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JP2014092097A - 内燃機関の始動制御装置 - Google Patents

内燃機関の始動制御装置 Download PDF

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JP2014092097A JP2012243804A JP2012243804A JP2014092097A JP 2014092097 A JP2014092097 A JP 2014092097A JP 2012243804 A JP2012243804 A JP 2012243804A JP 2012243804 A JP2012243804 A JP 2012243804A JP 2014092097 A JP2014092097 A JP 2014092097A
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竜太 寺谷
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Abstract

【課題】Bレンジ(ブレーキレンジ)またはSSSレンジ(シーケンシャルシフトレンジ)が選択された状態でエンジンが停止した後の始動時においてNOx排出量が増加することを抑制する。
【解決手段】前回のエンジン停止時にBレンジまたはSSSレンジが選択されていた場合、今回のエンジン始動時の燃料増量値を、エンジン停止時のシフトレンジがBレンジ及びSSSレンジ以外である場合に比べて増量する。このような制御により、BレンジまたはSSSレンジが選択された状態でエンジンが停止した後の始動時に燃料噴射量を増量することができるので、エンジン始動時にNOx排出量が増加することを抑制することができる。
【選択図】図4

Description

本発明は、車両に搭載される内燃機関の始動制御装置に関し、さらに詳しくは、始動時に燃料噴射量を増量する燃料増量制御を行う内燃機関の始動制御装置に関する。
内燃機関(以下、エンジンともいう)が搭載された車両においては、エンジン始動時に燃料噴射量を一時的に増量することが行われている。このような燃料増量制御を行うことにより、エンジンの始動性を向上させることができ、また、エンジン始動時の排気エミッションの低減を図ることができる。エンジン始動時の燃料噴射量制御に関する技術として特許文献1に記載のものがある。この特許文献1に記載の技術では、前回のエンジン停止がエンジンストールによる停止である場合、始動時燃料噴射量(始動時燃料増量値)を減量することにより、始動時に混合気がオーバーリッチになることを抑制している。
一方、自動変速機等が搭載された車両やハイブリッド車両にあっては、ドライブレンジ(Dレンジ)などに加えて、そのDレンジよりもアクセルオフ時の制動力が大きい制動用レンジ(以下、Bレンジともいう)や、手動変速用レンジ(以下、シーケンシャルシフトレンジともいう)の選択が可能な車両がある。
特開平06−307270号公報 特開平06−229284号公報
ところで、エンジンが搭載された車両において、前回のエンジンの停止時に選択されていたシフトレンジによっては、次回のエンジン始動時における排気浄化触媒(三元触媒)内の触媒雰囲気がリーン雰囲気となり、エンジン始動時にNOx排出量が増加することが考えられる。特に、前回のエンジン停止時にBレンジまたはシーケンシャルシフトレンジが選択されていると、エンジン停止過程で触媒雰囲気がリーン雰囲気となり、エンジン始動時にNOx排出量が増加することが考えられる。
本発明はそのような実情を考慮してなされたもので、制動用レンジ(Bレンジ)または手動変速用レンジ(シーケンシャルシフトレンジ)が選択された状態で内燃機関が停止した後の始動時においてNOx排出量が増加することを抑制することが可能な内燃機関の始動制御装置を提供することを目的とする。
本発明は、通常の走行用レンジ(Dレンジ)よりもアクセルオフ時の制動力が大きい制動用レンジ(Bレンジ)、及び、運転者(ドライバ)による手動操作にて変速比を変更する手動変速用レンジ(シーケンシャルシフトレンジ)のいずれか一方または両方を含む複数のシフトレンジの選択が可能な車両に搭載され、機関始動時に燃料噴射量を増量する燃料増量制御を行う内燃機関の始動制御装置を前提としている。このような内燃機関の始動制御装置において、前回の内燃機関の停止時に前記制動用レンジまたは前記手動変速用レンジが選択されていた場合、今回の内燃機関の始動時の燃料増量値を、内燃機関停止時のシフトレンジが前記制動用レンジ及び前記手動変速用レンジ以外である場合に比べて増量することを特徴としている。
本発明において、内燃機関停止時のシフトレンジが制動用レンジ及び手動変速用レンジ以外である場合の内燃機関の始動時燃料増量値は、内燃機関停止時の排気浄化触媒内の触媒雰囲気がストイキ雰囲気であるという条件で設定される。
本発明によれば、上記した特徴的構成により、制動用レンジ(Bレンジ)または手動変速用レンジ(シーケンシャルシフトレンジ)が選択された状態で内燃機関が停止した後の機関始動時に燃料噴射量を増量することができるので、始動時にNOx排出量が増加することを抑制することができる。
本発明の具体的な構成として、前回の内燃機関の停止時に制動用レンジまたは手動変速用レンジが選択されていた場合、内燃機関の始動時の水温(エンジン水温)が、NOx排出量に基づいて設定された判定値以上であることを条件に、今回の内燃機関始動時の燃料増量値の増量を行うという構成を挙げることができる。この場合、内燃機関の燃焼温度が高くなるとNOx排出量が増加する傾向にある点を考慮して、NOx排出量が大(例えばNOx排出量が許容量を超える量)となる内燃機関の水温(エンジン水温)を実験・シミュレーション等によって取得しておき、その結果を基に前記始動時水温に対する判定値を設定するようにすればよい。そして、このような構成を採用すれば、始動時燃料増量値を増量する制御をより適切に実行することができる。
本発明によれば、制動用レンジ(Bレンジ)または手動変速用レンジ(シーケンシャルシフトレンジ)が選択された状態で内燃機関が停止した後の始動時においてNOx排出量が増加することを抑制することができる。
本発明の内燃機関の始動制御装置を適用するハイブリッド車両の一例を示す概略構成図である。 図1の車両に搭載されるエンジン(内燃機関)の概略構成図である。 ECU等の制御系の構成を示すブロック図である。 エンジン始動時の燃料増量制御の一例を示すフローチャートである。 始動時燃料増量係数を求めるためのマップの一例を示す図である。 本発明の内燃機関の始動制御装置を適用する車両の他の例を示す概略構成図である。 ECU等の制御系の構成を示すブロック図である。 エンジン始動時の燃料増量制御の他の例を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
[実施形態1]
図1は本発明の内燃機関の始動制御装置を適用するハイブリッド車両の一例を示す略構成図である。
この例の車両は、FF(フロントエンジン・フロントドライブ)方式のハイブリッド車両HVであって、車両走行用の駆動力を発生するエンジン(内燃機関)1、主に発電機として機能する第1モータジェネレータMG1、主に電動機として機能する第2モータジェネレータMG2、動力分割機構3、リダクション機構4、カウンタドライブギヤ51、カウンタドリブンギヤ52、ファイナルギヤ53、デファレンシャル装置54、前輪車軸(ドライブシャフト)61L,61R、前輪(駆動輪)6L,6R、後輪(従動輪:図示せず)、及び、ECU(Electronic Control Unit)100などを備えており、このECU100により実行されるプログラムによって本発明の内燃機関の始動制御装置が実現される。
