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JP2014088977A - 空気調和装置 - Google Patents

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JP2014088977A JP2012238035A JP2012238035A JP2014088977A JP 2014088977 A JP2014088977 A JP 2014088977A JP 2012238035 A JP2012238035 A JP 2012238035A JP 2012238035 A JP2012238035 A JP 2012238035A JP 2014088977 A JP2014088977 A JP 2014088977A
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Abstract

【課題】湿度負荷に応じた適当な除湿運転を行うことができる空気調和装置を提供する。
【解決手段】空気調和装置1では、制御部40は、第1除湿運転と第2除湿運転とを実行可能である。第1除湿運転は、室内熱交換器13の冷媒出口138で冷媒が蒸発をほぼ完了するように膨張弁104の開度を制御して空調対象空間の除湿を行う運転である。第2除湿運転は、膨張弁104を出た冷媒が室内熱交換器13の冷媒出口138よりも冷媒入口131に近い領域で蒸発を完了するように膨張弁104の開度を制御して空調対象空間の除湿を行う運転である。制御部40は、空調対象空間の湿度と目標湿度との差が所定範囲から外れているときは第1除湿運転を行い、空調対象空間の湿度と目標湿度との差が所定範囲内にあるときは第2除湿運転を行う。
【選択図】図5

Description

本発明は、空気調和装置に関し、特に、室内温度の低下を抑制しつつ除湿を行うことができる空気調和装置に関する。
近年、除湿運転時の冷え過ぎを解消するため、温度低下を抑制して除湿を行う空気調和装置が広く普及するようになった。例えば、特許文献1(特開平09−014727号公報)に開示されている空気調和装置では、補助熱交換器のみで冷却することによって、室内温度を低下させずに除湿を行っている。
しかしながら、上記のような空気調和装置では、湿度負荷の高い条件において除湿運転を行った場合、除湿量が不足し、目標の湿度に到達するまでに時間がかかり過ぎる。
本発明の課題は、湿度負荷に応じた適当な除湿運転を行うことができる空気調和装置を提供することにある。
本発明の第1観点に係る空気調和装置は、冷房運転および除湿運転時に圧縮機、室外熱交換器、減圧弁、室内熱交換器の順で冷媒が循環する蒸気圧縮式冷凍サイクルを利用する空気調和装置であって、少なくとも減圧弁の開度を制御する制御部を備えている。制御部は、第1除湿運転と第2除湿運転とを実行可能である。第1除湿運転は、室内熱交換器の冷媒出口で冷媒が蒸発をほぼ完了するように減圧弁の開度を制御して空調対象空間の除湿を行う運転である。第2除湿運転は、第1除湿運転よりも減圧弁の開度を絞って空調対象空間の除湿を行う運転である。さらに、制御部は、空調対象空間の潜熱負荷の大きさに基づいて第1除湿運転と第2除湿運転との切換を行う。
例えば、第1除湿運転だけでは、潜熱負荷が小さいときに能力が顕熱を下げることに費やされ、空調対象空間の冷え過ぎが生じる。他方、第2除湿運転だけでは、顕熱負荷が高いときに除湿量が不足し、空調対象空間を目標湿度まで除湿することができない。
しかしながら、この空気調和装置では、空調対象空間の潜熱負荷の大きさに基づいて第1除湿運転と第2除湿運転との切換が行われるので、運転効率の良い除湿運転が行われる。
本発明の第2観点に係る空気調和装置は、第1観点に係る空気調和装置であって、第2除湿運転では、減圧弁を出た冷媒が室内熱交換器の冷媒出口よりも冷媒入口に近い領域で蒸発を完了するように減圧弁の開度が制御される。
