JP2013234237A - 有機修飾無機充填材の製造方法及び有機修飾無機充填材、並びに熱伝導性シリコーン組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】温度200〜450℃、圧力10〜40MPaの超臨界状態又は亜臨界状態にある水を反応場として、無機充填材と、R3−Si−OR′及びR3−Si−NH−Si−R3(Rは脂肪族、脂環族又は芳香族一価炭化水素基であり、ヘテロ原子を含んでもよい。R′は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基である。)からなる群より選ばれる少なくとも1種以上の有機化合物とを混合し、反応させて、有機修飾無機充填材を得る。
【選択図】図2
Description
〔1〕 温度200〜450℃、圧力10〜40MPaの超臨界状態又は亜臨界状態にある水を反応場として、無機充填材と、R3−Si−OR′及びR3−Si−NH−Si−R3(Rは脂肪族、脂環族又は芳香族一価炭化水素基であり、ヘテロ原子を含んでもよい。R′は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基である。)からなる群より選ばれる少なくとも1種以上の有機化合物とを混合し、反応させることを特徴とする有機修飾無機充填材の製造方法。
〔2〕 前記有機化合物が、CH3−(CH2)n−Si(CH3)2−OH(nは0〜9の整数)、CH3−(CH2)n−Si(CH3)2−OCH3(nは0〜9の整数)、CH3−(CH2)n−Si(CH3)2−NH−Si(CH3)2−(CH2)n−CH3(nは0〜9の整数)のいずれかである、〔1〕に記載の有機修飾無機充填材の製造方法。
〔3〕 前記無機充填材が金属、金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、炭素の同素体からなる群より選ばれる少なくとも1種以上の材料からなる、〔1〕又は〔2〕に記載の有機修飾無機充填材の製造方法。
〔4〕 前記無機充填材がアルミニウム、銀、銅、金属ケイ素、アルミナ、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、二酸化ケイ素、水酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、炭化ケイ素、ダイヤモンド、グラファイト、及びカーボンナノチューブより選ばれる少なくとも1種以上の材料からなる、〔3〕に記載の有機修飾無機充填材の製造方法。
〔5〕 前記無機充填材がアルミナ又は酸化亜鉛からなる、〔4〕に記載の有機修飾無機充填材の製造方法。
〔6〕 〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の製造方法で製造された有機修飾無機充填材。
〔7〕 オルガノポリシロキサンと、〔6〕に記載の有機修飾無機充填材とを含む熱伝導性シリコーン組成物。
[有機修飾無機充填材]
本発明に係る有機修飾無機充填材は、温度が200〜450℃、圧力が10〜40MPaの超臨界状態又は亜臨界状態にある水を反応場として、無機充填材と、シラノール基又は加水分解してシラノール基を生じる官能基を有する所定の有機化合物を混合し、反応させてなるものである。
本発明に係る有機修飾無機充填材の製造方法は、超臨界状態又は亜臨界状態にある水を反応場として、前述した熱伝導性無機充填材と、シラノール基又は加水分解してシラノール基を生じる官能基を有する所定の有機化合物とを混合し、反応させることを特徴とする。
次に、回収した混合液は高速冷却遠心機を用いて固液分離を行ない、分けとった固形分にエタノールを加えて高速冷却遠心機で再度固液分離を行なうことで未反応の有機化合物を除去し、固形分を高温乾燥することで、目的の有機修飾無機充填材を得ることができる。
本発明の熱伝導性シリコーン組成物は、(A)オルガノポリシロキサンと、(B)本発明の有機修飾無機充填材とを含むものである。
本発明の熱伝導性シリコーン組成物のうち、熱伝導性グリース組成物としては、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等のシリコーンオイルと、本発明の有機修飾無機充填材とを少なくとも含有するものであり、例えばシリコーンオイル100質量部に対し、有機修飾無機充填材100〜1,000質量部を配合する。
本発明の熱伝導性シリコーン組成物のうち、付加硬化型熱伝導性シリコーン組成物は無機充填材を除き、他は従来公知の成分からなり、例えばその組成例は次の通りである。
(a)分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサン:100質量部、
(b)本発明の有機修飾無機充填材:200〜3,000質量部、
(c)ケイ素原子に直接結合した水素原子を少なくとも2個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:ケイ素原子に直接結合した水素原子のモル数が(a)成分由来のアルケニル基のモル数の0.1〜5.0倍量となる量、
(d)白金族金属系硬化触媒:(a)成分に対して白金族元素換算で0.1〜500ppm。
