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JP2014071628A - 運転支援システム、運転支援プログラム、運転支援方法 - Google Patents

運転支援システム、運転支援プログラム、運転支援方法 Download PDF

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JP2014071628A JP2012216769A JP2012216769A JP2014071628A JP 2014071628 A JP2014071628 A JP 2014071628A JP 2012216769 A JP2012216769 A JP 2012216769A JP 2012216769 A JP2012216769 A JP 2012216769A JP 2014071628 A JP2014071628 A JP 2014071628A
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英文 岡部
Toshihiro Kano
俊博 狩野
Shuya Michiwaki
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Abstract

【課題】ドライバーの状態に限らず、運転状況にも鑑みて適切に運転支援を行う。
【解決手段】運転支援システムは、ドライバー状態情報を取得する状態情報取得部11と、ドライバー状態情報に基づいて眠気の程度を判定する眠気判定部12と、車両の現在位置を特定する自位置特定部13と、目的地情報を取得する目的地情報取得部14と、自位置情報と目的地情報とに基づいて所要時間を演算する所要時間演算部15と、ドライバーが判定基準値よりも強い眠気を生じていると判定された場合に、目的地情報及び所要時間を含む決定条件に基づいて、走行を継続するための継続走行支援及びドライバーに休憩を促す休憩支援を含む支援内容を決定する支援内容決定部17と、支援内容に応じて異なる刺激をドライバーに提供する刺激提供部5とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、ドライバーによる車両の運転を支援する運転支援技術に関する。
ドライバーの様子や生体情報などを検出し、当該ドライバーのコンディション(体調)を判定して、安全運転を支援する運転支援システムが提案されている。このような支援には、例えば眠気を催しているドライバーに対して、覚醒のための刺激を与えることが含まれる。特開2008−186181号公報(特許文献1)には、ドライバーが違和感なく刺激を受け入れることができるように構成された覚醒維持装置が提案されている。この覚醒維持装置は、眠気レベルを3つの範囲(刺激不提示範囲・条件付刺激提示範囲・刺激提示範囲)に分けて、それぞれの範囲に応じて異なる3つの形態で、覚醒効果のある刺激をドライバーに与えるように構成されている。刺激不提示範囲が設定されていることから明らかなように、これらの形態には、刺激を与えない形態も含まれる(第30〜34段落、要約等)。このように、この覚醒維持装置では、眠気レベルに応じて異なる形態で覚醒効果のある刺激の与え方を異ならせている。しかし、刺激による覚醒の必要性や効果は、眠気レベルのようなドライバーのコンディションに限らず、行き先や時間帯などの運転状況によっても異なる可能性がある。
特開2008−186181号公報
上記背景に鑑みて、ドライバーのコンディションに限らず、運転状況にも鑑みて適切に運転支援を行う技術の提供が望まれる。
上記課題に鑑みた本発明に係る運転支援システムの特徴構成は、
車両を運転するドライバーの状態を示すドライバー状態情報を取得する状態情報取得部と、
前記ドライバー状態情報に基づいて前記ドライバーの眠気の程度を判定する眠気判定部と、
前記車両の現在位置を特定して自位置情報を生成する自位置特定部と、
前記車両の目的地を示す目的地情報を取得する目的地情報取得部と、
前記自位置情報と前記目的地情報とに基づいて前記目的地までの所要時間を演算する所要時間演算部と、
前記眠気判定部により、前記ドライバーが予め規定された判定基準値よりも強い眠気を生じていると判定された場合に、前記目的地情報及び前記所要時間を含む決定条件に基づいて、走行を継続するための継続走行支援及び前記ドライバーに休憩を促す休憩支援を含む支援内容を決定する支援内容決定部と、
前記支援内容決定部により決定された前記支援内容に応じて異なる刺激を前記ドライバーに提供する刺激提供部と、を備える点にある。
この特徴構成によれば、ドライバーが眠気を生じていると判定された際に、目的地情報及び所要時間を含む決定条件に基づいて支援内容が決定される。そして、決定された支援内容に応じて異なる刺激がドライバーに提供される。つまり、ドライバーが眠気を生じている場合に、一律に同様の刺激が提供されるのではなく、目的地情報や所要時間などの運転状況が考慮された決定条件に基づく支援内容に応じた刺激が提供される。その結果、眠気などのドライバーのコンディションに限らず、運転状況にも鑑みて適切に運転支援を行うことが可能となる。
ところで、所要時間が比較的短い場合には、ドライバーは早く目的地に到着したいと考える可能性が高くなり、反対に所要時間が比較的長い場合には、ドライバーは休憩等を挟んで目的地へ向かおうと考える可能性が高くなる。従って、支援内容決定部は、所要時間に応じて、支援内容を決定すると好適である。また、目的地への到着予想時刻が比較的遅い時刻の場合には、ドライバーは早く目的地に到着したいと考える可能性が高く、反対に到着予想時刻が比較的早い時刻の場合には、時間的な余裕があるために、ドライバーは休憩等を挟んで目的地へ向かおうと考える可能性が高くなる。従って、支援内容決定部は、所要時間に加え、到着予想時刻も考慮して支援内容を決定すると好適である。そのような1つの好適な態様として、本発明に係る運転支援システムは、さらに、日時情報を取得する日時情報取得部を備え、前記支援内容決定部は、前記所要時間が予め規定された基準所要時間以下の場合には、前記支援内容を前記継続走行支援に決定し、前記基準所要時間よりも長い場合には、支援内容を前記休憩支援に決定するものであり、前記基準所要時間は、前記日時情報と前記所要時間とに基づいて、前記目的地への到着予想時刻が遅くなるのに応じて、長い時間に設定されるものであるとよい。