この空気調和装置では、必要な除湿量に応じて室内熱交換器の使用域が切り換えられるので、省エネルギーである。
本発明の第3観点に係る空気調和装置は、第2観点に係る空気調和装置であって、室内熱交換器は、冷媒入口を有する第1熱交換部と、冷媒出口を有する第2熱交換部とを有している。第2除湿運転では、減圧弁を出た冷媒が第1熱交換部の途中で蒸発を完了するように減圧弁の開度が制御される。
この空気調和装置では、第2除湿運転時、冷媒は第1熱交換部で蒸発を完了し、第2熱交換部で過熱蒸気となる。つまり、第1熱交換部を通過する空気は除湿され温度が低下するが、第2熱交換部を通過する空気は室温程度の空気であるので、両者が混合されることによって温度を下げ過ぎることなく除湿が行われる。
本発明の第4観点に係る空気調和装置は、第1観点に係る空気調和装置であって、空調対象空間の湿度を検出する湿度検出手段をさらに備えている。制御部は、空調対象空間の湿度と目標湿度との差が所定範囲から外れているときは第1除湿運転を行い、空調対象空間の湿度と目標湿度との差が所定範囲内にあるときは第2除湿運転を行う。
この空気調和装置では、空調対象空間の湿度と目標湿度との差に基づいて第1除湿運転と第2除湿運転との切換が行われるので、運転効率の良い除湿運転が行われる。
本発明の第1観点に係る空気調和装置では、空調対象空間の潜熱負荷の大きさに基づいて第1除湿運転と第2除湿運転との切換が行われるので、運転効率の良い除湿運転が行われる。
本発明の第2観点に係る空気調和装置では、必要な除湿量に応じて室内熱交換器の使用域が切り換えられるので、省エネルギーである。
本発明の第3観点に係る空気調和装置では、第2除湿運転時、冷媒は第1熱交換部で蒸発を完了し、第2熱交換部で過熱蒸気となる。つまり、第1熱交換部を通過する空気は除湿され温度が低下するが、第2熱交換部を通過する空気は室温程度の空気であるので、両者が混合されることによって温度を下げ過ぎることなく除湿が行われる。
本発明の第4観点に係る空気調和装置では、空調対象空間の湿度と目標湿度との差に基づいて第1除湿運転と第2除湿運転との切換が行われるので、運転効率の良い除湿運転が行われる。
本発明の一実施形態に係る空気調和装置の構成図。 運転時の空調室内機の断面図。 図2における空調室内機の断面図。 冷媒パスを示す室内熱交換器の側面図。 除湿運転の制御フローチャート。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明の具体例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
(1)空気調和装置1の構成
図1は、本発明の一実施形態に係る空気調和装置1の構成図である。図1において、空気調和装置1は、空調室外機2と空調室内機10とを備えている。空気調和装置1は、冷媒が充填された冷媒回路100を備えている。冷媒回路100は、空調室外機2に収容された室外側回路部と空調室内機10に収容された室内側回路部とがガス側連絡配管117a及び液側連絡配管117bによって接続されることによって構成されている。
(2)空調室外機2の構成
空調室外機2における室外側回路部には、圧縮機101、四路切換弁102、室外熱交換器103、及び膨張弁104が接続されている。
圧縮機101の吐出側は、四路切換弁102の第1ポートP1に接続されている。圧縮機101の吸入側は、アキュムレータ120を挟んで四路切換弁102の第3ポートP3に接続されている。アキュムレータ120は、液冷媒とガス冷媒とを分離する。
室外熱交換器103は、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器である。この室外熱交換器103の近傍には、室外空気を室外熱交換器103へ送るための室外ファン123が設けられている。室外熱交換器103の一端側は、四路切換弁12の第4ポートP4に接続されている。室外熱交換器103の他端側は、減圧手段である膨張弁104に接続されている。膨張弁104は、開度可変の電動式膨張弁である。
