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JP2014035858A - 二次電池 - Google Patents

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JP2014035858A JP2012175909A JP2012175909A JP2014035858A JP 2014035858 A JP2014035858 A JP 2014035858A JP 2012175909 A JP2012175909 A JP 2012175909A JP 2012175909 A JP2012175909 A JP 2012175909A JP 2014035858 A JP2014035858 A JP 2014035858A
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Tatsuya Hashimoto
達也 橋本
Yusuke Fukumoto
友祐 福本
Yuji Yokoyama
友嗣 横山
Keisuke Ohara
敬介 大原
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Toyota Motor Corp
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Abstract

【課題】多孔質耐熱層を有するセパレータシートを使用する場合における該セパレータシートと正負極シートとの摩擦力の低下を防止すること。
【解決手段】本発明により提供される二次電池は、正極シート(10)および負極シート(20)をセパレータシート(40A,40B)と共に捲回してなる捲回電極体(80)を備える。セパレータシートの基材(42A,42B)の少なくとも一方の表面には多孔質耐熱層(44A,44B)が形成されており、その幅方向の両端には多孔質耐熱層を有しないセパレータ基材露出部(46A,46B)であってそれぞれ対向する正極活物質層非形成部(16)または負極活物質層非形成部(26)に接触可能な位置に配置されたセパレータ基材露出部がシート長手方向に形成されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、二次電池に関する。詳しくは、多孔質耐熱層を有するセパレータを備えた二次電池に関する。
リチウム二次電池、ニッケル水素電池等の二次電池は、近年、パソコンや携帯端末等のいわゆるポータブル電源や車両駆動用電源として用いられている。特に、軽量で高エネルギー密度が得られるリチウム二次電池は、電気自動車、ハイブリッド自動車等の車両の駆動用高出力電源として好ましく用いられている。
このような二次電池の一つの典型的な構造として、長尺シート状の正極および負極を同様に長尺シート状のセパレータ(典型的には2枚のセパレータシート)と重ね合わせて捲回した捲回電極体を構築し、該構築した捲回電極体を所定の電解質(典型的には非水電解質)とともに電池ケース内に収容し、該ケースの内容物が漏れ出ないように該ケースを密閉して成る構造の二次電池(以下、かかる構造の二次電池を「密閉型二次電池」ともいう。)が挙げられる。
この種の電池に用いられるセパレータは、正極と負極との間を電気的に絶縁する機能と、非水電解質を保持する機能とを有するものとして、通常、ポリオレフィン等の合成樹脂製の多孔質シートが使用されている。さらに、この種の電池に使用されるセパレータは、上記絶縁機能と電解質保持機能に加え、電池および該電池が搭載された機器の安全性を確保する目的で電池内が過熱されて一定の温度域(典型的には該樹脂の軟化点)に達した際に軟化し、電荷担体の伝導パスを遮断(シャットダウン)する機能を有する。
また、上記シャットダウン機能を備える一方で、セパレータには所定レベルの耐熱性が望まれる。即ち、この種の電池では、電池内が当該セパレータの軟化点以上に過熱された場合でもセパレータの溶融による内部短絡を防止する必要がある。
かかる要求に応える一つの手段として、ポリオレフィン等の合成樹脂から成るセパレータ基材の表面に多孔質耐熱層が形成されたセパレータの使用が提案されている。かかる多孔質耐熱層は、典型的には、耐熱性を有する金属酸化物その他の無機フィラーと、無機フィラー同士を結着するとともにこれをセパレータ基材に固着させるためのバインダとから構成される。例えば、特許文献1及び2には、このような多孔質耐熱層が基材表面に形成されたセパレータを備えた非水電解質二次電池が記載されている。
特開2011−253684号公報 特開2008−300362号公報
ところで、上記のような多孔質耐熱層を表面に備えるセパレータを使用して二次電池を構築する場合の問題点として、当該セパレータと、対向する正極或いは負極(以下、正極負極を区別する必要のない場合は「電極」と総称する。)の間の摩擦力の低下が挙げられる。具体的には、電極を構成する集電体の表面に形成されている電極活物質層(電極合材層ともいう。)と、対向するセパレータの多孔質耐熱層とは、ともに多孔質の層であるため、これらの層の両方或いは少なくとも一方が関与する接触面における摩擦力は、ポリオレフィン等の合成樹脂から成るセパレータ基材の表面と、電極を構成する集電体(例えば正極集電体を構成するアルミ箔または負極集電体を構成する銅箔)の表面とが直接的に接触する場合と比較して著しく低下することとなる。
かかる摩擦力の低下は、特に上述のような捲回電極体を構成する場合に問題となる。即ち、かかる多孔質耐熱層付きセパレータシートを正負それぞれの活物質層付き電極シートとともに捲回して成る捲回電極体において、当該電極シートとセパレータシートとの摩擦力の低下は捲回電極体自体の形状保持性能を低下させ得る。具体的には、捲回電極体を構成するセパレートシートと各電極シートの位置関係にズレが生じたり或いは捲回電極体の一部に座屈が生じやすくなる。特に多孔質耐熱層付きのセパレータシートは、当該多孔質耐熱層の存在によって硬度が高くなっているために柔軟性が低下しており、かかるズレや座屈の発生を助長させ得る。
従って、このような摩擦力の低下は、ズレや座屈による不良品の発生頻度の上昇やケース内への電極体の挿入に慎重にならざるを得ないこと(即ち挿入性の低下)によって捲回電極体の生産効率を低下させるばかりでなく、捲回電極体の剛性を低下させるために該電極体を用いて構築された二次電池においても充放電の繰り返しによる捲回電極体の膨張収縮時に上記ズレや座屈が生じて電池性能(サイクル特性)を低下させる要因ともなり得、好ましくない。
そこで本発明は、上述した摩擦力低下を解決すべき課題として創出されたものであり、その目的とするところは、多孔質耐熱層を有するセパレータシートを使用する場合であっても上記摩擦力の低下によるズレや座屈の発生の防止を実現する捲回電極体、ならびに該捲回電極体を備える二次電池を提供することである。
上記目的を実現するべく、ここで開示される二次電池は、長尺シート状の正極集電体および負極集電体の各表面にそれぞれ正極活物質層および負極活物質層が形成された正極および負極を長尺シート状のセパレータと共に捲回してなる捲回電極体と、該捲回電極体および電解質を収容するケースとを備える二次電池である。
