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JP2014085563A - 電子写真記録材料 - Google Patents

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JP2014085563A JP2012235287A JP2012235287A JP2014085563A JP 2014085563 A JP2014085563 A JP 2014085563A JP 2012235287 A JP2012235287 A JP 2012235287A JP 2012235287 A JP2012235287 A JP 2012235287A JP 2014085563 A JP2014085563 A JP 2014085563A
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Akira Nakano
彰 中野
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Abstract

【課題】トナーの定着性と耐裏写り性に優れた電子写真記録材料を提供する。
【解決手段】熱可塑性樹脂被覆紙を支持体として、支持体の両面にトナー受像層を有する両面印刷可能な電子写真記録材料において、該トナー受像層がアイオノマー樹脂を含有し、且つ該トナー受像層が、ガラス転移温度40℃以上80℃以下の範囲である第1ポリマーとガラス転移温度100℃以上140℃以下の範囲である第2ポリマーから形成される多段型ポリマー粒子エマルジョンをトナー受像層の乾燥固形分に対して20質量%以上70質量%以下の範囲で含有することを特徴とする電子写真記録材料。
【選択図】なし

Description

本発明は、支持体の両面にトナー受像層を有する電子写真記録材料に関するものである。詳しくは電子写真方式、さらには湿式電子写真方式において、トナー定着強度に優れ、トナーの裏写りの発生を防ぐことができ、安定した画像品質を持つ電子写真記録材料に関する。
電子写真方式による記録は、複写機をはじめ、端末のプリント出力、ファクシミリ、少部数印刷など様々な分野に適用されている。出力装置の進歩も著しく、印刷速度は向上し、フルカラーは言うに及ばず、トナーの改良により高精細化を達成し、色再現性も大きく向上し、文書出力から写真出力まで様々な用途に使用されるようになってきた。
このような電子写真方式のうち、乾式電子写真方式は、複写機などに代表される方式で、画像を形成するトナーは、顔料と合成樹脂からなる固体粉末トナーを使用する。画像形成方法は、コロナ帯電によって発生させた感光体ロール上の静電画像にトナーが吸着し、さらにトナーが記録材料に転写し、転写された記録材料を定着ロールで加熱することによりトナーが定着し画像形成する方式である。かかる方式では、トナーの微細化に限界があり、高解像度が得られ難い。また、画線部のトナー定着部分の光沢が高くなり、非画線部と光沢差が生じて、不自然な描写になる不具合がある。
一方で、湿式電子写真方式では、液体中にトナーを分散させるため、粉体の飛散などが問題とならず、乾式電子写真方式に比べてトナーを1/10以下まで微細化できること、すなわち画線部を形成するドットを微細にできること、加えて色材として顔料を使用できるために耐候性の問題がないこと、さらに画像の光沢差を生じることがなく、写真出力に好適な方式である。
湿式電子写真方式の画像形成方法は、乾式電子写真方式と同様に感光体ロール上の静電画像にトナーが吸着し、電位的な反発を利用してブランケットロールへトナーが転写することによって進行する。ブランケットロールの表面はシリコンゴムなどの界面自由エネルギーの低い素材で構成されており、トナーがブランケットロールから記録材料に転写し、さらにブランケットロールは加温されており、トナーが溶融状態となり記録材料へ定着し画像形成する方式である。かかる方式では、ブランケットロールから記録材料へ湿式トナーが良好に転写する能力をブランケットロール、記録材料または湿式トナーに要求され、所謂トナーの転写性が重要である。
記録材料の性質により、トナー粒子が十分に記録材料に転写せず画像再現が不十分になったり、ブランケットロールから記録材料に転写されたトナー定着強度が弱く、記録面からトナーが脱離したりする不具合が生じる場合がある。そこで、トナーを記録材料に十分に転写し、高いトナー定着強度を得るための手段として、”サファイヤ処理”という一般に知られている方法がある。かかる方法では、比較的に短時間で、黄色の物質が生成し、白紙黄変と呼ばれる白地が黄ばむ現象が発生し、画像の発色が変動する欠点を有している。
