JP2013238285A - 液体貯蔵タンク - Google Patents
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Abstract
【課題】スロッシング対策等を目的として、液体窒素や液体水素等の低温液体を内部に貯蔵するタンク本体内の屋根と液面の間に断熱部材を設置した液体貯蔵タンクであって、保冷機能を低下させることなく、液体の供給又は排出用等のパイプを設けることが容易な液体貯蔵タンクを提供することを課題としている。
【解決手段】本発明は、液体Lが密閉した状態で貯蔵する貯蔵部8が内部に形成されたタンク本体1を備え、タンク本体1内における屋根6よりも下方位置であって且つ上記貯蔵された液体Lの液面L1よりも上方位置に断熱部材9を設置した液体貯蔵タンクにおいて、屋根6側からタンク本体1内に導入されて上記貯蔵された液体L内に配管されるパイプ16を設け、該パイプ16を上下方向に挿通させる筒状部13を断熱部材9に一体的に形成する。
【選択図】図1
【解決手段】本発明は、液体Lが密閉した状態で貯蔵する貯蔵部8が内部に形成されたタンク本体1を備え、タンク本体1内における屋根6よりも下方位置であって且つ上記貯蔵された液体Lの液面L1よりも上方位置に断熱部材9を設置した液体貯蔵タンクにおいて、屋根6側からタンク本体1内に導入されて上記貯蔵された液体L内に配管されるパイプ16を設け、該パイプ16を上下方向に挿通させる筒状部13を断熱部材9に一体的に形成する。
【選択図】図1
Description
この発明は、液化天然ガス、液体窒素又は液体水素等の超低温の液体を貯蔵する液体貯蔵タンクに関する。
超低音の液化天然ガス(LNG)や液体窒素や液体水素等の液体を密閉状態で貯蔵する貯蔵部が内部に形成されたタンク本体を備えた液体貯蔵タンクが従来公知である。
ところで、このような超低温の液体は、海上若しくは陸上搬送時又は地震発生時等に液面が波打つスロッシングが問題になる。具体的に説明すると、タンク本体の屋根側内面(天上面)は、超低温の液体に接するその他の内面に比べて高温になっているため、スロッシングによって液体が屋根側内面に接触すると、液体の蒸発や圧力変化が生じ、種々の不都合が生じる。
このため、タンク本体内における屋根よりも下方位置であって且つ上記貯蔵された液体の液面よりも上方位置に断熱部材を設置し、スロッシング時における液体の屋根内面側への接触を防止する特許文献1,2に示す液体貯蔵タンクが公知になっている。
上記文献の液体貯蔵タンクでは、液体の供給又は排出用等のパイプを配管する必要があるが、保冷機能を向上させるためにタンク本体内の屋根と液面の間に設けた断熱部材が配管の邪魔になる他、パイプの配管が適切でない場合には保冷機能が低下する場合があるという問題がある。
本発明は、スロッシング対策等を目的として、液体窒素や液体水素等の低温液体を内部に貯蔵するタンク本体内の屋根と液面の間に断熱部材を設置した液体貯蔵タンクであって、保冷機能を低下させることなく、液体の供給又は排出用等のパイプを設けることが容易な液体貯蔵タンクを提供することを課題としている。
上記課題を解決するため、第1に、液体Lを密閉した状態で貯蔵する貯蔵部8が内部に形成されたタンク本体1を備え、タンク本体1内における屋根6よりも下方位置であって且つ上記貯蔵された液体Lの液面L1よりも上方位置に断熱部材9を設置した液体貯蔵タンクにおいて、屋根6側からタンク本体1内に導入されて上記貯蔵された液体L内に配管されるパイプ16を設け、該パイプ16を上下方向に挿通させる筒状部13を断熱部材9に一体的に形成したことを特徴としている。
第2に、タンク本体1を中空の球状に成形し、断熱部材9を、タンク本体1の内周面に沿う外縁を有する水平な円形板状に成形し、天井面6a側と液面L1の間を断熱部材9で遮断したことを特徴としている。
第3に、前記筒状部13を平面視で断熱部材9の中心に配置形成し、断熱部材9を、筒状部13の軸心Sを境に半割りされる対称形状に成形したことを特徴としている。
