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JP2014047246A - シラン架橋性樹脂組成物、絶縁電線及び絶縁電線の製造方法 - Google Patents

シラン架橋性樹脂組成物、絶縁電線及び絶縁電線の製造方法 Download PDF

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JP2014047246A
JP2014047246A JP2012189271A JP2012189271A JP2014047246A JP 2014047246 A JP2014047246 A JP 2014047246A JP 2012189271 A JP2012189271 A JP 2012189271A JP 2012189271 A JP2012189271 A JP 2012189271A JP 2014047246 A JP2014047246 A JP 2014047246A
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mass
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crosslinkable resin
flame retardant
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JP2012189271A
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Taro Fujita
太郎 藤田
Shinya Nishikawa
信也 西川
Masuhiro Iida
益大 飯田
Kentaro Okamoto
健太郎 岡本
Tsunenori Morioka
恒典 森岡
Michio Uchino
道夫 内野
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

【課題】難燃性等の諸特性を維持しつつ、製造コストの低減化が促進できる絶縁電線、その製造方法及びその製造方法に用いるシラン架橋性樹脂組成物を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、ポリエチレン及び/又はエチレン−極性モノマー共重合体を主成分とするベース樹脂及びノンハロゲン難燃剤を含有し、このノンハロゲン難燃剤が水酸化アルミニウム粒子を含むシラン架橋性樹脂組成物であって、上記ノンハロゲン難燃剤における水酸化アルミニウム粒子の割合が50質量%以上であり、上記水酸化アルミニウム粒子の110℃から210℃に昇温したときの質量減少率が0.15%以下であり、上記ベース樹脂100質量部に対する上記水酸化アルミニウム粒子の含有量が110質量部以上250質量部以下であることを特徴とする。上記ポリエチレンが、超低密度ポリエチレンであるとよい。
【選択図】なし

Description

本発明は、シラン架橋性樹脂組成物、絶縁電線及び絶縁電線の製造方法に関する。
電気機器の配線用ワイヤーハーネスを構成する絶縁電線は、一般的には、銅や銅合金等からなる複数の金属線を撚った導体と、この導体を被覆する樹脂製の絶縁層と、この絶縁層の外周に積層されるシース層とから構成される。この絶縁層及びシース層に用いる樹脂としては、従来はポリ塩化ビニル樹脂が用いられていたが、廃棄処分時にハロゲン元素による汚染が懸念されることがら、近年ではポリエチレンやエチレン−極性モノマー共重合体等をシラン化合物で架橋して耐熱性を向上させた合成樹脂が用いられている(特開2007−207638号公報参照)。
上記用途の絶縁電線には、耐候性、機械強度、耐熱性等に加えて難燃性が求められるため、この絶縁電線のシース層を形成する合成樹脂には水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の金属水酸化物が難燃剤として添加される。ただし、水酸化アルミニウムは分解温度が低いため、押出成形時のせん断発熱による水酸化アルミニウムの分解で合成樹脂内に水が生成され、シース層に発泡が生じ、外観不良や機械強度低下等の品質低下を招くおそれがある。そのため、従来の絶縁電線では、分解温度の高い水酸化マグネシウムが主に用いられている。しかしながら、水酸化マグネシウムは単価が高く、絶縁電線の製造コストを増大させる一因となっている。
特開2007−207638号公報
本発明は、上述のような事情に基づいてなされたものであり、難燃性等の諸特性を維持しつつ、製造コストの低減化が促進できる絶縁電線、その製造方法及びその製造方法に用いるシラン架橋性樹脂組成物を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた発明は、