四路切換弁102は、第1ポートP1と第4ポートP4が互いに連通して第2ポートP2と第3ポートP3が互いに連通する第1状態(図1の実線で示す状態)と、第1ポートP1と第2ポートP2が互いに連通して第3ポートP3と第4ポートP4が互いに連通する第2状態(図1の点線で示す状態)とが切り換え可能となっている。
(3)空調室内機10の構成
図1において、室内側回路部には、補助熱交換器13a、主熱交換器13bが接続されている。補助熱交換器13a及び主熱交換器13bは、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器である。この補助熱交換器13a及び主熱交換器13bを総称して室内熱交換器13と呼ぶ。この室内熱交換器13の近傍には、室内空気を室内熱交換器13へ送るための室内ファン14が設けられている。
(4)空調室内機10の詳細構成
図2は、運転時の空調室内機10の斜視図である。また、図3は、図2における空調室内機10の断面図である。図2及び図3において、空調室内機10には、本体ケーシング11、室内熱交換器13、室内ファン14、底フレーム16、及び制御部40が搭載されている。
(4−1)本体ケーシング11
本体ケーシング11は、天面部11a、前面パネル11b、背面板11c及び下部水平板11dを有し、内部に室内熱交換器13、室内ファン14、底フレーム16、フィルタ24、及び制御部40を収納している。
天面部11aは、本体ケーシング11の上部に位置し、天面部11aの前部には、吸込口12が設けられている。
前面パネル11bは空調室内機10の前面部を構成しており、吸込開口がない湾曲した形状を成している。また、前面パネル11bは、その上端が天面部11aに回動自在に支持され、ヒンジ式に動作することができる。
(4−2)フィルタ24
吸込口12と室内熱交換器13との間にはフィルタ24が配置されている。フィルタ24は、吸込口12から吸い込まれた空気に含まれる塵埃を除去する。なお、フィルタ24は、フィルタ自動清掃ユニット25に組み込まれた状態で本体ケーシング11に収納されている。
(4−3)室内熱交換器13
室内熱交換器13は、通過する空気との間で熱交換を行う。また、室内熱交換器13のうち主熱交換器13bは、側面視において両端が下方に向いて屈曲する逆V字状の形状を成す。説明の便宜上、前方の主熱交換器13bを前面主熱交換器13ba、後方の主熱交換器13bを背面主熱交換器13bbと呼ぶ。補助熱交換器13aは、前面主熱交換器13baの前方に配置されている。
図4は、冷媒パスを示す室内熱交換器13の側面図である。図4において、冷房運転時には、補助熱交換器13aの下方の端部近くに配置された冷媒入口131から液冷媒が供給され、その供給された液冷媒は、補助熱交換器13aの上端に近づくように流れる。そして、補助熱交換器13aの上端近くに配置された出口132から流れ出て分岐部133に入る。
分岐部133において6つに分岐された冷媒それぞれは、主熱交換器13bの6つの入口134から、前面主熱交換器13baの下方部分と上方部分とに供給される。その後、冷媒は、6つの出口135から流れ出て、2つ一組となり3つの合流部136のいずれかで合流する。
さらに、3つの合流部136それぞれから出た冷媒は、背面主熱交換器13bbの3つの入口137から、背面主熱交換器13bbの中央部分と上方部分とに供給され、その後、3つの冷媒出口138から流れ出て合流部139で合流する。なお、暖房運転モードでは、冷媒が上記と反対方向に流れる。
(4−4)室内ファン14
図3において、室内ファン14は、室内熱交換器13の下方に位置する。室内ファン14は、クロスフローファンであり、室内から取り込んだ空気を、室内熱交換器13に当てて通過させた後、室内に吹き出す。室内ファン14および室内熱交換器13は、底フレーム16に取り付けられている。