また、ここで開示される二次電池は、上記捲回電極体における捲回軸方向の両端のうちの一方の端部は上記正極活物質層の形成されていない正極活物質層非形成部が負極からはみ出た状態で積層されて構成され、且つ、該両端のうちの他方の端部は上記負極活物質層の形成されていない負極活物質層非形成部が正極からはみ出た状態で積層されて構成されている。
また、ここで開示される二次電池において、上記長尺シート状セパレータは、合成樹脂製(典型的にはポリオレフィン樹脂製)のセパレータ基材と、無機フィラーを主体とする多孔質耐熱層であって該基材の少なくとも一方の表面において該セパレータのシート長手方向に形成された多孔質耐熱層とから構成されている。
そして、ここで開示される二次電池は、捲回軸方向において、上記セパレータの多孔質耐熱層が、対向する上記正極活物質層または負極活物質層の全体が該耐熱層に包含され得る幅寸法(即ち長尺シートの長手方向に直交する方向(捲回軸方向)の寸法)に形成されており、且つ、上記セパレータの捲回軸方向における両端には、上記多孔質耐熱層を有しないセパレータ基材露出部であってそれぞれ対向する上記正極活物質層非形成部または負極活物質層非形成部に接触可能な位置に配置されたセパレータ基材露出部がシート長手方向に形成されていることを特徴とする。
上記のとおり、ここで開示される二次電池では、捲回電極体を構成する長尺シート状のセパレータに正負いずれかの活物質層と対向する多孔質耐熱層が設けられているとともに、捲回軸方向の両端部分において多孔質耐熱層を有しないセパレータ基材露出部が設けられている。そして該セパレータ基材露出部と対向する位置には、正負いずれかの活物質層非形成部(即ち電極集電体の表面)が配置されている。
かかる構成の捲回電極体では、セパレータの捲回軸方向の両端において、セパレータ基材露出部と、対向する正負いずれかの活物質層非形成部(集電体)とを直接接触させることができる。その結果、当該接触部位において高い摩擦力を発揮させ、電極(集電体)とセパレータとの間の密着性を向上させることができる。
このことから本構成の捲回電極体によると、多孔質耐熱層を設けたことにより電池内がセパレータ軟化点以上に過熱された場合等のセパレータ溶融による内部短絡を防止するとともに、当該セパレータと電極との摩擦力低下に因るズレや座屈の発生を防止し、捲回電極体の剛性を維持して生産性の低下を未然に防止することができる。
また、本構成の捲回電極体を備える二次電池によると、充放電の繰り返しによる捲回電極体の膨張収縮時に上記ズレや座屈が生じて電池性能を低下させることを未然に防止して高い電池特性(例えばサイクル特性)を維持することができる。
ここで開示される二次電池の好ましい一つの態様では、セパレータ基材露出部は捲回軸方向の寸法が1mm以上となるようにセパレータの捲回軸方向における両端にそれぞれ形成されていることを特徴とする。
このような幅寸法でセパレータ基材露出部を多孔質耐熱層の捲回軸方向(以下、単に「幅方向」ともいう。)の両側に設けることによって、セパレータ(基材)と電極(集電体)との間の摩擦力をより向上させることができる。
また、ここで開示される二次電池の好ましい他の一態様では、上記セパレータは、捲回軸方向の両端にあるセパレータ基材露出部がそれぞれ対向する正極活物質層非形成部または負極活物質層非形成部の同方向の寸法の半分よりも活物質層寄りの部位に配置されるように形成されていることを特徴とする。
このようにセパレータ基材露出部と、対向する正負いずれかの電極活物質層非形成部との対向部位(接触部位を包含する)を当該電極活物質層非形成部における幅方向の活物質層寄りの部位に規定することによって、当該電極活物質層非形成部における外部接続用の端子の接続を妨害することなく上記摩擦力の向上を実現することができる。
ここで開示される二次電池では、上記セパレータは、一方の面に多孔質耐熱層およびセパレータ基材露出部が形成されていてもよく、或いは両方の面に多孔質耐熱層およびセパレータ基材露出部が形成されていてもよい。両面に多孔質耐熱層が形成されたセパレータを採用した捲回電極体では、特に摩擦力が低下する傾向にあるが、本発明の実施によってかかる摩擦力の低下を防ぐことができる。
また本発明の適用が好ましい捲回電極体として長尺シート状の正極、負極ならびにセパレータを共に捲回し、更に扁平形状に押しつぶして形成した扁平形状捲回電極体が挙げられる。かかる形態の捲回電極体は、特にズレや座屈の発生を防止する必要があるため、本発明の適用対象として好適な形状の捲回電極体である。
また本発明は、ここで開示されるいずれかの二次電池を単電池とし、該単電池を相互に電気的に接続して複数個備えることを特徴とする組電池を提供する。
かかる構成の組電池は、それを構成する単電池内の捲回電極体の高い剛性を維持し、サイクル特性その他の電池特性に優れるため、電気自動車やハイブリッド自動車等の車両の駆動用電源として好適である。
従って、本発明はまた、ここで開示されるいずれかの二次電池または組電池を駆動用電源として備えるプラグインハイブリッド自動車(PHV)、ハイブリッド自動車(HV)、電気自動車(EV)等の車両を提供する。
一実施形態に係る二次電池(リチウム二次電池)の外形を模式的に示す斜視図である。 図1の二次電池のII−II線における断面構造を模式的に示す図である。 一実施形態に係る二次電池の捲回電極体の構成を示す模式図である。 図3に示す捲回電極体の一部(要部)を拡大して示す模式図である。 一実施形態に係る二次電池(単電池)を複数組み合わせた組電池を模式的に示す斜視図である。 一実施形態に係る組電池を備えた車両(自動車)を模式的に示す側面図である。
以下、本発明の好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
また、本明細書において「二次電池」とは、繰り返し充電可能な蓄電デバイス一般をいい、リチウム二次電池(典型的にはリチウムイオン電池)、ニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池等のいわゆる蓄電池ならびに電気二重層キャパシタ等の蓄電素子(物理電池)を包含する用語である。本明細書において「電極活物質」とは、二次電池において電荷担体となる化学種を可逆的に吸蔵および放出(典型的には挿入および脱離)可能な物質をいう。「リチウム二次電池」とは、電解質イオンとしてリチウムイオンを利用し、正負極間におけるリチウムイオンに伴う電荷の移動により充放電が実現される二次電池をいう。一般にリチウムイオン電池(若しくはリチウムイオン二次電池)等と称される二次電池は、本明細書におけるリチウム二次電池に包含される典型例である。
本発明の二次電池は、上述のとおり、長尺シート状の正極集電体および負極集電体の各表面にそれぞれ正極活物質層および負極活物質層が形成された正極および負極を長尺シート状のセパレータと共に捲回してなる捲回電極体と、該捲回電極体および電解質を収容するケースとを備える二次電池であり、上記の構成上の特徴、即ち多孔質耐熱層とセパレータ基材露出部とを有するセパレータの構成上の特徴を有する限りにおいて、その他の電池構成要素については、特に制限はない。
例えば、本発明によって提供され得る二次電池としては、リチウム二次電池(リチウムイオン電池等)、ニッケル水素電池、リチウムイオンキャパシタその他の電気二重層キャパシタが典型例として挙げられる。
