JP2014008173A - 磁気共鳴イメージング装置及び分離画像撮像方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 磁気共鳴イメージング装置を利用して、操作者が選択した複数の物質についての分離画像を撮像するためのTEを設定し、短時間で分離画像を取得する。
【解決手段】 被検体から得られる周波数スペクトル分布上で選択された周波数と水の周波数との差に基づいて複数のエコー時間を設定し、複数のエコー時間で計測された複数のエコー信号に基づいて、水の画像と、選択された周波数に対応する物質の画像又は該物質の成分が抑制された抑制画像と、のいずれかを得る。
【選択図】 図5
【解決手段】 被検体から得られる周波数スペクトル分布上で選択された周波数と水の周波数との差に基づいて複数のエコー時間を設定し、複数のエコー時間で計測された複数のエコー信号に基づいて、水の画像と、選択された周波数に対応する物質の画像又は該物質の成分が抑制された抑制画像と、のいずれかを得る。
【選択図】 図5
Description
本発明は、被検体中の核種(主に水素原子)からの核磁気共鳴信号を検出し、磁化の密度分布を画像化する核磁気共鳴イメージング(以下、MRIと略記する)装置に関し、特に、水信号とその他臨床上不要となる物質を分離して画像化する技術に関する。
MRI装置は、静磁場中に配置された被検体の原子核スピンを、そのラーモア周波数を有する高周波磁場(以下、RFと略記する)パルスを照射することによって、励起し、これによって生じる核磁気共鳴信号(以下、NMR信号又はエコー信号と略記する)を、傾斜磁場を用いて空間情報をエンコードして、受信する。そして、受信したエコー信号を逆フーリエ変換することにより、被検体の体内の形態や機能を2次元もしくは3次元で画像化する。その際、所定のパルスシーケンスに基づいて、傾斜磁場の印加タイミングやエコー信号の受信タイミングを制御して被検体を撮像することにより、所望のコントラストの画像を得る。
特に、被検体に多く含まれる脂肪組織を抑制した画像は臨床上有益であり、その撮像法は大変重要な技術である。脂肪抑制画像を得る方法として、
[1]周波数選択励起により脂肪信号のみを選択的に飽和させて、脂肪からのエコー信号を抑制する方法、
[2]反転回復法により脂肪信号を抑制する方法、
[3]水信号と脂肪信号を分離した分離画像を得ることにより、脂肪抑制画像を得る方法
が代表的なものとして挙げられる。
[1]周波数選択励起により脂肪信号のみを選択的に飽和させて、脂肪からのエコー信号を抑制する方法、
[2]反転回復法により脂肪信号を抑制する方法、
[3]水信号と脂肪信号を分離した分離画像を得ることにより、脂肪抑制画像を得る方法
が代表的なものとして挙げられる。
水信号と脂肪信号を分離できる[3]の方法としてDixon法が挙げられる。Dixon法は、スピンエコー法やグラディエントエコー法等により水組織のスピン(以下、水スピンと略記する)と脂肪組織のスピン(以下、脂肪スピンと略記する)の位相が同位相と逆位相となる時間とでそれぞれエコー信号を計測する。そして、それぞれのエコー信号を用いて再構成した同位相画像と逆位相画像との加減算を行い、水画像と脂肪画像を取得することで、水・脂肪分離画像を取得する。
この技術において(特許文献1)では、水スピンの位相と脂肪スピンとが同位相になる時点を待たずに撮像を行うことで短時間かつ高SNRな水・脂肪分離画像を得る方法を提案している。
しかし、臨床現場では脂肪だけでなくシリコンなど診断の妨げとなる物質があり、それらを分離できる方法が望まれている。
[1]のような周波数選択励起パルスによる方法では、各物質について周波数選択励起を行って撮像を行う必要があるが、ケミカルシフトが小さいと周波数スペクトルのピーク間の差が小さくなってしまうため、周波数選択励起することが難しい。また、1回の撮像で複数の物質を取り扱うことは困難であり、それにより時間を費やしてしまう。
[2]のような反転回復法では、原理上複数の物質を抑制することができない。
[3]に関わるDixon法では、主に水スピンと脂肪スピンのケミカルシフトに基づいて取得した各画像を演算処理することで脂肪抑制画像を取得しており、物質毎の分離画像や、複数の物質を抑制した抑制画像を得るものではない。
そこで、本発明の目的は、上記課題を鑑みてなされたものであり、脂肪だけでなく分離したい複数の物質(核種)について、短時間で離画像を取得することが可能なMRI装置及び分離画像撮像方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、被検体から得られる周波数スペクトル分布上で選択された周波数と水の周波数との差に基づいて複数のエコー時間を設定し、複数のエコー時間で計測された複数のエコー信号に基づいて、選択された周波数に対応する物質の画像と水の画像、又は、該物質が抑制された抑制画像、のいずれかを得る。
本発明のMRI装置および分離画像撮像方法によれば、脂肪だけでなく臨床上不要な複数の物質の分離画像が1回の撮像で取得可能となり、短時間で分離画像を取得することが可能になる。
以下、添付図面に従って本発明のMRI装置の好ましい実施例について詳説する。なお、発明の実施例を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
最初に、本発明に係るMRI装置を図1に基づいて説明する。図1は、本発明に係るMRI装置の一実施例の全体構成を示すブロック図である。