(4−5)垂直風向調整板20
図2に示すように、垂直風向調整板20は、本体ケーシング11の吹出口15より奥側に配置されている。垂直風向調整板20は、複数の羽根片201と、複数の羽根片201を連結する連結棒203を有している。
複数枚の羽根片201は、連結棒203が吹出口15の長手方向に沿って水平往復移動することによって、その長手方向に対して垂直な状態を中心に左右に揺動する。なお、連結棒203は、モータ(図示せず)によって水平往復移動する。
(4−6)風向調整羽根31
吹出口15が、本体ケーシング11の下部に設けられている。吹出口15には、吹出口15から吹き出される調和空気の方向を変更する風向調整羽根31が回動自在に取り付けられている。風向調整羽根31は、モータ(図示せず)によって駆動し、調和空気の吹き出し方向を変更するだけでなく、吹出口15を開閉することもできる。風向調整羽根31は、傾斜角が異なる複数の姿勢をとることが可能である。
(4−7)コアンダ羽根32
また、吹出口15の近傍にはコアンダ羽根32が設けられている。コアンダ羽根32は、モータ(図示せず)によって前後方向に傾斜した姿勢をとることが可能であり、運転停止時に前面パネル11bに設けられた収容部130に収容される。コアンダ羽根32は、傾斜角が異なる複数の姿勢をとることが可能である。
本実施形態の空調室内機10は、調和空気の吹き出し方向を制御する手段として、風向調整羽根31のみを回動させて調和空気の吹き出し方向を調整する通常吹出モードと、風向調整羽根31及びコアンダ羽根32を回動させてコアンダ効果によって調和空気をコアンダ羽根32の外側面32aに沿わせたコアンダ気流にして調整するコアンダ効果利用モードとを有している。
なお、コアンダ(効果)とは、気体や液体の流れのそばに壁があると、流れの方向と壁の方向とが異なっていても、壁面に沿った方向に流れようとする現象である(朝倉書店「法則の辞典」)。
(4−8)吹出流路18と吸込流路22
また、吹出口15は、吹出流路18によって本体ケーシング11の内部と繋がっている。吹出流路18は、吹出口15から底フレーム16のスクロール17に沿って形成されている。
室内空気は、室内ファン14の稼動によって吸込口12、室内熱交換器13を経て室内ファン14に吸い込まれ、室内ファン14から吹出流路18を経て吹出口15から吹き出される。
さらに本体ケーシング11の下面部には、下部吸込口21が吹出口15よりも壁側に設けられている。下部吸込口21は、吸込流路22によって本体ケーシング11の内部と繋がっており、吸込流路22は下部吸込口21からスクロール17に沿って形成されている。つまり、吸込流路22は、スクロール17を挟んで吹出流路18と隣接している。
開閉板29が開状態のとき、下部吸込口21近傍の室内空気は、室内ファン14の稼動によって下部吸込口21、吸込流路22、フィルタ24及び室内熱交換器13を経て室内ファン14に吸い込まれ、室内ファン14から吹出流路18を経て吹出口15から吹き出される。
(4−9)制御部40
制御部40は、本体ケーシング11を前面パネル11bから視て室内熱交換器13及び室内ファン14の右側方に位置しており、室内ファン14の回転数制御、風向調整羽根31及びコアンダ羽根32の動作制御を行う。
(4−10)各種センサ
図1に示すように、冷媒回路100において、蒸発温度センサ105が室外熱交換器103側から視て膨張弁104の下流側配管に取り付けられている。蒸発温度センサ105は、蒸発温度を検知する。
また、補助熱交換器13aの上端近くの風下側(図4参照)には、室内熱交温度センサ106が配置されている。室内熱交温度センサ106は、補助熱交換器13aにおいて液冷媒の蒸発が終了したことを検知する。
さらに、本体ケーシング11側面のスリット11e(図2参照)の奥側には、室内温度センサ107が配置されている。室内温度センサ107は、室内温度を検知する。また、室内温度センサ107の近傍には、湿度検出手段としての湿度センサ108が配置されている。