また、ドライバーは、目的地が自宅である場合には、早く帰って落ち着きたいと考える可能性があり、休憩を促すと煩わしさを覚える可能性もある。従って、運転支援システムは、目的地が自宅である場合には、休憩支援よりも継続走行支援が選択され易いように構成されていると好適である。そのような1つの態様として、前記支援内容決定部は、前記所要時間が予め規定された基準所要時間以下の場合には、前記支援内容を前記継続走行支援に決定し、前記基準所要時間よりも長い場合には、支援内容を前記休憩支援に決定するものであり、前記基準所要時間は、前記目的地情報に基づいて、前記目的地が前記ドライバーの自宅であると判定される場合は、前記目的地が自宅以外であると判定される場合に比べて長い時間に設定されると好適である。
別の観点として、翌日がドライバーの出勤日であるような場合には、ドライバーは早く目的地に到着して、落ち着きたいと考える可能性がある。また、この目的地は、自宅である可能性が高く、休憩を促すと煩わしさを覚える可能性もある。従って、翌日がドライバーの出勤日であるような場合には、目的地が自宅である際と同様に、休憩支援よりも継続走行支援が選択され易いように構成されていると好適である。そのような1つの好適な態様として、本発明に係る運転支援システムは、さらに、日時情報を取得する日時情報取得部を備え、前記支援内容決定部は、前記所要時間が予め規定された基準所要時間以下の場合には、前記支援内容を前記継続走行支援に決定し、前記基準所要時間よりも長い場合には、支援内容を前記休憩支援に決定するものであり、前記基準所要時間は、前記日時情報に基づいて、翌日が前記ドライバーの出勤日であると判定される場合は、翌日が出勤日でないと判定される場合に比べて長い時間に設定されるものであるとよい。
また別の観点として、目的地がドライバーの職場であるような場合、通勤途上に休憩を促すと、ドライバーが煩わしさを覚える可能性がある。従って、目的地がドライバーの職場であるような場合には、休憩支援よりも継続走行支援が選択され易いように構成されていると好適である。多くの場合、出勤時は、自宅で休養した後に運転を始めていると考えられるので、目的地が自宅である場合よりもさらに、休憩支援よりも継続走行支援が選択され易いように構成されていると好適である。そのような1つの態様として、前記支援内容決定部は、前記所要時間が予め規定された基準所要時間以下の場合には、前記支援内容を前記継続走行支援に決定し、前記基準所要時間よりも長い場合には、支援内容を前記休憩支援に決定するものであり、前記基準所要時間は、前記目的地情報に基づいて、前記目的地が前記ドライバーの自宅であると判定される場合は、前記目的地が自宅以外であると判定される場合に比べて長い時間に設定され、前記目的地が前記ドライバーの職場であると判定される場合は、前記目的地が自宅であると判定される場合に比べてさらに長い時間に設定されると好適である。
ところで、本発明に係る運転支援システムの前記刺激提供部は、前記支援内容が前記継続走行支援の場合には、前記ドライバーを覚醒に導く刺激を提供し、前記支援内容が前記休憩支援の場合には、前記ドライバーを休憩へ導く刺激を提供すると好適である。継続走行支援が実行される際には、ドライバーが運転を継続するので、ドライバーが生じている眠気が解消又は抑制されるように、ドライバーを覚醒に導く刺激が提供されると効果的である。一方、休憩支援の場合には、ドライバーに運転を中断させて休憩させるために、ドライバーを休憩に導く刺激、例えば休憩方法の案内などが行われると効果的である。
ここで、前記刺激提供部は、前記支援内容が前記休憩支援の場合には、休憩地点の情報を提供すると好適である。上述したように、休憩支援の場合には、例えば休憩方法などが案内されると効果的である。休憩方法の案内として、休憩可能場所の位置や提供されるサービス、即ち休憩地点の情報が提供されるとドライバーは迅速に効果的な休憩を取ることができる。つまり、ドライバーは、コーヒーやお茶などの覚醒効果の高い飲み物を飲んだり、顔を洗ったりするようなことを効率的に実施することができる。
尚、ドライバーが非常に強い眠気を生じているような場合には、目的地や所要時間等に拘わらず、休憩を促すことが好ましい。一方、継続運転支援や休憩支援の実施が不要な程度の弱い眠気を生じているような場合でも、眠気を生じ始めていることを警告すれば、覚醒レベルの低下を抑制することができる可能性がある。従って、継続運転支援や休憩支援が実施される判定基準値よりも高い基準値や、低い基準値によって、別の支援内容による運転支援が実施されると好適である。そのような1つの態様として、本発明に係る運転支援システムの前記支援内容決定部は、前記ドライバーが、前記判定基準値よりも強い眠気に対応する高レベル基準値よりも強い眠気を生じていると前記眠気判定部により判定された場合に、前記決定条件に拘わらず、前記ドライバーに迅速な休憩を促す強制休憩支援を前記支援内容に決定し、前記ドライバーが、前記判定基準値よりも弱く、前記判定基準値よりも弱い眠気に対応する低レベル基準値よりも強い眠気を生じていると前記眠気判定部により判定された場合に、前記ドライバーに対して眠気を生じていることの警告を行う警告支援を前記支援内容に決定すると好適である。
上述した本発明に係る運転支援システムの種々の技術的特徴は、運転支援プログラムや、運転支援方法にも適用可能である。従って、本発明は、そのような運転支援プログラムや、運転支援方法も権利の対象とすることができる。例えば、本発明に係る運転支援プログラムは、上述した運転支援システムの特徴を備えた各種のステップをコンピュータに実行させることが可能である。以下にその代表的な態様を例示する。当然ながらこのような運転支援プログラムも、上述した運転支援システムの作用効果を奏することができる。さらに、運転支援システムの好適な態様として例示した種々の付加的特徴をこの運転支援プログラムに組み込むことも可能であり、当該プログラムはそれぞれの付加的特徴に対応する作用効果も奏することができる。本発明に係る運転支援方法についても同様である。
その場合における、本発明に係る運転支援プログラムの特徴は、
車両を運転するドライバーの状態を示すドライバー状態情報を取得する状態情報取得機能と、
前記ドライバー状態情報に基づいて前記ドライバーの眠気の程度を判定する眠気判定機能と、
前記車両の現在位置を特定して自位置情報を生成する自位置特定機能と、
前記車両の目的地を示す目的地情報を取得する目的地情報取得機能と、
前記自位置情報と前記目的地情報とに基づいて前記目的地までの所要時間を演算する所要時間演算機能と、
前記眠気判定部により、前記ドライバーが予め規定された判定基準値よりも強い眠気を生じていると判定された場合に、前記目的地情報及び前記所要時間を含む決定条件に基づいて、走行を継続するための継続走行支援及び前記ドライバーに休憩を促す休憩支援を含む支援内容を決定する支援内容決定機能と、
