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JP2014071082A - 太陽光発電装置の検査方法、それに用いられるリニア状光源装置および検査装置、ならびに太陽光発電システム - Google Patents

太陽光発電装置の検査方法、それに用いられるリニア状光源装置および検査装置、ならびに太陽光発電システム Download PDF

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JP2014071082A JP2012219839A JP2012219839A JP2014071082A JP 2014071082 A JP2014071082 A JP 2014071082A JP 2012219839 A JP2012219839 A JP 2012219839A JP 2012219839 A JP2012219839 A JP 2012219839A JP 2014071082 A JP2014071082 A JP 2014071082A
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Hirofumi Mitsuoka
浩文 光岡
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Abstract

【課題】架台に設置された太陽電池モジュールの異常を検査できる検査技術を提供する。
【解決手段】太陽電池モジュール(11)に向けて光照射するLEDリニア光源ユニット(12)を、太陽電池モジュール(11)の配列方向に移動させつつ、太陽電池モジュール(11)の出力値を取得し、上記出力値に基づいて、太陽電池モジュール(11)に異常があるか否かを判定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、太陽電池モジュールの異常を検出することが可能な太陽光発電装置の検査方法、それに用いられるリニア状光源装置および検査装置、ならびに太陽光発電システムに関する。
近年、多数の太陽電池モジュールを備えた大規模な太陽光発電装置が増加してきていることもあり、太陽電池モジュールの異常あるいは故障を容易に検出することができる技術が望まれている。
また、太陽電池モジュールの一台あたりの受光面のサイズが大型化する結果、太陽電池モジュールは、多数のセルまたはセルストリングを直列接続した構造となってきている。このような、大型の受光面を有する太陽電池モジュールにおいては、太陽電池モジュールごとの出力特性にバラつきが発生しやすいため、太陽電池モジュールの出力異常を特定する技術が大変重要である。
上記技術の例として、特許文献1には、太陽電池の不良箇所を特定するためのデータを取得可能な検査装置が開示されている。詳細には、特許文献1には、下記の内容が記載されている。
上記検査装置は、単一波長の光を照射するメイン光源と太陽電池を載置するフレームとを備えており、検査対象となる太陽電池は、受光面が上記メイン光源側を向いた状態で、上記フレームに載置される。
そして、上記太陽電池に対し、サブ光源から第1バイアス光が照射された状態で、ある位置に存在するメイン光源から単一波長の光を第1強度で照射したときに、上記太陽電池から出力される第1電流の電流値が測定される。次に、上記太陽電池に対し、上記第1バイアス光が照射されたままの状態で、上記メイン光源から照射される上記単一波長の光を停止したときに、上記太陽電池から出力される第2電流の電流値が測定される。上記第1電流の電流値と上記第2電流の電流値とは、上記メイン光源の位置を示す位置情報に対応付けられる。
そして、上記第1電流の電流値と上記第2電流の電流値との差分値が算出され、該差分値が所定の値よりも低い場合に、当該差分値に対応付けられた上記位置情報により特定される上記太陽電池の箇所を、不良箇所と特定する。
特開2010−266242号公報(2010年11月25日公開)
ところで、特許文献1に開示された上記検査装置は、太陽電池(以下、太陽電池モジュールと呼ぶ)の単品を検査対象としており、複数の太陽電池モジュールを1体ごとに検査装置に置き換えることを前提としている。
従って、架台に設置された後の太陽電池モジュールの検査を行うことはできず、まして、架台に設置され、隣接する太陽電池モジュール同士を接続した後の複数の太陽電池モジュールの検査を行うことはできない。
また、太陽電池モジュールの検査を行う際、受光面を上記メイン光源側に向けた状態で、該太陽電池モジュールを上記フレームに載置する必要がある。しかし、架台に設置された太陽電池モジュールは、受光面を空の方向に向けた状態になっているから、特許文献1に開示された上記検査装置の構成では、太陽電池モジュールの受光面側に上記メイン光源を配置することができない。
このように、現在までに、架台に設置された太陽電池モジュールの異常を検査することができる太陽光発電装置の検査装置または検査方法に関する有効な技術は提案されていない。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、架台に設置された太陽電池モジュールの異常を検出することができる太陽光発電装置の検査方法、それに用いられるリニア状光源装置および検査装置、ならびに太陽光発電システムを提供することにある。
本発明に係る太陽光発電装置の検査方法は、上記課題を解決するために、複数の太陽電池モジュールが、架台に設置された太陽光発電装置の検査方法であって、上記複数の太陽電池モジュールの受光面に向けて光照射するリニア状光源装置を、該リニア状光源装置の長手方向が上記複数の太陽電池モジュールの配列方向と交差するように配された状態で、上記配列方向に沿って移動させつつ、上記複数の太陽電池モジュールの出力値をモニターし、その出力値に基づいて、上記複数の太陽電池モジュールに異常があるか否かを判定することを特徴としている。
