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JP2013253184A - カチオン電着塗料組成物 - Google Patents

カチオン電着塗料組成物 Download PDF

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JP2013253184A
JP2013253184A JP2012130367A JP2012130367A JP2013253184A JP 2013253184 A JP2013253184 A JP 2013253184A JP 2012130367 A JP2012130367 A JP 2012130367A JP 2012130367 A JP2012130367 A JP 2012130367A JP 2013253184 A JP2013253184 A JP 2013253184A
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electrodeposition coating
resin
coating composition
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cationic
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JP2012130367A
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Takashi Iwai
貴司 岩井
Akinori Nagai
彰典 永井
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Kansai Paint Co Ltd
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Kansai Paint Co Ltd
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Abstract

【課題】鉛化合物、クロム化合物等のような有害物質を用いることなく、防食性、特に、形成塗膜が薄膜である乾燥膜厚15μmの電着塗膜であっても防食性に優れ、かつ塗料安定性に優れたカチオン電着塗料組成物を提供する。
【解決手段】カチオン性樹脂(a1)を含有する有機バインダ(A)、及びアミノシラン(b1)と多シリル官能シラン(b2)とのシラン縮合反応物(B)を含有することを特徴とするカチオン電着塗料組成物、該カチオン電着塗料組成物を用いた塗膜形成方法及び塗装物品。
【選択図】 なし

Description

本発明は、鉛化合物、クロム化合物等の有害物質を含有することなく、防食性に優れた、特に無処理鋼板に対しても優れた防食性を発揮するカチオン電着塗料組成物に関する。
カチオン電着塗料は、つきまわり性に優れ、環境汚染も少ないことから自動車下塗り用を始め幅広い用途に使用されている。従来からクロム酸鉛、塩基性ケイ酸鉛、クロム酸ストロンチウム等の鉛化合物及び/又はクロム化合物等を配合したカチオン電着塗料組成物が提案されている。
しかし近年、公害問題の点から、鉛化合物及びクロム化合物のような有害性のある化合物の使用は制限されており、そのような有害性化合物を配合しなくても防食性に優れる無毒性ないしは低毒性の防錆顔料を用いたカチオン電着塗料が開発され、実用化に至っている。
例えば、特許文献1には、(A)カチオン性アミン変性エポキシ樹脂、(B)ブロック化ポリイソシアネート、(C)亜リン酸の2価あるいは3価の金属塩を含有し、鉛化合物フリーでの防食性の向上を目的としたカチオン電着塗料組成物が開示されている。
また、特許文献2には、珪酸ビスマスなどのビスマス化合物及びジルコニウム化合物から選ばれた化合物を含み、鉛化合物フリーで防食性に優れるカチオン電着塗料が開示されている。
上記特許文献1、2には、表面処理を施した鋼板上に形成された電着塗膜が鉛化合物、クロム化合物等の有害物質を含有せずとも防食性に優れることが記載されている。しかし、薄膜である乾燥膜厚15μmの電着塗膜においては、防食性が不十分であった。
さらに、特許文献3には、ポリシロキサンと当該ポリシロキサン以外の重合体とからなり、これを水性化してなるアニオン性基又はカチオン性基を含有する水性樹脂を必須成分とする電着塗料が開示されている。
また、特許文献4には、ジルコニウム、チタン、コバルト、バナジウム、タングステン及びモリブデンから選ばれる金属のイオン、該金属のオキシ金属イオン及びフルオロ金属イオンよりなる群から選ばれる少なくとも1種の防錆成分、ならびに特定の脂環式エポキシ化合物から誘導されるアミノ基含有樹脂成分を含有する電着塗料組成物が開示されている。
上記特許文献3、4記載の電着塗料は、薄膜である乾燥膜厚15μmの電着塗膜の防食性、および長期における塗料安定性は、いまだ充分ではない。
また、特許文献5には、カチオン性アミン変性エポキシ樹脂、ブロック化ポリイソシアネート、ジルコニウム塩を含有することを特徴とするカチオン電着塗料組成物で、防錆性向上を目的とした塗料が開示されており、鉛化合物、クロム化合物等の有害物質を含有せずとも防食性に優れる電着塗膜を得られることが記載されている。しかしながら、薄膜である乾燥膜厚15μmの電着塗膜においては厳しい腐食条件下となると、いまだ、防食性に問題があり、また、長期における塗料安定性は、いまだ充分ではなく、さらなる改良が求められていた。
特開平9−241546号公報 特開2000−290542号公報 特開平11−209694号公報 国際公開2006/022426号公報 特開2009−46628号公報
本発明が解決しようとする課題は、鉛化合物、クロム化合物等のような有害物質を用いることなく、特に、形成塗膜が薄膜である乾燥膜厚15μmの電着塗膜であっても防食性に優れ、かつ塗料安定性に優れたカチオン電着塗料組成物を提供することである。
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、カチオン性樹脂を含有する有機バインダに、アミノシラン及び多シリル官能シランの縮合反応物を含有させたカチオン電着塗料組成物によって、上記課題の解決が達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、カチオン性樹脂(a1)を含有する有機バインダ(A)、及びアミノシラン(b1)と多シリル官能シラン(b2)とのシラン縮合反応物(B)を含有することを特徴とするカチオン電着塗料組成物を提供するものである。
また、本発明は、上記電着塗料組成物を用いて、被塗物にカチオン電着塗装を施すことを特徴とする塗膜形成方法を提供するものである。
さらに、本発明は、被塗物上に、上記電着塗料組成物による電着塗膜が形成された物品を提供するものである。
本発明のカチオン電着塗料組成物によれば、鉛化合物、クロム化合物等の有害金属を含有することなく、特に、形成塗膜が乾燥膜厚15μm以下の薄膜であっても防食性に優れる塗装物品を得ることができる。このため本発明のカチオン電着塗料組成物は、自動車車体及びその部品、電気器具等の電着塗装に有用である。
カチオン電着塗料組成物
本発明のカチオン電着塗料組成物は、有機バインダ(A)、及び縮合反応物(B)を含有する。