ポリエチレン及び/又はエチレン−極性モノマー共重合体を主成分とするベース樹脂及びノンハロゲン難燃剤を含有し、このノンハロゲン難燃剤が水酸化アルミニウム粒子を含むシラン架橋性樹脂組成物であって、
上記ノンハロゲン難燃剤における水酸化アルミニウム粒子の割合が50質量%以上であり、
上記水酸化アルミニウム粒子の110℃から210℃に昇温したときの質量減少率が0.15%以下であり、
上記ベース樹脂100質量部に対する上記水酸化アルミニウム粒子の含有量が110質量部以上250質量部以下であることを特徴とする。
当該シラン架橋性樹脂組成物は、水酸化アルミニウム粒子の割合が50質量%以上のノンハロゲン難燃剤を含有するため、難燃性を有しつつコストに優れる。また、押出成形時に分解により生成される水分量が微小な水酸化アルミニウム粒子を用いるため、押出成形時の発泡を抑制することができ、高い難燃性、機械強度、良好な外観等を有する絶縁電線の製造に好適に用いることができる。
上記ポリエチレンが、超低密度ポリエチレンであることが好ましい。このように当該シラン架橋性樹脂組成物のベース樹脂の主成分として超低密度ポリエチレンを用いることで、当該シラン架橋性樹脂組成物は低温でも高い柔軟性(屈曲性)を有する。その結果、当該シラン架橋性樹脂組成物を用いた絶縁電線の低温環境下での配線作業性を改善できる。
炭素−炭素二重結合を含有する変性シリコーン化合物をさらに含有し、上記ベース樹脂100質量部に対する上記変性シリコーン化合物の含有量が0.1質量部以上10質量部以下であり、上記変性シリコーン化合物が、少なくとも一の末端にビニル基、アクリル基及びメタクリル基からなる群より選択される少なくとも1種を有するとよい。このように炭素−炭素二重結合を含有する変性シリコーン化合物を含有することで、当該シラン架橋性樹脂組成物は、シース層の押出成形時のせん断発熱を抑制できる。その結果、押出線速の向上が可能となり、当該シラン架橋性樹脂組成物を用いた絶縁電線の生産性を向上でき、製造コストのさらなる低減に寄与する。特に、末端にビニル基、アクリル基及びメタクリル基の少なくとも1種を有する変性シリコーン化合物を用いることで、せん断発熱を効果的に抑制することができる。
また、上記課題を解決するためになされた別の発明は、
導体、この導体の周面を被覆する絶縁層及びこの絶縁層の周囲を被覆するシース層を備える絶縁電線であって、
上記シース層が、当該シラン架橋性樹脂組成物から形成されていることを特徴とする。
当該絶縁電線は、当該シラン架橋性樹脂組成物を用いてシース層を形成しているため、燃性に優れるとともに、押出成形時に水酸化アルミニウム粒子から発生する水分量が微小であるため押出成形性及び機械強度に優れ、かつ低い単価で製造できる。
さらに、上記課題を解決するためになされた別の発明は、
導体、この導体の周面を被覆する絶縁層及びこの絶縁層の周囲を被覆するシース層を備える絶縁電線であって、
上記シース層が、ポリエチレン及び/又はエチレン−極性モノマー共重合体を主成分とするベース樹脂及びノンハロゲン難燃剤を含有するシラン架橋性樹脂組成物から形成されており、
上記ノンハロゲン難燃剤が水酸化アルミニウム粒子を含み、
上記ノンハロゲン難燃剤における水酸化アルミニウム粒子の割合が50質量%以上であり、
上記ベース樹脂100質量部に対する上記水酸化アルミニウム粒子の含有量が110質量部以上250質量部以下であり、
引張強さが8MPa以上、
引張伸びが125%以上であることを特徴とする。
当該絶縁電線は、シース層に水酸化アルミニウム粒子の割合が50質量%以上のノンハロゲン難燃剤を含有しているため、難燃性を有しつつ製造コストに優れる。その一方で、上記範囲の引張強さ及び引張伸びを有するため、高い機械強度も有する。
さらに、上記課題を解決するためになされた別の発明は、
導体、この導体の周面を被覆する絶縁層及びこの絶縁層の周囲を被覆するシース層を備える絶縁電線の製造方法であって、
絶縁層周面に当該シラン架橋性樹脂組成物を積層する工程、及び
上記シラン架橋性樹脂組成物を架橋する工程
を有することを特徴とする絶縁電線の製造方法。
当該絶縁電線の製造方法は、シース層が当該シラン架橋性樹脂組成物から形成された絶縁電線を容易かつ確実に製造することができる。
ここで、「水酸化アルミニウム粒子の110℃から210℃に昇温したときの質量減少率」とは、水酸化アルミニウム粒子を110℃まで加熱し20分間保持した後に測定した質量をW1、同じ水酸化アルミニウム粒子を210℃まで加熱し10分間保持した後に測定した質量をW2とし、(W1−W2)/W1×100より求められる値である。
以上説明したように、本発明のシラン架橋性樹脂組成物は、絶縁電線のシース層の形成材料として好適に用いることができる。また、本発明の絶縁電線は、難燃性等の諸特性を維持しつつ、製造コストの低減化が促進できる。
以下、本発明のシラン架橋性樹脂組成物の実施形態を詳説する。
