以下に添付図面を参照して、本発明に係る各台対応装置及び遊技システムの好適な実施例を詳細に説明する。なお、以下では、本発明をパチンコ遊技に適用する場合について説明することとする。
まず、本実施例に係る各台対応装置(以下、CRユニットと記載)が実行するシャッタ制御について説明する。図1は、本実施例に係るCRユニットのシャッタ制御を説明するための説明図である。
図1に示すように、CRユニット10は、遊技店内の各遊技台に併設されるカード処理ユニットであり、本実施例では、後述するパチンコ機20の下皿から投入されるパチンコ玉を計数する計数ユニット18をさらに有する。
このCRユニット10は、自装置が接続されたパチンコ機20で遊技客が獲得したパチンコ玉を計数ユニット18で計数した上で、カード返却時には、持ち玉返却等により計数値の電子データから現物のパチンコ玉に還元して消化された分の数値を除き、その時点で残存している残存計数値を持ち玉として一般カードや会員カードに関連付け、持ち玉を関連付けたカードを発行(返却)する。なお、計数ユニット18には、パチンコ玉の通過を検出する計数センサが玉通路上に設けられるとともに、計数センサよりも上流側に玉通路を遮断または開放するシャッタが設けられている。
また、CRユニット10は、従来と同様、現金を用いたり、一般カードや会員カード等のカードに価値付けられたプリペイド残額を用いた玉貸しも行う。従って、各台計数方式の場合には、1枚のカードに持ち玉とプリペイド残額の2種類の遊技価値が関連付けられる。
T/C30は、価値管理テーブルを用いて、一般カードまたは会員カードに関連付けられたプリペイド残額および持ち玉などの遊技価値を管理する装置である。この価値管理テーブルは、カードの識別情報(以下、カードIDと言う)、プリペイド残額及び持ち玉数を対応付けて記憶している。
例えば、CRユニット10からプリペイド残額の加算依頼(価値付け依頼)を受け付けた場合には、当該加算依頼に含まれるカードIDに対応するプリペイド残額に挿入紙幣金額などの価値付け依頼金額を加算更新し、また、プリペイド残額の減算依頼を受け付けた場合には、当該減算依頼に含まれるカードIDに対応するプリペイド残額から玉貸しの貸出単位金額等の減算依頼金額を減算更新する。
また、CRユニット10から持ち玉の加算依頼を受け付けた場合には、当該加算依頼に含まれるカードIDに対応する持ち玉数に残存計数値などの加算依頼玉数を加算更新し、また、図示しない景品の交換制御を行う景品管理装置から持ち玉の減算依頼を受け付けた場合には、当該減算依頼に含まれるカードIDに対応する持ち玉数から交換対価とされる玉数等の減算依頼玉数を減算更新する。
このように、遊技店には、貸し玉を取り扱うプリペイドカードシステムと持ち玉を取り扱う各台計数システムが併存している。
ここで、本実施例では、遊技店が営業を終了してからT/C30で帳票を作成する締上げ処理が終了してシステムの稼働が停止されるまでの間隙を突いて遊技店の店員により行われる不正計数を防止するシャッタ制御をはじめ、遊技店の運用状態に適合したシャッタ制御を行う仕組みにその特徴がある。
すなわち、CRユニット10では、T/C30の稼働可否であるシステム状態を監視するとともに遊技店の営業可否を表すホール状態を取得し、これらシステム状態およびホール状態に応じて、シャッタの開閉制御を行う。
遊技店においては、大別して、営業、締上げ、閉店、開店準備の4つの運用モードが存在する。このうち、営業時には、店内に遊技客を受け入れて遊技サービスを提供し、締上げ時には、遊技客を全て退店させた非営業の状態で各種帳票を作成する締上げ処理をT/C30に実行させ、閉店時には、非営業かつシステム稼働停止の状態にし、開店準備時には、システムを起動して遊技店の受入れを準備する。
ここで言う営業とは、遊技客に対する遊技サービスを指し、システムとは、CRユニット10及びT/C30を含む各台計数システムを指し、システムの稼働とは、T/C30が起動しており、かつ持ち玉を更新または更新し得る状態を指し、閉店とは、非営業状態であるだけでなくシステムの稼働をはじめ全ての業務が停止している状態を指す。
つまり、CRユニット10では、システム状態およびホール状態を収集した上で、遊技店がいずれの運用モードにあるのかを判別し、その運用モードに適合したシャッタ状態になるようにシャッタの開閉制御を自律的に行う。