写真出力では高い平滑性が要求されるため、記録材料としては基紙に熱可塑性樹脂被覆を施した熱可塑性樹脂被覆紙またはポリマーフィルムを基材とすることが好まれる。しかし、熱可塑性樹脂被覆紙やポリマーフィルムではトナーの定着が十分ではなくなるため、トナー受理層を設ける構成が提案されている。かかる構成としては、基紙の両面に特定のポリプロピレン樹脂層を設け、その上にトナー受理層を有する電子写真記録材料が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、ポリマーフィルム上にガラス転移点が規定された樹脂と低抵抗処理剤、有機ポリマー微粒子を含むトナー受理層を有する電子写真記録材料が提案されている(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、特許文献1または特許文献2に記載されているが如くのトナー受理層は、湿式電子写真方式のトナー定着の点において未だ不十分である。これらとは別にトナー定着性を優れたものとするため、トナー受理層にエチレン−不飽和カルボン酸共重合体のアイオノマーを用いた電子写真記録材料が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
一方、トナー定着性やトナーブロッキング性等を改善するために、紙を基材とし、該基材の片面上あるいは両面上に熱可塑性樹脂層を1層以上設け、更にその上にトナー定着層を設けた積層シートにおいて、トナー定着層を形成するバインダー成分としてガラス転移温度の異なる2以上の親水性高分子物質を用い、該親水性高分子物質として少なくとも50℃以上のガラス転移温度を有する親水性高分子物質(A)と50℃以下のガラス転移温度を有する親水性高分子物質(B)とを含有し、該親水性高分子物質(A)および(B)がコア部およびシェル部とするコア・シェル構造を有するアクリル系ポリマーである積層シートが提案されている(例えば、特許文献4参照)。
特開2002−351121号公報 特開2007−65517号公報 特開平11−119460号公報 再表2006−35761号公報
しかしながら、特許文献3に記載されるが如くのトナー受理層を記録材料の両面に設けた場合、印刷後すなわちトナー定着後の画線部に、かかる記録材料の上面に構成を同じくする別の記録材料のトナー受理層の非画線部が重なった場合に、非画線部にトナーの一部が転写する裏写りが発生するという問題が発生する。特許文献4に記載されるが如くのトナー定着層はトナー定着性および裏写り発生を防ぐ点で十分とはいえず、さらなる向上が必要である。
トナー受像層を両面に設けた記録材料において、記録材料のトナー定着強度に優れ、裏写りの発生を防ぐことが可能な電子写真記録材料は未だ存在しない。
本発明の目的は、トナー受像層を両面に設けた記録材料において、トナー定着強度に優れ、裏写りの発生を防ぐことができ、安定した印刷品質を持つ電子写真記録材料を提供することである。
本発明の上記の目的は、熱可塑性樹脂被覆紙を支持体として、支持体の両面にトナー受像層を有する両面印刷可能な電子写真記録材料において、該トナー受像層がアイオノマー樹脂を含有し、且つ該トナー受像層が、ガラス転移温度40℃以上80℃以下の範囲である第1ポリマーとガラス転移温度100℃以上140℃以下の範囲である第2ポリマーから形成される多段型ポリマー粒子エマルジョンをトナー受像層の乾燥固形分に対して20質量%以上70質量%以下の範囲で含有することを特徴とする電子写真記録材料によって達成される。
本発明を実施することにより、高いトナー定着性が得られ、裏写りの起こらない安定した印刷品質を持つ電子写真記録材料が得られる。
湿式電子写真方式で用いられるトナーは、液体中にトナー粒子が分散されているトナー分散物である。本発明者が検討を行った結果、トナー受像層中にアイオノマー樹脂を含有させることにより、高いトナー定着強度が得られることが判った。従来技術として用いられてきたサファイヤ処理は、トナー定着強度を高めるためにカチオン性のエチレンイミン等の有機成分を記録材料の表面に塗布し、アニオン性のトナー分散物を定着させることを原理としている。本発明においては、アイオノマー樹脂を用いることにより、アイオノマー樹脂中の金属イオンによってトナー分散物を定着させる。サファイヤ処理において用いられるカチオン性の有機成分の反応性が高いため、共存する物質と反応し、画像を記録後に白紙黄変、印字の変色が起こる。本発明において使用するアイオノマー樹脂は反応性が低いため、かかるような不具合を生じることがない。