前記支援内容決定部により決定された前記支援内容に応じて異なる刺激を刺激提供部を介して前記ドライバーに提供する刺激提供機能と、をコンピュータに実行させる点にある。
また、本発明に係る運転支援方法の特徴構成は、
車両を運転するドライバーの状態を示すドライバー状態情報を取得する状態情報取得ステップと、
前記ドライバー状態情報に基づいて前記ドライバーの眠気の程度を判定する眠気判定ステップと、
前記車両の現在位置を特定して自位置情報を生成する自位置特定ステップと、
前記車両の目的地を示す目的地情報を取得する目的地情報取得ステップと、
前記自位置情報と前記目的地情報とに基づいて前記目的地までの所要時間を演算する所要時間演算ステップと、
前記眠気判定部により、前記ドライバーが予め規定された判定基準値よりも強い眠気を生じていると判定された場合に、前記目的地情報及び前記所要時間を含む決定条件に基づいて、走行を継続するための継続走行支援及び前記ドライバーに休憩を促す休憩支援を含む支援内容を決定する支援内容決定ステップと、
前記支援内容決定部により決定された前記支援内容に応じて異なる刺激を前記ドライバーに提供する刺激提供ステップと、を備える点にある。
運転支援システムの構成を示す模式的ブロック図 運転支援の手順を示すフローチャート 警告支援モードの報知例を示す図 強制休憩支援モードの報知例を示す図 休憩支援モードの報知例を示す図 休憩支援モードにおける休憩地点の情報の報知例を示す図 継続走行支援モードの報知例を示す図 支援モードを決定する手順を示すフローチャート 支援モードを決定するための走行シーンテーブルの一例を示す図
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。運転支援システム1は、ドライバーによる運転操作を支援するシステムであり、例えば駐車時の運転操作を支援する駐車支援システムや、効率のよい運転となるように運転操作を支援する走行支援システムなどを含むシステムである。本実施形態では、運転支援システム1は、ドライバーの状態や車両の目的地、当該目的地までの所要時間等に応じて、眠気の解消や抑制のための支援、弱い眠気が生じている状態において運転を継続するための支援等を行う。
また、本実施形態では、運転支援システム1は、ナビゲーションシステムと一体化されている。よく知られているように、ナビゲーションシステムは、目的地までの経路情報や、車両の周辺情報、交通情報などをドライバーに提供して、ドライバーを案内するシステムである。図1においては、便宜上、運転支援システム1の中核となる種々の機能部により構成された運転支援演算部3と、ナビゲーションシステムの中核となる不図示の機能部により構成されたナビゲーション演算部4とを分けて図示しているが、例えば同一の機能を有する機能部は共有されていてもよい。
また、運転支援システム1は、図1に示すように車載システムの一部を構成し、走行制御システム30や顔認識システム9と協働する。走行制御システム30は、内燃機関や回転電機などの車両の駆動装置を制御するシステムである。図1に示すように、走行制御システム30は、アクセルペダル(アクセル操作部)の操作量を検出するアクセルセンサ31、ブレーキペダル(ブレーキ操作部)の操作量を検出するブレーキセンサ32、ステアリングホイールの操作量を検出する舵角センサ33、走行輪の回転速度や回転方向を検出する回転センサ34、シフトレバーの位置を検出する不図示のシフト位置センサなどの検出結果に基づいて、車両駆動装置を制御する。具体的には、走行制御システム30は、これら運転装置の操作量を検出するセンサの検出結果や、走行輪の回転速度や回転方向を検出する回転センサ34や、車両の加速度を検出する加速度センサ35、不図示の方位センサなど、車両の挙動を検出するセンサの検出結果に基づいて、走行指令値を演算し、車両用駆動装置を制御する。また、顔認識システム9は、後述するように、ドライバーの顔を認識するシステムである。
図1に示すように、運転支援システム1を含む各システムや、各種センサは、車内ネットワーク100を介して接続され、互いに情報伝達可能に構成されている。尚、この車内ネットワーク100を介した接続形態は模式的なものであり、各システム及び各センサは、図1の形態に限定されることなく、直接あるいは間接的に接続されていてもよい。
図1に示すように、運転支援システム1は、マイクロコンピュータなどの論理演算プロセッサを有して構成されるナビゲーションECU2を中核として構成されている。つまり、運転支援システム1は、当該プロセッサなどのハードウェアとプログラムなどのソフトウェアとの協働によって、図1に示すような、種々の機能を実現する複数の機能部を有して構成される。運転支援システム1は、状態情報取得部11と、眠気判定部12と、自位置特定部13と、目的地情報取得部14と、所要時間演算部15と、日時情報取得部16と、支援内容決定部17と、刺激提供部5とを有して構成されている。
状態情報取得部11は、車両を運転するドライバーの状態を示すドライバー状態情報を取得する機能部である。眠気判定部12は、ドライバー状態情報に基づいてドライバーの眠気の程度を判定する機能部である。自位置特定部13は、車両の現在位置を特定して自位置情報を生成する機能部である。目的地情報取得部14は、車両の目的地を示す目的地情報を取得する機能部である。所要時間演算部15は、自位置情報と目的地情報とに基づいて目的地までの所要時間を演算する機能部である。日時情報取得部16は、日時情報を取得する機能部である。
支援内容決定部17は、ドライバーが予め規定された判定基準値(標準基準値)よりも強い眠気を生じていると判定された場合に、決定条件に基づいて支援内容(支援モード)を決定する機能部である。この支援内容には、少なくとも継続走行支援(継続走行支援モード)及び休憩支援(休憩支援モード)が含まれる。また、決定条件には、目的地情報及び所要時間が含まれる。支援モードの内、継続走行支援モードは、ドライバーが判定基準値(標準基準値)よりも強い眠気を生じていると判定された場合でも、走行を継続するための支援を行うモードである。休憩支援モードは、ドライバーに休憩を促すモードである。尚、後述するように、支援モードには、これらの他、ドライバーに迅速な休憩を促す強制休憩支援モード、単にドライバーに対して眠気を生じていることの警告を行う警告支援モードを含めることができる。また、決定条件には、目的地への到着予想時刻なども含めることができる。
