JP2014157877A - 太陽電池モジュール及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数の太陽電池セルが直列接続してなる太陽電池の回路に、バイパスダイオードの回路が取り入れられた、生産性に優れた太陽電池モジュールを提供する。
【解決手段】この太陽電池モジュールは、絶縁性基板21の一面上に、第1電極層22、光電変換層23及び第2電極層24が積層して構成された複数の太陽電池セル25を有し、該複数の太陽電池セル25が同一基板上で直列接続されてなる太陽電池セル集合体20を備える。また、絶縁性基板21の他面上に第3電極層26と、半導体層51と、第4電極層52とが積層されて複数のダイオード部50が形成されている。そして、太陽電池セルの第1電極層22もしくこれと同電位を有する電極層と、隣接する太陽電池セルの第1電極層22もしくはこれと同電位を有する電極層が、ダイオード部50を介して、発電による起電力が半導体層51に逆方向の電圧として印加されるように接続されている。
【選択図】図1
【解決手段】この太陽電池モジュールは、絶縁性基板21の一面上に、第1電極層22、光電変換層23及び第2電極層24が積層して構成された複数の太陽電池セル25を有し、該複数の太陽電池セル25が同一基板上で直列接続されてなる太陽電池セル集合体20を備える。また、絶縁性基板21の他面上に第3電極層26と、半導体層51と、第4電極層52とが積層されて複数のダイオード部50が形成されている。そして、太陽電池セルの第1電極層22もしくこれと同電位を有する電極層と、隣接する太陽電池セルの第1電極層22もしくはこれと同電位を有する電極層が、ダイオード部50を介して、発電による起電力が半導体層51に逆方向の電圧として印加されるように接続されている。
【選択図】図1
Description
本発明は、バイパスダイオードを備えた太陽電池モジュール、及びその製造方法に関する。
太陽電池モジュールは、複数の太陽電池セルを電気的に直列接続して、所定の出力が得られるように設計されている。
ところで、太陽電池セルは、一部の太陽電池セルが発電しない状態(太陽電池への太陽光が遮光された状態)では、発電しない太陽電池セルで抵抗が大きくなり、取出し電力が低下する。加えて、発電しない太陽電池セルの両端には、他の発電している太陽電池セルから逆方向の電圧が印加され、太陽電池セルの耐圧を越えると破損する恐れがある。そのため、ダイオードを太陽電池セルに対して電気的に並列接続し、一部の太陽電池セルが遮光された場合は、電流を該ダイオードからバイパスさせて、取出し電力の低下や、太陽電池セルの破損等を防止することが行われている。このように結線したダイオードは、バイパスダイオードと呼ばれている。
太陽電池の回路にパイパスダイオードの回路を取り入れた太陽電池モジュールは、特許文献1に記載されるように、太陽電池と、ダイオードとをそれぞれ個別に製造しておき、モジュール化の際に両者を電気的に接合して製造することが従来より行われている。
しかしながら、モジュール化の際に、個別に製造した太陽電池とダイオードを電気的に接合して、太陽電池の回路にバイパスダイオードの回路が取り入れられた太陽電池モジュールを製造する場合、太陽電池とダイオードとをそれぞれ用意する必要があるので、部品点数が増加するという問題があった。また、両者を電気的に接合する工程が必要であるので、工程数が増加する問題があった。
また、特許文献2には、導電性基板の非受光面側の主表面に形成された整流特性を有する整流層及び該整流層の非受光面側に形成された裏面電極層を有し、受光面側又は非受光面側の主表面から該導電性基板に設けられた貫通孔の内壁表面の少なくとも一部に渡り連続的に、光電変換層、透明電極層、整流層及び裏面電極層が形成され、該透明電極層と該裏面電極層が該貫通孔の内壁面上で電気的に接触しており、且つ、該光電変換層の光起電力による電圧が該整流層の整流特性に対して逆方向である光起電力素子が開示されている。この光起電力素子は、導電性基板の受光面側に形成された透明電極層と、導電性基板の非受光面側に形成された裏面電極層とを、貫通孔の内壁面上において電気的に接触させており、裏面電極層をグリッド電極として用いている。そして、一方の光起電力素子の導電性基板と、他方の光起電力素子の裏面電極層とを銅箔で電気的に接続して、各光起電力素子を直列接続し、モジュール化している。
このモジュールでは、通常時は、光起電力素子での発電により発生した電子は、貫通孔にて、透明電極層から裏面電極層へと移動する。そして、裏面電極層へと移動した電子は、銅箔を通って、隣接する光起電力素子の導電性基板へと移動する。そして、光電変換層、透明電極層、裏面電極層、銅箔を通り、次の光起電力素子の導電性基板へと移動する。
一方、一部の光起電力素子の光電変換層が遮光された場合、電流は遮光された光起電力素子の光電変換層を通らず、導電性基板から整流層、裏面電極層、銅箔を通って、次の光起電力素子の導電性基板へと移動し、光電変換層が逆方向電圧により破損することを防止している。
しかしながら、特許文献2の光起電力素子は、一つの導電性基板上に一つの光電変換素子が形成され、直列接続構造は銅箔による配線によって形成されている。一方で一つの絶縁性基板上に複数の光電変換素子を形成する集積型太陽電池においては、特許文献2に記載する方法ではバイパスダイオードと一体化させた構造を形成することが出来ず、新たな構造を検討する必要があった。
本発明の目的は、一つの絶縁性基板上に複数の太陽電池セルが直列接続してなる太陽電池の回路に、バイパスダイオードの回路が取り入れられた太陽電池モジュールを生産性よく製造できる太陽電池モジュール、及び、太陽電池モジュールの製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明は、絶縁性基板の一面上に、第1電極層、光電変換層及び透明性を有する第2電極層が積層して構成された複数の太陽電池セルを有し、該複数の太陽電池セルが同一基板上で直列接続されてなる太陽電池セル集合体を備えた太陽電池モジュールであって、
