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JP2014045836A - ドラム式洗濯機 - Google Patents

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JP2014045836A JP2012189485A JP2012189485A JP2014045836A JP 2014045836 A JP2014045836 A JP 2014045836A JP 2012189485 A JP2012189485 A JP 2012189485A JP 2012189485 A JP2012189485 A JP 2012189485A JP 2014045836 A JP2014045836 A JP 2014045836A
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Soichi Hatanaka
聡一 畠中
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  • Control Of Washing Machine And Dryer (AREA)
  • Main Body Construction Of Washing Machines And Laundry Dryers (AREA)

Abstract

【課題】インバータ回路に供給する直流電圧を、状況に応じた適切な条件で昇圧制御することが可能なモータ駆動装置を備えたドラム式洗濯機を実現する。
【解決手段】交流電源31と全波整流回路36の間に直列に接続されたリアクタ34、及びリアクタ34の一端と全波整流回路36入力側の一端との間に交流電源31と並列に接続された短絡制御素子35及び電流検出回路40からなる短絡回路32を備え、第1インバータ回路22を駆動する制御部30は、短絡信号生成部は、短絡信号Psを交流電源電圧のゼロクロス検出点を起点として生成し、短絡信号のパルス幅Twと、ドラムモータ7の目標回転数Ntと、ドラムモータ7の目標回転数Ntに応じて設定され第1インバータ回路22に印加される直流電圧Vdの目標電圧Vtを、電流検出回路40に流れる電流Idと短絡信号Psの生成時間Tpに基づいて設定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、洗濯物を収容した回転ドラムおよび圧縮機モータを洗濯、脱水、乾燥等の各工程に応じた回転数で駆動するために、インバータ回路により回転ドラムおよび圧縮機モータを駆動するドラム式洗濯機に関する。
従来のヒートポンプによる除湿乾燥方式を用いたドラム式洗濯機の構造の一例を、図5及び図6に示す。図5は、従来のドラム式洗濯機の構成を示す断面図、図6は、その内部背面図である。
このドラム式洗濯機では、洗濯機本体1内に、図示しないサスペンション構造によって水槽2が宙吊り状態に支持されている。水槽2内には、有底円筒形に形成された回転ドラム3が、その軸心方向を正面側から背面側に向けて下向きに傾斜させて支持されている。水槽2の正面側には回転ドラム3の開口端に通じる衣類出入口4が形成され、洗濯機本体1の正面側の上向き傾斜面に設けられた開口部を開閉可能に閉じる扉5を開くことにより、衣類出入口4を通じて回転ドラム3内に対して洗濯物を出し入れすることができる。
回転ドラム3には、その周面に水槽2内に通じる多数の透孔6が形成され、内周面の複数位置に攪拌突起(図示せず)が設けられている。この回転ドラム3は、水槽2の背面側に取り付けられたドラムモータ7によって正転及び逆転方向に回転駆動される。また、水槽2には、注水管路8及び排水管路9が配管接続され、図示しない注水弁及び排水弁の制御によって水槽2内への注水及び排水がなされる。
扉5を開き回転ドラム3内に洗濯物及び洗剤を投入して、洗濯乾本体1の例えば前面上部に設けられた操作パネル10での操作により運転を開始させると、水槽2内には注水管路8から所定量の注水がなされ、ドラムモータ7により回転ドラム3が回転駆動されて洗濯工程が開始される。回転ドラム3の回転により、回転ドラム3内に収容された洗濯物は回転ドラム3の内周壁に設けられた攪拌突起によって回転方向に持ち上げられ、持ち上げられた適当な高さ位置から落下する攪拌動作が繰り返されるので、洗濯物には叩き洗いの作用が及んで洗濯がなされる。
