JP2013253686A - ボール螺子装置及び電動パワーステアリング装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ボール螺子ナットの螺子溝に歪みが生じることを抑制できるボール螺子装置及び電動パワーステアリング装置を提供する。
【解決手段】ボール螺子装置22を、ボール螺子ナット32の雄ねじ部49をモータシャフト26の雌ねじ部51に螺合し、ラック軸3の外周に螺刻された螺子溝31とボール螺子ナット32の内周に螺刻された螺子溝43とを対向させてなる螺旋状の転動路R1内に複数のボール33を配設することにより構成した。そして、ボール螺子ナット32の転動路形成部44と雄ねじ部49との間に設けられる延伸部45の強度を転動路形成部44よりも低くした。
【選択図】図2
【解決手段】ボール螺子装置22を、ボール螺子ナット32の雄ねじ部49をモータシャフト26の雌ねじ部51に螺合し、ラック軸3の外周に螺刻された螺子溝31とボール螺子ナット32の内周に螺刻された螺子溝43とを対向させてなる螺旋状の転動路R1内に複数のボール33を配設することにより構成した。そして、ボール螺子ナット32の転動路形成部44と雄ねじ部49との間に設けられる延伸部45の強度を転動路形成部44よりも低くした。
【選択図】図2
Description
本発明は、ボール螺子装置及び電動パワーステアリング装置に関する。
従来、ラック軸が挿通されるとともにモータ駆動により回転する中空シャフトを備え、この中空シャフトの回転をボール螺子装置によってラック軸の軸方向移動に変換することで、操舵系にアシスト力を付与する所謂ラックアシスト型の電動パワーステアリング装置(EPS)がある。一般に、こうしたボール螺子装置は、中空シャフトと一体回転するボール螺子ナットを有しており、該ボール螺子ナットの内周に螺刻された螺子溝とラック軸の外周に螺刻された螺子溝とを対向させてなる螺旋状の転動路内に複数のボールを配設することにより構成されている。
さて、上記中空シャフトに対するボール螺子ナットの固定構造としては、例えば特許文献1に示されるように、ボール螺子ナットに中空円筒状の雄ねじ部を形成し、この雄ねじ部を中空シャフトに形成された雌ねじ部に螺合させることにより、該ボール螺子ナットを中空シャフトに締結したものが知られている。詳しくは、この固定構造においてボール螺子ナットは、その雄ねじ部が中空シャフトの雌ねじ部に螺合することにより発生する軸力によって、該中空シャフトに押し付けられて締結されている。
ところで、上記ボール螺子ナットを中空シャフトに締結する軸力は、ボール螺子ナットが中空シャフトに当接した状態からさらに該ボール螺子ナットを締め付け、雄ねじ部を螺進させてボール螺子ナットを弾性変形させることにより発生する。したがって、特許文献1の構成では、ボール螺子ナットを中空シャフトに締結することにより生じる変形によって僅かながらその螺子溝に歪みが生じることがある。そして、この歪みが転動路内における各ボールの円滑な転動を妨げる虞があり、この点においてなお改善の余地があった。
なお、このような問題は、電動パワーステアリング装置に用いられるボール螺子装置に限らず、他の装置に用いられるボール螺子装置においても同様に生じ得る。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、ボール螺子ナットの螺子溝に歪みが生じることを抑制できるボール螺子装置及び電動パワーステアリング装置を提供することにある。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、ボール螺子ナットの螺子溝に歪みが生じることを抑制できるボール螺子装置及び電動パワーステアリング装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、外周に螺子溝が螺刻された螺子軸と、内周に螺子溝が螺刻された転動路形成部を有するボール螺子ナットと、前記螺子軸の螺子溝と前記ボール螺子ナットの螺子溝とを対向させてなる螺旋状の転動路内に配設された複数のボールと、を備え、前記ボール螺子ナットには、取付対象に形成された雌ねじ部に螺合される雄ねじ部が形成されたボール螺子装置において、前記ボール螺子ナットには、前記転動路形成部と前記雄ねじ部との間に該転動路形成部よりも強度の低い低強度部が設けられたことを要旨とする。
上記構成によれば、ボール螺子ナットの転動路形成部と雄ネジ部との間に該転動路形成部よりも強度の低い低強度部が設けられているため、該ボール螺子ナットを取付対象に締結する軸力は、主に低強度部が弾性変形することにより発生し、転動路形成部が変形し難くなる。これにより、ボール螺子ナットを取付対象に締結することに起因してその螺子溝に歪みが生じることを抑制できる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のボール螺子装置において、前記低強度部には、前記ボール螺子ナットにおける前記取付対象と軸方向において対向する座面よりも前記転動路形成部側に配置されるとともに前記ボール螺子ナットの内周側に開口する凹部が形成されたことを要旨とする。
