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JP2014050022A - 画像処理装置、撮像装置、およびプログラム - Google Patents

画像処理装置、撮像装置、およびプログラム Download PDF

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JP2014050022A
JP2014050022A JP2012193206A JP2012193206A JP2014050022A JP 2014050022 A JP2014050022 A JP 2014050022A JP 2012193206 A JP2012193206 A JP 2012193206A JP 2012193206 A JP2012193206 A JP 2012193206A JP 2014050022 A JP2014050022 A JP 2014050022A
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Abstract

【課題】複数の画像において所望の領域を得ることができる電子機器、およびプログラムを提供する。
【解決手段】画像処理装置は、表示部に表示する画像の表示領域を設定する表示領域設定部を備え、前記表示領域設定部は、前記表示部に表示する前記第1の画像の第1表示領域を設定するとともに、前記第1の画像の前記第1表示領域内の画像に基づいて、前記第2の画像の第2表示領域を設定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、画像処理装置、撮像装置、およびプログラムに関する。
従来、画像内の所望の一部の領域の画像を拡大して表示させる技術がある。また、所望の一部の領域の画像を拡大して表示させた場合、再生コマ送り又はコマ戻しによって表示する次の画像を同様に拡大したまま表示させる技術がある(例えば、特許文献1参照)。
特開2010−56622号公報
しかしながら、画像内の所望の一部の領域を拡大して表示させた場合、再生コマ送り又はコマ戻しすることにより表示される次の画像では、必ずしもユーザが期待する所望の領域が同じであるとは限らない。そのため、複数の画像において同様の領域を拡大して表示させたとしても、それぞれの画像において所望の領域を表示させることができるとは限らなかった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、複数の画像において所望の領域を得ることができる電子機器、およびプログラムを提供することにある。
この発明は上述した課題を解決するためになされたもので、本発明は、第1の画像の領域として第1領域を設定するとともに、前記第1の画像の前記第1領域内の画像に基づいて、前記第1の画像と異なる第2の画像の領域として第2領域を設定する領域設定部、を備えることを特徴とする画像処理装置である。
また、本発明は、上記記載の画像処理装置、を備えることを特徴とする撮像装置である。
また、本発明は、撮像素子の全画素領域によって撮影可能な画像の領域のうちの撮影する第1の画像の第1撮影領域を設定するとともに、前記第1の画像の前記第1撮影領域内の画像に基づいて、前記第1の画像と異なる第2の画像の第2撮影領域を設定する撮影領域設定部、を備えることを特徴とする撮像装置である。
また、本発明は、コンピュータに、第1の画像の領域として第1領域を設定するステップと、前記第1の画像の前記第1領域内の画像に基づいて、前記第1の画像と異なる第2の画像の領域として第2領域を設定するステップと、を実行させるためのプログラムである。
この発明によれば、複数の画像において所望の領域を得ることができる。
第1実施形態による撮像装置の構成の一例を示す概略ブロック図である。 画像の表示領域の一例を説明する図である。 第1実施形態による画像の表示領域の第1例を説明する図である。 第1実施形態による表示領域設定処理の第1例を示すフローチャートである。 第1実施形態による画像の表示領域の第2例を説明する図である。 第1実施形態による画像の表示領域の第3例を説明する図である。 第1実施形態による画像の表示領域の第4例を説明する図である。 第1実施形態による画像の表示領域の第5例を説明する図である。 第1実施形態による表示領域設定処理の第2例を示すフローチャートである。 撮像素子における全画素領域と撮影領域とを説明する図である。 第2実施形態による撮像装置の構成の一例を示す概略ブロック図である。 第2実施形態による画像の撮影領域の第1例を説明する図である。 第2実施形態による画像の撮影領域の第2例を説明する図である。 第2実施形態による撮影領域設定処理の第1例を示すフローチャートである。 第2実施形態による撮影領域設定処理の第2例を示すフローチャートである。 第2実施形態による誘導情報を説明する図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
<第1実施形態>
図1は、この発明の一実施形態による撮像装置100の構成を示す概略ブロック図である。
撮像装置100は、撮像部2と、制御部3と、メモリ部4と、バッファメモリ部5と、表示制御部6と、表示部61と、記憶媒体部7(記憶制御部)と、操作入力部8と、画像処理部9(画像処理装置)と、バス15と、を備えている。
撮像部2は、レンズ部21、撮像素子22、及びA/D変換部23を備えており、動画(動画像)または静止画(静止画像)等を撮影する。この撮像部2は、設定された撮影条件(例えば絞り値、露出等)に基づいて制御部3又は画像処理部9により制御され、レンズ部21を介して入力された光束を、撮像素子22の撮像面上に結像させる。撮像素子22は、入力された光束を受光する複数の画素が配置されている画素領域を有し、この画素領域(撮像面)に結像された光束を光電変換したアナログ信号を、A/D変換部23に出力する。A/D変換部23は、撮像素子22から入力されたアナログ信号をデジタル信号に変換し、この変換したデジタル信号を出力する。なお、上述したレンズ部21は、撮像装置100と一体化されている構成としてもよいし、撮像装置100に着脱可能に取り付けられている構成としてもよい。
例えば、撮像部2は、操作入力部8に対する動画撮影操作に応じて動画を撮影し、撮影した動画の画像信号を出力する。また、撮像部2は、操作入力部8に対する静止画撮影操作に応じて静止画を撮影し、撮影した静止画の画像信号を出力する。そして、撮像部2によって撮像された動画の画像信号及び静止画の画像信号は、画像処理部9による画像処理が行われた後、画像データファイルとして記憶媒体150に記録される。また、撮像部2は、静止画撮影又は動画撮影を行うための撮影待機状態中、所定の間隔で連続的に撮影して得られる表示用の画像(例えば画角確認用として表示部61に表示させる画像)であるスルー画像(ライブビュー画像)の画像信号を出力する。
制御部3は、撮像装置100が備えている各部を制御する。例えば、制御部3は、操作入力部8から受け取る操作信号、又はメモリ部4に記憶されている制御条件等に基づいて、撮像装置100が備えている各部を制御する。
メモリ部4は、例えば、ROM(Read Only Memory)を備えおり、撮像装置100を制御するための、予め定められた撮影制御条件、画像処理条件、再生制御条件、及び記録制御条件、などを記憶する。
バッファメモリ部5は、RAM(Random Access Memory)を備えており、制御部3が撮像装置100を制御する際の作業領域として利用される。例えば、撮像部2によって撮影された画像、又は記憶媒体150から読み出された画像は、画像処理部9において実行する画像処理の過程においてバッファメモリ部5に一時的に記憶される。
表示制御部6は、画像処理部9において画像処理が実行された画像を表示部61に表示させる。例えば、表示制御部6は、操作入力部8に対する再生コマ送り又はコマ戻しの操作に応じて、記憶媒体150から画像を読み出し、読み出した画像を画像処理部9の処理を介して表示部61に表示させる。表示部61は、例えば、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等であって、画像又は情報を表示する。また、表示制御部6は、撮像部2(撮像素子22)により撮影された画像を表示部61に表示させる。
記憶媒体部7は、取り外しが可能な記憶媒体150(カードメモリ等)と接続され、この記憶媒体150(記憶部)への画像又は情報の書込み、読み出し、或いは消去を行う。例えば、記憶媒体部7は、撮像部2(撮像素子22)により撮影された画像を記憶媒体150に記憶させる(書き込む)。記憶媒体150は、撮像装置100に対して着脱可能に接続されるメモリであって、例えば、撮像部2によって撮影された画像などを記憶する。なお、記憶媒体部7に代えて、有線又は無線を介して接続される他機器が有する記憶媒体又は記憶装置としてもよい。
操作入力部8は、例えば、シャッターボタン、電源スイッチ、動作モードを選択するモードダイヤル、拡大又は縮小ボタン、再生コマ送り又はコマ戻し機能を含む上下左右ボタンなどを備えている。なお、拡大又は縮小ボタンによる操作は、画像の一部を拡大表示させる操作である。また、操作入力部8は、ユーザによって操作された操作入力を検出し、検出した操作内容を示す操作信号を制御部3又は画像処理部9に供給する。
画像処理部9は、記憶媒体150に記憶されている複数の画像を読み出し、読み出した画像を表示制御部6を介して表示部61に表示させる際に、表示させる画像の表示領域を設定する。例えば、画像処理部9は、操作入力部8において拡大又は縮小ボタンが操作されたことに応じて画像の表示領域を設定する。また、画像処理部9は、操作入力部8において再生コマ送り又はコマ戻しボタンが操作されたことに応じて、次に表示する画像の表示領域を決定する。
なお、以下の説明において、撮像装置100が、再生コマ送り又はコマ戻しボタンが操作されることに応じて表示部61に画像を順次表示する場合、操作前の画像を第1の画像とし、操作後の画像を第2の画像とする。
例えば、画像処理部9は、操作入力部8において拡大又は縮小ボタンが操作されたことに応じて、表示部61に表示されている第1の画像の表示領域(以下、第1表示領域(第1領域)と称する)を設定し、設定した第1表示領域の画像を表示制御部6を介して表示部61に拡大表示させる。また、画像処理部9は、操作入力部8において再生コマ送り又はコマ戻しボタンが操作されたことに応じて、次に表示する第2の画像の表示領域(以下、第2表示領域(第2領域)と称する)を、第1の画像の第1表示領域内の画像に基づいて設定する。
なお、画像処理部9は、上述した画像の表示に関する処理の他に、撮像装置100が撮影する画像に対して、ホワイトバランス調整、シャープネス調整、ガンマ補正、階調補正等の画像処理を実行する。また、画像処理部9は、撮影した画像を記録する(記憶媒体150に記憶させる)際に、JPEG(Joint Photographic Experts Group)等の画像圧縮処理を実行する。
続いて、上述した画像処理部9の構成について詳しく説明する。画像処理部9は、抽出部91と、照合部92と、表示領域設定部93と、を備えている。
抽出部91は、照合部92において画像を照合する際に用いる画像を抽出する。例えば、抽出部91は、第1の画像の第1表示領域内に含まれる画像をテンプレート画像として抽出する。なお、抽出部91は、第1の画像の第1表示領域の全ての画像をテンプレート画像として抽出してもよいし、第1の画像の第1表示領域内に含まれる画像のうち一部の領域の画像をテンプレート画像として抽出してもよい。例えば、抽出部91は、第1の画像の第1表示領域内に含まれる画像のうち、主要被写体を示す特徴的な画像が含まれる一部の領域の画像をテンプレート画像として抽出してもよい。