刺激提供部5は、支援内容決定部17により決定された支援内容(支援モード)に応じて異なる刺激をドライバーに提供する機能部である。刺激提供部5の実体は、情報提供部6として機能する表示装置50や、実刺激提供部7として機能するシート振動制御装置61、シート振動部62、におい発生装置71である。支援内容決定部17で決定された支援モードに基づき、例えば運転支援演算部3に構成される不図示の刺激提供制御部が、実際に刺激を提供する装置に作動指令や情報を出力する。この作動指令や情報に基づいて、刺激提供部5の実体である各装置は、ドライバーに刺激を提供する。
表示装置50は、例えば、車両のコントロールパネルやダッシュボードに設置される平面ディスプレイ(FPD:flat panel display)である。このFPDは、ナビゲーションシステムの表示装置としても利用される。このような表示装置50は、ディスプレイ50dと、スピーカー50sとを有して構成されている。ナビゲーション演算部4から提供されるナビゲーション情報の表示と、運転支援演算部3から提供される運転支援情報(刺激)の表示とを同一のディスプレイ50dで行う場合には、ディスプレイ50dの表示画面が分割されると好適である。あるいは、運転支援情報の表示が必要となった場合に、ナビゲーション情報が表示されている表示画面上に、運転支援情報が重畳表示されてもよい。また、表示装置50は、フロントウィンドウに通常の視界と重なって情報(ここでは支援情報)が表示されるヘッドアップディスプレイ(HUD:head-up display)であってもよい。ダッシュボード等に設置されるFPDとHUDとの双方が備えられる場合には、FPDにてナビゲーション情報の表示行い、HUDにて運転支援情報の表示を行うなど、双方で表示対象を分担してもよい。
詳細は後述するが、表示装置50を介してドライバーに提供される刺激は、判定された眠気の程度や、ドライバーへのメッセージである。従って、当該刺激は、“情報(支援情報)”ということもでき、表示装置50は、情報提供部6としても機能する。尚、表示装置50に備えられるスピーカー50sも、眠気の程度やメッセージを音声によりドライバーに伝えるものであるから、同様に情報提供部6として機能する。但し、スピーカー50sは、そのようなメッセージの他にも、警報音を鳴らすことが可能である。これは、具体的な情報を示すというよりも、ドライバーの聴覚に直接、覚醒のための刺激を提供していることと等価である。つまり、いわゆる目覚まし時計のベルやアラームと同様の刺激を提供していることになる。従って、スピーカー50sは、ドライバーの五感に直接的に刺激を与える実刺激提供部7としても機能する。当然ながら、ディスプレイ50dに支援情報が表示されることによって、通常とは異なる刺激が視覚的にドライバーに提供されるということもできる。従って、図1では、実刺激提供部7には含めていないが、ディスプレイ50dも実刺激提供部7として機能することが可能である。
本実施形態では、実刺激提供部7として、スピーカー50sの他、シート振動制御装置61及びシート振動部62、におい発生装置71が備えられている。シート振動制御装置61は、ドライバーが着座するシートに振動を発生させるための制御を行う機能部である。そして、シート振動部62は、シート振動制御装置61の制御に基づいて、アクチュエータを駆動させてシートを振動させる。ドライバーは、シートから直接、触覚への刺激を受けることになる。また、におい発生装置71は、例えばわさび臭などを発生させて、ドライバーの嗅覚に対して直接、刺激を提供する。わさび臭は、就寝中であっても気づくことができる刺激として知られている。従って、覚醒のための刺激として好適である。尚、図1には制御装置やアクチュエータ(振動部)は不図示であるが、ステアリングホイールを振動させることも、覚醒のための刺激として好適である。
ここで、図2のフローチャートを参照して、運転支援システム1による運転支援の手順について説明する。初めに、状態情報取得部11により、ドライバーの状態を示すドライバー状態情報が取得される(#1:状態情報取得機能/ステップ)。ドライバー状態情報とは、生体情報センサ38により検出される呼吸数や呼吸の深さ、心拍数(脈拍)、顔認識システム9により認識されるドライバーの視線の動き、視線の位置、目の開き具合(瞼の位置)、顔の向き、顔の動きなどである。生体情報センサ38は、例えばシートの背もたれ部や、座面に設けられた荷重センサや圧電センサ等によって実現されている。例えば、肺や心臓に近い背もたれ部に設けられたセンサによって呼吸数や呼吸の深さ、心拍数が検出可能であり、大腿部の血管に近い座面に設けられたセンサによって脈拍(心拍数)が検出可能である。また、顔認識システム9は、コントロールパネルや、サンバイザーの上方等に設置された車内カメラ91によりドライバーの顔を撮影し、画像認識を行う。
次に、取得されたドライバー状態情報に基づいて前記ドライバーの眠気の程度(眠気レベル)を判定する眠気判定処理が、眠気判定部12により実施される(#2:眠気判定機能/ステップ)。1つの態様として、目の開き具合や、目の開き具合の経過により眠気の程度を定量的に表すことができる。この他、瞬きの回数や瞳の動きにより眠気の程度を表すことができる。また、呼吸や心拍数の変化から緊張の度合いや眠気の程度を推定することもできる。当然ながら、顔認識システム9の認識結果と、生体情報センサ38の検出結果との双方を用いて、総合的に眠気を判定してもよい。続いて、算出された眠気が、標準基準値(判定基準値)よりも低い眠気に対応する低レベル基準値を超えているか否かが、眠気判定部12により判定される(#3:眠気判定機能/ステップ)。眠気が低レベル基準値以下の場合には、機能/ステップ#1に戻り、#1〜#3を繰り返す。
眠気が低レベル基準値を超えている場合には、眠気が標準基準値(判定基準値)を超えているか否かが、眠気判定部12により判定される(#4:眠気判定機能/ステップ)。眠気が標準基準値以下の場合には、支援内容決定部17により、支援内容が“警告支援”と決定される(#11:支援内容決定機能/ステップ)。そして、刺激提供部5により、警告支援モードの運転支援(刺激の提供)が実行される(刺激提供機能/ステップ)。警告支援モードは、ドライバーに対して眠気を生じていることの警告を行う支援モードである。つまり、ドライバーが標準基準値(判定基準値)よりも弱く、標準基準値よりも弱い眠気に対応する低レベル基準値よりも強い眠気を生じていると眠気判定部12において判定された場合に、支援内容決定部17は、警告支援を支援内容として決定する。
