並行して移載することができる。なお、入庫用昇降移載部32は、複数の物品Wを異なる2方向へ振分けて2つの入庫用仮置き棚20に移載できる構成であればよく、他の構成、例えば、プッシャー等によって複数の物品Wを異なる2方向へ押出すような構成であってもよい。
図1〜図4に戻って、入庫用仮置き棚20は、入庫用リザーバとも呼ばれる部分であり、複数の段に対応して設けられている。また、各段において、2つの入庫用仮置き棚20が入庫用昇降機構部30を挟むように当該入庫用昇降機構部30の両隣に設けられている。なお、ここでは、全ての段において、2つの入庫用仮置き棚20が入庫用昇降機構部30を挟むように設けられているが、これは必須ではなく、少なくとも1つの段において、2つの入庫用仮置き棚20が入庫用昇降機構部30を挟むように設けられていればよい。
各入庫用仮置き棚20は、入庫用昇降機構部30から物品Wを受取って、移載台車60によって物品Wが格納棚10に移載されるまで一時的に載置可能に構成されている。
図7及び図8は、入庫用仮置き棚20の構成例を示す図である。入庫用仮置き棚20は、同一平面上に並列所に配設された複数のローラ22を含む。隣合う各ローラ22は、ベルト又はチェーン等の回転伝達部材24によって連結されており、複数のローラ22は同期して同一方向に回転可能とされている。また、各ローラ22はモータ等の回転駆動部によって正逆両方向に回転駆動可能とされている。ここでは、ローラ22のうちの1つが、モータを組込んだモータローラとされ、当該モータローラの正逆両方向への回転駆動に応じて複数のローラ22が正逆両方向に回転駆動されるようになっている。従って、入庫用昇降移載部32をいずれかの段の2つの入庫用仮置き棚20と同高さ位置に配設した状態で、入庫用昇降移載部32から2つの入庫用仮置き棚20に物品Wを移載する場合には、2つの分割移載部33の各ローラ34を互いに逆方向(それぞれ外側に物品Wを送出す方向)に回転させつつ、2つの入庫用仮置き棚20の各ローラ22を、物品Wを取込む方向に回転させる。これにより、入庫用昇降機構部30によって昇降移動された2つの物品Wを、その両外側の2つの入庫用仮置き棚20に振分けつつ並行して移載できるようになっている。なお、複数の物品Wの振分け移載は、互いの振分け移載動作が時間的に部分的に重複して行われれば、その移載動作の短縮が可能となる。従って、複数の物品Wを振分けて移載する各動作が、時間的に少なくとも一部で重複して行われればよい。
なお、入庫用仮置き棚20が入庫専用として構成される場合には、各ローラ22は、入庫用昇降移載部32から物品Wを取込む方向にのみ回転可能とされていてもよい。
なお、上記入庫用コンベア16、入庫用昇降移載部32、入庫用仮置き棚20には、物品Wの搬送方向に沿って所定位置に図示省略の物品検知センサが設けられている。物品検知センサは、搬送された物品Wがその搬送方向に沿って所定位置に達すると、当該物品Wを検知し、検知結果に応じた検知信号を出力して制御ユニット70に与える。物品検知センサからの出力に応じて、入庫用コンベア16、入庫用昇降移載部32、入庫用仮置き棚20の各搬送用のモータの駆動を制御することで、物品Wを搬送方向に沿って所定位置で停止させつつ、搬送することができる。なお、物品Wの停止は、図示省略のモータ等を含む進退駆動機構部によって進退駆動されるストッパによって行われてもよい。
図1〜図4に戻って、出庫用仮置き棚40も、入庫用仮置き棚20と同様に、各段に対応して設けられている。また、各段において、2つの出庫用仮置き棚40が、出庫用昇降機構部50を挟むように当該出庫用昇降機構部50の両隣に設けられている。なお、ここでは、全ての段において、2つの出庫用仮置き棚40が出庫用昇降機構部50を挟むように設けられているが、これは必須ではなく、少なくとも1つの段において、2つの出庫用仮置き棚40が出庫用昇降機構部50を挟むように設けられていればよい。
また、ここでは、各出庫用仮置き棚40は、出庫用リザーバとも呼ばれる部分であり、各入庫用仮置き棚20に対向して設けられている。これにより、入出庫動作を同時に行うような場合に、物品Wを移載台車60から出庫用仮置き棚40に移載した後、移載台車60を移動させずに、入庫用仮置き棚20から移載台車60に物品Wを移載することができ、迅速な入出庫混在動作を行えるという利点がある。
