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JP2014065100A - ロボットシステム、及びロボットのティーチング方法 - Google Patents

ロボットシステム、及びロボットのティーチング方法 Download PDF

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JP2014065100A
JP2014065100A JP2012211162A JP2012211162A JP2014065100A JP 2014065100 A JP2014065100 A JP 2014065100A JP 2012211162 A JP2012211162 A JP 2012211162A JP 2012211162 A JP2012211162 A JP 2012211162A JP 2014065100 A JP2014065100 A JP 2014065100A
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Shinji Iida
慎二 飯田
Takafumi Masuyama
貴史 桝山
Shogo Kabetani
昇吾 壁谷
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Abstract

【課題】現場での調整作業に必要な精度を有する動作軌道を表示することのできるロボットシステム、及びロボットのティーチング方法を提供する。
【解決手段】ロボットシステム10は、アーム21を有するロボット20と、カメラ44及びディスプレイ42を有するティーチングペンダント40と、予め設定されたプログラム及びペンダント40の操作に基づいて、アーム21の動作を制御するロボットコントローラ30と、を備える。コントローラ30は、カメラ44による撮影画像をディスプレイ42に表示させ、表示されるアーム21の動作開始位置を始点としてアーム21の軌道をディスプレイ42に表示させ、プログラム及びペンダント40の操作に基づいて、軌道上の所定位置を目標としてアーム21を動作させ、動作が終了した場合に、アーム21の実位置と所定位置とのずれ量を算出し、実位置を動作開始位置に設定し、アーム21の軌道をずれ量だけ修正する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ロボットシステム、及びロボットシステムを用いたロボットのティーチング方法に関する。
従来、ロボットのティーチングでは、CAD等を用いたシミュレーションモデルによりロボットの基本的な動作プログラムを作成し、現場において現実のロボット及び設備等との差を調整している。
しかしながら、ロボットの動作先の座標が分かったとしても、現実のロボットの動作軌道を予測することは困難であるため、現場での調整作業に多くの手間が掛かっている。そこで、特許文献1に記載のものでは、カメラにより撮影したロボットの画像に重ねて、コンピュータにより計算されたロボットの動作軌道を表示させている。
特開2004−243516
ところで、特許文献1に記載のものでは、コンピュータにより計算されたロボットの動作軌道を表示しているものの、その動作軌道と現実のロボットの動作軌道とは必ずしも一致しない。その理由として、現実のロボットには、シミュレーションモデルには存在しなかった「組立公差」や「部品交差」といった設計値からのずれが存在するため、計算された動作軌道をそのまま表示するだけでは現実の動作軌道を正しく表示することはできない。このため、特許文献1に記載のものは、現場での調整作業に適していない。
ここで、計算された動作軌道に設計値からのずれを反映させることも考えられる。例えば、キャリブレーションにより動作全体の平均として、ずれ量をある程度把握することはできる。しかしながら、ずれ量はロボットの動作する軌道やロボットの姿勢等により少しずつ変動するので、動作全体の平均的なずれ量を把握したとしても、個々の動作位置において調整作業に必要な精度を有する動作軌道を得ることはできない。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、現場での調整作業に必要な精度を有する動作軌道を表示することのできるロボットシステム、及びそのロボットシステムを用いたロボットのティーチング方法を提供することにある。
