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JP2013534141A - 予備消化された栄養フォーミュラ - Google Patents

予備消化された栄養フォーミュラ Download PDF

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JP2013534141A JP2013523384A JP2013523384A JP2013534141A JP 2013534141 A JP2013534141 A JP 2013534141A JP 2013523384 A JP2013523384 A JP 2013523384A JP 2013523384 A JP2013523384 A JP 2013523384A JP 2013534141 A JP2013534141 A JP 2013534141A
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Abstract

本発明は、予備消化された栄養フォーミュラの調製のための方法ならびにその予備消化された液体栄養フォーミュラおよび予備消化された栄養フォーミュラの調製のためのキットに関する。当該予備消化された栄養フォーミュラは、消化酵素と、炭水化物、脂質、タンパク質および水の混合物を含む液体栄養組成物とを含む。

Description

関連出願の相互参照
本願は、2010年8月6日に出願された米国仮特許出願第61/371,608号および2011年3月31日に出願された米国仮特許出願第61/470,094号の優先権を主張しており、これらの仮特許出願の各々は、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に援用される。
本発明は、予備消化された栄養フォーミュラに関する。本発明はまた、予備消化された栄養フォーミュラの調製のための方法において、その予備消化された栄養フォーミュラを形成するために、消化酵素と、炭水化物、脂質、タンパク質および水の混合物を含む液体栄養組成物とを混合するステップを含む方法に関する。
患者に適した薬物投薬は、医療分野における重要な課題である。特に幼児、より小さい子供、および老人患者については、さらに時には成人層についても、薬物の投与および投薬方法が、しばしば実質的な問題を呈する。当該技術分野においてよく知られているように、薬物は、多くの形態(例えば、液体、固体、および液体中固体の組み合わせ)で提供され、多くのやり方で(例えば、経口により、注入により、経皮により)患者に投与される。
米国食品医薬品局(Food and Drug Administration:FDA)により200,000人を超える米国人が患っていると推定されている膵外分泌機能不全(exocrine pancreatic insufficiency:EPI)の場合、患者は、膵臓により生成される消化酵素の不足により食物を適切に消化することができない。消化酵素のそうした減少は、栄養素の消化不良および吸収不良などの障害に繋がり、これらは、栄養失調およびそれと関連する他の結果として生じる望ましくない生理学的状態に繋がる。これらの障害は、嚢胞性線維症(cystic fibrosis:CF)および膵臓の外分泌機能に欠陥を生じさせる他の状態(例えば、膵癌、膵切除、および膵炎)を患う人々に共通している。この栄養失調は、未処置のままにされると、特に幼児およびCF患者の場合には、生命を脅かし得、これらの障害は、小児の成長障害、免疫応答障害(compromised immune response)、および平均余命の短縮に繋がる。
消化酵素(例えば、パンクレリパーゼおよび他の膵酵素製品(pancreatic enzymes products:PEPs)は、EPIを少なくとも部分的に治療するために投与され得る。消化酵素サプリメントの投与は、患者がより効果的に食物を消化することを可能にする。
消化酵素(例えば、パンクレリパーゼ(Zenpep(登録商標)、Creon(登録商標)およびPancreaze(登録商標))を含有するカプセルが、経口投与用に開発されている。しかしながら、患者がそうしたカプセルを嚥下できない場合は、それぞれのカプセルが開けられ、その内容物が、少量の食物、通常は、柔らかい酸性の食物(例えば、市販のアップルソース)に振り掛けられ、患者にスプーンで経口投与され得る。あるいは、幼児および小児には、そのような薬物は、その内容物をシリンジデバイスでの投与に適した媒体中に懸濁させて含有するシリンジデバイスを用いて経口投与され得る。
小児および成人のEPI患者を含む一部の患者には、胃造瘻チューブおよびより小さい口径の経腸栄養チューブ(例えば、経鼻胃および経空腸栄養チューブ)を介した経腸栄養が必要であることも認識されている。したがって、消化酵素を経口により摂取することができないそのような患者への消化酵素(例えば、パンクレリパーゼ)の投与に対する明らかな必要性がある。さらに、消化酵素が微粒子形態でありかつ投与のために栄養フォーミュラ中に加えられる場合において、問題点としては、どのようにして確実に消化酵素が栄養フォーミュラ中のその消化酵素に感受性がある成分に対してそれらの酵素活性を効果的に発揮するようにするか、およびどのようにしてその微粒子による経腸栄養の潜在的な妨害を未然に防ぐかが挙げられる。
EPIを処置するために使用されるパンクレリパーゼは、主として、3つの酵素クラス、すなわち、リパーゼ、プロテアーゼおよびアミラーゼの組み合わせを、それらの種々の補因子および補酵素と一緒にしたものである。これらの酵素は、膵臓で自然に産生され、脂肪、タンパク質および炭水化物の消化において重要である。パンクレリパーゼは、典型的にはブタの膵腺から調製されるが、他の供給源、例えば、それぞれあらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に援用される、米国特許第6,051,220号明細書、米国特許出願公開第2004/0057944号明細書、米国特許出願公開第2001/0046493号明細書、および国際公開第2006/044529号パンフレットに記載されているものもまた使用され得る。これらの酵素は、グリセロールおよび脂肪酸への脂肪の加水分解、デキストリンおよび糖へのデンプンの加水分解、ならびにアミノ酸および誘導物質へのタンパク質の加水分解を触媒する。
膵酵素は、ほぼ中性の条件および僅かにアルカリ性の条件下で最適な活性を示す。胃条件下において、膵酵素は不活性化され得、結果として生物学的活性を失うことになる。したがって、外因的に投与される酵素は、一般的に、胃不活性化から保護され、それらが胃を通って十二指腸へ移行する間、元のままの状態を保つ。したがって、膵酵素をコーティングすることが望ましい。膵リパーゼは、胃不活性化に対して最も感受性が高く、かつ吸収不良の処置における重要な酵素である。リパーゼを含有する酵素組成物の安定性を決定するために、典型的に、リパーゼ活性がモニタリングされる。Ortenziらに対して発行された米国特許第7,658,918号明細書の全内容が、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に明示的に援用されるのであるが、これは、安定な消化酵素組成物について記述するものであり、経口投与される特定の微粒子薬物を、患者の胃を通過しその後腸内で放出するように設計することを説明している。患者、特に幼児および小児への、そのよう微粒子薬物の適切な投薬量の投与は、可能な限り正確であるべきである。
前述のことに鑑みて、予備消化された栄養配合物、特には、経腸栄養チューブの閉塞の何らのまたは限られた可能性(susceptibility)もなしに経腸投与が可能であるような、効果的に消化された栄養配合物を調製するための、実用的で、安価で、簡単で、かつ効果的な方法に対する必要性がある。
本発明は、予備消化された栄養配合物を調製する方法において、そのようなものから利益を得ることになるような患者へのその経腸投与に先立つ液体栄養組成物の予備消化を達成するために、消化酵素と液体栄養組成物とを混合するステップを含むことを特徴とする方法に関する。本発明はまた、予備消化された栄養配合物に関する。上述の一般的な説明および以下の詳細な説明は、どちらも本発明を限定するものではなく例示するものであることが理解されるべきである。
本発明は、添付の以下の図と関連して読まれる場合に、以下の発明を実施するための形態から最も良く理解される。
図1は、ブレンディング前の、液体食+パンクレリパーゼMCT。 図2は、16,500rpmでの1分間のブレンディング後の、液体食+パンクレリパーゼMTC。 図3は、液体食+パンクレリパーゼMCTのホモジネート(16,500rpmでの1分間のブレンディング)の濾過後のガラスフィルターるつぼ上の残渣。 図4は、15,500rpmでの1分間のブレンディング後の、液体食+パンクレリパーゼMTC。 図5は、液体食(Ensure Plus(登録商標))+パンクレリパーゼMTCのホモジネート(15,500rpmでの1分間のブレンディング)の濾過後のガラスフィルターるつぼ上の残渣。 図6は、15,500rpmでの2分間のブレンディング後の、液体食+パンクレリパーゼMTC。 図7は、液体食(Ensure Plus(登録商標))+パンクレリパーゼMTCのホモジネート(15,500rpmでの2分間のブレンディング)の濾過後のガラスフィルターるつぼ上の残渣。 図8は、液体食中でのリパーゼの放出および安定性のグラフ。 図9は、脂肪分解の間のpHおよび温度の動態。 図10は、実験3における各脂肪分解生成物の濃度のプロット。 図11は、実験3におけるTAG動態。 図12は、脂肪分解は、パンクレリパーゼMTCについてのレベル1(L1)およびレベル(L2)である。 図13は、室温における5mLの8.4%重炭酸ナトリウム中のパンクレリパーゼマイクロ錠剤(約5,000リパーゼUPS単位)−時間0。 図14は、室温における5mLの8.4%重炭酸ナトリウム中のパンクレリパーゼマイクロ錠剤(約5,000リパーゼUPS単位)−10分。 図15は、室温における5mLの8.4%重炭酸ナトリウム中のパンクレリパーゼマイクロ錠剤(約5,000リパーゼUPS単位)−20分。 図16は、室温における5mLの8.4%重炭酸ナトリウム中のパンクレリパーゼマイクロ錠剤(約5,000リパーゼUPS単位)−35分。 図17は、室温における5mLの8.4%重炭酸ナトリウム中のパンクレリパーゼマイクロ錠剤(約5,000リパーゼUPS単位)−45分。 図18は、室温における5mLの8.4%重炭酸ナトリウム中のパンクレリパーゼマイクロ錠剤(約5,000リパーゼUPS単位)−55分。 図19は、室温における5mLの8.4%重炭酸ナトリウム中のパンクレリパーゼマイクロ錠剤(約5,000リパーゼUPS単位)−時間0。 図20は、室温における5mLの8.4%重炭酸ナトリウム中のパンクレリパーゼマイクロ錠剤(約5,000リパーゼUPS単位)−10分。 図21は、室温における5mLの8.4%重炭酸ナトリウム中のパンクレリパーゼマイクロ錠剤(約5,000リパーゼUPS単位)−20分。 図22は、室温における5mLの8.4%重炭酸ナトリウム中のパンクレリパーゼマイクロ錠剤(約5,000リパーゼUPS単位)−20分間の浸漬時間後に撹拌した溶液。 図23は、室温における5mLの8.4%重炭酸ナトリウム中のパンクレリパーゼミニ錠剤(約5,000リパーゼUPS単位)−時間0。 図24は、室温における5mLの8.4%重炭酸ナトリウム中のパンクレリパーゼミニ錠剤(約5,000リパーゼUPS単位)−10分。 図25は、室温における5mLの8.4%重炭酸ナトリウム中のパンクレリパーゼミニ錠剤(約5,000リパーゼUPS単位)−20分。 図26は、室温における5mLの8.4%重炭酸ナトリウム中のパンクレリパーゼミニ錠剤(約5,000リパーゼUSP単位)−20分間の浸漬時間後に撹拌した溶液。 図27は、室温における5mLの8.4%重炭酸ナトリウム中のパンクレリパーゼミニ錠剤(約5,000リパーゼUPS単位)−30分。 図28は、室温における5mLの8.4%重炭酸ナトリウム中のパンクレリパーゼミニ錠剤(約5,000リパーゼUPS単位)−30分間の浸漬時間の終わりに撹拌した溶液。 図29は、室温における5mLの13%重炭酸ナトリウム中のパンクレリパーゼマイクロ錠剤(約5,000リパーゼUPS単位)−時間0。 図30は、室温における5mLの13%重炭酸ナトリウム中のパンクレリパーゼマイクロ錠剤(約5,000リパーゼUPS単位)−10分。 図31は、室温における5mLの13%重炭酸ナトリウム中のパンクレリパーゼマイクロ錠剤(約5,000リパーゼUPS単位)−20分。 図32は、室温における5mLの0.65%重炭酸ナトリウム中のパンクレリパーゼマイクロ錠剤(約5,000リパーゼUPS単位)−時間0。 図33は、室温における5mLの0.65%重炭酸ナトリウム中のパンクレリパーゼマイクロ錠剤(約5,000リパーゼUPS単位)−35分。 図34は、室温における5mLの8.4%重炭酸ナトリウム中のパンクレリパーゼマイクロ錠剤(約40,000リパーゼUPS単位U)−時間0。 図35は、室温における5mLの8.4%重炭酸ナトリウム中のパンクレリパーゼマイクロ錠剤(約40,000リパーゼUPS単位)−20分。 図36は、室温における5mLの8.4%重炭酸ナトリウム中のパンクレリパーゼマイクロ錠剤(約40,000リパーゼUPS単位)−45分。 図37は、4℃における5mLの8.4%重炭酸ナトリウム中のパンクレリパーゼマイクロ錠剤(約40,000リパーゼUPS単位)−時間0。 図38は、4℃における5mLの8.4%重炭酸ナトリウム中のパンクレリパーゼマイクロ錠剤(約40,000リパーゼUPS単位)−45分。 図39は、室温における5mLの8.4%重炭酸ナトリウム中のパンクレリパーゼマイクロ錠剤(約40,000リパーゼUPS単位)−20分。 図40は、室温における15mLの8.4%重炭酸ナトリウム中のパンクレリパーゼマイクロ錠剤(約40,000リパーゼUSP単位)−20分。 図41は、室温における25mLの8.4%重炭酸ナトリウム中のパンクレリパーゼマイクロ錠剤(約40,000リパーゼUSP U)−20分。 図42は、室温における25mLの8.4%重炭酸塩溶液中のパンクレリパーゼペレット(約40,000リパーゼUSP単位)−時間0。 図43は、室温における25mLの8.4%重炭酸塩溶液中のパンクレリパーゼペレット(約40,000リパーゼUSP単位)−20分。 図44は、室温における25mLの8.4%重炭酸塩溶液中のパンクレリパーゼペレット(約40,000リパーゼUSP単位)−90分。 図45は、室温における25mLの8.4%重炭酸塩溶液中のパンクレリパーゼペレット(約40,000リパーゼUSP単位)−120分。 図46は、室温/4℃で貯蔵された25mLの8.4%重炭酸ナトリウム溶液中の、40,000リパーゼUPS単位のパンクレリパーゼマイクロ錠剤とパンクレリパーゼ粉末との、残存リパーゼ活性の比較。