各出庫用仮置き棚40は、上記入庫用仮置き棚20と同様構成とされている。そして、移載台車60によって格納棚10からの物品Wが各出庫用仮置き棚40に移載され、当該物品Wが、出庫用昇降機構部50に移載されるまで各出庫用仮置き棚40に一時的に載置されるようになっている。各出庫用仮置き棚40が出庫専用として構成されている場合、各出庫用仮置き棚40は出庫用昇降機構部50に向けてのみ物品Wを搬送可能な構成とされていてもよい。
出庫用昇降機構部50は、上記柱部31と同様構成の柱部51と、上記入庫用昇降移載部32と同様構成の出庫用昇降移載部52とを備える。そして、出庫用昇降移載部52が各段の棚12及び出庫用コンベア18の各高さ位置に達するように昇降移動される。また、出庫用昇降移載部52がいずれかの段の高さ位置に達した状態で、両隣の2つの出庫用仮置き棚40に載置された複数(ここでは2つ、以下2つで説明する)の物品Wが出庫用昇降移載部52に並行して移載されるようになっている。また、出庫用昇降移載部52が出庫用コンベア18の高さ位置に達した状態で、出庫用昇降移載部52に載置された1つ又は2つの物品Wを、出庫用コンベア18に移載する構成とされている。
出庫用コンベア18は、出庫用搬送機構部であり、物品を格納棚10から離れた方向に搬送する点を除いて、入庫用コンベア16と同様構成とされている。ここでは、出庫用コンベア18は、出庫用昇降機構部50の他側隣から、当該他側にある格納棚10の最下段の棚12の下方位置を通って格納棚10の外側端部の外方に達するように設けられている。出庫用コンベア18は、棚12に沿って設けられていればよく、中段又は上段に設けられていてもよい。ここでは、出庫用コンベア18は、上記入庫用コンベア16が設けられた格納棚10に対して斜めに対向する格納棚10の下方を通るように配設されている。従って、物品Wを自動倉庫内に搬入する位置と、物品Wを自動倉庫から搬出する位置とは、格納棚10の長手方向において互いに反対側の端部位置に存在している。そして、出庫用コンベア18は、出庫用昇降機構部50から移載された物品Wを、前記格納棚10の下方を通って所定の搬出箇所に向けて搬送するように構成されている。なお、2つの出庫用仮置き棚40から複数の物品Wを出庫用昇降移載部52に並行して移載する動作は、時間的に部分的に重複して行われれば、その移載動作の短縮が可能となる。従って、両動作が、時間的に少なくとも一部で重複して行われればよい。
移載台車60は、ドーリーとも呼ばれる部分であり、複数段の棚とその各段に対応する入庫用仮置き棚20及び出庫用仮置き棚40との間で物品Wを移載可能に構成されている。
ここでは、移載台車60は、各段に対応して設けられている。また、各段に対応して、1つの移載台車60が設けられている。各段において、1つの移載台車60は、入庫用昇降機構部30及び出庫用昇降機構部50の側方(ここでは、これらの間の側方)を通って走行し、もって、入庫用昇降機構部30(又は出庫用昇降機構部50)を挟む2つの入庫用仮置き棚20(又は2つの出庫用仮置き棚40)及び2つの格納棚10に対して物品Wを出し入れ可能とされている。
より具体的には、対向する格納棚10間において、各段のそれぞれに台車走行通路14が設けられている。台車走行通路14は、入庫用昇降機構部30及び出庫用昇降機構部50の各両側それぞれにおいて、対向する格納棚10間を直線的に結ぶ細長板状の走行路として構成されている。特に、入庫用昇降機構部30の柱部31及び出庫用昇降機構部50の柱部51は、格納棚10の外側に立設されているため、当該柱部31、51は、台車走行通路14の邪魔にはならない。移載台車60は、当該台車走行通路14を端から端まで往復移動することで、直線状に並ぶ格納棚10の一方側の外側端部から他方側の外側端部まで往復移動することができる。これにより、各段において、1台の移載台車60によって、入庫用昇降機構部30又は出庫用昇降機構部50を挟むように設けられる各格納棚10の物品Wを出し入れすることができ。また、両方の入庫用仮置き棚20及び両方の出庫用仮置き棚40に対して物品Wを出し入れできる。これにより、各段において、1台の移載台車60によって、入庫用昇降機構部30又は出庫用昇降機構部50を挟むように設けられる各組の2つの格納棚10と、入庫用昇降機構部30又は出庫用昇降機構部50を挟むように設けられる2つの入庫用仮置き棚20及び2つの出庫用仮置き棚40との間で自由に物品Wを移載できる。