[シラン架橋性樹脂組成物]
当該シラン架橋性樹脂組成物は、ポリエチレン及び/又はエチレン−極性モノマー共重合体を主成分とするベース樹脂と、シラン架橋を誘引するシラン化合物及びラジカル発生剤と、ノンハロゲン難燃剤とを含有する。
上記ベース樹脂に用いるエチレン−極性モノマー共重合体としては、例えばエチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレンアクリレート共重合体(EEA)、エチレンを共重合したランダムポリプロピレン等を挙げることができる。当該シラン架橋性樹脂組成物に用いるベース樹脂の主成分としては、上述した重合体の中でも、低温において高い柔軟性を有する超低密度ポリエチレン(VLDPE)が特に好ましい。なお、ベース樹脂は、複数種の樹脂を含有していてもよく、主成分以外の樹脂としてポリエチレン及びエチレン−極性モノマー共重合体以外の樹脂を微量含有していてもよい。
上記シラン化合物としては、一般式RR’SiYで表される化合物を用いることができる。ここで、Rは、1価のオレフィン性不飽和炭化水素基であり、R’は、脂肪族不飽和炭化水素以外の1価の炭化水素基又は加水分解性の有機基であり、Yは加水分解性の有機基である。上記式で表される化合物の中でも、R’がYと同一の加水分解性の有機基で、一般式RSiYで表される有機不飽和シランが好ましい。この有機不飽和シランとしては、例えばビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、又はこれらのオリゴマー等を挙げることができる。
シラン化合物のベース樹脂100質量部に対する含有量の下限としては、0.01質量部が好ましく、0.1質量部がより好ましい。一方、シラン化合物のベース樹脂100質量部に対する含有量の上限としては、1.5質量部が好ましく、1.2質量部がより好ましい。シラン化合物の含有量が上記下限未満の場合、ベース樹脂のグラフト重合が不十分となり、架橋が十分進行しないおそれがある。逆に、シラン化合物の含有量が上記上限を超える場合、当該シラン架橋性樹脂組成物の加工性が低下するおそれがあるほか、グラフト重合されない残留シランが増加し、絶縁電線のシース層の成形時に絶縁層との密着力が低下するおそれがある。
上記ラジカル発生剤としては、例えばジクミルパーオキサイド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシジイソプロピル)ベンゼン、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−ベンゾイルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート等を挙げることができる。
ラジカル発生剤のベース樹脂100質量部に対する含有量の下限としては、0.02質量部が好ましく、0.05質量部がより好ましい。一方、ラジカル発生剤のベース樹脂100質量部に対する含有量の上限としては、0.15質量部が好ましく、0.12質量部がより好ましい。ラジカル発生剤の含有量が上記下限未満の場合、ベース樹脂のグラフト重合が不十分となるおそれがある。逆に、ラジカル発生剤の含有量が上記上限を超える場合、当該シラン架橋性樹脂組成物の加工性が低下するおそれがあるほか、局部的なグラフト重合が発生し、成形外観が悪化するおそれがある。
当該シラン架橋性樹脂組成物には、シラン化合物のグラフト重合を促進させるためにシラン架橋触媒を添加することが好ましい。このシラン架橋触媒としては、有機金属化合物系の架橋触媒を使用することができる。具体的には、例えばジオクチル錫、ジブチル錫ジラウレート、酢酸第一錫、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジオクトエート、カプリル酸亜鉛、チタン酸テトラブチルエステル、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等を挙げることができる。
シラン架橋触媒のベース樹脂100質量部に対する含有量の下限としては、0.01質量部が好ましく、0.03質量部がより好ましい。一方、シラン架橋触媒のベース樹脂100質量部に対する含有量の上限としては、0.15質量部が好ましく、0.12質量部がより好ましい。シラン架橋触媒の含有量が上記下限未満の場合、ベース樹脂のグラフト重合を十分促進できないおそれがある。逆に、シラン架橋触媒の含有量が上記上限を超える場合、局部的な架橋が発生し、成形外観が悪化するおそれがある。
