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JP2014153155A - 溶接センサ - Google Patents

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Abstract

【課題】溶接センサが撮像したスリット光の画像を用いて溶接センサ自体に発生した異常を検出することができる溶接センサを提供する。
【解決手段】溶接ワークにスリット光を照射する投光部11とスリット光が照射された溶接ワークを撮像する撮像部12とを有し、撮像部12が撮像したスリット光を含む画像を基に溶接ワークの形状計測が可能な溶接センサにおいて、撮像部12が撮像したスリット光を積算して得られた積算画像と、基準となるスリット光を積算して得られた基準積算画像とを作成する合成画像作成部21と、合成画像作成部21で作成された積算画像と基準積算画像との差分をとることで、差分画像を生成する差分画像生成部23と、差分画像生成部23が生成した差分画像の輝度情報に基づいて、窓板の異常を判別する異常判別部24と、を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、投光部から溶接ワークへ照射されたスリット光を撮像した画像に基づいて、溶接ワークの開先形状や溶接線の位置を計測する溶接センサに関するものであり、特に、撮像したスリット光の画像を用いて、センサ自体に発生した異常を検出することが可能な溶接センサに関する。
従来より、産業用ロボットなどに溶接トーチを取り付け、この溶接トーチの周囲から不活性ガス等のシールドガスを出しながら自動溶接が行なわれている。自動溶接を行なう際には、溶接ワークの位置、開先形状、溶接線の位置などを計測するために溶接センサが用いられる。この溶接センサは、溶接トーチと一緒に産業用ロボットのアームに取り付けられることが多い。
溶接センサとしては、投光器から出射したスリット光を溶接ワーク上に照射し、そのスリット光の反射(光切断線)を撮像部(カメラ)で撮像することで、溶接部位の形状データを得る画像センサが用いられている。
このような画像センサは、ケーシングの内部に上述した投光器や撮像部を格納していて、ケーシングの前面(溶接ワークを向く側)には、透光性を有する窓板(防護体)が設けられている。この窓板は、溶接に伴い発生するスパッタ、ヒューム、粉塵などから、投光器や撮像部を保護する役目を有している。
さて、このような画像センサを用いて溶接ワークの形状を検出しつつ溶接を行った場合、溶接が進むにつれて、窓板の表面が、スパッタやヒュームの附着及び堆積により汚れてゆく。この汚れによって、投光器から出射されたスリット光が遮られて溶接ワークに届かなくなり、また、溶接ワークで反射したスリット光が遮られて撮像部に届かなくなるため、正確な溶接部位の形状データを得ることができなくなる。この不都合を回避すべく、溶接トーチと溶接センサとの間にスパッタやヒュームを遮る遮蔽板などを設けるようにしているが、その遮蔽効果は万全とは言えない。
従って、溶接センサでは、溶接により発生するスパッタ・ヒューム・粉塵・アーク光から投光器や撮像部を保護する窓板の汚れに対して、窓板の交換時期を判断する技術の開発が必要とされている。
特許文献1は、アークセンサ保護窓(窓板)の交換時期を判断する技術を開示している。
特許文献1に開示のアークセンサ保護窓の交換方式は、アークセンサに取り付けられた前記アークセンサ保護窓の前面から所定距離の位置に標準反射面を設け、前記アークセンサ保護窓の未使用時に、前記標準反射面にレーザビームを走査して反射光の第1の受光量を検出し、前記アークセンサ保護窓がアーク溶接に供試された後、前記標準反射面にレーザビームを走査して反射光の第2の受光量を検出し、前記第1の受光量及び前記第2の受光量に基づいて、前記アークセンサ保護窓の交換時期を判別することを特徴とする。
特開平4−307339号公報
特許文献1に開示の技術は、あらかじめ用意された基準面としての標準反射面に対してレーザビーム(ポイントレーザ)を照射し、その標準反射面での輝度を受光素子にて検出し、さらに溶接作業後に、照射されたポイントレーザの輝度を受光素子にて検出し、溶接前後での輝度を比較することでアークセンサ保護窓(窓板)の汚れ度合いを検出するものである。
しかしながら、特許文献1の技術では、ポイントレーザを用いると共に、受光素子としてPD(フォトダイオード)を使用しているため、窓板における狭い領域での輝度変化を検出するのみであって、撮像画面全体の輝度変化、すなわち窓板の広い領域での汚れを検出できないといった問題を有している。
加えて、特許文献1の技術では、検出精度の重要な要素となるレーザ光の太さ(光幅)の確認や、遮蔽板等のゆがみ等その他の不具合の検知ができないという問題もある。
すなわち、投光器自体の劣化に伴って、レーザ光の輝度が落ちたり、レーザ光の太さや幅が広がったりして、レーザ光自体の質が低下した場合、相対的にスパッタ・ヒュームによる散乱輝度との区別が難しくなり光切断線の検出率が落ちるという問題も引き起こす。しかしながら、特許文献1の技術は、このようなレーザ光自体の質の低下を検知できるものとはなっていない。そもそもこれまで、溶接センサにおいて、レーザ光自体の質の低下に代表されるセンサ自体の故障を検知する技術が存在しなかった。