移載台車60の移動は、モータ及び車輪等を含む走行機構部によってなされる。また、各移載台車60は、格納棚10、入庫用仮置き棚20、出庫用仮置き棚40に向けて進退可能で、かつ、物品Wを把持及び把持解除可能なピッカーを有している。このピッカーの駆動は、モータや各種動力伝達機構を含むピッカー駆動機構部によってなされる。
そして、移載台車60が、入庫用仮置き棚20に対応する位置に移動した状態で、上記ピッカーを動作させることで、入庫用仮置き棚20の物品Wを受取ることができる。また、この物品Wを取込んだ状態で、移載台車60が格納棚10の所定の格納位置に対向する位置に移動し、上記ピッカーを動作させることで、当該取込んだ物品Wを格納棚10に移載することができる。さらに、移載台車60が格納棚10の所定の格納位置に対向する位置に移動した状態で、上記ピッカーを動作させることで、格納棚10の物品Wを取込むことができ、この状態で、移載台車60が出庫用仮置き棚40に対向する位置に移動して、ピッカーを動作させることで、その物品Wを出庫用仮置き棚40に移載する。
ここでは、各段毎に移載台車60が設けられている例で説明したが、必ずしもその必要はない。例えば、複数段毎に、1つの移載台車が設けられ、当該1つの移載台車に複数段のピッカーが設けられた構成であってもよい。また、移載台車60と格納棚10等との間で物品Wを移載する構成は上記例に限られず、他のプッシャー、物品Wを持上げて移載するフォークリフトのような構成であってもよい。
制御ユニット70は、マイクロプロセッサと、マイクロプロセッサと結合された主記憶部と、補助記憶部とを有している。主記憶部は、RAM(Random Access Memory)等によって構成され、補助記憶部は、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable ROM)、ハードディスク装置等の非一時的な記憶装置によって構成されている。補助記憶部には、マイクロプロセッサに対する指示を記述したプログラムが格納されており、マイクロプロセッサは、当該プログラムを読込んで後述する各処理ステップを実行する。なお、制御ユニット70が実行する各種処理の一部又は全部がハードウェアによって実現されてもよい。そして、マイクロプロセッサが予め格納されたプログラムに規定された命令を順次実行することで、後述処理を実行して、本自動倉庫の全体制御を実行する入出庫制御部として動作可能に構成されている。また、制御ユニット70には、キーボード等によって構成される入力部が接続されている。この入力部は、本自動倉庫に関する諸動作指令、特に、物品Wの出庫指令を受付け可能に構成されている。
図9は、入庫動作を示すフローチャートであり、図10は、出庫動作を示すフローチャートである。
なお、入庫動作は、入庫用コンベア16を経由して入庫される物品Wを、入庫用昇降機構部30から各入庫用仮置き棚20及び各移載台車60を経由して格納棚10に物品Wを入庫する動作である。物品Wを入庫する際には、入庫される物品Wの識別符号が入力部を介して入力され、又は、入庫用コンベア16又は入庫用昇降機構部30に設けられたバーコードリーダ等の物品種別読取部によって物品Wに付された識別符号が読取られる。そして、物品Wを格納棚10に格納する際には、物品Wの種別と格納棚10における格納位置とを対応付けた在庫情報が生成、更新される。また、出庫動作は、格納棚10に格納されている物品Wを、入力部等を通じて入力される出庫指令に応じて出庫する動作である。物品Wを出庫する際には、上記在庫情報を参照して、出庫対象となる物品Wの出庫位置が決定される。そして、物品Wが出庫されると、当該物品Wの在庫は無いものとして、在庫情報が更新される。このため、格納棚10の各格納位置における在庫の有無及び在庫のある物品Wとして把握管理されている。