前記絶縁性基板の他面上に第3電極層と、整流特性を有する半導体層と、第4電極層とが積層されて複数のダイオード部が形成されており、
前記太陽電池セルの第1電極層、もしくは前記第1電極層と同電位を有する電極層と、隣接する前記太陽電池セルの第1電極層、もしくは前記第1電極層と同電位を有する電極層が、前記ダイオード部を介して、前記太陽電池モジュールの発電による起電力が前記ダイオード部の前記半導体層に逆方向の電圧として印加されるように、接続されていることを特徴とする。
前記絶縁性基板の他面上に第3電極層と、整流特性を有する半導体層と、第4電極層とが積層されて複数のダイオード部が形成されており、
前記太陽電池セルの第1電極層、もしくは前記第1電極層と同電位を有する電極層と、隣接する前記太陽電池セルの第1電極層、もしくは前記第1電極層と同電位を有する電極層が、前記ダイオード部を介して、前記太陽電池モジュールの発電による起電力が前記ダイオード部の前記半導体層に逆方向の電圧として印加されるように、接続されていることを特徴とする。
本発明の太陽電池モジュールにおいて、前記各ダイオード部の第3電極層は、前記絶縁性基板、前記第1電極層、前記光電変換層を貫通する第1貫通孔を通り前記第1電極層と絶縁された導体により前記第2電極層と接続されると共に、前記絶縁性基板を貫通する第2貫通孔を通り前記第2電極層と絶縁された導体により、隣接する太陽電池セルの前記第1電極層と接続されて、複数の前記太陽電池セルが直列接続されており、
前記第4電極層は、前記第1貫通孔では、前記第1電極層、前記第2電極層、及び前記第3電極層と絶縁されており、前記第2貫通孔では、前記第1電極層及び前記第3電極層と絶縁された導体により、隣接する太陽電池セルの前記第2電極層と接続されていることが好ましい。この態様においては、前記太陽電池セルの前記第2貫通孔周辺であって、前記第2電極層が形成されていない領域に、前記透明性を有する導電材料で構成された導体層が形成されており、該導体層により、前記第4電極層と、隣接する太陽電池セルの前記第2電極層とが接続されていることが好ましい。また、前記第2貫通孔周辺の前記第2電極層が形成されていない領域に、前記第2電極層側から非透過の材料が配設されていることが好ましい。
前記第4電極層は、前記第1貫通孔では、前記第1電極層、前記第2電極層、及び前記第3電極層と絶縁されており、前記第2貫通孔では、前記第1電極層及び前記第3電極層と絶縁された導体により、隣接する太陽電池セルの前記第2電極層と接続されていることが好ましい。この態様においては、前記太陽電池セルの前記第2貫通孔周辺であって、前記第2電極層が形成されていない領域に、前記透明性を有する導電材料で構成された導体層が形成されており、該導体層により、前記第4電極層と、隣接する太陽電池セルの前記第2電極層とが接続されていることが好ましい。また、前記第2貫通孔周辺の前記第2電極層が形成されていない領域に、前記第2電極層側から非透過の材料が配設されていることが好ましい。
本発明の太陽電池モジュールにおいて、前記各ダイオード部の第3電極層は、前記絶縁性基板を貫通する第1貫通孔を通って、対応する位置にある太陽電池セルの第1電極層と接続され、前記各ダイオード部の第4電極層は、前記絶縁性基板を貫通する第2貫通孔を通って、隣接する太陽電池セルの第1電極層と接続されていることが好ましい。
本発明の太陽電池モジュールにおいて、前記各ダイオードの前記半導体層は、対応するダイオードの前記第3電極層の一部または全面に形成されていることが好ましい。
本発明の太陽電池モジュールにおいて、前記各ダイオードは、個々の太陽電池セルの間隔毎に複数に分かれるか、あるいは複数個ずつの太陽電池セルの間隔毎に複数に分かれて形成されていることが好ましい。
本発明の太陽電池モジュールにおいて、前記光電変換層と前記半導体層とが同じ材料で構成されていることが好ましい。
本発明の太陽電池モジュールにおいて、前記光電変換層が、シリコン系材料及び化合物系材料から選ばれる半導体材料で構成されていることが好ましい。
また、本発明の太陽電池モジュールの製造方法は、
絶縁性基板に第2貫通孔を形成する工程1と、
前記工程1を行った後、前記第2貫通孔を形成した絶縁性基板の受光面側に第1電極層を形成し、非受光面側に第3電極層を形成すると共に、前記第2貫通孔の内壁で、前記第1電極層と前記3電極層とを接続させる工程2と、
前記工程2を行った後、前記絶縁性基板、前記第1電極層及び前記第3電極層を貫通する第1貫通孔を形成する工程3と、
前記工程3を行った後、前記絶縁性基板の受光面側の前記第1電極層上に、前記第2貫通孔において前記第2電極層と第3電極層とを絶縁させつつ、光電変換層及び透明性を有する第2電極層を形成すると共に、前記第1貫通孔の内壁で、前記第3電極層を、前記第1電極層と絶縁させつつ、前記第2電極層と接続させる工程4と、
前記工程4を行った後、前記絶縁性基板の非受光面側の前記第3電極層上に、半導体層及び第4電極層を形成する工程5と、
前記工程5を行った後、前記第4電極層を、前記第2貫通孔の内壁で、前記第1電極層及び前記第3電極層と絶縁させつつ、前記第2電極層と接続させる工程6と、
少なくとも前記工程4を行った後、前記絶縁性基板の受光面側の積層体を複数に分断する工程7と、
少なくとも前記工程4を行った後、前記絶縁性基板の非受光面側のうち、少なくとも前記第3電極層を複数に分断する工程8と、
少なくとも前記工程5を行った後、前記工程8の分断位置と整合する位置において、前記半導体層と前記第4電極層を複数に分断する工程9とを備えることを特徴とする。
絶縁性基板に第2貫通孔を形成する工程1と、
前記工程1を行った後、前記第2貫通孔を形成した絶縁性基板の受光面側に第1電極層を形成し、非受光面側に第3電極層を形成すると共に、前記第2貫通孔の内壁で、前記第1電極層と前記3電極層とを接続させる工程2と、
前記工程2を行った後、前記絶縁性基板、前記第1電極層及び前記第3電極層を貫通する第1貫通孔を形成する工程3と、