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであって、光切断法の技術を用いた溶接センサであって、溶接センサが撮像したスリット光の画像を用いて溶接センサ自体に発生した異常を検出することが可能な溶接センサを提供することを目的とする。
上記課題を達成するために、本発明は、以下の技術的手段を採用した。
本発明に係る溶接センサは、溶接ワークにスリット光を照射する投光部と前記スリット光が照射された溶接ワークを撮像する撮像部とを有し、前記投光部及び撮像部と溶接ワークとの間には、前記スリット光が照射された溶接ワークを撮像可能とすべく透過性を有する窓板が設けられ、前記撮像部が撮像したスリット光を含む画像を基に溶接ワークの形状計測が可能な溶接センサであって、前記撮像部が撮像したスリット光を積算して得られた積算画像と、基準となるスリット光を積算して得られた基準積算画像とを作成する合成画像作成部と、前記合成画像作成部で作成された積算画像と前記基準積算画像との差分をとることで、差分画像を生成する差分画像生成部と、前記差分画像生成部が生成した差分画像の輝度情報に基づいて、前記窓板の異常を判別する異常判別部と、を備えることを特徴とする。
ここで、前記基準積算画像は、正常な状態での窓板において、前記撮像部が撮像した検出光を積算して得られる画像であってもよい。
また、前記撮像部の視野の一方側から他方側に亘るいずれかの位置にスリット光が存在する複数の画像をそれぞれ蓄積する画像蓄積部を有し、前記合成画像作成部は、前記画像蓄積部に蓄積された複数の画像を積算して積算画像及び/又は基準積算画像を作成してもよい。
また、本発明に係る溶接センサは、溶接ワークにスリット光を照射する投光部と前記スリット光が照射された溶接ワークを撮像する撮像部とを有し、前記投光部及び撮像部と溶接ワークとの間には、前記スリット光が照射された溶接ワークを撮像可能とすべく透過性を有する窓板が設けられ、前記撮像部が撮像したスリット光を含む画像を基に溶接ワークの形状計測が可能とされた溶接センサであって、前記撮像部が撮像した画像上のスリット光の線幅に沿った方向の輝度分布を取得する輝度分布取得部と、前記輝度分布取得部で取得した輝度分布を基に、前記画像上のスリット光の直線度を検出する直線度検出部と前記直線度検出部が検出した直線度に基づいて、前記窓板及び/又は投光部の異常を判別する異常判別部と、が備えられることを特徴とする。
ここで、前記輝度分布取得部で取得した輝度分布を基に、前記画像上のスリット光の線幅を検出する線幅検出部を有し、前記異常判別部は、前記線幅検出部が検出した線幅に基づいて、前記窓板及び/又は投光部の異常を判別するとよい。
本発明の溶接センサによると、光切断法の技術を用いた溶接センサにおいて、溶接センサが撮像したスリット光の画像を用いて溶接センサ自体に発生した異常を検出することが可能となる。
本発明による溶接センサ及び溶接トーチの概略構成を示す図である。 溶接センサに設けられた信号処理部の構成を示すブロック図である。 差分画像の生成順序を説明する図である。 使用前画像及び使用後画像を撮像する手順を示す説明図である。 レーザ出力と輝度値の関係を表すグラフを示す図である。 差分画像を用いた異常判定の処理フローを示す図である。 輝度分布カーブの導出順序を説明する図である。 輝度分布カーブを用いた異常判定の処理フローを示す図である。
以下、本発明の実施形態を、図1〜図8に基づき説明する。
なお、以下に説明する実施形態は、本発明を具体化した一例であって、その具体例をもって本発明の構成を限定するものではない。従って、本発明の技術的範囲は、本実施形態に開示内容に限定されるものではない。
本実施形態による溶接センサ1についての説明を行う前に、まずは、溶接センサ1が取り付けられる溶接マニピュレータ(溶接ロボット)について説明を行う。なお、本実施形態による溶接センサ1は、溶接ロボットではなく溶接専用機械などに取り付けられてもよい。
溶接センサ1が取り付けられる溶接マニピュレータは、溶接ワークWを溶接する溶接トーチTを先端部に備えた垂直6軸多関節ロボットであって、2つの溶接ワークWによって形成される開先の溶接線(溶接進行方向)に沿ってアーク溶接を行うものである。溶接マニピュレータの溶接トーチT近傍には、2つの溶接ワークWが形成する開先の形状を計測するための溶接センサ1が配置されている。この溶接センサ1によって溶接ワークWの開先の形状が計測され、計測された開先の形状データに基づいて、2つの溶接ワークW同士をアーク溶接によって接合する。
図1に示すように、溶接トーチTによるアーク溶接時には、溶接トーチTによるアーク点X(先端)からスパッタやフューム等の飛散物が飛び散る。
したがって、溶接トーチTの近傍に配置された溶接センサ1は、スパッタやヒュームなどの存在する雰囲気に曝されることとなるため、溶接センサ1は投光器11及び撮像部12を内蔵するケーシング(センサハウジング)10を有し、このセンサハウジング10の前面(投光器11及び撮像部(カメラ)12から溶接ワークWの間)には、アーク溶接時の溶接トーチTからの飛散物を遮蔽する防護窓板13と、同じく溶接トーチTからの飛散物を遮断して防護窓板13を保護する防護遮蔽板14とが、防護体として設けられている。
以下に、図1及び図2を参照しながら、溶接センサ1の詳細を説明する。
図1は、溶接トーチT及び溶接センサ1を示しており、溶接センサ1は、溶接マニピュレータの手先で且つ溶接トーチTの近傍に取り付けられている。