なお、ECU100は、例えば、HV(ハイブリッド)ECU、エンジンECU、バッテリECUなどによって構成されており、これらのECUが互いに通信可能に接続されている。
次に、エンジン1、モータジェネレータMG1,MG2、動力分割機構3、リダクション機構4、及び、ECU100などの各部について説明する。
−エンジン−
エンジン1の概略構成について図2を参照して説明する。なお、図2にはエンジン1の1気筒の構成のみを示している。
この例のエンジン1は、ポート噴射式4気筒ガソリンエンジンであって、その各気筒を構成するシリンダブロック1a内には上下方向に往復動するピストン1cが設けられている。ピストン1cはコネクティングロッド1eを介してクランクシャフト10に連結されており、ピストン1cの往復運動がコネクティングロッド1eによってクランクシャフト10の回転へと変換される。
クランクシャフト10にはシグナルロータ10aが取り付けられている。シグナルロータ10aの側方近傍には、クランク角を検出するクランクポジションセンサ101が配置されている。クランクポジションセンサ101は、例えば電磁ピックアップであって、クランクシャフト10が回転する際にシグナルロータ10aの歯に対応するパルス状の信号(電圧パルス)を発生する。このクランクポジションセンサ101の出力信号からエンジン回転数を算出することができる。
エンジン1のシリンダブロック1aにはエンジン冷却水の水温(エンジン水温)を検出する水温センサ104が配置されている。また、シリンダブロック1aの上端にはシリンダヘッド1bが設けられており、このシリンダヘッド1bとピストン1cとの間に燃焼室1dが形成されている。エンジン1の燃焼室1dには点火プラグ16が配置されている。点火プラグ16の点火タイミングはイグナイタ16aによって調整される。
エンジン1の燃焼室1dには吸気通路11と排気通路12とが接続されている。エンジン1の吸気通路11には、吸気を濾過するエアクリーナ18、エンジン1の吸入空気量を調整するためのスロットルバルブ13などが配置されている。スロットルバルブ13はスロットルモータ14によって駆動される。スロットルバルブ13の開度はスロットル開度センサ102によって検出される。スロットルバルブ13のスロットル開度はECU100によって駆動制御される。
上記スロットルバルブ13の制御には、例えば、エンジン回転数とドライバのアクセルペダル踏み込み量(アクセル開度)等のエンジン1の状態に応じた最適な吸入空気量(目標吸気量)が得られるようにスロットル開度を制御する電子スロットル制御が採用されている。このような電子スロットル制御では、スロットル開度センサ102を用いてスロットルバルブ13の実際のスロットル開度を検出し、その実スロットル開度が、上記目標吸気量が得られるスロットル開度(目標スロットル開度)に一致するように、スロットルバルブ13のスロットルモータ14をフィードバック制御している。
エンジン1の吸気通路11と燃焼室1dとの間に吸気バルブ11aが設けられており、この吸気バルブ11aを開閉駆動することにより、吸気通路11と燃焼室1dとが連通または遮断される。また、排気通路12と燃焼室1dとの間に排気バルブ12aが設けられており、この排気バルブ12aを開閉駆動することにより、排気通路12と燃焼室1dとが連通または遮断される。これら吸気バルブ11a及び排気バルブ12aの開閉駆動は、クランクシャフト10の回転がタイミングチェーン等を介して伝達される吸気カムシャフト11b及び排気カムシャフト12bの各回転によって行われる。
そして、吸気通路11(吸気ポート)には、燃料を噴射可能なインジェクタ(燃料噴射弁)15が配置されている。インジェクタ15は各気筒毎に設けられている。各インジェクタ15には、燃料供給系の燃料タンク(図示せず)に貯溜の燃料が供給され、これによってインジェクタ15から吸気通路11(吸気ポート)に燃料が噴射される。この噴射燃料は吸入空気と混合されて混合気となってエンジン1の燃焼室1dに導入される。燃焼室1dに導入された混合気(燃料+空気)は点火プラグ16にて点火されて燃焼・爆発する。このときに生じた高温高圧の燃焼ガスによりピストン1cが往復動され、クランクシャフト10が回転されてエンジン1の駆動力(出力トルク)が得られる。燃焼ガスは、排気バルブ12aの開弁にともない排気通路12に排出される。
排気通路12には三元触媒17が配置されている。三元触媒17においては、燃焼室1dから排気通路12に排気された排気ガス中のCO、HCの酸化及びNOxの還元が行われ、それらを無害なCO2、H2O、N2とすることで排気ガスの浄化が図られている。
そして、以上の構成のエンジン1の出力は、クランクシャフト(出力軸)10及びダンパ2を介してインプットシャフト21に伝達される(図1参照)。ダンパ2は、例えばコイルスプリング式トランスアクスルダンパであってエンジン1のトルク変動を吸収する。
−モータジェネレータ−
図1に示すように、第1モータジェネレータMG1は、インプットシャフト21に対して相対回転自在に支持された永久磁石からなるロータMG1Rと、3相巻線が巻回されたステータMG1Sとを備えた交流同期発電機であって、発電機として機能するとともに電動機(電動モータ)としても機能する。また、第2モータジェネレータMG2も同様に、インプットシャフト21に対して相対回転自在に支持された永久磁石からなるロータMG2Rと、3相巻線が巻回されたステータMG2Sとを備えた交流同期発電機であって、電動機(電動モータ)として機能するとともに発電機としても機能する。
図3に示すように、第1モータジェネレータMG1及び第2モータジェネレータMG2は、それぞれインバータ120を介してバッテリ(蓄電装置)130に接続されている。インバータ120はECU100によって制御され、そのインバータ120の制御により各モータジェネレータMG1,MG2の回生または力行(アシスト)が設定される。その際の回生電力はインバータ120を介してバッテリ130に充電される。また、各モータジェネレータMG1,MG2の駆動用電力はバッテリ130からインバータ120を介して供給される。
−動力分割機構−
図1に示すように、動力分割機構3は、複数の歯車要素の中心で自転する外歯歯車のサンギヤS3と、サンギヤS3に外接しながらその周辺を自転しつつ公転する外歯歯車のピニオンギヤP3と、ピニオンギヤP3と噛み合うように中空環状に形成された内歯歯車のリングギヤR3と、ピニオンギヤP3を支持するとともに、このピニオンギヤP3の公転
を通じて自転するプラネタリキャリアCA3とを有する遊星歯車機構によって構成されている。
プラネタリキャリアCA3はエンジン1側のインプットシャフト21に回転一体に連結されている。サンギヤS3は、第1モータジェネレータMG1のロータMG1Rに回転一体に連結されている。リングギヤR3は、カウンタドライブギヤ51、カウンタドリブンギヤ52、ファイナルギヤ53及びデファレンシャル装置54を介してドライブシャフト61,61(駆動輪6L,6R)に連結されている。
そして、このような構成の動力分割機構3において、プラネタリキャリアCA3に入力されるエンジン1の出力トルクに対して、第1モータジェネレータMG1による反力トルクがサンギヤS3に入力されると、出力要素であるリングギヤR3には、エンジン1から入力されたトルクより大きいトルクが現れる。この場合、第1モータジェネレータMG1は発電機として機能する。第1モータジェネレータMG1が発電機として機能するときには、プラネタリキャリアCA3から入力されるエンジン1の駆動力が、サンギヤS3側とリングギヤR3側とにそのギヤ比に応じて分配される。
一方、エンジン1の始動要求時にあっては、第1モータジェネレータMG1が電動機(スタータモータ)として機能し、この第1モータジェネレータMG1の駆動力がサンギヤS3及びプラネタリキャリアCA3を介してクランクシャフト10に与えられてエンジン1がクランキングされる。