第4に、筒状部13の内周とパイプ16の外周との間に位置する隙間に断熱材又は保冷材からなる充填材17が充填されたことを特徴としている。
第5に、タンク本体1の内周面に沿う円形の外縁を有する取付リング12及び設置リング11を設け、設置リング11の外縁側をタンク本体1の内周面に固着し、断熱部材9の外縁寄り側を取付リング12に取付け、取付リング12を設置リング11に取付固定することにより、タンク本体1の内周面に断熱部材9を取付支持したことを特徴としている。
第6に、取付リング12を、ハイテンションボルトによって、密着状態で、設置リング11に取付固定したことを特徴としている。
第7に、取付リング12を、金属製の設置リング11よりも熱伝導率が低い金属によって構成し、取付リング12と、設置リング11とを、クラッド鋼を介して、周方向に接合したことを特徴としている。
第8に、取付リング12をステンレス材によって構成するとともに、設置リング11をアルミ材によって構成したことを特徴としている。
第9に、タンク本体1を外殻3及び内殻2を有する二重タンクとし、外殻3と内壁2との間に断熱層4を形成し、該断熱層4は二層構造をなし、断熱層4の内寄り層は、タンク本体1の径方向に伸縮する伸縮材29が設けられた第1断熱層4aであり、断熱層4の外寄り層は、充填材31が充填され第2断熱層4bであることを特徴としている。
第10に、第1断熱層4aと第2断熱層4bの間に両者を区切るフレキシブルに変形可能な仕切シート32を介挿し、仕切シート32の表面にはシワ処理が施されたことを特徴としている。
第11に、伸縮材29がグラスウールであり、充填材31がパーライトであることを特徴としている。
屋根側からタンク本体内に導入されて上記貯蔵された液体内に配管されるパイプを設け、該パイプを上下方向に挿通させる筒状部を断熱部材に一体的に形成しているため、タンク本体の部屋と液面との間に設けた断熱部材によってスロッシング対策や保温機能の向上を実現させるとともに、筒状部を介して、屋根側から液体側にパイプを容易に配管することが可能になり、この配管部分の構造によって保冷性能が低下することも防止される。
また、タンク本体を中空の球状に成形し、断熱部材を、タンク本体の内周面に沿う外縁を有する水平な円形板状に成形し、天井面側と液面の間を断熱部材で遮断したものによれば、その球形状によって、超低温の液体を安定的に貯蔵できる。
また、前記筒状部を平面視で断熱部材の中心に配置形成し、断熱部材を、筒状部の軸心を境に半割りされる対称形状に成形したものによれば、筒状部を含む断熱部材を半割りされた一対の分割体によって形成でき、一体成形する場合の型も同一形状にして兼用できるため、製造コストを安く抑えることが可能になるとともに、組立作業も容易になる。
また、筒状部の内周とパイプの外周との間に位置する隙間に断熱材又は保冷材からなる充填材が充填されたものによれば、保冷性能がさらに向上する。
さらに、タンク本体の内周面に沿う円形の外縁を有する取付リング及び設置リングを設け、設置リングの外縁側をタンク本体の内周面に固着し、断熱部材の外縁寄り側を取付リングに取付け、取付リングを設置リングに取付固定することにより、タンク本体の内周面に断熱部材を取付支持したものによれば、取付リング及び設置リングによって、断熱部材を液面上方に安定的に支持できる。
なお、取付リングを、ハイテンションボルトによって、密着状態で、設置リングに取付固定したものによれば、設置リングに取付リングが、密着状態で固定されるため、密閉性が高まり、保冷効果がさらに高まる。
また、取付リングを、金属製の設置リングよりも熱伝導率が低い金属によって構成し、取付リングと、設置リングとを、クラッド鋼を介して、周方向に接合したものによれば、取付リングと設置リングとの間の気密性が、接合部分によって、さらに向上し、保冷性能をより向上させることが可能になる。