ここで、転動路形成部が変形するのは、ボール螺子ナットの座面が軸力によって取付対象に押し付けられることで該座面に作用する反力の影響が大きい。したがって、上記構成のように座面と螺子溝との間に配置されてボール螺子ナットの内周側に開口する凹部を形成することで、座面に作用する反力の伝達経路のうちボール螺子ナットの内周部分の経路が遮断されるため、該反力が転動路形成部の内周部分、すなわち螺子溝に伝達され難くなる。これにより、ボール螺子ナットの螺子溝に歪みが生じることをより抑制できる。
請求項3に記載の発明は、軸方向に往復動可能に設けられたラック軸と、前記ラック軸が挿通されるとともにモータ駆動により回転する中空シャフトと、前記中空シャフトの回転を前記ラック軸の軸方向移動に変換するボール螺子装置とを備え、前記ボール螺子装置は、ボール螺子ナットに形成された中空筒状の雄ねじ部を前記中空シャフトに形成された雌ねじ部に螺合し、前記ラック軸の外周に螺刻された螺子溝と前記ボール螺子ナットの内周に螺刻された螺子溝とを対向させてなる螺旋状の転動路内に複数のボールを配設することにより構成された電動パワーステアリング装置において、前記ボール螺子ナットには、前記螺子溝が形成された転動路形成部と前記雄ねじ部との間に該転動路形成部よりも強度の低い低強度部が設けられたことを要旨とする。
上記構成によれば、ボール螺子ナットの螺子溝に歪みが生じることが抑制されるため、転動路内における各ボールの円滑な転動を確保することが可能になり、優れた操舵フィーリングを実現することができる。
本発明によれば、ボール螺子ナットの螺子溝に歪みが生じることを抑制できるボール螺子装置及び電動パワーステアリング装置を提供することができる。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1に示すように、電動パワーステアリング(EPS)1は、ステアリング操作により回転するピニオン軸2と、ピニオン軸2の回転に応じて軸方向に往復動することにより転舵輪(図示略)の舵角を変更するラック軸3とを備えている。また、EPS1は、ラック軸3が挿通される略円筒状のラックハウジング5を備えている。ラックハウジング5は、略円筒状に形成されたセンターハウジング6と、センターハウジング6の軸方向一端側(図1における左側)に固定されたギアハウジング7と、センターハウジング6の軸方向他端側(図1における右側)に固定されたエンドハウジング8とからなる。
図1に示すように、電動パワーステアリング(EPS)1は、ステアリング操作により回転するピニオン軸2と、ピニオン軸2の回転に応じて軸方向に往復動することにより転舵輪(図示略)の舵角を変更するラック軸3とを備えている。また、EPS1は、ラック軸3が挿通される略円筒状のラックハウジング5を備えている。ラックハウジング5は、略円筒状に形成されたセンターハウジング6と、センターハウジング6の軸方向一端側(図1における左側)に固定されたギアハウジング7と、センターハウジング6の軸方向他端側(図1における右側)に固定されたエンドハウジング8とからなる。
ラック軸3は、ギアハウジング7に設けられたラックガイド11、及びエンドハウジング8に設けられた図示しないブッシュ(すべり軸受)により、その軸方向に沿って往復動可能に支持されている。また、ラックハウジング5内には、ピニオン軸2がラック軸3と斜交する状態で回転可能に支持されており、ラック軸3は、ラックガイド11によって付勢されることによりピニオン軸2と噛合している。なお、ピニオン軸2には、ステアリングシャフトが連結されており、その先端にはステアリングホイール(ともに図示略)が固定されている。そして、ステアリング操作に伴ってピニオン軸2が回転し、その回転がラック軸3の軸方向移動に変換されることにより、転舵輪の舵角、すなわち車両の進行方向が変更される。
また、EPS1は、その駆動源となるモータ21と、モータ21の回転をラック軸3の軸方向移動に変換するボール螺子装置22を備えている。つまり、本実施形態のEPS1は、所謂ラックアシスト型のEPSとして構成されている。