本発明は、予備消化された栄養フォーミュラの調製のための方法において、予備消化された栄養フォーミュラを形成するために、消化酵素またはその酵素溶液と、炭水化物、脂質、タンパク質および水の混合物を含む液体栄養組成物とを混合するステップを含むことを特徴とする方法に関する。
本発明の1つの実施形態において、液体栄養組成物への消化酵素またはその酵素溶液の添加のステップが、混合ステップに先立って行われる。
本発明の別の実施形態において、液体栄養組成物への消化酵素の添加のステップが、混合ステップに先立って行われる。
本発明の別の実施形態において、液体栄養組成物への消化酵素溶液の添加のステップが、混合ステップに先立って行われる。
本発明の別の実施形態において、消化酵素は、パンクレリパーゼビーズの形態である。
本発明の別の実施形態において、消化酵素は、腸溶コーティングされたパンクレリパーゼビーズの形態である。
本発明の別の実施形態において、消化酵素は、腸溶コーティングされたパンクレリパーゼビーズの形態であり、混合ステップは、機械的ブレンディングによって行われる。
本発明の別の実施形態において、混合ステップは、パンクレリパーゼビーズおよび液体栄養組成物の機械的ブレンディングによって、その混合物がホモジナイズされるまで行われる。
本発明の別の実施形態において、消化酵素は、薬学的に受容可能な弱塩基性溶液中に懸濁されてその酵素溶液を形成する、腸溶コーティングされたパンクレリパーゼビーズの形態である。
本発明の予備消化された栄養フォーミュラは、消化酵素を含有する任意の好適な経口剤形から出発して調製され得る。好適な剤形の非限定的な例としては、錠剤、カプセル剤、またはサシェ剤(sachet)が挙げられる。特定の実施形態において、剤形は、カプセル剤である。それぞれの剤形は、薬物の消化酵素ビーズを含有する。本発明において、消化酵素ビーズは、そこに含有されている活性酵素を放出するために、薬学的に受容可能な弱塩基性溶液との機械的混合または混合を行い得る任意の種類の微粒子である。用語「ビーズ」は、顆粒、錠剤、球体、ミニ錠剤、マイクロ錠剤、微粒子、微小球、マイクロカプセル、マイクロペレット、および約5mmまでの直径を有する粒子を包含し、当該ビーズは、任意の好適な粒径または形状であり得る。例えば、ビーズは、約50〜5,000μmの粒径範囲を有する「マイクロペレット」の形態であり得る、または約2〜5mmの範囲内の公称(例えば、平均)粒子直径を有する「ミニ錠剤」の形態であり得る。この微粒子は、約2mm未満(例えば、約1〜2mm)の公称(例えば、平均)粒子直径を有する「マイクロ錠剤」であり得る。1.15mmの最小メジアン粒径を有する「ミニ微小球」または2.63mmに最大メジアン粒子を有する「マイクロ錠剤」もまた、本方法に好適である。粒子は、約800μm未満、好ましくは500μm未満、好ましくは約400μm〜約600μmまたは約250μm〜約500μmの平均粒径を有する「マイクロカプセル」の形態であり得る。これらのビーズはまた、400μm以上の体積径(d(v,0.1)(体積分布の10%がこの値よりも低く、かつ90%がこの値よりも高くなるところの直径として定義される)および900μm以下の体積径d(v,0.9)(体積分布の90%がこの値よりも低く、かつ10%がこの値よりも高くなるところの直径として定義される)を有する「マイクロペレット」であり得る。比表面(specific surface)は、8.7cm/g〜19.8cm/gの間の範囲にあり得る。
予備消化された栄養フォーミュラの調製に好適な全ての消化酵素ビーズ、特にパンクレリパーゼ酵素ビーズは、腸溶コーティングによってコーティングされ得る。
語句「腸溶性ポリマー」とは、消化酵素を胃内容物から保護するポリマー、例えば、酸性pHでは安定であるがより高いpHでは急速に分解または溶解し得るポリマー、または、胃腸管の残部と対照的に、消化酵素が胃の中にある間は確実に胃内容物と消化酵素との接触が比較的少なくなるようにするのに十分に水和または浸食の速度が遅いポリマーを意味する。腸溶性ポリマーは、可塑剤およびさらなる賦形剤をさらに含み得る腸溶コーティングの成分である。腸溶性ポリマーの非限定的な例としては、当該技術分野において知られているもの、例えば、変性または未変性の天然ポリマー(例えば、酢酸フタル酸セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、およびシェラック);または合成ポリマー(例えば、アクリルポリマーまたはコポリマー、メタクリル酸ポリマーおよびコポリマー、メタクリル酸メチルコポリマー、ならびにメタクリル酸/メタクリル酸メチルコポリマー)が挙げられる。腸溶コーティングにより、パンクレリパーゼの遅延放出ビーズからなるコアが封入される。こうしたコーティングは、胃の酸性環境から薬物を保護するバリヤーとして機能し、薬物が小腸に到達する前の薬物の放出を実質的に妨げる。コーティングされた安定化された消化酵素粒子は、次いで、カプセル剤に製剤化され得る。安定化された消化酵素粒子の特定剤形の一つは、腸溶コーティングされたパンクレリパーゼ酵素ビーズが充填されたカプセル剤である。
本明細書で使用される用語「消化酵素」とは、食物の成分が生物によって摂取または吸収され得るようにそれらの成分を分解する消化管中の酵素を意味する。消化酵素の非限定的な例としては、パンクレリパーゼ(パンクレアチンとも呼ばれる)、リパーゼ、補リパーゼ、トリプリン、キモトリプシン、キモトリプシンB、膵ペプチダーゼ、カルボキシペプチダーゼA、カルボキシペプチダーゼB、グリセロールエステルヒドロラーゼ、ホスホリパーゼ、ステロールエステルヒドロラーゼ、エラスターゼ、キニノゲナーゼ、リボヌクレアーゼ、デオキシリボヌクレアーゼ、α−アミラーゼ、パパイン、キモパパイン、グルテナーゼ(glutenase)、ブロメライン、フィシン、β−アミラーゼ、セルラーゼ、β−ガラクトシダーゼ、ラクターゼ、スクラーゼ、イソマルターゼ、およびそれらの混合物が含まれる。
本明細書で使用される場合、用語「膵酵素」とは、膵臓分泌物中に存在する酵素種類(例えば、アミラーゼ、リパーゼ、プロテアーゼ、またはそれらの混合物)のうちのいずれか1つまたは酵素活性を有する膵臓起源の任意の抽出物(例えば、パンクレアチン)をいう。
用語「パンクレリパーゼ」または「パンクレリパーゼ酵素」または「パンクレアチン」とは、数種類の酵素(アミラーゼ、リパーゼ、およびプロテアーゼ酵素を含む)の混合物を意味する。パンクレリパーゼは、例えば、Nordmark Arzneimittel GmbH社、またはScientific Protein Laboratories LLC社から市販されている。
用語「リパーゼ」とは、グリセロールおよび単純な脂肪酸への脂質の加水分解を触媒する酵素を意味する。本発明に好適なリパーゼの例としては、動物リパーゼ(例えば、ブタリパーゼ)、細菌リパーゼ(例えば、シュードモナス(Pseudomonas)リパーゼおよび/またはバークホルデリア(Burkholderia)リパーゼ)、真菌リパーゼ、植物リパーゼ、組換えリパーゼ(例えば、組換えDNA技術により、培養下の細菌、酵母、真菌、植物、昆虫または哺乳動物の宿主細胞のいずれか1つから選択される、好適な宿主細胞によって産生されたもの、すなわち、天然に存在する配列と相同または実質的に同一であるアミノ酸配列を含む組換えリパーゼ、天然に存在するリパーゼコード核酸と相同または実質的に同一である核酸によってコードされるリパーゼなど)、合成リパーゼ、化学的に変性されたリパーゼ、およびそれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。用語「脂質」は、脂肪、蝋、ステロール、脂溶性ビタミン(例えば、ビタミンA、D、EおよびK)、モノグリセリド、ジグリセリド、トリグリセリド、リン脂質などを含む、天然に存在する分子を広く包含する。
用語「アミラーゼ」とは、デンプンを分解するグリコシドヒドロラーゼ酵素(例えば、α−アミラーゼ、β−アミラーゼ、γ−アミラーゼ、酸性α−グルコシダーゼ、唾液アミラーゼ(例えば、プチアリン)など)をいう。本発明における使用に適したアミラーゼとしては、動物アミラーゼ、細菌アミラーゼ、真菌アミラーゼ(例えば、アスペルギルス(Aspergillus)アミラーゼ、例えば、アスペルギルス・オリザエ(Aspergillus oryzae)アミラーゼ)、植物アミラーゼ、組換えアミラーゼ(例えば、組換えDNA技術により、培養下の細菌、酵母、真菌、植物、昆虫または哺乳動物の宿主細胞のいずれか1つから選択される、好適な宿主細胞によって産生されたもの、すなわち、天然に存在する配列と相同または実質的に同一であるアミノ酸配列を含む組換えアミラーゼ、天然に存在するアミラーゼコード核酸と相同または実質的に同一である核酸によってコードされるアミラーゼなど)、化学的に変性されたアミラーゼ、およびそれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。
用語「プロテアーゼ」とは、一般的に、タンパク質のアミノ酸間のペプチド結合を破壊する酵素(例えば、プロテイナーゼ、ペプチダーゼ、またはタンパク質分解酵素)をいう。プロテアーゼは、一般的に、それらの触媒型(例えば、アスパラギン酸ペプチダーゼ、システイン(チオール)ペプチダーゼ、メタロペプチダーゼ、セリンペプチダーゼ、トレオニンペプチダーゼ)、アルカリもしくはセミアルカリプロテアーゼ、中性ペプチダーゼ、および未知の触媒機構のペプチダーゼによって特定される。本発明における使用に適したプロテアーゼの非限定的な例としては、セリンプロテアーゼ、トレオニンプロテアーゼ、システインプロテアーゼ、アスパラギン酸プロテアーゼ(例えば、プラスメプシン(plasmepsin))メタロプロテアーゼおよびグルタミン酸プロテアーゼが含まれる。また、本発明における使用に好適なプロテアーゼとしては、動物プロテアーゼ、細菌プロテアーゼ、真菌プロテアーゼ(例えば、アスペルギルス・メレウス(Aspergillus melleus)プロテアーゼ)、植物プロテアーゼ、組換えプロテアーゼ(例えば、組換えDNA技術により、培養下の細菌、酵母、真菌、植物、昆虫または哺乳動物の宿主細胞のいずれか1つから選択される、好適な宿主細胞によって産生されたもの、すなわち、天然に存在する配列と相同または実質的に同一であるアミノ酸配列を含む組換えプロテアーゼ、天然に存在するプロテアーゼコード核酸と相同または実質的に同一である核酸によってコードされるプロテアーゼなど)、化学的に変性されたプロテアーゼ、およびそれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。
本発明のパンクレリパーゼ酵素は、1種以上のリパーゼ(すなわち、1種のリパーゼ、または2種以上のリパーゼ)、1種以上のアミラーゼ(すなわち、1種のアミラーゼ、または2種以上のアミラーゼ)、1種以上のプロテアーゼ(すなわち、1種のプロテアーゼ、2種以上のプロテアーゼ)、ならびにこれらの酵素の異なる組み合わせおよび比での混合物を含み得る。
本発明に有用な組成物中のリパーゼ活性は、約650〜約45,000IU(USP法)、約675〜約825IU、約2,500〜約28,000IU(USP法)、約2,700〜約3,300IU、約4,500〜約5,500IU、約9,000〜約11,000IU、約13,500〜約16,500IU、および約18,000〜約22,000IU、約22,500〜約27,500IU、約36,000〜約44,000IU、ならびにそれらの間の全ての範囲および部分範囲であり得る。当該組成物中のアミラーゼ活性は、約1,600〜約6,575IU(USP)、約6,000〜約225,000IU、例えば、約6,400〜約26,300IU、約10,700〜約43,800IU、約21,500〜約87,500IU、約32,100〜約131,300IU、約42,900〜約175,000IU、約53,600〜約218,700IU、ならびにそれらの間の全ての範囲および部分範囲であり得る。当該組成物中のプロテアーゼ活性は、約1,250〜約3,850IU(USP)、約5,000〜約130,000IU、例えば、約5,000〜約15,400IU、約8,400〜約25,700IU、約16,800〜約51,300IU、約25,000〜約77,000IU、約33,500〜約102,800IU、約41,800IU〜約128,300IUならびにそれらの間の全ての範囲および部分範囲であり得る。リパーゼ活性は約675〜約825IUの範囲にあり、アミラーゼ活性は約1,600〜約6,575IUの範囲にあり、かつプロテアーゼ活性は約1,250〜約3,850IU(USP)の範囲にあり得る。リパーゼ活性は約2,700〜約3,300IUの範囲にあり、アミラーゼ活性は約6,400〜約26,300IUの範囲にあり、かつプロテアーゼ活性は約5,000〜約15,400IU(USP)の範囲にあり得る。あるいは、リパーゼ活性は約4,500〜約5,500IUの範囲にあり、アミラーゼ活性は約10,700〜約43,800IUの範囲にあり、かつプロテアーゼ活性は約8,400〜約25,700IU(USP)の範囲にあり得る。あるいは、リパーゼ活性は約9,000〜約11,000IUの範囲にあり、アミラーゼ活性は約21,500〜約87.500IUの範囲にあり、かつプロテアーゼ活性は約16,800〜約51,300IU(USP)の範囲にあり得る。あるいは、リパーゼ活性は約13,500〜約16,500IUの範囲にあり、アミラーゼ活性は約32,100〜約131,300IUの範囲にあり、かつプロテアーゼ活性は約25,000〜約77,000IU(USP)の範囲にあり得る。リパーゼ活性は、約18,000〜約22,000IUの範囲にあり、アミラーゼ活性は約42,900〜約175,000IUの範囲にあり、かつプロテアーゼ活性は約33,500〜約102,600IU(USP)の範囲にあり得る。リパーゼ活性は、約22,000〜約27,500IUの範囲にあり、アミラーゼ活性は約53,600〜約218,700IUの範囲にあり、かつプロテアーゼ活性は約41,800IU〜約128,300IU(USP)の範囲にあり得る。また、リパーゼ活性は、約5,000PhEurリパーゼ単位〜約30,000PhEurリパーゼ単位の範囲にあり得、これは、約5,000または約10,000または約15,000または約20,000または約30,000または約40,000PhEurリパーゼ単位であってよい。
本発明の1つの実施形態においては、さらに、上に列挙したアミラーゼ活性の一部を含有する単一単位もまた、本方法について分析され得る。
