JP2014156616A - 水性金属表面処理剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】 塗装性および貯蔵安定性に優れ、かつ耐食性、密着性、導電性に優れた、クロメートフリー表面処理皮膜を形成可能な水性金属表面処理剤を得る。
【解決手段】 テトラアルコキシシラン及びテトラアルコキシシランの低縮合物のうちの少なくとも1種(a)30〜70質量部と、エポキシ基又はアミノ基を含有するシランカップリング剤(b)70〜30質量部と、(c)モノ−、ジ−もしくはトリ−アルコキシシランのうちの少なくとも1種及び/又はモノ−、ジ−もしくはトリ−アルコキシシランのうちの少なくとも1種の低縮合体0〜40質量部との混合物(I)又は該混合物(I)を加水分解縮合反応してなる加水分解縮合物(II)であるバインダ成分(A)、リン酸化合物(d)、バナジウム化合物(e)及びチタニウム化合物(f)を所定量含有する水性金属表面処理剤。
【選択図】 なし
【解決手段】 テトラアルコキシシラン及びテトラアルコキシシランの低縮合物のうちの少なくとも1種(a)30〜70質量部と、エポキシ基又はアミノ基を含有するシランカップリング剤(b)70〜30質量部と、(c)モノ−、ジ−もしくはトリ−アルコキシシランのうちの少なくとも1種及び/又はモノ−、ジ−もしくはトリ−アルコキシシランのうちの少なくとも1種の低縮合体0〜40質量部との混合物(I)又は該混合物(I)を加水分解縮合反応してなる加水分解縮合物(II)であるバインダ成分(A)、リン酸化合物(d)、バナジウム化合物(e)及びチタニウム化合物(f)を所定量含有する水性金属表面処理剤。
【選択図】 なし
Description
本発明は、塗装性および貯蔵安定性に優れ、かつ耐食性、密着性、導電性に優れた、皮膜中に6価クロムなどの公害規制物質を含まないクロメートフリー表面処理皮膜を形成可能な水性金属表面処理剤、この表面処理剤を用いた金属材の表面処理方法、及びこの表面処理剤による皮膜が形成されてなる表面処理金属材に関する。
一般的に金属材料表面への密着性に優れ、金属材料表面に耐食性などを付与する技術として、金属材料表面に、クロム酸、重クロム酸又はそれらの塩を主成分として含有する処理液によりクロメート処理を施す方法、リン酸塩処理を施す方法、主として無機成分により処理を施す方法、シランカップリング剤による処理を施す方法、有機樹脂皮膜処理を施す方法、などが知られており、実用に供されている。
無機成分による処理を施す技術としては、バナジウム化合物と、ジルコニウム、チタニウム、モリブデン、タングステン、マンガン及びセリウムから選ばれる少なくとも1種の金属を含む金属化合物とを含有する金属表面処理剤が特許文献1に挙げられている。
シランカップリング剤を用いる技術としては、有機官能シランおよびポリシロキサンを含有する表面処理剤が教示されている。有機官能シランとポリシロキサンから、基材に対する密着性が改善されたシロキサンフィルムを形成する方法が特許文献2に開示されている。
有機樹脂皮膜処理を施す技術としては、特定の樹脂化合物(A)と、第1〜3級アミノ基及び第4級アンモニウム塩基から選ばれる少なくとも1種のカチオン性官能基を有するカチオン性ウレタン樹脂(B)と、特定の反応性官能基を有する1種以上のシランカップリング剤(C)と、特定の酸化合物(E)とを含有し、且つカチオン性ウレタン樹脂(B)及びシランカップリング剤(C)の含有量が所定の範囲内である表面処理剤を用いた、耐食性に優れ、耐指紋性、耐黒変性および塗装密着性に優れたノンクロム系表面処理鋼板が特許文献3に開示されている。
また、特許文献4には、水溶性ジルコニウム化合物と、エポキシ基を有する化合物と、キレート剤と、バナジン酸化合物と、Tiなどの金属を含有する金属化合を含有し、水溶性ジルコニウム化合物のZr換算重量/テトラアルコキシシランの質量比が1.0〜6.0である表面処理剤による表面処理皮膜を有する亜鉛めっき鋼板が、耐食性、電磁波シールド性に優れることが開示されている。
しかしながら、これら従来の技術は、塗装性および貯蔵安定性に優れること、かつ耐食性、密着性、導電性に優れた皮膜を形成すること、クロメートフリーであることの全てを満足できる水性金属表面処理剤ではなく、実用化に至って依然として問題を抱えている。
本発明は、従来技術の有する前記課題を解決して、塗装性および貯蔵安定性に優れ、かつ耐食性、密着性、導電性に優れた、皮膜中に6価クロムなどの公害規制物質を含まないクロメートフリー表面処理皮膜を形成可能な水性金属表面処理剤を提供することを目的とするものである。また、この表面処理剤を用いた亜鉛系めっき鋼板等の金属材の表面処理方法、及びこの表面処理剤による皮膜が形成されてなる表面処理金属材を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、これらの問題を解決すべく鋭意検討を行った結果、テトラアルコキシシラン(低縮合物)及びエポキシ基含有シランカップリング剤を用いたバインダ成分、ならびにリン酸化合物、バナジン酸化合物及び水溶性ジルコニウム化合物を特定量含有する水性表面処理剤によって上記課題を解決できることを見出し本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、テトラアルコキシシラン及びテトラアルコキシシランの低縮合物のうちの少なくとも1種(a)30〜70質量部と、エポキシ基含有シランカップリング剤及びアミノ基含有シランカップリング剤から選ばれる少なくとも1種のシランカップリング剤(b)70〜30質量部と、(c)モノ−、ジ−もしくはトリ−アルコキシシランのうちの少なくとも1種及び/又はモノ−、ジ−もしくはトリ−アルコキシシランのうちの少なくとも1種の低縮合体0〜40質量部との混合物(I)又は該混合物(I)を加水分解縮合反応してなる加水分解縮合物(II)であるバインダ成分(A)、リン酸化合物(d)、バナジウム化合物(e)及びチタニウム化合物(f)を含有する水性金属表面処理剤であって、
該バインダ成分(A)を構成する、(a)、(b)及び(c)成分の合計である(A)構成成分の合計質量(AT)100質量部に基いて、
リン酸化合物(d)を2〜60質量部、
バナジウム化合物(e)を1〜50質量部及び
チタニウム化合物(f)を0.1〜100質量部
を含有することを特徴とする水性金属表面処理剤を提供するものである。
該バインダ成分(A)を構成する、(a)、(b)及び(c)成分の合計である(A)構成成分の合計質量(AT)100質量部に基いて、
リン酸化合物(d)を2〜60質量部、