照合部92は、第1表示領域内の画像を第2の画像に含まれる画像と照合する。例えば、照合部92は、第2の画像に対して、抽出部91がテンプレート画像として抽出した第1表示領域内の画像を用いてテンプレートマッチング処理を実行する。そして、照合部92は、テンプレート画像とマッチング(合致)する画像が第2の画像内に含まれるか否かを照合する。また、照合部92は、テンプレート画像とマッチング(合致)する画像が第2の画像内に含まれる場合、マッチング(合致)する画像の第2の画像における領域(位置(座標)又は範囲)を示す情報を生成する。そして、照合部92は、これらの照合結果を表示領域設定部93に供給する。
なお、本実施形態において、照合部92が、テンプレートマッチング処理を用いて2つの画像を照合する例を説明するが、テンプレートマッチング処理以外の照合処理を用いて2つの画像を照合してもよい。
表示領域設定部93(領域設定部)は、画像の領域を設定する。例えば、表示領域設定部93は、画像の領域として、表示部61に表示する画像の表示領域を設定する。具体的には、表示制御部6が第1の画像を表示部61に表示させている際に、操作入力部8において拡大又は縮小ボタンが操作された場合、拡大又は縮小ボタンの操作(第1の画像の一部を拡大表示する操作)に応じて、拡大表示させる第1の画像の切り出し領域である第1表示領域を設定する。
また、表示領域設定部93は、第1の画像の第1表示領域内の画像に基づいて、第2の画像の第2表示領域を設定する。例えば、表示領域設定部93は、表示制御部6が第1の画像の第1表示領域の画像を表示部61に表示させている際に、操作入力部8において再生コマ送り又はコマ戻しボタンが操作された場合、第1の画像の第1表示領域内の画像に基づいて、拡大表示させる第2の画像の切り出し領域である第2表示領域を設定する。
この場合、表示領域設定部93は、照合部92の照合結果に基づいて、第1の画像の第1表示領域内の画像とマッチング(合致)する画像が含まれる領域を、第2の画像の第2表示領域として設定する。例えば表示領域設定部93は、第1の画像の第1表示領域に対して第2の画像の第2表示領域を、第1の画像の第1表示領域内の画像とマッチングした画像が含まれる領域に変更する。
また、表示領域設定部93は、照合部92の照合結果に基づいて、第1の画像の第1表示領域内の画像とマッチング(合致)する画像が含まれる領域、且つ第1表示領域の大きさに応じた領域を、第2の画像の第2表示領域として設定する。例えば、表示領域設定部93は、第1の画像の第1表示領域に対して第2の画像の第2表示領域を、第1表示領域と同じ大きさの領域とし、且つ第1の画像の第1表示領域内の画像とマッチングした画像が含まれる座標に領域を変更する。
バス15は、撮像部2、制御部3、メモリ部4、バッファメモリ部5、表示制御部6、記憶媒体部7、操作入力部8、及び、画像処理部9と接続され、各部から出力された画像信号、制御信号、等を転送する。
(表示領域設定処理の説明)
次に、上述したように構成された撮像装置100における画像の表示領域設定処理について、図2及び図3を参照して詳しく説明する。
従来の撮像装置、又は画像再生装置(画像処理装置)等の機器は、画像を再生して表示する場合、1コマ再生、又は複数コマ再生などの画像再生機能により画像の表示を行う。また、上述の従来の機器は、画像を拡大して表示する場合、ユーザが、拡大したい1コマの画像を選択して拡大操作を行うことにより、その画像を操作に応じた拡大率及び拡大位置(座標)により表示する。また、上述の従来の機器は、その拡大した画像を表示している状態において、ユーザが再生コマ送り又はコマ戻し操作を行った場合、次のコマの画像を再生して表示する。このとき、拡大率はキャンセルされ通常の1コマ又は複数コマ再生状態に遷移されるか、或いは、拡大率及び拡大位置(座標)を維持したまま再生コマ送り又はコマ戻しに応じた次のコマの画像が表示される。
ところで、複数の画像(静止画像)のそれぞれに含まれている主要被写体の画像を、それぞれ同じような拡大率で再生して表示させたい場合がある。例えば、同じ被写体を主要被写体として同じような撮影条件で撮影された複数の画像(主要被写体が同じような画角で撮影された複数の画像)のそれぞれにおいて、主要被写体の画像を同じように拡大して表示させて閲覧したい場合がある。このような場合、再生コマ送り又はコマ戻し操作を行うことにより拡大率がキャンセルされてしまうと、ユーザは、次のコマの画像を再生して表示させる度に拡大操作を行うことが必要となり煩わしい。
また、同じ被写体を主要被写体として同じような撮影条件で撮影された複数の画像であっても、手持ち撮影された複数の画像や、動いている主要被写体を画角内におさめるように撮影された複数の画像(例えば流し撮りされた画像)では、各画像内における主要被写体の位置は一定の位置にはならない場合がある。また手持ち撮影で主要被写体を変えずにフレーム位置を変えるような撮影、カメラを縦位置又は横位置などカメラポジションを変えたときには、各画像内における主要被写体の位置は一定の位置にはならない場合がある。このような場合、各画像においてユーザが期待する拡大中心位置(主要被写体画像の位置(座標))が必ずしも同じ位置(座標)とはならないため、従来の機器では、拡大率及び拡大位置(座標)を維持したまま再生コマ送り又はコマ戻しに応じた次のコマの画像を表示した場合、ユーザが期待する画像を表示できないことがある。
図2は、拡大率及び拡大位置(座標)を維持したまま再生コマ送りした場合に表示される画像の表示領域の一例を説明する図である。
図2(a)は、第1の画像の全体の画像領域(符号200)と、主要被写体(符号400)の画像と、第1表示領域(符号201)とを示している。この図において、第1の画像の全体の画像領域(符号200)内に主要被写体(符号400)の画像(人物の画像)が含まれている。また、主要被写体(符号400)の画像を拡大して表示するための拡大操作に応じて、表示領域設定部93は、主要被写体(符号400)の画像が含まれる第1表示領域(符号201)を設定する。
図2(b)は、再生コマ送りにより再生される次のコマの画像である第2の画像の全体の画像領域(符号210)と、主要被写体(符号400)の画像と、第2表示領域(符号211)とを示している。この図において、第2の画像の全体の画像領域(符号210)内において第1の画像とは異なる位置に主要被写体(符号400)の画像が含まれている。また、表示領域設定部93が設定する第2表示領域(符号211)は、拡大操作に応じて設定された第1の画像の第1表示領域の拡大率及び拡大位置(座標)を維持した領域であり、主要被写体(符号400)の画像が含まれない。
図2(c)は、図2(a)に示す第1の画像の第1表示領域(符号201)の画像を表示部61に表示した場合の表示画面(符号300)を示している。この図に示すように、表示制御部6は、表示領域設定部93が設定した第1表示領域(符号201)の画像を表示部61に表示する。すなわち表示制御部6は、第1の画像に含まれる主要被写体(符号400)の画像を拡大して表示する。
一方、図2(d)は、図2(b)に示す第2の画像の第2表示領域(符号211)の画像を表示部61に表示した場合の表示画面(符号300)を示している。この図に示すように、表示制御部6は、表示領域設定部93が設定した第2表示領域(符号211)の画像を表示部61に表示する。すなわち表示制御部6は、第2の画像に含まれる主要被写体(符号400)の画像が含まれない画像を拡大して表示する。
このように、第1の画像と第2の画像とにおいて主要被写体画像の位置が異なる場合、第1の画像を表示する際に設定した第1表示領域の拡大率及び拡大位置(座標)を維持したまま再生コマ送りして表示された第2の画像の第2表示領域の画像には、主要被写体画像が含まれない場合がある。
この場合、ユーザは、期待する拡大表示位置を移動させる微調整をするための操作を行う必要があり手間がかかる。例えば100コマの確認したい(閲覧したい)画像がある場合、この拡大表示位置を移動させる微調整操作を1コマ毎に100コマ分操作することになるため、相当な時間が必要となる。ゆえに、例えばピント合わせ又は合焦チェック等のように、複数の画像を拡大表示しながら1コマずつ画像を確認すること又は1コマずつ画像を比較すること、を短時間で容易に行うことが出来なかった。そのため、複数の画像を拡大表示しながら1コマずつ画像を確認すること又は1コマずつ画像を比較すること、を短時間で容易に行うことができるような再生コマ送り又はコマ戻し機能が望まれている。
そこで、本実施形態の撮像装置100においては、拡大した画像を表示している状態において、ユーザが再生コマ送り又はコマ戻し操作を行うことにより、次のコマの画像を再生して表示する場合、表示している状態の拡大した画像の表示領域内の画像に基づいて、次のコマの画像の表示領域を設定する。以下、具体例を、図3を参照して説明する。
図3は、再生コマ送りした場合に、表示領域設定部93が、第1の画像の第1表示領域内の画像に基づいて、表示部61に表示させる第2の画像の第2表示領域を設定する例を説明する図である。
図3(a)は、第1の画像の全体の画像領域(符号200)と、主要被写体(符号400)の画像と、第1表示領域(符号201)とを示している。この図において、第1の画像の全体の画像領域(符号200)内に主要被写体(符号400)の画像が含まれている。また、表示領域設定部93は、主要被写体(符号400)の画像を拡大して表示するための拡大操作に応じて、主要被写体(符号400)の画像が含まれる第1表示領域(符号201)を設定する。
図3(b)は、再生コマ送りにより再生される次のコマの画像である第2の画像の全体の画像領域(符号210)と、主要被写体(符号400)の画像と、第2表示領域(符号212)とを示している。この図において、第2の画像の全体の画像領域(符号210)内において第1の画像とは異なる位置に主要被写体(符号400)の画像が含まれている。
また、表示領域設定部93が設定する第2表示領域(符号212)は、拡大操作に応じて設定された第1の画像の第1表示領域(符号201)内の画像(主要被写体(符号400)の画像)とマッチングした画像(主要被写体(符号400)の画像)が含まれる領域になるように、第1表示領域(符号201)から位置(座標)を変更した領域である。例えば、図3(b)に示すように、表示領域設定部93は、第1の画像における第1表示領域(符号201)内の中心付近の位置に主要被写体(符号400)の画像が位置するのと同じように、第2の画像において主要被写体(符号400)の画像が中心付近に位置するように第2表示領域(符号212)を設定する。
図3(c)は、図3(a)に示す第1の画像の第1表示領域(符号201)の画像を表示部61に表示した場合の表示画面(符号300)を示している。この図に示すように、表示制御部6は、表示領域設定部93が設定した第1表示領域(符号201)の画像を表示部61に表示する。すなわち表示制御部6は、第1の画像に含まれる主要被写体(符号400)の画像を拡大して表示する。
一方、図3(d)は、図3(b)に示す第2の画像の第2表示領域(符号212)の画像を表示部61に表示した場合の表示画面(符号300)を示している。この図に示すように、表示制御部6は、表示領域設定部93が設定した第2表示領域(符号212)の画像を表示部61に表示する。すなわち表示制御部6は、第2の画像に含まれる主要被写体(符号400)の画像を拡大して表示する。
このように、表示領域設定部93は、表示制御部6が第1の画像の第1表示領域の画像を表示部61に表示させている際に、操作入力部8において再生コマ送り又はコマ戻しボタンが操作された場合、第1の画像の第1表示領域(符号201)内の画像に基づいて、第2の画像の第2表示領域(符号212)を設定する。例えば、表示領域設定部93は、照合部92の照合結果に基づいて、第1の画像の第1表示領域(符号201)内の画像(例えば主要被写体(符号400)の画像)とマッチングする画像(例えば主要被写体(符号400)の画像)が含まれる領域を、第2の画像の第2表示領域(符号212)として設定する。
また、表示領域設定部93は、第2の画像において、照合部92の照合結果により第1表示領域(符号201)内の画像とマッチング(合致)する画像(主要被写体(符号400)の画像)が含まれる領域、且つ第1表示領域(符号201)の大きさに応じた領域を、第2表示領域(符号212)として設定する。
