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JP2013237757A - 変形材料およびアクチュエーター - Google Patents

変形材料およびアクチュエーター Download PDF

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JP2013237757A
JP2013237757A JP2012110962A JP2012110962A JP2013237757A JP 2013237757 A JP2013237757 A JP 2013237757A JP 2012110962 A JP2012110962 A JP 2012110962A JP 2012110962 A JP2012110962 A JP 2012110962A JP 2013237757 A JP2013237757 A JP 2013237757A
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deformable material
unit
stimulus
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英樹 田中
Toshihiro Otake
俊裕 大竹
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Seiko Epson Corp
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Seiko Epson Corp
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Abstract

【課題】低電圧で大きく変位することが可能な変形材料、および、それを用いたアクチュエーターを提供すること。
【解決手段】本発明の変形材料は、酸化還元反応により、分子構造が変わる刺激応答性化合物と、高分子材料と、電子導電性物質とを含むことを特徴とする。前記電子導電性物質は、変形材料中において、粒子状をなすものであるのが好ましい。また、前記電子導電性物質の平均粒径は、1nm以上10μm以下であるのが好ましい。また、前記電子導電性物質として、炭素材料を含むものであるのが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、変形材料およびアクチュエーターに関する。
近年、医療分野やマイクロマシン分野等において、小型のアクチュエーターの必要性が高まっている。
このような小型のアクチュエーターは、小型であるとともに、低電圧で駆動することが求められている。このような低電圧化を実現するために種々の試みが行われている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、従来のアクチュエーターでは、駆動電圧を十分に低くすることができておらず、変形をさせるのに高い電圧が必要であった。また、従来のアクチュエーターでは、変形量(変位量)を十分に大きなものとすることが困難であった。
特開2005−224027号公報
本発明の目的は、低電圧で大きく変位することが可能な変形材料、および、それを用いたアクチュエーターを提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の変形材料は、酸化還元反応により、分子の構造が変わる刺激応答性化合物と、
高分子材料と、
電子導電性物質とを含むことを特徴とする。
これにより、低電圧で大きく変位することが可能な変形材料を提供することができる。
本発明の変形材料では、前記電子導電性物質は、炭素材料を含むものであることが好ましい。
これにより、電子の輸送機能が向上し、比較的低い電圧で変形材料全体を大きく変位させることができる。
本発明の変形材料では、前記電子導電性物質は、粒子状をなすものであることが好ましい。
これにより、変形材料全体に均一に電子導電性物質を分散させることができ、変形材料中での電子の輸送を好適に行うことができる。
本発明の変形材料では、前記電子導電性物質の平均粒径は、1nm以上10μm以下であることが好ましい。
これにより、変形材料中での電子の輸送を好適に行うことができ、刺激応答性化合物への電子供給効率を特に優れたものとすることができる。
本発明の変形材料では、前記高分子材料は、フッ化ビニリデン−六フッ化プロピレン共重合体、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、および、有機電解質オリゴマーよりなる群から選択される1種または2種以上を含むものであることが好ましい。
これにより、変形材料全体をより好適にゲル化させることができる。また、変形材料を、より柔軟な作動をするものとすることができる。また、ゲル状態の変形材料において、溶媒(液体成分)の保持力を特に優れたものとすることができるため、不本意な経時的な変形材料の体積減少をより効果的に防止することができる。
本発明の変形材料では、前記高分子材料は、液晶ポリマーを含むものであることが好ましい。
これにより、刺激応答性化合物(変形材料)の応答速度を効果的に向上させることができる。また、刺激応答性化合物の伸縮にともなう変形材料全体の変位をより好適に増幅することができ、変形材料全体としての変位量を特に大きいものとすることができる。
本発明の変形材料では、前記液晶ポリマーは、架橋剤により架橋されたものであることが好ましい。
これにより、変形材料を好適に固体化(ゲル化)することができ、変形材料全体としての形状の安定性、取り扱い性が特に優れたものとなる。また、これにより、変形材料は、異方的な伸縮をより好適に行うことができる。
本発明の変形材料では、前記刺激応答性化合物が液晶性を有する官能基を備えるものであり、
前記液晶ポリマーは、その分子内に、前記刺激応答性化合物の前記液晶性を有する官能基と同じ官能基を有していることが好ましい。
これにより、刺激応答性化合物(変形材料)の応答速度をより効果的に向上させることができる。また、刺激応答性化合物の伸縮にともなう変形材料全体の変位をさらに好適に増幅することができ、変形材料全体としての変位量をさらに大きいものとすることができる。また、変形材料は、より低い電圧での変形が可能となる。
本発明の変形材料では、前記刺激応答性化合物は、液晶性を有する官能基を備えるものであることが好ましい。
これにより、刺激応答性化合物(変形材料)の応答速度を効果的に向上させることができる。また、刺激応答性化合物の伸縮にともなう変形材料全体の変位をより好適に増幅することができ、変形材料全体としての変位量を特に大きいものとすることができる。また、変形材料は、より低い電圧での変形が可能となる。
本発明の変形材料では、前記刺激応答性化合物は、回転軸として機能する結合を有するユニットAと、
前記ユニットAの第1の結合部位に配置された第1のユニットBと、
前記ユニットAの第2の結合部位に配置された第2のユニットBと、
第1のユニットCと、
第2のユニットCとを含むものであり、
前記第1のユニットBと前記第2のユニットBとが酸化還元反応によって結合し、
前記第1のユニットCおよび前記第2のユニットCが前記液晶性を有する官能基であることが好ましい。
これにより、刺激応答性化合物(変形材料)の応答速度、変位量を特に優れたものとすることができる。
本発明の変形材料では、前記ユニットAは、下記式(1)、下記式(2)および下記式(3)よりなる群から選択される1種であることが好ましい。
Figure 2013237757
これにより、刺激応答性化合物は、より円滑な変形(変位)が可能となり、変形材料はより低電圧で駆動するものとなる。