図3は、警告支援モードが実行された場合にディスプレイ50dに表示される画像の一例と、スピーカー50sから発せられるメッセージの一例とを示している。ディスプレイ50dには、眠気の程度がインジケータ状に描画される。針状の標章の示す位置が判定された眠気の程度(眠気レベル)を示している。この画面表示によってドライバーは、自身に軽く眠気が生じていること、並びにその眠気の程度を視覚的に知覚することができる。また、スピーカー50sより、「注意!眠気が上昇しています!」などの注意喚起のメッセージが発せられるので、眠気が生じていることを聴覚的に知覚すると共に、耳からの刺激によって眠気を少しでも解消させることができる。
再び、図2のフローチャートを参照して説明を続ける。機能/ステップ#4において眠気が標準基準値よりも強いと判定されると、次に、眠気が高レベル基準値以下であるか否かが、眠気判定部12により判定される(#5:眠気判定機能/ステップ)。眠気が高レベル基準値よりも強い場合には、支援内容決定部17により、支援内容が“強制休憩支援”と決定される(#14:支援内容決定機能/ステップ)。そして、刺激提供部5により、強制休憩支援モードの運転支援が実行される(刺激提供機能/ステップ)。強制休憩支援モードは、目的地情報及び所要時間を含む決定条件に拘わらず、ドライバーに迅速な休憩を促す支援モードである。つまり、ドライバーが標準基準値(判定基準値)よりも強い眠気に対応する高レベル基準値よりも強い眠気を生じていると眠気判定部12により判定された場合に、支援内容決定部17は、決定条件に拘わらず、ドライバーに対して強く休憩を促す強制休憩支援を支援内容として決定する。
図4は、強制支援モードが実行された場合にディスプレイ50dに表示される画像の一例と、スピーカー50sから発せられるメッセージの一例とを示している。表示の形態は警告支援モードと同様である。この画面表示によってドライバーは、自身に非常に強い眠気が生じていることを視覚的に知覚することができる。また、スピーカー50sより、「大変強い眠気が生じています!直ちに走行を止めてください!」や「直ちに休憩してください!」などの、強く休憩を促すメッセージが発せられるので、眠気が生じていることを聴覚的に知覚すると共に、耳からの強い刺激によって眠気を少しでも解消させることができる。また、スピーカー50sは、メッセージの合間やメッセージと共に警報音も鳴らして実刺激をドライバーの耳に提供してもよい。さらに、シート振動部62によるシートの振動や、におい発生装置71による刺激臭の発生、ステアリングホイールの振動など、実刺激提供部7による刺激の提供も行うと、ドライバーが車両を停車させるまでの間、ドライバーをある程度覚醒させた状態に戻しておくことができる。
再び、図2のフローチャートを参照して説明を続ける。機能/ステップ#5において、眠気が高レベル基準値以下であると判定された場合には、支援内容決定部17において走行シーン判定処理が実行される(#6:支援内容決定機能/ステップ)。走行シーン判定処理は、目的地情報及び所要時間を含む決定条件に基づいて、車両の走行シーンを判定する処理である。支援内容決定部17は、判定された走行シーンに応じて支援内容を決定する。大きな方向性として、支援内容決定部17は、所要時間が予め規定された基準所要時間以下の場合には、支援内容を“継続走行支援”に決定し、基準所要時間よりも長い場合には、支援内容を“休憩支援”に決定する。詳細については図8及び図9を参照して後述する。
走行シーン判定処理において支援内容が休憩支援と判定された場合には、支援内容決定部17により、支援内容が“休憩支援”と決定される(#7,#12:支援内容決定機能/ステップ)。そして、刺激提供部5により、休憩支援モードの運転支援(刺激の提供)が実行される(刺激提供機能/ステップ)。一方、走行シーン判定処理(#6)において支援内容が継続走行支援と判定された場合には、支援内容決定部17により、支援内容が“継続走行支援”と決定される(#7,#13:支援内容決定機能/ステップ)。そして、刺激提供部5により、継続走行支援モードの運転支援(刺激の提供)が実行される。支援内容が決定すると再びはじめ(#1)に戻り、上述した処理が繰り返される。
図5は、休憩支援モードが実行された場合にディスプレイ50dに表示される画像の一例と、スピーカー50sから発せられるメッセージの一例とを示している。表示の形態は警告支援モード及び強制休憩支援モードと同様である。この画面表示によってドライバーは、自身に比較的強い眠気が生じていることを視覚的に知覚することができる。また、スピーカー50sより、「強い眠気が生じています!休憩をお勧めします!」や「早めに休憩してください!」などの、休憩を促すメッセージが発せられるので、眠気が生じていることを聴覚的に知覚すると共に、耳からの刺激によって眠気を少しでも解消させることができる。尚、上述した、休憩を促すメッセージは、ドライバーを休憩に導く刺激の提供に相当する。強制休憩支援モードと同様に、さらにスピーカー50sから警報音を鳴らしたり、におい発生装置71から刺激臭を発生させたりしても良いが、休憩支援モードが選択される場面では、検出誤差も考慮するとドライバーの覚醒度が比較的高い可能性もある。このため、多くの実刺激を提供すると却ってドライバーに煩わしさを覚えさせる可能性もある。従って、休憩支援モードではそのような実刺激は抑制されていてもよい。
休憩支援モードでは、さらに、ナビゲーション演算部4と協働して、刺激提供部5が休憩地点の情報を提供してもよい。つまり、図6に示すように、ディスプレイ50dに休憩に適した場所の情報が表示されてもよい。例えば、地図上に、最寄りのコーヒーショップ、ファーストフードショップ、コンビニエンスストアなどが表示されると好適である。この際、さらに、各ショップのクーポン券情報や、新商品情報などが表示されると、ドライバーが立ち寄って休憩しようとする動機付けとなる。また、ドライバーの過去の立ち寄り先などの履歴情報から、表示する休憩地点を選択すると情報の提示量が適切な量に抑制され、視認性も高くなって効果的である。
このような休憩地点の情報は、自動的に表示される形態であってもよいし、ドライバーの意思を確認した後に表示される形態であってもよい。例えば、タッチパッドを有して構成されたFPDに表示された「休憩地点の候補を表示しますか?」等のメッセージボックスをタッチ操作することによって、情報が表示されてもよい。尚、眠気の程度を示す表示は、HUDに表示され、休憩地点の情報は、FPDに表示されるなど、表示対象によって異なる表示装置が利用されてもよい。尚、休憩地点の情報の提供は、ドライバーを休憩に導く刺激の提供に相当する。