本発明は、上記課題を解決するために、以下の手段を採用した。
第1の手段は、被駆動部を有するロボットと、撮影により画像を取得するカメラ、及び画像を表示する表示部を有し、前記被駆動部の動作を使用者の操作により設定する操作器と、予め設定されたプログラム及び前記操作器の操作に基づいて、前記被駆動部の動作を制御する制御部と、を備えるロボットシステムであって、前記制御部は、前記カメラによる撮影で取得される画像を、前記表示部に表示させる画像表示手段と、前記画像表示手段により前記表示部に表示される前記被駆動部の動作開始位置を始点として、前記プログラムに基づいて前記被駆動部を動作させる際の軌道を前記表示部に表示させる軌道表示手段と、前記軌道表示手段により前記表示部に前記軌道が表示された後に、前記プログラム及び前記操作器の操作に基づいて、前記軌道上の所定位置を目標として前記被駆動部を動作させる動作手段と、前記動作手段による動作が終了した場合に、前記画像表示手段により前記表示部に表示された前記被駆動部の実位置と前記所定位置とのずれ量を算出するずれ量算出手段と、前記実位置を前記動作開始位置に設定し、前記プログラムに基づいて前記被駆動部を動作させる際の前記軌道を、前記ずれ量算出手段により算出された前記ずれ量だけ修正して、前記軌道表示手段により前記軌道を前記表示部に表示させる軌道修正手段と、を備えることを特徴とする。
上記構成によれば、使用者が操作器のカメラによりロボットを撮影すると、撮影で取得されたロボットの画像が操作器の表示部に表示される。そして、表示部に表示されたロボットの被駆動部の動作開始位置を始点として、予め設定されたプログラムに基づいて被駆動部を動作させる際の軌道が表示部に表示される。表示部に軌道が表示された後に、プログラム及び操作器の操作に基づいて、軌道上の所定位置を目標として被駆動部が動作させられる。このとき、現実のロボットには、「組立公差」や「部品交差」といった設計値からのずれが存在するため、表示部に表示された軌道と現実の軌道とにずれが生じることとなる。
この点、上記動作が終了した場合に、表示部に表示された被駆動部の実位置と上記所定位置とのずれ量が算出される。そして、実位置が次の動作開始位置に設定され、プログラムに基づいて被駆動部を動作させる際の軌道が、算出されたずれ量だけ修正される。そして、被駆動部の実位置を始点として、修正された軌道が表示部に表示される。
ここで、算出されたずれ量は、当初の動作開始位置から所定位置を目標として被駆動部が動作された際に、実際に生じたずれ量である。このため、このずれ量は、被駆動部の直近の動作における軌道やロボットの姿勢等の影響を受けたものであり、所定位置よりも先の目標へ被駆動部が動作する際に生じる軌道のずれに近いものとなる。したがって、修正された軌道は、実位置から被駆動部を移動させる際の軌道として、現場での調整作業に必要な高い精度を有している。
第2の手段では、前記ずれ量算出手段は、前記ロボットを含む3次元空間における前記実位置と前記所定位置とのずれ量を算出し、前記軌道修正手段は、前記3次元空間において、前記プログラムに基づいて前記被駆動部を動作させる際の前記軌道を、前記ずれ量算出手段により算出された前記ずれ量だけ修正する。
上記構成によれば、所定位置を目標とした動作が終了した場合に、表示部に表示された被駆動部の実位置と上記所定位置とのずれ量として、ロボットを含む3次元空間における上記実位置と上記所定位置とのずれ量が算出される。そして、上記3次元空間において、プログラムに基づいて被駆動部が動作させられる際の軌道が、算出されたずれ量だけ修正される。したがって、ロボットを含む3次元空間におけるずれ量を反映して、修正された軌道を正確に表示部に表示させることができる。
第3の手段では、前記ずれ量算出手段は、前記表示部に表示された画像における前記実位置と前記所定位置とのずれ量を算出し、前記軌道修正手段は、前記表示部に表示された画像において、前記プログラムに基づいて前記被駆動部を動作させる際の前記軌道を、前記ずれ量算出手段により算出された前記ずれ量だけ修正する。
上記構成によれば、所定位置を目標とした動作が終了した場合に、表示部に表示された被駆動部の実位置と上記所定位置とのずれ量として、表示部に表示された画像における上記実位置と上記所定位置とのずれ量が算出される。そして、上記表示部に表示された画像において、プログラムに基づいて被駆動部が動作させられる際の軌道が、算出されたずれ量だけ修正される。したがって、表示部に表示された画像におけるずれ量を反映して、修正された軌道を容易に表示部に表示させることができる。
