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JP2014079068A - ロータコア及びその製造方法 - Google Patents

ロータコア及びその製造方法 Download PDF

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JP2014079068A
JP2014079068A JP2012224682A JP2012224682A JP2014079068A JP 2014079068 A JP2014079068 A JP 2014079068A JP 2012224682 A JP2012224682 A JP 2012224682A JP 2012224682 A JP2012224682 A JP 2012224682A JP 2014079068 A JP2014079068 A JP 2014079068A
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Yoshinari Asano
能成 浅野
Tomokazu Kikuno
智教 菊野
Nobuyuki Kifuji
敦之 木藤
Yasuhiko Osawa
康彦 大澤
Yoshiaki Yasuda
善紀 安田
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Daikin Industries Ltd
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Daikin Industries Ltd
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Abstract

【課題】回転軸方向に積層された各コアシート間の短絡を抑制しつつ、熱処理によりブリッジを非磁性化することが可能なロータコア及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】電磁鋼板を所定形状に形成した複数のコアシートS1を回転軸方向に積層して成り、コアシートS1に設けられた複数の磁石孔S11が回転軸方向に連通するように配置された円筒状のロータコア10において、コアシートS1は、磁石孔S11の端部がコアシートS1の外周部で開口した開口部Aと、磁石孔S11の端部とコアシートS1の外周部との間に設けられたブリッジBと、を備える。開口部AをブリッジBと回転軸方向に隣接する位置に少なくとも一つ配設して、ブリッジBを熱処理により非磁性化する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ラジアルギャップ型回転電機に用いられるロータコア及びその製造方法に関するものである。
ラジアルギャップ型回転電機は、回転軸を中心として回転可能に配設されたロータと、このロータの径方向にギャップを隔てて配設されたステータとを備える回転電機である。かかる回転電機の一つとして、埋込磁石(IPM:Interior Permanent Magnet)型と呼ばれる回転電機が知られている。IPM型回転電機用のロータは、図11に示すように、電磁鋼板を所定形状に形成した多数枚のコアシートSを回転軸の軸心Oに平行方向(以下、回転軸方向とする)に積層して成る円筒状のロータコア40を備えている。このロータコア40には複数の磁石孔部41が設けられている。各磁石孔部41に複数の磁石(図示省略)を埋設することでロータコア40が磁化され、その外周部に異なる極性(N極、S極)の磁極Pが回転方向に交互に形成される。
従来のロータコア40は、図12に示すように、コアシートSに設けられた各磁石孔S41よりも径方向の内側に位置する部分(内側部Si)と、外側に位置する部分(外側部So)とが、各磁石孔S41の端部とコアシートSの外周部との間に設けられたブリッジBによって連結されている。このため、ブリッジBにおいて磁束が短絡し、漏れ磁束が発生していた。漏れ磁束は、磁石の磁気特性の有効活用を阻害すると同時にリラクタンストルクを低下させる要因となるため、回転電機の性能上好ましくない。
そこで、ブリッジBを所定の熱処理により非磁性化することによって、ブリッジBにおいて発生する漏れ磁束を低減する技術が下記特許文献に開示されている。所定の熱処理として、例えば、レーザ照射による加熱後に水中で急冷する処理(特許文献1参照)、特定の金属元素を供給しながらレーザ照射を行い、磁性材料を非磁性成分に改質する処理(特許文献2参照)、非磁性物質を含有する塗料を塗布した領域に対し加熱を行う拡散浸透処理(特許文献3参照)などが挙げられる。
しかしながら、これらの熱処理は、例えば800〜1200℃程度の高温で行う必要があるため、各コアシートSの表面に形成された不図示の絶縁被膜が熱処理の際に溶けてしまう。その結果、回転軸方向に隣接するコアシートS同士の絶縁が破壊され、各コアシートSの積層間で短絡が生じる。短絡した各コアシートS間にはロータコア40の鉄損増大の要因となる渦電流が発生するため、回転電機の効率向上がこの渦電流により阻害されると同時に、ブリッジBの非磁性化により漏れ磁束を低減する実益が乏しくなる。
特開2010−93972号公報 特開平9−306714号公報 特開2003−304670号公報
本発明は、かかる事情に鑑みて為されたものであり、回転軸方向に積層された各コアシート間の短絡を抑制しつつ、熱処理によりブリッジを非磁性化することが可能なロータコア及びその製造方法を提供することを目的としている。