図7は、継続運転支援モードが実行された場合にディスプレイ50dに表示される画像の一例と、スピーカー50sから発せられるメッセージの一例とを示している。表示の形態は警告支援モード、強制休憩支援モード、休憩支援モードと同様である。この画面表示によってドライバーは、自身に比較的強い眠気が生じていることを視覚的に知覚することができる。また、スピーカー50sより、「眠気が生じています!注意して走行してください!」などの注意を促すメッセージが発せられるので、眠気が生じていることを聴覚的に知覚すると共に、耳からの刺激によって眠気を少しでも解消させることができる。
この支援モードでは、図8及び図9を利用して後述するように、早く目的地に到着したいであろうという、ドライバーの意思を尊重して、休憩を薦めることなく継続して運転するための支援が実施される。つまり、継続走行支援モードでは、休憩支援モードとほぼ同様の眠気が生じている状態において、休憩を取るための行動を支援するのではなく、継続して安全に運転するための行動を支援する。このため、休憩支援モードの実行時に比べて、ドライバーに実刺激を提供して覚醒度を向上させる必要性は高くなる。つまり、継続走行支援モードにおいては、ドライバーを覚醒に導く刺激が提供されるとより効果的である。例えば、ドライバーが煩わしさを覚えない程度に、スピーカー50sから警報音を鳴らしたり、におい発生装置71から刺激臭を発生させたり、シートやステアリングホイールを振動させたりして実刺激を与えることも好適である。あるいは、スピーカー50sより、発せられる「眠気が生じています!注意して走行してください!」などのメッセージの繰り返し頻度を、休憩支援モードの実行時よりも高くする(繰り返し間隔を短くする)ことで、聴覚的な刺激を強くしてもよい。
このように、本発明の運転支援システム1は、ドライバーに同程度の眠気が生じている状態において、“休憩支援”と“継続走行支援”とが決定条件(走行シーン)を基準として選択される点に特徴を有する。以下、この点について説明する。図8は、図2の走行シーン判定処理(#6)の詳細を示すフローチャートである。はじめに、自位置特定部13により車両の現在位置が特定される(#61:自位置特定機能/ステップ)。自位置の特定は、ナビゲーション演算部4との協働により実施される。例えば、自位置特定部13(及び自位置特定機能/ステップ)は、ナビゲーション演算部4(及びナビゲーションプログラム/方法)と共通であってもよい。
ナビゲーションシステムは、良く知られているように、出発地から目的地までの経路探索、経路案内、案内中の自車両周辺の情報の提供などを行う。ナビゲーションECU2には、図1に示すように、地図データベース42、GPS受信機41、不図示の方位センサや距離センサなどと情報伝達可能に接続されている。ナビゲーションECU2は、GPS受信機41や方位センサ、距離センサなどにより取得された情報を用いて、GPS(Global Positioning System)による測量やデッドレコニング(Dead-Reckoning)による自律制御を利用した演算を実行して車両位置(自位置)を特定する。また、図示は省略するが、位置精度を高めるために、ナビゲーションECU2は、さらに地物認識機能を備えて構成されていてもよい。地物認識機能とは、カメラ36などの車載カメラによる撮影画像を用いて路面上の道路表示(ペイント)や、道路標識、信号機やトンネルなどの構造物などの地物を画像認識して、地図データベース42に格納された地物情報(座標情報)と照合する機能である。
地図データベース42には、所定の区画毎に分けられた地図データが格納されている。地図データは、交差点に対応する複数のノードと各ノード間を接続する道路に対応する複数のリンクとの接続関係により構成される道路ネットワークデータを含んでいる。各ノードは、緯度及び経度で表現された地図上の位置の情報を有している。各リンクは、その属性情報として、道路種別、リンク長、道路幅、道路形状等の情報を有している。この他、地図データベース42には、道路上や道路周辺に設けられた各種の地物(例えば、道路標示、道路標識、信号機、標識、陸橋、トンネル等)の情報、すなわち地物情報が格納されている。
ナビゲーション演算部4と共通して、或いは独立して設けられた自位置特定部13は、上述したようなGPSによる測量やデッドレコニング、地物認識等によって、車両の現在位置を特定して自位置情報を生成する。次に、目的地情報取得部14は、車両の目的地を示す目的地情報を取得する(#62:目的地情報取得機能/ステップ)。目的地情報の取得も、ナビゲーション演算部4と協働して実施される。例えば、ナビゲーションシステムに対してドライバーが目的地を設定した場合には、当該目的地が目的地情報として取得される。ナビゲーションシステムに目的地が設定されていない場合には、車両の走行履歴や現在時刻、現在の進行方向、直近の走行ルートなどから、目的地が推定されて目的地情報として取得される。例えば、日常的な通勤経路であれば、これらの情報に基づいて、職場へ向かっているか、自宅へ向かっているかが比較的高い確率で推定可能である。本実施形態の運転支援システム1では、少なくとも目的地が自宅であること、より好ましくは目的地が自宅又は職場であることが比較的高い確率で推定できるように構成されている。
続いて、所要時間演算部15が、自位置情報と目的地情報とに基づいて目的地までの所要時間を演算する(#63:所要時間演算機能/ステップ)。さらに、日時情報取得部16が、日時情報を取得する(#64:日時情報取得機能/ステップ)。この所要時間の演算、及びこの日時情報の取得についても、運転支援演算部3とナビゲーション演算部4とが協働する。尚、日時情報は、ナビゲーションECU2に搭載された時計から取得されてもよいし、GPS受信機41により受信されたGPS信号から取得されてもよい。また、上述したように、目的地を推定する際には、日時情報も用いられる場合があるので、機能/ステップ#61〜#64の順序は、図8に示す順序に限定されることなく、例えば、機能/ステップ#64が最初に実施されてもよい。
必要な情報の生成及び取得が完了すると、これらの情報を引数として、図9に示す走行シーンテーブルが参照される(#65:支援内容決定機能/ステップ)。この走行シーンテーブルに規定された条件が支援内容の決定条件である。支援内容決定部17は、決定条件に基づいて、支援内容を選択する(#66:支援内容決定機能/ステップ)。
以下、決定条件としての走行シーンテーブルの構成例について説明する。本実施形態では、一般的な給与所得者の生活パターンに応じたテーブルを例示する。つまり、週休2日制で土曜日、日曜日及び祝日が休日、月曜日から金曜日まで昼間時間帯(朝から夕方)に勤務しており、自宅から職場まで自動車通勤しているドライバーの生活パターンに合わせたテーブルである。このテーブルは、個々のドライバーの事情に合わせて設定可能に構成されていると好適である。また、運転支援システム1に複数のテーブルを登録可能であって、選択的に利用できる構成も好適である。