前記工程3を行った後、前記絶縁性基板の受光面側の前記第1電極層上に、前記第2貫通孔において前記第2電極層と第3電極層とを絶縁させつつ、光電変換層及び透明性を有する第2電極層を形成すると共に、前記第1貫通孔の内壁で、前記第3電極層を、前記第1電極層と絶縁させつつ、前記第2電極層と接続させる工程4と、
前記工程4を行った後、前記絶縁性基板の非受光面側の前記第3電極層上に、半導体層及び第4電極層を形成する工程5と、
前記工程5を行った後、前記第4電極層を、前記第2貫通孔の内壁で、前記第1電極層及び前記第3電極層と絶縁させつつ、前記第2電極層と接続させる工程6と、
少なくとも前記工程4を行った後、前記絶縁性基板の受光面側の積層体を複数に分断する工程7と、
少なくとも前記工程4を行った後、前記絶縁性基板の非受光面側のうち、少なくとも前記第3電極層を複数に分断する工程8と、
少なくとも前記工程5を行った後、前記工程8の分断位置と整合する位置において、前記半導体層と前記第4電極層を複数に分断する工程9とを備えることを特徴とする。
本発明の太陽電池モジュールの製造方法において、前記工程8を、前記工程4と前記工程5との間に行って、前記第3電極層を複数に分断し、前記工程9を、少なくとも前記工程5を行った後に行い、前記半導体層と前記第4電極層との積層体を、分断された前記第3電極層の間隔毎に複数に分かれるか、あるいは、複数個ずつの第3電極層の間隔毎に複数に分かれるように複数に分断することが好ましい。
本発明の太陽電池モジュールの製造方法において、前記工程5を行った後、前記工程8と前記工程9とを同時に行い、前記工程8の分断箇所と、前記工程9の分断箇所を同じにして、前記第3電極層と前記半導体層と前記第4電極層との積層体を複数に分断することが好ましい。
本発明の太陽電池モジュールの製造方法において、前記工程4を行った後、少なくとも前記工程7と前記工程8とを実施し、その後、前記工程6を行う前に、分断した太陽電池セル毎に逆バイアスを印加する工程を実施することが好ましい。
本発明の太陽電池モジュールの製造方法において、前記工程5の際に、前記第1貫通孔の近傍の前記第3電極層上にマスクを配設し、前記半導体層と前記第4電極層の形成を、前記第3電極層と前記第4電極層の絶縁を確保しつつ行うことが好ましい。この態様において、前記半導体層形成時に使用するマスク面積よりも、前記第4電極層形成時に使用するマスク面積の方が大きいことが好ましい。
本発明の太陽電池モジュールの製造方法において、前記工程6において、透明性を有する導電材料を用いて前記第2電極層と前記第4電極層とを接続することが好ましい。この態様においては、前記工程6において、前記第2貫通孔周辺の受光面側であって、前記第2電極層が形成されていない領域に、前記透明性を有する導電材料で構成された導体層を形成し、該導体層により、前記第4電極層と、隣接する太陽電池セルの前記第2電極層とを接続することが好ましい。
本発明の太陽電池モジュールの製造方法において、少なくとも前記工程6を行った後、前記第2貫通孔周辺の前記第2電極層が形成されていない領域に、前記第2電極層側から非透過の材料を配設することが好ましい。
本発明によれば、絶縁性基板の他面上に第3電極層と、整流特性を有する半導体層と、第4電極層とが積層されて複数のダイオード部が形成されており、太陽電池セルの第1電極層、もしくは前記第1電極層と同電位を有する電極層と、隣接する前記太陽電池セルの第1電極層、もしくは前記第1電極層と同電位を有する電極層が、ダイオード部を介して、太陽電池モジュールの発電による起電力がダイオード部の半導体層に逆方向の電圧として印加されるように、接続されているので、一部の太陽電池セルへの太陽光が遮光されるなどして一部の太陽電池セルの発電が停止しても、発電が停止した太陽電池セルをバイパスして電流を流すことができ、太陽電池の破損を抑えて、長期にわたって安定した太陽電池特性を得ることができる。
また、この太陽電池モジュールは、絶縁性基板の太陽電池セルが形成された面の逆面に、ダイオード部が形成されて太陽電池の回路にバイパスダイオードの回路が取り入れているので、太陽電池と、ダイオードをそれぞれ別個の部品として用意する必要はなく、部品点数を減らすことができる。
本発明の太陽電池モジュールの第1の実施形態について、図1〜3を用いて説明する。
図1に示されるように、この太陽電池モジュールは、同一基板上に形成された複数の太陽電池セル25が直列接続している太陽電池セル集合体20と、太陽電池セル集合体20の非受光面側20bに形成された複数のダイオード部50とを備えている。
太陽電池セル集合体20は、絶縁性基板21の受光面側20aに、裏面電極層22、光電変換層23、透明電極層24を順次積層して構成された太陽電池セル25が複数形成され、絶縁性基板21の非受光面側20bに、背面電極層26が複数形成され、隣接する太陽電池セル25どうしが、次に示す態様で背面電極層26を介して電気的に直列接続している。
すなわち、図1〜3に示されるように、太陽電池セル25の両端部には、絶縁性基板21上に裏面電極層22、光電変換層23が順次積層され、透明電極層24が設けられていない接続部25a,25aが設けられている。また、背面電極層26は、太陽電池セル25とほぼ同じ間隔で、かつ、隣接する一方の太陽電池セル側にずれて分割されている。
図1を合わせて参照すると、各太陽電池セル25には、背面電極層26、絶縁性基板21、裏面電極層22、光電変換層23、透明電極層24を貫通して形成された第1貫通孔27が、所定間隔で複数形成されている。そして、図1に示すように、第1貫通孔27の内壁において、透明電極層24と背面電極層26とが、導体層28により電気的に接続している。また、裏面電極層22は、光電変換層23で覆われて、透明電極層24、導体層28及び背面電極層26と絶縁されている。
接続部25aには、背面電極層26、絶縁性基板21、裏面電極層22、光電変換層23を貫通して形成された第2貫通孔29が形成されている。そして、図1に示すように、第2貫通孔29の内壁において、背面電極層26と裏面電極層22とが、導体層30により電気的に接続している。
