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JP2013258201A - 銅張積層板とその製造方法 - Google Patents

銅張積層板とその製造方法 Download PDF

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JP2013258201A JP2012132135A JP2012132135A JP2013258201A JP 2013258201 A JP2013258201 A JP 2013258201A JP 2012132135 A JP2012132135 A JP 2012132135A JP 2012132135 A JP2012132135 A JP 2012132135A JP 2013258201 A JP2013258201 A JP 2013258201A
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孝寿 阿部
Mitsutoshi Kishino
光寿 岸野
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Abstract

【課題】加熱硬化から長尺の銅張積層板のロールへの巻き取りまでを連続的に行う製造が可能で、生産性を向上せることができる銅張積層板とその製造方法を提供する。
【解決手段】銅箔と、この銅箔の片面に設けられ、繊維状基材を含むプリプレグの硬化層と、このプリプレグの硬化層の銅箔とは反対側の面に設けられ、1分子中に不飽和二重結合を1つ以上有するラジカル重合性化合物(A)およびこのラジカル重合性化合物(A)の重合を開始させるラジカル重合開始剤(B)を含有する液状熱硬化性樹脂組成物の硬化物である接着層とを含むことを特徴としている。
【選択図】なし

Description

本発明は、プリント配線板などの製造に用いられる銅張積層板とその製造方法に関する。
従来、プリント配線板などの製造に用いられる銅張積層板は、一般に、プレス板を用いたバッチ式のプレス成形によって製造されている。
例えば、両面銅張積層板をプレス成形によって製造する際には、ガラスクロスなどの繊維状基材を樹脂に含浸し、乾燥してB−ステージ状態にしたプリプレグを予め所定の寸法に切断する。この切断したプリプレグを所要の枚数だけ重ね、さらにその両面に銅箔を重ねて、これを加熱下にプレスして成形する。
しかしながら、近年、特にいわゆる薄物と呼ばれる銅張積層板では、生産効率の向上を図るために、バッチ式ではなく、長尺の原材料を搬送し、搬送過程において銅張積層板を製造し、これをロールに巻き取る連続的な製造方法が検討されている。
銅張積層板の連続的な製造方法として、特許文献1には、多枚数の長尺のシート状の基材を連続的に搬送しながら基材を樹脂に含浸し、それぞれの含浸した基材を積層し、この積層体に、樹脂の接着層を介して銅箔をラミネートする方法が記載されている。
特公昭62−50303号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術は、屈曲性のある薄い銅張積層板とは異なり、樹脂を含浸した基材の層を多枚数含む剛性の厚い銅張積層板の製造方法である。そのため、得られた銅張積層板をロールに巻き取ることはできず、加熱硬化後の直後に切断工程を導入している。
そして、銅箔と、樹脂に含浸した基材の層との間に樹脂の接着層を設けてこれらを接着する場合、加熱硬化後の銅張積層板を巻き取りロールに巻き取ることを想定すると次のような問題点がある。すなわち、この場合には絶縁層の最外層に当たる接着層の部分が繊維などによって補強されていない。そのため、ロールへの巻き取り時に、高い引張り応力によって、接着層の割れ、あるいは銅箔千切れが発生する。
本発明は、以上の通りの事情に鑑みてなされたものであり、加熱硬化から長尺の銅張積層板のロールへの巻き取りまでを連続的に行う製造が可能で、生産性を向上せることができる銅張積層板とその製造方法を提供することを課題としている。
上記の課題を解決するために、本発明の銅張積層板は、銅箔と、この銅箔の片面に設けられ、繊維状基材を含むプリプレグの硬化層と、このプリプレグの硬化層の銅箔とは反対側の面に設けられ、1分子中に不飽和二重結合を1つ以上有するラジカル重合性化合物(A)およびこのラジカル重合性化合物(A)の重合を開始させるラジカル重合開始剤(B)を含有する液状熱硬化性樹脂組成物の硬化物である接着層とを含むことを特徴としている。
この銅張積層板において、接着層の両面のそれぞれに、プリプレグの硬化層および銅箔がこの順に設けられ、2枚のプリプレグの硬化層が接着層によって接着されていることが好ましい。