本発明の変形材料では、前記第1のユニットBおよび前記第2のユニットBは、下記式(4)で表される基であることが好ましい。
Figure 2013237757
これにより、反応条件を調整することで、ユニットB同士の結合状態と非結合状態とを可逆的にかつより容易に進行させることができる。また、反応性が高いため、刺激応答性化合物は、より円滑で、かつより低電圧での変形が可能となる。
本発明の変形材料では、前記液晶性を有する官能基は、複数の環構造を有し、
前記複数の環構造のうちの1つの環構造にハロゲン原子が1つ以上結合していることが好ましい。
これにより、液晶性を有する官能基の配向時における運動性能をより高いものとすることができ、配向への移行の速度がより早くなる。その結果、変形材料は、より速くかつより円滑に変形(変位)が可能となり、さらに低電圧で駆動するものとなる。
本発明のアクチュエーターは、本発明の変形材料を用いて製造されたことを特徴とする。
これにより、低電圧で大きく変位することが可能なアクチュエーターを提供することができる。
本発明のアクチュエーターは、本発明の変形材料を用いて形成され、電源に接続される変形材料層と、
前記電源に接続される対向電極と、
前記変形材料層と前記対向電極との間に介在する電解液とを備えることを特徴とする。
これにより、低電圧で大きく変位することが可能なアクチュエーターを提供することができる。
本発明の変形材料を構成する刺激応答性化合物の酸化還元反応前後の分子構造を説明するための図である。 本発明の変形材料を構成する刺激応答性化合物の酸化還元反応前後の分子構造を説明するための図である。 本発明の変形材料を構成する刺激応答性化合物の酸化還元反応前後の分子構造を説明するための図である。 本発明の変形材料を構成する刺激応答性化合物の酸化還元反応前後の分子構造を説明するための図である。 本発明の変形材料を用いたアクチュエーターの一例を模式的に示す断面図である。 電圧印加により変形したアクチュエーターの一例を示す断面図である。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
《変形材料》
まず、本発明の変形材料の好適な実施形態について詳細に説明する。
本発明の変形材料は、主に、刺激応答性化合物と、高分子材料と、電子導電性物質とを含む。さらに、変形材料は、溶媒、電解質等が含まれていてもよい。
以下、本発明の変形材料を構成する各成分について詳細に説明する。
<刺激応答性化合物>
まず、刺激応答性化合物について説明する。
図1、図2、図3、図4は、本発明の変形材料を構成する刺激応答性化合物の酸化還元反応前後の分子構造を説明するための図である。図1、図2は、後に詳述するユニットDを有さない刺激応答性化合物を示すものであり、図3、図4は、後に詳述するユニットDを有する刺激応答性化合物を示すものであり、図3は図1に対応するものであり、図4は図2に対応するものである。図1、図2、図3、図4中、○は官能基(原子団)を意味し、線は結合を意味する。
刺激応答性化合物は、刺激によって、分子の立体構造を変形(変位)させる機能、言い換えると、分子鎖が伸縮する機能を有する化合物である。
本発明において、刺激応答性化合物は、酸化還元反応により、分子構造が変わるものであればいかなるものであってもよいが、液晶性を有する官能基を備えるものであるのが好ましい。これにより、刺激応答性化合物(変形材料)の応答速度を効果的に向上させることができる。また、刺激応答性化合物の伸縮にともなう変形材料全体の変位をより好適に増幅することができ、変形材料全体としての変位量を特に大きいものとすることができる。また、変形材料は、より低い電圧での変形が可能となる。
刺激応答性化合物が液晶性を有する官能基を備えるものである場合、当該液晶性を有する官能基は、複数の環構造を有し、当該複数の環構造のうちの1つの環構造にハロゲン原子が1つ以上結合しているのが好ましい。これにより、液晶性を有する官能基の配向時における運動性能をより高いものとすることができ、配向への移行の速度がより早くなる。その結果、変形材料は、より速くかつより円滑に変形(変位)が可能となり、さらに低電圧で駆動するものとなる。
図1(a)等に示す刺激応答性化合物は、回転軸として機能する結合を有するユニットAと、ユニットAの両末端(第1の結合部位および第2の結合部位)に結合した2つのユニットB(第1のユニットBと第2のユニットB)と、2つのユニットC(第1のユニットCと第2のユニットC)とを有しており、第1のユニットBと第2のユニットBとは酸化還元反応によって結合するものであり、第1のユニットCおよび第2のユニットCが液晶性を有する官能基である。これにより、刺激応答性化合物(変形材料)の応答速度、変位量を特に優れたものとすることができる。
以下、図1に示すような刺激応答性化合物について、中心的に説明する。
刺激応答性化合物を構成するユニットAは、回転軸として機能する結合を有しており、当該結合を軸に回転可能となっている基(ユニット)である。このようなユニットを有することにより、刺激応答性化合物は、変形(変位)可能となっている。
ユニットAとしては、例えば、2つの芳香環が結合した基を用いることができるが、中でも、下記式(1)、下記式(2)および下記式(3)よりなる群から選択される1種の基であるのが好ましい。これにより、刺激応答性化合物は、より円滑な変形(変位)が可能となり、変形材料はより低電圧で駆動するものとなる。
Figure 2013237757
ユニットB(第1のユニットBと第2のユニットB)は、図1(a)に示すように、ユニットAの回転軸方向の両末端(ユニットAの第1の結合部位および第2の結合部位)に結合している基である。すなわち、第1のユニットBがユニットAの第1の結合部位に、第2のユニットBがユニットAの第2の結合部位に結合している。
また、ユニットBは、ユニットB同士で酸化還元反応によって結合を形成する基である(図1(b)参照)。言い換えると、外部から電子の受け取る(還元される)ことによって結合を形成する基である。また、外部に電子を放出する(酸化される)ことで結合を解除する基である。このような酸化還元反応は、例えば、電圧を印加することにより、進行させることができる。また、電圧の印加を止めることで、酸化還元反応を止めることができ、結果として、変形材料の形状を保持することが可能となる。
ユニットB(第1のユニットBと第2のユニットB)としては、ユニットB同士(第1のユニットBと第2のユニットBと)で酸化還元反応によって結合を形成する基であれば、特に限定されないが、ユニットB(第1のユニットBと第2のユニットB)は、下記式(4)で表される基であるのが好ましい。これにより、反応条件を調整することで、ユニットB同士の結合状態と非結合状態とを可逆的にかつより容易に進行させることができる。また、反応性が高いため、刺激応答性化合物は、より円滑で、かつより低電圧での変形が可能となる。
Figure 2013237757
ユニットC(第1のユニットCと第2のユニットC)は、液晶性を有する基である。液晶性を有することにより、ユニットCに電場や磁場の付与したとき、ユニットCは所定の方向に配列する。その結果、刺激応答性化合物は、その駆動に所定の方向性を示す。ここで、液晶性とは、電場や磁場の付与により、分子の配向方向を変えることができるものをいう。
ユニットC(第1のユニットCと第2のユニットC)としては、液晶性を示す基であれば特に限定されず、複数の環構造を有する基、例えば、複数の芳香環(例えば、フェニル基)をエステル基で連結したもの、芳香環(例えば、ベンゼン環)若しくはシクロヘキサン環が直接連結したものが挙げられる。また、特に、複数の環構造を有する基は、2以上の芳香環を含むものが好ましい。