このMRI装置は、NMR現象を利用して被検体101の断層画像を得るもので、図1に示すように、静磁場発生磁石102と、傾斜磁場コイル103及び傾斜磁場電源109と、RF送信コイル104及びRF送信部110と、RF受信コイル105及び信号処理部107と、計測制御部111と、全体制御部112と、表示・操作部118と、被検体101を搭載する天板を静磁場発生磁石102の内部に出し入れするベッド106と、を備えて構成される。
静磁場発生磁石102は、垂直磁場方式であれば被検体101の体軸と直交する方向に、水平磁場方式であれば体軸方向に、それぞれ均一な静磁場を発生させるもので、被検体101の周りに永久磁石方式、常電導方式あるいは超電導方式の静磁場発生源が配置されている。
傾斜磁場コイル103は、MRI装置の実空間座標系(静止座標系)であるX、Y、Zの3軸方向に巻かれたコイルであり、それぞれの傾斜磁場コイルは、それを駆動する傾斜磁場電源109に接続され電流が供給される。具体的には、各傾斜磁場コイルの傾斜磁場電源109は、それぞれ後述の計測制御部111からの命令に従って駆動されて、それぞれの傾斜磁場コイルに電流を供給する。これにより、X、Y、Zの3軸方向に傾斜磁場Gx、Gy、Gzが発生する。
2次元スライス面の撮像時には、スライス面(撮像断面)に直交する方向にスライス傾斜磁場パルス(Gs)が印加されて被検体101に対するスライス面が設定され、そのスライス面に直交して且つ互いに直交する残りの2つの方向に位相エンコード傾斜磁場パルス(Gp)と周波数エンコード(リードアウト)傾斜磁場パルス(Gf)が印加されて、NMR信号(エコー信号)にそれぞれの方向の位置情報がエンコードされる。
2次元スライス面の撮像時には、スライス面(撮像断面)に直交する方向にスライス傾斜磁場パルス(Gs)が印加されて被検体101に対するスライス面が設定され、そのスライス面に直交して且つ互いに直交する残りの2つの方向に位相エンコード傾斜磁場パルス(Gp)と周波数エンコード(リードアウト)傾斜磁場パルス(Gf)が印加されて、NMR信号(エコー信号)にそれぞれの方向の位置情報がエンコードされる。
また、傾斜磁場コイル103には、シミング電流が供給されて静磁場不均一を低減する補償磁場を発生するシムコイルも配置されている。シムコイルは各次数の補償磁場を発生する成分コイルをそれぞれ有してなる。具体的には、2次成分(x^2、y^2、xy、yz、zx、(x^2-y^2)成分など)、或いは更なる高次成分を含んでも良い。なお、0次(Bo成分)成分はRFパルスの励起周波数f0により補償され、1次成分は傾斜磁場コイルと兼用される。
RF送信コイル104は、被検体101に照射RF磁場パルス(以下、RFパルスと略記する)を照射するコイルであり、RF送信部110に接続され高周波パルス電流が供給される。これにより、被検体101の生体組織を構成する原子のスピンにNMR現象が誘起される。具体的には、RF送信部110が、後述の計測制御部111からの命令に従って駆動されて、高周波パルスを振幅変調し、増幅した後に被検体101に近接して配置されたRF送信コイル104に供給することにより、RFパルスが被検体101に照射される。
RF受信コイル105は、被検体101の生体組織を構成するスピンのNMR現象により放出されるエコー信号を受信するコイルであり、信号処理部107に接続されて受信したエコー信号が信号処理部107に送られる。
信号処理部107は、RF受信コイル105で受信されたエコー信号の検出処理を行う。具体的には、後述の計測制御部111からの命令に従って、信号処理部107が、受信されたエコー信号を増幅し、直交位相検波により直交する二系統の信号に分割し、それぞれを所定数(例えば128、256、512等)サンプリングし、各サンプリング信号をA/D変換してディジタル量に変換する。従って、エコー信号は所定数のサンプリングデータからなる時系列のデジタルデータ(以下、エコーデータという)として得られる。そして、信号処理部107は、エコーデータに対して各種処理を行い、処理したエコーデータを計測制御部111に送る。
計測制御部111は、被検体101の断層画像の再構成に必要なエコーデータ収集のための種々の命令を、主に、傾斜磁場電源109と、RF送信部110と、信号処理部107に送信してこれらを制御する制御部である。具体的には、計測制御部111は、後述する全体制御部112の制御で動作し、ある所定のシーケンスの制御データに基づいて、傾斜磁場電源109、RF送信部110及び信号処理部107を制御して、被検体101へのRFパルスの照射及び傾斜磁場パルスの印加と、被検体101からのエコー信号の検出と、を繰り返し実行し、被検体101の撮像領域についての画像の再構成に必要なエコーデータの収集を制御する。繰り返しの際には、2次元撮像の場合には位相エンコード傾斜磁場の印加量を、3次元撮像の場合には更にスライスエンコード傾斜磁場の印加量も、変えて行なう。位相エンコードの数は通常1枚の画像あたり128、256、512等の値が選ばれ、スライスエンコードの数は、通常16、32、64等
の値が選ばれる。これらの制御により信号処理部107からのエコーデータを全体制御部112に出力する。
の値が選ばれる。これらの制御により信号処理部107からのエコーデータを全体制御部112に出力する。