また、太陽電池セル集合体20の背面電極層26には、半導体層51とダイオード電極層52とが順次積層して、絶縁性基板21の非受光面側に、背面電極層26と半導体層51とダイオード電極層52とで構成されたダイオード部50が形成されている。このダイオード部50は、背面電極層26とほぼ同じ間隔で分断されている。そして、次に示す態様で、太陽電池モジュールの発電時に発電による起電力が半導体層51に逆方向の電圧として印加される様に、ダイオード電極層52が、ダイオード部50が形成された太陽電池セル25に隣接する他の太陽電池セル25の透明電極層24と接続している。
すなわち、図1に示されるように、第1貫通孔27では、ダイオード電極層52は、背面電極層26、裏面電極層22及び透明電極層24と絶縁されている。また、第2貫通孔29では、ダイオード電極層52は、半導体層51によって裏面電極層22及び背面電極層26と絶縁されていると共に、導体層53を介して透明電極層24と接続している。このようにして、ダイオード部50が、太陽電池セル25と電気的に逆並列接続している。尚ダイオード部50において、ダイオード電極層52及び半導体層51は、上記接続構造が形成されていれば、必ずしも背面電極層26の全面へ形成されている必要はない。但しこの場合、背面電極層26とダイオード電極層52がダイレクトに接続しないように形成する必要がある。
本発明の太陽電池モジュールにおいて、絶縁性基板21は、耐熱性に優れるものが好ましく用いることができる。なお、本発明において、「絶縁性基板」とは、絶縁性を有する材料で構成された基板、導電性を有する材料で構成された基板の表面を絶縁処理した基板を含む。絶縁性基板の具体例としては、ガラス基板、表面に絶縁処理を施した金属基板、樹脂基板等が挙げられる。なかでも、ポリイミド、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルサルフォン、ポリエチレンテレフタレート、アラミドなどからなる可撓性フィルム基板が好ましく用いることができる。尚、表面に絶縁処理を施した金属基板を適用する場合、各電極層と金属基板が導通しない様、必要に応じて絶縁処理を行う必要がある。可撓性フィルム基板を用いることで、フレキシブルな太陽電池セル集合体とすることができる。絶縁性基板21の膜厚は、特に限定はないが、柔軟性、強度、重量を考慮すると、15〜200μm程度が好ましい。
本発明の太陽電池モジュールにおいて、裏面電極層22は、Ag、Ni、Al、Mo及びこれらの合金などの導電性金属で形成される。光電変換層23に適した材料を選択することが好ましい。また、これらの導電性金属で形成される層(以下、導電性金属層という)に、ITO、SnO2、ZnOなどの透明導電性酸化物で形成される層(以下、透明導電性酸化物層という)が積層されていてもよい。
本発明の太陽電池モジュールにおいて、透明電極層24は、ITO、SnO2、ZnOなどの透明導電性酸化物で形成される。
本発明の太陽電池モジュールにおいて、背面電極層26は、Ag、Ni、Al及びこれらの合金などの導電性金属で形成される。裏面電極層22と同じ材料で形成されていることが好ましい。これによれば、裏面電極層22と背面電極層26とを、同一の装置を用いて形成できるので、装置コストを抑えることができる。
各電極層の形成方法は特に限定は無い、各種電極材料を、蒸着法、スパッタ法、鍍金など当該技術において知られている任意の製膜方法で製膜して形成できる。
光電変換層23は、特に限定は無い。シリコン系材料及び化合物系材料から選ばれる半導体材料で構成された光電変換層が挙げられる。
シリコン系材料としては、アモルファスシリコン系材料、微結晶シリコン系材料等が挙げられる。
化合物系材料としては、CI(G)S系材料、CZTS系材料、CdTe系材料等が挙げられる。CI(G)S系材料としては、CuInSe2、CuGaSe2、Cu(In,Ga)Se2、Cu(In,Ga)(S,Se)2等のCI(G)S系半導体化合物が挙げられる。CZTS系材料としては、Cu2ZnSnSe4、Cu2ZnSn(S,Se)4等のCZTS系半導体化合物が挙げられる。CdTe系材料としては、CdTe,CdZnTe等のCdTe系半導体化合物が挙げられる。
光電変換層23の形成方法は、特に限定なく、従来公知の方法で形成できる。例えば、アモルファスシリコン系材料や微結晶シリコン系材料を用いる場合は、プラズマCVD法等により形成できる。また、CI(G)S系材料、CZTS系材料を用いる場合は、多元蒸着法、セレン化法等により形成できる。また、CdTe系材料等を用いる場合は、近接昇華法、スクリーン印刷法、電着法、真空蒸着法、スプレー法等により形成できる。
ダイオード部50の半導体層51は、整流特性を有するものであればよく、特に限定は無い。太陽電池セル25の光電変換層23と同様のものを用いることができる。光電変換層23と共通の材料を用いた場合、光電変換層23と、半導体層51とを、同一の装置を用いて形成できるので、装置コストを抑えることができる。
ダイオード部50のダイオード電極層52は、特に限定はない。導電性を有するものであればよい。裏面電極層22、透明電極層24、背面電極層26で使用した材料で構成することが好ましい。これによれば、これらの電極層の形成に用いた装置と同一の装置を用いてダイオード電極層52を形成できるので、装置コストを抑えることができる。