ユニットCとしては、特に、複数の環構造のうちの1つの環構造にハロゲン原子が1つ以上結合した基を用いるのが好ましい。これにより、ユニットCの配向時における運動性能をより高いものとすることができ、運動速度がより早くなる。その結果、変形材料は、より速くかつより円滑に変形(変位)が可能となり、さらに低電圧で駆動するものとなる。
また、ユニットC(第1のユニットCと第2のユニットC)は、重合性官能基を有していてもよい。この重合性官能基によって、刺激応答性化合物が重合することで、より分子鎖の長い刺激応答性化合物を形成することができる。また、このように分子鎖を長くすることにより、後に詳述するように、分子の変形(変位)の度合いを大きくすることができ、より強い力(応力)で駆動させることが可能となる。
ユニットC(第1のユニットCと第2のユニットC)の具体例としては、以下のようなものが挙げることができる。
Figure 2013237757
ユニットCは、刺激応答性化合物の分子内において、いかなる部位に結合するものであってもよく、例えば、ユニットBに結合するものであってもよいが、ユニットAに結合するものであるのが好ましい。特に、分子内に2つのユニットC(第1のユニットCおよび第2のユニットC)を含むものである場合、第1のユニットCは、ユニットAの第3の結合部位(第1の結合部位、第2の結合部位とは異なる部位)に配置されたものであり、第2のユニットCは、ユニットAの第4の結合部位(第1の結合部位、第2の結合部位、第3の結合部位とは異なる部位)に配置されたものであるのが好ましい。これにより、さらに低い電圧で好適に変形することができる。また、その結果、変形材料の柔軟性をさらに優れたものとすることができる。
以上説明したように、刺激応答性化合物が、軸回転可能なユニットAと、ユニットAの両末端(第1の結合部位および第2の結合部位)に結合した2つのユニットであって、酸化還元反応によりユニット同士で結合を形成することが可能なユニットB(第1のユニットBと第2のユニットB)と、ユニットB(第1のユニットBと第2のユニットB)に結合した2つのユニットであって、液晶性を有するユニットC(第1のユニットCと第2のユニットC)とを有しているものである場合、より低い電力で変形(変位)させることができるとともに、変位の度合いを比較的大きくすることができる。これは、以下の理由によるものと考えられる。
すなわち、液晶性を有するユニットCによって複数の刺激応答性化合物分子が配向した(並んだ)状態で存在することができ、その揃った状態で電圧等を印加して1分子内のユニットB同士が酸化還元反応により結合する(架橋する)。このように、ユニットCの配向性(液晶性)とユニットBの刺激による結合性とを利用することで、図1(a)に示す状態から、図1(b)に示す状態へと確実に変形(変位)することができる。特に、ユニットCの配向とユニットB同士の結合は、低い電圧で進行するので、低電圧で、大きな変形(変位)が可能となる。
なお、ユニットCの重合性官能基を利用して重合した刺激応答性化合物を用いた場合、上述したように、低電圧で、さらに大きな変形が可能となる。
すなわち、ユニットCの重合性官能基を利用して、構成単位が重合してなる重合体である刺激応答性化合物は、図2に示される構造のように構成単位が順次連なった状態となる。そして、刺激応答性化合物が酸化された状態では、図2(a)に示すように、構成単位が長手方向に連なって伸びた状態で存在している。これにより、分子の立体構造は、伸長(膨張)した状態をなる。そして、刺激応答性化合物が還元された状態では、図2(b)に示すように、ユニットAを軸に回転し、隣接するユニットB同士が酸化還元反応により結合し、さらに、液晶性のユニットCが配向することにより、ユニットBを基点として折りたたまれた状態となる。これにより、分子の立体構造は、収縮した状態となる。このように、刺激応答性化合物全体として、分子の立体構造が大きく変化する。ここで、ユニットBを有する構成単位を重合してなる刺激応答性材料は、折れ曲がりの基点となるユニットBを複数有する。このため、刺激応答性材料全体として、変位の度合いを大きなものとすることができる。
さらに、刺激応答性化合物に電圧を印加することで、液晶性を有する官能基を有するユニットCは所定の方向に配列する。このため、上述したような折れ曲がりの基点となるユニットBが複数あることと、各構成単位のユニットCが配向することとの相乗効果により、刺激応答性材料全体として、変位の度合いをより大きなものとすることができる。
また、刺激応答性化合物は、上述したユニットA、ユニットB(第1のユニットB、第2のユニットB)、ユニットC(第1のユニットC、第2のユニットC)に加え、さらに分子内に、炭素数が2および/または3のアルキレンオキシドが重合してなるポリアルキレンオキシド構造を含むユニットDを含むものであってもよい(図3、図4参照)。これにより、より低い電圧で好適に変形することができる。また、変形材料の柔軟性をさらに優れたものとすることができる。また、低温でも、刺激応答性化合物を含む変形材料の結晶化を確実に防止することができ、低温領域(例えば、−10℃以下)での作動性を特に優れたものとすることができる。また、刺激応答性化合物がユニットDを含むものであることにより、刺激応答性化合物全体として、塩(電解質)との親和性・相溶性を優れたものとすることができ、酸化還元反応において電荷の移動がより速やかなものとなる。その結果、刺激応答性化合物を含む変形材料の応答速度はより速いものとなる。
刺激応答性化合物は、分子内に、1つのユニットDを含むものであってもよいが、図3に示す構成では、ユニットDとして、第1のユニットDおよび第2のユニットDを備えている。これにより、さらに低い電圧で好適に変形することができる。また、変形材料の柔軟性、低温領域での作動性をさらに優れたものとすることができる。
ユニットDは、刺激応答性化合物の分子内において、いかなる部位に結合するものであってもよく、例えば、ユニットBに結合するものであってもよいが、ユニットAに結合するものであるのが好ましい。特に、分子内に2つのユニットD(第1のユニットDおよび第2のユニットD)を含むものである場合、第1のユニットDは、ユニットAの第3の結合部位(第1の結合部位、第2の結合部位とは異なる部位)に配置されたものであり、第2のユニットDは、ユニットAの第4の結合部位(第1の結合部位、第2の結合部位、第3の結合部位とは異なる部位)に配置されたものであるのが好ましい。これにより、さらに低い電圧で好適に変形することができる。また、変形材料の柔軟性、低温領域での作動性をさらに優れたものとすることができる。
また、第1のユニットDは、第1のユニットCに結合したものであり、第2のユニットDは、第2のユニットCに結合したものであるのが好ましい。これにより、さらに低い電圧で好適に変形することができる。また、変形材料の柔軟性、低温領域での作動性をさらに優れたものとすることができる。
上述したように、ユニットD(第1のユニットDおよび第2のユニットD)は、炭素数が2および/または3のアルキレンオキシドが重合してなるポリアルキレンオキシド構造を含むものである。
ユニットDが、炭素数2のアルキレンオキシド(エチレンオキシド)が重合してなる構造を有するものである場合、変形材料の柔軟性、低温領域での作動性等を特に優れたものとすることができる。また、変形材料の応答速度を特に速いものとすることができる。
また、ユニットDが、炭素数3のアルキレンオキシド(プロピレンオキシド)が重合してなる構造を有するものである場合、変形材料・アクチュエーターの耐久性を特に優れたものとすることができる。
ユニットD(第1のユニットD、第2のユニットD)におけるアルキレンオキシドの重合数(原料となるアルキレンオキシドの分子数)は、4以上20以下であるのが好ましく、5以上10以下であるのがより好ましい。変形材料・アクチュエーターの耐久性を十分に優れたものとしつつ、変形材料の柔軟性、低温領域での作動性等を特に優れたものとすることができ、変形材料の応答速度を特に速いものとすることができる。