全体制御部112は、計測制御部111の制御、及び、各種データ処理と処理結果の表示及び保存等の制御を行うものであって、演算処理部(CPU)114と、メモリ113と、磁気ディスク等の内部記憶部115と、外部ネットワークとのインターフェースを行うネットワークIF116と、を有して成る。また、全体制御部112には、光ディスク等の外部記憶部117が接続されていても良い。具体的には、計測制御部111を制御してエコーデータの収集を実行させ、計測制御部111からのエコーデータが入力されると、演算処理部114がそのエコーデータに印加されたエンコード情報に基づいて、メモリ113内のk空間に相当する領域に記憶させる。以下、エコーデータをk空間に配置する旨の記載は、エコーデータをメモリ113内のk空間に相当する領域に記憶させることを意味する。また、メモリ113内のk空間に相当する領域に記憶されたエコーデータ群をk空間データともいう。そして演算処理部114は、このk空間データに対して信号処理やフーリエ変換による画像再構成等の処理を実行し、その結果である被検体101の画像を、後述の表示・操作部118に表示させ、内部記憶部115や外部記憶部117に記録させたり、ネットワークIF116を介して外部装置に転送したりする。
表示・操作部118は、再構成された被検体101の画像を表示する表示部と、MRI装置の各種制御情報や上記全体制御部112で行う処理の制御情報を入力するトラックボール又はマウス及びキーボード等の操作部と、から成る。この操作部は表示部に近接して配置され、操作者が表示部を見ながら操作部を介してインタラクティブにMRI装置の各種処理を制御する。
現在MRI装置の撮像対象核種は、臨床で普及しているものとしては、被検体の主たる構成物質である水素原子核(プロトン)である。プロトン密度の空間分布や、励起状態の緩和時間の空間分布に関する情報を画像化することで、人体頭部、腹部、四肢等の形態または、機能を2次元もしくは3次元的に撮像する。
本発明のMRI装置及び分離画像撮像方法は、被検体から得られる周波数スペクトル分布を表示し、表示された周波数スペクトル分布上で、所望の周波数の選択を受け付け、選択された周波数と水の周波数との差に基づいて、所定のパルスシーケンスの複数のエコー時間を設定し、複数のエコー時間で計測された複数のエコー信号に基づいて、水の画像と、選択された周波数に対応する物質の画像又は該物質の成分が抑制された抑制画像と、のいずれかを得る。
好ましくは、複数のエコー時間は、選択された周波数に対応する物質のスピンと水のスピンとが同位相になる時間と逆位相になる時間とする。
また好ましくは、同位相となるエコー時間に計測されたエコー信号から同位相画像を再構成し、逆位相となるエコー時間に計測されたエコー信号から逆位相画像を再構成し、同位相画像と逆位相画像とに基づいて、水の画像と、選択された周波数に対応する物質の画像又は該物質の成分が抑制された抑制画像と、のいずれかを得る。
また好ましくは、各物質の画像を得る際に得られる水画像を加算して、元の水画像より高いSNRの水画像を生成する。
以下、本発明の各実施形態を詳細に説明する。なお、以降の説明において、静磁場不均一に基づく位相歪の除去については、公知技術を用いるものとして、該静磁場不均一に基づく位相歪の除去についての説明は省略する。
(第1実施形態)
本発明のMRI装置及び分離画像撮像方法についての第1実施形態を説明する。本第1実施形態は、周波数スペクトル分布上で、複数の分離したい物質(以下、分離物質と略記する)が選択されると、分離物質毎に、水と分離物質とが同位相になるエコー時間と逆位相になるエコー時間とを算出し、算出したエコー時間でそれぞれ計測されたエコー信号に基づいて同位相画像と逆位相画像とを再構成し、同位相画像と逆位相画像との演算により、水画像と、分離物質が分離された分離画像又は分離物質が抑制された抑制画像と、を取得する。
以下、図2〜7に基づいて、本第1実施形態を詳細に説明する。
本発明のMRI装置及び分離画像撮像方法についての第1実施形態を説明する。本第1実施形態は、周波数スペクトル分布上で、複数の分離したい物質(以下、分離物質と略記する)が選択されると、分離物質毎に、水と分離物質とが同位相になるエコー時間と逆位相になるエコー時間とを算出し、算出したエコー時間でそれぞれ計測されたエコー信号に基づいて同位相画像と逆位相画像とを再構成し、同位相画像と逆位相画像との演算により、水画像と、分離物質が分離された分離画像又は分離物質が抑制された抑制画像と、を取得する。
以下、図2〜7に基づいて、本第1実施形態を詳細に説明する。
(エコー時間(TE)の設定)
最初に、本第1実施形態の同位相、逆位相となるエコー時間(TE)を設定する方法について説明する。同位相となる時間Ti[s]は水と分離物質のケミカルシフトδ[ppm]、静磁場強度B0[T]、磁気回転比γ[MHz/T]を用いて式(1)のように表される。
最初に、本第1実施形態の同位相、逆位相となるエコー時間(TE)を設定する方法について説明する。同位相となる時間Ti[s]は水と分離物質のケミカルシフトδ[ppm]、静磁場強度B0[T]、磁気回転比γ[MHz/T]を用いて式(1)のように表される。
逆位相となる時間T0は、式(3)のように表される。
となる。分離物質が変わると水に対するケミカルシフトが変わるため、分離物質毎に式(2)、式(3)のδが変わることになる。静磁場強度が同じ装置では、水に対するケミカルシフトが大きいと同位相と逆位相を繰り返す時間が短くなり、逆にケミカルシフトが小さいと長くなる。
となる。分離物質が変わると水に対するケミカルシフトが変わるため、分離物質毎に式(2)、式(3)のδが変わることになる。静磁場強度が同じ装置では、水に対するケミカルシフトが大きいと同位相と逆位相を繰り返す時間が短くなり、逆にケミカルシフトが小さいと長くなる。
(分離画像又は抑制画像の生成)
次に、本第1実施形態の分離画像又は抑制画像の生成方法について説明する。
画像をI1、分離物質2の画像をI2、とすると、水と分離物質1についての同位相画像(Iip)と逆位相画像(Iop)は、それぞれ以下の様に表すことができる。
次に、本第1実施形態の分離画像又は抑制画像の生成方法について説明する。
画像をI1、分離物質2の画像をI2、とすると、水と分離物質1についての同位相画像(Iip)と逆位相画像(Iop)は、それぞれ以下の様に表すことができる。