本発明は、電磁鋼板を所定形状に形成した複数のコアシートを回転軸方向に積層して成り、該コアシートに設けられた複数の磁石孔が回転軸方向に連通するように配置された円筒状のロータコアであって、前記磁石孔の端部が前記コアシートの外周部で開口した開口部と、前記磁石孔の端部と前記コアシートの外周部との間に設けられたブリッジと、を備え、前記開口部が、前記ブリッジと回転軸方向に隣接する位置に少なくとも一つ配設され、前記ブリッジが、熱処理により非磁性化されていることを特徴とする。
前記ブリッジと前記開口部とが、一の前記コアシート毎に回転軸方向に交互に配設されていることを特徴とする。
前記コアシートにおいて、前記磁石孔の両端のうち、いずれか一方の端部に前記ブリッジが設けられ、他方の端部に前記開口部が設けられていることを特徴とする。
前記コアシートが、前記各磁石孔の両端に前記ブリッジが設けられた第一コアシートと、前記各磁石孔の両端に前記開口部が設けられた第二コアシートと、を含むことを特徴とする。
前記第一コアシートが、回転軸方向の両端に配置されていることを特徴とする。
前記コアシートの前記磁石孔よりも径方向の外側部又は内側部の何れか一方、若しくは両方に、前記コアシートの積層間を固定するコアカシメが設けられていることを特徴とする。
前記コアシートが、接着層を介して積層されていることを特徴とする。
前記コアシートが、前記磁石孔の端部とは異なる位置に設けられた第二ブリッジを備えることを特徴とする。
また、本発明は、電磁鋼板を所定形状に形成した複数のコアシートを回転軸方向に積層して成り、該コアシートに設けられた複数の磁石孔が回転軸方向に連通するように配置された円筒状のロータコアの製造方法であって、前記電磁鋼板を準備する工程Aと、一又は複数の金型により前記電磁鋼板を所定形状に打ち抜いて複数の前記コアシートを形成する工程Bと、複数の前記コアシートを回転軸方向に積層して、前記磁石孔の端部が前記コアシートの外周部で開口した開口部と、前記磁石孔の端部と前記コアシートの外周部との間に設けられたブリッジと、を備え、前記開口部が、前記ブリッジと回転軸方向に隣接する位置に少なくとも一つ配設された円筒状の積層体を形成する工程Cと、前記積層体の外周面のうち前記ブリッジに相当する部分に対して熱処理を行い、該ブリッジを非磁性化する工程Dと、を含むことを特徴とする。
前記工程Cにおいて、前記ブリッジと前記開口部とが、一の前記コアシート毎に回転軸方向に交互に配置されるように前記各コアシートを積層することを特徴とする。
前記工程Bにおいて、前記磁石孔の両端のうち、いずれか一方の端部に前記ブリッジが設けられ、他方の端部に前記開口部が設けられた前記コアシートを形成することを特徴とする。
前記工程Bにおいて、前記磁石孔に対する前記ブリッジの位置が各磁極で同一である前記コアシートを形成し、前記工程Cにおいて、一又は複数の前記コアシート毎に前記コアシートの一面同士および他面同士が接するように前記各コアシートを積層することを特徴とする。
前記工程Bにおいて、前記磁石孔に対する前記ブリッジの位置が磁極毎に交互に異なる前記コアシートを形成し、前記工程Cにおいて、一又は複数の前記コアシート毎に前記コアシートを磁極ピッチで相対的に回転させながら積層することを特徴とする。
前記工程Bにおいて、前記磁石孔の両端に前記ブリッジが設けられた第一コアシートと、前記磁石孔の両端に前記開口部が設けられた第二コアシートと、を形成することを特徴とする。
前記工程Dにおいて行う前記熱処理が、レーザ照射による熱処理であることを特徴とする。
本発明のロータコア及びその製造方法によれば、開口部をブリッジと回転軸方向に隣接する位置に配設することで、各コアシートの積層間が各ブリッジに対する熱処理によって連続的に短絡するのを抑制することができる。これにより、渦電流による影響が効果的に低減され、ロータコアの鉄損増大を抑えることができる。また、各コアシートの積層間の短絡を抑制しつつ、各ブリッジを非磁性化することができるため、ロータコアの鉄損増大と併せて各ブリッジにおける漏れ磁束の発生を抑制することもできる。よって、従来のように、熱処理によるブリッジの非磁性化によって漏れ磁束を低減する実益が、コアシートの積層間短絡に起因する渦電流の影響により損なわれることもない。したがって、従来のロータコアと比較して、回転電機の効率を大幅に向上させることが可能となる。
また、ブリッジと開口部とを、一のコアシート毎に回転軸方向に交互に配設すれば、全てのコアシートの積層間の絶縁を保持しつつ各ブリッジを非磁性化することができるため、コアシートの積層間短絡に起因する渦電流の発生を確実に防止することができる。これにより、コアの鉄損をさらに低減することが可能となり、回転電機の効率をより大幅に向上させることができる。
磁石孔の両端のうち、いずれか一方の端部にブリッジが設けられ、他方の端部に開口部が設けられたコアシートを用いれば、同一形状のコアシートによりロータコアを形成することができるため、金型等の設備コストを低減することができる。また、レーザ照射による熱処理(工程D)についても回転軸方向に一直線状に行えばよいため、特に精密な位置決め作業等が要求されることもない。よって、ロータコアの生産効率向上と製品コスト低減を同時に実現することができる。
コアシートとして、各磁石孔の両端にブリッジが設けられた第一コアシートと、各磁石孔の両端に開口部が設けられた第二コアシートと、を用いれば、コアシートを形成する工程B、および、各コアシートを回転軸方向に積層する工程Cを簡素化できるため、ロータコアの生産効率をさらに向上させることができる。
前記第一コアシートを、回転軸方向の両端に配置すれば、第二コアシートを第一コアシートで挟んで保持することができる。このため、ロータコアの機械的強度が増す。
コアシートの磁石孔よりも径方向の外側部又は内側部の何れか一方、若しくは両方に、コアシートの積層間を固定するコアカシメを設ければ、各コアカシメにより容易に位置決めを行いつつ各コアシートの積層間を順次固定しながら所望の積層体を形成することができるとともに、各コアシートの積層間をより強固に固定することができる。