上記ノンハロゲン難燃剤としては、例えば、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の金属水酸化物を用いることができるが、本発明においては、ノンハロゲン難燃剤全体における水酸化アルミニウム粒子の割合が50質量%以上であることが必須要件である。ノンハロゲン難燃剤における水酸化アルミニウム粒子の割合としては、さらに80質量%以上が好ましく、100質量%が特に好ましい。ハロゲン難燃剤における水酸化アルミニウム粒子の割合をこのようにすることで、シラン架橋性樹脂組成物の難燃性を維持したままコストを低減することができる。
当該シラン架橋性樹脂組成物に添加される水酸化アルミニウム粒子は、110℃から210℃に昇温したときの質量減少率が0.15%以下である。この質量減少率としては、0.11%以下がより好ましい。この質量減少率は、加熱時に水酸化アルミニウム粒子から分解して放出される水の質量割合を表す。従って、質量減少率が上記範囲を超える場合、絶縁電線のシース層の押出成形時に水酸化アルミニウム粒子から放出される水の量が多くなり、シース層に発泡が生じて外観や機械強度等が劣化するおそれがある。
上記範囲の質量減少率を有する水酸化アルミニウム粒子は、例えば特開2002−348408号公報に記載の方法で製造することができる。具体的には、例えば平均粒子径2μm、NaO含有量0.19質量%、SiO含有量0.01質量%の水酸化アルミニウムを固形分濃度が110g/Lとなるように水に溶かしたスラリーに、NaO/AlO3のモル比が1.5、SiO含有量が0.06g/Lのアルミン酸ナトリウム溶液を、水酸化アルミニウムスラリーとアルミン酸ナトリウム溶液の体積比が1.5:170となるように液温を80℃に保ちながら供給する。その後、スラリーを70℃で4時間保持して水酸化アルミニウムを晶析し、この固形分を120℃で3時間乾燥後、さらに200℃で24時間熱処理することで、当該シラン架橋性樹脂組成物に用いる上記水酸化アルミニウム粒子を得ることができる。
当該シラン架橋性樹脂組成物における水酸化アルミニウム粒子のベース樹脂100質量部に対する含有量の下限は、110質量部であり、150質量部がより好ましい。一方、水酸化アルミニウム粒子のベース樹脂100質量部に対する含有量の上限は、250質量部であり、200質量部がより好ましい。水酸化アルミニウム粒子の含有量が上記下限未満の場合、当該シラン架橋性樹脂組成物の難燃性が十分向上しないおそれがある。逆に、水酸化アルミニウム粒子の含有量が上記上限を超える場合、当該シラン架橋性樹脂組成物の粘度が上昇するため、絶縁電線のシース層の押出成形時に表面が滑らかに形成されず凹凸が生じるおそれや、押出線速が低下し絶縁電線の生産性が悪化するおそれがある。
当該シラン架橋性樹脂組成物は、押出成形時のせん断発熱を抑制するために炭素−炭素二重結合を含有する変性シリコーン化合物を含有していることが好ましい。
この炭素−炭素二重結合を含有する変性シリコーン化合物としては、下記式(1)又は(2)で表される化合物を用いることが好ましい。
Figure 2014047246
(式(1)中、Rは非反応性のアルキル基、Rは炭素−炭素二重結合を含む基である。nは1以上の整数である。)
Figure 2014047246
(式(2)中、R、R及びnは上記式(2)と同義である。mは1以上の整数である。)
上記Rで表される非反応性のアルキル基としては、例えばメチル基、ブチル基等が挙げられる。上記Rで表される炭素−炭素二重結合を含む基としては、例えばビニル基を含む基、アクリル基を含む基、メタクリル基を含む基等が挙げられる。
上記炭素−炭素二重結合を含有する変性シリコーン化合物としては、式(1)に表される化合物が好ましく、少なくとも一の末端にビニル基、アクリル基及びメタクリル基からなる群より選択される少なくとも1種を有するものがより好ましく、末端がビニル基であるものが特に好ましい。
なお、上記式(1)又は(2)で用いるアクリル基を含む基及びメタクリル基を含む基としては、例えば下記式(3)で示されるものを用いることができる。
Figure 2014047246
当該シラン架橋性樹脂組成物における上記炭素−炭素二重結合を含有する変性シリコーン化合物のベース樹脂100質量部に対する含有量の下限としては、0.1質量部が好ましく、1質量部がより好ましい。一方、炭素−炭素二重結合を含有する変性シリコーン化合物のベース樹脂100質量部に対する含有量の上限としては、10質量部が好ましく、9質量部がより好ましい。変性シリコーン化合物の含有量が上記下限未満の場合、せん断発熱の抑制効果が十分発揮されないおそれがある。逆に、変性シリコーン化合物の含有量が上記上限を超える場合、当該シラン架橋性樹脂組成物で形成した絶縁電線のシース層の機械強度等が低下するおそれがある。
当該シラン架橋性樹脂組成物には、上記添加剤の他に、メラミン系難燃剤、ポリリン酸アンモニウム系難燃剤、赤リン、シリコーン系難燃剤、錫酸亜鉛、ホウ酸亜鉛、炭酸亜鉛等の難燃剤を添加してもよい。また、当該シラン架橋性樹脂組成物には、無機充填材、着色剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、滑剤等の添加剤を適宜添加してもよい。