これを具体的に説明すると、CRユニット10は、所定の周期または所定のタイミングでT/C30と通信を行っており、この通信の中での電文の授受によりシステムの稼働可否、すなわちシステム状態を監視するとともに、T/C30またはリモコン50等の外部装置によって通知される営業終了通知または営業開始通知の受付待機状態にある。
そして、CRユニット10は、T/C30から営業開始通知または営業終了通知などのホール状態通知を受け付けたり(1A)、リモコン50からホール状態通知を受け付けたり(1B)、或いはシステム状態に変化を検知した場合(1C)などに、遷移先の運用モードを判別する(2)。
例えば、運用モード1を営業、運用モード2を締上げ、運用モード3を閉店、運用モード4を開店準備としたとき、運用モード1は営業状態かつシステム稼働状態と定義され、運用モード2は非営業状態かつシステム稼働状態と定義され、運用モード3は非営業状態かつシステム停止状態と定義され、また、運用モード4は非営業状態かつシステム稼働状態と定義されるとともに、運用モード1〜4の順番にモード遷移することが定義される(図6参照)。
かかる定義を予め設定しておいた上で、CRユニット10では、滞在モードが運用モード1である場合に営業終了通知を受け付けると、遷移先モードを運用モード2と判別し、滞在モードが運用モード2である場合にシステムの稼働が停止すると、遷移先モードを運用モード3と判別し、滞在モードが運用モード3である場合にシステムが稼働すると、遷移先モードを運用モード4と判別し、また、滞在モードが運用モード4である場合に営業開始通知を受け付けると、遷移先モードを運用モード1と判別する。
このように遷移先の運用モードを判別して、CRユニット10は、遷移先の運用モードと対応付けて規定されているシャッタ開閉制御を実行する(3)。
例えば、CRユニット10は、遷移先の運用モードが運用モード2である場合には、締上げ時に閉店業務を装いながら不正計数が行われることを防止するために、計数ユニット18内のシャッタを閉制御する。
そして、CRユニット10は、遷移先の運用モードが運用モード3である場合には、計数ユニット18の背面に設けられるとともに遊技台の列設方向に設けられる玉循環機構、いわゆるドブに流れ込まず、計数ユニット10の受け皿や玉通路内に滞留しているパチンコ玉が時間経過に伴ってドブに落ちるようにシャッタを開制御する。
また、CRユニット10は、遷移先の運用モードが運用モード4である場合には、計数ユニット18内の計数センサが正常に動作するか否かを確認するために、シャッタを開制御する。
さらに、CRユニット10は、遷移先の運用モードが運用モード1である場合には、遊技店の運用方針に基づいて設定された任意のシャッタ状態になるようにシャッタを開制御または閉制御する。
なお、かかる運用モード1「営業」のシャッタ状態としては、シャッタが閉状態にあることを基本とし、パチンコ機20から出力される特賞パルスやセーフパルスを検出した場合や会員カードを受け入れている場合にだけシャッタを開制御したり、或いはシャッタを定常的に開状態にするなどの各種の運用方針に基づき任意に設定できる。
したがって、本実施例では、遊技店の営業が終了して締上げを行う場合には計数ユニット18内のシャッタを自動的に閉制御するとともに、遊技店が他の運用状態にある場合にもその運用状態に適合したシャッタ状態に開閉制御することができ、遊技店の店員による不正計数を防止するとともに、遊技店の運用ニーズに適合したシャッタ制御を実現することが可能になる。
続いて、本実施例に係るCRユニットの構成について説明する。なお、ここでは、CRユニットの外観構成について説明してから内部構成を説明することとする。
図2は、本実施例に係るCRユニットの外観を示した正面図である。なお、この図2には、CRユニット10が併設されたパチンコ機20を破線で示している。
図2に示すように、CRユニット10は、縦長の直方体型の筐体として構成したもので、本体正面の上部から順に、状態表示部101と、紙幣挿入部102と、リモコン受光部103と、7SEG表示部104と、ボタン操作部105と、持ち玉払出部106と、カード挿入部107と、計数ユニット18と、受け皿108とを有する。なお、計数ユニット18の説明は図3を用いて後述する。
状態表示部101は、CRユニット10の機器状態を表すためのLED等のランプであり、例えば、ユニットが待機状態にある場合には、LEDを緑色点灯し、エラー中には、LEDを赤色点灯し、また、会員カード挿入中には、LEDを青色点灯する。
紙幣挿入部102は、玉貸しのための各種紙幣を受け付ける繰込み/繰出し機構である。また、リモコン受光部103は、従業員が所持するリモコンが発光する赤外線を受光する受光センサである。