各コアシートを、接着層を介して積層すれば、ロータコアの機械的強度を十分に確保できる限り、例えば、カシメピン等の固定部材を取り付けるための孔やコアカシメ等を各コアシートに形成する必要がなくなる。これにより、磁束の流れが阻害されるのを防止するとともに、ロータコアの磁気抵抗を低減することができる。
磁石孔の端部とは異なる位置に設けられた第二ブリッジを備えたコアシートを用いれば、ロータコアの機械的強度を向上させることができる。これにより、完成品の寸法精度を高めると同時に、生産中における又は回転電機の使用によるロータコアの変形を抑制することができる。
上記熱処理として、レーザ照射による熱処理を採用すれば、部分的な熱処理に適しているため、所望の部分のみをピンポイントで加熱することができる。このため、ロータコアの外周部のうち各コアシートのブリッジに相当する部分のみを非磁性化することができ、必要以上の範囲でロータコアが非磁性化されるのを防止することができる。
第一実施形態に係るロータコアを示す斜視図である。 第一実施形態に係るコアシートを示す平面図である。 第一実施形態に係るロータコアに対する熱処理を示す概略説明図である。 第二施形態に係るロータコアを示す斜視図である。 第二実施形態に係るコアシートを示す平面図である。 第二実施形態に係るロータコアに対する熱処理を示す概略説明図である。 第三実施形態に係るロータコアを示す斜視図である。 第三実施形態に係るロータコアを構成する第二コアシートの平面図である。 第三実施形態に係るロータコアを構成する第一コアシートの変形例を示す平面図である。 第三実施形態に係るロータコアを構成する第二コアシートの変形例を示す平面図である。 従来のロータコアを示す斜視図である。 従来のコアシートを示す平面図である。
以下、本発明に係るロータコアの実施形態について図面を用いて説明する。以下の説明において、「回転軸方向」とは、回転軸の軸心Oの方向を指すものとし、「回転方向」とは、回転軸の軸心Oを中心とする時計回り方向又は反時計回り方向のうち、いずれか一方を指すものとする。また、「磁極ピッチ」とは、ロータコア(又はコアシート)の全周360°を磁極の極数で除した角度である。
図1に示すように、第一実施形態に係るロータコア10は、電磁鋼板を所定形状に形成した複数枚のコアシートS1(図2参照)を回転軸方向に積層して成る円筒状の積層体である。図2に示すように、コアシートS1には複数の磁石孔S11が設けられており、各磁石孔S11が回転軸方向に連通するように配置されることで、ロータコア10には複数の磁石孔部11が形成される。本実施形態のロータコア10は、4個の磁石孔部11を備えつつ磁極Pが外周側に形成されるため、磁極Pの極数が4極であるインナロータを構成する。なお、磁石孔部11の数および磁極Pの極数は偶数である限り特に限定されず、例えば、ステータのスロット数や磁石の磁力、回転電機の用途等に応じて適宜設計変更が可能である。
本実施形態のロータコア10において、各磁石孔部11に磁石を埋設するか否かについては任意に選択することができる。磁石孔部11に磁石を埋設する場合、ロータコア10は、磁石のマグネットトルクを利用するIPM型回転電機用ロータの構成部材となる。磁石孔部11に埋設される磁石は、例えば、焼結磁石やボンド磁石など適宜選択が可能である。一方、磁石孔部11に磁石を埋設しない場合、ロータコア10は、ステータからの磁力により磁化されるコアのリラクタンストルクのみを利用するリラクタンス型回転電機用ロータの構成部材として用いることができる。
また、本実施形態では、各コアシートS1の中央部に第一円形孔H1が、外周側に複数の第二円形孔H2がそれぞれ設けられており、磁石孔S11と同様に、これらが回転軸方向に連通するように配置されている。このため、ロータコア10には、径寸法が異なる2種類の貫通孔(第一貫通孔TH1,第二貫通孔TH2)が形成されている。このうち中央部に形成された第一貫通孔TH1には回転軸が、外周側に形成された各第二貫通孔TH2には積層された各コアシートS1の積層間を固定する周知の固定部材(例えば、カシメピンなど)の軸部が、それぞれ挿通される。
コアシートS1は、表面を絶縁処理された厚さ0.3〜0.5mm程度の電磁鋼板を所定形状に形成した、軟磁性体から成る薄板体である。コアシートS1は、中心に第一円形孔H1を有する環状の本体に等ピッチで形成された複数の磁石孔S11を備えている。本実施形態の磁石孔S11は、第一円形孔H1側に凸な円弧状に形成された所定幅を有するスリットで構成されており、磁石孔S11の長手方向(周方向)両端のうち一方の端部にはコアシートS1の外周部で開口した開口部Aが形成されている。また、他方の端部とコアシートS1の外周部との間には薄肉(例えば、コアシートS1の厚みと同程度)のブリッジBが設けられており、コアシートS1の磁石孔S11よりも径方向の内側部S1iと外側部S1oとがブリッジBによって片持ち支持された状態で互いに連結されている。
本実施形態のコアシートS1において、各磁石孔S11は、磁極ピッチ(本実施形態では、コアシートS1の全周360°/4極=90°)での回転対称となるように形成されている。したがって、図2に示すように、コアシートS1を平面視したとき、磁石孔S11に対する開口部A及びブリッジBの相対的な位置関係が、全ての磁石孔S11において同一である。具体的には、開口部Aが、すべての磁石孔S11において同じ側(向かって左側)の端部に形成されている。ブリッジBについても、開口部Aと同様である。
本実施形態のロータコア10の主な特徴点は、開口部AがブリッジBと回転軸方向に隣接する位置に少なくとも一つ配設されているとともに、ブリッジBが所定の熱処理により非磁性化されている点にある。