本発明において、トナー受像層に用いるアイオノマー樹脂は、従来公知のアイオノマー樹脂であって、ポリエチレンを主成分としポリマー連鎖間にナトリウムや亜鉛などの金属イオン結合を有するエチレン系アイオノマー樹脂であることが好ましく、例えば、エチレン−不飽和カルボン酸共重合体のアイオノマー樹脂またはエチレン−不飽和カルボン酸共重合体のアイオノマーと多価エポキシ化合物との架橋体を挙げることができる。特にエチレン−不飽和カルボン酸共重合体のアイオノマー樹脂が好ましい。アイオノマー樹脂としては、例えば、三井化学(株)製のケミパールのSタイプ、住友精化(株)製のザイクセン、丸芳化学(株)製のアイオノマーディスパージョンなど市販品を用いることができる。
本発明にかかるアイオノマー樹脂は、トナー受像層を形成する乾燥固形分に対して20質量%以上80質量%以下の範囲で含有することが好ましい。この範囲によってより安定したトナー定着性を得ることができる。
本発明において、トナー受像層は、アイオノマー樹脂に加えてガラス転移温度40℃以上80℃以下の範囲である第1ポリマーとガラス転移温度100℃以上140℃以下の範囲である第2ポリマーから形成される多段型ポリマー粒子エマルジョンをトナー受像層の乾燥固形分に対して20質量%以上70質量%以下の範囲で含有する。ガラス転移温度40℃以上80℃以下の範囲である第1ポリマーとガラス転移温度100℃以上140℃以下の範囲である第2ポリマーから形成される多段型ポリマー粒子エマルジョンを含有することにより、トナー受像層を両面に設けた記録材料において、裏写りの発生を防ぐことができる。裏写りは、印刷直後に発生する問題であり、主たる原因は、トナーがブランケットロールから記録材料に転写される際に加えられる熱により、アイオノマー樹脂が軟化し、印刷後もしばらくは軟化された状態が維持され、粘着性を発現しているため、接触しているトナーの一部が重なった記録材料のトナー受像層へ転写してしまうことによる。トナー受像層が軟化した状態は室温に置かれた場合には徐々に冷却されることにより固化が進み、いずれは粘着性もなくなる。本発明にかかる多段型ポリマー粒子エマルジョンは、比較的ガラス転移温度の高い第2ポリマーによって過度の軟化を抑えつつ且つ比較的ガラス転移温度の低い第1ポリマーによってアイオノマー樹脂から熱を吸収すると考えられ、双方の混合により室温冷却時のアイオノマー樹脂の固化を促進する。つまり、室温で徐々に冷却される状態でも、固化が早く、短時間で粘着性がなくなり、裏写りの発生がなくなる。
ガラス転移温度が、40℃以上80℃以下の範囲である第1ポリマーと100℃以上140℃以下の範囲である第2ポリマーであることによって、多段型ポリマー粒子エマルジョンはアイオノマー樹脂の固化を促進する。ガラス転移温度がこれら範囲に該当しない場合は固化を促進する効果が不十分となり、裏写りが発生する。また、トナー定着性が悪くなる場合がある。
本発明にかかる多段型ポリマー粒子エマルジョンは、トナー受像層を形成する乾燥固形分に対して20質量%以上70質量%以下の範囲で含有する。この範囲に該当しない場合はトナー定着性または裏写りの発生抑制の点で不具合となる。
本発明において、多段型ポリマー粒子エマルジョンとは、公知の多段重合プロセスにより製造されるポリマー粒子のエマルジョンである。多段重合プロセスは、コア・シェル型または複数のコアを有するコア・シェル型の粒子などを製造する方法である。
多段型ポリマー粒子エマルジョンは、モノマー化合物から乳化重合法など公知の製造方法によって添加するモノマー配合を複数段変更することにより得ることができる。モノマー化合物は、熱可塑性樹脂分野で公知のモノマー化合物であって、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、デシルアクリレート、メチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ホスホエチルメタクリレート、アセトアセトキシエチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、およびt−ブチルアミノエチルメタクリレートのようなアクリルエステル類、アクリルアミドまたは置換アクリルアミド類、スチレンまたは置換スチレン類、ブタジエン、酢酸ビニルまたは他のビニルエステル類、ビニルエーテル類、アクリロニトリルまたはメタクリロニトリルなどを挙げることができる。更に例えば、メタクリル酸、アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸などのエチレン性不飽和カルボン酸類などを挙げることができる。更に例えば、エチレン、プロピレンなどオレフィン類などを挙げることができる。