例えば、表示領域設定部93は、第2の画像において、第1の画像とは異なる位置に主要被写体(符号400)の画像が含まれている場合、第1の画像における第1表示領域(符号201)の大きさを維持したまま、第2の画像においてマッチング(合致)する画像が含まれる領域に位置(座標)を変更した表示領域を、第2表示領域(符号212)として設定する。
これにより、画像処理部9は、第1の画像と第2の画像とにおいて主要被写体画像の位置が異なる場合であっても、第1の画像を表示する際に主要被写体画像が含まれるように設定した第1表示領域内の画像に基づいて、再生コマ送り又はコマ戻しボタンが操作されたことに応じて表示する第2の画像の第2表示領域を、主要被写体画像が含まれるように設定することができる。よって、画像処理部9は、再生コマ送り又はコマ戻しボタンが操作されたことに応じて再生する複数の画像を、各画像のユーザが期待する拡大中心位置(画像における主要被写体画像の位置(座標))を拡大して表示部61に表示させることができる。
なお、表示領域設定部93は、拡大表示する表示領域の中心の位置(中心付近の位置)に主要被写体の画像が位置するように表示領域を設定してもよいし、表示領域内のうちの中心付近から外れた位置に主要被写体の画像が位置するように表示領域を設定してもよい。例えば、表示領域設定部93は、第1の画像の第1表示領域を、主要被写体の画像が中心付近から外れた位置になるように設定した場合、同様に第2の画像の第2表示領域を、主要被写体の画像が中心付近から外れた位置(第1表示領域における主要被写体画像の位置と同様の位置)になるように設定してもよい。
(表示領域設定処理の動作の説明)
次に、図4を参照して、撮像装置100における表示領域設定処理の動作について説明する。図4は、表示領域設定処理の動作の一例を示すフローチャートである。
まず、操作入力部8において、モードダイヤルに対して動作モードを再生モードにする操作がされたことに応じて、画像処理部9は、1コマ再生を開始する制御を行う。この制御により、画像処理部9は、記憶媒体部7を介して記憶媒体150から画像を読み出し、読み出した第1の画像を表示制御部6を介して表示部61に表示させる(ステップS101)。
次に、画像処理部9は、操作入力部8において拡大ボタンが操作されたか否かを判定する(ステップS102)。ステップS102において、拡大ボタンが操作された(表示拡大操作あり)と判定された場合(ステップS102:YES)、表示領域設定部93は、拡大ボタンの操作に応じて第1の画像の第1表示領域を設定する(ステップS103)。そして、表示制御部6は、第1の画像の拡大表示として、表示領域設定部93が設定した第1表示領域の画像を表示部61に表示させ(ステップS104)、ステップS105に処理を進める。
一方、ステップS102において、拡大ボタンが操作されていない(表示拡大操作なし)と判定された場合(ステップS102:NO)、上述のステップS103、S104の処理を実行せずに、ステップS105に処理を進める。
ステップS105において、抽出部91は、第1の画像の第1表示領域内に含まれる画像をテンプレート画像として抽出する(ステップS105)。例えば、抽出部91は、第1の画像の第1表示領域内に含まれる主要被写体の画像をテンプレート画像として抽出する。なお、拡大操作がされていない場合は、第1の画像の全体の画像領域が第1表示領域である。
次に、画像処理部9は、操作入力部8において再生コマ送り又はコマ戻しボタンが操作されたか否かを判定する(ステップS110)。ステップS110において、再生コマ送り又はコマ戻しボタンが操作されていないと判定された場合、画像処理部9は、ステップS102に処理を戻し、ステップS102、S103、S104の処理を実行する。
一方、ステップS110において、再生コマ送り又はコマ戻しボタンが操作されたと判定された場合、画像処理部9は、再生コマ送り又はコマ戻し操作に応じて第2の画像を、記憶媒体部7を介して記憶媒体150から読み出す(ステップS111)。
次に、照合部92は、読み出した第2の画像に対して、抽出部91がテンプレート画像として抽出した第1表示領域内の画像を用いてテンプレートマッチング処理を実行する(ステップS112)。そして、照合部92は、第2の画像内にテンプレート画像とマッチング(合致)する画像があるか否かを判定する(ステップS120)。
ステップS120において、第2の画像内にテンプレート画像とマッチング(合致)する画像があると判定された場合、表示領域設定部93は、第1の画像における第1表示領域の拡大率(現在の表示領域の拡大率)を維持し、且つ第2の画像内(読み出した画像内)においてマッチング(合致)した画像が含まれる位置(座標)の領域を、第2の画像の第2表示領域(読み出した画像の表示領域)として設定する(ステップS121)。また、抽出部91は、照合部92の照合結果により、第2の画像においてマッチング(合致)した画像を、新たなテンプレート画像として更新する(ステップS122)。そして、画像処理部9は、ステップS125に処理を進める。
一方、ステップS120において、第2の画像内にテンプレート画像とマッチング(合致)する画像がないと判定された場合、表示領域設定部93は、現在表示させている第1の画像における第1表示領域の拡大率及び拡大中心位置(座標)と同じ領域を、第2の画像(読み出した画像)の第2表示領域として設定する(ステップS123)。そして、画像処理部9は、ステップS125に処理を進める。
次に、ステップS125において、表示制御部6は、ステップS120の判定結果に応じて表示領域設定部93が設定した第2表示領域により、第2の画像の第2表示領域の画像を表示部61に表示させる。つまり、表示制御部6は、表示領域設定部93がステップS121又はステップS123において設定した第2表示領域の何れかにより、ステップS111において読み出した第2の画像を拡大して表示部61に表示させる。
続いて、画像処理部9は、操作入力部8において再生モードを終了する操作(例えば、モードダイヤルに対して動作モードを再生モードから他のモードに切り替える操作、又は電源スイッチに対して電源オフする操作)がされたか否かを判定する(ステップS126)。ステップS126において、操作入力部8において再生モードを終了する操作がされていないと判定された場合、画像処理部9は、ステップS110に処理を戻す。一方、ステップS126において、操作入力部8において再生モードを終了する操作がされたと判定された場合、画像処理部9は、処理を終了する。
このように、画像処理部9は、表示制御部6が第1の画像の第1表示領域の画像を表示部61に表示させている際に、操作入力部8において再生コマ送り又はコマ戻しボタンが操作された場合、第1の画像の第1表示領域内の画像に基づいて、第2の画像の第2表示領域を設定する。具体的には、画像処理部9は、第2の画像において、第1の画像の第1表示領域の画像とマッチング(合致)する画像が含まれる領域を第2表示領域として設定する。そして、画像処理部9は、設定した第2表示領域の画像を、表示制御部6を介して表示部61に表示させる。
これにより、撮像装置100は、第1の画像と第2の画像とにおいて主要被写体画像の位置が異なる場合であっても、第1の画像を表示する際に主要被写体画像が含まれるように設定した第1表示領域に対して、再生コマ送り又はコマ戻しボタンが操作されたことに応じて表示する第2の画像の第2表示領域を主要被写体画像が含まれるように設定することができる。よって、撮像装置100は、再生コマ送り又はコマ戻しボタンが操作されたことに応じて再生する複数の画像を、各画像のユーザが期待する拡大中心位置(画像における主要被写体画像の位置(座標))を拡大して表示部61に表示することができる。
例えば、撮像装置100は、同じ被写体を主要被写体として同じような撮影条件で撮影した複数の画像を、再生コマ送り又はコマ戻しボタンが操作されたことに応じて順に再生する場合、最初にユーザの拡大操作によって主要被写体画像が含まれるように拡大した拡大中心位置(画像における主要被写体画像の位置(座標))を、再生する画像毎に主要被写体画像が含まれるように変更して(追従させて)、表示部61に表示することができる。
例えば、同じ主要被写体が撮影されたグループ分けされた画像の再生リスト、類似画像で構成される再生リスト、また高速連写などで撮影された多数の連続する画像再生リスト等の画像をズーム拡大表示させながら、リスト内の前後の画像を拡大して比較再生したい場合がある。このような場合において、従来の再生コマ送り又はコマ戻し操作のみで、ズーム拡大倍率を維持したまま再生コマ送り又はコマ戻した画像を表示するのみではなく、さらにコマ移動時に次の画像と拡大対象エリアの比較を行い、拡大中心位置の微調整を行いユーザが期待する表示領域を拡大して表示することができる。
このように、従来の再生コマ送り又はコマ戻し操作のみで、ユーザが期待する表示領域を拡大して表示することができる。そのため、例えば、スポーツ選手が動きながらプレイしている様子を連続して撮影した複数の画像を拡大して再生して比較することによりベストショットを選択したい場合において有効である。また、ポートレート写真を連続して撮影した複数の画像を拡大して再生して比較することにより、よい表情の顔や眼の閉じていない顔が撮影されているベストショットを探す場合において有効である。
よって、本実施形態の撮像装置100によれば、再生コマ送り又はコマ戻し操作によって、複数の画像それぞれの所望の表示領域を拡大した画像を表示することができる。
なお、ステップS125の処理の後に、画像処理部9が、操作入力部8において拡大ボタン(或いは縮小ボタン)が操作されたと判定された場合には、ステップS103の処理に進み、拡大ボタン(或いは縮小ボタン)の操作に応じた表示領域に設定しなおして、表示部61に表示させてもよい。
(表示領域設定処理の別の例)
次に、図5から図8を参照して、撮像装置100における画像の表示領域設定処理についての別の例を説明する。
図5は、第1の画像の第1表示領域内の主要被写体の画像にマッチングする画像が、第2の画像では第2の画像の画像領域の端に位置する場合に、表示領域設定部93が設定する第2の画像の第2表示領域の一例を示している。
図5(a)は、第1の画像の全体の画像領域(符号200)と、主要被写体(符号400)の画像と、第1表示領域(符号201)とを示している。この図においては、図3の(a)と同様に、第1の画像の全体の画像領域(符号200)内に主要被写体(符号400)の画像が含まれている。また、表示領域設定部93は、主要被写体(符号400)の画像を拡大して表示するための拡大操作に応じて、主要被写体(符号400)の画像が含まれる第1表示領域(符号201)を設定する。
図5(b)は、再生コマ送りにより再生される次のコマの画像である第2の画像の全体の画像領域(符号210)と、主要被写体(符号400)の画像と、第2表示領域(符号213)とを示している。この図においては、第2の画像の全体の画像領域(符号210)内において第1の画像とは異なる左端の位置に主要被写体(符号400)の画像が含まれている。
この場合、第2の画像において主要被写体(符号400)の画像の周囲何れかの画像領域が少ない(この例では左側の画像領域が少ない)ため、表示領域設定部93は、第2の画像において第2表示領域内の中心付近に主要被写体(符号400)の画像が位置するように設定することができない場合がある。すなわち、表示領域設定部93は、第1の画像における第1表示領域(符号202)内の中心付近の位置に主要被写体(符号400)の画像が位置するのと同じように、第2の画像において第2表示領域内の中心付近に主要被写体(符号400)の画像が位置するように設定することができない場合がある。
そこで、表示領域設定部93は、第2の画像において主要被写体(符号400)の画像が少なくとも含まれるように第2表示領域(符号213)を設定する。例えば、図5(b)に示すように、表示領域設定部93は、第2の画像において主要被写体(符号400)の画像がなるべく中心付近に位置するように、第2の画像の全体の画像領域(符号210)の左端に第2表示領域(符号213)の左端を合わせて設定する。