図1および図3に示すように、ロータコア10は、複数枚(本実施形態では4枚)のコアシートS1にわたって回転軸方向に連続して配置された一群の開口部Aと、複数枚(本実施形態では4枚)のコアシートS1にわたって回転軸方向に積層された一群のブリッジBとが、回転軸方向に交互に配置されるように、各コアシートS1が積層されている。つまり、本実施形態では、全ての磁石孔部11の長手方向両端部に相当するロータコア10の外周部において、回転軸方向に隣り合う一群のブリッジBの間に一群の開口部Aが配置されており、これら一群の開口部Aは、一群のブリッジBのうち回転軸方向の端部に配置された一のブリッジBに隣接している。
なお、本実施形態において、(一群の)ブリッジBと回転軸方向に隣接する位置に配置される開口部Aは、上述のように複数枚のコアシートS1にわたった一群のものである必要はなく、コアシートS1一枚分の開口部Aのみであってもよい。例えば、ロータコア10の一端から他端に至るまでの回転軸方向における任意の位置に、コアシートS1一枚分の開口部AをブリッジBと回転軸方向に隣接させて配置した形態であってもよい。即ち、一群のブリッジBがどの程度の枚数のコアシートS1で構成されているかは、適宜選択、設計変更することができる。
また、本実施形態のロータコア10は、各ブリッジBに対して所定の熱処理が行われており、すべてのブリッジBが非磁性化されている。本実施形態では、レーザ照射による熱処理によって各ブリッジBが非磁性化されている。なお、レーザ照射による熱処理については、以下に示すロータコア10の製造方法に関する説明において詳述するため、ここでは説明を省略する。
次に、本実施形態のロータコア10の製造方法について説明する。ロータコア10は、少なくとも以下に示す工程A、工程B、工程C、および工程Dを経て製造される。
工程Aは、コアシートS1の原材料となる電磁鋼板を準備する工程である。本工程において準備される電磁鋼板として、例えば、鉄にケイ素やシリコーン等を含有させた軟磁性
体材料を、一定幅を有する厚さ0.2〜0.6mm、好ましくは、0.3〜0.5mm程度の薄板状に圧延し、これを巻き取ってロール状に形成したものが挙げられる。電磁鋼板は、圧延方向に磁化容易軸を有する方向性電磁鋼板であってもよく、あるいは、磁化容易軸がランダムな方向に配置された、いわゆる無方向性電磁鋼板であってもよい。なお、電磁鋼板の表面には絶縁被膜をコーティングするための表面処理が施される。
工程Bは、コアシートS1を形成する工程である。本実施形態では、例えば、一又は複数の金型を用いて工程Aで準備された電磁鋼板を所定形状に打ち抜く順送プレス成形により、多数枚のコアシートS1が形成される。本工程においてコアシートS1は、その平面形状を一回の打抜きで成形することが可能な一の金型を用いて一体的に形成してもよく、あるいは、コアシートS1の各構成(例えば、第一円形孔H1、磁石孔S11、第二円形孔H2など)に対応する複数の金型を用いて、長手方向に搬送される電磁鋼板を構成毎に順次打ち抜いて段階的に形成してもよい。
工程Cは、工程Bにおいて形成されたコアシートS1を積層して円筒状の積層体を形成する工程である。工程Bが終了した段階で、すべてのコアシートS1の一面が上面側にある状態で本工程へ搬送されると仮定すると、本実施形態では、初めに、複数枚(本実施形態では4枚)のコアシートS1を、磁石孔S11が回転軸方向に連通するように配置して積層する。次に、複数枚(本実施形態では4枚)のコアシートS1を裏返しつつ、同様に磁石孔S11が回転軸方向に連通するように配置して積層する。これを交互に繰り返しながら各コアシートS1を積層することにより、複数枚のコアシートS1毎にコアシートS1の一面同士および他面同士が接するように積層される。こうして、複数のコアシートS1から成る円筒状の積層体(図1参照)が形成される。
なお、本工程では、上述のようにコアシートS1を裏返す工程を省略することも可能である。例えば、磁石孔S11と開口部Aを別々の金型で打ち抜くように構成し、磁石孔S11に対する開口部Aの打抜き位置が複数枚毎に異なる側の端部になるように打抜き形成してもよい。あるいは、一の磁石孔S11および開口部Aを一の金型で打ち抜くように構成し、各磁石孔S11を形成する各金型を磁石孔S11の外周に沿って時計回り方向又は反時計回り方向に微小角度だけ複数枚毎に交互に回転させながら打抜き形成してもよい。このようにして形成された各コアシートS1を複数枚ごとに裏返すことなく順次積層したとしても、複数枚のコアシートS1毎にコアシートS1の一面同士および他面同士が接するように積層したのと実質的に同一である。
工程Dは、積層体の外周面のうちブリッジBに相当する部分に対して熱処理を行い、ブリッジBを非磁性化する工程である。本実施形態では、レーザ照射による熱処理によって各ブリッジBを非磁性化している。具体的には、図3に示すように、積層体(図1に示すロータコア10を参照)の外周面に焦点を合わせたレーザLを、この積層体の一端から他端にわたって回転軸方向に一直線状に照射する。これを、各ブリッジBおよび各開口部Aが配置された積層体の外周面に対して行う。このとき、各ブリッジBのみがレーザ照射によって800〜1200℃程度まで加熱されることにより、その熱の影響でブリッジBのほぼ全域にわたる電磁鋼板の材質が改質され、非磁性化される。
本工程において、レーザLは、積層体の一端から他端にわたって回転軸方向に一直線状に一回だけ照射しているが、レーザLの照射回数、照射位置等については、非磁性化させたい領域の大きさ(各ブリッジBの幅や肉厚)やレーザLの照射強度などに応じて適宜変更可能である。例えば、ブリッジBの幅が大きい場合は、レーザLの照射位置をブリッジBの幅方向(積層体の周方向)に僅かにずらしてレーザ照射を複数回行えばよい。あるいは、ブリッジBが径方向に肉厚であって且つレーザLの照射強度を抑制している場合は、レーザLを同じ照射位置に対して複数回照射するようにしてもよい。
