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JP2013209487A - 光硬化型粘着剤組成物およびこれを用いた粘着シート - Google Patents

光硬化型粘着剤組成物およびこれを用いた粘着シート Download PDF

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JP2013209487A JP2012079887A JP2012079887A JP2013209487A JP 2013209487 A JP2013209487 A JP 2013209487A JP 2012079887 A JP2012079887 A JP 2012079887A JP 2012079887 A JP2012079887 A JP 2012079887A JP 2013209487 A JP2013209487 A JP 2013209487A
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Abstract

【課題】加熱処理を用いずに硬化させて、粘着状態から接着状態に変化させることが可能であり、かつ耐腐食性や耐熱性に劣る対象物にも使用可能な粘着剤に関する技術を提供する。
【解決手段】(A)(メタ)アクリル系ポリマーと、(B)(メタ)アクリル酸エステル系光重合性モノマーと、(C)アミン含有光重合性モノマーと、(D)アルコキシシラン含有光重合性モノマーと、(E)ラジカル重合性光重合開始剤と、を含み、前記(A)ポリマーを50〜89質量部、前記(B)モノマーを5〜15質量部、前記(C)モノマーを5〜25質量部、および前記(D)モノマーを1〜10質量部[但し、(A)+(B)+(C)+(D)=100質量部]の割合で含有する光硬化型粘着剤組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、光硬化型粘着剤組成物およびこれを用いた粘着シートに関する。
粘着剤は、部品同士を接着する際に広く用いられている。粘着剤には、粘着力や粘着耐久性(長期間にわたり粘着力を保つ性能)、耐熱性(加熱しても粘着力が変化しにくい性能)、剥離性などの性能が求められている。これら種々の性能については、粘着剤の種類ごとに優れている性能や劣っている性能が異なっていることが知られている。そのため、要求される性能に応じて、粘着剤の種類の使い分けがなされている。
粘着剤の用途の1つに、一時的に部材同士を接着させておくという仮止めがある。この仮止めには、熱処理によって硬化する粘着剤(熱硬化型粘着剤)や、紫外線を照射すると硬化する粘着剤(光硬化型粘着剤)が適している(例えば、特許文献1、2)。これらの熱硬化型粘着剤や光硬化型粘着剤は、加熱処理や紫外線照射によって硬化し、粘着状態から接着状態に変化する性質を持つ。そのため、これら熱硬化型粘着剤や光硬化型粘着剤によれば、部材同士を緩やかに仮止めしておき、各部材の位置が適切であることを確認した上で、加熱処理や紫外線照射を施して粘着剤を硬化させ、粘着状態から接着状態に変化させると、先に確認した適切な位置に留めたまま、各部材同士を強く固定することが可能となる。すなわち、上述の熱硬化型粘着剤や光硬化型粘着剤によれば、部材同士を適切な位置に固定することが簡便に実施可能となる。
特開2001−64593号公報 特開平9−279103号公報
ところが、上述の熱硬化型粘着剤の場合には、耐熱性に劣る対象物では粘着剤を硬化させる時の熱処理によって、対象物を変性や変形させてしまう恐れがある。また、上述の光硬化型粘着剤の場合には、カチオン重合反応が関与する光硬化反応によって粘着剤を硬化させるので、カチオン重合反応で生じる酸によって、対象物を腐食させてしまう恐れがある。
上記の問題に鑑みて、本発明は、加熱処理を用いずに硬化させて、粘着状態から接着状態に変化させることが可能であり、かつ耐腐食性や耐熱性に劣る対象物であっても使用可能な粘着剤に関する技術を提供することを目的とする。
本発明は、以下に示す光硬化型粘着剤組成物およびこれを用いた粘着シートである。
[1] (A)(メタ)アクリル系ポリマーと、(B)(メタ)アクリル酸エステル系光重合性モノマーと、(C)アミン含有光重合性モノマーと、(D)アルコキシシラン含有光重合性モノマーと、(E)ラジカル重合性光重合開始剤と、を含み、前記(A)ポリマーを50〜89質量部、前記(B)モノマーを5〜15質量部、前記(C)モノマーを5〜25質量部、および前記(D)モノマーを1〜10質量部[但し、(A)+(B)+(C)+(D)=100質量部]の割合で含有する光硬化型粘着剤組成物。
[2] 前記(A)ポリマーは、ガラス転移温度(Tg)−50〜0℃かつ重量平均分子量10万〜100万である前記[1]に記載の光硬化型粘着剤組成物。
[3] 前記(A)ポリマーは、アクリロニトリルに由来する繰り返し単位を含有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体である前記[1]または[2]に記載の光硬化型粘着剤組成物。
[4] 前記(A)ポリマーは、側鎖に放射線重合性の不飽和結合を有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体である前記[1]〜[3]のいずれかに記載の光硬化型粘着剤組成物。
[5] 前記(B)モノマーは、環状構造を有する(メタ)アクリル酸エステル系光重合性モノマーからなる前記[1]〜[4]のいずれかに記載の光硬化型粘着剤組成物。
[6] 前記環状構造を有する(メタ)アクリル酸エステル系重合性モノマーは、テトラヒドロフルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルオリゴアクリレート、イソボルニルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、フェノキシポリエチレングリコールアクリレート、および2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレートからなる群から選ばれる1種以上からなる前記[5]に記載の光硬化型粘着剤組成物。
[7] 前記(C)モノマーは、アクリロイルモルホリン、N−ビニル−2−ピロリドン、およびヒドロキシエチルアクリルアミドからなる群から選ばれる1種以上からなる前記[1]〜[6]のいずれかに記載の光硬化型粘着剤組成物。
[8] 前記(D)モノマーが、(メタ)アクリロイルオキシトリアルコキシシラン、およびビニルトリアルコキシシランからなる群から選ばれる1種以上からなる前記[1]〜[7]のいずれかに記載の光硬化型粘着剤組成物。
[9] 前記(E)ラジカル重合性光重合開始剤は、アシルホスフィンオキサイド構造を有するリン系光重合開始剤を含む前記[1]〜[8]のいずれかに記載の光硬化型粘着剤組成物。
[10] 前記リン系光重合開始剤は、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、およびビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルホスフィンオキサイドからなる群から選ばれる1種以上を含む前記[9]に記載の光硬化型粘着剤組成物。
[11] カチオン重合性光重合開始剤を含まない前記[1]〜[10]のいずれかに記載の光硬化型粘着剤組成物。