この溶接センサ1は、溶接ワークWにシート光を照射する投光器(レーザ光源)11及び溶接ワークWに照射されたシート光の反射であるライン光を撮像する撮像部(カメラ)12を有していて、溶接ワークWの開先形状や溶接線の位置を三次元に計測することができる。
さらに、溶接センサ1は、投光器11及びカメラ12を内蔵するセンサハウジング10と、投光器11及びカメラ12を内蔵したセンサハウジング10内を外部から隔絶するように閉じるべく溶接ワークW側に取り付けられた防護窓板13(以下、単に窓板13という)と、センサハウジング10の外で溶接トーチT側の窓板13近傍に設けられて溶接トーチTのアーク点Xからの飛散物を遮蔽する防護遮蔽板14(以下、単に遮蔽板14という)と、を有している。
センサハウジング10に内蔵された投光器11は、レーザ半導体素子を光源とするシート状の検出光(スリット光)を窓板13に向かって所定の角度で出力する。出射されたスリット光は、窓板13を通ってセンサハウジング10の外へ出射され、溶接ワークWの開先部分に照射される。
カメラ12は、CCD(電荷結合素子)カメラ等のエリアカメラであって、溶接ワークWの開先に交差するように照射されたスリット光を含む溶接ワークWの表面を撮像するものである。つまり、溶接ワークWで反射した検出光(開先部分を光切断したスリット光)は、窓板13を通ってセンサハウジング10内に進入しカメラ12によって撮像される。このように、カメラ12に入射した検出光は、画像データとして取り込まれる。
なお、投光器11とカメラ12は、投光器11から出力されたスリット光が溶接ワークW上で反射して検出光としてカメラ12に入射するように設けられており、投光器11の照射軸とカメラ12の光軸とが所定角度となっている。そのため、カメラ12で撮像した検出光に対して光切断法を用いれば、画像データ内における検出光の長手方向に沿った座標の変位を検出することで、溶接ワークWの開先形状を三次元で計測することができる。
投光器11とカメラ12とを内蔵するセンサハウジング10は、略直方体状の筐体であって、内蔵する投光器11及びカメラ12の前面側(溶接ワークW側)が開口となっている。
図1に示すように、このセンサハウジング10に対して、防護窓板(窓板)13が、投光器11及びカメラ12の直前でセンサハウジング10の開口を覆うように設けられ、防護遮蔽板14(遮蔽板14)が、センサハウジング10の溶接ワークW側で溶接トーチTに最も近接した位置に設けられている。
窓板13は、例えば、投光器11から出たスリット光をセンサハウジング10の外側へ向かって透過させると共に、溶接ワークWで反射した検出光をセンサハウジング10の内側へ向かって透過させる光学フィルタ等からなる部材である。
遮蔽板14は、透明樹脂等からなる板状の部材であり、溶接トーチTのアーク点Xから直接に窓板13へ飛んでくる飛散物等を遮断できる形状及び大きさを有している。例えば、遮蔽板14は、側面視で溶接トーチTから離れる方向に略「く」字形状に屈曲した板体である。
これによって、アーク点Xから窓板13を見ると、窓板13が遮蔽板14の陰に隠れるので、アーク点Xからの飛散物が窓板13に到達することを防ぐことができる。
図1に示すように、上述の構成を有する溶接センサ1は、カメラ12が撮像したスリット光の反射画像に基づいて、溶接センサ1の窓板13、遮蔽板14、投光器11などの異常(つまり、溶接センサ1自体に発生した異常)を検出する信号処理部2を備えている。
上述のとおり、溶接センサ1は、溶接ワークWの開先形状を三次元で計測するものであるので、信号処理部2には、三次元計測部(図示せず)が備えられている。
三次元計測部は、溶接ワークWの開先の三次元形状を、光切断法の原理に基づいて非接触で計測する。光切断法とは、溶接ワークWの表面形状が変化すれば、該表面の上下方向の変位に応じてカメラ12の撮像エリア内における検出光の位置が変化することを利用して、該検出光の位置の変化量、投光器11の照射軸とカメラ12の光軸とがなす角度、及び溶接ワークWからカメラ12までの距離を用いた三角測量によって、該表面の変位量を取得し溶接ワークWの三次元形状を計測する方法である。
図2は、信号処理部2の構成のうち、溶接センサ1自体に発生した異常を検出する構成を示すブロック図である。
図2を参照すると、信号処理部2は、カメラ12が撮像した溶接センサ1の使用前の画像(使用前画像)と溶接センサ1の使用後の画像(使用後画像)とを蓄積する画像蓄積部20、画像蓄積部20によって蓄積された使用前画像を合成すると共に、使用後画像を合成する合成画像作成部21、合成画像作成部21が合成した使用前画像と使用後画像を蓄積する合成画像蓄積部22、使用前画像と使用後画像の差分である差分画像を生成する差分画像生成部23、及び差分画像生成部23が生成した差分画像を基に窓板13、遮蔽板14及びセンサアーク点Xの異常を判別する異常判別部24を有している。
このような、画像蓄積部20から差分画像生成部23を経て異常判別部24までの処理経路を差分画像判別経路という。差分画像判別経路については、後に詳しく説明する。
さらに、信号処理部2は、画像蓄積部20が蓄積した使用前画像及び使用後画像からスリット光である検出光を抽出するスリット抽出部25、スリット抽出部25が抽出した検出光をスリット抽出画像として蓄積するスリット抽出画像蓄積部26、スリット抽出画像蓄積部26が蓄積したスリット抽出画像におけるスリット位置の画素の輝度を記録するスリット位置画素記録部27、スリット位置画素記録部27が記録した画素毎の輝度に基づいてスリット抽出画像を横切る方向での輝度分布カーブを導出する輝度分布カーブ導出部28、及び輝度分布カーブ導出部28が導出した輝度分布カーブに基づいてスリット抽出画像の線幅をレーザ線幅として導出するレーザ線幅導出部29を有している。
