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JP2013224049A - テーブル装置及びシート - Google Patents

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JP2013224049A
JP2013224049A JP2010162358A JP2010162358A JP2013224049A JP 2013224049 A JP2013224049 A JP 2013224049A JP 2010162358 A JP2010162358 A JP 2010162358A JP 2010162358 A JP2010162358 A JP 2010162358A JP 2013224049 A JP2013224049 A JP 2013224049A
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traveling
rail
groove
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seat
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Application number
JP2010162358A
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English (en)
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Yoshinori Fujita
悦則 藤田
Hirofumi Mizuno
宏文 水野
Yutaka Sakamoto
豊 坂本
Yuji Hattori
有二 服部
Koichi Tamura
紘一 田村
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Delta Tooling Co Ltd
Original Assignee
Delta Tooling Co Ltd
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Abstract

【課題】手前に引き出した際に使用者の脚部等へ当たることなく丁度よい高さでの使用を可能とする。
【解決手段】 サイドレール10に沿って走行する走行部材12にテーブル20の上部21が支持されている。従って、収納時におけるテーブル20の下部を手前に引き出して下方から上方へ回動させると、その回転中心が、サイドレール10に沿って下方に移動してくる。収納時におけるテーブル20の上部21の位置が従来よりも高い位置であっても、使用状態の略水平姿勢の高さを丁度よい高さとすることができると共に、テーブル20の下部を下方から上方に回動させた際に、使用者の脚部に接触したりすることを防ぐことができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、前後に複数配置されるシートに着座する着座者が使用するテーブル装置及び該テーブル装置を備えたシートに関し、特に、航空機、列車、船舶、バスなど乗物用シートのシートバック部や壁面に取り付けられるテーブル装置及び該テーブル装置を備えたシートに関する。
例えば、航空機の客室に設置されるシートは、特許文献1及び2に示されているように、機体の長手方向に沿って所定間隔毎に複数設置されている。このような乗物用のシートには、シートバック部にテーブルが設けられているものが多い。後席のシートに着座した乗客は、前席のシートのシートバック部に支持されたテーブルを使用し、飲料等の載置台として利用する。
特許文献1及び2に示されたテーブル構造は、基本的には、図13(a)に示したものと同様であり、シートバック部200の側部にアーム210の一端を軸支し、他端をテーブル220の基端部に軸支して、後席着座者が、使用時に、テーブル220の先端220a側を把持して手前に回動させて略水平にして使用する。収納する際には、テーブル220を上方に回動させ、前席のシートバック部に押しつけるようにし、特許文献2に示されているように、テーブル220の先端をシートバック部200に設けたストッパにより固定する。ストッパは、通常回転式となっており、ストッパの把持部を把持して回転させると、テーブル220の先端に係合片が係合し、所定位置に固定される。
また、図13(b)に示したように、テーブル220の上縁部220bを中心として、下縁部220bが下から略水平位置に至るまで回動するタイプのものもある。
特開2010−995号公報 特開平6−305494号公報
図13(a)に示したような上方から下方へ回動して使用するものの場合、収納時において前席のシートバック部200にテーブル220を押しつけながら上記したストッパを回転させて固定する。特に近年、燃費向上等の観点からシートの軽量化が図られているため、シートバック部200も薄型になっており、シートバック部200を押圧すると、前席に着座している者がそれを背に感じ不快感を与える。