所要の洗濯時間の後、汚れた洗濯液は排水管路9から排出され、回転ドラム3を高速回転させる脱水動作により洗濯物に含まれた洗濯液を脱水し、その後、水槽2内に注水管路8から注水してすすぎ工程が実施される。このすすぎ工程においても、回転ドラム3内に収容された洗濯物は、回転ドラム3の回転により攪拌突起により持ち上げられて落下する攪拌動作が繰り返されてすすぎ洗いが実施される。
このドラム式洗濯機には、回転ドラム3内に収容した洗濯物を乾燥する機能が設けられ、循環送風経路11により、水槽2内の空気を排気して除湿し、加熱して乾燥させた空気を再び水槽2内に送風する。この循環送風経路11の途中には蒸発器12などの除湿手段、凝縮器13などの加熱手段からなるヒートポンプ、及び送風手段である循環ファン14が設けられている。蒸発器12と凝縮器13は図6に示すように、循環空気との熱交換部15をなして循環送風経路11の最低位部に配置されている。
循環ファン14を回転駆動することにより、循環送風経路11に空気の流れが発生して、洗濯物を収容した回転ドラム3内の空気は、透孔6を通じて水槽2から循環ファン14側への循環空気導入管路16に排気され、循環ファン14の上流に位置する蒸発器12に
水分を結露させて除湿することと、凝縮器13との熱交換により加熱することとで常に乾燥した高温の空気とされる。
この乾燥した高温の空気は循環ファン14から水槽2への送風管路17に送り出されて水槽2内に送風される。水槽2内に送風された高温の乾燥空気は透孔6を通じて回転ドラム3内に入って衣類などの洗濯物に曝されながら水槽2へと抜け、再度循環空気導入管路16へと導入され、以上の循環送風経路11での空気の循環の繰り返しにより乾燥工程が実施される。
この循環送風経路11を利用した乾燥工程では、循環送風経路11を循環される空気中に主として衣類などの洗濯物から発生する糸くずなどの異物が混じって循環し、蒸発器12や凝縮器13の目詰まり、循環ファン14の回転部への噛み込み、循環ファン14の内面への堆積といった乾燥工程を実施するのに支障を来し易いので、循環送風経路11の途中に、循環空気中の異物を除去するフィルタ18が設けられている。
以上のような構成のドラム式洗濯機のモータ駆動装置は、回転ドラム3を回転駆動するドラムモータ7用のインバータ回路と、ヒートポンプ用の圧縮機モータを駆動するインバータ回路とで直流電圧の供給源を共用している。そのため、圧縮機モータの運転状態、あるいは、脱水運転とヒートポンプ乾燥運転を同時に行う脱水乾燥運転工程においては、交流電源電流が増加してコンセント容量をオーバーする恐れがある。
そのため、例えば特許文献1には、洗濯機の最大消費電力となる脱水乾燥運転時におけるドラムモータと圧縮機モータのそれぞれの入力、あるいは出力電力をそれぞれのモータ電流より推定演算することにより、交流電源電流がコンセント容量上限値以上にならないように制御することが開示されている。それにより、インバータ回路の直流電圧を安定して供給することができる。
また、特許文献2には、モータ駆動用のインバータ回路に直流電圧Vdを供給するための整流回路と交流電源の間に、交流電源に直列に接続したリアクタを介して交流電源を短絡する手段を設けたモータ駆動回路が開示されている。短絡手段は、交流電源のゼロクロス時から所定のディレイ時間Tdを起点として、制御信号のパルス幅Twによって設定される期間に短絡動作を行う。電源電圧Vsの半周期に一回もしくは複数回、電源を短絡して力率を改善することにより、電源電圧変動が生じても電源装置の力率を最大値に保ちながら、インバータ回路に供給される直流電圧Vdを一定に制御できる。
特開2008−54811号公報 特開2004−72806号公報
洗濯機の機能向上を実現するために、例えば、脱水工程におけるドラムモータの回転をより高速化して、例えば、最高回転数を従来の1200r/minから1600r/minへ向上させることが要望されている。但し、コストの増大や、省エネルギーを考慮すると、モータを大型化することなく高速回転を可能にすることが望まれる。
しかし、モータを大型化することなく回転をより高速化させるためには、モータに対する供給電力を増大させる必要がある。一方、供給電力を増大させるとインバータ回路に供給する直流電圧の低下が伴う。特に、脱水工程と乾燥工程とを含む運転時における脱水工