異常判別部24は、輝度分布カーブ導出部28が導出した輝度分布カーブに基づいてスリット抽出画像の直線度を評価することで窓板13や投光器11のレンズの異常を判別し、レーザ線幅導出部29が導出したレーザ線幅を評価することでレーザ線幅の異常を判別する。
このような、画像蓄積部20から輝度分布カーブ導出部28を経て異常判別部24までの処理経路を輝度分布判別経路という。輝度分布判別経路については、後に詳しく説明する。
図2〜図6を参照しながら、画像蓄積部20から差分画像生成部23を経て異常判別部24までの処理経路である差分画像判別経路について説明する。
図2に示すように、画像蓄積部20は、溶接センサ1を使用する前であって、窓板13、遮蔽板14及び投光器11に異常がない状態で溶接ワークW上の基準面を撮像した画像を使用前画像(基準画像)として蓄積する第1蓄積部、及び溶接センサ1を使用した後に、溶接ワークW上の同じ基準面を撮像した画像を使用後画像(判断画像)として蓄積する第2蓄積部を有するものである。
第1蓄積部が蓄積する使用前画像は、次のようにして撮像される。
溶接ワークWの面上に基準面を設けて、カメラ12の視野(フレーム)に基準面を捉える。図3には、N行M列に配置されたカメラ画素が捉えた画像G(0)、画像G(m)、画像G(M)が示されている。画像G(0)〜画像G(M)の各画像には、0行目からN行目にわたって伸びる検出光が撮像されているが、例えば、画像G(m)は、検出光が第m列のカメラ画素によって撮像されたときの画像であるので、画像K(m)として図示されている。
このような画像Kは、溶接センサ1を以下のように動作させることによって撮像される。
図4に示すように、画像Kは、カメラ12の視野(フレーム)に基準面を捉えた溶接センサ1を、基準面に対して垂直方向に移動させつつ基準面を撮像することによって得られる。つまり、投光器11の照射軸がカメラ12の光軸に対して所定角度をなしていることによって、カメラ12と基準面との距離が変化すれば、カメラ12の視野における検出光の位置が変化する。これによって、溶接センサ1を基準面に対して垂直方向に移動させつつ連続的に基準面を撮像すれば、画像G(0)〜画像G(M)の各画像を撮像することができる。
具体的には、まず、図4(a)に示すように、溶接センサ1を、投光器11からのスリット光が基準面上のカメラ12の視野の一端に照射され、該基準面で反射したスリット光がカメラ画素の第0列で検出光として捉えられる位置に移動させる。この後、溶接センサ1を、図4(a)に示す位置から降下させ、図4(b)に示すように、検出光がカメラ画素の第m列で捉えられる位置を経て、図4(c)に示すように、投光器11からのスリット光がカメラ12の視野の他端に照射されて、基準面で反射したスリット光がカメラ画素の第M列で検出光として捉えられる位置まで降下させる。
この過程で、溶接センサ1のカメラ12は、カメラ画素の第0列から第M列の各列が検出光を捉えるタイミング(周波数)で基準面を撮像し、検出光がカメラ画素の第0列〜第M列の各列にあるときの画像K(0)〜画像K(M)の各々を、使用前画像として第1蓄積部に蓄積する。
第2蓄積部が蓄積する使用後画像は、以下のようにして撮像される。
すなわち、所定時間に亘り溶接作業を行った後、使用前画像を撮像した基準面に対して、同様の方法(溶接センサ1を上下方向に移動させつつ、スリット光が写り込んだ画像を連続的に撮像する)でカメラ画素の第0列から第M列の各列が検出光を捉えるタイミング(周波数)で基準面を撮像し、検出光がカメラ画素の第0列〜第M列の各列にあるときの画像K’(0)〜画像K’(M)を、使用後画像として第2蓄積部に蓄積する。
図3を参照して、合成画像作成部21は、画像蓄積部20の第1蓄積部が蓄積した使用前画像である画像K(0)〜画像K(M)を積算して、画像K(0)〜画像K(M)の各検出光が第0列から第M列まで並んだ基準面画像(基準積算画像)G(b)を生成する。また、合成画像作成部21は、画像蓄積部20の第2蓄積部が蓄積した使用後画像である画像K’(0)〜画像K’(M)を積算して、画像K’(0)〜画像K’(M)の各検出光が第0列から第M列まで並んだ輝度画像(積算画像)G(a)を生成する。なお、ここでいう積算とは、各画像間でOR演算を行い、より明るい画素を有効にした画像を作成することである。
図3に示すように、基準面画像G(b)は、使用前輝度情報として1つの画像であり、輝度画像G(a)は、使用後輝度情報として1つの画像である。
基準面画像G(b)において、図3の紙面に向かって右側には、部分的に輝度が低く又は高くなった領域である輝度むらが存在している。これに対して、輝度画像G(a)においては、基準面画像G(b)にも存在した輝度むらの左側に、島状の輝度むらが存在している。この島状の輝度むらは、溶接センサ1を使用した後の防護窓板13の汚れや変形などに起因して発生する輝度むらの一例である。
合成画像蓄積部22は、上述の手順を経て合成画像作成部21が生成した基準面画像G(b)及び輝度画像G(a)を蓄積するものである。