この紙幣挿入部102の背面には、内部に受け入れた紙幣を識別するBVユニットが設けられており、このBVユニット部では、紙幣の金種(例えば、千円、二千円、五千円及び一万円)を識別する。なお、挿入紙幣が識別不能な紙幣または偽造紙幣である場合には紙幣を返却する。
7SEG表示部104は、プリペイド残額、貯玉数、ポイント数や残投出個数などをセグメント表示するLED群であり、例えば、ユニットが待機状態にある場合には、プリペイド残額または貯玉数を表示し、貸し玉または再プレイ玉の払出し中には、残投出個数を表示し、また、エラー中には、エラーコード等を表示する。
ボタン操作部105は、暗証番号を入力するためのテンキーや再プレイ操作を受け付ける再プレイボタンなどの各種ボタン群の総称である。また、持ち玉払出部106は、持ち玉を払い出すノズルを備えた投出機構である。持ち玉の払出は、持ち玉払出部106から投出する必要はなく、貸玉投出と同様に遊技機20から払い出すようにしてもよい。
カード挿入部107は、一般カードや会員カード等のカード類の受付/返却を行う繰込み/繰出し機構である。カード挿入部107の背面には、一般カードや会員カード等のカードに記録された情報を読み取るカード処理部を有する。
カード処理部では、カード挿入部107を介して挿入されたカードを受け付けてデータを読み取り、プリペイド残額がゼロでない一般カードや会員カードについては、後述するパチンコ機20側の返却ボタン213の押下操作に応答してカード挿入部107から返却する。
また、カード処理部は、プリペイド残額が関連付けられていない一般カードを予め複数枚収納しており、カード返却操作がなされるまでに現金投入によりプリペイド残額が発生した場合には、プリペイド残額が関連付けられた一般カードをカード挿入部107から排出(返却)する。
受け皿108は、計数ユニット108に導入する獲得玉を受け入れるものである。この受皿部108には、持ち玉数を表示する持ち玉表示部108aと、持ち玉の返却(払戻し)要求を受け付ける持玉返却ボタン108bとが付設されている。
一方、パチンコ機20には、パチンコ遊技に使用するパチンコ玉を貯留する上皿210と、上皿210の許容容量を超えて溢れたパチンコ玉を貯留する下皿220とが設けられており、この上皿210には、一般カードのプリペイド残額等を表示する7SEG表示部211と、玉貸し要求を受け付ける玉貸しボタン212と、一般カードや会員カードの返却要求を受け付ける返却ボタン213とがさらに設けられている。
なお、本実施例では、玉貸しボタン212及び返却ボタン213をパチンコ機20に設けることとしたが、必ずしもパチンコ機20側に設ける必要はなく、CRユニット10に設けることとしてもよい。
パチンコ玉を借り受ける際には、遊技客がパチンコ機20側の玉貸しボタン212を押下操作すると、玉貸し操作信号がCRユニット10に転送されてCRユニット10側で玉貸し操作が受け付けられる。このとき、プリペイド残額が存在する場合には、CRユニット10からパチンコ機20に玉投出指示が行われて貸し玉が上皿210に投出されることになる。
獲得玉を計数する際には、パチンコ機20の下皿220から獲得玉を受皿部108に投入すると、その投入玉が計数ユニット18に誘導されて獲得玉の数量が計数される。そして、遊技者が持玉返却ボタン108bを押下すると、後述する持ち玉記憶部17aによって記憶管理されている持ち玉数の範囲内であれば、払戻し単位玉数等の持ち玉が持ち玉払出部106経由でパチンコ機20の上皿210に投出される。
なお、本実施例では、貸し玉をパチンコ機20経由で投出させ、持ち玉を持ち玉払出部106経由で投出させる場合について説明したが、持ち玉をパチンコ機20経由で投出させることとしてもよいし、また、貸し玉を持ち玉払出部106経由で投出させることとしてもかまわない。
次に、本実施例に係る計数ユニットについて説明する。図3は、本実施例に係る計数ユニットを側面から見た場合の断面図である。
図3に示すように、計数ユニット18には、受け皿108から導入されたパチンコ玉をドブに誘導する玉通路18dと、パチンコ玉の通過を検出する計数センサ18aと、玉通路18dの上流側から計数センサ18aに至るまでの通路を遮断または開放するためのシャッタ18cと、シャッタ18cを開閉駆動するソレノイド等のシャッタ駆動部18bとが設けられている。なお、実際には、仕切り板で区切ることにより複数の玉通路18dが設けられており、計数センサ18aは各玉通路ごとに設けられる。
