以下、本発明に係る遊技機の一実施形態について、図面を参照して説明する。まず、図1および図2を参照して、本実施形態に係るパチンコ機1の機械的構成について説明する。
図1に示すように、パチンコ機1の上半分の部分には遊技盤2が設けられている。遊技盤2は略正方形であり(図2参照)、透明なガラス板を保持した前面枠13によって前面を保護されている。遊技盤2の下部には上皿5が設けられている。上皿5は、発射機に遊技球を供給し、且つ賞品球を受ける。上皿5の上面には操作ボタン9が設けられている。上皿5の直下には、賞品球を受ける下皿6が設けられている。下皿6の右横には、遊技球の発射を調整する発射ハンドル7が設けられている。前面枠13の上部の左右の角には、スピーカ48がそれぞれ設けられている。
図2に示すように、遊技盤2の前面には、ガイドレール3で囲まれた略円形の遊技領域4が形成されている。遊技領域4の略中央には、各種演出を実行する演出装置8が設けられている。演出装置8の左方には普通図柄始動ゲート12が設けられている。演出装置8の下方には特別図柄始動電動役物15が配設されており、その下方には大入賞口16が設けられている。特別図柄始動電動役物15は開閉部材を備え、開閉部材が開放されると遊技球の入賞が容易になる。大入賞口16も開閉部材を備え、開閉部材が開放された場合にのみ、遊技球は大入賞口16に入賞できる。
演出装置8について説明する。図2に示すように、演出装置8は、LCDからなる表示画面28を中央に備える。表示画面28には様々な映像が表示されるが、特に大当たり判定の結果を遊技者に報知するために、横並びに3つのデモ図柄表示部が設けられている。パチンコ機1は、3つのデモ図柄表示部に表示されるデモ図柄を変動させた後に、大当たり判定の結果を示すデモ図柄の組み合わせを確定表示させる演出(以下、「報知演出」という。)を行うことで、大当たり判定の結果を遊技者に報知する。
表示画面28の右方には可動役物30が設けられている。可動役物30は、可動部を可動させることで各種演出を行う。可動役物30の下方には、大当たり判定の結果および保留球数を表示する表示部24が設けられている。表示部24は、特別図柄表示部、普通図柄表示部、特別図柄記憶数表示LED、および普通図柄記憶数表示LEDを備える。特別図柄表示部は、2つの7セグメントLEDからなり、大当たり判定の結果を示す特別図柄を表示する。普通図柄表示部は、LEDの点灯および消灯によって普通当たり判定の結果を表示する。特別図柄記憶数表示LEDは、大当たり判定の結果がまだ表示されていない遊技球の個数(所謂「特別図柄作動保留球数」)を表示する。普通図柄記憶数表示LEDは、普通当たり判定の結果がまだ表示されていない遊技球の個数(所謂「普通図柄作動保留球数」)を表示する。
図3を参照して、パチンコ機1の電気的構成について説明する。パチンコ機1の制御部40は、主基板41、サブ制御基板58、ランプドライバ基板46、演出制御基板43、払出制御基板45、および中継基板47を主に備える。
主基板41は、パチンコ機1の主制御を司る。主基板41の主基板CPUユニット50には、各種の演算処理を行うCPU51と、データを一時的に記憶するRAM52と、制御プログラム等を記憶したROM53とが設けられている。主基板CPUユニット50には、割込信号発生回路57が接続されている。主基板41は、割込信号発生回路57から割込信号が入力される毎にプログラムを実行する。主基板41は、I/Oインタフェイス54を介してサブ制御基板58、払出制御基板45、中継基板47、出力ポート55、および始動口スイッチ70に接続されている。出力ポート55は、図示外の遊技場管理用コンピュータにパチンコ機1の情報を出力する。始動口スイッチ70は、特別図柄始動電動役物15に入賞した遊技球を検出する。
サブ制御基板58は、CPU581、RAM582、およびROM583を備え、ランプドライバ基板46、演出制御基板43、スピーカ48、および操作ボタン9に接続している。サブ制御基板58は、主基板41から送信されるコマンドに従って、演出等の総合的な制御を行う。ランプドライバ基板46は可動役物30等を制御する。演出制御基板43は、CPU43a等を備え、サブ制御基板58から受信するコマンドに従って表示画面28の表示を制御する。払出制御基板45は、CPU45a等を備える。払出制御基板45は、主基板41から送信されるコマンドに応じて賞品球払出装置49の動作を制御し、所定数の遊技球を払い出させる。
中継基板47には、普通図柄作動スイッチ71、大入賞口開閉ソレノイド72、電動役物開閉ソレノイド73、大入賞口スイッチ75、および表示部24が接続されている。普通図柄作動スイッチ71は、普通図柄始動ゲート12を通過した遊技球を検出する。大入賞口開閉ソレノイド72は、大当たり遊技中に大入賞口16の開閉部材を開閉する。電動役物開閉ソレノイド73は、普通当たり遊技中に特別図柄始動電動役物15の開閉部材を開閉する。大入賞口スイッチ75は、大入賞口16に入賞した遊技球を検出する。
電源基板42は、主基板41および遊技球発射装置37に接続されており、各基板および遊技球発射装置37に直流の安定化した電力を供給する。遊技球発射装置37は、一定間隔(本実施形態では0.6秒)毎に1個ずつ遊技球を遊技領域4へ発射する。