特定の実施形態において、当該組成物中のアミラーゼ/リパーゼ活性の比は、約1〜約10(例えば、約2.38〜約8.75)の範囲にあり得る(酵素アッセイはUSPに準じて行われる)。さらに別の実施形態において、プロテアーゼ/リパーゼの比は、約1〜約8(例えば、約1.86〜約5.13)の範囲にあり得る(酵素アッセイはUSPに準じて行われる)。さらに他の実施形態において、アミラーゼ/リパーゼ活性の比は、約1、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、または約10である。
Aptalis Pharmaは、本発明において使用され得る腸溶コーティングされたパンクレリパーゼ酵素ビーズ薬物の少なくとも一部を販売している。例えば、Aptalis Pharmaは、EUR−1008という名称およびZenpep(登録商標)という登録商標で、患者における膵外分泌機能不全(EPI)の処置のための遅延放出カプセル剤を販売している。経口投与用Zenpep(登録商標)カプセルは、それぞれ、腸溶コーティングされたビーズ(750、3,000、5,000USP単位のリパーゼについては1.8〜1.9mm、10,000、15,000、20,000および40,000USP単位のリパーゼについては2.2〜2.5mm)を含有する。
Aptalis Pharmaの製剤は、失われた酵素の代わりを補い、消化および吸収を改善し、かつ米国薬局方の基準を満たす。腸溶コーティングされたパンクレリパーゼ酵素を含有するZenpep(登録商標)カプセルは、ヒドロキシプロピル−メチルセルロースからなっており、約6%以下、好ましくは約2%以下の含水率を有している。この製品の不活性成分は、クロスカルメロースナトリウム、水素添加ヒマシ油、コロイド状二酸化ケイ素、微結晶性セルロース、ステアリン酸マグネシウム、ヒプロメロースフタル酸エステル、タルク、およびクエン酸トリエチルを含む。Aptalis Pharmaの製剤は、極めて安定な配合物であるため、その各用量は、一貫した量の主要膵酵素リパーゼ、プロテアーゼ、およびアミラーゼを、患者および医師に提供する。カプセル剤は開けられ、その内容物を分割して、用量を個別に滴定し得る。これらの特徴は、ヘルスケア専門家が、処置レジメンを微調整して、改善された投薬精度で最適な症状制御を達成することを可能にする。
本発明の特定の実施形態において、パンクレリパーゼ酵素は、経腸栄養用栄養フォーミュラに導入される。この手順は、炭水化物、脂質、タンパク質、微量養分、微量元素、繊維および水の混合物を含む液体栄養組成物の一部の、ブレードのあらゆる部分を覆うのに十分な量でのブレンダーへの注入のステップを含む。これに続いて、ブレンダー中に消化酵素ビーズの用量の全量が加えられ、ホモジネートが得られるまで好適な条件下でこの混合物が混合される。次いで、液体栄養組成物の残りの部分で、その得られた酵素栄養フォーミュラの最終体積が調整される。この混合は、例えば、標準的な家庭用ブレンダーを用いて行われる。家庭用ブレンダーにおけるブレードサイズ、形状および回転速度のばらつきのため、ビーズの完全な分解を酵素活性の減少なしに達成するための最適ブレンディング条件には、室温における12,500〜18,000rpmの間の混合速度での1〜2分間にわたる連続混合が必要である。これらの条件下において、得られたホモジネートは、元のままの錠剤または認知できる大きさの断片を含有しない。ブレンディングの間に発生するフォーミュラの発泡は、経時的に解決する。
あるいは、腸溶コーティングされたパンクレリパーゼ酵素ビーズは、それらを薬学的に受容可能な弱塩基性溶液中に懸濁させることによって、活性酵素のアベイラビリティを確保するために分解され得、次いで、この溶液が、炭水化物、脂質、タンパク質および水の混合物を含む液体栄養組成物に添加され、最後に、結果として生じる混合物が混合されて、パンクレリパーゼにより予備消化された栄養フォーミュラを形成する。この方法において、塩基性溶液中のビーズの混合物は、液体栄養組成物との混合まで約20分〜約120分間にわたり保持される。この混合物は、それを栄養フォーミュラに注入するまで、好ましくは約20分〜約45分間置いておかれ、かつそれは撹拌され得る。この混合物は、5℃より低い温度を含む室温より低い温度で(例えば、4℃で)保持され得る。
弱塩基性溶液は、アルカリ性物質、アミノ酸またはそれらの混合物を含む。アルカリ性物質は、アルカリおよびアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩、硫酸塩、リン酸塩および酸化物、トリス−(ヒドロキシメチル)−アミノメタン(THAM)ならびにそれらの混合物からなる群から選択され得る。前記アルカリ性物質は、ナトリウム、カリウム、カルシウムまたはマグネシウムの炭酸塩、重炭酸塩、硫酸塩、リン酸塩およびそれらの混合物から選択され得る。一部の実施形態において、アルカリ性物質は、重炭酸ナトリウム、一塩基性リン酸ナトリウム、二塩基性リン酸ナトリウム、三塩基性リン酸ナトリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、および酸化マグネシウム、ならびにそれらの混合物からなる群から選択される。特定の実施形態において、アルカリ性物質は、重炭酸ナトリウムである。重炭酸ナトリウムが使用される場合は、その濃度は、約0.65〜約13%重量/体積(例えば、約8.4%重量/体積)の範囲にある。他の実施形態において、重炭酸ナトリウム濃度は、約0.65%、約0.70%、約0.75%、約0.80%、約0.85%、約0.90%、約0.95%、約1.0%、約1.5%、約2.0%、約2.5%、約3.0%、約3.5%、約4.0%、約4.5%、約5.0%、約5.5%、約6.0%、約6.5%、約7.0%、約7.5%、約8.0%、約8.4%、約8.5%、約9.0%、約10.0%、約10.5%、約11.0%、約11.5%、約12.0%、約12.5%、または約13.0%重量/体積であり、それらの間の全ての範囲および部分範囲を含む。弱塩基性溶液は、適切な体積の水性媒体に適切な量のアルカリ性物質を溶解させることによって調製される。この溶液のpHは、約7.5〜約8.5(例えば、約8.1〜約8.2)である。
薬学的に受容可能な弱塩基性溶液中の腸溶コーティングされたパンクレリパーゼビーズの混合物は、短時間のうちに調製され、腸溶コーティングされたパンクレリパーゼ酵素の効果的な分解をもたらすために必要とされる弱塩基性溶液の体積は、加えられるべきリパーゼUSP単位に応じて約5mL〜約25mL(例えば、約5、約12、約15、約17、約20、約22、または約25mL)である。この混合物は、パンクレリパーゼ粉末から出発して調製される対応する混合物よりもはるかに高いリパーゼ安定性を有している。
異なる液体栄養組成物が、本発明において使用され得、それらは、本明細書に記載されているように調製され、全カロリーの約28〜約90%の量の炭水化物、約1〜約55%の量の脂肪、約4〜約32%の量のタンパク質を含み、微量養分は、ビタミンおよびミネラルについてのRDAを100%満たす。市販の液体栄養組成物(例えば、Abbott Laboratories社からのPediaSure(登録商標)もしくはEnsure(登録商標)もしくはPulmocare(登録商標)またはFresenius Kab社からのFresubin(登録商標)であるが、これらに限定されない)または他の同様の製品もまた、使用され得る。
パンクレリパーゼ酵素は、液体栄養組成物中に適量に分けて(dose)入れられるべきである。用量は、臨床症状、脂肪便の程度および食事の脂肪含有量に基づいて、個々の患者に適合するようにされ得る。脂肪1g当たり約2,000〜約4,000リパーゼ単位の用量が、投与に先立って液体栄養組成物と混合される際の出発用量として推奨される。パンクレリパーゼ酵素を含む剤形(例えば、カプセル剤)は、開けられ、その内容物は、そのままの状態でまたは弱塩基性溶液との混合物の形態で、ヘルスケア提供者によって処方されたとおりに、単一または複数用量で、液体栄養組成物中に加えられることが出来る。
本発明の方法を用いれば、パンクレリパーゼにより予備消化された栄養フォーミュラは、液体栄養組成物に加えられたリパーゼ活性の単位に対する割合として算出される、高いリパーゼ活性を有し、そのリパーゼ活性は、約85%より高い(例えば、約90%または約95%である)。ほぼ室温での約360分間の貯蔵時間後の、液体栄養組成物に加えられたリパーゼの単位に対する割合としての平均リパーゼ活性は、約95%より高い。
上述の記載および実験の部分から、本発明がいくつもの重要な利点を提供するものであることが分かる。本発明は、ビーズ化された(beaded)薬物から出発する、経腸フォーミュラの調製に好適な、簡単かつ迅速な方法を提供する。液体栄養組成物への添加後、リパーゼ活性は維持されており、得られる予備消化された栄養フォーミュラは粒子(例えば、元のままの錠剤またはその断片)を含有せず、リパーゼは、6時間より長い間にわたり、液体食中で安定なままであり、脂肪分解が効果的に達成される。
予備消化された栄養フォーミュラは、投薬を注意深く制御しながらかつ注意深く薬物が投与されるのを可能にし、EPIを患う幼児患者、高齢患者、またはその他の患者用に好適である。
本発明はまた、好適なシール容器に含有された液体栄養組成物(炭水化物、脂質、タンパク質の水性混合物)と、腸溶コーティングされたパンクレリパーゼ酵素組成物の形態の酵素剤形(例えば、カプセル100)とを組み合わせたキットを提供する。このキットは、薬学的に受容可能な弱塩基性溶液または薬学的に受容可能な弱塩基性溶液の調製における使用のためのアルカリ性物質をさらに含み得る。
特定数のカプセルなどの剤形を含有するガラス瓶が、好適である。あるいは、本発明の組成物または剤形は、「ブリスターパック」に単位剤形として包装され得る。当該組成物または剤形の安定性を改善するために、それらは、シールされた、防水パッケージで貯蔵されるべきである。好適な防水パッケージの非限定的な例としては、ガラスジャー、防湿樹脂またはコーティングを含むプラスチックジャー、アルミニウム蒸着プラスチック(例えば、Mylar)包装などが挙げられる。語句「防水」とは、容器容積1立法センチメートル(cm)当たり年間約0.5mg未満の水という透水性を有するパッケージをいう。当該組成物または剤形が貯蔵される容器(例えば、ボトル)は、任意の適切なクロージャー、特に、貯蔵の間の水分の進入を最小限に抑えるクロージャーで閉じられ得る。液体栄養組成物と共に投与されるべき剤形を含有するパッケージはまた、パッケージ内の湿気を減少させることが可能な乾燥剤(すなわち、水を吸収する、水と反応する、または水を吸着する物質)、例えば、パッケージ内に閉じ込められた大気から水分を「取り除く」ことが可能な乾燥剤カプセル(例えば、分子篩、粘土、シリカゲル、活性炭、およびそれらの混合物)も含有し得る。また、経口薬学的単位用量を包装する場合に、セルロース系材料(例えば、綿)の「詰め物」を容器の上部に加えて容器の上部にある空間を埋め、それにより内容物の移動を最小限に抑えることは、常套手段である。
2つのキット成分(液体栄養組成物、腸溶コーティングされたパンクレリパーゼビーズを含む剤形および必要に応じてアルカリ性物質)は、1つの単一のパックに一緒に包装され得る。
このキットは、製品の安定性を確保する任意の好適なパッケージで貯蔵され得る。パッケージは、輸送および/または貯蔵の間の水分の進入を最小限に抑えるべきである。例えば、パッケージは、ねじ込みクロージャーまたはプレス嵌めクロージャーを有するガラスジャーまたはプラスチックジャーであり得る。
本発明はまた、小児患者または成人患者への本発明の方法を用いて得られた予備消化された栄養フォーミュラの投与方法において、a)予備消化された栄養フォーミュラを投与バッグに移すステップと、b)予備消化された栄養フォーミュラを、バッグから経腸チューブを介して患者に投与するステップと、を含むことを特徴とする方法も包含する。予備消化された栄養フォーミュラは、その投与前に緩やかに撹拌され得る。この方法は、腸溶コーティングされたパンクレリパーゼ酵素から出発する、予備消化された栄養フォーミュラの、容易かつ正確な、短時間の調製を可能にする。
実験2.2および4.11を除く全ての実験を、腸溶性ポリマーのヒプロメロースフタル酸エステル(HP55)でコーティングされた、パンクレリパーゼ原料と賦形剤(例えば、クロスカルメロースナトリウム、水素添加ヒマシ油、コロイド状二酸化ケイ素、微結晶性セルロース、およびステアリン酸マグネシウム)とのブレンドである、パンクレリパーゼミニ錠剤(MT)またはマイクロ錠剤(MCT)のいずれかの、腸溶コーティングされたパンクレリパーゼビーズを用いて行い、これらのMTおよびMCTは、6%未満の含水率を有するHPMCカプセルに含有されており、それらは、Zenpep(登録商標)の名で市販されている。当業者であれば、代替の腸溶性ポリマーおよび賦形剤が、腸溶コーティングされたパンクレリパーゼビーズにおいて使用され得ることを認識するであろう。
以下の実験において使用される液体栄養組成物(または液体食)は、タンパク質:6.25g/100mL、脂肪:4.92g/100mL、炭水化物:20.2g/100mL(1.5cal/ml)の含有量を有する(Ensure Plus(登録商標)、Abbott社、200mLボトル、香味:イチゴ)。代替の配合物が、患者の個人の必要に応じて使用され得る。
1)脂肪分解活性の測定は、使用される基質(オリーブ油)中のエステル化された脂肪酸の加水分解から形成される遊離脂肪酸のpHスタット法による滴定に基づく、パンクレリパーゼUSPモノグラフに記載されているリパーゼアッセイの概要手順に準じて行われる。これは、以下の原理に基づくものである:リパーゼは、遊離脂肪酸(FFA)の形成に繋がるトリグリセリドの加水分解を触媒する。時間に基づく形成されたFFAの滴定は、リパーゼの酵素活性の測定を与え、その酵素活性は、1U=毎分1マイクロモルのFFAの形成という単位で表され得る。反応は、pH値が固定値と比較して変化した場合に水酸化ナトリウム(滴定剤)の添加を与える実験系によって一定のpH値を維持することによって起こる(pHスタット法)。時間に基づく添加された滴定剤の量は、トリグリセリドに対するリパーゼ作用によって形成されたFFAの量に対応する。適切な量の基質を用い、かつ酵素が安定である実験条件下で作業すれば、時間に基づくFFA形成についての線形動態が得られ得る。曲線の傾斜{添加された滴定剤=f(時間,分)}により、リパーゼ酵素活性が与えられる。
2)タンパク質分解活性の測定は、パンクレリパーゼUSPモノグラフに記載されている概要手順に準じて行われる。
3)デンプン分解活性の測定は、パンクレリパーゼUSPモノグラフに記載されている概要手順に準じて行われる。
実験1.液体食中のパンクレリパーゼマイクロ錠剤の機械的分解
実験1.1.