シャッタ18cが開状態である場合には、受け皿108に投入されたパチンコ玉が玉通路の自然勾配により上流から下流へ転がり、そのパチンコ玉が計数センサ18aの検出対象範囲を通過すると、計数センサ18aによるセンサ出力が図示しない計数制御基板に出力され、持ち玉表示部108aの持ち玉表示が更新制御されるとともに計数値の増加を表す計数パルスが後述する持ち玉更新部17に出力される。
また、シャッタ18cが閉状態である場合には、受け皿108に投入されたパチンコ玉が玉通路の自然勾配により上流から下流へ転がるものの、シャッタ18cによって玉通路18dが遮断されているので、計数センサ18aの検出対象範囲までパチンコ玉が転がらずにせき止められる。
次に、本実施例に係るCRユニットの内部構成について説明する。図4は、本実施例に係るCRユニットの内部構成を示す機能ブロック図である。なお、実際のCRユニット10では、図示した機能部以外の機能部(例えば、操作部、表示部、パチンコ機20との通信インターフェース、カード処理部、BVユニットやプリペイド残額の更新依頼部など)を有するが、図4では、本実施例に係るCRユニット10の特徴を説明するために必要な構成要素のみを抜粋している。
図4に示すように、このCRユニット10は、リモコン受光部11aと、操作履歴記憶部11bと、リモコン処理部11と、通信I/F部12と、ホール状態取得部13と、システム状態監視部14と、モード記憶部15aと、モード制御部15と、シャッタ開閉制御部16と、持ち玉記憶部17aと、持ち玉更新部17とを有する。
リモコン受光部11aは、遊技店の従業員が所持するリモコン50が発光する赤外線を受光する受光素子を有する受信部である。
操作履歴記憶部11bは、リモコン50による操作履歴を記憶する記憶部であり、操作時刻ごとにリモコン50の操作者及び通知内容を記憶する。例えば、図5に示す例では、9時50分に店員1によるリモコン操作で営業開始通知を受け付け、22時55分に幹部1によるリモコン操作で営業終了通知を受け付けたことを示している。
なお、本実施例では、営業開始通知や営業終了通知などのホール状態通知に関する操作履歴を操作履歴記憶部11bで記憶する場合を例示したが、スタックカードの補充や紙幣回収などの他の業務の操作履歴を記憶することとしてもよい。
リモコン処理部11は、リモコン受光部11aを介してリモコンから受け付けた指令コードを解釈してその指令を指令先の機能部に通知する処理部である。
リモコン50との間のデータ授受について説明すると、リモコン50では、たとえばホール状態通知のコマンドの他、紙幣回収やカード補充/回収のボタンが設けられており、これらコマンドに対応したボタンがリモコン受光部11aを照準にして押下されると、リモコン50の識別情報であるリモコンID及び押下ボタンに対応する指令コードがリモコン受光部11aに送信される。
そして、リモコン処理部11では、リモコン受光部11aを介してリモコンID及び指令コードを受信すると、図示しないコマンド管理テーブルを用いて、リモコン50から受信した指令コードに対応するコマンドを解釈し、該解釈したコマンドの操作権限がリモコンIDに付与されているか否かを判定し、その結果、操作権限が付与されている場合に、コマンドに対応する処理を実行する機能部にその内容を通知する。
通信I/F部12は、図示しない島コントローラやT/C30などの他の装置の間で各種通信を行うためのインターフェースである。
ホール状態取得部13は、T/C30またはリモコン50などの他装置からホール状態を取得する処理部である。具体的には、リモコン処理部11または通信I/F部12を介して営業開始通知または営業終了通知などのホール状態通知を受け付け、モード制御部15に出力する。
このように、T/C30またはリモコン50などの他装置からホール状態を取得すれば、各種のイベントや新台導入により営業時間が変動する場合でも正確な営業開始時刻または営業終了時刻で営業開始通知または営業終了通知を取得することができ、後述するモード制御部15でモード遷移を適確に行うことが可能になる。
システム状態監視部14は、T/C30との間で通信を行ってシステム状態を監視する処理部である。具体的には、所定の周期、たとえば1分間隔でT/C30に対してシステムの稼働状態を問い合わせる電文を通信I/F部12を介して送信しており、その結果、ACK等の肯定電文の応答が得られた場合には、システムが稼働状態にあると判定し、また、NACK等の否定電文の応答が得られた場合には、システムが停止状態にあると判定する。そして、システム稼働状態からシステム停止状態に切り替わった場合、或いはシステム停止状態からシステム稼働状態に切り替わった場合など、システム状態が変化した場合に、システム状態の変化を後述するモード制御部15に通知する。