〔有機バインダ(A)〕
本発明のカチオン電着塗料組成物における(A)成分である有機バインダは、基体樹脂として、カチオン性樹脂(a1)を含有する。カチオン性樹脂(a1)としては、従来から既知のカチオン電着塗料用のカチオン性樹脂を用いることができる。カチオン性樹脂としては、例えば、分子中にアミノ基、アンモニウム塩基、スルホニウム塩基、ホスホニウム塩基などの水性媒体中でカチオン化可能な基を有する樹脂が挙げられ、その樹脂種としては、電着塗料の基体樹脂として通常使用されるもの、例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリブタジエン樹脂、アルキド樹脂、ポリエステル樹脂などの樹脂が挙げられる。
有機バインダ(A)におけるカチオン性樹脂(a1)としては、なかでもエポキシ樹脂にアミン化合物を付加反応させることにより得られるアミン付加エポキシ樹脂(a11)が好適である。
アミン付加エポキシ樹脂(a11)
上記アミン付加エポキシ樹脂(a11)としては、例えば、(ア)エポキシ樹脂と第1級モノ−及びポリアミン、第2級モノ−及びポリアミン又は第1、2級混合ポリアミンとの付加物(例えば、米国特許第3984299号明細書参照);(イ)エポキシ樹脂とケチミン化された第1級アミノ基を有する第2級モノ−及びポリアミンとの付加物(例えば、米国特許第4017438号明細書参照);(ウ)エポキシ樹脂とケチミン化された第1級アミノ基を有するヒドロキシ化合物とのエーテル化により得られる反応物(例えば、特開昭59−43013号公報参照)等を挙げることができる。
上記のアミン付加エポキシ樹脂(a11)の製造に使用されるエポキシ樹脂(a)は、1分子中にエポキシ基を1個以上、好ましくは2個以上有する化合物であり、一般に200以上、好ましくは370〜4,000、さらに好ましくは800〜3,000の範囲内の数平均分子量を有し、かつ160以上、好ましくは180〜2,800、さらに好ましくは200〜2,000の範囲内のエポキシ当量を有するものが適している。
本明細書において、「数平均分子量」は、JIS K 0124−83に記載の方法に準じ、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)で測定したクロマトグラムから標準ポリスチレンの分子量を基準にして求めた値である。ゲルパーミエーションクロマトグラフは、「HLC8120GPC」(東ソー社製)を使用した。カラムとしては、「TSKgel G−4000HXL」、「TSKgel G−3000HXL」、「TSKgel G−2500HXL」、「TSKgel G−2000HXL」(いずれも東ソー(株)社製、商品名)の4本を用い、移動相;テトラヒドロフラン、測定温度;40℃、流速;1cc/分、検出器;RIの条件で行ったものである。
上記アミン付加エポキシ樹脂(a11)を得るために使用するエポキシ樹脂(a)としては、特に、(1)ポリフェノール化合物とエピクロルヒドリンなどのエピハロヒドリンとの反応によって得られるポリエポキシド化合物、又は該ポリエポキシド化合物にポリフェノール化合物を反応させて高分子量化したエポキシ樹脂、(2)主鎖にアルキレンオキシド鎖を有するジエポキシド化合物にポリフェノール化合物を反応させて得られるエポキシ樹脂、(3)ポリフェノール化合物とエピハロヒドリンとの反応によって得られるエポキシ樹脂と、主鎖にアルキレンオキシド鎖を有するジエポキシド化合物と、ポリフェノール化合物を反応させて得られるエポキシ樹脂が好ましい。上記(1)〜(3)のエポキシ樹脂は、単独で、又は2種以上混合して使用することができる。
まず、上記(1)のエポキシ樹脂について説明する。
上記(1)のエポキシ樹脂を生成させるために用いることができるポリフェノール化合物としては、従来から用いられているものと同様のものが使用でき、例えば、 ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2,2−プロパン〔ビスフェノールA〕、4,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン〔ビスフェノールF〕、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1−エタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1−イソブタン、ビス(4−ヒドロキシ−tert−ブチル−フェニル)−2,2−プロパン、ビス(2−ヒドロキシナフチル)メタン、テトラ(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,2,2−エタン、4,4−ジヒドロキシジフェニルスルホン〔ビスフェノールS〕、フェノールノボラック、クレゾールノボラック等が挙げられる。
上記ポリフェノール化合物とエピクロルヒドリンなどのエピハロヒドリンとの反応によって得たポリエポキシド化合物を(1)のエポキシ樹脂とすることができる。また、このポリエポキシドに上記ポリフェノール化合物を反応させて高分子量化したものも(1)のエポキシ樹脂とすることができる。
(1)のエポキシ樹脂としては、特に、ビスフェノールAから誘導される下記一般式(II)
Figure 2013253184
[上記式(II)中、pは0〜8が好適である。]で示されるものが好適である。
上記一般式(II)で表されるエポキシ樹脂は、好ましくは180〜2,800、さらに好ましくは200〜2,000の範囲のエポキシ当量を有することができ、また、370〜4,000、好ましくは800〜3,000の範囲の数平均分子量を有するものが適している。
かかるエポキシ樹脂の市販品としては、例えば、三菱化学(株)製の、jER828EL、jER828、jER1001、jER1002、jER1004、jER1007等を挙げることができる。
次に、上記(2)のエポキシ樹脂について説明する。
上記(2)のエポキシ樹脂を生成させるために用いることができる主鎖にアルキレンオキシド鎖を有するジエポキシド化合物としては、下記一般式(III)又は後記一般式(IV)で表される化合物を好適に使用することができる。
Figure 2013253184
[上記式(III)中、Rは同一又は異なって、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表し、Xは1〜9の整数、Yは1〜50の整数を表す。]。Yが2以上の場合、各アルキレンオキシド単位に含まれるXは、同一でも異なっていてもよい。
上記一般式(III)で表される化合物の製造は、アルキレングリコールを出発原料として、アルキレンオキシドを開環重合させることによりヒドロキシル末端のポリアルキレンオキシドを得た後、次いで、該ヒドロキシル末端のポリアルキレンオキシドにエピハロヒドリンを反応させてジエポキシ化する方法や、アルキレングリコール又は該アルキレングリコール分子2個以上を脱水縮合させることにより得られるポリエーテルジオールに、エピハロヒドリンを反応させてジエポキシ化する方法が挙げられる。
ここで使用されるアルキレングリコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール等の炭素数2〜10のアルキレングリコールが挙げられる。
Figure 2013253184