このように、表示領域設定部93は、第2の画像において、照合部92の照合結果により第1表示領域(符号202)内の画像とマッチング(合致)する画像(主要被写体(符号400)の画像)が含まれる領域を、第2表示領域(符号213)として設定する。例えば、表示領域設定部93は、第2の画像において、第1の画像における第1表示領域の位置(座標)とは異なる左端の位置(座標)にマッチング(合致)する画像(主要被写体(符号400)の画像)が含まれる場合、マッチング(合致)する画像の領域を含む位置(座標)、且つ第2の画像の全体の画像領域(符号210)の左端に合わせた位置(座標)に変更した表示領域を、第2表示領域(符号213)として設定する。
これにより、画像処理部9は、第2の画像において、第1の画像における第1表示領域の位置(座標)とは異なる端の位置(座標)にマッチング(合致)する画像(主要被写体(符号400)の画像)が含まれる場合であっても、第2の画像の全体の画像領域のうち、マッチング(合致)する画像が含まれる第2表示領域を適切に設定することができる。よって、画像処理部9は、再生コマ送り又はコマ戻しボタンが操作されたことに応じて再生する複数の画像を、各画像のユーザが期待する拡大中心位置(画像における主要被写体画像の位置(座標))を拡大して表示部61に表示させることができる。
図6は、第1の画像の第1表示領域内の主要被写体の画像にマッチングする画像の画像領域が、第2の画像では第1の画像に対比して大きい場合(例えば、第1の画像を撮影したときの主要被写体の位置よりも第2の画像を撮影したときの主要被写体の位置の方が撮像装置100に近い場合)に、表示領域設定部93が設定する第2の画像の第2表示領域の一例を示している。
図6(a)は、第1の画像の全体の画像領域(符号200)と、主要被写体(符号400)の画像と、第1表示領域(符号201)とを示している。この図においては、図3の(a)と同様に、第1の画像の全体の画像領域(符号200)内に主要被写体(符号400)の画像が含まれている。また、表示領域設定部93は、主要被写体(符号400)の画像を拡大して表示するための拡大操作に応じて、主要被写体(符号400)の画像が含まれる第1表示領域(符号201)を設定している。
図6(b)は、再生コマ送りにより再生される次のコマの画像である第2の画像の全体の画像領域(符号210)と、主要被写体(符号400)の画像と、第2表示領域(符号214)とを示している。この図において、第2の画像の全体の画像領域(符号210)内において、第1画像内の主要被写体(符号400)の画像領域に対比して大きい画像領域の主要被写体(符号400)の画像が、第1の画像とは異なる位置に含まれている。
このように、第1の画像に対して第2の画像の主要被写体(符号400)の画像の画像領域が大きい場合には、第2の画像において第1表示領域(符号202)と同じ大きさの表示領域では、主要被写体(符号400)の画像をユーザの期待するように適切に表示できない場合がある。例えば、第2の画像において主要被写体(符号400)の画像の領域が第1表示領域(符号202)の大きさよりも大きいことにより、主要被写体(符号400)の画像のうちの僅かな領域しか表示できない場合がある。
そこで、表示領域設定部93は、第2の画像において主要被写体(符号400)の画像領域の大きさに応じた大きさの第2表示領域(符号214)を設定する。例えば、図5(b)に示すように、表示領域設定部93は、第2の画像において主要被写体(符号400)の画像がなるべく中心付近に位置するよう設定するとともに、第2の画像の主要被写体(符号400)の画像領域の大きさに応じた大きさに変更した第2表示領域(符号214)を設定する。
このように、表示領域設定部93は、第2の画像において、照合部92の照合結果により第1表示領域(符号202)内の画像とマッチング(合致)する画像が含まれる領域、且つマッチング(合致)する画像の領域の大きさに応じた領域を、第2表示領域(符号214)として設定する。
例えば、表示領域設定部93は、第2の画像における主要被写体(符号400)の画像の領域が第1の画像における主要被写体(符号400)の画像の領域の大きさよりも大きい場合、主要被写体(符号400)の画像の領域が含まれる領域に位置(座標)を変更した表示領域、且つ主要被写体(符号400)の画像の領域の大きさに応じた大きい表示領域を、第2表示領域(符号214)として設定する。
これにより、画像処理部9は、第2の画像において、第1の画像の第1表示領域内の画像とマッチング(合致)する画像(主要被写体(符号400)の画像)の領域が第1表示領域の大きさよりも大きい場合であっても、第2の画像の全体の画像領域のうち、マッチング(合致)する画像が含まれる第2表示領域を適切に設定することができる。よって、画像処理部9は、再生コマ送り又はコマ戻しボタンが操作されたことに応じて再生する複数の画像を、各画像のユーザが期待する拡大中心位置(画像における主要被写体画像の位置(座標))を拡大して表示部61に表示させることができる。
なお、図6を用いて、表示領域設定部93が、マッチング(合致)する画像の大きさに応じて第2表示領域を第1表示領域よりも大きい領域に設定する例について説明したが、これに限られるものではない。例えば、表示領域設定部93は、マッチング(合致)する画像の大きさに応じて第2表示領域を第1表示領域よりも小さい領域に設定してもよい。
図7は、主要被写体が複数の場合に、表示領域設定部93が設定する第2の画像の第2表示領域の一例を示している。ここでは、図7を参照して、2人の人物が主要被写体(符号401、402)である例として説明する。
図7(a)は、第1の画像の全体の画像領域(符号200)と、主要被写体(符号401、402)の画像と、第1表示領域(符号202)とを示している。この図において図3の(a)と異なるのは、第1の画像の全体の画像領域(符号200)内に2人の人物の主要被写体(符号401、402)の画像が含まれている点である。表示領域設定部93は、主要被写体(符号401、402)の画像を拡大して表示するための拡大操作に応じて、主要被写体(符号401、402)の画像が含まれる第1表示領域(符号202)を設定している。
図7(b)は、再生コマ送りにより再生される次のコマの画像である第2の画像の全体の画像領域(符号210)と、2人の人物の主要被写体(符号401、402)の画像と、第2表示領域(符号215)とを示している。この図において、第2の画像の全体の画像領域(符号210)内において第1の画像とは異なる位置に2人の人物の主要被写体(符号401、402)の画像が含まれている。
また、表示領域設定部93が設定する第2表示領域(符号215)は、拡大操作に応じて設定された第1の画像の第1表示領域(符号202)内の画像(主要被写体(符号401、402)の画像)とマッチングした画像(主要被写体(符号401、402)の画像)が含まれる領域になるように、第1表示領域(符号202)から位置(座標)を変更した領域である。例えば、図7(b)に示すように、表示領域設定部93は、第1の画像における第1表示領域(符号202)内の中心付近の位置に主要被写体(符号400)の画像が位置するのと同じように、第2の画像において主要被写体(符号400)の画像が中心付近に位置するように第2表示領域(符号215)を設定する。
すなわち、表示領域設定部93は、図3に示す1人の人物が主要被写体である例と同様に、第2の画像において、照合部92の照合結果により第1表示領域(符号202)内の画像とマッチング(合致)する画像(主要被写体(符号401、402)の画像)が含まれる領域、且つ第1表示領域(符号202)の大きさに応じた領域を、第2表示領域(符号215)として設定する。
これにより、画像処理部9は、第1の画像の第1表示領域内の画像に複数の主要被写体の画像が含まれる場合であっても、第2の画像の全体の画像領域のうち、複数の主要被写体の画像とマッチング(合致)する画像が含まれる第2表示領域を適切に設定することができる。よって、画像処理部9は、再生コマ送り又はコマ戻しボタンが操作されたことに応じて再生する複数の画像を、各画像のユーザが期待する拡大中心位置(画像における主要被写体画像の位置(座標))を拡大して表示部61に表示させることができる。
なお、図7を用いて、2人の人物が主要被写体である場合の例を説明したが、複数の主要被写体は、3人以上の複数の人物であってもよい。また、複数の主要被写体の場合も、図5を用いて説明した処理、又は図6を用いて説明した処理を適用することができる。
なお、抽出部91は、2人の人物の主要被写体(符号401、402)の画像のそれぞれをテンプレート画像として抽出してもよいし、2人の人物の主要被写体(符号401、402)の画像の両方を含む画像をテンプレート画像として抽出してもよい。そして、照合部92は、抽出部91が抽出した2人の人物の主要被写体(符号401、402)のそれぞれのテンプレート画像を用いて照合してもよいし、抽出部91が抽出した2人の人物の主要被写体(符号401、402)の画像の両方を含むテンプレート画像を用いて照合してもよい。
図8は、複数の主要被写体の場合の別の例を示している。ここでは、図8を参照して、2人の人物の主要被写体(符号403、404)が互いに異なる位置に移動した場合の例を説明する。
図8(a)は、第1の画像の全体の画像領域(符号200)と、主要被写体(符号403、404)の画像と、第1表示領域(符号203)とを示している。この図において図7の(a)と異なるのは、第1の画像の全体の画像領域(符号200)内の2人の人物の主要被写体(符号403、404)の画像の大きさが互いに異なる(すなわち、撮像装置100に対する距離が異なる)点である。表示領域設定部93は、主要被写体(符号403、404)の画像を拡大して表示するための拡大操作に応じて、主要被写体(符号403、404)の画像が含まれる第1表示領域(符号203)を設定している。
ここで、抽出部91は、2人の人物の主要被写体(符号403、404)の画像それぞれをテンプレート画像として抽出する。そして、照合部92は、抽出部91が抽出したテンプレート画像それぞれを照合するものとする。また、表示領域設定部93は、2人の人物の主要被写体(符号403、404)のうち、画像領域の大きい方(撮像装置100に対する距離が近い方)の主要被写体(符号404)を、主要被写体(符号403)より重要度の高い被写体として判定するものとする。
図8(b)は、再生コマ送りにより再生される次のコマの画像である第2の画像の全体の画像領域(符号210)と、2人の人物の主要被写体(符号403、404)の画像と、第2表示領域(符号216)とを示している。この図において、第2の画像の全体の画像領域(符号210)内において第1の画像とは異なる位置に2人の人物の主要被写体(符号403、404)の画像が含まれており、且つ主要被写体(符号403)と主要被写体(符号404)との画像が離れた位置(座標)に移動している。
また、表示領域設定部93が設定する第2表示領域(符号216)は、拡大操作に応じて設定された第1の画像の第1表示領域(符号203)内の画像(主要被写体(符号403、404)の画像)のうち、重要度の高い主要被写体(符号404)の画像とマッチングした画像(主要被写体(符号404)の画像)が含まれる領域になるように、第1表示領域(符号203)から位置(座標)を変更した領域である。例えば、図8(b)に示すように、表示領域設定部93は、第1の画像の第1表示領域(符号203)内には主要被写体(符号403)の画像と主要被写体(符号404)の画像とが含まれるように設定するのに対して、第2の画像の第2表示領域(符号216)内には重要度の高い主要被写体(符号404)の画像が優先して含まれるように設定する。
これにより、画像処理部9は、第1の画像の第1表示領域内の画像に複数の主要被写体の画像が含まれる場合であって、それら複数の主要被写体の画像が第2の画像において第1表示領域の大きさの範囲内に収まらない位置(座標)に離れた場合であっても、複数の主要被写体のうち重要度の高い主要被写体の画像とマッチング(合致)する画像が含まれる第2表示領域を適切に設定することができる。つまり、画像処理部9は、ユーザにとって重要度の高い主要被写体の画像を追従して拡大表示するように表示領域を設定することができる。よって、画像処理部9は、再生コマ送り又はコマ戻しボタンが操作されたことに応じて再生する複数の画像を、各画像のユーザが期待する拡大中心位置(画像における主要被写体画像の位置(座標))を拡大して表示部61に表示させることができる。