次に、本発明の絶縁電線の実施形態を詳説する。
[絶縁電線]
当該絶縁電線は、線状の導体と、この導体の周面に被覆する絶縁層と、この絶縁層の周囲を被覆するシース層とを備えている。
<導体>
当該絶縁電線に用いる導体としては、特に限定されるものではなく、例えば銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金等の金属線を用いることができる。
導体を形成する金属線の断面形状は、特に限定されず、円形、方形、矩形等の種々の形状を採用することができる。また、金属線の断面の大きさも、特に限定されない。丸線の場合は径が100μm〜5mmのもの、平角線の場合は一辺の長さが500μm〜5mmのものが一般に使用される。
また、導体は、複数の金属線を撚り合わせた撚線から形成することもできる。この場合、複数種の金属線を組み合わせてもよい。撚り数としては、一般に7本以上とされる。
<絶縁層>
絶縁層は、導体を被覆するように導体の周面に積層される。絶縁層は、単層でも2層以上の多層構造でもよい。
絶縁層の材質としては絶縁性を有するものであれば特に限定されず、例えば上記シラン架橋性樹脂組成物を用いることができる。ただし、絶縁層に用いる場合、シラン架橋性樹脂組成物はノンハロゲン難燃剤を含有していなくてもよい。絶縁層は、シラン架橋性樹脂組成物を導体周面に押出し、水分のある雰囲気中で架橋することで得られる。
絶縁層の平均厚みとしては、特に限定されないが、例えば0.1mm以上10mm以下とすることができる。
また、絶縁層は導体に接するプライマー層を有していてもよい。このプライマー層としては、金属水酸化物を含有しないエチレン等の架橋性樹脂を硬化させたものを好適に用いることができる。このようなプライマー層を設けることによって、絶縁層と導体との剥離性の経時低下を防いで結線作業の効率低下を防止できる。
<シース層>
シース層は、絶縁層を被覆するように絶縁層の周面に積層される。シース層は、単層でも2層以上の多層構造でもよい。
シース層は、上述した当該シラン架橋性樹脂組成物を絶縁層周面に押出し、水分のある雰囲気中で架橋することで得ることができる。
シース層の平均厚みとしては、特に限定されないが、例えば0.1mm以上10mm以下とすることができる。
<絶縁電線>
当該絶縁電線の引張強さの下限としては、8MPaが好ましく、8.5MPaがより好ましい。一方、引張強度の上限としては、15MPaが好ましい。引張強さが上記下限未満の場合、配線作業において当該絶縁電線が破断するおそれがある。逆に、引張強さが上記上限を超える場合、当該絶縁電線を安定的に製造する際、コストの上昇を招来するおそれがある。なお、引張強さとは、JIS−C3005に記載の「ゴム・プラスチック絶縁電線試験方法」に準拠して計測される値である。
当該絶縁電線の引張伸びの下限としては、125%が好ましく、150%がより好ましい。一方、引張伸びの上限としては、300%が好ましい。引張伸びが上記下限未満の場合、当該絶縁電線の可撓性が低下し配線に適さないおそれがある。逆に、引張強度が上記上限を超える場合、当該絶縁電線を安定的に製造する際、コストの上昇を招来するおそれがある。なお、引張伸びとは、JIS−C3005に記載の「ゴム・プラスチック絶縁電線試験方法」に準拠して計測される絶縁電線切断時の伸びである。
<絶縁電線の製造方法>
当該絶縁電線は、例えば以下の工程を有する製造方法により製造することができる。
(1)導体を製造する導体製造工程
(2)絶縁層を導体周面に積層する絶縁層被覆工程
(3)シース層の組成物を含む各種バッチを製造するバッチ製造工程
(4)上記バッチを混合し絶縁層周面に押出成形し架橋するシース層被覆工程
<(1)導体製造工程>
導体製造工程においては、まず、導体の原料となる銅等を鋳造及び圧延して圧延材を得る。次に、この圧延材に伸線加工を行って、任意の断面形状及び線径(短辺幅)を有する伸線材を形成する。伸線加工の方法としては、例えば複数の伸線ダイスを備えた伸線装置によって、この伸線ダイスに潤滑剤を塗布した圧延材を挿通させることで所望の断面形状及び線径(短辺幅)に徐々に近づける方法を用いることができる。なお、断面形状の加工は、後述する軟化後に別途行うことも可能である。
伸線加工後、上記伸線材に加熱による軟化処理を行なって導体用の金属線を得る。軟化処理を行うことによって伸線材の結晶が再結晶化されるため、導体の靱性を向上させることができる。この軟化処理は、大気雰囲気下でも可能であるが、酸素含有量が少ない非酸化性雰囲気下で行うことが好ましい。
複数の金属線からなる撚線を導体として用いる場合、上記金属線を複数撚ることで導体を得ることができる。
<(2)絶縁層被覆工程>
絶縁層被覆工程においては、絶縁層の形成材料を所定の比率で混合したものを溶融押出機に投入した後、導体の周面上に押出成形して積層し、さらに架橋することで絶縁層を形成する。この押出成形の具体的な手順は、後述するシース層被覆工程と同様とすることができる。