図4を参照して、RAM52の大当たり関係情報記憶エリアについて説明する。大当たり関係情報記憶エリアは、後述するメイン処理の特別図柄処理(図7および図8参照)において使用され、特別図柄始動電動役物15への遊技球の入賞時に取得される乱数を記憶する。大当たり関係情報記憶エリアには複数の記憶エリアが設けられている。特別図柄始動電動役物15に遊技球が入賞した際に、特別図柄作動保留球数が4未満(0〜3)であれば、番号の若い記憶エリアから順に乱数が記憶される。CPU51は、処理が未だ行われていない記憶エリアの乱数のうち、最も番号の若い記憶エリアを判定エリアとし、判定エリアに記憶されている乱数について大当たり判定等の各種処理を行う。判定エリアに記憶されている乱数に関する処理(具体的には、判定結果を報知する報知演出、および、判定結果が大当たりの場合に実行される大当たり遊技)が終了すると、次に番号が若い記憶エリアが判定エリアとされて、大当たり判定等の処理が繰り返される。なお、処理が終了した記憶エリアの乱数は、適宜消去してもよい。
各記憶エリアには、大当たり判定カウンタの値が記憶される大当たり乱数欄、特別図柄決定カウンタの値が記憶される特別図柄決定乱数欄、および、変動パターン決定カウンタの値が記憶される変動パターン決定乱数欄が設けられている。特別図柄始動電動役物15に遊技球が入賞すると、その時点で計数されているそれぞれの乱数取得カウンタの値が各欄に記憶される。大当たり乱数は、大当たり判定のために用いられる。特別図柄決定乱数は特別図柄を決定するために用いられる。変動パターン決定乱数は、大当たり判定の結果を報知する報知演出の演出パターン(デモ図柄の変動パターン)を決定するために用いられる。なお、RAM52には、普通図柄始動ゲート12への遊技球の入賞時に取得される乱数を記憶するための普通当たり関係情報記憶エリアが設けられている。普通当たり関係情報記憶エリアも、大当たり関係情報記憶エリアと同様に構成されている。
図5を参照して、ROM53に記憶されている特別図柄変動パターン決定テーブルについて説明する。変動パターンとは、前述したように、大当たり判定による判定結果を遊技者に報知する際に用いられるデモ図柄の変動のパターン(演出パターン)である。この変動パターンによって、表示部24に表示される特別図柄の変動時間(デモ図柄の変動時間に等しい)と、特別図柄の変動に同期して表示画面28、可動役物30、スピーカ48等によって実行される報知演出のパターンとが決定される。サブ制御基板58は、主基板41で決定された変動パターンに従って報知演出を制御する。
特別図柄変動パターン決定テーブルには、大当たり判定時の遊技状態(非時短状態中または時短状態中)、および大当たり判定の結果(大当たりまたははずれ)に応じて複数のテーブルが設けられている。それぞれのテーブルには複数種類の変動パターンが割り当てられており、各変動パターンと変動パターン決定乱数の値(0〜511)とが対応付けられている。大当たり判定が行われると、その時点の遊技状態と判定結果とに応じたテーブルが参照され、大当たり乱数と共に取得されている変動パターン決定乱数の値によって変動パターンが決定される。主基板41は、決定した変動パターンを指定するコマンドをサブ制御基板58へ送信する。サブ制御基板58は、コマンドによって指定された変動パターンに応じて報知演出を制御する。
判定結果が大当たりの場合には、リーチ演出を実行する変動パターンが必ず決定される。一方で、判定結果がはずれの場合には、リーチ演出を実行しない「非リーチ」の変動パターンが決定される割合が最も高い。リーチ演出は、複数のデモ図柄のうちの一部を停止させた状態で行われる演出であり、大当たりの可能性があることを示す。本実施形態におけるリーチ演出には、ノーマルリーチ、リーチ演出A,B,C,D,E、プレミアリーチ演出X,Yの8種類がある。図5に示すように、判定結果が大当たりの場合には、ノーマルリーチ、リーチ演出A,B,C,D,Eの順で、決定される割合が高くなる。逆に、判定結果がはずれの場合には、ノーマルリーチ、リーチ演出A,B,C,D,Eの順で、決定される割合が低くなる。また、プレミアリーチ演出X,Yは、判定結果が大当たりの場合にのみ決定され得る。従って、リーチ演出において示される大当たり判定の結果が大当たりとなる確率である信頼度は、ノーマルリーチ、リーチ演出A,B,C,D,E、プレミアリーチ演出X,Yの順に高くなる。
図6から図8を参照して、パチンコ機1の主基板41による処理について説明する。パチンコ機1の主制御は、ROM53に記憶されている制御プログラムによって行われる。制御プログラムのメイン処理(図6参照)は、割込信号発生回路57(図3参照)が4ms毎に発生する割込信号をCPU51が感知した際に、CPU51において実行される。
まず、コマンド出力処理が行われる(S10)。コマンド出力処理では、制御コマンドが、サブ制御基板58、払出制御基板45、中継基板47等に出力される。ここで出力される制御コマンドは、前回実施されたメイン処理においてRAM52に記憶された制御コマンドである。
次いで、スイッチ読込処理が行われる(S11)。スイッチ読込処理では、普通図柄始動ゲート12および各入賞口に設けられた各スイッチ(図3参照)の検出結果から、遊技球を検知するための処理が行われる。
次いで、カウンタ更新処理が行われる(S12)。カウンタ更新処理では、RAM52に記憶されている乱数取得カウンタの値が加算され、且つ、タイマカウンタの値が減算される。
次いで、特別電動役物処理が行われる(S13)。特別電動役物処理では、大当たり遊技の動作(主に大入賞口16の開閉部材の開閉動作)を制御するための処理と、大当たり遊技終了後に生起される遊技状態に関する処理とが行われる。
次いで、特別図柄処理が行われる(S14)。詳細は後述するが、特別図柄処理では、大当たり判定、特別図柄の決定、および変動パターンの決定等の処理が行われる(図7および図8参照)。