バナジウム化合物(e)を1〜50質量部及び
チタニウム化合物(f)を0.1〜100質量部
を含有することを特徴とする水性金属表面処理剤を提供するものである。
さらに、本発明は、金属材の表面上に、請求項1〜3のいずれか一項に記載の表面処理剤を乾燥膜質量0.05〜1.5g/m2となるように塗装し、乾燥させてなることを特徴とする金属材の表面処理方法を提供するものである。
また、本発明は、金属材の表面上に、請求項1〜3のいずれか一項に記載の表面処理剤による皮膜が乾燥皮膜質量0.05〜1.5g/m2にて形成されてなる表面処理金属材を提供するものである。
本発明の水性金属表面処理剤は、6価クロムなどの公害規制物質を含まないクロメートフリー表面処理剤であって、塗装性、貯蔵安定性に優れ、本発明の金属表面処理剤から形成された皮膜は、耐食性、密着性、導電性の全てを満足する。この表面処理皮膜が形成されてなる亜鉛系めっき鋼板などの金属材は、導電性に優れ、表面処理皮膜が薄い場合にも耐食性に優れるものであるため、処理皮膜を薄くできるので導電性に優れるものとすることができる。
水性金属表面処理剤
本発明の水性金属表面処理剤は、バインダ成分(A)、リン酸化合物(d)、バナジウム化合物(e)及びチタニウム化合物(f)を含有する水性金属表面処理剤であり、これら(A)、(d)、(e)及び(f)成分が、水性媒体中に安定に溶解ないしは分散されてなるものである。本発明において、「水性媒体」とは、水と有機溶剤とを含有し水の含有率が80質量%以上である、20℃において均一な液体、又は水を意味するものとする。「水性媒体」を構成できる有機溶剤種は、水溶性または水分散性を有する溶剤であれば特に限定されるものではなく、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、t−ブチルアルコールおよびプロピレングリコールなどのアルコール類;エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルなどのグリコールエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類;アセトンなどのケトン類などの水溶性有機溶剤を好適に用いることができる。
本発明の水性金属表面処理剤は、バインダ成分(A)、リン酸化合物(d)、バナジウム化合物(e)及びチタニウム化合物(f)を含有する水性金属表面処理剤であり、これら(A)、(d)、(e)及び(f)成分が、水性媒体中に安定に溶解ないしは分散されてなるものである。本発明において、「水性媒体」とは、水と有機溶剤とを含有し水の含有率が80質量%以上である、20℃において均一な液体、又は水を意味するものとする。「水性媒体」を構成できる有機溶剤種は、水溶性または水分散性を有する溶剤であれば特に限定されるものではなく、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、t−ブチルアルコールおよびプロピレングリコールなどのアルコール類;エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルなどのグリコールエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類;アセトンなどのケトン類などの水溶性有機溶剤を好適に用いることができる。
バインダ成分(A)
本発明の水性金属表面処理剤におけるバインダ成分(A)は、テトラアルコキシシラン及びテトラアルコキシシランの低縮合物のうちの少なくとも1種(a)と、エポキシ基含有シランカップリング剤及びアミノ基含有シランカップリング剤から選ばれる少なくとも1種のシランカップリング剤(b)と、必要に応じ使用してもよい(c)モノ−、ジ−もしくはトリ−アルコキシシランのうちの少なくとも1種及び/又はモノ−、ジ−もしくはトリ−アルコキシシランのうちの少なくとも1種の低縮合体との混合物(I)又は該混合物(I)を加水分解縮合反応してなる加水分解縮合物(II)である。
本発明の水性金属表面処理剤におけるバインダ成分(A)は、テトラアルコキシシラン及びテトラアルコキシシランの低縮合物のうちの少なくとも1種(a)と、エポキシ基含有シランカップリング剤及びアミノ基含有シランカップリング剤から選ばれる少なくとも1種のシランカップリング剤(b)と、必要に応じ使用してもよい(c)モノ−、ジ−もしくはトリ−アルコキシシランのうちの少なくとも1種及び/又はモノ−、ジ−もしくはトリ−アルコキシシランのうちの少なくとも1種の低縮合体との混合物(I)又は該混合物(I)を加水分解縮合反応してなる加水分解縮合物(II)である。
(a)成分
上記(a)成分におけるテトラアルコキシシランは、1分子中に珪素原子1個と該珪素原子に直接結合するアルコキシ基を4個有するものであれば特に限定されるものではなく、その代表例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン及びジメトキシジエトキシシランなどが挙げられ、これらの1種以上を用いることができる。アルコキシ基としては特に限定されず、例えば、炭素数が1〜4のアルコキシ基が挙げられ、好ましくは炭素数1〜3、さらに好ましくは炭素数1〜2である。なかでも、金属材、特に、亜鉛系めっき鋼板の耐食性がより優れるという観点からテトラエトキシシラン、およびテトラメトキシシランが好ましい。(a)成分として使用できるテトラアルコキシシランの低縮合物は、上記テトラアルコキシシランの低縮合物であり、2種類以上のテトラアルコキシシランの低縮合物であってもよい。テトラアルコキシシランの低縮合物は、重合度が10以下、特に2〜6程度であることが好適である。
上記(a)成分におけるテトラアルコキシシランは、1分子中に珪素原子1個と該珪素原子に直接結合するアルコキシ基を4個有するものであれば特に限定されるものではなく、その代表例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン及びジメトキシジエトキシシランなどが挙げられ、これらの1種以上を用いることができる。アルコキシ基としては特に限定されず、例えば、炭素数が1〜4のアルコキシ基が挙げられ、好ましくは炭素数1〜3、さらに好ましくは炭素数1〜2である。なかでも、金属材、特に、亜鉛系めっき鋼板の耐食性がより優れるという観点からテトラエトキシシラン、およびテトラメトキシシランが好ましい。(a)成分として使用できるテトラアルコキシシランの低縮合物は、上記テトラアルコキシシランの低縮合物であり、2種類以上のテトラアルコキシシランの低縮合物であってもよい。テトラアルコキシシランの低縮合物は、重合度が10以下、特に2〜6程度であることが好適である。