<(3)バッチ製造工程>
バッチ製造工程においては、ベース樹脂に各種添加物をそれぞれ配合させたバッチを製造する。具体的には、例えば、
(A)ベース樹脂にラジカル発生剤、シラン化合物等を配合したシラン化合物バッチ、
(B)ベース樹脂に水酸化アルミニウム粒子等を配合した難燃剤バッチ、及び
(C)ベース樹脂にシラン架橋触媒等を配合した触媒バッチ
の3種類のバッチを製造する。なお、上記シラン化合物バッチにおいては、あらかじめシラン化合物をベース樹脂にグラフト重合させておいてもよい。
また、上記シラン化合物バッチに配合する水酸化アルミニウム粒子を配合した難燃剤配合シラン化合物バッチと、上記触媒バッチの2種類のバッチを製造してもよい。この場合、水酸化アルミニウム粒子とシラン化合物との相互作用を抑えてグラフト重合を確実に行うために、あらかじめシラン化合物をグラフト重合させたベース樹脂に水酸化アルミニウム粒子を配合することが好ましい。
上記シラン化合物バッチは、例えばベース樹脂を加熱及び撹拌しながら、シラン化合物及びラジカル発生剤を混合した液をベース樹脂に供給し、シラン化合物及びラジカル発生剤をベース樹脂に含浸させる方法で製造することができる。撹拌時の温度としては、樹脂の融点とラジカル発生剤の10時間半減温度とを考慮して適宜決定できるが、80℃程度が好ましい。また、ベース樹脂を加熱及び撹拌する装置としては、例えばスーパーミキサー等を用いることができる。
上記シラン化合物バッチにおいて、あらかじめシラン化合物をベース樹脂にグラフト重合させる場合は、例えばシラン化合物及びラジカル発生剤をベース樹脂に含浸させた組成物を押出混合機で加熱しながら押出して造粒することでバッチを製造できる。このときの加熱温度としては、例えば150℃以上190℃以下が好ましい。
難燃剤バッチ、触媒バッチ及び難燃剤配合シラン化合物バッチは、例えば公知の混合装置を用いてベース樹脂に配合物を溶融混練することで製造できる。この混合装置としては、例えばオープンロールミキサー、加圧ニーダー、バンバリー等を挙げることができる。
<(4)シース層被覆工程>
シース層被覆工程においては、上記バッチを所定の比率で混合したものを溶融押出機に投入した後、絶縁層の周面上に押出成形して積層し、さらに架橋することでシース層を形成する。
シース層組成物の押出温度としては、例えば120℃以上200℃以下とすることができる。ベース樹脂にシラン化合物がグラフト重合していないシラン化合物バッチを用いる場合は、160℃以上190℃以下とすることが好ましい。このような温度範囲とすることで、シラン化合物のベース樹脂へのグラフト重合を促進させることができる。
シース層組成物の押出線速の下限としては、55m/分が好ましく、65m/分がより好ましい。一方、押出線速の上限としては、300m/分が好ましい。押出線速が上記下限未満の場合、当該絶縁電線の生産性が低下するおそれがある。逆に、押出線速が上記上限を超える場合、荷重が過大となりシース層の表面にひび割れ等の損傷が発生するおそれがある。
上記押出成形によって絶縁層周面に積層されたシース層組成物は、大気中への曝露、水中への浸漬、水蒸気雰囲気中への曝露等によって水分を供給することでベース樹脂をシラン架橋させて硬化させることができる。この硬化により、シース層が完成する。
当該絶縁電線は、難燃性等の諸特性に優れるため屋外での配線に好適に用いることができる。さらに、当該絶縁電線は製造コストが低いため、例えば太陽電池モジュールで発電した電力を外部に送電するケーブルとして好適に用いることができる。このような送電ケーブルとしては、当該絶縁電線を単体で使用することもできるし、複数の絶縁電線を組み合わせたワイヤーハーネスとして使用することもできる。
以下、実施例によって本発明の絶縁電線をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、本実施例における各測定値は、以下の方法にて測定した値である。
[引張強さ(単位:MPa)]
JIS−C3005(2000)に記載の「ゴム・プラスチック絶縁電線試験方法」に準拠し、絶縁電線より導体及び絶縁層を除去したシース層の試験片を引張試験機により200m/分の引張速度で引張して最大引張荷重を測定し、引張強さを算出した。
[引張伸び(単位:%)]
JIS−C3005(2000)に記載の「ゴム・プラスチック絶縁電線試験方法」に準拠し、絶縁電線より導体及び絶縁層を除去したシース層の試験片を引張試験機により200m/分の引張速度で引張して破断長さを測定し、引張伸びを算出した。
[最大押出線速(m/分)]
シース層の押出成形において、表面に凹凸等の不良のない滑らかな外観を有するシース層を押出形成できる最大の押出線速で押出を行った。