この銅張積層板において、プリプレグの硬化層の厚みが20〜100μmの範囲内であることが好ましい。
この銅張積層板において、接着層の厚みが20〜100μmの範囲内であることが好ましい。
この銅張積層板において、液状熱硬化性樹脂組成物は、さらに熱硬化性樹脂(C)と、その硬化剤および/または硬化促進剤(D)とを含有することが好ましい。
この銅張積層板において、液状熱硬化性樹脂組成物は、ラジカル重合性化合物(A)としてラジカル重合性熱硬化性樹脂、スチレン系モノマー、および(メタ)アクリル酸を含有し、熱硬化性樹脂(C)として1分子中に2つ以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂を含有し、硬化剤および/または硬化促進剤(D)としてイミダゾール系化合物を含有することが好ましい。
本発明の銅張積層板の製造方法は、繊維状基材を含むプリプレグが銅箔の片面に設けられた2枚の長尺の銅箔つきプリプレグを連続的に搬送する工程と、その一方の銅箔つきプリプレグのプリプレグ側の面に、熱硬化時に揮発する成分を含有しない液状熱硬化性樹脂組成物を塗布する工程と、他方の銅箔つきプリプレグを、塗布された液状熱硬化性樹脂組成物の面にそのプリプレグ側の面を向けて重ね、2枚の銅箔つきプリプレグを液状熱硬化性樹脂組成物を介して積層した積層体を形成する工程と、積層体を実質的に無圧の条件下で加熱して積層体の樹脂成分を硬化させる工程と、得られた長尺の両面銅張積層板を搬送して巻き取りロールに巻き取る工程とを含むことを特徴としている。
この銅張積層板の製造方法において、熱硬化時に揮発する成分を含有しない液状熱硬化性樹脂組成物は、1分子中に不飽和二重結合を1つ以上有するラジカル重合性化合物(A)と、このラジカル重合性化合物(A)の重合を開始させるラジカル重合開始剤(B)とを含有することが好ましい。
本発明の銅張積層板およびその製造方法によれば、加熱硬化から長尺の銅張積層板のロールへの巻き取りまでを連続的に行う製造が可能で、生産性を向上せることができる。
以下に、本発明について詳細に説明する。
本発明の銅張積層板を製造する際には、予め銅箔上に樹脂を塗布して繊維状基材に含浸し、乾燥したB−ステージ層を設けることによって、銅箔つきプリプレグを2枚作製する。これらのB−ステージ層同士を実質的に揮発成分を含まない液状熱硬化性樹脂組成物を接着剤として用いて張り合わせ、加熱硬化することで銅張積層板が製造される。このような構成の銅張積層板は絶縁層の厚みを薄くすることができ、加熱硬化から長尺の銅張積層板のロールへの巻き取りまでを連続的に行う製造が可能になる。
本発明の銅張積層板に接着層として用いられる液状熱硬化性樹脂組成物は、熱硬化時に揮発する成分を含有しない熱硬化性の組成物である。
ここで、熱硬化時に揮発する成分とは、溶剤、希釈剤などが挙げられる。
また、重合して硬化する際に揮発成分が生成しないことが好ましい。例えば、脱水縮合反応では重合の際に水が生成するため好ましくない。ただし、生成される揮発成分が少ない場合は問題とならない。
なお、液状とは使用する温度環境(例えば0〜40℃)において液状であることを意味し、室温(25℃)において液状であることが好ましい。
液状熱硬化性樹脂組成物は、1分子中に不飽和二重結合を1つ以上有するラジカル重合性化合物(A)と、このラジカル重合性化合物(A)の重合を開始させるラジカル重合開始剤(B)とを含有することが好ましい。
ラジカル重合性化合物(A)は、炭素−炭素二重結合を1分子中に少なくとも1つ有する化合物や樹脂であり、それにより、炭素−炭素二重結合を利用した付加反応による重合を行うことができる。
ラジカル重合性化合物(A)としては、例えば、ラジカル重合性熱硬化性樹脂、ラジカル重合性モノマーなどが挙げられる。
ラジカル重合性熱硬化性樹脂としては、例えば、1分子中に2つ以上の不飽和二重結合を有する架橋性単量体、ビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂などが挙げられる。
1分子中に2つ以上の不飽和二重結合を有する架橋性単量体としては、例えば、ジシクロペンタジエンジメタクリレート、ジシクロペンタジエンジアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、グリセリンジメタクリレート、グリセリンジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、無水メタクリル酸などが挙げられる。
ビニルエステル樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂とメタクリル酸との反応物などが挙げられる。