また、車両の走行中にあっては、動力分割機構3において、リングギヤR3の回転速度(出力軸回転速度)が一定であるときに、第1モータジェネレータMG1の回転速度を上下に変化させることにより、エンジン1の回転速度を連続的に(無段階に)変化させることができる。つまり、動力分割機構3が変速部として機能する。
−リダクション機構−
リダクション機構4は、複数の歯車要素の中心で自転する外歯歯車のサンギヤS4と、キャリア(トランスアクスルケース)CA4に回転自在に支持され、サンギヤS4に外接しながら自転する外歯歯車のピニオンギヤP4と、ピニオンギヤP4と噛み合うように中空環状に形成された内歯歯車のリングギヤR4とを有する遊星歯車機構によって構成されている。リダクション機構4のリングギヤR4と、上記動力分割機構3のリングギヤR3と、カウンタドライブギヤ51とは互いに一体となっている。また、サンギヤS4は第2モータジェネレータMG2のロータMG2Rと回転一体に連結されている。
このリダクション機構4は、第2モータジェネレータMG2の駆動力を適宜の減速比で減速する。この減速された駆動力は、カウンタドライブギヤ51、カウンタドリブンギヤ52、ファイナルギヤ53、デファレンシャル装置54、及び、ドライブシャフト61,61を介して左右の駆動輪6L,6Rに伝達される。
−シフト操作装置及び変速モード−
本実施形態のハイブリッド車両HVには、図3に示すようなシフト操作装置9が設けられている。このシフト操作装置9は、運転席の近傍に配置され、変位操作可能なシフトレバー91が設けられている。また、シフト操作装置9には、駐車用のPレンジ(パーキングレンジ)、後進走行用のRレンジ(リバースレンジ)、中立のニュートラルレンジNレンジ(ニュートラルレンジ)、前進走行用のDレンジ(ドライブレンジ)、アクセルオフ時の制動力(エンジンブレーキ)がDレンジ(通常の走行レンジ)よりも大きな前進走行用のBレンジ(ブレーキレンジ)、及び、ドライバ(運転者)による手動操作にて変速比を変更するSレンジ(シーケンシャルシフトレンジ:以下、SSSレンジともいう)を有するシフトゲート9aが形成されており、ドライバが所望のレンジへシフトレバー91を変位させることが可能となっている。これらPレンジ、Rレンジ、Nレンジ、Dレンジ、Bレンジ、Sレンジ(下記の「+」ポジション及び「−」ポジションも含む)の各レンジ位置は、シフトポジションセンサ105によって検出される。
上記シフトレバー91が「Dレンジ」に操作されている状態では、ハイブリッドシステムは「自動変速モード」とされ、エンジン1の動作点が最適燃費動作ライン上となるように変速比が制御される電気式無段変速制御が行われる。
一方、上記シフトレバー91が「Sレンジ」に操作されている状態では、ハイブリッドシステムは「手動変速モード(シーケンシャルシフトモード)」とされる。このSレンジの前後には「+」ポジション及び「−」ポジションが設けられている。「+」ポジションは、マニュアルシフトアップを行う際にシフトレバー91が操作されるポジションであり、「−」ポジションは、マニュアルシフトダウンを行う際にシフトレバー91が操作されるポジションである。そして、シフトレバー91がSレンジにあるときに、シフトレバー91がSレンジを中立位置として「+」ポジションまたは「−」ポジションに操作(手動変速操作)されると、ハイブリッドシステムによって成立される擬似的な変速段(例えば第1モータジェネレータMG1の制御によってエンジン回転速度を調整することで成立される段階的な変速段)がアップまたはダウンされる。具体的には、「+」ポジションへの1回操作毎に変速段が1段ずつアップ(例えば1st→2nd→3rd→4th→5th→6th)される。一方、「−」ポジションへの1回操作毎に変速段が1段ずつダウン(例えば6th→5th→4th→3rd→2nd→1st)される。なお、この手動変速モードにおいて選択可能な段数は「6段」に限定されることなく、他の段数(例えば「4段」や「8段」)であってもよい。
また、運転席の前方に配設されているステアリングホイール9b(図3参照)には、パドルスイッチ9c,9dが設けられている。パドルスイッチ9c,9dの各操作信号はECU100に入力される。これらパドルスイッチ9c,9dはレバー形状とされ、手動変速モードにおいてシフトアップを要求する指令信号を出力するためのシフトアップ用パドルスイッチ9cと、シフトダウンを要求する指令信号を出力するためのシフトダウン用パドルスイッチ9dとを備えている。上記シフトアップ用パドルスイッチ9cには「+」の記号が、上記シフトダウン用パドルスイッチ9dには「−」の記号がそれぞれ付されている。そして、上記シフトレバー91が「Sレンジ」に操作されて「手動変速モード」となっている場合には、シフトアップ用パドルスイッチ9cが操作(手前に引く操作)されると、1回操作毎に変速段が1段ずつアップされる。一方、シフトダウン用パドルスイッチ9dが操作(手前に引く操作)されると、1回操作毎に変速段が1段ずつダウンされる。
このように、本実施形態におけるハイブリッドシステムでは、シフトレバー91が「Dポジション」に操作されて「自動変速モード」になると、エンジン1が効率よく運転されるように駆動制御される。具体的には、エンジン1の運転動作点が、最適燃費ライン上となるようにハイブリッドシステムが制御される。一方、シフトレバー91が「Sレンジ」に操作されて「手動変速モード(Sモード)」になると、リングギヤR3(リングギヤ軸)の回転速度に対するエンジン1の回転速度の比である変速比を、ドライバの変速操作に応じて例えば6段階(1st〜6th)に変更することが可能となる。なお、第1変速段(1st)が変速比の最も大きな変速段であり、第6変速段(6th)が変速比が最も小さな変速段である。
−パワースイッチ−
この例のハイブリッド車両HVには、ハイブリッドシステムの起動と停止とを切り替えるためのパワースイッチ106(図3参照)が設けられている。パワースイッチ106は、例えば、跳ね返り式のプッシュスイッチあって、押圧操作されるごとに、スイッチOnとスイッチOffとが交互に切り替わるようになっている。ここで、ハイブリッドシステムとは、エンジン1及びモータジェネレータMG1,MG2を走行用の駆動力源とし、そのエンジン1の運転制御、モータジェネレータMG1,MG2の駆動制御、エンジン1及びモータジェネレータMG1,MG2の協調制御などを含む各種制御を実行することによってハイブリッド車両HVの走行を制御するシステムである。
パワースイッチ106は、ドライバにより操作された場合に、その操作に応じた信号(IG−On指令信号またはIG−Off指令信号)をECU100に出力する。ECU100は、パワースイッチ106から出力された信号などに基づいてハイブリッドシステムを起動または停止する。
具体的には、ECU100は、ハイブリッド車両HVの停車中に、パワースイッチ106が操作された場合には、Pレンジで上記ハイブリッドシステムを起動する。これにより車両が走行可能な状態となる。車両が走行可能な状態とは、ECU100の指令信号により車両走行を制御できる状態であって、ドライバがアクセルオンすれば、ハイブリッド車両HVが発進・走行できる状態(Ready−On状態)のことである。なお、Ready−On状態には、エンジン1が停止状態で、第2モータジェネレータMG2でハイブリッド車両HVの発進・走行が可能な状態も含まれる。
また、ECU100は、例えば、ハイブリッドシステムが起動中で、停車時にPレンジであるときに、パワースイッチ106が操作(例えば、短押し)された場合にはハイブリッドシステムを停止する。
−ECU−
ECU100は、上記したハイブリッドシステムを実行する電子制御装置であって、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及びバックアップRAMなどを備えている。