液体食(タンパク質:6.25g/100mL、脂肪:4.92g/100mL、炭水化物:20.2g/100mL、Ensure Plus(登録商標)、Abbott社:)を含有するボトルを振盪し、次いで開け、200mLの内容物を、500mLプラスチック容器およびステンレス鋼の非対称ブレードを備えたSterilmixer 12 Labホモジナイザー(混合速度範囲:12,500〜18,000rpm)(PBI)に注入する。40,000リパーゼUSP単位に相当するパンクレリパーゼMCT(Zenpep(登録商標)、61リパーゼUSP単位/mg)の量(製品約600mg≒マイクロ錠剤40個、Zenpep(登録商標)5000カプセル8個)液体食に含有されている脂肪1g当たり約4,000リパーゼUSP単位)を添加し、ブレンダーを閉じ、ブレンダーのポジション9=16,500rpmの混合速度で装置を1分間始動させる。
ブレンディング後に、以下のやり方でマイクロ錠剤の分解を確認する。
a)ブレンダーの内容物の半分を、円錐ゴムシールを有する濾過フラスコ中のフィルターるつぼ(30mLのフィルターるつぼ、焼結ガラスディスク多孔度0)に通して濾過して、液体食の均質性および元のままのマイクロ錠剤の不在を評価する。フィルターディスクを調べる:元のままの錠剤も認知できる大きさの断片も検出されず、したがって、この製品は分解されたと見なされ、さらに、濾液は、未処理の液体食と比べて均質である。
b)ブレンダーの未濾過の内容物の残りの部分を、200mLビーカーに移し入れ、このビーカーを覆い、そのホモジネートを室温にて30分間放置しておき、次いで、底部を目視により確認し、均質であることが分かる。その結果を表1にまとめる。
実験1.2
1分間および2分間にわたりより低い混合速度率(mixing speed rate)(装置のポジション7に対応する15,500rpm)を用いて実験1.1の全手順を繰り返し、マイクロ錠剤の分解を実験1の同じやり方で確認する。結果を表1に報告する。
Figure 2013534141
回転式ブレンダーを用いての1〜2分のブレンディング時間は、マイクロ錠剤中に存在する膵酵素を液体食中に均質に分散させる有効な手段である。このインビトロ実験は、液体食中のマイクロ錠剤の完全な分解が、15,000rpm(家庭用ブレンダーにおいて利用可能な速度)での1分間にわたるブレンディングによって達成されることを示している。
実験2.パンクレリパーゼビーズを用いて調製された酵素−栄養フォーミュラ(酵素−栄養フォーミュラ/パンクレリパーゼビーズ)中および液体栄養組成物とパンクレリパーゼ粉末との混合物(液体栄養組成物/パンクレリパーゼ粉末)中のリパーゼの安定性および放出の測定
実験1.1および1.2に記載したように、40,000リパーゼUSP単位に相当する量(Zenpep(登録商標)5000カプセル8個)のマイクロ錠剤を200mLの液体食に添加して、約4000リパーゼUSP単位/g脂肪を得、15,500rpmの混合速度で1分間にわたりブレンドする。その酵素−栄養フォーミュラ/パンクレリパーゼビーズにおいて、室温での360分間の貯蔵の間、リパーゼ活性を測定する。
もう1つの試料を、パンクレリパーゼ粉末(88リパーゼUSP単位/mg;パンクレリパーゼマイクロ錠剤Zenpep(登録商標)に含有されている同じパンクレリパーゼバッチ)を同じ用量で液体栄養組成物に添加し、1分間手振盪して調製する。この粉末との比較を、ブレンディング手順の結果としてのパンクレリパーゼマイクロ錠剤中のリパーゼ活性のあらゆる減少を検出するために行う。
実験2.1.酵素−栄養フォーミュラ/パンクレリパーゼ中のリパーゼ活性
液体食のボトルを振盪し、開け、200mLの内容物を、500mLプラスチック容器およびステンレス鋼の非対称的ブレードを備えたSterilmixer 12 Labブレンダーに注入する。40,000リパーゼUSP単位(液体食に含有されている脂肪1g当たり約4,000リパーゼUSP単位)に相当する量のマイクロ錠剤をブレンダーに添加し、ブレンダーを閉じ、15,500rpmに対応するブレンダーのポジション7の混合速度で装置を1分間動作させる。マイクロ錠剤の完全な分解を、目視検査により確認する。ブレンディングの直後に、ホモジネートの3mLアリコートを、50mL容量フラスコに移し入れ、冷精製水で容量まで希釈し、その溶液(理論リパーゼ濃度は12USP単位/mlである)を、短時間振盪する。これがT0試料である。リパーゼ活性を測定するために、1mLのT0試料を、リパーゼアッセイ(Lipase Assay)パンクレリパーゼUSPモノグラフに従って直ちに滴定する。液体食に導入された理論総リパーゼ活性に対するリパーゼ活性の割合を求める。
容器を閉じ、撹拌せずに室温でホモジネートを放置しておき、各アリコートを採取する前に、ホモジネートを短時間振盪する。10、20、30、40、60、120、240、360分後に、室温で貯蔵されたホモジネートの新たな3mLアリコートを各時点で採取し、T0試料について記載した希釈および分析に従うことによって、同じ手順を繰り返す。
全実験を、2つの異なる日に2回繰り返す(反復試験1および2)。結果を表2に示す。図8も参照されたい。
Figure 2013534141
実験2.2.液体栄養組成物/パンクレリパーゼ粉末中のリパーゼ活性
液体食のボトルを振盪し、開け、次いで200mLの内容物を、500mLプラスチック容器(ブレンダーに使用された同じ種類)に注入する。40,000リパーゼUSP単位、液体食に含有されている脂肪1g当たり約4,000リパーゼUSP単位)に相当する量のパンクレリパーゼ粉末(実験2.1に使用されたMCTに含有されている同じロットの原料)を添加し、容器を閉じ、1分間にわたり十分に手振盪する。液体栄養組成物/パンクレリパーゼ粉末の3mLアリコートを、50mL容量フラスコに移し入れ、冷精製水で容量まで希釈し、その溶液(理論リパーゼ濃度=12USP単位/mL)を短時間振盪して、それをホモジナイズする。これがT0試料である。リパーゼ活性を測定するために、1mLのT0試料を、リパーゼアッセイ(Lipase Assay)パンクレリパーゼUSPモノグラフに従って直ちに滴定する。液体食に導入された理論総リパーゼ活性に対するリパーゼ活性の割合を求める。
10、20、30、40、60、120、240、および360分後に、室温で貯蔵された液体栄養組成物/パンクレリパーゼ粉末の新たな3mLアリコートを各時点で採取し、T0試料について記載した希釈および分析に従うことによって、同じ手順を繰り返す。
全実験を、2つの異なる日に2回繰り返す(反復試験1および2)。結果を表3に示す。図8も参照されたい。
Figure 2013534141
上記の実験から、酵素−栄養組成物/パンクレリパーゼMCTにおいてはリパーゼ活性が常に理論値(すなわち、マイクロ錠剤として液体食に添加されたリパーゼの単位)通りであることが明らかである。これは、酵素の放出がブレンディングステップの直後に完結し、リパーゼが少なくとも6時間にわたり液体食中で安定なままであることを実証している。さらに、これらの結果は、ブレンディングステップの間に生じた酵素の劣化はなく、分解したマイクロ錠剤からの酵素の放出は完全であることを裏付けている。
実験3.パンクレリパーゼMCT(ブレンディングにより分解)により予備消化された液体食フォーミュラ中のリパーゼ活性の有効性
液体栄養組成物とMCTとのブレンディング後に得られる予備消化された食物におけるリパーゼ活性の有効性を、液体食フォーミュラに含有されているエステル化脂肪酸(TAG=トリグリセリド;DAG=ジグリセリド;MAG=モノグリセリド)の遊離脂肪酸(FFA)への脂肪分解の動態を測定することによって実施する。この実験は、下記の一般方針に従った。
a)液体食フォーミュラ中のリパーゼの量は、最大一日投与量に基づき、2800USP U/g脂肪である。
b)上に記載したとおりの組成を有する液体食フォーミュラを使用し、最初におよび時間の関数としてpH測定を行う(pH電極を備えた50mLの恒温容器(thermostated vessel)中で25℃にて行われる実験)。
c)実験1および2の同じバッチのパンクレリパーゼマイクロ錠剤を使用する。
d)8時間にわたる、0(マイクロ錠剤の添加前)、5、10、15、30、60、120、180、240、300、360、420、および480分の時点での、脂肪分解生成物の動態プロファイルの測定。脂質抽出およびTAG、DAG、MAGおよびFFAの分析を、TLC−FID分析法により行う。
e)パンクレリパーゼUSPモノグラフに記載されているアッセイを用いての、脂肪分解動態について選択された同じ期間の間の同じ時点での膵リパーゼ活性のアッセイによる、リパーゼ安定性プロファイルの測定。
実験3.1 脂肪分解反応動態(Kinetics lipolysis reaction)
液体食のボトルを振盪し、200mLの内容物をブレンダー(Waring commercial laboratory blender 8010E 38BL40型)に注入する。28,000リパーゼUSP単位に相当する量のパンクレリパーゼマイクロ錠剤(61リパーゼUSP単位/mg)を添加する=液体食に含有されている脂肪1グラム当たり約2,800リパーゼUSP単位。1分間のブレンディング(混合速度:18,000rpm)後、マイクロ錠剤の完全な分解を、目視検査により確認する。50mLのその混合物を、pH電極を備えた50mLの恒温容器に移し入れる。脂肪分解反応を、撹拌なしの条件下で480分間にわたり25℃で維持し、各サンプリング時点において、反応のpHおよび温度を測定する。液体食中に存在する脂質の初期量(総脂質抽出およびTLC−FID分析)は、マイクロ錠剤を添加する前に「そのままの状態で」測定する(時間0試料)。
実験3.2.サンプリングおよび脂質抽出
実験の各時点(5、10、15、30、60、120、180、240、300、360、420、480分)において、脂肪分解生成物を定量的に回収するために、1mLの反応混合物を抜き取る。各サンプリングの前に、反応混合物を、機械的撹拌器で短時間ホモジナイズする。抽出は、Folchの手順に準じて行う。
実験3.3.脂肪分解生成物の定量分析
TAG、DAG、MAGおよびFFAの定量分析を、検体検出のためのフレームイオン化検出器と結合された薄層クロマトグラフィー技術によって行う。各脂肪分解生成物についての標準化合物(TAGについてはトリオレイン;DAGについては1,2−ジオレイン;MAGについては1−モノオレイン;FFAについてはオレイン酸)を、検量線の作成のために使用する。抽出された有機層における適切な内部標準の回収率を対応する検量線を用いることによって求めることにより、全体的な抽出収率を評価する。全ての分析を、二重反復試験で行う。
実験3.4.脂肪分解レベルの計算
加水分解の時に、TAG1分子は、最大3分子のFFAを放出し得る。加水分解(または脂肪分解)レベルは、通常、食物トリグリセリド(TAG0)から放出されるアシル鎖に対する割合として定義される。
L%=100×FFA/3×TAG
脂肪の完全な吸収には、TAG1分子からの2つのFFAの放出に相当する、食物TAGからMAGへの転化、すなわち、66.6%の上記の定義に従う脂肪分解レベルしか必要とされない。本明細書では、酵素加水分解過程の間の脂肪吸収能力を直接反映する脂肪分解レベルの定義が使用される。脂肪分解レベルは、本明細書において、「腸管吸収性の」アシル鎖、すなわちFFAおよびMAGに転化された全食物TAGアシル鎖の割合として表される。これは、以下の式によって定義され、式中、TAG、DAG、MAGおよびFFAは、加水分解過程の間の所与の時間に回収された残留トリグリセリドおよび脂肪分解生成物のミリモルの単位での量である。
L%=100×(FFA+MAG)/3×TAG=100×(FFA+MAG)/3TAG+2DAG+MAG+FFA
この定義によれば、100%脂肪分解は、TAG1分子からMAG1分子およびFFA2分子への転化に相当する。この脂肪分解レベルの定義は、MAGの加水分解の可能性を考慮しておらず、後者の過程は、脂肪吸収に不可欠ではない。分析の結果を、以下の表4〜7および図10〜12に報告する。
Figure 2013534141
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Figure 2013534141