上記のように、本発明において、刺激応答性化合物は、酸化還元反応により、分子の立体構造が変わるものである。このものは、電圧の印加により容易に変形(変位)するものであり、その結果、変形材料全体を大きく変位させることができる。その結果、例えば、変形材料をアクチュエーターに適用した場合に、低電圧で、十分に大きな変位力、変位量を得ることができる。また、変形材料の応答速度を優れたものとすることができ、変形の再現性にも優れている。また、変形材料の軽量化、変形材料を適用したアクチュエーターの軽量化を図ることができる。
また、酸化還元反応による刺激応答性化合物の立体構造の変化には、可逆性があり、収縮した状態から伸長(膨張)した状態への変位、伸長(膨張)した状態から収縮した状態への変位を、繰り返すことができ、再現性にも優れている。
以上のように刺激応答性化合物は、分子の立体構造の変化と、その可逆性や再現性を備えている。このため、刺激応答性化合物を主とする変形材料も、同様の効果を備えている。その結果、変形材料全体は、変形の度合い(変形率)を大きなものとすることができるとともに、その変形に方向性を持たせることができる。そして、電圧の印加を止めることで、変形材料の形状を保持することができる。よって、このような変形材料は、優れたアクチュエーターの製造に好適に用いることができる。
変形材料中における刺激応答性化合物の含有率は10質量%以上80質量%以下であるのが好ましく、20質量%以上60質量%以下であるのがより好ましい。これにより、上述したような刺激応答性化合物とともに、後に詳述するような高分子材料および電子導線性物質を含むことによる本発明の効果が、より顕著に発揮される。
<高分子材料>
本発明の変形材料は、上述したような刺激応答性化合物に加えて、高分子材料を含む。これにより、刺激応答性化合物の酸化還元反応による変形に伴い、高分子材料も変位することとなり、結果として、酸化還元反応による変形の度合いが増幅され、変形材料全体としての変形を、その度合いが大きいものとすることができる。
本発明の変形材料を構成する高分子材料としては、各種樹脂材料を用いることができるが、本発明の変形材料は、高分子材料として、フッ化ビニリデン−六フッ化プロピレン共重合体、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、および、有機電解質オリゴマーよりなる群から選択される1種または2種以上を含むものであるのが好ましい。これにより、変形材料全体をより好適にゲル化させることができる。また、変形材料を、より柔軟な作動をするものとすることができる。また、ゲル状態の変形材料において、溶媒(液体成分)の保持力を特に優れたものとすることができるため、不本意な経時的な変形材料の体積減少をより効果的に防止することができる。
特に、本発明の変形材料が、高分子材料として、フッ化ビニリデン−六フッ化プロピレン共重合体を含むものである場合、変形材料をより柔軟なものとすることができる。
フッ化ビニリデン−六フッ化プロピレン共重合体の重量平均分子量(Mw)は、10,000以上1,000,000以下であるのが好ましく、100,000以上500,000以下であるのがより好ましい。上述したような効果がより顕著に発揮される。
なお、フッ化ビニリデン−六フッ化プロピレン共重合体の化学構造は、下記式(9)で表すことができる。
Figure 2013237757
式(9)中、aは、0.60以上0.98以下であるのが好ましく、0.75以上0.95以下であるのがより好ましい。これにより、変形材料をより変形に適した柔軟性を有するものとすることができる。
また、本発明の変形材料が、高分子材料として、ポリメタクリル酸メチルを含むものである場合、変形材料が変形する際に割れ等が生じることをより確実に防止することができる。
ポリメタクリル酸メチルの重量平均分子量(Mw)は、10000以上100000以下であるのが好ましく、10000以上50000以下であるのがより好ましい。上述したような効果がより顕著に発揮される。
なお、ポリメタクリル酸メチルの化学構造は、下記式(10)で表すことができる。
Figure 2013237757
また、本発明の変形材料が、高分子材料として、有機電解質オリゴマーを含むものである場合、当該有機電解質オリゴマーが後に述べる電解質の機能も兼ねることができる。
なお、有機電解質オリゴマーとしては、例えば、下記式(11)で表されるものを用いることができる。
Figure 2013237757
(式(11)中、Xは、ハロゲン、(CFSO)N、PF、BF、SCN、または、CFSO、nは、3以上30以下の数である。)
変形材料が、フッ化ビニリデン−六フッ化プロピレン共重合体、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、および、有機電解質オリゴマーよりなる群から選択される1種または2種以上を含むものである場合、変形材料中におけるこれらの化合物の含有率の和は、5質量%以上50質量%以下であるのが好ましい。これにより、刺激応答性化合物や電子導電性物質の機能を十分に発揮させつつ、上述したような効果をより顕著に発揮させることができる。
また、本発明の変形材料は、高分子材料として、液晶ポリマーを含むものであってもよい。これにより、刺激応答性化合物(変形材料)の応答速度を効果的に向上させることができる。また、刺激応答性化合物の伸縮にともなう変形材料全体の変位をより好適に増幅することができ、変形材料全体としての変位量を特に大きいものとすることができる。
特に、液晶ポリマーが、上述したような刺激応答性化合物の立体構造による、分子の変形に有利なように、補助する機能を有するものが好ましい。特に、変形材料が刺激応答性化合物として液晶性を有する官能基を備えたものを含む場合において、液晶ポリマーを含むことにより、刺激応答性化合物の酸化還元反応による、液晶性を有する官能基(ユニットC)の配向の変化に伴い、液晶ポリマーの配向も、上述したような刺激応答性化合物の立体構造による、分子の変形に有利なように変化する。このため、変形材料全体としての変形を、その度合いがより大きく、かつ、応答速度がより速いものとすることができる。すなわち、変形材料は、特に優れた高速応答性を有し、異方的な伸縮の程度がより大きいものとなる。
液晶ポリマーは、液晶性を有する官能基を備えたモノマーを重合させることにより得ることができる。
液晶性を有する官能基としては、複数の環構造を有する基、例えば、複数の芳香環(例えば、フェニル基)をエステル基で連結したもの、芳香環(例えば、ベンゼン環)若しくはシクロヘキサン環が直接連結したものが挙げられる。
モノマーとしては、例えば、液晶性を有する官能基とアクリル基とを備えたモノマー、液晶性を有する官能基とメタクリル基とを備えたモノマー等を挙げることができる。
このようなモノマーとしては、例えば、下記式(6)または(7)で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2013237757
(式(6)、(7)中、nは6以上の整数、Rは炭素数が1以上のアルキル基を示す。)
このようなモノマーを用いることにより、変形材料は、より速くかつより円滑に変形(変位)が可能となり、さらに低電圧で駆動するものとなる。
変形材料が高分子材料として液晶ポリマーを含むものである場合、当該液晶ポリマーは、架橋剤により架橋されたものであるのが好ましい。これにより、変形材料を好適に固体化(ゲル化)することができる。すなわち、架橋構造を備えた液晶ポリマーを含むことにより、その分子内に刺激応答性化合物を取り込み、変形材料を固体化(ゲル化)することができる。その結果、変形材料全体としての形状の安定性、取り扱い性が特に優れたものとなる。また、これにより、変形材料は、異方的な伸縮をより好適に行うことができる。また、架橋構造を有することにより、変形材料はより好適な弾性を有するものとなる。