ダイオード電極層52と透明電極層24とを接続する導体層53は、導電性を有する材料で構成されていればよい。好ましくは、透明性を有する導電材料である。より好ましくは、透明電極層24と同一の材料である。透明電極層24に導体層53がオーバラップすると、導体層53が非透明の場合、発電面積が減少することになるが、導体層53が、透明性を有する導電材料で構成されていれば、透明電極層24に導体層53がオーバラップしても、発電面積の減少を防止できる。更には、接続部25aにおいて導電層53が形成された面積分、発電面積が増える。そのため、導電層53を形成する領域は、接続部25aにおいて第2貫通孔と透明電極24が接続する形で形成されていれば良いが、導体層53が、透明性を有する導電材料で構成されている場合、接続部25a全面に形成される形態がより好ましい。また、透明電極層24と導体層53がオーバラップする領域は、形成される透明電極膜の膜厚が局所的に厚くなり、最適な透明電極膜厚からずれる場合が多くなるため、なるべく小面積となる様に形成することが好ましい。実際の導電層53の形成面積は、形成工程の精度等を勘案し、十分な安全率を持つ様な面積に設定するのが好ましい。
導体層53の形成方法は、特に限定は無い。ハンダ、金属ペースト等の塗布、スパッタ法、蒸着法、CVD法等が挙げられる。スパッタ法、蒸着法等の形成方法を採用する場合、所定の形成箇所以外に薄膜が付着しない様、マスクを用いて形成する。
図4を併せて用いて、図1〜3に示す構造の太陽電池モジュールの電流の流れについて説明する。なお、図4は、図1〜3に示す構造の太陽電池モジュールを簡略化して表し、その電流の流れを模式的に示した図であって、図1〜3と同一部分は、同一符号を付している。すなわち、符号22は裏面電極層であり、符号23は光電変換層であり、符号24は透明電極層であり、符号26は背面電極層であり、符号51は半導体層であり、符号52はダイオード電極層であり、符号53は導体層である。
太陽電池セル25での発電により発生した電流は、図4の実線矢印Aに示すように、光電変換層23から透明電極層24へと流れ、第1貫通孔27を通って、太陽電池セル25の透明電極層24から、背面電極層26へと流れる。そして、背面電極層26に移動した電流は、接続部25aへと移動し、第2貫通孔29を通って、隣接する太陽電池セル25の裏面電極層22へと流れる。このようにして、この太陽電池セル集合体20は、第1貫通孔27、第2貫通孔29を介して、それぞれの太陽電池セル25が直列接続している。このような構造は、SCAF(Series Connection through Apertures formed on Film)構造と呼ばれている。
なお、ダイオード部50の半導体層51は、太陽電池モジュールの発電時に、発電による起電力が半導体層51に逆方向の電圧が印加される様に配置されているため、ダイオード部50が形成された太陽電池セル25が発電している間は、ダイオード部50には電流が流れない。
一方、特定の太陽電池セルが、例えば日影に入って発電しなくなった時は、該太陽電池セルと電気的に逆並列接続するダイオード部50の半導体層51に順方向の電圧が印加される。このため、図4の破線矢印Bに示すように、隣接する太陽電池セル25の背面電極層26から電流が、半導体層51を通って、ダイオード電極層52へと移動する。ダイオード電極層52に移動した電子は、発電しなくなった太陽電池セル25をバイパスして、次の太陽電池セル25の第2貫通孔29を通り、導体層53を経て、次の太陽電池セル25の透明電極層24へと移動する。
このように、太陽電池モジュールの一部が日影に入るなどして、一部の太陽電池セルの発電が停止しても、発電していない太陽電池セルをバイパスして、次の太陽電池セルに電流が流れるので、太陽電池セルの破損に至ることなく、安定した太陽電池特性を得ることができる。
この実施形態では、背面電極層26の一部にダイオード部50が形成されているが、図5に示すように、背面電極層26の全面にダイオード部50が形成されていてもよい。
また、この実施形態では、ダイオード部50は、背面電極層26と同じ間隔で分断されて、1つの太陽電池セル25に対し、1つのダイオード部50が逆並列接続しているが、図6に示すように、ダイオード部50が複数の太陽電池セル25に対応する背面電極層26にわたって形成されて、複数の太陽電池セルに1つのダイオード部50が逆並列接続されていてもよい。この場合、1つのダイオード部50に対して割り当てる太陽電池セルの直列数は、光電変換層に採用する材質の開放電圧、耐電圧等から算出される最大値を超えない様な直列数にする。
なお、背面電極層26上に半導体層51を形成する際に、第2貫通孔29の内壁に半導体層が形成されたり、第2貫通孔29を回り込んで、受光面側に回り込むことがある。第2貫通孔29内の半導体層や、受光面側に回り込んで形成された半導体層に光が照射されると、光照射部に光起電力が発生し、太陽電池セルに対して逆方向に流れる電流成分が発生する。この電流は太陽電池セルに対してリーク電流となるため、太陽電池モジュールの発電特性の低下につながる。このため、図7に示すように、接続部25aの内壁において、第2貫通孔29周辺に、非透過の材料からなる遮光層55を配設して、第2貫通孔29の半導体層に光が照射されることを阻止することが好ましい。非透過の材料は、特に導電性は要求されない。耐熱性、耐候性に優れたものが好ましい。接続部25aにおいて、実際の導電層53の形成面積、及び遮光層55の形成面積は、形成工程の精度等を勘案し、十分な安全率を持つ様な面積に設定するのが好ましい。
次に、図1に示す太陽電池モジュールの製造方法を例に挙げて、本発明の太陽電池モジュール製造方法を説明する。
まず、工程1として、絶縁性基板の両端部に第2貫通孔29を形成する。表面に絶縁処理を施した金属基板を適用する場合、貫通孔29形成後、貫通孔29の側面に絶縁処理を施す。
次に、工程2として、工程1を行った後、第2貫通孔29を形成した絶縁性基板21の受光面側20aに裏面電極層22を形成し、非受光面側20bに背面電極層26を形成する。こうすることで、図1に示すように、第2貫通孔29の内壁で、裏面電極層22と背面電極層26とが電気的に接続する。
次に、工程3として、工程2を行った後、絶縁性基板21、裏面電極層22及び背面電極層26を貫通する第1貫通孔27を形成する。表面に絶縁処理を施した金属基板を適用する場合、第1貫通孔27形成後、第1貫通孔27の側面に絶縁処理を施す。