次いで、普通電動役物処理が行われる(S15)。普通電動役物処理では、普通当たりとなった場合に普通当たり遊技の動作を制御するための処理が行われる。CPU51は、時短状態が生起されていれば、非時短状態中よりも長く特別図柄始動電動役物15を開放させる。
次いで、普通図柄処理が行われる(S16)。普通図柄処理では、普通図柄作動スイッチ71が遊技球を検出することを契機として、普通当たり乱数が取得される。取得された乱数に基づいて、普通当たり判定、普通図柄の変動を制御するためのコマンドの記憶等の処理が行われる。時短状態中に普通当たりと判定される確率は、非時短状態中に普通当たりと判定される確率よりも高い。普通図柄の変動時間は、非時短状態中よりも時短状態中の方が短い。
次いで、払出処理(S17)、エラーチェック(S18)、および情報出力処理(S19)が行われる。払出処理では、賞品球の払い出しが制御される。エラーチェックでは、エラーが発生している場合に、表示画面28およびスピーカ48等を用いてエラーが報知される。情報出力処理では、図示外の遊技場管理用コンピュータに各種の情報が出力される。
図7および図8を参照して、特別図柄処理(S14)の詳細について説明する。まず、特別図柄処理で使用されるフラグについて説明する。RAM52には、大当たり遊技状態フラグ、表示状態フラグ等が記憶されている。大当たり遊技状態フラグは、大当たり遊技中に「1」が記憶されて「ON」となり、大当たり遊技中でない場合には「0」が記憶されて「OFF」となる。特別図柄表示状態フラグは、表示部24の特別図柄が変動している場合に「1」、停止表示されている場合に「2」、変動中でも停止表示中でもない場合に「0」が記憶される。
図7に示すように、特別図柄処理が開始されると、特別図柄始動電動役物15に遊技球が入賞したか否かが判断される(S21)。特別図柄始動電動役物15に設けられた始動口スイッチ70が遊技球の入賞を検出すると、メイン処理のスイッチ読込処理(S11、図6参照)において、始動口スイッチ70に対応する入賞球フラグが「ON」とされる。このフラグが「ON」とされておらず、遊技球が入賞していなければ(S21:NO)、処理はそのままS31の判断へ移行する。特別図柄始動電動役物15に遊技球が入賞していれば(S21:YES)、特別図柄作動保留球数が「4」であるか否かが判断される(S22)。RAM52に記憶されている特別図柄作動保留球数が「4」であれば(S22:YES)、保留球は保留することができる上限に達しているため、処理はそのままS31の判断へ移行する。
特別図柄作動保留球数が「4」でない場合には(S22:NO)、RAM52に記憶されている特別図柄作動保留球数に「1」が加算される(S23)。次いで、各種乱数が取得され、大当たり関係情報記憶エリア(図4参照)における空の記憶エリアのうち、番号が最も若い記憶エリアに記憶される(S24)。具体的には、大当たり乱数欄には大当たり判定カウンタの値が、特別図柄決定乱数欄には特別図柄決定カウンタの値が、変動パターン決定乱数欄には変動パターン決定カウンタの値が、それぞれ記憶される。
次いで、大当たり遊技状態であるか否かが判断される(S31)。大当たり遊技状態フラグが「ON」となっており、大当たり遊技状態中であると判断された場合には(S31:YES)、処理はそのままメイン処理へ戻る。大当たり遊技状態中でなければ(S31:NO)、特別図柄が変動中であるか否かが判断される(S32)。表示状態フラグが「1」でなく、特別図柄が変動中でなければ(S32:NO)、特別図柄が停止表示中であるか否かが判断される(S33)。表示状態フラグが「2」でなく、停止表示中でなければ(S33:NO)、処理はS35(図8参照)へ移行し、大当たり判定等の処理が行われる。
図8に示すように、大当たり判定が行われる前に、特別図柄作動保留球数が「1」以上であるか否かが判断される(S35)。RAM52に記憶されている特別図柄作動保留球数が「1」以上でなければ(S35:NO)、大当たり判定を行うべき遊技球は存在しないので、処理はそのままメイン処理へ戻る。「1」以上であれば(S35:YES)、RAM52に記憶されている特別図柄作動保留球数が「1」減算される(S36)。大当たり関係情報記憶エリア(図4参照)の判定エリアが、次の番号の記憶エリアにシフトされる(S37)。
次いで、遊技状態に応じた大当たり判定が行われる(S38)。大当たり判定を行うための判定テーブルには、非確率変動状態中に用いられる低確率判定テーブルと、大当たりと判定される確率が非確率変動状態中よりも高くなる高確率判定テーブルとが設けられている。大当たり判定は、確率変動状態が生起されているか否かに応じて、いずれかの判定テーブルが参照されて行われる。
大当たり判定によって大当たりと判定された場合には(S39:YES)、大当たりであることを示す特別図柄が決定される(S40)。次いで、時短状態中であれば(S41:YES)、特別図柄変動パターン決定テーブル(図5参照)のうち、時短状態中且つ大当たりの場合のテーブルが参照され、変動パターン決定乱数欄の値によって変動パターンが決定される(S42)。時短状態中でなければ(S41:NO)、非時短状態(通常状態)且つ大当たりの場合のテーブルによって変動パターンが決定される(S43)。判定結果がはずれであれば(S39:NO)、はずれであることを示す特別図柄(本実施形態では「−−」)が決定される(S46)。時短状態中であれば(S47:YES)、時短状態中且つはずれのテーブルによって変動パターンが決定され(S48)、時短状態中でなければ(S47:NO)、通常状態且つはずれのテーブルによって変動パターンが決定される(S49)。