[上記式(IV)中、各繰り返し単位中のRは同一又は異なって、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表し、アルキレンオキシド構造部分の繰り返し単位の数であるm及びnは、m+n=1〜20となる整数を表す。]
化合物(IV)の製造は、ビスフェノールAに、炭素数2〜8のアルキレンオキシドを付加させてヒドロキシル末端のポリエーテル化合物を得た後、該ポリエーテル化合物とエピハロヒドリンとを反応させてジエポキシ化することにより製造することができる。上記アルキレンオキシドとしては、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド等が挙げられ、なかでも、エチレンオキシド、プロピレンオキシドが好適である。
前記一般式(III)又は一般式(IV)で表されるジエポキシ化合物としては、デナコールEX−850、EX−821、EX−830、EX−841、EX−861、EX−941、EX−920、EX−931(ナガセケムテックス株式会社)、グリシエールPP−300P、BPP−350(三洋化成工業株式会社)等が挙げられる。
上記一般式(III)及び一般式(IV)で表されるジエポキシ化合物は、それぞれ単独で、又は2種以上組合わせて、(2)のエポキシ樹脂を生成させるための、主鎖にアルキレンオキシド鎖を有するジエポキシド化合物として用いることができる。
上記主鎖にアルキレンオキシド鎖を有するジエポキシド化合物と、前記(1)のエポキシ樹脂の項で説明したポリフェノール化合物とを、反応させることによって(2)のエポキシ樹脂を得ることができる。
次に、上記(3)のエポキシ樹脂について説明する。
上記(3)のエポキシ樹脂を生成させるために用いることができる、ポリフェノール化合物とエピハロヒドリンとの反応によって得られるエポキシ樹脂としては、前記(1)のエポキシ樹脂を挙げることができる。
また、(3)のエポキシ樹脂を生成させるために用いることができる、主鎖にアルキレンオキシド鎖を有するジエポキシド化合物としては、前記(2)のエポキシ樹脂の項で説明した、前記一般式(III)又は一般式(IV)で表されるジエポキシ化合物などを挙げることができる。
上記ポリフェノール化合物とエピハロヒドリンとの反応によって得られるエポキシ樹脂と、上記主鎖にアルキレンオキシド鎖を有するジエポキシド化合物とを、前記(1)のエポキシ樹脂の項で説明したポリフェノール化合物と反応させることによって(3)のエポキシ樹脂を得ることができる。
上記(1)、(2)又は(3)のエポキシ樹脂は、ポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカルボン酸、ポリイソシアネート化合物、キシレンホルムアルデヒド樹脂、ε−カプロラクトンなどと一部反応させたものであってもよい。
上記(1)、(2)又は(3)のエポキシ樹脂を得る際に、エポキシ樹脂(ポリエポキシド化合物、ジエポキシド化合物)と、ポリフェノール化合物とを反応させるには、両者を混合し、適宜、反応触媒として、ジメチルベンジルアミン、トリブチルアミンなどの3級アミン;又はテトラエチルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムブロマイドなどの4級アンモニウム塩等;及び必要に応じて、有機溶剤の存在下、反応温度としては80〜200℃、好ましくは90〜180℃にて、1〜6時間、好ましくは1〜5時間反応させることによって行なうことができる。
後記アミン化合物と反応させて、アミン付加エポキシ樹脂(a11)を得るために使用するエポキシ樹脂(a)としては、上記(3)のエポキシ樹脂が好適であり、中でも、(3)のエポキシ樹脂を構成する、(1)のエポキシ樹脂/(2)のエポキシ樹脂の比率が、質量比で、95/5〜40/60、好ましくは90/10〜60/40の範囲内であることが、後記アミン化合物と反応させて得られるアミン付加エポキシ樹脂の水分散性に優れ、合金化溶融亜鉛メッキ鋼板上の電着塗装適性に優れ、カチオン電着塗膜の仕上り性や防食性、特に、乾燥膜厚が15μmでの仕上り性及び防食性に優れる観点から好ましい。
アミン化合物
アミン化合物は、上記エポキシ樹脂(a)にアミノ基を導入して、エポキシ樹脂(a)をカチオン化してアミン付加エポキシ樹脂(a11)を得るためのカチオン性付与成分であり、エポキシ基と反応する活性水素を少なくとも1個含有するものが用いられる。
そのような目的で使用されるアミン化合物としては、例えば、モノメチルアミン、ジメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、モノブチルアミン、ジブチルアミン等のモノ−、もしくはジ−アルキルアミン;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノ(2−ヒドロキシプロピル)アミン、ジ(2−ヒドロキシプロピル)アミン、モノメチルアミノエタノール、モノエチルアミノエタノール等のアルカノールアミン;エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ジエチルアミノプロピルアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等のアルキレンポリアミン及びこれらのポリアミンのケチミン化物;エチレンイミン、プロピレンイミン等のアルキレンイミン;ピペラジン、モルホリン、ピラジン等の環状アミン等が挙げられる。これら上記のアミンのうち、1級アミンをケチミン化したアミンも併せて用いることができる。
アミン付加エポキシ樹脂(a11)は、エポキシ樹脂(a)に上記アミン化合物を付加反応させることにより製造することができる。この付加反応における各成分の使用割合は、厳密に制限されるものではなく、電着塗料組成物の用途等に応じて適宜変えることができるが、アミン付加エポキシ樹脂(a11)の製造におけるエポキシ樹脂(a)とアミン化合物の合計固形分質量を基準にして、エポキシ樹脂(a)が70〜98質量%、好ましくは75〜96質量%、アミン化合物が2〜30質量%、好ましくは4〜25質量%であることが適している。
なお上記の付加反応は、通常、適当な溶媒中で、80〜170℃、好ましくは90〜150℃の温度で1〜6時間、好ましくは1〜5時間反応を行う。上記反応における溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、n−ヘキサン等の炭化水素系溶媒;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン等のケトン系溶媒;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒;メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール等のアルコール系溶媒;フェニルカルビノール、メチルフェニルカルビノール等の芳香族アルキルアルコール系溶媒;エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等のエーテルアルコール系化合物あるいはこれらの混合物等が挙げられる。
硬化剤(a2)
本発明組成物において、有機バインダ(A)は、必要に応じて、カチオン性樹脂(a1)を硬化可能な硬化剤(a2)を含有する。硬化剤(a2)としては、ブロック化イソシアネート化合物及びアミノ樹脂硬化剤から選ばれる少なくとも1種であることが好適である。