次に、工程4として、工程3を行った後、絶縁性基板21の受光面側20aの全面に光電変換層23を形成し、次いで、第2貫通孔29が形成された両端部にはマスクをかぶせて透明電極層24を形成し、次いで、絶縁性基板21の背面電極層26上に、再度背面電極層26を形成する。こうすることで、図1に示すように、第1貫通孔27の内壁で、透明電極層24と背面電極層26とが電気的に接続する。
次に、工程5として、工程4を行った後、背面電極層26上に、非受光面側20bから、半導体層51と、ダイオード電極層52を順次形成する。
工程5では、第2貫通孔29の内壁にて、ダイオード電極層52が、半導体層51によって、裏面電極層22及び背面電極層26と絶縁されるように半導体層51と、ダイオード電極層52とを形成する。
本発明では、工程5を実施する際に、第1貫通孔27の近傍の背面電極層26上にマスクを配設して、背面電極層26とダイオード電極層52の絶縁を確保しつつ、半導体層51と、ダイオード電極層52とを形成することが好ましい。また、半導体層51形成時に使用するマスク面積よりも、ダイオード電極層52形成時に使用するマスク面積の方が大きいことが好ましい。第1貫通孔27の内壁にもダイオード部が形成されている場合、第1貫通孔27内のダイオード部に光が照射されると、第1貫通孔27内のダイオード部に光起電力が発生し、太陽電池セルに対して逆方向に流れる電流成分が発生する。この電流がリーク電流となって、太陽電池モジュールの発電特性の低下につながる。このようにマスクを配置して、半導体層51と、ダイオード電極層52とを形成することで、第1貫通孔27の周辺及び第1貫通孔27の内壁にダイオード部が形成されるのを防止できる。また、ダイオード電極層52形成時に使用するマスク面積を、半導体層51形成時に使用するマスク面積よりも大きくすることにより、ダイオード電極層52と背面電極層26との接触をより確実に防止でき、短絡の発生を抑制できる。
次に、工程6として、工程5を行った後、第2貫通孔29の近傍に、一端が透明電極層24に接続し、他端が第2貫通孔29内のダイオード電極層52に接続するように受光面側20aから導体層53を形成する。こうすることで、ダイオード電極層52は、第2貫通孔29の内壁で、導体層53を介して透明電極層24と接続する。なお、ダイオード電極層52は、半導体層51によって、裏面電極層22及び背面電極層26と絶縁されている。
工程6において、導体層53は、透明性を有する導電材料を用いて形成することが好ましい。また、工程6を行った後、第2貫通孔29周辺の透明電極層24が形成されていない領域に、受光面側20aから非透過の材料を配設することが好ましい。第2貫通孔29の内壁にもダイオード部が形成されている場合、ダイオード部に光が照射されると、第2貫通孔29内のダイオード部に光起電力が発生し、太陽電池セルに対して逆方向に流れる電流成分が発生する。この電流がリーク電流となって、太陽電池モジュールの発電特性の低下につながる。第2貫通孔29周辺の透明電極層24が形成されていない領域に、受光面側20aから非透過の材料を配設することで、第2貫通孔29の内壁に光が照射されるのを防止でき、リーク電流の発生を抑制できる。
次に、工程7として、少なくとも工程4を行った後、絶縁性基板21の受光面側の積層体を複数のセルに分断する。
次に、工程8として、少なくとも工程4を行った後、絶縁性基板21の非受光面側の背面電極層26を複数に分断する。
次に、工程9として、少なくとも前記工程5を行った後、半導体層51とダイオード電極層52を複数に分断する。
本発明では、工程8を、工程4と工程5との間に行って、背面電極層26のみをまず複数に分断し、次いで、工程9を、少なくとも工程5を行った後に行い、半導体層51とダイオード電極層52との積層体を複数に分断してもよい。この場合、工程9での分断位置は、工程8での背面電極層26の分断位置に整合させてもよい。また、工程8での複数の分断位置に対して、工程9は分断位置を工程8と整合させつつ、かつ分断数は工程8より少なくしてもよい。また、工程8の分断位置と工程9の分断位置をずらしてもよい。分断位置をずらす場合は、背面電極層26は基板に到達する位置まで分断する必要があるため、分断位置や半導体層51とダイオード電極層52との積層体の形成領域に関して、発電時の電流ルートを分断しない様考慮する必要がある。
また、工程5を行った後、工程8と工程9とを同時に行い、工程8の分断箇所と、工程9の分断箇所を同じにして、背面電極層26と半導体層51とダイオード電極層52との積層体を複数に分断してもよい。
また、工程4を行った後、少なくとも工程7と工程8とを実施し、その後、工程6を行う前に分断した太陽電池セル毎に逆バイアスを印加する工程を実施してもよい。光電変換層23の材質にアモルファスシリコン系材料、微結晶シリコン系材料等のシリコン系材料を使用した場合、光電変換層のpn接合に逆方向のバイアスをかけてリーク部に集中的に電流を流すことで、リーク部分をジュール熱で焼き切ることができる。
このようにして、太陽電池セル集合体20にダイオード部50が形成された、図1に示す太陽電池モジュールを製造できる。
本発明の太陽電池モジュールの第2の実施形態について、図8を用いて説明する。
この太陽電池モジュールは、同一基板上に形成された複数の太陽電池セル125が直列接続している太陽電池セル集合体120と、太陽電池セル集合体120の非受光面側に形成された複数のダイオード部150とを備えている。
この太陽電池セル集合体120は、絶縁性基板121上に、裏面電極層122、光電変換層123、透明電極層124を順次積層して構成された太陽電池セル125が複数形成されている。そして、一方の太陽電池セル125の透明電極層124は、導体層131を介して、隣接する他方の太陽電池セル125の裏面電極層122に接続して、隣接する太陽電池セル25どうしが、電気的に直列接続している。
また、絶縁性基板121の非受光面側には、背面電極層126が、各太陽電池セル125と整合する間隔で複数形成されている。絶縁性基板121には、第1貫通孔121aが形成されている。背面電極層126は、対応する位置にある太陽電池セル125の裏面電極層122と、第1貫通孔121aの内壁にて導体層132により電気的に接続している。