(b)成分:シランカップリング剤
上記バインダ成分(A)に用いられるシランカップリング剤(b)は、エポキシ基含有シランカップリング剤及びアミノ基含有シランカップリング剤から選ばれる少なくとも1種のシランカップリング剤である。
上記バインダ成分(A)に用いられるシランカップリング剤(b)は、エポキシ基含有シランカップリング剤及びアミノ基含有シランカップリング剤から選ばれる少なくとも1種のシランカップリング剤である。
上記エポキシ基含有シランカップリング剤は、エポキシ基を含有するシランカップリング剤であれば特に限定されるものではなく、その代表例としては、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン等が挙げられる。
上記アミノ基含有シランカップリング剤は、アミノ基を含有するシランカップリング剤であれば特に限定されるものではなく、その代表例としては、例えば、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
(c)成分
上記バインダ成分(A)において、(c)成分は必要に応じて用いられる成分であり、モノ−、ジ−もしくはトリ−アルコキシシランのうちの少なくとも1種及び/又はこれらのアルコキシシランのうちの少なくとも1種の低縮合体が挙げられる。
上記バインダ成分(A)において、(c)成分は必要に応じて用いられる成分であり、モノ−、ジ−もしくはトリ−アルコキシシランのうちの少なくとも1種及び/又はこれらのアルコキシシランのうちの少なくとも1種の低縮合体が挙げられる。
上記モノアルコキシシランとしては、メトキシトリメチルシラン、メトキシトリエチルシラン、メトキシメチルジエチルシラン、エトキシトリメチルシラン、エトキシトリエチルシラン、エトキシトリフェニルシラン、プロポキシトリメチルシラン、プロポキシトリプロピルシラン、ブトキシトリブチルシラン等が挙げられる。
上記ジアルコキシシランとしては、ジメトキシジメチルシラン、ジメトキシジエチルシラン、ジメトキシジフェニルシラン、ジエトキシジメチルシラン、ジエトキシジエチルシラン、ジエトキシジフェニルシラン、ジプロポキシジメチルシラン、ジプロポキシジエチルシラン、ジプロポキシジプロピルシラン、ジプロポキシジフェニルシラン、ジブトキシジメチルシラン、ジブトキシジエチルシラン、ジブトキシジブチルシラン、ジブトキシジフェニルシラン等が挙げられる。
上記トリアルコキシシランとしては、トリメトキシメチルシラン、トリメトキシエチルシラン、トリメトキシプロピルシラン、トリメトキシブチルシラン、トリメトキシフェニルシラン、トリエトキシメチルシラン、トリエトキシエチルシラン、トリエトキシブチルシラン、トリエトキシフェニルシラン、トリプロポキシメチルシラン、トリプロポキシプロピルシラン、トリプロポキシフェニルシラン、トリブトキシフェニルシラン等が挙げられる。
(c)成分として用いることができる、モノ−、ジ−もしくはトリ−アルコキシシランのうちの少なくとも1種の低縮合体は、モノ−、ジ−もしくはトリ−アルコキシシランの単独のアルコキシシランの低縮合体であっても2種以上のアルコキシシランの低縮合体であってもよい。上記低縮合体は、重合度が10以下、特に2〜6程度であることが好適である。
上記バインダ成分(A)を構成する各成分の配合比率は、(a)、(b)及び(c)成分の合計質量(AT)を100質量部とすると下記の範囲であることが、得られる皮膜の耐食性、密着性などの点から好適である。
(a)成分:30〜70質量部、好ましくは40〜60質量部、
(b)成分:70〜30質量部、好ましくは60〜40質量部、
(c)成分:0〜40質量部、好ましくは0〜20質量部。
(a)成分:30〜70質量部、好ましくは40〜60質量部、
(b)成分:70〜30質量部、好ましくは60〜40質量部、
(c)成分:0〜40質量部、好ましくは0〜20質量部。
本発明の水性金属表面処理剤におけるバインダ成分(A)は、下記混合物(I)であっても下記加水分解物(II)であってもよい。
・混合物(I):上記(a)成分と(b)成分との混合物、又は、上記(a)成分と(b)成分と(c)成分との混合物、
・加水分解縮合物(II):上記混合物(I)を加水分解縮合反応してなる加水分解縮合物(II)であり、重量平均分子量が200〜20000、好ましくは300〜10000の加水分解縮合物であることが好適である。重量分子量の測定はGPC(ゲルパーミュエーションクロマトグラフ)測定により行うことができ、また、29Si NMR(核磁気共鳴スペクトル)測定により縮合によるシロキサン結合を確認することができる。
・混合物(I):上記(a)成分と(b)成分との混合物、又は、上記(a)成分と(b)成分と(c)成分との混合物、
・加水分解縮合物(II):上記混合物(I)を加水分解縮合反応してなる加水分解縮合物(II)であり、重量平均分子量が200〜20000、好ましくは300〜10000の加水分解縮合物であることが好適である。重量分子量の測定はGPC(ゲルパーミュエーションクロマトグラフ)測定により行うことができ、また、29Si NMR(核磁気共鳴スペクトル)測定により縮合によるシロキサン結合を確認することができる。
上記混合物の加水分解縮合反応は、水及び酸触媒の存在下で、行うことができる。上記酸触媒としては、アルコキシシランの加水分解反応の触媒として用いられる酸であれば、その種類は特に制限はなく、例えば塩酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸;蟻酸、酢酸、乳酸、酒石酸などの有機酸が挙げられ、なかでも無機酸、特に、塩酸を好適に使用できる。また、上記加水分解縮合反応の際には、適宜、有機溶媒を使用してもよく、上記混合物(I)を溶解する水溶性有機溶剤(例えばアルコール系溶剤、グリコールエーテル系溶剤など)を使用することができる。水溶性溶剤としては、なかでも、例えばメタノ−ル、エタノ−ル、プロパノ−ルなどアルコール系溶剤が好適である。この加水分解反応の反応条件は、通常、pH7以下、好ましくはpH1.5〜6.0にて、20℃〜100℃程度で30分〜20時間程度撹拌することに行うことができ、加水分解反応とともに、縮合反応も進行する。この反応により得られる加水分解縮合物(II)の組成は、使用する水の量、触媒の種類・量、反応温度および反応時間などによって適宜調整することができる。
リン酸化合物(d)