詳述すると、モータ21は、センターハウジング6の内周に固定されるステータ24と、ステータ24の内側に回転可能に設けられるロータ25とを備えたブラシレスモータとして構成されている。ロータ25は、中空円筒状に形成された中空シャフトとしてのモータシャフト26、及びモータシャフト26の外周に固定されるマグネット27を有している。モータシャフト26の軸方向一端側の開口端部26aは、第1の軸受28によって回転可能に支持されている。そして、モータ21は、モータシャフト26内にラック軸3が挿通されることにより、ラック軸3と同軸に配置されている。このように構成されたモータ21では、ステータ24に駆動電力が供給されることにより形成される磁界と、マグネット27との間に生じる磁気的な吸引力及び反発力によってモータシャフト26(ロータ25)が回転するようになっている。
ラック軸3には、その外周の一部に螺子溝31が螺刻されている。つまり、本実施形態では、ラック軸3が螺子軸に相当する。そして、ボール螺子装置22は、取付対象としてのモータシャフト26と一体回転するボール螺子ナット32を有しており、ラック軸3に複数のボール33を介してボール螺子ナット32を螺合することにより構成されている。なお、ボール螺子ナット32は、センターハウジング6の内周面に設けられた第2の軸受34により回転可能に支持されている。
詳述すると、図2に示すように、ボール螺子ナット32は、略円筒状に形成されており、モータシャフト26の外部に配置された本体部41、及びモータシャフト26の軸方向他端側の開口端部26bからその内部に挿入された係合部42を有している。また、本体部41は、内周に螺旋状の螺子溝43が形成された転動路形成部44、及び転動路形成部44から軸方向一端側に延びてモータシャフト26に当接する、前記螺子溝43が形成されない延伸部45を有している。なお、螺子溝43は、本体部41の軸方向他端から軸方向中央部よりも一端側寄りの位置まで延在している。延伸部45は、モータシャフト26と軸方向において対向しており、延伸部45(本体部41)の軸方向一端側には、モータシャフト26の軸方向端面46と当接するボール螺子ナット32の座面47が設けられている。
係合部42は、延伸部45に連続するとともにモータシャフト26の開口端部26bの内面に嵌合されるインロー部48、及びインロー部48から軸方向一端側に延びる中空円筒状の雄ねじ部49を有している。一方、モータシャフト26の内周面における開口端部26bよりも奥側(軸方向一端側)には、雄ねじ部49と螺合する雌ねじ部(ねじ孔)51が形成されている。そして、ボール螺子ナット32は、雄ねじ部49を雌ねじ部51に螺合させることにより、螺子溝43が螺子溝31と径方向において対向するようにモータシャフト26に締結されている。詳しくは、ボール螺子ナット32は、雄ねじ部49が雌ねじ部51に螺合することにより発生する軸力によって、その座面47がモータシャフト26の軸方向端面46に押し付けられて締結されている。これにより、ラック軸3の螺子溝31とボール螺子ナット32の螺子溝43によって螺旋状の転動路R1が形成されている。
転動路R1内には、複数のボール33が配設されており、各ボール33は、ラック軸3の螺子溝31と、ボール螺子ナット32の螺子溝43とに挟まれている。また、ボール螺子ナット32には、螺子溝43内の二箇所を短絡する還流路R2が形成されている。なお、本実施形態の還流路R2は、ボール螺子ナット32に対して上記転動路R1からボール33を掬い上げる機能及び転動路R1にボール33を排出する機能を備えた循環部材(デフレクタ)52を装着することにより形成されている。
したがって、各ボール33は、ボール螺子ナット32がラック軸3に対して相対回転したときに、ラック軸3及びボール螺子ナット32から負荷(摩擦力)を受けて転動路R1内を転動することにより、ラック軸3にボール螺子ナット32のトルクを伝達し、ラック軸3をボール螺子ナット32に対して軸方向移動させる。また、転動路R1内を転動して転動路R1の一端に到達した各ボール33は、ボール螺子ナット32に形成された上記還流路R2を通過することにより、転動路R1の他端に排出され、転動路R1を下流側から上流側へと移動する。つまり、ボール螺子装置22は、その転動路R1を転動する各ボール33が還流路R2を介して無限循環することにより、ボール螺子ナット32の回転をラック軸3の軸方向移動に変換することが可能となっている。そして、EPS1は、モータ21を用いてボール螺子ナット32を回転駆動し、そのトルクを軸方向の押圧力としてラック軸3に伝達することにより、操舵系にステアリング操作を補助するためのアシスト力を付与する構成となっている。
ここで、ボール螺子ナット32をモータシャフト26に締結する軸力は、ボール螺子ナット32の座面47がモータシャフト26の軸方向端面46に当接した状態からさらにボール螺子ナット32を締め付け、雄ねじ部49を螺進させてボール螺子ナット32を弾性変形させることにより発生する。このとき、転動路形成部44が変形すると、転動路R1が歪み、ボール33の円滑な転動が妨げられる虞がある。この点を踏まえ、本実施形態では、雄ねじ部49と転動路形成部44との間に設けられた延伸部45の機械的強度を転動路形成部44よりも低くしている。すなわち、本実施形態では、延伸部45が低強度部として機能する。