架橋剤としては、上記モノマーで形成されるポリマーを架橋し得るものであれば、特に限定されず、いかなるものを用いてもよいが、下記式(8)で示す架橋剤を用いることにより、液晶ポリマーの分子中に刺激応答性化合物をより容易に取り込むことができ、より確実に変形材料を固体化(ゲル化)することができる。
Figure 2013237757
(式(8)中、mは4以上の整数を示す。)
架橋剤としては、具体的には、例えば、ビスアクリロイルオキシヘキサン、N,N−メチレンビスアクリルアミド、エチレングリコールジメタクリレート等を挙げることができる。
液晶ポリマーは、液晶性官能基を有するモノマー100molに対して、架橋剤を1mol以上10mol以下添加して架橋したものであるのが好ましい。これにより、刺激応答性化合物の伸縮にともなう変形材料全体の変位を効率よく増幅することができる。
また、変形材料が刺激応答性化合物として、液晶性を有する官能基を備えるものである場合、前記液晶ポリマーは、その分子内に、刺激応答性化合物の液晶性を有する官能基と同じ官能基を有しているものであるがの好ましい。これにより、刺激応答性化合物(変形材料)の応答速度をより効果的に向上させることができる。また、刺激応答性化合物の伸縮にともなう変形材料全体の変位をさらに好適に増幅することができ、変形材料全体としての変位量をさらに大きいものとすることができる。また、変形材料は、より低い電圧での変形が可能となる。
液晶ポリマーの重量平均分子量(Mw)は、10000以上100000以下であるのが好ましく、10000以上50000以下であるのがより好ましい。上述したような効果がより顕著に発揮される。
上述したような液晶ポリマーを用いることにより、変形材料の応答速度を効果的に向上させることができる。また、刺激応答性化合物の伸縮にともなう変形材料全体の変位をより好適に増幅することができ、変形材料全体としての変位量を特に大きいものとすることができる。
変形材料中における液晶ポリマーの含有率は、3質量%以上40質量%以下であるのが好ましい。これにより、刺激応答性化合物や電子導電性物質の機能を十分に発揮させつつ、上述したような効果がより顕著に発揮される。
また、本発明の変形材料が、高分子材料として、フッ化ビニリデン−六フッ化プロピレン共重合体、ポリメタクリル酸メチル、および、有機電解質オリゴマーよりなる群から選択される1種または2種以上とともに、液晶ポリマーを含むものである場合、上述したような効果が得られるとともに、これらが相乗的に作用し合い、変形材料の強度をさらに優れたものとすることができるとともに、変位量をより大きいものとすることができる。
変形材料中における高分子材料の含有率は、5質量%以上80質量%以下であるのが好ましい。これにより、上述したような効果がより顕著に発揮される。
<電子導電性物質>
本発明の変形材料は、上述したような刺激応答性化合物、高分子材料に加えて、変形材料中において電子を輸送する機能を有する電子導電性物質を含む。
電子導電性物質としては、例えば、金属材料、炭素材料、それらの化合物、または有機材料などが挙げられる。具体例としては、例えば、グラファイト、カーボンナノチューブ、グラフェン、カーボンナノ粒子、アセチレンブラック、活性炭等の各種炭素材料;ポリアニリン、ポリチオール、ポリピロール、Si系やGa系等の半導体材料、PEDOT:PSS(3,4−ポリエチレンジオキシチオフェン−ポリスチレンスルフォン酸)等の導電性高分子;透明導電性酸化物材料(例えば、ITO(酸化インジウムスズ)等);各種金属ナノワイヤー等が挙げられる。その中でも特に、炭素材料が好ましく、カーボンナノ粒子がより好ましい。これにより、変形材料全体により高い電子導電性を付与することができる。
また、炭素材料等の粒子の形態は特に限定されず、緻密質、多孔質、中空等いずれの形態であってもよい。また、例えば、電子導電性物質として、カーボンナノ粒子を用いる場合、中空シェル状構造を持つカーボンナノ粒子を用いるのが好ましい。電子は粒子の表面のみを輸送されるため、中空シェル状構造を持つカーボンナノ粒子を用いることにより、電子の輸送機能がさらに向上する。また、比較的低い電圧で変形材料全体を大きく変位させることができる。
電子導電性物質として中空シェル状構造のカーボンナノ粒子を用いる場合、当該カーボンナノ粒子の空隙率(空孔率)は、90体積%以下であることが好ましく、30体積%以上90体積%以下であるのがより好ましく、60体積%以上80体積%以下であるのがさらに好ましい。これにより、カーボンナノ粒子(電子導電性物質)の形状の安定性を十分に保持しつつ、上記のような効果をより顕著に発揮させることができる。その結果、長期間にわたって安定的に上記のような効果を発揮させることができるとともに、変形材料のロット間での特性の均一性、変形材料をアクチュエーター等に適用した場合の個体間での特性の均一性を特に優れたものとすることができる。
電子導電性物質は、変形材料中において、他の成分に溶解するものであってもよいが、変形材料中に不溶成分として存在しているものであるのが好ましく、特に、固体状で存在しているものが好ましい。
電子導電性物質の形状は、例えば、粒子状、平板状、繊維状(例えば、チューブ状)等の様々な形状をなすものであるのが挙げられるが、特に、粒子状をなすものであることが好ましい。なお、粒子の形状は、球体、非球体(例えば、鱗片状、紡錘状、回転楕円体)のいずれのものでもよい。これにより、変形材料全体に均一に電子導電性物質を分散させるとことができ、比較的低い電圧で変形材料全体を均一に大きく変位させることができる。
電子導電性物質が粒子状の場合、その平均粒径は、1nm以上10μm以下であるのが好ましく、2nm以上90nm以下であるのがより好ましい。これにより、変形材料全体に、必要な濃度の電子導電性材料を付与することにより、確実に変形材料中での電子の供給ができる。また、刺激応答性化合物への電子供給効率を特に優れたものとすることができ、より大きな変位力、変位量を得ることができる。これに対して、平均粒径が前記下限値未満であると、電子導電性材料が凝集してしまい、凝集を防止するための処理が加えて必要となる。一方、平均粒径が前記上限値を超えると、電子導電性材料の含有率を高める必要が生じ、上述したような効果のさらなる向上がみられない。
なお、本明細書では、「平均粒径」とは、体積基準の平均粒径(体積平均粒径(D50))のことを指すものとする。測定装置としては、例えば、レーザー回折・散乱式粒度分析計 マイクロトラックMT−3000(日機装社製)等が挙げられる。なお、後述の実施例における体積平均粒径(D50)は、前記のマイクロトラックMT−3000で測定した値である。
上述したような電子導電性材料を含むことにより、変形材料全体を、比較的低い電圧で大きく変位させることができる。また、変形材料全体を効率よく変形させることができる。その結果、例えば、変形材料をアクチュエーターに適用した場合に、低電圧で、十分に大きな変位力、変位量を得ることができる。また、本発明の変形材料を用いてアクチュエーターを製造する場合に、変形材料(変形材料層)の広い面積において電極を接触させなくても、変形材料(変形材料層)を十分に大きく変位させることができる。その結果、アクチュエーターにおいて、柔軟な作動をすることができる。
また、変形材料中における電子導電性物質の含有率は、10質量%以上90質量%以下であるのが好ましく、30質量%以上70質量%以下であるのがより好ましい。これにより、変形材料中における電子の輸送を好適に行うことができる。これに対して、電子導電性物質の含有率が前記下限値未満であると、変形材料中における電子の移動を補助する機能が減少する。一方、電子導電性物質の含有率が前記上限値を超えると、上述したような効果のさらなる向上がみられない。