また、本工程において、レーザLは、通常、積層体の積層方向(即ち、回転軸方向)に対し直交方向に照射されるが、例えば、当該直交方向に対して回転軸方向に所定角度だけ傾斜させた方向にレーザLを照射してもよい。レーザLの照射方向をこのように傾斜させることによって、レーザLが開口部Aを通過して積層体のブリッジB以外の部分に到達するまでの距離が増えるとともに熱エネルギーの減衰が増大し、ブリッジB以外の部分がレーザLの照射によって加熱され難くすることができる。
なお、本実施形態のロータコア10の製造方法では、上述した工程A〜工程D以外の他の工程が含まれていてもよい。例えば、工程Cと工程Dの間に、第二貫通孔TH2を利用したカシメピンによる各コアシートS1の積層間固定を行う工程が含まれていてもよい。あるいは、工程Dの前に、回転軸を第一貫通孔TH1へ挿入して焼嵌め等により固定する工程が行われてもよい。以上説明した各工程により、上述したロータコア10を製造することができる。
上述のようにロータコア10の各ブリッジBを非磁性化する目的は、主として、各ブリッジBにおける漏れ磁束を低減することにある。これにより、例えば、ロータコア10の各磁石孔部11に磁石を埋設する場合には各磁石の磁気特性を有効活用できると同時に、たとえ磁石が埋設されない場合であってもリラクタンストルクを高めることができるという利点が得られるからである。
しかしながら、ロータコア10において各ブリッジBのみを部分的に非磁性化するために上述のようなレーザ照射による熱処理を行う場合においても、従来と同様に、各ブリッジBを800〜1200℃程度まで加熱する必要がある。そのため、各コアシートS1の表面に形成された絶縁被膜は、かかる熱処理が行われる各ブリッジBの近傍において溶けてしまう。
図11に示す従来のロータコア40のように、各ブリッジBが回転軸方向の一端から他端まで連続して積層されている場合、非磁性化された各ブリッジB近傍の絶縁被膜が溶けることによって回転軸方向に隣接するコアシートS1同士の絶縁が破壊され、各コアシートS1の積層間で短絡が生じる。積層間が短絡した各コアシートS1間には渦電流が発生する。この渦電流によってロータコア40の鉄損が増大し、回転電機の効率低下の要因となる。特に、積層間が連続的に短絡したコアシートS1(以下、一群のコアシートS1とする)の構成枚数が多いほど渦電流の影響も大きい。例えば、ロータコア40では、積層された全てのコアシートS1によって一群のコアシートS1が構成されているといえる。
これに対して、本実施形態では、一群のブリッジBと回転軸方向に隣接する位置に一群の開口部Aが配設されているため、一群のブリッジBを構成する各コアシートS1同士では、従来と同様に、絶縁被膜が溶けることによる積層間の連続的な短絡が生じるが、この一群のブリッジBと回転軸方向に隣接する開口部Aを備えたコアシートS1との間には、上記熱処理による積層間の短絡は生じない。
また、一群のブリッジBと回転軸方向に隣接する一の開口部Aを含む一群の開口部Aを形成する各コアシートS1においても各ブリッジBに対する上記熱処理が行われる。このため、当該一群の開口部Aを形成する各コアシートS1同士では積層間の連続的な短絡が生じるが、この一群の開口部Aと回転軸方向に隣接する他のブリッジBを備えた他のコアシートS1との間には、上記熱処理による積層間の短絡は生じない。
つまり、一群の開口部Aと一群のブリッジBとを回転軸方向に交互に配置することによって、積層間に連続的な短絡が生じた一群のコアシートS1の構成枚数が低減されると同時に、回転軸方向に隣接する一群のコアシートS1同士での積層間における絶縁が保持される。したがって、本実施形態では、全てのコアシートS1が回転軸方向に隣接するいずれか一方のコアシートS1との積層間に短絡が生じるが、これらの短絡が一群のコアシートS1毎に断続的に分断されるため、ロータコア10全体としての渦電流による影響が低減される。
このように、本実施形態のロータコア10及びその製造方法によれば、(一群の)開口部Aを(一群の)ブリッジBと回転軸方向に隣接する位置に配設することで、各コアシートS1の積層間が各ブリッジBに対する熱処理によって連続的に短絡するのを抑制することができる。これにより、渦電流による影響が効果的に低減され、ロータコア10の鉄損増大を抑えることができる。
また、各コアシートS1の積層間の短絡を抑制しつつ、各ブリッジBを非磁性化することができるため、ロータコア10の鉄損増大と併せて各ブリッジBにおける漏れ磁束の発生を抑制できる。よって、従来のように、熱処理によるブリッジBの非磁性化によって漏れ磁束を低減する実益が、コアシートS1の積層間短絡に起因する渦電流の影響により損なわれることもない。したがって、従来のロータコア40と比較して、回転電機の効率を大幅に向上させることが可能となる。
さらに、本実施形態のロータコア10及びその製造方法によれば、同一形状のコアシートS1を用いてロータコア10を構成する積層体を形成することができるため、金型等の設備コストを低減することができる。レーザ照射による熱処理(工程D)についても回転軸方向に一直線状に行えばよいため、特に精密な位置決め作業等が要求されることもない。よって、ロータコア10の生産効率向上と製品コスト低減を同時に実現することができる。
以上、本発明の第一実施形態に係るロータコア10及びその製造方法について説明したが、本発明に係るロータコアは、その他の形態で実施および製造することができる。なお、以下の説明では、主に第一実施形態に係るロータコア10及びその製造方法と相違する事項について説明するものとし、共通する事項に関する詳細な説明は省略する。