程において、ドラムモータ及び圧縮機モータを同時に駆動する並行駆動期間には、直流電源電圧の低下は非常に大きくなる。
また、乾燥工程において、電源電圧の低下や、ヒートポンプ用の圧縮機モータ出力増大に伴い直流電圧が低下する状況下でも、循環ファンを安定動作させるために直流電圧を維持することが望まれる。
このような直流電圧の低下を回避して十分なレベルの直流電圧を維持し、ドラムモータ等に十分な電力を供給するために、昇圧回路により直流電圧を昇圧制御することを検討した。しかし、昇圧回路の使用においては、電源電圧の変動により、整流回路や短絡回路に使用する短絡素子などの温度が上昇し、部品のスペックをオーバーする恐れがあるため、洗濯、乾燥の各工程に対応した適切な制御が必要である。しかしながら、特許文献1及び2に開示された技術は、このような要求に応じるものではない。
従って、本発明は、インバータ回路に供給する直流電圧を、状況に応じた適切な条件で昇圧制御することが可能なモータ駆動装置を備えたドラム式洗濯機を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のドラム式洗濯機は、水平方向または傾斜方向に回転中心軸を有する回転ドラムと、前記回転ドラムを回転可能に保持している水槽と、前記回転ドラムを回転駆動するドラムモータと、交流電源からの交流を整流する整流回路と、前記整流回路の出力端子に接続された平滑コンデンサと、前記平滑コンデンサに並列に接続され、前記ドラムモータを駆動制御する第1インバータ回路と、前記交流電源の一端と前記整流回路入力側の一端に直列に接続されたリアクタ、前記リアクタの一端と前記整流回路入力側の一端との間に一端が接続された短絡制御素子、及び前記短絡制御素子の他端に一端が接続され、他端が前記交流電源の他端と前記整流回路入力側の他端とに接続された、前記短絡制御素子を通電する電流を検出する電流検出回路を有する短絡回路と、前記交流電源の電圧のゼロクロスを検出するゼロクロス検出回路と、前記第1インバータ回路を駆動するとともに、一連の洗濯動作を制御する制御部とを備える。
前記制御部は、前記ドラムモータの回転数を検知する回転数検知部と、前記平滑コンデンサの両端に出力される直流電圧Vdを検知する直流電圧検知部と、前記短絡制御素子を導通させる短絡信号を生成する短絡信号生成部を具備する。前記短絡信号生成部は、少なくとも脱水工程の一部期間において、前記短絡信号を前記交流電源電圧のゼロクロス検出点を起点として生成し、前記短絡信号のパルス幅Twと、前記ドラムモータの目標回転数Ntと、前記ドラムモータの目標回転数Ntに応じて設定された前記直流電圧Vdの目標電圧Vtを、前記電流検出回路に流れる電流Idと前記短絡信号の生成時間Tpに基づいて設定する。
本発明のドラム式洗濯機によれば、前記短絡信号を前記交流電源電圧のゼロクロス検出点を起点として生成し、前記短絡信号のパルス幅Twと、前記ドラムモータの目標回転数Ntと、前記ドラムモータの目標回転数Ntに応じて設定された前記直流電圧Vdの目標電圧Vtを、前記電流検出回路に流れる電流Idと前記短絡信号の生成時間Tpに基づいて設定されるので、インバータ回路に供給する直流電圧を、状況に応じた適切な条件で昇圧制御することが可能である。
本発明の実施の形態1におけるドラム式洗濯機のモータ駆動装置を示すブロック図 同モータ駆動装置の短絡回路による短絡時の動作を示す図 (a)同モータ駆動装置の短絡回路の動作による全波整流回路への入力電流の変化を示す図(b)短絡回路の無い従来のモータ駆動装置における全波整流回路への入力電流の変化を示す図 同モータ駆動装置の直流電圧の昇圧動作の設定例を説明するための図 従来のヒートポンプによる除湿乾燥方式を用いたドラム式洗濯機の構造を示す断面図 同ドラム式洗濯機の内部背面図
本発明のドラム式洗濯機は、上記構成を基本として以下のような態様をとることができる。
すなわち、上記構成において、少なくとも圧縮機を具備し、前記水槽内の空気を循環経路を通じて導入して除湿及び加熱する乾燥手段と、前記圧縮機を駆動する圧縮機モータと、前記平滑コンデンサに並列に接続され、前記圧縮機モータを駆動制御する第2インバータ回路とを更に備え、前記制御部は、前記第1インバータ回路とともに前記第2インバータ回路を駆動するように構成され、前記制御部は、脱水工程と乾燥工程とを含む運転を行うために前記ドラムモータ及び前記圧縮機モータを同時に並行駆動する際に、前記短絡回路を動作させて前記直流電圧Vdを昇圧させるように制御を行うことが好ましい。