また、変形材料中の電子導電性物質の分散状態は、均一なものがよいが、変形材料中での電子導電性材料の濃度が、連続的、断続的(間欠的)に、変化するような部分があってもよい。変形材料中の電子導電性物質の分散状態が均一な場合、比較的低い電圧で変形材料全体を均一に大きく変位させることができる。特に、変形材料の厚みが比較的大きい場合であっても、効率よく変形させることができる。
上記のように、本発明の変形材料は、酸化還元反応により分子構造が変わる刺激応答性化合物と、高分子材料と、電子導電性物質とを含むものである。これにより、比較的低い電圧で変形材料全体を大きく変位させることができる。特に、変形材料の厚みが比較的大きい場合であっても、変形材料全体を効率よく変形させることができる。その結果、例えば、変形材料をアクチュエーターに適用した場合に、低電圧で、十分に大きな変位力、変位量を得ることができる。また、変形材料の応答速度を優れたものとすることができる。また、変形材料の軽量化、変形材料を適用したアクチュエーターの軽量化を図ることができる。また、変形材料全体として固体状・ゲル状をなすものとすることができるため、変形材料の取り扱い性(取り扱いのし易さ)に優れるとともに、変形材料の適用範囲を広げることができる。また、変形材料全体としてゲル状をなすものとすることができるため、柔軟な作動をするアクチュエーターの製造に好適に用いることができる。
<溶媒>
また、本発明の変形材料は、溶媒を含むものであってもよい。溶媒が上記刺激応答性化合物等に取り込まれると、変形材料が好適にゲル化するため、容易に固形化することができるとともに、変形材料の取り扱い性を向上させることができる。
溶媒としては、例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)、トルエン、ベンゼン、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMA)、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、アセトン、プロピレンカーボネイト、メチルペンタノン、エチルペンタノン、アセトニトリル等の有機溶媒を挙げることができる。
変形材料中における溶媒の含有率は、20質量%以上80質量%以下であるのが好ましく、30質量%以上60質量%以下であるのがより好ましい。これにより、変形材料の取り扱い性をより高いものとすることができる。
<電解質>
また、本発明の変形材料は、電解質を含むものであってもよい。
電解質としては、各種酸、塩基、塩を用いることができるが、塩を用いるのが好ましい。これにより、変形材料の耐久性を特に優れたものとすることができる。電解質の塩としては、例えば、過塩素酸リチウム、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム、六フッ化リン酸リチウム等の無機塩;テトラブチルアンモニウムテトラフルオロホウ素、1−ブチル−1−メチルピロリジニウム ビス(トリフルオロメチルスルフォニル)イミド(BMPTFSI)、メチル−トリオクチルアンモニウム ビス(トリフルオロメチルスルフォニル)イミド(MTOATFSI)、トリエチルスルフォニウム ビス(トリフルオロメチルスルフォニル)イミド(TESTFSI)、1−エチルー3−メチルイミダゾリウム トリフルオロメタンスルフォネート(EMICFSO)等の有機塩等を用いることができる。BMPTFSI、MTOATFSI、TESTFSI、および、EMICFSOの構造式は、それぞれ、下記式(12)、下記式(13)、下記式(14)、および、下記式(15)で表される。
Figure 2013237757
Figure 2013237757
Figure 2013237757
Figure 2013237757
変形材料は、中でも、電解質として、過塩素酸リチウム、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム、六フッ化リン酸リチウム、および、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロホウ素よりなる群から選択される1種または2種以上を含むものであるのが好ましい。これにより、刺激応答性化合物(変形材料)の応答速度をさらに効果的に向上させることができるとともに、刺激応答性化合物の伸縮にともなう変形材料全体の変位をさらに増幅することができる。
上述したような電解質を含むことにより、刺激応答性化合物への電荷の受け渡しをより速やかに進行させることができ、変形材料の高速応答性を特に優れたものとすることができる。また、後述するようなアクチュエーターにおいて、変形材料層全体(特に、変形材料層の厚さ方向全体)にわたって、変形材料層を構成する刺激応答性化合物を効率よく伸縮させることができる。その結果、変形材料層全体としての伸縮率を特に大きいものとすることができる。
特に、変形材料が、溶媒とともに電解質を含む場合、刺激応答性化合物(変形材料)の応答速度をさらに効果的に向上させることができるとともに、刺激応答性化合物の伸縮にともなう変形材料全体の変位をさらに増幅することができる。
変形材料中の電解質の含有率は、3質量%以上80質量%以下であるのが好ましく、5質量%以上30質量%以下であるのがより好ましい。これにより、上述したような効果がより顕著に発揮される。
また、本発明の変形材料は、上述した以外の成分を含むものであってもよい。
変形材料の導電率は、0.1S/cm以上であるのが好ましく、1S/cm以上であるのがより好ましい。これにより、後に詳述するようなアクチュエーターに好適に適用することができ、また、アクチュエーターの小型化を図ることができる。
《アクチュエーター》
次に、上述した本発明の変形材料(上述した刺激応答性化合物(刺激応答性化合物重合体を含む)、高分子材料、および、電子導電性物質を含む変形材料)を用いたアクチュエーターについて詳細に説明する。
図5は、本発明の変形材料を用いたアクチュエーターの一例を模式的に示す断面図、図6は、電圧印加により変形(収縮)したアクチュエーターの一例を示す断面図である。
本発明のアクチュエーターは、本発明の変形材料を用いて製造されたものである。これにより、低電圧で大きく変位することが可能なアクチュエーターを提供することができる。
特に、本実施形態のアクチュエーター100は、図5に示すように、電源10の入切を行うスイッチ15と、本発明の変形材料を用いて形成され、電源10に接続される変形材料層11と、電源10に接続される対向電極12と、変形材料層11と対向電極12との間に介在する電解液13と、容器14とを備えている。また、容器14の中には、電解液13が入っている。そして、変形材料層11と、対向電極12とが所定の距離だけ離間して、対向配置され、電解液13に浸漬している。
電源10は、図5に示す状態では、直流電源であり、スイッチ15を介して、電源10の正極に変形材料層11が接続されており、負極に対向電極12が接続されている。変形材料層11を構成する刺激応答性化合物が図1〜図4に示すような構造を有するものである場合において、スイッチ15を入れると、変形材料層11と対向電極12との間に通電がなされ、刺激応答性化合物は、酸化反応により、分子鎖が伸長(膨張)した状態をとる。その結果、変形材料層11全体としても、伸長(膨張)した状態をとる。
他方、図6に示す状態では、スイッチ15を介して、電源10の負極に変形材料層11が接続されており、正極に対向電極12が接続されている。変形材料層11を構成する刺激応答性化合物が図1〜図4に示すような構造を有するものである場合において、スイッチ15を入れると、変形材料層11と対向電極12との間に通電がなされ、刺激応答性化合物は、還元反応により、分子鎖が収縮した状態をとる。その結果、変形材料層11全体としても、収縮した状態をとる。