一方、タンク本体を外殻及び内殻を有する二重タンクとし、外殻と内壁との間に断熱層を形成し、該断熱層は二層構造をなし、断熱層の内寄り層は、タンク本体の径方向に伸縮する伸縮材が設けられた第1断熱層であり、断熱層の外寄り層は、充填材が充填された第2断熱層であるものによれば、全体の保冷機能が向上するとともに、低温時の収縮変形と常温時の復帰変形のサイクルによって生じる隙間を、伸縮材によってカバーすることにより、充填材の沈降を防止し、これによって充填材沈降に起因した圧密によるタンク本体の破壊を防止することが可能になる。
また、第1断熱層と第2断熱層の間に両者を区切るフレキシブルに変形可能な仕切シートを介挿し、仕切シートの表面にはシワ処理が施されたものによれば、第1断熱層と第2断熱層とを確実に区切ることが可能になるとともに、熱変化による膨張又は収縮によって、タンク本体の大きさが変化した際、仕切りシートも伸縮するため、破れ等が効率的に防止される。
図1は本発明を適用した液体貯蔵タンクの構成を示す断面図である。図示する液体貯蔵タンクは、内部に超低温の液体Lが収容される中空且つ球体状に成形されたタンク本体1から構成されている。液体貯蔵タンクは船体に設置されて海上輸送され、その直径は20〜70m程度に設定される。
なお、本発明の液体貯蔵タンクは、海上輸送されるものに限らず、地上に固定設置されるものでもよいし、陸上輸送用の車両に設置されるものでもよい。さらに、超低温の液体Lとしては、例えば、LNGや液体窒素や液体水素等が想定され、常温で気化するような液体を意味するものとする。
タンク本体1は、内殻2と外殻3を有する二重構造を有し、外殻3は例えばスチール製であり、内殻2は例えばアルミ製であり、内殻2と外殻3との間には断熱層4が形成されている。タンク本体1の上端部分は液体の上方を覆う屋根6になるが、この屋根6における最上端部からは、円筒状の突起部7が上方に一体的に突出形成されている。
なお、内殻2及び外殻3の材質は、スチールやアルミに限定されるものではなく、強度と低温特性に優れたものであれば、どのようなものでもよい。断熱層4の構成については後述する。
このタンク本体1の内殻2内には、超低温の液体Lである液体窒素や液体水素を貯蔵する球状の貯蔵室(貯蔵部)8が形成され、この貯蔵室8のおよそ98%が超低温の液体Lで満たされ、この液体Lの液面L1がタンク本体1の屋根6に近接した状態になる。そして、輸送時や地震時に液面が波打つスロッシングが生じた際、液面L1と屋根6との間に何もない場合、通常時に液体Lに接していない屋根6の内面(天井面6a)に液体が接し、貯蔵室8内の圧力が変化、液体Lの蒸発等が発生することがある。
このようなスロッシングによる不具合を防止するため、屋根6の下方且つ液面L1の上方位置に水平な防壁板9を配設している。防壁板9は、それ自体又は上面若しくは下面に断熱処理が施された断熱部材であって、この防壁板9の外縁は全周に亘りタンク本体1のリング状の平断面形状に沿うように近接する円形に形成され、円形環状の設置リング11及び取付リング12と、この設置リング11と取付リング12を互いに強固に接合させるクラッド鋼とによって、この防壁板9がタンク本体1内に支持固定されている。
また、防壁板9の上面から上方に突出するように鉛直方向に延びる筒状部13が防壁板9の中心部側に一体形成されている。この筒状部13は、防壁板9と中心が一致する円形リング状の平断面形状を有し、筒状部13の軸方向両端は開放されているため、該筒状部13の内周面側には、鉛直方向に延びる円筒形状に配管用スリーブ14が挿通支持される。
図2は筒状部内の構成を示す平断面図である。図1,2に示す通り、配管スリーブ14の上端部はタンク本体1の突起部7から上方突出するとともに、下端部はタンク本体1内の液体L内に位置しており、配管スリーブ14内には、液体Lの供給又は排出等のための一又は複数(図示する例では3本)のパイプ16が上下方向を向いた姿勢で挿通されている。すなわち、筒状部13は、パイプ16を上下に挿通させる挿通部としても機能している。