Iip=Iw+I1+a*I2 (4)
Iop=Iw-I1+b*I2
ここで、aは、水と分離物質1とが同位相となるタイミングにおいて、水スピンと分離物質2のスピンとの間の位相を表す定数であり、水と分離物質1とを同位相にするエコー時間と分離物質2のケミカルシフトに基づいて定まる一定の値となる。同様に、bは、水と分離物質1とが逆位相となるタイミングにおいて、水スピンと分離物質2のスピンとの間の位相を表す定数であり、水と分離物質1とを逆位相にするエコー時間と分離物質2のケミカルシフトに基づいて定まる一定の値となる。
Iop=Iw-I1+b*I2
ここで、aは、水と分離物質1とが同位相となるタイミングにおいて、水スピンと分離物質2のスピンとの間の位相を表す定数であり、水と分離物質1とを同位相にするエコー時間と分離物質2のケミカルシフトに基づいて定まる一定の値となる。同様に、bは、水と分離物質1とが逆位相となるタイミングにおいて、水スピンと分離物質2のスピンとの間の位相を表す定数であり、水と分離物質1とを逆位相にするエコー時間と分離物質2のケミカルシフトに基づいて定まる一定の値となる。
上記式(4)から、水画像Iwと分離物質1の画像I1は、
Iw=(Iip+Iop)/2-[(a+b)/2]*I2 (5)
I1=(Iip-Iop)/2-[(a-b)/2]*I2
と表される。式(5)から、水画像(Iw)は、分離物質1が除去(分離)又は抑制され、|(a+b)/2|<1であることから分離物質2が抑制された画像となる。同様に、分離物質1の画像(I1)は、水が除去(分離)又は抑制され、|(a-b)/2|<1であることから分離物質2が抑制された画像となる。
Iw=(Iip+Iop)/2-[(a+b)/2]*I2 (5)
I1=(Iip-Iop)/2-[(a-b)/2]*I2
と表される。式(5)から、水画像(Iw)は、分離物質1が除去(分離)又は抑制され、|(a+b)/2|<1であることから分離物質2が抑制された画像となる。同様に、分離物質1の画像(I1)は、水が除去(分離)又は抑制され、|(a-b)/2|<1であることから分離物質2が抑制された画像となる。
以上のことは、水と分離物質2についての同位相画像と逆位相画像からも、同様に、水画像と分離物質2の分離画像を求めることができ、水画像は、分離物質2が除去(分離)又は抑制され分離物質1が抑制された画像となり、分離物質2の分離画像は、水が除去(分離)又は抑制され分離物質1が抑制された画像となる。
(各機能の説明)
最初に、本第1実施形態の分離画像撮像方法を実現するための演算処理部114の各機能を、図2の機能ブロック図を用いて説明する。本第1実施形態の演算処理部114は、周波数スペクトル分布計測部201と、周波数スペクトル分布算出部202と、ケミカルシフト算出部203と、エコー時間設定部204と、パルスシーケンス設定部205と、分離画像生成部206と、高SNR水画像生成部207と、を有してなる。
最初に、本第1実施形態の分離画像撮像方法を実現するための演算処理部114の各機能を、図2の機能ブロック図を用いて説明する。本第1実施形態の演算処理部114は、周波数スペクトル分布計測部201と、周波数スペクトル分布算出部202と、ケミカルシフト算出部203と、エコー時間設定部204と、パルスシーケンス設定部205と、分離画像生成部206と、高SNR水画像生成部207と、を有してなる。
周波数スペクトル分布計測部201は、被検体の撮像領域に含まれる物質の種類を検出するために、プリスキャンシーケンスの制御データを生成して、生成した制御データを計測制御部111に通知し、計測制御部111にプリスキャンシーケンスの実行を指示する。プリスキャンシーケンスは、被検体の撮像領域を励起して、その撮像領域からFID信号またはエコー信号を取得できるパルスシーケンスであればいずれでもよい。そして、計測制御部111は計測したFID信号又はエコー信号のデータを周波数スペクトル分布算出部202に通知する。
周波数スペクトル分布算出部202は、FID信号又はエコー信号のデータを逆フーリエ変換して周波数スペクトル分布を取得し、算出した周波数スペクトル分布を表示部に表示する。この周波数スペクトル分布の表示は、水のスペクトルに対して、他の分離物質のスペクトルを相対的に示すような表示とする。
ケミカルシフト算出部203は、表示部に表示された周波数スペクトル分布上で、操作者が操作部を介して選択指示した位置に該当する周波数を特定する。この特定した周波数と水の周波数との周波数差Δfが、ケミカルシフトδ[ppm]に基づく周波数差(=γB0δ)であることから、操作者が選択指示した周波数に対応するケミカルシフトδ=Δf/γB0を求めることができる。なお、ケミカルシフト毎に対応する分離物質を予め記憶しておく場合には、算出した周波数差に対応する分離物質を特定し、特定した分離物質についての名称や詳細なケミカルシフト情報の取得や表示部への表示を行うこともできる。
エコー時間設定部204は、ケミカルシフト算出部203で算出された周波数差Δf(=γB0δ)に基づいて、前述の式(1)〜式(3)を用いて、選択された周波数に対応する分離物質が同位相、逆位相、或いは任意位相となるエコー時間を算出する。
パルスシーケンス設定部205は、算出された各エコー時間でそれぞれエコー信号を計測するようにパルスシーケンスを設定し、設定したパルスシーケンスの制御データを生成し、生成した制御データを計測制御部111に通知して、計測制御部111に設定したパルスシーケンスを実行させる。計測制御部111は、設定された各エコー時間で計測されたエコー信号のデータを分離画像生成部206に通知する。
