JP2013231662A - 積層体の検査方法、積層体の製造方法、及び積層体の検査装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】光路上に少なくとも光透過層(102、102’)及び光反射面(101a)を有する系に光を照射して、その反射光を受光して欠陥を検出する、積層体の検査方法(S1)であって、光透過層の光透過率特性に基づき、透過率が異なる波長にピーク値を有する複数種類の光源(110、120)を用いて、積層体に光を照射する工程(S21)と、照射された光の積層体からの反射光を検出器(130)で受光する工程(S22)と、受光した情報に基づいて画像処理を行い、欠陥を検出する工程(S23)と、を備える。
【選択図】図1
Description
また、適切な波長はシミュレーションにより決定されるため、被検体(層の組成や層厚)の違いにより適切な波長が異なり、被検体が似ている場合でさえ当該波長が異なることがあり、都度波長を変更しなければならず、検査に用いる光源の種類を数多く準備しておく必要があった。
さらには、波長の選択はシミュレーションにより決定されるので誤差などの虞もあった。
光透過層の透過率が高い波長の光源を用いたために、該光透過層が積層された光反射面で多くの光が反射し、光反射層からの反射光が光透過層表面からの反射光に対して相対的に大きいと、異物を検出する感度は高まるが、ノイズも高まりS/N比が悪くなるので、ムラが検出できない傾向にあるとの知見を得た。従ってこれによれば異物検出の精度は高いが、品種によって(光透過層の透過特性の違いによって)光反射層からの反射光の大きさが変化してしまい、異なる品種に対して同じ光源で照射した場合に信頼性の高い検査をすることができない虞がある。
条件設定工程S10は検査工程S20を行うに際し、事前に光源の種類(波長の種類)や各光源の強度を決定しておく工程である。従って、条件設定工程S10は一度その条件を決定すれば必ずしも検査工程S20を行う毎に行う必要はなく、省略することもできる。図2に条件設定工程S10の流れを示した。条件設定工程S10は、透過率特性の取得工程S11、光源の選択(波長の選択)工程S12、及び各波長の混合割合の決定工程S13を備えている。
一方、検査工程S20は条件設定工程S10により得ておいた条件に基づいて、被検体を実際に検査する工程である。図3に検査工程S20の流れを示した。検査工程S20は、積層体への光の照射工程S21、反射光の受光工程S22、及び画像解析工程S23を含んで進められる。
以下各工程について説明する。
光反射層101は、例えばアルミニウム等の金属によりなる層であり、その表面である光反射面101aが光を反射する性質を有している。
一方光透過層102は、光反射面101aに積層された、光を透過する性質を有する層である。さらに、光透過層102は、図6(a)にグラフで示したように、照射される光の波長により光の透過率が異なる性質を有している。図6(a)のグラフは横軸に照射される光の波長(nm)、縦軸に透過率を取ったグラフである。本実施形態では波長が短い光は透過しやすく、波長が長い光は透過し難い性質である。
光透過率を測定する際のセルサイズ、試料濃度などの条件は、屈折率などの物性により変化するため、通常は測定しようとする波長領域(例えば400nm〜1000nm)において、検出器の測定限界を超えないように適宜試料濃度を調整する。試料濃度を調製するための溶媒には、通常、光透過層形成用塗布液の溶媒として用いられている溶媒が用いられるが、光透過層形成用塗布液の溶媒およびバインダー樹脂と相溶性があり、混合した場合に濁りなどを生じず、400nm〜1000nmの波長領域において大きな光吸収を持たないものであればどのようなものでも使用することができる。
また、測定する際のセルサイズ(光路長)は、10mmであることが好ましい。使用するセルは400nm〜1000nmの波長領域において実質的に透明であるものであればどのようなものを用いてもかまわないが、石英のセルを用いることが好ましく、特には試料セルと標準セルの透過率特性の差が特定範囲内にあるようなマッチドセルを用いることが好ましい。
また光源の種類も限定されることはないが、消費電力や光源の寿命の観点から発光ダイオード(LED)であることが好ましい。
また光L110の他の一部は光透過層102の内部に入射する。ここで光透過層102は図6(a)からわかるように、第一光源110からの光を透過しやすいので、ここに入射した光は強度を概ね維持したまま光反射層101に達し、ここで反射されて光L110aとなる。
一方、第二光源120からの光L120は、光透過層102の表面に達し、その一部が表面で反射されて光L120bとなる。また光L120の他の一部は光透過層102の内部に入射する。ここで光透過層102は図6(a)からわかるように、第二光源120からの光は透過し難いので、ここに入射した光は吸収等により強度が弱められて光反射層101に達し、ここで反射されて光L120aとなる。