図13(b)に示した下方から上方へ回動するタイプのものは、上記のような不快感を与えることはないが、テーブルの上縁を中心に回動するため、使用時(略水平姿勢の時)に丁度よい高さに設定すると、下方から上方に回動する際に使用者の脚部に接することがある。しかし、この脚部への接触を避けるために上縁部の位置をシートバック部において高く設定すると、使用時のテーブル位置が高くなりすぎる。この点は、乗物の最前列等において、着座者前方の壁面にテーブルが設けられている場合でも同様である。
本発明は上記に鑑みなされたものであり、収納時におけるテーブルの下縁が前方にせり出して下方から上方へ回動するタイプでありながら、手前に引き出した際に使用者の脚部等へ当たることなく丁度よい高さでの使用を可能とすると共に、着座者の前方に前席のシートバック部が存在する場合には、収納時において前席のシートバック部に強く押しつける必要のないテーブル装置及び該テーブル装置を備えたシートを提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明のテーブル装置は、着座者の前方に位置するテーブル取り付け面に、互いに幅方向に所定間隔をおいて、幅方向に略直交する方向に沿って取り付けられる一対のサイドレールと、前記各サイドレールのレール溝に沿って走行可能に配置される一対の走行部材と、前記各走行部材に、各側部の上部が連結されるテーブルと、前記各サイドレールの下部付近に一端が軸支され、他端が前記テーブルの側部の中途部に軸支され、前記一端を中心として回動するアームと、前記テーブルの上部及び前記各走行部材を前記各サイドレールのレール溝に沿って上方に付勢する弾性部材とを有してなり、前記テーブルは、側面視で前記サイドレールに沿った状態が収納姿勢であり、使用時において、前記弾性部材の付勢力に抗して前記テーブルの下部が手前に引き出されると、前記アームが手前に回動しながら、前記各レール溝に沿って前記各走行部材及び前記テーブルの上部が下方に移動し、前記テーブルが略水平姿勢となる位置で前記各走行部材が前記レール溝内でロックされる構造であることを特徴とする。
前記テーブル取り付け面が、前後に傾動しない面であって、前記着座者の前方に配置された壁面又は前席のシートバック部の背面に本発明のテーブル装置は取り付けられる。前記弾性部材は、前記アームの他端に前記テーブルを軸支する支軸部材回りに装着されたコイルスプリングであることが好ましい。前記各サイドレールのレール溝は、ガイド溝部と、前記ガイド溝部に平行に設けられる所定幅の走行部と、前記レール溝の下部において前記走行部よりも幅広で、前記走行部との間に段差部を有する方向転換部とを有してなり、前記走行部材は、前記ガイド溝部を走行するガイド部材と、前記ガイド部材に対して回転自由に支持され、周縁に切り欠き溝を備え、幅細部が前記レール溝の走行部の溝幅内に収まる寸法で、幅広部が前記走行部の溝幅を超える寸法で形成された略長方形の板状部材からなる係合片とを有してなり、前記係合片が前記走行部を走行中は、前記係合片の幅細部が前記走行部に沿う姿勢となり、前記方向転換部に至ると回転し、前記切り欠き溝が前記段差部に係合してロック状態となり、前記切り欠き溝と前記段差部との係合が解除されると、再び前記幅細部が前記走行部に沿う姿勢となることが好ましい。前記ガイド部材は、ローラ又は摺動子からなり、該ローラ又は摺動子と前記係合片との間に、相互の位置関係を規制する弾性部材が配設されていることが好ましい。
前記各サイドレールは、上部と下部との間の中途部における1箇所において、前記テーブル取り付け面にねじ止めされ、前記各サイドレールの上部を外方に押圧する力が付与されると、各サイドレールの上部がねじ止めされている位置を中心として外方に回動し、各サイドレールの上部を内方に押圧する外力が付与されると、各サイドレールの上部がねじ止めされている位置を中心として内方に回動する構成であることが好ましい。前記各サイドレールの上部に、前記テーブルの収納時において、前記テーブルの上部を前記テーブル取り付け面から離間する方向に押圧し、前記走行部材の下方への移動を規制する押圧部材が設けられていることが好ましい。前記押圧部材は、前記各サイドレールの上部において前記テーブル取り付け面側から突出する板バネからなることが好ましい。
前記各サイドレールのレール溝に沿って前記走行部材を介して移動することにより収納姿勢及び略水平姿勢となる前記テーブルは、前記テーブル取り付け面との間に間隙が形成される位置に設けられており、前記テーブルよりもテーブル取り付け面側に、物品収容ポケットを形成する物品支持部材が設けられていることが好ましい。前記物品支持部材は、前記各サイドレール間に掛け渡された帯状部材を備えてなることが好ましい。前記帯状部材は、上縁部の幅方向略中央部が手前側に膨出しており、前記テーブルが収納姿勢となるように動作する際に、前記テーブルの上縁部が前記帯状部材の表面に接して摩擦力により前記動作が緩衝される構成であることが好ましい。前記帯状部材は、下縁部が略直線状となるように設けられていることが好ましい。本発明のテーブル装置は、乗物のフロアに所定間隔ごとに設けられる乗物用シートに適用されることが好ましい。