[12] 前記[1]〜[11]のいずれかに記載の光硬化型粘着剤組成物によって形成された粘着剤層と、前記粘着剤層が貼り合わされた基材と、を備える粘着シート。
本発明の光硬化型粘着剤組成物およびこれを用いた粘着シートによれば、加熱処理を用いずに硬化させて、粘着状態から接着状態に変化させることが可能であり、かつ耐腐食性や耐熱性に劣る対象物にも使用可能である。
以下、本発明の実施の形態について説明する。本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、変更、修正、改良を加え得るものである。
1.光硬化型粘着剤組成物:
本発明の光硬化型粘着剤組成物は、(A)(メタ)アクリル系ポリマー[以下、「(A)ポリマー」ということがある]と、(B)(メタ)アクリル酸エステル系光重合性モノマー[以下、「(B)モノマー」ということがある]と、(C)アミン含有光重合性モノマー[以下、「(C)モノマー」ということがある]と、(D)アルコキシシラン含有光重合性モノマー[以下、「(D)モノマー」ということがある]と、(E)ラジカル重合性光重合開始剤と、を含み、(A)ポリマーを50〜89質量部、(B)モノマーを5〜15質量部、(C)モノマーを5〜25質量部、および(D)モノマーを1〜10質量部[但し、(A)+(B)+(C)+(D)=100質量部]の割合で含有するものである。
本発明の光硬化型粘着剤組成物は、紫外線を照射すると硬化し、粘着状態から接着状態に変化するものである。特に、本発明の光硬化型粘着剤組成物では、紫外線を照射すると、(E)ラジカル重合性光重合開始剤によりラジカル重合反応を惹起させ、硬化を生じさせているので、カチオン重合の関与を必須としている従来の光硬化型粘着剤組成物と比べて、酸が生じにくい。また、本発明の光硬化型粘着剤組成物では、硬化させる際に熱処理を必要としない。そのため、本発明の光硬化型粘着剤組成物では、腐食性や耐熱性に劣る対象物に対しても良好に使用することが可能である。
さらに、本発明の光硬化型粘着剤組成物では、酸の発生を確実に抑制し、腐食性に劣る対象物に確実に使用できるという観点から、カチオン重合性光重合開始剤を含まないことが好ましい。
本明細書にいう「ラジカル重合性」とは、活性種がラジカルである重合により高分子量体となることであり、開始剤としてフリーラジカルを生じる化合物が用いられる。また、本明細書にいう「カチオン重合性」とは、活性種がカチオンである重合により高分子量体となることであり、開始剤としてブレンステッド酸やルイス酸などが用いられる。
本発明の光硬化型粘着剤組成物では、(A)ポリマーを50〜89質量部、(B)モノマーを5〜15質量部、(C)モノマーを5〜25質量部、および(D)モノマーを1〜10質量部[但し、(A)+(B)+(C)+(D)=100質量部]の割合で含有することにより、紫外線照射前の仮固定時(紫外線照射による光硬化型粘着剤組成物の硬化前)において光硬化型粘着剤組成物が仮固定部位からはみ出してくることを抑制可能になり、かつ、本発明のようにラジカル重合反応を主とする光重合反応によって硬化させる場合であっても、紫外線照射後に良好な接着力と耐久性を付与することが可能になるという利点がある。
また、本発明の光硬化型粘着剤組成物では、(C)モノマーおよび(D)モノマーを含むことにより、高温(80〜90℃程度)の環境下や、高温(60〜90℃程度)かつ多湿(相対湿度60〜95%程度)の環境下でも紫外線照射による硬化後の接着力に大きな変化が生じにくい、すなわち、耐熱性[熱環境(温度80〜90℃の環境)における耐久性]と耐湿熱性[湿熱環境(温度60〜90℃、相対湿度60〜95%の環境)における耐久性]に優れるものとできる。
本明細書にいう「光重合性」とは、紫外線を照射することにより重合反応が惹起されると、重合体や架橋物を形成することが可能な性質を意味する。例えば、重合性の炭素−炭素二重結合として、ビニル基等を挙げることができ、重合性の炭素−炭素三重結合として、アセチレン基等を挙げることができる。
本発明の光硬化型粘着剤組成物では、(A)ポリマーは、ガラス転移温度(Tg)−50〜0℃かつ重量平均分子量10万〜100万であることが好ましく、さらに、ガラス転移温度(Tg)−40〜−10℃かつ重量平均分子量10万〜50万であることがより好ましい。
本発明の光硬化型粘着剤組成物では、(A)ポリマーがガラス転移温度(Tg)−50〜0℃の場合、対象物に光硬化型粘着剤組成物を塗布する(あるいは貼り合わせる)際に、対象物の表面に凹凸部分がある時でも、こうした凹凸部分にも隔てなく、対象物の表面全体に満遍なく光硬化型粘着剤組成物を密着させることが可能になり、また、紫外線照射後に良好な接着力を発現させることが可能になる。こうした対象物への良好な密着性と接着力は、(A)ポリマーがガラス転移温度(Tg)−40〜−10℃である場合に、より一層確実に発現させることが可能になる。
また、本発明の光硬化型粘着剤組成物では、(A)ポリマーが重量平均分子量10万〜100万の場合、(A)ポリマーと他の成分[(B)モノマーや(C)モノマーなど]との良好な混和性を確実に保つことが可能になり、また、紫外線硬化後における熱環境下および湿熱環境下での接着力の低下を抑制することが可能になる。こうした良好な混和性と高温・湿熱環境下での接着力の低下抑制は、(A)ポリマーが重量平均分子量10万〜50万である場合に、より一層確実に発現させることが可能になる。
なお、本明細書において「重量平均分子量」というときは、GPC法(Gel Permeation Chromatography法)で測定されたポリスチレン換算の重量平均分子量の値を意味するものとする。
また、本明細書において「ガラス転移温度(Tg)」というときは、(A)ポリマーのガラス転移温度(Tg)の場合であれば、(A)ポリマーを含む溶液をガラス板に薄く引き伸ばし、25℃で7日間乾燥させて乾燥フィルムとして、この乾燥フィルムを示差走査熱量分析計(例えば、商品名:DSC、理学電気社製)により、チッ素雰囲気下、昇温速度20℃/分、サンプル量20mgの条件で測定したガラス転移温度(Tg)の値を意味するものとする。
本発明の光硬化型粘着剤組成物に用いる(A)(メタ)アクリル系ポリマーとは、主鎖中に(メタ)アクリル系単量体由来の繰り返し単位を含む重合体のことをいう。
本明細書にいう「(メタ)アクリル系単量体」とは、アクリル酸、メタクリル酸、またはこれらの塩ないしエステルを意味する。
本明細書にいう「(メタ)アクリル系単量体」の具体例としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸の他、(メタ)アクリル酸アンモニウム、(メタ)アクリル酸ナトリウム、(メタ)アクリル酸カリウム等の(メタ)アクリル酸塩類;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−ペンチル(メタ)アクリレート、i−ペンチル(メタ)アクリレート、n−へキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルへキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル類;等を挙げることができる。