また、本実施例においては、以下の品質評価を行った。
[難燃性(垂直一条燃焼性)]
EN60332−1−2(IEC60332−1/JIS−C3665−1)に準拠し、絶縁電線を垂直に保持し、絶縁電線に対し45度の角度でバーナを配置し、バーナの炎を絶縁電線の表面に当て、規定の試験時間後の絶縁電線の炭化状態を観測した。絶縁電線の下端と炭化開始点との距離が50mm以上の場合を〇(合格)とし、50mm未満の場合を×(不合格)とした。
[低温屈曲性]
EN60811−1−4に準拠して、−40±2℃の環境下で16時間保持した後、規定の直径のマンドレルに1回転/5秒の回転速度で、規定回数巻きつけた後の亀裂の有無を調べた。絶縁電線の表面に亀裂が無い場合を〇(合格)とし、有る場合を×(不合格)とした。
[実施例1]
(シラン化合物バッチの製造)
スーパーミキサーを用いてベース樹脂を80℃、60rpmの条件で攪拌しながら、シラン化合物及びラジカル発生剤を混合した混合液をスーパーミキサーに投入し、ベース樹脂に含浸させた。次にこのシラン化合物及びラジカル発生剤を含浸したベース樹脂を150〜190℃で押出機を用いて押出し、シラン化合物バッチを造粒した。
上記シラン化合物バッチにおいて、ベース樹脂100質量部に対するシラン化合物の含有量は1質量部、ラジカル発生剤の含有量は0.1質量部とした。
(難燃剤バッチの製造)
加圧ニーダーにベース樹脂及び水酸化アルミニウム粒子を投入し、開始温度140℃、練り上がり温度160℃で10分間溶融混練した。次にこの混練樹脂を押出機で押出し難燃剤バッチを造粒した。この水酸化アルミニウム粒子の110℃から210℃に昇温したときの質量減少率は0.1%である。
(触媒バッチの製造)
上記難燃剤バッチと同様の条件で、加圧ニーダーにベース樹脂、シラン架橋触媒、酸化防止剤及び滑剤を投入して溶融混練し、押出機により触媒バッチを造粒した。
なお、上記ベース樹脂には、超低密度ポリエチレン(VLDPE)のみを用いた。また、シラン化合物としてはビニルシラン(商品名:KBM−1003 信越化学工業株式会社)、ラジカル発生剤としてはジクミルパーオキサイド(商品名:パークミルD 日油株式会社)、シラン架橋触媒としてはジオクチル錫(商品名:ネオスタンU−810 日東化成株式会社)、酸化防止剤としてはヒンダードフェノール(商品名:イルガノックス1010 BASF社)、滑剤としてはパラフィンワックス(商品名:ハイワックス420P 三井化学株式会社)を用いた。
(絶縁電線の製造)
上記シラン化合物バッチ、難燃剤バッチ及び触媒バッチを溶融押出機(口径:50mm、スクリュー有効長:24)に投入し、150〜190℃でシース層を絶縁層の周面に押出成形した。このときの上記各バッチの投入量は、ベース樹脂100質量部に対し、水酸化アルミニウム粒子が120質量部、シラン架橋触媒が0.1質量部、酸化防止剤が2質量部、滑剤が1質量部となるように調整した。また、押出線速は100m/分である。この押出線速は、上記配合比率の樹脂組成物を用いて、表面に凹凸等の不良のない滑らかな外観を有するシース層を押出形成できる最大の線速である。
上記押出成形したシース層を60℃の温水に12時間浸漬してシラン架橋を行い硬化させ、実施例1の絶縁電線を得た。なお、導体としては、径が0.32mmの銅線を65本撚った公称断面積5.0cmの導体を用いた。また、絶縁層は、シース層と同様のベース樹脂、シラン化合物、ラジカル発生剤及びシラン架橋触媒を含有する組成物を用いて、シース層と同じ条件で押出成形した。
[実施例2及び3]
実施例1と同様の素材を用いて、実施例2及び3の絶縁電線を製造した。ただし、ベース樹脂100質量部に対し、水酸化アルミニウム粒子の含有量が実施例2は160質量部、実施例3は240質量部となるように各バッチの投入量を調整した。その他の配合剤の含有量は実施例1と同様とした。
[実施例4]
ベース樹脂にVLDPEの代わりにエチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)を用いたほかは、実施例2と同様の組成物及びその含有比を用い、実施例4の絶縁電線を製造した。
[実施例5、6及び7]
触媒バッチに末端にビニル基を有する変性シリコーン化合物を、ベース樹脂100質量部に対し、実施例5では0.2質量部、実施例6では8質量部、実施例7では10質量部の含有量となるように触媒バッチに配合したほかは、実施例3と同様の組成物及びその含有比を用いて、実施例5、6及び7の絶縁電線を製造した。
[実施例8]
難燃剤バッチに実施例1で用いた水酸化アルミニウム粒子と水酸化マグネシウム粒子(商品名:キスマ5 協和化学工業株式会社)とを50:50の質量比で、ベース樹脂100質量部に対し水酸化アルミニウム粒子及び水酸化マグネシウム粒子の含有量の合計が160質量部となるように難燃剤バッチに配合したほかは、実施例1と同様の組成物及びその含有比を用いて、実施例8の絶縁電線を製造した。