また、本発明のシートは、上記いずれかのテーブル装置がシートバック部に取り付けられていることを特徴とする。
本発明のテーブル装置は、サイドレールに沿って走行する走行部材にテーブルの上部が支持されている。従って、収納時におけるテーブルの下部を手前に引き出して下方から上方へ回動させると、その回転中心が、サイドレールに沿って下方に移動してくる。このため、収納時におけるテーブルの上部の位置が従来よりも高い位置であっても、使用状態の略水平姿勢の高さを丁度よい高さとすることができると共に、テーブルの下部を下方から上方に回動させた際に、使用者の脚部に接触したりすることを防ぐことができる。
また、レール溝が走行部と該走行部よりも幅広の方向転換部とを有し、走行部材の係合片の切り欠き溝が走行部と方向転換部の段差部に係合する構成であると共に、係合片の幅広部が段差部に接することで回転して係合が解除される構成である。これにより、テーブルの略水平姿勢におけるロックと、その状態から収納位置への復帰動作とを極めて容易に行うことができる。
また、サイドレールが1箇所においてシートバック部や壁面などのテーブル取り付け面にねじ止めされたものである。このため、航空機等の乗物が衝撃を受け、テーブルの使用者である後席着座者に前方への大きな加速度がかかった場合、頭部がテーブルあるいはサイドレールの上部に接触する。この際、サイドレールは、この衝撃を受け、ねじ止め位置を中心として上端側が外方に回動するため、人体に及ぶ衝撃を緩和することになる。一方、乗客の頭部が、衝撃により、隣の席の前席のシートバック部に取り付けられたサイドレールの上部に接触した場合、そのサイドレールは、ねじ止め位置を中心として上端側が内方に回動し、相対的に下端側が外方に回動するため、その場合も人体の受ける衝撃を緩和することになる。
また、各サイドレールの上部に、テーブルの収納時において、テーブルの上部をシートバック部から離間する方向に押圧する板バネ等の押圧部材を設けた構成とすることにより、走行部材の下方への移動を規制することができる。これにより、収納時におけるテーブルの下部の前後のばたつきが抑制される。また、乗客の頭部が衝撃により収納時におけるテーブルの上部に当接した場合、この押圧部材によってその力を弾性的に受けながらテーブルの上部が下方に移動することになり、衝撃を緩和することができる。
従来、後部着座者がこのような場合に受ける衝撃の緩和は、シートバック部の前後動によって担われていたが、本発明によれば、サイドレールの動き、テーブルの動き、さらには押圧部材による弾性力によって、後部着座者が受ける衝撃を緩和できる構成であるため、省スペース化や後席着座者の脚部スペースを確保するためにシートバック部が前後動しない固定式としたシートに特に有効である。
また、テーブルを、シートバック部や壁面等のテーブル取り付け面との間で間隙が形成される位置に設けることにより、テーブルの内側に、物品収容ポケットを形成する物品支持部材を設けることができる。従来、物品収容ポケットは、テーブルの下方に設けられているため、着座者の足置きスペースが制限されていたが、本発明によれば、テーブルとテーブル取り付け面との間隙を有効に利用できるため、従来よりも足置きスペースが広がる。また、テーブルが収納動作する際に、この物品支持部材の表面に接する構成とすることにより、摩擦力により収納動作が緩和され、手指の挟み込みが抑制される。
図1は、本発明の一の実施形態に係るテーブル装置を備えたシートを正面側から見た斜視図である。 図2は、図1のシートを背面側から見た斜視図である。 図3は、上記実施形態に係るテーブル装置を示した斜視図であり、(a)はテーブルの収納時の状態(収納姿勢)を示し、(b)はテーブルの使用時の状態(略水平姿勢)を示した図である。 図4は、上記実施形態に係るテーブル装置を示した平面図であり、(a)はテーブルの収納時の状態(収納姿勢)を示し、(b)はテーブルの使用時の状態(略水平姿勢)を示した図である。 図5は、上記実施形態に係るテーブル装置とバックフレームとの取り付け関係を示した分解斜視図である。 図6(a)は、上記実施形態の走行部材を説明するためのずであり、図6(b)は図6(a)のA−A線断面図である。 図7(a)は、上記実施形態に係るテーブルにおける押圧部材を説明するための図であり、図7(b)は図7(a)の要部拡大図である。 図8は、上記実施形態に係るテーブルの収納姿勢と使用時の略水平姿勢との間の動きの変化を示した図である。 図9(a)〜(f)は、走行部材の動作を説明するための図である。 図10(a)〜(c)は、サイドレールの衝撃緩和作用を説明するための図である。 図11(a)は、押圧部材とテーブル上部の突出縁部との動きの関係を示した図であり、図11(b)は押圧部材及びテーブルの動きによる衝撃緩和作用を説明するための図である。 図12は、テーブルが収納方向への変動する際の物品支持部材(帯状部材)の作用を説明するための図である。 図13(a),(b)は従来の乗物シートにおけるテーブル装置を説明するための図である。