ROMには、各種制御プログラムや、それら各種制御プログラムを実行する際に参照されるマップ等が記憶されている。CPUは、ROMに記憶された各種制御プログラムやマップに基づいて演算処理を実行する。また、RAMはCPUでの演算結果や各センサから入力されたデータ等を一時的に記憶するメモリであり、バックアップRAMはイグニッションのOFF時などにおいて保存すべきデータ等を記憶する不揮発性のメモリである。
図3に示すように、ECU100には、エンジン1の出力軸であるクランクシャフト10の回転数(エンジン回転数)を検出するクランクポジションセンサ101、スロットルバルブ13の開度を検出するスロットル開度センサ102、アクセルペダルの開度を検出するアクセル開度センサ103、エンジン水温を検出する水温センサ104、シフトポジションセンサ105、及び、パワースイッチ106などが接続されている。さらに、ECU100には、吸入空気量を検出するエアフロメータ、吸入空気温度を検出する吸気温センサ、排気ガス中のA/F(排気A/F)を検出する空燃比センサ、及び、排気ガス中の酸素濃度を検出するO2センサなどのエンジン1の運転状態を示すセンサなどが接続されており、これらの各センサからの信号がECU100に入力される。
また、ECU100には、エンジン1のスロットルバルブ13を開閉駆動するスロットルモータ14、インジェクタ15、及び、点火プラグ16(イグナイタ16a)などが接続されている。
そして、ECU100は、パワースイッチ106が操作されることによってハイブリッドシステムが起動(Ready−On)されると、例えば、アクセル開度センサ103の出力信号から得られる実際のアクセル開度Accに基づいてマップ(演算式)等を用いて要求駆動力Prを算出し、その要求駆動力Prを目標駆動力として、駆動力源であるハイブリッドシステム(エンジン1、モータジェネレータMG1,MG2)が駆動輪6L,6Rに出力する駆動力を制御する。
さらに、ECU100は、下記の「走行モード制御」、及び、「エンジン始動時の燃料増量制御(始動制御)」を実行する。
−走行モード制御−
本実施形態に係るハイブリッド車両HVにおいては、発進時や低速走行時等であってエンジン1の運転効率が悪い場合には、第2モータジェネレータMG2のみにより走行(以下、「EV走行」ともいう)を行う。また、車室内に配置された走行モード選択スイッチによってドライバがEV走行モードを選択した場合にもEV走行を行う。
一方、通常走行時には、エンジン1のみにより走行を行う(エンジン走行)。さらに、高速走行時には、バッテリ130からの電力を第2モータジェネレータMG2に供給し、この第2モータジェネレータMG2の出力を増大させて駆動輪6L,6Rに対して駆動力の追加(駆動力アシスト;力行)を行う。
また、減速時には、第2モータジェネレータMG2が発電機として機能して回生発電を行い、その回収した電力をバッテリ130に蓄える。なお、バッテリ130の充電量が低下し、充電が特に必要な場合には、エンジン1の出力を増加して第1モータジェネレータMG1による発電量を増やしてバッテリ130に対する充電量を増加する。また、低速走行時においても必要に応じてエンジン1の駆動力を増加する制御を行う場合もある。例えば、バッテリ130の充電が必要な場合や、エアコンディショナ等の補機類を駆動する場合や、エンジン1の冷却水の温度を所定温度まで上げる場合や、車両が急加速する場合等である。
さらに、本実施形態のハイブリッド車両HVにおいては、ハイブリッド車両HVの運転状態や、バッテリ130の状態などに基づいて判断されるEV走行条件が成立した場合には、燃費を向上させるために、エンジン1を停止させる。そして、その後、EV走行条件が成立しなくなった場合には、エンジン1を再始動させる。このように、ハイブリッド車両HVにおいては、パワースイッチ106がON位置であってもエンジン1は間欠運転される。なお、このようなエンジン1の間欠運転中においてエンジン停止後の再始動時のことを「間欠始動時」ともいう。
−エンジン始動時の燃料増量制御−
図1に示すハイブリッド車両HVにあっては、Ready−On後の初回のエンジン始動時にNOx排出量が増加する。すなわち、ハイブリッド車両HVでは、BレンジまたはSSSレンジが選択されている場合、車両減速時(エンジンブレーキ要求時)にフューエルカットが行われるので、BレンジまたはSSSレンジが選択されている状態でエンジン停止した場合(エンジン被駆動状態でのフューエルカットが継続された状態でピストンが停止した場合)、そのエンジン停止過程で排気A/Fがリーンとなり三元触媒17内の触媒雰囲気が過リーンとなるため、その後の初回のエンジン始動時(Ready−On後のエンジン初回始動時)にNOx排出量が増加する。
従来制御では、以上のような点については考慮されておらず、Ready−On後のエンジン初回始動時に関係なく、エンジン始動時における三元触媒17内の触媒雰囲気(始動時の触媒雰囲気)がストイキであることを条件として燃料増量量(始動時燃料増量値)を設定している。このため、上記過リーンによるNOx排出量の増加を抑制することはできない。
なお、ハイブリッド車両HVにおいてDレンジが選択されている場合には、減速時のフューエルカットは行われないので、上記触媒雰囲気の過リーンが発生することはない。また、Ready−On後の初回エンジン始動以後における間欠始動時の場合には、前回のエンジン停止時における運転状態(三元触媒17内の触媒雰囲気など)が判るので、間欠始動時に適正な始動時燃料増量値を設定することは可能である。
以上のように、ハイブリッド車両HVにあっては、Bレンジ(ブレーキレンジ)またはSSS(シーケンシャルシフトレンジ)が選択された状態でエンジン1が停止した後のエンジン初回始動時においてNOx排出量が増加するという課題があり、この課題を解決するために、本実施形態では、前回のエンジン停止時(Ready−On中の最終のエンジン停止時)にBレンジまたはSSSレンジが選択されていた場合、今回のエンジン始動時(Ready−On後のエンジン初回始動時)の燃料増量値を、エンジン停止時のシフトレンジがBレンジ及びSSSレンジ以外である場合に比べて増量するという制御を行う。その具体的な制御(エンジン始動時の燃料増量制御)について以下に説明する。
まず、エンジン始動時の燃料増量制御について説明する前に、その燃料増量制御に用いるマップについて図5(a)、(b)を参照して説明する。
図5(b)に示すマップ(テーブル)は、前回のエンジン停止時(ハイブリッド車両HVの場合は前回の最終エンジン停止時)にBレンジ及びSSSレンジ以外のシフトレンジ(例えばDレンジ)が選択されていた場合に用いる燃料増量値マップである。
この図5(b)のマップにあっては、エンジン水温(0℃、20℃、40℃、60℃、80℃、100℃、110℃)をパラメータとして始動時燃料増量係数B(B0・・B110)が設定されている。そして、この図5(b)に示すマップから始動時燃料増量係数Bを読み出して、その始動時燃料増量係数Bを基準燃料噴射量(基本燃料増量量)τBASEに乗算することによりエンジン始動時の燃料噴射量(始動時燃料増量値)を求めることができる。
基準燃料噴射量τBASEは、例えば、低温時のエンジン始動時において空燃比A/F(触媒雰囲気)をストイキ(理論空燃比)にするために必要な燃料噴射量であって、予め実験・シミュレーション等によって適合された値が設定されている。この基準燃料噴射量τBASEはECU100のROM内に記憶されている。
また、上記図5(b)のマップは、エンジン水温をパラメータとして、0℃、20℃、40℃、80℃、100℃、110℃の各温度での増量補正係数(エンジン始動時における三元触媒17内の触媒雰囲気をストイキ(もしくはリッチ)するために上記基準燃料噴射量τBASEを補正する係数)を、予め実験・シミュレーション等によって適合したものをマップ化したものであって、ECU100のROM内に記憶されている。なお、図5(b)に示すマップにおいて、エンジン水温が高くなるほど、始動時燃料増量係数Bが小さくなる傾向に設定されている。