[比較例1]
110℃から210℃に昇温したときの質量減少率が0.3%である水酸化アルミニウム粒子(商品名:ハイジライトH42 昭和電工株式会社)をベース樹脂100質量部に対し160質量部の含有量となるように難燃剤バッチに配合したほかは、実施例1と同様の組成物及びその含有比を用いて、比較例1の絶縁電線を製造した。
[比較例2及び3]
実施例1に用いた水酸化アルミニウム粒子をベース樹脂100質量部に対し、比較例2では100質量部、比較例3では260質量部の含有量となるように難燃剤バッチに配合したほかは、実施例1と同様の組成物及びその含有比を用いて、比較例2及び3の絶縁電線を製造した。
[参考例]
水酸化アルミニウム粒子の代わりに水酸化マグネシウム粒子(商品名:キスマ5 協和化学工業株式会社)をベース樹脂100質量部に対し160質量部の含有量となるように難燃剤バッチに配合したほかは、実施例1と同様の組成物及びその含有比を用いて、参考例の絶縁電線を製造した。
なお、実施例2〜7、比較例1〜3及び参考例の最大押出線速は表1に示すとおりである。ただし、比較例2においては、線速を最小(10m/分)にしても表面に凹凸等の不良のない滑らかなシース層を形成できなかった。
得られた実施例1〜7、比較例1〜3及び参考例の各絶縁電線について、引張強さ及び引張伸びをそれぞれ計測した。また、難燃性及び低温屈曲性の試験を行った。これらの結果について表1に示す。
Figure 2014047246
表1の結果から示されるように、実施例1〜7の絶縁電線は、水酸化マグネシウムの代わりに水酸化アルミニウムを難燃剤として用いていながら、引張強さ、引張伸び及び難燃性に優れ、成形性も良好である。また、ベース樹脂にVLDPEを用いた実施例1〜3及び5〜7は、低温屈曲性にも優れ、寒冷地でも好適に使用することができる。
以上のように、本発明のシラン架橋性樹脂組成物を用いた絶縁電線は、難燃性等の諸特性を維持しつつ、製造コストの低減化が促進できる。従って、当該絶縁電線は、例えば太陽電池モジュールで発電した電力を外部に送電するケーブルとして好適に用いることができる。

Claims (6)

  1. ポリエチレン及び/又はエチレン−極性モノマー共重合体を主成分とするベース樹脂及びノンハロゲン難燃剤を含有し、このノンハロゲン難燃剤が水酸化アルミニウム粒子を含むシラン架橋性樹脂組成物であって、
    上記ノンハロゲン難燃剤における水酸化アルミニウム粒子の割合が50質量%以上であり、
    上記水酸化アルミニウム粒子の110℃から210℃に昇温したときの質量減少率が0.15%以下であり、
    上記ベース樹脂100質量部に対する上記水酸化アルミニウム粒子の含有量が110質量部以上250質量部以下であることを特徴とするシラン架橋性樹脂組成物。
  2. 上記ポリエチレンが、超低密度ポリエチレンである請求項1に記載のシラン架橋性樹脂組成物。
  3. 炭素−炭素二重結合を含有する変性シリコーン化合物をさらに含有し、
    上記ベース樹脂100質量部に対する上記変性シリコーン化合物の含有量が0.1質量部以上10質量部以下であり、
    上記変性シリコーン化合物が、少なくとも一の末端にビニル基、アクリル基及びメタクリル基からなる群より選択される少なくとも1種を有する請求項1又は請求項2に記載のシラン架橋性樹脂組成物。
  4. 導体、この導体の周面を被覆する絶縁層及びこの絶縁層の周囲を被覆するシース層を備える絶縁電線であって、
    上記シース層が、請求項1、請求項2又は請求項3に記載のシラン架橋性樹脂組成物から形成されていることを特徴とする絶縁電線。
  5. 導体、この導体の周面を被覆する絶縁層及びこの絶縁層の周囲を被覆するシース層を備える絶縁電線であって、
    上記シース層が、ポリエチレン及び/又はエチレン−極性モノマー共重合体を主成分とするベース樹脂及びノンハロゲン難燃剤を含有するシラン架橋性樹脂組成物から形成されており、
    上記ノンハロゲン難燃剤が水酸化アルミニウム粒子を含み、
    上記ノンハロゲン難燃剤における水酸化アルミニウム粒子の割合が50質量%以上であり、
    上記ベース樹脂100質量部に対する上記水酸化アルミニウム粒子の含有量が110質量部以上250質量部以下であり、
    引張強さが8MPa以上、
    引張伸びが125%以上であることを特徴とする絶縁電線。
  6. 導体、この導体の周面を被覆する絶縁層及びこの絶縁層の周囲を被覆するシース層を備える絶縁電線の製造方法であって、
    絶縁層周面に請求項1、請求項2又は請求項3に記載のシラン架橋性樹脂組成物を積層する工程、及び
    上記シラン架橋性樹脂組成物を架橋する工程
    を有することを特徴とする絶縁電線の製造方法。
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