例えば、図4に示すロータコア20のような形態で実施してもよい。第二実施形態に係るロータコア20は、各磁石孔部21の長手方向両端部における開口部AとブリッジBの配置が、上述のロータコア10と異なっている。具体的には、本実施形態のロータコア20は、主として、コアシートS2(図5参照)に設けられたブリッジBと開口部Aとが、一枚のコアシートS2毎に回転軸方向に交互に隣接して配設されていることを特徴としている。
図5に示すように、コアシートS2は、各磁石孔S21の長手方向両端のうち、いずれか一方の端部にブリッジBが設けられ、他方の端部に開口部Aが設けられている点で上述のコアシートS1と共通しているが、コアシートS2の各磁石孔S21が、周方向に隣り合う磁極P間の中点と軸心Oを通る仮想線を対称軸とする線対称となるように形成されている点でコアシートS1と異なっている。つまり、コアシートS2を平面視したときの磁石孔S21に対する開口部A及びブリッジBの相対的な位置関係が、周方向に隣り合う磁石孔S21同士で互いに異なっている。具体的には、コアシートS2の周方向に隣り合う磁石孔S21において、開口部Aが互いに異なる側の端部(向かって右側または左側)に設けられている。ブリッジBについても、開口部Aと同様である。
また、ロータコア20を構成するコアシートS2には、各コアシートS2の積層間を固定するコアカシメKが複数設けられている。各コアカシメKは、磁極ピッチでの回転対称となる位置に配置されている。本実施形態では、コアシートS2の内側部S2iおよび外側部S2oそれぞれにコアカシメKが設けられているが、いずれか一方にのみコアカシメKが設けられていてもよい。また、本実施形態のコアカシメKは、回転軸方向断面がV字状に突起した、いわゆるV突起カシメを採用しているが、例えば、ダボカシメなど他の形態であってもよい。
本実施形態のロータコア20は、以下の点を除き、上述のロータコア10と同様の製造方法により製造することができる。具体的には以下の通りである。
本実施形態では、上記工程Bと同様に、コアシートS1に替えて、多数枚のコアシートS2を打抜き形成する。ここで、本実施形態のコアシートS2は、上述のとおり、コアシートS2の各磁石孔S21が、周方向に隣り合う磁極P間の中点と軸心Oを通る仮想線を対称軸とする線対称となるように形成されている点でコアシートS1と異なっている。しかしながら、例えば、電磁鋼板に対する金型の打抜き位置や打抜くタイミングを適宜変更すれば、磁石孔S21に対する開口部Aの形成位置を容易に変更できるため、上述の工程Bと同様にしてコアシートS2を形成することができる。併せて、各コアカシメKを所定位置に形成する。
また、上記工程Cと同様に、コアシートS2に設けられたブリッジBと開口部Aとが、一枚のコアシートS2毎に回転軸方向に交互に隣接して配設された、複数のコアシートS2から成る円筒状の積層体(図4参照)を形成する。本実施形態では、新たに積層するコアシートS2を既に積層されたコアシートS2に対して一枚ずつ磁極ピッチで相対的に回転させながら積層する。このように各コアシートS2を積層することで、各磁石孔S21は回転軸方向に連通するように配置されつつ、開口部AとブリッジBとは一枚のコアシートS2毎に回転軸方向に交互に隣接して配置されることになる。
一方、各コアシートS2には複数のコアカシメKが磁極ピッチでの回転対称となる位置に設けられているため、既に積層されたコアシートS2の一面側に形成された各コアカシメKの凹部と、新たに積層されるコアシートS2の他面側に形成された各コアカシメKの突起部とが互いに噛み合いながら各コアシートS2が順次積層される。したがって、本実施形態では、各コアカシメKにより容易に位置決めを行いつつ各コアシートS2の積層間を順次固定しながら所望の積層体を形成することができるとともに、各コアシートS2の積層間をより強固に固定することができる。
なお、新たに積層するコアシートS2を既に積層されたコアシートS2に対して相対的に回転させる方法としては、例えば、新たに積層するコアシートS2を直接回転させる方法や、既に積層されたコアシートS2が載置されるホルダー等の受け側を回転させる方法などが挙げられる。あるいは、工程BにおいてコアシートS2を打抜き形成する際に金型の打抜き位置を異ならせて、新たに積層されるコアシートS2の各磁石孔S21を、既に積層されたコアシートS2に対して相対的に回転させられたのと実質的に同一の位置関係になるように打抜き形成してもよい。
さらに、図6に示すように、上記工程Dと同様に、複数のコアシートS2から成る積層体の外周部における各ブリッジBに相当する部分に対してレーザLを照射することにより、各ブリッジBを非磁性化するための熱処理を行う。ここで、本実施形態において着目すべき点は、かかる熱処理を各ブリッジBに対して行った場合であっても、コアシートS2の積層間での短絡が一切生じないという点にある。
すなわち、本実施形態では、全てのブリッジBの回転軸方向両端側に必ず開口部Aが隣接しているため、たとえ熱処理の際に各ブリッジBの近傍において絶縁被膜が溶けてしまったとしても各コアシートS2の積層間に連続的な短絡が生じることはなく、全てのコアシートS2の積層間において絶縁が保持される。したがって、ロータコア20を構成する各コアシートS2には、上述した一群のコアシートS1のように各ブリッジB近傍において積層間に連続的な短絡が生じた部分が形成されることはない。
本実施形態のロータコア20及びその製造方法によれば、全てのコアシートS2の積層間の絶縁を保持しつつ各ブリッジBを非磁性化することができるため、コアシートS2の積層間短絡に起因する渦電流の発生を確実に防止することができる。これにより、上述したロータコア10と比較してもコアの鉄損をさらに低減することが可能となり、回転電機の効率をより大幅に向上させることができる。