一方、図5(a)に示すマップ(テーブル)は、前回のエンジン停止時(ハイブリッド車両HVの場合は前回の最終エンジン停止時)にBレンジまたはSSSレンジが選択されていた場合に用いる燃料増量係数マップである、
この図5(a)のマップにあっては、エンジン水温(40℃、60℃、80℃、100℃、110℃)をパラメータとして始動時燃料増量係数A(A40・・A110)が設定されている。そして、この図5(a)に示すマップから始動時燃料増量係数Aを読み出して、その始動時燃料増量係数Aを上記基準燃料噴射量τBASEに乗算することにより、エンジン始動時の燃料噴射量(始動時燃料増量値)を求めることができる。
図5(a)のマップは、BレンジまたはSSSレンジが選択された状態でエンジン1が停止した場合には三元触媒17内の触媒雰囲気がリーン雰囲気になることを考慮し、そのリーン雰囲気が緩和されてストイキ(もしくはリッチ)となるような始動時燃料増量係数(上記基準燃料噴射量τBASEを補正する係数)Aを、エンジン水温(40℃、60℃、80℃、100℃、110℃)をパラメータとして実験・シミュレーション等によって適合したものをマップ化したものであって、ECU100のROM内に記憶されている。
図5(a)のマップの始動時燃料増量係数Aの各値は、エンジン水温が同じであれば、上記図5(b)のマップの始動時燃料増量係数Bの各値よりも大きな値が設定されている(A40>B40、A60>B60、A80>B80、A100>B100、A110>B110)。具体的に、上記した実験・シミュレーション等による適合によって、図5(a)のマップの始動時燃料増量係数Aの各値が、図5(b)のマップの始動時燃料増量係数Bの各値の1.5倍の値(A40=1.5×B40、A60=1.5×B60、A80=1.5×B80、A100=1.5×B100、A110=1.5×B110)に設定されている。
したがって、図5(a)に示すマップの各始動時燃料増量係数Aを用いて燃料噴射量を算出した場合、図5(b)に示すマップの各始動時燃料増量係数Bを用いて燃料噴射量を算出した場合と比較して、エンジン始動時の燃料噴射量(始動時燃料増量値)が増量(1.5倍に増量)されることになる。
なお、上記始動時燃料増量係数Bの各値に対する始動時燃料増量係数Aの各値の倍率は「1.5」に限られることなく、他の値(倍率)を適宜に設定してもよい。
ここで、図5(a)のマップにおいて、エンジン水温が40℃よりも低い領域については始動時燃料増量係数を設定してない理由は、この実施形態1(または実施形態2)では、後述するように、エンジン水温が判定値D(D=40℃)以上であること条件(図4のステップST104または図8のステップST203)に、上記図5(a)のマップの始動時燃料増量係数Aを選択するようにしているためである。
次に、ECU100が実行するエンジン始動時の燃料増量制御について図4のフローチャートを参照して説明する。図4の制御ルーチンはECU100において所定期間ごとに繰り返して実行される。
このエンジン始動時の燃料増量制御に関する処理として、ECU100は、シフトポジションセンサ105の出力信号に基づいて、エンジン1が停止するごとに、そのエンジン停止時に選択されているシフトレンジを認識し、そのシフトレンジ情報をRAM等に記憶するという処理を実行する。
図4の制御ルーチンが開始されると、まずは、ステップST101において、エンジン1が始動(クランキング開始)したか否かを判定する。その判定結果が否定判定(NO)である場合(エンジン停止中またはエンジン運転中である場合)はリターンする。
ステップST101の判定結果が肯定判定(YES)である場合はステップST102に進む。ステップST102では、Ready−On後において初回のエンジン始動(Ready−On後のエンジン初回始動)であるか否かを判定し、その判定結果が否定判定(NO)である場合は、Ready−On中の間欠始動時であると判断してステップST120に進む。
ステップST120では、間欠始動時の始動時燃料増量係数Cを求める。具体的には、例えば、エンジン水温、排気A/F、前回運転継続時間及び運転停止経過時間などに基づいて、予め設定された間欠始動時の燃料増量係数マップを参照して、間欠始動時の始動時燃料増量係数Cを求める。なお、上記間欠始動時の始動時燃料増量係数Cを求めるマップについては、予め実験・シミュレーション等によって求められている。
次に、ステップST106において、上記ステップST120で求めた始動時燃料増量係数Cと上記基準燃料噴射量τBASEとを用い、この基準燃料噴射量τBASEに始動時燃料増量係数Cを乗算することにより、間欠始動時の燃料噴射量(始動時燃料増量値)を算出する。そして、この算出した燃料噴射量を目標燃料噴射量としてエンジン始動時(間欠始動時)の燃料噴射量を制御する。
上記ステップST102の判定結果が肯定判定(YES)である場合(Ready−On後のエンジン初回始動である場合)はステップST103に進む。ステップST103では、前回の最終エンジン停止時(Ready−On中の最終のエンジン停止時)に選択されていたシフトレンジ情報をRAM等から読み出し、その前回の最終エンジン停止時に選択されていたシフトレンジがBレンジまたはSSSレンジであるか否かを判定する。
ステップST103の判定結果が否定判定(NO)である場合、つまり、前回の最終エンジン停止時に選択されていたシフトレンジがBレンジ及びSSSレンジ以外である場合(例えばDレンジである場合)はステップST110に進む。ステップST110では、水温センサ104の出力信号から得られるエンジン水温に基づいて図5(b)のマップを参照して、始動時燃料増量係数B(B0,B20,B40,B60,B80,B100またはB110)を求める。なお、エンジン水温が図5(b)のマップ上の各ポイント間の値になるときには、線形補間処理等によって始動時燃料増量係数Bを求める。
次に、ステップST106において、上記ステップST110で求めた始動時燃料増量係数Bと上記基準燃料噴射量τBASEとを用い、この基準燃料噴射量τBASEに始動時燃料増量係数Bを乗算することにより、エンジン始動時の燃料噴射量(始動時燃料増量値)を算出する。そして、この算出した燃料噴射量を目標燃料噴射量としてエンジン始動時の燃料噴射量を制御する。
一方、上記ステップST103の判定結果が肯定判定(YES)である場合、つまり、前回の最終エンジン停止時に選択されていたシフトレンジがBレンジまたはSSSレンジである場合は、三元触媒17内の触媒雰囲気がリーン雰囲気でありNOx排出量が増加する可能性が高いと判断してステップST104に進む。
ステップST104では、水温センサ104の出力信号から得られるエンジン水温が所定の判定値D(D=40℃)以上であるか否かを判定する。このステップST104の判定結果が否定判定(NO)である場合([エンジン水温<D]である場合)は上記ステップST110の処理(始動時燃料増量係数Bの算出処理)及び上記ステップST106の処理([燃料噴射量=τBASE×始動時燃料増量係数B]の算出処理)を実行して、エンジン始動時の燃料噴射量(始動時燃料増量値)を算出する。
ここで、ステップST104の判定に用いる判定値Dについては、エンジン1の燃焼温度が高くなるとNOx排出量が増加する傾向にある点を考慮して、NOx排出量が大(例えば、NOx排出量が許容量を超える量)となるエンジン水温を実験・シミュレーション等によって取得しておき、その結果を基に判定値Dを適合すればよい。この例では、上記実験・シミュレーション等により判定値Dとして40℃が設定されている。これに限られることなく、判定値Dとして他の値(水温)を適宜に設定してもよい。
一方、上記ステップST104の判定結果が肯定判定(YES)である場合([エンジン水温≧D]である場合)はステップST105に進む。