以下、図面に示した実施形態に基づき、本発明をさらに詳細に説明する。図1は、本発明の一の実施形態に係るテーブル装置1を備えたシート(航空機の客室用座席)100を示した正面側から見た斜視図であり、図2は、図1のシートを背面側から見た斜視図である。このシート100は隣接して2つの座席(窓側座席及び通路側座席)を備えている。これらに示したように、本実施形態のテーブル装置1は、シート100の窓側座席及び通路側座席の各シートバック部110の背面に取り付けられる。なお、この点は、乗物の最前列の座席等において、着座者前方の壁面にテーブルが設けられている場合でも同様である。テーブル装置1が設けられる部位としては、前席のシートバック部110の背面及び上記の壁面が挙げられるが、本実施形態では、シートバック部110の背面に取り付けた場合を例にとり説明する。但し、本実施形態のテーブル装置1は、サイドレール10,10をテーブル取り付け面に固定するものであるため、使用時におけるテーブル20のテーブル取り付け面に対する角度は一定である。従って、テーブル取り付け面としては、前後に角度が変動しない壁面、あるいは、シートバック部110の場合には、シートバック部110がリクライニングしないものがテーブル装置1の取り付け対象となる。
テーブル装置1は、一対のサイドレール10,10、テーブル20、一対のアーム30,30を有して構成される。サイドレール10,10は、テーブル20の幅に対応する間隔をおいてシートバック部110の背面に、幅方向に略直交する方向に沿って取り付けられる。
サイドレール10,10は、それぞれ、シートバック部110との取り付け面10aから反対面10b側に所定の距離x1離間した位置に、縦方向に形成されたレール溝11を有している(図6、図9(a)参照)。レール溝11は、図5、図6、図9及び図10に示したように、ガイド溝部11gと、ガイド溝部11gよりもテーブル20の側面寄りに形成された走行部11aとを有している。このうち走行部11aの下方付近は、走行部11aよりも幅の広い方向転換部11bが形成されている。方向転換部11bは、走行部11aよりもシートバック部110との取り付け面10a寄りに深くなるように切り欠かれており、走行部11aと方向転換部11bとの間に段差部11cが形成されている。また、段差部11cに対向する溝内面は、外方に膨出した膨出面11fが形成されている。
レール溝11内は、走行部材12が走行する。走行部材12は、図5及び図6に示したように、レール溝11内の奥側に設けたガイド溝部11gを走行するガイド部材としてのローラ121と、ローラ121に、該ローラ121を中心として回転自由に支持され、走行部11aを走行する係合片122とを有してなる。ローラ121と係合片122には、後述のテーブル20の上部21に設けた突出軸21aが挿通され、回転自由に支持される。なお、ローラ121と係合片122との間には、レール溝11内における両者間の位置決めを行う弾性部材としてのコイルスプリング123が設けられている。本実施形態では、ガイド溝部11gをローラ121が走行するように設けているが、ガイド部材としてはローラ121ではなくガイド溝部11gをスライドして走行する摺動子としてもよい。係合片122は、略長方形の板状部材からなり、幅細部が走行部11aの溝幅内に収まる寸法で、幅広部が走行部11aの溝幅を超える寸法で形成されている。そして、周縁には切り欠き溝122aが形成されている。本実施形態では、この切り欠き溝122aは、幅広部両側に位置する2つの短辺に、中央部が最も深くなる略三角形状に形成されている。
走行部材12は、係合片122aが走行部11a内を走行中は、係合片122の幅細部両側の2つの長辺122bが該走行部11aに沿った姿勢となっており(図9(a)参照)、走行部11aから離脱して方向転換部11bに至ると、その姿勢が変化する構成である(図9(b)〜(f)参照)。すなわち、走行部材12が、走行部11aを走行している状態から方向転換部11bに至ると、両側の規制がなくなるため、係合片122は回動可能となり、方向転換部11bの底部に設けたストッパ11dに接触する。ストッパ11dは、図9に示したように、断面山形になっており、その頂部が上記した段差部11dと略対向するように、該段差部11cの斜め下前方に設けられている。また、ストッパ11dの頂部を通過する仮想水平面と段差部11cの角部との間の垂直距離y1は、係合片122の長辺122bの長さy2よりも若干短い距離となっている。走行部材12は、走行部11aを下方に移動してきて、膨出面11fに至ると、段差部11cに至るまでは、係合片122の片側(図9(a)の右側)の長辺122bのみが走行部11aの内側に接しながら下方に移動する。すると、下側の切り欠き溝122aの図9(b)の左側の傾斜面がストッパ11dの頂部左側の斜面に当接する。それにより、図9(b)に示したように、係合片122はストッパ11dの傾斜形状に沿って、若干右側に傾いた姿勢となる。