差分画像生成部23は、合成画像蓄積部22が蓄積した基準面画像G(b)と輝度画像G(a)の差分をとり、差分輝度画像D(a)を生成する。図3に示すように、差分輝度画像D(a)は、基準面画像G(b)と輝度画像G(a)の輝度値(輝度情報)の差分である輝度差分を示す1つの画像として得られる。
差分輝度画像D(a)の各列の輝度値は基準画像G(b)と輝度画像G(a)の輝度値の差分であるので、差分輝度画像D(a)が示す輝度値が大きければ、基準画像G(b)の輝度値よりも輝度画像G(a)の輝度値が小さいと判断できる。このことは、窓板13の汚れが原因で、輝度画像G(a)の輝度値が基準画像G(b)よりも小さくなっていると考えることができる。
異常判別部24は、差分画像生成部23が生成した差分輝度画像D(a)のピークの輝度値が255階調に対して137階調以上であるか否かを判定する。その上で異常判別部24は、該輝度値が137階調未満であれば、基準画像G(b)と輝度画像G(a)の輝度値の差分が小さいので、窓板13に異常がないと判定し、輝度値が137階調以上であれば、基準画像G(b)と輝度画像G(a)の輝度値の差分が大きいので、窓板13に異常があると判定する。このように、窓板13の異常を判断するために輝度値の階調を用い、その判断の基準として階調値に137を選択する理由を以下に説明する。
図5は、実験によって得られた投光器11のレーザ出力と255階調の輝度値との関係を示すグラフである。図5のグラフは、機械加工面に照射するスリット光の出力を変化させつつ該機械加工面を撮像し、検出光が撮像された各撮像画像の輝度値のピークを検出した上で、各撮像画像のレーザ出力に対する輝度値のピークを示している。
図5に示す実験結果によると、輝度値のピークが全255階調において91階調以上であれば、撮像画像中の検出光の像を弁別できることが示されている。この実験結果に基づけば、基準面画像G(b)と輝度画像G(a)との差分である差分輝度画像D(a)における輝度値のピークが91階調以上であれば、基準面画像G(b)と輝度画像G(a)との間に有意な輝度値の差が生じていると考えることができる。
つまり、差分輝度画像D(a)の輝度値を判定することによって輝度値のピークが91階調以上であれば、使用後画像である画像K’(0)〜画像K’(M)を積算した輝度画像G(a)が基準面画像G(b)から大きく変化しており、溶接センサ1の窓板13に何らかの変化が生じている可能性があると判定できる。
そこで、異常判別部24は、91階調に対して余裕度を50%分確保して、差分輝度画像D(a)の輝度値のピークが全255階調において137階調(91階調の150%)未満であれば、窓板13に異常がないと判定する。
また、異常判別部24は、輝度値が137階調以上であれば、差分輝度画像D(a)の第0列から第M列までの輝度値のばらつきを検出し、各列の輝度値が均等に低下しているのか(差分輝度画像D(a)においてほぼ一定の輝度値が検出されているか)、又は一部の列のみに輝度値の低下が偏っているのか(差分輝度画像D(a)において部分的に大きな輝度値変化が検出されているか)を判定し、偏りがなければ、溶接アーク点X、パージエア、又は遮蔽板14の異常を通知する。
さらに、異常判別部24は、差分輝度画像D(a)において各列の輝度値の低下に偏りがある場合、前回の板窓の交換からの経過時間を判別する。前回の板窓の交換からの数分しか経過していなければ通常の溶接により窓板13が汚れることはあり得ないので、パージエア流量か投光器11の出力異常であると判定する。
以下、図6のフローチャートを参照しながら、信号処理部2における差分画像判別経路の動作を説明する。
信号処理部2は、溶接センサ1を図4(a)に示す基準面上の位置に移動させて、カメラ12のフレームの第m列(画素の第m列)で検出光を捉えた画像K(m)を撮像し、使用前画像として画像K(m)を画像蓄積部20の第1蓄積部に保存する(ステップS10、以下、S10と表記する)。
信号処理部2は、溶接センサ1を、図4(a)に示す位置から図4(b)に示す位置を経て図4(c)に示す位置まで移動させつつ、次の画像である画像K(m+1)を撮像し、画像蓄積部20の第1蓄積部に保存する(S11)。
信号処理部2は、カメラ12のフレームの第M列(画素の第M列)で検出光を捉えた画像K(M)の撮像まで終了したか否かを判定する(S12)。
ステップS12において、画像K(M)の撮像が終了していなければ、信号処理部2は、ステップS10に戻って次の画像Kを撮像する。画像K(M)の撮像が終了していれば、使用前画像の取得を終了し、次の処理であるステップS13に進む。
合成画像作成部21は、画像蓄積部20の第1蓄積部が保存した画像K(0)〜画像K(M)を積算して、基準画像G(b)を合成し、合成画像蓄積部22に保存する(S13)。
信号処理部2は、溶接作業の終了後、溶接センサ1を、再び図4(a)に示す基準面上の位置に移動させて、カメラ12のフレームの第m列(画素の第m列)で検出光を捉えた画像K’(m)を撮像し、使用後画像として画像K’(m)を画像蓄積部20の第2蓄積部に保存する(S14)。
信号処理部2は、溶接センサ1を、図4(a)に示す位置から図4(b)に示す位置を経て図4(c)に示す位置まで移動させつつ、次の画像である画像K’(m+1)を撮像し、画像蓄積部20の第1蓄積部に保存する(S15)。
信号処理部2は、カメラ12のフレームの第M列(画素の第M列)で検出光を捉えた画像K’(M)の撮像まで終了したか否かを判定する(S16)。