もし、図7(b)に示したように、第一光源110からの光L110のみを照射した場合、光反射層反射光が光透過層反射光に比べて相対的に強度が強くなる。相対的に光反射層反射光が大きいと異物の混入に対する検出感度が向上する利点があるが、光反射層反射光が光透過層反射光に対して相対的に大きすぎると光反射層に起因するノイズが大きくなり、膜厚ムラに対する感度低下を生じてしまう。
これに対して本発明によれば図7(a)に記載のように、第二光源120から適切にその強度を調整して光を照射すると、第二光源120からの光は光透過層102を透過し難いので、光透過層反射光の強度を効果的に高めることができ、光透過層反射光の強度を、相対的に光反射層反射光の強度に近づけることが可能となる。従って、光反射層反射光の強度は維持しつつも、光透過層反射光とのバランスを取ることができ、各種欠陥の検出精度は高く、かつ、光反射層に起因するノイズを低減することが可能になる。
一方、第二光源120からの光L120は、光透過層102’の表面に達し、その一部が表面で反射されて光L120’bとなる。また光L120の他の一部は光透過層102’の内部に入射する。ここで光透過層102’は図6(b)からわかるように、第二光源120からの光は透過し易いので、ここに入射した光は強度が概ね維持されたまま光反射層101に達し、ここで反射されて光L120’aとなる。
もし、図8(b)に示したように、第一光源110からの光L110のみを照射した場合、光透過層102’は第一光源110からの光を透過し難いので、光反射層101で反射する光の強度が弱くなる。光反射層反射光が光透過層反射光に対して相対的に小さいと、光反射層に起因するノイズは低減し、膜厚ムラに対する感度は上昇する利点はあるが、光反射層反射光が光透過層反射光に対して相対的に小さすぎると異物の混入に対する検出感度が低下してしまう。
これに対して本発明によれば図8(a)に記載のように、第二光源120から適切にその強度を調整して光を照射すると、第二光源120からの光は光透過層102’を透過し易いので、光反射層反射光の強度を効果的に高めることができ、光反射層反射光の強度を相対的に光透過層反射光の強度に近づけることができ、両者のバランスを取りつつ光反射層反射光を強くすることが可能となる。従って、光反射層反射光と光透過層反射光とのバランスをとりつつ光反射層反射光の強度を高めることができ、各種欠陥の検出精度は高く、かつ、光反射層に起因するノイズを低減することが可能になる。
なお画像解析工程では、出力の安定性向上のためにシェーディング補正、移動平均、及び輝度補正等の補正処理を行ってもよい。また、検出感度を向上させるために方向フィルター、一次微分フィルター、二次微分フィルター等のフィルタリング処理を行うこともできる。
100’ 積層体
101 光反射層
101a 光反射面
102 光透過層
102’ 光透過層
110 第一光源
120 第二光源
130 検出器
140 画像処理装置
Claims (10)
- 光路上に少なくとも光透過層及び光反射面を有する系に光を照射して、その反射光を受光して欠陥を検出する、積層体の検査方法であって、
前記光透過層の光透過率特性に基づき、透過率が異なる波長にピーク値を有する複数種類の光源を用いて、前記積層体に光を照射する工程と、
前記照射された光の前記積層体からの反射光を検出器で受光する工程と、
前記受光した情報に基づいて画像処理を行い、欠陥を検出する工程と、を備える、
積層体の検査方法。 - 前記積層体に光を照射する工程より前に、前記光透過層の前記光透過率特性に基づき、透過率が異なる波長にピーク値を有する複数種類の光源を選択する工程を有する請求項1に記載の積層体の検査方法。
- 前記光源を選択する工程の後、及び前記積層体に光を照射する工程より前に、前記選択された複数種類の光源の照射の混合割合を決定する工程を有する請求項2に記載の積層体の検査方法。
- 前記検出器はモノクロセンサーである、請求項1〜3のいずれかに記載の積層体の検査方法。
- 前記複数種類の光源の波長のピーク値は前記検出器が検出可能な波長領域から選ばれる、請求項1〜4のいずれかに記載の積層体の検査方法。
- 前記光源がLEDである、請求項1〜5のいずれかに記載の積層体の検査方法。
- 前記光源は、前記複数種類の種類ごとに出力強度を変更可能である、請求項1〜6のいずれかに記載の積層体の検査方法。
- 前記積層体が電子写真感光体である、請求項1〜7のいずれかに記載の積層体の検査方法。
- 前記光反射面となる部材に、前記光透過層を積層する工程を有して前記積層体を作製し、
作製された前記積層体を対象として請求項1〜8のいずれかに記載の積層体の検査方法により欠陥を検出する工程を含む、積層体の製造方法。 - 積層体の検査装置であって、
前記積層体の前記光透過層の光透過率特性に基づき、透過率が異なる波長にピーク値を有する複数種類の光源と、
前記光源から照射された光の前記積層体からの反射光を受光する検出器と、
前記受光した情報に基づいて画像処理を行い、欠陥を検出する画像処理装置と、を備える、
積層体の検査装置。
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