また、前記制御部は、前記短絡信号を前記交流電源電圧のゼロクロス検出点を起点として生成し、前記短絡信号のパルス幅Twと、前記ドラムモータの目標回転数Ntと、前記ドラムモータの目標回転数Ntに応じて設定された前記直流電圧Vdの目標電圧Vtを、前記電流検出回路に流れる電流Idと前記短絡信号の生成時間Tpに基づいて設定することができる。
また、少なくとも圧縮機を具備し、前記水槽内の空気を循環経路を通じて導入して除湿及び加熱する乾燥手段と、前記圧縮機を駆動する圧縮機モータと、前記平滑コンデンサに並列に接続され、前記圧縮機モータを駆動制御する第2インバータ回路とを更に備え、前記制御部は、前記第1インバータ回路とともに前記第2インバータ回路を駆動するように構成され、前記制御部は、乾燥工程のために前記圧縮機モータを回転駆動する際に、前記短絡信号を前記交流電源電圧のゼロクロス検出点を起点として生成し、前記短絡信号のパルス幅Twと、前記圧縮機モータの回転数Nt′を、前記電流検出回路に流れる電流Idと前記短絡信号の生成時間Tpに基づいて設定することができる。
また、基板内の温度を検出できるサーミスタを具備し、前記制御部は、サーミスタの値と、前記電流検出回路に流れる電流Idと前記短絡信号の生成時間Tpに基づいて、前記短絡信号のパルス幅Twを設定することができる。
また、前記制御部は、前記電流検出回路に流れる電流Idと前記短絡信号の生成時間Tpにより算出された値により、前記直流電圧Vdが前記目標電圧Vtに応じて昇圧できない場合に、前記ドラムモータの目標回転数Ntまたは前記圧縮機モータの回転数Nt′を低減することが好ましい。
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態におけるドラム式洗濯機のモータ駆動装置を示すブロック図である。なお、本実施の形態におけるドラム式洗濯機の全体構成は、図5及び図6に示したものと同様である。また、ドラム式洗濯機としての基本的動作および作用についても従来のものと同様であるので、説明は省略する。本発明のドラム式洗濯機の特徴ある構成であるモータ駆動装置について、以下に詳しく説明する。
モータ駆動装置は、ドラムモータ7、循環ファン14(図5参照)駆動用のファンモータ、及び熱交換部15(図6参照)用の圧縮機モータの駆動を制御する機能を有するが、図1には、ドラムモータ7及び圧縮機モータ20の駆動に関与する部分のみを示す。ドラムモータ7及び圧縮機モータ20はそれぞれ、3相巻線を有するステータと、2極の永久磁石を有するロータとを備えた永久磁石同期モータである。
ドラムモータ7には、ロータ位置を検出する3つのロータ位置検出素子21a、21b、21cが設けられている。ロータ位置検出素子21a〜21cは、ロータ磁極位置に対応して電気角60度毎のロータ位置信号を出力する。ドラムモータ7は、第1インバータ回路22により回転駆動される。第1インバータ回路22は、6個のスイッチング素子23を3相ブリッジ接続して構成され、各スイッチング素子23に並列にフライホイールダイオード24が接続されている。各スイッチング素子23のオン/オフ状態は、第1駆動回路25によりPWM制御される。
一方、圧縮機モータ20は、第2インバータ回路26により回転駆動される。圧縮機モータ20にはロータ位置検出素子はなく、例えば、電流検出手段からの信号に基づいて位置センサレス正弦波駆動制御される。第2インバータ回路26は、第1インバータ回路22と同様、6個のスイッチング素子27を3相ブリッジ接続して構成され、各スイッチング素子27に並列にフライホイールダイオード28が接続されている。各スイッチング素子27のオン/オフ状態は、第2駆動回路29によりPWM制御される。
なお、実際にはこのモータ駆動装置には、循環ファン14用のファンモータを駆動するための第3インバータ回路及び第3駆動回路も設けられているが、その構成および動作は、第2インバータ回路26及び第2駆動回路と同様であるため、図示及び説明は省略する。