ステップS16において、画像K’(M)の撮像が終了していなければ、信号処理部2は、ステップS14に戻って次の画像K’を撮像する。画像K’(M)の撮像が終了していれば、使用後画像の取得を終了し、次の処理であるステップS17に進む。
合成画像作成部21は、画像蓄積部20の第2蓄積部が保存した画像K’(0)〜画像K’(M)を積算して、輝度画像G(a)を合成し、合成画像蓄積部22に保存する(S17)。
ステップS17での使用後画像の取得を終了すると、異常判断部は、溶接センサ1の異常を判断する異常判断処理を開始する(S18)。
異常判断部が異常判断処理を開始すると、差分画像生成部23は、基準画像G(b)と輝度画像G(a)の差分画像である差分輝度画像D(a)を生成する(S180)。
異常判断部は、差分輝度画像D(a)における輝度値のピークを検出し、137階調以上であるか否かを判断する(S181)。
ステップS181において137階調以上であると判断されなければ、異常判断部は、窓板13に異常はないと判断し、ステップS180からの一連の処理を終了する(S182)。
ステップS181において137階調以上であると判断されれば、異常判断部は、差分輝度画像D(a)の各列の輝度値を参照し、窓板13の汚れに偏りがあるか否かを判断する(S183)。異常判断部は、差分輝度画像D(a)の各列の輝度値がほぼ等しい値を示していれば、使用後画像である輝度画像G(a)の輝度値が画像全体にわたってほぼ均等に低下しており、窓板13の汚れに偏りがないと判断する。また、異常判断部は、差分輝度画像D(a)の一部の列のみに輝度値の低下が偏っていれば、窓板13の汚れに偏りがあると判断する。
ステップS183において、窓板13の汚れに偏りがあると判断すると、異常判断部は、溶接センサ1とアーク点Xの位置関係に異常がある、又は遮蔽板14に異常があると判定する(S184)。窓板13の汚れの偏りを判断する際に、差分輝度画像D(a)の遮蔽板14側の輝度値の変化に着目すれば、遮蔽板14の異常をより的確に判定することができる。
つまり、通常の状態でカメラ12の視野内に遮蔽板14が写らない場合において、差分輝度画像D(a)の遮蔽板14側の輝度値が大きくなっていれば、ワークWとの接触などにより遮蔽板14が変形し、変形した遮蔽板14が輝度画像G(a)に写っている可能性がある。このとき、異常判断部は、遮蔽板14に異常があると判定することができる。また、通常の状態でカメラ12の視野内に遮蔽板14が写る場合において、差分輝度画像D(a)の遮蔽板14側で輝度値が大きくなる領域があれば、輝度画像G(a)写っている遮蔽板14の位置と基準画像G(b)に写っている遮蔽板14の位置が異なっている可能性がある。これは、遮蔽板14がワークWとの接触などにより変形して通常の位置とは異なる位置に存在していることに起因すると考えられるので、異常判断部は、遮蔽板14に異常があると判定することができる。
異常判断部は、ステップS184で異常があると判定すると、オペレータに対して、異常の発生と異常の内容を含む異常情報を送信(出力)する(S188)。
ステップS183において、窓板13の汚れに偏りがないと判断すると、異常判断部は、前回の窓板13の交換からの経過時間が、所定時間(例えば5分程度)以内であるか否かを判定する(S185)。
ステップS185において、前回の窓板13の交換から所定時間以上の時間が経過していると判定されれば、窓板13の汚れに偏りがなく、前回の窓板13の交換からの経過時間が極端に短いということもない。したがって、異常判断部は、輝度画像G(a)の輝度値の低下が溶接ロボットの使用による通常の窓板13の汚れに起因すると判断し、窓板13の交換を要求する(S186)。
ステップS186において窓板13の交換を要求することを決定すると、異常判断部は、オペレータに対して、窓板13の交換を要求する異常情報を出力する(S188)。
また、ステップS185において、前回の窓板13の交換から所定時間以上の時間が経過していないと判定されれば、窓板13の汚れに偏りはないが、前回の窓板13の交換からの経過時間が極端に短いということになる。したがって、異常判断部は、窓板13の汚れを反映する輝度画像G(a)の輝度値の低下が、溶接ロボットの異常、つまりパージエアの流量の異常やレーザ出力の異常などに起因すると判断する(S187)。
ステップS186において、窓板13の汚れがパージエアの流量の異常やレーザ出力の異常に起因すると判断されると、異常判断部は、パージエアの流量の異常やレーザ出力の異常を示す異常情報を出力する(S188)。
上述の差分画像判別経路によれば、溶接センサ1は、差分輝度画像D(a)が示す輝度値のピーク、差分輝度画像D(a)が示す輝度値の不均一性の評価、及び前回の窓板13の交換からの経過時間などを考慮することで、溶接センサ1自体に発生した異常であって、主に窓板13に関する異常を検出することが可能となる。
次に、図2、図7及び図8を参照しながら、画像蓄積部20から輝度分布カーブ導出部28を経て異常判別部24までの処理経路を輝度分布判別経路について説明する。
スリット抽出部25は、画像蓄積部20の第1蓄積部が蓄積した画像K(0)〜画像K(M)、及び第2蓄積部が蓄積した画像K’(0)〜画像K’(M)から、それぞれ行方向に幅を有する検出光を抽出する。
スリット抽出画像蓄積部26は、スリット抽出部25が抽出した各検出光を、画像K(0)〜画像K(M)及び画像K’(0)〜画像K’(M)のスリット抽出画像として蓄積する。