具体的には、延伸部45の内周には、ボール螺子ナット32の全周に亘って延びるとともにその内周側に開口する凹部としての環状溝61が形成されている。つまり、環状溝61は、座面47よりも転動路形成部44側に形成されている。そして、延伸部45は、環状溝61が形成されることによって転動路形成部44よりも肉厚の薄い部分を有する構成となっており、転動路形成部44よりも機械的強度が低くされている。
次に、本実施形態のEPS(ボール螺子装置)の作用について説明する。
ボール螺子ナット32に転動路形成部44よりも機械的強度の低い延伸部45が設けられているため、ボール螺子ナット32をモータシャフト26に締め付けると、上記軸力は主に延伸部45が弾性変形することにより発生し、転動路形成部44が変形し難くなる。また、転動路形成部44が変形するのは、ボール螺子ナット32の座面47が軸力によってモータシャフト26に押し付けられることで該座面47に作用する反力の影響が大きい。そのため、本実施形態のように座面47よりも転動路形成部44側に配置されて内周側に開口する環状溝61を形成することで、座面47に作用する反力の伝達経路のうちボール螺子ナット32の内周部分の経路が遮断されるため、該反力が転動路形成部44の内周部分、すなわち螺子溝43に伝達され難くなる。
ボール螺子ナット32に転動路形成部44よりも機械的強度の低い延伸部45が設けられているため、ボール螺子ナット32をモータシャフト26に締め付けると、上記軸力は主に延伸部45が弾性変形することにより発生し、転動路形成部44が変形し難くなる。また、転動路形成部44が変形するのは、ボール螺子ナット32の座面47が軸力によってモータシャフト26に押し付けられることで該座面47に作用する反力の影響が大きい。そのため、本実施形態のように座面47よりも転動路形成部44側に配置されて内周側に開口する環状溝61を形成することで、座面47に作用する反力の伝達経路のうちボール螺子ナット32の内周部分の経路が遮断されるため、該反力が転動路形成部44の内周部分、すなわち螺子溝43に伝達され難くなる。
以上記述したように、本実施形態によれば、以下の作用効果を奏することができる。
(1)転動路形成部44と雄ねじ部49との間に設けられた延伸部45の機械的強度を転動路形成部44よりも低くすることで、転動路形成部44を変形し難くしたため、ボール螺子ナット32の螺子溝43に歪みが生じることを抑制できる。これにより、転動路R1内における各ボール33の円滑な転動を確保することが可能になり、優れた操舵フィーリングを実現することができる。
(1)転動路形成部44と雄ねじ部49との間に設けられた延伸部45の機械的強度を転動路形成部44よりも低くすることで、転動路形成部44を変形し難くしたため、ボール螺子ナット32の螺子溝43に歪みが生じることを抑制できる。これにより、転動路R1内における各ボール33の円滑な転動を確保することが可能になり、優れた操舵フィーリングを実現することができる。
(2)延伸部45に、座面47よりも転動路形成部44側に配置されるとともにボール螺子ナット32の内周側に開口する環状溝61を形成したため、ボール螺子ナット32がモータシャフト26から受ける反力が転動路形成部44に伝達され難くなり、螺子溝43に歪みが生じることをより抑制できる。
なお、上記実施形態は、これを適宜変更した以下の態様にて実施することもできる。
・上記実施形態では、環状溝61をボール螺子ナット32の内周側に開口するように形成したが、これに限らず、例えば図3に示すように、環状溝61をボール螺子ナット32の外周側に開口するように形成してもよい。このように構成しても、上記実施形態の(1)と同様の効果を奏することができる。また、延伸部45に内周側及び外周側に開口する環状溝をそれぞれ形成してもよい。
・上記実施形態では、環状溝61をボール螺子ナット32の内周側に開口するように形成したが、これに限らず、例えば図3に示すように、環状溝61をボール螺子ナット32の外周側に開口するように形成してもよい。このように構成しても、上記実施形態の(1)と同様の効果を奏することができる。また、延伸部45に内周側及び外周側に開口する環状溝をそれぞれ形成してもよい。