走行部材12は、後述のように、テーブル20を常に収納姿勢となるように付勢する弾性部材、すなわち、走行部材12を常に上方に移動させる方向に付勢する弾性部材により、ストッパ11dに当接した後、上方に戻ろうとする。このとき係合片12は、図の斜め右方に傾いているため、その状態で上方に移動すると、図9(c)に示したように、上側に位置する切り欠き溝122aが段差部11cに引っかかる。段差部11cに引っかかると、上側に位置する切り欠き溝122aの図の左側の傾斜面が段差部11cを正面側から押圧する。これにより、係合片122は回動不能となり、ロックがなされテーブル20の位置が固定される。
この状態で、テーブル20の手前側を上方に持ち上げると、走行部材12の係合片122は、図9(d)のように方向転換部11b内へと下方に移動する。その後、図9(e)に示したように、走行部材12は、方向転換部11b内から走行部11a内へと移動しようとするが、その際には係合片122の長辺122bが段差部11cに当接して回転し、再び幅細部両側の2つの長辺122bが走行部11aに沿った姿勢となり、該走行部11a内を上方に移動していく。
サイドレール10,10は、シートバック部110の上下方向(縦方向)に沿って互いに幅方向に所定間隔をおいて設けられるが、サイドレール10,10は、それぞれ、その上部と下部との間の中途部、本実施形態では、上部と下部との間の中央位置よりも下端寄りにねじ10cを用いてシートバック部110のバックフレーム111にねじ止めされる(図5参照)。また、ねじ10cの上方では、縦方向に所定間隔をおいて係合突起10d,10eが突設されており(図11参照)、この係合突起10d,10eがバックフレーム111の被係合部111a,111bに係合される(図5参照)。
また、図5に示したように、サイドレール10,10の下部間に位置するように、下部フレーム13がシートバック部110に固定される。サイドレール10,10は、下部に係合孔10fを備えており、下部フレーム13には、幅方向に貫通するシャフト14が挿通されている。そして、シャフト14の各端部が上記係合孔10fに挿通されることにより、該シャフト14を介して下部フレーム13とサイドレール10,10が係合される。もちろん、下部フレーム13の各端部とサイドレール10,10の各下部とをシャフトを用いずに直接係合させることも可能である。
サイドレール10,10の下部付近に位置する、シャフト14の各端部における係合孔10fに挿通されずに露出している端部付近14a,14b(図10参照)には、アーム30,30の一端30a,30aが軸支される。
テーブル20は、平面視で略長方形に形成されると共に、使用時において手前側は、各角部にアールがつけられた形状となっている。テーブル20の各側部の上部21(収納姿勢において上部となっている部位であり、使用時の略水平姿勢では使用者から見て奥側に位置する端部すなわち前席のシートバック部寄りの端部である)にはそれぞれ外方に突出する突出軸21aが設けられており、この突出軸21aが走行部材12のローラ121及び係合片122の中央に形成した貫通孔に挿通されて支持される。
テーブル20の側部の中途部(使用時の略水平姿勢における奥行き方向略中央部)には、アーム30,30の他端30b,30bが軸支される。具体的には、テーブル20の裏面(使用面の反対面)側に支軸部材31を幅方向に挿通し、この支軸部材31の各端部にアーム30,30の他端30b,30bを軸支している。支軸部材31回りには、弾性部材としてのコイルスプリング32が設けられており、このコイルスプリング32により、テーブル20は、該テーブル20が収納姿勢となる方向、すなわち、テーブル20の上部21をレール溝11に沿って上昇させる方向(アーム30,30をサイドレール10,10に接近させる方向)に付勢している。
また、サイドレール10,10の上部には、押圧部材15が設けられている。この押圧部材15は、図7に示したように、下端部15aが固定され、上端部15bが前方に突出するように配置された板バネから構成される。テーブル20の収納姿勢において、テーブル20の上部21には上方に突出する突出縁部21bが設けられており、この突出縁部21bが押圧部材15の上端部15bに当接するようになっている。突出縁部21bが押圧部材15の上端部15bに当接すると、押圧部材15の弾性力により、突出縁部21bがシートバック部110から離間する方向(図7の矢印C方向)に向かって押圧されることになり、収納姿勢において、乗物の揺れ等により、テーブル20の下部がばたついても、該テーブル20が略水平姿勢となる方向に開いてしまうこと、すなわち、走行部材12がレール溝11に沿って下方に移動してしまうことを防止する。なお、突出縁部21bは、押圧部材15の上端部15bにより図7の矢印C方向に押圧されているが、反対面側はサイドレール10に設けた突片10hに当接し、その位置が保持されている。