上記ブロック化イソシアネート化合物は、ポリイソシアネート化合物とイソシアネートブロック剤とのほぼ化学理論量での付加反応生成物である。ブロック化ポリイソシアネートで使用されるポリイソシアネート化合物としては、公知のものを使用することができ、例えば、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−2,2’−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−2,4’−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、クルードMDI[ポリメチレンポリフェニルイソシアネート]、ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の芳香族、脂肪族又は脂環族ポリイソシアネート化合物;これらのポリイソシアネート化合物の環化重合体又はビゥレット体;又はこれらの組合せを挙げることができる。
特に、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−2,4’−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、クルードMDI等の芳香族ポリイソシアネート化合物が防食性の観点から好ましい。
一方、前記イソシアネートブロック剤は、ポリイソシアネート化合物のイソシアネート基に付加してブロックするものであり、そして付加によって生成するブロックポリイソシアネート化合物は常温において安定であるが、塗膜の焼付け温度(通常約100〜約200℃)に加熱した際、ブロック剤が解離して遊離のイソシアネート基を再生することが望ましい。
ブロック化ポリイソシアネートで使用されるブロック剤としては、例えば、メチルエチルケトオキシム、シクロヘキサノンオキシム等のオキシム系化合物;フェノール、パラ−t−ブチルフェノール、クレゾール等のフェノール系化合物;n−ブタノール、2−エチルヘキサノール等の脂肪族アルコール化合物;フェニルカルビノール、メチルフェニルカルビノール等の芳香族アルキルアルコール化合物;エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等のエーテルアルコール系化合物;ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクタム等のラクタム系化合物等が挙げられる。
硬化剤(a2)として使用可能なアミノ樹脂硬化剤としては、メラミン、ベンゾグアナミン、アセトグアナミン又は尿素などの各種のアミノ基含有化合物を、ホルムアルデヒドまたはアセトアルデヒドなどの各種のアルデヒド化合物(ないしはアルデヒド供給物質)と反応せしめることによって得られるアルキロール基を有する種々のアミノ樹脂;あるいは該アルキロール基を有するアミノ樹脂を、メタノール、エタノール、n−ブタノールまたはi−ブタノール(イソブタノール)などの各種の低級アルコールと反応せしめることによって得られる、種々のアルコキシアルキル基含有アミノ樹脂などを挙げることができる。
本発明組成物において、有機バインダ(A)は、カチオン性樹脂(a1)、硬化剤(a2)以外に、その他の有機樹脂を含有することができる。その他の有機樹脂としては、例えば、下記フェノール樹脂、フェノール性水酸基含有樹脂などを挙げることができる。
フェノール樹脂
本発明のカチオン電着塗料組成物には、防食性と仕上り性、特に、乾燥膜厚15μmでの防食性と仕上り性向上を目的として、有機バインダ(A)の一部として、フェノール樹脂を配合することができる。
上記フェノール樹脂は、フェノール、クレゾール、ビスフェノールA等のフェノール系化合物とホルムアルデヒド等のアルデヒド系化合物とを酸性触媒、塩基性触媒等の存在下で縮合反応させた樹脂で、この中でも酸性触媒で縮合したものをノボラック型フェノール樹脂、塩基性触媒で縮合させたものをレゾール型フェノール樹脂と称する。
本発明では、ノボラック型フェノール樹脂及びレゾール型フェノール樹脂のいずれも用いることができる。また、メチロール基が導入された樹脂も含まれ、さらに導入されたメチロール基の一部又はすべてを炭素数6以下のアルコールでアルキルエーテル化したフェノール樹脂も用いることができる。
本発明に用いるフェノール樹脂(C)としては、水酸基価が90〜623mgKOH/gのものが、得られた塗膜の付着性を向上させることができ、防食性、特に、形成塗膜が乾燥膜厚15μm以下の薄膜であっても無処理鋼板上の塗膜の防食性に優れた塗膜が得られるため好ましい。
上記フェノール樹脂の市販品としては、SUMILITERESIN PR−HF−3、SUMILITERESIN PR−HF−6、SUMILITERESIN PR−53194、SUMILITERESIN PR−53195、SUMILITERESIN PR−54869、SUMILITERESIN PR−16382、SUMILITERESIN PR−51939、SUMILITERESIN PR−53153、SUMILITERESIN PR−53364、SUMILITERESIN PR−53365、SUMILITERESIN PR−50702(以上、「住友ベークライト社」製);PHENOLITE TD−2131、PHENOLITE TD−2106、PHENOLITE TD−2093、PHENOLITE TD−2091、PHENOLITE TD−2090、PHENOLITE VH−4150、PHENOLITE VH−4170、PHENOLITE VH−4240、PHENOLITE KH−1160、PHENOLITE KH−1163、PHENOLITE KH−1165、PHENOLITE TD-2093−60M、PHENOLITE TD-2090−60M、PHENOLITE LF−4711、PHENOLITE LF−6161、PHENOLITE LF−4871、PHENOLITE LA−7052、PHENOLITE LA−7054、PHENOLITE LA−7751、PHENOLITE LA−1356、PHENOLITE LA-3018−50P(以上、DIC社製);ショウノールBRG−555、ショウノールBRG−556、ショウノールBRG−558、ショウノールCKM−923、ショウノールCKM−983、ショウノールBKM−2620、ショウノールBRL−2854、ショウノールBRG(5590M、ショウノールCKS−3898、ショウノールCKS−3877A、ショウノールCKM−937(以上、「昭和高分子社」製)、マルカリンカーM−S−1、マルカリンカーM−S−2、マルカリンカーM−S−3、マルカリンカーCST(以上、「丸善石油化学」社製);ニカノールNP−100、ニカノールP−100、ニカノールHP−150、ニカノールPR−1440(以上、フドー社製)等が挙げられる。
フェノール性水酸基含有樹脂
本発明のカチオン電着塗料組成物には、防食性と仕上り性、特に、乾燥膜厚15μmでの防食性と仕上り性向上を目的として、有機バインダ(A)の一部として、フェノール性水酸基含有樹脂を配合することができる。