本発明の金属表面処理組成物の(d)成分であるリン酸化合物は、表面処理剤の貯蔵安定性の向上に効果があり、バインダ成分(A)中のアルコキシシリル基が反応し高分子量化することを抑制するものと推測される。
本発明の金属表面処理組成物の(d)成分であるリン酸化合物は、表面処理剤の貯蔵安定性の向上に効果があり、バインダ成分(A)中のアルコキシシリル基が反応し高分子量化することを抑制するものと推測される。
リン酸化合物の種類は特に限定されず、有機リン酸化合物、無機リン酸化合物のいずれであってもよい。有機リン酸化合物としては、代表例として、例えば、1−ヒドロキシメタン−1、1−ジホスホン酸、1−ヒドロキシエタン−1、1−ジホスホン酸、1−ヒドロキシプロパン−1、1−ジホスホン酸などのヒドロキシル基含有有機亜リン酸;2−ヒドロキシホスホノ酢酸、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸などのカルボキシル基含有有機亜リン酸、及びこれらの塩などが好適なものとして挙げられる。無機リン酸化合物としては、代表例として、例えば、オルトリン酸、メタリン酸、亜リン酸、メタ亜リン酸、次リン酸、次亜リン酸、ピロリン酸、トリポリリン酸、テトラリン酸、ヘキサリン酸、トリメタリン酸、ピロ亜リン酸、及びリン酸誘導体;これらのリン酸化合物のアルカリ金属塩又はアンモニウム塩などが挙げられる。
上記リン酸化合物のうち、中でも1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸が、バインダ成分(A)中のアルコキシシリル基の反応を抑制し、金属表面処理組成物の貯蔵安定性を向上させる効果が大きいことから、特に好ましい。
バナジウム化合物(e)
本発明の金属表面処理組成物の(e)成分であるバナジウム化合物は、金属表面処理組成物の皮膜が形成される亜鉛系めっき鋼板などの金属材の腐食に対するインヒビター効果を発揮する。バナジウム化合物(e)としては、例えば、メタバナジン酸リチウム、メタバナジン酸カリウム、メタバナジン酸ナトリウム、メタバナジン酸アンモニウム、無水バナジン酸、五酸化バナジウム、三酸化バナジウム、二酸化バナジウム、オキシ硫酸バナジウム、硫酸バナジウム、オキシ三塩化バナジウム、三塩化バナジウム、バナジウムオキシアセチルアセトネート、バナジウムアセチルアセトネート、リンバナドモリブデン酸などを挙げることができ、これらは1種で又は2種以上を組合せて用いることができる。バナジウム化合物(e)としては、中でも特にメタバナジン酸アンモニウムが、皮膜の耐水付着性、皮膜をアルカリ脱脂した後における金属材の耐食性などの点から好ましい。
本発明の金属表面処理組成物の(e)成分であるバナジウム化合物は、金属表面処理組成物の皮膜が形成される亜鉛系めっき鋼板などの金属材の腐食に対するインヒビター効果を発揮する。バナジウム化合物(e)としては、例えば、メタバナジン酸リチウム、メタバナジン酸カリウム、メタバナジン酸ナトリウム、メタバナジン酸アンモニウム、無水バナジン酸、五酸化バナジウム、三酸化バナジウム、二酸化バナジウム、オキシ硫酸バナジウム、硫酸バナジウム、オキシ三塩化バナジウム、三塩化バナジウム、バナジウムオキシアセチルアセトネート、バナジウムアセチルアセトネート、リンバナドモリブデン酸などを挙げることができ、これらは1種で又は2種以上を組合せて用いることができる。バナジウム化合物(e)としては、中でも特にメタバナジン酸アンモニウムが、皮膜の耐水付着性、皮膜をアルカリ脱脂した後における金属材の耐食性などの点から好ましい。
チタニウム化合物(f)
本発明の金属表面処理組成物の(f)成分であるチタニウム化合物は、金属表面処理組成物の皮膜が形成された亜鉛系めっき系鋼板などの金属材の導電性を実用上、低下させることなく、金属材の耐食性、形成される皮膜の密着性、および皮膜をアルカリ脱脂した後における該金属材の耐食性などの諸性能の向上に寄与する。
本発明の金属表面処理組成物の(f)成分であるチタニウム化合物は、金属表面処理組成物の皮膜が形成された亜鉛系めっき系鋼板などの金属材の導電性を実用上、低下させることなく、金属材の耐食性、形成される皮膜の密着性、および皮膜をアルカリ脱脂した後における該金属材の耐食性などの諸性能の向上に寄与する。
上記チタニウム化合物(f)の種類は特に限定されるものではなく、水溶性であることが好ましく、例えば、硫酸チタニル、硝酸チタニル、硝酸チタン、塩化チタニル、塩化チタン、チタニアゾル、酸化チタン、シュウ酸チタン酸カリウム、チタンフッ化水素酸(H2TiF6)、チタンフッ化アンモニウム〔(NH4)2TiF6〕、チタンラクテート、チタンテトライソプロポキシド、チタンアセチルアセトネート、ジイソプロピルチタニウムビスアセチルアセトン、メタチタン酸、メタチタン酸塩、オルソチタン酸、オルソチタン酸塩などが挙げられ、これらの1種以上を用いることができる。なかでも、表面処理された亜鉛めっき系鋼板などの金属材の耐食性、導電性および皮膜をアルカリ脱脂した後における該金属材の耐食性がより優れる点で、チタンフッ化水素酸(H2TiF6)、チタンフッ化アンモニウム〔(NH4)2TiF6〕が好ましい。
本発明の水性金属表面処理剤における前記(d)、(e)及び(f)成分の配合量は、前記(A)構成成分の合計質量(AT)100質量部に基いて下記のとおりである。
リン酸化合物(d):2〜60質量部、好ましくは5〜45質量部、さらに好ましくは10〜35質量部、
バナジウム化合物(e):1〜50質量部、好ましくは2〜30質量部、さらに好ましくは5〜20質量部、
チタニウム化合物(f):0.1〜100質量部、好ましくは2〜40質量部、さらに好ましくは5〜30質量部。
リン酸化合物(d):2〜60質量部、好ましくは5〜45質量部、さらに好ましくは10〜35質量部、
バナジウム化合物(e):1〜50質量部、好ましくは2〜30質量部、さらに好ましくは5〜20質量部、
チタニウム化合物(f):0.1〜100質量部、好ましくは2〜40質量部、さらに好ましくは5〜30質量部。
上記(d)、(e)及び(f)成分の配合量が、上記範囲内にあることが、得られる処理皮膜の耐食性、特にアルカリ脱脂処理後の耐食性、導電性、ならびに表面処理剤の塗装性および貯蔵安定性の面から好適である。