ステップST105では、水温センサ104の出力信号から得られるエンジン水温に基づいて図5(a)のマップを参照して、始動時燃料増量係数A(A40,A60,A80,A100またはA110)を求める。なお、エンジン水温が図5(a)のマップ上の各ポイント間の値になるときには、線形補間処理等によって始動時燃料増量係数Aを求める。
次に、ステップST106において、上記ステップST105で求めた始動時燃料増量係数Aと上記基準燃料噴射量τBASEとを用い、この基準燃料噴射量τBASEに始動時燃料増量係数Aを乗算することにより、エンジン始動時の燃料噴射量(始動時燃料増量値)を算出する。このように始動時燃料増量係数Aを用いて始動時燃料増量値を算出した場合、上記始動時燃料増量係数Bを用いた場合と比較して、エンジン始動時の燃料噴射量(始動時燃料増量値)を増量することができる。そして、このようにして算出した燃料噴射量を目標燃料噴射量としてエンジン始動時の燃料噴射量を制御する。
以上のように、本実施形態によれば、前回の最終エンジン停止時にシフトレンジがBレンジまたはSSSレンジが選択されていた場合、今回のエンジン始動時(Ready−On後のエンジン初回始動時)の燃料増量値を、シフトレンジがBレンジ及びSSSレンジ以外のシフトレンジでのエンジン停止の場合(減速時フューエルカットが行われない場合でのエンジン停止の場合)と比較して増量することができるので、エンジン初回始動時においてNOx排出量が増加することを抑制することができる。
そして、このように、前回の最終エンジン停止時のシフトレンジ情報を用いて、今回のエンジン始動時(Ready−On後のエンジン初回始動時)における触媒雰囲気がリーン雰囲気になっているか否かを判定することが可能になることにより、Ready−On後のエンジン初回始動時であっても、適正な始動時燃料増量値を設定することが可能になる。
<変形例1>
以上の[実施形態1]では、前回の最終エンジン停止時のシフトレンジ情報(シフトポジションセンサ105の出力信号から得られるシフトレンジ情報)を用いて、前回の最終エンジン停止時のシフトレンジがBレンジまたはSSSレンジであるか否かを判定しているが、これに限定されない。
例えば、Ready−On後のエンジン初回始動時のシフトレンジがBレンジまたはSSSレンジであれば、前回の最終エンジン停止時もシフトレンジBレンジまたはSSSレンジである可能性が高いので、Ready−On後のエンジン初回始動時(今回のエンジン始動時)のシフトレンジ情報(シフトポジションセンサ105の出力信号から得られるシフトレンジ情報)を用いて、前回の最終エンジン停止時のシフトレンジがBレンジまたはSSSレンジであるか否かを判定するようにしてもよい。
[実施形態2]
図6は本発明の内燃機関の始動制御装置を適用する車両の他の例を示す概略構成図である。
この例の車両CVは、FF(フロントエンジン・フロントドライブ)方式の車両であって、エンジン201、トルクコンバータ202を有する自動変速機203、ドリブンギヤ204、ファイナルギヤ205、デファレンシャル装置206、ドライブシャフト207L,207R、駆動輪208L,208R、及び、ECU300などを備えており、そのECU300により実行されるプログラムによって本発明の内燃機関の始動制御装置が実現される。
次に、エンジン201、トルクコンバータ202、自動変速機203、及び、ECU300等の各部について以下に説明する。
−エンジン−
エンジン201は、上記[実施形態1]と基本的に同じ構成であり、吸入空気とインジェクタ(燃料噴射弁)215から噴射される燃料とを適宜の比率で混合した混合気を、点火プラグ216の点火によって燃焼させることにより回転動力を発生する内燃機関(ポート噴射式4気筒ガソリンエンジン)であって、吸気通路211に設けられたスロットルバルブ213のスロットル開度(吸入空気量)、燃料噴射量(インジェクタ215の噴射時期・期間)、点火プラグ216の点火時期などの運転状態を制御できるように構成されている。また、燃焼後の排気ガスは排気通路212を経て三元触媒217による浄化が行われた後に外気に放出される。三元触媒217においては、排気通路212に排気された排気ガス中のCO、HCの酸化及びNOxの還元が行われ、それらを無害なCO2、H2O、N2とすることで排気ガスの浄化が図られている。
−トルクコンバータ−
トルクコンバータは、入力軸側のポンプインペラ、出力軸側のタービンランナ、トルク増幅機能を発現するステータ、及び、ロックアップクラッチなどを備え、ポンプインペラとタービンランナとの間(エンジン201と自動変速機203との間)で流体(ATF)を介して動力伝達を行う公知の流体継手である。
−自動変速機−
自動変速機203としては、例えば、プライマリプーリ、セカンダリプーリ、及び、これらプライマリプーリとセカンダリプーリとの間に巻き掛けられたベルトなどを備え、変速比を無段階に調整するベルト式の無段変速機(CVT:Continuously Variable Transmission)が用いられている。この例の自動変速機(無段変速機)203は、ECU300の制御によって、後述する自動変速モード、及び、有段変速機と同様に予め段階的に設定された複数の変速比(変速段)を変更する手動変速モードの設定が可能となっている。
この自動変速機203の出力軸に伝達された動力(エンジン201の動力)は、出力ギヤ231、ドリブンギヤ204、ファイナルギヤ205、デファレンシャル装置206、及び、ドライブシャフト207L,207Rを介して左右の駆動輪208L,208Rに伝達される。
なお、自動変速機203については、トロイダル式の無段変速機や、クラッチ及びブレーキ等の摩擦係合装置と遊星歯車装置とを用いて変速段を設定する有段式(遊星歯車式)の自動変速機などの他の方式の自動変速機を用いてもよい。
−シフト操作装置及び変速モード−
この例の車両CVには、図7に示すようなシフト操作装置9が設けられている。このシフト操作装置9は運転席の近傍に配置されている。シフト操作装置9は、上記した[実施形態1]と基本的に同じ構成であって、変位操作可能なシフトレバー91が設けられている。また、シフト操作装置9には、駐車用のPレンジ、後進走行用のRレンジ、中立のNレンジ、前進走行用のDレンジ、アクセルオフ時の制動力がDレンジ(通常の走行レンジ)よりも大きな前進走行用のBレンジ(制動用レンジ)、及び、ドライバ(運転者)による手動操作にて変速比を変更するSレンジ(シーケンシャルシフトレンジ:以下、SSSレンジともいう)を有するシフトゲート9aが形成されており、ドライバが所望のレンジへシフトレバー91を変位させることが可能となっている。これらPレンジ、Rレンジ、Nレンジ、Dレンジ、Bレンジ、Sレンジ(下記の「+」ポジション及び「−」ポジションも含む)の各レンジ位置は、シフトポジションセンサ305によって検出される。
上記シフトレバー91がDレンジに操作されている状態では、「自動変速モード」とされ、後述するように、車速及びアクセル開度に基づいて予め設定された変速マップを参照して目標変速段を求めて、自動変速機203の変速制御を行う。
一方、シフトレバー91がSレンジに操作されたときに、手動にて変速操作を行う手動変速モード(シーケンシャルモード)が設定される。この手動変速モードにおいてシフトレバー91がアップシフト(+)またはダウンシフト(−)に操作されると、自動変速機203の前進変速段がアップまたはダウンされる。具体的には、アップシフト(+)への1回操作ごとに変速段が1段ずつアップ(例えば、1st→2nd→・・→6th)される。一方、ダウンシフト(−)への1回操作ごとに変速段が1段ずつダウン(例えば、6th→5th→・・→1st)される。なお、この手動変速モードにおいて選択可能な段数は「6段」に限定されることなく、他の段数(例えば「4段」や「8段」)であってもよい。