目的地情報による区分は、図9に示すように、“自宅”、“職場”、“自宅・職場以外”、“不明”の4つである。例えば、自宅から鉄道の駅まで自動車で通勤しているような場合には、“職場”の代わりに“駅”が設定されていると好適である。目的地が“不明”の場合には、ドライバーの意思も不明確であるから、その他の条件を加味することなく、支援内容として“休憩支援”が設定されている。また、目的地が“職場”の場合には、本例の場合には、朝、目覚めた後の運転であることも考慮し、その他の条件を加味することなく、支援内容として“継続走行支援”が設定されている。
目的地が“自宅・職場以外”の場合には、ナビゲーションシステムに対して意図的に他の目的地が設定された可能性が高い。従って、目的地の特性に応じた設定は困難であり、単純に所要時間に応じて支援内容が設定されている。即ち、所要時間Trefと、所要時間Treqとの関係に応じて、“継続走行支援”と“休憩支援”とが選択されるように支援内容が設定されている。支援内容決定部17は、走行シーンテーブルに基づいて、所要時間Treqが予め規定された基準所要時間Tref以下の場合には、支援内容を“継続走行支援”に決定し、基準所要時間Trefよりも長い場合には、支援内容を“休憩支援”に決定する。即ち、所要時間Trefが比較的長い場合には、途中に休憩を挟むような運転支援が選択され、所要時間Trefが比較的短い場合には、休憩を挟むことなく安全に目的に到着させるための運転支援が選択される。この際、基準所要時間Trefは、走行シーンテーブルにおいて最も標準的な値(ここでは30分)に設定されている。
目的地が“自宅”の場合には、さらに細かい分類が設定されている。例えば、上述したように、目的地が“自宅・職場以外”の場合には、基準所要時間Trefは30分に設定されている。これに対して、目的地が“自宅”であると判定される場合には、目的地が自宅以外と判定される場合に比べて長い時間(ここでは45分)に、基準所要時間Trefが設定される場合がある。図9に示すように、日時情報に含まれる曜日の情報が、平日(ここでは月曜日から金曜日)である場合、基準所要時間Trefが標準的な値である30分よりも長い45分に設定されている。平日において目的地が自宅である場合は、勤務先から帰宅する途上である可能性が高い。一般的に、通勤途中では休憩を挟むよりも早く帰宅したいと考えるドライバーが多い。従って、休憩支援と継続走行支援との内で、より継続走行支援が選択され易くなるように、基準所要時間Trefが長い時間に設定される。
ところで、通勤途中において目的地が職場である場合には、上述したように、基準所要時間Trefを考慮することなく、継続走行支援が設定される。換言すれば、基準所要時間Trefが無限大の値に設定されていることになる。つまり、基準所要時間Trefは、目的地がドライバーの職場であると判定される場合、目的地が自宅であると判定される場合に比べてさらに長い時間に設定されることになる。
また、曜日の情報が休日である場合には、基準所要時間Trefとして2種類の値が選択的に用いられる。例えば、当日が休日であって翌日が出勤日ではない場合(翌日も休日である場合)には、夜の遅い時刻に帰宅しても翌日の勤務への支障がないので、基準所要時間Trefは標準的な時間である30分に設定されている。一方、翌日が出勤日である場合には、翌日の勤務への影響がないように、早く帰宅して休息することが好ましい。従って、この場合には、継続走行支援が選択され易くなるように、基準所要時間Trefは、より長い時間である45分に設定されている。つまり、基準所要時間Trefは、日時情報に基づいて、翌日がドライバーの出勤日であると判定される場合は、翌日が出勤日でないと判定される場合に比べて長い時間に設定される。
尚、翌日がドライバーの出勤日であると判定される場合であっても、現在時刻と所要時間Treqとから演算される到着予想時刻が比較的早い場合には、基準所要時間Trefとして、標準的な時間(30分)が設定される。途中で休憩を挟んだとしても比較的早い時刻に帰宅できるので、翌日の勤務への影響が少ないと考えられるためである。換言すれば、基準所要時間Trefは、日時情報と所要時間とに基づいて、目的地への到着予想時刻が遅くなるのに応じて、長い時間に設定される。
〔その他の実施形態〕
以下、本発明のその他の実施形態について説明する。尚、以下に説明する各実施形態の構成は、それぞれ単独で適用されるものに限られず、矛盾が生じない限り、他の実施形態の構成と組み合わせて適用することも可能である。
(1)上記の説明においては、4つの支援内容から1つの支援内容が決定される場合を例示したが、2つの支援内容から1つの支援内容が選択されて決定されるものであってもよい。例えば、継続走行支援と休憩支援との2つから、1つが決定される形態であってもよい。
(2)上記の説明においては、走行シーンテーブルを参照して、支援内容を選択する例を示した。しかし、テーブルを参照することなく、同様の決定条件に基づく論理演算(条件分岐)により支援内容を決定してもよい。
(3)上記の説明においては、基準所要時間Trefが複数種類設定され、条件に応じて異なる値が設定される構成を例示したが、基準所要時間Trefは1種類であってもよい。また、基準所要時間Trefが30分や45分に設定される例を示したが、これ以外の時間、例えば、より安全性を考慮して、15分や20分に設定されてもよい。
(4)走行シーンテーブルの引数となる項目は、図9に例示したものに限定されるものではない。他の要素も加味して、より高精度に支援内容が決定できるように構成されると好適である。また、クラウドコンピューティング技術と連携して、ドライバーのスケジュールから情報を抽出して、目的地の推定や、運転後の予定、翌日の予定などを考慮して支援内容を決定することも好適な実施形態である。
(5)上記の説明においては、運転支援システム1が車両に固定的に搭載される形態で構成されている例を示した(例えば図1参照)。しかし、運転支援システム1は、車両に固定的に搭載されたものに限らず、一部又は全ての機能がサーバーなど、車両とは異なる場所に設けられていてもよい。例えば、運転支援システム1は、使用時にのみ車両に持ち込まれるような、任意に移動可能なポータブルシステムであっても良い。
本発明は、ドライバーによる車両の運転を支援する運転支援システムに利用することができる。
1 :運転支援システム
5 :刺激提供部
11 :状態情報取得部
12 :眠気判定部
13 :自位置特定部
14 :目的地情報取得部
15 :所要時間演算部
16 :日時情報取得部