モード記憶部15aは、運用モードに関する情報を記憶する記憶部である。具体的には、滞在中の運用モードを記憶する他、図6に示すように、各運用モードごとにシステム状態及びホール状態の定義、シャッタ状態及び付帯制御を記憶する。
例えば、図6に示す例では、運用モード1では、遊技店の運用方針に基づき任意のシャッタ状態を設定でき、運用モード1に遷移した際に付帯して行うべき処理が特段設定されていないことを示している。運用モード2では、モード遷移時にシャッタ閉制御を実行すべき旨が設定されている。運用モード3では、モード遷移時にシャッタ開制御を実行すべき旨が設定されるとともに計数ユニット18からの計数出力を無効化すべき旨が設定されている。また、運用モード4では、モード遷移時にシャッタ開制御を実行すべき旨が設定されるとともに他モード移行時に計数値をゼロクリアすべき旨が設定されている。
モード制御部15は、CRユニット10の運用モードのモード遷移を行う処理部である。具体的には、ホール状態取得部13によってホール状態通知を取得された場合、或いはシステム状態監視部14によってシステム状態の変化が検知された場合に、遷移先の運用モードを判別し、モード記憶部15aを参照して、遷移先として判別した運用モードに対応するシャッタ開閉制御をシャッタ開閉制御部16に実行させる。
また、モード制御部15は、ホール状態通知の通知元がリモコン50である場合には、操作時刻(通知受付時刻)、リモコンIDに対応する操作者及び通知内容をリモコン処理部11に登録させ、また、ホール状態通知の通知元がT/C30である場合には、T/C30での操作履歴を登録するようにT/C30に依頼する。
なお、T/C30では、T/C30を操作する操作者ごとにアカウントが設定されており、モード制御部15からの操作履歴の登録依頼に応答して、営業開始または営業終了の操作入力が行われたアカウントを有する操作者および通知内容が操作入力時刻とともにハードディスク等の記憶部に操作履歴として登録される。
シャッタ開閉制御部16は、モード制御部15による指示に基づき、計数ユニット18のシャッタ18cの開閉制御を行う処理部である。具体的には、計数ユニット18のシャッタ駆動部18bを開駆動させてシャッタ18cを開放したり、シャッタ駆動部18bを閉駆動させてシャッタ18cを閉めたりする。
持ち玉更新部17は、持ち玉記憶部17aを用いて、持ち玉(残存計数値)の管理を行う処理部である。具体的には、計数ユニット18から計数出力を受け付けた場合には、持ち玉記憶部17aに記憶された持ち玉数に計数出力の回数に相当する玉数を加算更新し、また、持ち玉返却ボタン108bの押下操作を受け付けた場合には、持ち玉記憶部17aに記憶された持ち玉数から払戻し単位玉数を減算更新し、払戻し単位玉数分のパチンコ玉を持ち玉払出部106経由で上皿210に投出させる。なお、持ち玉の減算更新時には、持ち玉数が払戻し単位玉数に満たない場合には全持ち玉数を減算更新し、また、持ち玉数がゼロである場合には以降の動作を実行しない。
また、持ち玉更新部17は、モード制御部15による指示にしたがって、計数出力の無効化および計数値のゼロクリアを行う。
例えば、モード制御部15によって運用モード3「閉店」にモード遷移された場合には、計数ユニット10の受け皿や玉通路内に滞留しているパチンコ玉を時間経過に伴ってドブに落とすためにシャッタ開制御が実行されるが、そのこぼれ玉をドブに流すことに目的があり計数することに意味はない。
このため、持ち玉更新部17は、運用モード3に滞在している場合には、計数ユニット18でこぼれ玉が計数されて計数出力が行われてもその計数出力を無効とし、持ち玉記憶部17aの計数値の更新は実行しない。
また、モード制御部15によって運用モード4「開店準備」にモード遷移された場合には、計数ユニット18内の計数センサが正常に動作するか否かを確認するためにシャッタ開制御が実行されるが、次の遷移先である運用モード1「営業」に移行した営業開始直後に持ち玉記憶部17aに計数値が残されていると、遊技客が他の遊技客により席取りが行われているものと判断した場合にはその遊技台を敬遠するので遊技台の稼働率が下がったり、また、遊技客が気にせずに遊技を行った場合には残された計数値が遊技店の損益となってしまう。