また、この例においては、上記した[実施形態1]と同様に、車両の運転席の前方に配設されるステアリングホイール9bに、アップシフトスイッチ9c及びダウンシフトスイッチ9dが設けられている。これらアップシフトスイッチ9c及びダウンシフトスイッチ9dの各操作信号はECU300に入力される。
そして、上記シフトレバー91が例えばSレンジに操作されている場合に、ダウンシフトスイッチ9dが操作されると、そのダウンシフトスイッチ9dの1回操作ごとに、自動変速機203の変速段(段階的に設定された複数の変速比(変速段))が1段ずつダウンされる。一方、アップシフトスイッチ9cが1回操作されるごとに、自動変速機203の変速段がアップされる。
−ECU−
ECU300は、CPU、ROM、RAM及びバックアップRAMなどを備えている。
ROMには、各種制御プログラムや、それら各種制御プログラムを実行する際に参照されるマップ等が記憶されている。CPUは、ROMに記憶された各種制御プログラムやマップに基づいて演算処理を実行する。また、RAMはCPUでの演算結果や各センサから入力されたデータ等を一時的に記憶するメモリであり、バックアップRAMはイグニッションOFF時などにおいて保存すべきデータ等を記憶する不揮発性のメモリである。
図7に示すように、ECU300には、エンジン201の出力軸であるクランクシャフト210の回転数(エンジン回転数)を検出するクランクポジションセンサ301、エンジン1のスロットルバルブ13の開度を検出するスロットル開度センサ302、アクセルペダル(図示せず)の開度を検出するアクセル開度センサ303、エンジン水温(冷却水温)を検出する水温センサ304、シフトポジションセンサ305、イグニッションスイッチ306、車体速度に応じた信号を出力する車速センサ307、及び、ブレーキペダルに対する踏力(ブレーキ踏力)を検出するブレーキペダルセンサ308などが接続されている。さらに、ECU300には、吸入空気量を検出するエアフロメータ、吸入空気温度を検出する吸気温センサ、排気ガス中のA/F(排気A/F)を検出する空燃比センサ、及び、排気ガス中の酸素濃度を検出するO2センサなどのエンジン1の運転状態を示すセンサなどが接続されており、これらの各センサからの信号がECU300に入力される。
また、ECU300には、エンジン201のスロットルバルブ213を開閉駆動するスロットルモータ214、インジェクタ215、点火プラグ(イグナイタ)216、及び、エンジン201の始動時にクランキングを行うスタータモータ218などが接続されている。
ECU300は、上記した各種センサの出力信号に基づいて、エンジン201のスロットルバルブ213の開度制御、燃料噴射量制御(インジェクタ214の開閉制御)、点火時期制御(点火プラグ216の駆動制御)などを含むエンジン201の各種制御を実行する。
また、ECU300は、車速及びアクセル開度をパラメータとし、それら車速及びアクセル開度に応じて適正な目標変速比(最適燃費となる変速段)を求めるための変速マップ(ECU300のROM内に記憶)を用い、車速センサ307の出力信号から得られる車速及びアクセル開度センサ303の出力信号から得られるアクセル開度に基づいて目標変速比を求める。そして、その実際の変速比が目標変速比となるように、それら実際の変速比と目標変速比との偏差に応じて自動変速機(無段変速機)203の変速制御を行う(自動変速モード)。また、ECU300は、シフトレバー91の操作により手動変速モードが設定されている状態では、ドライバのダウンシフト操作またはアップシフト操作に応じて自動変速機203の変速段(変速比)を変更する変速制御を行う。
さらに、ECU300は[アイドルストップ制御]及び「エンジン始動時の燃料増量制御」を実行する。
−アイドルストップ制御−
ECU300は、アイドルストップ条件(エンジン自動停止条件)が成立した場合にエンジン201を自動的に停止し、アイドルストップ解除条件(エンジン自動始動条件)が成立した場合にエンジン201を自動的に始動する、いわゆるアイドルストップ制御(エコラン制御)を実行することが可能である。
上記アイドルストップ条件としては、例えば、イグニッションスイッチ306がオン(IG−On)であること、アクセルオフ(アクセル開度センサ303の出力信号から認識)であること、ブレーキ踏力(ブレーキペダルセンサ308の出力信号から認識)が所定の判定閾値以上であること、車両停止状態(車速が0)であることを含むように設定されている。そして、このようなアイドルストップ条件が成立すると、ECU300は、燃料噴射装置(インジェクタ215)に指令を出し、燃料噴射を停止(フューエルカット)させることでエンジン201を自動停止させる(エンジン自動停止)。なお、フューエルカットに加えて、点火カットを行うようにしてもよい。
一方、上記アイドルストップ解除条件としては、アイドルストップ条件が成立した後、例えば、ブレーキペダルの踏力が緩められて、そのブレーキ踏力(ブレーキペダルセンサ308の出力信号から認識)が所定の判定閾値よりも小さくなったことを条件とする。エンジン201が自動停止している状態(アイドルストップ状態)で上記アイドルストップ解除条件が成立すると、ECU300は、インジェクタ215及びスタータモータ218に指令を出し、燃料噴射を開始させるとともに、スタータモータ218を作動させてエンジン201のクランキングを行って、エンジン201を自動的に再始動させる(エンジン自動始動)。
−エンジン始動時の燃料増量制御−
図6に示す車両CVにおいて、前回のエンジン201の停止時に選択されているシフトレンジによっては、エンジン始動時における三元触媒217内の触媒雰囲気がリーン雰囲気となり、エンジン始動時にNOx排出量が増加することが考えられる。
例えば、減速時のエンジンブレーキが大きな前進走行用のBレンジまたはSSSレンジが選択されており、減速時フューエルカットが行われている状態でエンジン201が自動停止された場合(エンジン被駆動状態でのフューエルカットが継続された状態でピストンが停止した場合)、そのエンジン停止過程で三元触媒217内の触媒雰囲気がリーン雰囲気となるため、その後のエンジン自動始動時にNOx排出量が増加することが考えられる。
なお、BレンジまたはSSSレンジは大きなエンジンブレーキ力が要求される場合に選択されるので、アクセルオフ時にフューエルカットが行われる頻度が、Dレンジが選択されている場合と比較して高くなる。
以上のような点を考慮し、この実施形態では、前回のエンジン停止時にBレンジまたはSSSレンジが選択されていた場合、今回のエンジン始動時の燃料増量値を、エンジン停止時のシフトレンジがBレンジ及びSSSレンジ以外である場合に比べて増量することで、エンジン始動時におけるNOx排出量の増加を抑制する。その具体的な制御(エンジン始動時の燃料増量制御)について以下に説明する。
図8はエンジン始動時の燃料増量制御の例を示すフローチャートである。図8の制御ルーチンはECU300において所定期間ごとに繰り返して実行される。
このエンジン始動時の燃料増量制御に関する処理として、ECU300は、シフトポジションセンサ305の出力信号に基づいて、エンジン201が停止するごとに、そのエンジン停止時に選択されているシフトレンジを認識し、そのシフトレンジ情報をRAM等に記憶するという処理を実行する。
また、この実施形態においても、上記した[実施形態1]と同様に、基準燃料噴射量τBASE([実施形態1]と同じ値)、図5(a)、(b)の始動時燃料増量係数マップ、及び、エンジン水温に対する判定値D(D=40℃)がECU300のROM内に記憶されており、それら基準燃料噴射量τBASE、図5(a)、(b)の始動時燃料増量係数マップ、及び、判定値Dを用いて制御を行う。
図8の制御ルーチンが開始されると、まずは、ステップST201において、エンジン1が始動(クランキング開始)したか否かを判定する。その判定結果が否定判定(NO)である場合(エンジン停止中またはエンジン運転中である場合)はリターンする。このステップST201の判定処理において、IG−On時のエンジン始動及びエンジン自動始動のいずれのエンジン始動も判定対象とする。