第4の手段では、前記所定位置は、前記プログラムに基づいて前記被駆動部を動作させる際に、前記被駆動部の目標として順に設定された複数の教示点である。
上記構成によれば、被駆動部の目標として順に設定された複数の教示点のうち、直近の教示点を目標として被駆動部が動作させられる。そして、この動作が終了した場合に、上記実位置と上記所定位置とのずれ量が算出され、実位置が動作開始位置に設定されるとともに、プログラムに基づいて被駆動部を動作させる際の軌道がずれ量だけ修正される。以後、次の教示点を目標とした被駆動部の動作と、この動作で生じたずれ量による軌道の修正とが繰り返し行われる。したがって、被駆動部の目標として複数の教示点が設定されている場合に、各教示点を動作開始位置とした動作において、常に被駆動部の直近の動作により生じたずれ量を反映して軌道を修正することができる。その結果、各教示点において常に高い精度を有する軌道を表示させることができる。
第5の手段では、前記軌道表示手段は、前記軌道と共に前記教示点を前記表示部に表示させる。
上記構成によれば、軌道と共に教示点が表示部に表示されるため、被駆動部が動作させられる際に次の目標を容易に把握することができる。
第6の手段では、前記軌道表示手段は、前記軌道を前記表示部に表示させる際に、それ以前に前記表示部に表示された前記軌道を消去する。
所定位置を目標とした被駆動部の動作が終了した場合に、被駆動部の実位置を始点として、修正された軌道が表示部に表示されると、それ以前に表示部に表示されていた軌道が邪魔になることがある。また、使用者が被駆動部の軌道を調整する際には、現在位置よりも先の軌道が重要であり、現在位置までの軌道は重要ではない。
この点、上記構成によれば、軌道を表示部に表示させる際に、それ以前に表示部に表示された軌道が消去される。このため、調整において重要でない軌道を消去して、調整において重要である修正された軌道の視認性を向上させることができる。
第7の手段では、前記軌道表示手段は、前記軌道及び前記教示点を前記表示部に表示させる際に、それ以前に前記表示部に表示させた前記軌道及び前記教示点を消去する。
上記構成によれば、第6の手段と同様にして、調整において重要でない軌道及び教示点を消去して、調整において重要である修正された軌道及び教示点の視認性を向上させることができる。
第8の手段は、第1〜第7の手段のいずれか1つのロボットシステムを用いて前記ロボットをティーチングする方法であって、前記軌道修正手段により、前記実位置を前記動作開始位置に設定し、前記プログラムに基づいて前記被駆動部を動作させる際の前記軌道を、前記ずれ量算出手段により算出された前記ずれ量だけ修正した後に、前記使用者による前記操作器の操作により前記プログラムを変更して、前記被駆動部を動作させる際の軌道を調整することを特徴とする。
上記工程によれば、所定位置を目標とした被駆動部の動作が終了した場合に、被駆動部の実位置を始点として、修正された軌道が表示部に表示される。このため、使用者は、上記動作が終了した時点で、被駆動部の実位置と所定位置とのずれ量、及びこのずれ量を反映した軌道を把握することができる。したがって、その後に使用者による操作器の操作によりプログラムを変更すれば、被駆動部を動作させる際の軌道を正確に調整することができる。
ロボットシステムの概要を示す斜視図。 ロボット及び動作軌道を表示するディスプレイ画面。 第2教示点を目標として動作したロボットを表示するディスプレイ画面。 ロボット及び修正された動作軌道を表示するディスプレイ画面。 第2教示点を目標とした動作後に修正された動作軌道を示す模式図。 第3教示点を目標とした動作後に修正された動作軌道を示す模式図。 第4教示点を目標とした動作後に修正された動作軌道を示す模式図。 各教示点で修正された動作軌道を示す模式図。
以下、一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。本実施形態は、機械組立工場等において、機械等の組み立てを行うロボットシステムとして具体化している。
図1は、ロボットシステムの概要を示す斜視図である。同図に示すように、ロボットシステム10は、ロボット20、ロボットコントローラ30、及びティーチングペンダント40を備えている。