次いで、決定された変動パターンを指定すると共に、特別図柄およびデモ図柄の変動(報知演出の開始)を指示するための変動パターン指定コマンドが、RAM52に記憶される(S52)。記憶されたコマンドは、次に実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S10、図6参照)において、サブ制御基板58等の他の基板に出力される。次いで、変動パターンに応じて決められている特別図柄の変動時間が、タイマカウンタである特別図柄変動時間カウンタにセットされる(S53)。特別図柄が変動中であることを示す「1」が表示状態フラグに記憶されて(S54)、処理はメイン処理へ戻る。
また、図7に示すS32の判断において、表示状態フラグに「1」が記憶されており、特別図柄が変動中であると判断された場合には(S32:YES)、変動時間が経過したか否かが判断される(S57)。S53(図8参照)でセットされた特別図柄変動時間カウンタの値が「0」となっており、変動時間が経過したと判断された場合には(S57:YES)、特別図柄の変動停止(報知演出の終了)を指示するための特別図柄停止コマンドがRAM52に記憶される(S58)。所定の停止表示時間が、タイマカウンタである特別図柄停止時間カウンタに記憶される(S59)。特別図柄が停止表示中であることを示す「2」が表示状態フラグに記憶されて(S60)、処理はメイン処理へ戻る。一方、S57の判断において、変動時間がまだ経過していないと判断された場合には(S57:NO)、処理はそのままメイン処理へ戻る。
また、S33の判断において、表示状態フラグに「2」が記憶されており、特別図柄が停止表示中であると判断された場合には(S33:YES)、S59でセットされたカウンタの値によって、停止表示時間が経過したか否かが判断される(S61)。特別図柄停止時間カウンタの値が「0」でなく、停止表示時間がまだ経過していない場合には(S61:NO)、処理はそのままメイン処理へ戻る。停止表示時間が経過した場合には(S61:YES)、特別図柄が変動中でも停止表示中でもないことを示す「0」が表示状態フラグに記憶される(S62)。次いで、遊技状態移行処理が行われて(S63)、処理はメイン処理へ戻る。遊技状態移行処理(S63)では、判定結果が大当たりである場合に大当たり遊技状態フラグが「ON」とされ、遊技状態が大当たり遊技状態へ移行される。この場合、大当たり遊技を開始することを示す大当たり遊技開始コマンドがRAM52に記憶される。また、時短状態および確率変動状態の終了条件が満たされていれば、これらの遊技状態が終了し、遊技状態は非時短状態および非確率変動状態へ移行する。
図9を参照して、本実施形態において実行される予告演出について説明する。予告演出とは、大当たり判定の結果がデモ図柄によって報知されるよりも前に、判定結果が大当たりであることの期待度を遊技者に示すための演出である。
本実施形態の予告演出の映像(以下、「予告演出映像」という。)には、所謂ステップアップ予告演出の予告演出映像が含まれる。ステップアップ予告演出とは、予め決められた順序で1または複数の映像を順次表示させることで、大当たりの期待度を示す演出である。詳細は図11を参照して後述するが、ステップアップ予告演出において連続して表示される予告演出映像の数(つまり、ステップの段階)が多い程、大当たりとなる確率が高くなるように、予告演出映像の表示が制御される。図9に示すように、予告演出映像81は、表示画面28(図2参照)の表示領域80において、デモ図柄よりも前面の領域に表示される。
本実施形態では、3人の人物A,B,Cの各々がトレーニングを行う映像が、予告演出映像として用いられる。ステップは3段階であり、1段階目(STEP1)は筋トレを行う映像、2段階目(STEP2)は走りこみを行う映像、3段階目は実戦トレーニングを行う映像である。STEP2またはSTEP3まで表示される場合には、STEP1において登場した人物と同一の人物の映像が表示される。
また、本実施形態では、それぞれの予告演出映像の表示が終了した後に、表示された予告演出映像に対応する大当たりの期待度を示す映像である期待度映像が表示される。図9に示すように、期待度映像82も予告演出映像81と同様に、表示画面28の表示領域80において、デモ図柄よりも前面の領域に表示される。
本実施形態では、1段階目(STEP1)の予告演出映像が表示された後に、「Power」の文字を含む期待度映像が表示される。2段階目(STEP2)の予告演出映像が表示された後に、「Speed」の文字を含む期待度映像が表示される。3段階目(STEP3)の予告演出映像が表示された後に、「Technique」の文字を含む期待度映像が表示される。以上のように、本実施形態におけるステップアップ予告演出のストーリーは、筋トレ、走りこみ、および実戦トレーニングの順でトレーニングを行い、プロレスで勝つための能力を身につけていくストーリーとなっている。なお、ステップアップ予告演出が終了した後にリーチ演出に発展すると、リーチ演出では、ステップアップ予告演出の予告演出映像で表示された人物(A,B,Cのいずれか1人)がプロレスで敵と対戦する。
さらに、本実施形態では、ステップアップ予告演出とは異なる予告演出として、複合予告演出が設けられている。複合予告演出では、3人の人物A,B,Cの各々が筋トレを行うSTEP1の予告演出映像のうちの2つまたは3つが、1回の報知演出の実行中に順次表示される。