(5)空気調和装置1の動作
空気調和装置1では、四路切換弁12によって、冷房運転および暖房運転のいずれか一方に切り換えることが可能である。
(5−1)冷房運転
冷房運転では、四路切換弁102が第1状態(図1の実線)に設定される。この状態で圧縮機101を運転すると、冷媒回路100では室外熱交換器103が凝縮器となり、補助熱交換器13a及び主熱交換器13bが蒸発器となる蒸気圧縮冷凍サイクルが行われる。
圧縮機101から吐出された高圧の冷媒は、室外熱交換器103で室外空気と熱交換して凝縮する。室外熱交換器103を通過した冷媒は、膨張弁104を通過する際に減圧され、その後に補助熱交換器13a及び主熱交換器13bで室内空気と熱交換して蒸発する。補助熱交換器13a及び主熱交換器13bを通過した冷媒は、圧縮機101へ吸入されて圧縮される。
(5−2)暖房運転
暖房運転では、四路切換弁12が第2状態(図1の点線)に設定される。そして、この状態で圧縮機101を運転すると、冷媒回路100では、室外熱交換器103が蒸発器となり、補助熱交換器13a及び主熱交換器13bが凝縮器となる蒸気圧縮冷凍サイクルが行われる。
圧縮機101から吐出された高圧の冷媒は、補助熱交換器13a及び主熱交換器13bで室内空気と熱交換して凝縮する。凝縮した冷媒は、膨張弁104を通過する際に減圧された後、室外熱交換器103で室外空気と熱交換して蒸発する。室外熱交換器103を通過した冷媒は、圧縮機101へ吸入されて圧縮される。
(5−3)除湿運転
除湿運転では、冷媒の流れは冷房運転時と同じである。この空気調和装置1では、制御部40は、第1除湿運転と第2除湿運転とを実行可能である。第1除湿運転は、主熱交換器13bの冷媒出口138(図4参照)で冷媒が蒸発をほぼ完了するように膨張弁104の開度を制御して空調対象空間の除湿を行う運転である。第2除湿運転は、膨張弁104を出た冷媒が補助熱交換器13aの途中で蒸発を完了するように膨張弁104の開度を制御して空調対象空間の除湿を行う運転である。制御部40は、空調対象空間の湿度と目標湿度との差が所定範囲から外れているときは第1除湿運転を行い、空調対象空間の湿度と目標湿度との差が所定範囲内にあるときは第2除湿運転を行う。以下、除湿運転の制御について、フローチャートを参照しながら説明する。
図5は、除湿運転の制御フローチャートである。図5において、制御部40は、ステップS1において、リモコン等から除湿運転指令があるか否かを判定し、除湿運転指令がある場合はステップS2へ進み、除湿運転指令がない場合は待機して除湿運転指令があるか否かの判定を継続する。
制御部40は、ステップS2において、室温とリモコン等で設定される目標温度との差が所定値d(例えば、d=4deg)未満であるか否かを判定し、その差が所定値d未満のときはステップS3へ進み、その差が所定値d以上のときはステップS7へ進む。
制御部40は、ステップS3において、現在湿度とリモコン等で設定される目標湿度との差が所定値h1(例えば、h1=20%)未満であるか否かを判定し、その差が所定値h1未満のときはステップS4へ進み、その差が所定値h1以上のときはステップS7へ進む。
制御部40は、ステップS4において、第2除湿運転を実行する。室温と目標温度との差が所定値d未満で、且つ、現在湿度と目標湿度との差が所定値h1未満であるとき、潜熱負荷が小さくて冷房運転では除湿できない状態にある。このようなとき、制御部40は、膨張弁104の開度を急激に絞って補助熱交換器13aの一部だけを蒸発域として利用する。補助熱交換器13aの冷媒入口131(図4参照)から供給された液冷媒は、補助熱交換器13aの途中で全て蒸発するので、補助熱交換器13aの冷媒入口131近くの一部の範囲だけが蒸発域となり、補助熱交換器13aの蒸発域の下流側の範囲と主熱交換器13bとはいずれも過熱域となる。