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上記のデータから、パンクレリパーゼマイクロ錠剤(ブレンディングにより分解)で予備消化された液体食中の(リパーゼの脂肪分解活性の結果としての)TAGレベルの顕著な低下が観察されることが明らかである。TAGの濃度は、最初の1時間で初期値の約45%まで下がり、次いで、実験の残りの部分でより少ない程度に低下し続け、8時間後には約70%の低下に達した。さらに、脂肪分解について、これらの結果は、本発明の方法を用いて得られる液体栄養組成物が、1時間後には約16%および8時間後には約28%というトリグリセリドから放出されたアシル鎖の割合を有することを示しており、遊離脂肪酸アシル鎖およびモノグリセリドアシル鎖に転化されたトリグリセリドアシル鎖の割合は、1時間後には約28%および8時間後には約36%である。
実験4.重炭酸ナトリウム溶液中のパンクレリパーゼビーズ(マイクロ錠剤およびミニ錠剤)の分解
重炭酸ナトリウム溶液の調製
溶液A)13%重量/体積の重炭酸ナトリウム溶液:13.0gの重炭酸ナトリウムを、容量フラスコ中の100mLの水に添加し、振盪する;この塩は、完全には溶解しない(飽和溶液)。
溶液B)8.4%重量/体積の重炭酸ナトリウム溶液:8.4gの重炭酸ナトリウムを、容量フラスコ中の100mLの水に添加し、溶解するまで振盪する。
溶液C)0.65%重量/体積の重炭酸ナトリウム溶液:0.65gの重炭酸ナトリウムを、容量フラスコ中の100mLの水に添加し、溶解するまで振盪する。
実験4.室温における5mLの8.4%重炭酸ナトリウム溶液中での5,000リパーゼUSP単位/カプセルの腸溶コーティングされたパンクレリパーゼ酵素マイクロ錠剤(Zenpep(登録商標)マイクロ錠剤5,000リパーゼUSP U/cps)の単一用量単位の分解時間
カプセル1個の内容物を、15mLビーカー中の5mLの8.4%重炭酸ナトリウムに、撹拌せずに添加する。この試料を、室温にて、卓上条件(bench top conditions)で、撹拌せずに貯蔵する。製品の分解(すなわち、製品のいずれの残留物も、容易に知覚できる堅いコアを有さない柔らかい塊である)が観察されるまで、一定時間ごとに目視観測を行い、浸漬されているマイクロ錠剤の外観を記録する。このマイクロ錠剤は、上記の条件における20分間の貯蔵後に分解されるようである。いずれの残っている残留物も、約55分後に完全に溶解する。図13〜18は、8.4%重炭酸塩溶液に浸漬させたマイクロ錠剤の、撹拌なしでの0、10、20、35、45、および55分後の写真である。
実験4.2.室温における5mLの8.4%重炭酸ナトリウム溶液中での20分間の貯蔵後の5,000リパーゼUSP単位/カプセルのパンクレリパーゼ酵素マイクロ錠剤(Zenpep(登録商標)マイクロ錠剤5,000リパーゼUSP U/cps)の単一用量単位の分解
1用量単位の分解効果を、室温における5mLの8.4%重炭酸ナトリウム溶液中での20分間の貯蔵後に、製品の残っている残留物の穏やかな撹拌後に評価する:少しの断片のみが観察される。図19〜21は、撹拌せずに8.4%重炭酸塩溶液に浸漬させたマイクロ錠剤の0、10、20分後の写真である。図22は、20分間の浸漬の終わりにおける穏やかな撹拌後の残っている残留物である。
実験4.3.室温における5mLの8.4%重炭酸ナトリウム溶液中での20分間の貯蔵後の5,000リパーゼUSP単位に相当する量のパンクレリパーゼミニ錠剤の分解
実験4.2を、5,000リパーゼUSP Uに相当するパンクレリパーゼミニ錠剤を用いて繰り返す。この場合の方が、8.4%重炭酸ナトリウム溶液への20分間の浸漬後に撹拌した試料中に、より多くの断片が観察される。
図23〜25は、撹拌せずに8.4%重炭酸塩溶液に浸漬させたミニ錠剤の0、10、および20分後の写真である。図26は、20分間の浸漬の終わりにおける穏やかな撹拌後の残っている残留物のものである。
実験4.4.室温における5mLの8.4%重炭酸ナトリウム溶液中での30分間の貯蔵後の5,000リパーゼUSP Uに相当する量のパンクレリパーゼミニ錠剤の分解
この実験において、重炭酸ナトリウム溶液中のミニ錠剤は、撹拌なしでのより長い滞留時間(30分)を有する。終了点において、穏やかな撹拌後に、残っている柔らかい塊は完全に消失した(図27〜28)。
実験4.5.5,000リパーゼUSP単位/カプセルのパンクレリパーゼマイクロ錠剤(Zenpep(登録商標)マイクロ錠剤5,000リパーゼUSP U/cps)を添加した8.4%重炭酸ナトリウム溶液のpH測定[分解段階=0〜240分]
室温における5mLの8.4%重炭酸ナトリウム溶液のpHを、「そのままの状態で」および単一用量単位の内容物の添加から5、10、15、20、30、80、120、180、および240分後に測定する。pHの著しい変化は認められない。表9にその得られたpH値を示す。
Figure 2013534141
実験4.6.室温における5mLの13%重炭酸ナトリウム溶液中での5,000リパーゼUSP U/カプセルのパンクレリパーゼ酵素マイクロ錠剤(Zenpep(登録商標)マイクロ錠剤5,000リパーゼUSP U/cps)の単一用量単位の分解
カプセル1個の内容物を、15mLビーカー中の5mLの13%重炭酸ナトリウムに、撹拌せずに添加する。この試料を、室温にて、卓上条件で、撹拌せずに貯蔵する。製品の分解が観察されるまで、一定時間ごとに目視観測を行い、浸漬されているマイクロ錠剤の外観を記録する。このマイクロ錠剤は、上記の条件における20分間の貯蔵後に完全に溶解する。図29〜31は、13%重炭酸塩溶液中に浸漬させたマイクロ錠剤の、撹拌なしでの0、10、および20分後の写真である。
実験4.7.室温における5mLの0.65%重炭酸ナトリウム溶液中での5,000リパーゼUSP U/カプセルのパンクレリパーゼ酵素マイクロ錠剤(Zenpep(登録商標)マイクロ錠剤5,000リパーゼUSP U/cps)の単一用量単位の分解
カプセル1個の内容物を、15mLビーカー中の5mLの0.65%重炭酸ナトリウムに、撹拌せずに添加する。この試料を、室温にて、卓上条件で、撹拌せずに貯蔵する。製品の分解が観察されるまで、一定時間ごとに目視観測を行い、浸漬されているマイクロ錠剤の外観を記録する。上記の条件下での20分後、全てのマイクロ錠剤は、完全には分解されていない(小さい堅いコアが依然として見える)。35分後は、少しの柔らかい塊のみが観察される。図32〜33は、0.65%重炭酸塩溶液中に浸漬させたマイクロ錠剤の、撹拌なしでの0および35分後の写真である。
実験4.8.室温における5mLの8.4%重炭酸ナトリウム溶液中での5,000リパーゼUSP U/カプセルのパンクレリパーゼ酵素マイクロ錠剤(Zenpep(登録商標)マイクロ錠剤5,000リパーゼUSP U/cps)の8単位(5,000リパーゼUSP U/カプセル=40,000リパーゼUSP U)のプールされた試料の分解
40,000リパーゼUSP単位に相当する5,000リパーゼUSP U/cpsのカプセル8個の内容物を、30mLビーカー中の5mLの8.4%重炭酸ナトリウムに、撹拌せずに添加する。この試料を、室温にて、卓上条件で、撹拌せずに貯蔵する。製品の分解が観察されるまで、一定時間ごとに目視観測を行い、浸漬されているマイクロ錠剤の外観を記録する。上記の条件での20分後、全てのマイクロ錠剤は、完全には分解されていない(小さい堅いコアが依然として見える)。約40〜45分後は、柔らかい塊のみが観察される。図34〜36は、8.4%重炭酸塩溶液中に浸漬させたマイクロ錠剤の、撹拌なしでの0、20、および45分後の写真である。
実験4.9.4℃における5mLの8.4%重炭酸ナトリウム溶液中での5,000リパーゼUSP U/カプセルのパンクレリパーゼ酵素マイクロ錠剤(Zenpep(登録商標)マイクロ錠剤5,000リパーゼUSP U/cps)の8単位(5,000リパーゼUSP U/カプセル=40,000リパーゼUSP U)のプールされた試料の分解
約40,000リパーゼUSP単位に相当する8個のカプセルの内容物を、30mLビーカー中の5mLの8.4%重炭酸ナトリウムに、撹拌せずに添加する。この試料を、4℃にて、撹拌せずに貯蔵する。製品の分解が観察されるまで、一定時間ごとに目視観測を行い、浸漬されているマイクロ錠剤の外観を記録する。上記の条件での20分後、マイクロ錠剤のほとんどが依然として元のままであり、約45分後は、少数の柔らかい塊しか観察されない。図37〜38は、4℃において8.4%重炭酸塩溶液中に浸漬させたマイクロ錠剤の、撹拌なしでの0および45分後の写真である。
実験4.10.5,000リパーゼUSP U/カプセルのパンクレリパーゼ酵素マイクロ錠剤(Zenpep(登録商標)マイクロ錠剤5,000リパーゼUSP U/cps)の8単位(5,000リパーゼUSP U/カプセル=40,000リパーゼUSP U)のプールされた試料の分解時間に対する8.4%重炭酸ナトリウム溶液の体積の影響
パンクレリパーゼマイクロ錠剤(40,000リパーゼUSP単位)分解時間に対する8.4%重炭酸ナトリウム溶液の体積の影響を、5、10、15、20、および25mLの媒体中に懸濁させたマイクロ錠剤について、室温において、撹拌せずに評価する。一定時間ごとに目視観測を行い、浸漬されているマイクロ錠剤の外観を記録する。重炭酸ナトリウム溶液の体積増加に伴うマイクロ錠剤分解時間の漸減が観察される。体積を5mLから10mLに増加することにより、分解時間が約10分短縮し(45分に対して35分)、15mLの試料は、20分後にマイクロ錠剤のほとんどが依然として元のままであることを示すが、20および25mLの試料においては、20分(5mLの8.4%重炭酸塩溶液中での5,000Uの個々の用量単位の分解に必要とされる同じ時間)後に柔らかい塊しか観察されない。「そのままの状態で」のおよびマイクロ錠剤の20分間の分解段階後の25mLの重炭酸ナトリウム溶液のpHは、それぞれ8.116および7.979である。図39〜41は、撹拌なしでの20分後に、室温において漸増体積(5、15、および25mL)の8.4%重炭酸塩溶液に浸漬させたマイクロ錠剤のものである。
実験4.11.室温における25mLの8.4%重炭酸ナトリウム溶液中での40,000リパーゼUSP単位に相当するパンクレリパーゼ酵素ペレット(Creon(登録商標)遅延放出カプセル、24,000リパーゼUSP U/cps、市販製品、使用期限0272012)のプールされた試料の分解時間
約40,000リパーゼUSP単位に相当するいくつかのカプセルの内容物を、50mLビーカー中の25mLの8.4%重炭酸ナトリウムに、撹拌せずに添加する。この試料を、室温にて、撹拌せずに貯蔵する。製品の分解が観察されるまで、一定時間ごとに目視観測を行い、浸漬されているマイクロ錠剤の外観を記録する。上記の条件での20分後、全ての顆粒が、時間0と比較して何らの著しい外観の変化なしに、依然として元のままであり、短時間の撹拌後、顆粒の固まった塊(packed mass)が形成される。60分後も、堅いコアを有する変わらない量の顆粒が依然として存在し、これは、別の短時間の撹拌ステップ後も分解しない。さらなる制御において、90分では少数の顆粒が依然として観察され、完全な分解は120分後に起こる。図42〜45は、室温において8.4%重炭酸塩溶液中に浸漬させた腸溶コーティングされた球体(Creon(登録商標))の0、20、90、および120分後の写真を示している。
実験5.8.4%重炭酸ナトリウム溶液中でのパンクレリパーゼ酵素活性の測定
室温および4℃で貯蔵した、重炭酸ナトリウム溶液に溶解させたパンクレリパーゼ酵素マイクロ錠剤に含有されている3つの主要酵素の活性を、5,000リパーゼUSP単位の単一用量単位について、および40,000リパーゼUSP単位のより高い用量について評価する。上に記載した方法を用いて活性を確認する。
実験5.1.5mLの8.4%重炭酸ナトリウム溶液に溶解させた5,000リパーゼUSP U/カプセルのパンクレリパーゼ酵素マイクロ錠剤(Zenpep(登録商標)マイクロ錠剤5,000リパーゼUSP U/cps)の単一用量単位のリパーゼ活性(室温と4℃との比較)[分解段階=室温で20分]