フェノール性水酸基含有樹脂は、前記一般式(II)で示され且つ式(II)中のpが0〜2であるエポキシ樹脂、前記一般式(III)で示されるジエポキシ化合物、及び前記一般式(IV)で示されるジエポキシ化合物から選ばれる少なくとも1種のエポキシドと、前記(1)のエポキシ樹脂の項で説明したポリフェノール化合物、好ましくはビスフェノール化合物とを、[エポキシド(エポキシ樹脂及びジエポキシ化合物)の合計エポキシ基]/[ポリフェノール化合物のフェノール基]の当量比=0.5〜0.85、好ましくは0.5〜0.83、さらに好ましくは0.5〜0.8で反応させてなる樹脂である。
なおフェノール性水酸基含有樹脂の製造は、通常、上記エポキシドと、ポリフェノール化合物とを混合し、適宜、反応触媒として、3級アミン又は4級アンモニウム塩等の反応触媒の存在下、反応温度としては80〜200℃、好ましくは90〜180℃、反応時間として1〜6時間、好ましくは1〜5時間反応することによって得ることができる。
このようにして得られたフェノール性水酸基含有樹脂は、フェノール性水酸基価20〜112mgKOH/g、好ましくは25〜110mgKOH/g、数平均分子量800〜7,000、好ましくは900〜5,000を有することが、仕上り性や防食性、特に乾燥膜厚15μmでの仕上り性と防食性向上のためにも好ましい。
本発明のカチオン電着塗料組成物において、有機バインダ(A)におけるカチオン性樹脂(a1)と、硬化剤(a2)と、フェノール樹脂やフェノール性水酸基含有樹脂などのその他樹脂との配合割合は、以下の範囲内であることが、塗料特性としての塗料安定性、かつ合金化溶融亜鉛メッキ鋼板上の電着塗装適性、仕上り性や防食性、特に、乾燥膜厚15μmの仕上り性や防食性に優れた塗装物品を得ることができる観点から適している。
カチオン性樹脂(a1):20〜75質量%、好ましくは30〜70質量%、
硬化剤(a2):10〜40質量%、好ましくは15〜35質量%、
その他樹脂:0〜50質量%、好ましくは5〜40質量%。
シラン縮合反応物(B)
本発明のカチオン電着塗料組成物は、アミノシラン(b1)と多シリル官能シラン(b2)とのシラン縮合反応物(B)を含有する。
上記アミノシラン(b1)は、1分子中に少なくとも1個の1級又は2級のアミノ基と加水分解性基とを有するシランカップリング剤である限り、特に制限されるものではない。上記加水分解性基は、特に制限されるものではないが、好適なものとして、珪素元素に直接結合するアルコキシシリル基を挙げることができる。
アミノシラン(b1)の具体例としては、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。なかでもN−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシランを好適に使用することができる。
上記多シリル官能シラン(b2)は、加水分解性基が結合したシリル基を1分子中に少なくとも2個有する化合物であり、例えば、下記一般式(I)で示される多シリル官能シランを挙げることができる。
Figure 2013253184
(式(I)において、R、R、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜30(好ましくは1〜4)の1価の有機基を示す。Yは、2価の有機基(好ましくは炭素数2〜4のアルキレン基)またはNH基を示す。XおよびXは、それぞれ独立して加水分解性基(好ましくはアルコキシル基)を示す。aおよびbは、それぞれ独立して0〜2の整数であり、かつ、0≦a+b≦2である。cおよびdは、それぞれ独立して、0〜2の整数であり、かつ、0≦c+d≦2である。)
上記多シリル官能シラン(b2)としては、なかでも1,2―ビス(トリエトキシシリル)エタン及び1,2―ビス(トリメトキシシリル)エタンから選ばれる少なくとも1種のシランであることが好適である。
上記アミノシラン(b1)と多シリル官能シラン(b2)とのシラン縮合反応物(B)は、アミノシラン(b1)と多シリル官能シラン(b2)とを、アルコール溶剤中で又は無溶剤下で、(b1)成分と(b2)成分との合計モル量1に対し、例えば、約1〜5倍モル量の水を添加して加水分解、縮合反応させることが好ましい。この加水分解、縮合反応は発熱反応であり、ゲル化などの急激な反応を抑制することが好ましく、例えば、(b1)成分と(b2)成分とを徐々に添加することが好適である。
シラン縮合反応物(B)は、重量平均分子量約1000〜20000程度であることが好適である。シラン縮合反応物(B)の重量平均分子量は、下記光散乱法により求めることができる。
光散乱法:マルバーン(Malvern)社製、ゼータサイザで静的光散乱測定を行い、ジム(Zimm) プロットを作成して重量平均分子量を求める方法。
本発明のカチオン電着塗料組成物における前記シラン縮合反応物(B)の配合割合は、前記有機バインダ(A)の固形分100質量部に基づいて、0.01〜10質量部、好ましくは0.1〜1.0質量部の範囲内であることが好適である。
本発明のカチオン電着塗料組成物の製造
カチオン電着塗料組成物の製造において、カチオン性樹脂(a1)と硬化剤(a2)と、必要に応じて配合されるフェノール樹脂、フェノール性水酸基含有樹脂などのその他の有機樹脂とを含有する有機バインダ(A)は、必要に応じて、界面活性剤、表面調整剤等の各種添加剤、有機溶剤等を十分に混合して調合樹脂とした後、上記調合樹脂を有機カルボン酸等で中和し、水溶化又は水分散化して樹脂エマルションとして使用することができる。なお、調合樹脂の中和には、一般的には、公知の有機カルボン酸を用いることができるが、中でも酢酸、ギ酸、乳酸又はこれらの混合物が好適である。
本発明のカチオン電着塗料組成物には、必要に応じて、例えば、顔料、触媒、有機溶剤、顔料分散剤、表面調整剤、界面活性剤等のその他の添加剤を塗料分野で通常使用されている配合量で含有することができる。なお、上記の顔料及び触媒としては、例えば、チタン白、カーボンブラック、ベンガラ等の着色顔料;クレー、マイカ、バリタ、炭酸カルシウム、シリカ等の体質顔料;トリポリリン酸二水素アルミニウム、リンモリブデン酸アルミニウム、酸化亜鉛(亜鉛華)等の防錆顔料;酸化ビスマス、水酸化ビスマス、乳酸ビスマス等のビスマス化合物;ジブチル錫オキサイド、ジオクチル錫オキサイド等の有機錫化合物;ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジオクチル錫ジベンゾエート、ジブチル錫ジベンゾエート等のジアルキル錫の脂肪族もしくは芳香族カルボン酸塩等の錫化合物などの触媒が挙げられる。
上記着色顔料、防錆顔料、体質顔料等の顔料や触媒は、これらに、例えば、顔料分散用樹脂、中和剤等を配合し、ボールミル、サンドミル、ペブルミル等の分散混合機中で分散処理して、微細粒子に分散した顔料分散ペーストとして使用することができる。これらの顔料の配合量は、有機バインダ(A)の固形分100質量部あたり1〜100質量部、特に10〜50質量部の範囲内が好ましい。なお、顔料分散用樹脂も有機バインダ(A)に包含される。
上記顔料分散用樹脂としては、公知のものが使用でき、例えば水酸基及びカチオン性基を有する基体樹脂、3級アミン型エポキシ樹脂、4級アンモニウム塩型エポキシ樹脂、3級スルホニウム塩型エポキシ樹脂等の樹脂を使用できる。