ロボット20は、垂直多関節型のロボットであり、6つ(複数)の関節を有するアーム21、及び基台22を備えている。アーム21(被駆動部)は、先端にハンド部21aを有している。アーム21の各関節には、それぞれモータが設けられており、これらのモータの回転によりアーム21が駆動される。各モータには、その出力軸を制動する電磁ブレーキと、出力軸の回転角度に応じたパルス信号を出力するエンコーダとがそれぞれ設けられている。ロボット20は、アーム21を動作させることにより、ワークに対する部品の組付けやワークの搬送等の作業を行う。
コントローラ30(制御部)は、CPU、ROM、RAM、データ記憶部、駆動回路、位置検出回路等を備えている。ROMは、ロボット20のシステムプログラムや動作プログラム等を記憶している。RAMは、これらのプログラムを実行する際にパラメータの値等を記憶する。データ記憶部は、後述するカメラから入力される画像データ等を記憶する。位置検出回路には、各エンコーダの検出信号がそれぞれ入力される。位置検出回路は、各エンコーダの検出信号に基づいて、各関節に設けられたモータの回転角度を検出する。CPUは、予め設定された動作プログラム(プログラム)を実行することにより、位置検出回路から入力される位置情報に基づいて、アーム21の各関節の回転角度(アーム21の姿勢)を目標回転角度(目標姿勢)にフィードバック制御する。
ティーチングペンダント40(操作機)は、CPU、ROM、及びRAMを含むマイクロコンピュータ、各種の手動操作キー、ディスプレイ42、並びにカメラ44を備えている。ペンダント40は、コントローラ30に接続されており、コントローラ30と通信可能となっている。オペレータ(使用者)は、このペンダント40を手動操作して、ロボット20の動作プログラムの作成、修正、登録、各種パラメータの設定を行うことができる。動作プログラムの修正等を行うティーチングでは、作業においてアーム21のハンド部21aが通過する教示点(位置座標)を教示する。そして、オペレータは、コントローラ30を通じて、ティーチングされた動作プログラムに基づきロボット20を動作させることができる。換言すれば、コントローラ30は、予め設定された動作プログラム及びペンダント40の操作に基づいて、ロボット20のアーム21の動作を制御する。
カメラ44は、CCDカメラであり、信号増幅部、A/D変換部等を備えている。カメラ44は、ペンダント40の背面側の上部に配置されており、オペレータの操作に基づきロボット20及びその周辺領域を撮影する。信号増幅部は、CCDカメラの出力信号を増幅する。A/D変換部は、この増幅された信号をデジタル信号(撮影画像データ)に変換する。
ディスプレイ42(表示部)は、ロボット20に関する情報や、カメラ44により取得された撮影画像を表示する。ロボット20に関する情報としては、ロボット20の型式、ロボット20の動作状況、動作コマンド等が表示される。
ロボット20は、固有のロボット座標系(X,Y,Z軸からなる三次元直交座標系)を有して構成され、コントローラ30により、そのロボット座標系に基づいて、X軸方向(左右方向)及びY軸方向(前後方向)並びにZ軸方向(上下方向)に自在に動作される。ロボット座標系は、例えば、基台22の中心を原点として、床(作業台)の上面(水平面)をX−Y平面とし、床に垂直な座標軸をZ軸とし、基台22の正面が向く方向を前方(Y軸の+方向)とするように定義される。ティーチングによって教示された教示点は、そのロボット座標系に基づく位置座標(位置ベクトル)にて記憶される。
上記ペンダント40を用いたティーチング時(ロボット20のマニュアル動作時)に、X,Y,Z方向の動作に関して、オペレータによるペンダント40の操作で指示されるロボット20(ハンド部21a)の動作方向と、ロボット20の実際の動作方向とを対応(シンクロ)させている。この手法の詳細については、特開2011−189431号公報に記載されているが、概要は以下の通りである。
カメラ44は、ペンダント40の背面側(裏面側)の上部に位置して、前方を撮影可能となっている。カメラ44の光軸は、ペンダント40の背面に対し直交する方向に延びている。ペンダント40においては、ティーチングの開始時(及び作業中の周期的)に、自動で(或いはオペレータによるスイッチ操作に基づいて)、カメラ44によるロボット20全体の撮影画像が取込まれる。取込まれた撮影画像(画像データ)は、コントローラ30に入力される。そして、コントローラ30(画像表示手段)により、この撮影画像がディスプレイ42に表示させられる。