ちなみに、突起部7の上端面から配管スリーブ14が突出した状態になるが、突起部7の配管スリーブ14が貫通する部分に隙間が形成されないよう充填や溶着等の処理が施されている他、突起部7は、配管スリーブ14及び筒状部13と同一軸心となるように配置形成されている。この他、突起部7の外周面及び上端面は、断熱材15であるポリウレタンフォーム等によってカバーされ、突起部7の内周側が外気によって温められることを極力防止している。
配管スリーブ14は、その外周面側が筒状部13の内周側に溶接等で固着され、この複数のパイプ16は、束ねられた状態で、配管スリーブ14に挿通されている。筒状部13の内周面とパイプ16の外周面との間に位置する隙間である配管スリーブ14内周面とパイプ16外周面の間に形成される隙間や、隣接するパイプ16外周面同士の間に形成される隙間には、断熱材又は保冷材等(図示する例では保冷材)の充填材17が充填されている。
また配管スリーブ14の上下各開放端部は、該配管スリーブ14の内周面と、パイプ16の外周面とを周方向全体に亘り溶接することにより、閉塞されているため、配管スリーブ14内に液体Lが入り込むことが防止される。このような断熱保冷構造によれば、防壁板9を上下に貫通させて配管する場合においても、防壁板9を境にした上下方向の熱伝導が最小限に抑制される。ちなみに、該配管スリーブ14の内周面と、パイプ16の外周面とを周方向全体に亘り密閉できれば、充填材のような部材を両者の間に充填してもよい。
図3は図1の要部断面図であり、図4は防壁板、取付リング及び設置リングの構成を示す分解斜視図である。図1,図3及び図4に示す通り、設置リング11及び取付リング12は、筒状部13の軸心S上に中心が位置する円形ドーナツ状に配置形成されている。
設置リング11の外縁の径(外径)と、取付リング12の外径と、防壁板9の径とは、この順序で次第に小さく設定され、設置リング11の円状空洞側の径(内径)は、取付リング12の外形よりも小さく設定され、取付リング12の内径は、防壁板9の径よりも小さく設定されている。
このため、設置リング11と、取付リング12と、防壁板9を、この順番で順次下方に並べ連ね、設置リング11の外縁を周方向全体に亘りタンク本体1の内殻の内周面に溶接固定し、設置リング11の内縁寄り側下面に、取付リング12の外縁寄り側上面を接合固定し、取付リング12の内縁寄り側下面に、防壁板9の外縁寄り側上面を密着させてボルト固定することにより、防壁板9をタンク本体1の内周面に支持固定している。この他、必要に応じ、筒状部13又は防壁板9(図示する例では、筒状部9の上端部)を、支持部材18によって突起部7内の上端部に取付支持してもよい。
設置リング11は内殻2と同一の金属であるアルミ材によって構成され、設置リング11は内殻2の内面に溶接固定されている。取付リング12は、設置リング11よりも熱伝導効率が低い金属であるステンレス材によって構成されており、設置リング11と取付リング12とは、クラッド鋼を介して、周方向全体に亘り強固に接合固定されている。
防壁板9及び筒状部13は、例えばステンレス材によって一体的に形成されており、この防壁板9の外縁部は、周方向全体に所定間隔毎に満遍なく配置された複数のボルト19及びナット21によって、取付リング12に着脱自在にボルト固定されている。
この防壁板9の上面及び筒状部13の外周が覆われるように、防壁板9上に断熱材22であるポリウレタンフォーム等が積上げ設置され、防壁板9の断熱性能が高められている。なお、図示する例では、防壁板9の上面側に断熱処理を施しているが、防壁板9の下面側に断熱処理を施してもよいし、防壁板自体を断熱性の高い部材によって構成してもよい。また、突起部7の内周側と、配管用スリーブ14の外周側との間に、軸方向の一部又は全体に亘り、断熱材を充填して、さらに保冷性能を向上させてもよい。