ガラス転移温度は、例えばアクリルアミド、スチレン、メチルメタクリレート、塩化ビニル、アクリル酸等の単独重合体としてのガラス転移温度の高いモノマー化合物単位と、例えばエチルアクリレート、ブチルアクリレート、エチレン、ブタジエン、プロピレン等の単独重合体としてのガラス転移温度の低いモノマー化合物単位とを重合時の添加数量を組み合わせることによって調整することができる。ポリマー粒子の粒子径は、乳化重合の乳化剤の形成するミセルサイズ、ラジカルの連鎖移動剤の添加量を調整することによって制御することができる。本発明において、ポリマーとは数平均分子量500以上を指し、第1ポリマーまたは第2ポリマーの数平均分子量は1000以上20万以下が好ましい。
本発明にかかる多段型ポリマー粒子エマルジョンは、第1ポリマーがコア部且つ第2ポリマーがシェル部または第1ポリマーがシェル部且つ第2ポリマーがコア部のいずれであっても構わない。また、第1ポリマーまたは第2ポリマーが交互に繰り返した3段以上であっても構わない。さらに例えば、本発明にかかるガラス転移温度に該当しない第3ポリマーがコア部またはシェル部の何段目かに存在しても構わない。本発明において、多段型ポリマー粒子エマルジョンには、コア部が複数粒子である構造も含み、またシェル部によって完全にコア部を包含していない構造も含まれる。本発明の効果の点で、第1ポリマーが第2ポリマーよりも内側に存在することが好ましい。
本発明におけるガラス転移温度は、単独重合体の場合についてPolymer Handbook J.BRANDRUF/E.H.IMMERGUTによって算出され、共重合体について次の数式1より算出される値である。
1/Tg=W1/Tg1+W2/Tg2+・・・・Wn/Tgn (数式1)
Tg:共重合体のガラス転移温度(K)
Tg1,Tg2・・・:各成分の単独重合体のガラス転移温度(K)
W1,W2・・・・・:各成分の質量分率
本発明において、トナー受像層の厚さは特に制限されない。好ましくは、トナー定着性の点で厚さ0.5μm以上5μm以下の範囲である。
本発明のトナー受像層は、本発明にかかるアイオノマー樹脂および多段型ポリマー粒子エマルジョン以外に、バインダーを含有することができる。バインダーは従来公知バインダーであって、例えば、スチレン−ブタジエン系共重合体、アクリル酸またはメタクリル酸若しくはこれらのエステル等の誘導体を含む重合体若しくは共重合体、酢酸ビニル重合体、酢酸ビニル−マレイン酸エステル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体等の酢酸ビニル系重合体、ポリビニルエーテル、アルキルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体及びそれらの塩、塩化ビニリデン系共重合体、あるいはこれらの各種重合体のカルボキシル基等の官能基含有単量体による官能基変性重合体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピリジニウムハライド、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等の合成ポリマー、メラミン樹脂、尿素樹脂等の熱硬化合成樹脂系等の接着剤及びポリウレタン樹脂、ポリビニルブチラール、アルキッド樹脂等の合成樹脂系接着剤、ゼラチン、酸化澱粉、カチオン化澱粉、エーテル化澱粉等の澱粉類、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、などである。これらバインダーを単独あるいは併用して含有することができる。