また、本発明に係るリニア状光源装置は、上記課題を解決するために、太陽電池モジュールの受光面に光照射を行う発光部と、上記複数の太陽電池モジュールが配列された方向に当該リニア状光源装置が移動するための駆動部とを備えたことを特徴としている。
また、本発明に係る検査装置は、上記課題を解決するために、上記複数の太陽電池モジュールの各々は、直列接続された複数の太陽電池セルを備え、上記リニア状光源装置と、上記複数の太陽電池モジュールに対して、上記リニア状光源装置よりも強度の低い光を照射する照明装置とを備えたことを特徴としている。
また、本発明に係る太陽光発電システムは、上記課題を解決するために、太陽光発電装置および検査装置を備えた太陽光発電システムであって、上記太陽光発電装置は、複数の太陽電池モジュール、および該複数の太陽電池モジュールを設置するための架台を有しており、上記検査装置は、上記太陽電池モジュールの受光面に光照射を行う発光部、上記発光部を上記太陽電池モジュールの上方に支持する脚部、上記複数の太陽電池モジュールの配列方向に上記発光部および上記脚部を一体的に移動させる駆動部、および上記発光部の光照射および上記駆動部の動作を制御する制御手段を有しており、上記制御手段は、上記発光部および上記脚部を上記配列方向に沿って移動させつつ、上記発光部から光照射を行ったときの、上記複数の太陽電池モジュールの出力値をモニターした結果に基づいて、太陽電池モジュールに異常があるか否かを判定する構成を採用することもできる。
以上のように、本発明に係る太陽光発電装置の検査方法によれば、上記複数の太陽電池モジュールの受光面に向けて光照射するリニア状光源装置を、該リニア状光源装置の長手方向が上記複数の太陽電池モジュールの配列方向と交差するように配された状態で、上記配列方向に沿って移動させつつ、上記複数の太陽電池モジュールの出力値をモニターし、その出力値に基づいて、上記複数の太陽電池モジュールに異常があるか否かを判定する。
また、本発明のリニア状光源装置によれば、上述した太陽光発電装置の検査方法に好適な光源を実現することができる。
また、本発明の検査装置および太陽光発電システムによれば、上述した太陽光発電装置の検査方法に好適な検査装置または太陽光発電システムを実現することができる。
これにより、架台に設置された太陽電池モジュールの異常を検出することができるという効果を奏する。
本発明の一実施形態に係る検査装置の構成を示す構成図である。 図1に示す検査装置の機能ブロック図である。 (a)および(b)は、それぞれ太陽電池モジュールの上面図である。 図1に示す検査装置が備えたLEDリニア光源ユニットの構成を示す図であり、(a)は側面図であり、(b)は下面図である。 図1に示す検査装置による太陽光発電装置の検査の流れを示すフローチャートである。 本発明の他の実施形態に係る検査装置の構成を示す構成図である。
本発明の実施の一形態について、まず、全体的な構成と作用効果について説明する。
本実施形態の太陽光発電装置の検査方法は、複数の太陽電池モジュールが、架台に設置された太陽光発電装置の検査方法であって、上記複数の太陽電池モジュールの受光面に向けて光照射するリニア状光源装置を、該リニア状光源装置の長手方向が上記複数の太陽電池モジュールの配列方向と交差するように配された状態で、上記配列方向に沿って移動させつつ、上記複数の太陽電池モジュールの出力値をモニターし、その出力値に基づいて、上記複数の太陽電池モジュールに異常があるか否かを判定することを特徴としている。
また、本実施形態のリニア状光源装置は、太陽電池モジュールの受光面に光照射を行う発光部と、上記複数の太陽電池モジュールが配列された方向に当該リニア状光源装置が移動するための駆動部とを備えたことを特徴としている。
上記方法および上記構成によれば、太陽電池モジュールの配列方向と交差するように配されたリニア状光源装置は、複数の太陽電池モジュールの受光面に向けて光照射しながら、上記複数の太陽電池モジュールの配列方向に移動する。
また、複数の太陽電池モジュールのうちのある1枚の太陽電池モジュールの上を上記リニア状光源装置が移動している間、上記太陽電池モジュールの出力値が取得される。このとき、上記ある1枚の太陽電池モジュールには、上記リニア状光源装置が最も接近した状態になっているから、リニア状光源装置が移動している間、複数の太陽電池モジュールの中で最も強い光照射を受けるので、上記ある1枚の太陽電池モジュールから最大出力値が取得されると考えられる。
この最大出力値の取得は、上記リニア状光源装置の移動に伴って、複数の太陽電池モジュールについて繰り返される。
そして、上記複数の太陽電池モジュールにつき、上記出力値、例えば最大出力値に基づいて、異常があるか否かが判定される。
ここで、太陽電池モジュールの異常とは、該太陽電池モジュールが有するセルの破損による出力の低下などである。例えば、太陽電池モジュールの最大出力値が所定値よりも小さい場合に、該太陽電池モジュールには異常があると判定されてもよい。
このようにして、上記配列方向に配列された太陽電池モジュールについて、異常があるか否かが判定される。
従って、上記配列方向に配列された複数の太陽電池モジュールについて、リニア状光源装置を一度移動させて行う検査により、異常があるか否かを判定することができる。
また、本実施形態の太陽光発電装置の検査方法は、上記複数の太陽電池モジュールの出力値をモニターする際、複数の太陽電池モジュールが直列接続されてなる太陽電池ストリングごとの出力値をモニターし、上記太陽電池ストリングごとの出力値に基づいて、各太陽電池ストリングに含まれる太陽電池モジュールに異常があるか否かを判定する構成であってもよい。
あるいは、本実施形態の太陽光発電装置の検査方法は、上記複数の太陽電池モジュールの出力値をモニターする際、太陽電池モジュールごとの出力値をモニターし、上記太陽電池モジュールごとの出力値に基づいて、各太陽電池モジュールに異常があるか否かを判定する構成であってもよい。
上記構成によれば、太陽電池ストリングごとまたは太陽電池モジュールごとの出力値をモニターし、上記太陽電池ストリングごとまたは上記太陽電池モジュールごとの出力値に基づいて、各太陽電池ストリングまたは各太陽電池モジュールに異常があるか否かが判定される。