変形材料層11は、上述した変形材料で構成されており、電解液13中において電極として機能するものであり、電圧を印加することで、変形する層である。
また、変形材料層11の形状は、特に限定されず、繊維状、シート状、板状、棒状等の様々なものが挙げられ、変形材料の厚みが比較的大きいものであってもよい。ここで、変形材料層11の厚みは、特に限定されないが、0.01mm以上10mm以下であるのが好ましく、0.05mm以上2mm以下であるのがより好ましい。これにより、駆動電圧を比較的低いものとしつつ、より大きな変位力を得ることができる。また、従来の小型のアクチュエーターでは、変形材料層11の厚みが大きくなると、急激に変位力、変位量が低下するという問題があったが、本発明では、このように変形材料層11の厚みが比較的大きい場合であっても、アクチュエーターを好適に駆動させることができる。すなわち、変形材料層11の厚みが上記のようなものである場合に、本発明の効果がより顕著に発揮される。
対向電極12は、導電性を有する材料で構成されたものである。対向電極12の構成材料としては、例えば、Pt、Al、Cu、Fe等の金属材料(合金を含む)等が挙げられる。
電解液13は、上述したような変形材料に含まれる電解質と同じもの用いることができるが、その全部、または一部が異なっていてもよい。また、電解液13は、電気伝導性を有する液体であればよいが、イオン性物質を溶媒に溶解させた溶液を好適に用いることができる。
イオン性物質としては、例えば、塩化ナトリウム、過塩素酸リチウム、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム、六フッ化リン酸リチウム等の無機塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロホウ素等が挙げられる。
溶媒としては、例えば、プロピレンカーボネイト等を用いることができる。
本発明の変形材料は電子導電性物質を含むものであるため、変形材料層11が比較的厚みの大きいものであっても、上記のような酸化反応、還元反応において、変形材料層11全体を効率よく変形させることができるため、変形材料層11全体としての変形量(変位量)を十分に大きいものとすることができ、また、変位力も十分に大きいものとすることができる。
上述したように、本発明の変形材料は、伸長(膨張)と収縮とを繰り返すことにより、複数回、伸縮でき、その再現性にも優れている。したがって、本発明のアクチュエーターにおいては、上述したような直流電流の構造だけでなく、交番電流の構造を採用することもでき、繰り返し伸縮することができる。
これにより、低電圧で大きく変位することが可能なアクチュエーターを提供することができるとともに、本発明の変形材料で構成された変形材料層11をより柔軟な動きで作動させることができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、これらに限定されるものではない。
例えば、前述した実施形態では、刺激応答性化合物が、ユニットAと、第1のユニットBと第2のユニットBと第1のユニットCと第2のユニットCとを含むものである場合について中心的に説明したが、本発明において刺激応答性化合物は、酸化還元反応により、分子構造が変わるものであればよく、上記の各ユニットを全て備えたものに限定されない。
また、本発明のアクチュエーターは、本発明の変形材料を用いて製造されたものであればいかなるものであってもよく、図5、図6に示した構成を有するもの、すなわち、本発明の変形材料を用いて形成され、電源に接続される変形材料層と、前記電源に接続される対向電極と、前記変形材料層と前記対向電極との間に介在する電解液とを備えるものに限定されない。
以下に実施例を掲げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
[1]刺激応答性化合物の製造
[1.1]ユニットAの合成
ブロモチオフェンを原料として亜鉛、ニッケルの触媒を用いた2量化、臭素化を行い、DMFによるアルデヒド基の導入(ホルミル化)を行った。
次に、エチレングリコールによるアルデヒド基のアセタール保護を行い、臭素をさらにホルミル基に変換した。続いてNaBFによる還元反応でビチオフェン骨格に水酸基を2つ持つジオールを得た。
[1.2]ユニットCおよびユニットDの合成
まず、2,3−ジフルオロベンゼンにn−ブチルリチウムを作用させ、ホウ酸トリメチルで処理することにより、2,3−ジフルオロボロン酸を得た。
次に、得られた2,3−ジフルオロボロン酸に4−アルコキシ1−ブロモベンゼンをパラジウム触媒存在下反応させることにより、4−(4−アルコキシフェニル)−2,3−ジフルオロベンゼンを得た。
次に、得られた4−(4−アルコキシフェニル)−2,3−ジフルオロベンゼンにn−ブチルリチウムを作用させ、ホウ酸トリメチルで処理することにより、4−(4−アルコキシフェニル)−2,3−ジフルオロボロン酸を得た。
次に、得られた4−(4−アルコキシフェニル)−2,3−ジフルオロボロン酸に4−ブロモフェノールをパラジウム存在下で反応させ、1−ヒドロキシ−4−[4−(4−アルコキシフェニル−2,3−ジフルオロフェニル]ベンゼンを得た。
次に、得られた1−ヒドロキシ−4−[4−(4−アルコキシフェニル−2,3−ジフルオロフェニル]ベンゼンと末端が臭素のオリゴエチレングリコールと反応させ、末端にオリゴエチレン鎖を持った液晶性化合物を得た。さらに塩化パラトルエンスルホニルと反応させることにより、末端にパラトルエンスルホニル基を持った液晶性化合物を得た。
[1.3]刺激応答性化合物の製造
上記[1.1]で合成したジオールと上記[1.2]で合成した液晶性化合物とを水素化ナトリウム存在下、ジメチルホルムアミド(DMF)中で反応させ、液晶性分子を導入したビチオフェン誘導体を得た。
その後、上記ビチオフェン誘導体を酸触媒存在下、ベンゼンジチオールと反応させ2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−p−ベンゾキノン(DDQ)で処理し、4フッ化ホウ素を加え、ユニットA、ユニットB(第1のユニットB、第2のユニットB)、ユニットC(第1のユニットC、第2のユニットC)、ユニットD(第1のユニットD、第2のユニットD)を有する下記式(17)で表される刺激応答性化合物(ビチオフェン誘導体)を得た。
なお、式(17)中、nは4である。
Figure 2013237757
[2]高分子材料の調製
[2.1]モノマーの合成
1−(8−ヒドロキシオクチル−1−オキシ)−4−[2,3−ジフルオロ−4−(4−ブトキシフェニル)フェニル]ベンゼン(下記式(18))とトリエチルアミンをTHFに溶解し、0℃に冷却し、アクリロイルクロリドを滴下した。4時間撹拌後、水を加え、ジクロロメタンで3回抽出し、有機層を水と飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過して濃縮した。カラムクロマトグラフィーで精製し、目的化合物を得た。
なお、式(18)中、RはCである。
Figure 2013237757
以上のようにして、上記式(6)(n=8、R=C)で表されるモノマーを得た。
[2.2]液晶ポリマーの製造
上記モノマー:100質量部と、架橋剤としてのビスアクリロイルオキシヘキサン:10質量部と、開始剤としてのアゾビスイソブチロニトリル:1質量部とをシュレンク管に入れ、トルエンに溶解させ、凍結脱気を3回行い、溶媒中の溶存酸素を除去する。窒素雰囲気下で95℃で26時間撹拌した。溶液を冷却後、溶媒を留去したあと、最少量のテトラヒドロフランに溶解させ、アセトン中に滴下し、析出した沈殿をろ過して真空乾燥させることにより、液晶ポリマー(重量平均分子量:30,000)を得た。