背面電極層126には、半導体層151とダイオード電極層152とが順次積層して、絶縁性基板121の非受光面側に、背面電極層126と半導体層151とダイオード電極層152とで構成されたダイオード部150が形成されている。
ダイオード部150のダイオード電極層152は、絶縁性基板121に形成された、第2貫通孔121bの内壁にて、導体層133により、隣接する他の太陽電池セル125の裏面電極層122と接続し、太陽電池モジュールの発電時に、発電による起電力が半導体層151に逆方向の電圧として印加される様に接続されている。すなわち、ダイオード部150が、太陽電池セル125と電気的に逆並列接続している。
また、ダイオード部150は、背面電極層126とほぼ同じ間隔で分断されている。
図9を併せて用いて、図8に示す構造の太陽電池モジュールの電流の流れについて説明する。なお、図9は、図8に示す構造の太陽電池モジュールを簡略化して表し、その電流の流れを模式的に示した図であって、図8と同一部分は、同一符号を付している。すなわち、符号122は裏面電極層であり、符号123は光電変換層であり、符号124は透明電極層であり、符号126は背面電極層であり、符号131、132、133は導体層であり、符号151は半導体層であり、符号152はダイオード電極層である。
太陽電池セル125での発電により発生した電流は、図9の実線矢印Aに示すように、光電変換層123から透明電極層124へと流れ、導体層131を通って、隣接する太陽電池セル125の裏面電極層122へと流れる。このようにして、それぞれの太陽電池セル125が直列接続している。
なお、ダイオード部150の半導体層151は、太陽電池モジュールの発電時に、発電による起電力が半導体層151に逆方向の電圧が印加される様に配置されているため、ダイオード部150が形成された太陽電池セル125が発電している間は、ダイオード部150には電流が流れない。
一方、特定の太陽電池セルが、例えば日影に入って発電しなくなった時は、該太陽電池セルと電気的に逆並列接続するダイオード部150の半導体層151に順方向の電圧が印加される。このため、図9の破線矢印Bに示すように、隣接する太陽電池セル25の裏面電極層122から電流が、導体層132を通って背面電極層126へと移動する。そして、半導体層151、ダイオード電極層152、導体層133を通って、発電しなくなった太陽電池セル125をバイパスして、次の太陽電池セル125の裏面電極層122へと移動する。
このように、太陽電池モジュールの一部が日影に入るなどして、一部の太陽電池セルの発電が停止しても、発電していない太陽電池セルをバイパスして、次の太陽電池セルに電流が流れるので、太陽電池セルの破損に至ることなく、安定した太陽電池特性を得ることができる。
20:太陽電池セル集合体
21:絶縁性基板
22:裏面電極層
23:光電変換層
24:透明電極層
25:太陽電池セル
25a:接続部
26:背面電極層
27:第1貫通孔
28:導体層
29:第2貫通孔
30:導体層
50:ダイオード部
51:半導体層
52:ダイオード電極層
53:導体層
55:遮光層
120:太陽電池セル集合体
121:絶縁性基板
121a:第1貫通孔
121b:第2貫通孔
122:裏面電極層
123:光電変換層
124:透明電極層
125:太陽電池セル
126:背面電極層
131,132,133:導体層
150:ダイオード部
151:半導体層
152:ダイオード電極層
21:絶縁性基板
22:裏面電極層
23:光電変換層
24:透明電極層
25:太陽電池セル
25a:接続部
26:背面電極層
27:第1貫通孔
28:導体層
29:第2貫通孔
30:導体層
50:ダイオード部
51:半導体層
52:ダイオード電極層
53:導体層
55:遮光層
120:太陽電池セル集合体
121:絶縁性基板
121a:第1貫通孔
121b:第2貫通孔
122:裏面電極層
123:光電変換層
124:透明電極層
125:太陽電池セル
126:背面電極層
131,132,133:導体層
150:ダイオード部
151:半導体層
152:ダイオード電極層
Claims (18)
- 絶縁性基板の一面上に、第1電極層、光電変換層及び透明性を有する第2電極層が積層して構成された複数の太陽電池セルを有し、該複数の太陽電池セルが同一基板上で直列接続されてなる太陽電池セル集合体を備えた太陽電池モジュールであって、
前記絶縁性基板の他面上に第3電極層と、整流特性を有する半導体層と、第4電極層とが積層されて複数のダイオード部が形成されており、
前記太陽電池セルの第1電極層、もしくは前記第1電極層と同電位を有する電極層と、隣接する前記太陽電池セルの第1電極層、もしくは前記第1電極層と同電位を有する電極層が、前記ダイオード部を介して、前記太陽電池モジュールの発電による起電力が前記ダイオード部の前記半導体層に逆方向の電圧として印加されるように、接続されていることを特徴とする太陽電池モジュール。 - 前記各ダイオード部の第3電極層は、前記絶縁性基板、前記第1電極層、前記光電変換層を貫通する第1貫通孔を通り前記第1電極層と絶縁された導体により前記第2電極層と接続されると共に、前記絶縁性基板を貫通する第2貫通孔を通り前記第2電極層と絶縁された導体により、隣接する太陽電池セルの前記第1電極層と接続されて、複数の前記太陽電池セルが直列接続されており、
前記第4電極層は、前記第1貫通孔では、前記第1電極層、前記第2電極層、及び前記第3電極層と絶縁されており、前記第2貫通孔では、前記第1電極層及び前記第3電極層と絶縁された導体により、隣接する太陽電池セルの前記第2電極層と接続されている請求項1に記載の太陽電池モジュール。 - 前記太陽電池セルの前記第2貫通孔周辺であって、前記第2電極層が形成されていない領域に、前記透明性を有する導電材料で構成された導体層が形成されており、該導体層により、前記第4電極層と、隣接する太陽電池セルの前記第2電極層とが接続されている、請求項2に記載の太陽電池モジュール。