本発明の光硬化型粘着剤組成物に用いる(A)(メタ)アクリル系ポリマーは、主鎖中に(メタ)アクリル系単量体由来の繰り返し単位を含む重合体の中でも、(メタ)アクリル酸エステル類由来の繰り返し単位を含むものが好ましく、さらに、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、および/または2−エチルヘキシルアクリレート由来の繰り返し単位を含むものがより好ましく、特に、エチルアクリレートおよび/またはブチルアクリレート由来の繰り返し単位を含むものが最も好ましい。本発明の光硬化型粘着剤組成物では、(A)(メタ)アクリル系ポリマーに上述の繰り返し単位を含ませることによって、良好な粘着特性や接着特性を発揮させることが可能となる。
本発明の光硬化型粘着剤組成物では、(A)(メタ)アクリル系ポリマーは、全ての繰り返し単位が(メタ)アクリル系単量体由来の繰り返し単位であることを要しない。即ち、本発明の効果をより高める為に(メタ)アクリル系単量体由来の繰り返し単位以外の繰り返し単位を含むものであってもよい。
(A)(メタ)アクリル系ポリマーにおける繰り返し単位の由来となる「(メタ)アクリル系単量体以外の単量体」の種類については、特に制限はないが、例えば、重合性不飽和結合を有する単量体を挙げることができる。
(A)(メタ)アクリル系ポリマーにおける繰り返し単位の由来となる「(メタ)アクリル系単量体以外の単量体」の具体例としては、例えば、(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド類;(メタ)アクリロニトリル等の(メタ)アクリロニトリル類;スチレン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のカルボン酸ビニル類、無水マレイン酸、イタコン酸、フマル酸等の不飽和ジカルボン酸類;N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム等のN−ビニルラクタム類;等を挙げることができる。
本発明の光硬化型粘着剤組成物では、(A)(メタ)アクリル系ポリマーにおける繰り返し単位の由来となる「(メタ)アクリル系単量体以外の単量体」としては、(メタ)アクリロニトリル類、特にアクリロニトリル由来の繰り返し単位を含むものが好ましい。(A)(メタ)アクリル系ポリマーに上述の繰り返し単位を含ませることにより、光硬化型粘着剤組成物の凝集力を向上させ、紫外線照射によって硬化させる前における光硬化型粘着剤組成物の過度な流動を抑制し、また、紫外線照射による硬化後における接着力や耐久性[熱環境下および湿熱環境下での接着保持力]を向上させることが可能になる。
さらに、本発明の光硬化型粘着剤組成物では、(A)(メタ)アクリル系ポリマーがアクリロニトリルに由来する繰り返し単位を含有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体である場合、紫外線照射後における接着力および耐久性[熱環境下および湿熱環境下での接着保持力]をより確実に向上させるという観点から、(A)(メタ)アクリル系ポリマーにおけるアクリロニトリルに由来する繰り返し単位の比率が1〜40質量%であることが好ましく、さらに、3〜30質量%であることがより好ましい。
本明細書にいう「(A)(メタ)アクリル系ポリマーにおけるアクリロニトリルに由来する繰り返し単位の比率」とは、(A)(メタ)アクリル系ポリマーの全質量に占めるアクリロニトリルに由来する繰り返し単位の質量の割合(質量%)のことを意味する。
例えば、(A)(メタ)アクリル系ポリマーが、n種類のポリマーからなる場合、「(A)(メタ)アクリル系ポリマーにおけるアクリロニトリルに由来する繰り返し単位の比率が1〜40質量%である」というときには、当該n種類のポリマーのそれぞれにおいて、アクリロニトリルに由来する繰り返し単位の比率が1〜40質量%であることを意味するものとする。
本発明の光硬化型粘着剤組成物では、紫外線照射後の耐久性[熱環境下および湿熱環境下での接着保持力]をより確実に向上させるという観点から、(A)(メタ)アクリル系ポリマーは、側鎖に放射線重合性の不飽和結合を有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体であることが好ましい。
本明細書にいう「放射線重合性の不飽和結合を有する側鎖」としては、例えば、アクリロイル基やメタクリロイル基等[いわゆる、(メタ)アクリロイル系官能基]が挙げられる。
本発明の光硬化型粘着剤組成物では、優れた重合性(ひいては紫外線硬化性)を付与することができる点においては、(A)ポリマーが側鎖にアクリロイル基を有することが好ましく、また、安全性が高い点においては、(A)ポリマーが側鎖にメタクリロイル基を有することが好ましい。
また、ここでいう(メタ)アクリロイル系官能基は、アクリロイル骨格やメタクリロイル骨格が直接的に主鎖に結合し得る構造の官能基である必要はなく、アクリロイル骨格やメタクリロイル骨格が何らかの原子や官能基を介して間接的に主鎖に結合し得る構造の官能基であってもよい(例えば、アクリロイルオキシ基等)。
本発明の光硬化型粘着剤組成物において、(A)ポリマー[ここでは、(メタ)アクリル酸エステル系重合体]が有し得る「放射線重合性の不飽和結合を有する側鎖」に該当する「間接的に主鎖に結合し得る構造の(メタ)アクリロイル系官能基」としては、具体的には2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート、2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート、EO変性2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートなどを挙げることができる。
(A)ポリマー[ここでは、(メタ)アクリル酸エステル系重合体]の側鎖として(メタ)アクリロイル系官能基を導入する方法としては、基本骨格となる(メタ)アクリル系重合体に対して、化学修飾を施す方法(化学修飾法)を挙げることができる。
上述の化学修飾法の具体例としては、例えば、水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体をベースポリマーとし、このベースポリマーの水酸基に、イソシアネート基を有する(メタ)アクリル系化合物を直接的に結合させることによって、(メタ)アクリロイル系官能基およびアルコキシシリル系官能基を導入する方法を挙げることができる(直接結合法)。
上述の「水酸基を有する(メタ)アクリル系重合体」は、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレートやヒドロキシエチルメタクリレート等の水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル類と他の(メタ)アクリル系単量体とを共重合させることにより得ることができる。また、上述の「イソシアネート基を有する(メタ)アクリル系化合物」としては、例えば、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(商品名:カレンズMOI、昭和電工社製)や2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート(商品名:カレンズAOI、昭和電工社製)、2−(2−メタクリロイルオキシエチルオキシ)エチルイソシアネート(商品名:カレンズMOIEG、昭和電工社製)等を挙げることができる。