入庫動作についてより具体的に説明する。まず、入庫動作開始後、ステップS1において、制御ユニット70は入庫位置を決定する。具体的には、2つの物品Wをセットにして、入庫位置を決定する。入庫位置は、上記在庫情報を参照し、空き位置の中から選択される。ここで、空き位置が2つ以上ある段がある場合、当該段にある当該空き位置を2つ優先して選択するとよい。空き位置が2つ以上ある段が無い場合、別々の段の空き位置を選択するとよい。
次ステップS2において、制御ユニット70は、入庫位置が同じ段にあるかどうかを判定する。入庫位置が同じ段にある場合、ステップS3に進み、入庫位置が同じ段にない場合、ステップS8に進む。
ステップS3では、制御ユニット70は、2つの物品Wを入庫用コンベア16から入庫用昇降移載部32に移載するように指令を与える。これにより、入庫用コンベア16から入庫用昇降移載部32に向けて2つの物品Wが移載される(図11参照)。
次ステップS4では、制御ユニット70は、入庫用昇降移載部32を上記入庫位置が属する段に向けて昇降移動させるように指令を与える。これにより、入庫用昇降移載部32が前記段に向けて上昇し、当該段にある2つの入庫用仮置き棚20の間に達する(図12参照)。
次ステップS5では、制御ユニット70は、入庫用昇降移載部32の2つの分割移載部33のローラ34に対して、それぞれ外側に向けて振分けるように物品Wを移動させる方向への駆動指令を与えると共に、2つの入庫用仮置き棚20に対して各物品Wを自己に取込むように指令を与える。これにより、入庫用昇降移載部32上の2つの物品Wが両外方に振分けられ、それぞれ2つの入庫用仮置き棚20上に移載される(図13参照)。
次ステップS6では、制御ユニット70は、2つの入庫用仮置き棚20から格納棚10の所定の入庫位置に向けて物品Wを移載するように指令を与える。これにより、移載台車60は、2つの入庫用仮置き棚20に載置された2つの物品Wを、順次所定の入庫位置に向けて移動させる。この間に、入庫用昇降移載部32を、入庫用コンベア16の高さ位置に向けて下降させることが好ましい。
この後、ステップS7において、制御ユニット70は、入庫用コンベア16上における物品Wの有無等に基づいて、入庫が完了したか否かを判定する。入庫が完了していないと判定された場合には、ステップS1に戻り、入庫が完了したと判定された場合には、入庫動作を終了する。
なお、ステップS2において、入庫位置が同じ段に無いと判定された場合には、ステップS8に進む。
ステップS8では、制御ユニット70は、2つの物品Wを入庫用コンベア16から入庫用昇降移載部32に移載するように指令を与える。これにより、入庫用コンベア16から入庫用昇降移載部32に向けて2つの物品Wが移載される。
次ステップS9では、制御ユニット70は、入庫用昇降移載部32を一方の入庫位置が属する段に向けて昇降移動させるように指令を与える。これにより、入庫用昇降移載部32が当該段に向けて上昇する。
次ステップS10では、制御ユニット70は、入庫用昇降移載部32の一方の分割移載部33のローラ34に対して、外側に向けて物品Wを移動させる方向への駆動指令を与えると共に、対応する一方の入庫用仮置き棚20に対して物品Wを自己に取込むように指令を与える。これにより、入庫用昇降移載部32上の1つの物品Wが対応する1つの入庫用仮置き棚20上に移載される。
次ステップS11では、制御ユニット70は、入庫用昇降移載部32を他方の入庫位置が属する段に向けて昇降移動させるように指令を与える。これにより、入庫用昇降移載部32が当該段に向けて上昇する。
次ステップS12では、制御ユニット70は、入庫用昇降移載部32の他方の分割移載部33のローラ34に対して、外側に向けて物品Wを移動させる方向への駆動指令を与えると共に、対応する他方の入庫用仮置き棚20に対して物品Wを自己に取込むように指令を与える。これにより、入庫用昇降移載部32上の残りの1つの物品Wが対応する1つの入庫用仮置き棚20上に移載される。