このため、持ち玉更新部17は、運用モード4から運用モード1に移行する場合に、持ち玉記憶部17aに記憶された計数値をゼロクリアする。
次に、本実施例に係るCRユニットの処理の流れについて説明する。図7は、本実施例に係るシャッタ制御処理の手順を示すフローチャートである。この処理は、CRユニット10の電源がON状態である限り、再帰的に実行される処理である。
図7に示すように、モード制御部15は、T/C30またはリモコン50等の外部装置によって通知される営業終了通知または営業開始通知の受付待機状態(ステップS701否定)、そしてシステム状態の変化待機状態(ステップS702否定)にある。
ここで、ホール状態取得部13によってホール状態通知を取得された場合(ステップS701肯定)、或いはシステム状態監視部14によってシステム状態の変化が検知された場合(ステップS702肯定)には、モード制御部15は、遷移先の運用モードを判別する(ステップS703)。
すなわち、モード制御部15は、滞在モードが運用モード1である場合に営業終了通知を受け付けると、遷移先モードを運用モード2と判別し、滞在モードが運用モード2である場合にシステムの稼働が停止すると、遷移先モードを運用モード3と判別し、滞在モードが運用モード3である場合にシステムが稼働すると、遷移先モードを運用モード4と判別し、また、滞在モードが運用モード4である場合に営業開始通知を受け付けると、遷移先モードを運用モード1と判別する。
その後、モード制御部15は、モード記憶部15aを参照して、遷移先として判別した運用モードに対応するシャッタ開閉制御をシャッタ開閉制御部16に実行させる(ステップS704)。
続いて、ホール状態通知の通知元がリモコン50である場合(ステップS705肯定)には、モード制御部15は、操作時刻(通知受付時刻)、リモコンIDに対応する操作者及び通知内容をリモコン処理部11に登録させ(ステップS706)、また、ホール状態通知の通知元がT/C30である場合(ステップS705否定)には、T/C30での操作履歴を登録するようにT/C30に依頼する(ステップS707)。
そして、モード制御部15は、モード記憶部15aに記憶される滞在モードを遷移先の運用モードに更新し(ステップS708)、処理を終了する。
上述してきたように、本実施例によれば、T/C30の稼働可否であるシステム状態を監視するとともに遊技店の営業可否を表すホール状態を取得し、これらシステム状態およびホール状態に応じて、シャッタの開閉制御を行うように構成したので、遊技店の営業が終了して締上げを行う場合には計数ユニット18内のシャッタを自動的に閉制御するとともに、遊技店が他の運用状態にある場合にもその運用状態に適合したシャッタ状態に開閉制御することができ、遊技店の店員による不正計数を防止するとともに、遊技店の運用ニーズに適合したシャッタ制御を実現することが可能である。
さらに、本実施例によれば、ホール状態の通知元がリモコン50である場合に、当該リモコン50の操作履歴を操作履歴記憶部11bに登録し、ホール状態の通知元がT/C30である場合に、当該T/C30の操作履歴を登録するようにT/C30に依頼するように構成したので、不正計数やトラブルが発生した場合にその原因となる操作者や通知内容などの操作履歴を特定することができ、事後対応を適正に行うことが可能である。
ところで、上記の実施例では、リモコン50またはT/C30で営業開始または営業終了のボタン操作または操作入力を受け付け、これらの操作に応答して営業開始通知または営業終了通知を行うこととしたが、必ずしも手操作に応答してホール状態を通知する必要はない。
例えば、各パチンコ機20の遊技台情報を収集・管理するホールコンピュータ70では、通常営業、イベント営業や新台導入などの各種営業形態での売上や粗利などの実績を分析する観点から単位営業時間での売上や粗利を算出しており、かかる算出を行うために営業日ごとの営業時間が設定として記憶されている。
このことから、本発明では、営業開始通知または営業終了通知をCRユニット10に行わせるようにホールコンピュータ70を構成することもできる。
すなわち、図8に示すように、ホールコンピュータ70では、営業開始時刻または営業終了時刻に至ることを契機に営業開始通知または営業終了通知などのホール状態通知をT/C30を経由してCRユニット10に行う(1)。なお、このホール状態通知を受け付けたCRユニット10では、図1の場合と同様に、(2)遷移先の運用モードの判別及び(3)シャッタ開閉制御が実行される。