各太陽電池ストリングに含まれる太陽電池モジュールに異常があるか否かを判定する構成の場合、各太陽電池モジュールに異常があるか否かを判定する構成と比較して、太陽電池ストリング単位の検査時間を短縮することができる。
また、各太陽電池モジュールに異常があるか否かが判定される構成の場合、検査対象となる太陽電池モジュールのうち、異常がある太陽電池モジュールを特定することができる。
また、本実施形態の検査装置は、上記複数の太陽電池モジュールの各々は、直列接続された複数の太陽電池セルを備え、上記リニア状光源装置と、上記複数の太陽電池モジュールに対して、上記リニア状光源装置よりも強度の低い光を照射する照明装置とを備えたことを特徴としている。
上記構成によれば、照明装置が、上記複数の太陽電池モジュールに対して、上述した光源装置よりも強度の低い光を照射する。
これにより、太陽電池モジュールの検査を夜間に行うことができる。すなわち、検査を夜間に行う場合に、太陽電池モジュールに含まれ、直列接続されたセルが、受光しないことによって高抵抗の抵抗体となることを、上記照明装置からの照射光が防ぐので、各太陽電池モジュールの出力を検知することができる状態を、検査の間において保つことができる。
また、本実施形態の太陽光発電システムは、太陽光発電装置および検査装置を備えた太陽光発電システムであって、上記太陽光発電装置は、複数の太陽電池モジュール、および該複数の太陽電池モジュールを設置するための架台を有しており、上記検査装置は、上記太陽電池モジュールの受光面に光照射を行う発光部、上記発光部を上記太陽電池モジュールの上方に支持する脚部、上記複数の太陽電池モジュールの配列方向に上記発光部および上記脚部を一体的に移動させる駆動部、および上記発光部の光照射および上記駆動部の動作を制御する制御手段を有しており、上記制御手段は、上記発光部および上記脚部を上記配列方向に沿って移動させつつ、上記発光部から光照射を行ったときの、上記複数の太陽電池モジュールの出力値をモニターした結果に基づいて、太陽電池モジュールに異常があるか否かを判定する構成を採用することもできる。ここで用いる太陽電池モジュールとしては、薄膜太陽電池モジュールが好ましく、具体的にはシリコン系薄膜太陽電池モジュールやCIGS(copper indium gallium (di)selenide)系薄膜太陽電池モジュールを用いることができる。
また、本実施形態の太陽光発電装置の検査方法において、上記リニア状光源装置には、複数のLED素子が配列されていてもよい。
上記方法によれば、リニア状光源装置は、複数のLED素子が、上記リニア状光源装置が移動する方向と交差する方向に配列された構成である。
従って、消費電力が比較的低いLED素子を用いて光源装置が構成されるので、検査におけるリニア状光源装置による電力消費量を抑制することができる。
また、多くの種類のLED素子の中から、太陽電池モジュールの波長吸収特性に応じて、該太陽電池モジュールによる吸収効率の高い発光特性を有するLED素子を選択して、上記リニア状光源装置を構成するLED素子として使用することができる。
また、本実施形態の太陽光発電装置の検査方法において、上記太陽電池モジュールは薄膜太陽電池モジュールであってもよい。ここで、薄膜太陽電池モジュールとして、具体的には、シリコン系薄膜太陽電池モジュールやCIGS(copper indium gallium (di)selenide)系薄膜太陽電池モジュールを用いることが好ましい。
上記方法によれば、太陽電池モジュールは、薄膜太陽電池セルで構成されたモジュールである。ここで、薄膜太陽電池は、各種太陽電池の中でも、可視光波長域における低波長領域で、発電効率に優れることが知られている。
ところで、太陽からの光が空気中の砂塵などによって散乱されることにより生じた散乱光は、一般的に、直接光よりも短波長域の波長成分を多く含んでいる。
従って、本構成に係る薄膜太陽電池モジュールは、上記散乱光による発電効率が優れている。そのため、例えば結晶系の太陽電池で構成された太陽電池モジュールと比較して、発電量を向上させることができる。
なお、本構成においては、薄膜太陽電池モジュールの吸収波長特性に対応して、低波長領域の波長成分が大きい白色LED素子を、光源装置に好適に使用することができる。
また、本実施形態の太陽光発電装置の検査方法は、上記リニア状光源装置を移動させている間、該リニア状光源装置が互いに隣接する太陽電池モジュールの境界を通過するときに、該リニア状光源装置を消灯する方法であってもよい。
上記方法によれば、光源装置を移動させている間、該光源装置が互いに隣接する太陽電池モジュールの境界を通過するときに、該光源装置を消灯する。
上記リニア状光源装置が、互いに隣接する2枚の太陽電池モジュールの境界を通過するとき、上記光源装置から照射された光は、上記2枚の太陽電池モジュールの両者に入射する。そのため、上記2枚の太陽電池モジュールが直列接続されて太陽電池ストリングを構成している場合、このときの出力が上記2枚の太陽電池モジュールのうちのいずれの出力であるのか判断できない可能性がある。
あるいは、上記リニア状光源装置が、上記2枚の太陽電池モジュールの境界を通過するとき、上記光源装置から照射された光の一部は、太陽電池モジュールの境界に存在する受光部以外の領域において吸収あるいは反射される場合がある。その場合、このときの出力は、上記リニア状光源装置からの発光のほとんどが単一の太陽電池モジュールの受光部に吸収される場合の出力とは異なるものになる。
従って、上記リニア状光源装置が、互いに隣接する太陽電池モジュールの境界を通過するときにおける太陽電池モジュールの出力は、該太陽電池モジュールの異常を判定する基準として好ましくない。そこで、このときに上記光源装置を消灯することにより、このときの太陽電池モジュールの出力を、該太陽電池モジュールの異常を判定するために使用しないので、異常のある太陽電池モジュールを特定する精度が上がる。また、検査における消費電力を低減することができる。