前記成分以外に、反応制御剤、粘度調整剤等を添加してもよい。
380℃、31MPaの超臨界状態にある純水が9ml/minで流通する反応装置(株式会社アイテック製、MOMI超mini)内にて、30質量%のアルミナを純水に分散させたスラリーを3ml/min、デシルジメチルメトキシシランを0.5ml/minの流量で混合・反応させ、冷却後に有機修飾アルミナスラリーを回収した。これを高速冷却遠心機(日立工機株式会社製、himacCR22GIII)を用い、10,000rpm、10℃、10分間の条件で固液分離を行ない、分けとった固形分にエタノールを加えて洗浄し再度固液分離を行なうことで未反応の有機化合物を除去し、固形分を150℃で4時間乾燥することで、有機修飾アルミナを得た。
340℃、31MPaの亜臨界状態にある純水が9ml/minで流通する反応装置(株式会社アイテック製、MOMI超mini)内にて、30質量%のアルミナを純水に分散させたスラリーを3ml/min、デシルジメチルメトキシシランを0.5ml/minの流量で混合・反応させ、冷却後に有機修飾アルミナスラリーを回収した。これを実施例1と同様の方法で処理することで、有機修飾アルミナを得た。
200℃、31MPaの亜臨界状態にある純水が9ml/minで流通する反応装置(株式会社アイテック製、MOMI超mini)内にて、30質量%のアルミナを純水に分散させたスラリーを3ml/min、デシルジメチルメトキシシランを0.5ml/minの流量で混合・反応させ、冷却後に有機修飾アルミナスラリーを回収した。これを実施例1と同様の方法で処理することで、有機修飾アルミナを得た。
380℃、31MPaの超臨界状態にある純水が9ml/minで流通する反応装置(株式会社アイテック製、MOMI超mini)内にて、30質量%の酸化亜鉛を純水に分散させたスラリーを3ml/min、ヘキサメチルジシラザンを1ml/minの流量で混合・反応させ、冷却後に有機修飾酸化亜鉛スラリーを回収した。これを実施例1と同様の方法で処理することで、有機修飾酸化亜鉛を得た。
300℃、31MPaの亜臨界状態にある純水が9ml/minで流通する反応装置(株式会社アイテック製、MOMI超mini)内にて、30質量%の酸化亜鉛を純水に分散させたスラリーを3ml/min、ヘキサメチルジシラザンを1ml/minの流量で混合・反応させ、冷却後に有機修飾酸化亜鉛スラリーを回収した。これを実施例1と同様の方法で処理することで、有機修飾酸化亜鉛を得た。
比較例1と比べて実施例1〜3の熱伝導性グリースの粘度が低下しており、即ち実施例1〜3においてシリコーンオイルへの無機充填材の充填性が向上しているといえる。特に実施例1、2で充填性向上の効果が顕著であった。
比較例2と比べて実施例4及び5の熱伝導性グリースの粘度が低下しており、即ち実施例4、5においてシリコーンオイルへの無機充填材の充填性が向上しているといえる。
Claims (7)
- 温度200〜450℃、圧力10〜40MPaの超臨界状態又は亜臨界状態にある水を反応場として、無機充填材と、R3−Si−OR′及びR3−Si−NH−Si−R3(Rは脂肪族、脂環族又は芳香族一価炭化水素基であり、ヘテロ原子を含んでもよい。R′は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基である。)からなる群より選ばれる少なくとも1種以上の有機化合物とを混合し、反応させることを特徴とする有機修飾無機充填材の製造方法。
- 前記有機化合物が、CH3−(CH2)n−Si(CH3)2−OH(nは0〜9の整数)、CH3−(CH2)n−Si(CH3)2−OCH3(nは0〜9の整数)、CH3−(CH2)n−Si(CH3)2−NH−Si(CH3)2−(CH2)n−CH3(nは0〜9の整数)のいずれかである、請求項1に記載の有機修飾無機充填材の製造方法。
- 前記無機充填材が金属、金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、炭素の同素体からなる群より選ばれる少なくとも1種以上の材料からなる、請求項1又は2に記載の有機修飾無機充填材の製造方法。
- 前記無機充填材がアルミニウム、銀、銅、金属ケイ素、アルミナ、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、二酸化ケイ素、水酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、炭化ケイ素、ダイヤモンド、グラファイト、及びカーボンナノチューブより選ばれる少なくとも1種以上の材料からなる、請求項3に記載の有機修飾無機充填材の製造方法。
- 前記無機充填材がアルミナ又は酸化亜鉛からなる、請求項4に記載の有機修飾無機充填材の製造方法。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法で製造された有機修飾無機充填材。
- オルガノポリシロキサンと、請求項6に記載の有機修飾無機充填材とを含む熱伝導性シリコーン組成物。
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