以下、ここで開示される二次電池の一例としてリチウム二次電池(リチウムイオン電池)に関する好適な一実施形態を図面を参照しつつ説明する。特に限定することを意図したものではないが、以下では捲回電極体と非水電解質(非水電解液)とを角形(即ち直方体の箱形状)のケースに収容した形態のリチウム二次電池を例として説明する。各図における寸法(長さ、幅、厚み等)は実際の寸法関係を反映するものではない。また、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付し、重複する説明は省略または簡略化する。
図1は、本実施形態に係る密閉型の非水電解質二次電池100の外形を模式的に示す斜視図である。図2は、図1に示した密閉型二次電池のII−II線に沿う断面構造を模式的に示す図である。図3は、捲回電極体80の構成を模式的に示す一部破断の斜視図である。
図1および図2に示すように、本実施形態に係る二次電池100は、捲回電極体80と、電池ケース(外容器)50とを備える。この電池ケース50は、上端が開放された扁平な直方体形状(角形)の電池ケース本体52と、その開口部を塞ぐ蓋体54とを備える。電池ケース50の上面(即ち蓋体54)には、捲回電極体80の正極と電気的に接続する外部接続用の正極端子70および該電極体80の負極と電気的に接続する負極端子72が設けられている。また、蓋体54には、従来の非水電解質二次電池の電池ケースと同様に、電池ケース50内部で発生したガスをケース50の外部に排出するための安全弁55が備えられている。
電池ケース50の内部には、長尺シート状の正極(正極シート)10と長尺シート状の負極(負極シート)20が2枚の長尺シート状のセパレータ40A,40Bとを介して扁平に捲回された形態の電極体(捲回電極体)80が、図示しない非水電解質とともに収容される。なお、捲回電極体80を構成する各部材の材料自体は、従来のリチウム二次電池に備えられる電極体と同様でよく、特に制限はない。
例えば、正極シート10の正極集電体12は、アルミニウム箔等の金属箔によって構成される。負極シート20の負極集電体22は、銅箔等の金属によって構成される。これら箔状集電体の厚みは特に限定されないが、電池の容量密度と集電体の強度との兼ね合いから5μm〜50μm(より好ましくは8μm〜30μm)程度のものを用いることができる。
正極活物質層14の形成に用いられる正極活物質としては、従来からリチウム二次電池に用いられる物質の一種または二種以上を特に限定なく使用することができる。好適例として、リチウムニッケル酸化物(例えばLiNiO)、リチウムコバルト酸化物(例えばLiCoO)、リチウムマンガン酸化物(例えばLiMn)等のリチウムと遷移金属元素とを構成金属元素として含む酸化物(リチウム遷移金属酸化物)や、リン酸マンガンリチウム(LiMnPO)、リン酸鉄リチウム(LiFePO)等のリチウムと遷移金属元素とを構成金属元素として含むリン酸塩等が挙げられる。正極活物質層14は、粉末状の正極活物質を適当な導電材とバインダ(結着材)等とを適当な溶媒中で混合してスラリー状(ペースト状、インク状であり得る。以下同じ。)の組成物を調製し、該スラリーをシート長手方向に正極集電体12上に付与し、乾燥し、必要に応じてプレスすることにより形成することができる。特に限定するものではないが、正極活物質層14全体に占める正極活物質の割合は50質量%以上(典型的には70質量%以上100質量%未満、例えば80質量%以上99質量%以下)であることが好ましい。正極活物質層の密度は例えば2.0g/cm以上(典型的には2.5g/cm以上)であって、4.5g/cm以下(典型的には4.2g/cm以下)とすることができる。
使用される導電材としては、従来から二次電池に用いられる物質の一種または二種以上を特に限定することなく使用することができる。例えば、カーボンブラック(アセチレンブラック、ファーネスブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ランプブラック、サーマルブラック等)、コークス、黒鉛(天然黒鉛およびその改質体、人造黒鉛)、炭素繊維(PAN系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維)、ナノカーボン等の炭素材料から選択される一種または二種以上であり得る。正極活物質層14全体に占める導電材の割合は、特に限定するものではないが、例えば0.1質量%以上15質量%以下(典型的には1質量%以上10質量%以下、例えば2質量%以上6質量%以下)とすることができる。
バインダとしては、従来から非水電解質二次電池に用いられる物質の一種または二種以上を特に限定することなく使用することができる。例えば、有機溶剤系のスラリー(分散媒の主成分が有機溶媒である溶剤系スラリー)を用いて正極活物質層を形成する場合には、有機溶剤に分散または溶解するポリマー材料を好ましく採用し得る。かかるポリマー材料としては、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリ塩化ビニリデン(PVdC)、ポリエチレンオキサイド等が挙げられる。あるいは、水系のスラリーを用いて正極活物質層を形成する場合には、水に溶解または分散するポリマー材料を好ましく採用し得る。水に溶解する(水溶性の)ポリマー材料としては、例えばカルボキシメチルセルロース(CMC)、メチルセルロース(MC)、酢酸フタル酸セルロース(CAP)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)等のセルロース系ポリマー;ポリビニルアルコール(PVA);ポリメタクリル酸メチル(PMMA)等のアクリル系ポリマー、ポリウレタン等のウレタン系ポリマー;等が例示される。また、水に分散する(水分散性の)ポリマー材料としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のビニル系重合体;ポリエチレンオキサイド(PEO)、ポリエチレンオキサイド、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のエチレン系ポリマー、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重含体(PFA)等のフッ素系樹脂;酢酸ビニル共重合体;スチレンブタジエンゴム(SBR)、アクリル酸変性SBR樹脂(SBR系ラテックス)等のゴム類等が挙げられる。特に限定するものではないが、正極活物質層14全体に占めるバインダの割合は、例えば0.1質量%以上10質量%以下(好ましくは1質量%以上5質量%以下)とすることができる。
また、上記スラリーを調製するのに使用される溶媒としては、水系と有機溶剤に大別され、有機溶媒としては、例えば、アミド、アルコール、ケトン、エステル、アミン、エーテル、ニトリル、環状エーテル、芳香族炭化水素等が挙げられる。より具体的には、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、2−プロパノール、エタノール、メタノール、アセトン、メチルエチルケトン、プロペン酸メチル、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、アクリル酸メチル、ジエチルトリアミン、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン、アセトニトリル、エチレンオキシド、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレンジメチルスルホキシド、ジクロロメタン、トリクロロメタン、ジクロロエタン等が挙げられ、典型的にはNMPを用いることができる。また、水系溶媒としては、水または水を主体とする混合溶媒であることが好ましい。該混合溶媒を構成する水以外の溶媒としては、水と均一に混合し得る有機溶剤(低級アルコール、低級ケトン等)の一種または二種以上を適宜選択して用いることができる。