また、本実施形態のリニア状光源装置は、上記複数の太陽電池モジュールにおいて、上記配列方向と交差する幅方向に対向し合う両辺部に係合し、該両辺部に沿った上記リニア状光源装置の移動を支持する支持機構を備えている構成であってもよい。
上記構成によれば、上記リニア状光源装置は、太陽電池モジュールの受光面から所定の距離だけ離間した状態で、受光面に光を照射しながら、上記配列方向に沿って移動することが容易となる。
本発明の検査装置に関する実施の一形態について、図1〜図6に基づいて説明すれば以下のとおりである。
以下に、本実施形態に係る太陽光発電装置1および検査装置2の構成を、図1および図2を用いて説明する。なお、太陽光発電装置1および検査装置2は、太陽光発電システム1000を構成する。
(太陽光発電装置1および検査装置2の構成1)
以下では、図2を用いて、太陽光発電装置1および検査装置2の構成を説明する。図2は、太陽光発電装置1および検査装置2の機能ブロック図である。同図に示すように、太陽光発電装置1は、太陽電池ストリング11x(太陽電池モジュール11を複数直列接続した太陽電池ストリング)、第1接続装置14、第2接続装置15、およびパワコン16(パワーコンディショナ)を含んでいる。また、検査装置2は測定器21および制御手段22を含んでいる。
太陽光発電装置1は、少なくとも複数の太陽電池ストリング11xおよび少なくとも1基の第1接続装置14を備えている。複数の太陽電池ストリング11xの数の増加に合わせて、複数の第1接続装置14が設けられる。なお、メガソーラーと呼ばれるような大規模の太陽光発電装置1では、第2接続装置15およびパワコン16もそれぞれ複数設けられる場合がある。
太陽電池ストリング11xは、複数の太陽電池モジュールが直列に接続されたものである。
各太陽電池ストリング11xは、太陽光から発電した直流電流を、第1接続装置14に出力する。
各第1接続装置14において、複数の太陽電池ストリング11xの直流出力が並列接続される。そして、各第1接続装置14からの直流出力は、第2接続装置15で並列接続される。さらに、第2接続装置15からの直流出力は、パワコン16(パワーコンディショナ、電力変換装置)で安定した交流電力に変換される。パワコン16で変換された交流電力は、その後、電力の消費地へと送られることになる。
なお、本実施形態の太陽光発電装置1は、第1接続装置14および第2接続装置15をどちらも備えた構成であるが、本発明はこれに限られず、第1接続装置14または第2接続装置のうちのいずれか一方のみを備えた構成であっても構わない。例えば、第1接続装置14は備えるが、第2接続装置15は備えない構成の太陽光発電装置では、第1接続装置14からの直流電流は、1つまたは複数のパワコン16に出力されることになる。
前記検査装置2では、図1を参照して後述するLEDリニア光源ユニット(リニア状光源装置)12の発光部124(図4参照)から光照射を行ったときの太陽電池モジュール11の出力値を測定器21が測定し、制御手段22が、その出力値に基づいて、太陽電池モジュール11の異常を判定する。
あるいは、検査装置2は、LEDリニア光源ユニット12から光照射を行ったときの、太陽電池ストリング11xの出力(αで示す位置における出力)、第1接続装置14の出力(βで示す位置における出力)、および第2接続装置15の出力(γで示す位置における出力)のうち、少なくとも一つの出力値に基づいて、太陽電池モジュール11の異常を判定してもよい。
なお、α、β、γのいずれかの位置において、異常のある太陽電池モジュール11を特定するためには、検査装置2が、どの太陽電池モジュール11の上を移動中であるかを示す位置情報の取得を必要とする。その位置情報の取得には、例えば以下の方法を利用すればよい。
(位置情報の取得方法の例)
図1のX方向に所定の間隔をおいて、太陽電池モジュール11にマーキングが付されており、検査装置2がさらに備えた位置検出部(図示せず)は、上記マーキングを検出することにより、検査装置2の位置を特定する。
例えば、上記マーキングに位置情報が付加されており、上記位置検出部は、上記マーキングから上記位置情報を取得する構成であってよい。あるいは、上記位置検出部は、検査装置2が上記マーキングを通過した数をカウントし、そのカウント数に上記マーキングの間隔を乗算した値に基づいて、位置情報を算出してもよい。
なお、上記マーキングは、光学的あるいは磁気的に検出することができるものであってもよいし、またはICタグ(RFID(Radio Frequency IDentification)を含む)であってもよい。上記位置検出部は、上記マーキングの種類に応じた検出機能を有することになる。
次に、図1を用いて、太陽光発電装置1および検査装置2の構成を説明する。図1は、検査装置2に含まれるLEDリニア光源ユニット12が、太陽光発電装置1に取り付けられている構成を示す斜視図である。
(1.太陽光発電装置1の構成)
まず、太陽光発電装置1の構成を説明する。
太陽光発電装置1では、一方の端部が地中に埋め込まれた支柱132の他方の端部が縦桟131に接続され、この縦桟131の上に、該縦桟131と直交する横桟133が配置されることによって、架台13が構成されている。そして、横桟133の上に渡し架けるように、複数の太陽電池モジュール11が載置されている。太陽電池モジュール11は、案内支持具(図示せず)によって、横桟133に固定されている。
太陽光発電装置1では、複数の太陽電池モジュール11が架台13上に平面的に配置されている。詳細には、太陽光発電装置1では、縦方向(Xで示す配列方向と垂直な幅方向、図1に示すY方向)に、2枚の太陽電池モジュール11が配置されるとともに、横方向(Xで示す配列方向)に、3枚以上の太陽電池モジュール11が配列されている。ただし、太陽光発電装置1が備える太陽電池モジュール11の数は限定されるものではない。