カプセル1個の内容物を、15mLビーカー中の5mLの8.4%重炭酸ナトリウムに、撹拌せずに添加する。この試料を、室温にて、卓上条件で、撹拌せずに貯蔵する。2つの独立した試料を調製する(1Aおよび1B)。20分後に、そのパンクレリパーゼ/重炭酸塩試料を撹拌し、120μlアリコートを10mLの水に希釈し、1mLのこの溶液について、リパーゼ活性を、パンクレリパーゼUSPモノグラフに記載されているリパーゼアッセイに従って測定する(時間0)。t0サンプリングの直後に、試料1Aを室温で貯蔵し、一方試料1Bを4℃で保持する。t0から15、30、45、60、90、150、および240分後に、さらなる120μlアリコートを試料1Aおよび1Bの両方から取り出し、希釈し、直ちにリパーゼ活性についてアッセイする。パンクレリパーゼ/重炭酸ナトリウム混合物中のリパーゼの活性は、同じ試験において求められたバッチリパーゼアッセイ結果(assay)から計算される総リパーゼ活性に対する%として表される。2つの試験からの結果を、表10a(室温における活性)、表10b(4℃における活性)および表10c(平均データ)にまとめる。
Figure 2013534141
Figure 2013534141
Figure 2013534141
室温で貯蔵された混合物よりも4℃で貯蔵された混合物の方が高いリパーゼ安定性(4時間後に約20%に対して約60%の残留リパーゼ活性)を示す。特に、室温で貯蔵された試料については、最初の1時間で(初期リパーゼ活性の50%未満を残しての)リパーゼ活性のほぼ垂直の降下が観察される。
実験5.2.5mLの8.4%重炭酸ナトリウム溶液に溶解させた5,000リパーゼUSP U/カプセルのパンクレリパーゼ酵素マイクロ錠剤(Zenpep(登録商標)マイクロ錠剤5,000リパーゼUSP U/cps)の8単位(5,000リパーゼUSP U/カプセル=40,000リパーゼUSP U)のプールされた試料のリパーゼ活性[分解段階=室温で20分]
カプセル8個の内容物を、15mLビーカー中の5mLの8.4%重炭酸ナトリウムに、撹拌せずに添加する。この試料を、室温にて、卓上条件で、撹拌せずに貯蔵する。2つの独立した試料を調製する(2Aおよび2B)。20分後に、そのパンクレリパーゼ/重炭酸塩混合物を撹拌し、150μlアリコートを100mLの水に希釈し、1mLのこの溶液について、リパーゼ活性を、パンクレリパーゼUSPモノグラフのリパーゼアッセイに従って測定する(時間0)。t0サンプリングの直後に、試料2Aを室温で貯蔵し、一方試料2Bを4℃で保持する。t0から15、30、45、60、120、および240分後に、さらなる150μlアリコートを試料2Aおよび2Bの両方から取り出し、直ちにリパーゼ活性についてアッセイする。パンクレリパーゼ/重炭酸ナトリウム混合物中のリパーゼの活性は、同じ試験において求められたバッチリパーゼアッセイ結果から算出される総リパーゼ活性に対する%として表される。その結果を表11にまとめる。
Figure 2013534141
t0で観測される低い初期値は、20分間の分解段階におけるマイクロ錠剤の全量の不完全な溶解によって説明され得る。試験された貯蔵条件の両方において、測定された残留リパーゼ活性は、単一の用量単位について行われた先の実験と比べてより高い。
実験5.3.5mLの8.4%重炭酸ナトリウム溶液に溶解させた5,000リパーゼUSP U/カプセルのパンクレリパーゼ酵素マイクロ錠剤(Zenpep(登録商標)マイクロ錠剤5,000リパーゼUSP U/cps)の単一用量単位のリパーゼ活性(室温と4℃との比較)[室温での40分間の分解段階後]
この実験における分解段階の時間は、実験2.1に比べて2倍にされる。その結果を表12にまとめる。
Figure 2013534141
分解時間を延長する場合、重炭酸塩媒体中でのさらなる滞留時間に起因して、リパーゼ安定性は、僅かに劣化する。
実験5.4.5mLの8.4%重炭酸ナトリウム溶液に溶解させた5,000リパーゼUSP U/カプセルのパンクレリパーゼ酵素マイクロ錠剤(Zenpep(登録商標)マイクロ錠剤5,000リパーゼUSP U/cps)の8単位(5,000リパーゼUSP U/カプセル=40,000リパーゼUSP U)のプールされた試料のリパーゼ活性[室温での40分間の分解段階後]
この実験は、量の多い方のマイクロ錠剤の完全な分解を確実にするために分解段階の時間が2倍にされる以外は、実験2.2の同じ手順に従う。その結果を表13にまとめる。
Figure 2013534141
先の試験で既に観察されたように、良好なリパーゼ安定性が、4℃で貯蔵された試料懸濁液において観察される(4時間の貯蔵後に約74%の残留活性)。20分段階においてマイクロ錠剤の一部が完全には分解されていないので、40,000リパーゼUSP単位のプールされた試料については20分から40分に分解時間を増やすことによるリパーゼ安定性における著しい差異は認められない。
実験5.5.5mLの8.4%重炭酸ナトリウム溶液に溶解させた5,000リパーゼUSP U/カプセルのパンクレリパーゼ酵素マイクロ錠剤(Zenpep(登録商標)マイクロ錠剤5,000リパーゼUSP U/cps)の8単位(5,000リパーゼUSP U/カプセル=40,000リパーゼUSP U)のプールされた試料のプロテアーゼ活性[室温での40分間の分解段階後]
約40,000リパーゼUSP単位に相当する8個のカプセルの内容物を、15mLビーカー中の5mLの8.4%重炭酸ナトリウムに、撹拌せずに添加する。この試料を、室温にて、卓上条件で、撹拌せずに貯蔵する。2つの独立した試料を調製する(2Aおよび2B)。40分後に、そのパンクレリパーゼ/重炭酸塩混合物を撹拌し、140μlアリコートを100mLの冷pH7.5緩衝液に希釈する。1mLのこの溶液を、冷pH7.5緩衝液で20mLにさらに希釈する。プロテアーゼ活性を、パンクレリパーゼUSPモノグラフに記載されている概要手順に準じて測定する(時間0)。t0アリコートを採取した直後に、試料2Aを室温で貯蔵し、一方試料2Bを4℃で保持する。t0から30、60、120、240分後に、さらなる140μlアリコートを試料2Aおよび2Bの両方から取り出し、直ちにプロテアーゼ活性についてアッセイする。パンクレリパーゼ/重炭酸ナトリウム混合物中のプロテアーゼの活性は、バッチプロテアーゼアッセイ結果(177USP U/mg)から計算される総プロテアーゼ活性に対する%として表される。その結果を表14にまとめる。
Figure 2013534141
両方の貯蔵条件において、プロテアーゼは、4時間の間、残留活性が、室温で貯蔵された試料溶液については75.7〜88.7%の間、4℃で貯蔵された試料溶液については81.9〜109%の間であり、良好な安定性を示す。
実験5.6.5mLの8.4%重炭酸ナトリウム溶液に溶解させた5,000リパーゼUSP U/カプセルのパンクレリパーゼ酵素マイクロ錠剤(Zenpep(登録商標)マイクロ錠剤5,000リパーゼUSP U/cps)の8単位(5,000リパーゼUSP U/カプセル=40,000リパーゼUSP U)のプールされた試料のアミラーゼ活性[室温での40分間の分解段階後]
約40,000リパーゼUSP単位に相当する8個のカプセルの内容物を、15mLビーカー中の5mLの8.4%重炭酸ナトリウムに、撹拌せずに添加する。この試料を、室温にて、卓上条件で、撹拌せずに貯蔵する。2つの独立した試料を調製する(2Aおよび2B)。40分後に、そのパンクレリパーゼ/重炭酸塩混合物を撹拌し、270μlアリコートを5mLの冷pH6.8アミラーゼ緩衝液に希釈する。1mLのこの溶液を、冷pH6.8アミラーゼ緩衝液で20mLにさらに希釈する。アミラーゼ活性を、パンクレリパーゼUSPモノグラフに記載されている概要手順に準じて測定する(時間0)。t0アリコートを採取した直後に、試料2Aを室温で貯蔵し、一方試料2Bを4℃で保持する。t0から60および120分後に、さらなる270μlアリコートを試料2Aおよび2Bの両方から取り出し、直ちにアミラーゼ活性についてアッセイする。パンクレリパーゼ/重炭酸ナトリウム混合物中のアミラーゼの安定性は、バッチアミラーゼアッセイ結果(238USP U/mg)から計算される総アミラーゼ活性に対する%として表される。結果を表15にまとめる。
Figure 2013534141
アミラーゼ活性は、室温で貯蔵された試料溶液と比較して、4℃で貯蔵された試料溶液において改善される(試験期間を通して理論酵素活性の75〜80%の間)。
実験5.7.5mLの13%重炭酸ナトリウム飽和溶液に溶解させた5,000リパーゼUSP U/カプセルのパンクレリパーゼ酵素マイクロ錠剤(Zenpep(登録商標)マイクロ錠剤5,000リパーゼUSP U/cps)の単一用量単位のリパーゼ活性(室温と4℃との比較)[室温での20分間の分解段階後]
この実験は、実験2.1に記載した同じ手順に従い、唯一の違いは、利用される重炭酸ナトリウム溶液の濃度(13%)である。パンクレリパーゼ/重炭酸ナトリウム混合物中のリパーゼの安定性は、同じ試験において求められたバッチリパーゼアッセイ結果から算出される総リパーゼ活性に対する%として表される。その結果を表16にまとめる。
Figure 2013534141
2つの貯蔵条件において観察されるリパーゼ安定性プロファイルは、8.4%重炭酸ナトリウム溶液を用いて得られたリパーゼ安定性プロファイルとほぼ完全に重ね合わせ得る。このことは、アルカリ性物質の濃度上昇がこの酵素の安定性に影響を及ぼさないということを意味している。
実験5.8.5mLの8.4%重炭酸ナトリウム溶液に溶解させた5,000リパーゼUSP U/カプセルのパンクレリパーゼ酵素マイクロ錠剤(Zenpep(登録商標)マイクロ錠剤5,000リパーゼUSP U/cps)の8単位(5,000リパーゼUSP U/カプセル=40,000リパーゼUSP U)のプールされた試料のリパーゼ活性[4℃での45分間の分解段階後]
この実験は、実験2.2に記載した同じ手順に従い、唯一の違いは、4℃で45分間にわたり行われる分解段階である。パンクレリパーゼ/重炭酸ナトリウム混合物中のリパーゼの安定性は、同じ試験において求められたバッチリパーゼアッセイ結果から算出される総リパーゼ活性に対する%として表される。その結果を表17にまとめる。
Figure 2013534141
観察されたリパーゼ安定性プロファイルは、室温での40分間の分解段階を用いて得られたリパーゼ安定性プロファイルと同等である。40,000リパーゼUSP単位のプールされた試料については、室温での40分間の分解段階は、この酵素の安定性に影響を及ぼさない。
実験5.9.25mLの8.4%重炭酸ナトリウム溶液に溶解させた5,000リパーゼUSP U/カプセルのパンクレリパーゼ酵素マイクロ錠剤(Zenpep(登録商標)マイクロ錠剤5,000リパーゼUSP U/cps)の8単位(5,000リパーゼUSP U/カプセル=40,000リパーゼUSP U)のプールされた試料のリパーゼ活性[室温での20分間の分解段階後]
約40,000リパーゼUSP単位に相当する8個のカプセルの内容物を、50mLビーカー中の25mLの8.4%重炭酸ナトリウムに、撹拌せずに添加する。この試料を、室温にて、卓上条件で貯蔵する。2つの独立した試料を調製する(2Aおよび2B)。20分後に、そのパンクレリパーゼ/重炭酸塩混合物を撹拌し、150μlアリコートを水で20mLに希釈し、この混合物を撹拌し、150μlアリコートを20mLの水に希釈し、1mLのこの溶液について、リパーゼ活性を、Pancrelipase USPモノグラフにおける概要手順に準じて測定する(時間0)。t0アリコートを採取した直後に、試料2Aを室温で貯蔵し、一方試料2Bを4℃で保持する。t0から15、30、45、60、120、および240分後に、さらなる150μlアリコートを溶液2Aおよび2Bの両方から取り出し、直ちにリパーゼ活性についてアッセイする。パンクレリパーゼ/重炭酸ナトリウム混合物中のリパーゼの安定性は、同じ試験において求められたバッチリパーゼアッセイ結果から算出される総リパーゼ活性に対する%として表される。その結果を表18にまとめる。
Figure 2013534141
4℃で貯蔵された25mLの試料溶液のリパーゼ安定性は、5mLの重炭酸塩媒体中で分解させた同じ量のマイクロ錠剤について同じ貯蔵条件において観察された同じプロファイルを示すのに対し、室温で貯蔵された25mLの試料溶液は、より小さい体積での対応する試料と比較して、改善された安定性(4時間後に、約23%に対して約40%の残留酵素活性)を示す。
実験5.10.25mLの8.4%重炭酸ナトリウム溶液に溶解させたパンクレリパーゼ粉末(40,000リパーゼUSP単位)のリパーゼ安定性