正極活物質層形成用スラリーの固形分濃度(NV)は50質量%〜80質量%(例えば55質量%〜70質量%)程度とすることができる。
一方、負極活物質層24の形成に用いられる負極活物質としては、従来からリチウム二次電池に用いられる物質の一種または二種以上を特に限定なく使用することができる。好適例として、グラファイトカーボン、アモルファスカーボン等の炭素系材料、リチウム遷移金属酸化物、リチウム遷移金属窒化物等が挙げられる。負極活物質層24は、粉末状の負極活物質と適当なバインダ等を上記したような適当な溶媒中で混合してスラリー状組成物を調製し、該スラリーをシート長手方向に負極集電体22上に付与し、乾燥し、必要に応じてプレスすることによって正極活物質層14と同様に形成することができる。特に限定するものではないが、負極活物質層24全体に占める負極活物質の割合は通常は凡そ50質量%以上とすることが適当であり、好ましくは凡そ90質量%〜99質量%(例えば凡そ95質量%〜99質量%)である。負極活物質層24の密度は、例えば1.0g/cm以上(典型的には1.2g/cm以上、例えば1.3g/cm以上)であって、1.5g/cm以下とすることができる。
バインダとしては、上記の正極活物質層形成用のバインダとして例示したポリマー材料から適当なものを選択することができる。例えば、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等が例示される。負極活物質層24全体に占めるバインダの割合は、特に限定されないが、例えば1質量%〜10質量%(好ましくは2質量%〜5質量%)とすることができる。
また、セパレータシート40A,40Bの基材42A,42Bとしては、従来から二次電池に用いられるものと同様の各種の合成樹脂製多孔質シートを用いることができる。例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエステル、セルロース、ポリアミド等の合成樹脂から成る多孔質樹脂シート(フィルム)が挙げられる。特に、ポリオレフィン系多孔質樹脂シートが好ましい。セパレータシート40A,40B(基材42A,42B)は、単層構造であってもよく、二層以上の多層構造(例えば、厚み方向にポリエチレン層の両面にポリプロピレン層が積層されたPP−PE−PP三層構造)であってもよい。本実施形態に係るセパレータシート40A,40Bの構成の詳細については後述する。
図示されるように、正極シート10は、捲回軸方向(幅方向)の両端のうちの一方の端部において、正極活物質層(正極合材層)14が形成されていない正極活物質非形成部16がシート長手方向に形成されている。即ち、正極活物質非形成部16は、正極集電体12が表面に露出するように形成されている。
同様に、負極シート20は、捲回軸方向(幅方向)の両端のうちの他方の端部において、負極活物質層(負極合材層)24が形成されていない負極活物質非形成部26がシート長手方向に形成されている。即ち、負極活物質非形成部26は、負極集電体22が表面に露出するように形成されている。
そして、正極活物質層非形成部16が負極シート20からはみ出た状態、且つ、負極活物質層非形成部26が正極シート10からはみ出た状態となるように、これら正極シート10、負極シート20、セパレータシート40A,40Bを重ね合わせつつ扁平形状に捲回することによって、本実施形態に係る捲回電極体80が形成される。
電池ケース50に収容された捲回電極体80には、正極集電体12の正極活物質層非形成部16に正極集電板74が、負極集電体22の負極活物質層非形成部26に負極集電板76がそれぞれ付設され、上記正極端子70および上記負極端子72とそれぞれ電気的に接続されている。
電池ケース50の内部には、電池ケースの内圧上昇により作動する電流遮断機構30が設けられている。電流遮断機構30は、電池ケース50の内圧が上昇した場合に少なくとも一方の電極端子から電極体80に至る導電経路(例えば、充電経路)を切断するように構成されていればよく、特定の形状に限定されない。例えば図2に示す実施形態では、電流遮断機構30は蓋体54に固定した正極端子70と電極体80との間に設けられ、電池ケース50の内圧が上昇した場合に正極端子70から電極体80に至る導電経路を切断するように構成されている。
具体的には、上記電流遮断機構30は、例えば第一部材32と第二部材34とを含み得る。そして、電池ケース50の内圧が上昇した場合に第一部材32および第二部材34の少なくとも一方が変形して他方から離隔することにより上記導電経路を切断するように構成されている。この実施形態では、第一部材32は変形金属板であり、第二部材34は上記変形金属板32に接合された接続金属板である。変形金属板(第一部材)32は、中央部分が下方へ湾曲したアーチ形状を有し、その周縁部分が集電リード端子35を介して正極端子70の下面と接続されている。また、変形金属板32の湾曲部分33の先端が接続金属板34の上面と接合されている。接続金属板34の下面(裏面)には正極集電板74が接合され、かかる正極集電板74が電極体80の正極10に接続されている。このようにして、正極端子70から電極体80に至る導電経路が形成されている。
また、電流遮断機構30は、プラスチック等により形成された絶縁ケース38を備えている。該絶縁ケース38は、変形金属板32を囲むように設けられ、変形金属板32の上面を気密に密閉している。この気密に密閉された湾曲部分33の上面には、電池ケース50の内圧が作用しない。また、絶縁ケース38は、変形金属板32の湾曲部分33を嵌入する開口部を有しており、該開口部から湾曲部分33の下面を電池ケース50の内部に露出している。この電池ケース50の内部に露出した湾曲部分33の下面には、電池ケース50の内圧が作用する。かかる構成の電流遮断機構30において、電池ケース50の内圧が高まると、該内圧が変形金属板32の湾曲部分33の下面に作用し、下方へ湾曲した湾曲部分33が上方へ押し上げられる。この湾曲部分33の上方への押し上げは、電池ケース50の内圧が上昇するに従い増大する。そして、電池ケース50の内圧が設定圧力を超えると、湾曲部分33が上下反転し上方へ湾曲するように変形する。かかる湾曲部分33の変形によって、変形金属板32と接続金属板34との接合点36が切断される。このことにより、正極端子70から電極体80に至る導電経路が切断され、過充電電流が遮断されるようになっている。
なお、電流遮断機構30は正極端子70側に限らず、負極端子72側に設けてもよい。また、電流遮断機構30は、上述した変形金属板32の変形を伴う機械的な切断に限定されず、例えば、電池ケース50の内圧をセンサで検知し、該センサで検知した内圧が設定圧力を超えると充電電流を遮断するような外部回路を電流遮断機構として設けることもできる。