なお、架台は、図1に示した構成に限られるものではなく、太陽電池モジュール11を載置することが可能であれば、他の如何なる形態であってもよい。例えば、図1の架台13は、1本の縦桟131を一本の支柱132が支持するシングルポールと呼ばれる構成である。しかしながら、これ以外に、1本の縦桟を2本、またはそれ以上の本数の支柱で支持する構成としてもよい。
(1−1.太陽電池モジュール11)
太陽電池モジュール11の構成につき、図3を用いて説明する。
太陽電池モジュール11は、ガラス等の透光性基板に、第1電極層、光電変換層および第2電極層がこの順に積層されて形成されており、いわゆる薄膜太陽電池モジュールと呼ばれる構成である。太陽電池モジュール11は、上記光電変換層として、シリコン系アモルファス層と微結晶等のシリコン系結晶性層との複数の光電変換層を接合してなる、所謂多接合型の光電変換層を備えている。薄膜太陽電池モジュールとしては、このほか、CIGS(copper indium gallium (di)selenide)系薄膜太陽電池モジュールも用いることができ、この構成の場合には光電変換層が多接合型でなくてもよい。
なお、ここでは、太陽電池モジュール11として、薄膜太陽電池モジュールを用いたものについて説明しているが、単結晶や多結晶の結晶系太陽電池モジュールを用いることもできる。
図3の(a)は、太陽電池モジュール11の受光面を上から見た平面図である。図3の(a)に示すように、太陽電池モジュール11においては、縦方向(図1のY方向)に長手方向を有する複数のセル111が、X方向(図1のX方向に対応)に配列されている。これらの横方向に配列した複数のセル111は、互いに電気的に直列接続されている。
上述のような、互いに電気的に直列接続された複数のセル111を備えた太陽電池モジュール11は、集積型太陽電池モジュールと呼ばれている。なお、周辺部112は、太陽電池モジュール11において、セル111が配置されてない周辺領域である。
なお、太陽電池モジュール11の変形例として、図3の(b)に示す太陽電池モジュール11aのように、図面の縦方向にそれぞれ配列されたセル111Aおよびセル111Bが、図面の横方向に互いに並列するように配置された構成としてもよい。セル111Aおよび111Bは、図3の(a)に示す太陽電池モジュール11のセル111を、セル111の長手方向と垂直な方向に分割することによって得られる。
また、各太陽電池モジュール11には、当該太陽電池モジュール11によって発電される出力をモニターするために使用される出力モニター17が備え付けられている(図4の(b)参照)。ここで、出力をモニターするとは、出力を継続的に測定して観察することである。出力モニター17は、太陽電池ストリング11xの出力値を測定(図2にαで示す位置における出力値を測定)するものである。なお、出力モニター17は、太陽電池ストリング11xが発電した電力によって作動することが可能となっている。
(2.検査装置2の構成)
続いて、検査装置2の構成を説明する。
検査装置2は、測定器21、および制御手段22に加えて、LEDリニア光源ユニット12を備えている。以下に、検査装置2が備えた各部材の詳細について順に説明する。
(2−1.LEDリニア光源ユニット12)
以下に、図4を用いて、LEDリニア光源ユニット12の詳細な構成について説明する。
図4の(a)は、LEDリニア光源ユニット12の構成図である。また、図4の(b)は、太陽電池モジュール11と、LEDリニア光源ユニット12との配置関係を示す図である。なお、図4の(a)は、図4の(b)において、太陽電池モジュール11の上面側から、LEDリニア光源ユニット12を見た図に相当する。
図4の(a)に示すように、LEDリニア光源ユニット12は、脚部121と、発光部124とで構成されている。
LEDリニア光源ユニット12は、複数のLED素子123がリニア状に配置されてなる発光部124を有している。
詳細には、発光部124は、複数のLED素子123が、LEDリニア光源ユニット12が移動する方向とは垂直な方向に直線的に配列された構成である。また、発光部124は、LEDリニア光源ユニット12の面のうち、太陽電池モジュール11と対面する面に配列されている。
また、リニア状光源ユニット12は、その長手方向が、太陽電池モジュール11の配列方向(図1のX方向)と交差するように配されている。詳細には、リニア状光源ユニット12の長手方向は、太陽電池モジュール11の配列方向と直交している。
ところで、本実施形態の太陽電池モジュール11は、前述のように、シリコン系アモルファス層とシリコン系微結晶層とからなる光電変換層を備えた構成である。そこで、LEDリニア光源ユニット12の発光部124を構成するLED素子123としては、上記光電変換層の吸収波長特性を考慮して、上記光電変換層により効率よく吸収される光を発する素子を用いることが望ましい。具体的には、発光部124に用いるLED素子123は、白色LED素子であることが望ましい。
なお、発光部124に用いられるLED素子は、白色LED素子に限られない。すなわち、太陽電池モジュール11の吸収波長特性に応じて、適切な発光波長特性を有する発光素子を選択すればよく、例えば、単波長の光を発する発光素子であってもよい。
また、LEDリニア光源ユニット12の両端部にそれぞれ形成された脚部121の内側側面には、ローラー122が設置されている。
なお、ローラー122および前述の脚部121は、支持機構を構成する。上記支持機構は、架台13に設置された複数の太陽電池モジュール11において、Y方向に対向し合う両辺部に係合し、該両辺部に沿ったLEDリニア光源ユニット12の移動を支持するものである。
ローラー122は、それぞれ、太陽電池モジュール11の周辺部112(図3の(a)および(b)参照)において、該太陽電池モジュール11の上面と下面とに接触することにより、該太陽電池モジュール11の両面を把持するようにセットされる。そして、ローラー122は、図示しないモータによって駆動されることにより、紙面の垂直方向(図1では矢印Xで示す方向)に、LEDリニア光源ユニット12を移動させる。ローラー122と上記モータは、LEDリニア光源ユニット12の駆動部125を構成する。