次ステップS13では、上記2つの段において、各入庫用仮置き棚20から格納棚10の所定の各入庫位置に向けて物品Wを移載するように指令を与える。これにより、各段において、移載台車60は、入庫用仮置き棚20に載置された各物品Wを、所定の入庫位置に向けて移動させる。この間に、入庫用昇降移載部32を、入庫用コンベア16の高さ位置に向けて下降させることが好ましい。
なお、ステップS2において、入庫位置が同じ段に無いと判定された場合、物品Wを1つずつ入庫用コンベア16から入庫用昇降機構部30に移載するようにしてもよい。
この後、ステップS7に進み、上記と同様の処理を実行する。
これにより、入庫用コンベア16を通じて入庫される複数の物品Wが順次格納棚10に格納される。
出庫動作についてより具体的に説明する。まず、入力部等を通じて、出庫対象となる物品Wが出庫順と共に入力される。すると、ステップS21において、制御ユニット70は、出庫位置を決定する。具体的には、出庫順に基づいて、連続して並ぶ2つの物品Wをセットにして、出庫位置を決定する。出庫位置は、上記在庫情報を参照して、対象となる物品Wの在庫位置に基づいて決定する。ここで、対象となる物品Wの種類が複数段に亘って散在する場合、セットとなる2つの物品Wが同じ段に属するように、取出し位置を選択することが好ましい。これができない場合には、別々の段の出庫位置を選択するとよい。
次ステップS22において、制御ユニット70は、出庫位置が同じ段にあるかどうかを判定する。出庫位置が同じ段にある場合、ステップS23に進み、出庫位置が同じ段にない場合、ステップS28に進む。
ステップS23では、制御ユニット70は、この段における物品Wの格納位置に拘らず、出庫順位が先の物品Wを出庫方向下流側の出庫用仮置き棚40に移載すると共に、出庫順位が後の物品Wを出庫方向上流側の出庫用仮置き棚40に移載するように指令を与える。すると、移載台車60は、当該指令に従って、当該段の2箇所の出庫位置にある各物品Wを、2つの出庫用仮置き棚40に移載する。ここでは、出庫用コンベア18は、出庫用昇降機構部50の一方から外方に向けて(図14では右方向に向けて、搬送方向f参照)物品Wを搬送する。従って、移載台車60は、出庫順位が先の物品W(1)を、搬送方向下流側の出庫用仮置き棚40(図14の右側の出庫用仮置き棚40)に移載する。また、移載台車60は、出庫順位が先の物品W(1)を、搬送方向下流側の出庫用仮置き棚40(図14の右側の出庫用仮置き棚40)に移載する。また、移載台車60は、出庫順位が後の物品W(2)を、搬送方向上流側の出庫用仮置き棚40(図14の左側の出庫用仮置き棚40)に移載する。この際、移載台車60は、2つの出庫用仮置き棚40のいずれに対しても物品Wを移載することができるため、何ら支障なく上記順で移載することができる。なお、物品W(1)、W(2)を移載する順は、どちらが先であってもよい。これにより、2つの出庫用仮置き棚40を連続して見ると、複数の物品W(1)、W(2)が出庫用コンベア18の搬送方向fにおいて予め指定された出庫順で並ぶようになる。なお、この動作中に、出庫用昇降移載部52を当該段に昇降移動させておくことが好ましい。
次ステップS24では、制御ユニット70は、2つの出庫用仮置き棚40に対して各物品Wを出庫用昇降移載部52に移載させるように駆動指令を与えると共に、出庫用昇降移載部52に対して両外側からの物品Wを自己に取込むように駆動指令を与える。これにより、2つの出庫用仮置き棚40の2つの物品Wが、出庫用昇降移載部52へ並行して同時に移載される(図15参照)。
次ステップS25では、制御ユニット70は、出庫用昇降移載部52を出庫用コンベア18の位置まで昇降移動させる指令を与える。これにより、出庫用昇降移載部52は出庫用コンベア18の位置に下降する(図16参照)。
次ステップS26では、制御ユニット70は、出庫用昇降移載部52から出庫用コンベア18に向けて、2つの物品Wを連続して移載するように指令を与える。これにより、出庫用昇降移載部52上の2つの物品Wが、連続して出庫用コンベア18に移載される。そして、出庫用コンベア18は、当該物品Wを外部に向けて搬送する。出庫用昇降移載部52から出庫用コンベア18に移載された状態で、物品Wは上記出庫順で並んでいる。このため、物品Wは所望の出庫順で並んだ状態で、出庫用コンベア18を通じて外部に搬送される。