[2.3]液晶ポリマーとフッ化ビニリデン−六フッ化プロピレン共重合体との混合
その後、上記のようにして得られた液晶ポリマー:1重量部と、フッ化ビニリデン−六フッ化プロピレン共重合体(重量平均分子量:150,000):2重量部とを混合した。
[3]変形材料の製造
上記のようにして得られた刺激応答性化合物と、液晶性ポリマーおよびフッ化ビニリデン−六フッ化プロピレン共重合体と、平均粒径:39.5nm、連続孔を有する多孔質体としての空隙率:60体積%のカーボンナノ粒子(ライオン社製、ケッチェンブラックEC300J)と、溶媒としてのプロピレンカーボネイトと、電解質としての六フッ化リン酸リチウムとを混合した。その後、この混合物を、所定の形状の型を用いて成形し、ゲル状の変形材料を得た。
[4]アクチュエーターの製造
上記のようにして得られた変形材料を用いて、図5に示すようなアクチュエーターを作成した。
上記のようにして得られた変形材料を、長さ:20cm×幅:0.3cm×厚さ:0.05mmの大きさに切り取り、これを変形材料層として、図5に示すようなアクチュエーターを製造した。対向電極としては、白金(Pt)製の板材を用い、電解液としては、1Mの六フッ化リン酸リチウムのプロピレンカーボネイト溶液を用いた。
(実施例2〜6)
変形材料の構成を表1に示すようにした以外は、前記実施例1と同様にして変形材料およびアクチュエーターを製造した。
(比較例1)
電子導電性物質を用いなかった以外は前記実施例1と同様にして、変形材料およびアクチュエーターを製造した。
前記各実施例および比較例について、変形材料の構成等を表1にまとめて示した。なお、表中、上記式(17)で表される化合物(刺激応答性化合物)を「A1」、下記式(19)で表される化合物(刺激応答性化合物)を「A2」、下記式(20)で表される化合物(刺激応答性化合物)を「A3」、下記式(21)で表される化合物(刺激応答性化合物)を「A4」、上記式(6)で表されるモノマーを「M1」、上記式(7)で表されるモノマーを「M2」、架橋剤としてのビスアクリロイルオキシヘキサンを「B1」、フッ化ビニリデン−六フッ化プロピレン共重合体(重量平均分子量:150,000)を「PVdF」、電子導電性物質としての平均粒径:39.5nm、空隙率:60vol%のカーボンナノ粒子(ライオン社製、ケッチェンブラックEC300J)を「C1」、電子導電性物質としての平均粒径:34.0nm、空隙率:80vol%のカーボンナノ粒子(ライオン社製、ケッチェンブラックEC300J)を「C2」、溶媒としてのプロピレンカーボネイトを「S1」、電解質としての六フッ化リン酸リチウムを「E1」で示した。また、前記各実施例および比較例1の変形材料は、いずれもゲル状をなすものであった。
Figure 2013237757
Figure 2013237757
Figure 2013237757
Figure 2013237757
[5]アクチュエーターの評価
[5.1]変形量
電解液の温度を25℃とした状態で、図6に示すように通電方向を逆転し、レーザー変位計を用いて、変形材料層の長さ方向の変位を観測し、以下の基準に従い評価した。なお、印加電圧は5Vとした。
A:変位量が12mm以上。
B:変位量が10mm以上12mm未満。
C:変位量が8mm以上10mm未満。
D:変位量が6mm以上8mm未満。
E:変位量が6mm未満。
Figure 2013237757
表2から明らかなように、本発明では、比較的低い電圧で変形材料全体を大きく変位させることができるとともに、変形材料の厚みが比較的大きい場合であっても、変形材料全体を効率よく変形させることができ、低電圧で、十分に大きな変位力、変位量を得ることができた。また、本発明では、変形材料の応答速度にも優れていた。また、本発明では、低温領域での作動性、耐久性にも優れていた。これに対して、比較例では、満足な結果が得られなかった。
A…ユニットA B…ユニットB C…ユニットC D…ユニットD 100…アクチュエーター 10…電源 11…変形材料層 12…対向電極 13…電解液 14…容器 15…スイッチ

Claims (15)

  1. 酸化還元反応により、分子の構造が変わる刺激応答性化合物と、
    高分子材料と、
    電子導電性物質と、
    を含むことを特徴とする変形材料。
  2. 前記電子導電性物質は、炭素材料を含むものである請求項1に記載の変形材料。
  3. 前記電子導電性物質は、粒子状をなすものである請求項1または2に記載の変形材料。
  4. 前記電子導電性物質の平均粒径は、1nm以上10μm以下である請求項3に記載の変形材料。
  5. 前記高分子材料は、フッ化ビニリデン−六フッ化プロピレン共重合体、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、および、有機電解質オリゴマーよりなる群から選択される1種または2種以上を含むものである請求項1ないし4のいずれか1項に記載の変形材料。
  6. 前記高分子材料は、液晶ポリマーを含むものである請求項1ないし5のいずれか1項に記載の変形材料。
  7. 前記液晶ポリマーは、架橋剤により架橋されたものである請求項6に記載の変形材料。
  8. 前記刺激応答性化合物が液晶性を有する官能基を備えるものであり、
    前記液晶ポリマーは、その分子内に、前記刺激応答性化合物の前記液晶性を有する官能基と同じ官能基を有している請求項6または7に記載の変形材料。
  9. 前記刺激応答性化合物は、液晶性を有する官能基を備えるものである請求項1ないし8のいずれか1項に記載の変形材料。
  10. 前記刺激応答性化合物は、回転軸として機能する結合を有するユニットAと、
    前記ユニットAの第1の結合部位に配置された第1のユニットBと、
    前記ユニットAの第2の結合部位に配置された第2のユニットBと、
    第1のユニットCと、
    第2のユニットCとを含むものであり、
    前記第1のユニットBと前記第2のユニットBとが酸化還元反応によって結合し、
    前記第1のユニットCおよび前記第2のユニットCが前記液晶性を有する官能基である請求項8または9に記載の変形材料。
  11. 前記ユニットAは、下記式(1)、下記式(2)および下記式(3)よりなる群から選択される1種である請求項10に記載の変形材料。
    Figure 2013237757
  12. 前記第1のユニットBおよび前記第2のユニットBは、下記式(4)で表される基である請求項10または11に記載の変形材料。
    Figure 2013237757
  13. 前記液晶性を有する官能基は、複数の環構造を有し、
    前記複数の環構造のうちの1つの環構造にハロゲン原子が1つ以上結合している請求項8ないし12のいずれか1項に記載の変形材料。
  14. 請求項1ないし13のいずれか1項に記載の変形材料を用いて製造されたことを特徴とするアクチュエーター。
  15. 請求項1ないし13のいずれか1項に記載の変形材料を用いて形成され、電源に接続される変形材料層と、
    前記電源に接続される対向電極と、
    前記変形材料層と前記対向電極との間に介在する電解液とを備えることを特徴とするアクチュエーター。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013256590A (ja) * 2012-06-12 2013-12-26 Seiko Epson Corp 変形材料およびアクチュエーター
JP2016124886A (ja) * 2014-12-26 2016-07-11 国立研究開発法人産業技術総合研究所 複合材料、複合材料用組成物、複合材料の製造方法及び複合材料の使用方法

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