ティーチングの開始時及び実行中において、コントローラ30は、そのソフトウエア(コンピュータプログラム)により、ペンダント40のカメラ44によりロボット20の撮影画像データを取込むと共に、ロボット20におけるアーム21の現在の位置情報(姿勢情報)から、ロボット20の3次元画像モデル(以下、「3Dモデル」という)を作成する。
このとき、コントローラ30が保有するロボット座標系を基準にした3Dモデルを作り、それをカメラ44によるロボット20の撮影画像と最も類似性が高くなるまで視点変更して自在に動かし、最も類似性の高い視点をペンダント視点とする。そして、基準となったロボット座標系と、そのペンダント視点におけるペンダント40のディスプレイ42の上下左右軸系との差をずれ量として設定する。その上で、オペレータによるペンダント40の操作により指示される動作方向及び動作量を、設定されたずれ量に応じて、基準となるロボット座標系での動作方向及び動作量に変換する。これにより、ロボット20の動作方向が、オペレータにより指示される動作方向に同期させられる。
また、ティーチングの開始時だけでなく、ティーチング作においても、例えば周期的にカメラ44が撮影したロボット20の画像から、上記と同様の処理により、ペンダント視点の検出に基づくずれ量の設定を行う。このため、ペンダント40の操作により指示される動作方向と、実際のロボット20の動作方向との対応関係が常に更新される。
本実施形態では、コントローラ30(軌道表示手段)は、ディスプレイ42に表示されるアーム21の動作開始位置を始点として、動作プログラムに基づいてアーム21を動作させる際の軌道をディスプレイ42に表示させる。図2は、ロボット20及び動作軌道を表示するディスプレイ42の画面である。
まず、オペレータは、ペンダント40を操作して動作プログラムを起動させ、アーム21のハンド部21aを最初の教示点A1(第1教示点)に移動させる。オペレータは、ペンダント40を操作して、カメラ44によりロボット20を撮影する。コントローラ30は、カメラ44により取得された撮影画像を、ディスプレイ42に表示させる。なお、カメラ44により撮影される画像は動画であってもよいし、各教示点での静止画であってもよい。
ここで、上述したように、コントローラ30は、ペンダント視点とロボット座標系との関係を把握しており、ディスプレイ42の画面上での各教示点の位置を算出する。コントローラ30は、アーム21におけるハンド部21aの先端位置を教示点A1として、教示点A1以後の教示点B1〜G1をディスプレイ42に表示させる。そして、コントローラ30は、教示点A1を始点として、教示点A1〜G1を通過するアーム21のハンド部21aの軌道OB1を、ディスプレイ42に表示させる。オペレータは、この表示された軌道OB1で問題がないか否か、周囲の設備等との位置関係を確認する。
続いて、オペレータは、動作プログラムに基づいてハンド部21aを教示点B1(第2教示点)へ移動させるように、ペンダント40を操作する。コントローラ30(動作手段)は、動作プログラム及びオペレータによるペンダント40の操作に基づいて、軌道OB1上の教示点B1(所定位置)を目標としてアーム21を動作させる。
このとき、図3に示すように、ディスプレイ42の画面上において、教示点A1を始点として表示した軌道OB1上の教示点B1と、アーム21のハンド部21aの実位置B2とにずれが生じることがある。コントローラ30(ずれ量算出手段)は、教示点B1を目標とした動作が終了した場合に、ディスプレイ42に表示されたアーム21のハンド部21aの実位置B2と教示点B1とのずれ量を算出する。具体的には、コントローラ30は、ペンダント視点とロボット座標系との関係に基づいて、ロボット20を含む3次元空間における実位置B2と教示点B1との3次元座標のずれ量ER1を算出する。
続いて、図4に示すように、コントローラ30(軌道修正手段)は、実位置B2を次の動作開始位置に設定する。そして、動作プログラムに基づいてアーム21を動作させる際の以後の教示点C1〜G1(C1,D1のみ表示)を、算出されたずれ量ER1だけ修正して教示点C2〜G2(C2,D2のみ表示)とする。具体的には、教示点C1〜G1の3次元座標を、3次元座標のずれ量ER1だけ平行移動させる。そして、修正された教示点C2〜G2の3次元座標をペンダント視点に反映させて、ディスプレイ42に教示点C2〜G2を表示させる。これに伴い、コントローラ30は、教示点B1〜G1を通過するアーム21のハンド部21aの軌道OB1を、教示点B2〜G2を通過する軌道OB2に修正する。