スリット位置画素記録部27は、スリット抽出画像蓄積部26が蓄積した画像K(0)〜画像K(M)及び画像K’(0)〜画像K’(M)のスリット抽出画像の各々について、第0行から第N行までの各行での幅方向における輝度重心を導出して、導出した各行の輝度重心を結ぶことでスリット抽出画像の中心位置を抽出する。スリット位置画素記録部27は、抽出したスリット抽出画像の中心位置、及びスリット抽出画像の全画素の輝度値を記録する。
図7に示すように、スリット位置画素記録部27によって、行方向に線幅を有するスリット抽出画像の列方向に沿った中心位置が得られ記録される。
輝度分布カーブ導出部28は、スリット位置画素記録部27が記録したスリット抽出画像の全画素の輝度値に基づいて、第0行から第N行までの各行でスリット抽出画像を横切る方向(行方向)での輝度分布カーブを導出する。
図7に示すように、行方向に線幅を有する1つのスリット抽出画像から、スリット抽出画像のほぼ中心位置にピークを有する輝度値の分布である輝度分布カーブが、第0行から第N行までの各行について得られる。
レーザ線幅導出部29は、画像K(0)〜画像K(M)のスリット抽出画像の各々について、スリット位置画素記録部27が抽出した中心位置をN行分集計して、中心位置のばらつき(直線度許容値)Lptを導出し、同様に、画像K’(0)〜画像K’(M)のスリット抽出画像の各々についても、スリット位置画素記録部27が抽出した中心位置をN行分集計して、中心位置のばらつき(直線度)Lpを導出する。
また、レーザ線幅導出部29は、輝度分布カーブ導出部28が導出した画像K(0)〜画像K(M)の各スリット抽出画像に関する輝度分布カーブにおいて、例えば、輝度分布カーブのピーク輝度値の1/eの位置での幅(一般的に100μm程度)をスリット光のレーザ線幅許容値Lwtとして導出し、画像K’(0)〜画像K’(M)の各スリット抽出画像に関する輝度分布カーブにおける、輝度分布カーブのピーク輝度値の1/eの位置での幅をスリット光のレーザ線幅Lwとして導出する。
異常判別部24は、レーザ線幅導出部29が導出した直線度許容値Lptと直線度Lpを比較して、直線度Lp>直線度Lptとなった場合、画像K’(0)〜画像K’(M)のスリット抽出画像の中心位置のばらつきが大きいので、窓板13の面の精度及びレーザレンズに異常があると判別する。
また、異常判別部24は、レーザ線幅導出部29が導出したレーザ線幅許容値Lwtとレーザ線幅Lwを比較して、レーザ線幅Lw>レーザ線幅許容値Lwtとなった場合、画像K’(0)〜画像K’(M)のスリット抽出画像の線幅が許容値を超えて大きいので、投光器11のレーザ線幅に異常があると判別する。
直線度Lp(中心位置のばらつき)が大きくなることと、窓板13の面の精度及びレーザレンズに異常が発生していることとの相関は、本出願の発明者らが実験及び経験を通じて知見している事実である。また、レーザ線幅Lwが大きくなることと、投光器11のレーザ線幅に異常が発生していることとの相関も、本出願の発明者らが実験及び経験を通じて知見している事実である。
以下、図8のフローチャートを参照しながら、信号処理部2における輝度分布判別経路の動作を説明する。
信号処理部2のスリット抽出部25は、図6のステップS10からステップS16の処理によって画像蓄積部20に蓄積された画像K(0)〜画像K(M)及び画像K’(0)〜画像K’(M)から、スリット抽出画像である検出光を抽出し、スリット位置画素記録部27が、抽出したスリット抽出画像の中心位置を抽出する(S20)。
スリット位置画素記録部27は、抽出したスリット抽出画像の中心位置と、スリット抽出画像の全画素の輝度値を記録する(S21)。
輝度分布カーブ導出部28は、ステップS21でスリット位置画素記録部27が記録したスリット抽出画像の全画素の輝度値を基にして、画像K(0)〜画像K(M)及び画像K’(0)〜画像K’(M)のスリット抽出画像の輝度分布カーブを導出する(S22)。
レーザ線幅導出部29は、スリット位置画素記録部27が抽出した中心位置を集計して、画像K(0)〜画像K(M)のスリット抽出画像の中心位置のばらつき(直線度許容値)Lptを導出し、同様に、画像K’(0)〜画像K’(M)のスリット抽出画像の各々についても、中心位置のばらつき(直線度)Lpを導出する(S23)。
レーザ線幅導出部29は、輝度分布カーブ導出部28が導出した輝度分布カーブに基づいて、画像K(0)〜画像K(M)のスリット抽出画像によるレーザ線幅許容値Lwtを導出し、同様に、画像K’(0)〜画像K’(M)のスリット抽出画像によるレーザ線幅Lwを導出する(S24)。
ステップS23で直線度許容値Lpt及び直線度Lpが導出され、ステップS24でレーザ線幅許容値Lwt及びレーザ線幅Lwが導出されると、異常判断部は、溶接センサ1の異常を判断する異常判断処理を開始する(S25)。
異常判断処理が開始されると、異常判断部は、直線度許容値Lptと直線度Lpを比較し、直線度Lpが直線度許容値Lptより大きいか否かを判定する(S250)。
ステップS250において、直線度Lpが直線度許容値Lpt以下であると判定されると、異常判断部は、溶接センサ1に異常は生じていないと決定する(S251)。
ステップS250において、直線度Lpが直線度許容値Lptより大きいと判定されると、異常判断部は、画像K’(0)〜画像K’(M)のスリット抽出画像の中心位置のばらつきである直線度Lpが大きくなった原因が、窓板13の面精度の低下や投光器11のレーザレンズの異常であると決定し、窓板13の面精度の低下や投光器11のレーザレンズの異常を示す異常情報を出力する(S252)。