分離画像生成部206は、設定された各エコー時間で計測されたエコー信号のデータが充填されたk空間データを逆フーリエ変換して各エコー時間の画像をそれぞれ再構成する。そして再構成した各エコー時間の画像間で前述の演算処理を施して、分離画像又は抑制画像を取得する。
高SNR水画像生成部207は、各分離物質の分離画像を得る際に得られる水画像を加算することで、元の水画像よりも高SNRの水画像を取得する。
(処理フローの説明)
次に、上記各機能部が連携して行なう本第1実施形態の処理フローを図3に示すフローチャートに基づいて説明する。本処理フローは、予めプログラムとして内部記憶装置115に記憶されており、演算処理部114が内部記憶装置115からそのプログラムを読み込んで実行することにより実施される。以下、各処理ステップの処理内容を詳細に説明する。
次に、上記各機能部が連携して行なう本第1実施形態の処理フローを図3に示すフローチャートに基づいて説明する。本処理フローは、予めプログラムとして内部記憶装置115に記憶されており、演算処理部114が内部記憶装置115からそのプログラムを読み込んで実行することにより実施される。以下、各処理ステップの処理内容を詳細に説明する。
ステップ301で、プリスキャンにより周波数スペクトル分布が取得される。具体的には、周波数スペクトル分布計測部201は、プリスキャンの制御データを生成して、生成した制御データを計測制御部111に通知し、計測制御部111にプリスキャンの実行を指示する。そして、計測制御部111は計測したFID信号又はエコー信号のデータを周波数スペクトル分布算出部202に通知する。
ステップ302で、周波数スペクトル分布が表示部に表示される。好ましくは、この周波数スペクトル分布は、水の周波数を基準とした分離物質のケミカルシフトを表すように表示される。具体的には、周波数スペクトル分布算出部202は、ステップ301で取得されたFID信号又はエコー信号のデータを逆フーリエ変換して周波数スペクトル分布を取得し、算出した周波数スペクトル分布を表示部に表示する。
ステップ303で、操作者は、操作部を介して、ステップ302で表示部に表示された周波数スペクトル分布上で、分離物質に対応するスペクトルを選択指示する。なお、分離物質の選択は複数でもよい。そして、ケミカルシフト算出部203は、選択指示された位置に該当する周波数を特定する。この特定した周波数と水の周波数との差Δfが、ケミカルシフトδ[ppm]に基づく周波数差(γB0δ)に対応する。
ステップ304で、水の周波数を基準に選択されたスペクトル毎の回転周期が算出される。具体的には、エコー時間設定部204は、ケミカルシフト算出部203で算出された周波数差Δf(γB0δ)に基づいて、選択された分離物質毎の相対的な回転周期(T)を算出する。相対的な回転周期(T)は、
T=1/(ステップ303で求めた周波数差(Δf=γB0δ))
として求めることができる。
T=1/(ステップ303で求めた周波数差(Δf=γB0δ))
として求めることができる。
ステップ305で、エコー時間設定部204は、ステップ304で算出された分離物質毎の相対的な回転周期(T)に基づいて、式(1)、式(2)を用いて、水を基準として各分離物質が同位相となる時間(Ti)及び逆位相となる時間(To)を算出する。具体的には、NをN≧1の整数として、同位相となる時間(Ti)は、Ti=N・T、逆位相となる時間(To)は、To=(2N-1)・T/2と算出することができる。
ステップ306で、分離物質毎に以下の一連の処理(306-1〜306-3)を繰り返す。
ステップ306-1で、パルスシーケンス設定部205は、ステップ305で決定された逆位相と同位相の時間でそれぞれエコー信号を計測するようにパルスシーケンスの各エコー時間(TE)を設定し、設定したパルスシーケンスの制御データを生成し、生成した制御データを計測制御部111に通知して、計測制御部111に設定したパルスシーケンスを実行させる。
ステップ306-2で、計測制御部111は、各エコー時間(TE)で同位相、逆位相のエコー信号をそれぞれ計測し、計測したエコー信号のデータを分離画像生成部206に通知する。
ステップ306-3で、分離画像生成部206は、分離物質毎、位相毎に対応するk空間にそれぞれエコーデータを充填してk空間データを生成する。
ステップ307で、分離画像生成部206は、分離物質毎に以下の一連の処理(307-1と307-2)を繰り返す。
ステップ307-1で、ステップ306で計測されたエコー信号のデータが充填されたk空間データを用いて各エコー時間の画像を再構成する。
ステップ307-2で、再構成した各エコー時間の画像間で所定の演算処理を施して、分離画像又は抑制画像を取得する。なお、この演算処理の結果、水画像も得られる。
ステップ308で、高SNR水画像生成部207は、ステップ307で得られた水画像を加算して、元の水画像よりも高SNRな水画像を生成する。
ステップ309で、ステップ307で取得された分離画像又は抑制画像、且つ/又は、ステップ308で取得された高SNRな水画像が表示部に表示される。
以上までが、本第1実施形態の処理フローの説明である。
以上までが、本第1実施形態の処理フローの説明である。
以上説明したように、本第1実施形態のMRI装置及び分離画像撮像方法は、このように同位相、逆位相となる時間を算出し、各分離物質の同位相、逆位相のエコー信号(TE)を設定する。これにより、複数の分離物質の分離画像を得るための各k空間データを1回の撮像で取得することが可能となる。そして、各k空間データを再構成して得られたエコー時間(TE)毎の画像を用いて、前述した加減算の演算処理を行う。これにより、複数の分離物質についての分離画像又は抑制画像を1回の撮像で取得可能となり、短時間で分離画像を取得することが可能になる。また、各分離物質の分離画像を得る際に得られる水画像を加算する。これにより、高SNRな水画像を生成することができる。