図10を参照して、ステップアップ予告演出および複合予告演出の種類および演出の流れについて詳細に説明する。図10では、デモ図柄が変動を開始してから、リーチ演出を経ずにはずれの組み合わせのデモ図柄が表示されるか、またはリーチ演出が開始されるまでに実行される各々の予告演出の流れを示している。
No.1〜9の予告演出が、ステップアップ予告演出である。No.1〜3のステップアップ予告演出では、3人の人物A,B,Cのうちの1人が筋トレを行う予告演出映像が表示された後、STEP1の期待度映像が表示されて、予告演出が終了する。この場合、大当たりの期待度は非常に低く、リーチ演出への移行すら行われない場合も多い(詳細は図11を参照して後述する)。No.4〜6のステップアップ予告演出では、何れかの人物の筋トレの予告演出映像と、STEP1の期待度映像が表示された直後に、同じ人物が走りこみを行う予告演出映像が表示され、さらにSTEP2の期待度映像が表示される。その後、予告演出は終了する。No.7〜9のステップアップ予告演出では、予告演出映像および期待度映像がSTEP2まで表示された直後に、同じ人物が実戦トレーニングを行う予告演出映像が表示され、さらにSTEP3の期待度映像が表示される。ステップアップ予告演出がSTEP3まで発展すると、STEP1およびSTEP2で終了した場合に比べて、判定結果が大当たりである割合が高くなる。
1段階目(STEP1)の予告演出映像が単独で表示された場合には、遊技者は大当たりに対する強い期待を持つことができない。従って、以下に説明する複合予告演出を実行しない場合、STEP1の期待度映像が表示された直後に、2段階目(STEP2)の予告演出映像の表示が開始されなければ、その時点で遊技者は落胆する。つまり、従来の遊技機は、1段階目(STEP1)の予告演出映像を十分に活用することはできなかった。本実施形態のパチンコ機1は、以下説明する複合予告演出によって上記課題を解決する。
No.10〜21の予告演出が、複合予告演出である。No.10〜12の複合予告演出では、3人の人物A,B,Cのうちのいずれかが筋トレを行う1段階目(STEP1)の予告演出映像が表示された後、STEP1の期待度映像が表示されるが、その時点で予告演出(つまり、予告演出映像および期待度映像の表示)が一旦終了し、変動するデモ図柄が表示画面28の前面に表示される。従って、遊技者は、ステップアップ予告演出がSTEP2以降に発展しないことを認識する。しかし、その後に、最初に表示された予告演出映像の人物とは異なる人物の1段階目(STEP1)の予告演出映像が表示され、さらにSTEP1の期待度映像が表示されて、予告演出が再度終了する。そして、2つの予告演出映像で登場した2人の人物でタッグマッチを行うことを示す期待度映像が表示される。
また、No.13〜15の複合予告演出も、No.10〜12の複合予告演出と同様に、1段階目(STEP1)の予告演出映像を2つ複合させる演出である。しかし、No.13〜15では、ステップアップ予告演出を実行する場合(つまり、1段階目を単独で表示させる場合)の表示速度よりも速い速度で予告演出映像が表示される。詳細には、1段階目(STEP1)の予告演出映像が早送りで表示された後、STEP1の期待度映像が通常の速度(ステップアップ予告演出を実行する場合と同じ速度)で表示され、予告演出が一旦終了する。その後、1段階目とは異なる人物が登場する2段階目(STEP2)の予告演出映像が早送りで表示され、STEP2の期待度映像が通常の速度で表示されて、予告演出が再度中断される。そして、1段階目(STEP1)の予告演出映像が2つ複合したことを示す期待度映像が表示される。
予告演出映像を早送りさせて複合させることで、短時間の間に複数の予告演出映像を順次表示させることができる。その結果、予告演出映像の終了後に他の映像(本実施形態では、「タッグマッチ」の期待度映像)を表示させるための時間を十分に確保することができる。同一の予告演出映像の再生速度を変えることで、映像データを多数用意することなく多彩な演出を行うことができる。また、本実施形態では、最初の予告演出映像が早送りされると、その後に必ず1つまたは2つの予告演出映像が複合する。従って、予告演出映像を早送りさせることで、複合予告演出が実行されることを遊技者に認識させることもできる。
No.16〜18の複合予告演出は、2つの予告演出映像および期待度映像が表示されるまでは、No.10〜12の複合予告演出と同じである。しかし、2つ目のSTEP1の期待度映像が表示され、予告演出が中断された後、2つの予告演出映像の各々で登場した人物とは異なる3人目の人物の1段階目(STEP1)の予告演出映像が表示される。次いで、STEP1の期待度映像が表示された後、3つの予告演出で登場した3人の人物でタッグマッチを行うことを示す期待度映像(つまり、1段階目の予告演出映像が3つ複合したことを示す期待度映像)が表示される。
また、No.19〜21の複合予告演出は、2つ目の期待度映像が表示されて予告演出が中断されるまでは、No.13〜15の複合予告演出と同じである。しかし、その後に、2つの予告演出映像の各々で表示された人物とは異なる人物の1段階目(STEP1)の予告演出映像が早送りで表示され、STEP1の期待度映像が表示される。そして、1段階目の予告演出映像が3つ複合したことを示す期待度映像が表示される。No.19〜21の複合予告演出では、3つの予告演出映像が早送りで表示される。従って、予告演出を実行する期間(変動開始からリーチ演出までの期間)のうち、3つの予告演出映像が複合したことを示す期待度映像の表示時間を、No.16〜18の複合予告演出よりも長くすることができる。