これによって、リモコン50またはT/C30で営業開始または営業終了のボタン操作または操作入力を不要化し、CRユニット10へのホール状態の通知を自動的に行うことが可能になる。
なお、ここでは、ホールコンピュータ70からT/C30を経由してCRユニット10にホール状態を通知することとしたが、ホールコンピュータ70からT/C30へ営業日ごとの営業時間を通知しておき、ホール状態通知をT/C30に行わせることとしてもよい。
また、上記の実施例では、T/C30またはリモコン50からCRユニット10にホール状態を通知する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、T/C30またはリモコン50からシャッタ18cの開指令および閉指令などのシャッタ操作命令を直接通知させることとしてもよい。
例えば、リモコン50を通じてシャッタ18cのシャッタ操作命令を行う場合には、リモコン50にシャッタ18cの開ボタンまたは閉ボタンを設けておき、リモコン50では、これらのボタン押下に応答してシャッタ18cの開指令または閉指令をリモコン受光部11aに送信する(図8の白矢印を参照)。
また、T/C30を通じてシャッタ18cのシャッタ操作命令を行う場合には、T/C30では、キーボードやマウスなどの指示入力手段を介してシャッタ18cの開操作または閉操作の入力を受け付け、該受け付けたシャッタ18cの開指令または閉指令をCRユニット10に送信する(図8の白矢印を参照)。
そして、シャッタ開閉制御部16は、リモコン50またはT/C30からシャッタ18cの開指令を受け付けた場合には、シャッタ駆動部18bを開駆動させてシャッタ18cを開放し、また、リモコン50またはT/C30からシャッタ18cの閉指令を受け付けた場合には、シャッタ駆動部18bを閉駆動させてシャッタ18cを閉める。
このように、T/C30またはリモコン50での開指令または閉指令の操作に応答してシャッタ18cを開閉制御することで、遊技店の営業が終了して締上げを行う場合には計数ユニット18内のシャッタを閉操作するとともに、遊技店が他の運用状態にある場合にもその運用状態に適合したシャッタ状態に開閉操作することができ、上記の実施例と同様に、遊技店の店員による不正計数を防止することが可能である。
また、上記の実施例では、システム状態の監視、ホール状態の取得、モード制御およびシャッタ開閉制御をCRユニット10主体で実行させる場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、上記の一連の処理をT/C30で実行させることとしてもよい。
例えば、図9に示すように、T/C30では、自装置の稼働可否を監視するとともに、通知される営業終了通知または営業開始通知の受付待機状態にあり、ホールコンピュータ70から営業開始通知または営業終了通知などのホール状態通知を受け付けたり(1A)、或いはシステム状態の変化を検知した場合(1B)などに、遷移先の運用モードを判別する(2)。なお、遷移先の運用モードの判別は、図1で説明した判別ロジックを用いて行われる。
このように遷移先の運用モードを判別して、T/C30は、遷移先の運用モードと対応付けて規定されているシャッタ状態になるようにシャッタ開閉指令をCRユニット10に行う(3)。
一方、CRユニット10では、T/C30からシャッタ開指令を受け付けた場合には、シャッタ駆動部18bを開駆動させてシャッタ18cを開放し、また、T/C30からシャッタ閉指令を受け付けた場合には、シャッタ駆動部18bを閉駆動させてシャッタ18cを閉める(4)。
なお、運用モード3「閉店」の場合には、持ち玉を更新または更新し得る状態から離脱してシステムの稼働が停止されるにとどまらず、T/C30の電源がOFF状態にされることも想定されるので、T/C30の電源OFF操作によりシステム状態の変化を検知した場合(運用モード3にモード遷移する場合)には、T/C30の電源がOFF操作に応答して運用モード3に対応するシャッタ開指令をCRユニット10に行った上で電源をOFF状態にする必要がある。
このように、ホール状態取得、システム状態監視、モード制御およびシャッタ開閉指令を行うようにT/C30を構成すれば、上記の実施例と同様に、遊技店の営業が終了して締上げを行う場合には計数ユニット18内のシャッタを自動的に閉制御するとともに、遊技店が他の運用状態にある場合にもその運用状態に適合したシャッタ状態に開閉制御することができる。さらには、遊技店の全遊技台または遊技島単位でシャッタ開閉指令を一括して行うことが可能になる。