以後同様にして、オペレータは、動作プログラムに基づいてハンド部21aを次の教示点C2(所定位置)へ移動させるように、ペンダント40を操作する。そして、コントローラ30は、教示点C2を目標とした動作が終了した場合に、アーム21のハンド部21aの実位置C3と教示点C2とのずれ量を算出し、教示点D2〜G2及び軌道OB2を算出されたずれ量だけ修正する。
オペレータは、アーム21のハンド部21aの軌道が修正された後に、ペンダント40の操作により各教示点(動作プログラム)を変更して、アーム21を動作させる際の軌道を調整する。すなわち、オペレータは、修正された軌道が問題ないか判断したり、修正された軌道をより適切な軌道に修正したりすることができる。
次に、各教示点を目標とした動作と、修正された教示点及び軌道との関係について説明する。図5〜7は、それぞれ第2〜第4教示点を目標とした動作後に修正された動作軌道を示す模式図である。
図5に示すように、教示点A1が動作開始点であり、教示点B1を目標としたアーム21の動作終了後に、アーム21のハンド部21aが実位置B2に移動している。そして、実位置B2を始点として、修正された教示点C2,D2及び軌道OB2がディスプレイ42に表示されている。
ここで、修正された教示点B2〜D2及び軌道OB2がディスプレイ42に表示されると、それ以前にディスプレイ42に表示されていた教示点A1〜D1及び軌道OB1が邪魔になることがある。また、オペレータがアーム21のハンド部21aの軌道を調整する際には、現在位置よりも先の軌道が重要であり、現在位置までの軌道は重要ではない。このため、コントローラ30は、修正された教示点B2〜D2及び軌道OB2をディスプレイ42に表示する際に、それ以前にディスプレイ42に表示されていた教示点A1〜D1及び軌道OB1を消去する。
図6,7に示すように、同様にして、それぞれ教示点C2,D3を目標としてアーム21を動作させた場合も、それ以前にディスプレイ42に表示されていた教示点B2〜D2及び軌道OB2、並びに教示点C3〜D3及び軌道OB3が消去される。なお、図8に示すように、各教示点を動作開始位置とした場合に、軌道OB1〜OB3(及び各教示点)がディスプレイ42に表示される。そして、各軌道OB1〜OB3において、実線部分が次の教示点を目標としたアーム21の動作における予測軌道であり、破線部分は次の動作開始位置からの動作では表示されない軌道である。
以上詳述した本実施形態は以下の利点を有する。
・教示点B1を目標としたアーム21の動作が終了した場合に、ディスプレイ42に表示されたアーム21のハンド部21aの実位置B2と教示点B1とのずれ量が算出される。そして、実位置B2が次の動作開始位置に設定され、動作プログラムに基づいてアーム21を動作させる際の軌道が、算出されたずれ量ER1だけ修正される。これにより、アーム21の実位置B2を始点として、修正された軌道OB2がディスプレイ42に表示される。
ここで、算出されたずれ量ER1は、当初の動作開始位置である教示点A1から教示点B1を目標としてアーム21が動作された際に、実際に生じたずれ量である。このため、このずれ量ER1は、アーム21の直近の動作における軌道OB1やロボット20の姿勢等の影響を受けたものであり、教示点B1よりも先の目標である教示点C1へアーム21のハンド部21aが動作する際に生じる軌道のずれに近いものとなる。したがって、修正された軌道OB2は、実位置B2からアーム21のハンド部21aを移動させる際の軌道として、現場での調整作業に必要な高い精度を有している。
・教示点B1を目標とした動作が終了した場合に、ディスプレイ42に表示されたアーム21のハンド部21aの実位置B2と教示点B1とのずれ量ER1として、ロボット20を含む3次元空間における実位置B2と教示点B1とのずれ量が算出される。そして、上記3次元空間において、動作プログラムに基づいてアーム21が動作させられる際の軌道が、算出されたずれ量ER1だけ修正される。したがって、ロボット20を含む3次元空間におけるずれ量ER1を反映して、修正された軌道OB2を正確にディスプレイ42に表示させることができる。