本発明のカチオン電着塗料組成物の製造方法は、本発明のカチオン電着塗料組成物を安定に製造できる方法である限り、特に制限されるものではなく、例えば、上記カチオン性樹脂(a1)と硬化剤(a2)などの有機バインダ(A)の樹脂エマルション、顔料分散ペースト、及び必要に応じ、その他の成分を配合し、脱イオン水、pH調整剤等で調整して、浴固形分濃度が通常5〜40質量%、好ましくは8〜25質量%、pHが1.0〜9.0、好ましくは3.0〜6.5の範囲内となるように行うことができる。
本発明のカチオン電着塗料組成物を用いた塗膜形成方法は、特に制限なく従来公知の方法で行うことができる。具体的には、カチオン電着塗料組成物を槽に入れて浴温15〜55℃、好ましくは20〜50℃浴とし、被塗物をカチオン電着塗料組成物の浴に浸漬し、被塗物を陰極として、塗装電圧50〜400V、好ましくは75〜370Vで、60〜600秒間、好ましくは80〜400秒間通電することが好ましい。
本発明の塗膜形成方法に適用可能な被塗物は、導電性を有する限り、特に限定されるものではなく、例えば、鋼板、亜鉛メッキ鋼板、合金化亜鉛(鉄−亜鉛、アルミニウム−亜鉛、ニッケル−亜鉛)メッキ鋼板、銅メッキ鋼板、錫メッキ鋼板、アルミニウムメッキ鋼板、銅板、アルミニウム板などの種々の金属板、これらの金属板にリン酸塩処理、クロム酸塩処理、複合酸化物処理などを表面処理を施した表面処理金属板などが使用される。
本発明の塗膜形成方法において、電着塗装により塗膜形成後、被塗物を必要に応じて水洗し、焼付オーブン中あるいは赤外線ヒーターなどの適当な方法で、被塗物表面温度が、通常、100〜200℃、好ましくは120〜180℃の範囲内の温度となるよう、通常、5〜90分間、好ましくは10〜50分間焼き付けを行うことによって被塗物上に硬化塗膜を形成することができる。
以下に、本発明の実施例及び比較例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。なお、以下、「部」及び「%」は特に断りのない限り、「質量部」及び「質量%」を示すものとする。
カチオン性樹脂(a1)の製造
製造例1 カチオン性樹脂No.1の製造例
温度計、還流冷却器、及び攪拌機を備えた内容積2リットルのフラスコに、デナコールEX−821(注1)185部、jER828EL(注5)950部、ビスフェノールAを456部及びテトラブチルアンモニウムブロマイド0.8部を加え、160℃でエポキシ当量800になるまで反応させた。次に、メチルイソブチルケトンを359部加え、次いで、ジエタノールアミンを150部及びジエチレントリアミンのメチルイソブチルケトンのケチミン化物を127部(純度84%、メチルイソブチルケトン溶液)を加えて120℃で4時間反応させ、樹脂固形分80%のアミン付加エポキシ樹脂であるカチオン性樹脂No.1溶液を得た。カチオン性樹脂No.1の樹脂固形分は、アミン価69mgKOH/g、数平均分子量2,400であった。
製造例2 カチオン性樹脂No.2の製造例
温度計、還流冷却器、及び攪拌機を備えた内容積2リットルのフラスコに、デナコールEX−931(注2)471部、jER828EL(注5)950部、ビスフェノールAを456部及びテトラブチルアンモニウムブロマイド0.8部を加え、160℃でエポキシ当量950になるまで反応させた。次に、メチルイソブチルケトンを430部加え、次いで、ジエタノールアミンを150部及びジエチレントリアミンのメチルイソブチルケトンのケチミン化物を127部(純度84%、メチルイソブチルケトン溶液)を加えて120℃で4時間反応させ、樹脂固形分80%のアミン付加エポキシ樹脂であるカチオン性樹脂No.2溶液を得た。カチオン性樹脂No.2の樹脂固形分は、アミン価60mgKOH/g、数平均分子量2,500であった。
製造例3 カチオン性樹脂No.3の製造例
温度計、還流冷却器、及び攪拌機を備えた内容積2リットルのフラスコに、グリシエールBPP−350(注4)340部、jER828EL(注5)950部、ビスフェノールAを456部及びテトラブチルアンモニウムブロマイド0.8部を加え、160℃でエポキシ当量900になるまで反応させた。次に、メチルイソブチルケトンを400部加え、次いで、ジエタノールアミンを150部及びジエチレントリアミンのメチルイソブチルケトンのケチミン化物を127部(純度84%、メチルイソブチルケトン溶液)を加えて120℃で4時間反応させ、樹脂固形分80%のアミン付加エポキシ樹脂であるカチオン性樹脂No.3溶液を得た。カチオン性樹脂No.3の樹脂固形分は、アミン価64mgKOH/g、数平均分子量2,500であった。
製造例4 カチオン性樹脂No.4の製造例
温度計、還流冷却器、及び攪拌機を備えた内容積2リットルのフラスコに、グリシエールPP−300P(注3)162部、jER828EL(注5)1000部、ビスフェノールAを440部及びテトラブチルアンモニウムブロマイド1.6部を加え、160℃でエポキシ当量800になるまで反応させた。次に、メチルイソブチルケトンを430部加え、次いで、2−メチルアミノ−1−エタノール130部を加えて100℃で4時間反応させ、樹脂固形分80%のアミン付加エポキシ樹脂であるカチオン性樹脂No.4溶液を得た。カチオン性樹脂No.4の樹脂固形分は、アミン価58mgKOH/g、数平均分子量2,200であった。
製造例5 カチオン性樹脂No.5の製造例
温度計、還流冷却器、及び攪拌機を備えた内容積2リットルのフラスコに、グリシエールPP−300P(注3)162部、jER828EL(注5)1000部、ビスフェノールAを440部及びテトラブチルアンモニウムブロマイド1.6部を加え、160℃でエポキシ当量800になるまで反応させた。次に、メチルイソブチルケトンを450部加え、次いで、4−エチルアミノ−1−ブタノール210部を加えて100℃で4時間反応させ、樹脂固形分80%のアミン付加エポキシ樹脂であるカチオン性樹脂No.5溶液を得た。 カチオン性樹脂No.5の樹脂固形分は、アミン価56mgKOH/g、数平均分子量2,200であった。
下記表1に、製造例1〜5の基体樹脂No.1〜No.5の配合内容及び特数を示す。
Figure 2013253184
表1中の(注)は、下記意味を有する。
(注1)デナコールEX−821:ナガセケムテックス社製、商品名、前記一般式(III)で示されるジエポキシド化合物(式(III)中、R=水素原子、X=1、Y=4)、エポキシ当量185、
(注2)デナコールEX−931:ナガセケムテックス社製、商品名、前記一般式(III)で示されるジエポキシド化合物(式(III)中、R=CH基、X=1、Y=11)、エポキシ当量471、
(注3)グリシエールPP−300P:三洋化成工業社製、商品名、前記一般式(III)で示されるジエポキシド化合物(式(III)中、R5=CH基、X=1、Y=7)、エポキシ当量296、
(注4)グリシエールBPP−350:三洋化成工業社製、商品名、前記一般式(IV)で示されるジエポキシド化合物(式(IV)中、R=CH基、m+n=3)、エポキシ当量340、
(注5)jER828EL:三菱化学社製、商品名、前記一般式(II)で示されるビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量190、数平均分子量380。
合成例1 キシレンホルムアルデヒド樹脂の製造