この後、ステップS27において、制御ユニット70は、出庫指令に基づいて、出庫が完了したか否かを判定する。出庫が完了していないと判定された場合には、ステップS21に戻り、出庫が完了したと判定された場合には、出庫動作を終了する。
上記ステップS22において、出庫位置が同じ段にない場合、ステップS28に進む。
ステップS28では、制御ユニット70は、1つの物品Wが属する段において、当該1つの物品Wを一方の出庫用仮置き棚40に移動させる指令を与える。これにより、当該段において、移載台車60は、所定の格納位置の物品Wを、一方の出庫用仮置き棚40に移動させる。この動作中に、出庫用昇降移載部52を、当該段の位置に昇降移動させておくことが好ましい。
次ステップS29では、制御ユニット70は、上記段において、出庫用仮置き棚40から出庫用昇降移載部52に当該1つの物品Wを移載するように指令を与える。これにより、一方の出庫用仮置き棚40から1つの物品Wが出庫用昇降移載部52に移載される。
次ステップS30では、制御ユニット70は、他の1つの物品Wが属する他の段において、当該他の1つの物品Wを他方の出庫用仮置き棚40に移動させる指令を与える。これにより、当該他の段において、移載台車60は、所定の格納位置の物品Wを、他方の出庫用仮置き棚40に移動させる。
次ステップS29では、制御ユニット70は、出庫用昇降移載部52を当該他の段に昇降移動させ、上記他の段において、出庫用仮置き棚40から出庫用昇降移載部52に当該他の1つの物品Wを移載するように指令を与える。これにより、他方の出庫用仮置き棚40から他の1つの物品Wが出庫用昇降移載部52に移載され、出庫用昇降移載部52に2つの物品Wが載置された状態となる。
次ステップS32では、制御ユニット70は、出庫用昇降移載部52を出庫用コンベア18の位置まで昇降移動させる指令を与える。これにより、出庫用昇降移載部52は出庫用コンベア18の位置に下降する。
次ステップS33では、制御ユニット70は、出庫用昇降移載部52から出庫用コンベア18に向けて、2つの物品Wを連続して移載するように指令を与える。これにより、出庫用昇降移載部52上の2つの物品Wが、連続して出庫用コンベア18に移載される。そして、出庫用コンベア18は、当該物品Wを外部に向けて搬送する。
なお、ステップS22において、出庫位置が同じ段に無いと判定された場合、物品Wを1つずつ出庫用仮置き棚40から出庫用コンベア18に移載するようにしてもよい。
この後、ステップS27において、上記と同様に、出庫が完了したか否かが判定される。
これにより、出庫用コンベア18を通じて複数の物品Wが順次出庫される。
以上のように構成された自動倉庫によると、複数段のうちの少なくとも1つの段において、入庫用昇降機構部30によって昇降移動された複数の物品Wを2つの入庫用仮置き棚20に振分けつつ並行して移載する動作と、2つの出庫用仮置き棚40に載置された複数の物品Wを2つの出庫用仮置き棚40へ並行して移載する動作を行うため、物品Wの入庫及び出庫を迅速に行える。
なお、上記入庫動作及び出庫動作を両方行う必要はなく、少なくとも一方の動作が可能とされていればよい。特に、入庫動作については、格納棚10において、ある段に空き位置が2箇所あれば、上記動作を実行することができ、入庫を効果的に迅速に行える。
また、入庫用仮置き棚20の両側に格納棚10が設けられているため、2つの入庫用仮置き棚20と格納棚10の格納位置との距離を平均的に小さくでき、移載台車60の走行距離を短くできる。この点からも、入庫を迅速に行える。
同様に、出庫用仮置き棚40の両側に格納棚10が設けられているため、2つの出庫用仮置き棚40と格納棚10の格納位置との距離を平均的に小さくでき、移載台車60の走行距離を短くできる。この点からも、出庫を迅速に行える。
もっとも、入庫用昇降機構部30を挟むように2つの入庫用仮置き棚20が設けられ、又は、出庫用昇降機構部50を挟むように2つの出庫用仮置き棚40が設けられていれば、上記効果を得ることができるので、入庫用仮置き棚20の両側に格納棚10が設けられていること、また、出庫用仮置き棚40の両側に格納棚10が設けられていることは必須ではない。