約40,000リパーゼUSP単位に相当する量のパンクレリパーゼ粉末を、50mLビーカー中の25mLの8.4%重炭酸ナトリウムに添加し、短時間(2分)撹拌して均質な混合物を得る。2つの独立した試料を調製する(2Aおよび2B)。150μlアリコートを20mLの水に希釈し、1mLのこの溶液について、リパーゼ活性を、パンクレリパーゼUSPモノグラフの概要手順を用いて測定する(時間0)。t0アリコートを採取した直後に、試料2Aを室温で貯蔵し、一方試料2Bを4℃で保持する。t0から15、45、60、120、および240分後に、さらなる150μlアリコートを試料2Aおよび2Bの両方から取り出し、直ちにリパーゼ活性についてアッセイする。パンクレアチン粉末/重炭酸ナトリウム混合物中のリパーゼの安定性は、同じ試験において求められたバッチリパーゼアッセイ結果(119USP U/mg)から算出される総リパーゼ活性に対する%として表される。その結果を表19にまとめる。
Figure 2013534141
他の実験で使用したパンクレリパーゼマイクロ錠剤に含有されている同じロットのパンクレリパーゼ粉末のリパーゼ安定性プロファイルは、腸溶コーティングされたパンクレリパーゼマイクロ錠剤について観察されたリパーゼ安定性プロファイルよりも顕著に低い(両方の貯蔵条件において240分の終了点において残留リパーゼ活性が14〜16%低い)。図46に、25mLの8.4%重炭酸ナトリウム溶液中の、分解マイクロ錠剤とパンクレリパーゼ粉末との、リパーゼ安定性プロファイルの比較を示す。
実験6.パンクレリパーゼ酵素ビーズ/重炭酸塩溶液(弱塩基性溶液中で分解させたビーズ)を添加した液体栄養組成物中のリパーゼ活性の測定
実験6.1.5mLの8.4%重炭酸ナトリウム溶液に溶解させた5,000リパーゼUSP U/カプセルのパンクレリパーゼ酵素マイクロ錠剤(Zenpep(登録商標)マイクロ錠剤5,000リパーゼUSP U/cps)の8単位(5,000リパーゼUSP U/カプセル=40,000リパーゼUSP U)のプールされた試料の液体栄養組成物中でのリパーゼ活性[分解段階=室温で20分]
40,000リパーゼUSP単位に相当する8個のカプセルの内容物を、30mLビーカー中の5mLの8.4%重炭酸ナトリウムに、撹拌せずに添加する。20分後に、そのパンクレリパーゼ/重炭酸塩混合物を撹拌し、2000mLの液体栄養組成物(上記の組成を参照)を含有するボトルに注入し;(「そのままの状態で」の液体栄養組成物のpH=6.423;液体栄養組成物+溶解したマイクロ錠剤を含有する5mLの8.4%重炭酸ナトリウム溶液のpH=6.724);容器を閉じ、短時間振盪する。結果として生じる混合物の3mLアリコートを、50mL容量フラスコに注入し、冷水で容量まで希釈し、その溶液を短時間振盪する(理論リパーゼ濃度=12USP単位/ml)。これがT0試料である。リパーゼ活性を測定するために、1mLのT0試料を、パンクレリパーゼUSPモノグラフのリパーゼアッセイに従って直ちにアッセイする。容器を閉じ、撹拌せずに室温で貯蔵し、各アリコートを採取する前に、その混合物を短時間振盪する。この手順を、15、30、60、120、240、および360分後に、いずれの時点においても、室温で貯蔵した混合物の3mLアリコートをサンプリングし、T0試料について記載した希釈および分析に従うことによって繰り返す。パンクレリパーゼ/重炭酸ナトリウム混合物を添加した液体栄養組成物(200ml)中のリパーゼの安定性は、実験2.1〜2.4、2.7〜2.9で得られたバッチリパーゼアッセイ結果の平均値(75.1リパーゼUSP U/mg)から算出される総リパーゼ活性に対する%として表される。その結果を表20にまとめる。
Figure 2013534141
リパーゼ活性は、考慮された時間範囲において安定なままであった。最初の時点(t0〜30分)において観察された僅かな減少は、20分間の分解段階におけるマイクロ錠剤の全量の不完全な溶解によって説明され得、しかしながら、残っている残留物は全て、液体食中での最初の1時間後には完全に溶解するものと思われる。試験される液体栄養組成物にパンクレリパーゼ酵素/重炭酸塩混合物を注入した後は、リパーゼの劣化は何ら観察されない。リパーゼは、調製後少なくとも6時間は安定したままである。
実験6.2.5mLの8.4%重炭酸ナトリウム溶液中に溶解させたパンクレリパーゼマイクロ錠剤(約40,000リパーゼUSP単位)の液体栄養組成物中のリパーゼ安定性[4℃での45分間の分解段階後]
約40,000リパーゼUSP単位に相当する8個のカプセルの内容物を、30mLビーカー中の5mLの8.4%重炭酸ナトリウムに、撹拌せずに添加し、4℃で貯蔵する。45分後に、そのパンクレリパーゼ/重炭酸塩混合物を撹拌し、液体栄養組成物のボトルに注入し、容器を閉じ、短時間振盪する。結果として生じる混合物の3mLアリコートを50mL容量フラスコに注入し、冷水で容量まで希釈し、その溶液を短時間振盪する。これがT0試料である。リパーゼ活性を測定するために、1mLのT0試料を、パンクレリパーゼUSPモノグラフにおける概要手順を用いて直ちにアッセイする。容器を閉じ、撹拌せずに室温で貯蔵し、各アリコートを採取する前に、その混合物を短時間振盪する。同じ手順を、15、30、60、120、および240分後に、いずれの時点においても、室温で貯蔵した混合物の3mLアリコートをサンプリングし、T0試料について記載した希釈および分析に従うことによって繰り返す。パンクレリパーゼ/重炭酸ナトリウム溶液を添加した試験液体栄養組成物中のリパーゼの安定性は、先の実験2.1〜2.4、2.7〜2.9で得られたバッチリパーゼアッセイ結果値の平均(75.1リパーゼUSP U/mg)から算出される総リパーゼ活性に対する%として表される。その結果を表21にまとめる。
Figure 2013534141
リパーゼ活性は、4時間の間、試験された液体栄養組成物中で安定なままであった。この実験の間中、酵素活性の漸増が観察される。これは、液体食の成分によって誘導される(活性増大に関係する)酵素形態変化に起因し得る。より高いリパーゼ活性が測定される以外は、この実験の安定性プロファイルは、先の実験(5mLの8.4%重炭酸塩溶液中により短い分解時間後に溶解させた同じ量のマイクロ錠剤を添加した液体栄養組成物)と同様である。
実験6.3.5mLの8.4%重炭酸ナトリウム溶液に溶解させた5,000リパーゼUSP U/カプセルのパンクレリパーゼ酵素マイクロ錠剤(Zenpep(登録商標)マイクロ錠剤5,000リパーゼUSP U/cps)の8単位(5,000リパーゼUSP U/カプセル=40,000リパーゼUSP U)のプールされた試料の液体栄養組成物中のプロテアーゼ活性[分解段階=4℃で45分]
約40,000リパーゼUSP単位に相当する8個のカプセルの内容物を、30mLビーカー中の5mLの8.4%重炭酸ナトリウムに、撹拌せずに添加し、4℃で貯蔵する。45分後に、そのパンクレリパーゼ/重炭酸塩混合物を撹拌し、液体栄養組成物のボトルに注入し、容器を閉じ、短時間振盪する。結果として生じる混合物の2.8mLアリコートを20mL容量フラスコに注入し、冷pH7.5緩衝液で容量まで希釈する。1mLのこの溶液を、冷pH7.5緩衝液で50mLにさらに希釈する。プロテアーゼ活性を、パンクレリパーゼUSPモノグラフの概要手順を用いて測定する(時間0)。容器を閉じ、撹拌せずに室温で貯蔵し、各アリコートを採取する前に、その混合物を短時間振盪する。同じ手順を、30、60、120、および240分後に、いずれの時点においても、室温で貯蔵した混合物の2.8mLアリコートをサンプリングし、T0試料について記載した希釈および分析に従うことによって繰り返す。パンクレリパーゼ/重炭酸ナトリウム混合物を添加した試験される液体食中のプロテアーゼの安定性は、バッチプロテアーゼアッセイ結果(177USP U/mg)から算出される総プロテアーゼ活性に対する%として表される。その結果を表22にまとめる。
Figure 2013534141
4時間より長い間にわたり、プロテアーゼ残留活性は、理論総酵素含有量の100%に極めて近い(またはそれよりも僅かに大きい)。
実験6.4.5mLの8.4%重炭酸ナトリウム溶液に溶解させた5,000リパーゼUSP U/カプセルのパンクレリパーゼ酵素マイクロ錠剤(Zenpep(登録商標)マイクロ錠剤5,000リパーゼUSP U/cps)の8単位(5,000リパーゼUSP U/カプセル=40,000リパーゼUSP U)のプールされた試料の液体栄養食中のアミラーゼ活性[4℃での45分間の分解段階後]
40,000リパーゼUSP単位に相当する8個のカプセルの内容物を、30mLビーカー中の5mLの8.4%重炭酸ナトリウムに、撹拌せずに添加し、4℃で貯蔵する。45分後に、そのパンクレリパーゼ/重炭酸塩混合物を撹拌し、液体食のボトルに注入し、容器を閉じ、短時間振盪する。結果として生じる混合物の2.2mLアリコートを20mL容量フラスコに注入し、冷pH6.8アミラーゼ緩衝液で容量まで希釈し、振盪する。アミラーゼ活性を、パンクレリパーゼUSPモノグラフの概要手順を用いて測定する(時間0)。容器を閉じ、撹拌せずに室温で貯蔵し、各アリコートを採取する前に、その混合物を短時間振盪する。同じ手順を、60および120分後に、いずれの時点においても、室温で貯蔵した混合物の2.2mLアリコートをサンプリングし、T0試料について記載した希釈および分析に従うことによって繰り返す。パンクレリパーゼ/重炭酸ナトリウム混合物を添加した試験される食物中のアミラーゼの安定性は、バッチアミラーゼアッセイ結果(238USP U/mg)から算出される総アミラーゼ活性に対する%として表される。その結果を表23にまとめる。
Figure 2013534141
アミラーゼ活性は、試験された液体食中での2時間の間中(理論総酵素含有量の88%から75%への)漸減を示し、したがって、減少は、重炭酸ナトリウム溶液中ほど著しくはない。
実験6.5.25mLの8.4%重炭酸ナトリウム溶液に溶解させた5,000リパーゼUSP U/カプセルのパンクレリパーゼ酵素マイクロ錠剤(Zenpep(登録商標)マイクロ錠剤5,000リパーゼUSP U/cps)の8単位(5,000リパーゼUSP U/カプセル=40,000リパーゼUSP U)のプールされた試料を加えた液体栄養食中のリパーゼ安定性[室温での20分間の分解段階後]
40,000リパーゼUSP単位に相当する8個のカプセルの内容物を、好適なビーカー中の25mLの8.4%重炭酸ナトリウムに、撹拌せずに添加する。20分後に、そのパンクレリパーゼ/重炭酸塩混合物を撹拌し、液体食のボトルに注入し、容器を閉じ、短時間振盪する。結果として生じる混合物の3.5mLアリコートを50mL容量フラスコに注入し、冷水で容量まで希釈し、その溶液を短時間振盪する。これがT0試料である。リパーゼ活性を測定するために、1mLのT0試料を、パンクレリパーゼUSPモノグラフの概要手順を用いて直ちにアッセイする。容器を閉じ、撹拌せずに室温で貯蔵し、各アリコートを採取する前に、その混合物を短時間振盪する。同じ手順を、15、30、60、120、240、および360分後に、いずれの時点においても、室温で貯蔵した混合物の3.5mLアリコートをサンプリングし、T0試料について記載した希釈および分析に従うことによって繰り返す。パンクレリパーゼ/重炭酸ナトリウム混合物を添加した試験される液体栄養組成物中のリパーゼの安定性は、実験2.1〜2.4、2.7〜2.9で得られたバッチリパーゼアッセイ結果値の平均(75.1リパーゼUSP U/mg)から算出される総リパーゼ活性に対する%として表される。その結果を表24にまとめる。
Figure 2013534141
t0を除いて、リパーゼ安定性プロファイルは、より少ない体積(5mL)の8.4%重炭酸ナトリウム溶液に溶解させた製品を添加した同じ液体食において得られたリパーゼ安定性プロファイルとほぼ完全に重ね合わせ得る。このことは、重炭酸塩媒体の体積の増加がこの酵素の安定性に影響を及ぼさないということを意味している。
特定の具体的な実施形態および実施例を参照して上に例示され、説明されてはいるが、本発明は、しかしながら、その示された詳細に限定されることは意図されていない。むしろ、様々な変更を、特許請求の範囲およびその均等物の範囲内において、本発明の精神から逸脱することなく、それらの詳細について行い得る。例えば、本文書において広く記載される範囲は全て、そのより広い範囲内に入るあらゆるより狭い範囲をその範囲内に包含することが、明示的に意図される。