また、図7に示すロータコア30のような形態で実施してもよい。第三実施形態に係るロータコア30は、すべて同一形状のコアシート(S1、S2)で構成されておらず、互いに形状の異なる複数種類のコアシートを含んで構成されている点で、上述したロータコア(10、20)と異なっている。具体的には、本実施形態のロータコア30は、主として、第一コアシート(本実施形態では、図12に示す従来のコアシートS)と第二コアシートS3(図8参照)とを含むことを特徴としている。
第一コアシートSは、各磁石孔S41の長手方向両端にブリッジBが設けられている。これに対し、第二コアシートS3は、図8に示すように、各磁石孔S31の長手方向両端に開口部Aが設けられている。本実施形態のロータコア30は、これら第一コアシートSおよび第二コアシートS3が回転軸方向に一枚ずつ交互に積層されている。したがって、各磁石孔部31の長手方向両端部における開口部AとブリッジBの配置は、上述したロータコア20と実質的に同一となる。
本実施形態のロータコア30において、回転軸方向の両端には第一コアシートSが配置されていることが好ましい。これにより、第二コアシートS3を第一コアシートSで挟んで保持することができるため、ロータコア30の機械的強度が増す。
また、本実施形態のロータコア30は、第一コアシートSと第二コアシートS3とが、それぞれ不図示の接着層(例えば、コアワニス等)を介して積層されている。接着層を介して回転軸方向に隣接するコアシートの積層間を固定すれば、ロータコア30の機械的強度を十分に確保できる限り、例えば、上述した第二円形孔H2(図2、図5参照)やコアカシメK(図5参照)を各コアシート(S、S3)に形成する必要がなくなる。これにより、磁束の流れが阻害されるのを防止するとともに、コアの磁気抵抗を低減することができる。
本実施形態のロータコア30は、以下の点を除き、上述のロータコア10、20と同様の製造方法により製造することができる。具体的には以下の通りである。
本実施形態では、上記工程Bと同様に、所定の金型を用いて、互いに形状が異なる第一コアシートS及び第二コアシートS3を打抜き形成する。第一コアシートSと第二コアシートS3の形状の違いは、磁石孔(S41、S31)の長手方向両端にブリッジBを備えるか、あるいは開口部Aを備えるかという点にある。よって、例えば、第一コアシートSの各磁石孔S41を打ち抜く金型と、第二コアシートS3の各磁石孔S31を打ち抜く金型をそれぞれ準備し、これらを交互に動作させれば、第一コアシートS及び第二コアシートS3が交互に形成される。あるいは、第一コアシートSの各磁石孔S41を打ち抜く金型と、第二コアシートS3の各開口部Aのみを打ち抜く金型をそれぞれ準備し、磁石孔S41を打ち抜く金型を常時動作させつつ各開口部Aのみを打ち抜く金型を間欠的に動作させるように構成してもよい。
ここで、本実施形態では、第一コアシートS及び第二コアシートS3の表面にコアワニスを塗布して接着層を形成してこれらを単に交互に積層していけば、各磁石孔部31の長手方向両端部における開口部AとブリッジBの配置が上述のロータコア20と実質的に同一の積層体を形成することができる。したがって、本実施形態のロータコア30及びその製造方法によれば、上述のロータコア20と同様の効果を得ることが可能でありながら上記工程Bおよび工程Cを簡素化できるため、生産効率を向上させることができる。
なお、本実施形態において、第二コアシートS3は、ロータコア30の各磁極間に位置する内側部S3iの各先端部(図8の斜線部分)がカットされていてもよい。その場合、第二コアシートS3の外周部から径方向に所定距離だけ後退した凹部が周方向に隣り合う開口部Aの間に形成されることとなり、ロータコア30の外周部には、周方向に開口部Aよりも幅広の実質的な開口部が、周方向に等ピッチで各磁極Pの極間部に設けられるとともに、一のコアシート毎に回転軸方向に交互に配設される。
また、本実施形態のロータコア30は、上述の第一コアシートSおよび第二コアシートS3に替えて、第一コアシートS'(図9参照)および第二コアシートS3'(図10参照)から構成されていてもよい。第一コアシートS'および第二コアシートS3'は、磁石孔(S41、S31)の長手方向端部とは異なる位置に、それぞれ第二ブリッジB'を備えている。第二ブリッジB'は、各磁石孔(S41、S31)の長手方向中央部に配設されているが、長手方向端部とは異なる位置である限り任意の位置に形成されていてもよい。各磁石孔(S41、S31)に第二ブリッジB'を設けることで、ロータコアの機械的強度を向上させることができる。これにより、完成品の寸法精度を高めると同時に、生産中における又は回転電機の使用によるロータコアの変形を抑制することができる。
本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づいて種々なる改良、修正、又は変形を加えた態様でも実施できる。また、同一の作用又は効果が生じる範囲内で、何れかの発明特定事項を他の技術に置換した形態で実施しても良い。
例えば、本発明において、ロータコアを構成する各コアシートのブリッジに対する熱処理はレーザ照射に限定されるものではなく、各ブリッジのみを部分的に非磁性化することが可能である限り任意の方法を採用することができる。具体的には、TIG溶接やプラズマアーク溶接などによる加熱、電子ビーム照射、高周波加熱など、種々の方法による熱処理を適用することも可能である。特に、熱源からの距離または焦点からの距離によって熱量が減衰する熱処理であれば好適である。