また、移載台車60が各段に1つ設けられ、当該移載台車60が2つの入庫用仮置き棚20とこの両隣の2つの格納棚10、さらには、2つの出庫用仮置き棚40とこの両隣の2つの格納棚10に対して物品Wを出し入れするため、設備コストを低減することができる。
また、入庫用昇降機構部30、これを挟む2つの入庫用仮置き棚20及び2つの格納棚10の組と、出庫用昇降機構部50と、これを挟む2つの出庫用昇降機構部50と2つの格納棚10の組とが対向して配設され、その間を走行する移載台車60がそれらに対して物品Wを出し入れするため、多数の物品を効率よく入出庫できる。
もっとも、上記組が2つ対向配置されていることは必須ではない。一方の組が入出庫兼用とされた構成で、1つのみ設けられていてもよい。また、上記の組合わせがより多数設けられていてもよい。
また、入庫用コンベア16、出庫用コンベア18が格納棚10の最下段の棚12の下方位置に設けられているため、格納棚10の設置スペースを有効利用して、入庫用コンベア16、出庫用コンベア18による搬送距離を長くすることができる。そして、入庫用コンベア16、出庫用コンベア18による搬送距離を長くすることで、物品Wの入出庫時におけるバッファゾーンとして活用することができ、物品Wの入出庫を効率的に行えることになる。
また、柱部31、51が台車走行通路14の両側外方に設けられているため、移載台車60が各組の入庫用昇降機構部30と出庫用昇降機構部50との間を通って容易に走行でき、1つの移載台車60によって、2つの入庫用昇降機構部30、及び、2つの出庫用仮置き棚40、各格納棚10に対して物品Wを容易に移載できる。
また、移載台車60は、2つの出庫用仮置き棚40から出庫用昇降機構部50に移載された複数の物品Wが、予め指定された出庫順で並ぶように、格納棚10の物品Wを2つの出庫用仮置き棚40に移載するため、出庫物品Wを容易に所定の順で出庫することができる。
なお、出庫物品Wを上記のように並び替えることは必須ではない。また、出庫物品Wを並び替える構成は、後の変形例で説明するように、別の構成によっても実現できる。
<変形例>
上記実施形態を前提として、各種変形例について説明する。
図17及び図18に示す第1変形例では、外部から一方の組の入庫用昇降機構部30に向けて物品Wを搬送する入庫用コンベア16Bが、当該一方の組の入庫用昇降機構部30を挟む2つの格納棚10の最下段の棚の下方に位置して2つ設けられている。このため、両方の入庫用コンベア16Bから入庫用昇降機構部30の入庫用昇降移載部32に向けて並行して複数(2つ)の物品Wを並行して移載可能とされている。また、他方の組の出庫用昇降機構部50から外部に向けて物品Wを搬送する出庫用コンベア18Bが、当該他方の組の出庫用昇降機構部50を挟む2つの格納棚10の最下段の棚の下方に位置して2つ設けられている。このため、出庫用昇降機構部50の出庫用昇降移載部52に載置された複数(2つの)の物品Wを、両方の出庫用コンベア18Bに向けて振分けるようにして並行して移載可能とされている。このため、格納棚10の設置スペースを有効利用して2つの入庫用コンベア16B及び2つの出庫用コンベア18を設置し、迅速に物品Wの入出庫を行えるという利点がある。
図19及び図20に示す第2変形例では、外部から一方の組の入庫用昇降機構部30に向けて物品Wを搬送する入庫用コンベア16Cと、他方の組の出庫用昇降機構部50から外部に向けて物品Wを搬送する出庫用コンベア18Cとが、同じ側で対向する格納棚10の最下段の棚の下方に位置して設けられている。このため、物品Wの入出庫位置を同じ側に配設できることになる。