不飽和ポリエステル樹脂としては、例えば、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物などと無水マレイン酸やフマル酸などの多塩基不飽和酸との反応物などが挙げられる。
ラジカル重合性モノマーは、液状熱硬化性樹脂組成物の粘度を調整するための希釈剤として用いられ、かつ、ラジカル重合することにより樹脂成分の一部となる。
ラジカル重合性モノマーとしては、例えば、スチレン系モノマー、(メタ)アクリル酸、アルキル(メタ)アクリレート、不飽和カルボン酸アリルエステルなどが挙げられる。
スチレン系モノマーとしては、例えば、スチレン、メチルスチレン、ハロゲン化スチレンなどが挙げられる。
アルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
不飽和カルボン酸アリルエステルとしては、例えば、アリル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
その他、ラジカル重合性モノマーとして、アクリロニトリルやメタクリロニトリルなどのシアン化ビニルや、シアン化ビニリデンなどの各種のビニルモノマーを用いることもできる。
ラジカル重合開始剤(B)は、ラジカル重合性化合物(A)をラジカル重合させるための開始剤である。そのような開始剤としては、炭素−炭素二重結合を利用した重合反応の開始剤を用いることができる。
ラジカル重合開始剤(B)としては、例えば、有機過酸化物や、過酸化水素などの無機過酸化物などが挙げられる。
有機過酸化物としては、例えば、ケトンパーオキサイド、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシエステル、パーオキシジカーボネートなどが挙げられる。
ケトンパーオキサイドとしては、例えば、メチルエチルケトンパーオキサイド、メチルイソブチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイドなどが挙げられる。
パーオキシケタールとしては、例えば、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ジ(t−へキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサンなどが挙げられる。
ハイドロパーオキサイドとしては、例えば、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイドなどを挙げることができる。
ジアルキルパーオキサイドとしては、例えば、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)へキサン、ジ(2−t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼンなどが挙げられる。
ジアシルパーオキサイドとしては、例えば、ジイソブチリルパーオキサイド、ジ(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキサイド、ジラウロイルパーオキサイドなどが挙げられる。
パーオキシエステルとしては、例えば、クミルパーオキシネオデカノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエートなどが挙げられる。
パーオキシジカーボネートとしては、例えば、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジ(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネートなどが挙げられる。
ラジカル重合開始剤(B)の配合量としては、特に限定されないが、重合反応の反応性など考慮すると、ラジカル重合性化合物(A)100質量部に対して、0.2〜2質量部が好ましい。
液状熱硬化性樹脂組成物は、さらに熱硬化性樹脂(C)と、その硬化剤および/または硬化促進剤(D)とを含有することが好ましい。
これらを含有することで、液状熱硬化性樹脂組成物の硬化層とプリプレグの硬化層との密着性を高めることができる。
熱硬化性樹脂(C)は、特に限定されないが、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などが挙げられる。
エポキシ樹脂としては、1分子中に2つ以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂であれば特に限定されないが、例えば、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂などが挙げられる。
ビスフェノール型エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂などが挙げられる。
ノボラック型エポキシ樹脂としては、例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンノボラック型エポキシ樹脂などが挙げられる。
硬化剤および/または硬化促進剤(D)としては、フェノールノボラック樹脂などのエポキシ樹脂の硬化剤や、イミダゾール系化合物などの硬化促進剤などを用いることができる。
硬化剤および/または硬化促進剤(D)のイミダゾール系化合物としては、例えば、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4’,5’−ジヒドロキシメチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾールなどが挙げられる。
中でも、液状熱硬化性樹脂組成物は、ラジカル重合性化合物(A)としてラジカル重合性熱硬化性樹脂、スチレン系モノマー、および(メタ)アクリル酸を含有し、熱硬化性樹脂(C)として1分子中に2つ以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂を含有し、硬化剤および/または硬化促進剤(D)としてイミダゾール系化合物を含有することが好ましい。
このような液状熱硬化性樹脂組成物を用いることで、接着剤としての作業性が良く、そして層間の密着性が向上し半田耐熱性に優れた銅張積層板が得られる。またプリプレグを併用した絶縁層は屈曲性も有しており、加熱硬化から長尺の銅張積層板のロールへの巻き取りまでを連続的に行う製造が可能である。
ここで、スチレン系モノマーの配合量は、液状熱硬化性樹脂組成物の全量に対して15〜40質量%の範囲内が好ましい。(メタ)アクリル酸の配合量は、液状熱硬化性樹脂組成物の全量に対して2〜20質量%の範囲内が好ましい。イミダゾール系化合物の配合量は、エポキシ樹脂の硬化特性やワニスの保存安定性を考慮すると、エポキシ樹脂に対して0.1〜2質量%の範囲内が好ましい。
液状熱硬化性樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲内で、さらに、無機充填剤、エラストマー、難燃剤、難燃助剤、流動改質剤、滑剤、シランカップリング剤、着色剤などの添加剤が配合されてもよい。
液状熱硬化性樹脂組成物は、例えば、前記の各成分を常法によって混合して調製することができる。
本発明の銅張積層板は、以上に説明した液状熱硬化性樹脂組成物を接着剤として用いて、例えば、次の方法で製造することができる。
まず、銅箔の片面においてプリプレグ用の熱硬化性樹脂組成物に繊維状基材を含浸し、乾燥することによって、半硬化の樹脂層(B−ステージ層)が形成された銅箔つきプリプレグを作製する。
銅箔としては、従来から銅張積層板に用いられているものなどを用いることができ、例えば、電解銅箔や圧延銅箔などを用いることができる。銅箔の厚みは、例えば、5〜40μmにすることができる。
そして、両面銅張積層板を製造するためには、前記のような銅箔つきプリプレグを2枚準備する。なお、銅張積層板の両方の面に同じ構成の銅箔つきプリプレグを用いることもできるが、銅張積層板の一方の面と他方の面とに、プリプレグの樹脂組成や銅箔の厚みが異なるなど、異なる構成の銅箔つきプリプレグを用いるようにしてもよい。
繊維状基材としては、ガラスクロスなどを用いることができる。繊維状基材の厚みは、特に限定されないが、例えば、20〜100μmのものを用いることができる。
プリプレグ用の熱硬化性樹脂組成物は、例えば、エポキシ樹脂とその硬化剤を含有するエポキシ樹脂組成物を用いることができる。
このエポキシ樹脂組成物に用いられるエポキシ樹脂は、1分子中に2つ以上のエポキシ樹脂基を有するものであれば特に限定されないが、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、多官能フェノールのジグリシジルエーテル化合物、多官能アルコールのジグリシジルエーテル化合物、臭素含有エポキシ樹脂などが挙げられる。
このエポキシ樹脂組成物に用いられる硬化剤としては、例えば、フェノール系硬化剤、アミン系硬化剤などが挙げられる。
フェノール系硬化剤としては、例えば、多価フェノール化合物、多価ナフトール化合物などが挙げられる。多価フェノール化合物としては、例えば、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールA型ノボラック樹脂、フェノールアラルキル樹脂、ビフェニルアラルキル樹脂などが挙げられる。多価ナフトール化合物としては、例えば、ナフトールアラルキル樹脂などが挙げられる。