使用される電解質(電解液)としては、従来からリチウム二次電池に用いられるものと同様の一種または二種以上のものを特に限定なく使用することができる。かかる電解質は、典型的には、適当な非水溶媒に支持塩(典型的には、リチウム塩)を含有させた組成を有するが、液状の電解質にポリマーが添加され固体状(典型的には、いわゆるゲル状)となったものでもよい。
該非水溶媒としては、カーボネート類、エステル類、エーテル類、ニトリル類、スルホン類、ラクトン類等の非プロトン性溶媒を用いることができる。例えば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ジエチレングリコール、ジメチルエーテル、エチレングリコール、ジメチルエーテル、アセトニトリル、プロピオニトリル、ニトロメタン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、γ−ブチロラクトン等が挙げられる。なかでも比誘電率の高いECや、標準酸化電位が高い(即ち、電位窓の広い)DMCおよびEMC等のカーボネート類を好ましく用いることができる。例えば、非水溶媒として一種または二種以上のカーボネート類を含み、それらカーボネート類の合計体積が非水溶媒全体の体積の60体積%以上(より好ましくは75体積%以上、さらに好ましくは90体積%以上であり、実質的に100体積%であってもよい。)を占める非水溶媒を好ましく用いることができる。
支持塩としては、二次電池の支持電解質として機能し得ることが知られている各種の材料を適宜採用することができる。例えばLiPF、LiBF、LiClO、LiN(SOCF、LiN(SO、LiCFSO、LiCSO、LiC(SOCF、LiClO等のリチウム二次電池の支持電解質として機能し得ることが知られている各種のリチウム塩から選択される一種または二種以上を用いることができ、なかでもLiPFを好ましく用いることができる。支持塩の濃度は特に制限されないが、極端に低すぎると電解質に含まれるリチウムイオンの量が不足しイオン伝導性が低下する傾向がある。またかかる濃度が極端に高すぎると電解質の粘度が高くなりすぎてイオン伝導性が低下する傾向がある。このため、該支持塩の濃度は例えば、凡そ0.1mol/L〜2mol/L(好ましくは、凡そ0.8mol/L〜1.5mol/L)程度で含有させることが好ましい。
電解質には、各種の添加剤を含有させることができる。例えば、過充電防止剤として、酸化電位がリチウム二次電池の稼動電圧以上(例えば、4.2Vで満充電となるリチウム二次電池の場合は、4.2V以上)であって、酸化されると大量のガスを発生するような化合物を特に限定なく用いることができる。例えば、4.2Vで満充電状態となるリチウム二次電池においては、酸化反応電位が4.6V以上4.9V以下の範囲のものが好ましく用いられる。例えば、ビフェニル化合物、シクロアルキルベンゼン化合物、アルキルベンゼン化合物、有機リン化合物、フッ素原子置換芳香族化合物、カーボネート化合物、環状カルバメート化合物、脂環式炭化水素等が挙げられる。より具体的には、ビフェニル(BP)、アルキルビフェニル、ターフェニル、2−フルオロビフェニル、3−フルオロビフェニル、4−フルオロビフェニル、4、4’−ジフルオロビフェニル、シクロヘキシルベンゼン(CHB)、trans−ブチルシクロヘキシルベンゼン、シクロペンチルベンゼン、t−ブチルベンゼン、t−アミノベンゼン、o−シクロヘキシルフルオロベンゼン、p−シクロヘキシルフルオロベンゼン、トリス−(t−ブチルフェニル)ホスフェート、フェニルフルオライド、4−フルオロフェニルアセテート、ジフェニルカーボネート、メチルフェニルカーボネート、ビスターシャリーブチルフェニルカーボネート、ジフェニルエーテル、ジベンゾフラン、等が挙げられる。特に、シクロヘキシルベンゼン(CHB)およびシクロヘキシルベンゼン誘導体が好ましく用いられる。使用する電解液100質量%に対する過充電防止剤の使用量は、例えば凡そ0.01〜10質量%、好ましくは0.1〜5質量%程度とすることができる。
さらに、電解質中には、各種添加剤(例えば電池の性能を向上させ得る添加剤。具体的には、ビニレンカーボネート(VC)、フルオロエチレンカーボネート(FEC)等)を適宜添加することもできる。
以下、本実施形態に係る捲回電極体80を構成するセパレータシート40A,40Bについて、より詳細に説明する。
図3および図4に示すように、本実施形態に係る二次電池100の捲回電極体80には、2枚の長尺シート状セパレータ(セパレータシート)40A,40Bが使用されている。上述のとおり、これらセパレータシート40A,40Bの基材42A,42Bは、ポリオレフィン系の合成樹脂(例えばPP−PE−PPの三層構造体)から成る。
そして、ここで開示される二次電池100では、セパレータシート40A,40Bの基材42A,42Bの一方の表面において、捲回軸方向(幅方向)に所定の幅で無機フィラーを含む多孔質耐熱層(Heat Resistance Layer:即ち「HRL」ともいう。)44A,44Bが形成されている。具体的には、図3に示すように、本実施形態に係るセパレータシート40A,40Bでは、捲回中心に向く側(即ち捲回した際に内面となる側)の表面に多孔質耐熱層44A,44Bが形成されている。
かかる多孔質耐熱層44A,44Bを形成する方法は、従来と同様でよく本発明の実施にあたって特別な処理を要しない。例えば無機フィラーとバインダ等とを適当な溶媒中で混合してなるスラリー状組成物を、基材42A,42B上に塗布する方法を採用することができる。
無機フィラーとしては、種々の無機化合物の粒子を採用することができる。例えば、金属元素または非金属元素の酸化物、炭化物、珪化物、窒化物等から選択される一種または二種以上であり得る。より具体的には、酸化アルミニウム(アルミナ:Al)、二酸化ジルコニウム(ジルコニア:ZrO)、酸化マグネシウム(マグネシア:MgO)、酸化ケイ素(シリカ:SiO)、酸化チタン(チタニア:TiO)、酸化セリウム(セリア:CeO)、酸化イットリウム(イットリア:Y)、チタン酸バリウム(BaTiO)等の酸化物系材料;コーディエライト(2MgO・2Al・5SiO)、ムライト(3Al・2SiO)、フォルステライト(2MgO・SiO)、ステアタイト(MgO・SiO)、サイアロン(Si・Al)、ジルコン(ZrO・SiO)、フェライト(MO・Fe)等の複合酸化物系材料;窒化ケイ素(シリコンナイトライド:Si)、窒化アルミニウム(アルミナイトライド:AlN)等の窒化物系材料;炭化ケイ素(シリコンカーバイド:SiC)等の炭化物系材料;ハイドロキシアパタイト等の水酸化物系材料;炭素(C)、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)、鉄(Fe)等の元素系材料;もしくはこれらを一種以上含む複合材料が挙げられる。なかでもアルミナ、マグネシア、ジルコニア、シリカ、ベーマイト、チタニアのうち少なくとも1種を含んでいることが好ましい。上記化合物は、融点が高く、耐熱性や化学的安定性に優れる。また比較的安価なため、原料コストを抑えることができる。無機フィラーのD50粒径は、例えば0.1μm以上15μm以下(典型的には0.2μm以上1.5μm以下)であり得る。多孔質耐熱層に含まれる無機フィラー割合は、特に限定されないが、50質量%以上(典型的には85質量%以上、例えば90質量%以上)であって、99.9質量%以下(例えば99質量%以下)とすることができる。