上記したように、サイドレール10,10は、それぞれ、シートバック部110との取り付け面10aから反対面10b側に所定の距離x1離間した位置に、レール溝11が形成されている。従って、収納姿勢では、テーブル20は、このレール溝11に沿った位置に配置されており、テーブル20の裏面とシートバック部110との間には距離x1に相当する以上の間隙x2(図4(a)に示したように、距離x2は、テーブル20の厚さが薄いため、距離x1以上の間隙となる)が形成されている。また、テーブル20は、上部21に走行部材12が連結されてレール溝11に沿って移動するため、移動中も、テーブル20の上縁部22とシートバック部110との間には距離x2の間隙が存在する。略水平姿勢の使用時においても、上縁部22とシートバック部110との間には距離x2に相当する間隙が存在する。
そこで、本実施形態では、この間隙を図3及び図4に示したように物品収容ポケットとして利用している。すなわち、サイドレール10,10における取り付け面10a,10a寄りの部位間に、物品支持部材としての帯状部材40を掛け渡し、この帯状部材40の内側を物品収容ポケットとして利用したものである。
帯状部材40は、所定幅の布帛が用いられるが、図4及び図12に示したように、上縁部41には、ゴム部材41aを包むようにして配設されている。このとき、上縁部41は、幅方向略中央部が手前側(使用者側)に膨出するようにゴム部材41aとして、一対のサイドレール10,10間の間隔よりも長いものが使用される。また、下縁部42にもゴム部材42aが包むようにして配設されるが、このゴム部材42aは、一対のサイドレール10,10間の間隔とほぼ同じ程度の長さのものが使用される。
物品収容ポケットは、従来、テーブルの収納位置よりも下方に設けられるが、物品収容ポケット内に任意の物品を収容した場合、足置きスペースがその分狭くなる。しかしながら、本実施形態によれば、テーブル20の収納時の位置と同じ高さで設けられているため、従来よりも足置きスペースが広くなる。
次に、本実施形態の作用を説明する。テーブル20の収納時においては、図3(a)及び図4(a)に示したように、テーブル20はサイドレール10,10のレール溝11に沿った状態、すなわち、シートバック部110の面と略平行な姿勢となっている。この状態では、図7(a),(b)に示したように、テーブル20の上部21に設けた突出縁部21bが押圧部材15の上端部15bに当接し、該押圧部材15の上端部15bにより、常にシートバック部110から離間する方向に該テーブル20の上部21が押圧されている。これにより、上記のように、テーブル20の収納姿勢において下部が開いてばたついたりすることが防止される。また、図4(a)に示したように、テーブル20の内側に位置する帯状部材40とシートバック部110との間が間隙が形成されているため、その間隙に、図3(a)に示したように、雑誌等の物品を収納できる。なお、物品の下端は、下部フレーム13に形成した支持溝13a(図5参照)に位置して支持される。
テーブル20を使用する場合には、図2の左側(通路側)座席で示したように、テーブル20の下部を使用者が手前に引く。それにより、まず、突出縁部21bが下方に回動するため、押圧部材15の上端部15bの円弧状の先端縁よりも下方に移動し、押圧部材15による押圧力が解除される(図11(a)参照)。この状態でも、テーブル20は、コイルスプリング32の弾性力により収納姿勢に復帰するように付勢されているため、使用者はその力に抗する力を付与して、図8に示したように、テーブル20の下部を手前に引いていく(図8の矢印A方向)。すると、走行部材12は、ガイド溝部11g内に沿ってローラ121が転動しつつ、係合片122が、図9(a)に示したように、幅細部の両側の2つの長辺が走行部11aの内面に沿う姿勢となって、下降していく。テーブル20は、図8に示したように、徐々に水平姿勢となるように変位していくが、それに伴って、一対のアーム30,30も使用者側に傾倒していく。
走行部材12は、係合片122がレール溝11の走行部11aから方向転換部11bに至ると、上記のようにストッパ11dに接触し(図9(b)参照)、若干図の右方に傾斜する姿勢となり、その後、走行部材12の係合片122は、コイルスプリング32の弾性力によって常に上昇方向に付勢されているため、図9(c)に示したように、上側に位置する切り欠き溝122aが段差部11cに引っかかりロックされる。これにより、図2の右側(窓側)座席、図3(b)及び図4(b)に示したように、テーブル20は略水平姿勢となり、その上に飲料カップ等を載置できる。すなわち、テーブル20は、収納姿勢において使用者に対向している面が、図8に示したように変位することで、そのまま飲料カップ等が載置される使用面(図2のA面)となる。