(具体的実施例)
次に、本第1実施形態の具体的一例として、グラディエントエコーシーケンス(GE法)を用いて、水以外の分離物質としてシリコンと脂肪の2つとし、静磁場強度1.5Tを用いて撮像を行う場合を説明する。
次に、本第1実施形態の具体的一例として、グラディエントエコーシーケンス(GE法)を用いて、水以外の分離物質としてシリコンと脂肪の2つとし、静磁場強度1.5Tを用いて撮像を行う場合を説明する。
これらの2つの分離物質の水からのケミカルシフトは、シリコンが4.8ppm、脂肪が3.5ppmである。また、パルスシーケンスの1繰り返し時間(TR)で取得するエコー信号数は、1周期目における水との逆位相、同位相の2エコー信号とする。
まず、プリスキャンにより取得された周波数スペクトル分布(ステップ301)を表示部に表示させる(ステップ302)。図4に周波数スペクトル分布の一例を示す。横軸は周波数を、縦軸はスペクトル強度をそれぞれ表す。操作者は、操作部を介して、表示された周波数スペクトル分布上でシリコンと脂肪の2つの分離物質のピークを選択する(ステップ303)。そして、式(3)(逆位相となる時間)、式(2)(同位相となる時間)を用いて水に対する各分離物質の逆位相、同位相となる時間を求める(ステップ304、ステップ305)。本実施例では、1周期目の逆位相と同位相を用いるためN=1である。これよりシリコンと脂肪の逆位相となる時間は、それぞれ1.6msと2.2msとなり、同位相となる時間は、それぞれ3.3msと4.5msとなる。この状態の模式図を図5に示す。
図5では、水のスピン(横磁化)を点線矢印、シリコンのスピン(横磁化)を実線矢印、脂肪のスピン(横磁化)を実線丸矢印で表している。そして(a)図は、TE=1.6msで水とシリコンのスピンが逆位相となることを、(b)図は、TE=2.2msで水と脂肪のスピンが逆位相となることを、それぞれ示している。また、(c)図は、TE=3.3msで水とシリコンのスピンが同位相となることを、(d)図は、TE=4.5msで水と脂肪のスピンが同位相となることをそれぞれ示している。
そして、分離物質毎に、これらの逆位相、同位相となるエコー時間をそれぞれTE1、TE2としてグラディエントエコーシーケンスを設定する。このように設定したグラディエントエコーシーケンスの一例を図6に示す。図6で、RFはRFパルスを、GSはスライス選択傾斜磁場を、GPは位相エンコード傾斜磁場を、GRは読み出し(周波数エンコード)傾斜磁場を、Echoはエコー信号を、それぞれ表す。エコー時間TE1とTE2とで、読み出し傾斜磁場の極性を反転させて、各エコー時間でそれぞれエコー信号を計測する。つまり、1回の撮像で全てのエコー時間(TE)のデータを取得する。具体的には、TE1のエコー信号の計測を正極性の読み出し傾斜磁場で、TE2のエコー信号の計測を負極性の読み出し傾斜磁場で、それぞれ行う。
なお、読み出し傾斜磁場の極性の順序を、最初に負極性とし次に正極性とする逆の順序でもよい。そして、TE1で計測されたエコー信号のデータを、該TE1に対応するk空間に、TE2で計測されたエコー信号のデータを、該TE2に対応するk空間にそれぞれ充填する(ステップ306)。そして各k空間データをそれぞれ逆フーリエ変換して画像化し、画像データ間の前述の加減算の演算処理により、シリコンと脂肪についての分離画像又は抑制画像を取得する(ステップ307)。さらに、分離物質毎に得られた水画像を加算することで、元の水画像より高SNRな水画像も取得できる(ステップ308)。これらステップ307、308の画像化の処理フローを図7に示す。
(第2実施形態)
次に本発明のMRI装置及び分離画像取得方法の第2実施形態を説明する。本第2実施形態は、エコー信号の計測時の位相を逆位相、同位相に限定せずに、任意の位相で計測する。ただし、隣接するエコー時間(TE)間で分離物質の位相がπ異なる(つまり、位相がπ進む)ように各エコー時間(TE)を設定する。つまり、水と分離物質とが任意の位相になるエコー時間と、該任意の位相からπ進んだ位相になるエコー時間とを設定する。具体的には、第1エコー時間(TE1)時の水スピンに対する分離物質のスピンの相対位相と、第2エコー時間(TE2)時の水スピンに対する分離物質のスピンの相対位相とが、π異なるように各エコー時間を設定する。以下、図8を用いて本第2実施形態を詳細に説明する。
次に本発明のMRI装置及び分離画像取得方法の第2実施形態を説明する。本第2実施形態は、エコー信号の計測時の位相を逆位相、同位相に限定せずに、任意の位相で計測する。ただし、隣接するエコー時間(TE)間で分離物質の位相がπ異なる(つまり、位相がπ進む)ように各エコー時間(TE)を設定する。つまり、水と分離物質とが任意の位相になるエコー時間と、該任意の位相からπ進んだ位相になるエコー時間とを設定する。具体的には、第1エコー時間(TE1)時の水スピンに対する分離物質のスピンの相対位相と、第2エコー時間(TE2)時の水スピンに対する分離物質のスピンの相対位相とが、π異なるように各エコー時間を設定する。以下、図8を用いて本第2実施形態を詳細に説明する。
(任意位相とエコー時間との関係)
最初に、任意位相とエコー時間との関係について説明する。
最初に、任意位相とエコー時間との関係について説明する。
同位相、逆位相に限定せず、任意位相となるエコー時間で計測されるエコー信号を用いて分離画像を取得するために、回転周期を一般化し、位相がπ異なる2組のエコー信号を取得するものとする。任意位相θとなる時間Tm[s]は、水と分離物質のケミカルシフトδ[ppm]、静磁場強度B0[T]、磁気回転比γ[MHz/T]、位相θ[rad]を用いて、1周期目での任意位相のエコー信号は、