そして、補助熱交換器13aの上端近くの過熱域を流れた冷媒が、補助熱交換器13aの下方部分の風下側に配置された前面主熱交換器13baの下方部分を流れる。したがって、吸込口12からの吸込空気において、補助熱交換器13aの蒸発域で冷却された空気は、前面主熱交換器13baで加熱された後、吹出口15から吹き出される。
他方、吸込口12からの吸込空気において、補助熱交換器13aの過熱域と前面主熱交換器13baを流れた空気と、背面主熱交換器13bbを流れた空気とは、室内温度と略同一の温度で、吹出口15から吹き出される。
つまり、補助熱交換器13aを通過する空気は除湿され温度が低下するが、主熱交換器13bを通過する空気は室温程度の空気であるので、両者が混合されることで温度を下げ過ぎることなく除湿が行われる。
第2除湿運転時の補助熱交換器13aの上端近くの過熱域では、吸込口12からの吸込空気がほとんど冷却されない。したがって、室内熱交温度センサ106で検知される温度が、室内温度センサ107で検知される室内温度と略同一である場合には、補助熱交換器13aの途中で蒸発が終了して、補助熱交換器13aの上端近くの範囲が過熱域であることを検知できる。
なお、室内熱交温度センサ106は、室内熱交換器13の中間部の伝熱管に配置されているので、室内熱交換器13の中間部近くにおいて、冷暖房運転での凝縮温度または蒸発温度を検知できる。
次に、制御部40は、ステップS5において、現在湿度と目標湿度との差が所定値h2以上であるか否かを判定し、その差が所定値h2以上のときはステップS6へ進み、その差が所定値h2未満のときはステップS4の第2除湿運転を継続する。
例えば、現在湿度と目標湿度との差が所定値h2以上となるのは、外気温度が変化により潜熱(湿度)負荷が増大した場合が想定されている。
制御部40は、ステップS6において、運転停止指令の有無を判断し、運転停止指令がある場合はステップS10に進んで運転を停止し、運転停止指令がない場合はステップS7に移行して第1除湿運転を実行する。つまり、ステップS5からステップS6を経てステップS7へ移行する過程は、制御部40が湿度の増大によって第2除湿運転では対処しきれないと判断したときに、運転停止指令がないことを確認した上で除湿運転を第1除湿運転に切り換えることを意味している。
なお、ステップS7における第1除湿運転は、主熱交換器13bの冷媒出口138で冷媒が蒸発をほぼ完了するように膨張弁104の開度を制御して空調対象空間の除湿を行う運転であり、冷房運転による除湿とほとんど変わらないので説明を省略する。
制御部40は、ステップS7において第1除湿運転を実行し、ステップS8において現在湿度と目標湿度との差が所定値h3未満であるか否かを判定し、その差が所定値h3未満のときはステップS9へ進み、その差が所定値h3以上のときはステップS7の第1除湿運転を継続する。
制御部40は、ステップS9において、運転停止指令の有無を判断し、運転停止指令がある場合はステップS10に進んで運転を停止し、運転停止指令がない場合はステップS4に移行して第2除湿運転を実行する。つまり、ステップS8からステップS9を経てステップS4へ移行する過程は、制御部40がこのまま第1除湿運転を継続すると室温を下げ過ぎてしまう状態にまで湿度が低下したと判断したときに、運転停止指令がないことを確認した上で除湿運転を第2除湿運転に切り換えることを意味している。
なお、上記実施形態では、第1除湿運転および第2除湿運転のいずれかが実行されているとき、第1除湿運転と第2除湿運転との切換要否は現在湿度と目標湿度との差に基づいて判断されているが、それだけに限定されるものではなく、室温と目標温度との差が所定範囲内か否か、或いは、室温と目標温度との差が所定範囲から外れた後の経過時間が所定時間を越えたか否かを切換要否判断の条件として追加してもよい。
(6)特徴
(6−1)