また、(A)ポリマーの側鎖として(メタ)アクリロイル系官能基を導入する際に用い得る化学修飾法としては、ベースポリマーの水酸基に、ポリイソシアネート化合物等の多官能性化合物を結合させ、その多官能性化合物を介して水酸基を有する(メタ)アクリル系化合物を間接的に結合させることによって、(メタ)アクリロイル系官能基を導入する方法(間接結合法)を採用してもよい。
上述の「ポリイソシアネート化合物」としては、例えば、メチレンジフェニルジイソシアネート(MDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)等を挙げることができる。また、上述の「水酸基を有する(メタ)アクリル系化合物」としては、例えば、水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル類等を挙げることができる。
ここまでに述べた、(A)ポリマーの側鎖として(メタ)アクリロイル系官能基を導入する方法の一例について、重合法に焦点を当ててより具体的に説明する。まず、(メタ)アクリル系単量体、および水酸基を有する単量体を含む単量体混合物を重合反応に供し、側鎖中に前記水酸基を有する第1の変性(メタ)アクリル系重合体を得る。続いて、第1の変性(メタ)アクリル系重合体をベースポリマーとし、このベースポリマーの水酸基に、化学修飾によって(メタ)アクリロイル系官能基を導入することにより、第2の変性(メタ)アクリル系重合体を得る。この第2の変性(メタ)アクリル系重合体が、(メタ)アクリロイル系官能基を側鎖に導入された(A)ポリマーに相当するものとなる。
さらに、本発明の光硬化型粘着剤組成物では、(A)ポリマーが「放射線重合性の不飽和結合を有する側鎖」として(メタ)アクリロイル系官能基を有する場合、変性効果[具体的には、紫外線照射により速やかに硬化する性能および紫外線照射による硬化後の光硬化型粘着剤組成物の凝集力の著しい向上]を有意に発現させるという観点から、(メタ)アクリロイル系官能基の含有量は、(A)ポリマー1mol当たり0.05〜100molであることが好ましく、さらに、0.1〜70molであることがより好ましく、特に、0.1〜35molであることが最も好ましい。
本発明の光硬化型粘着剤組成物に用いる(B)(メタ)アクリル酸エステル系光重合性モノマーとは、ビニル基などの重合性二重結合を有する(メタ)アクリル系単量体を意味する。本発明の光硬化型粘着剤組成物に用いる(B)(メタ)アクリル酸エステル系光重合性モノマーは、ビニル基などの重合性二重結合を有する(メタ)アクリル系単量体であればその種類に特に制限はない[要求性能(粘着力、接着力、透明性、色等)に応じて適宜選択すればよい]。
本発明の光硬化型粘着剤組成物に用いる(B)(メタ)アクリル酸エステル系光重合性モノマーの具体例としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸の他、メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、へキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルオリゴアクリレート、イソボルニルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、フェノキシポリエチレングリコールアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル類;1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等の多官能アクリレート類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のカルボン酸ビニル類;スチレン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル類;などを挙げることができる。
本発明の光硬化型粘着剤組成物に用いる(B)(メタ)アクリル酸エステル系光重合性モノマーについては、紫外線照射前および紫外線照射後における接着力の向上や耐熱性の向上という観点から、環状構造を有する(メタ)アクリル酸エステル系光重合性モノマーからなることがより好ましい。
(B)(メタ)アクリル酸エステル系光重合性モノマーとして用い得る、環状構造を有する(メタ)アクリル酸エステル系光重合性モノマーの具体例としては、例えば、テトラヒドロフルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルオリゴアクリレート、イソボルニルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、フェノキシポリエチレングリコールアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレートなどを挙げることができる。
換言すると、本発明の光硬化型粘着剤組成物で用いる(B)(メタ)アクリル酸エステル系光重合性モノマーは、紫外線照射前および紫外線照射後における接着力の向上や耐熱性の向上という観点から、テトラヒドロフルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルオリゴアクリレート、イソボルニルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、フェノキシポリエチレングリコールアクリレート、および2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレートからなる群から選ばれる1種以上からなることが好ましい。
本発明の光硬化型粘着剤組成物に用いる(C)アミン含有光重合性モノマーとは、一級、二級、三級アミン、環状アミンを当該モノマーの構造中に有する光重合性モノマーを意味する。
本発明の光硬化型粘着剤組成物に用い得る(C)アミン含有光重合性モノマーとしては、具体的には、アクリロイルモルホリン、N−ビニル−2−ピロリドン、ヒドロキシエチルアクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、ジメチルアミノエチルアクリレート塩化メチル4級塩、ジメチルアミノプロピルアクリルアミドなどを挙げることができる。
本発明の光硬化型粘着剤組成物では、(C)アミン含有光重合性モノマーは、紫外線照射後における耐熱性や耐湿熱性の向上という観点から、アクリロイルモルホリン、N−ビニル−2−ピロリドン、およびヒドロキシエチルアクリルアミドからなる群から選ばれる1種以上からなることが好ましい。
本発明の光硬化型粘着剤組成物に用いる(D)アルコキシシラン含有光重合性モノマーとは、(メタ)アクリロキシアルコキシシランおよびビニルアルコキシシランのうちで、トリアルコキシシリル基、ジアルコキシシリル基、およびモノアルコキシシリル基のうちの少なくともいずれかを構造中に有するもののことをいう。
本発明の光硬化型粘着剤組成物に用い得る(D)アルコキシシラン含有光重合性モノマーとしては、具体的には、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、およびビニルトリエトキシシランなどを挙げることができる。