第1駆動回路25及び第2駆動回路29は、制御部30による制御を受けて動作する。制御部30には、ドラムモータ7のロータ位置検出素子21a〜21cが出力するロータ位置信号が入力される。このロータ位置信号に基づき、第1駆動回路25が各スイッチング素子23のオン/オフ状態をPWM制御することにより、ドラムモータ7のステータの3相巻線に対する通電が制御され、ロータが同期回転駆動される。制御部30はさらに、図示しないが、3つのロータ位置検出素子21a〜21cからのロータ位置信号に基づき、ロータの回転数、すなわちドラムモータ7の回転数Ndを検出する回転数検知部を有する。回転数検知部は、3つのロータ位置信号の状態が変わるたびにその周期を検出し、その周期からドラムモータ7の回転数Ndを算出する。
第1及び第2インバータ回路22、26に対する電力の供給は、交流電源31、短絡回路32及び整流部33により行なわれる。すなわち、交流電源31から供給される交流電圧Vsから、短絡回路32及び整流部33により直流電圧Vdが生成されて、第1及び第2インバータ回路22、26に印加される。
短絡回路32は、交流電源31と整流部33の間に直列に接続されたリアクタ34と、リアクタ34を介して交流電源31に並列に接続された短絡制御素子35、電流検出回路40により構成される。短絡制御素子35は、例えば、ダイオードブリッジとIGBTも
しくは、バイポーラトランジスタ、MOSFETなどの電力半導体スイッチング素子で構成することができる。電流検出回路40は抵抗素子などの発生する電圧を制御部30に入力するなどで構成することができる。
整流部33は、全波整流回路36(整流回路)を備え、全波整流回路36には、平滑コンデンサ37、38の直列回路が並列に接続されている。平滑コンデンサ37、38の両端の直流電圧Vdが、第1インバータ回路22及び第2インバータ回路26に印加され、直流電力が3相交流電力に変換されて、ドラムモータ7及び圧縮機モータ20に供給される。
また、ゼロクロス検出回路39が設けられ、交流電源31の両端の交流電圧Vsが入力される。ゼロクロス検出回路39は、交流電圧Vsがゼロクロス点を通過し極性が変わるタイミングで、High信号からLow信号に、もしくはLow信号からHigh信号に切り替わるゼロクロス検出信号を出力し、制御部30に供給する。
制御部30はまた、平滑コンデンサ37、38の両端の直流電圧Vd、従って、第1及び第2インバータ回路22、26に印加される直流電圧Vdを検出する直流電圧検知部を備えている。さらに制御部30は短絡信号生成部を備え、少なくとも脱水工程の一部期間において、短絡回路32の短絡制御素子35を導通させるための短絡信号Psを生成する。
以上の構成を有するモータ駆動装置は、短絡回路32の動作に特徴を有する。短絡回路32は、短絡制御素子35が導通することにより、リアクタ34を介して交流電圧Vsを短絡させる。その短絡状態では交流電圧Vsの電力がリアクタ34に蓄積され、短絡制御素子35がオフとなったときに、蓄積された電力が整流部33に供給される。供給された電力は全波整流回路36により直流に変換され平滑コンデンサ37、38を充電して、出力直流電圧Vdを上昇させる。
本発明のドラム式洗濯機のモータ駆動装置は、このような昇圧動作を効果的に行うために、制御部30の短絡信号生成部は、ゼロクロス検出回路39が検出するゼロクロス検出点を起点として、電源電圧Vsの半周期毎に短絡信号Psを生成する。また、前記短絡信号のパルス幅Twと、ドラムモータ7の目標回転数Ntと、ドラムモータ7の目標回転数Ntに応じて設定された直流電圧Vdの目標電圧Vtとは、電流検出回路40に流れる電流Idと短絡信号Psの生成時間Tpに基づいて設定される。
例えば、電流検出回路40に流れる電流Idと短絡信号Psの生成時間Tpを積算することにより、基準の電力量以上を消費するようであれば、ドラムモータ7の目標回転数Nt、あるいは圧縮機モータ20の回転数Nt′を低下させ、基準電力量以上のエネルギーが発生しないように制御するものである。短絡制御素子35の発熱は、電流検出回路40に流れる電流Idは2乗、前記短絡信号の生成時間Tpに比例するため、基準で定めた電力量と比較し、部品の発熱を推測することが可能である。
特に、高速回転を実施する脱水工程では、エネルギーが最大となるため、脱水終了までの残時間を考慮し、脱水終了までの電力量を推測し、事前にドラムモータ7の目標回転数Ntを低下させ、ドラムモータ7の回転に必要な直流電圧Vdの目標電圧Vtを再設定することで、電圧変動など外部要因が発生した場合でも、部品のスペック内で使用することができ、事前に前記短絡信号の生成時間Tpを制限する必要もないため、最大限の効率で運転させることが可能である。