17 :支援内容決定部
Tref :基準所要時間
Tref :所要時間
Treq :所要時間

Claims (10)

  1. 車両を運転するドライバーの状態を示すドライバー状態情報を取得する状態情報取得部と、
    前記ドライバー状態情報に基づいて前記ドライバーの眠気の程度を判定する眠気判定部と、
    前記車両の現在位置を特定して自位置情報を生成する自位置特定部と、
    前記車両の目的地を示す目的地情報を取得する目的地情報取得部と、
    前記自位置情報と前記目的地情報とに基づいて前記目的地までの所要時間を演算する所要時間演算部と、
    前記眠気判定部により、前記ドライバーが予め規定された判定基準値よりも強い眠気を生じていると判定された場合に、前記目的地情報及び前記所要時間を含む決定条件に基づいて、走行を継続するための継続走行支援及び前記ドライバーに休憩を促す休憩支援を含む支援内容を決定する支援内容決定部と、
    前記支援内容決定部により決定された前記支援内容に応じて異なる刺激を前記ドライバーに提供する刺激提供部と、
    を備える運転支援システム。
  2. さらに、日時情報を取得する日時情報取得部を備え、
    前記支援内容決定部は、前記所要時間が予め規定された基準所要時間以下の場合には、前記支援内容を前記継続走行支援に決定し、前記基準所要時間よりも長い場合には、支援内容を前記休憩支援に決定するものであり、
    前記基準所要時間は、前記日時情報と前記所要時間とに基づいて、前記目的地への到着予想時刻が遅くなるのに応じて、長い時間に設定される請求項1に記載の運転支援システム。
  3. 前記支援内容決定部は、前記所要時間が予め規定された基準所要時間以下の場合には、前記支援内容を前記継続走行支援に決定し、前記基準所要時間よりも長い場合には、支援内容を前記休憩支援に決定するものであり、
    前記基準所要時間は、前記目的地情報に基づいて、前記目的地が前記ドライバーの自宅であると判定される場合は、前記目的地が自宅以外であると判定される場合に比べて長い時間に設定される請求項1又は2に記載の運転支援システム。
  4. さらに、日時情報を取得する日時情報取得部を備え、
    前記支援内容決定部は、前記所要時間が予め規定された基準所要時間以下の場合には、前記支援内容を前記継続走行支援に決定し、前記基準所要時間よりも長い場合には、支援内容を前記休憩支援に決定するものであり、
    前記基準所要時間は、前記日時情報に基づいて、翌日が前記ドライバーの出勤日であると判定される場合は、翌日が出勤日でないと判定される場合に比べて長い時間に設定される請求項1から3の何れか一項に記載の運転支援システム。
  5. 前記支援内容決定部は、前記所要時間が予め規定された基準所要時間以下の場合には、前記支援内容を前記継続走行支援に決定し、前記基準所要時間よりも長い場合には、支援内容を前記休憩支援に決定するものであり、
    前記基準所要時間は、前記目的地情報に基づいて、前記目的地が前記ドライバーの自宅であると判定される場合は、前記目的地が自宅以外であると判定される場合に比べて長い時間に設定され、前記目的地が前記ドライバーの職場であると判定される場合は、前記目的地が自宅であると判定される場合に比べてさらに長い時間に設定される請求項1から4の何れか一項に記載の運転支援システム。
  6. 前記刺激提供部は、前記支援内容が前記継続走行支援の場合には、前記ドライバーを覚醒に導く刺激を提供し、前記支援内容が前記休憩支援の場合には、前記ドライバーを休憩へ導く刺激を提供する請求項1から5の何れか一項に記載の運転支援システム。
  7. 前記刺激提供部は、前記支援内容が前記休憩支援の場合には、休憩地点の情報を提供する請求項6に記載の運転支援システム。
  8. 前記支援内容決定部は、前記ドライバーが、前記判定基準値よりも強い眠気に対応する高レベル基準値よりも強い眠気を生じていると前記眠気判定部により判定された場合に、前記決定条件に拘わらず、前記ドライバーに迅速な休憩を促す強制休憩支援を前記支援内容に決定し、
    前記ドライバーが、前記判定基準値よりも弱く、前記判定基準値よりも弱い眠気に対応する低レベル基準値よりも強い眠気を生じていると前記眠気判定部により判定された場合に、前記ドライバーに対して眠気を生じていることの警告を行う警告支援を前記支援内容に決定する請求項1から7の何れか一項に記載の運転支援システム。
  9. 車両を運転するドライバーの状態を示すドライバー状態情報を取得する状態情報取得機能と、
    前記ドライバー状態情報に基づいて前記ドライバーの眠気の程度を判定する眠気判定機能と、
    前記車両の現在位置を特定して自位置情報を生成する自位置特定機能と、
    前記車両の目的地を示す目的地情報を取得する目的地情報取得機能と、
    前記自位置情報と前記目的地情報とに基づいて前記目的地までの所要時間を演算する所要時間演算機能と、
    前記眠気判定部により、前記ドライバーが予め規定された判定基準値よりも強い眠気を生じていると判定された場合に、前記目的地情報及び前記所要時間を含む決定条件に基づいて、走行を継続するための継続走行支援及び前記ドライバーに休憩を促す休憩支援を含む支援内容を決定する支援内容決定機能と、
    前記支援内容決定部により決定された前記支援内容に応じて異なる刺激を刺激提供部を介して前記ドライバーに提供する刺激提供機能と、
    をコンピュータに実行させる運転支援プログラム。
  10. 車両を運転するドライバーの状態を示すドライバー状態情報を取得する状態情報取得ステップと、
    前記ドライバー状態情報に基づいて前記ドライバーの眠気の程度を判定する眠気判定ステップと、
    前記車両の現在位置を特定して自位置情報を生成する自位置特定ステップと、
    前記車両の目的地を示す目的地情報を取得する目的地情報取得ステップと、
    前記自位置情報と前記目的地情報とに基づいて前記目的地までの所要時間を演算する所要時間演算ステップと、
    前記眠気判定部により、前記ドライバーが予め規定された判定基準値よりも強い眠気を生じていると判定された場合に、前記目的地情報及び前記所要時間を含む決定条件に基づいて、走行を継続するための継続走行支援及び前記ドライバーに休憩を促す休憩支援を含む支援内容を決定する支援内容決定ステップと、
    前記支援内容決定部により決定された前記支援内容に応じて異なる刺激を前記ドライバーに提供する刺激提供ステップと、
    を備える運転支援方法。
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