ステップST201の判定結果が肯定判定(YES)である場合はステップST202に進む。ステップST202では、前回のエンジン停止時に選択されていたシフトレンジ情報をRAM等から読み出し、その前回エンジン停止時に選択されていたシフトレンジがBレンジまたはSSSレンジであるか否かを判定する。
ステップST202の判定結果が否定判定(NO)である場合、つまり、前回エンジン停止時に選択されていたシフトレンジがBレンジ及びSSSレンジ以外である場合(例えばDレンジである場合)はステップST210に進む。
ステップST210では、水温センサ304の出力信号から得られるエンジン水温に基づいて図5(b)のマップを参照して、始動時燃料増量係数B(B0,B20,B40,B60,B80,B100またはB110)を求める。なお、エンジン水温が図5(b)のマップ上の各ポイント間の値になるときには、線形補間処理等によって始動時燃料増量係数Bを求める。
次に、ステップST205において、上記ステップST210で求めた始動時燃料増量係数Bと上記基準燃料噴射量τBASEとを用い、この基準燃料噴射量τBASEに始動時燃料増量係数Bを乗算することにより、エンジン始動時の燃料噴射量(始動時燃料増量値)を算出する。そして、この算出した燃料噴射量を目標燃料噴射量としてエンジン始動時の燃料噴射量を制御する。
一方、上記ステップST202の判定結果が肯定判定(YES)である場合、つまり、前回エンジン停止時に選択されていたシフトレンジがBレンジまたはSSSレンジである場合は、三元触媒217内の触媒雰囲気がリーン雰囲気でありNOx排出量が増加する可能性が高いと判断してステップST203に進む。
ステップST203では、水温センサ304の出力信号から得られるエンジン水温が所定の判定値D(D=40℃)以上であるか否かを判定する。このステップST203の判定結果が否定判定(NO)である場合([エンジン水温<D]である場合)は、上記ステップST210の処理(始動時燃料増量係数Bの算出処理)及び上記ステップST205の処理([燃料噴射量=τBASEと×始動時燃料増量係数B]の算出処理)を実行して、エンジン始動時の燃料噴射量(始動時燃料増量値)を算出する。
一方、上記ステップST203の判定結果が肯定判定(YES)である場合([エンジン水温≧D]である場合)はステップST204に進む。
ステップST204では、水温センサ304の出力信号から得られるエンジン水温に基づいて図5(a)のマップを参照して、始動時燃料増量係数A(A40,A60,A80,A100またはA110)を求める。なお、エンジン水温が図5(a)のマップ上の各ポイント間の値になるときには、線形補間処理等によって始動時燃料増量係数Aを求める。
次に、ステップST205において、上記ステップST204で求めた始動時燃料増量係数Aと上記基準燃料噴射量τBASEとを用い、この基準燃料噴射量τBASEに始動時燃料増量係数Aを乗算することにより、エンジン始動時の燃料噴射量(始動時燃料増量値)を算出する。このように始動時燃料増量係数Aを用いて始動時燃料増量値を算出した場合、上記始動時燃料増量係数Bを用いた場合と比較して、エンジン始動時の燃料噴射量(始動時燃料増量値)を増量することができる。そして、このようにして算出した燃料噴射量を目標燃料噴射量としてエンジン始動時の燃料噴射量を制御する。
以上のように、この実施形態によれば、前回エンジン停止時にシフトレンジがBレンジまたはSSSレンジが選択されていた場合、今回のエンジン始動時の燃料増量値を、シフトレンジがBレンジ及びSSSレンジ以外のシフトレンジでのエンジン停止の場合と比較して増量することができるので、エンジン初回始動時においてNOx排出量が増加することを抑制することができる。
<変形例2>
以上の[実施形態2]では、前回のエンジン停止時のシフトレンジ情報(シフトポジションセンサ305の出力信号から得られるシフトレンジ情報)を用いて、前回のエンジン停止時のシフトレンジがBレンジまたはSSSレンジであるか否かを判定しているが、これに限定されない。
例えば、エンジン始動時のシフトレンジがシフトレンジBレンジまたはSSSレンジであれば、前回のエンジン停止時もシフトレンジBレンジまたはSSSレンジである可能性が高いので、エンジン始動時(今回のエンジン始動時)のシフトレンジ情報(シフトポジションセンサ305の出力信号から得られるシフトレンジ情報)を用いて、前回のエンジン停止時のシフトレンジがBレンジまたはSSSレンジであるか否かを判定するようにしてもよい。
−他の実施形態−
以上の各実施形態では、Bレンジ(制動用レンジ)及びSSSレンジ(手動変速用レンジ)の両方の選択が可能な構成としているが、これに限られることなく、Bレンジのみが選択可能な構成であってもよいし、SSSレンジのみが選択可能な構成であってもよい。
以上の各実施形態では、ステアリングホイール9bにパドルスイッチ9c,9dが設けられているが、これらパドルスイッチ9c,9dを備えていない構成にも本発明は適用可能である。
以上の各実施形態では、FF方式の車両に搭載されるエンジン(内燃機関)の始動制御に本発明を適用した場合について説明したが、本発明はこれに限られることなく、FR(フロントエンジン・リアドライブ)方式の車両や、4輪駆動方式の車両に搭載されるエンジンの始動制御にも適用できる。
また、本発明は、4気筒のガソリンエンジンに限られることなく、他の任意の気筒数のガソリンエンジンの始動制御にも適用可能であり、さらにポート噴射型ガソリンエンジンに限られることなく、筒内直噴型ガソリンエンジンの始動制御に適用可能である。また、本発明は、ガソリンエンジンに限られることなく、ディーゼルエンジン等の他のエンジンの始動制御に適用可能である。
本発明は、車両に搭載される内燃機関(エンジン)の制御に利用可能であり、さらに詳しくは、始動時に燃料噴射量を増量する燃料増量制御を行う内燃機関の始動制御に有効に利用することができる。
1,201 エンジン(内燃機関)
9 シフト操作装置
91 シフトレバー
101,301 クランクポジションセンサ
104,304 水温センサ
105,305 シフトポジションセンサ
100,300 ECU

Claims (3)

  1. 通常の走行用レンジよりもアクセルオフ時の制動力が大きい制動用レンジ、及び、運転者による手動操作にて変速比を変更する手動変速用レンジのいずれか一方または両方を含む複数のシフトレンジの選択が可能な車両に搭載され、機関始動時に燃料噴射量を増量する燃料増量制御を行う内燃機関の始動制御装置であって、
    前回の内燃機関の停止時に前記制動用レンジまたは前記手動変速用レンジが選択されていた場合、今回の内燃機関の始動時の燃料増量値を、内燃機関停止時のシフトレンジが前記制動用レンジ及び前記手動変速用レンジ以外である場合に比べて増量することを特徴とする内燃機関の始動制御装置。
  2. 請求項1記載の内燃機関の始動制御装置において、
    前回の内燃機関の停止時に前記制動用レンジまたは前記手動変速用レンジが選択されていた場合、前記内燃機関の始動時の水温が、NOx排出量に基づいて設定された判定値以上であることを条件に、前記今回の内燃機関始動時の燃料増量値の増量を行うことを特徴とする内燃機関の始動制御装置。
  3. 請求項1または2記載の内燃機関の始動制御装置において、
    前記内燃機関停止時のシフトレンジが前記制動用レンジ及び前記手動変速用レンジ以外である場合の内燃機関の始動時燃料増量値は、内燃機関停止時の排気浄化触媒内の触媒雰囲気がストイキ雰囲気であるという条件で設定されていることを特徴とする内燃機関の始動制御装置。
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