なお、上記駆動部125の動力は、LEDリニア光源ユニット12の内部に蓄電池をセットして、その蓄電池から供給してもよいし、LEDリニア光源ユニット12と外部の電源とをコードを介して接続することによって、外部電源から供給してもよい。
ただし、図1において横方向に並ぶ太陽電池モジュール11の数が多く、太陽電池モジュール11の検査におけるLEDリニア光源ユニット12の移動距離が長い場合、LEDリニア光源ユニット12は内部に動力を備えた構成であることが好ましい。
なぜならば、LEDリニア光源ユニット12と外部の電源とをコードを介して接続する構成の場合、LEDリニア光源ユニット12の移動距離が長くなるほど、長いコードが必要となり、また、コードの取り回しが複雑となるためである。
図4の(b)に示すように、LEDリニア光源ユニット12は、太陽電池モジュール11の両端辺近傍に、それぞれ脚部121を介して取り付けられており、発光部124は、二脚の脚部121によって、太陽電池モジュール11の上方に持ち上げられた状態で支持されている。LEDリニア光源ユニット12は、ローラー122が駆動されることによって、太陽電池モジュール11に取り付けられたまま、太陽電池モジュール11の上方を通って、紙面に垂直な方向(図1におけるX方向)に移動することが可能となっている。
さて、太陽光発電装置1には、図1のY方向に2枚の太陽電池モジュール11が配置されている。そして、LEDリニア光源ユニット12は、図1に示すように、上記2枚の太陽電池モジュール11の上方を移動する構成である。この構成では、検査装置2は、縦方向に2枚までの太陽電池モジュール11について一度に検査を行うことになる。しかし、本発明はこれに限られない。例えば、縦方向に3枚の太陽電池モジュール11が配置された架台を備えた構成とした場合、検査装置2は、縦方向に3枚までの太陽電池モジュール11を一度に検査することが可能になる。そして、縦方向に配置された太陽電池モジュール11の数が増えるほど、一枚の太陽電池モジュール11の検査にかかる時間が短縮されることになる。
また、LEDリニア光源ユニット12は、図1の横方向(X方向)に移動することができる構成である。これにより、検査装置2は、横方向に配置された太陽電池モジュール11の一部または全てを、一度に検査することができる。従って、横方向に配置された太陽電池モジュール11の数が多い太陽光発電装置ほど、検査装置2が一度に検査することができる太陽電池モジュール11の数は増えることになる。
(2−2.制御手段22)
制御手段22は、太陽電池モジュール11に対してセットされたLEDリニア光源ユニット12が、太陽電池モジュール11に対して光照射を行いながら、図1のX方向に移動するように制御する。また、制御手段22は、各太陽電池ストリング11xの出力すなわち各出力モニター17の出力(図2にαで示す位置における出力)を測定器21に測定させることにより、その出力値をモニターする。なお、制御手段22は、検査の間、各太陽電池ストリング11xの出力値を継続的にモニターする。
そして、制御手段22は、検査中に測定器21によって測定された、太陽電池ストリング11xの最大出力値と最小出力値との差分値を算出する。そして、制御手段22は、上記差分値が所定値よりも小さい場合に、該太陽電池ストリング11xの出力に異常がある(従って、当該太陽電池ストリング11xに含まれる太陽電池モジュール11に電気的な異常がある)と判定する。
あるいは、所定時間に亘って、太陽電池ストリング11xの出力をモニターし、これにより得られた出力値のデータを、太陽電池ストリング11xに異常がない場合の出力値のデータと比較する。そして、所定の条件に基づいて算出したこれらのデータ間の差異値が所定値以上である場合に、該太陽電池ストリング11xの出力に異常があると判定してもよい。
以上のように、本実施形態では、制御手段22が、太陽電池ストリング11xの出力値をモニターすることにより、当該太陽電池ストリング11xに含まれる太陽電池モジュール11の出力に異常が見られるか否かを判定する。
しかしながら、本発明はこれに限られない。例えば、制御手段22が、太陽電池モジュール11の出力値をモニターすることにより、当該太陽電池モジュール11の異常を判定する構成であってもよい。
さらに、これ以外にも、制御手段22が、第1接続装置14または第2接続装置15の出力端の合成電力から異常を検出する機能がある場合に、異常があるか否かを判定する構成であってもよい。
これらの構成の場合、制御手段22は、太陽電池モジュール11の出力、第1接続装置14の出力(図2にβで示す位置における出力)、または第2接続装置15の出力(図2にγで示す位置における出力)を測定器21で測定して、その出力値を取得する。そして、その出力値に基づいて、太陽電池ストリング11x、第1接続装置14、または第2接続装置15に出力異常があるか否かを判定する。
太陽電池モジュール11、第1接続装置14、または第2接続装置15に出力の異常がある場合、該太陽電池モジュール11、該第1接続装置14、または該第2接続装置15と接続された一つまたは複数の太陽電池モジュール11に異常があることになる。
太陽電池ストリング11x、第1接続装置14、または第2接続装置15の出力異常の有無を判定する構成は、各太陽電池モジュール11の出力異常の有無を判定する構成と比較して、異常のある太陽電池モジュール11を特定することができないものの、検査に要する時間を短縮することができるという利点を有する。
さて、本実施形態において、図3の(a)に示すように、LEDリニア光源ユニット12は、同時に2本の隣接するセル111に対して光を照射することができる構成である。従って、検査中、太陽電池ストリング11xの出力をモニターすることによって、該太陽電池ストリング11xに含まれる太陽電池モジュール11に出力の異常があるか否かだけでなく、どの太陽電池モジュール11に含まれるどの2本のセル111(のいずれかまたは両方)に異常があるかを判定することも可能である。