異常判断部は、ステップS251又はステップS252に続いて、レーザ線幅許容値Lwtとレーザ線幅Lwを比較し、レーザ線幅Lwがレーザ線幅許容値Lwtより大きいか否かを判定する(S253)。
ステップS253において、レーザ線幅Lwがレーザ線幅許容値Lwt以下であると判定されると、異常判断部は、レーザ線幅に異常はないと決定する(S254)。
ステップS253において、レーザ線幅Lwがレーザ線幅許容値Lwtより大きいと判定されると、異常判断部は、投光器11から射出されるレーザ光の線幅に異常が生じていると決定し、レーザ光の線幅異常を示す異常情報を出力する(S254)。
上述の輝度分布判別経路によれば、溶接センサ1は、画像K(0)〜画像K(M)及び画像K’(0)〜画像K’(M)のスリット抽出画像の直線度及びレーザ線幅などを考慮することで、溶接センサ1自体に発生した異常であって、主にスリット光(レーザ光)を照射する投光器11に関する異常を検出することが可能となる。
なお、ステップS22において輝度分布カーブ導出部28は、画像K(0)〜画像K(M)及び画像K’(0)〜画像K’(M)の全てのスリット抽出画像の輝度分布カーブを導出していたが、画像K(0)〜画像K(M)及び画像K’(0)〜画像K’(M)のうち数枚〜数十枚のスリット抽出画像を選択して輝度分布カーブを導出してもよい。この場合、ステップS22以降の処理は、導出した数枚〜数十枚のスリット抽出画像の輝度分布カーブに対して行う。
以上をまとめれば、本発明の実施形態による溶接センサ1は、光切断法の技術を用いることで、溶接部位の三次元形状を検出できるだけでなく、溶接センサ1が撮像したスリット光の画像を用いて溶接センサ1自体に発生した異常を確実に検出できるものとなっている。
なお、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。特に、今回開示された実施形態において、明示的に開示されていない事項、例えば、運転条件や操業条件、各種パラメータ、構成物の寸法、重量、体積などは、当業者が通常実施する範囲を逸脱するものではなく、通常の当業者であれば、容易に想定することが可能な値を採用している。
1 溶接センサ
2 信号処理部
10 センサハウジング
11 投光器
12 撮像部
13 防護窓板
14 防護遮蔽板
20 画像蓄積部
21 合成画像作成部
22 合成画像蓄積部
23 差分画像生成部
24 異常判別部
25 スリット抽出部
26 スリット抽出画像蓄積部
27 スリット位置画素記録部
28 輝度分布カーブ導出部
29 レーザ線幅導出部
W 溶接ワーク
T 溶接トーチ

Claims (5)

  1. 溶接ワークにスリット光を照射する投光部と前記スリット光が照射された溶接ワークを撮像する撮像部とを有し、前記投光部及び撮像部と溶接ワークとの間には、前記スリット光が照射された溶接ワークを撮像可能とすべく透過性を有する窓板が設けられ、前記撮像部が撮像したスリット光を含む画像を基に溶接ワークの形状計測が可能な溶接センサであって、
    前記撮像部が撮像したスリット光を積算して得られた積算画像と、基準となるスリット光を積算して得られた基準積算画像とを作成する合成画像作成部と、
    前記合成画像作成部で作成された積算画像と前記基準積算画像との差分をとることで、差分画像を生成する差分画像生成部と、
    前記差分画像生成部が生成した差分画像の輝度情報に基づいて、前記窓板の異常を判別する異常判別部と、
    を備えることを特徴とする溶接センサ。
  2. 前記基準積算画像は、正常な状態での窓板において、前記撮像部が撮像した検出光を積算して得られる画像であることを特徴とする請求項1に記載の溶接センサ。
  3. 前記撮像部の視野の一方側から他方側に亘るいずれかの位置にスリット光が存在する複数の画像をそれぞれ蓄積する画像蓄積部を有し、
    前記合成画像作成部は、前記画像蓄積部に蓄積された複数の画像を積算して積算画像及び/又は基準積算画像を作成することを特徴とする請求項1又は2に記載の溶接センサ。
  4. 溶接ワークにスリット光を照射する投光部と前記スリット光が照射された溶接ワークを撮像する撮像部とを有し、前記投光部及び撮像部と溶接ワークとの間には、前記スリット光が照射された溶接ワークを撮像可能とすべく透過性を有する窓板が設けられ、前記撮像部が撮像したスリット光を含む画像を基に溶接ワークの形状計測が可能とされた溶接センサであって、
    前記撮像部が撮像した画像上のスリット光の線幅に沿った方向の輝度分布を取得する輝度分布取得部と、
    前記輝度分布取得部で取得した輝度分布を基に、前記画像上のスリット光の直線度を検出する直線度検出部と
    前記直線度検出部が検出した直線度に基づいて、前記窓板及び/又は投光部の異常を判別する異常判別部と、
    が備えられることを特徴とする溶接センサ。
  5. 前記輝度分布取得部で取得した輝度分布を基に、前記画像上のスリット光の線幅を検出する線幅検出部を有し、
    前記異常判別部は、前記線幅検出部が検出した線幅に基づいて、前記窓板及び/又は投光部の異常を判別することを特徴とする請求項4に記載の溶接センサ。
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