本発明のトナー受像層には、従来公知の無機粒子または有機粒子を含有することができる。本発明において、電子写真方式の印刷機において搬送性が向上する点で、無機粒子または有機粒子の平均粒子径は、0.5μm以上10μm以下の範囲が好ましく、また球形に近い形状の無機粒子が好ましい。無機粒子は、例えばシリカ、アルミナ、アルミナ水和物、シリカアルミナ複合体、酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウムなどである。有機粒子は、例えばオレフィン樹脂、メタクリル酸エステル樹脂、ウレタン樹脂など各種樹脂からなる粒子である(但し、本発明にかかるガラス転移温度を有する多段型ポリマー粒子を除く)。0.5μm以上10μm以下の範囲である平均粒子径を有し、球形に近い形状である無機粒子または有機粒子は、例えば、水澤化学工業(株)製のシルトン、アドマテック(株)製のアドマファイン、根上工業(株)製のアートパール、積水化成品工業(株)製のテクポリマー、三井化学(株)製のケミパール、サイデン化学(株)製のサイビノール、アイカ工業(株)製のガンツパールなどとして市販されている。
本発明において、本発明の効果の点で、トナー受像層中の無機粒子または有機粒子の含有量は、トナー受像層を形成する乾燥固形分に対して25質量%以下の範囲が好ましい。
本発明において、平均粒子径は、エネルギー分散形X線分光器などの元素分析機能付走査型電子顕微鏡を用いて記録材料表面の電子顕微鏡写真を撮影し、撮影画像の一定面積内に存在する100個から粒子を面積の近似する球形と見なして粒子径を測定し、平均粒子径を算出することができる。
本発明のトナー受像層には、他に各種無機酸、有機酸、pH調整剤、画像保存剤、着色剤、増粘剤などを適宜加えることができる。
本発明において、トナー受像層は、帯電防止剤として界面活性剤を含有することが好ましい。界面活性剤としては、カチオン界面活性剤、アニオン系界面活性剤、両イオン性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤などの帯電防止剤として従来公知の界面活性剤を使用できる。
本発明において、界面活性剤は、脂肪族のアルキルベタイン構造または脂肪酸アミドプロピルベタイン構造を有する界面活性剤が特に好ましい。脂肪族のアルキルベタイン構造または脂肪酸アミドプロピルベタイン構造を有する界面活性剤を含有することによって、帯電防止のみならずトナー定着性や裏写り発生抑制がより良好とすることができる。
脂肪族のアルキルベタイン構造を有する界面活性剤としては、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ステアリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ドデシルジメチルアミノスルホプロピルベタイン、オクタデシルジメチルアミノスルホプロピルベタイン等が挙げられ、脂肪酸アミドプロピルベタイン構造を有する界面活性剤としては、コカミドプロピルベタイン、コカミドプロピルヒドロキシスルタイン等を挙げることができる。これらは、花王(株)や日光ケミカルズ(株)などから市販され、入手できる。
本発明に用いられる支持体は、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂などの熱可塑性樹脂およびこれらの混合物で原紙をラミネートした熱可塑性樹脂被覆紙である。本発明に用いられる熱可塑性樹脂被覆紙の厚さは、70μm以上300μm以下の範囲が好ましい。特に、ポリオレフィン樹脂被覆紙がフォトライクな電子写真記録材料となるために好ましい。
熱可塑性樹脂被覆紙を構成する原紙は、特に制限はなく、一般に用いられている紙が使用できる。原紙を構成するパルプとしては天然パルプ、再生パルプ、合成パルプ等を1種もしくは2種以上混合して用いられる。この原紙には一般に製紙で用いられているサイズ剤、紙力増強剤、填料、帯電防止剤、蛍光増白剤、染料等の添加剤を配合することができる。
さらに、表面サイズ剤、表面紙力剤、蛍光増白剤、帯電防止剤、染料、アンカー剤などが表面塗布されていてもよい。
また、原紙の厚みに関しては特に制限はないが、抄造中または抄造後にカレンダー処理などにて圧力を印加して圧縮するなど施した表面平滑性の良い紙が好ましい。原紙の坪量は70g/m以上270g/m以下の範囲が好ましい。
熱可塑性樹脂被覆紙の樹脂中には、酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、炭酸カルシウムなどの白色顔料、ステアリン酸アミド、アラキジン酸アミドなどの脂肪酸アミド、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウムなどの脂肪酸金属塩、イルガノックス(登録商標)1010、イルガノックス1076などの酸化防止剤、コバルトブルー、群青、セシリアンブルー、フタロシアニンブルーなどのブルーの顔料や染料、コバルトバイオレット、ファストバイオレット、マンガン紫などのマゼンタの顔料や染料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤などの各種の添加剤を適宜組み合わせて含有することができる。