となる。したがって、N周期目での位相θとなる時間Tnは、式(6)と式(2)を用いて、
と表すことができる。ここで、Nは、N≧0の整数である。さらに、πだけ位相が進む時間Tn+πは
となる。
となる。したがって、N周期目での位相θとなる時間Tnは、式(6)と式(2)を用いて、
と表すことができる。ここで、Nは、N≧0の整数である。さらに、πだけ位相が進む時間Tn+πは
となる。
任意位相θは、水と分離物質のケミカルシフトと、静磁場強度と、撮像条件とに基づいて所定の値に設定してもよいが、操作者の入力を受け付けて設定してもよい。
(分離画像又は抑制画像の生成)
次に、本第2実施形態の分離画像又は抑制画像の生成方法について説明する。本第2実施形態では、第1エコー時間(TE1)での位相がθであり、その後の第mエコー時間(TEm)での位相がθ+(m-1)π(mは2以上の自然数)となることから、各エコー時間で計測される画像データには、共に同じ位相exp(iθ)が掛かる。そのため、前述の式(4)においては、この位相exp(iθ)をキャンセルして無視することができる。したがって、本第2実施形態においても、図8に示すように、前述の第1実施形態と同じ演算により分離画像又は抑制画像を生成することができる。そこで、本第2実施形態の分離画像又は抑制画像の生成方法の詳細説明を省略する。
次に、本第2実施形態の分離画像又は抑制画像の生成方法について説明する。本第2実施形態では、第1エコー時間(TE1)での位相がθであり、その後の第mエコー時間(TEm)での位相がθ+(m-1)π(mは2以上の自然数)となることから、各エコー時間で計測される画像データには、共に同じ位相exp(iθ)が掛かる。そのため、前述の式(4)においては、この位相exp(iθ)をキャンセルして無視することができる。したがって、本第2実施形態においても、図8に示すように、前述の第1実施形態と同じ演算により分離画像又は抑制画像を生成することができる。そこで、本第2実施形態の分離画像又は抑制画像の生成方法の詳細説明を省略する。
(機能ブロック)
次に、本第2実施形態の演算処理部114の各機能を説明する。本第2実施形態の演算処理部は前述の第1実施形態と同じ各機能部を有するが、エコー時間設定部204の処理内容が異なる。以下、前述の第1実施形態と異なる箇所のみを説明し、同一箇所の説明は省略する。
次に、本第2実施形態の演算処理部114の各機能を説明する。本第2実施形態の演算処理部は前述の第1実施形態と同じ各機能部を有するが、エコー時間設定部204の処理内容が異なる。以下、前述の第1実施形態と異なる箇所のみを説明し、同一箇所の説明は省略する。
エコー時間設定部204は、ケミカルシフト算出部203で算出された周波数差Δf(=γB0δ)、任意位相θとに基づいて、前述の式(6)〜式(8)を用いて、選択された周波数に対応する分離物質のスピンの位相が、第mエコー時間(TEm)においてθ+(m-1)π(mは1以上の自然数)となる各エコー時間を算出する。
(処理フロー)
次に、上述の各機能が連携して行う本第2実施形態の処理フローを説明する。本第2実施形態の処理フローは、前述の第1実施形態の処理フローと同様であるが、ステップ305、306の処理が異なる。以下、前述の第1実施形態と異なる処理内容のステップのみ説明し、同一の処理内容のステップについては説明を省略する。ただし、第2実施形態の処理ステップであることを明確にするために、ステップ番号に「CASE2」をつけて表す。
次に、上述の各機能が連携して行う本第2実施形態の処理フローを説明する。本第2実施形態の処理フローは、前述の第1実施形態の処理フローと同様であるが、ステップ305、306の処理が異なる。以下、前述の第1実施形態と異なる処理内容のステップのみ説明し、同一の処理内容のステップについては説明を省略する。ただし、第2実施形態の処理ステップであることを明確にするために、ステップ番号に「CASE2」をつけて表す。
ステップ305CASE2で、エコー時間設定部204は、ステップ304で算出された分離物質毎の相対的な回転周期(T)に基づいて、式(7)、式(8)を用いて、水を基準として各分離物質の位相がθとなる時間(Tm)及びθ+πとなるとなる時間(Tπ)を算出する。
ステップ306CASE2で、分離物質毎に一連の処理(306-1CASE2〜306-3CASE2)を繰り返す。なお、ステップ306-2CASE2はステップ306-2と、ステップ306-3CASE2はステップ306-3と同じ処理内容なので説明を省略し、ステップ306-1CASE2の処理内容のみ説明する。
ステップ306-1CASE2で、パルスシーケンス設定部205は、ステップ305CASE2で決定された分離物質の位相θとθ+πとなる時間でそれぞれエコー信号を計測するようにパルスシーケンスの各エコー時間(TE)を設定し、設定したパルスシーケンスの制御データを生成し、生成した制御データを計測制御部111に通知して、計測制御部111に設定したパルスシーケンスを実行させる。
以上までが、本第2実施形態の処理フローの説明である。
以上までが、本第2実施形態の処理フローの説明である。
以上説明したように、本第2実施形態のMRI装置及び分離画像撮像方法は、エコー信号の計測時の位相を任意位相とする。ただし、隣接するエコー時間(TE)間で分離物質のスピンの位相がπ異なるように各エコー時間(TE)を設定する。その結果、最初のエコー時間を分離物質のスピンの位相が逆位相になるまで待つ必要がなくなり、複数のエコー信号の計測を短縮することができる。それ故、前述の大実施形態よりも、撮像時間を短縮(短時間化)でき、エコー信号の減衰抑制による画像のSNR向上を図ることができる。