なお、図8を用いて、複数の主要被写体のうち、主要被写体の画像の領域の大きさが大きい方を、重要度の高い主要被写体とする例を説明したが、重要度の高い主要被写体とする条件は、主要被写体の画像の領域の大きさに限られるものではない。例えば、ユーザが予め設定した主要被写体を重要度の高い主要被写体としてもよいし、第1の画像と第2の画像とにおいて、位置(座標)の変化が少ない方(移動が少ない方)の主要被写体を重要度の高い主要被写体としてもよい。
また、画像処理部9は、第2の画像の第2表示領域の大きさを、複数の主要被写体の画像とマッチング(合致)する画像が含まれるように変更してもよい。
(表示領域設定処理の別の動作例)
次に、図9を参照して、撮像装置100における画像の表示領域設定処理の別の動作例について説明する。図9は、図4に示す処理とは異なる表示領域設定処理の例を示すフローチャートであり、照合部92がサムネイル画像を用いてテンプレートマッチング処理をすることが、図4に示す処理と異なる。ここで、サムネイル画像とは、再生して表示部61に表示させる画像(例えば、第1の画像又は第2の画像)のデータ量を縮小した画像である。例えば、サムネイル画像は、画像の画像領域は同じであって、画像を構成する画素密度を小さくすることによりデータ量を縮小した画像である。例えば、記憶媒体150に記憶されている画像のデータファイルには、画像とその画像のサムネイル画像とのデータが関連付けられている。
なお、図9に示す処理は、図4のステップS105、S111、S112の処理に代えて、ステップS107、S108、S114、S115の処理を実行する点と、加えてステップS124の処理を実行する点とが図4に示す処理と異なる。図9において図4に対応する処理には同一の符号を付けており、その説明を省略する。
表示制御部6は、第1の画像の拡大表示として、表示領域設定部93が設定した第1表示領域の画像を表示部61に表示させた後(ステップS104)、ステップS107に処理を進める。
ステップS107において、抽出部91は、記憶媒体に記憶されている画像のデータファイルから、第1の画像のサムネイル画像(第3の画像)を読み出す。なお、抽出部91は、第1の画像から第1の画像のサムネイル画像を生成してもよい。
次に、抽出部91は、第1の画像の第1表示領域に対応するサムネイル画像の画像領域(第3領域、第3表示領域)内に含まれる画像を、テンプレート画像として抽出する(ステップS108)。例えば、抽出部91は、第1の画像の第1表示領域に対応するサムネイル画像の画像領域内に含まれる主要被写体画像をテンプレート画像として抽出する。なお、拡大操作がされていない場合は、第1の画像の全体の画像領域が第1表示領域であって、第1の画像の第1表示領域に対応するサムネイル画像の画像領域は、サムネイル画像の全体の画像領域である。
次に、画像処理部9は、操作入力部8において再生コマ送り又はコマ戻しボタンが操作されたか否かを判定する(ステップS110)。
ステップS110において、再生コマ送り又はコマ戻しボタンが操作されたと判定された場合、画像処理部9は、再生コマ送り又はコマ戻し操作に応じて第2の画像を、記憶媒体部7を介して記憶媒体150から読み出す。また、抽出部91は、第2の画像のサムネイル画像(第4の画像)を読み出す(ステップS114)。
次に、照合部92は、読み出した第2の画像のサムネイル画像に対して、抽出部91がテンプレート画像として抽出した、第1の画像の第1表示領域に対応するサムネイル画像の画像領域内の画像を用いてテンプレートマッチング処理を実行する(ステップS115)。そして、照合部92は、第2の画像のサムネイル画像内にテンプレート画像とマッチング(合致)する画像があるか否かを判定する(ステップS120)。
ステップS120において、第2の画像のサムネイル画像内にテンプレート画像とマッチング(合致)する画像があると判定された場合、表示領域設定部93は、第1の画像における第1表示領域の拡大率(現在の表示領域の拡大率)を維持し、且つ第2の画像のサムネイル画像内(読み出した画像内)においてマッチング(合致)した画像が含まれる位置(座標)を、第2の画像のサムネイル画像の表示領域(読み出した画像の表示領域)として設定する(ステップS121)。また、抽出部91は、照合部92の照合結果により、第2の画像のサムネイル画像においてマッチング(合致)した画像を、新たなテンプレート画像として更新する(ステップS122)。そして、画像処理部9は、ステップS124に処理を進める。
一方、ステップS120において、第2の画像のサムネイル画像内にテンプレート画像とマッチング(合致)する画像がないと判定された場合、表示領域設定部93は、第1の画像における第1表示領域の拡大率及び拡大中心位置(座標)を、第2の画像のサムネイル画像の表示領域(読み出した画像の表示領域)として設定する(ステップS123)。そして、画像処理部9は、ステップS124に処理を進める。
ステップS124において、表示領域設定部93は、ステップS120の判定結果に応じて表示領域設定部93がステップS121又はステップS123において設定したサムネイル画像の表示領域の何れかに対応する領域を、第2の画像の第2表示領域として設定する。
続いて、表示制御部6は、ステップS120の判定結果に応じて表示領域設定部93が設定した第2表示領域により、第2の画像の第2表示領域の画像を表示部61に表示させる(ステップS125)。つまり、表示制御部6は、表示領域設定部93がステップS121又はステップS123において設定したサムネイル画像の表示領域の何れかに対応する第2表示領域により、ステップS111において読み出した第2の画像を拡大して表示部61に表示させる。
このように、照合部92は、第1の画像のデータ量を縮小したサムネイル画像(第3の画像)と、第2の画像のデータ量を縮小したサムネイル画像(第4の画像)とを用いて照合する。そして、表示領域設定部93は、照合部92がサムネイル画像を用いて照合した照合結果に基づくサムネイル画像の画像領域に対応する領域を、第2の画像の第2表示領域を設定する。
これにより、画像処理部9は、照合部92におけるテンプレートマッチング処理を、データ量を縮小したサムネイル画像を用いて実行するため、処理時間を短縮することができる。
なお、ステップS107のサムネイル画像を読み出す処理は、ステップS101の処理において実行してもよい。すなわち、画像処理部9が、操作入力部8において拡大ボタンが操作されたか否かを判定する前に、記憶媒体150から第1の画像を読み出す際にサムネイル画像を読み出してもよい。
以上説明してきたように、第1実施形態によれば、再生コマ送り又はコマ戻し操作によって、複数の画像それぞれの所望の表示領域を拡大した画像を表示することができる。よって、本実施形態によれば、複数の画像において所望の領域を得ることができる。
なお、上記第1実施形態では、再生コマ送り又はコマ戻し操作に応じた1コマ再生の場合の表示領域設定処理を例に説明したが、これに限られるものではない。例えば、上記実施形態で説明した表示領域設定処理は、複数の画像を所定の時間間隔で順次再生して表示するスライドショー再生や、1画面の中に複数の画像を表示するマルチ再生などにおいても同様に適用することができる。
また、上記第1実施形態では、撮像装置100が拡大操作に応じて第1の画像を拡大して表示する場合の表示領域設定処理を例に説明したが、これに限られるものではない。例えば、撮像装置100は、拡大操作に代えて、第1の画像に含まれる画像(例えば主要被写体の画像)に基づいて第1の画像の第1表示領域を設定し、設定した第1表示領域の画像を表示(拡大表示)してもよい。例えば、撮像装置100は、第1の画像から抽出した主要被写体の画像(例えば顔検出により抽出した顔画像)の領域の大きさに基づいて、抽出した主要被写体の画像を拡大して表示する第1表示領域を設定してもよい。具体的には、ステップS102、S103の拡大操作に応じて第1表示領域を設定する処理に代えて、第1の画像に含まれる主要被写体の画像の領域に応じて、第1表示領域の大きさ(すなわち、第1の画像を拡大して表示する際の拡大率)を設定する処理としてもよい。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。第1実施形態では、画像を再生する際の表示領域を設定する表示領域設定処理を説明したが、第2実施形態では、画像を撮影する際の撮影領域を設定する撮影領域設定処理について説明する。
従来の撮像装置では、例えば、流し撮り撮影や主要被写体が移動している場合の撮影では、撮影タイミングにより主要被写体が画角の中心付近の位置から外れることがある。或いは、画角から外れてしまい撮影した画像に主要被写体が撮影されないことがある。
例えば、撮像素子を介して撮影したスルー画像(ライブビュー画像)を表示している場合において、AF(Auto Focus)のターゲットとして追尾する主要被写体をロックした後に、追尾する主要被写体の画角に対する移動に応じて、主要被写体領域を示す追尾枠の表示を移動する処理がある。しかしながら、AF枠が主要被写体を追従する3Dトラキング撮影や、テンプレートマッチング機能によりターゲット追尾撮影を行う場合、移動する主要被写体を画角中心付近に位置するように撮影しようとすると、ユーザが主要被写体の移動に合わせてカメラの向きを変更するタイミングが遅れて、主要被写体が画角中心付近から外れて撮影されてしまうこと、又は主要被写体が画角から外れてしまい撮影した画像に主要被写体が撮影されないことがあった。
ゆえに、追尾枠が撮影領域の中心付近の位置になるように移動するためには、ユーザが撮像装置の向きを手動で変更する必要があった。例えば、ユーザが子供や動物など移動する被写体を主要被写体として追いかけて撮影する際には、ユーザが主要被写体の動作を予測して撮像装置の向きを変えながら撮影する必要があった。また、静止画像又は動画像を撮影した際に主要被写体が中心付近の位置から外れて撮影された場合、撮影された画像において被写体が中心付近の位置となるようにするために、撮影後に手動でトリミング等の画像編集を行う手間がかかった。
このように、連続して撮影する複数のフレーム画像(例えばスルー画像の各フレーム画像)において、主要被写体が移動している場合、各フレーム画像において所望の領域を容易に撮影することができない場合があった。そのため、主要被写体の移動に応じて、各フレーム画像において所望の撮影領域の画像を容易に撮影することができる撮像装置が望まれている。
そこで、第2実施形態の撮像装置100は、複数のフレーム画像において主要被写体の画像が中心付近の位置になるように撮影領域を設定する。例えば、撮像装置100は、撮像素子22の全画素領域(有効画素領)のうち全画素領域よりも小さい領域を、スルー画像(ライブビュー画像)として撮影する撮影領域(撮影サイズ)として設定する。そして、撮像装置100は、撮像素子22の全画素領域(有効画素領)のうち、主要被写体の画像が中心付近の位置になるように撮影領域の位置(座標)を設定する。
図10は、撮像素子における撮影領域を説明する図である。この図10において、符号250が示す領域は撮像素子22の全画素領域(有効画素領)である。これに対し、符号251が示す領域は、全画素領域よりも小さい領域であり、撮像素子22を介して取得するスルー画像(ライブビュー画像)の撮影領域(実際に撮影する撮影領域、撮影して表示する領域)である。
なお、撮像装置100は、全画素領域よりも小さい領域(符号251)を撮影領域して画像を撮影することが可能であるとともに、撮像素子22の全画素領域(符号250)による画像を取得(撮影)してもよい。
また、例えば、撮像素子22が35mmサイズ(フルサイズ)相当の素子である場合、全画素領域に応じた撮影領域を35mmサイズ相当の撮影領域とし、全画素領域よりも小さい撮影領域をAPS−Cサイズ相当の撮影領域としてもよい。また、全画素領域よりも小さい撮影領域は、APS−Cサイズ相当の撮影領域に限られるものではなく、他の所定の大きさの撮影領域としてもよい。また、全画素領域に応じた撮影領域は35mmサイズ相当の撮影領域以外の大きさの撮影領域であってもよい。