短絡回路32の動作の例を、図2に示す。交流電源31の電圧Vsのゼロクロス検出点
を起点として半周期毎に、パルス幅Twの短絡信号Psが生成される。短絡信号PsのHigh期間に短絡制御素子35が導通して交流電圧Vsによる短絡電流が流れ、リアクタ34に電力が蓄積される。短絡信号PsがLowになると、リアクタ34に蓄積された電力に基づく補助入力電流Iaが、全波整流回路36に流される。交流電圧Vsによる電流に補助入力電流Iaが重畳されて全波整流回路36への入力電流が形成される。補助入力電流Iaを重畳させることにより、平滑コンデンサ37、38の両端の直流電圧Vdを上昇させることができる。
図3(a)には、補助入力電流Iaにより、全波整流回路36への入力電流Ibが増大する様子を示す。図3(b)には比較のため、短絡回路32を動作させない場合の全波整流回路36への入力電流Ibを示す。
脱水工程では、図4に示すように、各段階での目標回転数Ntに応じた昇圧制御が行われる。図4は、脱水工程の各段階における目標回転数Ntを示す。横軸が工程の各段階を示し、予備脱水、布はがし、本脱水の順に処理が行なわれる。予備脱水ではNt=320r/minであり、布はがしでは更に低回転数であるため、昇圧制御は不要である。なお、布はがしの段階から、ヒートポンプ動作のために圧縮機の駆動が開始される。
本脱水の段階では、漸次回転数を上昇させる制御が行われる。この段階では、ドラムモータ7と圧縮機モータ20の並行運転が行なわれるので、直流電圧Vdが低下する場合がある。従って、本脱水の段階に入ったら昇圧動作を行うことが望ましい。そのため、ドラムモータ7の目標回転数Ntに応じて昇圧する目標電圧Vtを変化させる。例えば、目標回転数Ntが420r/minまでの期間には昇圧制御を行わない。目標回転数Ntが420〜1600r/minである期間には、目標電圧Vtを300Vとして短絡信号Psのパルス幅Twを制御する。420r/minまでの期間に昇圧制御を行わないのは、低回転数の状態ではリアクタ34が発生するうなり音が目立つためであり、昇圧する必要性も低いからである。
乾燥工程では、昇圧することにより循環ファン14の回転数を上げるように制御する。この時の目標電圧Vtは、例えば250V程度とする。それにより、電源低下や圧縮機モータ入力が増えて直流電圧が低下しても、循環ファン14を安定動作させることができる。
乾燥工程でも、脱水工程と同様に、昇圧動作を効果的に行うために、制御部30の短絡信号生成部は、ゼロクロス検出回路39が検出するゼロクロス検出点を起点として、電源電圧Vsの半周期毎に短絡信号Psを生成する。また、短絡信号Psのパルス幅Twと、圧縮機モータ20の回転数Nt′とは、電流検出回路40に流れる電流Idと短絡信号Psの生成時間Tpに基づいて設定される。 特に乾燥工程では、運転時間が長いため、電力量により、飽和温度を推測し、飽和温度以上になるようであれば、圧縮機モータ20の回転数Nt′、もしくは循環ファンモータの回転数を低下させ、最適な短絡信号Psのパルス幅Twと、電流検出回路40に流れる電流Idになるように設定することにより、電圧変動など外部要因が発生した場合でも、部品のスペック内で使用することができ、事前に短絡信号Psの生成時間Tpを制限する必要もないため、最大限の効率で運転させることが可能である。
また、基板内の温度を検出できるサーミスタを具備し、前記サーミスタの値により、短絡制御素子35などの発熱を換算する際に、基板内温度分をオフセットさせ、電流検出回路40に流れる電流Idと短絡信号Psの生成時間Tpに基づいて、上記のように電力量を推測し、短絡信号Psのパルス幅Twを設定することで、さらに精度よく検知を行うことが可能である。
以上のように、本実施の形態のドラム式洗濯機は、リアクタ34と短絡制御素子35からなる短絡回路32を備え、短絡制御素子35を導通させる短絡信号Psを、交流電源31の電圧のゼロクロス検出点を起点として生成する。そして、前記短絡信号生成部は、短絡信号Psを交流電源31の電圧のゼロクロス検出点を起点として生成し、短絡信号Psのパルス幅Twと、ドラムモータ7の目標回転数Ntと、ドラムモータ7の目標回転数Ntに応じて設定された直流電圧Vdの目標電圧Vtを、電流検出回路40に流れる電流Idと短絡信号Psの生成時間Tpに基づいて設定される。