本発明の光硬化型粘着剤組成物では、紫外線照射前および紫外線照射後における耐湿熱性の向上という観点から、(D)モノマーが、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、およびビニルトリメトキシシランからなる群から選ばれる1種以上からなることが好ましい。
本発明の光硬化型粘着剤組成物に用いる(E)ラジカル重合性光重合開始剤とは、重合系に添加しておくと、光照射によってラジカル重合反応を惹起する触媒作用を有する添加剤を意味する。この性質を有する限りにおいては、本発明に用いる(E)ラジカル重合性光重合開始剤の種類について特に制限はない。
本発明の光硬化型粘着剤組成物に用いる(E)ラジカル重合性光重合開始剤としては、例えば、α−ヒドロキシアセトフェノン(商品名:イルガキュア184、チバスペシャリティケミカルズ社製)、α−アミノアセトフェノン、ベンゾイン系化合物及びアシルホスフィンオキサイド系化合物[例えば、イルガキュア819(商品名、チバスペシャリティケミカルズ社製)、LucirinTPO(商品名、BASF社製))などの光重合開始剤を挙げることができる。
本発明の光硬化型粘着剤組成物に用いる(E)ラジカル重合性光重合開始剤としては、紫外線照射による硬化後の光硬化型粘着剤組成物の凝集力の著しい向上と耐久性[熱環境下および湿熱環境下での接着保持力]を向上させるという理由から、アシルホスフィンオキサイド構造を有するリン系光重合開始剤(以下、説明の便宜上、「アシルホスフィンオキサイド型リン系光重合開始剤」という)が好ましい。
詳しく述べると、(E)ラジカル重合性光重合開始剤として用い得るアシルホスフィンオキサイド型リン系光重合開始剤とは、上述の性質を有するラジカル重合性光重合開始剤のうちで、構造の一部に下記一般式(I)に示されるアシルホスフィンオキサイド構造を有するもののことをいう。
Figure 2013209487
(E)ラジカル重合性光重合開始剤としてアシルホスフィンオキサイド型リン系光重合開始剤を用いる場合、当該アシルホスフィンオキサイド型リン系光重合開始剤の構造中のアシルホスフィンオキサイド構造以外の構造については、実施しようとする光硬化型粘着剤組成物に要求されている性能(紫外線硬化性、色等)に応じて、最適な物性を付加し得る構造を適宜選択するようにするとよい。
(E)ラジカル重合性光重合開始剤として用い得る、アシルホスフィンオキサイド型リン系光重合開始剤において、アシルホスフィンオキサイド構造以外の構造としては、例えば、ベンゾイン構造、ヒドロキシアセトフェノン構造、アミノアセトフェノン構造、またはベンゾフェノン構造といった、他の光重合開始剤の構造中に含まれているものを挙げることができる。
本発明の光硬化型粘着剤組成物では、(E)ラジカル重合性光重合開始剤として用い得る、アシルホスフィンオキサイド型リン系光重合開始剤の中には、高分子化合物中にアシルホスフィンオキサイド構造が導入された高分子光重合開始剤も含まれる。(E)ラジカル重合性光重合開始剤として用い得る、アシルホスフィンオキサイド型リン系光重合開始剤が、高分子光重合開始剤に該当する場合、当該アシルホスフィンオキサイド型リン系光重合開始剤がポリマー(重量平均分子量が概ね5万以上)であっても、オリゴマー(重量平均分子量が500〜5万程度)であってもよい。
さらに、本発明の光硬化型粘着剤組成物において、(E)ラジカル重合性光重合開始剤として用い得るアシルホスフィンオキサイド型リン系光重合開始剤としては、具体的には、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド(商品名:イルガキュア819、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルホスフィンオキサイド(商品名:CGL403、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド(商品名:イルガキュアTPO、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)からなる群から選ばれる1種以上を含むことが好ましく、さらに、該群から選ばれる1種以上からなることがより好ましい。
本発明の光硬化型粘着剤組成物では、(E)ラジカル重合性光重合開始剤として用い得るアシルホスフィンオキサイド型リン系光重合開始剤としては、硬化性に優れ、光硬化型粘着剤組成物から形成される塗膜の色調変化を極めて良好に抑制することができるという理由から、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイドが特に好ましい。
本発明の光硬化型粘着剤組成物では、(E)ラジカル重合性光重合開始剤の含有量は、(A)ポリマー,(B)モノマー,(C)モノマー,および(D)モノマーの合計を100質量部とした場合において、0.05〜10質量部であることが好ましく、さらに、0.1〜5.0質量部であることがより好ましく、特に、0.2〜3.0質量部であることが最も好ましい。本発明の光硬化型粘着剤組成物では、(E)ラジカル重合性光重合開始剤の含有量が0.1質量部以上である場合には、光重合開始剤としての作用を十分に発揮させることが可能になり、また、(E)ラジカル重合性光重合開始剤の含有量が10質量部以下である場合には、(E)ラジカル重合性光重合開始剤の残留に起因する、耐久性[熱環境下および湿熱環境下での紫外線照射による硬化後の接着力]の低下を抑制することが可能になる。
本発明の光硬化型粘着剤組成物では、25℃における粘度が、200〜10000mPa・sであることが好ましく、さらに、500〜4000mPa・sであることがより好ましい。本発明の光硬化型粘着剤組成物では、粘度が上記範囲内であると、容易に塗工を行うことができるため、粘着剤層を良好に形成することができるという利点がある。
本発明の光硬化型粘着剤組成物は、既に上述した各成分以外に、溶剤を更に添加することができる。本発明の光硬化型粘着剤組成物に用い得る溶剤としては、特に制限はないが、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族系の溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、2−メチル−5−ヘキサノン等のケトン系の溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル等のエステル系の溶剤;塩化メチル、ジクロロメタン、ジクロロエタン等のハロゲン系の溶剤;エチレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコール−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート等のグリコールエーテル系の溶剤を挙げることができる。なお、本発明の光硬化型粘着剤組成物では、溶剤は一種を単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。特に、本発明の光硬化型粘着剤組成物では、二種以上の溶剤を組み合わせて使用すると、溶剤の蒸散速度を制御することができるため、紫外線硬化前の粘着力を向上させることができるという利点がある。