多孔質耐熱層44A,44Bは、典型的には、無機フィラーの他にバインダ(ポリマー成分)を含む。バインダとしては、例えば、上述した電極活物質層形成用スラリーに配合され得るバインダや、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム(NBR)、アクリロニトリル−イソプレン共重合体ゴム(NIR)、アクリロニトリル−ブタジエン−イソプレン共重合体ゴム(NBIR)等の共重合成分としてアクリロニトリルを含むゴム類;アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステル(例えばアルキルエステル)を主な共重合成分とするアクリル系ポリマー等から適宜選択し使用することができる。これらのポリマーの中でも、アクリル樹脂をベースとするアクリル系ポリマーは強結着力を有するとともに電気化学的にも安定であり、好ましく用いることができる。なお、かかるアクリル系ポリマーは、1種類のホモポリマー(例えば、ポリメタクリル酸メチル)からなるものであっても、2種以上のメタクリル酸やアクリル酸の共重合体(例えば、メチルメタクリレート−ブチルアクリレートコポリマー)、あるいはメタクリル酸やアクリル酸とその他のモノマーの共重合体(例えば、メチルアクリレート−エチレンコポリマー)からなるものであっても、複数種のホモポリマーやコポリマーの混合物からなるものであってもよい。
セパレータシート40A,40Bの総厚み(基材42A,42Bと多孔質耐熱層44A,44Bとの合計の厚み)は特に限定されないが、例えば10μm以上50μm以下(典型的には10μm以上40μm以下)とすることができる。また、多孔質耐熱層44A,44Bの厚みは、例えば2μm以上20μm以下(典型的には3μm以上15μm以下)とすることができる。また、セパレータシート40A,40B全体の気孔率(空隙率)は特に限定されないが、例えば20体積%以上90体積%以下(典型的には30体積%以上80体積%以下、例えば35体積%以上70体積%以下)程度とすることができる。
図3,図4(説明の便宜上、外側のセパレータ40Bは図示していない。)に示すように、本実施形態に係るセパレータシート40A,40Bは、捲回軸方向(幅方向)の両端において、多孔質耐熱層44A,44Bが形成されていないセパレータ基材露出部46A,46Bがシート長手方向に形成されている。
具体的には、捲回軸方向において、対向する正極活物質層14または負極活物質層24の全体を包含し得る幅寸法に多孔質耐熱層44A,44Bが形成されているとともに、その両端には所定の幅寸法(L)にてセパレータ基材露出部46A,46Bがシート長手方向に形成されている。
ここでセパレータ基材露出部46A,46Bは、正極活物質層14や負極活物質層24とは重ならず、常に正極活物質層非形成部16および負極活物質層非形成部26のうちの何れか一方と対向する位置に形成される。換言すれば、セパレータシート40A,40B全体の幅寸法は、幅方向の両端(即ちセパレータ基材露出部46A,46Bのエッジ部)が正極活物質層非形成部16または負極活物質層非形成部26に接触可能に規定される。このようにセパレータシート40A,40Bの幅寸法を規定し且つセパレータ基材露出部46A,46Bを両端に設けることによって、捲回電極体80において当該セパレータ基材露出部46A,46Bと対向する正負いずれかの活物質層非形成部16,26(即ち集電体12,22)とを直接接触させて該接触部位において高い摩擦力を発揮させることができる。これにより、捲回電極体80の構築時或いは電池使用後において捲回電極体80にズレや座屈が発生するのを抑制することができる。
好ましくは、図示されるように、セパレータ基材露出部46A,46Bは、対向する正極活物質層非形成部16または負極活物質層非形成部26の幅寸法の半分よりも活物質層14,24寄りの部位に配置されるように形成される。活物質層非形成部16,26の比較的中央寄り(即ち活物質層14,24寄り)の部位に接触可能にセパレータ基材露出部46A,46Bを配置させることにより、当該活物質層非形成部16,26における外部接続用の端子70,72(具体的には該端子に連なる集電板74,76)の接続を妨害することなく上記摩擦力の向上を実現することができる。
捲回電極体80のサイズにもよるので特に限定はしないが、セパレータ基材露出部46A,46Bの幅寸法(L)は、1mm以上(例えば1〜3mm程度)が好ましい。このような寸法でセパレータ基材露出部46A,46Bをセパレータシート40A,40Bの両端に設けることによって、セパレータシート40A,40Bと電極シート10,20との間の摩擦力をより高めることができる。また、セパレータ基材露出部46A,46Bの幅寸法(L)は、対向する電極活物質層非形成部16,26の幅寸法の2分の1以下(より好ましくは3分の1以下、特には4分の1以下)程度にすることが好ましい。あまり幅寸法(L)が大きいと、対向する電極活物質層非形成部16,26における外部接続用端子70,72(具体的には該端子に連なる集電板74,76)の接続に支障を来すため好ましくない。
なお、本実施形態に係るセパレータシート40A,40Bでは、幅方向の両端にほぼ同じ幅寸法のセパレータ基材露出部46A,46Bが形成されているが、上記摩擦力の向上が実現され得る限り、両端のセパレータ基材露出部46A,46Bが同じ幅寸法である必要はなく、相互に異なる幅寸法であってもよい。
また、本実施形態に係るセパレータシート40A,40Bは、一方の表面(捲回内面側)に多孔質耐熱層44A,44Bが形成されているが、両面に多孔質耐熱層44A,44Bが形成されているものであってもよい。
上述したように、ここで開示される二次電池100は、捲回電極体80の構築時或いは電池使用後において捲回電極体80にズレや座屈が発生するのを防止し、捲回電極体80の高い剛性を維持し、サイクル特性その他の電池特性に優れるため、電気自動車やハイブリッド自動車等の車両1(図6)の駆動用電源として好適である。
図5は、かかる二次電池(単電池)100が直列および/または並列に接続されてなる車両1(図6)の駆動用電源として用いられ得る組電池200の一例である。ここで開示される二次電池(典型的には密閉型の非水電解質二次電池)100は、該電池(単電池)を直列および/または並列に複数個接続してなる組電池として好適に使用し得る。図5に示す形態では、組電池200は複数個(典型的には10個以上、好ましくは10〜30個程度、例えば20個)の二次電池(単電池)100を、それぞれの正極端子70および負極端子72が交互に配置されるように一つずつ反転させつつ、電池ケース50の幅広な面が対向する方向(積層方向)に配列されている。そして、当該配列された単電池100の間には所定形状の冷却板110が挟み込まれている。この冷却板110は、使用時に各単電池100内で発生する熱を効率よく放散させるための放熱部材として機能するものであって、好ましくは単電池100の間に冷却用流体(典型的には空気)を導入可能な形状(例えば、長方形状の冷却板の一辺から垂直に延びて対向する辺に至る複数の平行な溝が表面に設けられた形状)を有する。熱伝導性の良い金属製もしくは軽量で硬質なポリプロピレンその他の合成樹脂製の冷却板が好適である。