このように、本実施形態によれば、テーブル20が下方から上方に回動するものでありながら、テーブル20の上部21が下方に移動しながら開くものであるため、収納状態においてテーブル20の位置が従来よりも高い位置であっても、使用時には、丁度よい高さとなる。
テーブル20を収容する場合には、使用者は、テーブル20の手前側(収納姿勢で下部に相当)を若干上方に持ち上げる。すると、走行部材12の係合片122は、図9(d)に示したように、方向転換部11b内に下降する。使用者はそのまま手を離すか、あるいは、軽く手を支えるようにしていると、コイルスプリング32の弾性力により、走行部材12は上昇しようとする。方向転換部11bから上昇する際、図9(e)に示したように、係合片122の長辺が段差部11cに当接するため、係合片122は突出軸21a回りで回転し、走行部11a内に侵入する際には、図9(f)に示したように、再び幅細部の両側に位置する2つの長辺が走行部11aの内面に沿う姿勢となり、そのまま上昇していく。
走行部材12が上昇していくと、テーブル20は、下部がシートバック部110に接近する方向(図8の矢印B方向)に回動し、収納姿勢に復帰していく。そして、最終点に至るとコイルスプリング32の弾性力により、上部21に設けられた突出縁部21bが押圧部材15の上端部15bの円弧状の先端縁に対面する図7(a),(b)の状態になるまで復帰する。
このように略水平姿勢から収納姿勢に復帰するまでの間、すなわち、図12の矢印B方向にテーブル20が変位していく間、テーブル20の上縁部22が帯状部材40の下端縁42から上端縁41に向かって接触しながら変位する。これにより、コイルスプリング32の弾性力による復帰動作が帯状部材40と上縁部22との間の摩擦力により緩和され、急激な復帰に伴って手指がテーブル20とサイドレール10との隙間やテーブル20とアーム30との隙間に挟まれることを抑制できる。本実施形態では、下端縁41はほぼ直線状になっており、上端縁42は略中央部が手前側に膨出している。従って、テーブル20が略水平姿勢から復帰動作を始めた当初は、テーブル20の上縁部22が帯状部材40の下端縁42に接触せずにスムーズに動くが、上端縁41に近づくほど接触面積が増すため、復帰動作は徐々に減衰されることになる。
また、揺れや衝撃等により乗物に前後に大きな加速度がかかり、使用者の頭部がテーブル20に接触する場合がある。航空機などでこのような衝撃が加わる可能性ある場合、各乗客はテーブル20を予め収納位置にセットしている。従って、所定以上の衝撃があって人の頭部が前方に急に移動した場合、図11(b)に示したように、テーブル20の上部21付近に頭部が当接する。頭部が当接すると、テーブル20の突出縁部21bが押圧部材15の上端部15bから離脱するため、テーブル20は上部21が下降するように逃げる。これにより、頭部20の受ける衝撃力が緩和される。また、テーブル20には、コイルスプリング32により収納方向に付勢されているため、その弾性力によっても頭部の受ける衝撃力が緩和される。
また、使用者の頭部が、衝撃により斜め方向に動き、サイドレール10に衝突した場合、本実施形態では、サイドレール10が固定されているのはねじ10cの部分のみであるため、サイドレール10は、係合突起10d,10eが壊れてバックフレーム111の被係合部111a,111bとの係合が解除され、図10(a),(b)に示したように、ねじ10cを中心として外方に回動することになる(図10(a),(b)の実線から破線で示したように変形する)。よって、この係合突起10d,10eが壊れることによりエネルギー吸収がなされつつ、サイドレール10が外方に回動することで頭部の受ける衝撃力が緩和される。
一方、例えば、図2の通路側の着座者の頭部が、衝撃により窓側の着座者が使用するテーブル20側に急に動いた場合、その頭部は、窓側の着座者が使用するテーブル20を支持する通路側に配置されたサイドレール10に衝突する。その際には、図10(c)に示したように、サイドレール10の上部がねじ10cを中心として内方に移動するため、実線から破線で示したように変形し、頭部の受ける衝撃力を緩和する。
なお、上記実施形態ではテーブル装置1を構成するサイドレール10、テーブル20等を前席のシートバック部110に取り付けた場合を例にとって説明しているが、乗物の最前列の座席等において、着座者前方の壁面にテーブルが設けられる場合にも同様のテーブル装置1を取り付けられることはもちろんである。
1 テーブル装置
10 サイドレール
11 レール溝
11a 走行部
11b 方向転換部
11c 段差部
11d ストッパ
11g ガイド溝部
12 走行部材
121 ローラ
122 係合片
122a 切り欠き溝
13 下部フレーム
15 押圧部材
20 テーブル
21 上部
30 アーム