Claims (43)

  1. 予備消化された栄養フォーミュラの調製のための方法において、前記予備消化された栄養フォーミュラを形成するために、消化酵素またはその酵素溶液と、炭水化物、脂質、タンパク質および水の混合物を含む液体栄養組成物とを混合するステップを含むことを特徴とする方法。
  2. 請求項1に記載の方法において、前記液体栄養組成物に前記消化酵素またはその酵素溶液を添加するステップが、前記混合ステップに先立って行われることを特徴とする方法。
  3. 請求項2に記載の方法において、前記液体栄養組成物に消化酵素を添加するステップが、前記混合ステップに先立って行われることを特徴とする方法。
  4. 請求項2に記載の方法において、前記液体栄養組成物に消化酵素溶液を添加するステップが、前記混合ステップに先立って行われることを特徴とする方法。
  5. 請求項1、2、3または4に記載の方法において、前記消化酵素が、パンクレリパーゼビーズの形態であることを特徴とする方法。
  6. 請求項1、2、3または4に記載の方法において、前記消化酵素が、腸溶コーティングされたパンクレリパーゼビーズの形態であることを特徴とする方法。
  7. 請求項1、2、3または4に記載の方法において、前記消化酵素が、腸溶コーティングされたパンクレリパーゼビーズの形態であり、前記混合ステップが、機械的ブレンディングによって行われることを特徴とする方法。
  8. 請求項1、2、3または4に記載の方法において、前記混合ステップが、前記パンクレリパーゼビーズおよび液体栄養組成物の機械的ブレンディングによって、その混合物がホモジナイズされるまで行われることを特徴とする方法。
  9. 請求項1、2、3または4に記載の方法において、前記その酵素溶液が、薬学的に受容可能な弱塩基性溶液中に腸溶コーティングされたパンクレリパーゼビーズを懸濁させることによって調製されることを特徴とする方法。
  10. 請求項1、2、3、4、5、6、7または8に記載の方法において、混合ステップが、ほぼ室温において約1〜約2分間にわたり約12,500〜約18,000rpmの間の混合速度で連続的に行われることを特徴とする方法。
  11. 請求項9または10に記載の方法において、前記混合ステップの結果として生じる混合物が、次いで、前記液体栄養組成物のさらなる部分と合わされることを特徴とする方法。
  12. 請求項10に記載の方法において、前記混合ステップが、約15,000〜約16,500rpmの間で行われることを特徴とする方法。
  13. 請求項10に記載の方法において、前記混合ステップが、混合ブレードを有するブレンディング装置で行われ、混合されるべき前記混合物が、前記ブレードを覆うのに十分な量であることを特徴とする方法。
  14. 請求項9に記載の方法において、弱塩基性溶液中のパンクレリパーゼビーズの混合物が、それが前記液体栄養組成物に添加されるまで約20分〜約120分間にわたり保持されることを特徴とする方法。
  15. 請求項9または14に記載の方法において、前記薬学的に受容可能な弱塩基性溶液が、少なくとも1種のアルカリ性物質、1種のアミノ酸、またはそれらの混合物を含むことを特徴とする方法。
  16. 請求項15に記載の方法において、前記アルカリ性物質が、アルカリおよびアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩、硫酸塩、リン酸塩、酸化物、ならびにトリス−(ヒドロキシメチル)−アミノメタン(THAM)、ならびにそれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする方法。
  17. 請求項16に記載の方法において、前記アルカリ性物質が、重炭酸ナトリウム、一塩基性リン酸ナトリウム、二塩基性リン酸ナトリウム、三塩基性リン酸ナトリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、および酸化マグネシウム、ならびにそれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする方法。
  18. 請求項17に記載の方法において、前記アルカリ性物質が、重炭酸ナトリウムであり、前記重炭酸ナトリウムの濃度が、約0.65〜約13%重量/体積の範囲にあることを特徴とする方法。
  19. 請求項9、14、15、16、17、または18に記載の方法において、前記薬学的に受容可能な弱塩基性溶液のpHが、約7.5〜約8.5の範囲にあることを特徴とする方法。
  20. 請求項9、14、15、16、17、18または19に記載の方法において、弱塩基性溶液中のパンクレリパーゼビーズの混合物が、それが前記液体栄養組成物に添加されるまで、室温より低い温度で保持されることを特徴とする方法。
  21. 請求項5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20に記載の方法において、前記パンクレリパーゼビーズが、前記液体栄養組成物の脂肪1g当たり約2,000〜約4,000リパーゼUSP単位のほぼ間に相当する量であることを特徴とする方法。
  22. 請求項1乃至21の何れか1項に記載の方法において、前記液体栄養組成物のカロリー含有量が、全体の約28〜90%を炭水化物、約1〜55%を脂肪、そして約4〜32%をタンパク質が構成するものであることを特徴とする方法。
  23. 請求項1乃至22の何れか1項に記載の方法において、使用される前記酵素が、顆粒、錠剤、球体、ミニ錠剤、マイクロ錠剤、微粒子、微小球、マイクロカプセルまたはマイクロペレットの形態であることを特徴とする方法。
  24. 請求項1乃至16の何れか1項に記載の方法において、前記酵素が、合計で約3,000、約4,200、約5,000、約6,000、約10,000、約10,500、約15,000、約16,800、約20,000、約21,000、約24,000、または25,000USPリパーゼ単位もしくはその倍数、または約5,000もしくは約30,000PhEurリパーゼ単位もしくはその倍数を有することを特徴とする方法。
  25. 請求項1乃至24の何れか1項に記載の方法において、治療有効量の酵素が添加されることを特徴とする方法。
  26. 請求項1乃至25の何れか1項に記載の方法によって得ることができる予備消化された栄養フォーミュラにおいて、前記酵素が、前記液体栄養組成物に加えられたリパーゼ活性の単位に対する割合として約85%より高いリパーゼ活性を有することを特徴とする予備消化された栄養フォーミュラ。
  27. 請求項26に記載の予備消化された栄養フォーミュラにおいて、前記酵素が、前記液体栄養組成物に加えられたリパーゼ活性の単位に対する割合として約90%より高いリパーゼ活性を有することを特徴とする予備消化された栄養フォーミュラ。
  28. 請求項26に記載の予備消化された栄養フォーミュラにおいて、前記酵素が、前記液体栄養組成物に加えられたリパーゼ活性の単位に対する割合として約95%より高いリパーゼ活性を有することを特徴とする予備消化された栄養フォーミュラ。
  29. 請求項26に記載の予備消化された栄養フォーミュラにおいて、前記酵素は、ほぼ室温での約360分間の貯蔵時間後に、前記液体栄養組成物に加えられたリパーゼ活性の単位に対する割合として約95%より高い平均リパーゼ活性を有することを特徴とする予備消化された栄養フォーミュラ。
  30. 請求項26に記載の予備消化された栄養フォーミュラにおいて、前記酵素が、室温での360分間の貯蔵時間後に、前記液体栄養組成物に加えられたリパーゼ活性の単位の割合として約100%の平均リパーゼ活性を有することを特徴とする予備消化された栄養フォーミュラ。
  31. 請求項26乃至30の何れか1項に記載の予備消化された栄養フォーミュラにおいて、前記脂質がトリグリセリドを含み、前記トリグリセリドの量が、約1時間後に、初期値の約45%であることを特徴とする予備消化された栄養フォーミュラ。
  32. 請求項26乃至30の何れか1項に記載の予備消化された栄養フォーミュラにおいて、前記脂質がトリグリセリドを含み、前記トリグリセリドの量が、約8時間後に、初期値の約30%であることを特徴とする予備消化された栄養フォーミュラ。
  33. 請求項26乃至30の何れか1項に記載のパンクレリパーゼにより予備消化された栄養フォーミュラにおいて、前記脂質がトリグリセリドを含み、前記トリグリセリドから放出されるアシル鎖の割合が、約1時間後に、約16%であることを特徴とするパンクレリパーゼにより予備消化された栄養フォーミュラ。
  34. 請求項31または33に記載の予備消化された栄養フォーミュラにおいて、前記脂質がトリグリセリドを含み、遊離脂肪酸アシル鎖およびモノグリセリドアシル鎖に転化されるトリグリセリドアシル鎖の割合が、約1時間後に、約28%であることを特徴とする予備消化された栄養フォーミュラ。
  35. 請求項26乃至30の何れか1項に記載の予備消化された栄養フォーミュラにおいて、前記脂質がトリグリセリドを含み、前記トリグリセリドから放出されるアシル鎖の割合が、約8時間後に、約28%であることを特徴とする予備消化された栄養フォーミュラ。
  36. 請求項32または35に記載の予備消化された栄養フォーミュラにおいて、前記脂質がトリグリセリドを含み、遊離脂肪酸アシル鎖およびモノグリセリドアシル鎖に転化されるトリグリセリドアシル鎖の割合が、約8時間後に、約36%であることを特徴とする予備消化された栄養フォーミュラ。
  37. 予備消化された栄養フォーミュラの投与を必要とする患者への投与方法において、
    a)請求項26乃至36の何れか1項に記載の前記予備消化された栄養フォーミュラを投与バッグに移すステップと、
    b)前記パンクレリパーゼにより予備消化された栄養フォーミュラを、前記バッグから経腸チューブ、ゲージ(gauge)胃造瘻チューブ、経鼻胃チューブまたは経空腸チューブを介して前記患者に投与するステップと、
    を含むことを特徴とする方法。
  38. 請求項37に記載の方法において、前記予備消化された栄養フォーミュラが、それの投与前に緩やかに撹拌されることを特徴とする方法。
  39. 小児患者または成人患者への予備消化された栄養フォーミュラの投与方法において、
    a.炭水化物、脂質、タンパク質および水の混合物を含む液体栄養組成物の一部をブレンダーに注入するステップと、
    b.パンクレリパーゼビーズの用量の総量を前記ブレンダーに加え、前記ブレンダーを閉じるステップと、
    c.結果として生じる混合物を、ほぼ室温において約1〜2分間にわたり約15,000〜約16,500rpmの間の混合速度で連続的に混合するステップと、
    d.ステップc)において得られたブレンドを前記液体栄養組成物の別の部分と合わせて、全予備消化された栄養フォーミュラの最終体積を達成するステップと、
    e.ステップd)の前記予備消化された栄養フォーミュラを投与バッグに移すステップと、
    f.栄養供給を開始する前に緩やかに前記バッグを振盪するステップと、
    g.経腸チューブを介して前記栄養供給を開始するステップと、
    を含むことを特徴とする方法。
  40. パンクレリパーゼビーズの使用において、小児患者または成人患者の経腸栄養のための予備消化された栄養フォーミュラの調製のための使用であることを特徴とする使用。
  41. 経腸栄養のための予備消化された栄養フォーミュラの調製のためのキットにおいて、
    a.炭水化物、脂質、タンパク質および水の混合物を含む液体栄養組成物と、
    b.パンクレリパーゼビーズと、
    を含むことを特徴とするキット。
  42. 請求項41に記載のキットにおいて、薬学的に受容可能な弱塩基性溶液をさらに含むことを特徴とするキット。
  43. 請求項41に記載のキットにおいて、薬学的に受容可能な弱塩基性溶液を調製するためのアルカリ性物質をさらに含むことを特徴とするキット。
JP2013523384A 2010-08-06 2011-08-08 予備消化された栄養フォーミュラ Withdrawn JP2013534141A (ja)

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