熱可塑性樹脂被覆紙は、例えば、走行する原紙上に加熱溶融した樹脂を流延する、いわゆる押出コーティング法により製造することができる。樹脂を原紙に被覆する前に、原紙にコロナ放電処理、火炎処理などの活性化処理を施すことができる。また、熱可塑性樹脂被覆層の厚さとしては特に制限はないが、9μm以上60μm以下の範囲が好ましい。
本発明において、支持体上にトナー受像層は、例えば、ダイレクトグラビアコーター、オフセットグラビアコーター、リバースロールコーター、マイクログラビアコーター、エクストルージョンバー、カーテンコーター、エアナイフコーター、バーコーター、コンマコーター、ダイコーター、リップコーター、ワイヤーバーコーター、ブレードコーター、スライドホッパーコーターおよびこれらの組み合わせなど従来公知の塗工方法によって、トナー受像層塗液を支持体上に塗布することによって形成することができる。塗布後の塗液の乾燥は、直線トンネル乾燥機、アーチドライヤー、エアループドライヤー、サインカーブエアフロートドライヤーなどの熱風乾燥機、赤外線、加熱ドライヤー、マイクロ波などを利用した従来公知の各種乾燥装置を用いる方法を挙げることができる。
以下では、本発明を実施例により詳細に説明する。なお、本発明は実施例に限定されるものではない。%は特に説明のない限り実質成分の質量%である。
(支持体の作製)
広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)と針葉樹晒サルファイトパルプ(NBSP)の1:1混合物をカナディアン・スタンダード・フリーネスで300mlになるまで叩解し、パルプスラリーを調製した。これに、軽質炭酸カルシウム/重質炭酸カルシウム/タルクの比率が30/35/35の顔料を対パルプ5%、サイズ剤としてアルキルケテンダイマーを対パルプ0.5%、強度剤としてポリアクリルアミドを対パルプ1.0%、カチオン化澱粉を対パルプ2.0%、ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂を対パルプ0.5%添加し、水で希釈した後、長網抄紙機で坪量170g/mになるように抄造し、乾燥後調湿して厚さ155μmの原紙とした。
次に、原紙の表裏面に、密度0.918g/cmの低密度ポリエチレン樹脂に対して、10質量%のアナターゼ型酸化チタンを均一に分散したポリエチレン樹脂組成物を320℃で溶融し、200m/分で厚さ15μmになるように押し出しコーティングし、微粗面加工されたクーリングロールを用いて熱可塑性樹脂被覆した。この様に熱可塑性樹脂被覆された原紙を支持体として用いた。
(多段型ポリマー粒子エマルジョンの調製)
多段型ポリマー粒子エマルジョンの合成は、第1ポリマーとしてガラス転移温度の比較的低いモノマー化合物を主体に配合して乳化重合する第1段階と、第2ポリマーとしてガラス転移点が比較的高いモノマー化合物を主体に配合して乳化重合する第2段階とによる2段階半連続乳化重合法を用いて調製した。ポリマーのガラス転移温度は、単独重合体として、比較的ガラス転移温度の高いメチルメタクリレート、スチレン、アクリルアミド、ガラス転移温度が比較的低いポリプロピレン、エチルアクリレート、そしてガラス転移温度がそれらの中間あたりの酢酸ビニルを用いて重合時の配合により制御した。また、第1ポリマーと第2ポリマーの質量比は50:50になるように2段階半連続乳化重合を制御した。ガラス転移温度は表1に示す。
(トナー受像層塗液の調製)
調製された多段型ポリマー粒子エマルジョンおよび市販のアイオノマー樹脂を表1に示す割合で配合し、トナー受像層塗液を調製した。表1中、アイオノマー樹脂はエチレン−不飽和カルボン酸共重合体のアイオノマー樹脂水分散液(丸芳化学(株)製、MYE30E5)である。有機粒子は、メタクリル酸アルキル重合体粒子(サイデン化学(株)製、サイビノールPG−2、平均粒子径3〜5μm)である。また、比較例9および10は、アイオノマー樹脂をアクリル系樹脂(日信化学工業(株)製、ビニブラン2680)に変更して配合した。アクリル系樹脂の配合比率について、比較例9は実施例1のアイオノマー樹脂と同一とし、比較例10は実施例10のアイオノマー樹脂と同一とした。
(電子写真記録材料の作製)