・アーム21のハンド部21a目標として順に設定された複数の教示点A1〜G1のうち、直近の教示点B1を目標としてアーム21が動作させられる。そして、この動作が終了した場合に、実位置B2と教示点B1とのずれ量ER1が算出され、実位置B2が動作開始位置に設定されるとともに、動作プログラムに基づいてアーム21を動作させる際の軌道がずれ量ER1だけ修正される。以後、次の教示点を目標としたアーム21の動作と、この動作で生じたずれ量による軌道の修正とが繰り返し行われる。したがって、アーム21のハンド部21aの目標として複数の教示点A1〜G1が設定されている場合に、各教示点を動作開始位置とした動作において、常にアーム21の直近の動作により生じたずれ量を反映して軌道を修正することができる。その結果、各教示点において常に高い精度を有する軌道を表示させることができる。
・軌道OB2と共に修正された教示点B2〜G2がディスプレイ42に表示されるため、アーム21が動作させられる際に次の目標を容易に把握することができる。
・軌道OB2をディスプレイ42に表示させる際に、それ以前にディスプレイ42に表示された軌道OB1が消去される。このため、以後の調整において重要でない軌道OB1を消去して、以後の調整において重要である修正された軌道OB2の視認性を向上させることができる。同様にして、以後の調整において重要でない教示点A1〜G1を消去して、以後の調整において重要である修正された教示点B2〜G2の視認性を向上させることができる。
・教示点B1を目標としたアーム21の動作が終了した場合に、アーム21のハンド部21aの実位置B2を始点として、修正された軌道OB2がディスプレイ42に表示される。このため、オペレータは、上記動作が終了した時点で、アーム21のハンド部21aの実位置B2と教示点B1とのずれ量ER1、及びこのずれ量ER1を反映した軌道OB2を把握することができる。したがって、その後にオペレータによるペンダント40の操作により動作プログラムを変更すれば、アーム21を動作させる際の軌道を正確に調整することができる。
上記実施形態を、以下のように変形して実施することもできる。
・上記実施形態では、教示点B2〜G2及び軌道OB2をディスプレイ42に表示させる際に、それ以前にディスプレイ42に表示された教示点A1〜G1及び軌道OB1を消去した。しかしながら、以前にディスプレイ42に表示された教示点A1〜G1及び軌道OB1を消去しないようにすることもできる。あるいは、以前にディスプレイ42に表示された教示点A1〜G1及び軌道OB1の一方を消去しないようにすることもできる。
・上記実施形態では、軌道OB2と共に教示点B2〜G2をディスプレイ42に表示したが、軌道OB2及び教示点B2〜G2の一方のみを表示することもできる。
・上記実施形態では、動作プログラムに基づいてアーム21を動作させる際の以後の教示点C1〜G1を、算出されたずれ量ER1だけ修正する際に、教示点C1〜G1の3次元座標をずれ量ER1だけ平行移動させた。しかしながら、教示点C1〜G1を算出されたずれ量ER1だけ修正する際に、ロボット座標の座標軸を、3次元座標のずれ量ER1に対応して平行移動させてもよい。
・上記実施形態では、ディスプレイ42に表示されたアーム21のハンド部21aの実位置B2と教示点B1とのずれ量として、ロボット20を含む3次元空間における実位置B2と教示点B1との3次元座標のずれ量ER1を算出した。しかしながら、アーム21のハンド部21aの実位置B2と教示点B1とのずれ量として、ディスプレイ42の画面上(ディスプレイ42に表示された画像)における実位置B2と教示点B1との2次元座標のずれ量ER2を算出することもできる。そして、ロボットコントローラ30(軌道修正手段)は、ディスプレイ42に表示された画像において、動作プログラムに基づいてアーム21を動作させる際の軌道を、算出された2次元座標のずれ量ER2だけ修正することもできる。
上記構成によれば、教示点B1を目標とした動作が終了した場合に、ディスプレイ42に表示されたアーム21のハンド部21aの実位置B2と教示点B1とのずれ量として、ディスプレイ42に表示された画像における実位置B2と教示点B1とのずれ量ER2が算出される。そして、ディスプレイ42に表示された画像において、動作プログラムに基づいてアーム21が動作させられる際の軌道が、算出されたずれ量ER2だけ修正される。したがって、ディスプレイ42に表示された画像における2次元座標のずれ量ER2を反映して、修正された軌道を容易にディスプレイ42に表示させることができる。