本発明の水性金属表面処理剤は、上記バインダ成分(A)、リン酸化合物(d)、バナジウム化合物(e)、チタニウム化合物(f)及び水性媒体のほかに、レベリング剤、消泡剤、界面活性剤、着色剤、防菌防カビ剤;エチレンジアミン、トリエチレンペンタミン、グアニジン、ピリミジンなどのアミン化合物であるエッチング抑制剤;酢酸、乳酸、アンモニウム塩やアミン類などのpH調整剤;ポリエチレンワックス、酸化ポリエチレンワックス、酸化ポリプロピレンワックス、カルナウバワックス、パラフィンワックス、モンタンワックス、ポリテトラフルオロエチレンワックス、二硫化炭素、二硫化モリブデン、グラファイト等の潤滑剤;酒石酸、リンゴ酸等のヒドロキシカルボン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、クエン酸、アジピン酸等のジカルボン酸等のポリカルボン酸及びグリシン等のアミノカルボン酸、EDTA、DTPA等のキレート剤;Al、Znなどの金属を含む金属化合物;水溶性又は水分散性を有する水性有機樹脂等を含有することができる。
上記キレート剤は、バナジウム化合物(e)やチタニウム化合物(f)を表面処理剤中に安定に溶解させる働きを有するものと考えられる。
上記必要に応じて本発明の水性金属表面処理剤中に配合できる金属化合物において、Alを含む金属化合物としては、例えば、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、リン酸アルミニウム、塩化アルミニウムなどが挙げられる。Znを含む金属化合物としては、例えば、炭酸亜鉛、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、硫酸亜鉛、硝酸亜鉛、塩化亜鉛、リン酸亜鉛、亜鉛酸ナトリウム、亜鉛酸カリウムなどが挙げられる。
上記必要に応じて本発明の水性金属表面処理剤中に配合できる水性有機樹脂は、本発明の水性金属表面処理剤中に安定に溶解又は分散することのできる有機樹脂であり、具体的には、単独で又は塩基性化合物で中和して水溶化や水分散化できる官能基(例えば、水酸基、ポリオキシアルキレン基、カルボキシル基などの酸基等)を含有するノニオン性又はアニオン性の有機樹脂;ノニオン系界面活性剤(乳化剤)で乳化された有機樹脂エマルションなどを挙げることができる。
上記水性有機樹脂の樹脂種としては、例えば、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、オレフィン−カルボン酸系樹脂、ナイロン系樹脂、ポリオキシアルキレン鎖を有する樹脂、ポリビニルアルコール、ポリグリセリン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどが挙げられる。これらの水性有機樹脂は単独で又は2種類以上併用して用いることができる。
これらの中でも特に、アクリル系樹脂エマルション又はウレタン系樹脂エマルションが、表面処理剤の貯蔵安定性と表面処理皮膜性能とのバランスの面から好ましい。水性有機樹脂を配合することによって、基材への濡れ性や耐食性の向上に寄与できる場合がある。水性有機樹脂の配合量は、配合する場合は、表面処理剤の全固形分に対し、20質量%以下、好ましくは0.5〜10質量%の範囲内であることが、得られる表面処理皮膜の導電性、耐食性の観点から好適である。
本発明の水性金属表面処理剤は、pH2〜11、好ましくはpH7〜10、さらに好ましくは8.0〜9.5の範囲であることが好適である。処理液のpHが2未満であると表面処理剤の貯蔵安定性が低下しやすく、また素材である金属材の溶解が著しくなり、亜鉛系めっき鋼板などの金属材表面に形成される表面処理皮膜の耐食性および金属材表面への密着性が低下しやすくなる。一方、pHが11を超える場合には、亜鉛系めっき鋼板などの金属材のエッチングが著しくなり、亜鉛系めっき鋼板などの金属材の耐食性、および導電性が低下する。本発明において、pHの調整に用いられるアルカリとしては、アンモニア、アミン、アミンの誘導体およびアミノポリカルボン酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等を挙げることができ、酸としては、蟻酸、酢酸、乳酸、酒石酸などの有機酸;塩酸、硝酸、硫酸、リン酸などの無機酸;前記リン酸化合物(d)として例示した化合物などを挙げることができる。
本発明の水性金属表面処理剤の固形分濃度は、特に限定されるものではないが、表面処理剤の粘性、塗装して得られる表面処理皮膜の付着量、流展性、塗装性などの観点から、通常、3〜35質量%、好ましくは5〜25質量%の範囲内であることが好適である。表面処理皮膜の付着量は、通常、金属材表面の乾燥皮膜質量が0.05〜1.5g/m2の範囲内であることが好適である。
金属材の表面処理方法
本発明の金属材の表面処理方法は、金属材の表面上に、上記本発明の水性金属表面処理剤を、塗装し、乾燥させて金属材の表面に水性金属表面処理剤による表面処理皮膜を形成する方法である。
本発明の金属材の表面処理方法は、金属材の表面上に、上記本発明の水性金属表面処理剤を、塗装し、乾燥させて金属材の表面に水性金属表面処理剤による表面処理皮膜を形成する方法である。
本発明の表面処理方法を適用可能な金属材としては、特に限定されるものではなく、例えば、鉄、鉄基合金、アルミニウム、アルミニウム基合金、銅、銅基合金、金属材上にめっきしためっき金属材を挙げることができ、中でも亜鉛系めっき鋼板が金属材として最も好適に適用できる。亜鉛系めっき鋼板としては、亜鉛めっき鋼板;亜鉛−ニッケルめっき鋼板、亜鉛−鉄めっき鋼板、亜鉛−クロムめっき鋼板、亜鉛−アルミニウムめっき鋼板、亜鉛−チタンめっき鋼板、亜鉛−マグネシウムめっき鋼板、亜鉛−マンガンめっき鋼板、亜鉛−アルミニウム−マグネシウムめっき鋼板、亜鉛−アルミニウム−マグネシウム−シリコンめっき鋼板等の亜鉛合金めっき鋼板;さらにはこれらのめっき層に少量の異種金属元素又は不純物としてコバルト、モリブデン、タングステン、ニッケル、チタン、クロム、アルミニウム、マンガン、鉄、マグネシウム、鉛、ビスマス、アンチモン、錫、銅、カドミウム、ヒ素等を含有したもの、シリカ、アルミナ、チタニア等の無機物を分散させたものを挙げることができる。更には以上のめっきを2種以上組み合わせた複層めっきも適用可能である。めっき方法は特に限定されるものではなく、公知の電気めっき法、溶融めっき法、蒸着めっき法、分散めっき法、真空めっき法等のいずれの方法でもよい。
金属材の表面上に、本発明の水性金属表面処理剤を、浸漬塗装、スプレー塗装、ロール塗装など種々の塗装方法により塗装し、乾燥させて金属材の表面に水性金属表面処理剤による表面処理皮膜を形成することができる。上記金属材の表面は、表面処理剤を塗布する前に、必要に応じて、金属材表面上の油分や汚れの除去を目的に、湯洗、溶剤洗浄、アルカリ脱脂洗浄などの前処理を施してもよい。