アミン系硬化剤としては、例えば、ジシアンジアミド、ジアミノジフェニルメタンなどが挙げられる。
硬化剤の配合量は、硬化不足や硬化剤が未反応で残ることによる性能低下を抑制する点から、エポキシ樹脂に対する当量比が0.4〜1.4となるように調整することが好ましい。
このエポキシ樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲内において、前記の成分に加えて他の成分を配合することができる。このような他の成分としては、例えば、硬化促進剤、無機充填剤、エラストマー、難燃剤、難燃助剤、流動改質剤、滑剤、シランカップリング剤、着色剤などが挙げられる。
このエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂、硬化剤、および必要に応じて他の成分を配合し、ワニスとして調製することができる。ワニスとして調製する際には、溶剤で希釈することができる。溶剤の添加により、粘度が低下し、分散性を向上することができる。また、不溶成分や室温で固体の成分を用いることも容易になる。
溶剤は、分散性、塗布性の観点から、例えば、エポキシ樹脂組成物に対して10〜100質量%の範囲内で配合することができる。
溶剤としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテルなどのエーテル類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール類、ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)などのアミド類などが挙げられる。
前記の銅箔つきプリプレグを作製する際には、ワニスとして調製したエポキシ樹脂組成物に繊維状基材を含浸する。そして、例えば乾燥機中で120〜170℃、2〜15分間の加熱乾燥をすることにより、半硬化状態(B−ステージ状態)にしたプリプレグを作製することができる。
このとき、フクレを抑制し半田耐熱性を高めるために、加熱してエポキシ樹脂組成物中の揮発成分を十分に揮発させて乾燥させることが好ましい。
次に、銅箔つきプリプレグのプリプレグ側の面に前記の液状熱硬化性樹脂組成物を塗布し、さらに他方の銅箔つきプリプレグを、塗布された液状熱硬化性樹脂組成物の面にそのプリプレグ側の面を向けて重ねる。このようにして、2枚の銅箔つきプリプレグを液状熱硬化性樹脂組成物を介して積層した積層体が得られる。
その後、この積層体を硬化条件の温度で加熱することにより、重合により樹脂層が硬化して絶縁層となり、銅張積層板が形成される。
加熱は、オーブン、加熱炉などの加熱装置を用いて行うことができる。硬化条件の加熱温度は、樹脂層が硬化する温度であればよく、樹脂層の組成に依存するために一義的に特定することはできないが、例えば、80〜210℃にすることができる。加熱時間は、例えば、10〜60分間程度にすることができる。
なお、硬化条件で加熱させる前に硬化条件よりも低温で(例えば50〜120℃)、積層物を予備加熱してもよい。これにより、樹脂層の密着性を高め、フクレなどの不良を抑制することができる。
本発明の銅張積層板は、加熱硬化から長尺の銅張積層板のロールへの巻き取りまでを連続的に行う製造が可能で、生産性を向上せることができる。具体的には、連続的な製造方法として、次のような方法を挙げることができる。
まず、繊維状基材を含むプリプレグが銅箔の片面に設けられた2枚の長尺の銅箔つきプリプレグを連続的に搬送する。ここで、予め銅箔つきプリプレグを作製し、この銅箔つきプリプレグをロールから送り出すことができる。
そして一方の銅箔つきプリプレグのプリプレグ側の面に、前記の液状熱硬化性樹脂組成物を塗布する。
次に、他方の銅箔つきプリプレグを、塗布された液状熱硬化性樹脂組成物の面にそのプリプレグ側の面を向けて重ね、2枚の銅箔つきプリプレグを液状熱硬化性樹脂組成物を介して積層した積層体を形成する。
その後、重ねられて形成された積層体をそのまま送り出して、加熱炉などの加熱装置に搬入し、実質的に無圧の条件下で加熱して積層体の樹脂成分を硬化させる。これにより、銅張積層板が連続的に製造される。
得られた長尺の両面銅張積層板は、さらに搬送されて、下流側の巻き取りロールに巻き取られる。
なお、巻き取りロールは、従来からロールトゥロールの方式に用いられていたものと同種のものを用いることができるが、例えば、巻き取り芯の直径が2cm以上のもの(例えば、1インチ〜9インチのもの)を用いることができる。
このようにして得られる本発明の銅張積層板は、銅箔と、この銅箔の片面に設けられ、繊維状基材を含むプリプレグの硬化層と、このプリプレグの硬化層の銅箔とは反対側の面に設けられ、液状熱硬化性樹脂組成物の硬化物である接着層とを含む。そして両面銅張積層板においては、接着層の両面のそれぞれに、プリプレグの硬化層および銅箔がこの順に設けられ、2枚のプリプレグの硬化層が接着層によって接着されている。