撮像装置100は、上述した主要被写体の画像が中心付近の位置になるように撮影領域を設定する処理を行う場合には、撮像素子22の全画素領域に応じた撮影領域よりも小さい撮影領域を、スルー画像(ライブビュー画像)として撮影して表示する撮影領域として設定する。そして、撮像装置100は、時間の経過にともなって順次撮影したフレーム画像において、各フレーム画像に含まれる主要被写体の画像の位置(座標)に基づいて、主要被写体の画像が中心付近の位置になるように、全画素領域のうちの撮影領域の位置(座標)を設定する。
ここで、第2実施形態においては、時間の経過にともなって順次撮影したフレーム画像のうち、n番目のフレーム画像を第1の画像とし、(n+1)番目フレームの画像を第2の画像とする(nは自然数)。例えば、撮像装置100は、時間の経過にともなって順次撮影したフレーム画像において、第1の画像の撮影領域(以下、第1撮影領域と称する)に含まれる主要被写体の画像の位置(座標)に基づいて、第1の画像の次のフレーム画像である第2の画像の第2撮影領域の位置(全画素領域のうちの第2撮影領域の位置(座標))を、主要被写体の画像が中心付近の位置になるように設定する。
以下、図11参照して、第2実施形態の撮像装置100の構成について説明する。
図11は、第2実施形態による撮像装置100の構成を示す概略ブロック図である。図11に示す構成は、図1に示す構成に対して、画像処理部9が表示領域設定部93に代えて撮影領域設定部94と誘導部95とを備えている点が異なる。なお、図11において図1の各部に対応する部分には同一の符号を付け、その説明を省略する。
撮影領域設定部94(領域設定部)は、画像の領域を設定する。例えば、撮影領域設定部94は、画像の領域として、撮像素子22の全画素領域によって撮影可能な画像の全領域のうちのスルー画像(ライブビュー画像)として撮影する画像の撮影領域を設定する。ここで、スルー画像(ライブビュー画像)として撮影する画像の撮影領域とは、撮像素子22の全画素領域のうち全画素領域よりも小さい領域であり、以下の説明において、単にスルー画像の撮影領域とも称する。
例えば、このスルー画像の撮影領域は、撮像装置100の撮影モードのうち少なくとも1つの撮影モードにおいて、全画素領域よりも小さい領域(例えば、図10に示す符号251の領域)として予め定められている。一例として、撮像装置100は、主要被写体を追尾して撮影する撮影モード(以下、追尾アシストモードと称する)において、全画素領域よりも小さい領域(符号251)をスルー画像の撮影領域として撮影する。
具体的には、撮影領域設定部94は、撮影モードが追尾アシストモードに設定された場合、撮影する第1の画像の第1撮影領域を設定するとともに、第1の画像の第1撮影領域内の画像に基づいて、撮影する第2の画像の第2撮影領域を設定する。
例えば、撮影領域設定部94は、操作入力部8においてモードダイヤルが操作されることにより撮影モードが追尾アシストモードに設定された場合、スルー画のフレーム画像である第1の画像(例えば全画素領域から取得する画像)において、全画素領域よりも小さい予め定められた撮影領域(例えば、図10に示す符号251の領域)の大きさの第1撮影領域を設定する。また、撮影領域設定部94は、第1の画像の第1撮影領域内の画像に基づいて、次のフレーム画像である第2の画像の第2撮影領域を設定する。
例えば、撮影領域設定部94は、照合部92の照合結果に基づいて、第2の画像(例えば全画素領域から取得した画像)において、第1の画像の第1撮影領域内の画像とマッチング(合致)する画像が含まれる領域を、第2撮影領域として設定する。例えば撮影領域設定部94は、第1の画像の第1撮影領域に対して第2の画像の第2撮影領域を、第1の画像の第1撮影領域内の画像とマッチングした画像が含まれる領域に変更する。
また、撮影領域設定部94は、照合部92の照合結果に基づいて、第1の画像の第1撮影領域内の画像とマッチング(合致)する画像が含まれる領域、且つ第1撮影領域の大きさに応じた領域を、第2の画像の第2撮影領域として設定する。例えば、撮影領域設定部94は、第1の画像の第1撮影領域に対して第2の画像の第2撮影領域を、第1撮影領域と同じ大きさの領域とし、且つ第1の画像の第1表示領域内の画像とマッチングした画像が含まれる座標に領域を変更する。
また、例えば、撮影領域設定部94は、第1の画像の第1撮影領域に対して第2の画像の第2撮影領域を、第1撮影領域と同じ大きさの領域とし、且つ第1の画像の第1表示領域内の画像とマッチングした画像が、第2撮影領域の中心付近の位置(座標)になるように領域を変更する。
なお、撮影領域設定部94が設定する画像の撮影領域は、例えば上述したように、スルー画像(ライブビュー画像)におけるフレーム画像の撮影領域である。表示制御部6は、撮像素子22により時間の経過に伴って順次撮影されたスルー画像(ライブビュー画像)、におけるフレーム画像である第1の画像の第1撮影領域の画像と、第2の画像の第2撮影領域の画像と、を順次表示部61に表示させる。
なお、撮像装置100は、上述のスルー画像(ライブビュー画像)におけるフレーム画像の撮影領域によって、動画像の記録処理を行ってよい。例えば、記憶媒体部7は、撮像素子22により時間の経過に伴って順次撮影された動画記録用の動画像におけるフレーム画像である第1の画像の第1撮影領域の画像と、第2の画像の第2撮影領域の画像と、を動画像として順次記憶媒体150に記憶させてもよい。
誘導部95は、撮像素子22の全画素領域によって撮影可能な画像の全領域に対する第2撮影領域の位置に基づいて、全画素領域(全領域)に対する第2撮影領域の位置が中央の位置になる方向に撮像装置100の向きを誘導する。
例えば、誘導部95は、撮像素子22の全画素領域に対する第2撮影領域の位置が中央の位置になる方向にユーザが撮像装置100の向きを変えられるように誘導する誘導情報を表示情報として生成し、生成した誘導情報を表示部61に表示させる。なお、誘導部95は、上述の誘導情報を音声情報として生成し、生成した誘導情報をスピーカ(不図示)から出力させてもよい。
(撮影領域設定処理の説明)
次に、上述したように構成された第2実施形態の撮像装置100における画像の撮影領域設定処理について、図12及び図13を参照して詳しく説明する。
図12は、追尾アシストモードにおいてスルー画像(ライブビュー画像)を撮影する場合の、任意のフレーム画像である第1の画像を撮影するタイミングにおける、撮像素子22の全画素領域(符号250)と、主要被写体(符号411、412)の画像と、第1の画像の第1撮影領域(符号251)と、を示している。
撮影領域設定部94は、撮像素子22の全画素領域(符号250)よりも小さい領域の第1撮影領域(符号251)を設定する。また、撮影領域設定部94は、この第1撮影領域(符号251)の位置(座標)を、ユーザがAFのターゲットとしてロックした主要被写体(符号411、412)の画像が含まれるように設定する。
図13は、図12に示す第1の画像の次のフレーム画像である第2の画像を撮影するタイミングにおける、撮像素子22の全画素領域(符号250)と、主要被写体(符号411、412)の画像と、第2の画像の第2撮影領域(符号252)と、を示している。また、図13に示す主要被写体(符号411、412)の画像の位置(座標)は、図12に示す主要被写体(符号411、412)の画像の位置(座標)から移動している。
撮影領域設定部94は、撮像素子22の全画素領域(符号250)よりも小さい領域であって第1撮影領域と同じ大きさの領域である第2撮影領域(符号252)を設定する。また、撮影領域設定部94は、この第2撮影領域(符号252)の位置(座標)を、第1の画像の第1撮影領域内の主要被写体(符号411、412)の画像とマッチング(合致)した画像(主要被写体(符号411、412)の画像)を中央付近に位置するように、第1撮影領域の位置(座標)から変更した位置(座標)に設定する。
このように、撮影領域設定部94は、追尾アシストモードにおいてスルー画像(ライブビュー画像)を撮影する場合、第1の画像の第1撮影領域(符号251)内の画像に基づいて、第2の画像の第2撮影領域(符号252)を設定する。例えば、撮影領域設定部94は、照合部92の照合結果に基づいて、第1の画像の第1撮影領域(符号251)内の画像(例えば主要被写体(符号400)の画像)とマッチングする画像(例えば主要被写体(符号411、412)の画像)が含まれる領域を、第2の画像の第2撮影領域(符号252)として設定する。
また、撮影領域設定部94は、第2の画像において、照合部92の照合結果により第1撮影領域(符号251)内の画像とマッチング(合致)する画像(主要被写体(符号411、412)の画像)が含まれる領域、且つ第1撮影領域(符号251)の大きさに応じた領域を、第2撮影領域(符号252)として設定する。
具体的には、撮影領域設定部94は、第2の画像において、第1の画像とは異なる位置に主要被写体(主要被写体(符号411、412)の画像が含まれている場合、第1の画像における第1撮影領域(符号251)の大きさを維持したまま、第2の画像においてマッチング(合致)する画像が含まれる領域に位置(座標)を変更した表示領域を、第2表示領域(符号252)として設定する。
これにより、撮像装置100は、時間の経過に伴って撮影するスルー画像のフレーム画像(第1の画像と第2の画像と)において主要被写体画像の位置が移動する場合であっても、第1の画像を撮像する際にAFのターゲットとしてロックした主要被写体の画像が含まれる第1撮影領域内の画像に基づいて、次のフレーム画像である第2の画像の第2撮影領域を主要被写体画像が含まれるように追従して設定することができる。よって、撮像装置100は、スルー画像において、主要被写体画像の位置(座標)を追従するように各フレーム画像の撮影領域を設定することができる。
また、従来技術による追尾枠を移動させる機能は、追尾枠の表示自体の煩わしさや追尾枠の挙動の頻繁さによりユーザがストレスを感じることがある。また、撮影する主要被写体に追尾枠を被せるため主要被写体が追尾枠に隠れてしまうことがある。これに対して、撮像装置100は、追尾枠を表示しないことも可能であり、追尾枠の表示によるストレスを軽減することができるとともに、撮影時に主要被写体が追尾枠に隠れてしまうことなく表示部61の表示を確認しながら撮影することができる。
なお、図12及び図13を用いて、撮影領域設定部94が主要被写体の画像の位置に応じて撮影領域の位置(座標)を移動させる例を説明したが、撮影領域設定部94は主要被写体の画像の大きさに応じて撮影領域の大きさを変更してもよい。また、撮影領域設定部94は、複数の主要被写体の画像のうち重要度の高い主要被写体の画像の位置に応じて撮影領域の位置(座標)を移動させてもよい。また、撮影領域設定部94は、主要被写体の画像の位置が全画素領域の端の位置の場合、主要被写体の画像が中央付近の位置にならなくとも、主要被写体の画像が含まれるように全画素領域の端の位置にあわせた撮影領域の位置(座標)に設定してもよい。
(撮影領域設定処理の動作)
次に、図14を参照して、撮像装置100における撮影領域設定処理の動作について説明する。図14は、撮影領域設定処理の動作の一例を示すフローチャートである。
まず、操作入力部8において、モードダイヤルに対して動作モードを撮影モード且つ追尾アシストモードにする操作がされたことに応じて、画像処理部9は、撮影モードを開始する。これにより、画像処理部9は、撮像部2を介して撮影されたスルー画像(ライブビュー画像)を、表示制御部6を介して表示部61に表示させる(ステップS201)。
例えば、撮影領域設定部94は、追尾アシストモードにおいて、予め定められた全画素領域よりも小さい領域であり且つ全画素領域における中央の位置(座標)の領域を、スルー画像を撮影する撮影領域として設定する。画像処理部9は、撮像素子22の全画素領域の画素から画像を取得する(取り込む)とともに、撮影領域設定部94が設定した撮影領域の画像をスルー画像におけるフレーム画像として撮影し、撮影したフレーム画像を表示制御部6を介して表示部61に表示させる。