表面処理皮膜の乾燥条件は、通常、素材到達温度が約50〜約250℃となる条件で約2秒〜約30秒間乾燥させることが好適である。
金属材表面上の表面処理皮膜の付着量は、乾燥皮膜質量で0.05〜1.5g/m2、好ましくは0.1〜1.0g/m2、さらに好ましくは0.2〜0.7g/m2の範囲内であることが、表面処理皮膜を形成した金属材表面の皮膜の耐食性、密着性、導電性などの観点から好適である。
表面処理金属材
上記金属材の表面処理方法によって、本発明の表面処理金属材を得ることできる。
上記金属材の表面処理方法によって、本発明の表面処理金属材を得ることできる。
本発明の表面処理金属材の表面に形成されてなる表面処理皮膜は、耐食性、密着性、導電性に優れ、皮膜外観も良好であることができる。
この理由は以下のように推測されるが、本発明はこの推測に縛られるものではない。本発明に用いる水系金属表面処理剤を用いて形成される皮膜は、バインダ成分が、主に有機ケイ素化合物によるものであり、前記有機ケイ素化合物が乾燥などにより濃縮されたときに前記有機ケイ素化合物のアルコキシシリル基が加水分解されたシラノール基などが互いに反応して連続皮膜を成膜すること、シラノール基がチタニウム化合物と架橋反応し、また、前記有機ケイ素化合物の一部がエポキシ基又はアミノ基を有しており、エポキシ基がシラノール基、チタニウム化合物と架橋反応し、アミノ基はチタニウム化合物や基材金属表面やエポキシ基と反応すること、さらに、加水分解して生成したシラノール基が金属表面と結合を形成すること、が考えられ、これらの作用により著しいバリアー効果を発揮するものと推定される。また、緻密な皮膜形成が可能なため皮膜の薄膜化が可能となり、導電性も良好とできる。
また、バナジウム化合物は、皮膜中に均一に分散して存在し、金属腐食に対するインヒビター効果を発現する。すなわち、バナジウム化合物は、腐食環境下で一部がイオン化し、不動態化することにより亜鉛などの金属の腐食を抑制するものと推測される。また、リン酸化合物は、表面処理剤中で、テトラアルコキシシランやその低縮合物が高分子化することを抑制する効果、およびバナジウム化合物などを安定に溶解する効果を有するものと推測される。
すなわち、本発明の表面処理金属材は、テトラアルコキシシラン(低縮合物)、および特定のシランカップリング剤を含有するバインダ、バナジウム化合物およびチタニウム化合物などの腐食インヒビターならびにリン酸化合物を皮膜中に含有させる構成により、形成される皮膜が薄膜でありながら高耐食性を有することができ、優れた導通性を維持することが可能になったとものと考えられる。
本発明の水性金属表面処理剤を用いることによって、耐食性、密着性および導電性の諸性能を有し、特に耐食性を低下することなく、導電性に優れた亜鉛系めっき鋼板などの表面処理金属材を提供することができる。本発明の水性金属表面処理剤の皮膜を形成した亜鉛めっき鋼板等の表面処理金属材は、種々の用途に適用することができ、例えば、建築、電気、自動車等の各種分野で使用される材料などに好適に用いることができる。
以下に、本発明の実施例及び比較例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。実施例及び比較例、ならびに金属材料用表面処理剤の塗布の方法、試験板の調製について下記に説明する。なお、以下、「部」及び「%」は特に断りのない限り、「質量部」及び「質量%」を示すものとする。
製造例1〜20 バインダ(A)の製造
脱イオン水中に、成分(a)、成分(b)及び成分(c)を下記表1における配合組成となるように配合して、酸触媒の存在下で加水分解反応を行い、溶媒を除く有効成分が20%の均一なバインダA1〜A20の水性液を得た。製造例18〜20(A18〜A20)は比較用である。下記表1に1分子中における重量平均分子量を示す。重量平均分子量は、ポリスチレンを基準として下記GPC測定法により求めた。また、下記29Si NMRにより各原材料の減少と加水分解縮合物の生成を確認した。
脱イオン水中に、成分(a)、成分(b)及び成分(c)を下記表1における配合組成となるように配合して、酸触媒の存在下で加水分解反応を行い、溶媒を除く有効成分が20%の均一なバインダA1〜A20の水性液を得た。製造例18〜20(A18〜A20)は比較用である。下記表1に1分子中における重量平均分子量を示す。重量平均分子量は、ポリスチレンを基準として下記GPC測定法により求めた。また、下記29Si NMRにより各原材料の減少と加水分解縮合物の生成を確認した。
GPC測定法:ゲルパーミエーションクロマトグラフ装置として、「HLC−8120GPC」(商品名、東ソー社製)を使用し、カラムとして、「TSKgel G4000HXL」、「TSKgel G3000HXL」、「TSKgel G2500HXL」及び「TSKgel G2000HXL」(商品名、いずれも東ソー社製)の計4本を使用し、検出器として、示差屈折率計を使用し、移動相:テトラヒドロフラン、測定温度:40℃、流速:1mL/minの条件下で測定して保持時間を求めた。この測定した保持時間(保持容量)を、同一条件で測定した分子量既知の標準ポリスチレンの保持時間(保持容量)によりポリスチレンの分子量に換算して重量平均分子量を求めた。
29Si NMR測定方法:FT−NMR EX−400(商品名、JEOL社製)を使用し、溶媒に重水、内部標準物質にテトラメチルシランを用いて測定した。シランカップリング剤について−55〜−35ppm付近のシグナルで、テトラアルコキシシランについて−100〜−80ppm付近のシグナルで、原材料由来のアルコキシ基の減少と加水分解縮合物の生成を確認した。
表1における成分(a)、成分(b)及び成分(c)の種類の表記は下記のとおりの意味を表す。
成分(a)
a1:テトラエトキシシラン
a2:テトラメトキシシラン
a3:テトラエトキシシラン低縮合物(平均縮合度2)
a4:テトラエトキシシラン低縮合物(平均縮合度5)
成分(b)
b1:γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
b2:γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン
b3:γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン
b4:3−アミノプロピルトリエトキシシラン
b5:N−(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン
成分(c)
c1:トリエトキシエチルシラン
c2:トリメトキシプロピルシラン