上記配列させた単電池100および冷却板110の両端には、一対のエンドプレート(拘束板)120が配置されている。また、上記冷却板110とエンドプレート120との間には、長さ調整手段としてのシート状スペーサ部材150を一枚又は複数枚挟み込んでいてもよい。上記配列された単電池100、冷却板110およびスペーサ部材150は、両エンドプレートの間を架橋するように取り付けられた締め付け用の拘束バンド130によって、該積層方向に所定の拘束圧が加わるように拘束されている。より詳しくは、拘束バンド130の端部をビス155によりエンドプレート120に締付且つ固定することによって、上記単電池等は、その配列方向に所定の拘束圧が加わるように拘束されている。これにより、各単電池100の電池ケース50の内部に収容されている捲回電極体80にも拘束圧がかかる。そして、隣接する単電池100間において、一方の正極端子70と他方の負極端子72とが、接続部材(バスバー)140によって電気的に接続されている。このように各単電池100を直列に接続することにより、所望する電圧の組電池200が構築される。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明をかかる具体例に示すものに限定することを意図したものではない。
評価試験用リチウム二次電池として、上述した図1、図2に示すような角形の電池ケースに捲回電極体が収容された構造の密閉型リチウム二次電池(リチウムイオン電池)を作製した。
<セパレータ>
先ず、セパレータにおける多孔質耐熱層を形成するための耐熱層形成用スラリーを調製した。具体的には、無機フィラーとしてのアルミナ(D50:0.9μm、BET比表面積:18m/g)と、バインダとしてのスチレンブタジエンゴム(SBR)と、増粘材としてのカルボキシメチルセルロースCMCとを、これら材料の質量比が、アルミナ:バインダ:増粘材として、97:2:1となるようにイオン交換水と混合することにより耐熱層形成用スラリーを調製した。かかるスラリーの調製には、超音波分散機(Mテクニック社製、クレアミックス)を用い、予備分散として15000rpmで5分間、本分散として20000rpmで15分間の条件で混合、混練を行った。
セパレータ基材としては、ポリプロピレン(PP)とポリエチレン(PE)からなるPP/PE/PPの三層構造の多孔質シートを用いた。この基材の幅方向の寸法は112mm、シート長は約5000mm、厚みは20μmであり、シャットダウン温度(PE層の軟化点)は128℃であった。
そしてセパレータ基材の片面に上記耐熱層形成用スラリーを一般的なグラビア塗工法により塗工した。塗工条件としては、線数:♯100本/inch、インキ保有量:19.5ml/cmのグラビアロールを用い、塗工速度を3m/分、グラビアロール速度を3.8m/分、グラビア速度/塗工速度比を1.27の条件で塗工した。次いで、塗工後のセパレータを乾燥させることで、基材の片面に多孔質耐熱層を形成した。なお、基材と多孔質耐熱層とを合わせたセパレータ全体の厚みは約25μmであった。
而して、上記塗工法により、種々の幅寸法の多孔質耐熱層をセパレータ基材の片面にシート長手方向に形成した。ここでは試験用として、以下の構成のセパレータを作製した。
(実施例1)多孔質耐熱層の幅寸法:106mm
両端のセパレータ基材露出部の幅寸法(L):各3.0mm
(実施例2)多孔質耐熱層の幅寸法:107mm
両端のセパレータ基材露出部の幅寸法(L):各2.5mm
(実施例3)多孔質耐熱層の幅寸法:108mm
両端のセパレータ基材露出部の幅寸法(L):各2.0mm
(実施例4)多孔質耐熱層の幅寸法:109mm
両端のセパレータ基材露出部の幅寸法(L):各1.5mm
(実施例5)多孔質耐熱層の幅寸法:110mm
両端のセパレータ基材露出部の幅寸法(L):各1.0mm
(比較例1)多孔質耐熱層の幅寸法:112mm
即ち基材全面に多孔質耐熱層を形成した(露出部なし)
(比較例2)多孔質耐熱層の幅寸法:104mm
両端のセパレータ基材露出部の幅寸法(L):各4.0mm
(比較例3)多孔質耐熱層の幅寸法:112mm
即ち基材全面に多孔質耐熱層を形成した(露出部なし)
<負極>
黒鉛(負極活物質)と、結着材としてのスチレンブタジエンブロック共重合体(SBR)と、増粘材としてのカルボキシメチルセルロース(CMC)とを、これら材料の質量比が100:1:1となるようにイオン交換水と混合することにより、負極活物質層形成用スラリーを調製した。また、負極集電体として、幅方向の寸法119mm、シート長4700mm、厚み14μmの銅箔を用意した。
而して、上記スラリーを、銅箔の一端に沿って未塗工部分(即ち負極活物質層非形成部)を残しつつ、単位面積あたりの負極活物質の被覆量(目付量)が両面で7.3mg/cmとなるように両面塗布し乾燥させた。乾燥後、圧延プレス機にて、負極活物質層の密度がおよそ1.0〜1.2g/cm、負極シートの厚みが150μmとなるように圧延を行った。これにより、負極活物質層の幅寸法が106mmであって負極活物質層非形成部の幅寸法が13mmである負極シートを作製した。
<正極>
一般式Li1.14Ni0.34Co0.33Mn0.33で表わされる組成を有するリチウム遷移金属複合酸化物を正極活物質として使用し、該正極活物質と、導電材としてのアセチレンブラック(AB)と、結着材としてのポリフッ化ビニリデン(PVDF)とを、これら材料の質量比が90:8:2となるようにNMP(溶媒)と混合することにより正極活物質層形成用スラリーを調製した。また、正極集電体として、幅方向の寸法116mm、シート長4500mm、厚み15μmのアルミニウム箔を用意した。
而して、上記スラリーを、アルミニウム箔の一端に沿って未塗工部分(即ち正極活物質層非形成部)を残しつつ、単位面積あたりの正極活物質の被覆量(目付量)が両面で11.2mg/cmとなるように両面塗布し乾燥させた。乾燥後、圧延プレス機にて、正極活物質層の密度がおよそ1.9〜2.3g/cm、正極シートの厚みが170μmとなるように圧延を行った。これにより、正極活物質層の幅寸法が100mmであって正極活物質層非形成部の幅寸法が16mmである正極シートを作製した。
<評価試験用電池の構築>
上記実施例1〜5および比較例1〜3のうちの何れかのセパレータシート2枚と上記正極シートおよび負極シートを1枚ずつ使用し、評価試験用のリチウム二次電池を構築した。
即ち、図3に示すようにセパレータを間に介して、正極と負極とを、互いの活物質層非形成部が反対側に位置するように、且つ、負極活物質層が正極活物質層を幅方向で覆うように積層し更にセパレータの幅方向の両端が負極活物質層および正極活物質層にかからないようにして楕円体形状に捲回し、次いで比較例3のセパレータを使用した場合を除いて室温(25℃)下にて平板等を用いて4kN/cmの圧力にて2分程度の加圧を行って扁平形状に拉げさせることで捲回型電極体を作製した。
一方、比較例3のセパレータ(即ちセパレータ基材露出部を有しないセパレータ)を使用したものについては、捲回電極体の形状維持のために80℃に捲回電極体を加熱した状態で扁平形状に拉げさせた。
上記のようにして形成した捲回電極体を非水電解液とともにアルミニウム製の角型電池ケースに収容し、封口して評価試験用リチウム二次電池を構築した。