以上のように、本実施形態のパチンコ機1は、複数の予告演出映像(詳細には、1段階目の予告演出映像)を複合させることができる。従って、遊技者は、単独での期待度が低い予告演出映像が表示された場合でも、予告演出映像がさらに表示されることを期待して演出を楽しむことができる。パチンコ機1は、予告演出映像を高速再生させることもできるので、映像データを多数用意することなく演出を多様化させて、且つ、短時間の間に複数の予告演出映像を複合させることができる。また、予告演出映像を高速再生させる場合でも、期待度映像は高速再生させることは無い。よって、パチンコ機1は、期待度を確実に遊技者に把握させることができる。また、パチンコ機1の複合予告演出は、連続して表示された複数の予告演出映像の各々で登場した複数の人物が、タッグマッチを行うことを示す演出であり、複合することで一連の演出となる。つまり、パチンコ機1の複合予告演出の映像は、連続して表示されることで一連の演出を実行する複数の予告演出映像を含む。従って、演出の内容が分かりやすくなり、遊技者はさらに演出を楽しむことができる。
図11を参照して、サブ制御基板58のROM583に記憶されている予告演出内容決定テーブルについて説明する。予告演出内容決定テーブルは、予告演出を実行するか否か、および実行する予告演出の内容を、主基板41によって決定された変動パターンに応じて決定するためのテーブルである。予告演出内容決定テーブルでは、サブ制御基板58で取得される乱数の値と、複数種類の予告演出(予告演出を実行しない「予告なし」を含む)とが、リーチ演出の種類(「非リーチ」を含む)毎に対応付けられている。図11では、各予告演出に対応付けられている乱数の値の代わりに、各予告演出が決定される割合をパーセンテージで表記している。サブ制御基板58のCPU581は、主基板41によって変動パターンが指定されると、指定された変動パターンによって実行されるリーチ演出の種類に応じたテーブルを参照し、乱数の値を用いて、予告演出を実行するか否か、および実行する予告演出の内容を決定する。
図11に示すように、リーチ演出が実行されない「非リーチ」の場合には、予告演出が実行される割合は40%である。一方で、リーチ演出が実行される場合には、80%の割合で何らかの予告演出が実行される。従って、予告演出が実行された場合には、遊技者は、リーチ演出へ移行する期待を持つことができる。「非リーチ」の場合、大当たり判定の結果は必ずはずれである。そして、「非リーチ」の場合のステップアップ予告演出は、ステップの段階が多い演出程、決定される割合が低い。同様に、「非リーチ」の場合の複合予告演出は、複合される予告演出映像の数が多い程、決定される割合が低い。なお、本実施形態では、「非リーチ」の場合には、STEP3まで発展するステップアップ予告演出が決定される確率、および、3つの予告演出映像が複合される複合予告演出が決定される割合は、共に0%である。よって、パチンコ機1は、これらの予告演出を実行することで、リーチ演出に移行することを遊技者に認識させることができる。
また、前述したように、大当たりとなる確率は、ノーマルリーチ、リーチ演出A,B,C,D,E、プレミアリーチ演出の順に高くなる。そして、図11に示すように、ステップアップ予告演出については、大当たりとなる確率が高いリーチ演出である程、ステップの段階が多い演出が決定され易くなる。よって、遊技者は、ステップアップ予告演出のステップの段階がより多く継続することを期待して、予告演出を楽しむことができる。また、複合予告演出については、大当たりとなる確率が高いリーチ演出である程、複合される予告演出映像の数が多い演出が決定され易くなる。よって、遊技者は、複合予告演出において複合される予告演出映像の数がより多くなることを期待して、予告演出を楽しむことができる。
また、大当たりとなる確率が高いリーチ演出である程、複合予告演出が実行される割合は高くなる。一方で、大当たりとなる確率が高いリーチ演出である程、1段階目(STEP1)のステップアップ予告演出のみが実行される割合は低くなる。従って、複合予告演出が実行された場合の方が、1段階目(STEP1)のステップアップ予告演出のみが単独で実行された場合よりも、大当たりとなる確率が高い。よって、遊技者は、ステップアップ予告演出が1段階目(STEP1)で終了した場合でも、複合予告演出に発展することを期待して、予告演出をより長く楽しむことができる。なお、本実施形態では、予告演出映像が通常の速度で表示される複合予告演出が実行された場合よりも、高速表示される複合予告演出が実行された場合の方が、大当たりとなる確率が高くなるように、テーブルが設定されている。従って、パチンコ機1は、予告演出映像を高速表示させる特殊な演出に対する遊技者の興趣を、より強く惹き付けることができる。
図12を参照して、サブ制御基板58が実行するサブ制御基板処理について説明する。サブ制御基板処理では、主基板41から送信されるコマンドに従って、表示画面28、スピーカ48等による演出を制御する処理が行われる。特に、サブ制御基板処理では、大当たり判定の結果を報知するための報知演出が制御される。サブ制御基板処理は、ROM583に記憶されているプログラムに従って、CPU581によって実行される。
サブ制御基板処理が開始されると、主基板41から変動パターン指定コマンドを受信したか否かが判断される(S71)。受信していない場合(S71:NO)、処理はそのままS79の判断へ移行する。変動パターン指定コマンドを受信すると(S71:YES)、コマンドによって指定された変動パターンがRAM582に記憶される(S72)。指定された変動パターンに応じて、予告演出を実行するか否か、および実行する予告演出の内容が決定される(S73)。詳細には、予告演出の内容を決定するための乱数が取得される。次いで、予告演出内容決定テーブル(図11参照)のうち、指定された変動パターンによって実行されるリーチ演出の種類(「非リーチ」を含む)に対応するテーブルが参照されて、乱数に対応付けられている予告演出が、実行する予告演出として決定される。なお、「予告なし」が決定された場合には、予告演出を実行しない旨が決定される。