c3:ジメトキシジエチルシラン
c4:トリメトキシプロピルシラン低縮合物(平均縮合度2)。
a1:テトラエトキシシラン
a2:テトラメトキシシラン
a3:テトラエトキシシラン低縮合物(平均縮合度2)
a4:テトラエトキシシラン低縮合物(平均縮合度5)
成分(b)
b1:γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
b2:γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン
b3:γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン
b4:3−アミノプロピルトリエトキシシラン
b5:N−(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン
成分(c)
c1:トリエトキシエチルシラン
c2:トリメトキシプロピルシラン
c3:ジメトキシジエチルシラン
c4:トリメトキシプロピルシラン低縮合物(平均縮合度2)。
水性金属表面処理剤の製造
実施例1〜44及び比較例1〜12
脱イオン水中に、各成分を下記表2に示す組成にて配合し、pH調整して表面処理剤1kgを得た。表1中の各成分の量は、表面処理剤1kgを得るために配合した、(A)成分ならびに下記(d)、(e)、(f)、(h)、(j)及び(k)成分の各成分の量(g)を示す。製造例1〜20で得たバインダA1〜A20については、有効成分量が20%であり、有効成分量にて表示する。(A)以外の上記成分については、固形分量にて表示する。成分(f)の配合量は、該(f)成分のZr換算質量と、バインダ成分(A)の一部を構成する(a)成分との質量比(f)/(a)についても表示する。なお、処理剤のpH調整には、酢酸、N,N−ジメチルアミノエタノールを使用した。また、各表面処理剤の貯蔵安定性の試験結果も表2中に示す。貯蔵安定性の評価は、下記貯蔵安定性の評価方法に基づき行った。
実施例1〜44及び比較例1〜12
脱イオン水中に、各成分を下記表2に示す組成にて配合し、pH調整して表面処理剤1kgを得た。表1中の各成分の量は、表面処理剤1kgを得るために配合した、(A)成分ならびに下記(d)、(e)、(f)、(h)、(j)及び(k)成分の各成分の量(g)を示す。製造例1〜20で得たバインダA1〜A20については、有効成分量が20%であり、有効成分量にて表示する。(A)以外の上記成分については、固形分量にて表示する。成分(f)の配合量は、該(f)成分のZr換算質量と、バインダ成分(A)の一部を構成する(a)成分との質量比(f)/(a)についても表示する。なお、処理剤のpH調整には、酢酸、N,N−ジメチルアミノエタノールを使用した。また、各表面処理剤の貯蔵安定性の試験結果も表2中に示す。貯蔵安定性の評価は、下記貯蔵安定性の評価方法に基づき行った。
貯蔵安定性:各表面処理剤について、40℃の恒温槽に30日間保管した後、表面処理剤の外観を目視により評価した。
◎ :変化なし。
○ :わずかな沈殿が見られる。
△ :かなりの沈殿が見られる、もしくは、かなりの粘度上昇がみられる。
× :大量の沈殿が見られる、もしくは、ゲル化した。
◎ :変化なし。
○ :わずかな沈殿が見られる。
△ :かなりの沈殿が見られる、もしくは、かなりの粘度上昇がみられる。
× :大量の沈殿が見られる、もしくは、ゲル化した。
上記表2に示す、バインダ用配合組成であるA21〜A40の組成(100質量部配合)は下記表3に示すとおりである。
また、前記表2における成分(d)、成分(e)及び成分(f)の種類ならびに成分(h)、(j)、(k)の表記は下記のとおりの意味を表す。
成分(d)
d1:1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、
d2:1−ヒドロキシメタン−1,1−ジホスホン酸、
d3:オルトリン酸、
成分(e)
e1:メタバナジン酸アンモニウム 〔NH4VO3〕、
e2:メタバナジン酸ナトリウム 〔NaVO3〕、
成分(f)
f1:チタン弗化アンモニウム 〔(NH4)2TiF6〕、
f2:弗化チタン酸 〔H2TiF6〕、
成分(h):硝酸アルミニウム・九水塩 〔Al(NO3)3・9(H2O)〕
成分(j):ポリエチレンワックス(三井化学(株)製、商品名「ケミパールW−700」)、
成分(k):アクリル樹脂エマルション(ヘンケルジャパン(株)製、商品名「ヨドゾールAD123」)。
d1:1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、
d2:1−ヒドロキシメタン−1,1−ジホスホン酸、
d3:オルトリン酸、
成分(e)
e1:メタバナジン酸アンモニウム 〔NH4VO3〕、
e2:メタバナジン酸ナトリウム 〔NaVO3〕、
成分(f)
f1:チタン弗化アンモニウム 〔(NH4)2TiF6〕、
f2:弗化チタン酸 〔H2TiF6〕、
成分(h):硝酸アルミニウム・九水塩 〔Al(NO3)3・9(H2O)〕
成分(j):ポリエチレンワックス(三井化学(株)製、商品名「ケミパールW−700」)、
成分(k):アクリル樹脂エマルション(ヘンケルジャパン(株)製、商品名「ヨドゾールAD123」)。
実施例45
板厚0.8mm、目付量20/20(g/m2)の電気亜鉛めっき鋼板(以下、「EG」と略称することがある)に、アルカリ脱脂剤(日本シービーケミカル社製、商品名「ケミクリーナー561B」)を溶解した濃度2%の水溶液を使用して、温度60℃の条件で2分間スプレー処理により脱脂し、水洗したのちに乾燥し、この鋼板の表面に、上記実施例1で得た表面処理剤をロールコータにて塗装し、素材到達温度が100℃になるように20秒間焼付けて表面処理皮膜の付着量が0.4g/m2の表面処理板を得た。
板厚0.8mm、目付量20/20(g/m2)の電気亜鉛めっき鋼板(以下、「EG」と略称することがある)に、アルカリ脱脂剤(日本シービーケミカル社製、商品名「ケミクリーナー561B」)を溶解した濃度2%の水溶液を使用して、温度60℃の条件で2分間スプレー処理により脱脂し、水洗したのちに乾燥し、この鋼板の表面に、上記実施例1で得た表面処理剤をロールコータにて塗装し、素材到達温度が100℃になるように20秒間焼付けて表面処理皮膜の付着量が0.4g/m2の表面処理板を得た。
実施例46〜98及び比較例13〜24
上記実施例45において、下記表4に示す仕様にて、脱脂された各鋼板上に各金属表面処理剤を塗装、焼付けする以外は実施例45と同様の操作を行い、各表面処理版を得た。