40 帯状部材
100 シート
110 シートバック部

Claims (14)

  1. 着座者の前方に位置するテーブル取り付け面に、互いに幅方向に所定間隔をおいて、幅方向に略直交する方向に沿って取り付けられる一対のサイドレールと、
    前記各サイドレールのレール溝に沿って走行可能に配置される一対の走行部材と、
    前記各走行部材に、各側部の上部が連結されるテーブルと、
    前記各サイドレールの下部付近に一端が軸支され、他端が前記テーブルの側部の中途部に軸支され、前記一端を中心として回動するアームと、
    前記テーブルの上部及び前記各走行部材を前記各サイドレールのレール溝に沿って上方に付勢する弾性部材と
    を有してなり、
    前記テーブルは、側面視で前記サイドレールに沿った状態が収納姿勢であり、
    使用時において、前記弾性部材の付勢力に抗して前記テーブルの下部が手前に引き出されると、前記アームが手前に回動しながら、前記各レール溝に沿って前記各走行部材及び前記テーブルの上部が下方に移動し、前記テーブルが略水平姿勢となる位置で前記各走行部材が前記レール溝内でロックされる構造であることを特徴とするテーブル装置。
  2. 前記テーブル取り付け面が、前後に傾動しない面であって、前記着座者の前方に配置された壁面又は前席のシートバック部の背面である請求項1記載のテーブル装置。
  3. 前記弾性部材は、前記アームの他端に前記テーブルを軸支する支軸部材回りに装着されたコイルスプリングである請求項1又は2記載のテーブル装置。
  4. 前記各サイドレールのレール溝は、ガイド溝部と、前記ガイド溝部に平行に設けられる所定幅の走行部と、前記レール溝の下部において前記走行部よりも幅広で、前記走行部との間に段差部を有する方向転換部とを有してなり、
    前記走行部材は、
    前記ガイド溝部を走行するガイド部材と、
    前記ガイド部材に対して回転自由に支持され、周縁に切り欠き溝を備え、幅細部が前記レール溝の走行部の溝幅内に収まる寸法で、幅広部が前記走行部の溝幅を超える寸法で形成された略長方形の板状部材からなる係合片と
    を有してなり、
    前記係合片が前記走行部を走行中は、前記係合片の幅細部が前記走行部に沿う姿勢となり、前記方向転換部に至ると回転し、前記切り欠き溝が前記段差部に係合してロック状態となり、前記切り欠き溝と前記段差部との係合が解除されると、再び前記幅細部が前記走行部に沿う姿勢となる請求項1〜3のいずれか1に記載のテーブル装置。
  5. 前記ガイド部材は、ローラ又は摺動子からなり、該ローラ又は摺動子と前記係合片との間に、相互の位置関係を規制する弾性部材が配設されている請求項4記載のテーブル装置。
  6. 前記各サイドレールは、上部と下部との間の中途部における1箇所において、前記テーブル取り付け面にねじ止めされ、
    前記各サイドレールの上部を外方に押圧する力が付与されると、各サイドレールの上部がねじ止めされている位置を中心として外方に回動し、各サイドレールの上部を内方に押圧する外力が付与されると、各サイドレールの上部がねじ止めされている位置を中心として内方に回動する構成である請求項1〜5のいずれか1に記載のテーブル装置。
  7. 前記各サイドレールの上部に、前記テーブルの収納時において、前記テーブルの上部を前記テーブル取り付け面から離間する方向に押圧し、前記走行部材の下方への移動を規制する押圧部材が設けられている請求項1〜6のいずれか1に記載のテーブル装置。
  8. 前記押圧部材は、前記各サイドレールの上部において前記テーブル取り付け面側から突出する板バネからなる請求項7記載のテーブル装置。
  9. 前記各サイドレールのレール溝に沿って前記走行部材を介して移動することにより収納姿勢及び略水平姿勢となる前記テーブルは、前記テーブル取り付け面との間に間隙が形成される位置に設けられており、前記テーブルよりもテーブル取り付け面側に、物品収容ポケットを形成する物品支持部材が設けられている請求項1〜8のいずれか1に記載のテーブル装置。
  10. 前記物品支持部材は、前記各サイドレール間に掛け渡された帯状部材を備えてなる請求項9記載のテーブル装置。
  11. 前記帯状部材は、上縁部の幅方向略中央部が手前側に膨出しており、前記テーブルが収納姿勢となるように動作する際に、前記テーブルの上縁部が前記帯状部材の表面に接して摩擦力により前記動作が緩衝される請求項10記載のテーブル装置。
  12. 前記帯状部材は、下縁部が略直線状となるように設けられている請求項11記載のテーブル装置。
  13. 前記シートが乗物のフロアに所定間隔ごとに設けられる乗物用シートである請求項1〜12のいずれか1に記載のテーブル装置。
  14. 請求項1〜13のいずれか1に記載のテーブル装置がシートバック部に取り付けられているシート。
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