・ティーチングペンダント40に代えて、同等のカメラ機能や操作機能、制御機能を有するスマートフォン(操作器)を採用することもできる。
・垂直多関節型のロボット20に代えて、水平多関節型のロボットを採用することもできる。
10…ロボットシステム、20…ロボット、21…アーム(被駆動部)、21a…ハンド部、30…ロボットコントローラ(制御部)、40…ティーチングペンダント(操作器)、42…ディスプレイ(表示部)、44…カメラ。

Claims (8)

  1. 被駆動部を有するロボットと、
    撮影により画像を取得するカメラ、及び画像を表示する表示部を有し、前記被駆動部の動作を使用者の操作により設定する操作器と、
    予め設定されたプログラム及び前記操作器の操作に基づいて、前記被駆動部の動作を制御する制御部と、
    を備えるロボットシステムであって、
    前記制御部は、
    前記カメラによる撮影で取得される画像を、前記表示部に表示させる画像表示手段と、
    前記画像表示手段により前記表示部に表示される前記被駆動部の動作開始位置を始点として、前記プログラムに基づいて前記被駆動部を動作させる際の軌道を前記表示部に表示させる軌道表示手段と、
    前記軌道表示手段により前記表示部に前記軌道が表示された後に、前記プログラム及び前記操作器の操作に基づいて、前記軌道上の所定位置を目標として前記被駆動部を動作させる動作手段と、
    前記動作手段による動作が終了した場合に、前記画像表示手段により前記表示部に表示された前記被駆動部の実位置と前記所定位置とのずれ量を算出するずれ量算出手段と、
    前記実位置を前記動作開始位置に設定し、前記プログラムに基づいて前記被駆動部を動作させる際の前記軌道を、前記ずれ量算出手段により算出された前記ずれ量だけ修正して、前記軌道表示手段により前記軌道を前記表示部に表示させる軌道修正手段と、
    を備えることを特徴とするロボットシステム。
  2. 前記ずれ量算出手段は、前記ロボットを含む3次元空間における前記実位置と前記所定位置とのずれ量を算出し、
    前記軌道修正手段は、前記3次元空間において、前記プログラムに基づいて前記被駆動部を動作させる際の前記軌道を、前記ずれ量算出手段により算出された前記ずれ量だけ修正する請求項1に記載のロボットシステム。
  3. 前記ずれ量算出手段は、前記表示部に表示された画像における前記実位置と前記所定位置とのずれ量を算出し、
    前記軌道修正手段は、前記表示部に表示された画像において、前記プログラムに基づいて前記被駆動部を動作させる際の前記軌道を、前記ずれ量算出手段により算出された前記ずれ量だけ修正する請求項1に記載のロボットシステム。
  4. 前記所定位置は、前記プログラムに基づいて前記被駆動部を動作させる際に、前記被駆動部の目標として順に設定された複数の教示点である請求項1〜3のいずれか1項に記載のロボットシステム。
  5. 前記軌道表示手段は、前記軌道と共に前記教示点を前記表示部に表示させる請求項4に記載のロボットシステム。
  6. 前記軌道表示手段は、前記軌道を前記表示部に表示させる際に、それ以前に前記表示部に表示された前記軌道を消去する請求項1〜5のいずれか1項に記載のロボットシステム。
  7. 前記軌道表示手段は、前記軌道及び前記教示点を前記表示部に表示させる際に、それ以前に前記表示部に表示させた前記軌道及び前記教示点を消去する請求項5に記載のロボットシステム。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載のロボットシステムを用いて前記ロボットをティーチングする方法であって、
    前記軌道修正手段により、前記実位置を前記動作開始位置に設定し、前記プログラムに基づいて前記被駆動部を動作させる際の前記軌道を、前記ずれ量算出手段により算出された前記ずれ量だけ修正した後に、
    前記使用者による前記操作器の操作により前記プログラムを変更して、前記被駆動部を動作させる際の軌道を調整することを特徴とするロボットのティーチング方法。
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