また、本発明では、リモコン50がホール状態を通知する権限を有するリモコン50であるか否かを判定するようにリモコン処理部11を構成し、リモコン処理部11によってホール状態を通知する権限を有するリモコン50であると判定されることを条件に、当該リモコン50を通知元として取得したホール状態を有効とするようにホール状態取得部13を構成してもよい。
これを具体的に説明すると、図10に示す操作権限記憶部11cを図4に示したCRユニット10にさらに設ける。図10に示す例では、一般店員である店員1及び店員2には、リモコン50によるホール状態通知を禁止する一方で、店長や社員などの幹部店員である幹部1、幹部2及び幹部3には、リモコン50でホール状態通知を行う権限を付与する。
また、幹部店員の中でもホール状態の通知権限を段階的に付与することもできる。すなわち、同図に示すように、幹部1には、営業開始通知および営業終了通知の両方を行う権限を付与する一方で、幹部2には、営業開始通知だけを許容し、幹部3には、営業終了通知だけを許容する。
そして、CRユニット10のリモコン処理部11は、リモコン50からリモコンIDおよび指令コードをリモコン受光部11aを介して受信した場合に、図示しないコマンド管理テーブルを用いて、リモコン50から受信した指令コードに対応するコマンドを解釈する。
このとき、たとえば受信した指令コードが営業開始通知または営業終了通知に対応するコマンドであったとした時には、リモコン処理部11は、操作権限記憶部11cを参照して、受信したリモコンIDのリモコン50がコマンドに対応する営業開始または営業終了の通知権限を有するか否かを判定する。
その結果、ホール状態取得部13は、リモコン処理部11によって通知権限を有すると判定された場合には、リモコン50を介して受け付けた営業開始通知または営業終了通知を有効とし、リモコン処理部11によって通知権限を有しないと判定された場合には、リモコン50を介して受け付けた営業開始通知または営業終了通知を破棄する。
これによって、ホール状態を通知する操作を行う者を店長や幹部などの幹部店員だけに限定することができ、一般店員が不正を働こうとした場合でも一般店員が所持するリモコン50で誤ったホール状態通知を送信してシャッタが開放されることを防止できる。
また、ここでは、ホール状態を通知する権限を有するか否かを判定することとしたが、操作権限記憶部11cにシャッタの開閉操作権限を設定しておき、リモコン50がシャッタの開閉操作権限を有するリモコン50であるか否かを判定することで、シャッタの開閉操作を行う者を店長や幹部などの幹部店員だけに限定することができる。
なお、同様に、T/C30においても、店長や幹部などの幹部店員がログインするアカウントだけにホール状態の通知権限またはシャッタの開閉操作権限を付与することもできる。
なお、上記の実施例では、遷移先のモードを判別してから自装置のシャッタ18cだけを開閉制御する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、複数のCRユニット10とT/C30との間に介在して中継を行う島コントローラを介して、他のCRユニット10にシャッタ開閉指令を行うようにしてもよい。また、T/C30にシャッタ開閉指令を通知すれば、遊技店全てのCRユニット10にシャッタ開閉指令を転送することができる。
これによって、上記の実施例で説明したシステム状態取得、ホール状態取得およびモード制御を行う機能を有するCRユニット10を遊技店に1台もしくは遊技島に1台設けるだけで、同様のシャッタ開閉制御を他のCRユニットでも実行させることができ、遊技店の新機能導入のコストを低減させることができる。
また、上記の実施例では、CRユニット10の内下部に計数ユニット18を含んで構成する場合について説明したが、CRユニット10とは独立した計数装置として設けることもできる。例えば、パチンコ機20の下皿220の下部にある膳板上に計数装置を設けるタイプの各台計数システムにも本発明を同様に適用することができる。なお、この場合には、計数装置とCRユニット10は通信可能に接続される。
なお、上記の実施例では、本発明をパチンコ遊技に適用する例を説明したが、パチスロ遊技を対象としてさらに含めた場合又はパチスロ遊技のみを対象とした場合にも本発明を同様に適用することができる。なお、ここでは、パチンコ店に本発明を適用する例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ゲームセンタ等の遊技施設にも同様に適用することができる。