また、上述した各実施形態に係るロータコア(10、20、30)は、いずれも各コアシートの磁石孔が円弧状に形成されているが、磁石孔の形状は特に限定されず適宜設計変更してもよい。例えば、方形状のスリットの長手方向両端にフラックスバリアが形成された略凹状の磁石孔や、方形状のスリットをコアシートの径方向に沿って放射状に形成した磁石孔を周方向に等ピッチで複数設けたコアシートを採用してもよい。
さらに、上述した各実施形態に係るロータコア(10、20、30)は、いずれもインナロータであるが、本発明はアウタロータにも適用することが可能である。
10、20、30、40 ロータコア
11、21、31、41 磁石孔部
TH1 第一貫通孔
TH2 第二貫通孔
P 磁極
S1、S2 コアシート
S、S' 第一コアシート
S3、S3' 第二コアシート
A 開口部
B ブリッジ
B' 第二ブリッジ
Si、S1i、S2i、S3i 内側部
So、S1o、S2o、S3o 外側部
K コアカシメ
L レーザ
O 回転軸の軸心

Claims (15)

  1. 電磁鋼板を所定形状に形成した複数のコアシートを回転軸方向に積層して成り、該コアシートに設けられた複数の磁石孔が回転軸方向に連通するように配置された円筒状のロータコアであって、
    前記磁石孔の端部が前記コアシートの外周部で開口した開口部と、
    前記磁石孔の端部と前記コアシートの外周部との間に設けられたブリッジと、を備え、
    前記開口部が、前記ブリッジと回転軸方向に隣接する位置に少なくとも一つ配設され、
    前記ブリッジが、熱処理により非磁性化されていることを特徴とするロータコア。
  2. 前記ブリッジと前記開口部とが、一の前記コアシート毎に回転軸方向に交互に配設されていることを特徴とする請求項1に記載のロータコア。
  3. 前記コアシートにおいて、
    前記磁石孔の両端のうち、いずれか一方の端部に前記ブリッジが設けられ、他方の端部に前記開口部が設けられていることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載のロータコア。
  4. 前記コアシートが、
    前記各磁石孔の両端に前記ブリッジが設けられた第一コアシートと、
    前記各磁石孔の両端に前記開口部が設けられた第二コアシートと、を含むことを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載のロータコア。
  5. 前記第一コアシートが、回転軸方向の両端に配置されていることを特徴とする、請求項4に記載のロータコア。
  6. 前記コアシートの前記磁石孔よりも径方向の外側部又は内側部の何れか一方、若しくは両方に、前記コアシートの積層間を固定するコアカシメが設けられていることを特徴とする、請求項1から請求項5の何れか一つに記載のロータコア。
  7. 前記コアシートが、接着層を介して積層されていることを特徴とする、請求項1から5の何れか一つに記載のロータコア。
  8. 前記コアシートが、前記磁石孔の端部とは異なる位置に設けられた第二ブリッジを備えることを特徴とする、請求項1から請求項7の何れか一つに記載のロータコア。
  9. 電磁鋼板を所定形状に形成した複数のコアシートを回転軸方向に積層して成り、該コアシートに設けられた複数の磁石孔が回転軸方向に連通するように配置された円筒状のロータコアの製造方法であって、
    前記電磁鋼板を準備する工程Aと、
    一又は複数の金型により前記電磁鋼板を所定形状に打ち抜いて複数の前記コアシートを形成する工程Bと、
    複数の前記コアシートを回転軸方向に積層して、前記磁石孔の端部が前記コアシートの外周部で開口した開口部と、前記磁石孔の端部と前記コアシートの外周部との間に設けられたブリッジと、を備え、前記開口部が、前記ブリッジと回転軸方向に隣接する位置に少なくとも一つ配設された円筒状の積層体を形成する工程Cと、
    前記積層体の外周面のうち前記ブリッジに相当する部分に対して熱処理を行い、該ブリッジを非磁性化する工程Dと、
    を含むことを特徴とするロータコアの製造方法。
  10. 前記工程Cにおいて、
    前記ブリッジと前記開口部とが、一の前記コアシート毎に回転軸方向に交互に配置されるように前記各コアシートを積層することを特徴とする、請求項9に記載のロータコアの製造方法。
  11. 前記工程Bにおいて、
    前記磁石孔の両端のうち、いずれか一方の端部に前記ブリッジが設けられ、他方の端部に前記開口部が設けられた前記コアシートを形成することを特徴とする、請求項9又は10に記載のロータコアの製造方法。
  12. 前記工程Bにおいて、
    前記磁石孔に対する前記ブリッジの位置が各磁極で同一である前記コアシートを形成し、
    前記工程Cにおいて、
    一又は複数の前記コアシート毎に前記コアシートの一面同士および他面同士が接するように前記各コアシートを積層することを特徴とする、請求項11に記載のロータコアの製造方法。
  13. 前記工程Bにおいて、
    前記磁石孔に対する前記ブリッジの位置が磁極毎に交互に異なる前記コアシートを形成し、
    前記工程Cにおいて、
    一又は複数の前記コアシート毎に前記コアシートを磁極ピッチで相対的に回転させながら積層することを特徴とする、請求項11に記載のロータコアの製造方法。
  14. 前記工程Bにおいて、
    前記磁石孔の両端に前記ブリッジが設けられた第一コアシートと、
    前記磁石孔の両端に前記開口部が設けられた第二コアシートと、を形成することを特徴とする、請求項9又は請求項10に記載のロータコアの製造方法。
  15. 前記工程Dにおいて行う前記熱処理が、レーザによる熱処理であることを特徴とする、請求項9から請求項14のいずれか一つに記載のロータコアの製造方法。
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