予告演出を実行する旨が決定されたか否かが判断される(S75)。実行しない旨が決定された場合には(S75:NO)、予告演出は実行されることなく、指定された変動パターンに応じて以降の報知演出が制御されて(S77)、処理はS79の判断へ移行する。予告演出を実行する旨が決定された場合(S75:YES)、3つのデモ図柄を変動させている間に、決定された予告演出が実行される(S76)。その後、変動パターンに応じて以降の報知演出が制御されて(S77)、処理はS79の判断へ移行する。
変動パターン指定コマンドに関する処理(S71〜S77)が終了すると、特別図柄停止コマンドを主基板41から受信したか否かが判断される(S79)。受信していなければ(S79:NO)、処理はS82の判断へ移行する。特別図柄停止コマンドを受信すると(S79:YES)、大当たり判定の結果を示すデモ図柄の組み合わせが確定表示されて(S80)、処理はS82の判断へ移行する。次いで、主基板41から大当たり遊技開始コマンドを受信したか否かが判断される(S82)。受信していなければ(S82:NO)、処理はそのままS71の判断へ戻る。大当たり遊技開始コマンドを受信すると(S82:YES)、大当たり遊技演出処理が実行されて(S83)、処理はS71の判断へ戻る。
以上説明したように、本実施形態に係るパチンコ機1では、複数の予告演出映像(本実施形態では、ステップアップ予告演出の1段階目の予告演出映像)の各々が単独で表示される場合(以下、「単独表示」という。)もあり、且つ、1段階目の予告演出映像が連続して複数表示される場合(以下、「複合表示」という。)もある。複合表示が行われた場合に大当たりとなる確率は、単独表示が行われた場合に大当たりとなる確率よりも高い。つまり、1段階目の予告演出映像の各々が単独で表示されても大当たりに対する大きな期待は持てないが、1段階目の予告演出映像が1回の報知演出中に複数回表示されると、遊技者は、単独で表示された場合よりも大きな期待を持つことができる。従って、遊技者は、単独での期待度が低い予告演出映像が表示された場合でも、予告演出映像がさらに表示されることを期待して演出を楽しむことができる。よって、パチンコ機1は、単独で実行されても期待度が低い予告演出を十分に活用して、遊技者の興趣を強く惹き付けることができる。
なお、従来のステップアップ予告演出でも、複数の予告演出映像が順次表示される。しかし、ステップアップ予告演出では、予め定められた段階を経て複数の予告演出映像が表示されるため、2段階目以降の予告演出映像のみが単独で表示されることは無い。従って、本実施形態における複合予告演出と、従来のステップアップ予告演出とは構成が大きく異なる。そして、複合予告演出を行うことで、単独で表示されても期待が持てない予告演出映像を活用して遊技者の興趣を惹き付けることができるため、得られる効果も従来のステップアップ予告演出とは異なる。また、従来のステップアップ予告演出における2段階目以降の予告演出映像を単独で表示させる場合がある遊技機が存在するものと仮定する。この場合には、例えば、N段階目の予告演出映像を単独で表示させた場合の期待度と、1段階目からN回の段階を経てN個の予告演出映像を表示させた場合の期待度とは、同じ期待度である。これに対し、本実施形態では、予告演出映像を単独で表示させる場合よりも、予告演出映像を複合させる場合の方が、大当たりの期待度が高い。よって、本実施形態に係るパチンコ機1の構成は、従来のステップアップ予告演出における2段階目以降の予告演出映像を単独で表示させる場合がある遊技機の構成とも異なる。そして、単独で表示されても期待が持てない予告演出映像を活用できるという効果も、新規且つ顕著な効果である。
パチンコ機1は、複合予告演出を実行する場合、表示させる複数の予告演出映像の少なくともいずれか(本実施形態では全て)を、ステップアップ予告演出を実行する場合よりも速い速度で表示させる場合がある。この場合、パチンコ機1は、ステップアップ予告演出において使用される予告演出映像の映像データをそのまま用いて高速再生させることで、短時間の間に複数の予告演出映像を順次表示させることができる。よって、予告演出映像の映像データを多数用意することなく、多彩な演出を行うことができる。
パチンコ機1は、予告演出映像の表示が終了した後に、期待度映像を表示させることができる。期待度映像の再生速度は、複合予告演出を実行する場合と、ステップアップ予告演出を実行する場合とで同じである。従って、パチンコ機1は、複合予告演出における予告演出映像を高速再生する場合でも、予告演出における期待度を確実に遊技者に把握させることができる。
パチンコ機1の複合予告演出における複数の予告演出映像は、連続して表示されることで一連の演出を実行する映像(タッグマッチを行う複数の人物を紹介する映像)である。従って、1回の報知演出中に表示される複数の予告演出映像の各々に関連性が無い場合に比べて、演出の内容が分かりやすくなる。よって、遊技者は演出をさらに楽しむことができる。