温度計、還流冷却器及び撹拌機を備えた内容積2リットルのセパラブルフラスコに50%ホルマリン480部、フェノール110部、98%工業用硫酸202部及びメタキシレン424部を仕込み、84〜88℃で4時間反応させた。反応終了後、静置して樹脂相と硫酸水相とを分離した後、樹脂相を3回水洗し、20〜30mmHg/120〜130℃の条件で20分間未反応メタキシレンをストリッピングして、粘度1,050mPa・s(25℃)のフェノール変性されたキシレンホルムアルデヒド樹脂480部を得た。
製造例6 カチオン性樹脂No.6の製造例
フラスコに、jER828EL(注5)1140部、ビスフェノールA 456部及びジメチルベンジルアミン0.2部を加え、130℃でエポキシ当量820になるまで反応させた。次に、メチルイソブチルケトンを420部加え、次いで、合成例1で得たキシレンホルムアルデヒド樹脂300部を加え、次いで、ジエタノールアミンを95部及びジエチレントリアミンのメチルイソブチルケトンのケチミン化物を127部(純度84%、メチルイソブチルケトン溶液)を加えて120℃で4時間反応させ、樹脂固形分80%のアミン付加エポキシ樹脂であるカチオン性樹脂No.6溶液を得た。カチオン性樹脂No.6の樹脂固形分は、アミン価47mgKOH/g、数平均分子量2,500であった。
フェノール性水酸基含有樹脂の製造
製造例7 フェノール性水酸基含有樹脂溶液の製造例
温度計、還流冷却器、及び攪拌機を備えた内容積2リットルのフラスコに、jER828EL(注5)730部、ビスフェノールAを670部及びテトラブチルアンモニウムブロマイド1.6部を加え、160℃でエポキシ価が0.02以下になるまで反応させた。 次に、メチルイソブチルケトンを226部加え、樹脂固形分80%のフェノール性水酸基含有樹脂溶液を得た。フェノール性水酸基含有樹脂の樹脂固形分は、フェノール性水酸基価は80mgKOH/g、数平均分子量は1,400であった。なお[エポキシ樹脂におけるエポキシ基]/[ビスフェノール化合物のフェノール基]の当量比=0.65である。
硬化剤(a2)の製造
製造例8 ブロック化ポリイソシアネート硬化剤の製造例
反応容器中に、コスモネートM−200(商品名、三井化学社製、クルードMDI)270部及びメチルイソブチルケトン127部を加え70℃に昇温した。この中にエチレングリコールモノブチルエーテル236部を1時間かけて滴下して加え、その後、100℃に昇温し、この温度を保ちながら、経時でサンプリングし、赤外線吸収スペクトル測定にて未反応のイソシアナト基の吸収がなくなったことを確認し、樹脂固形分80%の硬化剤を得た。
製造例9 顔料分散用樹脂の製造例
jER828EL(注5)1,010部に、ビスフェノールAを390部、プラクセル212(ポリカプロラクトンジオール、ダイセル化学工業株式会社、商品名、重量平均分子量約1,250)240部及びジメチルベンジルアミン0.2部を加え、130℃でエポキシ当量が約1,090になるまで反応させた。
次に、この反応生成物に、ジメチルエタノールアミン134部及び90%の乳酸水溶液150部を加え、120℃で4時間反応させた。次いで、得られた反応生成物に、メチルイソブチルケトンを加えて固形分を調整し、固形分60%のアンモニウム塩型樹脂系の顔料分散用樹脂を得た。上記分散用樹脂の樹脂固形分のアンモニウム塩濃度は、0.78mmol/gであった。
製造例10 顔料分散ペーストの製造例
製造例9で得た固形分60%の顔料分散用樹脂8.3部(固形分5部)、酸化チタン14.5部、精製クレー7.0部、カーボンブラック0.3部、ジオクチル錫オキサイド1部、水酸化ビスマス1部及び脱イオン水20.3部を混合して、ボールミルにて20時間分散し、固形分55%の顔料分散ペーストを得た。
多シリル官能シランの合成
合成例2
還流冷却器、温度計、窒素導入管、攪拌機を取り付けた300mLの丸底フラスコに、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン100部を仕込み、60℃に昇温した。その後、60℃に保ちながら、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン100部を滴下し、さらに120℃で4時間反応させ、多シリル官能シラン(P1)を得た。
合成例3
還流冷却器、温度計、窒素導入管、攪拌機を取り付けた300mLの丸底フラスコに、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン100部を仕込み、60℃に昇温した。その後、60℃に保ちながら、3−アミノプロピルトリメトキシシラン100部を滴下し、さらに120℃で4時間反応させ、多シリル官能シラン(P2)を得た。
合成例4
還流冷却器、温度計、窒素導入管、攪拌機を取り付けた300mLの丸底フラスコに、3−アミノプロピルトリメトキシシラン100部を仕込み、20℃に昇温した。その後、20℃に保ちながら、3−イソシアナトプロピルトリエトキシシラン100部を滴下し、多シリル官能シラン(P3)を得た。
シラン縮合反応物(B)の製造
製造例11
還流冷却器、温度計、窒素導入管、攪拌機を取り付けた1Lの丸底フラスコに、イソプロパノール200部、脱イオン水200部を仕込み、攪拌を開始した。気相に窒素を吹き込み、攪拌しながらN−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン90部、ビス(トリエトキシシリル)エタン10部を一度に投入した。60℃で6時間反応させた後、留分を除去しながら、プロピレングリコールモノメチルエーテルと交換し、沸点が120℃になるまで昇温した。その後、濃縮し、縮合反応物(B1)の不揮発分40%溶液を得た。得られた不揮発分40%のシラン縮合反応物(B1)溶液は、無色透明の粘調な液体であり、シラン縮合反応物(B1)の光散乱法による重量平均分子量は5,500であった。
製造例12〜21 (製造例20、21は比較用)
原料組成を下記表2に示す通りとする以外は製造例11と同様に行い各縮合反応物(B2)〜(B11)の不揮発分40%溶液を得た。
Figure 2013253184
樹脂エマルションの製造
製造例22 樹脂エマルションNo.1の製造例
製造例1で得られたカチオン性樹脂No.1溶液を62.5部(固形分50部)、製造例7で得られたフェノール性水酸基含有樹脂No.1溶液を25.0部(固形分20部)、製造例8で得られた硬化剤を37.5部(固形分30部)を混合し、さらに10%酢酸15.0部を配合して均一に攪拌した後、強攪拌下にて、脱イオン水179.0部を約15分間を要して滴下し撹拌して、固形分34%の樹脂エマルションNo.1を得た。
製造例23〜33 樹脂エマルションNo.2〜No.12の製造例
下記表3に示す配合内容とする以外は、製造例22と同様にして、樹脂エマルションNo.2〜No.12を得た。表3において、( )内は、固形分質量部を示す。
Figure 2013253184
(注6)サイメル232S:日本サイテックインダストリーズ社製、商品名、メチル・ブチル混合エーテル化メラミン樹脂、固形分100%、
(注7)ショウノールBRG−555:昭和高分子社製、商品名、フェノール樹脂、水酸基価534mgKOH/g。
カチオン電着塗料組成物の製造
実施例1
製造例22で得た樹脂エマルションNo.1を294.1部(固形分100部)、製造例10で得た55%顔料分散ペーストを52.4部(固形分28.8部)及び脱イオン水653.5部を混合して1,000部の浴とした。次いで、当該浴に、シラン縮合反応物(B1)溶液1.0部(固形分0.4部)を加えてカチオン電着塗料組成物No.1を得た。