このような構成の本発明によれば、予め銅箔に樹脂を塗布、乾燥したB−ステージ層を設け、このB−ステージ層を、実質的に揮発成分を含まない液状熱硬化性樹脂組成物を接着剤として張り合わせるようにしたので、絶縁層の厚みを薄くすることができる。そしてプリプレグの硬化層と液状熱硬化性樹脂組成物の硬化層(接着層)との層間の密着性が良く半田耐熱性に優れている。また、繊維状基材を含むプリプレグの硬化層によって銅張積層板は屈曲性も有しており、加熱硬化から長尺の銅張積層板のロールへの巻き取りまでを連続的に行う製造が可能である。
本発明の銅張積層板は、プリプレグの硬化層の厚みが20〜100μmの範囲内であることが好ましい。これにより、絶縁層の厚みを薄くすることができ、加熱硬化から長尺の銅張積層板のロールへの巻き取りまでを連続的に行う製造が可能になり、また半田耐熱性も確保できる。
この銅張積層板において、接着層の厚みが20〜100μmの範囲内であることが好ましい。これにより、絶縁層の厚みを薄くすることができ、加熱硬化から長尺の銅張積層板のロールへの巻き取りまでを連続的に行う製造が可能になり、また半田耐熱性も確保できる。
本発明の銅張積層板は、これを用いて銅箔を回路形成することでプリント配線板にすることができる。
以下に、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
<実施例1>
(1)銅箔つきプリプレグの作製
厚み12μmの銅箔(JTC、日鉱金属社製、厚み12μm)にエポキシ樹脂(VG−3101L、プリンテック社製)、エポキシ樹脂の硬化剤(MEH−H3、明和化成社製)、溶剤(MEK)を含む樹脂溶液を塗布した。その上にガラスクロス(日東紡績社製、厚み45μm)を配置し、130℃のオーブンで3分乾燥してB−ステージ状態の銅箔つきプリプレグを作製した。銅箔つきプリプレグはプリプレグ部分の厚みが65μmで、銅張積層板の両面に配置する2枚を作製した。
(2)液状熱硬化性樹脂組成物の調製
液状熱硬化性樹脂組成物には次の成分を用いた。
(ラジカル重合性化合物(A))
・ジシクロペンタジエンジメタクリレート(DCP)、新中村化学工業社製
・スチレン(新日鐵化学社製)
・アクリル酸
(ラジカル重合開始剤(B))
・1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、日油社製「パーヘキサ(登録商標)HC」
(熱硬化性樹脂(C))
・1分子中に2つ以上のエポキシ基を含有するエポキシ樹脂、日本化薬社製「EPPN−502H」」(エポキシ当量168g/eq)
(熱硬化性樹脂の硬化剤および/または硬化促進剤(D))
・1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、四国化成工業社製「2E4MZ−CN」
ラジカル重合性化合物(A)として前記のジシクロペンタジエンジメタクリレート25質量部、スチレン25質量部、アクリル酸5質量部を配合した。ラジカル重合開始剤(B)として前記の1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサンを1質量部配合した。熱硬化性樹脂(C)として前記の1分子中に2つ以上のエポキシ基を含有するエポキシ樹脂45質量部を配合した。熱硬化性樹脂の硬化剤および/または硬化促進剤(D)として前記の1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール1質量部を配合した。
これらの成分(A)〜(D)を常法により混合して液状熱硬化性樹脂組成物を調製した。
(3)銅張積層板の作製
前記の(1)で作製した銅箔つきプリプレグのプリプレグ側の面に、前記の(2)で調製した液状熱硬化性樹脂組成物を厚み50μmとなるように均一に塗布した。さらに、もう1枚の銅箔付きプリプレグを、プリプレグ側の面を液状熱硬化性樹脂組成物の塗布面に向けて配置した。
この積層体を実質的に無圧の状態で100℃のオーブンで15分、200℃のオーブンで30分加熱し銅張積層板を作製した。
<実施例2〜4>
銅箔つきプリプレグと液状熱硬化性樹脂組成物の厚みを下記表1に示すように変更した。それ以外は実施例1と同様にして銅張積層板を作製した。
<比較例1>
実施例1において液状熱硬化性樹脂組成物を用いず、プリプレグ部分の厚みが70μmの銅箔つきプリプレグ同士をプリプレグの面を内側にして直接重ねた。それ以外は実施例1と同様にして銅張積層板を作製した。
<比較例2>