本発明の光硬化型粘着剤組成物では、溶剤を用いる場合、溶剤の含有量は、(A)ポリマー、(B)モノマー、(C)モノマー、および(D)モノマーの合計100質量部に対して、10〜500質量部であることが好ましく、さらに、10〜300質量部であることがより好ましい。本発明の光硬化型粘着剤組成物において、溶剤の含有量が10質量部以上である場合には、光硬化型粘着剤組成物の粘度が高くなりすぎず、その結果として、作業性の低下を防止することが可能である。また、本発明の光硬化型粘着剤組成物において、溶剤の含有量が500質量部以下である場合には、塗工に際し、最適な塗工膜厚を得やすくなる。
また、本発明の光硬化型粘着剤組成物では、光硬化型粘着剤組成物から形成される粘着剤層の架橋密度を制御するために、架橋剤を含有させてもよい。本発明の光硬化型粘着剤組成物に用い得る架橋剤としては、例えば多官能イソシアネート系化合物やエポキシ系化合物、メラミン系化合物や金属塩系化合物、金属キレート系化合物、アミノ樹脂系化合物、および過酸化物などを挙げることができる。
本発明の光硬化型粘着剤組成物に用い得る架橋剤としては、例えば、イソシアネート基を有する化合物を挙げることができる。市販品としては、例えば、商品名「コロネート」(日本ポリウレタン工業社製)を挙げることができる。本発明の光硬化型粘着剤組成物では、架橋剤を使用する場合、架橋剤の使用量は、特に制限されないが、紫外線照射前の粘着力の制御が可能になる(自在に所望の粘着力とすることが可能になる)という理由から、0.1〜10質量部[但し、(A)+(B)+(C)+(D)=100質量部]であることが好ましい。
さらに、本発明の光硬化型粘着剤組成物には、既に上述した各成分以外に、例えば、紫外線吸収剤、光安定剤、老化防止剤、消泡剤、レベリング剤、帯電防止剤、界面活性剤、保存安定剤、熱重合禁止剤、可塑剤、濡れ性改良剤、密着性付与剤、粘着付与剤(タッキファイヤー)、硬化剤などを必要に応じて配合することもできる。なお、ここに列挙されている紫外線吸収剤などの各種の添加剤の使用量は、本発明の光硬化型粘着剤組成物の目的を阻害しない範囲で必要に応じ適宜決定することができる。
2.粘着シート:
本発明の粘着シートは、上述した本発明の光硬化型粘着剤組成物によって形成された粘着剤層と、当該粘着剤層が貼り合わされた基材と、を備える。この粘着シートは、上述した本発明の光硬化型粘着剤組成物によって形成された粘着剤層を備えるため、加熱処理せずに、紫外線照射によって生じる硬化により接着させることが可能であり、かつ基材や対象物が耐腐食性や耐熱性に劣る場合でも使用可能である。本明細書にいう「シート」とは、シート状のものを意味し、例えば、テープやフィルムも、ここでいう「シート」に含まれる。
本発明の粘着シートにおける基材は、その材質に特に制限はない。本発明の粘着シートに用い得る基材の材質としては、例えば、合成樹脂、ガラス、金属、セラミック等を挙げることができる。また、本発明の粘着シートにおける基材の厚さは、特に制限はなく、例えば、薄膜化や柔軟性を付与する場合の範囲としては、5〜200μmであることが好ましく、10〜150μmであることが更に好ましく、15〜100μmであることが特に好ましい。
本発明の粘着シートに備えられる粘着剤層は、上述した本発明の光硬化型粘着剤組成物によって形成されたものであるため、十分な耐熱性を有し、対象物が熱を帯びた場合であっても、その粘着力(紫外線照射による硬化後では接着力)が大きく変化し難いものである。また、本発明の粘着シートに備えられる粘着剤層は、紫外線の照射によって効果的に硬化し、粘着状態から接着状態に変化するものである。この粘着剤層の厚さは、特に制限はないが、5〜200μmであることが好ましく、10〜150μmであることが更に好ましく、15〜100μmであることが特に好ましい。
本発明の粘着シートは、例えば、以下のように製造することができる。まず、粘着シートの基材として、上述した基材を用意する。次に、上述した本発明の光硬化型粘着剤組成物を調製し、この光硬化型粘着剤組成物を上記基材の少なくとも片方の面上に、アプリケーター等の塗工装置により塗工し、その後、乾燥させると、粘着シートを得ることができる。
本発明の粘着シートに備えられている粘着剤層を紫外線によって硬化させ、粘着状態から接着状態に変化させる際に必要となる紫外線の積算光量は、基材表面の粘着剤層の厚さ等によっても異なるが、例えば、10〜4000mJ/cmであることが好ましく、10〜2000mJ/cmであることが好ましく、10〜1000mJ/cmであることが特に好ましい。紫外線の積算光量が10〜4000mJ/cmの範囲内であると、紫外線の照射によって効果的に硬化させ、接着力を十分に高めることができる。光源としては、例えば、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、アーク灯、ガリウムランプなどを用いることができる。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(1)アクリル系ポリマー:
(合成例)
アクリル系ポリマー(A−1)〜(A−4)については、表1に示された配合で各単量体を混ぜ合わせて単量体混合物を調製し、単量体混合物100質量部と酢酸エチル150質量部、アゾビスイソブチロニトリル2質量部を4口フラスコに投入し、窒素雰囲気下で70℃、8時間反応させ、更に80℃で1時間反応させることにより得た。アクリル系ポリマー(A−1)〜(A−4)は、酢酸エチル溶液含有ポリマーとして得られた。なお、アクリル系ポリマー(A−2)については、さらに、後述の反応官能基[(メタ)アクリロイル系官能基]の導入を行って得た。
表1に示した各単量体に関する略記号の内容は下記の通りである。
BA : ブチルアクリレート[和光純薬工業(株)製]
EA : エチルアクリレート[和光純薬工業(株)製]
AN : アクリロニトリル[和光純薬工業(株)製]
HEMA: ヒドロキシエチルメタクリレート[共栄社化学(株)製]
[反応性官能基((メタ)アクリロイル系官能基)の導入]:
アクリル系ポリマー(A―2)については、アクリル系ポリマー(A−1)に対して、化学修飾法によって(メタ)アクリロイル系官能基を導入した。具体的には、冷却器、滴下ロート及び温度計を備えた4口丸底フラスコに、アクリル系ポリマー(A―1、Mw30万)100質量部(固形樹脂分)に対し、反応触媒(ジブチル錫ラウレート)を仕込み、撹拌しながら40℃に加熱した。そこに、2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート(商品名:カレンズAOI、昭和電工社製)1.0質量部を投入し、引き続き、40℃で5時間をかけて反応を行った。これにより、アクリル系ポリマー中の水酸基と2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート中のイソシアネート基が結合し、側鎖にアクリロイル系官能基を有する変性(メタ)アクリル系重合体[アクリル系ポリマー(A−2)]を得た。
[反応性官能基((メタ)アクリロイル系官能基)の含有量の測定]:
アクリル系ポリマー(A―2)における反応性官能基[(メタ)アクリロイル基]の含有量については、酸塩基滴定法により定量した。具体的には、アクリル系ポリマー(A―2)をジn−ブチルアミン(DBA)と混合し、2−アクリロイルオキシエチルイソシアネートに由来するイソシアネート基のうちの、未反応のイソシアネート基をDBAと反応させ、消費されたDBAの量を塩酸による逆滴定で定量した。なお、反応液の滴定分析により、イソシアネート基の消失が確認できた時点で反応終了とした。結果、アクリル系ポリマー(A―2)における(メタ)アクリロイル系官能基の含有量は、アクリル系ポリマー(A―2)1mol当たり20molであることが判明した(表1)。