次に、ユーザによって、操作入力部8に対してAFを動作させる操作がされることに応じて、画像処理部9は、AFのターゲットとして追尾する主要被写体をロック(AFロック)する(ステップS202)。ここでAFロックされたタイミングのフレーム画像を第1の画像とし、このフレーム画像の撮影領域を第1撮影領域とする。第1の画像の第1撮影領域(予め定められた撮影領域)内の画像には、AFのターゲットとして追尾する主要被写体の画像が含まれている。
続いて、抽出部91は、第1の画像の第1撮影領域内に含まれる主要被写体の画像を抽出する(ステップS203)。また、抽出部91は、抽出した主要被写体の画像をテンプレート画像として抽出する(ステップS204)。例えば、抽出部91は、第1の画像の第1撮影領域内に含まれるAFロックした主要被写体の画像をテンプレート画像として抽出する。
次に、画像処理部9は、撮像部2を介して次のフレーム画像である第2の画像を撮像素子22の全画素領域の画素から取得する(ステップS205)。照合部92は、取得した第2の画像に対して、抽出部91がテンプレート画像として抽出した第1撮影領域内の画像(主要被写体の画像)を用いてテンプレートマッチング処理を実行する(ステップS210)。そして、照合部92は、第2の画像内にテンプレート画像とマッチング(合致)する画像があるか否かを判定する(ステップS211)。
ステップS211において、第2の画像内にテンプレート画像とマッチング(合致)する画像があると判定された場合、撮影領域設定部94は、第2の画像内においてマッチング(合致)した画像が中央付近の位置(座標)になるように、第2の画像の第2撮影領域を設定する(ステップS212)。また、抽出部91は、照合部92の照合結果により、第2の画像においてマッチング(合致)した画像を、新たなテンプレート画像として更新する(ステップS213)。そして、画像処理部9は、ステップS215に処理を進める。
一方、ステップS211において、第2の画像内にテンプレート画像とマッチング(合致)する画像がないと判定された場合、撮影領域設定部94は、現在表示させている第1の画像における第1撮影領域の位置(座標)と同じ領域を、第2の画像の第2撮影領域として設定する(ステップS214)。そして、画像処理部9は、ステップS215に処理を進める。
次に、ステップS215において、表示制御部6は、ステップS211の判定結果に応じて、撮影領域設定部94が設定した第2撮影領域の画像を、スルー画像として表示部61に表示させる。つまり、表示制御部6は、撮影領域設定部94がステップS212又はステップS214において設定した第2撮影領域の画像の何れかを、スルー画像におけるフレーム画像(第2の画像)として、表示部61に表示させる。
続いて、画像処理部9は、操作入力部8において撮影モードを終了する操作(例えば、モードダイヤルに対して動作モードを撮影モードから他のモードに切り替える操作、又は電源スイッチに対して電源オフする操作)がされたか否かを判定する(ステップS220)。ステップS220において、操作入力部8において撮影モードを終了する操作がされていないと判定された場合、画像処理部9は、ステップS205に処理を戻し、次のフレーム画像を取得する。一方、ステップS220において、操作入力部8において撮影モードを終了する操作がされたと判定された場合、画像処理部9は、処理を終了する。
このように、画像処理部9は、撮像部2を介して撮影(取得)したスルー画像を表示部61に表示させる場合、スルー画像のフレーム画像において、第1の画像の第1撮影領域内の画像に基づいて、第2の画像の第2撮影領域を設定する。具体的には、画像処理部9は、第2の画像において、第1の画像の第1撮影領域の画像とマッチング(合致)する画像が含まれる領域を第2撮影領域として設定する。例えば、画像処理部9は、第2の画像において、第1の画像の第1撮影領域の画像とマッチング(合致)する画像が中心付近に位置するように、第2の画像の第2撮影領域を設定する。そして、画像処理部9は、設定した第2撮影領域の画像を、スルー画像におけるフレーム画像(第2の画像)として、表示制御部6を介して表示部61に表示させる。
これにより、撮像装置100は、時間の経過に伴って撮影する第1の画像と第2の画像とにおいて(複数のフレーム画像において)、主要被写体画像の位置が移動する場合であっても、第1の画像を撮影する際にAFのターゲットとしてロックした主要被写体の画像が含まれるように設定した第1撮影領域内の画像に基づいて、次のフレーム画像である第2の画像の第2撮影領域を主要被写体画像が含まれるように設定して追従することができる。よって、撮像装置100は、スルー画像において、主要被写体画像の位置(座標)を追従するように各フレーム画像の撮影領域を設定することができる。
なお、主要被写体は、AFのターゲットとしてロックした主要被写体に限らず、例えば、顔検出又は顔認識した被写体、予め設定された被写体、等であってもよい。また、撮影領域設定部94は、撮影する撮影領域の中心付近の位置に主要被写体の画像が位置するように撮影領域を設定してもよいし、撮影領域内のうちの中心付近から外れた位置に主要被写体の画像が位置するように撮影領域を設定してもよい。例えば、撮影領域設定部94は、第1の画像の第1表示領域内において、主要被写体の画像が中心付近から外れた位置であった場合、同様に第2の画像の第2撮影領域を、主要被写体の画像が中心付近から外れた位置(第1撮影領域における主要被写体画像の位置と同様の位置)になるように設定してもよい。
(撮影領域設定処理の動作の別例)
次に、図15を参照して、図14を用いて説明した処理とは異なる撮影領域設定処理の例について説明する。
図14に示す例では、撮像素子22の全画素領域の画素から取得した(取り込んだ)画像に対して、テンプレートマッチング処理を実行することにより、取得した(取り込んだ)画像のうちスルー画像とする撮影領域を設定する撮影領域設定処理を説明した。これに対し、以下に説明する図15に示す撮影領域設定処理では、撮像素子22の全画素領域の画素から画像を取得することは行わないで、スルー画像として撮影したフレーム画像の撮影領域の画像に対してテンプレートマッチング処理を実行することにより、次のフレーム画像の撮影領域を設定し、設定した撮影領域により次のフレーム画像を撮影する。
まず、操作入力部8において、モードダイヤルに対して動作モードを撮影モード且つ追尾アシストモードにする操作がされたことに応じて、画像処理部9は、撮影モードを開始する制御を行うことにより、撮像部2を介して撮影されたスルー画像(ライブビュー画像)を、表示制御部6を介して表示部61に表示させる(ステップS301)。
例えば、撮影領域設定部94は、追尾アシストモードにおいて予め定められた全画素領域よりも小さい領域であり、且つ全画素領域における中央の位置(座標)の領域を、スルー画像を撮影する撮影領域として設定する。画像処理部9は、撮像素子22を介して、撮影領域設定部94が設定した撮影領域の画像を撮影(取得)するとともに、取得した撮影領域の画像をスルー画像におけるフレーム画像として表示制御部6を介して表示部61に表示させる。
次に、ユーザによって、操作入力部8に対してAFを動作させる操作がされることに応じて、画像処理部9は、AFのターゲットとして追尾する主要被写体をロック(AFロック)する(ステップS302)。ここでAFロックされたタイミングのフレーム画像を第1の画像とする。第1の画像の第1撮影領域(予め定められた撮影領域)内の画像には、AFのターゲットとして追尾する主要被写体の画像が含まれている。
続いて、抽出部91は、第1の画像の第1撮影領域内に含まれる主要被写体の画像を抽出する(ステップS303)。また、抽出部91は、抽出した主要被写体の画像をテンプレート画像として抽出する(ステップS304)。例えば、抽出部91は、第1の画像の第1撮影領域内に含まれるAFロックした主要被写体の画像をテンプレート画像として抽出する。
次に、画像処理部9は、第1の画像の第1撮影領域に基づいて、次のフレーム画像である第2の画像を、撮像部2を介して撮影(取得)する(ステップS305)。例えば、撮影領域設定部94は、第1の画像の第1撮影領域と同じ領域を第2撮影領域として設定する。そして、画像処理部9は、第1の画像の第1撮影領域と同じ領域を第2撮影領域として、次のフレーム画像である第2の画像を取得する。また、画像処理部9は、取得した第2撮影領域の画像をスルー画像におけるフレーム画像(第2の画像)として表示制御部6を介して表示部61に表示させる(ステップS306)。
照合部92は、取得したフレーム画像(第2の画像、第2撮影領域の画像)に対して、抽出部91がテンプレート画像として抽出した第1撮影領域内の画像(主要被写体の画像)を用いてテンプレートマッチング処理を実行する(ステップS310)。そして、照合部92は、第2の画像内にテンプレート画像とマッチング(合致)する画像があるか否かを判定する(ステップS311)。
ステップS311において、第2の画像内にテンプレート画像とマッチング(合致)する画像があると判定された場合、撮影領域設定部94は、第2の画像内においてマッチング(合致)した画像が中央付近の位置(座標)になるような領域を、第2の画像の次のフレーム画像を取得する際の撮影領域として設定する(ステップS312)。また、抽出部91は、照合部92の照合結果により、第2の画像においてマッチング(合致)した画像を、新たなテンプレート画像として更新する(ステップS313)。そして、画像処理部9は、ステップS315に処理を進める。
一方、ステップS311において、第2の画像内にテンプレート画像とマッチング(合致)する画像がないと判定された場合、撮影領域設定部94は、現在表示させている第2の画像における第2撮影領域の位置(座標)と同じ領域を、第2の画像の次のフレーム画像を取得する際の撮影領域として設定する(ステップS314)。そして、画像処理部9は、ステップS315に処理を進める。
次に、ステップS315において、画像処理部9は、ステップS211の判定結果に応じて、撮影領域設定部94が設定した撮影領域により、第2の画像の次のフレーム画像を取得する。
続いて、画像処理部9は、操作入力部8において撮影モードを終了する操作(例えば、モードダイヤルに対して動作モードを撮影モードから他のモードに切り替える操作、又は電源スイッチに対して電源オフする操作)がされたか否かを判定する(ステップS320)。
ステップS320において、操作入力部8において撮影モードを終了する操作がされていないと判定された場合、画像処理部9は、ステップS306に処理を戻し、ステップS315において取得した、第2の画像の次のフレーム画像を、スルー画像におけるフレーム画像として、表示制御部6を介して表示部61に表示させる。一方、ステップS320において、操作入力部8において撮影モードを終了する操作がされたと判定された場合、画像処理部9は、処理を終了する。
このように、図15に示す処理を用いれば、撮像素子22の全画素領域の画素から画像を取得することなく、主要被写体の移動に追従した撮影領域により、スルー画像を撮影する。これにより、図15に示す処理を用いれば、全画素領域の画素から取得した画像に対してマッチング処理を実行した結果に応じてスルー画像の撮影領域の画像を抽出する場合に対比して、取得した画像をスルー画像として表示させるまでの処理時間を短縮することができる。
以上説明してきたように、第2実施形態の撮像装置100は、追尾アシストモード中は、撮像素子22の全画素領域よりも小さい領域を撮影領域とする状態(光学ズームに関わらず常時電子ズームをかけたような状態)を継続する。例えば、撮像装置100は、フルサイズの撮像素子22の全画素領域で露光又は取り込みを行うが、スルー画像として出力するサイズはAPS−Cサイズとし、露光又は取り込み領域の一部の領域を撮影領域として切り出し、切り出した撮影領域の画像をスルー画像として出力する。そして、撮像装置100は、その撮影領域の切り出し位置を、追尾している主要被写体の位置により変化させ、あたかも主要被写体が画角中心位置にいるかのように撮影して表示する。