空気調和装置1では、制御部40は、第1除湿運転と第2除湿運転とを実行可能である。第1除湿運転は、室内熱交換器13の冷媒出口138で冷媒が蒸発をほぼ完了するように膨張弁104の開度を制御して空調対象空間の除湿を行う運転である。第2除湿運転は、膨張弁104を出た冷媒が室内熱交換器13の冷媒出口138よりも冷媒入口131に近い領域で蒸発を完了するように膨張弁104の開度を制御して空調対象空間の除湿を行う運転である。制御部40は、空調対象空間の湿度と目標湿度との差が所定範囲から外れているときは第1除湿運転を行い、空調対象空間の湿度と目標湿度との差が所定範囲内にあるときは第2除湿運転を行う。つまり、この空気調和装置では、空調対象空間の潜熱負荷の大きさに基づいて第1除湿運転と第2除湿運転との切換が行われるので、運転効率の良い除湿運転が行われる。
(6−2)
室内熱交換器13は、冷媒入口131を有する補助熱交換器13aと、冷媒出口138を有する主熱交換器13bとを有している。第2除湿運転では、膨張弁104を出た冷媒が補助熱交換器13aの途中で蒸発を完了するように膨張弁104の開度が制御される。その結果、第2除湿運転では、補助熱交換器13aで冷媒は蒸発を完了し、主熱交換器13bで過熱蒸気となる。つまり、補助熱交換器13aを通過する空気は除湿され温度が低下するが、主熱交換器13bを通過する空気は室温程度の空気であるので、両者が混合されることで温度を下げ過ぎることなく除湿が行われる。
以上のように、本発明に係る空気調和装置は室内温度の低下を抑制しつつ除湿を行うことができるので、その構成を応用すれば、冷暖房用空気調和装置に限らず単独の乾燥装置にも有用である。
1 空気調和装置
13 室内熱交換器
13a 補助熱交換器(第1熱交換部)
13b 主熱交換器(第2熱交換部)
40 制御部
101 圧縮機
103 室外熱交換器
104 膨張弁(減圧弁)
108 湿度センサ(湿度検出手段)
131 冷媒入口
138 冷媒出口
特開平09−014727号公報

Claims (4)

  1. 冷房運転および除湿運転時に圧縮機(101)、室外熱交換器(103)、減圧弁(104)、室内熱交換器(13)の順で冷媒が循環する蒸気圧縮式冷凍サイクルを利用する空気調和装置であって、
    少なくとも前記減圧弁(104)の開度を制御する制御部(40)を備え、
    前記制御部(40)は、
    前記室内熱交換器(13)の冷媒出口(138)で前記冷媒が蒸発をほぼ完了するように前記減圧弁(104)の開度を制御して空調対象空間の除湿を行う第1除湿運転と、
    前記第1除湿運転よりも前記減圧弁(104)の開度を絞って前記空調対象空間の除湿を行う第2除湿運転と、
    を実行可能であり、
    さらに、前記制御部(40)は、前記空調対象空間の潜熱負荷の大きさに基づいて前記第1除湿運転と前記第2除湿運転との切換を行う、
    空気調和装置。
  2. 前記第2除湿運転では、前記減圧弁(104)を出た前記冷媒が室内熱交換器(13)の前記冷媒出口(138)よりも冷媒入口(131)に近い領域で蒸発を完了するように前記減圧弁(104)の開度が制御される、
    請求項1に記載の空気調和装置。
  3. 前記室内熱交換器(13)は、
    前記冷媒入口(131)を有する第1熱交換部(13a)と、
    前記冷媒出口(138)を有する第2熱交換部(13b)と、
    を有し、
    前記第2除湿運転では、前記減圧弁(104)を出た前記冷媒が前記第1熱交換部(13a)の途中で蒸発を完了するように前記減圧弁(104)の開度が制御される、
    請求項2に記載の空気調和装置。
  4. 前記空調対象空間の湿度を検出する湿度検出手段(108)をさらに備え、
    前記制御部(40)は、
    前記空調対象空間の湿度と目標湿度との差が所定範囲から外れているとき、前記第1除湿運転を行い、
    前記空調対象空間の湿度と前記目標湿度との差が前記所定範囲内にあるとき、前記第2除湿運転を行う、
    請求項1に記載の空気調和装置。
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