[ガラス転移温度(Tg)]:
上記のアクリル系ポリマー(A−1)を含む溶液をガラス板に薄く引き伸ばし、25℃で7日間乾燥させて乾燥フィルムを得た。得られた乾燥フィルムを示差走査熱量分析計(商品名:DSC、理学電気社製)を用いて、チッ素雰囲気下、昇温速度20℃/分、サンプル量20mgの条件で、ガラス転移温度(Tg)を測定した。こうして測定されたガラス転移温度(Tg)(℃)をアクリル系ポリマー(A−1)のガラス転移温度(Tg)(℃)とした。なお、アクリル系ポリマー(A−2)〜(A−4)のガラス転移温度(Tg)(℃)についても同様に測定した。結果を、表1中の「Tg(℃)」の欄に示す。
[重量平均分子量]:
GPC法(Gel Permeation Chromatography法)で測定されたポリスチレン換算の重量平均分子量である。アクリル系ポリマー(A−1)〜(A−4)の重量平均分子量を、表1中の「Mw」の欄に示す。
Figure 2013209487
(2)(メタ)アクリル酸エステル系光重合性モノマー:
(メタ)アクリル酸エステル系光重合性モノマーとして、テトラヒドロフルフリルアクリレート[V#150(大阪有機化学工業製)、表2中では「B−1」と示す]、およびイソボルニルアクリレート[IBXA(大阪有機化学工業製)、表2中では「B−2」と示す]を用いた。
(3)アミン含有光重合性モノマー:
アミン含有光重合性モノマーとして、アクリロイルモルホリン[アクリロイルモルホリン(興人製)、表2中では「C−1」と示す]、およびヒドロキシエチルアクリルアミド[HEAA(興人製)、表2中では「C−2」と示す]を用いた。
(4)アルコキシシラン含有光重合性モノマー:
アルコキシシラン含有光重合性モノマーとして、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン[KBM−5103(信越化学工業製)、表2中では「D−1」と示す]
(5)ラジカル重合性光重合開始剤:
光重合開始剤として、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド[DAROCURE TPO(BASF製)、表2中では「E−1」と示す」、およびヒドロキシアセトフェノン[イルガキュア184(BASF製)、表2中では「E−2」と示す]を用いた。
(6)架橋剤:
架橋剤として、コロネートL[日本ポリウレタン社製]を用いた。
(実施例1〜8および比較例1〜3)
[光硬化型粘着剤組成物の調製]:
実施例1〜8および比較例1〜3の光硬化型粘着剤組成物については、上述のアクリル系ポリマー、(メタ)アクリル酸エステル系光重合性モノマー、アミン含有光重合性モノマー、アルコキシシラン含有光重合性モノマー、光重合開始剤、および架橋剤を表2に示す配合割合で混ぜ合わせ、さらに、溶剤としてメチルエチルケトン100質量部を加えて混合することにより調製した。なお、表2で配合割合を表す数値は、「質量部」を示す。この「実施例」の欄においていう「質量部」とは、特に言及のない限り、アクリル系ポリマー、(メタ)アクリル酸エステル系光重合性モノマー、アミン含有光重合性モノマー、およびアルコキシシラン含有光重合性モノマーの総量を100質量部とした値である。なお、表2中において、数値ではなく「―」で示されたものについては、当該光硬化型粘着剤組成物に含有されていないことを意味する。
Figure 2013209487
実施例1〜8および比較例1〜3の光硬化型粘着剤組成物については、下記に示すように、粘着シートを作製し、粘着シートに対して一連の試験を実施することにより評価した。
[粘着シートの作製]:
上述の光硬化型粘着剤組成物をそのまま塗工液として用い、この塗工液を基材の表面にアプリケーターを用いて塗布し、次いで100℃で2分間乾燥することにより、基材の表面に膜厚約25μmの粘着剤層を重ねた粘着シートを得た。なお、基材は、シリコンウエハ(秩父電子(株)製、酸化膜付4インチウエハ、厚さ:525μm、酸化膜厚:3000±20Å)、およびガラス板(JIS R 3202規格、FL2.0)を用いた。
[紫外線照射前の初期(常温)粘着力]:
実施例1〜8および比較例1〜3の粘着シートをシリコンウエハまたはガラス板からなる対象物に貼り合わせた後、常温(23℃)で30分間静置した後、JIS Z0237に準拠する90°ピール試験法によって、雰囲気温度23℃、剥離速度300mm/分の条件で粘着力を測定した。結果を表2中の「UV照射前」・「初期(常温)粘着力(N/10mm)」の欄に示す。
[紫外線照射後の初期(常温)接着力]:
実施例1〜8および比較例1〜3の粘着シートをシリコンウエハまたはガラス板からなる対象物に貼り合わせた後、常温(23℃)で30分間静置した後、粘着シートの基材側から高圧水銀ランプ(「アイグランステージECS−410GX」、アイグラフィックス社製)による積算光量50mJ/cmの紫外線照射を行い、粘着剤層を紫外線硬化させた。硬化後、常温(23℃)で2時間静置した後、JIS Z0237に準拠する90°ピール試験法によって、雰囲気温度23℃、剥離速度300mm/分の条件で接着力を測定した。結果を表2中の「UV照射後」・「初期(常温)接着力(N/10mm)」の欄に示す。
[紫外線照射後の耐久試験(耐熱・耐湿熱)後の耐熱接着力・耐湿熱接着力]:
実施例1〜8および比較例1〜3の粘着シートをシリコンウエハまたはガラス板からなる対象物に貼り合わせた後、常温(23℃)で30分間静置した後、粘着シートの基材側から高圧水銀ランプ(「アイグランステージECS−410GX」、アイグラフィックス社製)による積算光量50mJ/cmの紫外線照射を行い、粘着剤層を紫外線硬化させた。紫外線照射による硬化後、さらに80℃で1000時間処理した場合の接着力[JIS Z0237に準拠する90°ピール試験法、雰囲気温度23℃、剥離速度300mm/分の条件]の測定結果を表2中の「UV照射後」・「耐熱接着力(N/10mm)」の欄に、また、紫外線照射による硬化後、さらに60℃かつ相対湿度95%で1000時間処理した場合の接着力[JIS Z0237に準拠する90°ピール試験法、雰囲気温度23℃、剥離速度300mm/分の条件]の測定結果を表2中の「UV照射後」・「耐湿熱接着力(N/10mm)」の欄に示す。
(物性の評価基準)
[紫外線照射前の初期(常温)粘着力の評価基準]:
紫外線照射前の初期(常温)粘着力(表2中の「UV照射前」・「初期(常温)粘着力(N/10mm)」の欄)について、1〜5(N/10mm)の場合を「極めて良好」、0.5(N/10mm)以上かつ1(N/10mm)未満の場合または5(N/10mm)超かつ10(N/10mm)以下の場合を「良好」、0.5(N/10mm)未満または10(N/10mm)超の場合を「不良」として評価した。
[紫外線照射後の初期(常温)接着力の評価基準]:
紫外線照射後の初期(常温)接着力(表2中の「UV照射後」・「初期(常温)接着力(N/10mm)」の欄)について、10〜20(N/10mm)の場合を「極めて良好」、5(N/10mm)以上かつ10(N/10mm)未満の場合または20(N/10mm)超の場合を「良好」、5(N/10mm)未満の場合を「不良」として評価した。
[紫外線照射後の耐久試験(耐熱試験)後の接着力の評価基準]:
紫外線照射後の耐熱試験後の接着力(表2中の「UV照射後」・「耐熱接着力(N/10mm)」の欄)が、紫外線照射後の初期(常温)接着力の100〜125%の場合を「極めて良好」、紫外線照射後の初期(常温)接着力の125%超かつ150%以下の場合を「良好」、紫外線照射後の初期(常温)接着力の100%未満の場合または紫外線照射後の初期(常温)接着力の150%超の場合を「不良」として評価した。
[紫外線照射後の耐久試験(耐湿熱試験)後の接着力の評価基準]:
紫外線照射後の耐湿熱試験後のピール強度(表2中の「UV照射後」・「耐湿熱接着力(N/10mm)」の欄)が、紫外線照射後の初期(常温)接着力の100〜125%の場合を「極めて良好」、紫外線照射後の初期(常温)接着力の75%以上かつ100%未満の場合または紫外線照射後の初期(常温)接着力の125%超かつ150%以下の場合を「良好」、紫外線照射後の初期(常温)接着力の75%未満の場合または紫外線照射後の初期(常温)接着力の150%超の場合を「不良」として評価した。
(評価)
実施例1〜8の光硬化型粘着剤組成物は、シリコンウエハまたはガラス板からなる評価基材に対し、紫外線照射前の初期(常温)粘着力、紫外線照射後の初期(常温)接着力、紫外線照射後の耐熱接着力、および紫外線照射後の耐湿熱接着力において、良好な結果を示した。したがって、実施例1〜8の光硬化型粘着剤組成物のように、(A)アクリル系ポリマーが、ガラス転移温度(Tg)−50〜0℃かつ重量平均分子量10万〜100万であるアクリロニトリルに由来する繰り返し単位を含有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体である場合には、紫外線照射前の初期(常温)粘着力、紫外線照射後の初期(常温)接着力、紫外線照射後の耐熱接着力、および紫外線照射後の耐湿熱接着力において良好であることが判明した。
特に、実施例1、2、3、4の光硬化型粘着剤組成物は、紫外線照射後の初期(常温)接着力が極めて良好な結果を示した。
実施例1と実施例2とは、(A)アクリル系ポリマーの(メタ)アクリル酸エステル系重合体が側鎖に放射線重合性の不飽和結合を有するのか否かで相違する。実施例1と実施例2との比較から、実施例2のように、(A)アクリル系ポリマーの(メタ)アクリル酸エステル系重合体が側鎖に放射線重合性の不飽和結合を有する場合には、(A)アクリル系ポリマーの(メタ)アクリル酸エステル系重合体が側鎖に放射線重合性の不飽和結合を有しない場合(実施例1)と比べて、紫外線照射後の初期(常温)接着力が高く、かつ、紫外線照射後の耐熱接着力および紫外線照射後の耐湿熱接着力の変化(紫外線照射後の初期(常温)接着力との比較)が少ないという、極めて良好な結果を示すことが判明した。
実施例8の光硬化型粘着剤組成物は、ラジカル重合性光重合開始剤がアシルホスフィンオキサイド型リン系光重合開始剤ではないため、アシルホスフィンオキサイド型リン系光重合開始剤を含んでいる実施例1〜7と比べて、紫外線照射後の耐湿熱接着力がやや劣る結果であった。
一方、比較例1〜3の光硬化型粘着剤組成物は、紫外線照射後の耐湿熱接着力が劣る結果であった。これら比較例1〜3の結果から、光硬化型粘着剤組成物において(A)アクリル系ポリマー、(B)モノマー、(C)モノマー、(D)モノマーのうちのいずれかを欠く場合には、紫外線照射後の耐湿熱接着力が劣ることが判明した。
本発明は、光硬化型粘着剤組成物およびこれを用いた粘着シートとして利用できる。本発明の光硬化型粘着剤組成物は、例えば、光硬化型粘着剤組成物およびこれを用いた粘着シートは、フレキシブルプリンテッドサーキット(FPC)用粘接着剤として用いることが可能であり、高温高圧プレスや長時間加熱といった過酷な接着加工条件を必要としないので、熱により劣化するような接合部材にも好適に用いることができる。

Claims (12)

  1. (A)(メタ)アクリル系ポリマーと、
    (B)(メタ)アクリル酸エステル系光重合性モノマーと、
    (C)アミン含有光重合性モノマーと、
    (D)アルコキシシラン含有光重合性モノマーと、
    (E)ラジカル重合性光重合開始剤と、を含み、
    前記(A)ポリマーを50〜89質量部、前記(B)モノマーを5〜15質量部、前記(C)モノマーを5〜25質量部、および前記(D)モノマーを1〜10質量部[但し、(A)+(B)+(C)+(D)=100質量部]の割合で含有する光硬化型粘着剤組成物。
  2. 前記(A)ポリマーは、ガラス転移温度(Tg)−50〜0℃かつ重量平均分子量10万〜100万である請求項1に記載の光硬化型粘着剤組成物。
  3. 前記(A)ポリマーは、アクリロニトリルに由来する繰り返し単位を含有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体である請求項1または2に記載の光硬化型粘着剤組成物。
  4. 前記(A)ポリマーは、側鎖に放射線重合性の不飽和結合を有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体である請求項1〜3のいずれか1項に記載の光硬化型粘着剤組成物。
  5. 前記(B)モノマーは、環状構造を有する(メタ)アクリル酸エステル系光重合性モノマーからなる請求項1〜4のいずれか1項に記載の光硬化型粘着剤組成物。
  6. 前記環状構造を有する(メタ)アクリル酸エステル系重合性モノマーは、テトラヒドロフルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルオリゴアクリレート、イソボルニルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、フェノキシポリエチレングリコールアクリレート、および2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレートからなる群から選ばれる1種以上からなる請求項5に記載の光硬化型粘着剤組成物。
  7. 前記(C)モノマーは、アクリロイルモルホリン、N−ビニル−2−ピロリドン、およびヒドロキシエチルアクリルアミドからなる群から選ばれる1種以上からなる請求項1〜6のいずれか1項に記載の光硬化型粘着剤組成物。
  8. 前記(D)モノマーが、(メタ)アクリロイルオキシトリアルコキシシラン、およびビニルトリアルコキシシランからなる群から選ばれる1種以上からなる請求項1〜7のいずれか1項に記載の光硬化型粘着剤組成物。
  9. 前記(E)ラジカル重合性光重合開始剤は、アシルホスフィンオキサイド構造を有するリン系光重合開始剤を含む請求項1〜8のいずれか1項に記載の光硬化型粘着剤組成物。
  10. 前記リン系光重合開始剤は、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、およびビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルホスフィンオキサイドからなる群から選ばれる1種以上を含む請求項9に記載の光硬化型粘着剤組成物。
  11. カチオン重合性光重合開始剤を含まない請求項1〜10のいずれか1項に記載の光硬化型粘着剤組成物。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の光硬化型粘着剤組成物によって形成された粘着剤層と、
    前記粘着剤層が貼り合わされた基材と、を備える粘着シート。
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