これにより、撮像装置100は、初めにターゲット追尾枠を主要被写体に合わせてロックすることにより、主要被写体の追尾アシスト動作を開始することができるとともに、従来のように画角に対し追尾枠を移動させるのではなく、追尾する被写体を極力中心付近に配置するような画像の切り出しを行って表示することができる。
なお、撮像装置100は、追尾する主要被写体の位置(または全画素からの切り出し位置)が必要以上に過敏に移動するといったような動作とならないように、撮影情報やレンズ情報に基づいた移動平均処理や境界値判定処理を行うことにより、撮影領域の位置が滑らかに変化するようにしてもよい。
なお、ユーザの把持状態によって定める撮像装置100の撮影方向と、主要被写体の位置とによって、撮像素子22の全画素領域の中心の位置に対して主要被写体の位置が離れてしまう場合がある。例えば、主要被写体の位置が撮像素子22の全画素領域の端の位置、又は全画素領域の外の位置となった場合、主要被写体を追尾して撮影することができなくなる。そこで、撮像装置100は、撮像素子22の全画素領域によって撮影可能な画像の全領域に対する第2撮影領域の位置に基づいて、全領域に対する第2撮影領域の位置が中心の位置になる方向に撮像装置100の向きを誘導(アシスト)してもよい。例えば、撮像装置100の誘導部95は、ユーザに撮像装置100の向きを誘導するような矢印などのガイダンスを表示部61に表示させてもよい(図16の符号300参照)。
以上のように、第2実施形態の撮像装置100は、時間の経過に伴って撮影するスルー画像のフレーム画像において主要被写体画像の位置が移動する場合であっても、主要被写体画像が含まれるように追従して、撮影領域を設定することができる。よって、撮像装置100は、スルー画像において、主要被写体画像の位置(座標)を追従するように各フレーム画像の撮影領域を設定することができる。
すなわち、第2実施形態によれば、スルー画像(ライブビュー画像)における複数のフレーム画像それぞれの所望の撮影領域を取得することができる。よって、本実施形態によれば、複数の画像において所望の領域を得ることができる。
なお、撮像装置100は、上述のスルー画像(ライブビュー画像)におけるフレーム画像の撮影領域によって、動画像の記録処理を行ってよい。これにより、撮像装置100は、主要被写体画像が含まれるように追従して、動画像の撮影領域を設定することができる。
また、撮像装置100は、上述の撮影領域設定処理を、静止画像の連写撮影に適用してもよい。例えば、撮像装置100は、静止画の連写により取得する複数の画像に対して、上述の撮影領域設定処理を適用してもよい。
また、上記第2実施形態において、n番目のフレーム画像を第1の画像として、(n+1)番目のフレーム画像を第2の画像としたが、第2の画像は、第1の画像よりも後に撮影された画像であれば、(n+1)番目のフレーム画像に限られるものではなく、他のフレーム画像(例えば(n+2)番目のフレーム画像、(n+3)番目のフレーム画像等)であってもよい。
また、上記第2実施形態において、追尾アシストモードの場合を例に説明したが、追尾アシストモードに限られるものではなく、撮像装置100は、その他の撮影モードにおいて上述の撮影領域設定処理を実行してもよい。例えば、撮像装置100は、撮像素子22の全画素領域から切り出した領域を撮影する電子ズームを実行することに応じて、電子ズームの拡大倍率に応じた撮影領域を設定して、上述の撮影領域設定処理を実行してもよい。
また、図14に示す処理において、全画素領域の画素から取得する画像を、全画素領域の画素のうちの間引いた画素から取得するデータ量を縮小した画像としてもよく、このデータ量を縮小した画像を用いてテンプレートマッチング処理を実行する処理としてもよい。
また、スルー画像(ライブビュー画像)として撮影する画像の撮影領域を設定する処理を、スルー画像(ライブビュー画像)として表示する画像の表示領域を設定する処理としても、同様に適用することができる。
以上、第1実施形態と第2実施形態とを用いて説明してきたように、本実施形態によれば、複数の画像において所望の領域を得ることができる。なお、第1実施形態と第2実施形態とを組み合わせた構成としてもよい。
なお、主要被写体は、人物に限られるものではなく、動物等の各種生き物、乗り物、構造物、又は各種物体(例えば、ボール)等、様々な被写体であってよい。例えば、上記実施形態によれば、ボールを用いたスポーツが行われている様子を撮影する場合、又は撮影した画像を閲覧する場合等にも、ボールの位置に応じて撮影領域又は表示領域を追従させることができるため効果的である。
また、本発明は、少なくとも画像処理部9を備える画像処理装置にも適用できる。例えば、画像処理装置は、操作入力部8と、画像処理部9と、表示制御部6と、を備え、上記実施形態において説明した処理を実行してもよい。一例としては、画像処理装置は、操作入力部8が検出した操作に応じて、画像処理装置に有線又は無線により接続された記憶装置から複数の画像を取得し、取得した画像に対して上記実施形態において説明した処理を実行してもよい。また、画像処理装置は、処理を実行した画像をケーブル等を介して接続された表示装置に表示する構成であってもよい。
また、上記実施形態では、画像処理部9(画像処理装置)を備える撮像装置100を例として説明したが、これに限られるものではない。例えば、撮像装置100に代えて、画像処理部9を備える携帯電話、タブレット型端末装置、画像再生装置(例えばデジタルフォトフレーム)、ビデオレコーダ、ナビゲーション端末装置、ゲーム機、電子辞書、電子玩具等としてもよい。
なお、上述の表示制御部6、又は画像処理部9が備える抽出部91、照合部92、表示領域設定部93、撮影領域設定部94、或いは誘導部95は専用のハードウェアにより実現されるものであってもよく、また、メモリおよびCPU(中央演算装置)により構成され、上述の各部の機能を実現するためのプログラムをメモリにロードして実行することによりその機能を実現させるものであってもよい。
また、上述の表示制御部6、又は画像処理部9が備える抽出部91、照合部92、表示領域設定部93、撮影領域設定部94、或いは誘導部95の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより上述の各部の処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
以上、この発明の実施形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
2 撮像部、6 表示制御部、7 記憶媒体部(記憶制御部)、9 画像処理部、21 撮像素子、61 表示部、92 照合部、93 表示領域設定部、94 撮影領域設定部、95 誘導部、100 撮像装置、150 記憶媒体(記憶部)

Claims (15)

  1. 第1の画像の領域として第1領域を設定するとともに、前記第1の画像の前記第1領域内の画像に基づいて、前記第1の画像と異なる第2の画像の領域として第2領域を設定する領域設定部、
    を備えることを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記領域設定部は、
    前記領域として、表示部に表示する画像の表示領域を設定する表示領域設定部、
    を備え、
    前記表示領域設定部は、
    前記表示部に表示する前記第1の画像の第1表示領域を設定するとともに、前記第1の画像の前記第1表示領域内の画像に基づいて、前記第2の画像の第2表示領域を設定する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 記憶部に記憶されている画像を表示部に表示させる表示制御部、
    を備え、
    前記表示制御部は、
    前記第1の画像と前記第2の画像とを順次表示する場合、前記第1の画像の前記第1表示領域の画像と前記第2の画像の前記第2表示領域の画像とを順次表示させる、
    ことを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
  4. 前記第1領域内の画像を前記第2の画像に含まれる画像と照合する照合部、
    を備え、
    前記領域設定部は、
    前記第2の画像において、前記照合部の照合結果により前記第1領域内の画像と合致する画像が含まれる領域を、前記第2領域として設定する、
    ことを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の画像処理装置。
  5. 前記領域設定部は、
    前記第2の画像において、前記照合部の照合結果により前記第1領域内の画像と合致する画像が含まれる領域、且つ前記第1領域の大きさに応じた領域を、前記第2領域として設定する、
    ことを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
  6. 前記照合部は、
    前記第1の画像のデータ量を縮小した第3の画像における前記第1領域に対応する第3領域内の画像を、前記第2の画像のデータ量を縮小した第4の画像に含まれる画像と照合する、
    ことを特徴とする請求項4または5に記載の画像処理装置。
  7. 前記領域設定部は、
    前記第1の画像の一部を拡大表示する操作に応じて、前記第1領域を設定する、
    ことを特徴とする請求項1から6の何れか一項に記載の画像処理装置。
  8. 前記領域設定部は、
    前記第1の画像に含まれる主要被写体画像に応じて、前記第1領域を設定する、
    ことを特徴とする請求項1から7の何れか一項に記載の画像処理装置。
  9. 請求項1から8の何れか一項に記載の画像処理装置、
    を備えることを特徴とする撮像装置。
  10. 前記領域設定部は、
    前記領域として、撮像素子の全画素領域によって撮影可能な画像の全領域のうちの撮影する画像の撮影領域を設定する撮影領域設定部、
    を備え、
    前記撮影領域設定部は、
    撮影する前記第1の画像の第1撮影領域を設定するとともに、前記第1の画像の第1撮影領域内の画像に基づいて、撮影する前記第2の画像の第2撮影領域を設定する、
    ことを特徴とする請求項9に記載の撮像装置。
  11. 前記撮像素子により撮影された画像を表示部に表示させる表示制御部、
    を備え、
    前記表示制御部は、
    前記撮像素子により時間の経過に伴って順次撮影された、前記第1の画像の前記第1撮影領域の画像と、前記第2の画像の前記第2撮影領域の画像と、を順次表示部に表示させる、
    ことを特徴とする請求項10に記載の撮像装置。
  12. 前記撮像素子により撮影された画像を記憶部に記憶させる記憶制御部、
    を備え、
    前記記憶制御部は、
    前記撮像素子により時間の経過に伴って順次撮影された、前記第1の画像の前記第1撮影領域の画像と、前記第2の画像の前記第2撮影領域の画像と、を順次記憶部に記憶させる、
    ことを特徴とする請求項10または11に記載の撮像装置。
  13. 前記撮像素子の全画素領域によって撮影可能な画像の前記全領域に対する前記第2撮影領域の位置に基づいて、前記全領域に対する前記第2撮影領域の位置が中心の位置になる方向に自装置の向きを誘導する誘導部、
    を備えることを特徴とする請求項10から11の何れか一項に記載の撮像装置。
  14. 撮像素子の全画素領域によって撮影可能な画像の領域のうちの撮影する第1の画像の第1撮影領域を設定するとともに、前記第1の画像の前記第1撮影領域内の画像に基づいて、前記第1の画像と異なる第2の画像の第2撮影領域を設定する撮影領域設定部、
    を備えることを特徴とする撮像装置。
  15. コンピュータに、
    第1の画像の領域として第1領域を設定するステップと、
    前記第1の画像の前記第1領域内の画像に基づいて、前記第1の画像と異なる第2の画像の領域として第2領域を設定するステップと、
    を実行させるためのプログラム。
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