図21及び図22に示す第3変形例では、移載台車60が入庫用昇降機構部30又は出庫用昇降機構部50を挟む2つの格納棚10に対応して2つ設けられている。一方の移載台車60は、入庫用昇降機構部30及び出庫用昇降機構部50の一方にある入庫用仮置き棚20、出庫用仮置き棚40と、対向する格納棚10との間で物品Wの移載を行う、他方の移載台車60は、入庫用昇降機構部30及び出庫用昇降機構部50の他方にある入庫用仮置き棚20、出庫用仮置き棚40と、対向する格納棚10との間で物品Wの移載を行う。このため、各入庫用仮置き棚20、各出庫用仮置き棚40と格納棚10との間で迅速に物品Wの移載を行える。なお、各移載台車60は、入庫用昇降機構部30及び出庫用昇降機構部50の間を通って、台車走行通路14の全体を走行できるように構成されていてもよい。この場合ように構成した場合には、上記したように、移載台車60から出庫用昇降機構部50に移載する際に、出庫時における物品Wの並び替えを行える。
図23及び図24に示す第4変形例は、第1変形例と第3変形例とを組合わせた例である。すなわち、2つの入庫用コンベア16Bが設けられ、2つの出庫用コンベア18Bが設けられ、2つの移載台車60が設けられている。従って、物品Wの入出庫を迅速に行える。
図25及び図26に示す第5変形例は、入庫用昇降機構部30の柱部31Dを台車走行通路14D内に設け、出庫用昇降機構部50の柱部51Dも台車走行通路14D内に設けた例である。また、上記第3変形例と同様に、移載台車60が各格納棚10に対応して2つ設けられている。各移載台車60は、台車走行通路14Dのうち柱部31D、51Dで分割された2つの通路部分をそれぞれ走行可能とされている。
この変形例によると、2つの移載台車60によって、各入庫用仮置き棚20、各出庫用仮置き棚40と格納棚10との間で迅速に物品Wの移載を行える。また、柱部31D、51Dが台車走行通路14D内に設けられているため、平面視において、格納棚10の外方に突出する部分を小さくして、その設置スペースを小さくできる。このため、入庫用昇降機構部30とこれを挟む2つの入庫用仮置き棚20と2つの格納棚10の組と、出庫用昇降機構部50とこれを挟む2つの出庫用仮置き棚40と2つの格納棚10の組と、を多数並列配置する場合に、相互間で近接して配設することができ、効率よく多数列に格納棚10を配設できるというメリットがある。
図27及び図28に示す第6変形例は、図25及び図26に示す第5変形例において、出庫順入替え用のバッファ棚90を設けた例である。バッファ棚90は、出庫用コンベア18の途中、ここでは、出庫用コンベア18のうち出庫用昇降機構部50の近くの側方位置に設けられている。出庫用コンベア18とバッファ棚90との間では、上記下ピッカー、又は、プッシャー等を用いて、出庫用コンベア18上の物品Wをバッファ棚90に一時的に移載し、また、バッファ棚90上の物品Wを出庫用コンベア18に移載できるようになっている。これにより、出庫用コンベア18上を搬送される物品Wの順番を入替えることができるようになっている。例えば、出庫用コンベア18上を、物品W(2)、物品W(1)がこの順で搬送されている場合、物品W(2)がバッファ棚90の隣に搬送された時点で、当該物品W(2)をバッファ棚90に移載する。そして、物品W(1)がバッファ棚90を越えるように搬送された時点で、バッファ棚90の物品W(2)を出庫用コンベア18に戻す。これにより、バッファ棚90の下流側では、物品W(1)、物品W(2)がこの順で搬送されるようになる。
図29及び図30に示す第7変形例は、図17及び図18に示す第2変形例と、図25及び図26に示す第5変形例とを組合わせた例である。すなわち、2つの入庫用コンベア16Bが設けられ、2つの出庫用コンベア18Bが設けられている。また、柱部31D、51Dが台車走行通路14D内に設けられ、各移載台車60は、台車走行通路14Dのうち柱部31D、51Dで分割された2つの通路部分をそれぞれ走行可能とされている。
この変形例によると、格納棚10の設置スペースを有効利用して2つの入庫用コンベア16B及び2つの出庫用コンベア18を設置し、迅速に物品Wの入出庫を行える。また、効率よく多数列に格納棚10を配設できる。
なお、上記実施形態及び各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組合わせることができる。
以上のようにこの発明は詳細に説明されたが、上記した説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。