このように断熱性の高い取付リング12と、断熱処理が施された防壁板9によって、遮熱性能を高めるとともに、取付リング12と設置リング11とを周方向全体に亘りクラッド接合することによって、気密性を高め、スロッシング時に、液体Lが防壁板9の上面側に漏れ出ることが防止される。この他、防壁板9及び取付リング12の互いの当接面側の隙間等に可撓性シール(図示しない)を介挿し、気密性を向上させてもよいし、図示しないHTB(ハイテンションボルト)によって、取付リング12を、密着状態で、強固に、設置リング11に周方向全体に亘りボルト固定してもよく、これによっても気密性が向上し、断熱効果が高まる。
なお、筒状部13を含む防壁板9、取付リング12及び設置リング11は、それぞれ筒状部13の軸心Sを境に対称形状をなし、半割り形成されている。言換えると、筒状部13の軸心Sと平行に接する分割面(図示しない)に対して、筒状部13を含む防壁板9、取付リング12及び設置リング11が対称形状をなし、この防壁板9、設置リング11及び取付リング12は、それぞれ上記分割面によって分割される一対の分割体23A,23B,24A,24B,26A,26Bによって構成されている。
そして、筒状部13を含む防壁板9と、取付リング12と、設置リング11とは、一対の分割体23A,23B,26A,26B,24A,24Bにおける分割面に接する端部(接合端部)同士を溶接等によって全体に亘り接合固定することにより、その全体形状が成形される。このように半割りされた一対の分割体23A,23B,24A,24B,26A,26Bによって構成される上記防壁板9、設置リング11及び取付リング12は、該一対の分割体23A,23B,24A,24B,26A,26Bをそれぞれ各別に設置可能であるため、それ自体が大型の部材であっても組立作業の負担が軽減される。
ちなみに、この液体貯蔵タンクの製造過程では、タンク本体1を下側から順次形成していくが、設置リング11、取付リング12及び防壁板9を設置するまでは、屋根6は形成せずに上方が開放されたままにしておき、作業効率を向上させる。
図5は取付リング及び防壁板の他例を示す斜視図である。防壁板9又は設置リング11、取付リング12の分割体23A,23B,24A,24B,26A,26Bの接合端部に、端面方向に広がる鍔部27を一体形成し、一対の分割体23A,23B,24A,24B,26A,26Bの鍔部27,27同士を面状に密着させて溶接固定又はボルト固定してもよい。ちなみに、鍔部27は、防壁板9や2つのリング11,12の水平部分では、上方に突出形成され、筒状部13では、径方向外側に突出形成される。
また、防壁板9、設置リング11又は取付リング12の分割体23A,23B,24A,24B,26A,26Bの接合端部同士を接合させた際に連接される表裏面の一方又は両方を互いに連結する連結具28等の部材によって、分割体23A,23B,24A,24B,26A,26B同士を連結固定させてもよい。
次に、図6乃至図8に基づき断熱層4の構成を説明する。
図6は、断熱層の構成を示すタンク本体の断面図であり、図7は、断熱層のグラスウールが拡大した状態を示すタンク本体の断面図であり、図8は、図6の要部拡大図である。タンク本体1の外殻3と内壁2との間に形成された断熱層4の厚みは1m程度に設定され、この断熱層4の二層構造をなしている。
図6は、断熱層の構成を示すタンク本体の断面図であり、図7は、断熱層のグラスウールが拡大した状態を示すタンク本体の断面図であり、図8は、図6の要部拡大図である。タンク本体1の外殻3と内壁2との間に形成された断熱層4の厚みは1m程度に設定され、この断熱層4の二層構造をなしている。
断熱層4の内殻寄り層は、タンク本体1の径方向に弾力的に伸縮する伸縮材であるグラスウール29が設けられた第1断熱層4aとなり、断熱層4の外殻寄り層は、充填材である粒状のパーライト31が充填された第2断熱層4bになり、第1断熱層4aと第2断熱層4bとの境界部分の全体には、フレキシブルに変形可能なアルミ箔からなる仕切シート32が介挿され、この仕切シート32によって、第1断熱層4aと第2断熱層4bとが仕切られている。