・上記実施形態では、延伸部45の機械的強度を転動路形成部44よりも低くなるようにしたが、これに限らず、雄ねじ部49と転動路形成部44との間の部分であればよく、例えばインロー部48の機械的強度を低くして低強度部として機能させてもよい。具体的には、例えば図4に示すように、インロー部48にボール螺子ナット32の外周側に開口する環状溝71を形成したり、例えば図5に示すように、インロー部48にボール螺子ナット32の内周側に開口する環状溝71を形成したりしてもよい。なお、図4及び図5に示す例では、本体部41全体が転動路形成部44として構成されている。また、インロー部48に外周側及び内周側に開口する環状溝をそれぞれ形成してもよい。このように構成しても、上記実施形態の(1)と同様の効果を奏することができる。具体的には、上記実施形態のように延伸部45の機械的強度を低くしたものでは、この延伸部45が主に変形することで転動路形成部44(螺子溝43)に歪みが生じることを抑制でき、図4及び図5に示すようにインロー部48の機械的強度を低くしたものでは、このインロー部48が主に変形することで転動路形成部44(螺子溝43)に歪みが生じることを抑制できる。さらに、例えば延伸部45及びインロー部48の双方に環状溝を形成してもよい。
・上記実施形態では、延伸部45の機械的強度をボール螺子ナット32の全周に亘って延びる円環状の環状溝61を形成することにより低下させたが、これに限らず、例えば周方向の所定範囲に亘って延びる円弧状の溝を形成することにより低下させてもよい。また、例えば外周側又は内周側に開口する穴や、径方向に貫通した孔等により延伸部45の機械的強度を低下させてもよい。要は、延伸部45の機械的強度を転動路形成部44よりも低くすることができればよく、その態様は問わない。
・上記実施形態では、本発明をボール螺子ナット32に循環部材52を装着することにより還流路R2を形成するボール螺子装置22に適用したが、これに限らず、例えば管状のリターンチューブにより還流路を形成する所謂リターンチューブ式のもの等の他のボール螺子装置に適用してもよい。また、本発明をEPS以外の用途に用いられるボール螺子装置に適用してもよい。
・上記実施形態では、本発明をモータ21及び中空シャフトとしてのモータシャフト26がラック軸3と同軸に配置されたラックアシスト型のEPS1に具体化した。しかし、これに限らず、所謂ラッククロス型やラックパラレル型等、ハウジング外部に設けられたモータにより、ラック軸の挿通された中空シャフトを駆動する形式のEPSに具体化してもよい。
1…電動パワーステアリング装置(EPS)、3…ラック軸、21…モータ、22…ボール螺子装置、31,43…螺子溝、32…ボール螺子ナット、33…ボール、41…本体部、42…係合部、44…転動路形成部、45…延伸部、46…軸方向端面、47…座面、48…インロー部、49…雄ねじ部、51…雌ねじ部、61,71…環状溝、R1…転動路、R2…還流路。
Claims (3)
- 外周に螺子溝が螺刻された螺子軸と、
内周に螺子溝が螺刻された転動路形成部を有するボール螺子ナットと、
前記螺子軸の螺子溝と前記ボール螺子ナットの螺子溝とを対向させてなる螺旋状の転動路内に配設された複数のボールと、を備え、
前記ボール螺子ナットには、取付対象に形成された雌ねじ部に螺合される雄ねじ部が形成されたボール螺子装置において、
前記ボール螺子ナットには、前記転動路形成部と前記雄ねじ部との間に該転動路形成部よりも強度の低い低強度部が設けられたことを特徴とするボール螺子装置。 - 請求項1に記載のボール螺子装置において、
前記低強度部には、前記ボール螺子ナットにおける前記取付対象と軸方向において対向する座面よりも前記転動路形成部側に配置されるとともに前記ボール螺子ナットの内周側に開口する凹部が形成されたことを特徴とするボール螺子装置。 - 軸方向に往復動可能に設けられたラック軸と、前記ラック軸が挿通されるとともにモータ駆動により回転する中空シャフトと、前記中空シャフトの回転を前記ラック軸の軸方向移動に変換するボール螺子装置とを備え、
前記ボール螺子装置は、ボール螺子ナットに形成された中空筒状の雄ねじ部を前記中空シャフトに形成された雌ねじ部に螺合し、前記ラック軸の外周に螺刻された螺子溝と前記ボール螺子ナットの内周に螺刻された螺子溝とを対向させてなる螺旋状の転動路内に複数のボールを配設することにより構成された電動パワーステアリング装置において、
前記ボール螺子ナットには、前記螺子溝が形成された転動路形成部と前記雄ねじ部との間に該転動路形成部よりも強度の低い低強度部が設けられたことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015132363A (ja) * | 2014-01-15 | 2015-07-23 | 株式会社ショーワ | ボールねじおよびパワーステアリング装置 |
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2012
- 2012-06-08 JP JP2012131200A patent/JP2013253686A/ja active Pending
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