具体的には、ある太陽電池モジュール11に含まれるあるセル111に異常がある場合、太陽電池ストリング11xの出力値をモニターすると、LEDリニア光源ユニット12が該当するセル111の上方を通るときに、上記出力値が減少する。従って、上記出力値が減少した時点で、LEDリニア光源ユニット12がその上方を通過していた2本のセル111のいずれかまたは両方に異常があることが分かる。なお、上記出力値が減少した時点で、LEDリニア光源ユニット12がその上方を通過していた2本のセル111を特定することは、各セル111の位置に、前述のように、個々のセル111の位置情報を示すマークを付すことによって実現することができる。
なお、検査装置1によって、太陽電池モジュール11に含まれる個々のセルの故障を検出する方法の流れは、具体的には以下のようである。
太陽電池モジュール11が47セルを含む構成の場合、セル1本あたりに対して、LEDリニア光源ユニット12を点灯して3秒の光照射を行い、その後、LEDリニア光源ユニット12を、隣接するセルと対応する位置に移動する間、2秒の消灯を行う。これにより、5×47=235秒(約4分)で、1つの太陽電池モジュール11の検査を完了することができる。
なお、太陽電池モジュール11が(薄膜太陽電池モジュールでなく)結晶系太陽電池モジュールで構成される場合、各モジュールには、太陽電池セルがマトリクス状に配置される。そのため、LEDリニア光源ユニット12は、横方向(図1のX方向)に隣接するセルだけでなく、縦方向(図1のY方向)に隣接するセルも区別するような光照射を行うことが必要となる。
上記構成におけるセルごとの検査は、LEDリニア光源ユニット12が備えたLED素子123の点灯位置を変えることによって実現することができる。具体的には、LEDリニア光源ユニット12は、図1に示すY方向に複数のLED素子123が配列した構成であるが、これらのLED素子123のうち、検査を行う対象の太陽電池セルに対応する位置にあるLED素子123のみを発光させ、その他のLED素子123を消灯する。これにより、検査対象のセルのみに対して光照射を行うことが可能となる。
太陽電池モジュール11が結晶系太陽電池モジュールで構成される場合には、このようにして、太陽電池モジュール11をセルレベルで検査することができる。
なお、本実施形態のLEDリニア光源ユニット12は、光源としてLED素子123のみを備えた構成であるが、本発明はこれに限られない。例えば、LEDリニア光源ユニット12は赤外線カメラをさらに備えた構成としてもよい。これにより、太陽電池モジュール11ごと、あるいは1セルごとのEL検査を行うことができるようになる。
さて、上記リニア状光源装置が、互いに隣接する2枚の太陽電池モジュールの境界を通過するとき、上記光源装置から照射された光は、上記2枚の太陽電池モジュールの両者に入射する。そのため、上記2枚の太陽電池モジュールが直列接続されて太陽電池ストリングを構成している場合、このときの出力が上記2枚の太陽電池モジュールのうちのいずれの出力であるのか判断できない可能性がある。
あるいは、上記リニア状光源装置が、上記2枚の太陽電池モジュールの境界を通過するとき、上記光源装置から照射された光の一部は、太陽電池モジュールの境界に存在する受光部以外の領域において吸収あるいは反射される場合がある。その場合、このときの出力は、上記光源装置からの発光のほとんどが単一の太陽電池モジュールの受光部に吸収される場合の出力とは異なるものになる。
そのため、互いに隣接する2枚の太陽電池モジュールの境界を通過するときの出力値に基づいて、太陽電池モジュール11の異常を判定することは好ましくない。
そこで、制御手段22は、LEDリニア光源ユニット12の光照射を間欠的にON/OFFさせることによって、複数の太陽電池モジュール11に対して、同時に光が照射されることがないように制御を行ってもよい。具体的には、制御手段22は、隣接する2つの太陽電池モジュール11の境界近傍をLEDリニア光源ユニット12が通過するときに、発光部124の光照射をOFFにし、上記境界近傍を通過した後に発光部124の光照射をONになるように制御を行えばよい。
(太陽光発電装置1の検査方法)
本実施形態に係る太陽光発電装置1の検査方法では、複数の太陽電池モジュール11が配列されたX方向(図1参照)に、LEDリニア光源ユニット12を移動させつつ、上記複数の太陽電池モジュール11に対してLEDリニア光源ユニット12から光照射を行う。これとともに、上記複数の太陽電池モジュールにより構成される太陽電池ストリング11xの出力値をモニターし、上記出力値に基づいて、各太陽電池モジュール11に異常があるか否かを判定する。
以下に、図5に示すフローチャートを用いて、太陽光発電装置1の検査方法の流れについて説明する。
検査を行う前、LEDリニア光源ユニット12は、図1のように配置された太陽電池モジュール11に対し、X方向の配列の一端に位置している状態である。
まず、制御手段22は、LEDリニア光源ユニット12が備えた発光部124を点灯させる(S101)。
そして、制御手段22は、上記モータを制御してローラー122を駆動させることにより、図1のX方向に沿って、太陽電池モジュール11の上方を通って、LEDリニア光源ユニット12を移動させる(S102)。
LEDリニア光源ユニット12を移動させている間、制御手段22は、太陽電池ストリング11xの出力値を出力モニター17から取得することにより、その出力値をモニターする(S103)。
制御手段22は、太陽電池ストリング11xについて、検査中における出力最大値と出力最小値との差分値が、所定値よりも小さいか否かを判定する(S104)。そして、制御手段22は、上記出力最大値が所定値よりも小さい場合(S104でYES)、当該太陽電池ストリング11xに含まれる太陽電池モジュール11に異常があると判定する(S105)。
以上で、太陽電池モジュール11の検査は終了となる。なお、上述した処理S103〜S105は、検査対象となる全ての太陽電池モジュール11について行われる。
〔実施形態2〕