また、このタンク本体1の下面側には、少なくとも第2断熱層4b(図示する例では第1断熱層4a及び第2断熱層4b)内の空気等の気体を排出して真空状態にする真空ポンプ33が設けられる一方で、タンク本体1の上面側には少なくとも第2断熱層4b(図示する例では第1断熱層4a及び第2断熱層4b)内に空気や不活性ガス等の気体を注入して圧力を上昇させる圧力管34が設置されている。
さらに、外殻3の外面における下面のさらに外側には第2防壁36が形成され、この第2防壁36と外殻3との間に一時収容室37が形成されている。漏洩時、この一時収容室37に、タンク本体1からの漏洩物が一時的に貯留される。第2防壁36側には移送管38が配管され、この移送管38は、第2断熱層4b内を気体のやり取りしない状態で通されてタンク本体1の上端まで配管され、一時収容室37内の液体又は気体等の漏洩物を他の図示しない他のタンクに移すように機能している。ちなみに、この移送管38の上流側には、一時収容室37から他のタンクへの流路を開閉する開閉バルブ39が設置されている。
第1断熱層4aのグラスウール29は、厚みが無負荷時に比べて40%程度に圧縮された状態で、内殻2と仕切シート32との間に充填されており、このグラスウール29は、温度変化による膨張と収縮を繰り返す熱サイクルによって、内殻2や外殻3等の大きさが変化したことに起因した容量変化に伴ってタンク本体1の径方向に伸縮する。
具体的には、断熱層4の容量が縮小した際には、充填されたパーライト等の充填材31が周方向全体に満遍なく充填され、グラスウール等の伸縮材29も周方向全体に亘り縮小した状態になる一方で(図6参照)、断熱層4の容量が拡大した際には、圧縮されたグラスウール等の伸縮材29が厚みを復元して、パーライト等の充填材31の沈降を防止するが、それでも充填材31が自重で下方に偏るが、この偏りによって生じた上方の空間は、グラスウール等の伸縮材29の上寄り部分が、径方向外側に拡大することにより、埋められる(図7参照)。
すなわち、伸縮材29の径方向の伸縮作用によって、断熱層4内に隙間が生じないように空間を埋め合わせる他、第2断熱層4bに充填されているパーライト等の充填材31の同一温度状態での密度の変化を抑制している。ちなみに、グラスウール29の伸縮作用がない場合、熱収縮によってパーライト31が移動を繰返すことにより、同一温度且つ同一容量下でも、パーライト31の密度が偏るようになり、これによって、タンク本体1の所定部分に集中的に負荷が掛かり、故障等の原因になる。
第2断熱層4bは、パーライト31が充填された状態で、真空ポンプ33による真空処理が施され、低圧な真空又は略真空状態になり、断熱効果がさらに高められている。
上記仕切シート32は、第1断熱層4aと第2断熱層4bとの間の気体の流動を防止するとともに、グラスウール29の伸縮に応じてフレキシブルに変化する。具体的には、仕切シート32は、複数のシート片41をつなぎ合せることによって構成され、隣合うシート片41,41は、その端部41a,41a同士をラップさせ、該ラップ部分を接着剤42でスポット接着させることにより、接続されている。
ちなみに、図8に示すように上下で隣接するシート片41,41同士をつなぎ合せる際は、上側のシート片41の端部41aを内側に位置させるとともに、下側のシート片41の端部41aを外側に位置させた状態で、この2つの端部41a,41aを貼付しており、これによって、第1断熱層4a内の漏洩物が第2断熱層4bに漏れ出すのを効率的に防止している。
また、仕切シート32は、グラスウール29にピン(図示しない)で固定されている他、波状にシワを寄せるコルゲート加工が予め施され、このコルゲート加工によって、グラスウール29の伸縮時における仕切シート32の破れが防止される。
このようにして、第1断熱層4aと第2断熱層4bとの間の気密性が高められ、貯蔵室8から第1断熱層4aに漏れ出た漏洩物は、この第1断熱層4aの下方まで案内された後、一時収容室37内に導入され、上記他のタンクに回収される。