上記実施例45において、下記表4に示す仕様にて、脱脂された各鋼板上に各金属表面処理剤を塗装、焼付けする以外は実施例45と同様の操作を行い、各表面処理版を得た。
表4において略号に示した金属基材の種類は下記のとおりである。めっき目付量は、表面と裏面の各目付量を表示したものである。
EG:板厚0.8mm、めっき目付量20/20(g/m2)の電気亜鉛めっき鋼板
GI:板厚0.8mm、めっき目付量60/60(g/m2)の溶融亜鉛めっき鋼板
GA:板厚0.8mm、めっき目付量40/40(g/m2)の鉄−亜鉛合金化溶融亜鉛めっき鋼板
GL:板厚0.8mm、めっき目付量60/60(g/m2)のアルミニウム−亜鉛合金メッキ鋼板、合金中アルミニウムを約55%含有。
EG:板厚0.8mm、めっき目付量20/20(g/m2)の電気亜鉛めっき鋼板
GI:板厚0.8mm、めっき目付量60/60(g/m2)の溶融亜鉛めっき鋼板
GA:板厚0.8mm、めっき目付量40/40(g/m2)の鉄−亜鉛合金化溶融亜鉛めっき鋼板
GL:板厚0.8mm、めっき目付量60/60(g/m2)のアルミニウム−亜鉛合金メッキ鋼板、合金中アルミニウムを約55%含有。
得られた各表面処理板について、下記試験方法に基づき性能試験を行った。その試験結果を後記表4に示す。
〔試験方法〕
塗装性(塗膜外観):各表面処理板を目視により観察し、下記基準により評価した。
a:ムラが全く認められず、全面が均一な色相である。
b:虹色状のムラがわずかに認められるが、実用上問題の無い程度である。
c:虹色状のムラがかなり認められ、実用上問題がある。
〔試験方法〕
塗装性(塗膜外観):各表面処理板を目視により観察し、下記基準により評価した。
a:ムラが全く認められず、全面が均一な色相である。
b:虹色状のムラがわずかに認められるが、実用上問題の無い程度である。
c:虹色状のムラがかなり認められ、実用上問題がある。
耐食性試験(初期耐食性及び脱脂後耐食性):
初期耐食性は、得られた各表面処理版について、下記塩水噴霧試験を行った。
脱脂後耐食性は、得られた各表面処理版について、アルカリ脱脂剤(日本パーカライジング社製、商品名「パルクリーンCL−N364S」)を溶解した濃度2%の水溶液を使用して、温度60℃の条件で2分間スプレー処理により脱脂し、水洗したのちに乾燥した表面処理版について、下記塩水噴霧試験を行った。
(塩水噴霧試験)各表面処理板の端面部及び裏面部をシールし、JIS Z 2371による塩水噴霧試験(SST)により、試験時間120時間及び240時間での錆の発生程度下記基準により評価した。
a:錆発生が認められない。
b:錆発生が全面積の5%未満。
c:錆発生が全面積の5%以上でかつ10%未満。
d:錆発生が全面積の10%以上でかつ50%未満。
e:錆発生が全面積の50%以上。
初期耐食性は、得られた各表面処理版について、下記塩水噴霧試験を行った。
脱脂後耐食性は、得られた各表面処理版について、アルカリ脱脂剤(日本パーカライジング社製、商品名「パルクリーンCL−N364S」)を溶解した濃度2%の水溶液を使用して、温度60℃の条件で2分間スプレー処理により脱脂し、水洗したのちに乾燥した表面処理版について、下記塩水噴霧試験を行った。
(塩水噴霧試験)各表面処理板の端面部及び裏面部をシールし、JIS Z 2371による塩水噴霧試験(SST)により、試験時間120時間及び240時間での錆の発生程度下記基準により評価した。
a:錆発生が認められない。
b:錆発生が全面積の5%未満。
c:錆発生が全面積の5%以上でかつ10%未満。
d:錆発生が全面積の10%以上でかつ50%未満。
e:錆発生が全面積の50%以上。
密着性試験:各表面処理板の表面処理皮膜面に、カッターナイフにて素地に達するように、10mm四方に1mm×1mmの正方形が100個となるよう碁盤目を作成した。この碁盤目部が外側に押出されるように、エリクセン試験(7mm押し出し)を行った後、押出された加工部にセロハン粘着テープを密着させ、瞬時に剥離させた時に、表面処理皮膜の剥離の程度を評価した。
◎:表面処理皮膜の剥離が認められない。
×:表面処理皮膜の剥離が認められる。
◎:表面処理皮膜の剥離が認められない。
×:表面処理皮膜の剥離が認められる。
導電性試験:三菱化学アナリテック(株)製ロレスタGP、ASP端子を用いて、表面処理板の任意の10箇所の表面抵抗値を測定し、10−4Ω以下を示す回数で評価した。
a :10回全て
b :6〜9回
c :1〜5回
d :0回
b :6〜9回
c :1〜5回
d :0回
上記試験結果から明らかなように、本発明の表面処理剤は、塗装性、貯蔵安定性に優れ、本発明の表面処理剤から形成される処理皮膜は、塗膜外観、耐食性、密着性、導電性の全てを満足できるものである。
Claims (5)
- テトラアルコキシシラン及びテトラアルコキシシランの低縮合物のうちの少なくとも1種(a)30〜70質量部と、エポキシ基含有シランカップリング剤及びアミノ基含有シランカップリング剤から選ばれる少なくとも1種のシランカップリング剤(b)70〜30質量部と、(c)モノ−、ジ−もしくはトリ−アルコキシシランのうちの少なくとも1種及び/又はモノ−、ジ−もしくはトリ−アルコキシシランのうちの少なくとも1種の低縮合体0〜40質量部との混合物(I)又は該混合物(I)を加水分解縮合反応してなる加水分解縮合物(II)であるバインダ成分(A)、リン酸化合物(d)、バナジウム化合物(e)及びチタニウム化合物(f)を含有する水性金属表面処理剤であって、
該バインダ成分(A)を構成する、(a)、(b)及び(c)成分の合計である(A)構成成分の合計質量(AT)100質量部に基いて、
リン酸化合物(d)を2〜60質量部、
バナジウム化合物(e)を1〜50質量部及び
チタニウム化合物(f)を0.1〜100質量部
を含有することを特徴とする水性金属表面処理剤。 - バインダ成分(A)が、上記加水分解縮合物(II)である請求項1記載の水性金属表面処理剤。
- さらに、水性有機樹脂及び/又はワックスを含有することを特徴とする請求項項1又は2記載の水性金属表面処理剤。
- 金属材の表面上に、請求項1〜3のいずれか一項に記載の表面処理剤を乾燥膜質量0.05〜1.5g/m2となるように塗装し、乾燥させてなることを特徴とする金属材の表面処理方法。
- 金属材の表面上に、請求項1〜3のいずれか一項に記載の表面処理剤による皮膜が乾燥皮膜質量0.05〜1.5g/m2にて形成されてなる表面処理金属材。
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