(具体的実施例)
次に、本第2実施形態の発明の具体的一例を説明する。なお、ステップ301CASE2からステップ303CASE2までの処理は前述の第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。
次に、本第2実施形態の発明の具体的一例を説明する。なお、ステップ301CASE2からステップ303CASE2までの処理は前述の第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。
励起後のなるべく短い時間でエコー信号を計測するために、1周期目のエコー信号を用いる。つまりN=1とする。例えば、位相がπ/4[rad]となるエコー時間でエコー信号の計測を行い、その後位相がπ[rad]進むエコー時間で再度エコー信号の計測を行う。(ただし、本第2実施形態はこれらの位相に限定されず、任意の位相で可能である。)したがって、π/4[rad]の位相となる1回目の時間は、Tπ/4=1/8γB0δとなり、その後位相がπ[rad]進んだ時間は、、Tsπ/4=5/8γB0δとなる。
この時間Tπ/4、Tsπ/4をエコー時間(TE)として設定し(ステップ304CASE2,305CASE2)、このように設定されたパルスシーケンスを用いた撮像を行う(ステップ306CASE2)。パルスシーケンスは、前述の第1実施形態と同様にグラディエントエコーシーケンス(GE法)を用いることができる。
そして、計測したエコー信号をk空間に充填(ステップ306CASE2)し、k空間データを逆フーリエ変換して画像化した後に、式(5)の演算処理を行うことで、各分離物質についての分離画像又は抑制画像を取得する(ステップ307CASE2)。これを選択した複数の分離物質についてそれぞれ行うことにより1回の撮像で、複数の物質の分離画像を取得でき、位相が逆位相、同位相となる時間を待つことなく短時間で取得が可能となる。さらに、分離物質毎に得られた水画像を加算することで、元の水画像よりも高SNRな水画像も取得できる(ステップ308CASE2)。これら307CASE2、308CASE2の画像化の処理フローを図8に示す。
101 被検体、102 静磁場発生磁石、103 傾斜磁場コイル、104 送信RFコイル、105 RF受信コイル、106 寝台、107 信号処理部、108 全体制御部、109 傾斜磁場電源、110 RF送信部、111 計測制御部111、118 表示・操作部、114 演算処理部(CPU)、115 内部記憶部、116 ネットワークIF、117 外部記憶部
Claims (6)
- 被検体から得られる周波数スペクトル分布を表示する表示部と、
表示された周波数スペクトル分布上で、所望の周波数の選択を受け付ける入力部と、
選択された周波数と水の周波数との差に基づいて、所定のパルスシーケンスの複数のエコー時間を設定するエコー時間設定部と、
前記複数のエコー時間で計測された複数のエコー信号に基づいて、水の画像と、前記選択された周波数に対応する物質の画像又は該物質が抑制された抑制画像と、のいずれかを得る分離画像作成部と、
を備えたことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。 - 請求項1記載の磁気共鳴イメージング装置において、
前記エコー時間設定部は、前記水と前記物質とが、同位相になるエコー時間と、逆位相になるエコー時間と、を設定することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。 - 請求項1記載の磁気共鳴イメージング装置において、
前記エコー時間設定部は、前記水と前記物質とが任意の位相になるエコー時間と、前記任意の位相からπ進んだ位相になるエコー時間と、を設定することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。 - 請求項1記載の磁気共鳴イメージング装置において、
前記周波数スペクトル分布上で選択された周波数毎に得られる前記水の画像を加算して、SNRを向上させた水の画像を得る高SNR水画像生成部を備えたことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。 - 被検体から得られる周波数スペクトル分布を表示する表示ステップと、
表示された周波数スペクトル分布上で、所望の周波数の選択を受け付ける入力ステップと、
選択された周波数と水の周波数との差に基づいて、所定のパルスシーケンスの複数のエコー時間を設定するエコー時間設定ステップと、
前記複数のエコー時間で計測された複数のエコー信号に基づいて、水の画像と、前記選択された周波数に対応する物質の画像又は該物質が抑制された抑制画像と、のいずれかを得る分離画像作成ステップと、
を備えたことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置における分離画像撮像方法。 - 請求項5記載の分離画像撮像方法において、
前記周波数スペクトル分布上で選択された周波数毎に得られる前記水の画像を加算して、SNRを向上させた水の画像を得るステップを備えたことを特徴とする分離画像撮像方法。
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-
2012
- 2012-06-29 JP JP2012146205A patent/JP2014008173A/ja active Pending
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