本発明の検査装置に関する他の実施形態について、図6に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施の形態1にて説明した図面と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
ところで、セル111は、全く光が照射されていない間、高抵抗の抵抗体となることが知られている。そのため、検査中に、あるセル111に対して光が照射されていないとき、該セル111の出力を(リークがない限り)検出することができない状態となる可能性がある。
そこで、夜間に検査を行う場合には、出力をモニターする対象となる太陽電池モジュール11に対して、LEDリニア光源ユニット12による光照射よりも弱い光が照射された状態を保つことが望ましい。これにより、検査が行われる間、セル111の出力を検出することができる状態が保たれるので、検査中に、太陽電池モジュール11の出力値をモニターすることができなくなることがない。
ここで、LEDリニア光源ユニット12による光照射よりも弱い光として、太陽電池モジュール11に対する照射強度を適切に調整した照明装置(例えば、LED照明)による照射光を用いることができる。あるいは、上記照明装置の代わりに、日の出あるいは日没付近の時間帯における太陽光を用いることもできる。
以下に、実施形態2として、照明装置18を備えた検査装置2aについて説明する。
本実施形態に係る検査装置2aの構成図を図6に示す。検査装置2aは、図1に示した検査装置2の構成に加え、照明装置18をさらに備えている。なお、太陽光発電装置1および検査装置2aは、太陽光発電システム1000aを構成する。
照明装置18は、太陽光発電装置1の検査中、LEDリニア光源ユニット12による光照射よりも弱い光を太陽電池モジュール11に照射するものである。これにより、検査中、太陽電池モジュール11に含まれるセル111が高抵抗の抵抗体となることを防ぎ、該太陽電池モジュール11の出力を検知することができる状態を保つことができる。
従って、検査装置2は、セル111に対して太陽光が照射されない夜間においても、照明装置18から光照射を行うことによって、太陽電池モジュール11の検査を行うことができる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は、複数の太陽電池モジュールを備えた太陽光発電装置の検査に利用することができる。
1000、1000a 太陽光発電システム
1 太陽光発電装置
2、2a 検査装置
11 太陽電池モジュール
12 LEDリニア光源ユニット(リニア状光源装置)
18 照明装置
123 LED素子
124 発光部
125 駆動部

Claims (5)

  1. 複数の太陽電池モジュールが、架台に設置された太陽光発電装置の検査方法であって、
    上記複数の太陽電池モジュールの受光面に向けて光照射するリニア状光源装置を、該リニア状光源装置の長手方向が上記複数の太陽電池モジュールの配列方向と交差するように配された状態で、上記配列方向に沿って移動させつつ、
    上記複数の太陽電池モジュールの出力値をモニターし、
    その出力値に基づいて、上記複数の太陽電池モジュールに異常があるか否かを判定すること
    を特徴とする太陽光発電装置の検査方法。
  2. 上記複数の太陽電池モジュールの出力値をモニターする際、複数の太陽電池モジュールが直列接続されてなる太陽電池ストリングごとの出力値をモニターし、
    上記太陽電池ストリングごとの出力値に基づいて、各太陽電池ストリングに含まれる太陽電池モジュールに異常があるか否かを判定すること
    を特徴とする請求項1記載の太陽光発電装置の検査方法。
  3. 請求項1または2に記載の太陽光発電装置の検査方法において使用されるリニア状光源装置であって、
    太陽電池モジュールの受光面に光照射を行う発光部と、
    上記複数の太陽電池モジュールが配列された方向に当該リニア状光源装置が移動するための駆動部とを備えたこと
    を特徴とするリニア状光源装置。
  4. 請求項1または2に記載の太陽光発電装置の検査方法において使用される検査装置であって、
    上記複数の太陽電池モジュールの各々は、直列接続された複数の太陽電池セルを備え、
    請求項3に記載のリニア状光源装置と、
    上記複数の太陽電池モジュールに対して、上記リニア状光源装置よりも強度の低い光を照射する照明装置とを備えたこと
    を特徴とする検査装置。
  5. 太陽光発電装置および検査装置を備えた太陽光発電システムであって、
    上記太陽光発電装置は、複数の太陽電池モジュール、および該複数の太陽電池モジュールを設置するための架台を有しており、
    上記検査装置は、上記太陽電池モジュールの受光面に光照射を行う発光部、上記発光部を上記太陽電池モジュールの上方に支持する脚部、上記複数の太陽電池モジュールの配列方向に上記発光部および上記脚部を一体的に移動させる駆動部、および上記発光部の光照射および上記駆動部の動作を制御する制御手段を有しており、
    上記制御手段は、上記発光部および上記脚部を上記配列方向に沿って移動させつつ、上記発光部から光照射を行ったときの、上記複数の太陽電池モジュールの出力値をモニターした結果に基づいて、太陽電池モジュールに異常があるか否かを判定すること
    を特徴とする太陽光発電システム。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016039688A (ja) * 2014-08-07 2016-03-22 田淵電機株式会社 太陽光発電システムの複合検査装置
JP2016091136A (ja) * 2014-10-31 2016-05-23 株式会社中電工 識別情報収集システム
JP2016131470A (ja) * 2015-01-15 2016-07-21 日東工業株式会社 太陽光発電設備の異常検出システム

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