1 タンク本体
2 内殻
3 外殻
4 断熱層
4a 第1断熱層
4b 第2断熱層
6 屋根
8 貯蔵室(貯蔵部)
9 防壁板(断熱部材)
11 設置リング
12 取付リング
13 筒状部
16 パイプ
17 充填材(断熱材,保冷材)
29 グラスウール(伸縮材)
31 パーライト(充填材)
32 仕切シート
L 液体
L1 液面
S 軸心
2 内殻
3 外殻
4 断熱層
4a 第1断熱層
4b 第2断熱層
6 屋根
8 貯蔵室(貯蔵部)
9 防壁板(断熱部材)
11 設置リング
12 取付リング
13 筒状部
16 パイプ
17 充填材(断熱材,保冷材)
29 グラスウール(伸縮材)
31 パーライト(充填材)
32 仕切シート
L 液体
L1 液面
S 軸心
Claims (11)
- 液体(L)を密閉した状態で貯蔵する貯蔵部(8)が内部に形成されたタンク本体(1)を備え、タンク本体(1)内における屋根(6)よりも下方位置であって且つ上記貯蔵された液体(L)の液面(L1)よりも上方位置に断熱部材(9)を設置した液体貯蔵タンクにおいて、屋根(6)側からタンク本体(1)内に導入されて上記貯蔵された液体(L)内に配管されるパイプ(16)を設け、該パイプ(16)を上下方向に挿通させる筒状部(13)を断熱部材(9)に一体的に形成した液体貯蔵タンク。
- タンク本体(1)を中空の球状に成形し、断熱部材(9)を、タンク本体(1)の内周面に沿う外縁を有する水平な円形板状に成形し、天井面(6a)側と液面(L1)の間を断熱部材(9)で遮断した請求項1記載の液体貯蔵タンク。
- 前記筒状部(13)を平面視で断熱部材(9)の中心に配置形成し、断熱部材(9)を、筒状部(13)の軸心(S)を境に半割りされる対称形状に成形した請求項1又は2の何れかに記載の液体貯蔵タンク。
- 筒状部(13)の内周とパイプ(16)の外周との間に位置する隙間に断熱材又は保冷材からなる充填材(17)が充填された請求項1乃至3の何れかに記載の液体貯蔵タンク。
- タンク本体(1)の内周面に沿う円形の外縁を有する取付リング(12)及び設置リング(11)を設け、設置リング(11)の外縁側をタンク本体(1)の内周面に固着し、断熱部材(9)の外縁寄り側を取付リング(12)に取付け、取付リング(12)を設置リング(11)に取付固定することにより、タンク本体(1)の内周面に断熱部材(9)を取付支持した請求項1乃至4の何れかに記載の液体貯蔵タンク。
- 取付リング(12)を、ハイテンションボルトによって、密着状態で、設置リング(11)に取付固定した請求項5記載の液体貯蔵タンク。
- 取付リング(12)を、金属製の設置リング(11)よりも熱伝導率が低い金属によって構成し、取付リング(12)と、設置リング(11)とを、クラッド鋼を介して、周方向に接合した請求項5記載の液体貯蔵タンク。
- 取付リング(12)をステンレス材によって構成するとともに、設置リング(11)をアルミ材によって構成した請求項7記載の液体貯蔵タンク。
- タンク本体(1)を外殻(3)及び内殻(2)を有する二重タンクとし、外殻(3)と内壁(2)との間に断熱層(4)を形成し、該断熱層(4)は二層構造をなし、断熱層(4)の内寄り層は、タンク本体(1)の径方向に伸縮する伸縮材(29)が設けられた第1断熱層(4a)であり、断熱層(4)の外寄り層は、充填材(31)が充填された第2断熱層(4b)である請求項1乃至8の何れかに記載の液体貯蔵タンク。
- 第1断熱層(4a)と第2断熱層(4b)の間に両者を区切るフレキシブルに変形可能な仕切シート(32)を介挿し、仕切シート(32)の表面にはシワ処理が施された請求項9記載の液体貯蔵タンク。
- 伸縮材(29)がグラスウールであり、充填材(31)がパーライトである請求項9又は10の何れかに記載の液体貯蔵タンク。
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