- 前記第2貫通孔周辺の前記第2電極層が形成されていない領域に、前記第2電極層側から非透過の材料が配設されている請求項2又は3に記載の太陽電池モジュール。
- 前記各ダイオード部の第3電極層は、前記絶縁性基板を貫通する第1貫通孔を通って、対応する位置にある太陽電池セルの第1電極層と接続され、前記各ダイオード部の第4電極層は、前記絶縁性基板を貫通する第2貫通孔を通って、隣接する太陽電池セルの第1電極層と接続されている請求項1に記載の太陽電池モジュール。
- 前記各ダイオードの前記半導体層は、対応するダイオードの前記第3電極層の一部または全面に形成されている請求項1〜5のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール。
- 前記各ダイオードは、個々の太陽電池セルの間隔毎に複数に分かれるか、あるいは複数個ずつの太陽電池セルの間隔毎に複数に分かれて形成されている請求項1〜6のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール。
- 前記光電変換層と前記半導体層とが同じ材料で構成されている請求項1〜7のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール。
- 前記光電変換層が、シリコン系材料及び化合物系材料から選ばれる半導体材料で構成されている請求項1〜8のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール。
- 絶縁性基板に第2貫通孔を形成する工程1と、
前記工程1を行った後、前記第2貫通孔を形成した絶縁性基板の受光面側に第1電極層を形成し、非受光面側に第3電極層を形成すると共に、前記第2貫通孔の内壁で、前記第1電極層と前記3電極層とを接続させる工程2と、
前記工程2を行った後、前記絶縁性基板、前記第1電極層及び前記第3電極層を貫通する第1貫通孔を形成する工程3と、
前記工程3を行った後、前記絶縁性基板の受光面側の前記第1電極層上に、前記第2貫通孔において前記第2電極層と第3電極層とを絶縁させつつ、光電変換層及び透明性を有する第2電極層を形成すると共に、前記第1貫通孔の内壁で、前記第3電極層を、前記第1電極層と絶縁させつつ、前記第2電極層と接続させる工程4と、
前記工程4を行った後、前記絶縁性基板の非受光面側の前記第3電極層上に、半導体層及び第4電極層を形成する工程5と、
前記工程5を行った後、前記第4電極層を、前記第2貫通孔の内壁で、前記第1電極層及び前記第3電極層と絶縁させつつ、前記第2電極層と接続させる工程6と、
少なくとも前記工程4を行った後、前記絶縁性基板の受光面側の積層体を複数に分断する工程7と、
少なくとも前記工程4を行った後、前記絶縁性基板の非受光面側のうち、少なくとも前記第3電極層を複数に分断する工程8と、
少なくとも前記工程5を行った後、前記工程8の分断位置と整合する位置において、前記半導体層と前記第4電極層を複数に分断する工程9とを備えることを特徴とする太陽電池モジュールの製造方法。 - 前記工程8を、前記工程4と前記工程5との間に行って、前記第3電極層を複数に分断し、
前記工程9を、少なくとも前記工程5を行った後に行い、前記半導体層と前記第4電極層との積層体を、分断された前記第3電極層の間隔毎に複数に分かれるか、あるいは、複数個ずつの第3電極層の間隔毎に複数に分かれるように複数に分断する請求項10に記載の太陽電池モジュールの製造方法。 - 前記工程5を行った後、前記工程8と前記工程9とを同時に行い、前記工程8の分断箇所と、前記工程9の分断箇所を同じにして、前記第3電極層と前記半導体層と前記第4電極層との積層体を複数に分断する請求項10に記載の太陽電池モジュールの製造方法。
- 前記工程4を行った後、少なくとも前記工程7と前記工程8とを実施し、その後、前記工程6を行う前に、分断した太陽電池セル毎に逆バイアスを印加する工程を実施する請求項10に記載の太陽電池モジュールの製造方法。
- 前記工程5の際に、前記第1貫通孔の近傍の前記第3電極層上にマスクを配設し、前記半導体層と前記第4電極層の形成を、前記第3電極層と前記第4電極層の絶縁を確保しつつ行う請求項10〜13のいずれか1項に記載の太陽電池モジュールの製造方法。
- 前記半導体層形成時に使用するマスク面積よりも、前記第4電極層形成時に使用するマスク面積の方が大きい請求項14に記載の太陽電池モジュールの製造方法。
- 前記工程6において、透明性を有する導電材料を用いて前記第2電極層と前記第4電極層とを接続する請求項10〜15のいずれか1項に記載の太陽電池モジュールの製造方法。
- 前記工程6において、前記第2貫通孔周辺の受光面側であって、前記第2電極層が形成されていない領域に、前記透明性を有する導電材料で構成された導体層を形成し、該導体層により、前記第4電極層と、隣接する太陽電池セルの前記第2電極層とを接続する、請求項16に記載の太陽電池モジュールの製造方法。
- 少なくとも前記工程6を行った後、前記第2貫通孔周辺の前記第2電極層が形成されていない領域に、前記第2電極層側から非透過の材料を配設する請求項10〜17のいずれか1項に記載の太陽電池モジュールの製造方法。
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CN114678435A (zh) * | 2022-04-24 | 2022-06-28 | 黄连革 | 一种太阳光能布料 |
JP7584072B1 (ja) | 2023-11-17 | 2024-11-15 | 株式会社Pxp | 太陽電池モジュール |
-
2013
- 2013-02-14 JP JP2013026923A patent/JP2014157877A/ja active Pending
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