非水電解液は、エチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とジメチルカーボネート(DMC)とを3:3:4(体積比)で混合した混合溶媒に、リチウム塩としてLiPFを1mol/Lとなるように添加し、さらにCHBおよびBPを各1質量%となるように添加することにより調製した。かかる電解液をケースに約125g注入した。かかる評価用のリチウム二次電池の電池容量は約24.0Ahであった。
なお、以下の評価試験では、使用したセパレータの種類(実施例1〜5、比較例1〜3)にそのまま対応させて、実施例1〜5或いは比較例1〜3の電池と呼称する。
<評価試験1:電池抵抗の測定>
上記電池容量の測定後、各電池の電池抵抗(内部抵抗:IV抵抗値)を測定した。具体的には、25℃の温度条件下において各電池を3.0Vまで定電流放電した後、定電流定電圧で充電を行ってSOC(state of charge)60%に調整した。その後、25℃にて1Cで10秒間の放電パルス電流を印加し、10秒目の電圧V1を測定した。その後、再びSOC60%に調整した電池に対し、パルス電流を2C、5C、10Cの順に階段状に増加させて放電と充電を交互に行い、各放電の開始から10秒後の電圧を測定し、各電池のI−V特性グラフを作成した。このI−V特性グラフの傾きから25℃におけるIV抵抗値(mΩ)を算出した。サンプル数(N)10個で測定し、その平均値を求めた。結果を表1の該当欄に示した。
<評価試験2:電池容量の確認およびサイクル容量維持率の測定>
各実施例および比較例の電池の電池容量を測定した。即ち、先ず、室温(25℃)の温度条件下において、定電流−定電圧(CCCV)方式により1C相当の電流密度で4.1Vまで充電を行い5分休止した。その後、同じ電流密度で3.0Vまで定電流放電し5分休止した。その後、CCCV充電(4.1Vまで、レートは1C、0.1Cカット)とCCCV放電(3.0Vまで、レートは1C、0.1Cカット)とを行うことで初期容量を確認した。
初期容量確認後、50℃の恒温槽中で2CのCCサイクル充放電を1000サイクル行った後、容量確認を行った。而して、1000サイクル後容量/初期容量によりサイクル容量維持率を求めた。サンプル数(N)5個で実施し、その平均値を求めた。結果を表1の該当欄に示した。
<評価試験3:保存耐久試験>
各実施例および比較例の電池を室温(25℃)の温度条件下でSOC100%に調整し、60℃の条件下で100日間保存した。
その後、上述した評価試験2と同様の電池容量の確認およびサイクル容量維持率測定を行った。サンプル数(N)50個で実施し、その平均値を求めた。結果を表1の該当欄に示した。
Figure 2014035858
表1に示すように、両端のセパレータ基材露出部がそれぞれ1〜3mmであるものは、いずれも電池抵抗(内部抵抗)が比較的低く、且つ、良好なサイクル容量維持率、保存後容量維持率を示した。
その一方、セパレータ基材露出部を有しない比較例1の電池では、サイクル中の膨張収縮によって捲回電極体内でズレ或いは座屈が生じ、結果、電極体内において未反応部分が増加して容量維持率の低下が認められた。また、上記のとおり、80℃の加熱処理を施しつつ捲回電極体を構築した比較例3の電池では、サイクル中の膨張収縮によるズレ或いは座屈は生じなかったものの上記加熱処理によってセパレータ中の多孔率が低下(即ち目詰まり)が認められ、電池抵抗の上昇、ひいてはハイレート特性の低下が認められた。
また、両端のセパレータ基材露出部がそれぞれ4mmである比較例2の電池では、捲回電極体の形状は維持されるものの、セパレータ基材露出部の一部が負極活物質層に対向してしまう、即ち負極活物質層の対向部分に多孔質耐熱層が存在しない部分が生じ、結果、正負極間が狭くなるとともに幅方向の端部において好ましくない部分が生じ、容量低下を招く。
以上の実施例から明らかなように、ここで開示される二次電池(捲回電極体)によると、多孔質耐熱層を設けたことにより電池内がセパレータ軟化点以上に過熱された場合等のセパレータ溶融による内部短絡を防止するとともに、当該セパレータと電極との摩擦力低下に因るズレや座屈の発生を防止することができる。また、充放電の繰り返しによる捲回電極体の膨張収縮時にズレや座屈が生じて電池性能を低下させることを未然に防止して高い電池特性(例えばサイクル特性)を維持することができる。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
1 車両
10 正極シート
12 正極集電体
14 正極活物質層
16 正極活物質層非形成部
20 負極シート
22 負極集電体
24 負極活物質層
26 負極活物質層非形成部
40A,40B セパレータシート
42A,42B 基材
44A,44B 多孔質耐熱層(HRL)
46A,46B セパレータ基材露出部
50 電池ケース
52 ケース本体
70 正極端子
72 負極端子
74 正極集電板
76 負極集電板
80 捲回電極体
100 二次電池(リチウム二次電池)
200 組電池

Claims (5)

  1. 長尺シート状の正極集電体および負極集電体の各表面にそれぞれ正極活物質層および負極活物質層が形成された正極および負極を長尺シート状のセパレータと共に捲回してなる捲回電極体と、
    該捲回電極体および電解質を収容するケースと、
    を備える二次電池であって、
    前記捲回電極体における捲回軸方向の両端のうちの一方の端部は前記正極活物質層の形成されていない正極活物質層非形成部が負極からはみ出た状態で積層されて構成され、且つ、該両端のうちの他方の端部は前記負極活物質層の形成されていない負極活物質層非形成部が正極からはみ出た状態で積層されて構成されており、
    前記長尺シート状セパレータは、合成樹脂製のセパレータ基材と、無機フィラーを主体とする多孔質耐熱層であって該基材の少なくとも一方の表面において該セパレータのシート長手方向に形成された多孔質耐熱層と、から構成されており、
    ここで前記セパレータの多孔質耐熱層は、捲回軸方向において、対向する前記正極活物質層または負極活物質層の全体が該耐熱層に包含され得る幅寸法に形成されており、且つ、
    前記セパレータの捲回軸方向における両端には、前記多孔質耐熱層を有しないセパレータ基材露出部であってそれぞれ対向する前記正極活物質層非形成部または負極活物質層非形成部に接触可能な位置に配置されたセパレータ基材露出部がシート長手方向に形成されている、二次電池。
  2. 前記セパレータ基材露出部は、捲回軸方向の寸法が1mm以上となるように前記セパレータの捲回軸方向における両端にそれぞれ形成されている、請求項1に記載の二次電池。
  3. 前記セパレータは、捲回軸方向の両端にある前記セパレータ基材露出部がそれぞれ対向する前記正極活物質層非形成部または負極活物質層非形成部の同方向の寸法の半分よりも前記活物質層寄りの部位に配置されるように形成されている、請求項1または2に記載の二次電池。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の二次電池を単電池とし、該単電池を相互に電気的に接続して複数個備えることを特徴とする、組電池。
  5. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の二次電池または請求項4に記載の組電池を駆動用電源として備える車両。
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