これにより、第1及び第2インバータ回路22、26等に供給する直流電圧Vdを、状況に応じた適切な条件で昇圧制御することが可能であり、ドラムモータ7、循環ファン14駆動用のファンモータ、及び熱交換部用の圧縮機モータ20の駆動を、最大限の効率で制御することが可能である。
以上のように、本発明のドラム式洗濯機によれば、インバータ回路に対して直流電圧を安定して供給することが可能であり、ヒートポンプによる除湿乾燥方式を用いた洗濯機に有用である。
1 洗濯機本体
2 水槽
3 回転ドラム
4 衣類出入口
5 扉
6 透孔
7 ドラムモータ
8 注水管路
9 排水管路
10 操作パネル
11 循環送風経路
12 蒸発器
13 凝縮器
14 循環ファン
15 熱交換部
16 循環空気導入管路
17 送風管路
18 フィルタ
20 圧縮機モータ
21a、21b、21c ロータ位置検出素子
22 第1インバータ回路
23、27 スイッチング素子
24、28 フライホイールダイオード
25 第1駆動回路
26 第2インバータ回路
29 第2駆動回路
30 制御部
31 交流電源
32 短絡回路
33 整流部
34 リアクタ
35 短絡制御素子
36 全波整流回路(整流回路)
37、38 平滑コンデンサ
39 ゼロクロス検出回路
40 電流検出回路

Claims (3)

  1. 水平方向または傾斜方向に回転中心軸を有する回転ドラムと、前記回転ドラムを回転可能に保持している水槽と、前記回転ドラムを回転駆動するドラムモータと、交流電源からの交流を整流する整流回路と、前記整流回路の出力端子に接続された平滑コンデンサと、前記平滑コンデンサに並列に接続され、前記ドラムモータを駆動制御する第1インバータ回路と、前記交流電源の一端と前記整流回路入力側の一端に直列に接続されたリアクタ、前記リアクタの一端と前記整流回路入力側の一端との間に一端が接続された短絡制御素子、及び前記短絡制御素子の他端に一端が接続され、他端が前記交流電源の他端と前記整流回路入力側の他端とに接続された、前記短絡制御素子を通電する電流を検出する電流検出回路を有する短絡回路と、前記交流電源の電圧のゼロクロスを検出するゼロクロス検出回路と、前記第1インバータ回路を駆動するとともに、一連の洗濯動作を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記ドラムモータの回転数を検知する回転数検知部と、前記平滑コンデンサの両端に出力される直流電圧Vdを検知する直流電圧検知部と、前記短絡制御素子を導通させる短絡信号を生成する短絡信号生成部を具備し、前記短絡信号生成部は、少なくとも脱水工程の一部期間において、前記短絡信号を前記交流電源電圧のゼロクロス検出点を起点として生成し、前記短絡信号のパルス幅Twと、前記ドラムモータの目標回転数Ntと、前記ドラムモータの目標回転数Ntに応じて設定された前記直流電圧Vdの目標電圧Vtを、前記電流検出回路に流れる電流Idと前記短絡信号の生成時間Tpに基づいて設定することを特徴とするドラム式洗濯機。
  2. 少なくとも圧縮機を具備し、前記水槽内の空気を循環経路を通じて導入して除湿及び加熱する乾燥手段と、前記圧縮機を駆動する圧縮機モータと、前記平滑コンデンサに並列に接続され、前記圧縮機モータを駆動制御する第2インバータ回路とを更に備え、前記制御部は、前記第1インバータ回路とともに前記第2インバータ回路を駆動するように構成され、前記短絡信号生成部は、乾燥工程において、前記短絡信号を前記交流電源電圧のゼロクロス検出点を起点として生成し、前記短絡信号のパルス幅Twと、前記圧縮機モータの回転数Nt′を、前記電流検出回路に流れる電流Idと前記短絡信号の生成時間Tpに基づいて設定することを特徴とする請求項1記載のドラム式洗濯機。
  3. 基板内の温度を検出できるサーミスタを具備し、前記制御部は、サーミスタの値と、前記電流検出回路に流れる電流Idと前記短絡信号の生成時間Tpに基づいて、前記短絡信号のパルス幅Twを設定する請求項1または2に記載のドラム式洗濯機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015208391A (ja) * 2014-04-24 2015-11-24 株式会社東芝 洗濯機
JPWO2016020980A1 (ja) * 2014-08-05 2017-04-27 三菱電機株式会社 電力変換装置

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