支持体をコロナ放電処理後、表1に記載のトナー受像層塗液をリバースグラビアコーターにて、両面にオンマシン塗布した。乾燥固形分量として1.0g/mとなるように塗設し、各実施例および各比較例の電子写真記録材料を作製した。
以上のようにして得られた電子写真記録材料のトナー定着性、耐裏写り性、搬送性を下記に記載の方法で評価した。
(トナー定着性の評価)
湿式電子写真方式のプリンターとして、HP Indigo 5500Digital Pressを用い、標準4色、8ビットモード、1219dpiにて、電子写真記録材料に印刷を行った。印刷完了にて10分経過後に、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの単色、色濃度100%(色の光学濃度)のベタ印刷部にセロファンテープを貼り付けて、テープを剥がしてテープに付着したトナーを観察し、トナー定着性を評価した。本発明において、電子写真記録材料は評価◎、○または△であればよい。
◎ :テープにトナーの付着がなく、定着性に優れている。
○ :テープに僅かにトナーの付着が見られるが、定着性は良好である。
△ :テープにトナーの付着が見られ、実用限度のレベルである。
△×:トナーの多くはテープに付着し、実用不可能なレベルである。
× :トナーの全てがテープに付着し、実用不可能なレベルである。
(耐裏写りの評価)
湿式電子写真方式のプリンターとして、HP Indigo 5500Digital Pressを用い、標準4色、8ビットモード、1219dpiにて、電子写真記録材料に連続1000枚の印刷を行った。印刷画像には、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの単色、色濃度100%(色の光学濃度)のベタ印刷部、及び前記4色の各色100%(色の光学濃度)のコンポジット(都合400%(色の光学濃度))ベタ部を含む画像とした。印刷した記録材料は、棒積みのまま24時間放置したのち、印刷画像の裏面への転写、つまり耐裏写り性の評価を行った。本発明において、電子写真記録材料は評価◎、○または△であればよい。
◎ :裏面に画像転写は全く見られない。
○ :4色コンポジット(400%(色の光学濃度))の画像において、僅かに転写が見られるが、実用上は問題ないレベルである。
△ :4色コンポジット(400%(色の光学濃度))の画像以外の画像部でも転写が見られ、実用限度のレベルである。
△×:4色コンポジット(400%(色の光学濃度))の画像全体に裏写りが観察され、且つ色濃度100%(色の光学濃度)部分にも部分的な裏写りが観察され、実用不可能なレベルである。
× :多くの画像で転写が見られ、実用不可能なレベルである。
(搬送性の評価)
湿式電子写真方式のプリンターとして、HP Indigo 5500Digital Pressを用い、A4用紙で100枚を連続印刷し、重送の発生の有無を確認した。本発明において、電子写真記録材料は評価○または△であればよい。
○:100枚全てが、重送の発生なく、両面印刷された。
△:100枚中、1回の重送が発生したが、実用限度のレベルである。
×:100枚中、2回以上の重送が発生し、実用不可能のレベルである。
Figure 2014085563
表1で明らかなように、本発明の電子写真記録材料である実施例1〜18は、トナーの定着性と耐裏写り性に優れた電子写真記録材料であることが判る。本発明に相当しない比較例1〜10では、この様な効果は得ることができなかった。

Claims (1)

  1. 熱可塑性樹脂被覆紙を支持体として、支持体の両面にトナー受像層を有する両面印刷可能な電子写真記録材料において、該トナー受像層がアイオノマー樹脂を含有し、且つ該トナー受像層が、ガラス転移温度40℃以上80℃以下の範囲である第1ポリマーとガラス転移温度100℃以上140℃以下の範囲である第2ポリマーから形成される多段型ポリマー粒子エマルジョンをトナー受像層の乾燥固形分に対して20質量%以上70質量%以下の範囲で含有することを特徴とする電子写真記録材料。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016045290A (ja) * 2014-08-21 2016-04-04 三菱製紙株式会社 水性分散液
CN106647195A (zh) * 2015-10-28 2017-05-10 富士施乐株式会社 图像记录介质以及图像记录介质的制备方法

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