実施例1においてプリプレグを用いず、銅箔に液状熱硬化性樹脂組成物を厚み100μmとなるように塗布し、さらに銅箔を重ねて積層体を得た。それ以外は実施例1と同様にして銅張積層板を作製した。
<比較例3>
銅箔の片面に液状熱硬化性樹脂組成物を塗布したものを2枚用意した。これらを厚み65μmのプリプレグの両面に、厚み100μmの液状熱硬化性樹脂組成物の層がプリプレグに接するように配置して積層体を得た。それ以外は実施例1と同様にして銅張積層板を作製した。
得られた銅張積層板について次の評価を行った。
[半田耐熱性]
銅張積層板を260℃の半田槽に2分間浸漬し、フクレが全くない場合を○、フクレが発生した場合を×として半田耐熱性を評価した。
[屈曲性(ロール巻き取り性)]
銅張積層板から銅箔をエッチング除去した絶縁層のシートを断面の直径20mmφの金属棒に巻きつけ屈曲性を評価した。
評価結果を表1に示す。
Figure 2013258201
表1より、実施例1〜4は問題なく成形をすることができ、半田耐熱性も良好であった。また屈曲性も有しており、加熱硬化から長尺の銅張積層板のロールへの巻き取りまでを連続的に行う製造が可能であることが確認された。
一方、比較例1は成形時に表面の凹凸が激しく、半田耐熱試験ではフクレが多数発生した。プリプレグ同士の接着性に問題があったと考えられる。
また、比較例2は、プリプレグ層がないために屈曲性がなく、僅かな歪みで破断してしまった。
比較例3は、銅張積層板をロールに巻き取った後、最外層の樹脂(液状熱硬化性樹脂組成物の硬化層)にクラックが生じていた。

Claims (8)

  1. 銅箔と、この銅箔の片面に設けられ、繊維状基材を含むプリプレグの硬化層と、このプリプレグの硬化層の前記銅箔とは反対側の面に設けられ、1分子中に不飽和二重結合を1つ以上有するラジカル重合性化合物(A)およびこのラジカル重合性化合物(A)の重合を開始させるラジカル重合開始剤(B)を含有する液状熱硬化性樹脂組成物の硬化物である接着層とを含むことを特徴とする銅張積層板。
  2. 前記接着層の両面のそれぞれに、前記プリプレグの硬化層および前記銅箔がこの順に設けられ、2枚の前記プリプレグの硬化層が前記接着層によって接着されていることを特徴とする請求項1に記載の銅張積層板。
  3. 前記プリプレグの硬化層の厚みが20〜100μmの範囲内であることを特徴とする請求項1または2に記載の銅張積層板。
  4. 前記接着層の厚みが20〜100μmの範囲内であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の銅張積層板。
  5. 前記液状熱硬化性樹脂組成物は、さらに熱硬化性樹脂(C)と、その硬化剤および/または硬化促進剤(D)とを含有することを特徴とする請求項1に記載の銅張積層板。
  6. 前記液状熱硬化性樹脂組成物は、前記ラジカル重合性化合物(A)としてラジカル重合性熱硬化性樹脂、スチレン系モノマー、および(メタ)アクリル酸を含有し、前記熱硬化性樹脂(C)として1分子中に2つ以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂を含有し、前記硬化剤および/または硬化促進剤(D)としてイミダゾール系化合物を含有することを特徴とする請求項5に記載の銅張積層板。
  7. 繊維状基材を含むプリプレグが銅箔の片面に設けられた2枚の長尺の銅箔つきプリプレグを連続的に搬送する工程と、その一方の前記銅箔つきプリプレグのプリプレグ側の面に、熱硬化時に揮発する成分を含有しない液状熱硬化性樹脂組成物を塗布する工程と、他方の前記銅箔つきプリプレグを、前記塗布された液状熱硬化性樹脂組成物の面にそのプリプレグ側の面を向けて重ね、2枚の前記銅箔つきプリプレグを前記液状熱硬化性樹脂組成物を介して積層した積層体を形成する工程と、前記積層体を実質的に無圧の条件下で加熱して前記積層体の樹脂成分を硬化させる工程と、得られた長尺の両面銅張積層板を搬送して巻き取りロールに巻き取る工程とを含むことを特徴とする銅張積層板の製造方法。
  8. 前記熱硬化時に揮発する成分を含有しない液状熱硬化性樹脂組成物は、1分子中に不飽和二重結合を1つ以上有するラジカル重合性化合物(A)と、このラジカル重合性化合物(A)の重合を開始させるラジカル重合開始剤(B)とを含有することを特徴とする請求項7に記載の銅張積層板の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017107584A1 (zh) * 2015-12-22 2017-06-29 广东生益科技股份有限公司 一种环氧树脂改性聚苯乙烯树脂、制备方法及其用途

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