実施例2〜28及び比較例1〜10
下記表4〜6に示す配合とする以外は、実施例1と同様にしてカチオン電着塗料組成物No.2〜No.38を得た。カチオン電着塗料組成物No.29〜No.38は、比較用である。表4〜6において、( )内の数値は固形分質量部を表す。
Figure 2013253184
Figure 2013253184
Figure 2013253184
カチオン電着塗膜を形成した試験板の作成と評価
化成処理(パルボンド#3020、日本パーカライジング社製、商品名、リン酸亜鉛処理剤)を施した冷延鋼板(70mm×150mm×0.8mm)を被塗物とした。
各カチオン電着塗料No.1〜No.38の浴を30℃に調整し、各浴中に被塗物を浸漬し、被塗物を陰極として電圧200Vにて通電時間180秒間の条件を基準にして、乾燥膜厚15μmとなるよう通電時間を調整してカチオン電着塗装を行った後、電着塗膜表面を水洗し、170℃で20分間焼付けて乾燥膜厚15μmの各試験板を得た。各試験板の評価は、下記の試験方法に従って行った。試験結果を下記表7〜9に示す。
Figure 2013253184
Figure 2013253184
Figure 2013253184
試験方法
(注8)仕上り性:試験板について、10cm×10cm中のピンホールの数を数えた:
◎:ピンホールの発生が認められない、
○:小さいピンホール(ガスヘコ)1個の発生が認められるが、中塗り塗膜にて隠蔽できる程度であり、問題なし、
△:ピンホールが2〜9個発生、又は大きなピンホールが1個発生、
×:ピンホールが10個以上発生。
(注9)耐温塩水浸漬性:試験板を、50℃の濃度5重量%の塩水に600時間浸漬した後、試験板を引き上げ、塗膜表面の水分を拭き取り除去し、ついで、塗膜表面にセロハン粘着テープを密着させ、瞬時にテープを剥離した。この剥離試験によって塗膜の剥がれた割合(%)を評価した:
◎:試験塗膜部に対して塗膜の剥がれた割合が5%未満、
〇:試験塗膜部に対して塗膜の剥がれた割合が5%以上で、かつ10%未満、
△:試験塗膜部に対して塗膜の剥がれた割合が10%以上で、かつ20%未満、
×:試験塗膜部に対して塗膜の剥がれた割合が20%以上。
(注10)防食性:試験板に、素地に達するようにナイフでクロスカットキズを入れ、これをJIS Z−2371に準じて、35℃にて塩水噴霧試験を1080時間行い、カット部からの錆及びフクレ幅のうちの最大幅によって、以下の基準で防食性を評価した:
◎:カット部から片側2mm未満、
〇:カット部から片側2mm以上、3mm未満、
△:カット部から片側3mm以上、4mm未満、
×:カット部から片側4mm以上。
(注11)塗料安定性:
各電着塗料組成物を30℃にて30日間容器を密閉して攪拌した。その後、各電着塗料組成物を400メッシュ濾過網を用いて全量濾過し、残渣量(mg/L)を測定した;
○:残渣量が、10mg/L未満、
△:残渣量が、10mg/L以上で、かつ15mg/L未満、
×:残渣量が、15mg/L以上。
(注12)総合評価:本発明の属するカチオン電着塗装の分野においては、カチオン電着塗料は、仕上り性、耐温塩水浸漬性、防食性及び塗料安定性の全てに優れていることが望ましい。また、上記4項目がいずれも最高評価(仕上り性、耐温塩水浸漬性及び防食性については◎;塗料安定性については○)であることが最も望ましい。
従って、下記の基準に従い、総合評価を行った:
◎:仕上り性、耐温塩水浸漬性及び暴露耐食性が◎であり、かつ塗料安定性が○である、
○:上記4項目が◎又は○であり、かつ◎が2個以下である、
△:上記4項目が◎、○又は△であり、少なくとも1個△がある、
×:上記4項目のうち、少なくとも1つ×がある。

Claims (11)

  1. カチオン性樹脂(a1)を含有する有機バインダ(A)、及びアミノシラン(b1)と多シリル官能シラン(b2)とのシラン縮合反応物(B)を含有することを特徴とするカチオン電着塗料組成物。
  2. カチオン性樹脂(a1)がアミン付加エポキシ樹脂(a11)である請求項1記載の電着塗料組成物。
  3. 有機バインダ(A)が、カチオン性樹脂(a1)及び該カチオン性樹脂(a1)を硬化可能な硬化剤(a2)を含有することを特徴とする請求項1又は2記載の電着塗料組成物。
  4. 硬化剤(a2)が、ブロック化イソシアネート化合物及びアミノ樹脂硬化剤から選ばれる少なくとも1種の硬化剤である請求項3記載の電着塗料組成物。
  5. アミノシラン(b1)が、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン及び3−アミノプロピルトリエトキシシランから選ばれる少なくとも1種の化合物である請求項1〜4のいずれか一項に記載の電着塗料組成物。
  6. 多シリル官能シラン(b2)が、下記一般式(I)で示されるものである請求項1〜5のいずれか一項記載の電着塗料組成物。
    Figure 2013253184
    (式(I)において、R、R、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜30の1価の有機基を示す。Yは、2価の有機基またはNH基を示す。XおよびXは、それぞれ独立して加水分解性基を示す。aおよびbは、それぞれ独立して0〜2の整数であり、かつ、0≦a+b≦2である。cおよびdは、それぞれ独立して、0〜2の整数であり、かつ、0≦c+d≦2である。)
  7. 多シリル官能シラン(b2)が、1,2―ビス(トリエトキシシリル)エタン及び1,2―ビス(トリメトキシシリル)エタンから選ばれる少なくとも1種のシランである請求項6記載の電着塗料組成物。
  8. シラン縮合反応物(B)におけるアミノシラン(b1)及び多シリル官能シラン(b2)の使用割合が、(b1)/(b2)のモル比で、50/50〜99/1である請求項1〜7のいずれか一項記載の電着塗料組成物。
  9. 上記有機バインダ(A)の固形分100質量部に基づき、上記縮合反応物(B)の固形分量が0.01〜10質量部の範囲内である請求項1〜8のいずれか一項記載の電着塗料組成物。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の電着塗料組成物を用いて、被塗物にカチオン電着塗装を施すことを特徴とする塗膜形成方法。
  11. 被塗物上に、請求項1〜9のいずれか一項に記載の電着塗料組成物による電着塗膜が形成された物品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016530369A (ja) * 2013-08-12 2016-09-29 ビーエーエスエフ コーティングス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツングBASF Coatings GmbH ゾル−ゲル組成物を含む、導電性基材のためのディップ−コーティング組成物
CN109370401A (zh) * 2018-09-28 2019-02-22 河北晨阳工贸集团有限公司 一种耐高温阴极电泳涂料及其制备方法
WO2023140053A1 (ja) * 2022-01-21 2023-07-27 日本パーカライジング株式会社 表面処理剤並びに皮膜を有する被処理材及びその製造方法

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