本実施形態において、特別図柄始動電動役物15が本発明の「始動口」に相当する。大当たり遊技状態が本発明の「有利状態」に相当する。図8のS38で大当たり判定を行う主基板41のCPU51が、本発明の「判定手段」として機能する。表示画面28が本発明の「表示手段」に相当する。図12のS71〜S80で報知演出の表示を制御するサブ制御基板58のCPU581が、本発明の「報知制御手段」として機能する。図12のS73,S75で、STEP1の予告演出映像を単独で表示させる(つまり、No.1〜3の予告演出を実行させる)CPU581が、本発明の「単独予告制御手段」として機能する。図12のS73,S75で、2以上の予告演出映像を順次表示させる(つまり、No.10〜21の予告演出を実行させる)CPU581が、本発明の「複合予告制御手段」として機能する。図12のS75で複合予告演出における予告演出映像を高速表示させるCPU581が、本発明の「高速表示制御手段」として機能する。図12のS75で期待度映像を表示させるCPU581が、本発明の「期待度表示制御手段」として機能する。
本発明は、以上詳述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が可能であることは勿論である。まず、上記実施形態のパチンコ機1は、予告演出映像を高速表示させる場合、1回の報知演出中に表示される全ての予告演出映像を高速表示させる。しかし、パチンコ機1は、1回の報知演出において、一部の予告演出映像のみを高速表示させることも可能である。図13に、一部の予告演出映像のみを高速表示させる場合の複合予告演出の流れを例示する。図13に示す例では、1回目に表示される予告演出映像は、通常の速度で再生される。一方で、2回目および3回目に表示される予告演出映像は高速再生される。従って、1回目の予告演出映像が通常の速度で再生された場合でも、予告演出映像の高速再生を伴う複合予告演出が実行されている可能性が残されている。よって、遊技者は、有利な予告演出が実行されていることをより長い時間期待しながら演出を楽しむことができる。
上記実施形態のパチンコ機1は、大当たり判定の結果が大当たりであることの期待度を、複合予告演出およびステップアップ予告演出によって遊技者に示す。しかし、他の判定結果を報知する際に本発明を適用することも可能である。例えば、大当たり遊技終了後に確率変動状態を生起するか否かの判定結果、普通当たり判定の判定結果等を報知する際に本発明を適用してもよい。また、上記実施形態では、デモ図柄の変動が開始してから、リーチ演出が開始されるまで、またはリーチ演出を経ずに変動が終了するまでの間に、複合予告演出およびステップアップ予告演出が行われる。しかし、リーチ演出の途中等、他の時間帯に複合予告演出およびステップアップ予告演出を行うことも可能である。
上記実施形態では、ステップアップ予告演出における1段階目の予告演出映像を複合させることで、複合予告演出が実行される。従って、上記実施形態のパチンコ機1は、単独では大当たりに対する期待度が低い1段階目の予告演出映像を活用して、新規な予告演出を実現し、遊技者の興趣を強く惹き付けることができる。しかし、複合予告演出において複合される予告演出映像は、ステップアップ予告演出の映像である必要は無い。また、複合させる予告演出映像の数が3つに限られないことは言うまでも無く、2つでもよいし、4つ以上でもよい。
上記実施形態では、期待度映像の高速再生は実行されない。従って、遊技者は、予告演出における期待度を、期待度映像によって確実に把握することができる。しかし、期待度映像を高速再生させることも可能である。この場合、複数の映像を複合させつつ、映像を表示させる時間を容易に確保することができ、予告演出の内容も多様化する。また、複合予告演出において予告演出映像を高速再生させる場合、早送りの速度を複数用いてもよい。この場合、複合予告演出の内容をさらに多様化することができる。また、上記実施形態では、複数の予告演出映像が順次表示され、複数の予告演出映像が重複することは無い。しかし、複数の予告演出映像を重複させて複合予告演出を実行してもよい。
上記実施形態では、複合予告演出を実行する場合、2回目以降の予告演出映像の各々の表示を開始する前に、予告演出を一旦終了させてデモ図柄を前面に表示させる。従って、ステップアップ予告演出が終了して落胆している遊技者の興趣を、複合予告演出によって再度惹き付けることができ、遊技者に十分に予告演出を楽しませることができる。しかし、予告演出を一旦終了させずに2回目以降の予告演出映像の各々の表示を開始させることも可能である。
上記実施形態の複合予告演出における複数の予告演出映像は、連続して表示されることで一連の演出を実行する映像(タッグマッチを行う複数の人物を紹介する映像)である。従って、1回の報知演出中に表示される複数の予告演出映像の各々に関連性が無い場合に比べて、演出の内容が分かりやすくなる。しかし、複数の予告演出映像の態様を変更することも可能である。例えば、複合させる複数の予告演出映像において表示させる表示物(キャラクタ・背景・場面等)を共通させることで、複数の予告演出映像に関連性を持たせてもよい。この場合でも、複合予告演出の内容を分かりやすくすることができる。
上記実施形態では、複合予告演出における2回目以降の予告演出映像を表示させた後も、ステップアップ予告演出の1段階目を表示させる場合と同様に、「STEP1」の期待度映像が表示される。しかし、複合予告演出における期待度映像は、ステップアップ予告演出における期待度映像と異なる映像としてもよい。例えば、上記実施形態において、2回目以降の予告演出映像を表示させた後に、「2人目登場(チャンス)」「3人目登場(激アツ)」等の期待度映像を表示させることで、複合予告演出における期待度を的確に遊技者に把握させることができる。